咲「異議あり!」 和「待ったッ!!」(184)
[?月?日 ??時??分 清澄高校麻雀部室]
京太郎「うーん……また振りこんじまった……」
京太郎「俺、やっぱり麻雀向いてないんですかね?」ポリポリ
京太郎「どう思いま―――――」
ゴスッ
京太郎「が……っ……!?」
バタッ
???「……」
???「……」スタスタ
ギイッ バタンッ
[12月18日 午前9時30分 地方裁判所 被告人第1控室]
咲 「……ふうっ」
咲 (いよいよ今日が法廷デビューかぁ……)
咲 (……緊張してきたよぉ)ブルッ
??「あら、武者震い?」
咲 「部長!」
久 「どう? はじめての法廷の感想は?」
咲 「…緊張で何も分からないです」
咲 「こんなに緊張したの、子供の頃の家族麻雀以来ですよ!」
久 「……そ、そう。それは随分ご無沙汰みたいね」アセ
咲 「どうしよう……こんな状態で法廷に立つなんて」グス
久 「……咲」
咲 「は、はいっ!」
久 「いい? 私たち弁護士は、依頼人を護らなきゃいけないの」
久 「護る立場の人間が弱気じゃ、依頼人も不安になっちゃうわ」
久 「依頼人が頼れる姿勢を保つのも、弁護士の大切な仕事のひとつよ?」
咲 「…そうですね」
咲 「分かりました! 私、もっと頼れるようになります!」フンスッ
久 「ま、私たちみたいな高校生じゃ緊張するのも無理はないんだけれどねぇ」
咲 「高校生で弁護士。……未だに信じられませんよ、私」
久 (……去年、司法に関わる法律の大部分が改正された)
久 (その際追加された条文で、最も際立っていたのが……)
久 (『高校生、かつ麻雀部員である者すべてに弁護士、検事、及び裁判官となる資格を与える』というもの)
久 (極めて異質な内容だったけれど、何故かメディアは一切これに触れなかったのよね……)
久 (…何か、動いているんでしょうね。裏で)
咲 「それじゃ、今日はサポートよろしくお願いしますね!」
久 「まっかせなさいっ! 弁護士としても頼れる先輩だってことを証明してあげ―――」
……ォォォ!!
コンナサイバン、スルイミナイジェ!!
久 「……」
咲 「……」アワアワ
久 「依頼人……かなり荒れてるみたいね?」
シケイダ!! シケイニナルンダジェ!!
シヌ! ワタシハシヌンダジェェェェェ!!!!
久 「…あらあら」
??「あっ! 咲ちゃん!」
咲 「優希ちゃん。えと、その……」
咲 (! 頼れる姿勢を……!)
咲 「今日は弁護、頑張るかr」
優希「その必要はないじぇ!」ビッ
咲 「ふぇっ!?」
優希「有罪だ! 私を有罪にするんだじぇ!」
咲 「ゆ、有罪って……」
優希「死刑になって死んでやるんだじぇぇっ!」
優希「京太郎が……きょ、京太郎がいない世界なんて……」ウルッ
優希「生きてても意味が無いんだじぇぇぇぇぇぇっっ!!」ビエー
優希「だ、誰が…誰が京太郎をぉぉぉぉっ!! ……うえぇぇぇぇぇ……」
咲 (京ちゃんを殺害した犯人、か……)
咲 (世間では『優希ちゃん』ってことになってるんだよね……)
咲 (けれど、優希ちゃんがそんなことするはずがない!)
咲 (それは私がよく知ってる。 …絶対に護らなきゃ!!)
久 「……落ち着いて、優希」
優希「う……。部長……」グスン
久 「そんな悲しいこと、言わないで? アナタが死んじゃったら、みんな悲しむわよ?」
優希「……でも」
久 「それに。私たちは真実が知りたいの」
久 「正直に言ってね、優希。……アナタは、須賀君を殺したの?」
優希「! そんなことするわけないじょ!!」
久 「…うん」コクン
久 「それだけ聞ければ十分。…ね、咲?」
咲 「あ、はいっ!」
咲 (うう……私が言うべき台詞だったんだよね、これって……)
久 「…っと、そろそろ時間ね。それじゃ行こうか!」
咲 (大丈夫かなぁ……こんなで……)
[同月同日 地方裁判所 第2法廷]
ガヤガヤ ザワザワ
ニギニギ ワイワイ
カンッ!!
尭深「……」ズズーッ
尭深「これより、片岡優希の法廷を開廷します」
和 「検察側、準備完了しています」
咲 「あっ、和ちゃん! おーい!」キャッキャ
和 「……」コホンッ
尭深「……弁護人」
咲 「へ? ……あ」
咲 「は、はいっ! 弁護側も、その……準備完了してますっ!」
尭深「……」
>>18
[訂正]
×:[同月同日 地方裁判所 第2法廷]
○:[同月同日 午前10時00分 地方裁判所 第2法廷]
尭深「宮永さん。あなたは確か、今日が初めての法廷だったね」
咲 「うう……そうです。緊張してます」
尭深「……」ズズーッ
咲 (…お茶好きなのかな、この人)
尭深「…そうだね。あなたが本当に準備できているかどうか、少しチェックさせてもらおうかな」
咲 「え?」
尭深「いくつか簡単な質問をするから、それに答えてね」
咲 (うう……頭の中が真っ白になってきたよ)
尭深「ではまず、この事件の被告人の名前を。…言ってみて」
【>>24】
宮永照
咲 「被告人……お姉ちゃんのことですよね」
尭深「……」ダラダラ
久 「咲……アナタ大丈夫?」
久 「被告人は、その裁判で裁かれる人のこと。この場合は優希のことね」
咲 「あ、そっか」
久 「なんでお姉さんが出てくるのよ……アタマが痛くなってきたわ」
尭深「……うん、隣の人が言う通りだよ。しっかり確認しておいてね」
尭深「それじゃ、次の質問」
尭深「この裁判は殺人事件についてだけれど、被害者の名前を教えて?」
咲 「被害者…それなら、京ちゃんだよね。須賀京太郎」
尭深「正解。じゃあ、被害者の死因は何だった?」
咲 (死因なら大丈夫だね! あれだけ調書を読んだし……)
咲 (……)
咲 (……あれ?)
