【ミリマス】765プロ昔話『おむすびろこりん』 (72)

むかしむかし、あるところに木こりのおじいさんが住んでおりました。

おじいさんは年をとってもたいそう働き者で、今日も木々を切りに山へ出かけておりました。



やよい「えいっ。たぁっ。おばあさんといっぱいご飯が食べられるように、がんばるぞーっと」



一生懸命木に斧をふるっていると、あっというまに時間は過ぎていきます。

そうしてお昼になったので、おじいさんは切り株の上にすわって、お昼ご飯のおにぎりを取り出しました。

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おなかがぺこぺこになっているおじいさんは、おばあさんが作ってくれたおにぎりに目をかがやかせました。

おいしそうなおにぎりへ、今にもかぶりつこうとしたところが……。



やよい「あっ!」



なんとおじいさん、うっかりおにぎりを手から落としてしまいました。

斧を握りつづけて手が疲れたのでしょうか。おじいさんは、ころころところがってゆくおにぎりを見て悔しがるのでした。

おじいさんが見ている間に、おむすびはころりころりんすっとんとん、と小気味よくころがってその先にあった木の根元に空いた穴へと落っこちてしまいました。



やよい「う~。帰ったらおばあさんにあやまらないと」



そんなことを思っていると、どこからか、なにやら楽しそうな歌声が耳に届きます。

はて、この声はなんだろう。いったい全体、どうしたことだろうか。

ふしぎに思ったおじいさんが声のする方へそろそろと歩いてゆくと、そこには一本の木が生えていました。

木の根元には、大きな穴が空いています。それは間違いなくおにぎりが落っこちたはずの穴であり、楽しそうな歌声もその穴から響いていました。

ますますふしぎに思ったおじいさんが耳をすませると、穴の方からこんな歌が聞こえてきます。



どっきどきフルーティなベイベー♪ きまぐれフルーティなベイベー♪

どっきどきフルーティなベイベー♪ ちょっと色づいて♪

どっきどきフルーティなベイベー♪ きまぐれフルーティなベイベー♪

どっきどきジューシィなフレィバー♪ ふわり広がってく…♪



同じ歌を歌う声が穴からたくさん聞こえてきますが、いったい、誰が歌っているのでしょう。

そこから響くふしぎな歌に、おじいさんはすっかり夢中になってしまいました。

さて夢中になったおじいさん。そのまま耳を澄ましておりましたが、歌声はそのうち聞こえなくなってしまいました。

またまたふしぎに思ったおじいさん。考えごとは苦手でしたが、懸命に考えているとある考えが浮かびました。



やよい「……こうすれば、さっきの歌がまた聞けるのかもしれないけど……」



やよい「ごっ、ごめんなさいおばあさん! 帰ったら、いっぱいいっぱい謝りますからー!」



おじいさんは、残っていた方のおにぎりを持ち、穴の中へ落っことしました。

すると、どうでしょう。おじいさんの思った通り、さきほどと同じ声が穴から聞こえてくるのでした。

どっきどきフルーティなベイベー♪ きまぐれフルーティなベイベー♪

どっきどきフルーティなベイベー♪ ちょっと色づいて♪



やよい「はわ~。やっぱり、ふしぎだけど楽しい歌だな~」



にこにこしながら耳をすませるおじいさんでしたが、聞いているうちになにか変だな? と思い始めるようになってきました。

歌声は変わらず楽しく聞こえてきますし、自分に何か起こったというわけでもありません。

気のせいでしょうか。どういうわけか……。



やよい「……あれ? この穴って、こんなに大きかったかなぁ……」

穴の大きさが変わっていることに気が付くと、見る見るうちに穴が広がっていくではありませんか。

これは困った、早く逃げないとと思ったのもつかの間、穴はどんどんどんどん広がっていき……。



やよい「あわわっ? だ、だれか助けてーー!」



おじいさんは、ころりころりんすっとんとん、と穴の中へ落っこちてしまいました。

穴へ落ちてしまったおじいさんが目をあけると、そこには立派なお屋敷が建っていました。

といっても、立派なのは見た目だけ。お屋敷の大きさは、おじいさんよりもずっとずっと小さいもので、だれが住んでいるのかとおじいさんは首をかしげました。



ロコ「もしもし、そこのグランパさん。あなたはいったいどうしてロコたちのハビタットにカムインしたのですか?」



やよい「…………」



ロコ「ちょっと聞いてます? どこからカムしてきたのかとアスクしてるんです!」



自分に話しかけてくる小さな可愛いねずみを見て、おじいさんはびっくりするやら、とまどうやらで何も言うことができません。

ひとまずわかったのは、ここがねずみたちのすみかで、立派だけれど小さなお屋敷は、ねずみの御殿なのだろうということでした。

穴へ落ちてしまったおじいさんが目をあけると、そこには立派なお屋敷が建っていました。

