ヤミ「およげたいやくんを知っていますか?」芽亜「あれ泳ぐの!?」 (76)

たい焼き屋

「はい、どうぞ。いつもありがとね」

ヤミ「いえ」

ヤミ「……」パクッ

<まいにち まいにち ぼくらは てっぱんの~♪

ヤミ「……」

<うえで やかれて いやになっちゃうよ~♪

ヤミ「……あの」

「なんだい?」

ヤミ「この歌はなんですか? 初めて聞きます」

「ああ……。とあるたいやきの一生を歌ったものなんだよ。名曲なんだけど切なくて年を取ると泣けてくるね」

ヤミ「たいやきの……!?」

<あるあさ ぼくは みせのおじさんと~♪ けんかして うみに にげこんだのさ~♪

スレタイが「たいやくん」になってた
「たいやきくん」で

ヤミ「……」

ヤミ(急にたいやきが不味くなってきましたね)

芽亜「あ、ヤミお姉ちゃん」

ヤミ「黒咲芽亜……」

芽亜「またたいやき食べてる。わたしにもちょーだいっ」

ヤミ「どうぞ」

芽亜「あれ? いいの?」

ヤミ「今は食欲がありませんので」

芽亜「なんで買ったの?」

ヤミ「……それでは」

芽亜「いただきまーす」

ヤミ「まだまだ知らないことがありますね。本を読み、研鑽は積んでいるつもりでしたが」

芽亜「おいしー。ヤミお姉ちゃん、どこいくのー?」

ヤミ「付いて来ないでください」

芽亜「はぁーい」

ショップ

ヤミ「……」

唯「あら、ヤミさん?」

ヤミ「どうも」

唯「どうしたのこんなところで」

ヤミ「探している曲がありまして」

唯「ヤミさんも歌とか聴くのね」

ヤミ「おかしいですか?」

唯「そ、そういうことじゃなくて」

ヤミ「気になる歌は聴きます」

唯「やっぱりルンさんの曲とか?」

ヤミ「いえ」

唯「何を探してるの? ついでだから一緒に探してあげるわ」

ヤミ「たいやきの歌を探しています」

唯「たいやきっていうと……」

唯「えーと……あれってアニメソングになるのかしら……」

ヤミ「……」

唯「でも、古い歌に興味を持つなんて、何かあったの?」

ヤミ「色々と気になることがありまして」

唯「気になること?」

ヤミ「はい」

唯「多分、このあたりに……。それってどんなこと?」

ヤミ「貴女に話しても詮無きことですから」

唯「それもそうね」

ヤミ「……」

唯「あった。はい、どうぞ」

ヤミ「ありがとうございます」

唯「それじゃ、私はいくわね」

ヤミ「貴女の買い物はよかったのですか?」

唯「あー。うん。また今度でいいから」

ルナティーク号 船内

ヤミ「……」

<はじめて およいだ うみのそこ~♪ とっても きもちが いいもんだ~♪

ヤミ「……」

芽亜「何この歌、くらっ」

ネメシス「根暗が訊きそうだな」

芽亜「マスター、ヤミお姉ちゃんが落ち込んじゃいますよ?」

ネメシス「ああ、すまない。つい口から本音が」

ヤミ「……!」バンッ!!

芽亜「ひっ」

ネメシス「どうした?」

ヤミ「出て行ってください」

ネメシス「つれないな。遊びにきてやったのに」

ヤミ「……」

芽亜「仲良くしよーよ。ね? 年末だし」

ヤミ「何が目的です?」

ネメシス「下僕の家を追い出されてな。暇だからメアのところに行ったんだが、こいつはこいつでお前のところへ行きたいと言い出して」

ヤミ「メア……」

芽亜「まいにちまいにち~ぼくらはてっぱんにょぉー」

ヤミ「……もういいです。貴方たちと争っても無駄な被害を被るだけですから」

ネメシス「賢い選択だ。さぁ、食事はまだか? 風呂の用意も忘れるでないぞ」

ヤミ「歌を聴いているので、邪魔だけはしないでください」

<おなかの アンコが おもいけど~

芽亜「お腹とアソコが重いだなんてっ」

ネメシス「お、生理か?」

ヤミ「……っ」シャキン

ネメシス「怒るな。場を和ませようとしただけではないか」

芽亜「そうだよ、ヤミお姉ちゃんっ」

ヤミ「黙っていてください」

ネメシス「そうもいかない。どうしてこんな歌を聴いているのか、興味が沸いた。遠慮するな、話してみろ」

ヤミ「話すことはありません」

芽亜「おねーちゃーん、はーなーしーてー」ギュゥゥ

ネメシス「私もしりたいぞー」

ヤミ「……歌詞カードを見ればわかります」

芽亜「歌詞カードですって、マスター」

ネメシス「どれどれ?」

ヤミ(この二人は何を考えているのか……)

