美緒「宮藤、今から501の隊員たちに挨拶をしてもらう」
芳佳「は、はい!」
美緒「ブリタニア語のほうは大丈夫か? 入隊する予定はなかったから、艦では語学習得など殆どさせていないが」
芳佳「正直、不安です……」
美緒「ふむ。まぁ、こちらで生活していれば自然と話せるようになるだろうから心配はいらない……いや、どうだろうな……」
芳佳「どうかしたんですか?」
美緒「実はな……」
エイラ『少佐、帰ってきたノカ。オカエリー』
美緒『今、戻ったところだ』
エイラ『お。こいつが新人カ? ヨロシクナー』
芳佳(坂本さんのブリタニア語は聞き取れないけど、この人のはすごく良く聞き取れる……。なんでだろう)
美緒「スオムス出身者の殆どは流暢に喋ることができるはずなのだがな……。エイラだけはどうしていつまで経っても棒読みというか、拙いというか……」
美緒『エイラ、語学のほうは真面目に勉強しているのか?』
エイラ『当然ダロー。こんなに喋れてるじゃないカー。何か不自由でもあるノカ?』
美緒『他の者と意思疎通ができないときもあるだろう』
エイラ『ナイゾ。サーニャが分かってくれればソレでいいしナ』
美緒『サーニャも時々難しい顔をしているだろう』
エイラ『それはナイって。真剣に私のハナシを聴いてるだけナンダナ』
美緒『サーニャも大変だな』
エイラ『なんてことないっテ』
芳佳「あの……」
美緒「ああ、すまんな。とりあえずミーティングルームへいくか」
芳佳「はい」
エイラ『緊張しなくてイイゾー』
芳佳「よ、よろしくお願いします」
エイラ『ナンダッテ? ブリタニア語で話せヨナ』
芳佳『ハジメマシテ。私の、名前は、ミヤフジヨシカといいます』
ミーナ『はい。ありがとう』
バルクホルン『話は終わりか。私は失礼する』
エーリカ『わたしもー』
芳佳(あれ……? 怒ってるのかな。私、変なこと言ったかな……)
シャーリー『よっ。新入り』
芳佳「あ、ど、どうも」
シャーリー『私はシャーロット・E・イェーガー。階級は中尉。よろしく』
芳佳「しゃ、しゃーろっと?」
シャーリー『あたしを呼ぶときはシャーリーでいいよ。そのほうが慣れてるしね』
芳佳「……?」
シャーリー『どうした? あたしの顔に何かついてるか?』
ルッキーニ『きっとシャーリーに見とれてるんだよー』
シャーリー『あははは。それは光栄だ。仲良くしような、宮藤っ』バンッバンッ
芳佳(うぅ……。変なこと言われてないよね。こんなに笑ってるしきっと挨拶してるだけのはず……)
エイラ『私はエイラ。エイラ・イルマタル・ユーティライネン。階級は少尉。ヨロシクな』
芳佳『ハイ!』
エイラ『元気だナ。で、こっちで寝てるのがサーニャ。サーニャ・V・リトヴャク。階級は中尉ダ』
サーニャ「すぅ……すぅ……」
芳佳『ソウナンデスカー』
エイラ『ソウダゾー』
ペリーヌ「……」
芳佳「あ、えっと……」
ペリーヌ『ペリーヌ。ペリーヌ・クロステルマン。いいですこと?』
芳佳「な、なんですか?」
ペリーヌ『坂本少佐に気に入られているのか知りませんが、ここでは調子にのらないように!!! いいですわね!!!』
芳佳(なんだろ……すっごく怒ってるけど、どうして怒ってるのか全然、わかんないよぉ……)
美緒『ペリーヌ。やめてやれ』
ペリーヌ『も、申し訳ありません……』
芳佳『ゴ、ゴメンナサイ』
ミーナ『はい。自己紹介はその辺にして。リーネさん』
リーネ『は、はい!』
ミーナ『宮藤さんの基地案内を頼めるかしら?』
リーネ『りょ、了解!』
芳佳「あのぉ」
ミーナ『リーネさんもここへ来て間もないの。話も合うと思うわ』
芳佳「……」
リーネ『よろしくお願いします、宮藤さん』
芳佳『あ、ハジメマシテ』
リーネ『え? は、はい。初めまして』
エイラ『マタあとでナー』
芳佳「あ……」
芳佳(エイラさんの言葉はよく分かるから、エイラさんに案内されたかったなぁ……)
リーネ『い、行きましょうか、宮藤さん』
芳佳「あ、行くんですか?」
リーネ『私はリネット・ビショップです。階級は宮藤さんと同じ軍曹です』
芳佳「え、えーと、宮藤芳佳です」
リーネ『もう自分の部屋の場所は覚えてますか?』
芳佳「えっと……」
リーネ『どうかしましたか?』
芳佳『ゴメンナサイ。私、あまりブリタニア語、話せない。だから、もう、すこしゆっくり、オネガイシマス』
リーネ『ああ! ごめんなさい! そんなこと知らなくて!!』
