日向「信じて送り出した七海が」狛枝「2スレ目かな」 (1000)
前スレ
日向「信じて送り出した七海が」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1385717236/)
注意書き
このスレは
・『鬼畜』
・マジキチ?
・甚大なネタバレ
・原作と異なる展開
・当たり前のような設定捏造
・超展開・ご都合展開・謎展開
・安価
・このスレの七海は人間
・日向君は予備学科
・タイムマシン
等が含まれます。
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1386586009
前回のあらすじ
日向君が七海を救う為にタイムトラベラーになる
↓
周回中、七海が誘拐される日に七海が無事だった変わりに罪木負傷
↓
その次の日、七海が誘拐される。再びタイムトラベルを繰り返す
↓
日向が七海を守る代わりに殺される。七海がタイムトラベル
↓
狛枝もタイムトラベラーになっていた事を七海が知る
↓
狛枝が死んで罪木がトラベラーに。尚、黒幕は江ノ島だと七海が知る
↓
七海が殺されて再び日向にトラベラーのバトンタッチ。
↓
七海を救う為に日向があれこれする。←今ここ
翌朝の行動
1 七海に会いに行く
2 罪木に会いに行く
3 苗木に会いに行く
4 十神に会いに行く
5 他誰かに相談
6 その他
選択安価 安価下3
日向「罪木、おはよう」
罪木「日向さん…おはようございます」
罪木「………あの、日向さん」
日向「どうした?」
罪木「私、まだ狛枝さんに恩を返せてないんです…優しくしてもらった事が嬉しくて、狛枝さんの気持ちも考えてあげられなくて」
罪木「だから、今度は私が恩返しをしたいんです…でも、どうすればいいのかいくら考えてもわからないんです」
罪木「日向さんが私の立場だったら、どうしているんでしょう…」
日向「罪木…」
罪木「あ、あの…!狛枝さんを助ける為には私がどうすればいいのか、日向さんが嫌でなければ、アドバイスを貰えませんか!?」
日向「そうだな…」
※日向「安価下5」
日向「決して絶望に染まらずに絶望の根源である江ノ島に立ち向かう事だ」
日向「そうすれば、狛枝も助かるはずだ」
罪木「江ノ島さんに…立ち向かう………」
罪木「アドバイス、ありがとうございます。…私、江ノ島さんに立ち向かってみます」
日向「罪木…嫌な予感がするけど、大丈夫か?」
放課後の行動
安価下3
ミスターA「前スレ>>1000の要望のヒントも兼ねて僕から少しアドバイスをするね」
ミスターA「進展の鍵は『バトンタッチ』…この意味を理解すれば、今の周回で誰が犠牲になるかは想像が付くよね?」
ミスターA「攻略のコツは全ての鍵を揃えた上で、仲間を守ってから黒幕を止める。順番を間違えたらだめだからね」
日向「罪木を止めにいこう。嫌な予感がする」
罪木「うわぁああああああああ!!」ブンッ
江ノ島「あ~あ、貴方のその単純な考え方に私は絶望しました」ヒュッ
ガッ
罪木「ぐぁっ…」カラン
江ノ島「武器でも持てば勝てると思った?残念、その程度で私は倒せません」
江ノ島「てゆーかぁ、先輩ってば私を倒せば全てが終わるとでも思ったんですかぁ?そんな訳ないじゃないですかぁ~」
罪木「はっ…はっ…貴方さえ死んでくれれば…狛枝さんは」
江ノ島「だからそれが間違いだっつってんだろ?んな事もわかんねぇのか?あ?」
江ノ島「ひょっとして予備学科君に何か吹き込まれた~?所詮予備学科は予備学科ですね~」
江ノ島「甘い、甘いです。予備学科如きのアイデアを頼るなんてハチミツ漬けのリンゴより甘いです」
狛枝「罪木さん!!」
日向「罪木!! って狛枝!?」
狛枝「予備学科までいるんだ…それより江ノ島さん、罪木さんに何をしているの?」
江ノ島「うぷぷぷぷ、雑魚二人が助けに来てくれたよ?よかったね先輩」
罪木「狛枝さん…それに、日向さんも」
日向「雑魚って…それより罪木から離れろ!」
江ノ島「はぁ~、自分達の置かれた状況にも気付かないでのんきにトラベル繰り返して…絶望的に無能ですね」
江ノ島「けど、何時君達が絶望しきるのか楽しみだからね…まだまだゲームを楽しませてもらうよ」スッ
日向・狛枝「やめろ!!」ダッ
江ノ島「甘いんだよ!!」ガシッ
日向「なっ…っておわぁ!?」ブンッ
ドガッ
日向「うっ…ぐぅ」
そこで、俺の意識は途切れた。目を覚ました時に映った光景は
罪木の死体を抱えて立ち去る狛枝の後ろ姿だった。
夜の行動
安価下3
ピンポーン
不二咲「あれ、日向君…こんな時間にどうしたの?」
日向「不二咲…頼みがある」
不二咲「僕に頼み? 僕に出来る事なら力になってあげるけど…」
日向「江ノ島のマシンをハッキングできる位のプログラムを作ってくれ」
不二咲「え」
日向「頼む」
不二咲「あのね…その、江ノ島さんのマシンがどんな機械なのかわからないとハッキングを仕掛けるプログラムも作りようがないんだ」
不二咲「だから…ごめんね、僕じゃ力になれないよ」
翌朝の行動
1 七海に会う
※2 狛枝に会う
3 苗木に会う
4 十神に会う
※5 豚神に会う
6 その他
選択安価 安価下3
狛枝「………」
日向「…おはよう」
狛枝「…よく平気で出てこれたね。ゴミ以下の予備学科が」
狛枝「…罪木さんの行動が急変したのって、君が何か吹き込んだからだよね?」
狛枝「君が余計な事をするから、罪木さんは…本当にいい加減にしなよ」
狛枝「君のような予備学科が、誰かを守るなんて事は出来ないんだよ」
日向「そんな事は狛枝「そんな事ない?冗談言わないでよ」
狛枝「現に君は何も守れちゃいないじゃないか…何一つ」
狛枝「そんな君に何が出来るっていうのさ?」
日向「安価下6」
※続きは朝投下予定
…確かに…何も護れなかった…。
けど、まだ守れる命がまだ残っているなら、
俺に出来ることは「その人を護ろう」とすることだけなんだ…。
>>28ごめん訂正。
日向「今の俺に出来ることは~」
日向「確かに俺一人では何も出来ない」
狛枝「………」
狛枝「…じゃあ何で繰り返してるのさ」
ガッ
日向「がふっ!?」
狛枝「何で罪木さんをわざわざ犬死にさせるような事を言った!?」
狛枝「そうやって君は、救うどころか犠牲者を増やして…自分が何をしているのか分かってやっているの!?」
狛枝「そんな君のエゴで、死ななくてもいいはずの希望まで…罪木さんまで死んだんだぞ!!」ガッ
日向「ぐっ…じゃあお前はどうなんだよ!?」
狛枝「僕だって罪木さんを助ける為に繰り返したさ!けど、結局君の行動のおかげで罪木さんは巻き込まれる…」
狛枝「頼むからこれ以上彼女を巻き込まないでくれ…他の人を巻き込まないでくれ」
日向「…確かに、罪木を巻き込む事になっているのは俺の責任だ」
日向「でもそれはお前にも言えることだ」
狛枝「…は?」
日向「俺やお前…それぞれが個人で動いていたら、例え超高校級でも一人では限界がある。だから、協力しないか?」
狛枝「…協力?予備学科のクズなんかとどうして協力しなきゃいけないんだい?」
日向「超高校級である希望を救う為だ」
日向「その為には俺一人じゃ何も出来ない。…だから、お前の力を貸してくれ」
狛枝「予備学科のクズなんかと協力するだなんて、血を吐くレベルだね」
日向「…頼む、この通りだ」
狛枝「…何の真似?」
日向「俺だけじゃ誰も救えない…力を貸して欲しい」
日向「七海達を救う為なら何でもする…だから、協力してくれ」
狛枝「………」
狛枝「今、何でもするって言ったよね?」
狛枝「その言質、しっかりとったからね」
狛枝「僕だって彼女達を救いたい。だから仕方なく予備学科君に力を貸してあげるよ」
日向「!!」
狛枝「ただし…一時的な協力だ。事が終わったら君には何でもするって約束、果たしてもらうからね」
日向「狛枝…ありがとう」
狛枝と協力関係になりました。
放課後………
日向「七海が…いない?」
九頭龍「あぁ、何処を探しても見つからねぇ」
ソニア「一体何処に行ってしまったのでしょう…」
日向「まさか…!!」ダッ
何処を探す?
