照「死にたい…」菫「!?」(207)

照「もうダメだ…」

菫「ちょっ!どうしたんだよ?」

照「咲に…」

菫「?」

照「咲に…恋人ができた」

菫「!?」

照「咲に!年上の!恋人ができた!!」ウワーン

菫「まあ、咲ちゃんもそういう年頃なんだから…」

照「じゃあなんで私にも菫にもそういう人がいないのさ!!咲にはまだ早い!!」

菫「いや私はいるけどな」

照「!?」

菫「阿知賀の松実宥」

照「…お母さん聞いてません!!」

菫「言ってなかったからな…ま、そういうことなんで」

照「そんな…」

菫「てかお前は何をそんなに慌ててるんだ…」

照「実は咲が小さいときにちょっと催眠を…」

菫「!?」

照「夜な夜な咲が寝静まった後で囁いてたんだ」

照「クールでかっこいい胸の主張が激しくないお姉ちゃんみたいな人を好きになる…クールでかっこいい胸の主張が激しくないお姉ちゃんみたいな人を好きになる…って」

菫「…結果は?」

照「竹井久とくっついた」

菫「」

照「まさかビンゴな人材がいるなんて思わなかったから…」ズーン

菫(自業自得じゃないか)

照「てなわけで、邪魔してくる」

菫「…は?」

照「咲ちゃんを寝取ってくる」

菫「…」

照「私の意志は固い。とめないで菫」

菫「…無理だと思うぞ」

照「なんでさ!」

菫「だって咲ちゃん…竹井のことが好きだから付き合ってるんだろ?」

菫「だったらお前が行っても無理なんじゃ…」

照「ちっちっち。菫はなーんにもわかってない」

菫「?」

照「咲ちゃんは、お姉ちゃん好き好きっ子だからね。私に負けは無い」

菫「…」ハァ

菫「多分それ、姉として好きなんだろ」

照「?」

照「好きには変わりない」

菫「変わるよ!!だいぶ違うよ!!」

照「…何言ってるの?」

菫(ダメだ…話が通じない)

菫「じゃあ長野でもどこでも行って来い!自分の目で確かめてみろ」

照「もとよりそのつもり。じゃあの」ダッシュ

菫「ったく…」

菫(ん?あいつ1人で向かったか!?)

菫(ってことは…)ゾクッ

菫(くそ!間に合ってくれ…!!)ダダダダ

照「長野だから左の方だな。よし、Suicaにチャージもしたし抜かりない」

照「待っててね咲ちゃん!!」

菫「ストーップ!!」

照「あれ?菫どうしたの?」

菫「…」

菫(しまった…ここでお前が心配だからなんていったらコイツつけあがるし)

菫(何よりプライドだけ無駄に高いから私の話を聞かないかもしれん…)

菫「え、えーっと…実は宥が長野にいるらしくてな」

菫「せっかくだから私も行こうかなーなんて」ハハハ

照「…そう」

照「なら1人じゃ可哀想だし一緒に行ってあげるよ」フンス

菫「…そうだな」

菫(調子に乗りやがって…)

-長野-

照「よし、じゃあ清澄に行ってくる」

菫「はいはい…って何か考えてるのか?」

照「?」

菫「だってお前…要するに咲ちゃんが心配なんだろ?」

照「…まあ」

菫「だからさ、邪魔…なんて言葉は悪いけど何かしら考えてるのかって」

照「考えてるよ」

菫「ちなみに…何しようとしてるか聞いてもいいか?」

照「咲ちゃんとアイツを見つけたら>>33する」

寝取り

菫「いきなり!?」

照「大丈夫。私のリーチ棒は大きいと巷で…」

菫「何の話だ…」

照「じゃあ行ってくるね!宥さんによろしく!」ダッシュ

菫「あ、おい…ったく」

菫「…」

菫「ネカフェとか…あるかなぁ」

咲「部長!早く帰りましょう?」

久「あーはいはい。そんなに急がなくてもいいのに…」

久「じゃあねーみんな」タッタッタ

和「」

優希「のどちゃん…ほとんど息してないじぇ」

まこ「そりゃあな…」

優希「でもあの2人をみてると…なんか私も頑張らなきゃ!って思うじぇ」

京太郎「その前に魅力をだな…」

優希「なんだと犬ー!!」ガー

京太郎「うわっ!やめろ!!」

まこ(こっちは望み薄じゃな…)

咲「えへへー」ギュー

久「もー…そんなにくっついたら歩きづらいでしょ?」

咲「だって寒いじゃないですか」

久「ったく」ナデナデ



照「」

照「見つけたぞ…咲…かわいそうに…」

照「今すぐお姉ちゃんが真実の愛に気づかせてあげるからね」ダダダ



照「待てー!」

咲&久「「!?」」

照「じゃあ早速寝取る」ドン!!

