幼馴染「来ちゃった」(594)
男「いや、来るなら連絡くらいよこせよ」
幼「メール送ったよ、こっちに来てるよって」
男「家まで来ると思わんだろ普通!」
幼「よいしょっと、何年ぶりかなぁここ入るの。お邪魔しまーす!」
男「あ、ちょ、掃除が……」
幼「最後に来た時も汚かったけど」
幼「まあ、男性の一人暮らしってこんなもんだよね」
男「はいはい、更に汚くなってて悪かったな」
幼「上着と荷物、ここに置いてもいい?」
男「ああ」
幼「はぁ、ちょうどいい室温」
幼「あっ、お茶持ってくるね!」
男「うん……んー?」
男「何しに来たんだアイツ」
の始まり
幼「お待たせしましたっ」
男「ここ俺の家ですけど」
幼「いやー、わたしもね、つい最近一人暮らしを始めたんですけれどもねー」
男「え、マジか、全然知らんかった。メール……は、まぁともかく。ツイッターにでも書いといてくれれば反応してやったのに」
幼「もうあんなもん機能停止してるよ! ぼっちなめんなっ」
男(……そういえば最後のツイートは一年前だったっけ)
幼「それでね? 自宅に呼べる友達もいないし、独りでちょっと寂しかった訳ですよ」
男「……えーと、あの娘、友ちゃんは?」
幼「ああダメ、彼女は彼氏できたから。もうビッチだよ、ワイルドビッチ」
男「彼氏って、女友達なんだからんなもん気にすんなよ……」
幼「延々と惚気話を聞かされるこっちの身にもなってみろ! 逐一メールで彼氏との状態を報告してくるんだぞー!」
男「それはわからんでもない」
幼「男もね、一応、呼ぼうかどうか考えたんだけどー……」
男「お前とは言え、仮にも女の部屋にホイホイ入るような軽い男じゃないぞ、俺は」
幼「そう言われると思ったからやめたんだよ! こんちくしょう!」
幼「ということで、遊びに来ちゃいましたー、みたいな」
男「だから我が物顔で人の家のお茶を勝手に注いできたのか」
幼「憧れだったんだよー、一人暮らしして友達招くの」
男「わかるけど。満足したか?」
幼「するわけないでしょ、こんなのまだ序盤!」
幼「この後は、えっと、一緒におゆはん食べて、一緒にテレビ観たり、ガールズトークしたりして──」
男「待て待て、落ち着け! とりあえずガールズトークはどう願っても叶わない」
男「ひょっとしてお前、明日が休みだからって遅くまで居座るつもりじゃないだろうな」
幼「……えっ」
男「……ああ、やっぱり」
幼「ダメなの?」
男「さっき言ったばかりだろ、俺は軽い男じゃないって」
幼「ここでトラップカード『幼馴染のよしみ』発動っ!」
男「俺の効果発動。幼馴染という関係以前に、良い年した社会人の男女二人が夜遊びなど言語道断の為、お前のそれは無効」
幼「うぎぎぎー」
/\___/\
/ / ヽ ::: \
| (●), 、(●)、 |
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, |
| ,;‐=‐ヽ .:::::| なんだ…ババアか…
\ `ニニ´ .:::/
/`ー‐--‐‐―´\
幼「じ、じゃあどこまで大丈夫?」
男「どこまでって?」
幼「一緒に料理してご飯を食べる所までとか──」
男「そういえば俺、夕飯はもう済ませたぞ」
幼「えっ」
男「つまり、そのお茶を飲み終えたら帰っていただく形に」
幼「そんな短さで終わりとか何しに来たのわたし!?」
男「知らねーよ!」
幼「うにゅ……もっと男と一緒にいたいにゃぁ」
男「露骨なあざとさが痛い、帰れ」
幼「あーっわかりましたよっ、帰りますよ! ばいばい!」
男「……おい、荷物と上着持ってけよ」
幼「鍵閉めないでね!」
男「持ってけや!!」
がちゃ
幼「さむさむ……おっ、鍵掛かってない」
男「帰るんじゃなかったのかよ」
幼「ちょっとそこのコンビニにね。お腹空いたからお弁当買ってきた」
男「ここで食──」
幼「ここで食うよ! あ、電子レンジ借りるね」
男「平然と借りるなよ! コンビニで温めてもらえよ!」
幼「コミュ障のわたしに無茶言うなよ!」
男「威張って言うな!!」
幼「いやーっ、相変わらず男のツッコミは鋭いなぁ」
男「うるせぇ、突っ込むぞ」
幼「突っ……込む、って」
幼「そうい、そ、そうゆーのはさぁ、暴力的で、キライだって何度も言ったじゃんっ」
男(……まだ下ネタには顔真っ赤か)
幼「もー、馬鹿」
/\___/\
/ / ヽ ::: \
| (●), 、(●)、 |
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, |
| ,;‐=‐ヽ .:::::| これ26歳くらいのおばさんが言ってるんでしょう?
\ `ニニ´ .:::/
/`ー‐--‐‐―´\
男「……」
幼「やべえ、このコロッケちょー美味くねー? バリウマじゃねー?」
男「……お前って」
幼「ん、食べたい? ふふ、そうね、このわたしの前でみっともなく乞食を演じれば、少しは考えてあげてもよくってよ」
男「よく食うよな」
幼「あ、別にいらないんだ……って、何? よく食う? どゆこと?」
男「俺の職場にいる女性陣は「異性の前じゃ食べ辛い」って人が多いから」
幼「なるほど、わかる気はする。友もそんな感じだし」
幼「わたしの場合は花より団子、色気より食い気なんでね。そこらの女性とは一線を画してるのですよ!」
男「彼氏が出来ない訳だな」
幼「……いるよ?」
男「……は!?」
幼「んーっ、一口ナポリタンおいしー」
男「……」
男「彼氏がいるのに、俺の家に来たのかよ」
幼「え? え、えー、うん、まぁ」
男「そこまで性悪だったのか、見下げ果てたクズだな」
幼「で、でも、彼氏と男は別……」
男「もっとクズの考え方じゃねーか。あーあ、こんな奴だと思わなかった」
幼「……あ、ぅ」
男「どうした、早く食えよ。そんでさっさと帰れ、お前の顔、もう見たくないんだよ」
幼「ま……待って! 冗談だよ、冗談だからっ」
男「は? 冗談?」
幼「うん。あの、彼氏、いない……から」
男「嘘つけよ。どうせ毎晩彼氏とイチャコラやってんだろ? 匂いでわかるんだよ」
幼「そんな、違っ。いないってば!」
男「じゃあ証拠は?」
幼「し、証拠って……?」
男「彼氏がいない証拠だよ」
幼「いや……証拠なんて……」
男「見せてくれれば一発でわかるだろ」
男「その身体をさ」
幼「……お、男」
男「新品か、お古か、なあ?」
幼「ね、ねえ、冗談で言ったんだよ、男を見返してやろうと思って、彼氏いるって」
男「時間が勿体ないし、俺が直に確かめてやるよ」
がしっ
幼「ひっ」
男「仮に嘘だとしても、もう許さないけどな」
幼「そ……そう、だよね。普通、許さないよね」
幼「でも、その、わたしの身体、大きくないし、細いし、魅力的じゃないから……」
幼「お願いだから……やめて、ほしいよ……」
男「そうだな、やめるか」
幼「……あぇ?」
男「何を期待してスタンバってんだよ、茶番はもう終わったぞ」
幼「……」
幼「……ううーっ!」
男「昔から下手な見栄張ろうとするからな、お前」
幼「ごーかん魔! しねっ!」
男「その強姦魔に出会して満更でもなさそうな顔してたじゃねーか。はよ食って帰れ!」
幼「してないし、もう絶対帰らないし!」
男「現実的な話、後で彼女が来るからお前がいると困るんだよ」
幼「へーっ、でもそんなの知らな彼女ぉ!?」
男「嘘だけど」
幼「……そ、そう来ると思いましたけど」
男「へえ」
幼「その顔、むかつくんですけど!」
幼「ごちそうさま。どこぞの嘘つき男のせいでメシマズだよ、全く」
男「……」
幼「今度は無視ですか──ってなんか読んでるし。何それ?」
男「高校の頃の卒業文集。お前の書いたヤツを読んでる」
幼「……っ! ややや、やめろー!」
男「“バイトに始まり、バイトで終わる。高校生活での青春はこれに尽きます。”」
幼「朗読するなぁ!」
男「“入学当初から始めたアルバイト、その理由は一人暮らしをする為に稼ぐこと。”」
男「お、当時適わなかった願いが今に響いてきてるな」
幼「だ、だって今はもう社会人だし。ってかやめてよ、それ恥ずかしいから……」
男「さて、この高校生活をバイトに捧げたぼっち文集を読み上げられたくなければ、早急に帰宅するがいい」
幼「……くっそー!」
ばっ
男「あっ、バカ返せ」
幼「イヤですぅ! ちび人間なんかには断固として読ませてやらんですぅ!」
幼「あー若いなぁ、この文集でのわたし」
男「って、朗読されるのは嫌なのに自分で読むのかよ」
幼「だってずっと前に捨てちゃったから。ノスタルジックとは与えられるものではなく、感じるものなのだよ男くん」
男(帰らせる為の秘密兵器が良い餌になってしまった)
幼「……確かにバイトしてて良かったと思ってるけど、やっぱ少しは後悔してるかなー」
男「もっと女子高生らしくしてれば良かったとかか」
幼「うーん、そうだね、それに近い」
幼「……ほら、男さ、二年の時、三年の先輩と付き合ってたじゃん」
男「なんだよ。俺と同じ手口で、痛い思い出で攻め返すつもりかよ」
幼「そういうのじゃないよ。当時、わたしはその情報を知っても何とも思わなかったけど」
幼「もうちょっと学校生活に上手く溶け込んでたら、違う感情が芽生えてたのかなって」
男「……嫉妬?」
幼「ばっ、な、なんでそうなるんだよっ! 違うよ、もっと違う感情!」
男「あれ、そんな流れだと思ったんだけどな」
幼「たとえば、その、男と先輩の関係を知って、わたしも恋したいなー、とか思うかもしれなかったって話」
男「いいや。『孤独こそリアル、団体はフェイク』とか痛いこと抜かしてたような奴がんなこと思う訳がない」
幼「だから“たとえば”でしょ! その頃のわたしはもういいから!」
男「そもそも俺が付き合う以前から校内カップルなんか腐るほどいたんだから、まず俺と先輩を主軸にして考えなくても良くないか?」
幼「そっ、そんなことないよ!」
男「どうして?」
幼「……わかんないけど」
男「俺と先輩の話に執着して生まれる感情といったら、やっぱり嫉妬しかないと思うんだが」
幼「し、嫉妬心なんか芽生えないってば! 男の変な自意識過剰だよっ」
男「自意識過剰か……まぁ、そうかもしれないな」
男「唯一の友達に恋人が出来たら、誰だって祝福よりも先に嫉妬するだろうけど、確かに当時のお前は特に反応無しだったしな」
幼「えっ?」
男「んっ?」
幼「……ぁ、嫉妬って、そ、そういぅ……」
男「……」
幼「……うあぁ、そのにやけ面むかつくー」
男「お前が普通の女子高生だったら、俺と先輩の仲を見て嫉妬するんだろうなー」
幼「も、もういい! この話おしまい!」
男「ひょっとしたら俺を好きになってて、先輩に取られた時にヤキモチ妬いてたかもしれないなー」
幼「妬かない! 絶対妬かない!! ていうか違っ、まず男なんか好きにならない!」
男「あっはは、あー面白い。鏡見てこいよ、顔真っ赤だぞ」
幼「最悪だよもう……イジメカッコ悪いよ」
男「何言ってんだ。俺がイジメてるんじゃない、お前がイジメられてるんだよ」
幼「はあ? 意味わかんないし……」
男「逃げられる状況なのに逃げないってことは、自分の意思でイジメられてるってことだ」
幼「……はいはいそうですよ! どうせわたしはドMですよっ!」
ぬぎ
男「!?」
男「なんで急に脱ごうとしてるんだよ!? いつ呑んだお前!」
幼「別に酔ってないし飲んでもいませんー。男にイジメられすぎて暑くて汗が出てきたから脱ぐだけですー」
幼「それにドSの男なんてどうでもいいし、好きでもないから脱いでも大丈夫なんですー」
男「大丈夫じゃねーよ、好きでもない男の前で妄りに露出すんな!」
幼「……シャワーでも貸してくれれば、汗も流れるし服も脱ぐことないだろうけど?」
男「んな無茶な。断固お断りだ」
幼「じゃあ──」
男「ああもうやめろやめろ! 脱ぐな! わかった、シャワー使っていいからその後絶対帰れ!」
幼「……んふふ」
すたすた
男「……何なんだアイツ」
幼(お色気の術、成功だってばよ!)
幼(──とは言え。本当はここまでする予定じゃなかったんだけど)
幼(まだちょっと帰りたくなかったから、こうしてひたすら先延ばしにせざるを得ない訳で……)
幼(……流石に嫌われちゃうかな)
幼(……嫌われたくはないなぁ)
幼(男と一緒にいるのは楽しいし、何だかんだで男は優しいし)
幼(でも、その優しさにつけ込んでいるような────)
男「おい、バスタオル」
幼「ひゅい!?」
男「これ、普段風呂場に置いてないから持ってきたんだよ」
幼「うぁ、ありがとうございます?」
幼(……明らかに新品。相変わらず変な所で律儀なんだから)
男「なんで敬語に疑問符。あとシャンプーや石鹸は……いや、どうでもいいや」
男「何か使いたかったら適当にそこらへんにあるもの使え。嫌だったら一切使わなくていいから」
幼「あざっす、喜んで使います!」
男「使わせていただきます、だろ。あと水道代と電気代とガス代全部かさばるから、あまり長く浴びるなよ。それじゃ」
がらっ
幼(お、部屋の汚さからは想像できない清潔さ。少し狭く感じるけど)
幼(メンズビオレにメリット、エトセトラ……ううむ、完全に男モノだらけ)
幼(ま、そりゃそうか、男だもんね)
幼(そういや、男の家のお風呂場とか、初めて見たかも)
幼(大学時代にちょくちょく来てたけど、わたしが使う機会なんて無かったし)
幼(ってか、他人の家のシャワー使うの初めてだ、へへ──)
幼(──ん……んん!?)
幼(あ、あれ、ちょっと待った。ここ男の家だよね)
幼(わたしは……幼馴染で、女の子で……)
幼「……なんでわたし男の家で悠長にシャワーなんか浴びてんのっ!?」
幼(っとと、つい声が。あっちまで響いちゃったかな)
幼(いやいや、それより、なんか急に恥ずかしくなってきたんですけど!)
幼(……シャワーを借りてるからとは言っても、他の言い方をしてみれば他人の家で素っ裸を晒してるようなもんだし!)
幼(ってバカ! それじゃヘンタイみたいな考え方だよ!)
幼(服も下着もあっちに全部置いてあるし! 男が来たらどうするんだよぉっ!)
幼(……い、いや)
幼(別に、どうもしないよね。そんな、恋人同士でもないんだし、わたしと男は幼馴染なんだから特に何もないでしょ!)
幼(──幼馴染、だから?)
幼(そうだよ、幼馴染だからシャワーを借りても問題ない、よね。幼馴染だから裸になったって、下着を放っといたって、)
幼(男は……どう思ってるんだろう。迷惑? それとも、わたしを意識して──)
幼(──っんな訳ない! こ、これじゃ、ただのナルシストじゃん。わたしのバカ!)