といっても、立派なのは見た目だけ。お屋敷の大きさは、おじいさんよりもずっとずっと小さいもので、だれが住んでいるのかとおじいさんは首をかしげました。



ロコ「もしもし、そこのミスター。あなたはいったい、どうしてロコたちのハビタットにカムインしたのですか?」



やよい「…………」



ロコ「ちょっと聞いてます? どこからカムしてきたのかとアスクしてるんです!」



自分に話しかけてくる小さな可愛いねずみを見て、おじいさんはびっくりするやら、とまどうやらで何も言うことができません。

ひとまずわかったのは、ここがねずみたちのすみかで、立派だけれど小さなお屋敷は、ねずみの御殿なのだろうということでした。

自分よりもとびきり小さなねずみを相手に、少しずつ会話をかさねるおじいさん。

話すうちに、この可愛いねずみたちはロコという名前でおじいさんのおにぎりにたいそう喜んでいたらしいことがわかりました。



ロコ「あなたがライスボールをサプライしてくれたのですね! なんとやさしいお方でしょう」



やよい「いえいえー。喜んでくれたならよかったですー」



ロコ「ロコたちのメロディを聞いてくださっていたそうですね! あなたのためなら、ロコたちは何度でも歌って差しあげますよ!」



ロコ「グルービーでファンシーなニューピースもあるのでぜひ聞いてください! 『ゲキテキ!ムテキ!恋したい!』」

そうして歌われた曲を聞いて、おじいさんはこれ以上ないくらいに上機嫌です。

おじいさんに感謝しているロコねずみたちも、いっしょうけんめい、また、楽しそうに歌います。

何曲も何曲も、入れ替わり立ち代わり歌い踊るロコねずみたちに、おじいさんも何度も何度も拍手をしました。



やよい「すごいですー! コロちゃんたちってお歌が上手なんですねー」



ロコ「コロじゃありません! ロコです!」



しかし、楽しい時間というのはあっというまに過ぎるもの。

今は穴の中ですから、空が暗くなったかどうかもわかりません。おじいさんは、なごりおしいと思いながらもロコねずみたちに別れを告げました。

ロコ「お帰りなら、少しウェイトしてください。ぜひともあなたに見せたいプレゼントがあるのです」



やよい「ぷれ、ぜん……? ロコちゃんたちの言葉って、難しいですー」



ともかくロコねずみの言う通り待っていると、お屋敷からたくさんのロコねずみたちが何かを持ってきます。

それは、大きさの違う二つのつづらでした。おじいさんのすぐ目の前までつづらを持ってくると、ロコねずみの中の一匹が言いました。

ロコ「どうぞミスター! ビッグなつづらかスモールなつづらか、どちらかさしあげますのでチョイスしてください!」



やよい「どちらかだけ、ですか? それじゃあ、小さな方をください!」



おじいさんは、ロコねずみからの問いかけにすぐに答えました。

ロコ「スモールな方でよろしいのですね? 本当に、本当にそれでよいのですか?」



やよい「はい! こんなに大きなつづらだと、持って帰るのに苦労しそうですから」



こうしておじいさんはロコねずみから小さなつづらを受け取って、穴から出ていこうとしました。



ロコ「ここから帰るのでしたら、あちらの方をずーっとずーっとストレイト……まっすぐ進んでください」



ロコ「途中、けっしてふりむいてはいけませんよ。前を向いたままウォークしていけば、外へ出られますから」



やよい「うぉーく? とにかく、後ろを向かないであっちの方にずっと進めばいいんですね! わかりました!」

上から落ちてきたのに、道を進めば穴から出られるなんて変だなぁ、とおじいさんは思いました。

しかし、考えてみれば変なこと、おかしなことはこれまでもたくさん起こっています。おじいさんは気にしないことにして、ロコねずみに言われた通り、一度も後ろをふりむかないまま歩いていきます。



やよい「あっ、光だ! うっうー、やっと帰れますー!」



そうして足をはやめたおじいさんが、光の中へと駆けこむと……。

やよい「……あれー?」



おじいさんは、いつの間にか元の場所、木が立っている場所に戻っていました。

根元にあるはずの穴を見ると、大きさはおむすびがころころと落っこちていったあのときのまま。

ロコねずみたちの歌声が聞こえるはずもなく、あれは夢だったのかと思うおじいさんでした。……が、手にしっかりと持っていたはずの小さなつづらは、変わらずおじいさんの小さな手の中にありました。

ですので、おじいさんは、ロコねずみとの出来事はやはり夢ではなかったのだと思いなおしました。

さて、おじいさんが家へ帰ってことの次第を話したものの、おばあさんは信じる気がありません。



桃子「たまには、お仕事をずる休みするのもいいですけどね。うそだけはついちゃだめよ、おじいさん」



やよい「うそじゃないよ! ほら、こんなにかわいい贈り物だってもらったんだから!」



つづらを見せてもおばあさんは言うことを信じてくれないので、おじいさんはつづらの中身を開けて見せてみることにしました。

すると、なんということでしょう……! 