咲「え?あれ?お姉ちゃん!?」

久「あ、ホントだ…」

照「咲!今すぐその女から離れるんだ!」

咲「!?」

照「そいつはな…あわよくばお前をペロッと言っちゃおうとか考えてる淫獣なんだ!」

照「さあ、早くこっちへ!!」

咲「…」

久「…」

咲「…お姉ちゃん今、寝取るとか言ってなかった?」

照「うん。言った」

咲「」ボーゼン

咲「お姉ちゃん…その言葉の意味…」

照「よくわかんないけど咲と一緒に寝ればいいんでしょ?」

久「…とりあえず、私はよく思われてないってことね」ハァ

照「そうだ!咲ちゃんから離れろ!」

久「だって。とりあえず一回離れる?」

咲「嫌です」ギュー

照「」

久「もぅ…お姉さん怒っちゃうわよ?」

咲「いいんです。私も怒ってますから」

久「…」ナデナデ

久「ってことです」

照「」

久「てかこれ危ないの私よねぇ…」

咲「大丈夫です。お姉ちゃんヘタレだから何もしてこないはz…」

照「」

咲「…」ツンツン

久「?」

咲「さ、部長帰りましょ!」

久「え?でもお姉さんが…」

咲「お姉ちゃん寝ちゃったみたいなんで大丈夫です」

照「」

久「…さいですか」ハァ

和「そんな…オカルト…」フラフラ

照「」ドンッ

和「あっ…ごめんなさ…お義姉さん!!」

照「」

和「どうしたんですかこんなところで!」

照「」

和「…?気絶してる?」

和「とりあえず…この人に恩を売っておくのは悪くないハズです」

和「自宅に連れて行きましょう」ズルズル

照「」ズルズル

照「うわぁぁぁぁぁ!!」ガバッ

照「…ここは?」キョロキョロ

和「おはようございます。お義姉さん」

照「あっ!お前!てかその名で呼ばれる筋合いはない!!」

和「ひどいです…せっかくここまで運んできたのに」

照「あれ?そういえばここ…」

和「私の家です。お義姉さんが道端で気絶してたもので…」

照「…」ハッ

照「そうだ!そうだよ!!咲ちゃんが!!」バタバタ

和「落ち着いてください!」

照「ムリに決まってるだろ!!私の咲ちゃんがあんな女に!!」

和「シャーラップ!!」

照「」ビクッ

和「いいですか。私たちは同じ望みを持つもの…同志」

和「1人では太刀打ちできなくても、2人なら戦える…かもしれません」

照「…というと?」

和「部長と咲さんの仲を裂きます」

照「お、おう…」

和「その先は勝負ということになりますが、まずは共同戦線をはりましょう。ね?」

照「…」

照「お前主導ってのは気に食わないけど、いいよ。やってやる」

照「咲ちゃんを取り返すためなら…悪魔にでもピンクにも魂を売ってやるよ」

和「…ありがとうございます」ニヤリ

-その頃-

咲「あーん」

久「ちょ…自分で食べてよ」

咲「いいじゃないですかこれくらい。はい」アーン

久「ったく…あんまり甘えるんじゃありません」ホレ

咲「…」モグモグ

咲「うん。おいし」

久「貴女…随分変わったわね」

咲「…部長が優しいのがいけないんです」

久「私のせい!?」

咲「そうです。私は悪くなーい」

久「…幼稚化もしてるんじゃないの?」

咲「ひどい!」

久「咲のこの姿…他の人が見たらどう思うかしらね」クスクス

咲「…見せませんよ。部長にしか」

久「~っ」プルプル

咲「?」

久「咲~!!」ガバッ

咲「ちょっ…やめれ!まだご飯の途中…」

久「咲が悪い!」ギュー

咲「えー」

咲「部長だって全然違うじゃないですか」

久「咲が悪い!」ギュー

咲「それしか言ってない…」

久「それに…私もこんなことするの、咲だけよ」

咲「…当然じゃないですか」

咲「私以外にこんなことしたら…許しませんよ」ギュ

久「もちのろん!」

――――――――――――――――
――――――――――――
――――――――
――――

照「あ、もしもし菫?ちょっと私こっちに泊まっていくから」

菫『本気か?…まあ私は止めないが』

照「菫はどうするの?」