咲 (ど、ど忘れしちゃったよう!)
久 「咲。あなた、まさか……」
咲 「ど、どうしましょう…忘れちゃいました……」
久 「はぁ……」ヤレヤレ
久 「事件に関することは【法廷記録】を見れば分かるわ。
ほら、そこにファイルがあるでしょ?」
咲 「あ、ホントだ。 えーっと……」
【法廷記録】
○弁護士バッジ
――弁護士であることを証明してくれる、大切なバッジ。
○須賀京太郎の解剖記録
――死亡時刻は、12月17日午後4時30分から5時まで。
後頭部を何かで殴られ、脳震盪により死亡。
被害者の口腔内、及び胃からは、何かを食べた痕跡が見られる。
咲 「これでばっちりだね!」
尭深「……」ズズーッ
尭深「それじゃ、改めて。被害者の死因は?」
【>>36】
脳震盪
>>31
[訂正]
×:~脳震盪により死亡。
○:~脳挫傷により死亡。
咲 「後頭部を一発、ガツンと……」
尭深「うん。……そろそろ、落ち着いてきたみたいだね」
咲 (そうかなぁ……)
尭深「じゃあ、審議を進めて行きたいんだけれど……原村検事」
和 「何でしょうか」
尭深「今、宮永さんが言った通り、被害者は何かで殴られてるよね」
尭深「その凶器。見つかってる?」
和 「……」フルフル
和 「…残念ながら。目下捜索中です」
尭深「そっか……。」
和 「一応、事件現場の写真を提出します」
尭深「うん、分かりました。証拠として受理します」
【証拠品:事件現場写真 が法廷記録にファイルされた】
○事件現場写真
――http://saki-anime.com/blog/assets_c/2009/01/goukanabushitu-thumb-400x226-87.jpg
部室入口より撮ったもの。荒らされた形跡はなし。
被害者はついたての向こう側で、PCに突っ伏して倒れていた。
尭深「コンピュータに突っ伏して……?」
和 「ええ。どうやら、ネット麻雀をプレイしていたようです」
【証拠品:PC が法廷記録にファイルされた】
○PC
――被害者がもたれかかって死んでいた。
死ぬ直前までネット麻雀をプレイしていたらしい。
最終プレイ時間は午後4時58分。
和 「ネット麻雀に熱中していたところを、背後からゴン。といったところでしょうか」
尭深「…なるほど」
和 「また、今回の事件は被害者・容疑者ともに学生です」
和 「さらに、犯行が平日に学校で行われた、ということもありますので、事件当日の学校についてを調べたところ……」
和 「容疑者のクラスの授業のみ、定時より早く終わったということが分かりました。これがその証言です」
【証拠品:1-Bの担任の証言・清澄高校時間割 が法廷記録にファイルされた】
○1-Bの担任の証言
――片岡優希のクラスの担任の証言。
午後5時に授業を終える予定だったが、
体調不良で40分前に終了、解散した。
○清澄高校時間割
――事件当日、1年生は午後5時に授業終了。
2・3年生は午後4時30分に授業終了。
尭深「上級生の方が授業終わるのが早いんだ。珍しいね」
和 「生徒の自主性に任せる、ということだそうです」
和 「…実際に、頑張れる人はほんの数人でしょうが」
尭深「……」ズズーッ
久 「咲。こんな風に、裁判が進んでいくと証拠品が提出されるの」
久 「証拠品のデータは、これからアナタの武器になるわ」
久 「しっかり目を通しておくのよ」
咲 「はいっ、分かりました!」
カンッ!!
尭深「では、原村検事。証人を呼んでください」
和 「今回の事件の被告人。…片岡優希を」
咲 「…あの、私はどうすれば……」
久 「今は、しっかりと話を聞くこと。反撃のチャンスは後で必ずやってくるわ」
久 「…優希が余計なことをしゃべらないよう、祈りましょう?」
咲 (優希ちゃん、さっきかなり荒れてたなあ)
咲 (…うう、心配だよう……)
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
尭深「証人。名前と職業を――」
優希「おおっ、のどちゃん!」ピョンッ ピョンッ
尭深「……」
優希「のどちゃんも今回の裁判に関わってたのか!」
和 「ええ」
優希「そっかー。『清澄高校大集合!』って感じだな!」
和 「はい。それより今は――」
優希「あ……でも、京太郎はもういないのか……」ウル
優希「……やっぱり死ぬ! 私は死んでやるじぇ!」バシンッ
尭深「机、叩かないで……」
優希「のどちゃん! 早く私を死刑にするんだじぇぇぇぇっ!!」ガーッ バシンッバシンッ
尭深「……うう」
和 「……分かりました。そのためにも、証言をお願いします」
咲 「!? …原村さん……?」
咲 (そんな…なんで、そんなこと……)
優希「よっしゃあっ! ドンと来い、だじぇい!」
和 「では……被害者・須賀京太郎を殺したのはあなたですか?」
優希「そんなわけあるか! 私と京太郎はラブラブなんだ!」
和 「……では、あなたが殺したのではないと言える、その理由を証言してもらいましょうか」
優希「お、おうっ!」
《証言開始》
~被害者を殺害出来ない理由~
①優希「私が京太郎を殺せない理由? そんなの決まってるじぇ!」
②優希「私たちはお互いを愛し合っているからな! 動機が無いじぇ!」
③優希「…え? もっとはっきりとした証拠?」
④優希「あー…ほ、ほら! 京太郎が殺されたのは午後5時なんだろ?」
⑤優希「私の授業が終わったのは午後5時! 京太郎には会いに行けないじぇ!」
>>49
[訂正]
×:~午後5時なんだろ?
○:~午後4時30分から5時の間なんだろ?