小さなつづらの中には、どこに入っていたのかと思えるくらいたくさんの小判や、きれいな宝の珠がどんどん出てくるのでした。

桃子「す、すごいわおじいさん! これだけあったら長者さまにだってなれるよ!」



やよい「私たち、子供もいないしご近所さんにも分けてあげようよ。これだけあったら、お金には当分困らないから」



桃子「えー? これぜぇんぶ私たちのものだし、好きに使ってもいいじゃない」



やよい「おばあさんっ。このお宝だって、元はロコちゃんたちからの贈り物だよ?」



やよい「それに、私たちも色んな人に助けられてきたんだもの。いいことがあったら、おすそ分けしないとだめだよ」



桃子「……もう、おじいさんったら。しょうがないわね……」

こうして、おじいさんたちはお金持ちになり、また余った宝物をお世話になった人たちにゆずって回ったのでたいそう評判になりました。

おじいさんはいろんな人からどうやってこんな宝を得たのかとたずねられましたが、おじいさんはなかなか話そうとはしません。

しつこく聞いてくる人には、すまないなぁと思いつつもウソのお話を語りました。

というのも、おばあさんから「他の人に教えると、みんなが真似してねずみに迷惑をかかるんじゃないかしら」と言われたためです。

そんなわけで、おじいさんはまわりの人から感心され、またうらやましいと思われながらおばあさんと幸せに暮らしました。

ところが、お話はここで終わりません。

というのも、とつぜんお金持ちになったおじいさんのうわさを聞きつけたある夫婦がおじいさんの真似をしようとしたためです。

それは、よくばりなおじいさんとおばあさんの夫婦でした。おじいさんがまわりに教えたいきさつがウソだと分かると、よくばり夫婦は相談をはじめました。



ひなた「……と、こんな具合にやるんだよ。わかったね、じいさん」



環「うん! たまき……じゃない、わし、ばあさんの言うとおりにしてくる!」



ひなた「くれぐれも、あせるんじゃないよぉ。『慌てるなんとかはもらいが少ない』っていうからねぇ……へっへっへ」



その日から、よくばりじいさんとばあさんは、お金持ちになったおじいさんたちをこっそり見張ることにしたでした。

いったん中断します

幼めのキャラを出しているのは元ネタが『おむすびこ「ろり」ん』だから……というわけではなく、ももやよ夫婦や腹黒ひなたを書いてみたかっただけだったりします

新作早いっすね、深夜投下おつかれさまでした
ロコ誕生日おめでとう!

>>1
おじいさん役 高槻やよい(14) Da
http://i.imgur.com/3ah5l5g.jpg
http://i.imgur.com/k2CsEiq.jpg
http://i.imgur.com/9M3mluh.jpg

>>9
ねずみ役 ロコ(15) Vi
http://i.imgur.com/kh5Juni.jpg
http://i.imgur.com/0aCmmKT.jpg
http://i.imgur.com/I0qx5av.jpg

>>17
おばあさん役 周防桃子(11) Vi
http://i.imgur.com/YMQsOjE.jpg
http://i.imgur.com/e8cEuPH.jpg
http://i.imgur.com/GzYwwtq.jpg

>>4
『fruity love』
http://www.youtube.com/watch?v=oRd6zPMqe74

>>10
『ゲキテキ!ムテキ!恋したい!』
http://www.youtube.com/watch?v=XH3wsgghivc

あ、一旦乙です
そういや今回低年齢層だ、てっきり昔のユニットのメンバーからかと思ったが

>>20
よくばりなおばあさん役 木下ひなた(14) Vo
http://i.imgur.com/tusAMxG.jpg
http://i.imgur.com/X5cTOVe.jpg

よくばりなおじいさん役 大神環(12) Da
http://i.imgur.com/hInfaoL.jpg
http://i.imgur.com/7IxEKO7.jpg


