『咲-Saki-』 照「個人戦」憩「上位三人に買ったら」智葉「賞金100万円?」 (129)

 このスレは『咲-saki-』のSSです。スレ建て含めて初投稿なのでミスがあったらすみません。





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《会議室》

恒子「そう!急遽決まったことだから申し訳ないんだけど、よかったら出てくれないかな?テレビ局からの正式なオファーだから、出演料は弾むよ」

智葉「別にかまいませんが。しかし団体戦が終わった次の日、要するに明日とは、随分と急ですね」

憩「そうですねー。ウチは個人戦だけやから大丈夫ですけど、宮永さんなんかは団体戦終わったばっかやし、挑戦者さんもちゃんと集まるんですか?」

照「…………」モグモグ

恒子「いやー、本当はするつもりなんて無かったんだよ。個人戦が一日延期になったのは聞いてるのよね?」

智葉「はい。突然で驚きました」

憩「ウチも、ホテルの滞在費用監督に頼んで慌てて払ってもらったんですよ」

照「…………」モグモグ

恒子「ありゃりゃ、やっぱり迷惑かけちゃってるね。それは本当にごめん。ほら、団体戦決勝で照明がなぜか壊れて停電で試合止まったでしょ?それで運営スタッフたちが、点検だー、延期だー、ってなっちゃったから慌てて各種オファーと放送スケジュールの調整してるんだよ」

智葉(というか、そもそもの原因は清澄の方の宮永だろ)

憩「大変ですねー。NHKの甲子園中継みたいにはできひんのですか?」

恒子「麻雀は屋内だからね。甲子園と違って、遅らせることはあっても延期することなんてまずないでしょ?」

憩「それもそうですねー」

照「…………」モグモグ

智葉「お前はいつまで菓子ばかり食ってるんだ?」

照「……そこにお菓子があるから?」モグモグ

智葉「……何で疑問形なんだ?」

恒子「あ、お菓子ならたくさん持ってきたから、気にしないで食べちゃっていいよ」

照「…………!!」キラッ

智葉「おい、今マジで目が光ったぞ!?」

憩「いやー。宮永さんとお話しするの初めてやけど、麻雀以外やとホンマ大人しゅうておもろいんやね。意外やわー」

照「……カントリーマームもキノコとタケノコも、合わせて食べれば二倍おいしい。ケンカしてまでお互いを潰し合うなんて、それこそ邪道」

智葉「いや、お前の菓子に対する自論は聞いてないから」

恒子「さて、解説の荒川プロ。ここまでの辻垣内選手のツッコミはいかがでしょう?」

憩「いやいや、中々センスが垣間見えますよ。身近にツッコミ入れる人が居る感じの慣れが見えます」

恒子「なるほど!」

智葉「初対面なのに仲良いなおい!?」

照「アポロおいしい」モグモグ

次の日

《控室:辻垣内智葉》

「リハーサルお疲れ様です」

智葉「お疲れ様です」

「本番は30分後です。それまでゆっくりしていて下さい」

智葉「わかりました」

智葉「…………ふぅ」シュル(ヘアゴム外す)スッ(メガネ外す)

智葉(オファーには三人とも快く引き受けた)

智葉(監督も二つ返事で許可をくれたし、挑戦者役の選手も問題なく集められたらしい)

智葉「…………」

智葉(しかし、挑戦者対私たちという番組の性質上、私自身は荒川や宮永に表立って挑むことは出来ない)

智葉(そもそも、私と荒川の二人係で宮永の連続和了を抑えるのがやっとだ)

智葉(結局、面子の派手さで視聴率を捕まえつつ、宮永の強さを見せつけるデモンストレーションを体よく行いたいだけなのだろうな)

智葉(それがわかっていながら、一足早くリベンジ出来ると飛びついた私も私だな。)

コンコン

智葉「はい、どうぞ」

恒子「辻垣内選手、お邪魔し……ましたー。間違えました!」

智葉「……いや、合ってますよ」

恒子「え。うそ、辻垣内選手!?雰囲気全然違うんだけど!」

智葉「ん。ああ、普段は髪留めとメガネは外してるんですよ」スチャ(髪留めとメガネ装着)

