葉山「片方しか助けられないとしたら、どっちを助ける?」
雪ノ下「……わざわざ部室までそれを聞きに来たのかしら?」
葉山「はははっ、気になっちゃってさ」
雪ノ下「へぇ……由比ヶ浜さん、」
由比ヶ浜「ヒッキーかな」
雪ノ下「」
葉山「……理由を聞こうか」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1387026173
由比ヶ浜「まず隼人君、多分自分で上がれるよね」
葉山「まあ自重ぐらいなら、両手が使えたらなんとかなるかな」
由比ヶ浜「そしてヒッキーも多分自力で這い上がれる」
葉山「ここまではイーブンか」
由比ヶ浜「私がヒッキーを選ぶ理由は、助けてくれる人の数だよ」
葉山「というと?」
由比ヶ浜「私がいなくても、優美子とかいろはちゃんとか、隼人君を助ける人はたくさんいるよ」
葉山「それでヒキタニ君を……」
葉山「じゃあ前提を追加しよう、結衣以外に助けに来る人はいない」
由比ヶ浜「ヒッキーを助けるよ」
葉山「即答か……傷つくな。ちなみに、理由は?」
由比ヶ浜「だって隼人君なら、死んでも沢山の人が悲しんでくれるでしょ?」
雪ノ下「は?」
葉山「……えっ」
由比ヶ浜「ヒッキーが死んじゃったら、あたしと小町ちゃんぐらいしか悲しまないよ」
葉山「え、いや、なんでそれなのにヒキタニ君の方を」
雪ノ下「それなら彼を見捨てた方が道理に合うのではないかしら……?」
由比ヶ浜「えー、ヒッキーは生き残る、隼人君はみんなから泣いてもらって鼻も添えられてクラス全員出席の葬式で涙ながらにスピーチまでしてもらう!多分優美子に!十分じゃん」
×鼻→○花
葉山「そ、そうか」
由比ヶ浜「うんっ」
雪ノ下「……随分ねじ曲がった考え方ね、どこかの誰かさんから伝染ってしまったようだわ」
由比ヶ浜「やだなーゆきのん、そんなこと言われたら照れちゃうよー」
雪ノ下「……そう」
葉山(雪ノ下さん、少しいいか?)
雪ノ下(外に出ましょう。ちょっと由比ヶ浜さんは錯乱しているようだし)
ー廊下ー
雪ノ下「あの質問をいろんな人にするのを手伝ってほしい?」
葉山「ああ。ちょっと事情があって聞いて回らなくちゃいけないんだ」
雪ノ下「謎すぎる事情があるものね……それは奉仕部への依頼ということでいいかしら?」
葉山「ああ。俺は知らないけど雪ノ下さんが知っている人、特にヒキタニ君と絡みのある人には重点的に聞きたいからね」
雪ノ下「そう。では……彼はどうかしら」
葉山「……行こうか」
ー中庭ー
戸塚「あれ、雪ノ下さんに葉山君。あんまり見ない組み合わせだね」
葉山「こんにちは。部活は休憩時間?」
戸塚「うん、何か用?」
雪ノ下「質問に答えて欲しいの。アンケートみたいなものなのだけれど」
戸塚「いいよ、僕に答えられる限りだけど」
葉山「じゃあ……俺とヒキタニ君が崖から落ちそうになっていたとする。君しか助けに行ける人がいないとしたらどっちを助ける?」
戸塚「八幡かな」
雪ノ下「……また即答」
葉山「理由を聞かせてくれないか?」
戸塚「うーんとね、説明しにくいんだけど」
雪ノ下「彼の方が仲良くしているから、ではなくて」
戸塚「おおまかにはそんな感じかなあ」
葉山「大まかにね……じゃあ厳密に、正確に言うと?」
戸塚「うん、葉山君が死んでも、僕には何の影響もないかなって」
雪ノ下「えっ」
葉山「……続けて」
戸塚「教室は同じだけど、ほとんど話さないよね。単純に比較して、八幡が死んだら挨拶の回数が一回減っちゃうし、一緒に遊んだりできないし」
葉山「それで?」
戸塚「葉山君が死んだら、みんなでお葬式に出て、葉山君の家族の人たちにご愁傷様ですって言って、おしまい」
雪ノ下「」
ー廊下ー
雪ノ下「彼の人間関係を侮っていたわ……ゼロから雀の涙ほそと思っていたけど、ここまで狭く深い交友関係を持っていただなんて」
葉山「じゃあ次に行こうか」
雪ノ下「タフなのね……ショックを受けたりしないの?」
葉山「……」
雪ノ下(めちゃくちゃ凹んでる……)
雪ノ下「つ、次はあの人なんてどうかしら?」
×ほそ→○ほど
ー職員室前ー
平塚「ふむ……葉山と比企谷、助けるとしたらどちらか、か」