芽亜「たいやきって泳ぐの!? すてきっ!!」

ネメシス「あれは菓子ではなかったのか」

ヤミ「もういいでしょう。帰ってください」

芽亜「えー? 外、さむいよぉ?」

ヤミ「聞こえなかったのですか?」

芽亜「こわっ」

ネメシス「やれやれ。わかったよ。そのつまらん歌を一緒に聴いてやる。それでいいだろう?」

ヤミ「大人しくしていてください」

<おじさん つばを のみこんで~ ぼくを うまそに たべたのさ~

ヤミ「……」

<まいにち まいにち ぼくらは てっぱんの~

ネメシス「リピートは厳しいな」ピッ

ヤミ「何を勝手に」

ネメシス「お前はたいやきの一生に何を見出すつもりでいる?」

ヤミ「……」

芽亜「ヤミお姉ちゃん!! ねえねえ!!」

ヤミ「なんですか?」

芽亜「たいやきって泳ぐの!? 泳ぐんだよね!?」

ヤミ「ええ。この歌はとあるたいやきの一生を歌ったものだと教わりましたから」

芽亜「わぁぁ!! すごーい!! ステキー!! あれって泳ぐんだぁー!!」

ネメシス「……その話は本当なのか?」

ヤミ「信頼の置ける人物から聞いた話ですから間違いないです」

芽亜「マスター!! 釣りにいけばたいやきが釣れるかも!!」

ネメシス「はっはっは。たいやきを海で釣るのか」

芽亜「こうやって、能力を使えば釣竿ぐらいは……ほらっ」

ネメシス「私は下僕の竿でも使わせてもらおうかな」

芽亜「いいですねー」

ネメシス「だろ?」

ヤミ「えっちぃ話ですか?」

ネメシス「よく分かったな」

ヤミ「くっ……」

芽亜「でも、どの海に行けばいいのかなぁ」

ネメシス「この歌の主人公はどうやら異端児のようだしな。多くはないはずだ」

芽亜「なら、難しいかなぁ」

ネメシス「悲観することはない。私に任せておけ」

芽亜「おぉー。さっすが、マスター」

ヤミ「何か策でもあるのですか?」

ネメシス「ふふ、勿論だ」

結城家 リトの部屋

リト「すぅ……すぅ……」

リト「ん……? なんだ……この感触……? また、モモか……?」モミモミ

ネメシス「よっ。相変わらず揉み慣れているな」

リト「おぉ!?」プニッ

芽亜「あんっ。だいたん」

リト「わぁぁ!!!」

ネメシス「大声を出すな。同居者が目を覚ますだろう」

リト「な、なんだよ。お前ら……」

ネメシス「ヤミのことだが」

リト「ヤミがどうした?」

ネメシス「あいつにたいやきを与え、餌付けしたのは下僕、お前だな?」

リト「そうだけど……?」

ネメシス「では、たいやきにも詳しいはずだな?」

芽亜「どうなんですか? せんぱぁい」

リト「詳しいかって言われても……。歴史なんてよく知らないぞ」

芽亜「なら、たいやきが泳いでいたことは知ってます?」

リト「え? それって歌であった……」

芽亜「そう! それです!!」

リト「あれはただの歌だからな」

芽亜「え!? 実話って聞きましたけど!?」

リト「たいやきが泳ぐわけないだろ」

芽亜「そ、そんなぁ……」

リト「なんだよ」

ネメシス「まぁ、そんなことだろうとは思った。ならば、たいやきを泳がせろ」

リト「は?」

ネメシス「主が泳がせろと言ったなら、下僕は泳がせるものだ」

リト「何が目的なんだよ!?」

ネメシス「ヤミのために決まっているだろう?」

リト「ヤミの……?」

芽亜「ヤミお姉ちゃん、たいやきは泳ぐって思ってるみたいで」

リト「ヤミはそんなに幼稚じゃないだろ?」

ネメシス「それがなぁ、過去に海をおよいだたいやきは実在したというのは信じているみたいだぞ」

リト「そんなバカな」

ネメシス「疑うなら聞いてみればいい。ただ、ヤミの夢を壊すことになるだろうけどな」

リト「……」

芽亜「マスター、せんぱいに言っても仕方ないような」

ネメシス「いや。意味はある。ララ姫を動かすにはこの男を利用するのが一番手っ取り早いからな」

芽亜「なるほどー」

リト「ララの発明品は危険なモノも多いんだ」