恒子「お、おう。雰囲気全然変わるね」

智葉「よく言われます。それで、何か用ですか?」

恒子「おっと、そうだった。実は辻垣内選手に話があるんだけど」

智葉「話ですか?」

恒子「そうそう。今日の試合だけど―――」


恒子「―――本気で戦ってみたくない?」

智葉「…………ッ!?」

智葉「……しかし」

恒子「大丈夫。実はこの企画、発案したの私とすこやんなんだ。だから、ある程度は融通が聴くの」

智葉「…………」

恒子「それに、辻垣内選手が望むなら賞品も出すよ」

智葉「……賞品?」


恒子「―――村正」

智葉「…………!?」

恒子「正宗、長光、虎徹、左文字、一文字……」

智葉「……賞品に日本刀ですか」

恒子「ふふん。もし宮永選手に勝てたら、好きな刀を買ってあげるよ」

智葉「……本気ですか?物によっては、一本100万はくだらない名前もありましたよ?」

恒子「別にいいよ?これで辻垣内選手が本気を出してくれるなら、ね」

智葉「……そこまで言うなら、やって見せます。もう、反故にするのは許しませんよ?」ゴッ

恒子「ッ!」ゾクッ

恒子「……もちろん。楽しみにしてるよ。それじゃあね」

《控室:荒川憩》

憩「♪~」

憩「楽しみやわー。どんな子が出てくるんやろ」

憩「正直、宮永さんや辻垣内さんと本気で打ってみたいっていうのもあるねんけど、まあ楽しみは個人戦以降に置いとくことにしよか」

コンコン

憩「は~い」

恒子「お邪魔しまーす」

憩「邪魔するんやったら帰ってー」

恒子「はーい、ってなんでやねーん!」

憩「あら、福与さんお約束がよくわかってますねー。それで、本番前にどうしたんです?」

恒子「いやいや、荒川選手にご提案がありましてね」

憩「あらあら、なんでっしゃろ?」

恒子「……宮永選手たちと、本気で打ってみたくない?」

憩「…………」

憩「ええんですか?お偉いさん方は、そんなん求めてないんやないですか?」

恒子「大丈夫だよ。この企画は私とすこやんの発案だから、ある程度融通が聴くんだよ」

憩「へー、そうなんですか」

恒子「それに、もし宮永選手に勝てたら賞品も出すよ?」

憩「ええですねー。例えばどないなもんですか?」

恒子「―――ナース服」

憩「…………!」

恒子「セーラー服、学ラン、メイド服、チャイナ服、不思議の国のアリス、東方、初音ミク……望むなら、他にも用意してあげるよ」

憩「……ドンキやアマゾンの安物とかはお断りですよ?」

恒子「もちろん。荒川選手の希望するブランドを言ってくれていいよ」

憩「ホンマにいいんですか?ワンセット5万はくだらないですよ?」

恒子「大丈夫。お姉さん嘘はつかない」

憩「ほな、契約成立ですね……おかげで、楽しみが1つ増えましたわ」ゴッ

恒子「ッ!」ゾクッ

恒子「……それじゃ、楽しみにしてるね」

《控室:宮永照》

照「…………」モグモグ

照「…………」パクパク

照「…………」ムシャムシャ

照「…………おいしい」ホワワーン

コンコン

照「……どうぞ」

恒子「お邪魔しまーす、ってうわ、すごく幸せな笑顔!?」

照「お菓子を食べれば、人は幸せになれるんです」

恒子「残念ながら、それだけの量を食べて幸せでいられるのは宮永選手ぐらいですよ」ユビサシ

照「…………」ゴミバコゴチャー

恒子「まだ食べるの!?」

照「……それで、何か御用ですか」

恒子「あ、うん。えっと、今回のオファーって宮永さんにはあまり徳がないでしょ。だから、賞品を用意することに決めたの」

照「賞品ですか?別に、打たしてもらえるだけで十分ですが」

恒子「いやいや、私が気にするんだって。遠慮しなくていいから。というか、宮永選手の本気が見たいっていうのもあるんだけど」

照「はあ」

恒子「―――明太子」

照「…………!?」

恒子「やさいサラダ、チーズ、サラミ、コーンポタージュ、たこ焼き」

恒子「お菓子好きの宮永選手なら、何かわかるよね?」

照「……うまい棒」

恒子「そう。もし宮永選手が今日一度も負けなかったら、今ある種類のうまい棒合わせて100本用意してあげる」

照「100本……そんな、合わせても1000円はくだらないですよ!?」

恒子「ふっふっふ、テレビ局の力があれば、それくらい安いもんさ」

恒子(ていうか本当に安いし)

照「……わかりました。お望み通り、本気で行かせていただきます」ゴッ

恒子「ッ!」ゾクッ

恒子「……うん。それじゃ、楽しみにしてるね」

《スタジオ》

智葉「早いな、荒川。放送開始までまだ15分あるぞ」

憩「いやー、関西人はいらち(せっかち)ですからねー。そないやのうても、テレビに撮影されながら打つなんて初めてですから」

智葉「まあ、それもそうか」

憩「なーなー、辻垣内さん」

智葉「なんだ?」

憩「……何かええことありました?」

智葉「……それはお互い様だろ」

憩「あら、やっぱり……わかっちゃいます?」

智葉「当然だ。悪いが今日は……勝たせてもらう」ゴッ

憩「ほな、お手柔らかに」ゴッ

「宮永さん入りまーす」

憩「チャンピオンのご登場やな」

智葉「ああ。どうやらアイツも、何か持ちかけられたようだな」

憩「そうみたいね。これはまた、骨が折れそうやわー」

照「…………」オオオオ

「放送開始まで、あと一分です!」

智葉「それじゃ、よろしく」

智葉(景品の刀はともかく、まずは荒川から先に倒すか)

憩「よろしくお願いしますー」

憩(コスプレ衣装は惜しいけど、正直4人目が誰かわからんことには何とも出来へんかなー)

照「……よろしく」

照(うまい棒うまい棒うまい棒うまい棒うまい棒うまい棒うまい棒うまい棒うまい棒うまい棒)

よりにもよってスレタイ誤字、死にたい。買ったら→勝ったら

ローカルルールとか本当にわからないので気に障ったらすみませんが、今日のところはいったん消えます。

コメありがとうございます。書きだめはあるのでとりあえず出し切ります。


恒子「さあ!インターハイ個人戦の急遽延期が決まったため、本日は解説の小鍛冶プロと一緒に特別企画をお送りします!」

健夜「よろしくお願いします」

恒子「その企画とは、『個人戦上位三人から一位を取れたら100万円』!急な参加者募集にも関わらず、全国クラスの様々な選手から応募殺到。そのうち抽選で選ばれた計10人が日本最強の三人に挑みます!」

恒子「また、今回のルールは個人戦の持ち点の倍の5万点。それ以外は今年度のインターハイを適用します」

健夜「早い段階の飛び終了を防ぐためですね」

恒子「みんなが感じたことをズバッと言い切る。さすがすこやん、アラフォーは怖いものなしだね!」

健夜「アラサ―だよ!」

恒子「また今回、二位の荒川選手と三位の辻垣内選手は独立してプレーを行うことになっています!」

健夜「はあ……つまりあの二人は、挑まれる側でありながら、同時に宮永選手への挑戦者ということになるわけですね」

恒子「その通り!ではさっそく一人目の挑戦者、出てこいやあッ!」

智葉「……だそうだ」

照「いいの?なんか、一部の人たちがざわついてるけど」

憩「なんも問題ありまへんよ。要するに、自由に打ってもらってええってことです」

照「そう」


プシュー(スモーク)


恒子「一人目の挑戦者!1年生にして、神代選手、辻垣内選手、宮永選手といった強豪選手と対戦!県予選では個人戦東場歴代ハイスコアを記録!『東場の神』の火力はどこまで伸びるのか!清澄高校1年、片岡、優希ィッ!」


優希「お姉さんたち、リベンジしに来たじぇっ!」

照「……昨日ぶり」

憩「あらあら、可愛い子やなー。三箇牧に連れて帰りたいわー」

智葉「……ほう」

優希「絶対100万もらって帰るじぇ。そして、全部つぎ込んで最高のタコスを作るんだじぇ!」

照「……タコス」ジュルリ

智葉「お前、もはやただの大食いキャラになってるぞ」

照「気にしたら負け」

恒子「試合、開始ですッ!」

優希(張ったじぇ!)タンッ!

照「…………」

憩(一鳴きで5順目テンパイ。噂通り、東場の間は早いなー)

智葉「ロン、3900」

優希「じぇっ!?」

憩(ま、速度だけで勝てたらウチも苦労せーへんけどなー)



終局

宮永照 80300

荒川憩 63200

辻垣内智葉 38400

片岡優希 18100

優希「うぅ、また勝てなかったじぇ」

智葉(チッ。片岡の高火力を抑えること自体は簡単だが、やはり宮永、荒川を相手にしながらはキツイか)

憩(うーん、まだムラがあるなー。来年に期待やな)

照「…………」

優希「うぅ……」

照「……片岡さん」

優希「……じぇ?」

照「……楽しかった。今度、おいしいタコス屋さん教えて。一緒に行こう」

智葉(お?)

憩(へー)

優希「……おう、一押しの店に連れて行くじぇ!」

恒子「さあ!続いての挑戦者、チャンピオン宮永選手から倍満直撃!すべてのドラは私の支配下!最強の三人相手に『阿知賀のドラゴンロード』は暴れられるか!阿知賀女子学院2年、松実玄!!」



玄「よ、よろしくお願いします」ペッコリン

憩「あら、玄ちゃん久しぶりー。今日はよろしくー」

玄「お久しぶりです、憩さん。宮永さんも、またよろしくお願いします」

照「よろしく」

智葉「よろしく頼む」

玄「辻垣内さんも、よろしくお願いします」

智葉「ああ」

憩「玄ちゃんは、何でまた応募しよ思たん?いや、馬鹿にしとるんやなくて、こういうことはむしろ穏乃ちゃんの方が出たがりそうやけど」

玄「ああ、えっとその、賞金が気になりまして」

智葉「ん?意外だな。賞金目当てでホイホイ参加するようには見えなかったが」

玄「あ、いえ、そうではなくて。実は、実家が旅館を営んでるんですけど」

憩「そーそー。前もゆーとったな」

玄「はい。それで、今はインターハイでお手伝いが出来てないので、せめて賞金だけでも持ち帰って運営費に充てられればと思いまして」

照「…………」

憩「…………」

智葉「…………」

照憩智葉(めっちゃええ子や!)