安価下2
日向「そうだ、これまで七海が…」
日向「七海が殺された場所で俺が知ってるのって…俺の家の前位しかないぞ」
日向「くそっ」ダッ
日向「いない…他に七海がいそうな場所は」ダッ
誰の所に行く?
1 狛枝
2 苗木
※3 十神
4 その他
選択安価 安価下2
十神「おい日向、何をしている」
日向「十神…? 頼む、七海が見つからないんだ!このままだと七海が…」
十神「チッ、何を慌てているかと思えば…そもそも、今日は七海は俺の屋敷から一歩も出ていないぞ」
日向「…は?」
十神「偽物の方のあいつが、七海に変装して学校に登校している。貴様の話を聞いて試したくなってな」
十神「それに、あいつも誰かに捕まるようなヘマをする奴じゃない。そうでなくてはこの俺に変装等出来んからな」
日向「って事は、七海は…」
十神「安心しろ、七海は無事だ」
日向「………よかった…七海は…無事なんだな」
十神「フッ、この俺に感謝するんだな」
日向「それじゃあ、早速七海に…」
十神「待て、その前に…あの詐欺師を見かけなかったか?」
日向「いや…見かけてないぞ」
十神「そうか…チッ」
日向「………十神、一体何があったんだ」
十神「あいつと連絡がとれない。…何かあったか」
日向「それって…」
十神「チッ、俺はあいつを探す。お前はどうするつもりだ?」
日向「俺は…」
日向「安価下2」
日向「十神・・・詳しい話を聞かせてくれないか?」
十神「無駄話をしている暇はない。来るなら早く来い!」
日向「・・・分かった」
俺と十神は、必死にもう一人の十神を探した。
・・・その末見つけだしたのは
無惨な姿となったもう一人の十神だった。
日向「そんな・・・十神」
十神「待て、まだ息はある・・・すぐに救護隊を呼ぶぞ」
十神はすぐに救護隊を呼んだ。
もう一人の十神は病院に運ばれ、仲間たちにもその事は伝わった。
澪田「白夜ちゃん・・・?」
十神「辛うじて一命はとりとめたが・・・暫く意識が戻る事はないそうだ」
九頭竜「くそが・・・!」
狛枝「・・・・・・・・・」
狛枝「また余計な犠牲者が増えたね」
日向「・・・・・・・・・」
狛枝「・・・どちらにせよ僕はまたやり直す。君も次に繋がるヒントを探した方がいいよ」
夜の行動
安価下2
日向「なぁ、十神」
十神「日向か・・・こんな時間に何の用だ?」
日向「もう一人の十神は・・・俺達が最初に発見したんだよな」
十神「犯人以外に目撃者がいて、何もせず逃げた場合を除いてな」
十神「あいつは学園裏で倒れていた。・・・それがどうした?」
日向「いや・・・それならいいんだ」
日向「(今後の為にも、今の情報は覚えていたほうがよさそうだ。ひょっとしたら意味がないかもしれないけど)」
翌朝の行動
安価下2
日向「おはよう、七海」
七海「日向君・・・おはよう」
日向「昨日は会えなくてごめんな」
七海「ううん、気にしてないよ」
十神「感動の再会に浸る暇はないぞ。それよりこれからどうするつもりだ?何時までも屋敷で匿う訳にはいかんぞ」
七海「うん・・・ここからどうするか、だよね?」
日向「安価下3」
ミスターA「ちなみに、※は何かが発生するというだけで正解とは限らないよ」
ミスターA「豚神君に関しては・・・トラベラーが無駄に増えない限り大丈夫だと思うよ?不二咲さんの例もあるからね」
被ったら安価下
日向「苗木、十神を経由して霧切に調査をたのもう。ただ、霧切一人だと危険だから大神と二人で行動させる」
十神「なるほど…犯人の調査という訳か」
日向「あぁ、ここで犯人達を捕まえる事が出来れば、更なる被害は防げる」
七海「でも、殺された罪木さんと重傷を負ってるもうひとりの十神君は…」
日向「タイムマシン…あれさえ届けば、なんとかなる」
十神「なるほど、タイムマシンが届き次第タイムトラベルをして、今度はその二人も助け出すという事か」
七海「…タイムマシンは、届かない…と思うよ」
十神「どうしてそう言い切れる?」
七海「以前の周回で聞いたんだ…江ノ島さん本人がタイムトラベルを宛先を偽装して送っていたって」
日向「なっ…それは本当なのか!?」
七海「うん…多分だけど、江ノ島さんは私達のどっちかが犠牲にならない限り、タイムマシンを送る事はない…と思う」
十神「その根拠は?」
七海「ううん、無いよ。…ただ、そうじゃないと江ノ島さんがわざわざ私達にタイムマシンを送る理由に説明がつかないよ」
十神「犠牲が出なければタイムマシンを送らないだと?何故そう言い切れる」
日向「それって、江ノ島が俺達に何かをさせようとしているという事なのか?」
七海「うん…多分、それが江ノ島さんが私達にタイムマシンを送る理由。ただ、その目的に日向君が組み込まれてるのは確かだよ」
日向「俺が…?」
七海「うん、日向君がカムクラプロジェクトを受けた周回があって…そこで江ノ島さんは目的を達したって言ってたから」
十神「おい、今の説明だと矛盾があるぞ」
十神「なら、何故その周回の情報を貴様が持っている?江ノ島の目的が達成されたならタイムマシンを送る理由がなくなる」
十神「では何故貴様はその周回の情報を持っているのか、説明してもらおうか」
七海「(どうしよう…あの人の事、言っちゃっていいのかな?」
ミスターAの事を話す?