ネメシス「そんなことは知らん。――では、伝えたぞ、下僕。期限は二日後だ。いいな」

リト「ま、まて!!」

芽亜「よろしくおねがいしまぁーす」

リト「な、なんで!?」

ネメシス「ヤミのため。下僕が奮起するにはそれで十分のはずだろ? やれ」

翌日 ララの部屋

リト「――ってわけなんだけど」

ララ「うんっ。いいよー。なんだか面白そう」

リト「本当にヤミがそんなことを信じているっていうのが、信じられないけどな」

ララ「そうかなー? ヤミちゃんってほら、素直だから」

リト「素直……?」

ペケ「しかし、リト殿も相変わらず人が良いといいますか」

リト「ヤミが絡んでることなら気にするなってほうが無理だからな」

ペケ「そうですか」

ララ「リトのいいところだよねー」

ペケ「良くも悪くもといったところでしょうが」

リト「とにかくララ、頼めるなら頼む」

ララ「任せて。ところでさぁ、リト?」

リト「どうした?」

ララ「たいやきって実際のタイを焼いてたってことでいいの? お魚って焼くと真っ黒になるだけと思ってたけど、違うんだねー」

たい焼き屋

ヤミ「……」

「今日もサービスしとくよ」

ヤミ「あの。たいやきと喧嘩をしたことは?」

「え? それはしょっちゅうだよ。上手く焼けないときなんてときにだ」

ヤミ「それでたいやきが逃げ出すこともあると?」

「いやぁ。実際、逃げたくなるのは俺のほうだな。こいつらは黙って焼かれ続けるだけさ」

ヤミ「……」

「はい、どうぞ」

ヤミ「ありがとうございます」

ヤミ「……」

ヤミ「はむっ」パクッ

ヤミ「……」

芽亜「ヤミおねーちゃんっ。また食べてるね」

ヤミ「欲しいのなら、あげます」

芽亜「いいのー? やったぁ」

ヤミ「……」

芽亜「おいしー」

ヤミ「メアは……」

芽亜「なにぃ?」

ヤミ「いえ……なんでもありません」

芽亜「あ、そうそう。マスターがね、たいやきが泳ぐところすぐに見られるって」

ヤミ「え!?」

芽亜「ふふふ。楽しみ?」

ヤミ「いえ、別に」

芽亜「わたしはすっごく楽しみだけど」

ヤミ「それはよかったですね」

芽亜「一緒にたいやき釣ろうね、ヤミお姉ちゃんっ」

ヤミ「メアだけで楽しんでください。私は泳ぐたいやきになど興味はありませんから」

芽亜「えー? こんなにたいやき好きなのに?」

ヤミ「それとこれとは話が違います」

ネメシス「――そうかな?」

ヤミ「……」

芽亜「マスター!!」

ネメシス「駄菓子が生きている様を見るのは、非常に興味深いはずだ」

ヤミ「何がいいたいのです」

ネメシス「食われるだけの運命にあるものがどのようにもがくのか、直に見てみたいものだ」

ヤミ「……」

ネメシス「怖い顔をするな。他意はない」

芽亜「たいやきだけに!」

ネメシス「はっはっは。うまいな、メア。座布団をやろう」

芽亜「ごっつぁんです」

ヤミ「色々、違います」

芽亜「マスターにはそう教わったけど……」

ネメシス「俗世はどうして中々奥が深い。私もまだまだだな」

ヤミ「話はそれだけですか」

ネメシス「自惚れるな。最初から話題を提供する気など更々ない」

ヤミ「そうですか。それは良かったです。無駄話に付き合わなくて済みますから」

ネメシス「無駄話か。言われているぞ、メア」

芽亜「えぇー? ひどーい」

ヤミ「もう付きまとわないでください」

ネメシス「それは無茶な話だな。この街は狭い。どこかでまた顔を合わせることになる」

芽亜「会えなくてもお姉ちゃんの家に行っちゃうけど」

ネメシス「年末だしな」

芽亜「そうそう」

ヤミ「大迷惑です」

ネメシス「ヤミ」

ヤミ「……なんですか?」

ネメシス「明日は朝5時に駅前にこい。一緒に釣りに行くぞ」

ヤミ「……知りません」

御門邸

御門「それで一緒に初詣ぐらいはいくの?」

ティアーユ「初詣って、この国のイベントだったかしら」