幼(でも、欠片も意識されてないとしたら……)
幼(……あーっ、都合の悪い時に出てくる女の自分がイヤだ。自分のことばかり考えて、バカみたい)
幼(何を今更、女子高生演じてるの。良い大人がさ……)
幼(……良い大人は幼馴染の関係なんて視野に入れないかぁ)
幼(あーあ、帰りたくない)
男(もう三十分か。仮にも女だから、許容してやろうとは思ったが、)
男(光熱費のことを考えると、流石に一時間くらいが限界────)
幼「ふぃ、気持ち良かった」
男「何、三十分ジャストとは。さてはお前、女を捨てたな?」
幼「は、はあ? 開口一番に何を仰るの、この減らず口は」
男「女って長時間風呂に入る生き物だろ?」
幼「そもそもお風呂浸かってないから、シャワー浴びただけだから! というか、長く浴びるなって言ったの男でしょ!」
幼「……って何これ、下手な漫才というか、下手な三文芝居かって」
男「あ、それもそうか。まぁ早く出るのは俺にとって損じゃないことだから別に良い。よし、帰れ」
幼「えーと、あれ、あれだよ、あの……ドライヤー貸して!」
男「お前の髪、そんな長くもねーんだし、そのままで良くないか」
幼「自然乾燥はキライなの! それに女の子の髪は命なんです!」
男「……女の子?」
幼「……うん、そこツッコまれると思ったけど。言いたかったんだよ、言わせてよぉ……!」
男「面倒な女だな。じゃあ貸してやるからマジで帰れよ?」
ぶおー
幼「手鏡と櫛貸してー」
男「お前もうすっかりお客様気分だろ」
幼「えー? ドライヤーの音で聞こえないよ」
男「……こいつは」
わしゃ
幼「あっひぇ!? な、なに急に!?」
男「くそ、良い匂いまき散らせやがって! 汚物は消毒だこの野郎!」
わしゃわしゃ
幼「あ、あー! おいバカやめろ! ボサボサになる!」
男「うるせぇ、波兵にしてやる!」
幼「ああもう! ドライヤーファイヤーをくらえー!」
男「う熱゛っ!!? ちょおま……直当ては無いだろ……」
幼「ふっふっふ、悪はさった!」
幼「鏡、鏡っと。あっ、ほらぁ! ボサボサになってるじゃん!」
男「まだマシな方だろ。そのまま帰っちまえ」
幼「うー、くううー!」
ぎゅ
男「んお!?」
幼(あ……い、勢いで……)
男「鳩尾に頭突きとはお前……もう俺も容赦せんぞコラ」
幼「せ、責任取ってよっ」
男「あ?」
幼「髪、直してって言ってんの!」
男「……いや、どうやって」
幼「昔やったみたいにさ、その、後ろから」
男「昔ってどんだけ昔だよ。あれはお前が撫でろ撫でろってうるさいから仕方なく」
幼「うるさい! はやくやれ! このおたんこなす!」
幼「あーそうそう、この抱えられるような体勢、懐かしー」
男「変わってな……いや変わったか。あの時のお前はこんなにすっぽりハマるほどちっちゃくなかった」
幼「……ふん!」
男「おわ危ねっ! お前っ、顎に頭突きは洒落になんねーぞ!」
幼「ばーか! その無駄にゴツい胸板に寄りかかっただけだよっ!」
男「ちっ、今に見てろよ……」
なで
幼「んっ」
男「お客さん、痒いところは股ですかー」
幼「ちょ、さ、最低! 手ぇわきわきさせんなっ! 気持ち悪い!」
男「俺に背中を預けたのが運の尽きだ、ほれほれ」
幼「あ、う……ん。み、耳ばっか、触んな! ちゃんと……撫でてよ」
男「はいはい」
なでなで
幼「……んう」
男(よく考えりゃ、なんだこの体勢)
すりすり
幼「……ふぁ」
男「おい、頬がすり寄ってきてるぞ。猫かお前は」
幼「うん? あ、ご、ごめん。気持ちよくて、つい……」
男「眠たそうな顔してるな。もう終わるか、割と綺麗になったし」
幼「……終わったら、帰れって言うの?」
男「その通り。理解してるなら言わなくても充分か」
幼「ね……ねえ、男?」
きゅ
男「うお、ちょい、振り向くなよ、顔が近い」
幼「あの、あのね……」
幼「か、帰りたくない……かな」
男「……帰りたくない?」
幼「……変な意味じゃなくてね、その」
幼「甘えたかったんだ、誰かに」
男「……」
幼「プライベートに遊べる友人なんて、本当に友と男ぐらいしかいなくて、」
幼「でも仕事だらけの毎日だから、何だかんだで遊べなくて、休日は家で寝てばかりいて……」
幼「それで、気付いたら……寂しい気持ちが募りまくって、泣いちゃってた」
男「……」
幼「本当はね、ここに来る時は、こんなつもりじゃなかったの」
幼「適当に遊んで憂さを晴らし終えたら帰るつもりだったんだけど、」
幼「……男と一緒にいるのが楽しいから、もっと寂しくなっちゃって」
男「……」
幼「わ、わがままでごめんね」
幼「だけど、男と一緒にいるの……大好きだから、帰りたくないんだ」
幼「だから男の側に居させて……」
男「チェンジ」
幼「……はい?」
男「今のセリフは頂けないな」
幼「あ、あの、なに? どういうこと?」
男「ただでさえ告白じみた浮いたセリフだったが、はっきり言わなかったところが気に入らない」
男「何だよ、俺と一緒にいるのが大好きって」
幼「べべ、別にっ、告白じゃないもん! 大体、それ事実だし! 男が好きなんじゃなくて男と一緒にいるのが好きなんだから、仕方ないし!!」
男「『俺が好き』に言い直さなかったら無理矢理帰らせる」
幼「すすす好きじゃないからっ!」
男「制限時間は十秒な」
幼「ま、待ってよ!」
男「9、8、7、」
幼(……でも逆に、言えば帰らなくてもいいってこと?)
幼「……、…………好、」
幼「好き、です……。男が、好き……」
男「よーし」
幼「嘘だから!! 本心じゃないからね!?」
男「知ってるよ。声に出して言わせたことが大きいんだ」
幼「約束は約束だよ! 今日は帰らないんだから!」
男「あ、無理矢理帰らせはしないけど、帰れとは言い続けるからな」
幼「そんなっ!?」
男「あと俺は別にお前が好きじゃない」
幼「残酷な二段オチ!? ていうか、こっちから願い下げだよっ! バカ! アホ!」
男「つか、いつまで俺の胸に寄りかかってんだよ。この甘えたがりが」
幼「うるさいなぁ。おとなしく抱き枕になってろ、でなきゃ自殺するぞ」
男「ぼっちでメンヘラで構ってちゃんかよ……引くわー」
幼「くそぅ、わたしに力があればこのままベアハッグ出来るのにぃ!」
男「大人の小指を握る赤ん坊程度の力しかないお前には無理な話だな。というか離れ──」
男「……お前、下着付けてる?」
幼「……あ」
幼(──やっぱりお風呂場に置いてあった)
幼(いつもお風呂の後に外してたから、無意識の内に置いたままにしちゃってたのか)
幼「よいしょっと」
ごそごそ
幼(……大丈夫かな。顔の赤み、引いてるといいけど)
幼(くっ、くそー、男のヤツ、変な所で気付くなよぉ!)
幼(もー、どうやって気付いたんだよ! くそくそっ、恥ずかしくて聞けない自分が腹立たしい!)
幼「あー……ハイ、付けてきました」
男「お前が普段どれだけだらしない生活を送ってるのか理解した」
幼「これが普通なの! 男と女は違うんです!」
男「わかったわかった。普通な、ノーマルタイプな」
幼「雑っ!」
男「俺も風呂入りたいから、お前との茶番をさっさと切り上げたいんだよ」
幼「え、まだ入ってなかったの?」
男「入ろうとしたらお前がやってきたんだよ!」
幼「……えーと。お風呂入るのにも、アポイントメントくらいしっかり取らなきゃ社会人として失格だよねー」
男「下手くそなブーメラン投げんな!」
幼「ってか、お風呂? シャワーじゃなくて?」
男「ああ」
幼「ちょっと、それ差別じゃん! わたしだってお風呂入りたかったのに!」
男「シャワー貸せとしか言ってねーだろお前は」
幼「それに、浴槽にお湯も張ってなかったよ?」
男「シャワー浴びながら沸かすから無問題」
幼「ルール違反だ! ルール違反!」
男「意味わかんねぇ。あ、そういや」
かたっ
幼「冷蔵庫? ……と言えば食べ物? なるほど、わたしに何かくれるんだね。くふふ、ちょーだいっ」
男「条件反射でその思考に行き着くパブロフのメス犬にやるエサなんかねーよ」
幼「猫とか犬とかうるさいなあ。キメラみたいな合成生物じゃなくて、歴とした人間なんですけど」
男「案の定プレモル切れてたから。俺が風呂入ってる間に買ってきてくれないか?」
幼「ぷれもる、って何?」
男「……付かぬ事をお伺いしますが、幼さんは未だに氷結などと言う缶ジュースを愛飲しておられるのでしょうか」
幼「き、気持ち悪い口調。最近はほろよいなんかも飲んでるけど……なによ、子供だって言いたいの?」
男「ストロングゼロとかは」
幼「甘いけど、辛味がちょっとあって苦手な感じかな」
男「じゃあ相変わらずスーパードライも飲めないな」
幼「ムリ、あんなの二度と飲みたくもないよ。お酒の話ばかりして、急にどうしたの?」
男「プレモル、もうわかっただろ」
幼「ん……あっ、プレミアムモルツのこと? アレ飲んだことないんだよね。辛そうだし、飲む気もないけど」
男「で、返答は?」
幼「え、何が?」
男「この鳥頭。つーか命令、プレモル買ってこい」
幼「ええー……わたしが飲めないヤツ買ったって」
男「異論は受け付けない。じゃ」
男「あ」
幼「?」
男「覗くなよ」
幼「逆でしょ普通! 覗く訳ないだろバカ!」
男「逆の立場だとしても、俺もお前の入浴姿なんて興味ないから覗かないけどな!」
すたすた
幼「なにこの言い負かされた感。……プラチナむかつくぅっ!」
幼(……でも、男性のハダカか。お父さんのしか見たことないなー)
幼(それって結構ダサいよね、この年にして……)
幼(覗き……──!)
幼「のっ、覗かないよ! バカじゃないの!? 男のバカ、わたしのバカ!」
幼(なんで一人になった途端に無駄な妄想が広がっていくんだろ)
幼(……いっつもそうして時間を潰してきたからか、あはは)
幼(はあ、また一人の時間だよ)
幼(わたしって、自分で思ってる以上に、)
幼(……男を、)
幼(なんだろ、意識、とかじゃなくて、信頼……いやそれとも、依存?)
幼(……心の拠り所にしちゃってるんだな)
幼(だから男の側にいるのが好き、ってことなんだよね、きっと)
幼(……)
幼(友は、なんて言ってたっけ)
幼(「彼氏を愛し過ぎて側にいるのが辛い」か)
幼(あの言葉の意味が、まだ……よくわからないや)
幼(わたしだったら好きな人の側にずっといたいけどなぁ)
幼(……)
幼(なんか、脳内を覗かれてるような感じがする)
幼(そんでもって「どうせ男のことが好きなくせに」とか噂されてるような気がする)
幼(……わたしは男が好きな訳じゃありません、勘違いしないでください。わたしがペットだとするとアイツはエサ、ただそれだけです)
幼(よし、お祓い完了。……あれ、そしたら主人はどこだろう)
幼(バカらし。とにかく男はただの幼馴染、以上)
幼(じゃ、買い物に出掛けよっかな──?)
幼(何か忘れてる? うーん、何か……)
幼(……あ!)
幼(男がバスタオル持ってかなかったんだ。ま、どうでもいいよね、お風呂場にわたしが使ったバスタオルが)
幼「わたしの身体とか諸々拭いたバスタオルじゃん!!」
幼(いや、そ、それを使われるのは別に……や、ヤだっ! なんかイヤだー!)
幼(言葉で表せられないけど、とりあえずあのバスタオルだけは絶対に使用させちゃダメだ!)
幼(その為には────)
がた
幼(……ぁ、こ、これってトランクス? へえ、これが男性のパンツ……)
幼(じゃなくって! 男さんっ! バスタオルですよ、バスタオル!)
幼(もお、どうしてこんなにパンツだらけなんだよっ! 集めるのが趣味か! 趣味なのか!?)
幼(……こういう時に限って何故か鼻が敏感だし! パンツのくせに凄く良い匂いするの腹立つ!)
幼(ヘンタイじゃない、わたしはヘンタイじゃない……!)
まだ70しかスレ消費してないのか
随分長く感じる
男「──おい」
幼「んひゃあ!?」
男「そんな所で何こそこそやってんだよ。マジで覗きに来たのか?」
幼「ちちち違う! 男が! 男がバスタオル忘れたのがいけないの!」
男「バスタオル? ん、ああ、そういえば持ってこなかったけど」
幼「だからわたしが持ってきてあげたの! 勘違いしないでよね!?」
男「いや、お前に使わせたタオル、アレ新品だったからそのまま続けて使おうと思ってたんだけど、もったいないし」
幼「……──そっ、」
幼「それがダメだから持ってきたのおぉ!!!」
男「うるさ!? な、何がダメって言うんだよ」
幼「わかんないけどダメなモノはダメなんだよ! ヘンタイ! ヘンタイ! ヘンタイ!!」
男「ヘンタイって。別にお前の使ったバスタオルに毛だか何だかが付いてても俺は気にしないから」
幼「────ッ!?」
バンッ
男(……扉を思いっきり蹴られた)
男「上がったぞー」
幼「……」
男「結局お前バスタオル交換しないまま戻っただろ、勿体ないからお前が使ったヤツで拭いたけど。なんで怒ってたんだ」
幼「……縮れ毛とか付いてて悪うございましたね!!」
男「は? 縮れ毛?」
幼「拭くんだから付くよ! 当たり前じゃん! 仕方ないじゃんか!」
男「ま、待て待て落ち着け。なんだ、何の話……」
幼「でもさ、それをさ、わざわざ言わなくたっていいでしょ!?」
幼「わかってても、あえてその部分だけスルーしてたのに……男が気にしなくてもわたしが気にするんだよ!」
幼「女だから! 男と違ってわたしは女だから! メンドクサい生き物なんだよ、思い知ったか! ばぁぁぁかっ!!」
男(……あれっ、泣いてる? 何故か俺が悪者確定? おかしくね?)