選択安価 安価下3
続きは深夜に
七海「ごめんね…この事が江の島さんにばれたらダメだから、話せないんだ」
十神「話せないだと?どういう事だ、説明しろ!!」
七海「…これは絶対に話せないから、説明出来ないよ。…でも、安心して」
七海「きっと…悪い事じゃない…と思うよ?」
十神「そんな言い分で納得するとでも思うか?」
日向「十神、七海を信じよう」
十神「何?」
日向「七海が話せないのはそれ相応の理由がある。…それに、江ノ島の情報網がここでのやり取りを把握してないとは限らない」
日向「用心するに越したことはない…そうだろ?」
十神「………」
十神「チッ、この十神家の秘密まで把握する程の力が奴にあるとは思えんが、念の為という事にしておいてやろう」
七海「ありがとう。…それで、もうひとりのトラベラーの事だけど」
十神「もうひとり? もうひとりタイムトラベラーがいるとでも言うのか?」
七海「うん…狛枝君をこのままにしておいたら、彼も狙われると思う」
日向「だから、今からでも助けに行こうって事か」
十神「言っておくが、俺は反対だ。あのよくわからん男をそう簡単に信用する事は出来ない」
七海「これは、あくまで私の意見にすぎないから…日向君達に任せるよ」
日向「俺は…」
狛枝を匿う?
選択安価 安価下2
日向「狛枝を匿おう」
十神「正気か?俺はそこまで付き合う気はないぞ」
日向「なら、苗木と霧切辺りに連絡してくれ。あの二人なら信用出来る」
日向「そして、決して俺一人では行動せずに二人以上で行動する」
日向「それなら、少しは安全に匿う事も出来るはずだ」
七海「日向君…じゃあ、私も一緒に行くよ」
日向「七海?」
七海「私一人だけここで待ってるなんて、そんなのよくないよ」
七海「それに、このまま行かせたらまた日向君が何処かに行っちゃいそうだから…」
七海「お願い、私も連れて行って」
日向「七海………」
七海を連れて行く?
選択安価 安価下4
日向「…わかった、じゃあ一緒に行こう」
七海「うん…一緒にいれば、怖くないよ」
十神「…チッ、仕方のないやつらだ。待ってろ、今苗木と霧切に連絡を入れる」
十神「二人を呼んで来た。玄関先で待機させている」
日向「ありがとな、十神」
十神「いいから行け。…続きは無事に戻ってきてからだ」
日向「あぁ、必ず戻ってくる」
十神「フン、期待しないでおいてやる」
苗木「あ、二人共!」
七海「苗木君、霧切さん、オッスオッス」
日向「わざわざ呼んですまないな。要件は聞いてるか?」
霧切「えぇ、狛枝先輩を助けに行くそうね。彼は現在、裏庭にいるわ」
日向「よし、早速助けにいくぞ」
続きはry
↑はい、その通りです。
俺達は四人で固まって狛枝の元へ向かう。
霧切の推測通りの場所にいた為、探すのに時間はかからなかった。
狛枝「あれ、超高校級の探偵の霧切さんに七海さん、それに苗木君じゃないか!こんな僕に何か用かな?」
日向「さりげなく俺を忘れているぞ」
狛枝「あぁ、予備学科もいたんだ」
日向「こいつ・・・」
七海「それより狛枝君、その腕の傷はどうしたの?」
狛枝「これ?ちょっとヘマをしちゃってね・・・情けないよね」
狛枝「けど、おかげで面白い事が分かったよ」
日向「面白い事?」
狛枝「それは・・・」
霧切「三人共、話は後にして。・・・囲まれてるわ」
日向「なっ・・・」
モノクマ覆面s「・・・・・・・・・」ゾロゾロ
狛枝「もう追いつかれたのか・・・参ったね」
苗木「霧切さん、どうしよう」
霧切「参ったわね・・・このままだと全滅よ」
狛枝「・・・・・・・・・」
狛枝「誰かが突破口を開く為の犠牲になるしかないのかな?」
日向「犠牲って・・・」
狛枝「だって、このまま皆で逃げようにも突破口も開けてないのに逃げれる訳ないじゃないか」
七海「数の暴力って恐ろしいからね」
苗木「でも、犠牲だなんて・・・そんな事したら」
霧切「間違いなく捕まるでしょうね・・・」
日向「(七海が捕まったらまた・・・そんなのはもう御免だ)」
狛枝「ここは僕が踏み台になるよ。元々僕のミスだからね」
狛枝「こんな僕でも、突破口を開いて皆を逃がす位の事は出来るよ」
七海「・・・・・・・・・」
七海「ううん、狛枝君は逃げ延びるべきだよ」
七海「私が突破口を開くから・・・皆はその間に皆は逃げて」
日向「待て七海、お前が犠牲になる必要なんてない!!」
日向「お前が犠牲になる位なら、俺が・・・」
七海「ううん、だめだよ。・・・日向君が次の周回に行かないと、他の人を動かせないから」
七海「それに、狛枝君は有力な情報を持ってるのに、ここで犠牲になったら何も変わらない。
苗木君も、ここで犠牲になる必要はないし、霧切さんもここを逃げ延びるのに必要だと思うから。今回は・・・私が犠牲にならないと。大丈夫だよ、日向君。・・・次の周回で、きっと助けに来てくれると信じてるから」
日向「七海・・・・・・・・・俺は・・・・・・・・・」
1 七海を犠牲にする
2 狛枝を犠牲にする
3 日向が犠牲になる
4 霧切さんに犠牲になってもらう
七海「必要な鍵を失う訳にはいかないよ」
選択安価 安価下5
日向「そんなの………出来る訳ないだろ」
狛枝「七海さん…」
七海「大丈夫だよ。私も、何とか逃げてみるから」
日向「七海………くそっ!」
七海「それじゃ…また、会おうね」
ダッ
七海が駆け出す直前、震えていたのがわかった。
だが、俺はその背中を止める事が出来なかった。今度は、自分達の手で七海を見殺しにしなければいけない事が、悔しかった。
七海は白黒のクマの覆面の集団の注意を自分に惹きつける事で、突破口を開いた。
その隙を見逃さず、霧切を始めとした俺たちは逃げ切る事に成功した。
しかし…七海が戻って来る事はなかった。
十神「…で、みすみす七海を見捨ててきた訳か」
日向「………」
十神「だから俺は反対だと言ったんだ」
日向「………七海は」
苗木「十神君、あの状況じゃ仕方なかったよ」
十神「フン、どうだかな。…それで、その男を連れ帰っただけの見返りはあるんだろうな?」
狛枝「そうだね…七海さんが犠牲になった事は残念だけど、面白い事がわかったよ」
霧切「…その面白い事とやらを、早く教えてもらえないかしら?」
狛枝「………タイムマシンが保管されている場所だよ」
一同「!?」
狛枝「僕が見つけたのは、多分江ノ島さんのタイムマシン」
狛枝「もしあれで江ノ島さんがトラベルを繰り返しているのなら、あれを奪ってしまえば更なる策を打たれる心配はなくなる」
狛枝「それだけじゃない、次の周回に活かせる人物が増える事になる」
十神「なるほど、面白い…ではそのタイムマシンとやらの場所へ案内しろ」
狛枝「言われなくても、そうするつもりだよ」
日向「それじゃあ、早速…」
使用人「十神様、荷物が届きました」
十神「荷物…だと?」
苗木「これって…」
日向「ビデオ…レター………!!」
また…なのか
また………届いたのか
また……………七海が
もう、嫌だ
もう、見たくない
苗木「日向君…大丈夫?」
日向「大丈夫…大丈夫だ」
霧切「…一体、何が撮られているのかしら」
それが再生されr もうみたくない
これいじょうななみが
じゃあみない?みなければいい?