雪ノ下「はい。正直先生にこのような質問をするのも気が引けますが」
葉山「彼の知り合いにはなるべく多く当たっておきたいので」
平塚「……本当に、教師にする質問ではないな」
葉山「と、言いますと」
平塚「どちらも私の教え子だ。どちらも助ける」
雪ノ下(今日最もまともな回答ね……)
葉山「ではどちらを先に助けますか?」
雪ノ下(この男、大概しつこいわね……)
平塚「そりゃあ、体力の差があるだろうから、比企谷を先に助ける」
雪ノ下「まあそうでしょうね。半分引きこもりとサッカー部では仕方のない判断です。葉山君、もういいかしら」
葉山「待ってください」
平塚「なんだ?」
葉山「では俺が複数人にリンチされた後で、片腕も折れている満身創痍の状態だったらどうです」
雪ノ下「あなたはこのアンケートで何を求めているの?当然そんな状態なら、先生はあなたを」
平塚「んー、比企谷だな」
雪ノ下「えっ」
雪ノ下「あの、先生?」
葉山「よろしければ、理由を伺っても?」
平塚「だから、あいつと葉山では差があるだろう。あいつを先に助けてやらなくてはな」
葉山「いえ、その、俺がボロボロになっているという前提があってですね」
平塚「それで?あいつは私が守ってやらねばならんよ。あいつとお前とでは差があるからなあ」
雪ノ下「いえですから、葉山君もビハインドを負って」
平塚「あいつはしっかりしていないからなあ。私が奉仕部に引っ張ってこなければどうなっていたことか」
雪ノ下「てん
ミス
雪ノ下「……」
葉山「……俺はその状態でも大丈夫だということですか」
平塚「いやお前の安否は知らん」
雪ノ下「はい?」
平塚「お前がどうとかではなくて、あいつはそういうことになったら私がきっちり助けてやらなくちゃいけないからなあ」
雪ノ下(……彼のことをなんだと思っているのかしら……庇護対象、なの?)
雪ノ下「葉山君。もう次に行きましょう」
葉山「……ああ」
葉山は俺ガイルの中で二番目に好きなキャラなんです信じてください
ー生徒会室ー
いろは「あれ?雪ノ下先輩き……うわ葉山先輩、比企谷先輩みたいになってますよオーラが」
雪ノ下「こんにちは。城廻先輩ぉお久しぶりです」
めぐり「こんにちはー。えっと、彼、どうしちゃったの……?」
葉山「……」
雪ノ下「試練の最中なんです。優しい紅茶を恵んであげてください」
めぐり「へ、へえ……」
いろは「ハイハーイ、葉山先輩への紅茶なら私が淹れまーす!」
雪ノ下(良かった。少なくとも一色さんは葉山君派のようね。これ以上一方的だと不憫すぎるわ、なんならこの私が同情するまであるもの)
雪ノ下(葉山君は紅茶を黙って飲んでいる……もう少し落ち着いてから切り出すべきね)
葉山「……ふう」
いろは「……」
雪ノ下「そういえば、城廻先輩はどうしてこちらに?」
めぐり「ちょっとお手伝いにね。そっちこそどうしたの?」
雪ノ下「ええと、その」
葉山「いろは、城廻先輩」
いろは「はい?」
めぐり「どうしたの?」
葉山「俺とヒキタニ君、どちらかを殺さなくてはならないとしたら、どっちを殺しますか?」
雪ノ下(……質問が大幅に変更されてるわね。頭が痛くなってきたわ。もう帰ろうかしら)
雪ノ下「……ヒキタニ君とは、比企谷君のことです」
雪ノ下(もうどうにでもなってちょうだい)
めぐり「え、ええっ!?そんなこと聞かれても困るよぉ」
いろは「ふぇっ?そんな質問ですか~?葉山先輩を助けるに決まってるじゃないですかー」
雪ノ下(今あなたは最高に輝いて見えるわ、一色さん)
ミス
×葉山先輩を助ける→○あの人を殺す
めぐり「え、えと、どんな状況かあんまり想像できないかな~って」
葉山「片方殺さなくては両方死にます。どちらとも何も悪いことはしていません。ただ俺と彼の命、どちらが軽いかということです」
雪ノ下(葉山君の心の荒み具合が伝わってくる言い草ね……)
いろは「だからは私は葉山先輩を殺したりしませんってー」
葉山「……いろは。今なら、君が何を言っても俺は怒らないし君を嫌わない
」
いろは「……」
葉山「正直に言ってくれ」
いろは「……」
葉山「……」
いろは「ごめんなさい。多分、葉山先輩を殺します」
雪ノ下(うわぁ)
葉山「……」
雪ノ下「あー、ええと。理由を聞かせてもらえるかしら」