やよい「いってきまーっす!」



その日も、おじいさんは前までと同じように木を切りに出かけました。

ロコねずみのおかげでお金持ちになったというのに、どうしたことでしょう。



環「……」



おじいさんを見張っていたよくばりじいさんも、これはおかしいと思ったのでしょうか。

よくばりじいさんは、よくばりばあさんに言われたことを思い出しながらこっそりおじいさんの後をついていきました。

やよい「ごまえー♪ ごまえー♪ ほらひーとっりひっとりがー……」



おじいさんは楽しそうに歌をうたって歩きます。

後をつけているよくばりじいさんは、こそこそとついていく内に、やっぱりこれは変だぞと思いました。



環(木を切るのって、そんなに楽しいことなのかなぁ。た……わしなら、あんなにくたびれることなんてやりたくないぞ)



やがておじいさんは木々の生えている林へついて、えいさ、ほいさと斧をふるって木を切り始めます。

よくばりじいさんも、そんなおじいさんのようすをかげに隠れてしっかり目をこらしながら見ておりました。

ところがです。おじいさんをずーっと見ていても、なにもおかしなことは起こりません。

そうこうしている間にお昼になったので、よくばりじいさんがもう帰ろうかと思い始めたころでした。



やよい「ロコちゃーん。きこえてますかー?」



環(!!)



だれかに呼びかけるおじいさんを見て、よくばりじいさんは退屈も忘れてびっくり仰天してしまいました。

それもそのはず。というのも、おじいさんが、木の根元にある穴ぼこに向けて声を出していたからです。

やよい「今日もおむすびありますから、みんなでいーっぱい食べてくださいねー」



そういって、おじいさんは穴ぼこへおむすびを落とすと今度は地面の上に寝そべって目をつむりました。

耳をすますと、穴の中からいつものようにロコねずみたちの楽しげな歌が聞こえてきます。

おじいさんもすっかり嬉しくなって、見張られていることに気が付かないまま、鼻歌などを歌っておりました。

さあ、この様子を見てますますおどろいたのがよくばりじいさんです。



環(穴に向かってはなしかけたと思ったら急にねちゃうし、ねちゃったと思ったら歌い始めるし……?)



環「と、とにかくあいつは変だぞ! わしは考えごとがにがてだし、ばあさんに相談しようっと」



そうして、よくばりじいさんはあわてて自分の家へ帰っていきました。

環「……と、いうわけなんだよ。わしゃぁもう、あのじいさんがおかしくなったんじゃないかと思って」



ひなた「なるほどねぇ。よく教えてくれたべさ」



よくばりじいさんの話を聞いて、よくばりばあさんは静かに笑います。

元気な働き者ということで有名なおじいさんが、昨日や今日ですぐにおかしくなるはずがありません。なにか、わけがあるに決まっています。

そう考えたよくばりばあさんは、改めて、おじいさんになにがあったのだろうと考え始めました。

ひなた「おい、じいさん。その林で穴ぐらの中に暮らしているような連中といったらどいつだい?」



環「ええと……ねずみかもぐらくらいしか思いつかないよ」



ひなた「なるほど、ねずみともぐらか。それならきっと、あのじいさんはそいつらからどうにかして金持ちにしてもらったんだろうねぇ」



よくばりばあさんの言うことに、よくばりじいさんは反対します。

ねずみやもぐらがどうやっておじいさんをお金持ちにしたのでしょうか。とてもじゃありませんが、そんな話はよくばりじいさんには信じられません。

ひなた「あのじいさんが金持ちになったことに比べれば、ねずみやもぐらのお陰って考えるのも大差ないべ?」



環「た、たしかに……! さすがばあさん、頭いい!」



ひなた「てなわけでな、じいさん。明日はあたしの言う通りにするべさ」



環「うん! そうすればたまきたちもお金持ちだね!」



ひなた「……じいさん?」



環「あっ。……わ、わしらもお金持ち、だな!」



ひなた「うんうん」

さて、あくる日のよくばりじいさんは朝になると、ばあさんがこしらえたおむすびを抱えて家を出ました。

例の木が生えている場所へ着くと、よくばりじいさんの他にはだれもいません。わざわざそのために早起きしたじいさんは、しめしめこれはうまくいくぞと思いました。

さっそく、よくばりじいさんは穴へむかって呼びかけました。



環「おおい、わしはあのおじいさんの友達だよ。おいしいおむすびあげるから、わしにも何かいいものくれよう」



しかし、返事はありません。

環「ほら、おむすびあげるったら。おいしいよ」



そういって、よくばりじいさんは持ってきたおむすびを穴へ向かってひょい、と転がしました。

まあるいおむすびは、ころりころりんすっとんとんと小気味よく穴へ落ちていきます。



環(これで、きっと向こうもわしを穴に入れてくれるだろう)



