真美「ゆきぴょんを酔わせてしまった……」 (29)

雪歩「えへへ~」

真美「さっき開けたの、ウイスキーボンボンだったのかなぁ……高そうだからってパパの部屋から勝手に持って来ちゃったけど」

雪歩「なんだかいい気分ですぅ~」

真美「うわぁゆきぴょん、めっちゃベロンベロンじゃん! 真美はまだ食べてなくてよかった~」

雪歩「えへへ、真美ちゃ~ん……わたし、なんか熱くなってきちゃったぁ……」ヌギヌギ

真美「うあうあ~、こんなとこで脱がないでよう!」

雪歩「だって熱いんだもん」

真美「だからってそんな全部脱がなくていいっしょ、ほら早く着て!」

雪歩「真美ちゃんのいじわる~」

真美「よく見たらテーブルにチョコの袋がいっぱいだよ……いつのまにこんなに食べたの……」ガサガサ

雪歩「真美ちゃ~ん」

真美「今度はなに、ゆきぴょん?」

雪歩「こっち向いて、お口開けてぇ……はいあ~ん!」

真美「ま、待って待って! 真美はいいから、わざわざ食べさせてくれなくていいから!」

雪歩「でも~、せっかく真美ちゃんが持ってきたのに、まだ食べてないでしょ~?」

真美「そうだけど、えーっと……真美、ちょっと今お腹いっぱいだから……」

雪歩「えへへへへ、そうなんだぁ」

真美「あーぶないあぶない」

真美「とにかく、ゆきぴょんを何とかしないと……律っちゃんが帰ってきたら、絶対どやされるよ……」

雪歩「えへへ~、このチョコおいしいね! えへへへへ」

真美「……とりあえずお水でも飲ませてみよっかな……ゆきぴょん、ちょっと待っててね」スッ

雪歩「待ってよう!」グイ

真美「うぎゃっ!?」スッテーン

雪歩「真美ちゃ~ん、私を置いてどこに行くつもりなの……?」

真美「ちょ、ちょっとお水くんでくるだけだって! すぐ帰ってくるってば!」

雪歩「ホントかなぁ~? わたし、一人はイヤだよ……」

真美「ホントホント! だから離して……」

真美「全く、ゆきぴょんったら酒癖悪すぎだよ……ほら、お水のんで」

雪歩「ごくごく」

真美「……落ち着いた?」

雪歩「……えへへ~、すっごく落ち着いたよ!」ヘラヘラ

真美「あ、そう……」

雪歩「真美ちゃ~ん」ピタッ

真美「うあっ! な、なに? どうしたの、ゆきぴょん?」

雪歩「真美ちゃん……わたし、体が熱くって……」

真美「う、うん……」

雪歩「それにね、なんだか胸がドキドキしてきて……」

真美「うん……」

雪歩「これって……恋かなぁ?」

真美「えっと、それはたぶん違うって思うよ……」

雪歩「えへへ~、真美ちゃんったら夢がないんだからぁ~」

真美「大きなお世話だよ! あーもう、この酔っぱらいどうにかならないかな~」

雪歩「んー」チュッ

真美「うひゃあ!! い、いきなり何してんの、ゆきぴょん!」

雪歩「えへへ……真美ちゃんのほっぺ、空いてたから……えへへへへ」

真美「んも~……」

雪歩「あれれ~、真美ちゃん顔が赤くなってるよ? 酔っ払っちゃった?」

真美「そ、それはゆきぴょんっしょ!」

雪歩「えへへ、真美ちゃんかわいい~」ナデナデ

真美「う~……そういうの、ズルいよう……」

雪歩「んー」

真美「わわっ!!」スッ

雪歩「どうしてよけるの、真美ちゃ~ん」

真美「だ、だって恥ずかしいっしょ」

雪歩「真美ちゃんって、ませてるわりにウブなところあるよね~」

真美「……う~」

雪歩「えへへ、また赤くなってる~」

真美「あーん、うっさいうっさい! タチ悪いから早く覚めてよう……」

雪歩「どこかへおでかけ♪ おじょうさま~」

真美「今度はいきなり歌い始めたよ……ゴキゲンだなぁ」