菫『私は…いや、私もお前がこっちにいる間は長野にいる』

照「…わかった。じゃあ帰るときになったら連絡するね。バイバイ」

菫『じゃあな』プツッ

照「保護者の許可がおりました」

和「了解です。では作戦を練りましょう」

照「そうだね…」


菫「…宿、どうしよう」ブルブル

照「でもぶっちゃけできる事ってなくない?」

和「…と、いいますと?」

照「だって…咲が竹井のことを嫌いになると思う?」

和「…」

照「正直、私は無いと思う。咲ちゃんて一途だから…」

和「じゃあどうしたいんですか?」

照「それが思いつかないから困ってるんだよー!」ウガー

和「まあ…多少強引でもいいなら私に案があります」

照「強引!?」

和「この手なら愛しているよ…ということを間接的に伝えられると思います」

照「…」ゴクリ

照「その方法とは…」

和「…」コクリ

和「咲さんをレイp」


ウー!!ウー!!

優希「うわ…警察だじぇ。久しぶりに見た」

京太郎「だなーこんな田舎で物騒な。優希!家まで送ってやるよ」

優希「ふぇ!?」

京太郎「お前も一応女だろ?何かあってからじゃ遅いからな…」

優希「え?あ、ああ…じゃあよろしく」///////

まこ(棚ぼたじゃな…頑張れよ優希)

まこ「ん!?」

まこ「おい…あれ…」

優希「?」

菫「寒い…」ブルブル

優希「あー!!白金台の部長!!」

まこ「白糸台な。それにしてもなんでこんなとこに…おーい!」

菫「うん!?ああ…君たちは確か清澄の…」

まこ「何してるんですかこんなところで」

菫「いや…宿がなくてな。歩いても歩いても田んぼと畑で…」

まこ「…」

まこ「よかったらウチに来ますか?」

菫「いいのか!?…あ、いやでも…」

まこ「このあたりにゃあ宿なんてないですし、このままじゃ凍死しちゃいますよ」

菫「…すまない。この恩は必ず」

まこ「そういうのはいいですよ。困ったときはお互い様ってやつです」

菫「…天使だ」

まこ「必要以上に褒めんといてください。じゃあ行きましょう」

菫「本当にすまない…」

まこ「だーからいいですって!あんまりヘコヘコされちゃあこっちもやりづらいですから」

菫「むぅ」

優希「やっぱり染谷先輩はやさしいじぇ」

まこ「だからやめんしゃいって」

まこ「それよりそろそろ分かれ道じゃろ?優希を頼むな」

京太郎「了解です」

優希「ふん。いざとなったら盾くらいにはなるかもな」

京太郎「そんな扱い!?」

まこ「はいはい。夫婦漫才はそれまで。じゃあな」

京太郎「はい。さようなら」

優希「バイバイだじぇー」

菫「…後輩と仲がいいんだな」

まこ「うちは人数少ないですから…必然的に」ハハハ

菫「うらやましい。ウチは後輩1人1人まで手が回らん…それが本当に申し訳なくて…」

まこ「…仕方ないですよ。むしろ気にかけてもらってるだけでも後輩はうれしいと思いますよ」

菫「そうだといいんだが」

まこ「絶対そうですって。学校は違いますけど後輩が保証します」

菫「…そっか」フフフ

菫「ちょっと気が晴れたよ。ありがとう」

まこ「いえいえ」

まこ「そろそろ着きますんで、先にお風呂をどうぞ」

菫「そんなわけには…それに…着替えも持ってないんだ」

まこ「ほほう」キラン

菫「?」

まこ「着替えに関しては問題ないので…安心してくんしゃい」

菫「はぁ…」

――――――――――――――――

和「何してるんですかお義姉さん!!警察の皆さんにすごい怒られたじゃないですか!!」

照「ふざけんなお前の発言は法に触れてんだよ法に!!あとその名で呼ぶな!!」

和「レ○プから始まる恋もあるんですよ!!」

照「ねぇよスイーツ脳!!」

和「じゃあ指くわえて別れるの待ってろって言うんですか!?」

照「そ、それは…」

和「ほら!やっぱり多少強引にいかないと…」

照「多少じゃないって言ってんの!!」

和「些細なことです!!」


ヤンヤヤンヤ!!