よくばりじいさんがそう思いながら待ち続けても、穴からの声はなかなか聞こえてきませんでした。

おむすびを中に落としてから、待てども待てどもなんの反応もありません。

このままでは、働き者のおじいさんがこの場所へ来てしまいます。そうなると、自分はおじいさんから怪しまれてお金持ちになった理由を知る琴葉できなくなるでしょう。



環「こらっ! ねずみかもぐらか知らないけど、なにかいいものよこせっ!」



環「あいつにばっかり、ずるいぞ! わしもお金持ちにしてくれよう!」



しびれを切らしたよくばりじいさんは、じだんだを踏んで穴ぼこの周りでさわぎ出しました。

するとどうでしょう。悔しがるよくばりじいさんが気付かないうちに、穴はどんどんどんどん広がっていき……。

環「わー!? だ、だれか助けてーー!」



よくばりじいさんは、ころりころりんすっとんとん、と穴の中へ落っこちてしまいました。

今回分おわり。ロコ誕の間に完結できませんでしたが気にせず書いていきます

ところで、>>34に誤字があるので脳内修正お願いします。二行目の部分です


×:『~を知る琴葉できなくなるでしょう。』


〇:『~を知ることはできなくなるでしょう。』


以上になります。誤字してすみませんでした

ロコ「朝からノイジーにしていたのはあなたですね! おかげでロコたちはイナフなスリープをインターフェアされたんですよ!」



環「え? えぇぇ??」



穴の中へ落っこちたよくばりじいさんへ、怒ったロコねずみたちが口々に文句をいいます。

一方のよくばりじいさんは、びっくりするやら、とまどうやらで何も言うことができません。穴へ落ちたばかりか、その先でこんな目にあっては当たり前でしょう。



ロコ「まったくもう! 本当に、あなたのようなラフな方が例のミスターのフレンズなのですか?」



環「うう~……。なに言ってるかさっぱりわかんないぞ~!」

そんなこんなで困ったよくばりじいさん。ぷりぷり怒るロコねずみたちのけんまくに負けず、がなりたてます。



環「なんだよ、なんだよぉ! 元はといえば、そっちがわしを長いあいだ放ってたのがわるいんだぞ!」



ロコ「そんなのは知りません! ロコたちのライフをスリートするなんて許しませんよ!」



そうやって、お互いにぎゃあぎゃあとさわいでどちらもゆずらぬ言い争いになりかけた、そのときです。

よくばりじいさんがぽつりと言ったひとことが、ロコねずみの耳に刺さりました。

環「大体、なんでわしがおこられなきゃいけないんだよぅ。ばあさんがにぎってくれたおむすびを、丸ごと落としてやったのに」



ロコ「ぅっ」



環「どうだ。わしに何か言いたいなら、おむすび返してからにしろ!」



ロコ「ぅぅっ」



よくばりじいさんの言葉に、ロコねずみたちは言い返せませんでした。

というのも、よくばりじいさんが穴に落としたおむすびは、早起きしていたロコねずみたちがすっかり食べてしまっていたからです。

よくばりじいさんに言い負かされたロコねずみ。こうなってはしかたありません。

食べてしまったものは返せないので、よくばりじいさんへ、お礼の歌と踊りを見せることになりました。

さて、さっきまで喧嘩をした相手といっても、歌うからにはせいいっぱい楽しんでほしいとけんめいに踊るロコねずみでしたが……。



ロコ「違う場所で♪ たった一人で♪ 誰の、手も及ばないけど……♪」



環(う~ん。いい歌だとは思うけど、はやくお金持ちにしてほしいぞ)



ロコ「…………」



よくばりじいさんがうわの空でいることに気づいたロコねずみたちは、なんだかさびしいな、と思いながら歌いきりました。

歌がおわると、よくばりじいさんは早くいいものをくれ、わしをお金持ちにしろ、とロコねずみたちを急かします。



環「はやく、はやく! あのおじいさんだけに何かしてあげて、わしに何もしないっていうのはないよね?」



ロコ「……わかっています。お願いですから、もう少しだけウェイトしてクワイエットしていてください」



環「なにいってるかわかんないよー。とにかく、はやくしてよね」



ロコねずみたちは、うるさくしているよくばりじいさんへ、しぶしぶ二つのつづらを用意しました。

ロコ「……どうぞ、ミスター。ビッグなつづらかスモールなつづらか、どちらかさしあげますのでチョイスしてください……」



環「おぉ~! やった! やっとここまで来たぞ!」



念願のつづらを前に大喜びのよくばりじいさんを見て、ロコねずみたちは冷ややかな顔をしています。



ロコ(ロコたちのシンギングやダンスより、こちらの方がインポータントだったのですね)



ロコ(どちらでもいいですから、早くテイクしてゴーホームしてください)