いろは「……葉山先輩は、みんなに優しいだけですよね」
葉山「……」
いろは「あの人は私を助けてくれました。私個人を」
雪ノ下「……それは」
いろは「別に知ってますー、私のためを思ってとかじゃなくて、もっと別のもののためにやったことだって」
めぐり「そうなの?」
いろは「女の勘です。当たるんですよこれ」
葉山「……それで?」
いろは「あの人には借りがあります。まだ返せていません。それなのにあの人を殺したりできません。葉山先輩がいなくなったら寂しいでしょうけど」
雪ノ下「それでも葉山君を殺すの?」
いろは「はい。だって葉山先輩はみんなに平等に優しいからみんな平等に悲しみます。でもあの人が死んだら、そんなに多くの人は悲しまないはずです」
雪ノ下「まあそうでしょうね」
いろは「私は多分すっごいショックを受けます。自分で殺したなんて無理です死にます」
雪ノ下(目下切り札だったはずの一色さんがダメだったなんて、本当にまずいわねこれ)
めぐり「あのー、私も答えた方がいいのかな?」
葉山「はい」
雪ノ下「そこはきちんと回答を求めるのね……というか城廻先輩、葉山君のことをご存知ですか?」
めぐり「うん、文化祭の時に手伝ってもらったからね~」
雪ノ下「ひょっとして、実行委員をあらかた覚えているんですか」
めぐり「比企谷君と話していたからね~」
雪ノ下(ダメそうねこれ)
めぐり「あ、私は……ごめんね、葉山君を、その……ごめんなさい」
雪ノ下(知ってた)
葉山「理由をお願いします」
雪ノ下(なぜ自分から地雷を踏みに……)
めぐり「私からも聞いていい?」
葉山「はい?」
めぐり「文化祭。……彼一人を悪者にして幕引きにして、どんなきもちだったのかなぁ?」
葉山「…………」
いろは(文化祭のとき、何かあったんですか?)
雪ノ下(あとで由比ヶ浜さんか城廻先輩から聞いてちょうだい。思い出しただけで不愉快になるエピソードがあるのよ)
いろは(はぁ……)
葉山「あれは、彼自身が望んだことです」
めぐり「うん。でも、君がそれを言うのは逃げだよね」
葉山「俺だって、好きでああしたわけでは」
めぐり「君は相模さんの性格について、十分に知る機会があったよね?あまり話さなかった私でもあの子の性質は分かったんだもの」
葉山「それは」
めぐり「具体的な対策を他ならぬ君が講じなかったのは何か理由があったの?最後の手段として彼がああすることは予期していた。違う?」
葉山「……」
めぐり「だからこそああして最小限の人間だけが傷つく方針を止めなかった、場の調和を優先して相模さんを止めなかった」
葉山「……」
めぐり「だって最後には彼がなんとかしてくれる、犠牲になってくれるから」
雪ノ下「……ちょっと待ってください」
めぐり「どうしたの?」
雪ノ下「確かに、葉山君にも非はあります。ですが最後に選んだのが彼自身だというのは事実です。あなたにここまで言う資格はありません」
めぐり「……」
雪ノ下「大体あなただって、あの時は彼を悪人だと認識していたはずです」
めぐり「……うん。そうだよ」
雪ノ下「そこあなたが葉山君をここまで責めるのは筋に合いません。むしろあなたは葉山君と同類と言っても過言ではありません」
めぐり「……ごめんね。ちょっと口が滑りすぎちゃったみたい」
雪ノ下(言いすぎだった、とは言わないのね)
葉山「……失礼します」
雪ノ下「あ、ちょっと。すみません……お騒がせしました」
めぐり「いいえ。またいらっしゃい」
いろは「次は先輩も連れてきてくださいよー」
雪ノ下「機会があれば私の方から言ってみるわ。それじゃあ」
ー廊下ー
雪ノ下「そう気に病むことではないわ。終わったことだもの」
葉山「けれど」
雪ノ下「あなたが気に病むことは、彼自身が一番望まないことよ」
葉山「……そうか」
雪ノ下「彼のやり方に気づける人間なんてごく僅かだもの。完璧に理解していたのは私だけよ。あなただって少し感づいた程度だったのでしょう?ああいう結末を迎えてしまっても無理ないわ」
葉山「……そうかな」
雪ノ下「ええ。ついでにもうこの取り組みも終わりにしてしまった方がいいのではなくて?」
葉山「いや、まだ終わらない。次の目星はついてる」
