唯「僕が僕であるために」 (4)

何が正しくて、間違っているのか。
そんなことは本当はどうでも良かったのかもしれない。
どこに本当の答えがあるのか。
そんなものは、初めからないとわかっていたのかもしれない。

救いを求めても、そんな物がどこかにあるとは思えなかったし、僕自身誰かを救うことなんて出来なかったし、考えれば考える程何もかもが偽物に思えてきて、あるかどうかもわからない答えに、僕の居場所を求めた。

時には誰かに期待することもあった。
けど、その誰かにもそれぞれ色んな生活があって、ほんの少しでも僕のことを見てくれていないと感じると途端に孤独を感じた。
そのことに気付いてほしいがあまり僕は、せっかく救おうとしてくれているその誰かを傷つけ、そのことに罪の意識を感じるようになった。
傷付けると、その人は離れていく。
また、誰かに救いを求める。
その度に僕は、傷付けて、罪の意識は重なって行った。

僕は、何がしたかったんだろう。
何が正しくて、何が間違っていて、どこに真実があったんだろう。

僕は、勝てたんだろうか。

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僕の目の前が暗くなってからどれくらいが経つんだろう。
どこにいるのか、何をしているのかもわからなくなって、ただ永久に続くのではと思える、微睡みのような穏やかさ、歯痒さに包まれてからどれくらいが経つのだろう。

思い起こせばそこには風景が広がるけど、何も考えずにいるとここは暗くて、目を閉じているのか開けているのかもわからない。
何かに横たわっているのか、ふわふわと浮かんでいるのか、宙に浮いたこともないのに、どちらか判別がつかないのはどうしてだろう。

妙に安らかで、落ち着いているのはどうしてだろう。
僕には、何かやり残したことはなかったっけな。
僕はずっと、何かを探していたような気がするんだけどな。

朝が来なければいいと、願う夜ばかりだった。
このままずっと一人、柔らかなベッドの上にいられればと思っていた。
けど、どうしてだろう。
二度と僕に朝なんてこない。
いざ、そんな状況が訪れてみれば、どうだろう。

何かやり残したこと、あるはずなんだけどなあ。
あれを手に入れればこれが足りないって、本当に、僕はわがままだ。
ずっと、こんなことをここで考え続けるのかな。

…………

憂「お姉ちゃん!もう朝だよ!朝ごはん食べないと~」

唯「うぅ……あと5分……」

憂「ダメ!お姉ちゃんそんなこと言っていつも起きないんだもん!」

唯「うぇぇ……しょこをなんとかぁ~……すーっすーっ」

憂「あー!言ってるそばからもうー!お姉ちゃんー!!」

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