幼「ふ、くっ、うぅ……独り身なんだし、処理だって怠るに決まってるじゃんかっ……」
幼「ぐすっ、なのに、それなのにっ……!」
男(……謝らなきゃいけない雰囲気なんだろうけど)
男(何が悪かったのかまるでわからんし、まずどういう話だコレ)
男「……まあ、なんだ」
幼「ひぐっ、ぅ……」
男「アレだな、俺が悪かったよ」
男「覗きだって疑い掛けてごめん」
幼「そっ……それじゃ、なぃ……」
男「……俺がバスタオル持ってかなかったのが原因か」
男「そうだ。お前がバスタオル持ってきてくれたのに、素直に受け取らなくてごめん」
幼「それも……違う」
男「……ええと。もしかして、毛がどうたらの部分が悪かったのか?」
幼「……」
こく
男「そ、そうか。ああ、いや、あの発言はな」
男「お前の髪の毛長くないから、仮にタオルに付着しててもすぐに取れるし、気にしないぞって意味だったんだが」
男「その短い髪のこと、お前は気にしてたんだな。ごめん、全然気が付いてやれなかった」
男「でもその髪型、俺は撫でやすいから嫌いじゃないぞ。なんというか、お前らしいし」
幼「……」
幼「……お、男?」
男「ん?」
幼「髪の毛?」
男「ああ、髪の毛」
幼「……」
男「……」
ぽむ
男「どうした?」
幼「……頭、撫でてよ、落ち着くまで」
男「あ、ああ」
幼(また勘違いした……もうやだ、恥ずかしい……死にたい)
幼(ヤケクソ気味に何か色々バラしちゃったし……あああ)
男(プレモル、買ってないな……たぶん)
男「なあ、プレモルは?」
幼「……買ってない」
男「……だと思った」
幼「そもそもお金渡されてないもん。わたしのお金はあるけど……」
男「バカ、それくらい後で返すっつーの。そんなケチくさいか俺」
幼「あと、他にも理由はあるよ。普段、氷結とか缶チューハイを買う時は何もないのに」
幼「友の代わりに淡麗とか、缶ビールを買う時はいつもしつこく年齢確認されるんだよ!」
男(……とても心地良く納得できるのに、非常に説明がし辛い)
幼「恥ずかしい思い、もうしたくないもん」
男「チューハイと一緒に買えばいいだろ」
幼「エッチな雑誌に紛れてついでにファミ通やジャンプも買っておく、みたいな、そんな男が昔やってたようなことしたくないよ!」
男「似て非なるものだろそれ。というか、な、なんで知ってんだ!」
幼「とにかく。どうせ買うんだったら一緒に行こうよ」
幼(一人は……イヤだし)
男「湯冷めしそうだから外には出たくないんだが……」
幼「──上着、着てくれば良かったかも……」
男「……こんだけ着込んでる俺でさえ寒がってるんだぞ。それに比べてお前大丈夫か、その格好で」
幼「スカートめくりとか寒い行為すら一切されなかったわたしの寒い青春白書に比べたら全然」
男「フォローできないこと言うのやめろ」
幼「んーっ。どうしよ、寒い……」
男「ほら、言わんこっちゃない。──おっと」
幼「……なんで避けるのさ」
男「上手いグレイズだったろ」
幼「腕くらい組ませてくれてもいいじゃん!」
男「行き過ぎたスキンシップはノーセンキューです」
幼「昔から良く頭は撫でるくせに、腕組みはダメって、そんなの絶対おかしいよ」
男「何ならお前だけ帰ってもいいんだぞ、俺の為の買い物だし」
幼「……風邪引いたら絶対移してやる」
男「やめろよ、風邪の病原菌と一緒に幼馴染菌が移るだろ」
幼「小学生かっ!」
「らっしゃいませー」
幼「はあ、あったかい。遠かったねえ」
男「うちのすぐ近くにコンビニあったけど。なんでお前スルーしてここまで来た?」
幼「ほら、さっきあそこでお弁当買ったし。短い間隔で同じコンビニ利用するのって、ちょっと恥ずかしいでしょ?」
男「んなくだらない理由かよ……どうせ買うのは俺なのに」
幼「あっ、今回はあのアニメのコラボ品かー」
男「聞いてねーし。何だそれ、お前ってアニメとか詳しかったっけ」
幼「大学の頃から嗜み程度に深夜のアニメを鑑賞しておりますわ」
男「上品っぽく言ってもアニメ鑑賞は上品とは言えないと思うぞ」
幼「あーバカにしたな? ほら見てよこの女の子、上品で可愛らしいよ?」
男「いやそのキャラの話じゃなくて、お前が下品で可愛らしくないって話をしてたんだけど」
幼「な、なんだよっ! 最近はオタク系女子がモテるんだぞ!」
男「それでも大人かお前」
幼「子供心を忘れない大人、と言ってくれたまえ」
男「……痛い痛い」
男「プレモル、プレモル……あった」
幼「そんなに美味しいかなぁ、ビールって」
男「あ、カゴ取ってきてくれないか?」
幼「ん、今更? まあ了解」
幼「はい」
男「悪いけど持っててくれな──何か余計な物が入ってるぞ」
幼「おつまみだよっ。買うでしょ?」
男「買うけど……いやいや、さきいかや枝豆はともかく、チョコはいらん。ブランデーのつまみじゃあるまいし、ビールに合わんだろ」
幼「ええー、でも友はよく飲みながら食べてるよ?」
男「俺は邪道だと思ってるから却下」
幼「お口直しにさー」
男「素直に言え、お前が欲しいだけだろ」
幼「ふひひ、乙女の間食に糖分は必須なのだ」
男「何が乙女だよ、全く」
幼「ちょ、こんなに買うの? 急に重たくなったんですけど」
男「買い溜めって奴だ」
幼「ホント、結構飲むね……あ、ねえねえ男」
男「ん」
幼「氷結が欲しいかなーって」
男「言うと思った」
幼「自分の財布持ってきてないし、あとで返すからさ! ついでに飲みに付き合うよ! ね、ね?」
男「……仮にも来客だしな。一本くらいサービスしてやるよ」
幼「え、ホント!? 男優しいっ、ありがと!」
男「身体で返してくれるならな」
幼「かっ」
男「冗談だよ」
幼「……も、もう、バカ。もー、もおっ」
男「もーもー鳴いて牛みたい──でもないか、小さいし」
幼「一言二言余計なの! ヘンタイ男! セクハラ男!」
「らっしゃいませー。はい商品をお預かり致しますー」
幼「肉まんを一個。袋は別で、会計を一緒にお願いします」
男「ちょ」
「畏まりましたー」
男「サービスは氷結一本だけのつもりだったんだが」
幼「くふふ、寒いから仕方ないもん」
「ありがとござっしたー」
幼「ひえぇ、寒い。肉まん食べながら帰ろーっと」
男「……悪い、トイレ借りてくる。代わりに袋持っててくれ」
幼「あ、え、え!? 重っ!」
男「すぐ戻るから」
すたすた
幼「は、はやく戻ってきてよぉ」
幼(片手じゃ持てない。あっ、両手が塞がっちゃう。寒いし、肉まん食べられないしぃぃ……!)
男「悪い悪い、待たせた」
幼「うううっ、寒い! はいこれっ、返すよ!」
男「じゃあ帰るとするか」
幼「持ってってば!」
男「肉まん一個分くらい働いてみせろよ」
幼「だ、騙したな! その肝心の肉まんが食べられないんだよ、両手が塞がってて!」
男「帰ってから食えばいいだろ」
幼「冷めちゃうじゃん!」
男「肉まんが冷めるのと同時に肉まんへの熱も冷める訳だ」
幼「あーもーっ! わかったよ、持つよ!」
幼「その代わり、男がわたしに肉まん食べさせてよね!」
男「……は?」
幼「も、重っ……ほら、肉まんが入ってる袋、はやく受け取ってよ」
男「……」
幼「あーん! はい、あーん!」
男「お前バカだろ、まあいいか。ほれ」
幼「……あむ!?」
男「どうだ、食いやすいように千切ってやったぞ」
幼「ほおひい! ほおひいほ!」
男「大きい? 知るか、お前の口が小さいんだ。ずっとアホ面曝してろ」
幼「へんはい……~~!」
男「むぐむぐさせて、ハムスターみたいだな」
幼「……おいひい」
男「ただいまーっと」
幼「ああああ重い! 持ってられるかこんなモノ!」
男「放り投げたらお前を放り投げるぞ」
幼「……お姫様抱っこから?」
男「槍投げの要領でだよ」
幼「もはや放り投げるっていうか、何らかの目標に向けて投げようとしてるよね、それ」
幼「あれっ、飲まないの?」
男「身体が冷えちゃってるからな。ひとまず冷蔵庫に置いといて、もう少し経ったら飲むと思う」
幼「じゃあ氷結も入れといて。わたしも後で飲むよ」
男「ああ、わかった」
男「──で、飲むのは構わないけど、結局のところ今日はどうするんだ?」
幼「どうする、って?」
男「適当に満足したら帰るのか、朝まで騒いでるのか」
幼「どっちかっていうと、朝まで──が、いいかなー。終電になったらアウトだし」
男「そうか。じゃお前だけ近所迷惑にならない程度に騒いでてくれ、俺はたぶん飲んだ後に寝るから」
幼「えっ、ちょ、そんな! き、聞いてないよ!?」
男「お前はどうだか知らんが、俺は仕事疲れで流石に起きてられないんだ」
幼「うーん、そっかぁ、そうだよね……──!」
幼「ふっふっふ、良いこと思いついちゃった!」
男(……お前の思いつきは十中八九悪巧みだろ)
男「──どうして俺はテレビの前のソファに座らせられてて、」
男「お前は変な顔して俺の後ろにいるんですかね」
幼「変な顔とは失礼な! ささっ、ほらほら、好きな番組観なよ」
男「絶対何かしてくるだろこれ。あと観たい番組なんて無いぞ」
幼「や、やだなぁ、何もしないよ。最近はねー、新しいドラマが始まったんだよ。一緒に観てみよ?」
男(どうせお前が観たいドラマだろ……もう声に出してツッコむのも疲れた)
幼「あーこれこれ、刑事ドラマ! 専らネットで面白いって評判でさ、初回視聴率なんか──」
男(眠たくなりそうなドラマだな、つか既に眠い……)
幼「──はっ。わ、忘れてた! ……あのねっ、か、肩、揉んであげるね!」
男(やべ、寝そう……)
幼「って聞いてる? 始めるよ?」
幼「よぉし、えいっ」
ぐり
男「い……てぇぇぇぇぇぇ!?」
幼「!?」
男「──お前が後ろにいると不安で仕方がない」
幼「……だからってさ、あの、そのー」
幼「こ、これはさ、恥ずかしいよ、ちょっと……」
男「何がだ。髪をボサボサにした後に頭を撫でてた時の体勢と一緒だろ」
幼「あの時はこんな風に、お腹に手ぇ回してなかったじゃん」
幼(後ろから抱きしめられてるようなもんだし……)
男「逃げられないように拘束してるんだよ。さっきの罰だ」
むに
幼「ちょお!? つ、つ、摘むなぁ!」
男「小さいくせして腹の贅肉はしっかり付いてやがる。歳だなぁ」
幼「バカバカヘンタイ! 行き過ぎたスキンシップはNGって言ってた!」
男「罰だからおk。しばらくテレビを観ながら抱き枕を演じててくれ」
幼「もぉ……」
幼(……恋人、みたいだよ、こんなの)
幼(好きじゃないのに、好きじゃないのに!)
男「幼」
幼「うあ!? み、耳元で囁かないでよっ!」
男「今から一時間くらい仮眠取りたい」
幼「えっ、飲もうよ!」
男「だから、一時間経ったら起こしてくれ。その後に飲むよ」
幼「まあいっか。って、この体勢のまま寝るつもりじゃないよね……?」
男「お前は今抱き枕じゃないんですか?」
幼「やだやだ、やだよぉ! トイレとか行きたくなったらどうすんの!?」
男「悪い、限界。おやすみ」
幼「あっ、そんな急に、ぎゅって……しないで」
男「……すぅ」
幼「……もう寝息立ててるし」
幼(そうだ、テレビ観よう、テレビ)
幼(内容がぜんぜん頭に入ってこないけど、せめて恥ずかしさを紛らわせないと)
幼(なんか……なんか、死んじゃうよ、このままだと)
幼(──んー、確かに面白いけど、わたしには合わないかな)
幼(これならバラエティ番組でも観た方が暇潰しになりそう。あ)
幼(この状態、結構慣れてきたかも。大きい赤ちゃんを背負ってる感じで──)
ぎゅ
幼「ひゃんっ。ふ、不意打ちやめてよー」
幼(──ダメだ、慣れる訳ないよ。こんな大きい赤ちゃんなんていないし。いたらその子のお母さんは相当のタフネスに違いない)
幼(……大体、どうしてただの幼馴染にこんなことが出来るの。好きな人か、もしくは彼女でも作ってやればいいのに)
幼(ここまでされることを許しちゃってるわたしもわたしだけどさ)
幼(勢いで抱きついたり、頭撫でてとか甘えた要求してたから、人のこと言えないけど……)
幼(……男の手、か。大きくなったなぁ。子供の頃はわたしの手で包めるくらい小さかったっけ)
きゅ
幼(冷たい。わたしは誰かさんのせいで身体の全体が熱くなってるっていうのに、人の気も知らないで……)
幼(今はもう、こうしてわたしを包み込んでるくせに、子供振ったり、大人振ったり)
幼(……ずるいよ)
幼(好きなら好きって言ってよ。そっちから言ってくれないと、わたし……)
幼(わたしは……)
幼(……)
幼(……トイレ行きたくなってきた)
幼「男、起きてるなら、少し手を緩めてほしいんだけど」
男「……」
幼(そうですよね! 起きてる訳ないですよね!)
幼(……実力行使で、抜けるしかないか)
幼「男? トイレ行くから、手外すよ?」
ぐっ
幼(あれ、割とあっさり抜けられた)
幼(……なんだよ、別に抱き枕いらないじゃん)
幼(男のバ──いやいやいやいや!? 言わせねーよ!?)
幼(何も、何も期待してなかったし! このやるせない気持ちなんか、はやくどっか行けっ!)
幼(別に名残惜しくないし! むしろトイレ行けるからスカッとしてるし! むしろ今からスカッとしに行くし!)
幼(やだ、もうやだっ。変な展開を想像してる不純なわたしがイヤだぁ!!)
幼「ふう、すっきりした」
幼「男──そりゃ、まだ寝てるよね」
幼「っていうか、わたしが支えになってたようなものなのに、器用な寝方してるなぁ」
幼(……戻った方が、いい、かな)
幼(いや、でもそれって、自分から望んで抱き枕になるってことだよね)
幼(……)
幼(だけど男を起こした頃にわたしがそこにいなかったら、更に罰とか言って、もっと恥ずかしいことされたり……)
幼(……男のせいだから、仕方ないことだから)
幼「男、し、失礼する、ね」
ぎゅう
幼(こうして、こうやって抱かれてて……)
幼(うん、元通り)
幼(──バカみたい、わたし。こんなことで安心しちゃって)
幼(男のせいだ、最初にぎゅってするから)
幼(男が悪いんだ……)
幼「──、────」
男「……ん」
幼「──ね、起きて」
男「あぁ……」
幼「もう一時間経ったよ」
男「ふあー……おお、悪い」
幼「首、痛くないの? 途中からわたしの肩に頭乗せて寝てたけど」
男「別に。母親におんぶされてた頃を思い出した。よっこらせ、と」
幼「まだ若いんですけどー?」
男「母親はいくつになっても母親なんだよ。それよりお前、トイレは行けたか?」
幼「え……え、な、何? 起きてたの?」
男「は? いや、起きたの今だし、聞いただけ。その反応は行ったってことか」
幼「……だから何ですか。女性にそういうことは、わかってても聞かないのがマナーですよ」
男「結構強く抱き締めてた気がするから、行けたかどうか気になっただけだよ。勝手に心配して悪かったな」
幼「そ、そうだよ、余計なお節介」
男「だけど、起きてた時には最初と同じ、お前の腹に手を回してたような」
幼「……あ、えっと」
男「……ひょっとして」
幼「う、うるさい! 言われた通り抱き枕を演じてやったの! うだうだ言うな、バカ!」
男「はいはい。さてと、飲むかー」
幼「……わたしは一本だけどね」
男「俺も一本に収めとくつもりだぞ。悪酔いはしない」
カシュ
幼「よし、乾ぱ──もう飲んでる!?」
男「いやー、寝起きのビールは夜だろうが格別だぁ。これに勝る幸せはきっとないな」
幼「いつも朝起きてからビール飲んでるの? 何か下品……」
男「たまにな。いや、それほど美味いんだって。飲んでみるか?」
幼「……ちょっとだけなら──あ、あっ、いや、いい、いいよ別に!」
幼(間接キス……!)
