やよい「シンデレラ」 (19)

むかーしむかし、ヨーロッパのどこかの国に、とってもきれいな女の子がいたんです!

でもその女の子のお母さんは、女の子がまだ小さかったときに死んじゃったんです……
うぅ…かわいそうですぅ……

何年かしてからお父さんが新しい奥さんをもらったから、女の子には新しいお母さんと2人のお姉さんができたんですけど…
3人ともすっごくイジワルな人たちだったんです!


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新しいお母さんってば、自分の娘さんたちよりキレイな女の子が気に入らなかったみたいで、

「なんてにくたらしい子なんでしょう!」

って言って、おそうじとかおせんたくとか、つらい仕事を全部女の子に押し付けちゃったんです!
でもそういうのって、ちゃんとみんなでやらなきゃダメなんですよぉ!

長介やかすみも、ちゃーんとお手伝いしてくれてますから!

それだけじゃなくって、女の子のおふとんはすごく汚れてるし、お洋服だってすっごくボロボロなものしか着させてもらえなかったんですよぉ!

あ…
お洋服のことは私もあんまり言えないかもです…うぅ……

で、でもでも!
私、もっともっーとお仕事がんばって、家族みんなに新しいお洋服買ってあげるんです!

え?やよいはいい子だなぁ、って?
ほんとですかぁ!
うっうー!うれしいですー!

あ…女の子のお話でした…ごめんなさい……

その女の子なんですけど、お風呂にも入らせてもらえなかったんですよぉ!
新しいお母さん、ひどすぎますー!

そのせいで女の子の頭にはいつも灰がついてて…
だからお母さんたちは、女の子のことを「シンデレラ」って呼ぶようになったんです

シンデレラって、「灰をかぶってる」って意味なんですよ?みなさん、知ってましたかぁ?
私、ちゃんと勉強したんですー!うっうー!

あ、ここからは「シンデレラさん」って呼ぶことにしますね?

そんなふうにたくさんイジワルされてたシンデレラさんなんですけど、お姉さんたちよりもずーっと、ずーっとキレイだったんです!

…いいなぁ
私もキレイって呼ばれるようになりたいなぁ……

…え?
な、なんでもないですー!

そんなある日、お城の王子さまが…えっと…

……
………

ぶとうかいを開くことになって、お姉さんたちも呼ばれることになったんです!
お母さんとお姉さんたちは、ひょっとしら王子さまのお嫁さんにえらばれるかもって大ハシャギ。

シンデレラさんもそんなお姉さんたちのお出かけの用意を手伝ったあと、ニッコリと笑ってお見送りしたんですけど……
そのあと自分のお部屋に入ると、かなしくなって泣き出しちゃったんですぅ……

私もぶとうかいに行きたい、王子さまに会いたいって言いながら泣いてるシンデレラさん…
でもシンデレラさんのお洋服はボロボロだから、お城に入ることもできません……

あ、そういえば真さんもよく「王子さまがむかえに来ないかなぁ」って言ってるんですよぉ!
いつもはカッコいい真さんだけど、ほんとはとっても女の子なんです!
私、ちゃんと知ってるんですよぉ、えへへー

うぅ…また関係ないこと話しちゃいました……

えっと…
そうそう、お部屋で泣いてたシンデレラさんなんですけど、どこからともなく声が聞こえたんです!
シンデレラ、泣いちゃダメだよ、って

びっくりしたシンデレラさんが辺りを見回すと、ようせいのおばあさんがいたんですー!

おばあさんはシンデレラさんに、お前はとっても良い子だね、って言いました
それから、いつもお仕事がんばってるごほうびに、私がぶとうかいに行かせてあげるよ、って言ってくれたんですー!

うっうー!おばあさん、とっても良いようせいさんですー!

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