芳佳『ごめんなさい。怒らないでクダサイ』
リーネ『あの、怒ってるわけじゃないですから!!』
芳佳『ごめんなさい。リネットさん……』
リーネ『だ、だから、違うんです!!』
芳佳『これから、いっぱい、勉強するんで』
リーネ『は、はい。がんばってくださいね。そ、それより、自分の部屋の位置は、覚えていますか?』
芳佳『ハイ!!!』
リーネ『よかった』
芳佳「あ、リネットさん」
リーネ『なんですか?』
芳佳「あ、あの人たちは?」
エーリカ「ふんふーん」
バルクホルン「……」
リーネ『ハルトマン中尉とバルクホルン大尉ですね。ネウロイ撃墜数も200を超えていて……』
芳佳「……?」
リーネ『あ、ごめんなさい。そうだ。この資料を見てもらえればすぐにわかるはずです』
芳佳『ドウモ』
芳佳(全部、ブリタニア語だ……)
リーネ『もしかして、読むのも……?』
芳佳「……」コクッ
リーネ『ごめんなさい……』
芳佳「……」
芳佳「さかもとさぁぁぁん!!!」
美緒「どうした、宮藤?」
芳佳「このままじゃ私……みんなと仲よくなれないような気がします……」
美緒「初日から泣き言か?」
芳佳「だって……」
美緒「暫くは不便に思うことはあるだろうが、心配するな。そんなことでお前を嫌うような奴はいない」
芳佳「だけど、ペリーヌさんだって怒ってましたし」
美緒「あれは私でもよくわからない。安心しろ」
芳佳「こまりますよぉ」
美緒「無論、このままでは作戦伝達時に支障があるからな。このままにしておくというわけにもいくまい」
芳佳「何かあるんですか?」
美緒「第二言語の習得が急務だな。戦闘訓練と並行してやっていく。覚悟しておくようにな」
芳佳「か、覚悟って……?」
美緒「お前に寝る間はない、ということだ。はっはっはっは」
芳佳「えぇぇ……。でも、仕方ないですよね……」
~翌日~
ミーナ『あの部屋で待っていてね。すぐに講義を始めるから』
芳佳『リョ、リョウカイ!!』
芳佳「はぁ……」
芳佳(私だけなんて……かっこ悪いなぁ……)
芳佳「……」ガチャ
エイラ「ふわぁぁ」
芳佳「あー!! エイラさん!!」
エイラ『ナンダ? 宮藤カ。どうかしたのカー?』
芳佳『エイラさんこそ、どうしたんデスカ? ここでなにしてるんデスカ?』
エイラ『私もナ、ブリタニア語がヘタクソだから、勉強しなきゃイケナインだ。マッタク、イヤになる』
芳佳「わぁ……」
エイラ『ナンダヨ?』
芳佳『私、エイラさんと、幸せです、一緒!』
エイラ『はぁ? うるさいからあっちいけヨ』
ミーナ『……あら?』
エイラ『宮藤、アッチいけってー。椅子はいくらでもあんダロー』
芳佳『そんなぁ。教えてください、私を』
エイラ『お前、ブリタニア語、めちゃくちゃダナー。 バカなんじゃないのカ?』
芳佳『そんなことないデス』
ミーナ『随分と仲がいいわね、二人とも』
芳佳『ミーナ中佐。オハヨウゴザイマス』
エイラ『オハヨー』
ミーナ『はい。おはようございます。それではブリタニア語講座を始めたいわけですが……』
エイラ『なぁ、中佐ぁ。いい加減、私はイイダロー? もう十分、理解できてるっテ』
ミーナ『発音がおかしいのに卒業の許可は出せないわ』
エイラ『イジワルだナァ』
芳佳「あはは」
エイラ『なに笑ってんだヨ?』
芳佳『エイラさんの英語、ホント、よく聞き取れるノデ。たのしい』
>>22
芳佳『エイラさんの英語、ホント、よく聞き取れるノデ。たのしい』
↓
芳佳『エイラさんのブリタニア語、ホント、よく聞き取れるノデ。たのしい』
エイラ『なんだと? 生意気な口ダナー!!』
芳佳「いふぁいでふ。あははは」
エイラ『笑うナー!! 私は怒ってるんダゾ!!!』
芳佳「ヘルプユー」
エイラ「ノー!! アングリー!!」
ミーナ『はいっ。じゃれあうのもそこまで。真面目に聞いてね』
芳佳『ゴメンナサイ』
エイラ『宮藤が悪い』
ミーナ『どっちも悪いです。では、今から資料を配るから。よく読んでみてね』
芳佳「教科書みたい……」
エイラ『あぁー。面倒クサイなぁー』
ミーナ『それでは宮藤さんから声に出して読んでみて。簡単な文章だから読めるはずよ』
芳佳「え、えーと……」
芳佳『あれはストライカーユニットですか? いいえ、坂本美緒です』
ミーナ『はい。よくできました。次はエイラさんね』
そういやストパン世界って国名の当て字あるのかな?