男「ま、お子様は氷結で満足してなさい」
幼「む。苦手なだけで、飲めない訳じゃないし」
男「じゃあ飲むか?」
幼「う、うー……飲むよ、飲みます……」
男「男らしい決断だ。じゃグラス取ってくる」
幼「男じゃない! ──ん、グラス?」
男「ああ、小さめのグラスがあってな。あった、これこれ」
幼「……はぁ」
男「汚れてはいないけど、あまり使ってなかったから──すまん、ちょっと洗ってくる」
幼「いってらー……」
幼(……また、これだよ)
幼(ドラマのヒロインじゃないんだし、そういうことを気にするような年でもないんだから……)
幼(でも……なぁ)
幼(……わたしは女だもん)
男「少量注いで……これくらいでいいか」
幼「うわぁ、やっぱり飲みたくない色してる」
男「さあ、飲め飲め」
幼「……そういえば、別々のお酒の飲み合わせって、身体に良くないらしいね」
男「こんなんちゃんぽんの内に入らねーよ。御託はいいから」
幼「うう、飲み会の席でムリヤリお酒を勧めてくるバカ上司だぁ」
男「仮にそういう席で飲ませて酔わせても、お前だけはお持ち帰りしないけどな」
幼「色々と余計なんだよっ! 飲んでやるっ!」
こくっ
男「おー、一気。一口程度の量しかないが」
幼「う……うん? 想像してた味よりも辛くないかも」
男「黒はともかく、こっちのプレモルはどちらかというと甘いからな。渋味が残らないし、お前でも飲みやすいだろ」
幼「あ、そうだね、口の中が甘い。これなら結構飲める感じ」
男「これで今日からお前もプレモルを買う毎日だ」
幼「じ、自分では買わないよ。悪くなかったけど」
幼「んーっ、そのプレモルって奴とチョコレート、結構合うね」
男「げ、マジかよ。男と女の味覚って実は違う風に出来てるんじゃないか?」
幼「んふふ、あまい♪」
男「いや、女だしな……チョコがちょうどいいのか。さきいか食いながら飲む女とか、よく考えてみりゃ嫌だ」
幼「そうそう、チョコの方が乙女っぽいでしょー」
男「行き遅れが酔いに任せてふざけたこと抜かしてやがる」
幼「んな!? まっまだ若いし! ピチピチだし!」
男「嘘つけ、黒ずんでんだろ」
幼「くろっ……!? さ、最低! ホント、もー、やらしいことばっか言わないでよっ! いい加減怒るよ!?」
男「やらしいって。肌が黒ずむことがやらしいのか?」
幼「肌……」
幼「……!」
ぽかぽか
男「いてっ、いててて。無言で叩くな! せめて何か言え!」
幼「ばかばか馬鹿バカバカ! ヘンタイヘンタイへんたいへんたい変態っ!!」
男「今日は何かと騒がしい夜だな……誰かさんのせいで」
幼「一生彼女できない呪いかけたからね! 絶対にできないからねっ!」
男「何を怒ってるんだか……別にいらん、嫁さえいれば彼女なんて」
幼「何言ってんの、彼女ってゆー過程が無ければ奥さんには──」
男「いいんだよ。今度お見合いがあるから、上手くいけばそのまま嫁が出来る。屁理屈かもしれんが」
幼「……────え」
幼「お、お見合い?」
男「ん、そうか、初耳か。この前久しぶりに実家に寄ったら、いつの間にか親の間でそんな話が進んでたんだよ」
男「お前は女が出来そうにないからーって。正直不本意だけど、確かに結婚を考えなきゃいけない歳だからな。あとお前────」
幼(……)
幼(……どうして? 心臓が急に、機関車みたいに、ドキドキして……)
幼(まだ……そんな飲んでないけど、酔った──かな)
幼(酔ったんだ、わたし。そうだ、わたし酔ってる)
幼(自分に酔ってたんだよね、きっと……)
幼(……苦しいよ)
男「──って言われて……お前、聞いてる? というか大丈夫か?」
幼「……」
男「おい、ふらついてるぞ。もう酔ったのかよ」
幼「……ううん」
ぽろっ
男「!?」
幼「……ぁ」
男「な、泣き上戸だったっけ、お前って」
幼「せ……洗面所借りる」
男「……ああ」
幼(幼馴染って、何?)
幼(意味わかんないよ、こんな関係)
幼(言い訳したい時に使うだけの関係なら……最初から無くなれば良かったのに)
幼(普通の関係で良かったのに……!)
幼「……男」
男「幼。悪い、また俺が泣かせちまった。肌が黒ずんでる発言は撤回する。すまん、この通り」
幼「違うよ、そんなくだらないことで泣かないよ、わたし」
幼「むしろ謝りたいのはわたしの方だから。ごめんね、急に涙が出てきちゃって」
男「そ……そうか? 誰のせいでもないなら良かった」
幼「……お見合い、だっけ」
男「ああ、そう、お見合いするんだ、俺。昔の自分はまさかこんなことするハメになったとは思ってないだろうなぁ」
幼「あはは、行き遅れて必死になってるのは男の方じゃん」
男「馬鹿、俺は別に望んでねーよ。お袋が強制的に決めたんだ」
幼「もう顔とかは見たの?」
男「いや。次実家に寄る時に写真を見せてくれるらしい」
幼「ふふ、わたし以上の美人だといいねー」
男「何言ってんだお前、鏡見てこい。あと俺は面食いじゃないから」
幼「ちょ! またそうやって人が傷つくようなこと言う! そのお見合いが失敗する呪いもかけてやる!」
男「はいはい、期待してやるよ、その呪いに」
幼「ねえ」
男「んー?」
幼「今日さ、ここにいてもいいんだよね」
男「今更言うかその台詞。勝手にしろって」
幼「……ここで寝てもいい?」
男「……あー、その事態は考えてなかった」
幼「ていうか、もう眠たいし……」
男「酒は──ほぼ空か。つまみはたくさん残ってるけど」
男「就寝か……まぁ俺も眠たくなってきたし、どうするかな」
幼「とりあえず、ここで寝てもいいんなら、先に歯を磨きたいな」
男「って次は歯ブラシ要求かよ。大分前に行ったホテルのアメニティグッズの新品歯ブラシが洗面所に置いてあったはずだから、それ使え。黒いヤツな」
幼「うん、ありがと」
男「歯磨き粉も適当に置いてあるから。あ、口濯ぐ為のコップ持ってけ」
男「俺はちょっとどこでどう寝るか考えとく」
幼「……お先に失礼」
しゃこしゃこ
幼(……ホテルに置いてある歯ブラシって妙に使いづらいんだよね)
幼(毛先が極端に堅かったり、小さかったりして)
幼(不特定多数の人が使うことを考慮してるんだろうけどさ)
幼(……長いけど、短い夜だったな)
幼(明日はどうしよう。そのまま居座るのもアレだから、うーん)
幼(朝イチに帰ろうかな)
幼(何か特別なことがある訳でもないし)
幼(……うん、迷惑だといけないからそうしよう)
幼(って、はは、もう充分に迷惑か)
がちゃ
幼「わふぁ!?」
男「配置決まったから俺も歯磨きに来た」
幼「や、やめへよ。おんはのほのはみはひひゅーにはいっへふふなんへ」
男「お前の歯磨き中だろうが知ったこっちゃねーよ。別にいいだろこれくらい」
男はさっさとデレちまえよこのウスラトンカチ
幼「……え、ここに布団敷くの?」
男「ああ。普段敷かない所だが、色々と安全を考えた結果がここだった」
幼「何か隔離されてるみたい」
男「じゃあお前あのソファで寝たいかよ」
幼「えっと、あれ? 最初からそのつもりだったんだけど」
男「……何だと」
男「最後に聞くけど、本当にそこのソファで、薄い布とお前の上着を掛け布団代わりにして寝るつもりなんだな?」
幼「何度もいいって言ってるじゃん、所詮わたしは急の来客なんだから。しつこいよっ」
男「……寒くなっても知らないからな。じゃあ、電気消すぞ」
幼「うん」
ぱちっ
幼「……わ、真っ暗」
男「さてさて、俺も布団に入るか……」
男「俺より先に起きたら起こしてくれよ」
幼「そっくりそのままお返しします」
男「……じゃあアラーム頼りということで。おやすみ」
幼「ん、また明日ね」
男「ああ、起きてすぐ会うだろうから、また明日」
幼「あは。おやすみ……」
男「……すぅ」
幼「……」
幼(……これでいいのかな、わたし)
幼(うん、いいんだよ、たぶん。今日は普通に楽しんで満足したもん)
幼(その分悲しいこともあったけど、わたしはもう子供じゃないから、イヤな事もすぐ忘れられるよ……)
幼(明日からまた頑張れるだけの元気は貰ったから、)
幼(今は寝よう────)
幼(──そんなすぐに眠れたら苦労しないよね)
幼(色々思うところがあって眠れないんだけど、それはさておき)
幼(寒い、寒いよ! さっきまでの身体の火照りはどこに行ったの!?)
幼(男は寝たのかな。仮眠取ってた時みたいに寝息立ててないからわからないや)
幼(あうー、やっぱり布団借りれば──)
幼(……ねえ、男)
幼(今日くらいは、許してくれるよね?)
幼(……まだ眼が慣れない。たしか、ここだっけ)
幼(あったあった。うん、入れそう)
幼(ごめんね、男。お邪魔します……)
もぞ
幼(あったかい、男のにおいがする)
幼(……もう寝てるみたい。良かっ)
男「……幼?」
ナイスファイト
幼「……」
男「……」
幼「……わたしは座敷童じゃ」
男「……なんだ、座敷童か。幼の匂いがしたんだが」
幼「お主、相当のヘンタイじゃな」
男「言われ慣れてる」
幼「それも公園の隅っこに落ちてるエッチなビデオを持ち帰る程度のヘンタイと見た」
男「……忘れろ。あれは子供の頃の出来心だ」
幼「……ねぇ、怒らないの?」
男「座敷童が寄ってきただけで怒るほど鬼畜じゃないからな」
幼「いや……もうその設定は無かったことにしていいから」
男「……絶対来ると思ってたんだよ」
幼「……お見通しかぁ」
男「ソファに移動するのも面倒だから、何事もなく寝るけど」
幼「……うん。わたしもここで寝る」
俺「うん、俺もそこで寝る」
テリーマン「俺もいるぜ」
キン肉マン「テリーマン」
ブロッケンJr「お前だけに、いいカッコさせるかよ」
キン肉マン「ブロッケンJr・・・」
ロビンマスク「正義超人は、おまえだけじゃないんだぜ 」
ウォーズマン「コーホー」
キン肉マン「みんな・・・」
悪魔超人「こ、これが友情パワーか」
幼「……狭いよ」
男「枕の半分も貸してやってるんだから文句言うな」
幼「……狭いけど、あたたかいね」
男「……」
幼「……やっと眼が慣れてきたかも」
男「……」
幼「……あ、知らない天井だ。ちょっと新鮮」
男「……」
幼「……眠れないから、話しようよ」
男「……黙ってればその内眠れる」
幼「……男女の間に友情は成立すると思う?」
男「……」
幼「……わたしはね、成立してもしなくても、どっちでもいいと思ってる」
男「……本来、人は友情じゃなくて愛情を求めて生きてるものだろ。異性同士が与えるものは愛しかないぞ」
幼「……なに、それ。男らしいね」
幼「……今日はありがとう。すごく楽しかった」
男「……ああ」
幼「……わたしね、わたしが女じゃなかったら良かったのになぁって、男に会う度考えてるんだ」
男「……理由は?」
幼「……男性なら、何も考えずに男と遊んでいられると思うから」
男「……いつも、何か考えてたのか」
幼「……うん。いっぱい考えてる」
男「……どんな?」
幼「……聞いても引かない?」
男「……たぶんな」
幼「……絶対引かない?」
男「……おそらく」
幼「……引かないって言って?」
男「……おやすみ」
幼「……えっと」
幼「……こ、こうしたら、男に嫌われちゃうかな、とか」
幼「……こう言ったら、男は好きになってくれるかな、とか」
男「……」
幼「……そんなことばかり。まるで女の子みたいに、男を意識しちゃってる時があるの」
幼「……もう、良い年なのにね。こんなの、おかしいよね」
男「……初耳だな」
幼「……素面じゃ言わないよ、こんなこと」
男「……次から男扱いすればいいのか?」
幼「……ううん。あのね、だ、だから」
幼「……あ、ちょっと待って。先に、先に別の話させて?」
男「……どうぞ」
幼「……さっきの、男女の友情の話に戻るけど」
幼「……男はもし、わた、わたしに対してだったらっ」
幼「……あ、愛情っ、与えて、くれる……?」
もちろんだ
こんな幼馴染が欲しかった
男「……なるほど」
幼「……幼馴染の、わたしにさ、愛情与えられる?」
男「……お前をそういう眼で──」
幼「……」
男「……まあ、見なかったこともないからな」
男「……安い愛情だったらいくらでも与えられる」
幼「……深い愛情は?」
男「……お前から貰う愛情による」
幼「……そうなんだ。そっか、そっか」
男「……お前、心臓の鼓動が凄いことになってるぞ」
幼「……さ、触ってもいないのに、わかるの?」
男「……嫌でも伝わってきてるんだよ。こんなに近いから」
幼「……うん、ごめんね」
男「……胸が薄いからってのもあるか」
幼「……」
きゅ
男「……何だ? それ、俺の手……」
ふに
男「……あー、全然柔らかくない」
幼「……う、薄くないもん。少しは柔らかいもん」
男「……手ぇ離せよ」
幼「……ヤだ。わたしの胸が薄くないって認めない限り、離さない」
男「……この野郎、このまま揉むぞ」
幼「……も、揉めば? 大きくなるかもしれないし」
男「……く」
幼「……また、もうちょっと前の話に戻るね」
幼「……わたしは、女じゃなければ良かったのにって言ったけど、男扱いをしろってことじゃなくって」
男「……」
幼「……ん、っと、ね」
幼「……お、女の、女としてのわたしを、見て、ほしいの……」
青いロバに勇気でも貰ったかのような勇敢さ
別に先読みでも願望でもないんだけど
男の娘とかいうオチじゃないよね?
>>175
おいイナゴ、その展開はやめてくれ
男「……」
幼「……逆にね、そ、そういう風に見てくれれば」
幼「……きっと、わたしも、女としての自分を、素直に受け入れられると、思うから……」
幼「……いつも、男とは親しい友人のように、近しい家族のように接してきてたけど」
幼「……今から一瞬だけ、幼馴染じゃなくて、普通の女として、男に言うよ……」
男「……ああ」
幼「……男」
ぎゅ
幼「……す、すき」
幼「……好き、なの。だい、すき……」
幼「……大好き、だいすき。男が、好き」
幼「……いっぱい、たくさん、すきっ。何年も、前から、ずっと前からっ!」
幼「……男を、しぬほど、愛してるの」
幼「……すき、すき……好き」
キタワァ.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!☆
糞が!(カベドンッ
隣の家からすげえ音がする・・・
幼「……こ、恐かったの」
男「……」
幼「……男を好きって想えば想うほど、幼馴染としての自分が、いなくなりそうで」
幼「……男の優しさにつけ込んでる、そんな女の自分が汚くて、大嫌いで……」
幼「……幼馴染だから、幼馴染だからって、ずっと閉じ込めてたの」
男「……」
幼「……さっき、お見合いの話が出て」
幼「……男に奥さんが出来るかもしれないって聞いて、女としてのわたしは、一度消えそうになった」
幼「……でも、それはわたし自身が消えちゃうってことに、気付いたの」
幼「……どっちもわたしだから……どっちも男が大好きなわたしだから」
幼「……そしたら、我慢できなくなっちゃった」
幼「……ごめんね。だいすきで、ごめんなさい……」
男「……」
男「……俺は、はっきり言って、わからなかったんだ」
男「……お前が好きなのかどうか」
幼「……」
男「……こう言っちゃ悪いけど。先輩に振られたあの時から」
男「……女性に、恋愛に対して臆病になっていたというか、慎重気味に構えてた部分があったんだと思う」
男「……だからお前が、どんなに過度なスキンシップをしたり、されたりしても」
男「……幼馴染という関係を盾にしていた」
幼「……男も?」
男「……お前の想いを聞いた今だって、まだわからない」
男「……逃げ続けてるんだな、俺は」
幼「……ううん」
幼「……一緒に追いかけようよ、その先にある何かを」
男「……クサいな」
幼「……く、くさくないよ! ほらっ」
ぎゅう
男「……体臭じゃねーよ」
幼「……んへへ、いいにおい」
男「……つか、女として幼馴染として云々言ってたけど、その後も結局いつもの甘えたがりじゃねーか」
幼「……わたしはわたしだもん。ね、男もいっぱい、ぎゅって、して?」
男「……」
ぎゅ
幼「……抱き締められるのも、すき」
男「……お前は小さいから」
幼「……小さくて良かった」
男「……調子狂うな、そう返されると」
幼「……わたしを、たくさん包んで。お願い……」
男「……クサい奴」
幼「……ね、男。こっち見て?」
男「……にらめっこか」
幼「……ばか。そのまま、そのままね」
男「……あ」
ちゅ
幼「……ん」
幼「……初めて、もらって」
男「……」
幼「……わかってるよ。男は初めてじゃないことくらい……」
幼「……でもいいの。わたしとのキスが初めてだって錯覚するくらい、いっぱいするもん」
幼「……ん、む」
幼「……んぁ、んっ……んぅ」
幼「……キスって気持ちいいんだ、知らなかった……」
男「……あのー、幼さん、勝手に興奮するのは構わないんですが、身体ごと俺の上に乗り掛かるのはやめてくれませんかね、重いんで」
幼「……一番キスしやすい体制が男の上からなんだもん」
ガタッ
ガタッ
ガタッ
幼「もっとするの、もっとして……」
男「……淫乱雌豚になり果てやがって」
幼「んく、んっ、んむ、ん」
幼「……ほっぺも、おでこも、首筋も、キスするもん」
男(もうダメだ、聞いてないな)
幼「ん、ぅん、んんっ、はぁ、んっ、ん……」
幼「……男、男ぉ」
男「なんだ、雌豚」
幼「……キスだけじゃヤだ……」
男(くそ、そろそろ俺も耐えられないんだが)
幼「大人のキス、するね……」
男(……なるようになっちまえ)
幼「んちゅ、むぅ、ぇろ、んふ、んっんく……うぁ、ん、んん、ぁん、あっ、あ……」
幼「はっ、はぁっ、これ、だめっ。もっとっ、もっとほしくて、」
幼「……もっとおかして、もっと口のなか犯して……」
俺「(くそ、そろそろ俺も耐えられないんだが)」
_________________________
○
(( (ヽヽ ンギモッヂイイッ!