???「…同志を見つけました」

照「!?」ビクッ

和「どうしましたお義姉さん?」

照「何か…禍々しい何かが…」

和「言葉に詰まったからって苦しい言い訳ですね」

照「いや、違うんだ本当n…」


パリーン!!


照&和「「!?」」

美穂子「その話…私も乗りました!!」

照「う…うわあああああああ!!」

和「泥棒!?不審者!?とにかく警察に!!」

美穂子「…あ、あら?」

ウー!!ウー!!

優希「そのうーうー言うのをやめてほしいじぇ」

京太郎「またか…本当に何かあったのかな」

優希「な、なあ犬」

京太郎「?」

優希「お前…私を送ったらどうするつもりだ?」

京太郎「どうって…帰るよ。家にな」

優希「でもこんなに警察が…物騒だじぇ」

京太郎「まあな。でも帰るしかねえだろ」

優希「だ、だから!!」

京太郎「?」

優希「今日…泊まってけ」

京太郎「…」

京太郎「は?」

優希「勘違いするなよ!このまま犬を帰して…万が一死んじゃったら私の寝覚めが悪いってだけだ」

京太郎「そ、そりゃあそうだろうけど…なあ?」

優希「私がいいって言うんだ。拒否権はない」

京太郎「さいですか」

優希「服も私の父のでよければかしてやるし」

優希「だから…な?」ウルウル

京太郎「…」ハァ

京太郎「…じゃあ頼もうかな。正直ちょっと怖いし」

優希「そ、そうだじぇ。人の行為はありがたく受け取っておけ」

京太郎「ははー優希様!!」

優希「ふん。よくわかってるじゃないか!」

優希「それじゃあ急ぐじぇ!!」ダダダダ

京太郎「うおっ!!ちょ…待て!!」

アハハハハー
マテー

――――――――――――――――

和「またすっごい怒られたじゃないですかー!!」ウワーン

照「今回はこの人が悪い」

美穂子「ま、まさかこんなに怖がられるなんて…」オロオロ

和「器物破損に不法侵入ですよ!!」

照「むしろ冷静でいろって方が無理…」

美穂子「ご、ごめんなさい…でも…あなた達は私と同じ目的があるようだったから」

和「同じ…」

照「目的?」

美穂子「…」コクン

美穂子「宮永…咲さんと上埜さんの仲をよく思っていないのですよね?」

照「上埜?」

和「部長の旧姓です」

照「なるほど…ってコイツも咲ちゃん狙い!?」

美穂子「いえ…私は上埜さんと結ばれる運命ですので」

照「なんだーそれならよかった」

和「ですが…手を打ちたくても決定打が無い現状は変わりません」ハァ

美穂子「…なら、私に考えがあります」

照「法には触れるなよ」

美穂子「もちろんです。変な薬を使ったりはしません」

和(…この人ならやりかねないですね)