御門「家族で行くのが普通みたいね」

ティアーユ「なら、まだ無理よ。そんなことできないわ」

御門「どうして?」

ティアーユ「あの子だって急に近づいたら驚くと思うし」

御門「そう……」

ティアーユ「それにね、あの子の周りには良い子がたくさんいるし……」

御門「でも、油断していると食べられるかも」

ティアーユ「た、たべ……!?」

お静「御門先生、お電話です」

御門「誰から?」

お静「リトさんからです」

御門「あら、珍しいわね」

結城家

リト「突然、すいません。結城ですけど」

御門『なにかったの?』

リト「ああ、その、ティアーユ先生の連絡先を教えてもらえないですか」

御門『隅に置けないわね、結城くんも』

リト「そ、そういうことじゃなくて!!」

御門『本人が傍に居るけど、それでも連絡先を知りたい?』

リト「え? そ、それなら代わって下さい」

御門『わかったわ。少し待っててね』

ティアーユ『――お電話代わりました』

リト「よかった。先生、あのですね」

ティアーユ『あ、あの……結城くん……』

リト「な、なんですか?」

ティアーユ『私たち……先生と生徒の関係だから……あの……うれしいけど……ダメ……。で、でも……ヤミちゃんのこともあるし……す、すこしぐらいは……』

リト「御門先生に何言われたんですか!?」

ティアーユ『マスターネメシスとメアちゃんが……』

リト「はい。メアはともかく、あのネメシスも一緒だと少し心配で。前にも色々あったみたいだから」

ティアーユ『そうね……』

リト「先生は何か知りませんか? ヤミから何かを聞いたとかでもいいんですけど」

ティアーユ『いえ、何も。連絡を密に取っているわけでもないから』

リト「そうですか」

ティアーユ『ごめんなさい、結城くん』

リト「いえ、そんな。気にしないでください」

ティアーユ『……結城くん、ヤミちゃんのことお願いできる?』

リト「先生……」

ティアーユ『私はまだ、何をしたらいいのか、あの子に何ができるのかわからないから……』

リト「……また連絡します」

ティアーユ『え?』

リト「連絡先、教えてください」

ティアーユ『そ、そんな……でも……あの……先生と生徒の関係で……で、でも……結城くんになら……お、教えても……』

ララ「リトー!! できたよー!!」

リト「おっ。早かったな」

ララ「名づけて!!! およげーたいやきくん!!!」

リト「よし、早速ヤミのところに行くか」

ララ「ヤミちゃん?」

リト「ララ、連絡取れないのか?」

ララ「ヤミちゃんって通信機持ってるはずなんだけど、あまり使ってないみたいで」

ペケ「金色の闇という立場もありますからね。通信手段は限られているかと」

ララ「それもそっか」

リト「だったら、ヤミの行きそうな場所を探すしかないか」

ララ「でも、これメアちゃんに渡したほうがいいんじゃない?」

リト「その前にヤミと話しておきたいんだ」

ララ「何を?」

リト「たいやきのこと」

ララ「たいやき……?」

図書館

ヤミ「……なんですか?」

リト「気づくの早いな」

ララ「やっほー。ヤミちゃんっ」

ヤミ「プリンセスも一緒ですか」

リト「ヤミ。昨日、メアかネメシスと話したか?」

ヤミ「何故それを貴方が……」

リト「メアから聞いたんだ」

ヤミ「そうですか。盗聴でもされているのかと勘繰ってしまいました」

リト「そんなことするわけないだろ」

ヤミ「どうだが」

ララ「ヤミちゃん、たいやきって泳ぐの?」

ヤミ「海の底を泳いだたいやきがあることは間違いないそうです」

ララ「す、すごい!!」

リト(本当に信じてたのか……)

ヤミ「しかし、そのたいやきは最後に分かっていても逃れられない運命を受け入れたようですね」

リト「え?」

ヤミ「……なんでもありません」

リト「なぁ、ヤミ。その泳ぐたいやき、見てみたいか?」

ヤミ「……別に」

リト(間があったな)

