照「まずは今年、日本一になります」 (88)
あの伝説の漫画のパロ……オマージュです
小ネタスレに書いたヤツです
展開が凄まじく早くなると思うので注意
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1394796628
ジャラジャラ
大学生A「なあ、昨日の世界大会見た?」
大学生B「やっぱ世界のプロってレベル高ェな」
大学生C「日本は小鍛治プロが出なくなってからはパッとしないよな」
大学生B「案外俺らの方が強かったりして!」
大学生A「日本麻雀界終了のお知らせ!」
ABC「ギャハハハハハハハ!!」
照「……空いてますか?」
大学生C「何だお嬢ちゃん、俺らと打つの?」
照「プロより強いんですよね?だったら高校生なんかに負けないですよね?」
……………
……
照「いけない、入学式に遅れる!」
大学生A「つ……強ェ……!!二人飛ばされちまった……!」
照「ありがとうございました」スタスタ
菫「な……なぁ!」
照「?」
菫「こんな時間に同じ制服を着た子が雀荘に入って行ったから、どういう事だと思ったけど……君、凄いな!同じ一年生だよな?」
照「……あなた誰?」
───
─
~入学式後~
【食堂】
菫「お前……食堂探してボイラー室に着くなんて予想外だぞ……」
照「……」プイッ
菫「でも嬉しいな。宮永さんみたいな凄い人がチームメイトか!」
菫「嬉しい事に今日から仮入部出来るし、楽しく一緒に頑張ろうな!」
照「イヤ」モグモグ
菫「ほおぉ!?そこは同意するところじゃないのか!?」
照「私は最強の雀士になりたいの。先輩も同級生もどんなに強い人も、私が倒してそれを証明するの」
菫「……だったら臨海女子を受ければ良かったんじゃないのか?あそこは海外からもハイレベルのプレイヤーを集めているから……」
照「?……ここは臨海女子白糸台校舎じゃないの?」
菫「!?」ブフォッ
菫「ゲホッ! お前……マジか!?大学じゃないんだからそんなのある訳無いだろ!!」
照「……?じゃあここはどこ……?」
菫「……白糸台高校だよ……。まさか、本気で……?」
照「!!?」ガーン
菫「入試の時点で気付けよ……同情の余地が無いな……。どうするんだ?一年棒に振って受け直すか?」
照「……」
照「いや、いい。臨海女子に行っても、部員は全部倒す気だったし、どうせやる事は変わらないから」ジワァ...
照「今私が居るのはここだから、
白糸台麻雀部で全国優勝すればいいだけ。……強がりじゃないから」グスン
菫(泣いてるじゃないか)
───
─
部長「──じゃ、次の一年自己紹介して」
菫「弘世菫です!麻雀上手くなりたいので、が、頑張ります!」ガチガチ
上級生s「ガッチガチだね」
上級生s「初々しい~」
部長「じゃあ隣ー」
照「宮永照。自分が最高の雀士だと証明するまで、どんな努力もやります!」
照「まずは今年、日本一になります」
菫「!」
どぎゃははははははは!
部長「ナイスギャグ!自虐が過ぎるよ!日本一って何!?新しいわ!」
照「?」
照「何ですかそのノリ……みんな勝つために麻雀やってるんじゃないんですか……?」
上級生s「東京にどれだけ高校があると思ってんの?日本一……全国大会なんて物凄く長い道のりなんだから、ムリだよムリ」
上級生s「あーなんか白けた。今日どうする?」
上級生s「役満縛りで半荘どれだけ上がれるかやってみる?」
上級生s「何それ!?やってみようかヒマだし」
菫「な!?」
菫「そ……それ練習なんですか!?もっと基礎力のアップとか───」
部長「一年も今日は適当にやっててー」フリフリ
菫(白糸台が強くないのは知っていた……けど、思っていたのと……違う)
……………
……
菫「勝つ気とかあるのか?あの人達……」
照「別にどっちでもいい。要は私がやるかやらないか」
菫「個人戦ならそれでいいかも知れないけど、全国優勝するなら団体戦だろう……」
照「とこで何見てるの、弘世さん?」
菫「私のノートだよ。練習内容とか、プロの試合の研究、今までのインハイのデータ、気付いたこと……麻雀に関係ある事全部書いてるんだ」
照「ふーん」
菫「私は麻雀が上手くなりたいから……でも強すぎる部じゃ、きっと使ってもらえないだろうから白糸台に入ったんだよ……」
照「……」ペラ
菫「やっぱり……変か……?」
照「別にどっちでもいい」ポイッ
菫「ちょ!?」パシッ
照「弘世さんが良いと思ったなら、それは良いことだと思う」
菫(私が良いと思うものか……)
菫「決めた!先輩に言ってくるよ。皆で上を目指しましょうって!話せばきっと分かってくれるはずだ」
照「……」
……………
……
上級生s「あのね……ウチの地区は強豪校に囲まれてんの!やってもダメな事ってあんのよ。学びなさい一年生」
菫「まだやれる事はあるはずでしょう!練習開始早めるとか本で勉強するとか……!」
部長「ん?何このノート?」ヒョイ
菫(見て貰った方が伝わるかも!)