憩(ちょっと待って。半分自分の欲望で打っとるウチらがすごい醜く見えるんやけど!)

智葉(眩しい、眩しすぎて目が開けられん!)

照(……心が痛い)

玄「?」キョトン



智葉(まあ、それはともかく)

智葉(松実玄、ドラの支配者か。とはいえ、ドラ抜きでも宮永を止められないことは準決勝で実証済み)タン

憩(さてさて。玄ちゃんには悪いけど、どないして利用させてもらおかなー)タン

玄「あ、ツ、ツモ!8000オールです!」

照「」

憩「」

智葉「」



終局

宮永照78300

荒川憩56200

辻垣内51000

松実玄14500

智葉(危なかった。うまいこと宮永に削らせることが出来たから良かったものの)

憩(ドラが固まっとるからヒヤヒヤやわ。心臓悪いなー)

照(……それにしても)

玄「うぅ……ありがとうございました」レイプ目

照憩智葉(……罪悪感がキツイ)



恒子「今のところは上位三人が力を見せつける状況が続いています。続いての挑戦者はこの方です!」

智葉「で、次の相手はお前か……本内」

成香「は、はい。よろしくお願いします」ペッコリン

智葉「はあ。それで、お前も賞金目当てか?」ギラッ

成香「ひっ!怖いです」

憩「おー、よしよし。ちょっと辻垣内さん。こんなかわいい後輩にそんな怖い目向けんといてえなー」ダキヨセ

成香(あ。この人は素敵です)

智葉「こ、怖いだと……」

照「大丈夫。智葉はヤクザさんみたいでカッコイイ」

智葉「それはつまり怖いってことか、おい」




誓子「ねえ爽ちゃん。どうして成香ちゃんが出てるの?」

爽「いや、揺杏の衣装製作代に困ってたからな。だから賞金に目がくらんで」

誓子「……あなた仮にもミッション高校の生徒よね?」

揺杏「本当は由暉子に衣装着せて申し込もうと思ったんだがな。流石の由暉子でも、あの三人相手にするのはつらいと思っての判断だ」

由暉子「それで、どうして本内先輩が出ることにつながるんですか?」

爽「それはまあ」

揺杏「単純に」

爽揺杏「「温情で一位を譲ってくれないかなと」」

由暉子「ダメな先輩の鏡ですね」

誓子「……成香ちゃん、頑張って」

成香「ぐす……怖いです」タン

照「ロン」

成香「は……はい」ナミダメ

憩(これはこれは……)


成香(これは、素敵に入りました!)キラキラ

照(目がすごく輝いてる)

憩(わっかりやすい子やなー)

成香(これです!)

智葉「ロン」

成香「え!?あ……はい」シュン

照憩智葉(((や、やりにくい……)))



終局

宮永照72200

荒川憩64000

辻垣内智葉61200

本内成香2600

成香「あ、ありがとうございました……」ナミダメ

照「お、お疲れ様でした」

憩「お疲れ―。えっと、大丈夫?」

成香「は、はい。ぐす、すみません」

智葉「お疲れ。まあその……なんだ。またどこかで打とう」

成香「え、は、はい!またよろしくお願いします!」パアー

智葉(……いい笑顔だな)

照(智葉が照れてる。珍しい)

憩(辻垣内さんが、あの辻垣内さんがデレた!これはええもん見れましたわー)

智葉(ふぅ、次は流石に)

憩(弱い物苛めしとる風に見えへん人が来るとええんやけど――)

恭子「くっ、あのオバハン。絶対これ申し込んだん面白そうやからやろ。何が練習や、練習になるとも思ってへん癖に。ホンマ腹立つわ」カタカタ

智葉(そしてよりによってお前かよ!?)

憩「あははー。よろしくな、末原さん」

照(始まる前から涙目でカタカタしてる)



終局

宮永照75100

荒川憩64900

辻垣内智葉46700

末原恭子13300


恭子「……普通の、ヒグ、麻雀、させてーな。グス」カタカタレイプ目

照(ごめんなさい。なんかごめんなさい)

憩(大丈夫。宮永さんは何もわるないよ、たぶん)

智葉(もう勘弁してくれ)

やえ「お見せしよう、(奈良)王者の打ち筋を!」

照(ええっと)

憩(なんや)

智葉(格上には弱そうなタイプだな)

やえ「ニワカは相手にならんよ!」

照「ツモ(コークスクリュー)」

やえ「に!?」

智葉「ロン(斬)」

やえ「にわ!?」

憩「ロン(お注射)」

やえ「にわかっ!?」

終局

宮永照70300

荒川憩47300

辻垣内智葉42300

小走りやえ40100

やえ「くっ……ニワカは私の方だったということか。いや、勉強になったよ、ありがとう。私はまだまだ、強くなれることがわかった」ザッ

照「…………」

憩「…………」

智葉「…………」

照憩智葉(意外に強かった!?)

書きだめ無くなったので今日はここで落ちます。
続きはまた明日更新します。

スレありがとうございます。
書きだめ途中までですが出来ましたので、いったん更新します。

恒子「さて、今からは出演者の休憩を兼ねて、お昼のニュースとインターハイ団体戦ダイジェストをお送りします。みなさんも、テレビのスイッチを切って昼食をお済ませくださーい」

健夜「だからそんなこと言ってたら本当にスポンサーさんからクレーム来るからね!?」

恒子「え?そしたらすこやんが養って―――」ブツッ(マイクオフ)

「お疲れ様です。今から40分間の休憩をはさんで、午後の部を始めます」

憩「わかりましたー」

智葉「……ぐふ、疲れた」雀卓にバタッ

照「お疲れ。でもまだ半分」

憩「大丈夫です?半荘5回で倒れてたら、個人戦三位の名が泣きますよ?」

智葉「そんなんじゃい。最初4人の泣き顔に良心の呵責でズタボロにされて、その直後にあんな強力な隠し玉だぞ。ついでに本内には怖いって言われ、松実玄は心が折られたような顔される。末原恭子には、何故か私だけが睨まれるで散々だったんだ」

照「仕方ない。智葉の目つきと打牌がヤクザさんみたいだったのがいけない」

憩「そうですよー。成香ちゃんはずっと辻垣内さん見て怯えてましたし、末原さんなんか終始手え震えてましたよ?」

智葉「何で私だけなんだ!?お前らの方がよっぽどエグイ麻雀するだろ!?ていうか今日私ほとんど稼げてないんだぞ!?」

照「そりゃ、憩は智葉と違ってバレないように暗躍してるから」

智葉「おい、こんな奴がナースのコスプレしてていいのか!」

憩「そら、宮永さんはもう台風みたいなもんですから。辻垣内さんに和了がれたら『残念』って気持ちになりますけど、宮永さんの和了がりはもう、『あ、ツモったんですか。点棒どうぞどうぞ』って感じですからねー」