ララ「えぇー、折角つくっ――」

リト「しーっ。図書館では静かに」グッ

ララ「むぐぅ」

ヤミ「仲が良いですね……。それでは失礼します」

リト「ヤミ。たいやきは泳ぐぞ」

ヤミ「え……」

リト「あれだけいるんだ。一人ぐらい海を目指して家出するたいやきもいるはずだ」

ヤミ「そうなのですか?」

リト「まぁ、多分な」

ヤミ「曖昧な答えですね」

リト「みんながみんな、同じ考えじゃないってことだよ」

ヤミ「……」

ララ「ヤミちゃん、メアちゃんと泳ぐたいやきを見に行く約束とかしてないの?」

ヤミ「……釣りにいこうと誘われはしましたが」

リト「釣りか……」

ララ「いけるよ!! バンバンつれちゃうよ!!」

ヤミ「プリンセスは泳いでいるたいやきを見たことがあるのですか?」

ララ「ないけど、ヤミちゃんなら釣れるとおもうなー」

ヤミ「その根拠は?」

ララ「んー。ヤミちゃんが可愛いから、とか?」

ヤミ「……もういいです」

ララ「あー、ヤミちゃーん」

リト「……ララ、行こう。この機械をメアに渡さないと」

ララ「う、うん」

芽亜宅

芽亜「これがそうなんですかぁー!?」

ララ「たいやきに向けて使えば、たいやきが泳ぐようになるよ」

芽亜「すごーい。素敵っ」

ネメシス「わざわざ届けに来なくとも、私が行ってやったのに」

リト「そうするとモモが怒るだろ」

ネメシス「昨晩のように上手くやる」

リト「あれはたまたま上手くいっただけだ」

芽亜「早速試してみたい! マスター、いいですか!?」

ネメシス「明日までの我慢だ」

芽亜「ざんねんっ」

ネメシス「助かったぞ、ララ姫と我が下僕。これでヤミも喜んでくれるはずだ」

リト「ネメシス。明日釣りに行くそうだな」

ネメシス「ああ。海の底で泳ぐたいやきを釣りにな」

リト「俺とララも一緒でいいか?」

芽亜「えー!? ホントですかぁ?」

ネメシス「理由は?」

リト「そっちの頼みは聞いてやったんだから、いいだろ」

ララ「私もいきたーい!!」

芽亜「マスター、いいですよね?」

ネメシス「まぁ、よかろう。二人なら歓迎だ」

リト「ありがとう」

ネメシス「ヤミの奴も食いつくだろうしな」

ララ「よーし!! 私も頑張っていっぱいつろーっと」

ネメシス「ならば、大量にたいやきを購入しないとな。大漁にはならない」

リト「……」

ネメシス「良い度胸だ」グイッ

リト「な、なにが!?」

ネメシス「下僕のくせに私の発言を無視するとはな。」

リト「み、みえてるから……お前……下着ぐらい……つけ……」



ヤミ「……」

芽亜「おねーちゃん」

ヤミ「なんですか?」

芽亜「明日、5時だよ?」

ヤミ「知りません」

芽亜「いいの?」

ヤミ「どういう意味ですか?」

ネメシス「――結城リト、それとララ姫も一緒だ」

ヤミ「……」

ネメシス「拒む理由などないだろう?」

ヤミ「拒む理由しかありません」

芽亜「絶対にきてね!」

ネメシス「釣り人の朝は早いぞ。もう寝ろ」

ヤミ「何を勝手な……!!」

翌日 駅前

ヤミ「……」

リト「ヤミー!!」

ヤミ「ゆ、結城リト……」

リト「悪い、待たせたか?」

ヤミ「いえ」

ララ「ごめーん、ヤミちゃーん!!」

ヤミ「プリンセス」

ララ「釣竿のデザインがいまいち決まらなくて」

リト「だから、別にこういうのはテキトーでいいっていっただろ」

ララ「でもでも、可愛いほうがいいでしょ?」

リト「釣竿に可愛さなんていらないって」

ララ「いるよー!! ね、ヤミちゃん?」

ヤミ「私に聞かれても……」

リト「うーん。まだ着てないみたいだな……」

ヤミ「あと5分待ってこないのならば、帰ります」

ララ「えー? まだ約束の20分前だよぉ?」

ヤミ「……」

リト「ネメシスとメアは絶対に来るよ。来ないわけがない」

ヤミ「それはそうですが……」

ララ「たいやき、いーっぱい釣ろうね!」

ヤミ「……本当につれるのですか?」

リト「ララが言うんだから、信じられるだろ?」

ヤミ「……美柑の言うことなら殊更よかったですが」

リト「美柑も誘ったほうが良かったかな」

ヤミ「いえ。集うモノに問題が多いですから、美柑は居ないほうがいいでしょう」

ネメシス「――随分ないわれようだな。悲しくなるぞ」

ヤミ「……!」

ネメシス「くくく……。30分も待たされては愚痴の一つも溢したくなるか?」

ヤミ「ち、違います。私は今、来たところです」

リト「ヤミ……」

ヤミ「違いますっ」シャキン

リト「わ、わかったから……」

ヤミ「ネメシス……」

ネメシス「メアが遅いな……。下僕、ちょっとそこの角まで見てきてくれないか?」

リト「え? そこの角って……」

ララ「リトー、気をつけてねー」

リト「気をつけるもなにも――」

芽亜「ちこくちこくー!!」ダダダッ

リト「え?」

芽亜「どーんっ」ドガッ

リト「ぐわぁ!?」

ララ「リトー!?」

ネメシス「おー。これが噂によく聞く食パン咥えた美少女と角でぶつかるという奴だな」