照「で、その方法って?」

美穂子「はい。とっても簡単な方法なのですが…」

照「うん」

美穂子「私が上埜さんと無理やり寝て、あなた方が咲さんと無理やり寝てしまえばいいんです」

照「ピンク」

和「はい。お義姉さん」

美穂子「?」

照「それがダメだって言ってんだよ!!」ゲシゲシ

和「あなた私たちをなめてるんですか!?」ポコポコ

美穂子「え?ええ?でも法には…」

照「無理やりって言ってんだろうが!それじゃあ法に触れるんだよ!!」

美穂子「」ガーン

美穂子「じゃあもう私たちが2人の恋人より魅力的になるしかないじゃないですかー!!」

和「」ピタッ

照「」スッ

美穂子「?」

和「なんてことでしょう…私たちは今まで相手を出し抜くか暴力的に解決するかしか考えていませんでした」

照「そう。自分という存在をないがしろにしていたんだ」

美穂子「?」

和「やりましょう」

照「ああ、正々堂々真っ向から立ち向かうんだ」

美穂子「えっと…?」

照「つまり」

和「私たちが部長より魅力的な女性になればいいんです!!」

美穂子「…」

美穂子「は?無理に決まってるじゃないですか」ピキピキ

照「空気読め」

和「私たちだってあなたが咲さんより魅力的になるなんて全く思ってませんよ」

和「でもね、人の好みは様々ですし、捨てる神あれば拾う神ありってこともあるかもしれないじゃないですか」

美穂子「…」ギリッ

美穂子「わかりました。上埜さんに対する無礼には目をつむります」

美穂子「ですから…本気でやってくださいよ」

和「もちろんです」

照「お前こそ…逃げ出したりすんなよ」

美穂子「当たり前じゃないですか」

照「よし!明日までに魅力的な女性になって咲を寝取る!!今夜は徹夜だ!!」

和&美穂子「「おー!!」(私は上埜さんですが)」

――――――――――――――――
―――――――――――
―――――――
―――

咲「部長!一緒にお風呂入りましょ!」

久「はいはーい。ちょっと待っててね」ジャー

咲「洗い物なんて後でいいじゃないですか」

久「そういうわけにもいかないの」

咲「えへへ…でもなんか、こういうやりとり新婚さんみたいで照れちゃいます」テレテレ

久「ったく…可愛いこと言っちゃって」ワシャワシャ

咲「きゃあ」

久「じゃあパジャマだけ用意してきて?すぐに終わらせるから」

咲「はい!」タタタ

久「まったく…かわいいんだから」ニヘラ

カポーン

咲「さ、流石に2人だと狭いですね…」ジャバーン

久「そりゃそうよ」

咲「でも…あったかいです」

久「そうねー」フイー

咲「…」

久「…」

咲「…なんか言ってくださいよ」

久「じゃあ100数えるまで出ちゃだめよ」

咲「そういうことじゃない!!」

久「いいじゃない。ゆっくり同じ場所で同じ時間を過ごす。これだけでも十分幸せ」

咲「それは…そうですけど」

久「関係を急ぐ必要なんてないわー…なるようになる、なるようにしかならない」

咲「…なんかおばさんくさいです」

久「ひどい!!」

――――――――――――――――

京太郎「…」ドキドキ

優希「…」ドキドキ

京太郎「なあ、なんで俺お前の部屋で寝てるんだ?」

優希「うるさい犬。不審者が家に入ってきたらどうする?」

京太郎「いねえだろ…二階の窓突き破ってくる不審者なんて」

優希「いる!」

京太郎「…そうかい」

優希「布団で寝かせてやってるんだ…それだけでもありがたく思え」

京太郎「はいはい」

優希「…」

優希「…なあ犬」

京太郎「?」

優希「お前…好きな人とかいるのか」

京太郎「…」

京太郎「…いたよ」

優希「そっか」ズキッ

京太郎「ずっと好きだったやつがいた。もう諦めたけど」

優希「…なんで?」

京太郎「そいつに恋人ができて、すっげぇ幸せそうだったから」

京太郎「自信…無くした」

優希「…そっか」

優希「じゃあお前は犬じゃなくて負け犬だな」

京太郎「…」ムッ

京太郎「おい。俺だって怒るんだぞ」

優希「だって…諦めたんだろ?気持ちも伝えないで」

京太郎「…」

優希「それは…負け犬だじぇ。しかも勝負すらしてない負け犬」