>_| ̄|○
しまった!ここはホモスレだ!
オレが掘られているうちに他スレへ逃げろ!
早く!早く!オレに構わず逃げろ!
男(耐えろ、耐えてくれっ……)
幼「……んふ、見て」
幼「わたしの唾液と男の唾液で、べとべとだよ」
幼「昔は、これだけで赤ちゃんが出来ると思ってたなぁ」
幼「こんな気持ちよくて、二人のモノを混ぜ合わせる行為なのに、出来ない方がおかしいよね」
男(柄にもなく誘ってるな、コイツ)
幼「……ねぇ、もっと気持ち良くなりたいよ」
幼「触って、いろんなところ、どこでもいいから……」
幼「あ、耳? いいよ、耳、触って」
幼「……あぅ、こ、擦られるのきもちい……」
幼「ひんっ!? あっ、ば、ああっ、うく、んっ、んー……」
幼「はぁ、はぁぁっ。息、吹きかけるの、やば、だめ──」
幼「──ひ……!? あ、うあっ、ふああぁっ! ば、かっ、やめ、あんっ、あっ、あ、やん、やだ、」
幼「あっ、めっ、だめ、こえでちゃっ、やあっ! あくっ、う、んんん、っく、あ、あん、いやっ、ああっ、ん……んっ」
男(耳を舐めただけでこの有り様である)
「パンツを脱ぐ」…そんな言葉は使う必要がねーんだ。
なぜなら、オレや、オレたちの仲間は、
その言葉を頭の中に思い浮かべた時には!
実際にパンツを脱いじまって、もうすでに終わってるからだッ!
だから使った事がねェーッ。
>>200、オマエもそうなるよなァ~~~、オレたちの仲間なら…
わかるか?オレの言ってる事…え?
『パンツ脱いだ』なら、使ってもいいッ!
幼「あふ……ふぅ、はぁ、ふー……」
幼「な、舐めてなんて言ってないじゃん。やめてよ、そんな汚い所……いきなりレベル高すぎだよ」
男(一瞬で順応してるお前の方がレベル高い)
幼「……次は首? 舐めないでね、近所迷惑になっちゃうから……」
幼「ん、あは、ちょ、ちょっとくすぐったい」
幼「ぁ……あっ」
幼「んん、あ、な、なぞるの? うん、ん、つつー、って、やぁ、やって……」
幼「……うあ、ひああんっ! ひっ、ああっ、くああっ!? や、きもち、あぅっ、あ、あ……んやぁぁ!」
男(指先でやられるのが好きなのか)
幼「あ、だめっ、くび舐めちゃ、ってキス? う、うん、キスならしていいよ」
幼「んー、んっ、ああ、なんか、赤ちゃんみたい……ふふ──!?」
幼「まっ!? あううっ! はぅ、んううぅ、く、あっ、やっ!」
幼「なめ……!? あふっ、や、やめ、あっ、う、なぞらな──」
幼「ん、んくぅぅぅぅぅっ!? あっ、あひっ、あ、おねが、ふっ、ぁめ、らめっ、あっ──いあああぁぁぁぁ!!」
男(なぞるように舐めただけでこの有り様である)
幼「──はあっ、はあっ、はぁ……へんた、い、ばかっ……」
男「ちょっと今のはうるさすぎる。てかお前、性感帯いくつあるんだよ」
幼「あっ、のさぁ、はぁ、舐めないでって、わたしさっ、言わなかった!?」
男「気持ちよくなかったのか?」
幼「……きっ、聞かないでよ」
男「まぁ、パンツを触ってみればわかることか」
幼「やっ! い、今はだめ! まだ、だめっ……」
男「まだ?」
幼「先に、こっち……触って」
幼「今、外すから」
男「服は脱がないんだな」
幼「……恥ずかしいもん」
する
幼「あの、外したけど、服は脱がさないでね?」
あ、次からエロだよ
望んでない人は申し訳ない
もうちょっとだけ続くんじゃ
幼「あ……ふ、服の上からだよね、いきなりは怖いもん……」
幼「っあ、ぅ。ひ、人に揉まれるのって、なんか、ヘン」
幼「んっ、んっ……あっ、あ、やだ、ち、くび、う、うきでちゃってる……!」
幼「ん、はっ、あっ、ああ、あ」
幼「っや、あはっ、ん、んく、んっ」
幼「あうっ、あの、いっ、いつ、ぁ、さわるのっ……?」
男「え?」
幼「も、揉んで、ばっかりっ」
男「何の話だ?」
幼「あん、さわっ、くふ、さ、さわって」
男「どこを?」
幼「おねが、いっ、くあ……あ、ち、っくび……さわっ、てぇ……!」
男「どんな風に?」
幼「いじ、いじるのっ。ひ、んっ、ん、こ、こねくりっ、まわしてぇ……」
幼「く、くりくり、て、はじ、いてっ、ぎゅう、っふ、って、つ、つぁ、つまむ、のぉ!」
がばっ
幼「ふあ!?」
幼「い、いやっ、急に、服のなかっ……!?」
男「もう直に触ってほしそうな物言いだったから、つい」
幼「ん……うん、もういいから、たっぷりさわって……」
男「じゃあ、さっきみたいにおねだりしてくれ」
男「お前の望み通りに手を目一杯動かしてやる」
幼「……や、はずかしい」
男「言わなきゃいつまで経っても触ってもらえないぞ」
幼「……──って」
幼「い、いじって、ちくび……なで、て、ころがして……え、えっちに、さわって……」
幼「……あんっ、おっ、おっぱい、直接、さわられたの、はじめて……」
幼「んっ、んふ、ん、んっ。……男、男」
幼「そこ、ちっ、ちがうよぉ。ちくびの、まっ、まわり、きもちいけど、それ……せつ、せつないからあっ」
幼「いちば、んっ、か、かたく、なってる、とこ、して……して、おねがいっ、もう、もお……!」
つん
幼「んきゅ──!?」
幼「んはっ、うあ、あっ、いっ、あっん、いい、のおっ」
幼「ち、ちくび、しゅきぃっ、うんっ、んっ、あ、だ、だいすきっ、んう、と、とけちゃっ、うぅ」
幼「きっ、きしゅ、してぇ……んぶ、むっ、んぐ、んっ、んく、んむ」
幼「……つ、つぎね、くりくり、って、いじめて、いっぱい……」
幼「っあ!? い、いきな、り……!」
幼「んああっ、くぁ!? あ──あんっ、あん、あっ!」
幼「あ、あっ、や、だめ! あん、いいっ、あっ、いいのっ、あんっ、あんっ、だめ、だめぇっ!」
幼「おかし、あん、おかしくっ、ひっ、なっちゃぁ……!?」
きゅうう
幼「……つま、んじゃっ……!? ぁ、めぇ……!」
幼「いっ……いきゅ、いっひゃ……やあぁっ、い、いっ──」
きゅっ
幼「い、いっちゃ……あっ! ああっ! あっ……~~~~~!!」
男(……乳首でイったか、相当我慢してたんだな)
びく びくっ
男(だ、大丈夫かこの痙攣)
幼「~~っ、~~~ぁ、かは……」
男「……幼?」
幼「……ふ、ふうっ、あはっ、あん、はっ……ぁは、うく、げほ。ごほ、ごほっ!」
男(……背中、摩ってやらないと)
幼「くは、あっ、ぁ……はあ、はぁ、ごめん、ね……」
男「……いや」
幼「へへ、おっぱいで、ふふふっ、イっちゃった……あはは」
男「どこに笑える要素があったんだ」
幼「だ、だってさ、フツーありえないしっ……ふくく、ふふ、あはははっ」
男「あー、おかしくなるって、これのことか」
幼「ちが、違うけどっ……だめ、おかしすぎて、笑いが……あーっはっはっは!」
男「……お前のツボがわからん」
幼「……あぁ、少し落ち着いてきた」
男「端から見てるとただの異常者だったぞ」
幼「……ふふ、男にイかされちゃったぁ」
幼「……でも、ね、もっと、足りなくて……」
幼「わがままで、ごめんね。いっぱい、いっぱい男に触ってほしいから、」
幼「……つぎ、こっち……下の方、イかせて。おねがい……」
男(俺の爆発寸前ブツはどうすれば)
幼「脱ぐね……」
ごそごそ
幼「あの、一応、見えないと思うけど、見ないでね? 布団の中、覗いちゃだめだよ?」
男「電気消えてんだから、見えないって」
幼「それでも、まだ、恥ずかしいっていうか。一番大事なところだもん。……あ、脱げた」
幼「ズボン、ブラジャーと一緒にここに置いておくよ」
幼「……はい、どうぞ、さ、さわって。好きなように……」
男「……うわ、布団の中からすっごいエロい匂いが漂ってきてる」
幼「ば、ばか! 中見るの禁止っ! 嗅ぐのもだめ!」
男「……じゃ、触るぞ」
幼「……うん」
男「ん? パンツは付けたままなのか」
幼「気持ち的に、付けてた方が恥ずかしくないかな、って」
男「汚れるぞ」
幼「……もう、汚れてるから、いい」
男(……そうだな、まずは──)
幼「……あっ、おしり? ど、どうするの……?」
男「揉むだけ。ホント小さいなーお前」
幼「あう、んっ。で、デカいおしりよりマシでしょっ」
幼「んっ、んっ、もぉ、手つき、やらしすぎ……」
幼「あ、あっ、ん……お、おしりだけじゃイかないからね? 経験、ないし」
男「何の経験だか知らないが、まず尻を揉まれてイく奴なんかいねーよ。いたら世の中の痴漢大勝利だろ」
男「……ふくらはぎまで濡れてる」
幼「言わなくていいのそういうことはっ!」
幼「……あ、やぁ、また、なぞるの……ひぁ、へ、ヘンな、かんじ」
幼「ん、あ、あっ、足もっ、かんじちゃうっ。や、いや、やらしい、のっ、だめ……!」
男「両脚、広げて」
幼「……ん」
幼「んっ、くっ、うぁ、あし、あしなのにっ、きもちい、きもちいよぉ!」
幼「な、なぞるの、きもちくて、やら、やらぁっ! あふ、あふれちゃ、やっ、やぁっ」
男「……おっと」
男「さっきまで濡れてるだけだったのに、粘液性のある液体のような何かが指に付いたんだが?」
幼「あっ、や……」
男「ほら、少し見えるだろ。ねとねとしてて、糸引いてる」
幼「……っ! ちがっ、ちがうの! ちがうのぉ!」
男「ふくらはぎを触ってただけなんだけどなー、おかしいなー」
幼「ちがうもん、わたしっ、わたしじゃないもん……」
男「茶番はさておき、」
幼「……あっ、そこ」
男「……なんだこりゃ、濡れてるってレベルじゃないな。信じられないくらいパンツがびしょ濡れだぞ」
幼「う、う……ちが……ちがう」
男「おねしょと思われても何らおかしくないくらいだ」
幼「……も、いい、さわって、さわって、さわってっ!」
男「万年発情期め。とりあえず上からな」
幼「ぁ……あん、だめ、まって、あ、あっ」
男「触ってて形がわかるぞ。もうこんなびっしょりパンツ、やっぱり穿いてても意味ないんじゃないか」
幼「ちょ、っと、男、ゆ、ゆび、だめ……!」
男「って、どんどん濡れてきてるような──いや間違いなく濡れてきてる」
幼「あやっ、や、ゆび、だめなのっ、き、きもち、すぎてぇ」
幼「おっ、おな、にー、よりも、だめっ、だめ、こ、こんなのっ……!」
ぴた
男「……自慰のところを詳しく」
幼「……んは、はぁ、あはぁ、やっぱ、だめ……」
幼「思ってたより、だめ、かんじすぎ、ちゃう……」
男「で、オナニーって何のことだ?」
幼「……え? おな……な、何? わ、わたし、そんなこと」
男「『オナニーよりもダメ、こんなの』って言ってたぞ」
幼「えぁ……!? し、し、し、知らないっ、言ってない!」
男「……」
くちゅ
幼「──ひああ!?」
男「そろそろ直接弄り倒してやる、失禁するまで」
幼「待っ! 言う、言うから! 本当におかしくなっちゃうから! ぱ、パンツから、手ぇ抜いてっ!」
男「先に言ってもらおうか」
幼「うぅ、う……うー」
幼「た、たまに、ひとりで……し、してた」
男「何を考えて?」
幼「……、っの、ぅ……」
幼「……おと、おっ、男の、ことっ……か、考え、ながら」
幼「他に、お、男みたいな、ともだち、いなかっ、たし……」
幼「そのっ……されてる、ところとか、考えて、いじっ、て……」
男「こんな風に?」
幼「──!? めっ、らめぇっ、うごか……あっあっあああっ! やらっんあっあっ、あんっやっあんっあっあぁああ!?」
男「続けて」
幼「はぅっ、ゆび、いっいれるのは、こ、こわかった、からっ、あの、あのっあの……!」
幼「……く、くっ、く……くり、を……」
男「ここを?」
幼「あぐぅっ!? く、そのっ、そこを、はげしくっ、して……」
幼「いっぱい、こ、こすっ、こすったり、して、いじめてっ……」
幼「お、おな、にーしてた……」
男「いや?」
幼「──え」
幼「……あ」
幼「ああああぁぁぁっ! やらっやら、やらぁぁ!」
幼「くりくりらめぇぇっ、あっんああっあひっうあっあっ、くりらめっ、くり○りすらめなのっ、らめっ、あふあっあっあぁぁぁ!!」
幼「い、いくっいくのっ、くり○りすかんじていっちゃっ、はげしくていっちゃ、あっひぁっあっう、んーっんっんんんん……~~~っ!」
幼「あっ、れろ、ずちゅ、ちゅる、やぁっでぃーぷきすやらぁ、とろけひゃうっ! おま○ことろけひゃうぅぅぅ!」
幼「んっむちゅ、んぐ、っちゅ、じゅるっ、もっと、もっとぉ」
幼「んぷっ、じゅちゅっ、ちゅぱ、じゅぷっ、んりゅ、んぁ、っむ……あっ!?」
幼「ち、ちくびとくり○りすっ、くりくりしないれっ、くりくりしないれぇぇっ!」
幼「またっ、またきちゃっあぁぁっ!? く、くりくりだいしゅきなのっ、だいしゅきだからっ、やらのぉっ、いくのっいっちゃういっちゃういっちゃう……っ!」
幼「うあ……ふああぁぁぁぁっ! あんっ! ひあああぁぁ!? あっうぁっあっああぁぁぁぁ!」
幼「んああぁぁぁっ……! あっ、あっ……くっ、くり○りすぅ……もっ、らめ、らめぇ……」
がばっ
幼「ひゃ!?」
幼「……あっ、ぬ、脱がすのやっ! まって! はずかしっ……!」
幼「……あ、あああ……おま○こ、おま○こ見られちゃぅぅ、男に見られちゃ……」
幼「……え、そっ、そんな近づいて、まさっ」
幼「ぅあっ!? まっ、らめ、いったばかり────」
幼「やんっいやっあっあああっ、く○にやらぁぁ!? くり○りすもおま○こもぉっ、きっ、きたないからぁぁぁっ!」
幼「びら○゛らもやらっ! す、すわないれぇぇっ、あ○えきでひゃう! いっぱいでひゃうっ!」
幼「あ……ぁっ、く、くり○りす、やら、むいちゃ──」
幼「──くり○りすもどしてぇっ! くり○りすの、かっ、かわっ、むいちゃうとぉっ、こわれちゃう! こわれちゃうからぁ!」
幼「──あ、あっ、ああ、ぁぁぁ、あ、あああああああああ」
幼「ぺろぺろやらのぉぉぉ! きもちいっ! らめっ、くり○りす、くり○りすきもちよすぎっ、く○にしゅきっ、く○にしゅきになっちゃうのやらぁぁぁぁぁ!!」
幼「お○にーでもこんなのしらないっ! もぉ、おち○ちんっ、おち○ちんほしいのっ。くり○りすいったらおち○ちんいれてぇ!