雪ノ下「タフなのかそうでないのか判断に困るわ……」
ー教室ー
川崎「なんか用?」
葉山「あまり時間は取らせないつもりだから、ちょっと付き合ってくれないかな」
雪ノ下「簡単なアンケートよ。葉山君と比企谷君の二人が崖から落ちそうになっていたら、あなたはどっちを助ける?」
川崎「……あたしが何かする前に、あいつは私に選択させないために自分から落ちそうだけど」
葉山「そうじゃなくて、助けるとしたら」
川崎「あいつが自分で手を離して落ちた後にあんたを助ける」
雪ノ下「推測なのにずいぶんと自信ありげね」
川崎「……別に」
雪ノ下「私だけだと思っていたのだけれど」
葉山「え?」
川崎「こんなくだらない質問だったの?あいつが自分以外を犠牲にして事態を収拾しようとすることがあると思う?」
葉山「いや、俺は」
川崎「……特にあんたは、それを体現させてるわけだし」
葉山「……」
川崎「勉強の邪魔なんだけど、まだ質問あるの?」
雪ノ下「いいえ。ありがとう、助かったわ。行きましょう葉山君」
葉山「……ほら。予想通りじゃないか」
雪ノ下「……?」
ー廊下ー
雪ノ下「ねえ、もうそろそろいいんじゃないかしら」
葉山「……何がだい」
雪ノ下「打ち止めにするべきよ、やってる意義が見つけられないもの」
葉山「……ああ、そうだな」
雪ノ下「えっ」
葉山「何を驚いてるんだ、度々やめるように言ってきたのは君だろ」
雪ノ下「そ、そうだけれど」
葉山「協力してくれてありがとう。今日は助かった。それじゃあ」
雪ノ下「え、ええ」
雪ノ下「…………」
ー屋上ー
葉山「というわけだ。賭けは俺の勝ちだな」
八幡「……お前、マジであのわけ分からん質問を聞いて回ったのか。即座に気が狂ったと判断されないあたりすげえな。俺なら即座に黄色い救急車を呼ばれる自身があるぞ。あれならドクターイエローまで飛んでくるレベル」
葉山「分かっただろ?君は君の想像以上に愛されているんだ」
八幡「……作り話なら今のうちに自白しとけよ、執行猶予ぐらいつけてやる」
×自身→○自信
葉山「何をそんなに思いつめているのかと思ったけれど」
八幡「お前なんかに喋っちまうとは、数十分前の俺はどうかしてたな。わけもわからずじぶんをこうげきしてそうだ」
葉山「おかげで俺もかなりショックを受けたけど」
八幡「はあ?なんだそれ」
雪ノ下「みんながあんまりにも葉山君に辛く当たるからよ」
八幡「!」
葉山「……つけてきたのか」
雪ノ下「あまりにも怪しかったものだから、つい」
雪ノ下「大体分かったわ」
八幡「はあ?お前、世界の破壊者かなんかか?ファイナルフォームライドとかくすぐったいだけじゃ済まなさそうだから勘弁してくれよ」
雪ノ下「部室に最近来ないのは、私が生徒会長になれなかったからかしら?」
八幡「……なんの話だよ」
雪ノ下「それで自分に自信を失っているところに葉山君と出会い、葉山君がお節介を焼いた」
八幡「お前は小説家になれそうだな」
雪ノ下「典型的な自白をありがとう、執行猶予ぐらいつけてあげるわ」
八幡「そりゃどうも」
雪ノ下「……葉山君」
葉山「……余計な世話だったとは思う、けど」
雪ノ下「見当違いも甚だしいわ、判断が遅い上に正解を選べないのだから救い様もない」
葉山「」
八幡「うっわキレッキレだな雪ノ下……」
雪ノ下「あなただってそうよ」
八幡「はあ?」
雪ノ下「見くびらないでちょうだい。確かに、私はショックだったわ。私とあなたは欺瞞も馴れ合いもない。理解しあえる関係だと思っていた」
八幡「……だが俺は、奉仕部という枠組みを壊す事を選べなかった」
雪ノ下「今まで散々他人の人間関係を壊しておきながら」
八幡「すまん」
雪ノ下「生徒会長選挙。……理解しあえなかった責任を自分一人に押し付けて、どんなきもちだったのかしら?」
八幡「……お前を責めれば良かったのか?言葉にしなきゃ分からんと」
雪ノ下「……そう、ね。私がきちんと言っておっておけば良かったわ、その通りよ」
八幡「お前はかつて俺に言ったよな。雪ノ下雪乃は比企谷八幡を知らなかった。だが今は知っている、と」
雪ノ下「……ええ」
八幡「しっているだけなんだ
ミス
八幡「知っているだけなんだ。俺もお前も、お互いを知っているだけで、何をしようとしているのかなんて分からない」