尭深「なるほど……授業があったから殺せなかった」
尭深「……? じゃあ、なんで被害者はその時間に部室に?」
和 「サボってたみたいです。クラスメイトの話では、部室の備品管理のためだとか」
久 「部員の鑑ねぇ」シミジミ
尭深「では弁護人。尋問をお願いします」
咲 「じ、尋問?」
久 「今の証言に、ムジュンが無かったかを探すのよ」
咲 「ムジュン……ですか」
久 「そ。証言の嘘、つまりムジュンを暴いて真実を見つけ出すの」
咲 「けれど、この証言……」
咲 「……嘘を暴いたら大変なことになりそうなんですけど……」
久 「恐らく、それが原村検事の狙いでしょうね」
久 「被告人の嘘を弁護士に指摘させ、悪印象を与える、ってことかしら」
久 「……さすが和ね。やり口がスマートだわ」
咲 「あの、私はどうすれば……」
久 「…嘘をつかせるわけにはいかないわ。こちらからムジュンをつきつけてあげましょう」
久 「ムジュンの指摘の仕方は簡単よ」
久 「まず、証人の証言でムジュンがある発言の番号を指定するの」
久 「そして、ムジュンしている証拠品を【法廷記録】からつきつける!」
久 「これでOKよ! 要するに、レスの中で『《つきつける》と証言の番号、それと証拠品を指定』すれば良いわけね」
久 「そしてもう1つ。《ゆさぶる》についてね」
久 「ある証言について、もっと詳しい情報が聞きたかったら《ゆさぶる》の出番よ」
久 「レスの中で『《ゆさぶる》と、ゆさぶりたい証言の番号を指定』するの」
久 「そうすれば、もっと詳しい情報が聞けるわ」
久 「……それじゃ、頑張っていきましょう! 法廷記録をまとめておくわよ」
【法廷記録】
○弁護士バッジ → >>31
○須賀京太郎の解剖記録 → >>31
○事件現場写真 → >>39
○PC → >>39
○1-Bの担任の証言 → >>40
○清澄高校時間割 → >>40
《尋問開始》
~被害者を殺害出来ない理由~
①優希「私が京太郎を殺せない理由? そんなの決まってるじぇ!」
②優希「私たちはお互いを愛し合っているからな! 殺す必要はまったくないじぇ!」
③優希「…え? もっとはっきりとした証拠?」
④優希「あー…ほ、ほら! 京太郎が殺されたのは午後5時なんだろ?」
⑤優希「私の授業が終わったのは午後5時! 京太郎には会いに行けないじぇ!」
【コマンド:>>○○】
咲 「異議あり!!」バァーンッ
優希「じょっ!?」
咲 「優希ちゃん、もう一度確認するね?」
咲 「『授業が終わったのは午後5時』……間違いない?」
優希「お、おう! その通りだじぇ」
咲 「それはおかしいんだよ。優希ちゃんのクラスは、授業が早く終わってるはずなの」
咲 「担任の先生が証言してるよ。授業は40分前に終わった、って」
優希「じぇ、じぇえええぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!!」ガビンッ
キシャーッ ピョンピョンッ
尭深(あ、腰の動物…動くんだ)
久 「ナイスよ、咲! そうやってムジュンをつきつけていけばいいの!」
久 「……あー。でも、今回はあまり良くないのかな。仕方ないとはいえ……」
和 「ありがとうございます、弁護人。おかげで一歩前進できました」
和 「……片岡優希が犯人である、という事実に」ニッ
咲 「うう……」
和 「お分かりでしょうか! 片岡優希は被害者の殺害が可能だったということが!」
優希「…ひどいじょ、のどちゃん……」
和 「また、被害者の口の中と胃に残っていたものの成分鑑定の結果、以下の物が認められました」
和 「ひき肉、レタス、サルサソース……」
優希「! それ、タコスの材料だな!」
咲 「タコス?」
優希「お! 咲ちゃん、タコスに興味あるのか?」
優希「ちょうど今持ってるから咲ちゃんにもあげるじぇ!」ホイ
咲 「あ、ありがと」アハハ
【証拠品:タコス を法廷記録に無理矢理ファイルされた】
○タコス
――片岡優希手作りのタコス。
事件直前、優希が被害者に差し入れした。
和 「被害者の口に被告人が作ったタコスが残っていた……」
和 「これは被害者が、死の直前に彼女と会っていたことに他なりません!」
和 「すなわち……『被害者が最期に会った人間』が彼女であるということです」
優希「う……」ダラダラ
咲 (優希ちゃん…なんで嘘なんて)
【証拠品:須賀京太郎の解剖記録 のデータを書き換えた】
――死亡時刻は、12月17日午後4時30分から5時まで。
後頭部を何かで殴られ、脳挫傷により死亡。
被害者の口腔内、及び胃からは、タコスの材料が検出された。
尭深「なるほど……。どうなの、片岡さん? 本当に被害者と会っていたの?」
優希「……本当だじぇ」
咲 「! どうして隠したりなんか……」
優希「だって…こんなこと話したら、私が殺したって思われちゃうじぇ……」
優希「死刑にはなりたいけど……京太郎を殺した罪で、なんて我慢できないじょ……」
咲 「優希ちゃん……」
咲 (……やっぱり、優希ちゃんが京ちゃんを殺すわけがない! なんとか助けなきゃ!)
咲 「だ、だけど! 優希ちゃんには動機がありません! 京ちゃんを殺す理由が……」
和 「待ったッ!!」
咲 「ひうっ!?」ビクンッ
和 「被告人。あなたは一週間前、被害者とケンカをしていますね?」
優希「……!」
和 「なんでも、『記念日をすっぽかされた』とか」
優希「…本当だじぇ」
優希「付き合い始めて1ヶ月の記念日だったのに……バカ犬め……」グスンッ
和 「当時、あなたはかなり荒れていたとか。被害者への暴言を吐く姿が目撃されています」
優希「で、でも……そんなことで殺したりは……」ダラダラ
和 「……以上で、彼女からの証言を終えてもらいます」
優希「うう……」
尭深「……なるほど。分かりました」
尭深「確かに、片岡さんが犯人であるという可能性は高いようだね」
尭深「……このまま判決を下しても問題は無さそうかな」
咲 (ええええっ!?)ガビビンッ
和 「待ったッ!!」
尭深「…? 原村検事?」
咲 「え……和ちゃん?」
咲 (もしかして、私を助けてくれたり……)
和 「……まだです。検察側は、さらに被告人の犯行を決定づける証人を用意しています」フフン
咲 (しなかった!!)
久 「更に証言を重ねることで、凶器が見つかっていないという点に目を付けさせないつもりね」
咲 「あ、そうか。肝心の凶器は見つかってないんですね」
久 「検察側には相当不利な事実のはずだけど……何かしら、和のあの自信は」
和 「被害者の先輩、染谷まこを入廷させてください!!」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
尭深「……」ズズーッ
尭深「証人。名前と職業を」
まこ「染谷まこ。学生で雀荘経営しちょる」
尭深「雀荘……?」ピク
まこ「あ、いや……もとい、麻雀が打てる喫茶店じゃ」デヘヘ
咲 (結局雀荘のことじゃ……?)