よくばりじいさんのことをよく思っていないロコねずみは、こんな風に考えていたのです。

環「えっと……小さいのと大きいの、どっちがいいかなぁ」



ロコ「どうぞ、どちらか一つだけですよ」



環「んん、うるさいなぁ。わかってるよ」



大小二つのつづらを前に、悩むよくばりじいさん。

しかし、これはよくばりじいさんの演技でした。じいさんは、よくばりばあさんに言われたことをよく覚えていたのでこんなことをしたのです。

そんなわけで、何か考えているよくばりじいさんは、悩んでいるふりを続けます。

ロコねずみたちは、早く選んでほしいと思うばかりです。

穴の中に、「ある生き物」の声が響いてきたのはそのときでした。

「にゃぁ~~~~~~お」



ロコ「!!!」



突然住みかに聞こえた声に、ロコねずみたちはもうびっくりです!

穴の中に響いたのは、ねずみの苦手なネコの声でした。ロコねずみたちは慌てて、住みかの奥へ引っ込んでいきます。



ロコ「きゃーっ!」

ロコ「わーん!」

ロコ「一刻もはやくエスケープですー!」



環「ええっ、ちょっと! みんなどこに行くのさー!」



よくばりじいさんが声をあげても、ロコねずみたちの姿も、声もみんなどこかへ消えてしまいました。

ロコねずみがいなくなって、かんさんとした住みかでよくばりじいさんはかんらかんらと大声で笑いました。

なぜなら、ネコの声が穴に響いたのはよくばりじいさんがとびっきりの鳴きマネをしたからなのです。

よくばりじいさんはにまにま笑って、自分だけに聞こえるように言いました。



環「くふふっ、やったやったぁ! ばあさんのいうとおりにしたらあいつらみ~んないなくなっちゃった!」



環「おかげで小さいつづらも、大きいつづらもわしのものだぞ。これであのじいさんよりもお金もちだぁ!」



ひとしきり笑ったよくばりじいさんは、大きいつづらを背中にしょって、小さいつづらをわきに抱えました。

道順などはわかりませんが、大きな道ののびている方へ進めば、いつかは外に出るに決まっています。

よくばりじいさんは、お金もちになった自分を想像しながら元気に歩き出しました。

それから、どのくらいの時間がたったでしょうか。

何百歩、何千歩と歩いたはずなのに、まだまだ出口はみえません。



環(おかしいなあ……。た、じゃない、わし、道に迷ったのかなぁ……)



ロコねずみたちが逃げ出して、真っ暗になった穴の中をよくばりじいさんはのそのそと歩いていきます。

あんなに欲しかった二つのつづらも、今では重たい荷物です。

つづらの中身を取り出して、宝物だけ持っていこうかとも考えました。けれど、あんまり暗くて中を確かめることも難しいありさまです。

よくばりじいさんは、早く外に出たいなぁ、歩くのは疲れたなぁ、と思いながら前へ進んでいきました。

よくばりじいさんは、とにかく止まらないで歩いていけば外へ出られると信じて歩きます。

ひたすら、ひたすら、真っ暗やみの穴を歩くよくばりじいさん。いつもは元気なおじいさんでしたが、さすがに歩き通しで、だんだん力もなくなっていくようです。

そのせいでしょうか。たった今も、道に落ちてる小石につまずいて、すってんころりん、と転んでひざをすりむいてしまいました。



環「う~、いたいよぅ……」



環「でも、早く帰らないと。ばあさんが、待ってるんだもんっ」



またまた歩き出そうとしたよくばりじいさんでしたが、その前に、あることに気が付きました。

環「そうだ。背中のおっきぃつづらから何かとび出てないか、たしかめないと!」



環「お宝落っことしたら、もったいないもんね!」



そういうと、よくばりじいさんは立ち止まって大きなつづらを背中からおろします。

そして、後ろへと向き直ってなにか、落としたものはないかと地面に手をついて探し物をはじめます。



そうです。



よくばりじいさんは、道の途中で、振り返ってしまったのでした。

よくばりじいさんが穴へ落っこちてから、何日もたちました。

宝物が来ないばかりか、じいさんが戻ってこないので、よくばりばあさんも気分がよくありません。



ひなた「まったく。あいつ、どこでなにしてんだべ……」



はじめは怒っていたよくばりばあさんも、だんだん心配になっていきます。



ひなた「…………はぁ。こうなったら、しゃーないっしょや」



よくばりばあさんは、周りの人たちにお願いしてよくばりじいさんを探してもらうことにしました。

このとき、嫌われ者だったよくばりばあさんは、自分のお願いがほかの人に聞いてもらえるかどうか、とても不安でした。

けれど、周りの人たちは時間を作ってよくばりじいさんを探してくれました。よくばりじいさんのことは好きじゃなくても、自分の知っている人がいなくなるのは、やっぱり心配だったのでしょう。