雪ノ下「そんなことはないわ。私はあなたを理解していた」
八幡「押し付けんなよお前の想像を、俺もお前も同じだけど幻想に焦がれていたんだ、けれど、幻想は幻想なんだ。事実、お前が生徒会長になっちまってたら、奉仕部こ関係は様変わりしていたはずだ」
雪ノ下「私はそうならないと賭けた、けれどあなたは賭けを無効にしてしまった」
八幡「人間個人はそう簡単には変われない。けれど、人間と人間の関係は瞬時に変わる。むしろ変わり果てるまである」
雪ノ下「臆病なのね」
八幡「自覚症状までセットだ」
雪ノ下「知ってた」
八幡「そうか」
×奉仕部こ関係は→○奉仕部の関係は
葉山「……君はどうしたいんだ、比企谷君」
八幡「ああ?外野は黙ってろよ」
雪ノ下「今は黙っててくれるかしら葉山君」
葉山「俺は詳しくは知らない。けれど、ここで長々と話していても良くないっていうのだけは分かる」
八幡「さっきから何なんだよお前。空気普段は作ってんだから読むぐらい簡単だろ、業務放棄してんじゃねえぞ」
雪ノ下「なんなら屋上から飛び降りてもらうまであるわよ。ちょうどあの辺りのフェンスは老朽化が激しくて触ってはいけないと書いてあるし」
葉山「いや、その、さっき中庭の辺りから、陽乃さんがこっちに満面の笑みで手を降っていたんだけど」
八幡「…………」
雪ノ下「…………」
陽乃「来ちゃった」
八幡「……ども、ぶぶ漬けいります?」
陽乃「千葉県ではぶぶ漬けを出すという行為に含みはないから、遠慮なくいただいちゃうよ?」
雪ノ下「何のようかしら姉さん」
陽乃「んー、雪乃ちゃんの成長を確かめにね」
葉山「……成長?」
陽乃「そ。会長になって私を超えたがってたからね」
八幡「そういえば生徒会長にはなってないんでしたっけ」
陽乃「価値がある役職だとは思えなかったからやらなかっただけだよ」
雪ノ下「……違うわ」
陽乃「え?何が?」
雪ノ下「姉さんには関係のないことよ」
陽乃「そんなことないよぉ、私たち姉妹でしょ?」
葉山「……ッ」
雪ノ下「私には私の意思があるの」
陽乃「何回も聞いたよ。それで、私の背中には追いつけそう?まず見えてる?」
雪ノ下「……」
八幡(殺伐とし過ぎだろ帰りてえ……)
葉山「……違うよ」
陽乃「んー?」
葉山「間違ってるよ……」
ごめん陽乃と葉山って互いに名前呼び捨てだっけ
サンクス
葉山「雪ノ下さん」
雪ノ下「……」
葉山「どうしてそんなにして、陽乃さんになろうとするんだ。君は君だろ、雪ノ下雪乃だろ」
八幡「……」
葉山「無理してあの人を目指す必要なんてないじゃないか、君と陽乃さんは違うんだから」
八幡(……)
陽乃(比企谷君、面白い展開になってきたね。まるで王子様がお姫様を助けるワンシーンみたい)
八幡(……あなたって人は)
陽乃(何かな?)
八幡(あんな言葉で救われるのなら、雪ノ下はあなたの狂信者になっていますよ。何よりあの手の、何ていうかみんな違ってみんないいみたいな考え方は、あなたが直々に叩き折ってきたはずだ)
陽乃(推測なのに、自信ありげだねぇ)
八幡(あなたと同じシスコンなんで)
陽乃(……)
八幡(勘のいいガキですいません)
陽乃(ただの勘のいいガキなら良かったんだけどね)
八幡(はい?)
陽乃(あ、雪乃ちゃんが喋り出したよ!)
雪ノ下「あなたには……分からないわ」
葉山「……ッ」
八幡(陽乃さんになる必要はない?よりにもよってその言葉か。お前は浅はかだよ、葉山、それじゃあ雪ノ下の心は動かない)
八幡(……俺にできることが何かあるのかと言っても、この状況じゃあな)
八幡(…………)
八幡("俺に"できることなんて、あるはずがないだろ、妙な英雄願望は捨てろ)
八幡(……)
八幡「雪ノ下、ちょっといいか」
雪ノ下「何かしら」
葉山「待ってくれ!まだ話は」
雪ノ下「聞く価値があるとは思えないのだけれど」
八幡「おい可愛らしく首かしげてエグいこと言ってんじゃねえぞ、心臓止まりそうになったじゃねえか」
陽乃「きゃーっ、比企谷君の女殺し文句だー!ねえねえ私は?私は可愛い?」
八幡「はいはい可愛いし綺麗ですよ」
陽乃「やったっ、お揃いだね雪乃ちゃん」
雪乃「違う!!」
陽乃「!?」
葉山「雪ノ下さん!?」
八幡「……」
雪ノ下「彼が、言ってくれたから……」
陽乃「え……?」
雪ノ下「私の笑顔と姉さんのとは全然違うと、彼が言ってくれた。言ってくれたのよ。だから違うわ、絶対に違う……違うわ……」
八幡「今更何言ってんだお前は。顔のパーツがちょろっと似てるぐらいじゃねえか」
葉山「……君は、そう見えるのか」
八幡「そう見えねえんならお前の目がおかしいってことだ」
陽乃「ちょ、ちょっと待って比企谷君」
八幡「はい?」
陽乃「私と雪乃ちゃんの笑顔が、違う?どうして?」
八幡「あんたのその、オリハルコン製のデスマスクみたいな笑顔の方が逆にお目にかかれませんよ。雪ノ下の方が5000%可愛いです」
八幡「雪ノ下、一つ聞いていいか?」
雪ノ下「……」
八幡「お前さ、陽乃さんになりたいの?それとも……あの人に、勝ちたいの?どっちだよ」
雪ノ下「私は……」
八幡「……」
雪ノ下「……ふぅ、私は姉さんに、
追いついて、追い越したい……勝ちたい……」
陽乃「……」
葉山「雪ノ下さん……」
八幡「……」
雪ノ下「……」
八幡「うん、それ無理」
雪ノ下「……あなたに言われると、すごく胸が痛いわ」
葉山「おい!なんだってそんなこと!」
八幡「勝負する領域に達してねえよまず。お前はあの人の背中すら捉えてない。上ばっかみてたら足元掬われるし、下ばっか見てたら置いてかれる。前をみてたら後ろ髪を引かれて、後ろに振り向いてたら前方不注意の交通事故だ、お前の進んでる道は」
雪ノ下「……じゃあどうすればいいの?私は……」
八幡「どうすればいい、か」
陽乃「……」
八幡「俺じゃなくて向こうに聞いてくれ」
雪ノ下「えっ……」
由比ヶ浜「ゆきのんっ!」
雪ノ下「由比ヶ浜さん、どうして」
由比ヶ浜「ヒッキーからいきなりメールが来て、屋上にこっそり来いって……」
陽乃「話、聞いちゃってたんだ?」
由比ヶ浜「……ごめんなさい」
雪ノ下「謝るようなことではないわ。けれど……」
由比ヶ浜「ねえゆきのん」
雪ノ下「……何かしら?」
由比ヶ浜「私ね、もしゆきのんが死んじゃったら、そうとうヤバイと思う」
雪ノ下「は……?」
由比ヶ浜「いくら豪華なお葬式でも無理。泣く人が何人いても無理、十分なんかじゃない」
雪ノ下「……別に私が死ぬ予定はないのだけれど」
由比ヶ浜「ごめん。どうやったら伝わるのか、分からなくて」
雪ノ下「もういいわ」
由比ヶ浜「ゆきのん……」
雪ノ下「なんとなく、伝わる分には伝わったから」
由比ヶ浜「ゆきのん!」
雪ノ下「ちょっと、抱きつかないでちょうだい。暑苦しいわ」
陽乃「……」
八幡「百人友達を作るより、百人分大切にできる親友を作れ。第二次世界大戦を生き残った元兵士のお爺さんが言った言葉です」
葉山「……」
八幡「雪ノ下!」
雪ノ下「……何かしら」
由比ヶ浜「ヒッキーどうしたの?」
八幡「一つ、アンケートに協力してくれないか」
雪ノ下「!」
八幡「由比ヶ浜と陽乃さんが崖から落ちそうになっていたとする」
八幡「片方しか助けられないとしたら、どっちを助ける?」
雪ノ下「…いい機会だから、姉さんを抹殺することにするわ」
八幡「ちゃんと言えよ」
由比ヶ浜「ちゃんと言ってくれなきゃやだよ」
雪ノ下「……ええ。由比ヶ浜さんを迷わず助けるわ。何か問題があるかしら」
由比ヶ浜「ゆきのん大好きーっ!」
雪ノ下「ちょっ、息ができな……もごもご」
八幡「だそうですよ」
陽乃「だからどうしたの?」
八幡「気づいてるんじゃないですか?雪ノ下はもう、あなたには執着していなかった」
葉山「え……」
八幡「あいつを意地にさせていたのは強迫観念だ、自分は姉を追いかけていなければならない、いつまでも姉の切り拓いた道をなぞるマシーンでなければならない。他でもない、あなた本人が刷り込んだものだ」
陽乃「……」
葉山「強迫観念って、じゃあ」
八幡「ああ。あいつはどこかでそれを嫌がっていた。追いつきたいという欺瞞、打ち負かしたいという幻想から抜け出したがっていた」
八幡「あー疲れたぜ……屋上ってきたねえな、フェンスでいいか」
葉山「……」
八幡「真似してんじゃねえよ」