和 「雀荘については後々追及するとして……」
まこ「げぇっ!?」
和 「今は証言をお願いします。…昨日、あなたが見たことを」
まこ「よっしゃあ、任しときんしゃい!」
《証言開始》
~昨日見たこと~
①まこ「授業が終わったあと、部室に向かったんじゃ。部室前に着いたのは午後4時50分じゃ」
②まこ「部室の前まで来たんじゃが、そこで見たのは部室から走って出ていく優希の姿じゃった」
③まこ「妙に思って、ドアから部室を覗いたんじゃが……そこには倒れた京太郎の姿が!」
④まこ「思わず腰が抜けてしもうた……あんな光景、初めて見たからのう」
⑤まこ「優希は可愛い後輩じゃけど……犯人は優希じゃろうね。本当に残念じゃ……」
尭深「現場から逃げ出す被告人の姿を見た、と……」
尭深「……」ズズーッ
尭深「……これは決定的な証言だね」
和 「はい。私が推理する、事件の流れはこうです」
和 「午後4時20分。被告人・片岡優希の授業が終わる」
和 「その十数分後。部室で被告人が被害者を殺害」
和 「4時50分。証人・染谷まこが逃走する被告人を目撃」
和 「……なんのことはない、単純な事件ですね」
和 「これだけ単純なら、凶器が見つかっていなくても十分判決を下せるのではないでしょうか」
尭深「うん。染谷さん、証言ありがとうね」
まこ「可愛い後輩のためじゃからね。和のためにも……優希のためにも」
まこ「優希……罪は、償わにゃならんもんじゃけぇ……」グス
ヌオー!! ワタシハコロシテナイジョー!!
咲 「染谷先輩まで……優希ちゃんが殺しただなんて」
久 「咲。……まこの証言、ムジュンがあるわ」
咲 「ええ!? 本当ですか?」
久 「……」コクン
久 「まこは何かを隠してる。何のつもりかは知らないけれど……」
久 「…つきつけてあげなさい。ムジュンを」ニコッ
尭深「では弁護人。尋問をお願いします」
《尋問開始》
~被害者を殺害出来ない理由~
①まこ「授業が終わったあと、部室に向かったんじゃ。部室前に着いたのは午後4時50分じゃ」
②まこ「部室の前まで来たんじゃが、そこで見たのは部室から走って出ていく優希の姿じゃった」
③まこ「妙に思って、ドアから部室を覗いたんじゃが……そこには倒れた京太郎の姿が!」
④まこ「思わず腰が抜けてしもうた……あんな光景、初めて見たからのう」
⑤まこ「優希は可愛い後輩じゃけど……犯人は優希じゃろうね。本当に残念じゃ……」
【法廷記録】
○弁護士バッジ → >>31
○須賀京太郎の解剖記録 → >>64
○事件現場写真 → >>39
○PC → >>39
○1-Bの担任の証言 → >>40
○清澄高校時間割 → >>40
○タコス → >>63
【コマンド:>>76】
>>72
[訂正]
×:~被害者を殺害できない理由~
○:~昨日見たこと
①
つきつける
○弁護士バッジ
咲 「異議あり!!」バァーンッ
咲 「その発言は、この証拠品に明らかにムジュンしています!!」
まこ「……」キョトン
咲 「えっと……その、だから……」
和 「具体的には、どの辺りがムジュンしているんでしょうか?」
咲 「ほら、こう……こんな感じで……」ニギニギ
尭深「……」ズズーッ
尭深「全く具体的じゃないし、何が言いたいのかサッパリ分からないよ」
尭深「残念だけれどペナルティだね。今度はちゃんと考えて発言してね?」
ドゴーン
咲 (サイバンチョの機嫌を損ねちゃったみたいだよ……)
久 「落ち着いて、咲。まこが本当に須賀君の死体を見ることが出来たと思う?」
久 「まこは部室の入り口から部屋を覗いただけよね?」
《尋問中》
~昨日見たこと~
①まこ「授業が終わったあと、部室に向かったんじゃ。部室前に着いたのは午後4時50分じゃ」
②まこ「部室の前まで来たんじゃが、そこで見たのは部室から走って出ていく優希の姿じゃった」
③まこ「妙に思って、ドアから部室を覗いたんじゃが……そこには倒れた京太郎の姿が!」
④まこ「思わず腰が抜けてしもうた……あんな光景、初めて見たからのう」
⑤まこ「優希は可愛い後輩じゃけど……犯人は優希じゃろうね。本当に残念じゃ……」
【法廷記録】
○弁護士バッジ → >>31
○須賀京太郎の解剖記録 → >>64
○事件現場写真 → >>39
○PC → >>39
○1-Bの担任の証言 → >>40
○清澄高校時間割 → >>40
○タコス → >>63
【コマンド:>>80】
咲 「待った!!」バンッ
咲 「ドアから部室を覗いた……ということは、部室に入らなかったということですか?」
まこ「モチロン! わしはか弱い乙女じゃけえ、死体がある部屋になんか恐ろしくて入れんわ!」
久 (か弱い……?)