智葉「……ああ、確かに」

照「……それはそれで傷つく」グスン

智葉「だったら少しは手加減を覚えろ」

照「それは出来ない」

智葉「当たり前だ。わかったなんて言ったらその瞬間ぶちのめしてたさ」

照「なにそれ理不尽」

恒子「CMあけた――」

健夜「言わせないよ!?こーこちゃんの暴走止めるようきつく言われてるんだからね!?」

恒子「ちょっとすこやん。更年期でイライラするのはわかるけど、マイクあるのに叫んじゃダメだよ」

健夜「ああ、ゴメン……ってこーこちゃんに言われたくないよ!そしてまだアラサ―だよ!!」

恒子「さあ、小鍛治プロの年を忘れたツッコミを堪能したところで、午後の部を開始します!」

健夜「ーーーーッ!!」



智葉「あのアナウンサー、よくクビにならないな」

憩「日本最強のグランドマスターを徹底的にいじり倒してますからねー。ウチらじゃ、恐ろしくてとても出来ませんわ」

照(え、あれ台本じゃなかったの?)

恒子「午後の部最初の挑戦者!白糸台のチーム虎姫は大将、宮永照選手の『後継者』とも呼び声高い新鋭!団体の敗北はまとめて倍返しだ!白糸台高校1年、大星淡ッ!」



照「……淡」

淡「やっほー、テルー。挑戦しに来たよ」

憩「あらあら、可愛い噂の一年生やんか。よろしくなー」

智葉「今日は1年が多いな。よろしく」

淡「ああ、うん。よろしく」

照「…………」

淡「……何、テルー?」

照「……何となく、今日は出てくる気がしてた」

淡「あは、面白いこと言うね、テルは。この番組、抽選自体はちゃんとやってるみたいだし、私が出れたのは本当に偶然なんだよ?」

智葉(ちゃんとやってなかったら、申し訳ないが、本内が出てくるわけないしな)

照「それでも、なんとなく」

淡「ふーん、流石テルー」

憩「それでー?噂の大星さんは、ウチらのことなんか眼中にないって感じなん?」

淡「ううん、逆。今日は、テルー以外と戦いたくて来たの」

憩「あれ?」

照「え、うそ……淡、熱があるかもしれない。待ってて、控室からチョコクッキー取ってくる」

智葉「おい待て落ち着け」

憩「チョコクッキーじゃ熱は下がりませんよ。爽やかミントキャンディーやないと」

照「わかった」

智葉「お前も話をややこしくするな!」

淡「……テルー。言いたいことはわかるけど、いくらなんでもその反応は軽くショックだよ。私のことなんだと思ってるの?」

照「大事な後輩」

淡「え……あ、うんありがと」///

照「?淡、顔が赤い。やっぱり熱が―――」

憩「なあ。ツッコミが追いつかへんから、これ以上ネタ放り込むのやめてくれへん?」

智葉「お前もな。そして時間があるわけじゃないんだ、宮永は一旦黙れ」ギラッ

照「よくわからないけどわかりました」サッ

憩「それで?宮永さんやなくて、ウチらと戦いたかったってどういうことなん?」

淡「……別にたいした理由じゃないよ」

淡「団体戦決勝、テル―たちが点棒いっぱい稼いでくれたのに、私がサキとシズノに削られて負けちゃったでしょ?」

淡「そのとき思ったんだ。テル―に勝つどころか、同い年に負けてる今の私の実力じゃテル―には勝てない、追い越せない」

淡「そして考えたの。どうすればテル―に追いつけるか。そしたら、高校100年生の私の頭脳が、最高の答えを導き出したの」

智葉(高校、100年、生……)フトモモツネリ

憩(笑ったらあかん、ツッコんだらあかん。可愛い後輩が一生懸命語っとるんやから)プルプル

照(淡、まだそれ言ってるんだ)


淡「――テル―より弱いやつら、全員倒せばいいんだって」

憩「…………」ピタッ

智葉「…………」スウッ

淡「そう考えてたところに、見事に棚ぼただよ。こんなに早く、テル―の次に弱い人とその次の人とまとめて戦えるんだから。取りあえずアンタたちを倒せば、私は現時点でテル―に一番近い人だって照明できる」

淡「そして、明日サキとシズノにリベンジすれば、晴れて私がテル―の後継者だって証明できる!」

淡「年上だから生意気な口きいてる自覚はあるけど、ごめんね」

淡「大人しく踏み台になってよ……テル―より弱い無能力者コンビ!」ゴッ サイコロマワス

淡「行くよ!!」タン

憩「…………いやー、ええなー。こういう、本当に麻雀にストイックに取り組んどる子って。宮永さんに苦しめられたウチ的に、こういう子大好きやねん。応援してるで……自分の実力をちゃんとわかっとるんやったら、な」オオオオ

智葉「……同感だな」ヒュウウウ

淡「アハッ!私の絶対安全圏はテル―にも効くんだよ。アンタたちに抜け出せる?」

淡(……なんて大見得切ってるけど、威圧感が本当にすごい!)タラリ

淡(正直、雰囲気だけならテル―をまとめて三人相手にしてるような気分。でも……押し切る!)

淡「これッ!」タン

憩「ロン」

智葉「ロン」

憩智葉「「8000」」

淡(……二位はドラ切り、三位は平和崩しのペンチャンで、点数まで合わせてきてる!?)

憩「甘いでー淡ちゃん。堂島ロールのロールケーキより甘いで」

智葉「まさか私たちを、配牌五向聴に抑え込んだぐらいで勝てると思っているのか?」

淡「…………ッ!」ゾクッ

淡「……当然!」カッ

照「…………」

淡「ダブルリーチ!」ギュルッ


憩「……」トン

智葉「ポン」


淡「カンッ!」

憩「……」トン

智葉「ロン、1300」

淡「え……なんで、そこで単騎待ちに差し込めるの?」

憩「さあ、なんでやろなー。考えてみ、有能力者の淡ちゃん」ニコッ

淡「ッ!?」ガタン

智葉(……悪魔め)

照「…………」

終局

宮永照64300

荒川憩57400

辻垣内智葉526000

大星淡25700

淡「…………ぐす」

智葉(大星から削った点数を、そのまま宮永に橋渡し。宮永の一位を御膳建てとは、コイツも十分魔物の域だな)