菫「私の麻雀ノートです。麻雀に関する事をメモしていて……」
上級生s「ぷ……ギャハハハハ!!何それ必死すぎー!!」
部長「こんなもん何の意味も無いでしょwwwwwwww」
ビ リ ッ
部長「先輩に逆らった罰よ」
菫「あ……あ……!」ガサガサ
菫「なんで……分かってくれないんですか……?私はただ……!このチーム皆で、がん……ばって……麻雀……上手くなりたい……だけなのに……うぅ……」
ジャラジャラジャラ
照「先輩達」
上級生s「「「!!」」」
照「私と麻雀勝負しませんか?」
部長「あん?」
照「先輩達だけがヤル気無いなら別にどうでもいいし、麻雀嫌いなら何も言いませんけど……」
照「本気になって必死で麻雀頑張ってる人を馬鹿にするのは……許せない!」
菫「宮永さん……」
部長「はっ!ならどうするの?ウチのレギュラー五人とサシウマでもやる?」
照「12対1」
部長「!?」
照「束になってかかって来ても、あなたたちなんかに負けません」
上級生s「な……舐めやがって!」
部長「……いいわよ。その代わり私達が勝ったら、先輩をおちょくった罰よ……」
部長「三年間卓には座らせない!雑用だけやりなさい!」
菫「そっ……!そんなのムリだ!宮永さん……やめてくれ!私なんかのために……!」
照「黙ってて」
部長「勝負は明日よ!……逃げないでね?」
とりあえずここまで。また後で
オレ言ったぞ!何回も言った!幻ソウルスレも読みたいって!!
何回言わせんだ‼!!
乙ッス
~翌日~
「おい、これ見た?麻雀部何かやるらしいぜ?」
「一年がふっかけて来たって」
「相変わらずくだらねェな麻雀部」
「ちょっと面白そうじゃん、見に行こうよ」
…………
……
【麻雀部】
「ねぇねぇ、ウチの学校ってスゴくない?かなり教室あるよね」
「なんか昨今の麻雀ブームに先駆けて雀卓も無駄にあるもんな」
ザワザワザワザワ
菫「……!ギャラリー多っ!!」
菫(先輩達……大勢の前で恥かかせる気なんだ!)
部長「アンタの持ち込んだルールは、半荘一回25000点持ち!!私達が3人座っている卓に入っての四面打ち……あんたの点数は四卓共通!」
部長「有り有りで誰かが飛んだ時点、または半荘終了時の点数で一位になれなかったらあんたの負け……って事でいいのよね!?」
菫(えっ!?ハンデ無し!?っていうか何だそのルール!?)
菫(そんなの……序盤に大きいのを上がられたら、差し込みされて終わってしまうじゃないか!!)
菫(どうしよう……私のせいでこんな事に……こんな大事になるなんて……)
部長「対局開始!」
……………
……
【A卓】
部長「ツモ。700、1300……威勢の良い割に先制されてんじゃん。このまま差し込みでアンタ終わるけど?」
【B卓】
B1「ロン。2600」
B2「私からかよ……」
照「……」
【C卓】
C1「テンパイ」
C2「ノーテン」
C3「ノーテン」
照「テンパイ」
【D卓】
D2「ツモ。1000、2000」
菫(四つの卓の内一つも上がれてない……マズイんじゃないか……?流れが来てないんじゃ……)
菫(B卓は振り込んだ先輩を飛ばせばその時点で宮永さんの負け……今一番危険な卓だ……)
照「ロン。1300」
菫「あ、上がった……!」
照「ツモ。500、1000」
照「ツモ。700、1300」
照「ツモ。800、1600」
部長「……は?」
「おおお!?スゲェ!全部の卓で上がったぞ!!」
「不可能じゃねェと思うけど、んな事あり得るのか!?」
部長「……偶然でしょ!そんなにポンポン上がれるワケないじゃない!まぐれはそんなに起きないわよ!」
照「……」
…………
……
照「ロン。5200」
照「ロン。6400」
照「ツモ。2000、4000」
照「ロン。12000」
菫(す……スゴい!何だあれ!上がる度に点数が高くなっていくじゃないか!)
照「次で決まってしまいますけど」クルッ
照「先輩たち、そこで黙って見てるつもりですか?」
上級生s「な、なにぃ!?」
照「2、3年全員でかかって来ていいですよ」
上級生「あんた……っ!点数に余裕がでたからって……いい加減にしなさいよ!!もう許さない!!」ゾロゾロ
菫(ええええ!?何だコレ!?とんでもない事になってる!!)
上級生s(こうなったら通しをして……)
上級生s(もう上がらせないようにしてやる!!)
上級生s(調子こいて人数増やした事後悔しな!!)
照「ツモ。8000オール」
上級生s「あれ?」
上級生s「何簡単に上がられてんのよ!」
菫「仕上げの早さだけじゃない!振り込まない技術!観察力も持っているんだ!」
上級生s「ツモォ!300、500!」
「止めた!」
「っていうかあの卓二人で考えてるぞ!!」
照「ロン。1300」
菫「また速攻で取り返した!何だアレ!スゴイスゴイ!!」
部長「おいおい……なによコレ……何なのアイツ……」
部長「あいつ一体、何者なのよ!?」
上級生s「あっ!!」
部長「!」
上級生s「今気になって調べてみたんだけど……『宮永照』って……そしたら」
上級生s「あいつ、小学生の頃、子ども麻雀大会で全国優勝してる!!」
部長「はあ!?んな事、昔の話でしょ!?」
上級生s「それだけじゃない……うわぁ……あいつの母親……」
上級生s「宮永元プロだ!!!」
「「「「とんでもないの……来たアアアア!!?」」」」
菫(私が……必死になっても届かなかったのに……。先輩達、さっきまで死んだような目をしていたのに……)
菫(宮永さんのアガりを阻止しようと……必死になって麻雀打ってる……!!)
菫(宮永さんが……変えてしまった……!!)
菫(みんな……宮永さんのプレイに……引っ張られる…!!)
菫(低い役ほど速攻で張るスピード……そしてアガる度に点数を増していく様は……まるで……)
台風みたいだ!!
照「───ロン。25500……トビですね」
上級生s「5順目でメンチン……張れるモンなの……?」
「スゲー!」
「あの子何者だ!?」
「勝っちゃったー!!!」
ワアアアアアアアアアア!