ヤミ「何をくだらないことを……」

ネメシス「下らない? 今、下らないと言ったか?」

ヤミ「ええ。言いましたけど」

ネメシス「その下らない甘いエサに食いつき続けている者はどこのどいつだろうな」

ヤミ「……」

ネメシス「私には今見た光景とお前が甘受し続けている日常に違いなどないように見えるがな」

ヤミ「そんなことは……」

リト「いつつ……」

芽亜「うぅぅ……」

ララ「リト!! 大丈夫!?」

リト「あ、ああ」

ララ「メアちゃんも怪我はない?」

芽亜「はーい。ごめんなさい、せんぱい。焦っちゃって」

リト「絶対にわざとだろ!!」

芽亜「バレちゃいました? マスターが死ぬまでに一度でいいから生で見たいって言ってて仕方なくなんですよ。ゴメンなさい」

ヤミ「……」

駅 ホーム

ネメシス「手を上げれば電車というのは止まるのだろう?」

リト「タクシーじゃないって!!」

芽亜「ララせんぱい。何か飲みませんかぁ?」

ララ「私、持ってきてるよ。これ飲もうよ」

芽亜「いいんですかぁ? やったぁ」

ララ「ヤミちゃんもどう? これね美柑が早起きして作ってくれたんだ」

ヤミ「美柑が……」

リト「ああ。温まるぞ」

ヤミ「いただきます」

ララ「どーぞ」

ヤミ「……おいしいです」

ネメシス「……お! きたな。ここだ、ここだ。とまれー」ブンブン

リト「やめろ!! 恥ずかしいだろ!!」

ネメシス「下僕が恥じるのを見て、私が興奮する。何も問題はない。間違いなくWin-Winだ」

電車内

芽亜「まだ真っ暗だねー、ヤミお姉ちゃん」

ヤミ「そうですね」

芽亜「たのしい?」

ヤミ「……」

芽亜「わたしはたのしいなぁ。みんなで遊ぶのって素敵っ」

ヤミ「そうですか」

リト「……はぁ」

ララ「大丈夫だよ、リト」

リト「あ、悪い。つい……」

ララ「ほら、私たちは楽しもうよ!」

リト「そうだな」

ネメシス「ふふふ」

リト「なんだよ」

ネメシス「いや。私としてはお前たちが普段通りにしてくれているほうがありがたいのでな。自然と笑みも零れる」

海岸 釣り場

ララ「ついたー!!」テテテッ

芽亜「釣りだー!!」テテテッ

リト「おい! 気をつけろよー!」

ララ「はぁーい!!」

芽亜「わぁーい!!」

ヤミ「プリンセスもメアももう少し落ち着きというものが必要ですね」

リト「あれは治らないだろうなぁ」

ネメシス「同感だ」

リト「さ、俺たちもいくか」

ヤミ「結城リト。本当に泳いでいるのですか、たいやきが」

リト「たぶん」

ヤミ「……あやしいですね」

ネメシス「今からわかることだ。せっつくこともないだろうに」

ヤミ「貴女に聞いてはいません」

芽亜「よし、ここはトランスで」チャポン

リト「メア!? なにしてんだ!?」

芽亜「どうですか? 素敵だと思いませんか?」

リト「髪の毛で釣りをしてるようにしか見えないって」

ララ「えーいっ」シュッ

ペケ「見事です、ララ様」

ララ「昨日、深夜のテレビでこんなことしてる人を見たの!」

リト「ほら、ヤミも竿を」

ヤミ「はい」

リト「ネメシスは――」

ネメシス「ふふ。私は下僕の竿を使わせてもらう」スリスリ

リト「おわぁぁぁ!? ど、どこさわってんだぁ!!!」

ネメシス「竿だが? しかし、硬度が足りないな。もっと硬くないと、釣れるものもつれないぞ?」

リト「やめろぉ!!!」

ヤミ「……えっちぃのはきらいです」シャキン

リト「いてぇ……」

ララ「リト、大丈夫?」

ヤミ「ふんっ」

ネメシス「居心地がよさそうだな」

ヤミ「……」

ネメシス「ああ。返事は期待していない。無視していろ。ただ、私が勝手に喋るだけだからな」

ヤミ「なんですか」

ネメシス「まいにち、まいにち、ぼくらはてっぱんの~、うえでやかれて、いやになっちゃうよ~」

ヤミ「……」

ネメシス「まいにち、まいにち、たのしいことばかり~、なんぱせんがぼくのすみかさ~」

ヤミ「やめてください」

ネメシス「どんなに、どんなに、もがいても~、ハリがのどから、とれないよ~」

ヤミ「……っ」シャキン

ネメシス「たいやきの歌はいいな。まるで誰かの現状を謡っているようだな」

ヤミ「……」

ネメシス「そして最終的には自分が何であるかを認め、食われる」

ヤミ「……」

ネメシス「結局は逃げられない。自分自身からはな」

ヤミ「ちが……」

リト「ネメシス」

ネメシス「なんだ、下僕。主を気安く呼ぶな」

リト「それが言いたかったのか?」

ネメシス「別に」

リト「ヤミ、気にすることは――」

芽亜「つれたぁー!!」

ララ「ホントー!?」

ネメシス「何がつれた?」

芽亜「たいやきっ!! たいやきですよ、マスター!!」

ネメシス「そうかぁ。やはり釣れたか。役目から逃げ出せても一時的な快楽でしかない、ということが証明されたな」

ヤミ「この……!!」

ネメシス「いい殺気だ。そのままいけばダークネスも――」

ヤミ「ネメシス……!!」

リト「待て、ヤミ」

ヤミ「結城リト……?」