憩「……なあ、淡ちゃん。ええこと教えたろか」

淡「……なに?」

憩「ウチと辻垣内さんはな、強いのに無能力なんちゃうねん。無能力やから強いねん」

淡「……なにそれ、意味わかんない。能力無いのに、あんな千里山みたいな差し込み出来るわけないじゃん」

憩「ほなら、それが宿題や。それがわからな、ウチらは倒せへんし、宮永さんはもっと倒せへん」

憩「この最強の人……いや、ちゃうな。人外……魔物……化け物……妖怪…………お化けはな」

淡「…………ッ!」

智葉「おい、荒川。宮永が卓に突っ伏してマジ泣きし始めたんだが」

憩「期限は来年の個人戦まで。そんときに、淡ちゃんの答えを聞かしてもらうわ。その後は、一緒にお化け退治や」

淡「……うん、わかったよケイ!絶対来年、もっと強い高校101年生になってケイにリベンジして、お化け退治して見せるんだから!」

憩「うんうん、その意気や」

智葉「おい、宮永がショックのあまり目のハイライト消えてるんだが」

照「」レイプ目

煌「宮永さんと荒川さん、辻垣内さんと一緒に卓を囲めるなんて、とってもすばらです!」

照「」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

憩「いや、ゴメンな宮永さん。ちょっと悔しかったからネタにしただけやんか。淡ちゃんも元気になったし、やからその物騒なオーラ仕舞ってーな」

照「」フウッ

パキッ 

「わぁ、なんだ!?」 「突然、カメラが一台成仏しました!」

憩「」

煌「すばら!宮永さん燃えてますね。私も、同卓させていただく以上は負けませんよ!」

智葉(コイツ、これに恐怖していないのか!?名はしらんが、なんというメンタルだ……)



終局

宮永照 200000

荒川憩 0

辻垣内智葉 0

花田煌 0

憩「」

智葉「」

煌「」

照「…………」ムスッ


煌「……あーうー」

智葉(恨むぞ、荒川)

憩(恐ろしい人やわ……でもなんか様子がおかしいような、怒ってるようには見えへんというか)

煌「…………すばらでしたよ、宮永さん!」

智葉(復活しただと!?)

憩(んなアホな。どんなメンタルしてはるねん、この不思議ツインテールさんは)

照「うん。次はもう少し強くなっていることを期待してる」

煌「おやおや。手厳しい言葉、頂戴しました!」スバラッ!

憩(あれ、機嫌直っとる。ほなもう大丈夫かなー)

憩「宮永さーん、さっきは堪忍なー」

照「」ギロッ

憩(えー、なんでー?)

書きだめ無くなったので溜めてきます。
残り三人分、今日中に終わらせられる、でしょうか。

思いのほか長くなりましたが、いったん更新します。
今日中の完結は無理ですね。

智葉「宮永、いい加減そのRPGのラスボスみたいな顔で荒川を睨むのはやめろ」

照「R、P、G?」

智葉「訂正、ファンタジー小説のずっと憎しみを抱えてる系のラスボスみたいな表情で睨むのはやめろ」

照「え、そんなに酷かった」

智葉「ああ、私といい勝負な自身がある」

照「ひどい。ただ、その……拗ねてただけなのに」

憩(す、拗ねてた)

智葉(DVDに印刷されたアレから口角のつり上がりだけ消したような顔してたぞ)

憩「えっと、その。ウチ、なんか気に障るようなことしました?」

照「した。というか今もしてる」

智葉「今も?」

憩「え、そんな……ご、ゴメンナサイ!なんか気に入らんことありました?」

照「…………呼んでくれないから」

憩「はい?」

照「……私だけ、名前で呼んでくれないから」

智葉「は?」

照「淡たちは名前で呼んでたのに、対局中に名前呼びに変わっていったのに、私だけはずっと苗字呼びだから。私はずっと智葉も憩も名前で呼んでるのに、二人とも一向に名前で呼んでくれないから」

憩「えっと……それでおこ……拗ねてはったんですか?」

照「」コクッ

智葉「大星のことを心配していたのではないのか?」

照「心配?」

憩「大事な後輩てゆーてはったやないですか」

照「うん。淡は大事な後輩。でもそれ以上に、私は淡を信じてる。団体戦で負けを経験して、淡はようやく麻雀を打ち始めた。そうなった以上、私は信頼することはあっても心配することはない」」

憩「宮永さん……」

智葉「宮永……お前意外と――」

照「とはいえ、二人が名前で呼んでくれないから、呼んでくれるまで私もう打たない」

憩「宮永さーん!?」

智葉「ぶち壊しだな、おい」

照「」キッ

憩「あ……」

智葉「……子供か、お前は」

憩「……ホンマですよ。言うてくれはりましたらいつでも呼びましたのに、照さん」

照「…………!」キラッ

照「」チラ

憩「さ、智葉さんも早く」

智葉「断る……まったく、高校生チャンピオンの本性がこれか。こんなんに勝てないとは、われながら虚しくなってくるな」

照「でも智葉、チームメイトの留学生たちはみんな名前で呼んでる」

憩「へー、そうなんですか。意外ですねー」

智葉「なっ、なんで知ってるんだお前は!?」///

照「照魔鏡に見通せないものはない」

智葉「あ、あいつらはそもそも名前で呼び合う習慣がだなッ!」

憩「諦めましょや、智葉さん」

照「智葉」

智葉「ーーーーッ!」

智葉「……たく、わかったよ……照、憩」

照「デレた!」

憩「来ましたわー」

智葉「うるさい!」

佳織「……あのー、すみません。時間が押してるそうなので、席に着いてよろしいでしょうか?」

照「ゴメンナサイ」ペッコリン

憩「寛仁なー。テレビのことすっかり忘れとったわ」ペコリン

智葉「ああ、すまない。私としたことが、すっかりペースに乗せられてしまった」ペコ

佳織「せ、妹尾佳織といいます。よろしくお願いします!」ペッコリン

照「よろしくお願いします」

憩「よろしゅー」

智葉「よろしく」

照(どこの高校だろう?)

憩(見たことあらへん制服やなー)

智葉(強さというか、そういった覇気の類を感じない。コイツまさか、初心者か?)

佳織「……三つずつ、三つずつ」ブツブツ

照(……これは)

憩(捨て牌めちゃめちゃやなー)

智葉(やはり、初心者なのか?いやしかし、そんな奴がこの企画に応募してくるとも思えんが)




ゆみ「おい蒲原、どういうことだ!どうして妹尾が出ているんだ!?」

智美「ワハハ、いやー、ネットを漁っていたら偶然この企画の募集ページにたどり着いてなー。思わず応募していたんだ」

ゆみ「それでどうして妹尾が出演しているんだ!日本最強の三人だぞ!いくら麻雀が運の強い競技でも、妹尾がビギナーズラックだけで勝てるような連中じゃないんだぞ!」

モモ「こ、これは流石に、かおりん先輩が潰れないことを祈るしかないっすね」

睦月「う、うむ。安全祈願」

智美「ワハハ、それにしても、まさかこの中で佳織が当たるとはなー」

ゆみ「……なに?」

モモ「元部長さんが、かおりん先輩の名前で応募したんじゃないんですか?」

智美「ワハハ、違う違う。ちゃんと全員分送ったさ。出来れば、モモかむっきーが当たって経験を積ませるか、もう大会のないゆみちんに当たって、それからいい勝負を演じて、麻雀の強い大学からスカウトが来るように出来ればよかったんだけどなー」

ゆみ「……蒲原」

モモ「……元部長さん」

智美「……先輩」

智美「ワハハ」

ゆみ「……ふっ、まったく。変な気を回すな。私は、自分の力で行きたい大学に行くさ。それに、お前の受験勉強にも付き合わなければいかんからな。おちおちと麻雀の練習などしている暇があると思うか?」