……………
……
菫「どうしてなんですか……?」
菫「みんな、麻雀で一生懸命になれるじゃないですか……どうして……放棄してしまったんですか!?」
部長「……言ったでしょ……この地区は強豪校がひしめく激戦区なの!いくらやっても勝てないなら、夢見ない方が───」
照「先輩達の言い分なんて知りません」
先輩達「!!?」ガーン
照「私は今年日本一になるので、その覚悟があるのなら、そんな考え二秒で切り返して、勝手について来て下さい」
───
─
照「練習メニュー?私がですか?」
上級生「母親仕込みのさー。私達に合ったの作ってよ」
照「イヤです」
上級生「えーなんで?ならあんた、今日どうすんの?」
照「自主練です」
上級生「それ皆でやれば良いじゃん!」
……………
……
上級生s「三麻で振り込まない上がらせないように打つねぇ……」タン
上級生s「どんなキツイのかと思ってドキドキしたわー」タン
照「入ります」ジャラジャラジャラジャラ
上級生s「ちょ!途中なのに!マンズ混ぜやがって!」
上級生s「ヤケクソよ!宮永をアガらせるなー!!」
ワーワー!
……………
……
宮永さんの練習によって部員はふるいにかけられ、上級生も新入生もほとんど辞めてしまった……残ったのは最低限団体戦メンバーが組める程度……
そして時は経ち……
部長「私達は、弱い」
部長「はっきり言って何もない。だけどインハイ予選一回戦は今週末。でもわからない……私達はどんな麻雀をするべきなの?」
照「そんなのわからないです」
部長「はい出たー!!いい加減にしなさいよアンタ!!」
照「"どんな麻雀か"……というのは、鳴き麻雀とか、聴牌即リーとか、防御重視かという事ですよね?」
部長「そうよ!どんなスタイルでやるかよ!!」
照「今の私達には……みんなが大将の私まで繋いで私が一気に捲る、という攻撃パターンしか持ってません。全国相手に武器一つで勝てるワケありません」
部員「そりゃそうなるでしょ。現にあんたが一番強いんだから」
照「違いますよ。みんな私になれるんです。だから……全員が一人一人、攻撃の起点になれるはずなんです」
菫「そ……それって……!!」
照「一つのプレースタイルにとらわれず、体系を超越し、敵や観客の予想を超越した───」
照「トランセンド麻雀!!」
照「私はそんな超攻撃型麻雀がやりたい」
照「私がわからないと言ったのは……みんながどんな麻雀を体現出来るかわからないって意味です」
菫(それって……普通に麻雀じゃないのか……?突っ込んじゃいけないのか?)
菫(でも……私はどうだろう……一年生だし、次鋒だから……次に繋ぐ事を考えよう……それが私の役目……)
照「菫。私は守りの話はしてない。顔にでてるよ」
菫「え!?」
照「大丈夫。菫の麻雀なら……すぐに見つかる」
───
─
そうは言われたが……結局何も見つからないまま───
~予選当日~
照「見つからなかったならしょうがない。二秒で忘れて……この試合の中で見つければいい!」
菫「そんな無茶な……!」
照「そろそろ部長が帰ってくる。菫、準備して」
菫「……」
部員「頑張れ菫!今までの努力を無駄にしないようにね!!」
菫「はい……」
「「「「よろしくお願いします」」」」
菫(始まってしまった……。部長のおかげでプラスでバトンタッチなんだ……!今はとにかく精一杯やらなくては)
菫「ツモ。1000、2000」
菫(よし!先制した!このまま逃げ切る!!)
……………
……
しかし───
菫(やってしまった!!ラス落ちした!!)
菫(南場だけどまだ次鋒戦……挽回出来ないワケじゃないが───)タン
対面「ロン。7700」
菫「っ……!はい」
菫(せっかくプラスで繋いでくれたのに……部長の努力を無駄にしてしまった───)ハッ
───今までの努力を無駄にしないようにね!───
菫(今までの努力……。私が今までやって来た事は……、プロの……、研究……?過去のインハイの牌譜だって何度も見てきた)
菫(今までずっとそうやって麻雀を勉強して来たんだ……)
菫(あれ?今までの自分を見つめ直して……ちょっと落ち着いたせいか、視界が広く感じる……河もよく見渡せる……)
菫(視界が広くなったせいか、入ってくる情報量が増えて……)
菫「ロン……5200」
菫(相手の手牌が読み易くなった)
【控え室】
照「そう、菫。自分で見つける意味がそこにある。あなたは今、私の中のあなたを、超越した!」
……………
……
菫(相手の不要牌が……読める!)
菫「ロン!12000」
"シャープシューター"弘世 菫
『次鋒戦終了ー!』
菫「すみません……少しは取り返しましたけど、三位に落ちてしまって……」
部員「大丈夫だって!まだまだ巻き返し可能だし、宮永さんがなんとかしてくれるって!!」
部長「ちょっと!そんな人任せな考えでやって行けるほど甘くないわよ!ここで大丈夫だとしても、必ず行き詰まるわよ!?」
菫「私も……、先輩達も早く自分の麻雀を見つけた方がいいと思います……」
菫「照一人の力に頼ってばかりだと……照に繋げず飛ばされてしまうかも知れません……」
───と思っていたが
ワアアアアアアアアアア!
菫「……!」
照「……」
全国優勝、してしまった……!
攻めの武器たった二つで!それ程照の力は凄まじかった……
そして……ある小さな事件が起きる
───
─
菫「私達もそろそろ二年生か……」テクテク
照「先輩にはもっと自分のスタイルを見つけて欲しかった……」
菫「……もう仕方のない事だ……。ん?」
照「?」
菫「寮の近くに誰か居るな。ウチの生徒じゃないぞ?」
照「───!!!」
咲「───あ!お姉ちゃん!」
菫(おっ……お姉ちゃん!?)
咲「テレビで見てたよ……優勝……おめでとう……」
照「……」
咲「ねぇ……日本一になれたよね……?家に戻ってきて……くれないかな……?」
菫「おい……これはどういう───」
照「……私に」テクテク
照「妹はいない!」バタン!
菫(なんだ……?どういう事なんだ?この子は照の妹!?確かに面影はある……)
咲「……」シュン...
