美緒「扶桑から新人が来ることになった」芳佳「歓迎会しなきゃ!」 (13)

美緒「来月、扶桑から一名配属されることになった。まだ軍学校に在籍しているが、実力は折紙付きだ」

リーネ「私より、才能ある……よね、きっと……はぁ……」

ペリーヌ「501もさらに強くなりますわね」

エイラ「ナイトウィッチか?」

サーニャ「それ、大事です」

ミーナ「残念ながら、ナイトウィッチではないわね」

サーニャ「……」ガクッ

エイラ「サーニャ!?」

芳佳「坂本さん! 歓迎会の準備はどうしますか!?」

美緒「歓迎会か……。今までしたことがないし、今回もなしでいいだろう」

芳佳「ダメです!! 私やリーネちゃんのときになかったからこそ、やるべきだと思います!!」

シャーリー「歓迎会が無かったこと気にしてたのか、宮藤……」

芳佳「最初に歓迎会をすれば新しい人もすぐに馴染めますよ!」

美緒「そうだなぁ……」

ミーナ「いい考えじゃないかしら。今の501の雰囲気は良好だし、新入りに現状を知ってもらう意味でも有意義じゃないかしら?」

美緒「ミーナがそういうなら私も反対はしないが」

エイラ「具体的に何するんだ?」

芳佳「そうですね。やっぱり、美味しい料理をいっぱい並べて、みんなで食べましょう!」

リーネ「それなら立食パーティーみたいにするといいかも」

芳佳「うん、いいね!」

ルッキーニ「わーい!! 豪華なごっはんだー!!」

シャーリー「なんだ。それだけでいいのか。だったら、楽だな」

エーリカ「他に何かやると思ったの?」

シャーリー「何か一発芸でも披露しなきゃいけないのかなって」

芳佳「それいいですね!! やりましょう!! シャーリーさん!!」

シャーリー「え?」

芳佳「新しく入ってくる人にも楽しんでもらないといけませんよね」

シャーリー「まて……宮藤……」

芳佳「楽しみです!!」

バルクホルン「……宮藤」

芳佳「なんですか?」

バルクホルン「一人舞い上がっているようだが、歓迎会など本来は不要なことだ。なのに時間を無駄に伸ばすような催しは感心できない」

芳佳「でも……」

バルクホルン「食事だけで十分だ」

シャーリー「だ、だよな!」

リーネ「はぁ……よかったぁ……」

芳佳「そんな。絶対に楽しいですよ」

美緒「宮藤には自慢できる一芸があるのか?」

芳佳「ありません!」

ミーナ「はい。それでは解散。任務についてね」

芳佳「……」

リーネ「芳佳ちゃん、元気出して」

芳佳「でも……歓迎会だから、もっと色んなことしたほうがいいと思うんだけど……」

リーネ「私もそれは思うけど……」

ペリーヌ「一発芸なんて論外でしょう。そんなことをしても親睦なんて深められませんわ」

芳佳「えー? 楽しい人がいっぱいいるってわかったほうが親しめると思わない?」

ペリーヌ「思いません」

エイラ「一発芸って、どんな感じだ?」

サーニャ「こんなの?」ピコピコ

ルッキーニ「おぉぉー!! サーニャの猫耳、うごくんだー」

芳佳「それなら私もできるよ」ピコピコ

ペリーヌ「芸とは呼べませんわね」

サーニャ「すみません……」

ペリーヌ「別に謝ることは……」

エイラ「私は占いができるから、それで新人の心を鷲掴みにするか」

芳佳「いいなー。エイラさん、そんな特技があって羨ましいです」

エイラ「宮藤は料理が一発芸みたいなもんだし、それでいいだろ」

芳佳「料理は作りますけど、それは芸とはいえませんよ」

ペリーヌ「もう諦めなさいな。ここは学校ではないのですから、楽しくしようなんて無駄な行為ですわ」

芳佳「そうかなぁ……」

リーネ「あ、えっと、それなら2人でやるのはどうかな?」

芳佳「2人で? どんなことするの?」

リーネ「うーんと……リンゴを投げて、それを剣で突き刺す……とか?」

エイラ「食べ物で遊ぶな」

リーネ「いえ、ちゃんと後で食べますから」

ペリーヌ「……」

サーニャ「一発芸って難しい……」ピコピコ

ルッキーニ「にゃはー。あたしもぴこぴこしたーい」

芳佳「サーニャちゃんは演奏したり歌ったりできるよね」

サーニャ「う、うん。でも、芸なのかな……?」

エイラ「いいんじゃないか。サーニャは歌で新人のハートをキャッチしたら」

サーニャ「そうね。やってみるわ」

ルッキーニ「じゃ、あたしは木に登ろー」

芳佳「みんないいなぁ……。自慢できるものがあって……」

リーネ「わ、私もないから気にしないで」

芳佳「リーネちゃん、私たち2人で何かできないかな?」

リーネ「ど、どんなことするの?」

芳佳「それを今から考えよう!!」

リーネ「う、うん!」

エイラ「リーネ、安請け合いすると後悔するぞ」

ルッキーニ「あ、虫自慢でもいいかもー」

ペリーヌ(新人のかたにりんごを投げてもらって、わたくしが……うんうん……いいですわね……)