咲 「……覗いただけで、はっきり死体が見えるものなんですか?」
まこ「! なんじゃ咲、わしの目を疑っとるのか!?」
咲 「いやっ、すこし気になっただけですっ!」
まこ「眼鏡をかければ人並みの視力はあるけえ。人が倒れとるのを見逃すはずがないわい」
久 「この証言、少しおかしくないかしら」
咲 「? そうですか?」
久 「……証拠品には目を通しておきなさいよ?」
《尋問中》
~昨日見たこと~
①まこ「授業が終わったあと、部室に向かったんじゃ。部室前に着いたのは午後4時50分じゃ」
②まこ「部室の前まで来たんじゃが、そこで見たのは部室から走って出ていく優希の姿じゃった」
③まこ「妙に思って、ドアから部室を覗いたんじゃが……そこには倒れた京太郎の姿が!」
④まこ「思わず腰が抜けてしもうた……あんな光景、初めて見たからのう」
⑤まこ「優希は可愛い後輩じゃけど……犯人は優希じゃろうね。本当に残念じゃ……」
【法廷記録】
○弁護士バッジ → >>31
○須賀京太郎の解剖記録 → >>64
○事件現場写真 → >>39
○PC → >>39
○1-Bの担任の証言 → >>40
○清澄高校時間割 → >>40
○タコス → >>63
【コマンド:>>84】
※つきつける or ゆさぶる
※つきつける場合は、証言番号とつきつける証拠品
※ゆさぶる場合は、ゆさぶりたい証言番号
つきつける>>39
咲 「異議あり!!」バァーン
まこ「うおっ! な、なんじゃあ!?」
咲 「染谷先輩。……どうして嘘をつくんですか?」
まこ「わ、わしが嘘をついとるっちゅうんか?」アセ
咲 「はい。染谷先輩は、部室の入り口から倒れている京ちゃんを見た、って言いましたけど……」
咲 「見えるはずがないんですよ。……京ちゃんは、このついたての向こう側に倒れていたんですから」
和 「……!!」
まこ「な、何ぃぃぃぃっ!?」ガンッ
咲 「どうして京ちゃんを見ることができたのか……教えてもらえますか?」
まこ「ぐ……」ダラダラ
まこ「……」ダラダラダラ
久 (……すごい汗ね。髪がストレートになり始めるほどだなんて)
久 (まこ。…あなた、まさか……)
まこ「……そ、そうじゃあっ!」バンッ
ピンッ ピンッ
咲 (わ……! 一瞬で髪のパーマが戻った……!)
まこ「思い出した、思い出したぞ!」
和 「……先輩。証言は正確にお願いします」
まこ「すまんのう」ヘラヘラ
尭深「では、改めて証言をお願いします」
《証言開始》
~何故、京太郎の姿を見ることが出来たのか~
①まこ「部室に入っとらんと言ったが、すまんのう。ありゃ思い違いじゃった。実際は部室に入っとったんじゃ」
②まこ「部室の様子はよく覚えとるよ。自動卓は綺麗に整備してあったし、棚には新品の麻雀牌セットが補充されとった……」
③まこ「死ぬ直前まで、部のために働いてくれたんじゃな……。 …おっと、京太郎のことじゃったか」
④まこ「わしは部室に入ってまっすぐベッドに向かったんじゃが、その時に京太郎の姿を見たんじゃ」
⑤まこ「京太郎はコンピュータに突っ伏して倒れとった…多分、ネット麻雀をしとる時にやられたんじゃろうな」
⑥まこ「時間はさっきも言った通り、午後4時50分! 間違いないけえ!」
尭深「……」ズズーッ
尭深「……」フウッ
尭深「部室に入ったなら、被害者の姿を見ることが出来るね」
尭深「…ところで、今証言に出てきた自動卓と麻雀牌についてだけれど」
和 「自動卓の整備も麻雀牌の新調も、被害者がしたことのようです」
和 「証拠としてまとめておきましたので提出します」
尭深「うん。受理するね」
【証拠品:自動卓・麻雀牌 が法廷記録にファイルされた】
○自動卓
――清澄高校麻雀部のもの。
事件直前に被害者によって整備されている。
整備後、使われた形跡は無い。
○麻雀牌
――手積み用の麻雀牌のセット。ケースの中に136枚の麻雀牌が詰まっている。
棚には4セットのケースが積まれているが、新品の中に使い込まれたものが1つだけ混じっている。
尭深「では、尋問をお願いします」
咲 「尋問といっても……部室に入ったなら、何もおかしいことはないよ……」
久 「あら、そうかしら?」
咲 「へ?」
久 「まこは……まだ、嘘をついているわ」
咲 「えええ!?」
久 「時間に注目してみなさい。まこは、4時50分には須賀君が死んでいたと証言しているけど……」
久 「証拠の中に、それにムジュンしているものが無いかしら?」
咲 「……あっ!」
久 「うん、そういうこと」
久 「つきつけてあげなさい、その証拠をね」
咲 「はいっ!」
久 (けれど。これが嘘ってことは……犯行が行えたのは、あの子しかいなくなる……)
久 (……どうして、こんなことを)
《尋問開始》
~被害者を殺害出来ない理由~
①まこ「部室に入っとらんと言ったが、すまんのう。ありゃ思い違いじゃった。実際は部室に入っとったんじゃ」
②まこ「部室の様子はよく覚えとるよ。自動卓は綺麗に整備してあったし、棚には新品の麻雀牌セットが補充されとった……」
③まこ「死ぬ直前まで、部のために働いてくれたんじゃな……。 …おっと、京太郎のことじゃったか」
④まこ「わしは部室に入ってまっすぐベッドに向かったんじゃが、その時に京太郎の姿を見たんじゃ」
⑤まこ「京太郎はコンピューターに突っ伏して死んどった…多分、ネット麻雀をしとる時にやられたんじゃろうな」
⑥まこ「時間はさっきも言った通り、午後4時50分! 間違いないけえ!」
【法廷記録】
○弁護士バッジ → >>31
○須賀京太郎の解剖記録 → >>64
○事件現場写真 → >>39
○PC → >>39
○1-Bの担任の証言 → >>40
○清澄高校時間割 → >>40
○タコス → >>63