ブリタニアとかどう表記されるんだろ
ミーナ『――今日はここまでにしましょうか。ご苦労様』
エイラ『オワッタカ。早くサーニャのところにいこっと』
芳佳「エイラさん!! ちょっと待ってください!!」
エイラ『どうした? ナニカあるのか?』
芳佳『エイラさんと、居たいんです、一緒に』
エイラ『ナンデ?』
芳佳『安心、できるんです、傍にいるだけで』
エイラ『私はしないケドな』
芳佳『そんなぁ!!』
エイラ『もっとブリタニア語を勉強してからダ。そんなんじゃ、仲良くデキないな』
芳佳『でも、エイラさんのよく聞き取れるんです!!』
エイラ『シルカァ』
芳佳『エイラさんっ』
エイラ『マタナー』
芳佳「待ってくださいよぉ!!」
バルクホルン『……ん?』
エーリカ『どうかしたの?』
バルクホルン『いや……新人とエイラが……』
エーリカ『んー?』
エイラ『……』
芳佳「……」テテテッ
エイラ『ついてクンナヨ』
芳佳「……」
エイラ『私はこれから、サーニャと一緒にネルンだ。ナ? ワカルカー?』
芳佳『ワカリマセン』
エイラ『ナンダトー?』
芳佳「……」
エイラ『とにかく、ついてくるなヨ。ワカッタナ?』
芳佳「……」テテテッ
エーリカ『エイラのやつ、新人にえらく懐かれてるね』
サーニャ「すぅ……すぅ……んぅ……?」
エイラ『サーニャ、オキタカ?』
サーニャ『エイラ……』
芳佳『お邪魔シテマス』
サーニャ『み、宮藤さん? どうしたの?』
芳佳『えっと、今はエイラさんと一緒にいたくて』
サーニャ『そうなんだ』
エイラ『サーニャ!! 誤解するなヨ!! 勝手についてキタンダカンナ、宮藤が!!』
サーニャ『うん。でも、宮藤さんはエイラのこと好きみたいだし、面倒見てあげたほうが……』
エイラ『そんなことスルカ。私はサーニャの傍にイルンダ』
サーニャ『でも……』
芳佳『気にしないで。私、空気ダカラ。空気、空気』
サーニャ『そういうわけにも……』
エイラ『宮藤。デテイケッテー』
芳佳『でも、エイラさん以外だと坂本さんぐらいしか、話す自信がないんです!!』
芳佳「はぁ……結局、追い出されちゃった……」
ルッキーニ「にゃはー!! ヨッシカー!!」
芳佳「え? あ、ルッキーニちゃん!」
ルッキーニ『こんなとこでなにしてんのー?』
芳佳『エイラさん 追い出されて』
ルッキーニ『エイラに追い出されたの? あぁー、そっかー。芳佳はダメダメー』
芳佳『そうなの?』
ルッキーニ『エイラはサーニャ、ラブだもんっ!!』
芳佳『そっか。そういうことなんだ……』
ルッキーニ『だっからぁ、芳佳が悪いよ』
芳佳『うん。気をつける』
ルッキーニ『それより!! 一緒にあそぼー!!』グイッ
芳佳「え? な、なに!? どこにいくの!?」
ルッキーニ『虫がいっぱいいるところ教えてあげるからー!!』
芳佳『もっとゆっくり喋って、クダサイ!!』
ルッキーニ『ほらー!! みてみてー!! こんなにいっぱいいるんだよー!! かっちょいいでしょー?』
芳佳『うん! すごいね!!』
ルッキーニ『でしょー!! 芳佳はわかってるぅー!! これ、なんていう虫か知ってる?』
芳佳「ノゥッ!」
ルッキーニ『そうなの? えっとね、この虫はぁー』
シャーリー『おぉ。ルッキーニ、楽しそうだな』
ルッキーニ『にひぃ。たのしー』
芳佳「しゃーろっと」
シャーリー『シャーリーでいいって。ルッキーニと遊んでくれて、ありがと』
芳佳『ルッキーニちゃんは、かわいいです』
シャーリー『あははは。そうだな。うん』
ルッキーニ『違うよー。私が芳佳と遊んであげてたんだよぉ?』
シャーリー『そっかそっか。ルッキーニは新人の面倒見がいいな』
ルッキーニ『私は面倒見がいいのだー。にゃはははは』
芳佳(私のことを言ってるのはなんとなく分かるけど……。やっぱり、うまくききとれないよぉ……。助けて、エイラさん……)
シャーリー『……どうかした?』
芳佳「え……?」
シャーリー『こっちに来たばかりだし、ルッキーニの相手は疲れるか』
芳佳『ルッキーニちゃんは、いい子です』
シャーリー『気を遣う必要はないよ。ルッキーニは自由だからね』
芳佳『あの、もうすこし、ゆっくり、喋って、クダサイ』
シャーリー『ああ、そっか。宮藤はこっちの言葉まだ無理なんだっけ』
芳佳『ごめんなさい』
シャーリー『謝る必要はないけど。やっぱり辛いか?』
芳佳『参加できないんで、会話』
シャーリー『それもそうだな。あたしとルッキーニが笑ってても宮藤は訳がわからないし、つまらないよな』
芳佳「……」
シャーリー『大丈夫さ。すぐに慣れるよ。そしたらあたしと色々話そう』
芳佳『ありがとうございます』
芳佳(きっとシャーロットさんは私を励ましてくれてる……。なんとかして早く覚えたいな……)
芳佳(だけど、どうやればいいのかなぁ……。坂本さんはすぐに慣れるって言ってたけど……)
