~2月13日~
葉留佳「そして自分で渡すのが恥ずかしいから、私に変装して渡してほしい…と」
佳奈多「そ、そうよ!文句ある!?ほら私の瞳の色のカラコンも」
葉留佳「文句大有りに決まってんだろぉぉがぁぁぁ!!」チョップ
佳奈多「痛っ!」
葉留佳「はぁ!?変装させるって何!?私が変わりに渡すならまだ……いやそれもないけど!」
佳奈多「だ、だって直接「二木佳奈多」から渡さなきゃ感謝の気持ちが伝わらないじゃない!はい、カラコン」スッ
葉留佳「いやいや、いくら変装しようが渡すのは「三枝葉留佳」デスヨ?!」
佳奈多「本人が気付かなければ別に良いのよ」
葉留佳「よくないでしょ!ていうか何で自分で渡さないのさ?」
佳奈多「は、恥ずかしい…じゃない」カァァ
葉留佳「~!このチキンお姉ちゃんは~!」
佳奈多「なんですって!」
ギャーギャー
ギャー
…
葉留佳「はぁ……はぁ……そもそも感謝の気持ちって、恭介サンてお姉ちゃんにに迷惑しかかけてなく無い?」
佳奈多「……二日前の話よ。あ、勿論みんなには内緒にしなさいよ」
葉留佳「ラジャー!」
佳奈多(大丈夫かしら、この子に話して)ハァ
~2月11日~
佳奈多(ふぅ…寮長の仕事ってのも結構大変ね。あーちゃん先輩を侮ってたかも)
佳奈多(使われてない部屋の掃除なんて、ダス○ンにでも任せたら良いのに)
………
……
佳奈多「やっと終わった……ん、袖が濡れてるわね。腕まくりしちゃお」グイッ
佳奈多「さて掃除用具片付けに行って今日の仕事は終わりね」
モブA「おいアレ……」
モブB「何だアレ、気持ち悪…」
モブC「アレ女子寮長だよな、うわぁ……」
モブD「時風!時風はどこ!?」
~2月13日~
葉留佳「ちょっとモブA~C○してくるね」ニコッ
佳奈多「ま、待ちなさい葉留佳」アタフタ
~再び2月11日~
佳奈多(大丈夫……これは私が葉留佳を守った証…人に気味悪がられたっ大丈夫…よ。。)ウルッ
モブA「おい、寮長泣いてね?(笑)」
モブB「ホントだ、涙目やん(笑)」
??「お前ら、いい加減にしとけ。寄ってたかってそういうことを言うのは感心しないな」
モブC「げっ、棗……」
恭介「それ以上なんか言うと俺やコイツ等が黙ってないと思うが」
モブB「コイツ等?」
真人・謙吾「……」ギロッ
モブA「ひっ…」
真人「けっ、鮹の子を散らすよように逃げて行きやがったぜ」
謙吾「それを言うなら蜘蛛の子を、だ。」
恭介「まぁあんな奴らなんて放っておけば良いさ」チラッ
佳奈多「………」
恭介「あーお前等、悪いが先に練習戻っててくれ」
真人「? わかったよ」
謙吾「あまり遅れるなよ」
――――
恭介「二木……大丈夫か?」
佳奈多「別に、助けてもらわなくても…だ、大丈夫でしたから」
恭介「ははっ、いつも通りのお前で安心したよ」ファサッ
佳奈多「これは……貴方の制服…?」
恭介「制服は理樹や三枝経由でその内返してくれりゃ良いから」ニカッ
佳奈多「え、ちょ…ま、待ちなさい!」
恭介「じゃあな、二木」ダッ
佳奈多「あ……行っちゃった……棗先輩。。」ギュッ
~2月13日~
佳奈多「ってことがあったのよ」
葉留佳「ほうほう、さすが恭介サンですなぁ~」ニヤリッ
葉留佳「でも借りたのが一昨日なら昨日制服返したんでしょ?その時にお礼したんじゃないの?」
佳奈多「……」ユビサシ
葉留佳「ん?」
佳奈多の部屋の壁『恭介の制服』チーン
葉留佳「二日間借りっ放しかいっ!!」ビシッ
佳奈多「だって恥ずかしいじゃない!でもやっぱり私自身の手から返したいし…! そうだ、葉留佳!カラコンあげるから今から棗先輩に」
葉留佳「自分で返しなさ~い!!」
ガチャ
クド「わふーお風呂上がりましたよ、佳奈多さん…わふっ、葉留佳さんもいるのです!」
葉留佳「やはは、お邪魔してるよクー公」
葉留佳「とにかく!さっきの件は自分でやらなきゃダメだからね、お姉ちゃん」
佳奈多「は、葉留佳。私を見捨てる気…?」
葉留佳「それじゃあ二人ともおやすみ~♪」バタンッ
クド「おやすみなのです」
佳奈多「……はぁ」ガクッ
クド「?」
~2月14日朝・佳奈多の教室~
佳奈多(チョコレートは用意した。制服も綺麗に畳んだ)
佳奈多(大丈夫……大丈夫よ、落ち着きなさい二木佳奈多。貴方ならできるわ)グッ
佳奈多(今は朝のHR前…さすがにこの時間には直枝理樹達の教室に来てないでしょう)
佳奈多(放課後、リトルバスターズメンバーが渡してる中にしれっと紛れ込めば大丈夫なはず!)
~同時刻・理樹達の教室~
小毬「みんなにチョコレートだよ~!」
来ヶ谷「ふふ、おねーさんのチョコありがく受けとっておけ」
美魚「あくまで義理、ですから」
クド「一生懸命作ったのでぜひ食べてくださいです~」
鈴「よ、喜べ。私もお前等にチョコをやる!」
葉留佳「はるちんも頑張ったのですよ!」
真人・謙吾・恭介「お、おぉぉぉぉ!リトルバスターズ最高おぉぉぉぉ!」
理樹「ははは、みんなありがとう」ニコッ
真人「うぅ……理樹以外から初めてチョコを貰ったぜ」グスッ
鈴「毎年理樹だけか。きしょいな」
美魚「直枝×井ノ原……やはり美しくないです」
小毬「でもみんなで一緒に渡せて良かったよ~」
美魚「確かに…いくら義理といえど、一対一で渡すのは緊張しますからね」
葉留佳「やはは…そうですな」
恭介「男としてもそれは緊張するシチュエーションだな」ウンウン
鈴「というかなんでお前は制服の上着を着てないんだ?へんたい」
恭介「」ガーン
葉留佳(お姉ちゃん、ハードル爆上げ中だよ)アハハ…
~昼休み(葉留佳奈多の教室)~
葉留佳「てなわけで朝の内に皆で渡しちゃいました☆」テヘペロッ
佳奈多「」
佳奈多「終わった……一対一で渡せる訳無いじゃない…orz」ガクッ
佳奈多「それにリトルバスターズメンバーはみんな、手作りなんでしょう?私なんて市販品よ、時間なかったし」
佳奈多「はぁ……葉留佳のは良いとして、小毬さんや来ヶ谷さんの手作りチョコのあとに私の市販品……」
佳奈多「渡せる訳無い……」
葉留佳(何この可愛い生き物。ていうかさりげなくはるちん馬鹿にされた?!)