○自動卓 → >>89
○麻雀牌 → >>89
【コマンド:>>94】
※つきつける場合は、証言番号とつきつける証拠品
※ゆさぶる場合は、ゆさぶりたい証言番号
つきつける>>40
ちょい自信ないな
咲 「異議あり!!」バァーンッ
咲 「時間割を見てください。1年生の京ちゃんの授業が終わるのは午後5時です」
咲 「それなのに、染谷先輩は4時50分に京ちゃんの死体を見たと証言しています」
咲 「これは明らかにムジュンしています!!」バンッ
染谷「……」ポリポリ
和 「……」ハア
咲 「部長、やりました! ぐうの音も出ないみたいですよ!」
久 「咲……話はちゃんと聞いてた?」
久 「須賀君は授業をサボってたのよ?(>>51) 授業のことは関係ないわ」
尭深「……」コクン
尭深「そういうこと。はい、ペナルティだよ」
ドゴーン
咲 (うう……サイバンチョの機嫌を損ねちゃったよ……)
《尋問中》
~被害者を殺害出来ない理由~
①まこ「部室に入っとらんと言ったが、すまんのう。ありゃ思い違いじゃった。実際は部室に入っとったんじゃ」
②まこ「部室の様子はよく覚えとるよ。自動卓は綺麗に整備してあったし、棚には新品の麻雀牌セットが補充されとった……」
③まこ「死ぬ直前まで、部のために働いてくれたんじゃな……。 …おっと、京太郎のことじゃったか」
④まこ「わしは部室に入ってまっすぐベッドに向かったんじゃが、その時に京太郎の姿を見たんじゃ」
⑤まこ「京太郎はコンピューターに突っ伏して死んどった…多分、ネット麻雀をしとる時にやられたんじゃろうな」
⑥まこ「時間はさっきも言った通り、午後4時50分! 間違いないけえ!」
【法廷記録】
○弁護士バッジ → >>31
○須賀京太郎の解剖記録 → >>64
○事件現場写真 → >>39
○PC → >>39
○1-Bの担任の証言 → >>40
○清澄高校時間割 → >>40
○タコス → >>63
○自動卓 → >>89
○麻雀牌 → >>89
【コマンド:>>94】
※つきつける場合は、証言番号とつきつける証拠品
※ゆさぶる場合は、ゆさぶりたい証言番号
つきつける
⑥
PC
咲 「異議あり!!」バァーンッ
まこ「な、なんじゃあっ! まだ文句があるんか!」
咲 「染谷先輩、もう一度確認させてください。京ちゃんが死んでいたのを確認したのは、午後4時50分」
咲 「…間違いありませんか?」
まこ「くどいのう……間違いないわ! 4時50分に、京太郎が死んどるのを見たんじゃ!」
咲 「だったら、このコンピュータの情報はおかしいですよね」
まこ「コンピュータ?」
咲 「はい。京ちゃんはネット麻雀をしていたんですが……」
咲 「…その最終プレイ時間は、午後4時58分!」
咲 「それまで、京ちゃんは生きていたんです」
まこ「な……」
まこ「なんじゃとおぉぉぉぉぉぉっっ!?」ズガガンッ
咲 「ということは、4時50分に部室から出ていく姿を目撃されている優希ちゃんには犯行は不可能!」
和 「……つまり」
和 「何が言いたいんでしょうか? 宮永弁護士」
咲 「弁護側は、真犯人が別にいることを主張します!」
まこ「……ぐ」ダラダラダラダラ
久 (あら、またストレートヘアに……)
尭深「……」ズズーッ
尭深「うん、もっとはっきり言っていいよ」
尭深「…真犯人がいるっていうのなら、それは1人しかいないんじゃないかな?」
咲 「……分かりました」
咲 (事件が発覚するまでに、部室に入ったのは優希ちゃんと染谷先輩の2人)
咲 (優希ちゃんが犯人じゃないなら……)
咲 「真犯人は……この人です!!」
【>>107】
わかめ
咲 「染谷先輩。……いいえ、染谷まこ」
咲 「あなたを須賀京太郎殺害の罪で告発します!!」バァーンッ
まこ「ぐぬぬぬぬぬううううぅぅぅぅっっっ!!」ズガァァンッ
ザワザワ ガヤガヤ
ニギニギ ワイワイ
カンッ! カンッ! カンッ!
尭深「……」ズズーッ
尭深「…静粛に」
尭深「片岡さんが犯人でないなら、もう1人が犯人になる。当然のことだよね」
まこ「咲……おのれは……!!」グググ
まこ「わしが犯人なわけがあるかぁっ!」ガーッ
まこ「犯人は優希に決まっとるじゃろうが! わしが目撃しちょるんじゃ!」バンッ バンッ
まこ「早く優希に有罪判決を下すんじゃあぁぁっ!!」バシーンッ
咲 「……」
咲 (染谷先輩……)
久 (間違いなさそうね。……犯人はまこだわ)
咲 「…以上で、弁護側の主張を―――」
和 「異議ありッッ!!」
咲 「!?」
和 「1つ。弁護人にお聞きします」
和 「……動機は何でしょうか? 証人が被害者を殺す、その動機は?」ビッ
咲 「そ…それは……」アセ
咲 「…今はまだ……」オズオズ
和 「……」ヤレヤレ
和 「てんで話になりませんね。動機も無い人を犯人呼ばわりとは……」
咲 「けど! コンピュータの履歴によれば、犯人は優希ちゃんじゃないってことに―――」
和 「異議ありッ!!」バンッ
咲 「ひゃあっ!?」
和 「裁判長。……法廷の皆様がネット麻雀をあまり知らないようですので、説明させていただきたいのですが」
尭深「うん、お願いするね」
和 「では。……被害者がプレイしていたネット麻雀ですが、一定時間操作していないとツモ切りに自動切り替えされるようになっています」
咲 「つ、つもぎり?」
和 「CPUによる代走のようなものです」
和 「そして。ツモ切り状態でも、回線を切断しない限りはプレイしているとみなされます」
咲 「……ま、まさか……」タラーッ
和 「…そう」
和 「ネット麻雀をプレイ中、被害者が生きていたとは限りません!!」ドォーンッ
咲 「そ……」
咲 「そんなぁぁぁぁぁぁっっ!?」ズガガガンッ
カンッ! カンッ!