ここでめをそむける?
それでいいのか?
それで・・・
めをそむけだせば もうおわりだ
ビデオに映っていたのは 祭壇のような場所に磔にされた七海の姿。
白と黒の覆面を被った集団が下に集まっており、崇拝されるような形になっている。
教祖らしき人物「皆の者よ、この者は我等が神に背きし悪しき魔女である!!」
教祖らしき人物「魔女は裁かれなければならない。よって、この者を火刑に処す!!」
「うおおおおおおおおおおおおお!!」
教祖らしき人物「悪しき魔女に神の裁きを…!!」ボッ
教祖らしき人物が祭壇に火を灯す。灯された火はあっという間に燃え広がって行き、七海の元まで火が到達する。
炎にじわじわと焼かれ、七海の顔が苦痛に歪む。
炎が燃え広がり、七海を炎が包もうとする。しかし、七海は最期まで叫ばなかった。
本当は、誰よりも怖いはずなのに。誰よりもずっと…怖い…はずなのに。 彼女の目は、真っ直ぐこちらを見つめていた。
やがて、炎が鎮火する。そこに映っていたのは、骨となった七海だった…
霧切「残酷ね…」
十神「趣味の悪いやつ等だ」
苗木「こんな事が…くそっ!」
日向「………」
狛枝「…日向君、本当に大丈夫かい?」
日向「あぁ………ダイジョウブダ」
狛枝「………なら、いいけどさ」
狛枝「もう、限界じゃないかな?このままだと君が廃人になりかねないよ」
日向「…ダイジョウブダ」
霧切「落ち込んでいる暇はないわ。…タイムマシンを奪いにいきましょう」
十神「タイムマシンには俺も興味がある。この十神グループの力を持って全力でサポートしてやろう」
苗木「…行こう、これ以上悲劇を繰り返させない為に」
日向「………あぁ」
狛枝「…日向君は、ここで待っていたほうがいいよ。今の君の状態だと、足手まといになる」
日向「………あぁ」
苗木「…行ってくるね、日向君」
苗木達は、タイムマシンを奪いに行った。その後、どうなったかなんて俺は知らない。
また、いつものようにタイムマシンが届いた。
これはタイムマシンです。未来を変えたいと思う貴方、過去をやり直したいと思う貴方に是非おすすめ!使い方は簡単、スイッチ一つで過去に飛んで安価で行動して未来を変えるだけ!
※気になるあの人を守り抜くには誰かが守る必要があるぞ。
※七海に迫る危機は一つだけじゃない
※特定の人物を仲間にするには条件を満たす必要がある
※ある人物にバレると一気に絶望ルート
※昨日の敵は今日の味方
※新たなタイムトラベラーが現れる時、犠牲者は増える
※元凶を止めない限り、悲劇は繰り返される
※進展の鍵はバトンタッチ
※鍵が揃えば、元凶への反撃が出来る
これで貴方もタイムトラベラー 開発者 ミスターA
日向「いつになったら…繰り返さなくてすむんだろうな」 バシュウ
七海が殺される3日前 朝の行動 安価下3
日向「罪木と七海にすべてを話そう…まず罪木は朝、七海は放課後だ」
罪木「あの、日向さん…相談があるんですけど、聞いてもらえますか?」
日向「狛枝を救う方法…だろ?」
罪木「ふゆぅ!?ど、どうしてそれを?もしかして、私なんかの考えなんて…」
日向「落ち着け。俺もタイムトラベルしているから、全部知っている」
罪木「日向…さんも?」
日向「あぁ、そうだ。罪木、これから俺が話す事をよく聞いてほしい」
罪木に全てを話した。
罪木「それじゃあ、日向さんは…」
日向「あぁ、こんな悲劇はこの周回で終わらせるつもりだ」
日向「その為にも、罪木達の力が必要だ。協力してくれるか?」
罪木「は…はい!」
放課後の行動
日向「七海、ちょっといいか?」
七海「日向君…」
日向「話しておきたい事がある…聞いてくれ」
七海に全てを話した。
七海「…あれから、またタイムトラベルを繰り返していたんだね」
日向「あぁ、そうだ。けどそれもこの周回で終わりだ」
日向「その為に必要な事はわかっている。七海、協力してくれ」
七海「………うん、わかった。私、日向君の事信じてるよ」
夜の行動
日向「苗木、今いいか?」
苗木「日向君、こんな時間にどうしたの?」
苗木に全てを話した。
苗木「そんな事が…」
日向「あぁ、だが全て本当の事だ。明日の放課後、俺が指定する人物を集めて全員で話し合いたい」
日向「だから、協力してくれるか?」
苗木「…うん、わかった。協力するよ!」
日向「じゃあ、十神と大神ともう一人の十神に明日の放課後教室に集まるように頼めるか?」
苗木「わかった、やってみるよ」
朝の行動
狛枝「やぁ日向君、君もまたタイムとラベルをしたみたいだね」
日向「狛枝…」
狛枝「今回は随分と張り切ってるみたいじゃないか…放課後、一部の皆で会議を開くんだってね」
狛枝「彼女に聞かれないように、気をつけたほうがいいよ」
日向「…気をつける」
狛枝「あ、会議には僕も参加していいかな?一応協力関係結んだんだしさ」
日向「安価下2」
日向「もちろんだ」
狛枝「ありがとう、僕だけ仲間はずれなんて寂しいからね」
日向「ただ、道中襲われるといけないから大神と一緒に来てくれ」
狛枝「大神さんか…超高校級の格闘家が護衛に付いてくれてるなら、安心だね」
放課後の行動
日向「皆集まったな」
豚神「で、俺達を集めて何の用だ?」
大神「我は詳しい話はお主がしてくれると聞いたが…」
十神「黙っていろ。今にわかる」
七海「………」
罪木「………」
狛枝「………」
苗木「日向君…」
日向「最初に、俺達はタイムとラベルをしている」
豚神・大神「なん…だと!?」
狛枝「ちなみに、タイムトラベラーは僕と七海さんと罪木さんと日向君だよ」
大神「だが、いきなり言われても信じられんぞ」
日向「だけど本当の事だ。…それで、ここからが本題なんだが」
日向「明日・明後日とほぼ確実に俺達の誰かが襲われる。そこで、皆の力を貸してほしい」
大神「つまり、お主達を守ればよいのだな」
日向「そういう事だ」
豚神「ふん、いいだろう。この十神白夜の名にかけて、お前たちを守り通してやる」
十神「言っておくが、俺も協力するぞ。十神グループの総力をあげて貴様らを守る」
十神「その後、襲ってきている奴らを完膚なきまでに叩く。俺達を敵に回した事を後悔させる為にな」