智美「……ワハハ、それは困るなー」

佳織「……三つずつ、三つずつ」ブツブツ

照(……これは)

憩(捨て牌めちゃめちゃやなー)

智葉(やはり、初心者なのか?いやしかし、そんな奴がこの企画に応募してくるとも思えんが)




ゆみ「おい蒲原、どういうことだ!どうして妹尾が出ているんだ!?」

智美「ワハハ、いやー、ネットを漁っていたら偶然この企画の募集ページにたどり着いてなー。思わず応募していたんだ」

ゆみ「それでどうして妹尾が出演しているんだ!日本最強の三人だぞ!いくら麻雀が運の強い競技でも、妹尾がビギナーズラックだけで勝てるような連中じゃないんだぞ!」

モモ「こ、これは流石に、かおりん先輩が潰れないことを祈るしかないっすね」

睦月「う、うむ。安全祈願」

智美「ワハハ、それにしても、まさかこの中で佳織が当たるとはなー」

ゆみ「……なに?」

モモ「元部長さんが、かおりん先輩の名前で応募したんじゃないんですか?」

智美「ワハハ、違う違う。ちゃんと全員分送ったさ。出来れば、モモかむっきーが当たって経験を積ませるか、もう大会のないゆみちんに当たって、それからいい勝負を演じて、麻雀の強い大学からスカウトが来るように出来ればよかったんだけどなー」

ゆみ「……蒲原」

モモ「……元部長さん」

智美「……先輩」

智美「ワハハ」

ゆみ「……ふっ、まったく。変な気を回すな。私は、自分の力で行きたい大学に行くさ。それに、お前の受験勉強にも付き合わなければいかんからな。おちおちと麻雀の練習などしている暇があると思うか?」

智美「……ワハハ、それは困るなー」

佳織(……いらないよね)トン

憩「ロン、5200」

佳織「は、はい!」

智葉(初心者確定だな)

照「…………」(照魔鏡発動中)

照「ッ!?」ガタッ

智葉(!?)

憩(照さんが、驚いて立ち上がった!?)

佳織「……あ、あの。どうかしましたか?はっ!まさか私、なにかミスしてましたか!?」

照「…………何でもない、ごめん」

憩(これはこれは)

智葉(みやな……照の反応からして、能力持ちの初心者といったところか?厄介な)

佳織「えっと、一巡目ですけどリーチします」トン

憩(おっと、ダブリ―ねー)トン

智葉(大星のような力は感じないが)タン

佳織「……えっと、これは前読んだのと同じ形だから」

智葉(…………?)

照「…………」

佳織「……一つずつ、一つずつ」

憩智葉(((はっ!?)))ゾワッ

佳織「……あ、で、出来ました!国士無双の十三面待ちだから、えっと……ツモ、ライジングサンです!」

照「」

憩「」

智葉「」

ゆみ「……おい、蒲原」

智美「ワハハ、まさか本当に言うとは思わなかったなー」

ゆみ「……お前、妹尾に何を吹き込んだ!?全国ネットで漫画に出てくる役名を言うなんて、前代未聞だぞ!?」

智美「ワハハ、ちょうど、某麻雀風政治風刺漫画を佳織に貸してたところなんだ。」

モモ「かおりん先輩、不憫すぎるっす……」


照「」

憩「」

智葉「」

佳織「……え、あ、あの、どうかしましたか?」

照(ど、どうしよう)

憩(どうするゆうてもなー)

智葉(普通にいくなら、宣言ミスでチョンボ……になるのか?)

照(って言っても、もしかしたらあの某(中略)漫画に影響されて本当の役名だと思い込んでるのかも。それなのにチョンボにしちゃったら可愛そう)

智葉(そんな奴いるのか?というか、そんな超初心者がこんな企画に応募なんてしてくるのか!?)

憩(じゃあ智葉さん、チョンボですってゆったってーな。あの純粋な顔した子に、ドスの利いた声で)

智葉(張っ倒すぞ!?)

佳織「あの……」オロオロ

照(仕方ない、後ろのスタッフさんたちにそれとなく確認しよう。憩、お願い)

憩(任せてー)

憩()チラ

『判断は任せた』(カンペ)

憩「」

佳織「あのー……」

照(仕方ない。ここは大人しく、点棒を渡しつつそれとなく指摘する方向で)

憩(そないなこと言いましても、あんな純粋そうな子ですよ?そんなこと言われたら、恥ずかしさのあまり麻雀が黒歴史になって止めちゃう恐れも……)

智葉(とにかく、点棒を渡し、その後はそれとなくみやな……照に和了させてさっさとこの半荘を終わらせよう)

憩照((了解!))

佳織「あのーー……」

憩「ああ、ゴメンな待たせてもうて」バッバッバッ(スタッフへの和了承認のサイン)

佳織「そ、そんな。こちらこそ、せっかくの企画なのに麻雀始めたばかりの私が卓に入ってしまってすみません」

智葉(やはり初心者だったか)

憩(ビギナーズラック怖いわー)

照「そんなことない。麻雀は強い人がやるんじゃなくて、楽しみたい人がやるもの。ここで会ったのも何かの縁。一緒に麻雀を楽しもう」

智葉(よくもそんなセリフがスラスラと)

佳織「は、はい。わかりました」

智葉「とりあえず、点数申告を頼む」

佳織「あ、えっと。親なので、16000オールです」

憩(重いわー)

照(気にしない。アシストよろしく)

憩(まっかせてー)

睦月「なんか、三人とも慌ててるように見えませんか?」

智美「ワハハ、佳織の役満に驚いてるんだろう、いろんな意味で」

ゆみ「むしろ驚かない方が驚きだ」

モモ「あ、かおりん先輩のが字牌で染まったっす」

睦月「……あ、ツモりました」

ゆみ「……最近、妹尾も魔物の一人だと思えるようになってきた」

智美「ワハハ……私も」



照「」チーン

憩「」チーン

智葉「」チーン

佳織「……あの、大丈夫ですか?」

パラッ

「『刀とコスプレとうまい棒』……なんだこのメモ」

「それが福与アナから、フロアディレクターに渡して読み上げさせてくれと頼まれまして」

智葉(…………刀!)ガバッ

憩(…………コスプレ!)ガバッ

照(…………うまい棒!)ガバッ

佳織「え、あ、あの、皆さん?」

照憩智葉(((負けられない!)))ゴオッ



終局(東四局にて飛び終了)

宮永照202200

荒川憩16400

辻垣内智葉15400

妹尾佳織 -3400

智葉「ふぅ、さすがに座りっぱなしは、キツイっ」ノビ―

憩「あははー、出てくる人はみんな、おもろいんやけどねー」ノビ―

照「うぅ、腕が上がらない」サスリサスリ

智葉「そりゃあ、高めツモ和了がりするたびに腕振り回してるんだから当然だろう」

憩「そもそも、なんであんな不思議なツモり方するんです?」

照「こうでもしないと、チャンピオンとしてのキャラが薄くなる」

智葉「いや、十分濃いぞ。というかもはや濃すぎて黒一色だ」

憩「智葉さんのツッコミも格段にするどなりましたねー」

照「確かに」

智葉「誰のせいだ」

照「誰のせいだろう」

憩「誰のせいやろねー」

「9人目、入りまーす」

憩「はーい、ってあれはまさか」

智葉「どう見ても」

照「神代さん『たち』だね」

小蒔「こんばんは、みなさん!」

照(こんばんは)