うあぁっ、いくっ、いくいくっ、くり○りすく○にされてっ、おま○こびくびくしてっ、びら○゛らおおきくなっちゃうぅ!」
幼「いくっいきますぅっ! いったらいっぱいおま○こして! おち○ちんたくさんずぼずぼしてぐちゅぐちゅにして!
おねがいっ、せоくす、おとことせоくすしたいですっ! あ○るふоっくもしていいからぁ! ずっとイかせてくださいっ!
おとこの○○○゜で○゜○○○しまくって○゛ー○○たっぷり○゛оー○゛оーって○○○○と○○о○に○゛○○○о○○○○○○゛о○○○○○○ооо!!」
幼「ああああっ! くり○りすびんびんにしていっちゃうっ! いくっ、いくっ、くり○りすいくぅっ!! おま○こいくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!」
ちゅん ちゅん
幼「──……」
幼(……うー、頭痛い。ついでに腰も……)
幼(……え? ここって)
幼(あれ!? これ男の布団!?)
幼(う、頭ががんがんする……おかしいなぁ、昨日ソファで寝たはずなのに)
幼(あー……なんか良い匂い、甘くて香ばしい、パンみたいな匂い。台所の方から……)
幼「……あ、男」
男「ん──よぉ、起きたか」
幼「朝ご飯作ってたんだ。ねえ、わたし昨日──」
幼「──あ、え、え? あれっ、何このぶかぶかのズボン。どうしてわたしこんなの履いてるのっ!?」
男「……それ、クローゼットに仕舞ってあった俺のズボン。俺が履かせたんだよ」
幼「なんで!? わたしのズボンは!?」
男「あー、アレだ、お前今結構ひどい顔と頭してるから、ちょっとシャワー浴びてこい」
幼「……」
しゃー
幼(……何気に、ズボンだけじゃなくてトランクスも穿いてたし。なぜかブラジャーも付いてなかったし)
幼(色々見られたってことじゃん! ホント、何なのっ!?)
幼(おかしいよ、そんな飲んだ覚えないのに、頭痛いし、なんか記憶も曖昧だし!)
幼(昨日は普通に楽しんで……最後の最後で悲しいことがあったから、全部どうでもよくなって寝たはずなのに!)
幼(……)
幼(……男に聞いてみようかな)
幼(何事もなかったら、早く帰ろう……)
幼「──ちょ、ちょっと待ってよ。それ、ホント?」
男「なんで覚えてねーんだよ、酔いのせいにするつもりか? っつか黙って食え、わざわざ作ってやったんだから」
幼「男の布団に潜り込んで、思いの丈をぶちまけて……!?」
幼(き、キスもして、えっ、エッチなことも……!)
幼「知らない! そんなことしてないっ!」
男「……俺だって耐えてたんだぞ!」
幼「!?」
男「お前がワガママばかり言って一人で勝手にフィーバーして、いきなりシャットダウンとかふざけんな!」
男「その後はちきれんばかりのモノを真夜中に一人虚しく搾ってた俺の気持ちも考えろ!!」
幼「……そ、それはよくわからないけど」
男「わかれ。お前のせいで寝不足なんだよ……」
幼「……」
男「……」
幼「わ、わかったよ。酔ってたとはいえ、そのことは謝る、ごめんなさい」
幼「あと、告白の件についてだけど……」
幼「……たぶんね、それは悪ふざけでもなくて、本心から出た告白なんだと思う。覚えてないからわからないけど」
幼「わたしが、男のことを好きなの……ホントだよ」
男「……そうか」
幼「それだけは覚えておいて、答えはいつでもいいから」
幼「とりあえず、今はお見合いをがんばってね」
男「いや、そのことなんだが、」
男「お前と付き合えばお見合いもなかったことになるから、普通にありだと思ってるんだよな」
幼「……」
幼「……はい?」
男「……なんだその反応。昨日、お前にも伝えたぞ」
『お前は女が出来そうにないからーって。正直不本意だけど、確かに結婚を考えなきゃいけない歳だからな』
『──あとお前のことも話題に挙がってさ、もしお前と幼ちゃんが相思相愛なら、話は早く済むしお見合いの取り付けもキャンセルできるって言われて──』
幼「……え、と、いつ?」
男「酒飲んでる時にお前が涙を流した直前の話だよ」
幼(……それって、ちょうどショック受けてた時?)
幼「あ、あはは、聞いてなかったかも」
男「……」
幼「というかっ! つ、付き合うってさ、その……」
男「お前が学生時代に散々嫌ってた『カップル』になるってことだよ」
幼「……わ、わたしが嫌ってたのはアベックだけど」
男「どっちも変わんねーよ」
幼「ねえ、いいの? わたしでいいの?」
男「まぁ、既に色々やっちまった仲だからな」
男(……俺が先輩に振られた理由は、俺が先走って手を出してしまったからだ)
男(あの時は子供だったから、と割り切れるほど俺は強くない)
男(だからずっと慎重になっていた、軽い男じゃない、軽い男じゃない、と言い聞かせて)
男(……だけど、幼は俺の全部を受け入れてくれてる)
男(コイツが言ってた言葉を借りる訳じゃないけど、どんな俺も俺なんだ)
男(もう怯える必要はない。追いかけるんだ、一緒に)
幼「色々って……でもそっか、どうせ付き合ったらいろんなことやるかもしれないもんね」
男「昨日以上の乱れっぷりはもう味わえないかもしれんが」
幼「それわたしじゃない! 昨日のわたしはわたしの形をしたナニカ!」
幼「……ってことに、しておいて」
男「そういうことにしておく」
幼「……うーん、いまいち締まらないよね。朝の食卓だからかな」
男「それもあるけど、お見合いの為に付き合う、って前提があるからだな」
幼「なるほどね。じゃあ……」
幼「不束者ですが、どうかわたしをあなたの傍に置いてくれませんか?」
男「……チェンジ」
幼「台無しだよ!? 今時のデリヘル嬢はこんな丁寧な言葉使わないよ!」
男「好きです、俺と付き合ってください」
幼「ぁ……はい、よ、喜んで」
おわり
朝まですまんかった
二年ぶりのSSにして初めての不健全展開だったよ
素股とか書こうと思ってたけどディスプレイにキモい顔が写ってたからやめた
こんな夜中に何してるんだろうな
過去作は?
後日談でイチャラブってもいいよ?
後日談という名の蛇足は好きじゃないけど、モチベ的に書けると思うから良ければ保守頼んでもいいかな
少なくとも夕方まで。落ちたらそれはそれで
>>282
メリー「わたし、メリーさんなの?」って奴
今回もあれくらいのノリで書こうとしたら色々手が滑った
幸せな二人の前に先輩の魔の手が!
幼馴染み「来ちゃった」
女「…」
__[警]
( ) ('A`)
( )Vノ )
| | | |
保守ありがとう
もう夜になってた
少し書き溜める
夕飯食いながら作業しながら書き溜めながらの投下になるので
間隔は昨日よりも格段に遅くなるよ
それでも深夜までは食い込まないと思う、というかそうしたい
しばらく経ったらゆっくり投下する
長いことありがとう
男「──お邪魔します」
幼「お、お邪魔されます」
男「……うーん、結構」
幼「?」
男「お前の部屋も人のこと言えない汚さじゃないか?」
幼「最近! 最近忙しかったから! 前はこんなんじゃなかったのっ」
男「まあ俺の部屋より明らかにマシか? もう一つだけ言葉を残すなら、そうだな」
男「質素」
幼「いやね? 女の一人暮らしってみんなこんな感じだと思うよ? あ、友は別ね」
男「それでもな。添え物程度に置かれたあのガンダムのフィギュアとか、女の部屋としてはどう考えても間違ったチョイスだろ」
幼「バカっ、ゼエ太はわたしの暗い青春時代を支えてくれた友達なんだよ!? っていうかフィギュアじゃないし、ガンプラだし!」
幼「色々と勘違いしまくりだった高校の頃のわたしが『ひょっとして女の子がガンプラやってたらカッコいいんじゃね?』とか思って初お給料の時に買ったんだよ!」
幼「完成までの作業がとんでもなく大変だったから、ゼエ太が最初で最後のガンプラになっちゃったけど!」
幼「ゼエ太を造ってから自分の家に呼んだ友達は結局友だけだったけど『あ、うん、すごいねー』って言ってくれたんだからね! ほら見てよ、ウェイブライダーに変形するんだよ。突撃ーって遊んだっけなーあはははは」
男「そこらへんに上着掛けとくぞー」
男「えーと、お茶はどこだ。お、贅沢な湯呑み、使わせてもらうか」
幼「せっかくだからバイオセンサーを再現しようと思ってピンク色の蛍光塗料も用意したんだけど、部屋が臭いそうだったからやめたんだ」
男「この頃寒いし、飲むなら温かいものに限る。なんとか茶葉……よし、これにするか」
幼「お父さんにシンナー臭いって言われて変な心配されたのもいい思い出ですよ、はい。ね、ゼエ太もその時一緒にいたもんねー?」
男「お湯、お湯はどこだろなーっと」
幼「さながらあの時のわたしはカミーユだったよ、周りの環境に不条理だと泣きつつも何だかんだでおとなしく成長していったとことかさ。これも全部ゼエ太のお陰なの」
男「おお、良い色してるな。もしかしてこの茶葉高級品か? いただきます」
幼「だからゼエ太は女の子の部屋にあるテディベアのような存在なんだよ。男よりも遙かにずっと一緒にいた仲なんだからね?」
男「……うっ、うますぎるっ!!」
幼「あっ、わたしにもお茶出してよ、ここわたしの部屋だけど……ってばかぁぁぁぁぁ!?」
男「ん、戯れ言は吐き出し終えたか?」
幼「そのお茶めちゃくちゃ高いお茶なんだよ!? まだ開封してなかったんだよ!? ちゃっかり湯呑みも良いの使ってるしぃ!」
男「やっぱりか、どうりでうまい訳だ」
幼「なに勝手に飲んどいて『うまい訳だ』とかほっこり顔してんの!? わたしも飲ませてよっ!」
男「おいこら、危ない! 火傷! 火傷するって!」
幼「わたしも飲ませてよっ!」
はい
幼「わたしも飲ませてよっ!」
俺「はい」ボロン
シコシコシコシコ ドピュ
幼「あー、あったかくておいしー」
男「人の奪わないで自分で煎れろよ……」
幼「高いものだって言わなかった? 勿体な────」
幼「……あ、あー、そういえばわたし達って、付き合ってるんだっけ」
男「何だ急に? ……あまり予定が合わなくて会えなかったから、実感はないけどな」
幼「じゃっ、じゃあ! 今更間接なんて気にするのもおかしいよねっ、ねっ」
男「間接って、間接キス? 俺は元々そういうことは気にしないぞ」
幼「だよねー。はは、恋愛経験って大事なんだなぁ……」
男「……間接キスで思い出した」
幼「なにを?」
男「前回会った時、俺がお前にキスしただろ」
幼「……あれね。別れ際にやるなんてずるいよ、初めてだったのにあんなに急で。あの後ずっと悶々としてたんだから」
男「いや俺の記憶的には初めてじゃないんだが。で、帰ってからメールしただろ」
幼「うん。……う、うん、あの、ちょっと、お腹の具合が」
男「『純潔をあんなにも軽々と奪ったお返しに、次会ったら出会い頭に不意打ちのキスをお見舞いしてやるからな! by怪盗幼ちゃん』ってメール送ってきたよな」
まーたうちの壁が俺の拳とキスするのか
幼「……そんな痛いメール送ったかな?」
男「ああ。たしか受信メールにまだ残って──」
幼「い、いい! 見せなくていい!」
男「で、どうするんだ」
幼「どうって、どうも、し、しませんけど何か?」
男「さて、神様にお祈りは済ませたか?」
幼「ゲットバッカーズ面白かったねぇ。って何に使うのその握り拳!?」
男「いーち、にーぃ、さーん」
幼「なんで腕回してるの!? フィンクスのマネするくらいなら、一思いにウボォーギンにしてよ!」
幼「いやそもそも殴られる気なんてないよ! 待って、ストップ!」
男「ああ」
幼「……あっ、あの時はさ、酔ってたし、」
男「……しーぃ、ごーぉ」
幼「まま、回さないで回さないで! これ以上破壊力上げなくていいから! っていうか……」
幼「き、キス、してほしいの……?」
男「いや、あまり」
幼「ええっ!? そっそれなのにどうして怒ってるのさ!」
男「挑発的な内容のメールを送られた上に、それを無かったことにされて尚且つ言い訳するもんだから、ここで引導を渡してやろうかと」
幼「う……ごめんなさい」
幼「……じゃあ、そのお返しとして、キスさせてよ……」
男(……別に、ただからかってただけなんだが)
男「ああ、それで許してやる」
幼「に、二度目になるのかな」
男「俺の記憶では──」
幼「だからそんなことした記憶ないんだってば。ノーカウント! それはノーカウントです!」
幼「……もー、ムードもへったくれもないよ……」
男「雰囲気作りが下手な奴だな」
幼「わたしのせいにすんなっ! ……あ、また……もう」
幼「……め、目、瞑って」
男「瞑った」
幼「……やるからね。目、開けないでね」
男「ああ」
幼「……っと」
幼「ほ、ほっぺじゃダメ?」
男「別にいいぞ、その後の保証はしないが」
幼「うぅ、ダメってことじゃんか……」
幼「……あ、うー」
男「おい童貞、まだか?」
幼「女だよっ! 心の準備してんの!」
男「はいはい」
幼(……ええと、てのひらに人って文字を三回書いて、飲む)
幼(い、意味あるのかなぁ、これ)
幼(そういえば人って文字は人と人が寄り添って出来ている──とか、どこかの先生が言ってたよね)
幼(ってことは、今わたしは一度に六人の人を食べたってことにならない? うえ、そう考えると気分悪い──)
男「……」
幼(あ、ああ! 眉間にシワが寄ってきてらっしゃる!? これいけないパターンのヤツだー!)