菫「なぁ、妹さん……照と話してくるからちょっと待っててくれないか?」
咲「え……?」
【照の部屋】
菫「おい!どういう事なんだ!?」バン!
照「菫……」
菫「あの子が可哀想だろ!……説明しろ」
照「…………分かった……」
~回想~
私の原点は家族麻雀。
6才の頃から母に麻雀を教えてもらい、親子三人で麻雀を打っていた
母は私の長所を伸ばすために、特別な練習を課していた。
対局者の観察と、早上がりだ
徹底的にしごかれて、なんでこんな不自由な麻雀をしなくてはいけないのか、理解が出来なかった。
だけど、ある対局で私は……相手を一度もアガらせること無く勝利した。
この頃から、私の驚異的な観察眼に由来して、"照魔鏡"なんて呼ばれるようになった
私はどんどん強くなっていった。全て順調だった
あいつが、来るまでは
母「咲も麻雀に興味あるんだって!我が子ながら、この子も凄い才能を感じるわ!」
照「やった!四人打ちが出来るね!」
咲も麻雀未経験者だったけど、とんでもないセンスと母の指導もあってどんどん成長していった
咲が加わって数年経ったある日
咲「お姉ちゃん……」
照「?」
咲「お姉ちゃんさ……お母さん、どう思う?」
照「どうって……凄いじゃない。お母さんのおかげで私たち、麻雀強くなってるのよ?」
咲「そう……」
咲「私ね……お年玉を賭けて麻雀したくないよ……いけないことだよ……」
咲「賭けようって言ったのはあっちなのに……勝ったら怒るでしょ……?」
咲「私……勝つことも負ける事も怖いの……。私が勝つことで他の誰かが負けて辛い思いをする……」
咲「勝ち負け関係無くみんなが楽しくて嬉しい……私はそういう麻雀をやっていたいよ……」
咲「お姉ちゃん……それは……いけない事なのかなぁ……?」
照「私は勝つために麻雀打ってるから、そんなの知らないよ。咲も勝てばいいんだよ」
咲「……」
それから、咲に目立った動きはない……
───と思っていたが、違った
咲の一週間の成績を見てみると、全局プラマイゼロをやってのけていた!
その事で問い詰めると
咲「負けても勝っても嫌な思いするなら、負けない勝たない打ち方をすれば良いんだって気付いたの!私平和主義者だから、これで争いなんてなくなるはずだよ!」
この頃から、ウチの家庭には亀裂が入って行った。母も咲のプラマイゼロには気付いて、阻止しようと躍起になっていたのだけど……
どんな手を使っても叶わず、逆にプロとしてのプライドを砕かれる事となり……プロを辞めた
私と母の努力を踏みにじるように!呆気なく!咲は全局プラマイゼロを達成していたのだ!
~~~~~
~~
照「それがきっかけで家族はバラバラ……それでもお母さんの教えてくれた麻雀が最強だって証明するために、私は今まで麻雀を続けているの」
菫(それって……お前達が悪いんじゃないのか……!?とてもそんな事言える空気じゃないけど……)
何だこの雑さは。対局難しすぎ。くじける。ここまで。
ほ……本番は三年目だから……(震え声)
>>19
俺言ったぞ!!何回も言った!!あのスレは完結したって!!何回言わせんだ!!
頑張って引き伸ばしたんだぞ!
……………
……
菫「済まない妹さん……照のヤツ、出てこないって……」
咲「いいんです……こうなるだろうって事は分かって来ましたから……」
咲「お姉ちゃんと話すためには……麻雀しかないのかな……」
菫「……」
咲「どうしてこんな事になっちゃったんだろう……?全部……麻雀のせいだよね」ボソ
lヽ
/| l、 /| V
| | |ヽV { 、 /|
| | ヽ|ヽ、‐-、ヽ、\ |/ /l
V _ `ヽ、\ヽ`ヽ /| || V _
_|レ,ゝ ヾ、 ヽ|} `||〈 | | | | |レク
'-‐lレフ {|| 〉| \\l、 |/ vヾイレフ
l,∠イ「 {|| ||} \ヾニヽ、 __ ヾィ「
\= vヽ 、ヾヽ/|}__ヾ´三三=\/-- (())\ リ
lゝ ヾ、ヾ三三三三三三=_ ゚ /ヽ /|/|〈ハヽ
\ヽ_\_〉三三´ `ヾ三三= _ 0 〈/ } // | | ´
`‐-ゞ_ヾ三三三ゝ )三三=-(_) 、@ d } |/ |/
─=ニ三三三三`ニ´三=‐- ノ ゚O/ _|レ、
__-_-、--―‐\三rT┬、_三三三≡二‐ o゚f / `コ匚
{三三≡ヾ、_ ヾ'、ヾ┴-工「_ O/_==/l==_ `ヽリ、
ヽ―、ニ_ l、=≡ ̄ ―- \三三三三=/ ∥ ||`〈| `)≡三三ヽ
` ヽ || | |/|‐ _ /// / / | ̄ ヽ ‐|/ | | ̄__lヽ__≡三三 }
/| l | ||V ハ┴┴- エエ ┬┬- _\ V_、 ニコヒニ、ニニ-´
| | l | ∠、ニフ  ̄ ̄ ┴┴┴┴┴  ̄|「 ̄
∥ v _|レ、 v
ヽ‐l「
菫「!?」ゾッ
菫(何だ!?今の感覚は!?)
咲「あの……今日はもう帰ります……ありがとうございました」ペッコリン
菫(何か……取り返しのつかない事になってしまったんじゃ───!?)