リト「ネメシス、ヤミを歌の主人公と一緒にしないでくれ」

ネメシス「なんだと?」

ララ「これどうするの?」

芽亜「え? 食べるんじゃないんですか?」

ララ「放してあげたほうがいいよ。ね、ヤミちゃん?」

ヤミ「え……?」

芽亜「えー? 折角、釣ったのに?」

ララ「うんっ」

芽亜「マスター、どうしたらいいですかー?」

ネメシス「……下僕」

リト「釣り上げた人によっては、こういうことだってあるんだ」

ララ「ヤミちゃん、ヤミちゃん!! ほらほら、いっぱい泳いでるよ!! 今なら沢山釣れるかもー!!」

ヤミ「プリンセス……」

ララ「たいやきの群れだよー」

芽亜「わぁ、なんか気持ち悪いですねー」

ヤミ「……」

ネメシス「それで救済になると思っているのか?」

リト「少なくともヤミは歌と同じ結末にはならない」

ネメシス「ほう?」

リト「ララは釣ったものをすぐに食べるような性格じゃないからな」

ネメシス「詭弁だな。釣っておいて放す。無責任な考え方だ。ティアーユも逃げた魚を追いもせず、そのままにしていた」

ヤミ「……」

ネメシス「ヤミは一緒だ」

リト「違う」

ネメシス「どうしてそこまで――」

リト「だって、逃げずに来てくれたから」

ネメシス「……ん?」

ティアーユ「ヤミちゃーん!! メアちゃーん!!」テテテッ

ヤミ「な……!?」

芽亜「えぇ……なんでティアーユまで……」

ティアーユ「あぁ……暗くてよく――」ガッ

ティアーユ「きゃっ!!」ズサァァ

リト「先生!!!」

ララ「たいへんっ」

ティアーユ「いたたた……」

リト「大丈夫ですか?」

ティアーユ「は、はい……なんとか、眼鏡は無事です」

リト「よかった。来てくれて」

ティアーユ「迷ったけど……。年末ぐらいは、一緒にいたいなって……」

リト「日本じゃ家族と一緒なのが一般的ですからね」

ティアーユ「そ、そうみたいね」

ヤミ「ティア……」

ティアーユ「あ、あの……その……釣りなんて初めてだから……お、おしえてくれたら……」

ヤミ「……」

ネメシス「つまらん。下僕、勝手なことをしてくれたな」

リト「ネメシスだって同じだよ」

ネメシス「なに?」

リト「運命は一人じゃ変わらないかもしれないけど、これだけいれば案外簡単に変わると思う」

ネメシス「……私も釣り上げられた一匹のたいやきだとでも言うのか?」

リト「少なくともヤミやメアとは同じだろ?」

芽亜「……」

ネメシス「帰る」

ララ「えー!? こんなにたいやきいるのにー!? 一緒に釣ろうよー!!」

ティアーユ「な、なにこれ? た、たいやきが泳いでる……!?」

リト「ネメシス……」

ネメシス「余計な客の所為で気分を害した。この埋め合わせはきちんとしてもらうからな、下僕。早起きして損した」

芽亜「わたしも帰りますね」

ララ「メアちゃんまで!?」

ヤミ「メア」

芽亜「バイバイ」

ティアーユ「ま、まって」

芽亜「なに?」

ティアーユ「これ、持って行って。貴女には必要ないかもしれないけど、もってるだけで温かくなれるから」

芽亜「……」

ティアーユ「ね?」

芽亜「……さよなら」バッ

リト「先生、何渡したんですか?」

ティアーユ「使い捨てカイロ。結城くんも良かったらどうぞ」

リト「ありがとうございます」

ララ「ほら、ヤミちゃん」

ヤミ「プ、プリンセス……押さないでください……」

ティアーユ「ヤミちゃん……」

ヤミ「……」

リト「ララ、向こうで釣ろうぜ」

ララ「はぁーい!!」ギュッ

ティアーユ「あ、あの……たいやきなんて釣れるものなのね。初めて知ったわ。地球って面白いね」

ヤミ「……いえ。これはプリンセスの悪戯です」

ティアーユ「そうなの!? 凄く活きのいいたいやきばかりだけど」

ヤミ「海を汚すことになるので、全部釣りましょう」

ティアーユ「わ、私にできるかしら」

ヤミ「できますよ。簡単に釣れてしまいますから」

ティアーユ「そうなの?」

ヤミ「現にこうして……釣られてますから……」

リト「(おい、ララ。バレてたのか?)」

ララ「(私、ヤミちゃんには言ってないよ。リトの言うとおり、隠してたし)」

リト「(なら、ヤミは最初から気づいてたのかな。たいやきなんて釣れないって……)」

ティアーユ「よいしょ」

ヤミ「……」

ティアーユ「あ、あ……あぁ……なにか、きた……」

ヤミ「たいやきが食いついたみたいです」

ティアーユ「ど、どうしたらいいの……?」

ヤミ「まずはリールをまいて」

ティアーユ「え? え? えーと……」

ヤミ「ティアーユ、そのままでは海に落ちますよ」

ティアーユ「あ、あぁ……」フラフラ

ヤミ「ティア!!」ガシッ

ティアーユ「イヴ……ありがとう……」

ヤミ「……私が釣ります。貸してください」

ティアーユ「はぁ……。何をしても私ってダメね」

ヤミ「そんなことは、ないとおもうよ……」

ティアーユ「……ありがとう」

ヤミ「――結城リト。終わりました」

リト「大漁だな」

ヤミ「プリンセスが放した分はこれで全部ですね?」