中でも、おじいさんとおばあさんはけんめいによくばりじいさんの捜索に励んでくれました。



桃子「大丈夫ですよ。みんな探してるし、きっと見つかりますから」



やよい「そうですよー! 私、今度は山向こうの村まで行っていろんな人にきいてきますから!」



ひなた「ありがとねぇ……」



その様子を見るうちに、よくばりばあさんは自分たちのたくらんだことに後ろめたさを感じるようになっていきました。

中途半端ですが眠くなってきたので中断します。次回で終われるはず……

みんながよくばりじいさんを探し始めてから、また何日かたちました。

いなくなったおじいさんを見つけるために、おじいさんはいつもの木こりの仕事もやめていろいろな場所へ向かいます。

川を越えた所にある村の人たちも、野原の先にある村の人たちも、山のふもとにある村の人たちもよくばりじいさんの居場所を知りません。



やよい「はぁ、はぁ。おなか空かせてるかもしれないし、早く見つけてあげないと……」



おじいさんはたくさん、たくさん歩きました。それでも、よくばりじいさんは見つかりません。

どうしたらいいか分からなくなったおじいさんは、おばあさんたちに探す場所を相談しました。

桃子「あのよくばりじいさん、例のねずみたちを見つけようとして行方不明になったみたいよ」



おじいさんが相談すると、おばあさんはそう教えてくれました。



やよい「ふえっ!? だれにも言ってないのに、どうしてそんなことしたんだろう」



桃子「あの人、あなたをつけてたのよ。私たちみたいに、お金持ちになりたかったんですって」



やよい「ええっ!!」



よくばりじいさんに見られていたのを知らなかったおじいさんは、とっても驚きました。

ですが、やっと手がかりらしい手がかりを見つけることが出来たのです。

いっそうやる気になったおじいさんは、早速ロコねずみたちのいた穴へ向かおうとしました……が。



桃子「待って、おじいさん。……私たちのことを見張って、ねずみさんをいいように使おうとしたあのじいさんのこと、いやだと思わないの?」



やよい「うー。たしかに、あの人はよくないことをしたのかもしれないけど……」



やよい「それでも、困ってるなら助けなきゃ。今だって、おなかぺこぺこにして泣いてるかもしれないんだよ!」



そんな風に話すおじいさんのようすを見て、おばあさんはなんとなく嬉しい気分になりました。

桃子「おじいさんなら、そう言うと思った。あのおばあさんが謝ってたし、今度あなたの方から話しかけてあげなさいよ」



やよい「うん! それじゃあ私、ロコちゃんたちの所へいってきまーっす!」



よくばりじいさんたちのしたことに、おじいさんは初めから怒ってはいませんでした。

今のおじいさんの頭の中は、困っていそうなよくばりじいさんを心配するのでいっぱいです。

おばあさんと別れたおじいさんは、例の穴ぼこが空いている場所へたかたかと走っていきました。

そんなこんなで穴のそばにやってきたおじいさんは、中へ向かって呼びかけます。



やよい「ロコちゃーん。私ですー。おむすびはないけど、お話してくれませんかー?」



ロコねずみの返事はありません。それでも、おじいさんは辛抱づよく穴に口をあてて呼びかけます。

何度も、何度もお願いをつづけると、ついに、足元の穴がだんだんだんだん大きくなって……。

おじいさんは、ころりころりんすっとんとん、と穴の中へ落っこちていきました。

やよい「……かくかくしかじかで、そのおじいさんが大変なんですよー!」



穴へ落ちると、おじいさんは早速よくばりじいさんのことを訊ねました。

ロコねずみたちは何か知っている様子でしたが、どういうわけかあまり話したがらないようです。

おじいさんが詳しくわけを聞くと、ロコねずみたちはぽつぽつと話し始めました。



ロコ「そのオールドマンなら、ロコたちもロストしちゃいまして……」

ロコ「とつぜんキャットの声が聞こえてきたので、みんなエスケイプしちゃったんです」

ロコ「キャラクターもノーグッドな方でしたし」



やよい「そ、そこをなんとか! 私といっしょにおじいさんを探してくれませんか?」



おじいさんがけんめいにお願いしますが、ロコねずみたちはなかなかうんと言いません。

それでもおじいさんはあきらめず、ついに、あることを約束してロコねずみたちを説得することができました。

やよい「……わかりました! おじいさんを助けることができたら、毎日おーっきなおむすびをロコちゃんたちにあげますーっ!」



ロコ「!! しょ、しょうがないですね。そこまでおっしゃるなら、ロコたちもヘルプしてあげます!」



ロコ「け、けっしてライスボールに釣られたわけじゃありませんからね!」