それから私達は二年生になった。
白糸台をチャンピオンに導いた照目当てで新入生が大量に入って来たが……
昨年と同様、照の練習により間引かれる事になったが、今年の一年生はなかなか根性があるヤツらが多く、部員数は30人にまで増えた
菫「かなり残ったな。今年の一年生は豊作で嬉しいぞ」
新部長「一週間お疲れ!じゃあ自己紹介して貰おうか!」
どうせ辞めていくであろう事を見越して、自己紹介も一週間ほど遅らせてやる事にした
……………
……
渋谷「渋谷尭深です……局の最後ほど良い手が入らなくて……勝負強くなるために入りました……」
新部長「じゃあ次」
亦野「亦野誠子です!初心者です!一生懸命頑張ります!」
新部長「初心者がよくついて来れたね!見込みあるねー!」
新部長「───んじゃ、最後に大将!何か一言お願いね」
照「……」
照「昨年のインターハイは……運が良かったと思ってます。個人戦で当たった辻垣内さんや愛宕さん、白水さんの居るチームと戦う場合……今の私達には厳しい所がある」
照「私達はまだ二つの武器しか持っていない……。狙い撃ちをする菫のシャープシュートと……私のは対局者の実力や打ち筋を把握して速攻をかける所から"照魔鏡"なんて呼ばれてた」
照「私は……皆にはここ白糸台高校麻雀部で、一人一人自分に合ったプレースタイルを見つけて行って欲しい。以上」
パチパチパチパチ
───
─
菫「亦野は初心者なだけあって……よく鳴くな。渋谷も、勝つ時は堅実に勝つが……負けてる時は流れを持って来れない感じだ」
照「私にはもうほとんど見えてるんだけどね、渋谷さんの麻雀」
菫「ホントか!?どんなのだ、それ?」
照「悪いけど、助言はしない。本人が見つけなきゃいけない事だから」
───と言われても、渋谷も亦野も自分のスタイルを見つける事ができずレギュラー入りは出来なかった……
そしてインターハイ……二連覇、達成
……………
……
菫「いよいよ個人戦も決勝だな。照、頑張ってくれ!」
照「言われなくても、頑張る」
【対局室】
「「「「よろしくお願いします」」」」
……………
……
南二局
4位の子「ツモ!3000、6000」
4位の子(よし!一気に2位浮上!このまま捲れるか!?)
辻垣内(くっ……ラス転落か……宮永の親を流せただけでも良しとするか)
南三局
照「リーチ」タン
辻垣内(これまでの打ち筋から見て、リーチをかけたという事はノミ手か?)
辻垣内「カン」パタ
照「……ツモ。リーチツモ……裏3。2000、4000」
【控え室】
菫「満貫か……これでオーラス、次は跳満を作らなくてはいけない。照の速度が殺されたか……捲れる心配はなさそうだが……」
【対局室】
4位の子(よし!このまま逃げ切れば個人戦二位だ───!!)タン
憩「───ロン。18000」
4位の子「……え?」
憩「あ、迷惑ですーぅ蘇られても。死臭がヒドイ!ゾンビかいな」
憩「悪いけど、そこで沈んどいてな」
4位「ラス転……」カタカタ
辻垣内(この一年……こいつも、化け物か!)
『個人戦決着ゥーーー!!宮永選手、今年も優勝しました!そして二位はなんと一年生!荒川憩選手です!!』
…………
……
菫「手強かったな」
照「うん。今年のインターハイは去年と次元が違う。天江さんに神代さんに荒川さん……二年生から江口さんも入ってきて……」
照「来年はあの人達みたいな人がもっと増えるかもしない……そうなったら、今のままじゃ絶対に勝てない。もっと強くならなくちゃいけない!」
新部長「来年はあなた達が三年生。皆を引っ張っていってね!……部長は……弘世さん、頼んだよ!……優勝させてくれてありがとう!」
菫「はい!」
───
─
インターハイが終わったばかりだというのに、麻雀部の練習は以前よりも苛烈さを増した。伸び悩む部員の事などお構い無しにひたすら打ち続けた
その中で、初心者だった亦野が自分の鳴き麻雀を確立させる事に成功したのは大きかった
菫「これで現在の武器は三つ……せめてあと一つは欲しいな」
照「見つからないものは仕方ないよ」
菫「新入生に実力者がいるのを期待するしかないか……」
照「……」
ここまで。ようやく三年目に入るよ……
また後で
───
─
菫「まさか迷子になって中学校まで行くとは思わなかったぞ」テクテク
照「……」テクテク
菫「インハイチャンプが学校に来た!って大騒ぎになったんだから少しは反省しろ」テクテク
照「私は悪くない」テクテク
菫「こいつは……」
菫「ところで……さっきから気になってたんだけど……、知らない子が私達を尾行してるぞ」
照「?」
…………
こんにちは!私は大星淡!受験を控えたスーパー中学生なんだけど……なんと!ウチの中学校にインハイチャンピオンが来たなんてニュースを手に入れました!
……で、探したは良いけど、もう帰る所だったので、思わずついて来てしまって……
話しかけるタイミングを失っちゃった!
照「何か用?」
淡「ひゃっ!?」ビクッ
菫「この子……さっきの中学校の生徒か」
淡「あの!あなたたちインハイで優勝した白糸台のレギュラーだよね!?」
菫「ああ。そうだな」
淡「スッゴイ!ねぇ、私と打とうよ!」
照「……」ジーーー
菫「済まないが、これから戻って練習しなくちゃいけないんだ」
淡「えー!?なにそれ!?ケチ!!インハイ終わったばっかじゃん!!中学生と打ってもイイじゃん!?」
菫「……あのなぁ、君───」
照「いいよ。来て」ガシ
淡「! さすがチャンピオン!話が分かるじゃん!!」
……………
……
【白糸台高校】
亦野「宮永先輩……誰ですか?その子……」
照「入学希望者連れて来た」
「「「はぁ!?」」」
菫「どういう事だ!?この子まだ白糸台受験するなんて言ってないぞ!!」
淡「いいよ。白糸台受けたげる」
菫「君もそんなに安請け合いするな!」
淡「だって白糸台入ったら毎日あなたたちと打てるんでしょ?それなら悩む必要無いじゃん」ズズ...