芳佳「リーネちゃんとなら、何ができるかな……」

リーネ「なんだろうね……」

芳佳「うーん……。あ! 今、リーネちゃんが考えていることを当てるっていうのは?」

リーネ「そんなことできるの?」

芳佳「それじゃ、リーネちゃん。好きな単語を一つ思い浮かべて」

リーネ「……浮かべたよ」

芳佳「それじゃ、せーのっで同時に言うよ」

リーネ「それで一緒だったら、すごいね」

芳佳「いくよ。せーのっ」

芳佳「リーネちゃん」

リーネ「芳佳ちゃん」

芳佳「あ……えへへ……」

リーネ「あ、ありがとう……」

エイラ「仲いいな、お前ら。テレパシーか。それもいいかもしれないけどな」

芳佳「せーのっ」

芳佳「ズボン!」

リーネ「芳佳ちゃんっ」

芳佳「やっぱり、難しいね」

リーネ「うん……」

ペリーヌ「ルッキーニさん、ちょっとリンゴを投げてください」

ルッキーニ「あいー」

ペリーヌ「さぁ、どこからでもどうぞ」

ルッキーニ「てい」ブンッ!!!!

ペリーヌ「危ない!!! ちょっと!! 本気で投げないでくださいな!!! 当たったらどうしますの!?」

サーニャ「あ~あ~あ~♪」

エイラ「タロット占いでわざと死神のカードを引かせて、新人をビビらせるのもアリか……」


バルクホルン「こいつらは……訓練もせずになにをしている……」

エーリカ「なんだかんだで、みんな新人を楽しませようとしてるってことか」

ミーナ「えーと……服部さんの部屋も決めないと……。どこがいいかしら……」

美緒「ミーナ。少しいいか?」

ミーナ「どうかしたの?」

美緒「歓迎会の件だがな、どうやら大多数が一発芸を披露しようとしているようだ」

ミーナ「え……」

美緒「こうなると、私たちも何か披露しなければならんな」

ミーナ「別にいいでしょ。私たちは」

美緒「そうか? 下士官がして上官が何もしないというのは、許されるのか」

ミーナ「やるとしたらどんなことをするつもりなの?」

美緒「魔眼を使った透視なんかどうだろうか」

ミーナ「あのね……」

美緒「居合い斬りもできるぞ」

ミーナ「……一発芸、したいのね?」

美緒「いや、そういうわけではない。ただ、皆がするならやろうということでだな」

ミーナ「――歓迎会ではみんなに一発芸を披露してもらおうということになりました」

シャーリー「なぁ……!?」

バルクホルン「ミーナ、本気か?」

ミーナ「私はあまりそういうのは苦手だから、賛成しにくいのだけど……」

美緒「はぁぁ!!」ザンッ!!

ペリーヌ「素敵ですわぁ」

芳佳「リーネちゃん、2人でお芝居するってどうかな?」

リーネ「お、お芝居? 少し恥ずかしいなぁ……」

ルッキーニ「虫、捕まえてこよーっと」

エーリカ「みんなやる気、まんまんだもんね」

バルクホルン「一発芸だと……」

シャーリー「おいおい……私、そういうのないんだけどなぁ……」

ミーナ「まだ一ヶ月あるんだし、色々考えてみて。お願いね」

バルクホルン「了解……」

~数日後~

静夏「すぅー……はぁー……」

静夏(お父様。私はついに憧れの501へとやってきました。ここで沢山学び、立派なウィッチになります……)

静夏「ええと……まずは隊長に挨拶をしなければ……」

静夏「こっち……? それともあっち……?」キョロキョロ

バルクホルン「……」

静夏「あ……!! あのかたは!! 憧れのゲルトルート・バルクホルン大尉!! やっぱり纏っているオーラがすごくすごいです!!」

バルクホルン「……」

静夏(何をやっている……? スプーンを持って見つめているけど……)

バルクホルン「……曲がれ!!!」グニッ!!!

静夏(片手で折り切った!?)

バルクホルン「これがサイコキネシスだ。……いや、もっと自然にできないか」

静夏「……」

静夏(流石はあの有名な501……。異様な雰囲気が漂ってます……)

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