優希「男らしくないし、同情もできn」

京太郎「黙れ!!」ガバッ

優希「…ふん。言い返せなくなったら暴力か。つくづく負け犬だな」

京太郎「…っ」

京太郎「すまん…」

優希「私、今日お前に話し合ったんだけどやめた」

京太郎「…?」

優希「京太郎…明日、爆死してこい」

京太郎「はぁ!?」

優希「私が待っててやるから…思いだけ伝えて来い」

優希「私の柔らかい胸はあけといてやるから」

京太郎「…」キョトン

京太郎「…ぷ…くすくす」

優希「なぜ笑うか!!」

京太郎「お前の体で柔らかいのは頬と腹だけだろーが」クックック

優希「なんだとー!!」ガー

京太郎「あははははははは」

京太郎「…ありがとな。明日、行ってくるわ」

優希「…おう。報告待ってるからな」

京太郎「ああ」

――――――――――――――――

菫「あのー…これ…」ヒラヒラ

まこ「すまんなー!あんさんに合う服がそれしかなかったけ」

菫「フリフリが…」

まこ「メイド服。名前くらい知っとるじゃろ?」

菫「う…うぅ…」

菫(泊めてもらう身とはいえ…これはキツイ)カァァァ

まこ「ふ~む」パシャパシャ

菫「ちょ!?何撮って!?」

まこ「まあまあ…似合うとるから形に残しときましょ」

菫「や…やめて…」ウルウル

まこ(まずい…変な趣味に目覚めそうじゃあ)ハァハァ

菫「…」プルプル

――――――――――――――――
―――――――――
―――

-次の日-

照「…私たち、魅力的になったかなぁ」

和「もちろんです!昨日の私たちよりはるかに!!」

美穂子「ええ!」

照「でも…本を読んでただけだよね?」

和「知的な女性は魅力的です!」

美穂子「その通り!」

和(まあ、部長にそっち方面で勝てるかと言われれば…)

照「うーん…まあでも行くしかないかぁ」

美穂子「ところで今日は学校はお休みですけど…部活動はあるのかしら」

和「」

照「え?」

和「…とりあえず、咲さんの家に向かいましょう」

テクテクテク

照「あれ?なんか向こうから人が走ってくる」

和「あれは…須賀君!?」

美穂子「でも様子が…」


京太郎「…っ」ダダダダダ


和「須賀く…」

京太郎「…」ダダダダダダ

照「え?京太郎君!?うわ…すっごい大きくなってる…」

美穂子「…こっちに見向きもしませんでしたね」

和「何があったんでしょう…」

照「気になる気持ちはわかるけど…」

和「はい。大丈夫です」

和「いざ!咲さんのもとへ!!」

咲「…」

久「咲…」

咲「京ちゃんのこと…嫌いじゃなかったんです。むしろ大好きでした」

久「…ごめん」

咲「謝らないでください。私は…今、部長が1番好きなんです」

咲「部長以外の人とそういう関係には…なれません」

久「咲…」

久「なんていうか…ありがとう」

咲「もう。やめてください…でも、それならお礼が欲しいです」

咲「…」ンー

久「いいの?」

咲「…早くしてください」

久「うん」ドキドキ

咲「…」ドキドキドキ

照「ただいまー!!」

咲&久「「」」ビクッ

照「お姉ちゃんがー帰ってきたよー!!」

照「さーきー!!」

和「あ、おじゃましますー」

美穂子「…あら。上埜さんの匂いがします」

久「」

久「やっっっっばいのが来た!!!」ガタガタ

咲「え?部長!?」

久「美穂子だけは…美穂子だけはまずい!!」

久「なんで?隔離病棟に幽閉されてるはずじゃ…」

咲「え!?あの人今そんなことになってるんですか!?」

久「逃げるわよ!!…逃げ切れるとは思えないけど」

咲「え…えええ!?」

久「おりゃー!!」

咲「ええええええ!?ここ2階いぃぃぃ!!」


ドンッ!!


久「…っ!行くわよ!!」

咲「え…あ…ど、どこへ?」

久「とりあえずまこの家!地下室にでも隠してもらいましょ!!」ダダダ

咲「は、はい!!」タタタタ



照「あれー?おかしいな。鍵開いてたしいると思うんだけど」

美穂子「…これは!?」

和「どうしました?」

美穂子「窓があいているのですが…ここから上埜さんの匂いが強くします」

照(何ソレ…)