大神「ふむ…して日向よ、元凶の目星はついているのか?」
日向「あぁ、元凶の目星はついている。…江ノ島盾子だ」
日向「あいつが黒幕とみて、まず間違いない」
豚神「なるほど…江ノ島盾子か。あいつには強力なバックがついているという噂がある。十分気をつけたほうがいい」
罪木「それで、私たちは何をすれば…」
日向「安価下5」
日向「出来るだけ一人にはならないように、何かあったらまず連絡して助けが来るのを待つ。一人でなんとかしようとしないことだ」
日向「相手がこっちを狙って来る事を利用して、俺達は受けに回って襲撃を撃退する形をとる」
日向「調査や攻め込む時、撃退はバックアップに任せる」
日向「今回の最優先事項は犠牲者を出さない事だ。…これだけは忘れないでくれ」
七海「待ちの構え…だね」
狛枝「でも、今までの周回を見返す限りだと、僕が見てる周回だけでも背後に相当な組織が関わっているよ」
罪木「数で押されたらどうしようもないです…」
十神「十神グループをなめるな。その程度、どうとでもなる」
豚神「その気になれば、奴らを潰す等造作もない事だ」
大神「我とて、そう簡単にやられるつもりはない」
狛枝「…はは、こっちも相当心強い味方がいるね」
七海「うーん、でも念には念を押しておいた方がいい…と思うよ?」
苗木「そうだね…ここまで来たら、そう簡単に失敗もできないからね」
狛枝「ただ、応援を呼ぶ場合は信用出来る人だけにしたほうがいいね。万が一内通者が、なんて事も考えられるから」
豚神「それに、あまり呼びすぎると今度は潜入させる隙を与えかねないな」
狛枝「…どうする、日向君?」
日向「そうだな…」
1 応援を呼ぼう(指定含む)
2 このメンバーで迎え撃とう
選択安価 安価下3
続きは深夜に!
日向「ソニア・九頭龍・霧切・不二咲・左右田。俺はこの5人を推薦する」
豚神「なるほど、ソニアは一国の王女…国が相手となればそれこそ国でも動かさない限りは対抗出来ない」
豚神「九頭龍は最大級の暴力団の跡取りだ。裏世界の力関係でやつの右に出る者はほとんどいない」
十神「霧切は探偵だ。敵の素性を探る位は出来るだろうな」
十神「そして不二咲はプログラマー、左右田はメカニック。この二人が揃えば大抵の機械はどうとでもなる」
日向「この5人から、誰を呼んで誰を呼ばないかを皆で話し合って決めよう」
狛枝「なるほど、それが日向君の選択なんだね。だったら、僕は不二咲君辺りを推薦しようかな」
苗木「霧切さんは信用出来ると思うから、応援に呼んでくれると心強いかも」
豚神「俺はソニア・九頭龍に賛成だ。あの二人のバックが揃えばこわいもの等ないのだからな」
十神「フン、俺は九頭龍には反対するぞ。暴力団が江ノ島と内通している可能性は高いからな」
日向「九頭龍がそんな事をすると思うか?」
十神「九頭龍自身はしなくとも、暴力団の中に内通者がいないとは限らないぞ」
狛枝「それを言ったら、ソニアさんや十神君のバックも同じ事を言えるけどね」
十神「その可能性も十分承知だ。だから信用出来る奴以外はなるべく奥には入らせないようにしている」
七海「じゃあ、十神君は誰なら信用出来るのかな?」
十神「強いて言うなら、不二咲だな。あいつは弱者だが芯は強い。そしてあのコンピュータ技術は十神家にもない逸材だ」
十神「奴がいてくれれば、ネットワークの防衛から探知も大分心強くなるはずだ」
大神「なるほど…その意見には我も賛成だ」
大神「それと、我からは霧切を推薦しよう。霧切の捜査力は目を見張るものがある」
罪木「ふゆぅ…私なんかが意見してもいいんでしょうか」
豚神「当然だ。何か意見があったらどんどん言え」
罪木「あ、ありがとうございます…私は、全員呼ぶのもいいんじゃないかと思います」
十神「言ったはずだ。呼ぶ人数が多ければ多い程こちらの情報が向こうに漏れる可能性が高くなるリスクがあると」
十神「特に、バックが強力なソニア・九頭龍に関してはそれこそ慎重に決めなければならないだろうな」
罪木「す、すみませぇん!」
豚神「落ち込む必要はない。むしろ、こういう場では違った視点から物事を見る事も大事なのだからな」
狛枝「七海さんの意見はどうかな?」
七海「結構バラつきが多いね。私は…お父さんを呼んで欲しいかな」
日向「大体の意見は出たな。…まとめると、不二咲は結構賛成の意見が多いな」
狛枝「霧切さんもそれなりに賛成意見があるね」
豚神「ソニアと九頭龍は賛否両論といった所か」
苗木「あれ、左右田君は?」
七海「賛成も反対も出てない…と思うよ?」
大神「一人だけ賛否両方とも全く出ないとは…少し哀れだな」
十神「で、どうするつもりだ?決めるなら早く決めろ、日向」
日向「結局俺に戻るのか…」
日向「(皆の意見を参考にして慎重に選ばないとな…)」
誰を応援に呼ぶ?(5人の中から複数可。選ばなくてもよい)
選択安価 安価下6
日向「よし、不二咲、左右田、霧切、ソニア。この4人を呼ぼう」
七海「その4人でいい…んだよね?」
日向「あぁ、応援に呼ぶのはこの4人だ」
狛枝「九頭龍君は呼ばないんだね」
十神「当たり前だ。ただでさえソニアの国に内通者がいないか目を光らせる必要があるというのに九頭龍組まで出てきてみろ。いくら十神家といえども抜け穴が出来るぞ」
豚神「よし、早速その4人を呼ぶ…と言いたい所だが、もうすぐ夜になる」
苗木「ねぇ、日向君達の話が本当なら…明日の時点で誰かが狙われるんじゃないかな」
十神「その可能性も高いな。…その4人は俺が連絡を付けておく。お前達はここに泊まっていけ」
日向「十神…いいのか?」
十神「言っておくが部屋を貸すだけだ。食事と入浴は認めるが、それ以上の事は許さん」
七海「ねぇ日向君、せっかくだしお泊りしようよ」
日向「七海…」
1 よし、せっかくだし泊まるか
2 いや、一度家に帰ろう
選択多数決 安価下3まで
日向「よし、せっかくだし泊まるか」
七海「本当!?やったー!」
苗木「参ったな、泊まると分かってたなら寝巻きを持ってくればよかったよ」
狛枝「あはは、超高校級の皆と一緒に泊まるだなんて夢みたいだ」