葉留佳「でもさ、お姉ちゃん。お姉ちゃんがホントに恭介サンに受けとって欲しいのは何?」
佳奈多「ぇ…?」
葉留佳「チョコレートでも制服でもなく感謝の気持ち、でしょ?」
佳奈多「……ぅん。。」
葉留佳「だったら例えチョコが市販でも、どんなに恥ずかしくても一対一で伝えなきゃダメだと思うよ」
佳奈多「………うん」
葉留佳「応援してるから……頑張ってね、お姉ちゃん」
佳奈多「…………葉留佳、カラコ」
葉留佳「いい加減にしなさい!」クワッ
~放課後・寮長室~
佳奈多(今頃リトルバスターズは野球をしてるのよね……)
佳奈多(とりあえず制服を返したいから野球終わったらメールくださいと連絡したけど)
佳奈多(緊張で胃が敗れそう……)ガクガク
ガラッ
あーちゃん先輩「やっほ~かなちゃん元気してる?」
佳奈多「あーちゃん先輩?!」
あーちゃん先輩「久しぶりにかなちゃんに会いたくなっちゃてね~♪」
あーちゃん先輩「あ、はいこれ友チョコ♪」
佳奈多「あ、ありがとうございます…」
あーちゃん先輩「……」
あーちゃん先輩「ふむ、男ね」
佳奈多「!?」
佳奈多「ななななに言ってるんですか!」
あーちゃん先輩(あはは…かなちゃんわかりやすすぎ)
あーちゃん先輩「別に私は単に『男』とさか言ってないけど~?」
あーちゃん先輩「それともこれから誰か好きな男の人にチョコを渡したりするのかな~」ニヤニヤッ
佳奈多「ぅ……別に好きとかじゃないですし…ただ感謝を……うぅ…//」モジモジ
あーちゃん先輩(何この可愛い生き物、飼いたいんですけど)
~同時刻・グランド~
葉留佳「む!」
真人「どうした、冴えないイルカ」
葉留佳「強烈なライバルの登場をはるちんの直感が告げているのでありますよ」
真人「?」
~再び寮長室~
あーちゃん先輩「まぁかなちゃんが誰に渡すかわからないけどさ」
あーちゃん先輩「渡し損ねて後悔するようなことにはならないようにね?」
佳奈多「あーちゃん先輩……」
あーちゃん先輩(かなちゃんが渡す相手…本命直枝君対向馬に宮沢君ってとこかしら……ん?)
あーちゃん先輩「かなちゃん、その袋に綺麗に畳んで入ってるのて、うちの男子の制服よね?」
佳奈多「あっ!」トッサニカクス
あーちゃん先輩「……そういえば一昨日から恭介君、制服の上着着てないわね~真冬なのに」ニヤニヤ
佳奈多「そ、そうなですか。初耳です…」アセダラダラ
あーちゃん先輩「……かなちゃん」ガシッ
佳奈多「はいっ!?」
あーちゃん先輩「正直に言うけど、恭介君は同級生からもかなり沢山チョコ貰ってたよ…」
佳奈多「う……」
あーちゃん先輩「茨の道でライバルも多いけど…私はかなちゃんの恋路を応援してるから!」グッ
佳奈多「だから恋じゃないですってっ!」
あーちゃん先輩「それでは成功を祈ります!」バタンッ
佳奈多「行っちゃった……!」
JUST WILD BEET COMMUNICATION アメニウタレナガラ~♪
佳奈多「棗先輩からのメール……」
『今練習終わったんだが、どこに行けば良い?』
佳奈多(私が……本当に受け取ってほしいのは……)
佳奈多「……よしっ!」メールポチポチ
~野球部兼リトルバスターズ部室~
ガチャ
恭介「悪いな、わざわざ来てもらって」
佳奈多「いえ、制服をお借りしていたのはこちらでしたので。ではコレを」スッ
恭介「おう、確かに受け取った。綺麗に畳んでもらって悪かったな」ニカッ
佳奈多「いえ……」
恭介「…? それじゃ俺はもう行くが、二木は三枝とここで待ち合わせか?」
佳奈多「あ……えっと。。」
恭介「なんだ、煮え切らないな。まさかなんか俺を除けモノにして新しいゲームの話し合いが行われるのか?!」ガビーン
佳奈多「いえ、そんなことはないですから……」
佳奈多(言うの、言うのよ、二木佳奈多…私の伝えたかった気持ちを)
恭介「そうか…なら良かったぜ。じゃあ俺は行くから戸締まりは」
「あ、ありがとうございましたっ!」
恭介「へ?」
佳奈多「この前、腕の傷のことを言われていた時……庇ってくれて、傷を隠すために制服まで貸してくれてっ…」
佳奈多「貴方も私の傷を見たのに全然態度に出さなくてっ……」
佳奈多「コレ!私の感謝の気持ちです!」スッ
佳奈多「し、市販品ですけど……受けとってくださいっ!」スッ
恭介「……」
佳奈多(うぅ…///…言うべきことは全部言ったわよね、なんで黙ってるのよ…)カァァ
恭介「二木……」
佳奈多「はい…?」
恭介「最ッッ高に嬉しいぞ!」ガシッ
佳奈多「ふえぇ!!?///」
恭介「だってあの泣く子も黙る二木佳奈多だぞ!?その二木佳奈多が顔真っ赤にして、チョコをくれるなんて…もう市販品とか関係ねーよ!!」
佳奈多(え!?いま私って顔真っ赤なの!?)
恭介「それにな、二木。あの日俺がやったことは全部当たり前のことだぞ?」
恭介「あそこにいたのが理樹でも鈴でも…きっとみんな同じことをしたさ」
恭介「確かにお前は一緒に野球こそしてないが、俺達の大切な仲間だからな」ニコッ
佳奈多「……はいっ。。。」グスッ
恭介「お、おい何で泣いてるんだよ」アタフタ
佳奈多「緊張の糸が……ひっく……切れたんですぅ………」グスッ
恭介「そ、そうか。しかし端からみたら俺が泣かしたようにしか見えんのd」
ガチャ
葉留佳「お姉ちゃん、うまく渡せましたかい!?」ピョコ
恭介「」
佳奈多「ひっく……」グスンッ
葉留佳「……あー、もしもし姐御?一人断罪してほしい罪人を見つけたのでヨロシクお願いしますヨ」
恭介「」
~その夜・理樹の部屋~
理樹「へぇ~そんなことが。。」
恭介「あぁ、全く死ぬかと思ったぜ」
真人「つーかよー、話聞いてて思ったんだが、俺や謙吾っちも二木にチョコもらえるんじゃねぇ」
謙吾「どうだろうな。確かにあの場にいたが、俺達がしたことはただクズを睨み付けただけだぞ?」
真人「そうだけどよー」
恭介「まぁもう良いじゃねか。バレンタインももうすぐ終わりだぞ?」
真人「かー、勝ち組の余裕あるやつは違うねぇ」
謙吾「じゃあ久しぶりに全力神経衰弱でもでもやるか!」マーン
真人・恭介「しゃああ!燃えてきたぁぁぁ!」
理樹「あはは。。」
~同時刻・佳奈多の部屋~
佳奈多「ふふ、制服もチョコも渡せたし、感謝の気持ちもしっかり伝えたわよ」ドヤァァァハルカァァ
葉留佳「いやいやお姉ちゃん、号泣してたじゃん。もう少しで恭介サンを亡きモノにするところでしたヨ?(姐御が)」
佳奈多「う。。それについては来ヶ谷さんにも棗先輩にも謝ったじゃない!」
葉留佳「にしても……なんで恭介サンだけなの??」
佳奈多「え?」
葉留佳「だって真人くんや謙吾くんもお姉ちゃんを助けてるよねぇ?」
葉留佳「……もしかしてお姉ちゃん恭介サンのこと」
佳奈多「う、うるさい葉留佳!クドリャフカももうお風呂出るし、この話は終わり!はい、部屋に帰る」
葉留佳「ちぇ~おやすみ~」バタンッ
葉留佳(まぁお礼言ったりチョコ渡したりするのに、あんなに恥ずかしがるって時点でミエミエなんですけどネ)ニヤニヤッ
佳奈多「全くあの子ったら…」
佳奈多「………」
佳奈多「ホワイトデー……お返しくれるかなぁ…」ボソッ
佳奈多「………♪」
バレンタインデー編・完
~時は流れ3月13日・佳奈多・クドの部屋~
クド「佳奈多さん、お風呂空きましたよー」
佳奈多「そうね」
クド「早く入らないと冷めてしまいますよー?」
佳奈多「そうね」
クド「……佳奈多さんの妹さんて井ノ原さんでしたっけ??」
佳奈多「そうね」
クド「じゅ、重傷なのです。。」
佳奈多「そうね」
~葉留佳の部屋~
葉留佳「で、クー公は私のところに来たと」
クド「わふっ!佳奈多さんの一大事はまず葉留佳さんに言わねばならないと思いまして!」ビシッ
葉留佳「ん~偉いぞ~クー公」ナデナデ
クド「わふー♪」
葉留佳(まぁ理由は明日のホワイトデーだよね~、おそらく恭介サンからお返しもらえるかで気がきじゃないんデスネ)ニヤニヤッ
クド「葉留佳さんは佳奈多さんがあぁなった理由がわかるのですか~??」
葉留佳「んーわかんないよぉ~♪」
クド「絶対分かってる顔です!?」ガビーン
葉留佳(あれ…でも明日って……)
~同時刻・理樹と真人の部屋~
恭介「これより」
恭介「第一回」
恭介「ホワイトデー対策会議を始める」パフパフ~
謙吾「卒業式直前なのに元気なやつだ」
恭介「バッカ野郎!残りの時間が少ないから騒ぐんだろうが」
理樹「でも対策会議で何するの?」
真人「チョコやらクッキーやらマシュマロやらはもう買ってあるぞ」
謙吾「だな。あとは放課後にでも渡すだけだ」
恭介「お前等、明日がどういう日かわかってるのか」
葉留佳「今日が金曜ってことは、明日は……」
――――
恭介「土曜日、つまり学校が無いんだぜ?リトバス女子メンバーにお礼もかねてどっかへ行こうぜ!」ヒャッホーイ
――――
葉留佳「ま、まぁお姉ちゃんもそれぐらい分かってるよね、うん。。」
クド「わふ?」
――――
佳奈多(貰える……もし貰えた場合いつかしら?やっぱり放課後にさりげな~く練習に顔出してみたり…)
佳奈多(ううん、前回の反省を生かして朝のHR前ってのも)
佳奈多(あ、でもどうせなら一対一で貰いたい…かも…)
~再び理樹の部屋~
理樹「そっか、今日金曜だっけね」
真人「でもお前とか謙吾とかお返し行かなくて良いのかよ、いっぱい貰ってたじゃねーか」
謙吾「別に月曜でも良いだろう。それに確実に一度に6人お返しできるならこっちを優先するさ」フッ
恭介「そういうことだ。おっと女子メンバーには内緒にしておいて、朝いきなり呼び出すぞ」ニヤッ
恭介「車は俺が出すから安心しろ」
真人「なんか面白くなってきたな!」
理樹「ふふ、そうだね」
~そして3月14日~
佳奈多「ほら、クドリャフカ。早く起きなさい!」
佳奈多(決めたわ。やっぱり朝のHR前よ!一対一はやっぱり恥ずかしかったし……)
佳奈多(葉留佳を探しに来たという理由で直枝達のクラスに顔を出せばきっと)グッ
クド「わふ~…佳奈多さんお休みでも早起きで偉いですぅ……」ゴシゴシ
佳奈多「…………え?」
クド「わふ~?なんで土曜日なのに制服着てるですかぁ?!」
佳奈多「…………は?」
佳奈多「」
クド「か、佳奈多さーん?」フリフリ
クド「! わふ、リキから電話です~」
クド「佳奈多さん、ちょっと失礼しますっ」タッタッタ
佳奈多「」
――――
葉留佳「皆で車でどこか行く?」
真人『おう!恭介の奴が車出すからよ!もしかして都合悪かったか?』
葉留佳「う、ううんそんなことないよ!」
真人『そっか!だったら一時間後に校門の前集合な!』プツン
葉留佳「……あちゃー。。」
――――
~佳奈多・クドの部屋~
佳奈多「……はぁ。。」←私服に着替えた
佳奈多「まさか今日が土曜日だなんて……しかもリトルバスターズメンバーでお出かけ……」
佳奈多「私、何やってたんだろ……」
バンッ!
葉留佳「お姉ちゃん!」
佳奈多「葉留佳?あなたそろそろ出発の時間じゃないの?!」
葉留佳「お姉ちゃんも!行くの!!」
佳奈多「え!?でも車の定員だってあるし……それに今日はリトルバスターズメンバーの集まりだし。。。」
葉留佳「あーもう、じれったい!」ウデツカミ
佳奈多「ちょ、葉留佳!?」
葉留佳「定員は大丈夫、クー公が姐御の膝の上だから!」
佳奈多「で、でも…」
葉留佳「お姉ちゃんは!今日恭介サンといたいんでしょ!?」
葉留佳「だったら行こう!ネ?」
佳奈多「………うん」ギュッ
――――
真人「お、やっと来たな」
クド「わふー佳奈多さんも一緒にお出かけです~」
来ヶ谷「ふむ、君がこういったことに参加するとは意外だな」クスッ
佳奈多「あ、あなた達が変なことしないかどうかの監視ですからっ」プイッ
葉留佳(うちのお姉ちゃんマジ天使)
恭介「よしそれじゃあ乗り込め。二木は助手席じゃなきゃダメだったんだよな、三枝」
佳奈多「!?」
葉留佳「うん、お姉ちゃん後部座席だとすぐ酔っちゃうから」アハハ
佳奈多「ちょ…葉留佳、あなた何言ってるのよ」コソコソ
葉留佳「まぁまぁ良いじゃないですか~」ニヤッ
恭介「よし、それじゃあ出発だ!」
――――
恭介「にしても、まさかお前が来てくれるとはな」
「お菓子食べよ~」
佳奈多「先程言った理由もありますし、葉留佳に誘われましたし」
「井ノ原さん、あまりこちらに寄らないで下さい。訴えますよ?」
恭介「鬼の風紀委員長も妹の頼みは断れないか」フッ
「く、来ヶ谷さんどこ触ってるですかぁ…わふぅ…///」エクスタシ-
佳奈多「まぁそういうことです。安全運転でお願いしますよ?」
恭介「了解した」
佳奈多(どうしよう……全然いつもの私と変わらない)
佳奈多「そういえば、何処に向かっているんですか?」
恭介「んー悪いが、二木にも教えられないな。そうだ、神北!今日はお菓子ストップで頼む!」
「はーい」
佳奈多「………(どうしよう、会話が無い)」
「真人君、お菓子食べちゃダメだって~」
恭介「……あれから」
「何!?筋肉が死んじまうぞ!」
佳奈多「え?」
「というか真人クンは目的知らないんですか?」
恭介「あれから同じような冷やかしは受けてないか?」
「聞いたけど忘れちまった」
佳奈多「大丈夫です、あなたや井ノ原、宮沢に恐れてるだけでしょうけど」
「コイツあほだ!」
恭介「それは良かった。あいつ等も3年だからもうすぐ学校からいなくなるさ」クスッ
「はい、阿保ですね」
佳奈多「心配……してくれてたんですか?」
「それは同意だが……来ヶ谷、先程から能美が動いていないように見えるが」
恭介「? 当たり前じゃないか」キョトン
「あぁ…彼女はヘヴン状態だからな」
佳奈多「………そ、そうですか///」カァァ
~しばらくして~
恭介「よし着いたぞ」ガチャ
佳奈多「此処は…?」
鈴「なんだ?普通のビルじゃないのか?」
小毬「まさか……!」
恭介「流石に神北は感づいたようだな、そう!此処はスイパラことスイーツパラダイスだ!」ドンッ!
小毬・鈴・葉留佳・佳奈多・クド「!!!」
真人「あ、クド公復活した」
恭介「勿論、二木の分の予約もバッチリだし料金も全て男持ちだ」
来ヶ谷「ふむ、悪くないな」
美魚「楽しみです…」ソワソワ
理樹「みんな、喜んでるみたいで良かったよ」ニコッ
ガヤガヤガヤ
小毬「鈴ちゃん、一緒にあっちのケーキ食べましょ~」
鈴「わ、わかったから引っ張らないでくれ//」
真人「謙吾っち!どっちが多く食えるか勝負だ!」
謙吾「望むところだ!」
理樹「二人とも周りの迷惑にならないようにね」
葉留佳「美魚ちん美魚ちん、このパウンドケーキと私のパウンドケーキどっちが美味しい?」
美魚「そうですね、例えるなら恭介×直枝と井ノ原×筋肉ぐらいの違いです」パクパクッ
葉留佳「そんなにぃ!?」
来ヶ谷「さぁクド君、おねーさんが飛び切りのスイーツを選んでやる♪」
クド「わふー?楽しみですぅ!!」
来ヶ谷「そして食後はさっきの続きだ……」フフッ
ガヤガヤガヤ…
恭介「みんな、楽しんでくれてるみたいで嬉しいぜ」ニカッ
佳奈多「(また二人きり…)そうですね、棗先輩。ただ井ノ原や宮沢が行き過ぎた行為をした場合は」
恭介「わかってるさ。全く手厳しいな二木は。ん……?」ジーッ
佳奈多「これが社会では普通ですから。な、何ですか?(何?なんで見つめられてるの!?)」アセアセ
恭介「二木……クリーム付いてるぞ」フキフキ
佳奈多「」
恭介「よし取れた……って二木?」
佳奈多「」
佳奈多「はっ!」
恭介「おぉ、復活したか。いきなり動かなくなったからビビっちまったぜ」フーッ
「真人……マジでやるのか」
佳奈多「す、すいません…(あれ私、何されたんだっけ)」
「あぁ、此処で行かなきゃ男じゃねぇ!」
恭介「………案外可愛いところあるんだな、二木は」フッ
「でもいくらなんでも無理だよ」
佳奈多「……ぅ、うるさいです//」カオマッカ
「だが謙吾のマカロンバベルの塔一気食いに勝つにはこれしかねぇんだ!」
佳奈多(うぅ…恥ずかしい…し、死んでやるんだからぁ)
恭介「ははっ、まぁそう怒るなよ二木」
「おい、真人の奴、目がマジだぞ!」
恭介「ん…このケーキで最後か。よし、じゃあ俺達もデザートまた取りに行くか」
「ちっ、早い!」
佳奈多「……はい♪」
「おりゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
恭介「お前等さっきから何騒いでんだよ……って」
佳奈多「どうしたんですか、棗先輩……って」
『チョコレートフォンデュに突っ込んだ井ノ原真人』
恭介「……」
佳奈多「……」
他メンバー「……」
~再び車内~
恭介「さてお前等楽しんだか?」
「は~い、美味しかったよ~」
「お腹いっぱいです~」
「チョコレート臭い、寄るな!」
恭介「じゃあ行くか!」ブロロ
佳奈多「ふう……あんだけ食べたあとでよく普通に運転できますね」
恭介「慣れればどうということないさ」
恭介「後ろは起きてるか~?」
「私と西園君以外寝ているぞ」
「直枝さんの寝顔…ありです」
恭介「真人はともかく、謙吾や理樹まで寝てるのか」
恭介「二木も寝たくなったら寝ていいからな」
佳奈多「いえいえ、運転手が寝ないように話し相手なりますよ」
恭介「そうか、それは有り難いな」フッ
佳奈多(そういえば普通に話せてるわ、私。。)
佳奈多「それでこれからどこに行くんですか?」
恭介「ん……終着点は決まってるんだが、まだ時間が早いからな」
恭介「食後の運動も兼ねてボウリングってとこだな」
「ふむ、あんだけカロリーを摂取したからな、良いかもしれん」
「しかし食後にすぐ運動は酷かと…」
恭介「まだもうしばらくかかるから、しっかり休んどいてくれ」
恭介「二木はどうだ、ボウリングに地震は」
二木「あまり無いですね……」
地震→自信
二木→佳奈多
佳奈多「どうせ何でも器用にこなすあなたは得意なんでしょう?」
恭介「おいおい、あんまり俺を課題評価しないでくれよ」
「来ヶ谷さん、何してるんですか?」
恭介「ボウリングはどちらかといえば謙吾の方が得意だし」チラッ
「真人少年と謙吾少年が理樹君を取り合ってる図を作っている」クスッ
恭介「来ヶ谷だって苦手じゃないだろうさ」
「真ん中の直枝さんが苦しそうですけど」
佳奈多「確かに、そうですね。もしかしたら宮沢より上手いかも」クスッ
佳奈多(そんな感じで棗先輩と他愛のない話をしている間に、ボウリング場に到着した)
恭介「よ~しお前ら起きろ~」
「むにゃ……眠ぃ……っておまえらきしょいぞ!」
「理樹クンと真人クンと謙吾クンの三角関係で戦争勃発ですカ?!」
「あわわわ、くーちゃんは見ちゃダメだよぉ」
真人「なんだよ……」
謙吾「ん、着いたのか?」
理樹「なんか苦しいんだけd」
他メンバー「」シラーッ
真人・謙吾・理樹「」
佳奈多(何はともあれ到着した)
恭介「さて、リトルバスターズボウリング大会inホワイトデーを開催する」パフパフ~
恭介「優勝チームにはさっきのスイパラの店でお持ち帰りしたケーキセットだ!」
恭介「もちろん罰ゲームもあるぞ?」
来ヶ谷「チーム対抗戦なのか」
恭介「ああ。ただそのチーム分けは俺が決めさせて貰った」
恭介「まぁ大体実力伯仲したつもりだ」
チーム分け
謙吾・クド・小毬
恭介・佳奈多
来ヶ谷・美魚
真人・鈴
理樹・葉留佳
理樹「よろしくね、葉留佳さん」
葉留佳「目指すは優勝ですヨ!」
葉留佳(お姉ちゃん、ガンバ!)
謙吾「まぁ気を抜いて、リラックスして投げてくれればいいさ」フッ
小毬「は~い!頑張るよ!」
クド「生まれて初めてのストライク出しますです!」
謙吾(生涯初…だと…)
来ヶ谷「まぁ最大のライバルだと思った宮沢少年は三投に一回だ、大丈夫だろう」
西園「でも私ボウリング場に来ること自体初めてですよ?」
来ヶ谷「………大丈夫だ、私がいる」
真人「おい」
鈴「寄るなホモ」
真人「わあぁぁぁぁぁぁあん、ホモって言うなぁぁぁぁ」
恭介「つーわけでよろしく頼むぜ、二木」
佳奈多「え、えぇ。車の中で私のボウリングの腕を聞いてきたのはこの為ですか」
恭介「まぁな。正直かなり各チームの力は拮抗してると思う」
恭介「一番のライバルは……おそらく理樹チームだろう」
恭介「期待してるぜ?」
佳奈多「過度な期待は困ります」プイッ
佳奈多(どうしよう……車の中ではあまり得意じゃないって言っちゃったけど)
佳奈多(そもそもボウリング自体初めて……っ)
佳奈多(つまらない見栄はるんじゃなかった…)ハァ
理樹「よしっ!」
葉留佳「理樹クンナ~イス!」
恭介「ふむ、やはり二人が安定して上手い二人は強いな」
謙吾「マーーン!!」
クド「わふ~10本倒れたですぅ」
来ヶ谷「クド君が一投目をガターに入れてくれて助かったな」
美魚「すいません、来ヶ谷さん私もガターでした」
来ヶ谷「……私も10本倒そう」
鈴「そりゃ」ゴロゴロ
真人「だー!なんでお前のボールはガター越して隣のレーンに行くんだよ」
鈴「うっさいホモ!」
恭介「一投目だ、緊張せず投げればいいさ」
佳奈多「は、はい…」
佳奈多(葉留佳が半分以上倒してたんだし、西園さんやクドリャフカみたいにはならないはずッ!)ゴロゴロ
佳奈多(! やった!8本倒れたわ、8本!)
来ヶ谷「両端を残したスプリットか…」
謙吾「あれはなかなか難しいぞ」
佳奈多(あれ……?もしかして私…やらかしちゃった?)シュン
恭介「ありがとな、二木」ナデ
恭介「あとは任せとけ」ニヤッ
佳奈多「あ……はい…」ポケー
恭介「はっ!」ゴロゴロカーンカーーン!
理樹「さすが恭介……取ってきたね」
佳奈多(その後もボウリング大会は続いた)
佳奈多(基本的には私と西園さん、クドリャフカに神北さんが足を引っ張り)
佳奈多(来ヶ谷さん、棗先輩、宮沢が盛り返す展開)
佳奈多(井ノ原ペアと直枝ペアは各々が点を取っていった)
佳奈多(そして―――)
恭介「俺の予想通り良い勝負になったな」
佳奈多「けど……」
1位 理樹チーム
2位 来ヶ谷チーム
3位 謙吾チーム
4位 真人チーム
5位 恭介チーム
恭介「まぁ俺達が最下位なんだが」
佳奈多「……ごめんなさい。。」
葉留佳(お姉ちゃん、スプリット出しすぎ…)アハハ…
理樹「まさかの一位だったね」ケーキゲット
葉留佳「うっしっし、それじゃあ罰ゲームは……」
佳奈多・恭介「……」ゴクッ
葉留佳「ズバリ!今日終わるまで二人は下の名前呼びですヨ!」
佳奈多「!?」
恭介「なんだ、そんなのでいいのか」ケロッ
葉留佳「お~強気ですネ、恭介サン」
恭介「これぐらい永遠のリーダー棗恭介にかかれば楽勝だぜっ!」グッ!
葉留佳「じゃあどうぞ~!」
恭介「か……佳奈多!」
他メンバー「おぉ~!」
葉留佳「じゃあ次はお姉ちゃん!」
佳奈多「」
葉留佳「お~い……」
佳奈多「」
来ヶ谷「これはもうダメだな……」
恭介「……よし、撤収~」
~三度車内~
佳奈多「……はっ!」
恭介「起きたか、佳奈多」
佳奈多「っ……は、はい。ご迷惑おかけしました」
「お姉ちゃん起きたー?」
佳奈多「迷惑かけてごめんなさいね、葉留佳」
佳奈多(あとで覚えておきなさいよ、葉留佳~!)
「それで佳奈多さんは恭介さんを下の名前で呼ばないですか~?」
佳奈多(クドリャフカ何言ってるの!?)
「早くよべ。あたふくきょーすけをみたい」
佳奈多(棗さんまで!?)
佳奈多「きょ……きょうすけ……」ボソッ
「ん~聞こえないな」ニヤッ
佳奈多「きょ……!」
恭介「盛り上がってるとこ悪いが、そろそろ最後の目的地だぞ」
「恭介~最後はどこに行くの?」
恭介「ふふふ、最後は此処だぜ」ガチャ
佳奈多「此処は…」スタッ
美魚「幻想的、ですね…」
小毬「わ~イルミネーションだ~!」
クド「わふ~キレイです~」ウットリ
恭介「じゃあちょっと歩こうぜ」スタスタ
佳奈多「ええ。。」
クド「あの二人、いい雰囲気なのです」ヒソヒソ
理樹「うん、邪魔しちゃ悪いね」ヒソヒソ
謙吾「じゃあ俺達は先にお返しをすましてしまうか」ヒソヒソ
真人「そうだな」ヒソヒソ
理樹「バスターズメンバーはこっち来て~」ヒソヒソ
他メンバー「は~い」コソコソ
恭介「あれ…?あいつらどこ行きやがったんだ?」
佳奈多「さぁ……さっきまで居たはずですけど」
恭介「まぁ二人きりになれなら調度良いか…おい、二…じゃなかった、佳奈多」
佳奈多「はっ、はい!」
佳奈多(うぅ……やっぱり慣れないわね、これは)
恭介「コレ、ホワイトデーのお返しな」スッ
佳奈多「あ、ありがとうございます。。」
恭介「勿論手作りじゃないけど、まぁ美味いと思うから味わって食べてくれよ」ニヤッ
佳奈多「………がとう」ボソッ
恭介「え?」
佳奈多「ありがとう、恭介先輩」ニコッ
恭介「お、おう」ドキッ
佳奈多「恭介先輩は……いつもルールを破って…」
佳奈多「規則とか決まりとか知らんぷりで…」
恭介「うっ…なんかすまん」
佳奈多「でも決めるときはしっかり決めて…」
佳奈多「当たり前て良いながら私達のことも守ってくれて…」
佳奈多「さっきのボウリングのときも凄い格好よかったですよ…//」
恭介「そ、そうか?自分では大したことしてる気は無いんだが…」
佳奈多「それですよ、それ。恭介先輩が当たり前だと思ってやることにみんな救われてるんですから」クスッ
恭介「そういうもんなのか?」
佳奈多「そういうもんです!」フフッ
―――
――
―
佳奈多(そのあと直枝達と合流した)
佳奈多(そして恭介先輩が残りのメンバーにお返しのクッキーを渡したり)
佳奈多(男子メンバーが直枝にお返しを渡したり)
佳奈多(それみて棗さんが宮沢と井ノ原に一層ホモ疑惑を高めたり)
佳奈多(そんなこんなで私達は帰路に着いた)
――――
佳奈多「zzz……」スースー
恭介「流石にみんな疲れて寝ちまったか」
来ヶ谷「私は起きてるが」
恭介「……全く流石だな、お前は」
来ヶ谷「ふむ、君に褒められるというのは気分いいな」クスッ
来ヶ谷「して恭介氏、君は佳奈多君の気持ちに気付いているんだろう?」
恭介「………はぁ、全くお前には敵わないな」
来ヶ谷「彼女は存外分かりやすい性格だがらな。で、どうするんだ?うん?」
恭介「……俺はもう卒業だぞ?」
来ヶ谷「そんなものは関係ないだろう。というかその言い方からして君も満更ではないのか?」
恭介「……あーもう!お前も寝とけ!着いたら起こしてやるから」
来ヶ谷「ふふ、君もわかりやすいな。おやすみ」
恭介「……」チラッ
佳奈多「zzz…」スースー
恭介「……」
―――
――
~学校・到着後~
クド「わふー、疲れましたね、佳奈多さん」
佳奈多「そうね、クドリャフカ。すぐお風呂に入っちゃいなさい」
クド「了解なのです~」ドタバタ
ガチャ
葉留佳「やは~お姉ちゃん元気??」
佳奈多「葉留佳……今日はよくも好き勝手やってくれたわね」ゴゴゴゴ
葉留佳「うわぁ、そんな怒らないでよ~ そんで肝心の恭介サンとはどうだったんですか~?」
葉留佳「イルミネーションの所で告白しちゃったんですかぁ??」ニヤニヤッ
佳奈多「し、してないわよ…」ボソッ
葉留佳「ありゃ!?」
葉留佳「てっきりしてきたと思ってましたヨ?」
佳奈多「う……でも日頃の感謝とか…下の名前で読んだりしたし。。」
葉留佳(うーん……お姉ちゃんにしては、大進歩なんだけど。。。)