智葉(そうか、もうそんな時間か)

憩(よう考えたら、個人戦前日に、ようこんなハードスケジュールなオファー受けたなあ)

霞「こんばんは。一日お疲れ様です」

初美「こんばんはですよー」

巴「こんばんは。疲労回復にドリンクを持ってきました。よかったらどうぞ」

憩「おおきに。いただきますー」

春「黒糖もよかったら……」

照「いただきます!」シュッ

巴「早っ!?」

初美「まるで竜巻のような速度だったのですよー」

智葉「それで、なんで永水御一行がそろって来てるんだ?」

霞「御一行というよりは、もしもの時のための付き添いね」

憩「付き添いということは、まさか」

小蒔「はい、私が挑戦者です!」

照「直接会うのは久しぶり。よろしくお願いします」

憩「神代さんと打てるなんて光栄ですわ。よろしくお願いしますー」

智葉「よろしく」

小蒔「はい、よろしくお願いします!」

霞(あ、ちょっといいかしら)

照(ん?)

智葉(なんだ?わざわざ秘密裏に言わなくても、直接言ってくれればいいだろう?)

霞(小蒔ちゃんには、あまり聞かせたくないのよ)

憩(それで、どないしはったんですか?)

霞(その、昨日まで宮守、岩手のチームと一緒に遊んでたんだけどね。当然小蒔ちゃんも含めて何回か卓を囲んだんだけど、その時に偶然、次の麻雀で一番強い神様が出てくるようになっちゃったの)

智葉(は?)

憩(ひ?)

照(ふへほ?)

霞(しかもその神様って、強い人と戦うことを望んでいらっしゃるので、この卓でも当然降りてくるわ)

憩(さすがのウチもにわかに信じがたい話ですわー)

霞(そういうわけだから、一番強い神様が本気で襲い掛かってくるから単純に気を付けてね。貴方たちなら大丈夫とは思うけど、一応すぐにお祓いできるように準備はしておくから)

照(それって、なにか危険は伴う?)

霞(そうねえ。期待外れに思われると、祟りが起こっちゃうかもしれないわね)

照「」

憩(その、祟りっていうのは具体的にどんな感じですか?)

霞(うーん、麻雀が出来なくなるくらいで済めばいいけど)

憩「」

智葉「」

霞(そういうわけだから、割と本気で気を付けてね)

照「…………」

憩「…………」

智葉「…………」

小蒔「よろしくお願いします」ムフー

照憩智葉(((なんちゅうもん押し付けてくれとんねん!?)))

憩(さらりと闇のデュエル宣言されましたよ!?)

智葉(くっ、負けるつもりはさらさらないが、流石に文字通り麻雀生命を掛けて打つのは初めてだぞ!?)

照(本当に?)

智葉(…………本当だ!)

憩(えー、今の間はなんなんです!?)

照(と、とにかく!二度寝する前に削れるだけ削る!)

憩(結局、またこうなるんね……)

智葉(そろそろ普通の麻雀をさせてくれ)

小蒔「」トン

照「…………」タン

憩「ほなこれ」トン

智葉「……ならば」タン

小蒔「ポン」

憩(あら?)

小蒔「」タン

照(まさかこれ)タン

憩(もうとっくに)タン

智葉(眠りとやらに入ってるのか?)ツモギリ

憩「それロン」

智葉(やはり憩の和了牌か)

憩(二度寝してへんのに、ナチュラルにそんなことまでわかるんかいな)

照(とにかく、さっさと流すしか――)

小蒔「はっ!す、すいません。少し寝てました」

照(もう起きちゃった!?)

憩(えー。ちゅうことは、次寝たら最後まで神様モード全開ってこと?)

智葉(まったく、随分と買いかぶられたものだ)

照(ええい、ままよ!)サイコロマワス

小蒔「こ、ここからは全力でいかせていただきま――」カクン

照(あれ?)

憩(これって)

智葉(まさか)

小蒔「」ゴオオオオオ

巴「東二局でもう……!」

初美「こんなこと初めてなのですよー。すごいですよー」

霞「あらあら、気を付けてね。神様の機嫌損ねちゃだめよー」

春「大丈夫。あなたたちは強い子だから……」ポリポリ

照(他人事だと思って……!)

憩(9人目でこれ相手にするとか、メゲルわー)

智葉(個人戦で薄墨だけ滅多打ちにしてやる)

小蒔「」トン オオオオ

照(とはいっても、私がさっさと流してしまえばいいだけの話であって)

憩(今回ばかりは、二位を譲ることも考えなアカンかなー)

智葉(だが、神代がどんな打ち筋をしてくるのかだけは確認しておきたい)

憩(じゃあ智葉さん振り込んでみてーな)

智葉(断る。照が振り込めばいいだろ。取り返せるんだから)

照(やだ。私は和了がるのに忙しい)

小蒔「ツモ」オオオオ

憩(あら)

智葉(先手を取られたか)

照(大丈夫。次から巻き返せば――)

小蒔「九連宝燈」オオオオ

照「」

憩「」

智葉「」

霞「気をつけてね。今の小蒔ちゃんは、某(中略)漫画なみの無駄ヅモの無さで、13順以内に確実に九連宝燈を和了がりにくるわ」

照憩智葉(((先に言えッ!)))

巴「なんて恐ろしい。私たちと打つ時ですら、あそこまで本気じゃなかったのに」

霞「ふふ、そうだったわねえ」

初美「かすみん、なんか楽しんでませんかー」

霞「気のせいよ、はっちゃん」

照(くっ、これが神代さんの本気……!)

憩(ちゅうか、神様の本気やけどなー)

智葉(テレビ的にはおいしいんだろうが……しかし面倒な相手だな)

憩(……まあ、そやけど)

照(……うん、だけど)

智葉(……ああ、そうだな)

照(九連宝燈しか考えていない奴なんかに、負ける気がしない!)