豚神「言っておくが、お前達の快眠はこの俺が保証してやる」
大神「万が一不審者が来ようものなら我が撃退しよう」
罪木「た…頼もしいですね」
十神「おい貴様ら、泊まれるからといってあまりはしゃぐな。安全を考えてセキュリティシステムが万全な客室を人数分用意しておくから、あまり出歩くなよ」
狛枝「十神君は部屋を人数分用意してくれるって言ってくれたけど…」
豚神「一人一人が別部屋では危険が迫った時に気づけない可能性が高いな。ここは最低でも二人ひと組で泊まるべきだ」
大神「なるほど、二人ひと組ならば何かあった時にもうひとりがカバーできる」
苗木「それじゃあ、ペアはどうする?」
罪木「わ、私は…その、狛枝さんがいいです」
狛枝「僕を誘ってくれるなんて嬉しいね。僕も罪木さんと一緒に泊まりたいな」
七海「私は…日向君と一緒がいいかな」
日向「七海…」
豚神「開幕から惚気か。今更かもしれんが」
大神「我はひとりでも十分だ」
苗木「大神さん、いいの?」
大神「フッ、我とて不意をつかれる程腑抜けているつもりはない」
大神「それより、苗木はもうひとりの十神と泊まれ。戦闘力がないお主がひとりでは危険極まりないぞ」
苗木「大神さん…」
豚神「フッ、安心しろ。この俺が貴様を守ってやる」
夜
七海「日向君、ベッドふかふかだね」
日向「あぁ、部屋も広いし色んなものが揃ってる。こんなのがいくつもあるっていうんだから凄いな」
七海「えへへ、こういう所でお泊りするのって初めてだよ」
日向「そりゃあ、何処かの大型ホテルよりも豪華なこんな客室に泊まれる機会なんて普通はないからな。俺も初めてだ」
七海「なんだか、こうしていると段々眠くなってきちゃうね」
日向「はは、七海は何時も寝ているじゃないか」
七海「それもそうだね。…ねぇ、日向君」
七海「そっちに行っても…いいかな?」
日向「!!」
どう答える? 安価下4
日向「…ああ、勿論だ」
七海「えへへ…ありがとう」ズイッ
七海「日向君の傍だと、安心するなぁ…」
七海「スゥ…スゥ…」
日向「な、七海…?もう寝たのか?」
七海「スゥ…スゥ…」
日向「………」
日向「こうして間近で寝顔を見てると、やっぱり安心するな」
日向「おやすみ、七海。…絶対、守り通してやるからな」
今夜は、夢を見れそうだ…
夢の内容を見る?見ない?
選択多数決 安価下5まで(尚、夢の内容は指定出来ない)
続きは朝or夕方に!
何処かの南の島…その中心の公園に俺達はいる。
隣では七海がすやすやと眠っており、安心したような表情を浮かべている。
その寝顔を見ているだけで、なんというか…幸せな気分になる。
七海「むにゃむにゃ…日向君、こんな所で寝てると風邪引くよ」
日向「はは、寝てるのはどっちだよ。こんな所で寝てると風邪引くぞ」
そう言って、七海を背負う。そろそろコテージに帰らないと、皆が心配するからな。
何時ものように、俺は眠っている七海をコテージまで送ろうと歩き出した。
日向「七海、起きろ。コテージに着いたぞ」
七海「ん…あれ、日向君おはよう」
日向「おはようって…もう夕方だぞ」
七海「…それもそうだね。よいしょっと」
七海「また遊んでる途中で寝ちゃったね…」
日向「そうだな。けど、七海が寝てるのは何時もの事だし、今更気にしてないぞ」
七海「んー、私は気にするかな」
七海「だって、せっかくの日向君と一緒に過ごせる時間を寝過ごしたなんて、もったいない…と思うよ?」
日向「そ…そうか///」
七海「………日向君、あのね」
七海「私、日向君と出会えて本当によかった」
七海「色んな事を教えてもらって、色んな場所に連れてってくれて…すっごく感謝してるよ」
日向「七海…」
七海「でも…ごめんね」
七海の表情が暗くなる。嫌な予感がした。…当たり前だと思っていた日常が、突然崩壊するような何か…そんな予感が。
七海「私、今回も駄目だったみたい」
七海の身体が少しずつ消え始める。
日向「なっ…七海!」
七海「ごめんね、日向君…私はここまでだけど、日向君は…」
日向「七海…七海ぃいいいいいいいいいいいい!!」
日向「なんだよ、これ…何で七海が、いきなり………」
モノクマ「うぷぷぷぷ、残念だったね日向君」
日向「お前は………っ!!」
モノクマ「思い出した?七海さんは死んじゃうの。もしくは君がね」
モノクマ「絶望しなよ…何度繰り返しても七海さんを救えない自分の無力さに」
モノクマ「絶望して…そのまま堕ちておいで」
モノクマ「君なら素晴らしい絶望になれると、僕は断言するから」
モノクマ「それとも、僕を殺す?殺した所で無意味だけどね」
モノクマ「うぷぷぷぷ…だーっはっはっはっはっは!!」
日向「テメェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!」
白黒のクマに殴りかかる。しかし、拳が届く前にそのクマは姿を消した。
日向「くそっ…くそっ!!」
「全く、何時まで繰り返しているつもりですか?」
日向「今度は…誰だ?」
「私ですか? 私が誰かなんてどうでもいいじゃないですか」
日向「(長い髪に…赤い目。それに、すごく嫌な感じだ)」
「それより、貴方にこれ以上無駄な事を繰り返して欲しくないので一つアドバイスをして差し上げましょう」
「全ての鍵が揃わない限り、どうあがいても悲劇は終わらない」
「次以降の周回では、全ての鍵を揃える事を優先しなさい」
「残る鍵は3つ…全てのピースを正しい順番で揃えれば、道は開けるでしょう」
「…そろそろ時間ですね。お行きなさい」
日向「ま、待ってくれ。お前は…何者なんだ?」
「………さぁ、何者でしょうね。強いて言うなら、平行世界の人間…でしょうか」
「…もう二度と会う事がなければいいですね」
日向「ハッ!!」ガバッ
七海「スゥ…スゥ…」
日向「………夢か」
日向「今のは…一体」
翌朝の行動
安価下3
「おっと、バッドが確定したからといって自暴自棄になってはいけませんよ…そうなってはその周回で手に入る鍵も手に入りませんからね」
「被ったら安価下です」
ぼっちゃん全く関係無いやん・・・
適当に安価とってるのってわざとしてるのか?
考える時間くらいくれお
朝食会
霧切「おはよう、皆」
苗木「霧切さん、もう来てくれたんだね!?」
霧切「困っているみたいだし、行かなければならない気がしたのよ」
十神「みんな揃っているな。これから朝食を兼ねた会議を始めるぞ」
豚神「今日の放課後には、不二咲も左右田もソニアも来るそうだ」
罪木「ふゆぅ…それじゃあ、放課後には皆揃うんですね」
日向「霧切、その間に頼みがある」
霧切「朝から何かしら、日向君」
日向「九頭龍組に江ノ島の内通者がいないか調べてきて欲しい」
霧切「九頭龍組に?…一応聞くけど、それ相応の理由はあるのよね?」
日向「あぁ、頼む」
霧切「…わかったわ。何度も繰り返している貴方の事だもの、ここは信じるわ」
苗木「霧切さん…」
霧切「大丈夫よ、苗木君。私はそこまでヘマをするような人間じゃないわ」
十神「フン、せいぜい気をつけるんだな」
七海「うーん…大丈夫かな?」
日向「そうだな…誰かと一緒に行動したほうがいいかもしれないな」
狛枝「誰かと一緒に、か…いいかもしれないけど、誰と一緒に行動させるの?」
日向「安価下3」
日向「大神と一緒に行動してもらおう」
大神「我の出番か…いいだろう」
霧切「大神さんが味方なら、心強いかもしれないわね」
十神「では、霧切と大神には九頭龍組の調査を行ってもらおう」
狛枝「それで、今まで通りだともうすぐ江ノ島の刺客が攻めて来ると思うんだけど…それに関してはどうする?」
十神「放課後までは十神グループが対応する。だが、万が一の場合に備えて各自ばらばらには動くな」
日向「…あぁ、放課後までは十神に任せよう」
放課後
ソニア「お帰りなさいませです!!」
左右田「いや、ソニアさん…それ全然違いますよ」
不二咲「こ、こんにちわぁ…」
十神「よく来たな、時間もない…早くあがれ」
左右田「なんかすげぇ争いの跡があるんですがどういう事でしょうか」
十神「それはこれから話す。奥で日向達が待っている、早く行け」
日向「3人とも、よく来てくれたな」
左右田「てか、あの玄関とかの惨状はなんだったんだ」
狛枝「十神君達が守ってくれたんだよ」
不二咲「守るって…何から?」
七海「かくかくじかじか…だよ」
ソニア「そんな事が…」
左右田「つか、タイムマシンってそんなものあんのかよ」
不二咲「とてもじゃないけど、信じられないよ…」
日向「(ここで何とか3人を説得しないとな…)」
日向「安価下5」
日向「玄関の争いの後が証拠だ」
不二咲「確かに、玄関が凄く荒らされてたね」
左右田「てか、あの荒れ具合はなんなんだよ」
日向「事前に襲われることが分かっていたから十神達にあらかじめ頼んで助けてもらえた」
日向「相手の規模は玄関の跡で察してくれ、それだけの相手が七海や罪木を狙ってるってことだ」
左右田「マジかよ…そんな相手に俺達でどうしろと」
ソニア「どうして、七海さん達が狙われるのでしょうか…」
日向「それは俺にもわからない。ただ、放っておいたら確実に襲われる。これだけは確かだ」
不二咲「でも、僕達に出来る事ってあるのかなぁ」
十神「不二咲には、十神家のネットワークを貸してやる」
十神「それを使い、俺が指示する内容をこなしてもらう。左右田は後に解析してもらいたいものがある、出番はそれまでない」
左右田「えっ」
ソニア「ですが、あの玄関の惨状から並の守りではだめです」
ソニア「ここは、私の国に応援を要請して協力してもらいましょう!」
放課後の行動
安価下3
日向「九頭竜、今いいか?」
九頭竜「あぁ、日向か?悪い、今立て込んでんだ、後にしてくれ」
日向「おい、どうしたんだ?何か」ツー ツー ツー
日向「九頭竜・・・大丈夫か?」
十神「チッ・・・始まったか」
罪木「ふゆぅ・・・大丈夫でしょうか」
狛枝「ただ守られるだけだなんて、僕はなんて無力なんだ」
七海「でも、今私達が動いたら狙われるから、じっとしてるのが得策・・・だと思うよ?」
日向「・・・・・・・・・」
狛枝「日向君、どうかしたのかい?ひょっとして、何か解決策でもあるとか?
日向「いや・・・今は動かない方がいい」
ソニア「ですが、この襲撃の後はどうするのでしょう」
日向「襲撃を凌いだ後、か」
1 江ノ島達のアジトを突き止めて攻めこむぞ
2 態勢を整えて守りを固めよう
選択安価 安価下4
日向「ここは、態勢を整えて守りを固めよう」
狛枝「なるほど、無理に攻めずに様子を見つつ守るんだね」
ソニア「その頃には私の国の皆さんも来てくれるので、きっと大丈夫でしょう」
七海「んー・・・・・・・・・」
狛枝「七海さん?」
七海「・・・・・・・・・なんでもない、かな」
その後、更なる襲撃に備えて態勢を整えた。
その間、俺達は互いに離れず見張りあい、誰も欠けていない事を確認した。
襲撃が止んだ時、俺達の中で誰一人欠ける事はなかった。
夜の行動
安価下2
Prrrr・・・
日向「・・・出ないな」
日向「九頭竜に何かあったのか?念のため確かめた方がいいかもしれないな」
日向「けど、一人で行動するのも危険だ。明日また考えよう」
九頭竜に何かあったのだろうか・・・
翌朝の行動
安価下5
Prrrr
葉隠「おう、日向っちか。どうしたべ?」
日向「葉隠に占って欲しい事があってな」
葉隠「俺にか?もちろん占ってやるべ!料金は日向「出世払いで」了解だべ。で、何を占って欲しいんだ?」
日向「安価下3」
しまったぁあああ!!見間違えて申し訳ないです
・・・やり直すべきですかね?ちょっと意見募ります
多数決安価下5まで
しまったぁあああ!!見間違えて申し訳ないです
・・・やり直すべきですかね?ちょっと意見募ります
多数決安価下5まで
日向「七海と狛枝と罪木以外で頼れる人物を占ってくれ」
葉隠「了解だべ。むーん・・・見えたべ!」
十神っちと九頭竜っちの総力が合わさると最強にみえると出たべ!」
日向「サンキュー」ガチャ
Prrrr
日向「(着信拒否にしとくか)」
日向「次は・・・」
1 十神と連絡
2 霧切と連絡
選択安価 安価下2
prrrrrr
ピッ
霧切「もしもし?」
日向「もしもし、霧切か?」
霧切「えぇ、どうかしたかしら?」
日向「今の段階で調査で分かっている事を報告して欲しい」