エーリカ『そしたらさー、トゥルーデがコケちゃって』
シャーリー『マジか。あはははは』
バルクホルン『ハルトマン!! その話はするなと言っただろうが!!』
ミーナ『うふふ』
ペリーヌ『騒々しいですわね』
ルッキーニ『おかわりぃー!!』
リーネ『……』
芳佳『リネットさん』
リーネ『な、なんですか?』
芳佳『あの、ハルトマンさんは何の話をしていタノ?』
リーネ『えっと、バルクホルンさんは話はするなって言っていたので、私の口からはちょっと……』
芳佳「……」
リーネ『ごめんなさい』
芳佳「ちぇんきゅー」
リーネ「ちぇんきゅー?」
芳佳「どうしよう……。いつまでこのままでいなきゃいけないんだろう……はぁ……」
リーネ『何か困っているんですか?』
芳佳「え?」
リーネ『よければ、その……私なんかじゃ、何もできないかもしれないけど……』
芳佳『なんですか?』
リーネ『ごめんなさい。なんでもないです』
芳佳『あ、そうですか』
リーネ「……」
芳佳「ここはやっぱり」テテテッ
エイラ『――サーニャと夜間飛行してぇ』
芳佳「エイラさーん!!」
エイラ『また、宮藤カ。ナンダ?』
芳佳『勉強、一緒に!!! ブリタニア語、覚える!!』
エイラ『イヤだヨ。ミーナ中佐の講義だけで十分ダ』
リーネ「シャーリーさんはリベリアン訛りなので真似ないほうがいいですよ」 ニッコリ
美緒「――そうか、自主的にな」
芳佳「それでエイラさんも誘ったんですけど……断られて……」
美緒「何故、エイラだ?」
芳佳「坂本さんは忙しいですから」
美緒「リーネやバルクホルンはどうだ? いや、バルクホルンは少し問題があるか……」
芳佳「エイラさんがいいんです!! あんなに聞き取れるブリタニア語なら、安心して会話できますし!!」
美緒「そういうことか。まぁ、エイラの発音を考えればわからなくもないが……。それでは宮藤の成長を妨げるような気もするがな」
芳佳「私の、ですか?」
美緒「正しい発音、ネイティブの言葉は上達に不可欠な要素だ。ブリタニア出身のリーネと会話したほうがいいぞ」
芳佳「それはそうかもしれませんが」
美緒「エイラがいいのか?」
芳佳「一緒に言語の講義だって受けてるんですし」
美緒「とはいえ、エイラが自主的にやるとも思えないが……」
芳佳「ダメですか……?」
美緒「……考えてみよう」
ミーナ『宮藤さんが?』
美緒『ああ。こちらとしては自分から学んでいこうとする姿勢に水を差したくも無くてな』
ミーナ『シャーリーさんかリーネさんをつけるのではダメなのかしら?』
美緒『講師の問題ではなく、エイラと一緒に学びたいという気持ちが勝っているようだ』
ミーナ『そういうこと……』
美緒『サーニャを利用するか?』
ミーナ『ダメよ。エイラさんが怒るわ』
美緒『それもそうか』
ミーナ『飽くまでも自主訓練だし、命令するのも筋違いね』
美緒『やはり、宮藤には一人で乗り切ってもらうしかないか』
ミーナ『エイラさんの説得に関してはそれしかないわ』
美緒『ならば、来るべき日に向けて私たちは準備をしておくしかないか』
ミーナ『そうね。そっちは任せて』
美緒『私もやろう。お前にだけ負担をかけるのも気が引けるからな』
ミーナ『別にそんなことは……』
~翌日~
美緒「というわけだ」
芳佳「そうですか……」
美緒「エイラと共に学びたいなら、お前がなんとかするしかない」
芳佳「……わかりました! 私、やります!!」
美緒「それでこそ扶桑の魔女だ」
芳佳「私も早くみなさんと談笑したいですから!!」
美緒「がんばるんだ、宮藤。サポートならいくらでもしてやるからな」
芳佳「はい!! では、行ってきます!!」
美緒「行って来い」
芳佳「エイラさーん!!!」
エイラ『アァ?』
芳佳『一緒に』
エイラ『イヤダって言ってるだろ。しつこいゾ、オマエ』
芳佳「……」
おもしろい
>>25
台湾ではブリタニアを不列顛尼亜と表記するようだぞ
サーニャ「ふわぁ……」
芳佳「サーニャちゃん」
サーニャ『宮藤さん?』
芳佳『エイラさん、仲良くなりたい!! 教えて!!』
サーニャ『エイラは優しいから、すぐに仲良くなれるわ』
芳佳『でも、エイラさん、素っ気無いの、いつも』
サーニャ『恥ずかしいだけだと思うけど』
芳佳『嫌われてないかな、私』
サーニャ『そんなことないわ。エイラもずっと一人でミーナ隊長の講義を受けるの恥ずかしがっていたから、宮藤さんが来てくれて嬉しいって言っていたし』
芳佳『ゴメンナサイ。もっと、ゆっくり、デ』
サーニャ『ああ、ゴメンナサイ。ええと、エイラは、宮藤さんのこと、大好きって』
芳佳「りゃーりぃ?」
サーニャ『え? ああ。本当よ』
芳佳「そうなんだ……。なら、どうしてエイラさんは断るんだろう……」
サーニャ「……」
芳佳「でも、私のことが嫌いじゃないってだけでも嬉しいかも。嫌われてなくてよかったぁ」
サーニャ『私からエイラにも伝えておくから』
芳佳『何を伝えるの!?』
サーニャ『宮藤さんが一緒に自主訓練したいってことを』
芳佳「のぅーちぇんきゅー」
サーニャ『ご、ごめんなさい。今、なんて言ったの?』
芳佳『私だけで説得したほうがいいと思う』
サーニャ『そう……。宮藤さんは偉いね』
エイラ『おーい、サーニャ……って、宮藤? オマエ、サーニャに近づいて、ナニシテンダ、コラァー』
芳佳『ごめんなさい!! すこし、エイラさん、話してて!!』
エイラ『なんだヨー。私に文句があるなら、直接いえヨ』
芳佳『私も、エイラさんのこと、大好きですから!!』
エイラ『シラネーヨ』
芳佳『ですから!! 一緒に!! 学びましょう!!! ブリタニア語!!!』
エイラ『ウルサイ。今日も一緒に講義受けたダロ。自主的にとか勘弁シテクレッテー』
こういうストライクウィッチーズも観てみたいがこれはワンクールに収まらないな
~数日後~
エイラ「……」
芳佳「エイラさーん」テテテッ
エイラ『ナンダヨー』
芳佳『一緒に』
エイラ『ツイテクンナっ』
芳佳「……」テテテッ
バルクホルン『……最近、同じ光景をよく見るな』
エーリカ『だねー。エイラもいい加減、優しくしてあげればいいのに』
バルクホルン『……』
シャーリー『エイラのやつ、宮藤が可哀相だとか思わないのかな』
美緒『宮藤もよくやってくれているがな。それより、シャーリー。そちらはどうなんだ?』
シャーリー『ああ、心配しなくてもいいですよ、少佐』
芳佳「……」テテテッ
エイラ『ツイテクンナッテー!! モー!!!』
エイラ『――でさぁ、また今日も宮藤がずっとついてくるんダ。ソロソロ、飽きてもいいと思うんダケド、サーニャはどう思ウ?』
サーニャ『ねえ、エイラ? 宮藤さんはエイラと一緒に上手くなりたいんだから、その……』
エイラ『わかってるけどサ……』
サーニャ『どうして、宮藤さんを避けるの?』
エイラ『それは……アレだ……。ホラ、私はサーニャの傍がいいからで。あんな新人のことなんてどうでもイイカンナー』
サーニャ『ウソ』
エイラ『ウ、ウソジャナイッテー』
サーニャ『私の好きなエイラはそんなことしないもの』
エイラ『うぇ……』
サーニャ『どうして?』
エイラ『だって……私は発音に問題があるんだから……極力話さないほうがイイダロ……。宮藤のやつ、変な訛りで覚えたら、後々面倒ダシサ』
サーニャ『エイラ、だったら説明しないと。宮藤さんも愛想を尽かすかも……』
エイラ『別にイイダロ。宮藤のことなんてドーデモ。私にはサーニャがいればそれでイインダ』
サーニャ『私、エイラのこと嫌いになっちゃうけど、いい?』
エイラ『ソレダケハー!!! イヤダァー!!!』
芳佳(もう一週間ほど頑張ってるけど、エイラさんはいい返事をくれるどころか、私のこと毛嫌いしてるみたいだし……)
芳佳「あぁ……もう諦めようかな……。坂本さんの言うとおり、リネットさんと話しているほうがいいし……」
リーネ『宮藤さん』
芳佳『リネットさん、どうしたの?』
リーネ「……ぁ……」
芳佳「え?」
リーネ「ガンバッテ、クダサ、イ」
芳佳「リネットさん……」
リーネ『い、今はこれだけ……ごめんなさい……。あの、私も同じ新人だし、みんなの輪に入れない辛さはよくわかるから』
芳佳「……」
リーネ『もし、私が宮藤さんみたいに言葉が分からなかったら、きっと我慢できずに逃げ出してる。前向きに考えられないと思う』
リーネ『宮藤さんのこと、放ってなんておけなくて……。だから……』
リーネ「ガンバッテ、クダ、サイ』
芳佳「……ありがとう!! もう少し、がんばってみる!! リネットさん!! 本当にありがとう!!」
リーネ『扶桑の言葉って、難しいね……。えへへ……』
リーネちゃん天使や
エイラ「むぅー……」
エイラ(サーニャにあんなこと言われたら、宮藤と自主訓練するしかないじゃないか。今更、優しくなんてできないぞ……)
エイラ(どうしよう……)
ペリーヌ『廊下で座り込んで、何をしていますの?』
エイラ『なんだヨ。ツンツンメガネか。ナンデモないからアッチイッテロ』
ペリーヌ『いつにも増して発音がおかしいですわね。まぁ、聞き取れないほどでもありませんけど』
エイラ『ヤルカ、コラァ』
ペリーヌ『宮藤さんのこと、構ってあげればどうですの? いつまでも付きまとわれるのも迷惑ではありませんこと?』
エイラ『オマエには関係ない』
ペリーヌ『毎日のように貴方の後ろをついて歩く宮藤さんを見るのも目障りですわ』
エイラ『あのなぁ!! 宮藤はナァ!!!』
ペリーヌ『なんですの?』
エイラ『……なんでもないケド』
ペリーヌ『全く。不器用なのはブリタニア語だけにしてくださいな』
エイラ『アァ!! ワカッタ!!! イケバイインダロ!!! イケバ!!!』
エイラかわいい
リーネはお嫁さんにして裏ではサーニャと付き合いたい
ミーナはお母さんで美緒を父親にしたい
トゥルーデとシャーリーをを姉にしたい
芳佳とルッキーニは妹にしたい
エイラとペリーヌは幼なじみにしたい
エーリカとは同姓の友達感覚で一緒に遊びたい
芳佳「よし!! リネットさんにも元気もらったし!!! 今日もエイラさんを説得しなきゃ!!!」
エイラ「……」
芳佳「エイラさーん」テテテッ
エイラ『……ナンダヨ』
芳佳『一緒に、ブリタニア語!!』
エイラ「……」
芳佳「……」テテテッ
エイラ『お前!! いつまでこんなことするんダ!! 私に嫌われタイノカ!?』
芳佳『とんでもない!! 私はエイラさんのこと、大好きですから!!』
エイラ『答えになってるのかなってないのか、わかんナイナ』
芳佳『ダメですか?』
エイラ『あのさ、宮藤? 私は発音がダメなんだゾ? わかってるのか?』
芳佳「いえす」
エイラ『なら、こうして喋れば喋るほど、お前は間違った発音を身につけていくことになるんダ。ワカルカ?』
芳佳『分かります。エイラさんのブリタニア語ははっきりわかります!』
>>79
僕は美緒ちゃんトゥルーデちゃんエイラちゃんをセットで妹にしたいですね
エイラ『バカにスンナァー』グニーッ
芳佳「あふぇふぇふぇ」
エイラ『全くモォ。めんどくさい新人ダナ』
芳佳「ちぇんきゅー」
エイラ『褒めてネエよ』
芳佳『エイラさん、一緒に!!』
エイラ『……負けたヨ』
芳佳『負けた? 誰に負けちゃったんですか!?』
エイラ『お前だ。もう、付きまとうのはやめてくれ』
芳佳『でも……』
エイラ『自主訓練。一緒にやる。それでイインダロ』
芳佳『一緒に!? 勉強!?』
エイラ『ソウダヨ』
芳佳「ぅわーい!! ぃやったー!! エイラさーん!!」ギュッ
エイラ『あぁー、鬱陶しいナァ。離れろッテー。新人のくせに馴れ馴れしいゾー』
芳佳「エイラさぁん」スリスリ
エイラ『ひっつくなヨォー』ググッ
芳佳「うぐぐ……!!」
美緒『――仲がいいな、お前たち』
エイラ『少佐か。宮藤が勝手にくっついてくるんダヨ。この新人、厚かましいゾこれ。少佐かもなんかいってやってクレ』
美緒『そこまで後輩に好かれるのはありがたいことだろう、エイラ。大事にしてやれ』
エイラ『いや、私にはサーニャが……』
芳佳『坂本さん!! エイラさん、自主訓練参加です!!!』
美緒『そうか。よかったな』
芳佳『はい!!』
美緒『エイラ、新人の面倒はしっかりと見てやれよ』
エイラ『ムリダナ。発音がガタガタになってもイイなら、イイケド』
美緒『それは困るな。よし、こっちにこい』
エイラ『ナンダー? ナニカアルノカ? っていうか、さっさと離れろ』ググッ
芳佳「ぅぐぐぐ……!!!」
シャーリー『お。来たか』
ルッキーニ『よっしかぁ、エイラぁー』
芳佳「しゃーろっと」
シャーリー『シャーリーでいいって言ってるだろ』
芳佳『どうかしたんですか?』
リーネ『あ、あの……』
エーリカ「にひぃ」
バルクホルン『下らん。こんなことに時間を割いてどうする』
ミーナ『言語によるコミュニケーションは円滑であるべき、でしょ?』
バルクホルン『そうだが……』
芳佳「坂本さん、これは一体……?」
美緒「選択肢は多いほうがいいだろう?」
芳佳「選択肢、ですか?」
エイラ『なんだよ、宮藤。ブリタニア語で話せよ。わかんないダロー』
美緒『お前たちのために集まってくれた講師だ、エイラ。全員、教えるだけなら可能だからな』
エイラ『えぇー? なんでダー? ミーナ中佐がいれば問題ナイダロ』
ミーナ『確かにそうだけど。私は講義の時間しか教えられないもの。自主訓練になれば別よ』
エイラ『ソウカ……』
ペリーヌ「……」
エイラ『お前もイルノカ』
ペリーヌ『何か問題でも?』
エイラ『……宮藤、ペリーヌはハズレティーチャーだカンナ。選ぶナヨ』
芳佳『ハズレなんですか?』
ペリーヌ『ちょっと!!! 失礼にもほどがありますでしょう!?』
エイラ『ここはやっぱりサーニャに――』
サーニャ『ごめんなさい。私は夜間哨戒の関係で昼間に教えることは……』
芳佳『あ、ゴメンナサイ。もう、すこし、ゆっくり』
サーニャ『ワタシハオシエラレナイノー』
芳佳『どうして!? サーニャちゃん!!!』
サーニャ『ヤカンショウカイガアルノー』
きっとサーニャも冠詞の使い方を間違えたりするのだろう
エイラ『ナンダヨ。だったら、宮藤と二人で勉強したほうがマシダナ』
美緒『それでは意味がないだろう。それにだ、シャーリーとリーネはスオムスと扶桑の母国語まで学んでくれたというのに』
芳佳『そうなんですか!?』
シャーリー『少しだけね。期待はしないでくれ』
リーネ『う、うん』
エイラ『そこまでしなくても……』
ミーナ『お互いの言葉を知っているほうが教えるときに役立つだろうって、坂本少佐が提案したのよ』
美緒『そこまでやってくれたのは二人だけだったがな』
バルクホルン『リベリアンは暇そうでいいな』
シャーリー「これは扶桑ではなんていうんだ?」
バルクホルン「机」
エーリカ『ま、このハルトマン先生がいれば12時間でブリタニア語もペーラペラだ』
芳佳『すごいですね!! エイラさん!! リーネちゃんかシャーロットさんかハルトマンさんにお願いしませんか!?』
シャーリー「だから、シャーリーでいいって」
エイラ『待て、宮藤。ペリーヌ、ルッキーニ、ハルトマン中尉以外は扶桑語、マスターしてそうだぞ。ここはじっくり選んだほうがいいッテ』
芳佳『でも……』
リーネ『ああ、ううん。私は上手く教える自信とか、ないから……その……ほかのひとが……』
芳佳『そんなことないよ。リーネちゃんにだって、私、教えて欲しい!!』
リーネ『宮藤さん……』
芳佳『あ、ゴメンネ。急にリーネちゃんだなんて……。あの、その……みんな、リネットさんのことリーネって呼んでるから……』
リーネ『ううん。リーネでいいよ。……芳佳ちゃん』
芳佳「リーネちゃん!! ちぇんきゅー!!」ギュッ
リーネ『ずっと気になってるんだけど、それはなんていってるのかな? お礼でいいの?』
美緒『まぁ、一人に絞ることもあるまい。そのときに手の空いている者を探せばいい』
エイラ『ナルホドナー』
芳佳『エイラさん!! 今日はリーネちゃんに教えてもらいましょう!!』
エイラ『ソウダナー。リーネでいいかァ。デカイし』
リーネ『え!?』
芳佳『よろしくね!! リーネちゃん!!』
バルクホルン「……」
~数時間後~
リーネ『うぅ……ぅぅ……』
エイラ『ふぅ……』
芳佳『リーネちゃん……あの……』
美緒『どうした? 自主訓練は上手くいったのか?』
芳佳『それが……』
リーネ『エイラさん、ひどいです!!!』
エイラ『ナンダヨ。あんなに揺らされて集中できるわけないダロー』
リーネ『だ、だからって……』
美緒『早速問題発生か。エイラ、全員の厚意をなんだと思っている?』
エイラ『明日はちゃんとスルッテ。な、宮藤?』
芳佳『は、はい!!』
リーネ『うぅ……がんばったのに……』
芳佳『ゴメンネ、リーネちゃん』
美緒『……明日はルッキーニかハルトマンだな』
おおおおおい何が起きたはっきりしろ
~翌日~
エーリカ「すぅ……すぅ……」
エイラ『っていうわけで、ハルトマン中尉になったんだケドナ』
芳佳『教えてください!!』
エーリカ『うぅん……。メンドーだからパス』
芳佳『そんなぁ!! 昨日は任せろーっていってくれたじゃないですか!!』
エーリカ『昨日の私と今日の私は一緒じゃないんだよね』
芳佳『えぇぇ……!!』
エイラ『頼むッテー。こっちが怒られるだろー』
エーリカ『自主訓練でしょー? 今日はお休みでもいいじゃん』
芳佳『そういうわけにもいきません!!』
エイラ『ソーダ! ソーダ!』
エーリカ『あぁ……仕方ないなぁ……そこの棚にあるやつ、教科書だから。読んでみて』
エイラ『なんだ、ちゃんと用意してるノカ。流石、ハルトマン中尉ナンダナ』
芳佳『わーい!! 早速、読みましょう!!』
バルクホルン(――そういえば、今日はハルトマンが言語習得の講師をしているらしいな)
バルクホルン(ハルトマンのやつ、宮藤とエイラにきちんと教えているのだろうな……)
バルクホルン(どうにも不安だ……。余計なことを吹き込んでいなければいいが)
バルクホルン「……」ササッ
ペリーヌ『……何をしているのですか?』
バルクホルン『しっ。黙っていろ』
ペリーヌ『あの、大尉。聞き耳なんて悪趣味なことをしなくても――』
『な、なにをするんですか!!』
『ナニッテ、ヒトツしかナイダロ?』
『いやぁー!!』
バルクホルン「……!?」
ペリーヌ『宮藤さんとエイラさん……!? 大尉!! 行きましょう!!!』
バルクホルン『待て!! 様子を見る……』
『や、やめてくださいっ』
『でも下のお口は正直ダナ』
これは…
ペリーヌ『な、なんておぞましい……!!』
バルクホルン『訓練か……? 訓練なのか、これは……』
ペリーヌ『訓練なわけありませんわ!! きっと、この中では……あぁ!! 考えるだけでも……鳥肌が!!!』
『そこはダメー!! いやぁー!!』
『そんなこといいながら、こんなことにナッテルゾ。嬉しいんダロ?』
『うれしくなんてないですよぉ!!』
『シルカー。グェッヘッヘッヘ』
『おかあさん……ごめんなさい……』
バルクホルン『ちっ!! いくぞ!! ペリーヌ!! 突入だ!!!』
ペリーヌ『は、はい!!』
バルクホルン『――ぅおりゃぁぁあああ!!!!!!』バコンッ!!!!
ペリーヌ『おおぉぉ!!! お二人ともなにをして――!!!』
芳佳『あ、ペリーヌさん。バルクホルンさん』
エイラ『ナンダ?』
ペリーヌ『あら? 何も乱れておりませんわね……』
バルクホルン『……何を読んでいた?』
エイラ『これか? 中尉が用意した教科書ナンダナ』
芳佳『よく分からない単語が多くて、読むの大変です』
エイラ『知らない単語も多いヨナ。勉強にナルゾ』
バルクホルン「……」ペラッ
ペリーヌ『なんて、いやらしい……』
バルクホルン『ハルトマン』
エーリカ『すぅ……すぅ……』
バルクホルン『エーリカ・ハルトマン!!!!』
エーリカ『なにぃ?』
バルクホルン『このテキストはなんだ?』
エーリカ『え? 宮藤とエイラのために用意したものだけど?』
バルクホルン『どうしてこれを教科書の題材にしようと思った?』
エーリカ『やっぱり物語を読ませたほうがいいと思うんだよね。ほら、感情もこもるし、文章の意味だって流れで分かっちゃうときもあるし』
バルクホルン『お前……』
エーリカの私物か
エーリカ『ミーナぁぁ!!!』テテテッ
ミーナ『あらあら、どうしたの?』
エーリカ『トゥルーデがたたいたー!!』ギュゥゥゥ
ミーナ『ちゃんと謝ったの?』
エーリカ『ひどい!! 被害者は私なのにぃ!!』
美緒『なんの騒ぎだ?』
バルクホルン『少佐!! 宮藤とエイラの講師は固定するべきだ!!!』
芳佳『バルクホルンさん、教科書かえしてください!!』ピョンピョン
エイラ『たいいー!! かえせー!!』ピョンピョン
バルクホルン『余計な知識が見つくだけで、言語の習得にはならないぞ!!!』
美緒『これか……』
芳佳『坂本さん!! 返してください!! まだ途中なんですよー!!』ピョンピョン
エーリカ『スラングだって覚えたほうがいいだろー』
バルクホルン『そんなものは必要ない!!!』
美緒『ハルトマンの考えはわかったが宮藤には毒だな、これは』
芳佳「Lynne, you have nice knockers. Good.」
バルクホルン『やはり、暫くはミーナだけに任せるべきではないか?』
美緒『そうだな……』
エイラ『真面目にやってたのにぃ』
芳佳『そうですよー』
バルクホルン『内容が不真面目だ。許可はできないな。このテキストは没収させてもらう』
芳佳『バルクホルンさーん』テテテッ
エイラ『最後までよませてくれー』テテテッ
バルクホルン『ついてくるな!!!』ニヤニヤ
ミーナ『トゥルーデ、顔が綻んでるけど、どうかしたの?』
美緒『やはり、シャーリーかリーネしか……。しかし、そうなると……』
エイラ『リーネもシャーリーも大歓迎ダ』
芳佳『はい!!』
美緒『……ミーナ』
ミーナ『なに?』
美緒『計画を変更する。宮藤の訓練予定を前倒しさせる』
~翌日~
サーニャ『これは?』
芳佳「あっぷぅ!」
サーニャ『そう。リンゴ』
エイラ『まさか、宮藤の夜間飛行訓練を兼ねるトハナ……。私は嬉しいけど』
サーニャ『これは?』
芳佳「きゃっとぅ!」
サーニャ『そう。ネコ』
エイラ『楽しそうダナー』
サーニャ『エイラも参加してね』
芳佳『そうですよ!! エイラさん!! 一緒に上手になりましょうよ!!』
エイラ『なんでお前はそこまで……』
芳佳『だって! エイラさんのこと大好きですから!!』
エイラ『答えになってナイゾ。……ま、いいか。サーニャ、次の問題タノム。上手くならないといつまでも新人が煩いカラナ』
サーニャ『ええ。わかったわ。がんばりましょう、エイラ』
かわいい
リーネ「やっぱりリベリアン訛りは下品に聞こえますね」ニッコリ
~数週間後~
芳佳「リーネちゃん、今日の料理どうしようか?」
リーネ「んー。昨日がお魚メインだったから……」
芳佳「お肉にしようか?」
リーネ「うん、そうだね」
エイラ「……ミヤフジ?」
芳佳「エイラさん、どうしたんですか?」
エイラ「今日の講義、一緒に行くだろ?」
芳佳「でも、あの……もうミーナ中佐から卒業してもいいって……」
エイラ「フザケンナ。なんで、また私ヒトリダケナンダー!!」
芳佳「そんなこと言われても……」
リーネ「あの、芳佳ちゃん。食事の準備……」
芳佳「うん。エイラさん、あの私、食事当番なんで」
エイラ「マテッテー、また一緒に受けロヨー。ミヤフジー。なぁ、イイダロ?」
芳佳「だけど……」
サーニャ「エイラ……?」
エイラ「あぁ、サーニャからも言ってやってクレヨー」
サーニャ「芳佳ちゃん、ごめんね。エイラ、また一人になるのが嫌みたいで」
エイラ「別に嫌じゃナイゾ!! ミヤフジはまだまだ合格点には程遠いだけダカンナ!!」
リーネ「芳佳ちゃん」
芳佳「……いいかな?」
リーネ「いいよ」
エイラ「マダマダだろぉ……ミヤフジナンテ、ブリタニア語の基礎すらデキテナイッテー……」
芳佳「エイラさん、一緒に行きましょう!! 私、もう少ししっかり喋りたいんで!!」
エイラ「ミヤフジ……!! そうか!! ソウダヨナ!!! よっし!! イクゾー!!! ツイテコーイ!!!」
芳佳「わーい!!」テテテッ
サーニャ「エイラ、もう少し正直な気持ちを言えればいいのに……」
リーネ「そんなことないよ。エイラさんは、十分正直だと思うよ? 芳佳ちゃんも分かってるだろうし……」
エイラ「今日こそ卒業シテヤルカンナー!!」
芳佳「頑張ってください!! エイラさん!!」
おわり
>>123
バルクホルン『余計な知識が見つくだけで、言語の習得にはならないぞ!!!』
↓
バルクホルン『余計な知識が身につくだけで、言語の習得にはならないぞ!!!』
おつおつ
面白かった
心残りは「もっとよく理解するためにこの本に書いてあることを実践してみましょうよ」という展開がなかったことだな
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