和「ではここから部長が外に出たというのですか?」

美穂子「おそらく」

照「でも何で…」ハッ

照「まさか…強姦魔が家に押し寄ってきて、ここからしか逃げられなかったとか!?」

和「!?」

和「確かに…強盗にしては家の中が片付いています。狙いは初めから…咲さん!!」

美穂子「もしくは上埜さん!!」

照「いや、もしかしたら『2人ともいただいちゃうぜグヘヘ』みたいな…」

3人「」ゾクッ

美穂子「こうしてはいられません!!早く追いかけましょう!!」

照「でもどうやって!?」

美穂子「上埜さんの匂いをたどります!まだそう遠くへは行っていないハズ…」

和「わかりました!急ぎましょう!!」ダダダダ

――――――――――――――――

久「まこー!!」

菫「いらっしゃいませ…だにゃん。何名様ですか…にゃん」

久「」

咲「」

菫「」

まこ「おーいらっしゃい!どうしたんじゃそんなに急いで」

久「い…いろいろ突っ込みたいけど今はそれどころじゃないの!!かくまって!!」

まこ「なんじゃわりゃあ…また女絡みか」

咲「また?」ジー

久「誤解を生む言い方すな!!」

久「とにかく…あのワインとかおいてある地下室借りるわよ!!あと、私たちがここ来たのは内緒ね!」ダダダダダ

まこ「おうおう忙しいのう!承知したぞー!」

菫「死にたい…」グスグス

――――――――――――――――

美穂子「ここに上埜さんが入っていったようです」

和「え…でもここ染谷先輩の…」

照「わかった。ここに逃げ込んだんだ!ってことはきっと無事だよ!!」

和「でも油断はできません…落ち着いて行動しましょう。最初はあくまでもお客さんを装って」

美穂子「…」ゴクリ

照「行くよ…」


カランカラン


菫「いらっしゃいませだにゃんご主人様♪何名様ですかにゃん?」フッキレタ

照「え?菫?」

菫「」

和「3名です」

菫「」

照「…」ジー

まこ(ん?ありゃあ風越の…なるほど)

まこ「おーい和!こっちきんしゃい!!」

和「あ…はい」テクテク

美穂子「…」テクテク

照「…」ジー

菫「」

照「…」ジー

菫「」

照「…にゃん♪」

菫「」

照「…」テクテク

菫「…」

菫「…死のう」

美穂子「私たち以外にお客さんはいませんね」

和「…やはり逃げてこれたのですね」ホッ

照「でもおかしい」

和「?」

照「それなら咲と竹井はどこに…」

美穂子「…ごめんなさい。コーヒーやらなんやらの香りが強すぎてわかりません」

美穂子「ですがこのお店のどこかにはいると思われます」

和「それだけでもわかれば十分です」

和「染谷先輩!少々お聞きしたいことが…」

まこ(きたか)

まこ「なんじゃー?和」

和「このお店に…咲さんと部長が来ているはずなのですが、心当たりは…」

まこ「先に部長!?…わるいけど来とらんよ?」

照「え!?」

美穂子「そんなはずありません!!だって入口まで上埜さんの匂いがしていました!!」

まこ(なんじゃあそりゃ)

まこ「でもなぁ…来とらんもんは来とらんけ。なんかの間違いじゃないんか?」

美穂子「そんなはずは…」

照「…ちょっといい?」クイックイッ

和&美穂子「「?」」

照「すっごい失礼な話になっちゃうかもしれないんだけど…」ボソッ

照「もし、あの人が強姦魔だったとしたら!?」

美穂子「!?」

和「そんな!染谷先輩はそんなこと!!」

まこ「?」

照「しー!!」

照「だから言ったじゃん。失礼な話かもって!」

和「で、ですけど…」

照「たとえば…だけどさ、この建物に屋根裏部屋とか地下室とかない?」

和「たしか…地下室なら」

照「そこに、拉致してきた咲ちゃんと竹井を軟禁しているとしたら?」

美穂子「!?」

照「来ているはずの2人が来ていない。なんて言うのは…きっと隠したいから」

和「私たちに…見つからないように」

美穂子「まさか…」

照「点と点が…線になったとは思わない?」

和「で、でも私は…」

照「うん。だから…聞いてみよう」

照「染谷さん!」

まこ「はいはーいって、うお!チャンピオン!?」

照(遅ぇ!)

照「ちょっと…地下室を覗かせていただいてもよろしいでしょうか?」

まこ「え゛」

まこ「そ、それはちょっと…お客様ですし」アセアセ

照(怪しい…)

和「わ、私からもお願いします!何より…染谷先輩のために!!」

まこ(なんで!?)