おじいさんは、なんとかロコねずみの協力を得ることができたので大喜びです。

丁寧に、心の底からお礼を口にするおじいさんの様子といったら、ロコねずみたちが照れくさくなるくらいでした。

桃子「それで、ねずみさんに任せて帰ってきたんだ?」



やよい「うん! 私たちも探しつづけなきゃいけないけど、見つかる見込みもぐーっと増えたかなーって!」



そんなこんなでひと安心したおじいさん。この日の夜は、久しぶりにぐっすりと眠ることができました。



やよい「すー……すー……」



すやすや眠るおじいさんの顔は、見ているこっちが和むくらいにふわふわしていてうれしそうです。

ここ何日かの心配ごとも忘れて眠るおじいさんは、この夜、ふしぎな夢を見るのでした……。

夢の中で、おじいさんは会ったことも話したこともないだれかの言葉を聞いていました。

それは、とても優しげな表情をしていて、背中の後ろからまぶしいくらいの光をはなつ、本当にふしぎな相手でした。



朋花「今日の行い、見ていましたよ。あなたは、本当に優しい方なのですね」



朋花「本来ならば、あの者は帰ってこれないさだめです。しかし、今回だけはあなたの心に免じてこちらの世界へ帰してさしあげようと思います」



朋花「あの子たちがどうしてもというので、特別です。目が覚めたら、いつもの場所へ行ってみるといいですよ」



朋花「あ。それと、おむすびの約束はきちんと守ってあげましょうね。私からの忠告ですよ~」



その相手は好きなだけ話しまくると、おじいさんが話しかける間もなくふっと消えていってしまいました。

あくる日、おじいさんがロコねずみたちの住みかへ向かうと、穴ぼこのそばによくばりじいさんが倒れているのを見つけました。

おじいさんがすぐに駆けよって声をかけると、よくばりじいさんはわんわん泣きながらおじいさんへ言いました。



環「わ~ん! 辛くて、くらくて、こわかったよ~~~!」



やよい「よしよし。もう大丈夫だよ、おじいさん」



環「変なこと考えてごめんよ~! あんなこと、もう二度とやらないよぅ……」



よくばりじいさんは、今回のことですっかりこりたようです。

ロコねずみにも穴の上から謝って、おじいさんになだめられながら、よくばりばあさんの待つ家へと帰っていきました。

環「それで、いつのまにかなーんにも見えないところに閉じ込められてね。つづらの中も開けようとしたら、すっごくいや~なさわり心地で気持ち悪くて……」



やよい「うん、うん。大変だったのに、よくがんばったね」



環「うぅ……こわかったよぅ……」



やよい「よしよし。もう大丈夫だからねぇ~……」

こうしていなくなっていたよくばりじいさんも見つかって、みんな元の暮らしに戻っていきました。

よくばり夫婦も、このことをきっかけによくばりはやめたようです。今では、迷惑をかけた分だけ周りの人にお返しをしようとせいいっぱい働いています。

おじいさんは、夢の中で会った相手に言われた通り、毎日欠かさずロコねずみへおむすびを届けるようになりました。

たまに、おばあさんやよくばり夫婦もおむすびを届けに来るようで、彼らといっしょにロコねずみたちの歌を聞くこともありました。

今日もまた、夫婦二組、四人のおじいさんとおばあさんがロコねずみの歌を聞こうと耳をすませています。

事情を知らない他の人たちは、みんなが座ってのんびりしているのだと思っているでしょう。

ロコねずみの秘密を知った四人だけが、ねずみたちの歌う歌を楽しむことができたのです。

桃子「それにしても、おじいさんに声をかけたのってどんな人なんだろうね」



ひなた「夢の話だし、気にする必要ないっしょや。あたしは、うちのじいさんが帰ってきたからそれでいいべ」



環「光っていてやさしい人か~。それって神さまかな、仏さまかな?」



やよい「しーっ。……ほら、もうすぐ歌が聞こえてくるよ…………」



おむすびころりんすっとんとん。ころりころりんすっとんとん。

そんな拍子で始まった、少しおかしな歌声は、今日も四人を楽しませてくれたとさ。

めでたし、めでたし。





(おしまい)

以上です。アイドル夫婦とロコねずみを書くのは楽しかったです

よくばりじいさんの末路ですが、

ねずみに痛い目遭わされるパターン
つづらの中身がえらいものだったパターン
穴から戻れなくなって困り果てるパターン

と色々派生したようで、全部混ぜ合わせようとした結果こんなに長い話ができてしまいました。よくばりはやっぱり良くないことですね



そんなこんなで5日遅れの完結となったロコ誕SSでした。読んでいただき、ありがとうございました

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