ララ「うん。すごいねーヤミちゃん。全部釣っちゃうなんてー」

リト「その生きてるたいやき、どうするんだ?」

ヤミ「飼います」

リト「飼うのか!?」

ヤミ「ティアーユが」

ティアーユ「わ、わたし!?」

ヤミ「心配しないでください。たまに私も世話をしに行きますから」

ティアーユ「あ……それなら……」

ヤミ「では、失礼します。お二人は引き続き釣りを楽しんでください」

リト「そうだなぁ。そうするか、ララ?」

ララ「うんっ! リトと一緒に釣りするー」

ヤミ「本当に仲がいいですね」

結城家

リト「ただいまー」

美柑「おかえりー。どうだった?」

リト「これ、捌けるか?」

美柑「え!? こ、これって鯛!? 釣ったの!?」

ララ「えへへー。エビで釣っちゃったぁ」

美柑「エビで!? す、すごい!! すごいよ、ララさん!!」

モモ「リトさん!! 心配したんですよ!!! おかえりなさい!! 私に一言ぐらい言ってくれても……!!」

リト「悪かったよ」

ナナ「リートー。メアと遊んでたらしいなぁ!! なんであたしも誘ってくれないんだよー!!」

リト「まぁ、色々あってさ」

セリーヌ「まうまうー!!!」

リト「わかったわかった。今度はみんなで行こう」

ナナ「約束だぞー!!!」

美柑「今日はごちそうになるね。ありがとう、リトっ!」

御門邸

お静「おぉ……!! たいやきが水槽で泳いでますねー……」

御門「面白いわね。流石、ララさん」

ティアーユ「ごめんなさい。全部は私の家では飼えなくて……」

御門「いいのよ。好きにして。それで年始の予定は決まったの?」

ティアーユ「ええ……」

御門「よかったじゃない」

ティアーユ「結城くんにお礼言わなきゃ……」

御門「それにしてもネメシスも積極的になってきたわね」

ティアーユ「大丈夫よ。イヴにはいいお友達が多いから」

御門「……それもそうね」

お静「あの、あのあの」

御門「どうしたの、お静ちゃん?」

お静「たいやきって何食べるんですか?」

ティアーユ「歌によるとエビらしいけど……」

たいやき屋

「はい、いつもありがとう」

ヤミ「実はもう買わないつもりでした」

「え?」

ヤミ「たいやきの歌がとても耳に痛くて……」

「あれの哀愁がわかるのか?」

ヤミ「だけど、私とたいやきは違うみたいなので。もう気にしません。これからも食べます」

「おぉ、頼むよ。君が買ってくれないとたいやきたちも焼かれ甲斐がないからね」

ヤミ「……そうですか」

唯「あ。ヤミさん」

ヤミ「古手川唯。どうも」

唯「丁度、よかったわ。時間、あるかしら?」

ヤミ「はい。予定はありませんが」

唯「なら、こっちよ。一緒に来て」

ヤミ「は、はい」

ショップ

唯「すいません。予約しておいた古手川ですけど」

「はい。少々お待ちください」

ヤミ(どうしてまたこの店に……? もう私の探しているものはないのですが)

唯「――お待たせ、ヤミさん」

ヤミ「あの、何かあるのですか?」

唯「これ。どうぞ。ルンさんの新曲なんだけど」

ヤミ「……え?」

唯「ほら。昔の曲もいいけど、やっぱり最新の曲だって聴いておいて損はないと思うし。それにこの新曲、元気になるから」

ヤミ「もしかして、貴女には私が元気のないように見えましたか?」

唯「あ……いや、そういうわけじゃないんだけど……」

ヤミ「本当に貰ってもいいのですか?」

唯「たいやきを一つ……あぁ、二つでいいわ。それで交換ってことで」

ヤミ「どうぞ」

唯「ありがと、ヤミさん。それじゃ、よいお年を」

ルナティーク号 船内

<最高のチャンスnow is the time!! 見逃さないonly once!!

ヤミ「……」

<傷ついたっていいじゃない!! so we are never give up!!!

ヤミ「……」

芽亜「ノリノリになれますねー!! この曲ぅー!!」フリフリ

ネメシス「あっはっはっはっは。私なんてポールダンスを踊ってしまいそうになるな」クルクル

ヤミ「……」

<最高のチャンスnow is the time!! 見逃さないonly once!!

<後悔なんてしたくないでしょ!! forever we can make it!!

芽亜「イエーイ!!」フリフリ

ネメシス「たのしい年末だなーメアー」

芽亜「はいっ! 年末って素敵っ!」

ヤミ「いい加減、出て行ってください!!! 私は静かに聴きたいんです!!! ……ティア、たすけて」


おしまい。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年12月21日 (月) 23:29:11   ID: BNetQWVZ

これは中々

2 :  SS好きの774さん   2016年12月22日 (木) 01:24:32   ID: Jl0qR-nm

たいやきごときで何故話がここまで重く…

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom