女騎士「魔王軍の求人か……」 (19)

魔王「次の方、どうぞー」

女騎士「し、失礼します!」カチコチ

魔王「おや、人間の方は珍しいですね」

女騎士「ぼ、募集要項に『種族問わず』とあったので……」

魔王「もちろんです。我が軍は優秀な方を常に歓迎しています」

女騎士「ほっ……」


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魔王「では、お名前と出身をお願いします」

女騎士「はい!西の王国出身の女騎士です、よろしくお願いいたします!」

魔王「本日の面接を担当させていただく魔王です。ではお掛けください」

女騎士「はい!」

魔王「はは、元気があって良いですね」ニコニコ

女騎士「あ、ありがとうございます」カァ

魔王「では面接を始めます。当魔王軍に志望した動機を教えていただけますか?」

女騎士「はい。御軍の平和主義の理念と魔王様の人柄に惹かれて志願させていただきました」

魔王「なるほど」カリカリ

女騎士「……(何を書いてるんだ?)」ソワソワ

魔王「今あなたは『平和主義』と言いましたね。確かに我が軍は争いを極力回避しますが必ずしも戦闘を行わないわけではありません」

女騎士「はい」

魔王「よろしい。では、我々が戦闘を回避できない場合はどのような条件下か、あなたの意見をお願いします」

女騎士「え、ええと……(いきなり重要な質問だな……)」

魔王「……」カリカリ

女騎士「今、世の中はあちらこちらで争いが絶えません。(おいまだ何にも言ってないのに書きはじめたぞ)」

魔王「はい」

女騎士「様々な軍が覇を唱え領土を奪い合っています。それに巻き込まれた魔物が犠牲になることも少なくありません」

魔王「……」

女騎士「また、戦争によって発生してしまった住処のない難民が魔物の生息域に誤って侵入し、命を落とすこともあります」

魔王「……」ピク

女騎士「結果、いたずらに魔物に対する恨み辛みを重ねることとなりますが、これは明らかに人間側の自業自得です(反応した……)」

魔王「……」カリカリ

女騎士「我々が回避すべきでない戦闘は……もちろん事前に最善を尽くした交渉をすること前提ですが……」

女騎士「他軍の争いが魔物の領域を犯しかねない場合にそれを押し止める戦闘、及び難民を襲う魔物に対する示威戦闘であると考えます」

魔王「示威戦闘ですか」

女騎士「はい、侵入者に対する行動爆発の結果なのであればその程度で十分なはずです」

魔王「なるほど。……ご存知のように、知能が低い魔物が人間の領域へ赴いて狩りを行うこともあるわけですが、そちらは?」

女騎士「そ、そそちらは……その……(ヤバイ考えてなかった)」

魔王「……」カリカリ

女騎士「ええと……(あああだから何も言ってないのに書くんじゃあないってば!)」

女騎士「き、教育を施すべきだと思います!!」

魔王「はぁ、教育ですか」

女騎士「人間の子供は教育によって分別を学びます!我が国でもぜひ教育を行うべきです!」

魔王「しかし、たとえばスライムに教育を理解するだけの知能がありますかね?」

女騎士「人間も魔物に育てられれば人間の分別は身に付きません!スライムも教育を施してみなければ無駄かわかりません!!」

魔王「……」

女騎士「……」

魔王「なるほど」ニコ

女騎士「……(ほっ……)」

魔王「面白い意見をお持ちですね。力が全てと教わってきた我々には考え付かない素晴らしい発想です」

女騎士「ありがとうございます!」

魔王「ふふ、私の世代は甘いことを言うと鉄拳制裁が基本でしたからね……」

女騎士「は、はぁ」

魔王「さて、次です。趣味、特技は剣術とありますが、何か資格は」

女騎士「死角? 特にありません無敵です」

魔王「ええと」

女騎士「資格でしたら、一応西の国と東の国の道場の看板は全部もらいました」

魔王「は?」

女騎士「今は南の国をコンプリートしようとしていたんですが……ちょっと数が多すぎたので書き込んでいません」

魔王「な、なるほど……それはそれは期待できそうですね」

女騎士「お任せ下さい! 採用していただいた暁には立ちはだかるもの全て切り伏せてご覧にいれましょう!」ガタッ

魔王「……」

女騎士「……(き、決まった……!)」キラキラキラ

魔王「わかりました、お掛けください」

女騎士「あ、はい(無反応!?)」ガビーン

魔王「あー……それらは我々の理念に反するとは考えませんでしたか?」

女騎士「考えません! 力がない理想なんてただの夢です!」

魔王「なるほど」カリカリ

女騎士「魔王様はそう思わないのですか?(さっきからこの人なるほど連発だな……)」

魔王「私ですか? そうですね……」

女騎士「……」


魔王「実を言うとですね、私も若い頃やんちゃしていた時期がありまして」

女騎士「ほうほう」

魔王「竜を素手で蹴散らしてへし折った牙をコレクションとかやってたのであまり人のことは言えませんね」

女騎士「す、すごいですね……(一体の竜を倒すのに軍隊1つ潰す覚悟で挑まなきゃいけないって聞いたことあるんですが)」

魔王「昔の話です。 さて、個人面接は以上ですので最後に何か質問はございますか?」

女騎士「あ、それでは一つ」

魔王「なんでしょう」

女騎士「採用される場合、資格をコンプ……もとい取得しに南の国へ行きたいんですが補助などはありますか?」

魔王「……我が軍で有用な資格かどうかを吟味した上で判断させていただきます」

女騎士「わかりました、質問は以上です」

魔王「わかりました、では結果は後ほどお知らせしますのでもとのドアよりご退出ください」

女騎士「ありがとうございました。 失礼します」ペコ

ホール・・・・・・

女騎士「……ふぅ」ガチャ

受付嬢「お疲れ様でした。 遠方からお越し頂いた方には宿泊用のお部屋をご用意しておりますのでどうぞご利用ください」

女騎士「あぁ、ありがとう」

受付嬢「こちらがキーです」チャラ

女騎士「ん……007号室か。それにしても魔王軍はすごいな」

受付嬢「そうでしょう」

女騎士「まさか代表が面接やってるとは思ってなかった。 アクティブなお方なんだな」

受付嬢「自分の目で見たもの以外信用できないそうでして。 ですがさすがに数が多いのであの御方に面接してもらえるのは書類選考上位のみですよ」

女騎士「なんと、それは光栄だ(人間が珍しいとか言ってたのはタヌキだったわけか)」

ツギノカタドウゾー

女賢者「ひ、ひゃい!」ビクッ

女賢者「し、失礼しまひゅ!」ザクッ

女賢者「か、噛んだ」プルプル

女賢者「あ、ひめなひゃ(しめなきゃ)」カチャ パタン

女騎士「……」

受付嬢「……」

女騎士「なぁ、あれも上位者なのか」

受付嬢「えぇ、まあ」

女騎士「……」

スレにしてみると思った以上に短くて愕然としてますが今日は以上です。
更新は不定期になります。

この系統のスレって完結したの見たことないからどうなるのか興味はある
最後まで考えていたりする?

>>14 

ヒント:更新が不定期

一応終わりは考えてますが過程や方法なぞあんまり考えてないのでいろいろやってみたいと思います。

てかエタ前科あるんで今回こそは……(フラグ)

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