葉留佳「お姉ちゃん、でも卒業式まで時間がないよ?早くしないと恭介s」
佳奈多「わかってる!」
葉留佳「!」ビクッ
佳奈多「わかってる……から。。」
葉留佳「……そう、ごめんね?おやすみなさい…」バタン
佳奈多「わかってる……わかってるけど。。」
ホワイトデー編・完
お風呂入ります
~3月21日~
あのホワイトデーから一週間が経った
恭介先輩との関係に大きな変化はない
ただあの日以降も「恭介先輩と下の名前で呼び続けている
自分で言うのもなんだが、大きな進歩だと思う
恭介先輩はすぐに二木に戻してしまったけれど
けど―――やっぱり全てが遅かったんだと思う
今日3月21日は
私達の高校の
卒業式だ
~3月21日~
あのホワイトデーから一週間が経った
恭介先輩との関係に大きな変化はない
ただあの日以降も「恭介先輩」と下の名前で呼び続けている
自分で言うのもなんだが、大きな進歩だと思う
恭介先輩はすぐに二木に戻してしまったけれど
けど―――やっぱり全てが遅かったんだと思う
今日3月21日は
私達の高校の
卒業式だ
私達の高校は2年生も勿論卒業式に参加する
この学校のバトンを引き継ぐために
私は風紀委員長や寮長であって生徒会長ではない
だから大きな役割はなく、礼や着席を繰り返したり、
校歌や国歌を歌うだけの―――退屈な式だった
一つ面白かった事といえば、
制服を着た宮沢を久しぶりに見れたことだろうか
式は無事終わった
多くの先輩方が私達後輩や先生方と熱い抱擁を交わしている
恭介先輩も勿論その内の一人だ
井ノ原と宮沢に抱えられた彼は今一番目立っていると言える
その周りにはリトルバスターズメンバー
微笑ましい最高の光景だ
私はその光景を……棗恭介の笑顔を脳裏に焼き付け
一人寮へと帰った
恭介「ちょ、お前ら胴上げは恥ずかしいだろっ!」
真人「いいじゃねぇか、卒業式なんだぜ!?」ワッーショイ
謙吾「そうだそうだ、遠慮なんてすることないぞ」ワッーショイ
他メンバー「リトルバスターズ最高~」ワッーショイワッーショイ
恭介「うおぉぉぉ!リトルバスターズ最高ぉぉぉ!」
葉留佳(お姉ちゃん……全く何処行っちゃんだろう) キョロキョロ
来ヶ谷(………)
葉留佳(あ~もう、またネガティブ思考全開でどっか行っちゃったよ~)アタフタ
葉留佳(今日が恭介サン高校生活最後だってのに~)
葉留佳(けど見つけられたとしても、私一人でどうにか出来るかな)ウーン
来ヶ谷「葉留佳君、話がある」
葉留佳「ふえ?」
―――
~佳奈多とクドの部屋~
佳奈多「これで良かったのよね……」
佳奈多「どうせ卒業しちゃうんだし……」
佳奈多「これを機にさっぱり忘れてしまえば……」
コンコン
佳奈多「? はい…」
来ヶ谷「やぁ、佳奈多君」
佳奈多「来ヶ谷…さん。何の御用ですか?」
来ヶ谷「ふむ、私は君を連れて来るように頼まれただけだよ」ガシッ
佳奈多「へ?だ、誰に??」
来ヶ谷「君の可愛い妹君にだよ。では行くぞ!」
―――
~リトルバスターズ部室~
佳奈多「葉留佳が私に此処に来い…と」
来ヶ谷「うむ、緊張せず入るといい」クスッ
佳奈多「し、失礼します」ガチャ
佳奈多「!」
理樹「やぁ、佳奈多さん」ニコッ
佳奈多(そこにいたのは葉留佳ではなく、リトルバスターズメンバー全員だった)
佳奈多(勿論…恭介先輩を除いた)
クド「わふー…葉留佳さんから全部聞きましたぁ…私同じ部屋なのに気付いてあげられなかったです。。」
佳奈多「は、葉留佳あなた!!」
葉留佳「ゴメン、お姉ちゃん。私どうしても一人でお姉ちゃんを説得する自信なかったから」
葉留佳「だから……仲間に頼ったよ」
佳奈多「説得……?」
小毬「説得なんてはるちゃんは大袈裟だよぉ~」
小毬「私は少しでもかなちゃんに幸せになってもらいたいんだぁ~」
小毬「だってかなちゃんが幸せになったら私も幸せだもん~」ニッコリ
クド「そうなのです!佳奈多さんは風紀委員のお仕事も寮会のお仕事も凄い頑張って来ました!」
クド「だから頑張った分、いっぱいいーぱっい幸せになって欲しいですっ!」
佳奈多「神北さん…クドリャフカ…」
鈴「うちの兄貴は変態だ」
美魚「直枝さん、間違えてますよ」
鈴「あ、あぁ違った!うちの兄貴は良い奴だ!」
鈴「変態で馬鹿で変態だが、きっと良い奴なんだ!だからお前にやる!」
美魚「……二木さん、棗さんは口下手ですが彼女なりにお兄さんを褒めて、あなたを認めているんですよ」
美魚「妹公認になったのに逃げるおつもりですか?」
佳奈多「棗さん…西園さん…」
小毬「説得なんてはるちゃんは大袈裟だよぉ~」
小毬「私は少しでもかなちゃんに幸せになってもらいたいんだぁ~」
小毬「だってかなちゃんが幸せになったら私も幸せだもん~」ニッコリ
クド「そうなのです!佳奈多さんは風紀委員のお仕事も寮会のお仕事も凄い頑張って来ました!」
クド「だから頑張った分、いっぱいいーぱっい幸せになって欲しいですっ!」
佳奈多「神北さん…クドリャフカ…」
鈴「うちの兄貴は変態だ」
美魚「棗さん、間違えてますよ」
鈴「あ、あぁ違った!うちの兄貴は良い奴だ!」
鈴「変態で馬鹿で変態だが、きっと良い奴なんだ!だからお前にやる!」
美魚「……二木さん、棗さんは口下手ですが彼女なりにお兄さんを褒めて、あなたを認めているんですよ」
美魚「妹公認になったのに逃げるおつもりですか?」
佳奈多「棗さん…西園さん…」
理樹「恭介は僕をどん底から導いてくれた大切な人で、僕の永遠のリーダーなんだ」ニコッ
理樹「だけどずっとリーダーじゃ疲れちゃうでしょ?」
理樹「そんな時……二木さんに恭介の隣にいて欲しいんだ」
真人「へっ、そうだな!恭介は何でも器用にこなすけど詰めが甘い部分があるからよ」
真人「キッチリした性格のお前が横にいれば安心だろうよ!」