雪歩「ノドがカラカラ限界ぎりぎり~♪ 発狂すんぜんっ♪ はい!」

真美「……きゅーん」

雪歩「……ふふっ」

真美「な、なんなのさー、もー! なんでそこだけ歌わせるの!?」

雪歩「えへへ、真美ちゃんかわいい」

真美「……うぅ~」

雪歩「2番めにイケてる♪ ヒトがいい~」

真美「何事も無かったかのように再開したよ……」

雪歩「いいえヒトなら誰でもいいのっ♪ ぜいたくいわな~い♪」

雪歩「はっけん!」ガシッ

真美「え、え? なに?」

雪歩「……美味しそうな女の子、じゅるるん♪」

真美「ちょっ!?」

真美「あ、あはは……ゆきぴょんったら、歌詞まちがえてる……そこ、男の子だよ」

雪歩「……」

真美「え……え? なに? これってそういうアレなの?」

雪歩「えへへ……いただきまぁ~す」

真美「えっ、ええっ!? ま、まって、真美、まだ心の準備がぁ……!!」

雪歩「ねえ真美ちゃん、目つぶって……」

真美「う、うん……」

真美「……」ドキドキ

真美「…………」

真美「あ、あれ……ゆきぴょん?」

雪歩「くぅ……」

真美「って、寝てるしっ!! さんざん人を振り回しといてこれなんだから……」

真美「はぁぁぁ……なんかメッチャ疲れたよ……真美、普段ツッコミとかやらないもんね」

雪歩「すぅ……」

真美「……ちょっと期待してたのに」

――――――――――――――――――――

雪歩「んみゅ……あ、あれ、私寝ちゃってた……?」

真美「やっと起きたよ……ゆきぴょん、あのチョコ、ウイスキーボンボンだったみたいだよ」

雪歩「ええっ!? そ、そうだったんだ……」

雪歩「あれ……私、チョコ食べたところから記憶がないんだけど、もしかして……」

真美「そのまさかだよ、ゆきぴょんったらすっかり酔っ払っちゃって大変だったんだかんね!」

雪歩「ううぅ、ごめんね真美ちゃん……私のせいで迷惑かけちゃって」

真美「……いやまあ、そもそもアレ持ってきたのは真美だし、ホントはゆきぴょんのせいじゃないんだけど」

真美「それより大丈夫なの、ゆきぴょん? 頭痛かったりしない?」

雪歩「うん、平気だよ……ありがとう真美ちゃん」

真美「そっか、じゃあよかった!」

雪歩「……あ、あのう真美ちゃん……わたし、酔ってヘンなこととか言わなかった……?」

真美「んっふっふ~……ヘンだったけど、面白かったから大丈夫だよ、ゆきぴょん!」

雪歩「えええっ!? わ、私いったい何をしたの!?」

真美「知りたい?」

雪歩「う、うん……お願いだよ真美ちゃん!」

真美「えーっと、まずいきなり服を脱ぎ始めて……」

雪歩「はうぅ……」

真美「それから、マジックでお腹に絵を描いて腹踊りを披露してぇ……」

雪歩「うっ、うそ!? 嘘だよね、嘘っていって!!」ユッサユッサ

真美「そーんなに気になるんなら、自分で確認してみたらー?」

雪歩「お、お腹……」バッ

雪歩「……『ウソぴょーん!』」

真美「んっふっふ~、まんまと引っかかったねゆきぴょん!」

雪歩「も~、真美ちゃ~ん……無意味にドキドキさせるのやめてよう……」

真美「えっへへ……ちょっとした仕返しだよん!」

雪歩「仕返し? じゃあ、やっぱり私、真美ちゃんに何かしたんだね……」

真美「うん、でもゆきぴょんには教えてあげない!」

雪歩「ど、どうして?」

真美「だってー、そのほうが長いこと楽しめそうだし! いやー、いいネタが手に入ったよー」

雪歩「ちょ、ちょっと真美ちゃーん! 内容によっては私の人生に関わるんだから!」

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