幼(早くしよう、早く……)
幼(いけるって、ほぼぼっちを貫いてきたわたしならいけるって!)
幼(口と口が合うだけ、口と口が合うだけ、口と口が合うだけ……!)
幼「……んっ」
ちゅ
幼「ん……」
幼(柔らかい……けど)
幼(いつ離れればいいの?)
幼(べ、別にこのままでもいいか、男から離れるでしょ)
幼(……でもちょっと、もう少しだけ)
ぎゅ
幼(男の唇を……)
幼「……」
男「……」
幼(──あれれ? は、離れないよ?)
幼(ねえ男、もう離れてもいいよ? 聞こえてる?)
幼(……わたしじゃ脳量子波は使えないか)
幼(……というか、キスってこれでいいんだっけ)
幼(舌、とか、入れるの? いやいやそれは大人の──)
幼(あ、も、もしかして男、大人のキス待ち?)
幼(む……ムリだよ、やったことないよ。“あの”わたしはやったらしいけど、恋愛初心者のわたしじゃできっこないよぉ!)
幼(でも、でもでも、大人だから、もう大人だからっ……)
幼(たしかにちんちくりんだけど、もう子供じゃないし、、大人のキスも出来ない大人なんて、)
幼(……そんな大人っ)
幼(修正してやるぅっ!)
幼「……ん、むっ」
ばきっ
幼「っ!?」
男「……んぁ?」
幼「……ぜ、ゼエ太あああああっ!」
幼「な、なんで!? どうして急に落ちたのっ!?」
幼「あああ……うあぁ、あ、頭がっ、もげてる……み、ミンチよりヒドいよぉっ」
男(……長い静寂が続いてたからタイミングが良すぎて。マズい、吹きそう)
幼「わたしがカミーユのセリフ使ったから? わたしがいけなかったの? ねえっ!」
幼「──あ──」
幼「……そうか、わたしは大人になったから、もう子供じゃないから、カミーユになりきっちゃダメなんだね」
幼「ゼエ太を……頼っちゃ、ダメなんだね」
幼「え、なに? わたしの命を吸って? うん、わかったよ……わたしは、人の意志を吸い込んで、それを自分の力に出来るもんね……」
幼「……寂しがることはなくてよ、って」
幼「寂しいに決まってるよぉっ! ゼエ太ぁぁぁぁ!!」
男(吹く! マジで吹く! やめろ笑わせるんじゃないっ!!)
男「──残念、だったな」
幼「……うん」
男「……それで、どうするんだ、その亡骸は」
幼「……頭と身体を隣同士にして、飾っておく」
男「……ぶはっ!」
幼「わっ!?」
男「くくくくっ! ~~~~~っく、ははははは!」
幼「……」
男「そんなん笑うわっ! 笑うに決まってるだろ!」
幼「んっ」
ちゅ
男「!?」
幼「……男が、男が悪いんだ、男がいつまで経っても離れないから」
男(……デジャヴ?)
幼「ゼエ太の為に、やってやる……っ!」
幼「ん、んくっ、むっ……」
男(な、舌が)
幼「っふあ、はぁ、やってやるんだから……」
男「待──」
どさっ
男「いてっ」
幼「弔い合戦だあっ」
男「落ち着け」
べし
幼「あ痛っ」
男「いきなり舌入れてきやがって、盛ってんじゃねーぞ」
幼「だって大人にならなきゃ、ゼエ太が報われないもん……」
男「大人になる、ね──」
男「わかった、俺としても早い方がいい。風呂場に行くぞ」
幼「お風呂? えっ、なんで?」
男「──おお、俺の家の風呂とは大違いだ、広い」
幼「ちょっ、説明足りない気がするんだけど」
男「お前、夕飯は?」
幼「た、食べたよ?」
男「ああ、俺も食べた。風呂は?」
幼「男が帰ってから入る予定だったけど……」
男「よし、入るぞ。俺も入ってないんだ」
幼「ばばばばバカ!? 急! 急すぎます! 説明、説明しなさいっ!」
男「……ちょっと、一緒にコンビニ行った時のことをシミュレートしてみるか」
幼「え、えっ、コンビニ?」
男「そう、あれはお前が泊まった次の日の昼に起きた出来事────」
『らっしゃいませー』
男『コンビニ弁当好きだな、お前。ってか、まだ帰らないのかよ』
幼『だっていつの間にかわたしの服洗濯されてたんだもん、乾くまで待つしかないっしょー?』
男『……まあ、俺も買いたいものがあって着いてきたんだが』
幼『んー、どれ?』
男『これ。持ってなかったから』
幼『……えーと、使うの?』
男『使わないのか?』
幼『いやいやそうじゃなくってさ!? え、待って、誰に?』
男『バカ。お前以外にいたら最低の男じゃねーか、俺』
幼『ちちち違くてっ! 今日!? 付き合ってからいきなりっ!?』
男『いや、いざという時の為に備えておこうかと』
誰か俺の下半身暴れん坊将軍をなんとかしてくれ
幼『あ……そう、そうなんだ。もぉ、びっくりしたよ』
男『今日でもいいぞ』
幼『だだ、だめっ! 最近の若者カップルじゃないんだから……!』
男『その最近の奴らよりも奥手なお前』
幼『う、うるさい』
幼『それに……そ、そういうことするなら、わたしの部屋がいい』
幼『思い出が、残る気がするから……』
男『じゃあ今度遊びに行った時に使わせてもらうか』
幼『ちがっ、そーゆー……うう』
幼『……男が、したいなら、いいけど』
男『お前はしたくないのか? あんなによがってたのに』
幼『だからあれはわたしじゃないのっ!』
幼『そっ……そりゃあ、して、みたいし、でも……うううっ』
幼『お、男が使いたい時に使えばいいよっ!』
幼「──ん、んんー、と、頭痛が痛くなってきたかも……」
男「ちょうどバスタオルもあるな。脱ぐぞー」
幼「って! それとこれとは話が違うよ!? なんで一緒にお風呂なのっ!?」
男「お前、いざという時に恥ずかしがりそうだから、慣れさせておこうかと。裸の付き合いって大事だろ?」
幼「……~~!」
男(言い返せないでやんの)
幼「……あの、じゃあ、先に入ってて。後で続けて入るから……」
男「わかった」
幼「少し、落ち着いてくるね」
幼(……ホントに? ホントにするの?)
幼(……)
幼「……」
幼「──は、入るよー」
男「おおー」
幼(わ。男の、男のハダカっ)
男「……ああ、そう来たか、タオル巻いて来るとは」
幼「だってっ」
男「それより聞きたいんだが。これ、どうやって沸かすんだ?」
幼「う、うん。これね、ここのスイッチ押して──」
幼(あ、肌が……)
男「押して?」
幼「……わたしがやるっ、ち、ちょっと複雑だから」
男「うん、そっちの方が早いな。最近のハイテク機器はまるでわからん」
幼「どうですか、お客様ー? お背中、気持ちいいですか?」
男「ああ、充分だけど。もっと強くてもいいかもなぁ」
幼「あれ、結構強く擦ってたのに。んしょ、んしょっ」
男「お前、力ねーな」
幼「くそぅ、力が欲しい……」
幼「それじゃあ流しますねー」
男「ん、結構悪くなかったな。ほれ、お前も」
幼「……ん?」
男「背中、洗ってやるから。交替」
幼「あ、あの、わたしは、そういうのいいんで、ホントいいんで」
男「なに急によそよそしくなってんだ。さっきまでお気楽だったし、もう慣れたんじゃないのかよ」
幼「洗われるってことは、タオルを取らなきゃいけないから、だから……」
男「ああ、取ってくれ」
幼「でも」
男「幼」
男「俺が、お前に対して肉欲を働かせたことがあるか?」
男(“あの時”はあったけど)
幼「……ほぼ、ないよ。すごく大事に扱ってくれてるの、わかってる」
男「今でこそ恋人だけど、俺とお前は既にその先を経験してるじゃないか」
男「幼馴染という関係を」
幼「恋人の先が、幼馴染?」
男「言い換えてみれば、幼馴染は一番近しい存在だ」
男「男女の性別関係なく昔からずっと一緒で、仲良しで……いや、高校の時は少し離れてたが」
男「それはつまり、家族同然の仲ってことなんだよ」
幼「……」
男「裸を見られるくらいで何を恥ずかしがる必要があるんだ?」
男「俺達は、もう家族だろ」
>>398
誰も高尚な文章など2chで求めていない
____
.ni 7 /ノ ヽ\ 壁に向かってしゃべってろゴミ
l^l | | l ,/) / /゚ヽ /゚ヾ\ .n
', U ! レ' / / ⌒ ⌒ \ l^l.| | /)
/ 〈 | (____人__) | | U レ'//)
ヽ\ |lr┬-l| / ノ /
/´ ̄ ̄ノ ゙=ニ二" \rニ |
幼「……男」
幼「家族が一緒にお風呂入るのは子供と親までだよ……?」
男「……」
男「……まあ、お前は子供っぽいから」
幼「いい話風に仕立て上げたくせに一瞬で説得力皆無なんですけど!?」
男「さあ脱げ脱げっ」
幼「きゃああっ!?」
男「どうだ、力はこれくらいでいいか?」
幼「……キモチーデスヨ」
男「……はあ」
男「わかった。今からお前は、んー」
男「小学生くらいの汚れを知らない妹。そんで俺は気の良い兄貴。そう考えれば恥ずかしくないだろ?」
幼「……小学生の妹をハダカにするロリコンのお兄ちゃん」
男「う」
男「気持ちいいか?」
幼「ちょうどいいよ、ロリコンのお兄ちゃん」
男「……あー、やっぱその設定はなしだ」
幼「くすっ」
幼「ヘンなおにぃちゃん」
男「……な、流すぞー」
幼「あ、待って。前の方、自分で洗いたいから」
男「そうか。ああ、そっちな」
男「じゃあ──沸いてるか。浴槽入ってるから」
幼「うん」
幼(……男って、たしかにお兄ちゃんって感じ)
ざばー
幼「うん、そろそろ入ろうかな」
男「……」
幼「男ー? そんな経ってないはずだけど、のぼせちゃった?」
男「……ん、おお、考え事」
幼「そう? 洗い終わったから代わってよ」
男「一緒に入るんじゃないのか?」
幼「はっ?」
幼「い、いやいや、流石にムリだよっ、二人分入れるほどのスペースないし」
男「あの体勢で入ればいけるだろ」
幼(……おしり、というか、せ、せなかに、男の)
男「ほら、お前ちっちゃいから」
幼「ち、ちっちゃくないし……」
はよ
幼「男は、恥ずかしくないの……?」
男「男の恥じらいは誰も得しないからな」
幼「……わたしは、やっぱり恥ずかしいよ……」
男「……はぁ」
ぎゅっ
幼「わひゃっ」
男「落ち着くか?」
幼「おっ、落ち着かないよ! なんでわたし抱っこすると落ち着く赤ちゃんみたいな扱いされてんの!?」
幼「……あのさ。男って、わたしのことさ、」
幼「……かわいいと思ってる?」
いや俺のだし
男「少しは思ってる」
幼「かわいいって言ってくれたこと、ないよ」
男「そりゃ言わん」
幼「ど、どうしてっ」
男「言う必要があるのか?」
幼「……あるよ。好きって想われてる実感がほしいもん」
男「……お前のことは大切に想ってる」
男「逆に言うと、想ってるから大切だ」
男「大切だからこそ、かわいいかわいいって連呼したくないんだよ。価値が薄れそうだから」
幼「……そういう考え方ね」
幼「……わたし、これから抱かれるんだよね」
男「だ、だいぶ直接的な表現だな。そうだけど」
幼「……わたしね、ちょっと自信ないんだ」
幼「男のせいとかじゃなくてね。わたし、女のくせに、男に向かってあまり女らしさを曝け出したことがないから……」
幼「少しだけ、不安なの」
男「……そうか」
男(“あの時”は除外して考えた方がいいのか)
幼「……ね、キス、して?」
男「ああ。でも、振り向いてくれないと」
幼「うん、そっち向くね」
むに
幼「あ……もういいもん、おっぱい押し付けてやる」
男「押し付けられるほどあるか?」
幼「ちっちゃいの、好きでしょ? ロリコンのお兄ちゃんっ」
男「もうやめろって」
幼「ふふ、ロリコンのヘンタイあにきぃ」
幼「んっ……ん」
幼「……ん、んぅ」
幼「なんかさ、二人ともハダカでさ……お湯に浸かって、こう、向かい合ってキスするのって」
幼「なんか……ドキドキしちゃうよね、いけないことしてるみたいで。ただのキスなのに」
男「……ただのキスってお前、あんだけ戸惑ってた奴が言うことか」
幼「いーのっ、あれは昔のわたし」
男「過去のお前は近未来のお前を見て卒倒するだろうな」
幼「人間は日々成長していくものなのだよ、男クン」
幼「……ん、んっ、んっ、いっぱい、ちゅーして……んんっ」
幼「お酒なんか入ってないのに。すごい、酔ってるみたい」
男(……乱れフラグ、だろうか)
幼「……あの、舌、入れますね」
男「はい、どうぞ、入れてください」
幼「ふふふっ、おかしい」
幼「……ん、ぁ、っちゅむ、んっ」
幼「んっ、んふ、ん、ちゅ……」
幼「んぁ、っふぁ……はぁ、ヘンな、気分っ……」
幼「ぁ、い、糸が引いてますね」
男「……お湯に沈んで溶けましたね」
幼「いやらしい光景ですね」
男「お前の今の表情と一緒ですよ」
幼「……っし、知らな」
男「かわいい顔だ」
幼「……」
幼「ね、もう一度、おねがい」
男「……かわいいんだ、お前が」
幼「~~~~!!」
ぎゅうう
男「こらこら、ばた足やめろ」
幼「大好きっ、男が世界で一番すきだよ!」
幼「男、お風呂出て……しよ?」
(ドンッ!