尭深「……どうやら、被告人の犯行を否定することは出来ないみたいだね」
尭深「証人はすこし怪しいけれど……動機も証拠も、何も無い」
まこ「ふんっ。当然じゃあ」
尭深「これじゃ被告人の有罪判決も仕方ないよね」
尭深「…それじゃ、判決をくだします」
咲 (優希ちゃん……ごめん、力が及ばなかったよ……)
尭深「被告人に――――」
『待ったッッ!!』
尭深「!」
和 「!」
咲 「!」
まこ「だ、誰じゃあ!?」
久 「……待った、よ」
咲 「ぶ、部長!?」
久 「咲。アナタ……こんなところで諦めていいの?」
久 「ここで諦めちゃ、優希は無実の罪で裁かれちゃうのよ?」
咲 「だけど……染谷先輩の犯行を立証することは出来ませんよ!」
咲 「動機も分からないし……。せめて、凶器が分かれば……!」
久 「動機は難しいけれど……そうね。凶器……か……」
久 「……こういう時はね。発想を『逆転』させるの」
咲 「『逆転』……?」
久 「そう。『凶器がどこにあるか』ではなく……」
久 「『何であれば凶器になり得るのか』を考えるの!」
咲 「凶器になり得るもの……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
まこ『学生で雀荘を経営しちょる』
咲 『後頭部を一発、ガツンと……』
和 『部室の備品管理のためだとか』
まこ『自動卓は綺麗に整備してあったし、棚には新品の麻雀牌セットが補充されとった』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
咲 「! もしかして……!」
久 「……」コクンッ
久 「さ、つきつけてあげなさい! 何が凶器だったのか、をね!」
尭深「弁護人。一体何?」
尭深「早く判決を下してティータイムにしたいんだけど……」ズズズ
久 (もう飲んでるじゃない……)
和 「苦し紛れの悪あがきですよ。気にせず判決を……」
咲 「待ってください! 弁護側は……」
咲 「犯行に使われた凶器を提示します!!」バァーンッ!!
尭深「……」ズズズ
尭深「ぶふーっっ!?」ブバーッ
尭深「げほ、げっほ……。ほ、本当に!?」
まこ「まさか……」アセッ
和 「……あり得ません。凶器は未だ見つかっていないのに、そんなこと」
尭深「…本当に大丈夫?」
咲 「は、はい」
咲 (自信は無いけれど……これしかありえないはず!)
尭深「じゃあ示してもらおっか。この事件の凶器は一体何なの?」
【法廷記録】
○弁護士バッジ → >>31
○須賀京太郎の解剖記録 → >>64
○事件現場写真 → >>39
○PC → >>39
○1-Bの担任の証言 → >>40
○清澄高校時間割 → >>40
○タコス → >>63
○自動卓 → >>89
○麻雀牌 → >>89
【つきつける:>>○○】
※事件の凶器を法廷記録から指定》
牌
咲 「くらえっ!!」バンッ
和 「これは……」
尭深「麻雀牌、だね」
咲 「ケースに詰まった状態なら、人を殴り殺すには十分な重さになります」
咲 「もしかしたら、おもりを詰めたりしていたかもしれません」
和 「……何を言うのかと思えば。そんなもの、真っ先に調べています」
和 「ルミノール反応の結果、被害者の血痕は一切検出されていません」
和 「それに……おもり? 部室からはそんなもの、何も発見されていませんよ」
和 「とんだ悪あがきでしたね。宮永弁護士」
咲 「……それはどうだろうね」フフン
和 「? 何を…… …!」ハッ
まこ「……」ダラダラダラダラダラダラダラ
久 「うわあ、分かりやすい……」
咲 「この態度を見ても、まだ悪あがきだと言えますか?」
和 「異議ありッ!!」ドンッ
和 「証人は関係ありません!」
和 「それに、部室の麻雀牌が凶器ではないのは捜査から明らか!」
和 「この事実はどう説明するのですか!?」ダンッ
まこ「そ、そうじゃ! その通りじゃあ!」
咲 (間違いないよ……。今、私は真実に近づいている!)
咲 (染谷先輩のことと部室の麻雀牌のことを考えれば……)
咲 (これしかないはず!!)
和 「説明できませんよね!? でしたら……」
咲 「待ったッ!!」ドンッ
和 「くっ!?」
咲 「何故血痕が検出されないか……それは」
咲 「【>>145】だからです!!」ビッ
①:血痕を拭き取った
②:別の麻雀牌と取り替えた
③:実は凶器は麻雀牌ではなかった
②
咲 「染谷先輩のお仕事、覚えていますか?」
和 「麻雀が打てる喫茶店……という体の雀荘ですね。それくらい覚えています」
和 「……ま」
和 「まさか……」タラ-ッ
咲 「気付いたみたいだね。染谷先輩は……」
咲 「雀荘で使っている麻雀牌と、凶器の麻雀牌を取り替えたんです!!」ドバーンッ!!
和 「そ……」
和 「そんなオカルトぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!」ガガガガガンッッ
咲 「どうして新品の麻雀牌に古いものが混ざっていたのか。ずっと不思議だったんだ」
咲 「……染谷先輩のところで使っていたから、ですよね」
まこ「そんな……わしは……そんなことは……」ダラダラダラ
咲 「古い方の麻雀牌の指紋を調べれば分かるはずです」
咲 「麻雀部員以外の指紋……雀荘のお客の指紋が残っているはずだから」
咲 「それと、雀荘を調べれば血痕が残った麻雀牌があるんじゃないかな?」
咲 「……さあ」
咲 「何か、異議はありますか?」
まこ「……」
尭深「…しょ、証人……?」
まこ「……ぐ」
まこ「ぐ……ぬ、むむ……」
まこ「だあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」ブチブチブチブチッ
久 「か、髪を引っこ抜き始めた!?」
まこ「れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ……」ダダダダダッ
尭深「あ、逃げた!」
まこ「……ぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええ!!」ダダダダダッ
和 「戻って来……な、鍋とカセットコンロ?」
まこ「があああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」グツグツグツグツ
咲 「鍋で抜いた髪を煮て……」
まこ「ああああぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ドバドバドバドバ
咲 「味噌を入れて……」
まこ「あああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」トプトプトプ
咲 「お椀に入れて……」
まこ「………誰がワカメじゃあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」ブンッッ!!
咲 「投げたーっ!!」
ストッ
尭深「……」
尭深「……」ズズズーッ
尭深「あ、ワカメのお味噌汁だ」
まこ「…美味いじゃろ? ふふ………」フラッ
バターンッ
咲 「……」
久 「……」
和 「人の頭に乾燥ワカメが生えてるだなんてそんなオカルト……」ブツブツ
尭深「……」
ザワザワ ガヤガヤ
ニギニギ ワイワイ
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
尭深「……染谷まこは?」
和 「先ほど緊急逮捕しました。…まさか、彼女が犯人だったとは……」
尭深「うん。……さて」
尭深「色んなハプニングはあったけれど……片岡優希さん」
優希「……」
尭深「あなたに判決を言い渡します。 ……被告人、片岡優希を無罪とする」
パチパチ ピューッ ヒューヒューッ
ヒュウーッ パチパチパチ
尭深「それでは、これにて閉廷!!」
カンッ!!