まこ「いやでも…あそこ暗いし汚いし」

美穂子「そんなところに上埜さんを閉じ込めてるんですか!?」

まこ「人聞きの悪いこと言いなさんな!ありゃあ勝手に入ってっただk…あ」サー

照「いるんですね…」

和「そんな…染谷先輩…」

美穂子「」ニッコリ

まこ「すまんな。わしはここまでみたいじゃ」フッ


バキッ
ゴスッ
グシャッ

菫「…天使が…天に召された…」

カツーン

カツーン

カツーン

久「足音は3つ…ここまでね」

咲「そ、そんな…」

久「咲?私がいなくなっても、立派に生きていくのよ?」

咲「や…やだぁ…嫌です…部長……」グスッグスッ

久「もう。わがまま言わないの」

久「それに…ね、咲の中で私は生き続けることができる。それってとっても素敵なことでしょ?」

咲「全然…素敵じゃないです!まだ私たち…何もしてない!!…なんで私たちばっかりこんな目に…」ポロポロ

久「咲…」ギュッ

久「思い出を、ありがとう」

咲「…本当に、最後なんですか?」

久「…多分」

咲「じゃあ…私にも思い出をください」

久「そういえば途中だったわね…」

咲「はい…」ンー

久「咲…好きよ」チュッ

咲「…」ポロポロ



照「はいドーン!!」

和「咲さん大丈夫でs」

美穂子「」

照「」

和「」


久「…んっ」

咲「あっ…」

久「来たわね…ただでは殺されないわy……?」

久「…」

久「…気絶してる」

久「咲!逃げましょう!!」

咲「え?あ、はい!!」ダダダダ


タッタッタッタッタ


久「まこ!?大丈夫!?」

まこ「なんとか…な」ハァハァ

まこ「この貸しは…でかいぞ?」

久「ありがとう…まこ。一応、警察と救急車呼んでおくわね」

まこ「ああ。すまんね…それより早く逃げんしゃい。アレは手におえん…」ガクッ

久「まこー!!」

久「…」

久「…逃げるわよ。咲」

咲「…はい」


咲(…何が起きてるのかさっぱりわかんないんだけど)

――――――――――――――――
―――――――――
―――

ウー!!ウー!!
ピーポーピーポー

優希「…昨日からちょっと騒がしすぎだじぇ」

優希「な、京太郎」

京太郎「…そうだな」

優希「今の京太郎…最高にかっこいいよ」

京太郎「…ありがとな」ギュー

優希「はいはい。今日は思いっきり甘えるといいじぇ」

京太郎「うっ…く…うわぁぁっ…」ポロポロ

優希「ったく…」

優希(こっちだって泣きたいってのに)

優希(バカ京太郎…)

何処へ突撃したんだ……

――――――――――――――――

咲「あのー…」

久「?」

咲「なんかその場の雰囲気に流されていろいろ動揺しちゃったんですけど…」

咲「つまるとこお姉ちゃんと和ちゃんと美穂子さんが遊びに来たってだけですよね…?」

久「…」

久「ぶっちゃけ、私も美穂子を見て動揺しちゃっただけの気もするわ」

咲「えー!?」ガビーン

久「まあでもホラ」

咲「?」

久「そのおかげで咲との関係に進展あったし、結果オーライってことで!」

咲「…そういうことにしておいてあげます」

久「ありがと。そんなとこも好きよ」

咲「バカ…」

――――――――――――――――

和「違うんです!!私は何も…」

照「それは無理があるだろ!!お前『ごめんなさい…ごめんなさい…』って言いながら結構思いっきり…」

和「あ、あの時は…その…咲さんの危機かと思いまして!!」

美穂子(あー…これ、私また病院に収容でしょうか…)

美穂子(ま、抜けますけど)

照「とにかくやったのはコイツ1人。以上!」

和「ちょ…しれっと嘘つかないでください!!」

美穂子「お2人は仲がいいですね!羨ましいです」ニコッ

照「お前なんで他人ごとなんだよ!!」

和「もとはといえば貴女が匂いが~とか言ってたんですからね!?」

美穂子「え?えええ???」


まこ(少しは静かにできんのかい)ハァ

菫(宥に会いたい…)ハァ

――――――――――――――――
――――――――――
―――――
――


照(ってなわけで私のプチ帰省?は終わった)

照(結局、咲は竹井と仲良くやってるみたいだ。竹井が妬ましい)

照(美穂子はふたたび病院へ。同志が増えたとかなんとか。ピンクも入院したらしいしそのことかな?)

照(そういえば最近、菫がよくそわそわしている)

照(なんでも、恋人に例の服が好評だったようだ。本人もまんざらでもないっぽいし)

照(あ、あと京太郎君に彼女ができたとか)

照(昔はよく一緒に遊んでたから感慨深いなぁ。きっとかわいい彼女さんだろう)

照(あーそれにしても…)

照「みんな幸せで羨ましいなー…」ハァ

照「…」

照「死にたい…」


カン!

お付き合いありがとうございました!

>>182
京太郎は咲さんに告白して撃沈…ということで

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