菫「!」ゾク
照「それじゃ、打とうか。誰か適当に入って」
淡「わーい!」
ジャラジャラ
菫(この感じ……もしかしてあいつも照みたいなオカルトじみた麻雀を打つのか……?照はそれを感じ取って……?)
……………
……
淡「あーあ、負けちゃった。やっぱテルって強いね!さすがチャンピオン!」
菫「おい、先輩を呼び捨てにするな」
淡「えー?イイじゃーん?テルー、スミレー」
菫(開幕強制ウーシャンテン……後半からのダブリー連発……。きっと照は最初に会った時から感じ取っていたんだ)
菫(同類には分かるのか……。おちゃらけた態度のせいでとてもそうは見えないが……こいつも間違い無く、天才!)
淡「打ってくれてありがとね!来年また打とうね!バイバイ!」テテテテテ
菫「確かに、あいつが入れば心強いな」
照「……来年度の全国に向けて、もう一つやりたい事がある」
菫「何だ?」
照「全国では様々なプレースタイルを持つ団体がある。永水女子は先鋒の神代さんが稼いで点数を守り抜くスタイルだし、臨海女子は海外から選手を集めてそれぞれ個性的でトリッキー」
照「姫松はエースを真ん中に置いてバランス良く配置してる。……そんな様々なチームに対応するために、せっかく人数もあるから……部内でそれぞれのスタイルに特化した複数のチームを作って大会の出場権を取り合いたい」
菫「!?」
照「これは各自のプレースタイルを見つけるためにも有効だと思う」
菫(なるほど……大星を含めても一人足りないから、実戦に近い練習でもう一人のスタイルを確立させるのが狙いか)
照(本で見たのを参考にしたけど……上手くいくかな……、蠱毒の術作戦)
───
─
そして時が経ち、インハイ予選!
「相変わらず速えええ!」
"照魔鏡"
宮永 照
「気をつけろ!あいつ狙い撃ちしてくるぞ!」
"シャープシューター"
弘世 菫
「オオオ!何だあいつ!?何て鳴きだ!」
"白糸台のフィッシャー"
亦野 誠子
「マジか!?オーラスであの子の配牌が……!!役満アガりやがった!!」
"ハーヴェストタイム"
渋谷 尭深
菫(すごい……!照の提案した練習で、目論見通りメンバー全員の麻雀を確立することが出来た!)
……………
……
菫「とりあえず、順調に全国進出だな」
淡「そんなのわたしとテルがいればラクショーでしょ!」
菫「……確かにお前は強い……。だけどお前のダブリーを見ていると、私にはお前が麻雀を打たされてるように見えるんだ」
淡「なにそれ?意味わかんない!わたしが自分の意思でやってるんだから、自分で打ってるに決まってんじゃん!ね!?テルー?」
照「……そういう事は自分で考えなきゃ意味が無いよ。同意を求めないで」
淡「あっそう!」ムス
ここでそのネタ入れてきたか
正直クソワロタ
全国大会でも順調に勝ち進んでいたが、勝ち進むにつれて、無視出来ない名前が現れた
菫「長野県代表、清澄高校……あの子がいる学校だそうだ」
照「どんな相手が来ても全力を出すだけ。菫は気にしないで」
菫(確かに私の気にする所ではない……だけど……あの子の打ち方は……)
~side-B~
『決着ー!!準決勝に駒を進めたのは!姫松と!初出場、清澄高校!!』
咲「ありがとうございました」ペッコリン
豊音「グスッ……あのあの……、良かったら宮永さんのサインくれないかなー?……原村さんのも……」シクシク
咲「……分かりました」サラサラ
"ウェルシュ沢コーギー郎"
豊音「……え?」
豊音(じ……冗談かなー……?)
豊音「……あ、ありがとーだよー……。個人戦では負けないからねー?」
咲「姉帯さん個人戦に出るの?」
豊音「うん!当たった時はまたよろしくねー!」
咲「無理だよ」
豊音「!?」
咲「姉帯さん準々決勝負けだよ?勝ち上がる気なの?無理だってば。もっと強い人居るんだよ?」
咲「何やってもムリだよムリムリムリムリ勝てない勝てない勝てない勝てない勝てない勝てない絶対勝てない」
咲「麻雀もう辞めるの?辞めちゃえば?辞めるしかないよね?辞めざるを得ないよ?辞め時は今だよ」
もう、やめちゃえ
豊音「」ガシャアアァ ガクッ
塞「豊音!!!」
胡桃「ひ……ヒドイ!」
咲「待っててね、お姉ちゃん……麻雀なんて辞めて、また家族仲良く暮らそうよ」
───
─
~決勝戦~
菫「勝ち上がって来たな、清澄」
淡「ねー、それって照の妹がいる所なんでしょ?」
照「私に妹は居ない」
淡「どっちにしろ大将戦で当たるんだし、楽しみっ♪」
…………
……
~大将戦~
淡(シズノが山の終盤を抑えているせいで私の打点が伸びない!アガれない時だってある!)
淡(清澄だって得意の嶺上開花を封じられてる!)
淡(結果的に私がダブリーした状態で場が萎縮して、シズノと私が少し有利って程度……なんとかしなきゃ!)タン
恭子(なんやこれ……。せっかく対策立てて来たっちゅうのに、清澄の嶺上も、白糸台のダブリーもあんまり決まっとらんやんか)
恭子(大星が山の序盤を抑えて、高鴨が終盤を抑えとるから、ダブリーかけられたまま場が硬直しとる……)
恭子(ダブリーなんて読み様が無いし、大星の手はどうせダブリーのみの手なんやから、こいつは無視して三麻やっとるつもりでやったるわ!!)タン
咲(うーん、王牌から有効牌が引けないから役なしになるのが怖いなぁ……。普通に打つにしてもずっとウーシャンテン……白糸台の子だよね……)
咲(面子の相性が悪かったかな……?この卓で得したのは阿知賀の高鴨さんと姫松の末原さんかな?自分の打ち方を変える必要が無いもんね)タン
穏乃(姫松が動いた?さっきと表情が変わった……。大星さんは最後の角に行くまでアガらないし、清澄が怖いけど、私も攻めていこうかな?)タン
恭子「ロン!3200!」
淡(七対子!姫松にアガられた!)