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
[同月同日 午後1時30分 地方裁判所 被告人第1控室]
久 「やったわね、咲。初法廷で初勝利おめでとう」
咲 「部長のおかげです! ありがとうございます!」ペッコリン
久 「優希も喜んでるはずよ。 …あ、来たわね」
久 「……あら?」
優希「……」ズーン
咲 「な、なんで落ち込んでるの優希ちゃんっ!? 無罪なんだよ!」
優希「…無罪になっても……」
優希「……京太郎が帰ってくるわけじゃないじぇ」
優希「記念日もすっぽかされたし……私、きっと京太郎に好かれてなかったんだ……」グズグズ ヒック
咲 「優希ちゃん……」
久 「……咲。アナタ、ちょうど良い証拠品を持ってるんじゃない?」
咲 「え。証拠品?」
久 「証拠品の中で1つだけ、不自然なものが無かった?」
久 「殺害現場にまったくそぐわないものだったのに、殺人には関係なかったもの」
咲 「……」
久 「今なら……須賀君が何故、死の間際にあんな不自然な行動を取ったのか。理由が分かる気がするわ」
優希「咲ちゃん……?」
咲 「優希ちゃん。これ、見てくれる?」
【つきつける:>>160】
【法廷記録】
○弁護士バッジ → >>31
○須賀京太郎の解剖記録 → >>64
○事件現場写真 → >>39
○PC → >>39
○1-Bの担任の証言 → >>40
○清澄高校時間割 → >>40
○タコス → >>63
○自動卓 → >>89
○麻雀牌 → >>89
優希「これ……タコス?」
咲 「うん。優希ちゃん、事件のとき京ちゃんに差し入れしたんだよね?」
優希「そうだけど…。それがどうしたっていうんだじぇ」
咲 「これ…どうして、京ちゃんの口から発見されたんだろうね?」
優希「そんなこと……知らんじぇ」
咲 「これは私の想像だけどね? きっと……京ちゃんは、優希ちゃんを護ろうとしたんだよ」
優希「護る? どういうことだ?」
咲 「殺害現場に優希ちゃんのタコスが残ってたら、まっさきに疑われるのは優希ちゃんでしょ?」
優希「……まさか」
咲 「うん。京ちゃんは、タコスを食べちゃって優希ちゃんが疑われないようにしたんだと思う」
咲 「生死の境目にいても。それでも優希ちゃんのことを想って行動したんだよ」
咲 「それに……京ちゃんの顔、見た?」
優希「実はあんまり……」
咲 「…とってもいい笑顔だった。死に際とは思えないような、ね」
咲 「最期にあんな笑顔が出来たのは……きっと、優希ちゃんのタコスのおかげだよ」
優希「……」
優希「…あのバカ犬」ウル
優希「……」グスッ グシグシ
優希「…なあ、咲ちゃん」
咲 「なあに?」
優希「私……京太郎に、愛されてたのかな?」
咲 「うん。幼馴染の私が保証するよ」
咲 「京ちゃんったら、私といるときもいつも優希ちゃんの話ばかりだったんだから」
優希「そうか……」
優希「…ありがとうな、咲ちゃん!」
優希「私…咲ちゃんに弁護を依頼して、本当に良かったと思うじぇ!!」ニパァッ
咲 「私こそ。優希ちゃんが初めての依頼人で良かったよ」
優希「…よっし! もう、落ち込むのはやめるじぇ! 明るく行かなきゃな!」
優希「京太郎が好きでいてくれた私は、きっと。…元気に振る舞う私だったろうから」
咲 「…うん。そうだね」
久 「……ん! それじゃ、優希も元気になったところで……ご飯でも食べに行かない?」
久 「もうこんな時間でしょ? お昼ご飯まだだし、お腹ぺこぺこなのよねぇ」グゥー
優希「あ、私も! 私も行くじぇ!」ピョンッ ピョンッ
咲 「そうですね。それじゃ、近くのファミレスでも行きましょうか」
ユウキチャンハナニタベルノ?
モチ! タコスニキマッテルジェッ!!
キョウハワタシノオゴリヨー♪
咲 (こうして、私のはじめての事件は無事解決されました)
咲 (優希ちゃんは今ではすっかり元通り。今日も元気にタコスをもりもり食べてます)
咲 (部長は……相変わらずです。今日も元気にたらしてます)
咲 (法廷で見せてくれた頼れる姿は何だったんだ、と思わず突っ込みたくなります)
咲 (ひょっとしたら、あの時の部長は影武者か何かだったのかもしれません)
咲 (……そして、和ちゃんは……)
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
和 「……それで? 動機は吐きましたか?」
??『染谷まこだよねぃ? ムリムリムリ、ありゃゲロる感じまったくしねーわ』ヒラヒラ
和 「そうですか……」
??『《高校生雀士殺害事件》ねぇ……。最近、増えてんだって? 今回みたいな殺人が』
和 「ええ。憂慮すべき事態です」
??『裏で何が動いてるのやら……わっかんねー!』ケラケラ
和 「……」ハァ
和 「もう切りますよ、電話」
??『あっ、ちょっと待』
ピッ
和 「……」
和 「…一体、何が起きているんでしょうか……」
咲 (…当時の私は知りませんでしたが、この事件の裏では何かもっと大きなものが動いていたようです)
咲 (和ちゃんはそれを追っているようでした)
咲 (……そして)
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
優希「ウェイター! タコス3人前追加だじぇ!」
久 「ちょっと、優希……いくらなんでも食べ過ぎじゃないかしら……」アセ
優希「今の私は傷心だからな! 食べて悲しみを紛らわすんだじぇ!」
久 「財布の中身がそろそろ……」ボソボソ
咲 「あ、このシーザーサラダも1つ」
久 「どさくさに紛れて追加しないでっ!」
咲 (こんな私たちが、またすぐに別の事件に……)
咲 (…和ちゃんが追っている事件に巻き込まれることになるなんて)
咲 (この時はまだ、知る由もなかったのです)
【第1話 はじめての逆転 ~おわり~】
寝る直前にこんなスレ見つけるとは・・・
続けて二話やるの?
>>179
ゴメンなさい、さすがに書けてないです。
また気が向いた頃にふらっと書きますので、期待せずに待っていただければ……
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