陽乃「あーあ……自信あったんだけどなあ。切り札は君じゃなかったのか。王子様が負けちゃった後だから、忍者が出てくるのかと思いきやもう一人のお姫様が出てきちゃったよ」
葉山「……」
八幡「あんたの負けですよ陽乃さん。雪ノ下はもう、あんたの後を追いかけては来ない」
陽乃「……うん」
陽乃「そうみたいだね……」
八幡(……やっぱこの人ハンパねえシスコンだわ。俺の負けだ。小町のためにこのレベルまで小町に嫌われるとか無理だもん)
由比ヶ浜「ヒッキー!ありがとね!」
八幡「何もしてねえよ」
陽乃「……やられっぱなしは悔しいから、仕返ししちゃおうかなー」
葉山「仕返し?」
陽乃「比企谷君、これでもう自分が奉仕部をやめても大丈夫だって安心してるでしょ」
葉山「!?」
由比ヶ浜「えっ……!?」
八幡(は、んなわけねえだろ。陽乃さんもまだまだ相手の気持ちを理解できてねえな」
雪ノ下「そう、なの……?」
八幡「なななわけねーだろ陽乃さんもまだまだですねははっ」
八幡(言い当てられた動揺を全く隠しきれなかった。俺もまだまだ陽乃さんのやり口に対応できてねえな)
葉山「どうして君は……!」
八幡「なんで分かったんですか」
陽乃「だって私は、君と同じシスコンだから」
由比ヶ浜「そんな、ヤダよ!」
八幡「無理だ。お前らの気持ちの問題じゃない」
雪ノ下「……!」
八幡(雪ノ下が歩み寄ってきた、と思いきやビンタされた。思いっきりのけぞってしまい、後ろのフェンスに背中をぶつけた)
雪ノ下「そうやって、いつもあなたは……」
八幡(女の子にビンタされるのとか久々過ぎだろ……すげえ痛いな金切り音が頭蓋骨の中で響いてんぞ)
陽乃「えっ」
由比ヶ浜「!!ヒッキー、隼人君、危ないっ!!」
八幡「へ?」
葉山「は?」
八幡(その瞬間、俺と葉山が寄りかかっていたフェンスが、金属音を響かせて千切れ落ちた)
八幡(由比ヶ浜が俺に手を伸ばすのが見えた。気持ちはありがたいが遠くて間に合いそうにねえぞ)
八幡(意外にも陽乃さんが掴もうとしたのは俺の腕だった。しかしわずかに一歩分足りない)
八幡(……やたら世界がスローペースに見える。走馬灯はまだだろうか。いや、黒歴史しかないから出てきても困るが)
八幡(奇しくもこの状況は、葉山が聞いて回ったというアホな質問をまさに再現していた)
八幡(そういえば、葉山の話を聞く限り、雪ノ下はこの問いに対する答えを明示していなかったはずだ)
八幡(走馬灯は、まだ始まらない)
八幡(雪ノ下が、手を延ばした。非力だけど大丈夫だろうな、一緒に落っこちてくんなよ?まあまさか両方ということはないだろう)
八幡(…………)
八幡(走馬灯は、結局見えなかった)
雪ノ下「ハァッ、ハァッ……ハァッ」
由比ヶ浜「え、ぁ……ぇ?」
陽乃「……雪乃、ちゃん?」
雪ノ下「ふぅーッ、男子高校生というものは、重い、もの、なのね、ッ」
雪ノ下「特に……ふうっ、運動部ともなれば、やっぱり重いわね」
葉山「…………雪ノ下、さん」
由比ヶ浜「いやあああああああっ!!?ヒッキーヤダよっ!!死んじゃヤダよおおお!!!」
陽乃「ゆき、の、ちゃんッ……何で……どうして」
雪ノ下「……」
葉山「何故だ……雪ノ下さん、どうして俺を助けたんだ」
雪ノ下「……」
葉山「どうして俺なんだっ!?君は!君は彼を助けるべきだった!!」
雪ノ下「むしろ感謝して欲しいぐらいなのだけれど」
葉山「そうじゃないっ!君が助けるべきだったのは……!」
雪ノ下「……手を伸ばそうとしたわ。でも無駄だった」
陽乃「無駄?」
由比ヶ浜「…………はは、ははははは。あははははははっ!!」
葉山「結衣……?」
由比ヶ浜「下見てみてよ、はははっ」
雪ノ下「だって……あんなに必死な形相で彼を助けようとしていたのに、上から降ってきたのが葉山君じゃあ可哀想でしょう?」
陽乃「え……?」
八幡「…………ジブリの撮影かなんかか?これ」
材木座「ふむぅ。今日ぐらいは、我はピザデブだと胸を張って公言できるのう!あっ待ってやっぱちょっと凹むわ」
八幡「だから素に戻ってんじゃねーぞ中トトロ」
雪ノ下「彼だけじゃないわ」
陽乃「あ……すごい……」
川崎「いった……ちょっとどきなよデブ!重い!」
材木座「ひいいっいつぞやの姉御でござるか!?」