幼「──君は、誰と、キスをするぅ~」
男「……先に出たと思ったら、ベッドで転がってるバカが一名」
幼「わたし、それとも──あ、おかえりっ」
男「なんだ、寝間着に着替えて……寝るのか?」
幼「ううん、寝る訳ないよ。最近買ったから着てみたの。ピンク色でフリフリしてて、ほら、かわいくない?」
男「……少しは」
幼「かわいいって言って!」
男「はいはい、かわいいかわいい」
幼「んふふ、ふふふっ。ボタンもね、簡単に取れるし、脱ぎやすいように出来てるの」
幼「だから……ねっ」
幼「来て……?」
がばっ
幼「わっ」
男「……後悔しないな?」
幼「……うん」
幼「お酒も飲んでないし、記憶も無くならないし、かわいいって言われたし、ばっちり」
男「よし」
ちゅ
幼「ん」
幼「……一万年と二千年前から愛してる」
男「お前が考えたのか? 痛いな」
幼「ちがう! そ、そういう歌詞のアニソンがあるの!」
男「……じゃあ俺は、一億と二千年後も愛してる」
幼「知ってるじゃん、ばか……んっ、んむっ」
ぷちぷち
幼「……こうやって、脱がす時ってさ、何考えてる?」
男「無心だよ」
幼「う、うそつき。やらしいこと、考えないの?」
男「そりゃお前が考えてるだけだろ、俺に押しつけるんじゃない」
幼「考えてませんっ!」
男「まあ正直な話、これから入れるんだなー、と」
幼「入れ!? っは、ごほ! げほっ」
男「自分から聞いてきたくせに驚いてむせるとか。どうどう」
幼「馬じゃな、っごほ……あー、ふぁ…」
幼「もー、わたし病弱っ娘なんだから、優しく扱ってよ」
男「了解」
幼「ぅあ!? あっ……ん、いきなり、胸……」
男「誰がどう見ても優しく揉んでるぞ」
幼「急だし、やんっ、や、やらしいよ……」
男(何か初々しい反応だと思ったら、そうか)
男(本当に“あの時”の記憶がないんだな)
幼「んんっ、んふ、ん」
幼「ち、ちっちゃいおっぱいでも、好き……?」
男「好きだぞ、この粒のような乳首とか」
幼「ひんっ。う、うう、うー」
男「何のうなり声だよ、どうした?」
幼「……わ、わかんないけど、わかんないけどっ」
幼「そこ、泊まった日から、なぜか敏感だから……やっ、優しく、して」
男(ああ、そういや弄り倒したっけ……)
男(なら──)
幼「ひ!?」
幼「あっ、赤ちゃんじゃないんだから、もぉっ」
男(指より舌の方が優しくできるだろ)
男「赤ん坊が出来た時の為の予行演習だ、予行演習」
幼「気が早いよっ。んっ、あ、あぅ、んん」
幼「……だ、男性ってさ、ホントにおっぱい好きだよね」
男「ん?」
幼「赤ちゃんの時にお母さんのおっぱい吸ったのに、大人になってもまだこれだもん」
幼「男性はみんなマザコンだってよく言うけど、なんとなくわかった気がするよ」
男「お前だって小さい時には母乳を吸ってたんだぞ」
幼「そ、そりゃ赤ちゃんはみんなそうでしょ。今吸ってるか吸ってないかの話だよっ」
男「ということはつまり、お前もその内誰かの乳を再び吸う時が来るんだよ」
幼「それ完全に暴論じゃないの?」
男(なら──)
ヴィッペル「ひ!?」
ヴィッペル「あっ、赤ちゃんじゃないんだから、もぉっ」
男(指より舌の方が優しくできるだろ)
男「赤ん坊が出来た時の為の予行演習だ、予行演習」
ヴィッペル「気が早いよっ。んっ、あ、あぅ、んん」
ヴィッペル「……だ、男性ってさ、ホントにおっぱい好きだよね」
男「ん?」
ヴィッペル「赤ちゃんの時にお母さんのおっぱい吸ったのに、大人になってもまだこれだもん」
ヴィッペル「男性はみんなマザコンだってよく言うけど、なんとなくわかった気がするよ」
男「お前だって小さい時には母乳を吸ってたんだぞ」
ヴィッペル「そ、そりゃ赤ちゃんはみんなそうでしょ。今吸ってるか吸ってないかの話だよっ」
男「ということはつまり、お前もその内誰かの乳を再び吸う時が来るんだよ」
ヴィッペル「それ完全に暴論じゃないの?」
男「今の俺は、正確には吸ってるんじゃなくて舐めてるだけだが」
幼「どっちも同じようなモノだよ、たぶん」
男「ほう、試してみるか?」
幼「んぇ? ──うあっ」
幼「び、びりびりするぅ……だめ、それ、だめっ」
男「な?」
幼「……赤ちゃんに吸わせてあげられるかなぁ、わたし」
男「それまでに揉みまくって大きくしておくんだぞ」
幼「おっ男がやってよっ、自分でしてたら、わたしヘンタイじゃん!」
男「あれ、たまにしてるんじゃなかったか?」
幼「えっ?」
男「一人で夜な夜な俺のことを考えてしていると聞いたような覚えが」
幼「ななななななな何の話っ!? 何の話ですかねえっ!?」
男「まぁ。とりあえず下、脱がすぞ」
幼「ね、ねえ、ねえったら! どういうことっ!?」
男「お、あの時物凄い濡らしてたパンツだ」
幼「あ、あっ、“あの時”!? あの時のわたしが何か言ったのっ!?」
男「何かのご縁だな、これはまだ脱がせないでおこう」
幼「き、聞いてよぉ!」
男「うーん。そうだ、ティンときた」
幼「男──」
しゅる ぱさ
幼「──あ、なに脱」
ぎんぎん
幼「──」
男「……確かにまぁ、人前で脱ぐのは少し抵抗がある。でもパンツ一丁だ、気にするな俺」
幼「──はっ」
幼「いや、お、お風呂で見たもんっ。大丈夫、何が出てきても大丈夫……!」
男「股間に得体の知れない怪物でも飼ってるのか俺は」
男「上から触るぞ。足広げて」
幼「う、うん。やさしくね……」
幼「……ん、ん……んっ」
男(流石にあの時ほどは濡れてないな。少し水っぽい程度か)
幼「ぁ、んん……ふあっ」
男「……ここか」
幼「そ、そこもやさしくして、一番、敏感だから……」
幼「んっ、んっ、ぁ、っん」
幼「……ん、ぁっ、あっ、やだ、声っ」
幼(抑えなきゃ、抑えなきゃ……そうだ、男の……)
すりすり
男「……お」
幼「わ、わたしも、して、あげるね……」
幼(どうすればいいんだろ。撫でてるだけでいいのかな……)
すりすり
幼「……っん」
幼「撫でて、撫でられて……変な状況」
男(……もう一変化試みるか)
男「パンツ、脱がしても大丈夫か?」
幼「ん……」
幼「い、いいよ」
するっ
幼「……あう。で、電気、消してっ」
男「それじゃよく見えないだろ」
幼「見られるのが恥ずかしいのっ!」
男「問答無用」
とさっ
幼「きゃっ!?」
幼「あ……ああぁ、やっ、やだぁ、見ないで……」
男(……明るいところで見てみると、なかなか乙なものだな)
くちゅ
幼「ひゃう!」
幼「ゆっ、ゆびっ、入れないでね……」
男「ああ。お前クリ派だもんな」
幼「く……っ!?」
幼「ぅ、ぅあ、んっ……ん、ん、んっ」
男(本当にあの時とは大違いだ)
幼「……あん、あっ、そこ、ばっかぁ……!」
男(やっぱりクリ派だな。しっかり濡れてきた)
幼「ん、っく、だめ、あ、うぅ……」
幼「いや、やっ、ちょっ、と、はげしっ」
幼「や、んあ、おとこ、おとこっ、すとっ、ストップ!」
幼「ん、はっ……ばか、やさしくしてって、」
男「俺はもう止まってるぞ」
幼「……え? あれ?」
男「気づいてなかったのか? 途中からお前が腰振り始めて擦り付けてきたんだが」
幼「……そ、そんなっ、わたし、やだ……!」
幼「もうやだっ、恥ずかしい! 寝る、寝るのっ!」
男「大丈夫だって、別に引かない」
幼「……うそだっ、インランだって絶対思ってる!」
幼「よくカドに擦り付けてるんだとか、絶対思ってる!!」
男(そこまでは思ってない)
幼「うう、うぅー……」
男「……ちょっと、その性に敏感なところとか」
男「かわいくて、俺は好きだけどな」
幼「……ほ、ホントにそう思ってる?」
男「ああ、本心だよ」
幼「……わかった。でも、もういじるのはだめ」
幼「次はわたしの番だから……」
男「おお」
ごそっ
幼「────!」
男(すごい形相で絶句しとる)
幼「……お、大きい……の?」
男「俺に聞くなよ」
幼「結構……その、ぼ、ぼっき? してても、柔らかいね。これなら痛くなさそう」
男「どんな硬いものを突っ込まれると思ってたんだ?」
幼「……」
男「いつまで握ったままなんだ? 握力測定器じゃないぞ」
幼「ど、どうすればいいの?」
男「……いや、教えない。せめて痛くないように、好きにやってくれ」
幼「ぅ……がっ、がんばる」
幼「りょ、両手使います……!」
男(これは緊張のあまり、素で敬語になったな)
幼(たしか、なんだっけ、上下に擦ると気持ちいいのかな……)
幼「こ、こここ、こうですかっ!」
ぎゅっぎゅっ
男「ちょ、痛い、強くやりすぎ。優しく落ち着いてやってくれ」
幼「ごめんなさい、ごめんなさいっ。え、えっと」
しこしこ
幼「こ、これっ、これがいいですっ!?」
男(……すっげーパニクってるけど、かわいいな)
ヴィッペル「え、ここどこ……」
幼「こうして、こうやってっ」
男(流石に、まだぎこちないな)
男(だけど、なんか)
幼「だ、出すんだよねっ。出すとき言ってねっ、絶対だよ、絶対っ!」
男「いや、出さねーよ。出そうになったら止めるけど」
幼「あっ、そっ、そうですか! どこがどう気持ちいいのかぜんぜんわかんないけど、こっ、擦るねっ! いっぱい!」
男(……必死に取り繕うとして、子供みたいなこの初々しさがかわいく見えてきた)
男(既にいっぱいいっぱいだろうに)
男(……マズい、抱きたいな)
幼「ねっ、ねえ、男っ、気持ちいい? これ、気持ちいい?」
男「ああ」
幼「よ、よかった。わたしなんかで気持ちよくなってくれて、うれしいな……」
幼「……ありがとね。わたしで、ホントにありがとう……」
男「……!」
次のレス三個分くらい地の文ありだよ
あと色々注意
念のため先に言っておくと普通の終わり方
幼「……お、男?」
幼は自分が発した言葉が何を意味するのか、男にどう響くのか、これからどうなってしまうのか──
それら全てを把握していなかった。
男「……っ」
理屈はいらなかった。
彼女が好きだ、彼女を愛している、彼女と共に、
鳥籠の中にいた鳥が放たれていくように、彼女への想いが解き放たれていく。
────抱きたい。
その一心の存在が、男の理性を揺るがしていた。
男は自身の手を見た、小刻みにわなわなと震えている。
たとえるなら、まるで今にも飛びかかってきそうな猛獣。
ならば、飛びつく先はどこなのか?
男だけが知っていた。
男「……幼」
幼「……男、どうしたの?」
幼は男の状態を理解していなかった。
男の取る行動に、目を忙しなくぱちくりと動かしながら見守るだけだった。
男「……」
表情を動かさないまま、男は近くに置いてあった避妊具を手に取った。
一見当たり前の行動だったが、相変わらず手は震わせたままでいた。
手慣れた風に自身の陰茎にゴムを被せる。
それが自身の欲望と必死に戦っていることを証明する行為だなんて、誰も気づきはしないだろう。
しかし理性が味方していたのはそこまでだった。
幼「──っ!?」
男は幼を押し倒し、そそり立つそれを膣の入り口へと当て行い、
男「……すまん」
その一言だけを残し、幼の純潔を残酷なまでに貫いた。
抱く?
──いや、犯す、だな。
自問自答を終えた後に、男は苦笑した。
幼「──っ、──」
気付けば性行為は始まっていた。
ベッドの軋む音と、男女の行為を表す微かな水音、
そして、声にならない幼の声。その三つが混ざり合い、そこにある空気を踊らせていた。
幼は、声を出すことが出来なかった。
不思議と、挿入された時の痛みはまるで無かった。
度重なる出し入れによる膣への刺激もそこまで苦ではない。
ならばどうして──。
幼「──男」
今自分がどのような状態に置かれているのか、幼が理解をした時、
その声は発せられた。
幼「……ち、ちゃんと入ってる? これ」
随分と間抜けな質問は、男の理性を手繰り寄せる魔法の一言となった。
男「……は?」
幼「い、いや、急にぐいってされたからさ」
幼「びっくりして、痛いかなって思ってたけど、ぜんぜん痛くなくて」
幼「その、ぬ、抜いて、入れてっていう動作の衝撃は伝わってきてるんだけど」
幼「なんか……あ、アソコを小さい力で叩かれてるみたいで……あまり感覚が……」
男「……」
男(必死のフォローが痛い)
幼「いや、あの、はっ、初めてだよ? あっ、そっか! 初めてだから感覚が湧かないのかなっ!」
男「要するに痛くもなければ気持ちよくもない、と?」
幼「……あ、あの。わたっ、わたしだってもっとこう、か、感じるものだと……」
男「わかった。お前、ダッチワイフでも演じててくれ」
幼「ええっ、や、やだよぉ!」
男「もう勝手に腰振ってるからさ、俺……」
幼「……男、拗ねてるの? ごめんね……」
幼(ひ、一人でするとき、クリばっかりだったのが悪かったのかなぁ)
幼(……ううん、わたしも、わたしだって男と一緒に気持ちよくなりたいもん)
幼「……ん、んん、ぁっ」
男「……幼?」
幼「……お、男とね? 一緒にイきたいのっ」
幼「だから、だから……こんな、抜き差しされながら、自分でいじってる姿見て……」
幼「ひっ、引かないでね? 軽蔑……しないでね?」
男「……」
男(どこまでも、健気な奴だな……)
ちゅっ
幼「んっ、んんん、きす、もっと……んうっ、んっ」
男「っは、キスして、出し入れされて、自分でいじって、淫乱の素質があるなっ」
幼「やだっ、ちがう、もんっ……あんっ、あっ、言わっ、ないで……」
男「でも、好きだっ……そんなお前が」
幼「あ……」
幼「ありがとっ、ありがとう、ぁっ、ふぁっ……」
幼「……だいすきっ、男ぉ……」
幼「ああっ、んく、ふぁっ、ぁうっ」
幼「男っ、き、きもちいい? わたしの、なか、きもちいいっ?」
男「ああっ。ぬるぬるしててとろとろしてて……すごく!」
幼「ふふっ、男、かわいいっ……えっちな、顔、してる……」
男「……お前、もな!」
幼「きゃうっ、ひぁ、んはっ、ぃあっ」
男(……そろそろ出そうだ)
幼「んあっ、おちん……ん、めっ、だめ……あ、そこっ、こするのぉ、きもちっ、きもちいいのっ……!」
幼「つかれるのっ、いいの、すき、すきぃ……おくっ、ついて、もっと……」
男「っく、もう……え? は? ……今なんて?」
幼「んっ、んく、いっ、いつもと、ちがうの、きちゃっ、きちゃう……!」
男「ま、まあいいか。出すぞっ」
幼「あっ、だめっ、だめだめ、はげしっ、はげしいの……こっ、こわいの、きちゃうっ、い、いくっ、とんじゃう……っ」
幼「ん、いっ──くぅぅぅぅっ!?」
どぷっ
幼「──わっ、うわー……これ、本物の精子?」
男「……片栗粉にでも見えるか?」
幼「ゴムってすごいんだねー、いっぱい入ってるよ」
男「それよりお前、最後の方、突かれて感じてただろ」
幼「え……わ、わかんない。いつものとは違う気持ちよさだったけど」
幼「……途中で、順応できたのかな?」
男「……そこまでは知らんが」
幼「でも、なんかね、すごい満たされてる感じ」
幼「しあわせで、気持ちよくってね……あ、あと」
幼「最初は、ゴム付けないで入れて欲しかったな……」
男「……それは、マジですまないと思ってる。申し訳ない。せめてゴムを付けようと必死になってたんだ」
幼「んーん、いいの、そこまで謝らなくても」
幼「次があるから……また、抱いてね?」
男「……よし、まだ出るな」
幼「……へっ!?」
────また、何気ない休みが訪れた。
あいつは今、何をしているのだろうか? 最近はそんなことばかり考えている。
この頃、あいつとの電話やメールを待ち望みにしている自分がいて、何だか情けなく思う。
やることもなかったので、久しぶりにツイッターを覗いてみることにした。
更新されている。さぼっていた誰かさんのツイートだ。
「久々につぶやいてみる。たまにアップしてたあのゼエ太がお亡くなりになりました。」約1ヶ月前
「その代わりにこちら、新しい友人のだぶるゼエ太を買いました。ゼエ太と違ってメタボです。」約1ヶ月前
「悲しいです、スリムだったあのゼエ太が好きだったのに。非常に悲しいことです。」約1ヶ月前
「だけど、その分嬉しいことがありました。それはね……」約1ヶ月前
「彼氏の家に向かってる途中なう」20分前
インターホンが鳴っている。────来客だ。
「……えへ、来ちゃった」
おわる
結局深夜になって申し訳なかったと言わざるを得ない
でも、色々ありがとう
あとメリーさんのSS読んでくれたって方もありがとう
話纏まらないの仕様ですまんこ
幼馴染可愛いな
どうして俺の幼馴染はこんな風にデレてくれないのか
>>543
幼馴染が画面から出てこなくて大変だな
落としていいのにね
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