憩(そうやんなー)

智葉(当然だ)


霞(やっぱり、この三人に任せて正解だったわね)

霞(だって……ようやく、一番強い神様を満足させてあげることができるのだから)



終局

宮永照73800

荒川憩60300

辻垣内智葉54000

神代小蒔11900

小蒔「」スー、ス―

憩「可愛い寝顔ですねー」

霞「ふふ、ありがとうね。感謝してるわ」

照「感謝?」

智葉「どういうことだ?」

霞「残念ながら、それは言えないわね。小蒔ちゃんの分家として、とだけ言っておくわ」

憩「ミステリアスですねー」

霞「元々、麻雀の大会以外ではほとんど外と交わったりしないのよ?そう感じるのも、仕方ないわ」

照「……神代さんが起きたら、伝えておいてほしいことがある」

霞「あら、何かしら?」

照「……また一緒に打とうって。あと、麻雀の指導も」

霞「……伝えておくわ。本当にありがとう」

智葉「ふう……」

憩「智葉さん、ホンマにお疲れです?」

智葉「お前たち相手にずっと打っているんだ。疲れるに決まっている」

照「あと何人残ってるんだっけ?」

憩「小蒔ちゃんが9人目言うてはりましたから、あと一人やなー」

照「そっか。もうそんなに来たんだ」

智葉「まったく。これで明日の個人戦も戦わないといけないとは」

憩「とかゆーてますけど、顔わろてますやん」

智葉「私より強いやつらと一日打ってるんだ。楽しいに決まっているだろ。一度も勝ててないのは悔しいがな」

憩「嬉しいことゆーてくれはりますねー」

照「えっと。片岡さんに松実玄さん。有珠山の本内さんに、末原さん」

憩「小走りさんに、淡ちゃん、新道寺の須原さん」

智葉「あいつには悪いことをした」

照「違う、須原じゃなくて花田さん。後は妹尾さん」

憩「……ああ、あの子なあ」

智葉「ある意味、照より恐ろしい打ち手だった」

照「そして神代さん」

憩「中々の顔ぶれって言っちゃってええんやろか」

智葉「まあ、打つ機会のなかった奴と打てたのは単純に楽しかったがな」

照「私も」

憩「そうやねー。でも、こんだけ打っても照さんは倒せへんのやねー」

照「チャンピオンだから」

智葉「それを言うなら、私もお前にすら勝ててないぞ」

憩「譲る気はありまへんよー」

照「私も、負ける気はさらさらない」

智葉「よく言う。名前呼びぐらいで子供みたいに嫉妬してたやつが」

照「あ、あれは……!」///

憩「可愛かったですよ、照さん。意外な一面見れて、ホッコリさせてもらいましたー」

照「うぅ……」

智葉「……と、そういえば。お前たち、福与アナに賞品を持ちかけられなかったか?」

照「え?」

憩「あら、やっぱり智葉さんも契約してはったんですねー」

智葉「その反応だと、お前たちもそうみたいだな」

照「私だけじゃなかったんだ」

憩「なに頼まはったんです?」

智葉「……正直、あまり言いたくないな」

照「鏡よ鏡よ鏡さん、智葉の頼んだ賞品はなーに?」

智葉「やめろ!その鏡、まさか個人のプライバシー筒抜けか!?」

憩「やめたりましょ、照さん。智葉さんも言いたなさそうやし、無理に聞き出すのは酷ですよー」

照「それもそうだね。そういう憩は、何を頼んだの?」

憩「新しい衣装ですー。けっこう楽しみにしてるんで、勝たせてもらいますよー」

照「衣装?」

智葉「大方、ナース服みたいなコスプレ用だろ」

智葉「……と、そういえば。お前たち、福与アナに賞品を持ちかけられなかったか?」

照「え?」

憩「あら、やっぱり智葉さんも契約してはったんですねー」

智葉「その反応だと、お前たちもそうみたいだな」

照「私だけじゃなかったんだ」

憩「なに頼まはったんです?」

智葉「……正直、あまり言いたくないな」

照「鏡よ鏡よ鏡さん、智葉の頼んだ賞品はなーに?」

智葉「やめろ!その鏡、まさか個人のプライバシー筒抜けか!?」

憩「やめたりましょ、照さん。智葉さんも言いたなさそうやし、無理に聞き出すのは酷ですよー」

照「それもそうだね。そういう憩は、何を頼んだの?」

憩「新しい衣装ですー。けっこう楽しみにしてるんで、勝たせてもらいますよー」

照「衣装?」

智葉「大方、ナース服みたいなコスプレ用だろ」

照「なるほど。ちなみに私は――」

智葉「さて、そろそろ試合も始まるか」

憩「名残惜しいですけど、これで最後なんやねー」

照「……聞いてくれないの?」

智葉「菓子じゃなかったら聞いてやる」

照「…………」

憩「照さん……」

智葉「だろうと思った」

照「えと、お菓子はお菓子だけど、その――」

憩「ああ、もしかして、銀座の一粒単位で打っとるチョコレートとかです?」

照「え?」

智葉「ああ、なるほど。それなら納得だ」

照「いや、だからちが――」

憩「羨ましいですわー。最高級のチョコを一人で独占ですか。贅沢やねー、さすが照さん」

照「あの、その――」

恒子「さあ!時間も押してるのでこのまま最終戦にいっちゃいます!」

憩「あれ、福与アナやないですか」

智葉「実況席から移ってきたのか」

健夜「長い長い闘い。それも、決して一方的な闘牌ばかりではありませんでした」

憩「小鍛治プロもおりますね」

恒子「さあ!いよいよ挑戦者も、最後の一人になりました!」

智葉「いよいよか」

憩「誰なんでしょうねー、照さん」

照「……そうだね」

恒子「最後の挑戦者にして本日最高のスペシャルゲスト!この三人に、かつてもっとも迫った打ち手!もっとも肉薄し、もっとも涙を飲んだ彼女!一年の時を経て、再び会いまみえます!」

憩「……まさか」

智葉「……そのまさかだろうな」


照「…………」

恒子「一足早くインカレに挑み、その経験をひっさげ、やられた分は10倍返しだ!元千里山女子レギュラーにして、昨年度インターハイ個人戦4位!藤白、七実ィィィィッ!」

智葉「…………」スウ

憩「…………」ゴオオオ

照「……よろしくお願いします」ゴッ



カン!

終わりです。
アレ、と思われた方も多いと思われますが、このオチだけは最初から決めてました。

時系列的に咲さんは無理がある気がしましたし、衣ちゃんにすると、今度はガイト姉さんが勝つ未来が私の発想力では思いつかなかったのでこの形になりました。

あ、藤白さん四位設定はオリジナルです。

スレありがとうございました。
致命的な誤字でガイトねえさんが変身しかけたりしましたが、なんとか着地できました。
普段は地の文ありで書いてるのですが、これはこれで違った面白さと難しさがありますね。
三人の仲睦まじい様子を書きたかったのですが、楽しんでいただけたら幸いです。

参考までに、どんなことでも構いませんのでアドバイスをしていただけるとありがたいです。
それでは、また出直してきます。


PS
かおりん先輩のスレしていただいた方、あと一人誰にしようか迷っていたところでしたので個人的に助かりました。

「監督、藤白先輩がテレビに!」

雅江「わかっとる!急いで2軍3軍はテレビ局に直行!あの歩く変態を絶対に好きにさせるな!」

「了解!」

≫118某所の千里山ならこんな感じでしょうか?

藤白七実がわからない方へ。
アニメ版阿知賀13話にて、セーラが見ていたiPadに出てくる部内レート2600の化け物元3年生です。
(ちなみにのどっちが2300だとか)

やっちゃったぜ!(レイプ目)

藤白さんが変態なのはすでに風潮が出来上がってる感が私の中でありましたが、
参考はブログ『M1、2、4、8、17、34、68』様の中の『千里山女子高校・監督日誌』シリーズに影響を受けています。

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