淡(このままじゃダメだ!最後の角なんて待ってたら遅すぎる!姫松とシズノに追いつかれる!)
淡(こんな不自由な麻雀じゃいけない……。スミレが言ってた事ってこういう事だったんだ……)
淡(だったら今ここで!私の麻雀を完成させてやる!)カチャカチャ
淡(配牌テンパイ……シズノの影響でテンパらない時もあるけど……、ここはリーチをかけずに……行く!)タン
恭子(リーチをかけない……阿知賀の影響やな。でも手牌は相当良いハズや……ここは慎重に打っていかな……)タン
咲(この局は高鴨さんの影響が強い……?だったらダラダラしてちゃダメだよね。序盤で急いで決めなきゃ!)タン
…………
……
淡「テンパイ」
恭子「ノーテン」
穏乃「ノーテン」
咲「テンパイ」
淡(テルの妹……順子が多くなってる?普通に打つようにしたって事?)
淡(私も別の打ち方を探さななきゃ!)
……………
……
オーラス
淡(これだ!自分を否定する必要無いじゃん!良い手は入るんだから、この手を出来る限り手替わりさせて育てれば良いんだ!)
淡(オーラス……点差は少ないけどトップ!高い手にするか速い手にするか……考える必要なんて無い!張ったっ!!)タン
【控え室】
菫「淡の打ち方が、どんどん変わって……」
照「ついに辿り着いた、自分の麻雀に」
……………
……
淡「ロン!5200!」
『決勝戦決着ーーー!!白糸台高校!三連覇達成ーーー!!!』
淡「待たせたわね。私もようやく、飛べる!」
"高校100年生"
大星 淡
【控え室】
亦野「それだよ淡ーーーーーー!!カッケーーーーーーー!!!!」
菫「うるさいぞ!……さぁ、インタビューだ」
照(……)
ここまで。後は個人戦やって終わりかな
>>54
ホントはパロディっぽくしたかったんだよ
乙
高校100年生に右翼的ルビを降ったらどんな感じかな?
弘世ァ!!インタビューの前に表彰式があるぞ!!
って事でインタビュー→表彰式に訂正
>>62
エゴイスティックエンプレス……(ボソ
よく考えたら個人戦終わってないじゃん。表彰式やらないじゃん。インタビューでいいじゃん。訂正取り消し。
混乱してきた。日程が長いから団体と個人は別々に表彰式やるのか?
アイマスの人がソルキチss書いてくれて嬉しい
……………
……
照「あなたはまだ……あんな麻雀をやっているの!? 咲!!」
菫「おい、照!!」
咲「…………勝負が嫌でも……誰でも何かを頑張ってる。戦ってるって言ってもいい……」
咲「私ね、家族を元に戻すためには戦う必要があるって気付いたの。そして思ったんだ。麻雀のせいで家族がバラバラになったんだから、麻雀を辞めさせればいいって」
咲「今まで勝負から逃げてプラマイゼロなんてやってたけど……そんな自分とはさよならしたよ!」
照「だったらなんで……さっきの試合は……! あなたは本当に麻雀がやりたいの!?」
咲「当たり前だよ。麻雀やらなきゃ、相手の麻雀を辞めさせられないもん。お姉ちゃんも戦う相手がいなくなったら麻雀辞めてくれるよね?」
咲「だから挑んで来る気さえ起きないほど相手の心をグッチャグチャに折ればいい。あの人みたいにね」チラ
末原「……」カタカタ
菫(姫松の大将……。確か、準々決勝でもプラマイゼロ……!!)
照「そういう事を聞いてるんじゃない!咲は本当に、麻雀が好きなの!?」
咲「……」
咲「興味無い」
照「ッ!!!」ゴッ
照「あなたなんかに絶対負けない……!!個人戦でお前を倒して、そんな事辞めさせてやる!!」スタスタ
咲「……」
───
─
~個人戦~
淡「ワハハハァ!!レベルアップした私の実力を見やがれーっ!!」タン
咲「カン。ツモ。嶺上開花、三色同順、赤2……責任払いで8000」
淡「なっ……!」
淡(大将戦とは全然違うじゃん……!まるで別人みたい……)
……個人戦に入って、【あの子】は対局者の心を折る麻雀を全開にして勝ち進んでいった。同じ部員の心さえも……
そしてついに───決勝戦!
咲「お姉ちゃん……。私、周りの心を折るなんて回りくどい麻雀を打つのは辞めたよ。ホントだよ?」
照「……」
咲「お姉ちゃんの心、直接折ればいいんだ。そして家族揃ってめでたしめでたしだね!」
照「……やってみなさい……!」
……………
……
~前半戦オーラス~
照「リーチ」タン
咲「カン。……ツモ。嶺上開花、三暗刻、トイトイ。8000」
照「!!」
照(私の当たり牌を全て握り潰して……その上私の不要牌でカン……さっきから、完全に狙われてる……!)