謙吾「二木……お前がかつて剣を捨てたことをとやかく言うつもりはない」
謙吾「それはお前の中で剣道を手放してでもしたいことがあったからだと俺は思うからだ」
謙吾「だが恭介は良いのか?本当に恭介を諦めてしまってお前は良いのか?」
佳奈多「直枝…井ノ原…宮沢……」
葉留佳「お姉ちゃん……」ダキッ
佳奈多「葉留佳…」ギュッ
葉留佳「怖いよね……もしかしたら…てのもあるし」
葉留佳「もしOKでも離ればなれだもんね」
葉留佳「でもやっぱり…」
葉留佳「お姉ちゃんに悔いを残してほしくないな」
佳奈多(! そういえばバレンタインデーの時にあーちゃん先輩にも言われたっけ……)
佳奈多「葉留佳……みんな、私……行くわ」
佳奈多「恭介先輩に……想いを伝えに!」
佳奈多「いつつ……風紀委員長が屋上に侵入だなんて…」ハァ
佳奈多(なんでも、もうすぐ恭介先輩が此処に来る手筈になっているらしい)
佳奈多(つまり私はみんなの…おそらく来ヶ谷さんと葉留の計画通りに動いてしまったのね。。)
佳奈多(案外あの二人は最強コンビなんじゃないのかしら)フフッ
??「うおー!3月でもまだまだ屋上は寒いな」
??「さて…リトルバスターズ最後のサプライズてのは一体……!」
佳奈多「恭介……先輩。。」
恭介「二木……か」
恭介「はっ!てっきりリトルバスターズメンバーがいると思ったからな!これはサプライズだぜ」ニカッ
佳奈多「……ご、ご卒業おめでとうございます」ペコリッ
恭介「おぉ、ありがとうな」
佳奈多「それで……えと。。」
恭介「……」
佳奈多「あの……」
佳奈多(口が回らない、言葉が出てこない。言わなきゃ、言わなきゃダメなのに!)
恭介「落ち着け、佳奈多」
恭介「俺はいつまでもお前の言葉を待つ」
恭介「だから落ち着いて」
恭介「お前の言葉を聞かせてくれ」
佳奈多(私の…言葉で……)
佳奈多「私は……恭介先輩の事が……大好きですっ…」
佳奈多「あの日、庇って貰った時から好きになって……っ」
佳奈多「話せば話すほど好きになっていって……っ」
佳奈多「あなたは今日高校を卒業しちゃうけど……」
佳奈多「私はこの先もあなたの……側にいたいんですっ!」
佳奈多「良い…ですか……?」
恭介「ありがとう、二木」
恭介「お前にそこまで思われてスゲェ嬉しいよ」
恭介「俺はお調子者だし」
恭介「遊んでばっかだったから大して頭も良くない」
恭介「もしかしたらお前より皆で遊ぶことを優先したりするかもしれないぞ?」
恭介「そんな俺の隣で良いのか…?」
佳奈多「……」コクッ
恭介「そうか……だったらよろしく頼む…」ギュッ
佳奈多「うっ……ひっく……」ボロボロ
恭介「おい!また泣くのか!?」
~しばらくして~
恭介「落ち着いたか?」
佳奈多「はい……すいません、泣いてばっかりで」
恭介「案外泣き虫なんだな、二木は」
佳奈多「それ!なんで二木呼びなんですか?!」
恭介「この前のは罰ゲームだろう!?」
佳奈多「さっき私が告白する前に佳奈多って言ったじゃないですか!」
恭介「それは……事故みたいなもんだ、忘れろ」
佳奈多「忘れません!ていうかこの前はあんな普通に呼んでたじゃないですか!」
恭介「だ・か・ら!あれは罰ゲームだから俺も頑張ったんだよ!」
ギャーギャーギャー
――
―
佳奈多(そのあと部室に帰った私達は)
佳奈多(皆の手厚い(手荒い)祝福を受けた)
佳奈多(その晩は恭介先輩の卒業と私達のカップル成立のお祝いパーティーをしてくれた)
佳奈多(今日は……私の人生の中で絶対に忘れられない日になった)
佳奈多(私も一年後には卒業式)
佳奈多(一年後も隣には)
佳奈多「大好きなあなたにいてほしい…!」
恭介「任せとけ」ニヤッ
卒業式編・完
そして―――
「わふー!高校卒業以来の日本ですー」
「おークー公こっちだよー…て」
「ふっふっふ、成長した私の肉体美に驚かれました!?」
「………全くと言っていいほど変化が見られませんが」
「わふー!?」
「まぁまぁ相も変わらず可愛いということで良いじゃないか」クスッ
「真人……お前会う度にデカくなってないか?」
「いやぁ、よくわかんねぇけど成長期ってやつじゃね?」
「コイツ相変わらずあほだ!」
「へっ、まぁこの年々でかくなるグレート真人の前には謙吾っちも敵わねぇだろ!?」
「いや、デカさ以外負けてる場所が無いな。なんなら今日また大食い対決でチョコレートまみれしてやろうか?」
「こっちも相変わらずあほだ!」
「あはは……早く行かなきゃ式に遅れちゃうよ」
「もしかして緊張してる?」
「馬鹿言え、俺を誰だと思ってる」
「でもあなた、割と大舞台の前は緊張してるじゃない」
「うっ……正直に言うと緊張してる」
「はぁ……しっかりしてよね、全く。直枝達は勿論、クドリャフカもわざわざ来日してくれたんだから」
「能美もか……これは久しぶりにリトルバスターズ全員集合だな」ヒャッホーイ
「はいはい、式が無事終わったら二次会でね」クスッ
「しかしアレだな、遂にお前を名字で呼ぶことも出来なくなるのか」
「え?もう名前で呼ぶのなんてとっくに慣れたじゃない」
「いや付き合い始めのころはそれが原因で揉めたりしただろ?」
「あー確かにね。あなた、全然名前で呼んでくれなかったものね」
「だから恥ずかしかったって何回も言ってるだろ?!」
「はいはい、わかってますよ」クスクス
「ん…そろそろ時間みたいだな」
――――
恭介「これから……幸せにするよ佳奈多」
佳奈多「今までも十分幸せだったけど……これからもよろしくね、恭介」
――――
葉留佳「恭介サンにチョコを渡したい…と」佳奈多「う、うん」・完
お疲れ様でした
まだ残っている…だと…
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