戸塚「あはは、普段以上に語尾が迷走してるね……でも重いのは本当かなって」
材木座「げるぶぷしゃぁっ!!と、戸塚殿の一撃は我でさえも四倍はかたいでおじゃるぅ……」
八幡「テメー戸塚が弱点なのかよ……」
いろは「漫才やってないでどいてくださいよーっ!」
めぐり「うう、ヘッドスライディングして顔擦っちゃった……」
いろは「いや、先輩のあれはただこけただけだと思いますけど」
平塚「比企谷ァ……ちょっとお前らまとめて吹っ飛ばすがいいか?」
八幡「えちょ、ファーストブリッドはらめぇっ!」
平塚「安心しろ、衝撃、撃滅、抹殺どれも違う……シェルブリッド・バーストォッ!!」
材木座「あべし!」
八幡「たわば!」
雪ノ下「あれでもまだ、自信がないなんて言うつもりかしら」
由比ヶ浜「……言わせないよ、そんなこと」
雪ノ下「もしそんな世迷い言を口にしたら」
陽乃「したら?」
雪ノ下「娶るわ」
由比ヶ浜「えっ」
陽乃「えっ」
雪ノ下「えっ」
受け止めた方法については見逃してくださいなんでもしますから
いろは「先輩のバーカッ!!ぐずっ、ホントに死んじゃったらっずびっ、どyするんですかっ!ずずっ」
八幡「あの、人が貸したハンカチで躊躇いなく鼻をかみやがるのやめてくれる?」
いろは「美少女後輩の鼻水ですよ!?いらないんですか!?」
八幡「お前って時々ほんとわけ分からん方向に逆走するよな法廷速度ガン無視して……っと、めぐり先輩、いきなり倒れこんでこないでくださいよ」
めぐり「心配……したんだよ?」
八幡(めっちゃ涙目になってる……罪悪感がやばい)
川崎「というかあんたケガは?」
八幡「俺は大丈夫、先生の一撃モロ入ったさっきのトトロは森まで吹っ飛ばされたがな」
戸塚「八幡っ!」
八幡「……戸塚ぁっ!」
川崎(え、何このハリウッド映画のラストシーンみたいな構図は)
八幡(戸塚とめぐり先輩がセットで腕の中に!俺は今、人生の絶頂期にいるのかもしれない……)
いろは「むー……とりゃ」
八幡「うおっ、いきなり飛びついてくんじゃねえよ養殖ビッチ」
いろは「だぁーれが養殖ビッチですかぁ!このこの!」
八幡「いてて!いてぇやめろ!」
川崎「……」
戸塚「えへへ……」
めぐり「ふふっ……スーッハーッ」
いろは「スーハースーハー」
川崎「…………」
八幡「あ?どうしたにじり寄ってきて」
川崎「あーめまいがー」
八幡「えりょホント無理だって……助けて平塚先生!あれどこ!?」
平塚「抱きつこうと思った時!すでに行動は完了しているんだッ!クンカクンカ」
八幡「うろ覚えでネタ使ってんじゃねーぞ!」
川崎「あーれー」
八幡「あっ……ちょっ」
雪ノ下「……行きましょうか」
由比ヶ浜「そうだね。ちょっとヒッキーとお話ししないとね」
陽乃「修羅場修羅場修羅場~♪修羅場~をくぐーると~♪命命命~♪命~があぶーない~♪」
葉山「……」
陽乃「あ、隼人はここで待っときなよ」
葉山「え……」
陽乃「いーからいーから」
葉山(俺は……何もできなかったな……)
三浦「隼人ー?」
葉山「え……優美子?」
三浦「なんか知らないお姉さんから、隼人が屋上で待ってるって言われたんだけど」
葉山「……そうか」
三浦「なんか大変だった?っぽいじゃん」
葉山「ん……」
三浦「そっか。お疲れ様」
葉山「いや、俺は何も」
三浦「隼人は何かしようとして失敗したらその情けない表情になるでしょ、マジウケる」
葉山「えっ」
三浦「だから、お疲れ様。サイゼ寄る?」
葉山「………」
三浦「隼人?」
葉山「くだらない質問が一つ、あるんだけどーーーー」
Fin
くぅ疲
はるのんいろはすめぐりんさきさきがセフレから恋人にワープ進化するss書いて俺ガイルのssは楽勝と思ってた
反省している
なんにしてもとんでもない時間まで付き合ってくれてありがとう。
次はめぐりんいろはすに絞ってスレ立てるわ
じゃあの
前作
雪ノ下「あなたって本当に友達がいないのね」
こんなんだったはず
このSSまとめへのコメント
葉山が不憫すぎるwww
続きを熱望だッ!
珍しく全部完成してる・・・・・・。
いろはす……!?
めぐりんはあんなダークじゃない!
☆5評価にはしたけどね!
材木座ェ・・・
めぐりんが一番屑なんだよなあ・・・