咲「ハイご苦労様death───」
咲「うーん、いい流れだね。次々勝ち抜いていって、最高潮に調子こいてる所を一発で踏み潰す」
咲「キツイでしょ?キツイよね?」
咲「どう?お姉ちゃん。まだまだ戦える?」
『前半戦終了!現在のトップはなんと!チャンピオンを差し置いて、初出場、清澄高校の一年生宮永咲選手です!』
"照魔鏡"
"シャープシューター"
"ハーヴェストタイム"
"白糸台のフィッシャー"
"高校100年生"
咲「お姉ちゃんのチームメイトとも対局したけどさ、お姉ちゃん達ああいう麻雀するんだね」
咲「じゃあ、私のも名前付けようかなーーー?」
咲「"機械仕掛けの魔王(リンシャンマシーン)"なんてどう?良くない?」ドドドドド
ここまで。明日終わるな
リンシャンキチさんパネェ
>>70
IDが伊調剛健
何か足りないと思ったら……
>>59と>>66の間にこれ↓追加して>>66の上二行は削除
…………
……
記者「おめでとうございます!清澄は初出場で二位という結果になりましたね!今のお気持ちはどうでしょう!?」
久「優勝出来なかったのは残念だけど……、初出場で王者と接戦が出来て嬉しいです」
記者「なるほど!やはり決勝まで勝ち上がったからには優勝も見ていた、という事ですね!?」
久「当たり前よ。勝つために全国に来たんだから」
記者「ふんふむ……では、準優勝へと導いた大将の宮永咲さんはどうですか!?」
咲「えっ!?」ドキッ
記者「準優勝できた今の気持ちを訊いているのですが……」
咲「ああ……個人戦の事で頭がいっぱいでした……。ええと……」
咲「刹那で忘れちゃった。まぁいいか、こんな試合」
「「「!!」」」
まこ「おい咲!ふざけたこと言ってんじゃ……」
優希「やめろまこ先輩!!!!!!」
まこ「!」ビクッ
洋榎(清澄の先鋒……!あんなに焦って……どないしたんや?)
洋榎(いや……よう見ると……みんな目ェ逸らしとる……。【あの子】と目ェ合わさんように……!?)
洋榎(【あの子】を知っとるヤツは……部員も恭子も高鴨も、皆恐れている……?)
そこ抜かしちゃダメだろwww
私服!
御器谷先輩公式発表!
ユーフォちゃん部長の妻!
ホルンちゃんヒロイン力上昇!
サカナベアー!
ケチャップ!
めんつゆ!
弦野はまたサボりか!
見所いっぱいだったなぁ。最後のコマ正座してたけど百人一首でもやんの?
今の所OB説有力か
照「───」
照(……私は……勝てないの……?)
照([あの子]に……)
照(私は[あの子】には……、届かないの……?)
照(誓ったのに……!!お母さんの麻雀で、最強になるって!!)
照(私は……どうしたらいいの……)
照(お母さん!!)
んなもん、2秒で切り返しなさい
照「!?」バッ
咲「うそ……」
照(何?出入り口の方見て……)クルッ
咲「そんな……どうしてここにいるの……」
照「お母さん!!!───と」
咲「お父さん!!」
残念だなのホルンちゃんのヒロイン力やばすぎぃ!
界「悪い、咲……。5年かかっちまったが、また母さんと暮らす事になった!!」
母「咲は勝つ気よ?照、あんたはどうするの?やるの?やらないの?」
母「いつも言って聞かせたはずよ。限界見えた時でも───」
照「───"自分がやる"って決められるか、決められないかだ……!!」
『インターバルが終わります。選手は対局室へ戻って来て下さい』
ジャラジャラ
照(そうだ……そうだよ……)タン
照(私が……やるんだ!私が証明するんだ!!!)カチャ
照「───ツモ。……大三元。8000、16000」ギ...
咲「……親っかぶりかぁ。でも良いの?いきなり役満なんてアガって」
咲「次も役満なんて作れるの?」
照「ツモ。6000、12000」ギギ...
照「ロン。18000」
照「ツモ。4000オール」ギギギィィ
咲「お姉ちゃん……何……それ……?……そんなの知らない……」
咲(打点がどんどん下がって行ってる!?)
咲「なんなの!!それは!?」
咲(いけない!このまま加速して行ったら手がつけられなくなる!!!)
照「ツモ。3300オール」
照「ロン。6000」
照「ツモ。1600オール」
咲「お姉ちゃん……まさか……世界最強になる気……!?」
照「ロン。2800。……先の話しはする気は無い」
照「今!ここで!!私は日本一になる……」
"照魔鏡"宮永照 ドドドドドド
照「あなた達を倒して最強を証明する!! それだけよ!!!」
"照魔鏡(ジャガーノート)"宮永照 ガシャンッ
照「まずは今年、日本一になります」–完–
予想外に早く終わった。今月いっぱいまで暇だからやろうと思えばあと一本書けるのか
>>74
有名すぎて皆ネタにしてるから抜け落ちてたんだ。というかネタを切ったり貼ったりしてるから物語の順序が……
>>77
中学生の方が先に名前が公表されるホルンちゃんかわいい。名無しキャラを突っ走って欲しい
密かに本編でやりたかったネタ1
"照魔鏡"
"シャープシューター"
"ハーヴェストタイム"
"白糸台のフィッシャー"
"影の地帯(ハイド&シーク)"
"高校100年生"
咲「お姉ちゃんのチームメイトとも対局したけどさ、お姉ちゃん達ああいう麻雀するんだね」
咲「じゃあ、私のも名前付けようかなーーー?」
咲「"機械仕掛けの魔王(リンシャンマシーン)"なんてどう?良くない?」ドドドドド
ネタ2
"機械仕掛けの神(デウス•エクス•マキナ)"原村 和
"巨象も踊る(ダンシングマッド)"姉帯 豊音
"沈まぬ太陽(アンブロークン)"花田 煌
などなど
酉消えてた。>>80-81は俺です。
あとはリヒト視点を和にして子ども麻雀クラブに心亜を入れるネタとか考えてはいた。いただけ
異名とか見せ方的に次回作は異能バトルになるかと思ったら、まさかの吹奏楽攻略バトル。
>>84
実はライトウィング一話連載時には、サッカー興味無かったから歯牙にもかけなかった模様。いつの間にか終わってた作品だった
ソルキチ一話連載時はすぐにハマって、暴君編までライトウィングの作者と知らんかった。
ライトウィング買ったのは最近
邑楽先輩今日誕生日だったんスか!?
神海先生まさか計算して───?
おめでとう。邑楽先輩ssはよ
そろそろ依頼出してくる
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