霧切「そうね…わかったのは、九頭龍自身は潔白よ」
日向「九頭龍自身は?」
霧切「今、九頭龍組で内部分裂が起きているのよ。…江ノ島盾子の介入によって」
日向「…どういう事だ?」
霧切「そこまではわからないわ。…ただ、彼女が九頭龍組を使って何かしようとしている可能性は高い。警戒しておきなさい」
日向「こっちと合流する事は出来るか?」
霧切「…今は無理ね。そろそろ切るわ」
日向「ちょっとま」
ピッ
日向「………」
1 十神に電話し、江ノ島達の調査報告を聞く
2 十神に電話し、九頭竜組の現状に関して聞く
2 一度戻る
3 霧切を探しに行く
4 だべに電話
選択安価、安価下3
Prrrr
ピッ
十神「日向か。何か起きたのか?」
日向「いや、江ノ島達の調査で何か分かった事がないか聞きたくてな」
十神「その事だが・・・江ノ島達の調査部隊が全滅した」
日向「なっ・・・!?」
十神「捜索隊が調査部隊全員の死体を確認している」
十神「調査資料は、全て消されていた」
十神「どうやら並の相手ではなかったようだ。・・・まさか十神グループの調査網を潰されるとはな」
十神「俺は十神グループをまとめなおさねばいかん。一度切るぞ」
日向「十神・・・・・・・・・」
十神グループが大打撃を受けたようだ。
十神・霧切・大神とはしばらく連絡をとれなさそうだ。
日向「・・・安価下3に会いに行こう(十神・霧切・大神は不可)」
日向「ソニア、少しいいか?」
ソニア「はい、何かありましたか?」
日向「ソニアの国の応援が来るのは、後どれくらいだ?」
ソニア「そうですね…大体、明後日の朝位でしょうか」
日向「明後日か…なるほど」
ソニア「出来れば明日にでも整えたいのですが、そうすぐには出発出来ないのでこればっかりはどうしようもありません…」
日向「いや、いいんだ。それよりもうすぐ夕飯だろ?皆で一緒に食べよう」
ソニア「そういえばそうですわね。では、一緒に行きましょう」
夕飯
狛枝「今日は特に何も起きなかったみたいだね」
罪木「でも、正直不安です…この先大丈夫なのでしょうか」
七海「うーん…今は十神グループを信用するしかない…と思うよ?」
豚神「安心しろ、お前達はこの十神が守り通してやる」
左右田「で、その十神本人は何処に行ったんだ?」
苗木「僕も気になるけど、下手に動く訳にはいかないからね…」
狛枝「霧切さんと大神さんも戻らないのも気になるね」
罪木「まさかとは思いますが、二人共…」
ソニア「そんなはずはありません!きっと二人共諸事情で戻れないだけです!!」
左右田「その諸事情が何なのかが問題なんですがそれは」
豚神「………おい日向」
豚神「何度もタイムトラベルを繰り返しているお前なら、適切な判断を出来る可能性が高い。ここはどう行動するかお前に任せる」
日向「…いいのか?」
豚神「構わん、この俺が許可する」
日向「(そうだな…霧切達や九頭龍の行方も気になるし、十神の様子も把握したい。けど、下手に動けば危険だ。かと言って動かなければ手遅れになる可能性もある。ここは慎重に考えないといけないぞ)」
1 十神グループの内部調査
2 九頭龍の捜索
3 霧切達の捜索
4 その他
選択安価 安価下3※
日向「十神グループの内部調査をするぞ」
七海「十神君のグループの?」
狛枝「なるほど、内通者が紛れ込んでいないかを調べるんだね」
日向「そういう事だ」
豚神「そういう事なら、この俺に任せろ。他にもやらねばならない事はあるんだ、ここはこの俺が内部調査を行った方が効率よく行えるだろう」
苗木「確かに、超高校級の詐欺師である彼なら内部調査はお手の物かもしれない」
ソニア「むしろ、皆でまとまって内部調査をしようとすれば勘付かれる可能性も高いです」
日向「(どうする、ここでバラバラ行動を恐れて皆で内部調査をするか…それとも、豚神に任せて俺達は別な事をするか)」
日向「(九頭龍や霧切の事も気になる。ここで判断を誤れば…)」
※1 内部調査は豚神に任せ、九頭竜の捜索
※2 内部調査は豚神に任せ、霧切の捜索
3 皆でまとまって内部調査
選択安価 安価下3
日向「分かった、十神グループの内部調査は任せる」
豚神「フッ、期待して待っているがいい」
苗木「それじゃあ、僕達はどうすればいいのかな」
日向「俺達はこれから、九頭竜の捜索に行く」
狛枝「九頭竜君の?どうしてここで九頭竜君の捜索を言い出したのかな」
日向「霧切の報告によると、九頭竜組内部で争いが起きているらしい。恐らく、九頭竜の身に何かがあったのは間違いない」
日向「だから、手遅れになる前に俺達で探し出すぞ」
ソニア「そういう事でしたら、急いで九頭竜さんを探さなければなりません!」
狛枝「うーん、でも手がかりも無しに探すのは無謀じゃないかな?それとも、日向君には手がかりがあるのかな?」
日向「(九頭竜を探す手がかりといったら・・・あれだな)」
1 霧切と合流し、九頭竜の居場所を絞りこむ
2 十神グループの力を借りる
3 気合い(手がかりなんてない)
4 葉隠に占ってもらう
選択安価 安価下2
日向「霧切と合流しよう」
七海「霧切さんと…?」
日向「あぁ、霧切には九頭龍組について調べてもらっている。合流すれば九頭竜の居場所も分かるかもしれない」
狛枝「なるほど、ね…霧切さんの居場所は分かるの?」
日向「今から合流する場所を連絡して取り決める。後は落ち合う場所に行けば大丈夫だ」
不二咲「大丈夫かなぁ…」
ソニア「では、出発進行であります!」
狛枝「で、落ち合う場所に着いた訳だけど…」
七海「霧切さんも大神さんもいないね」
苗木「まさかとは思うけど、霧切さんに何かあったんじゃ…」
日向「………」
1 闇雲に動くのは危険だ。安全を確保して霧切達を待とう
2 霧切達が心配だ。辺りを捜索しよう
3 …嫌な予感がする。今すぐ引き返そう
選択安価 安価下3
日向「…嫌な予感がする。今すぐ引き返そう」
狛枝「え、霧切さんと合流する為に来たのに何もせずに引き返すの?」
七海「うーん、それじゃあ何しに来たのかわからない…と思うよ?」
ソニア「そうです、それでは霧切さんや九頭龍さん達を見捨てるのですか!?」
本当に引き返す?
1 引き返そう
2 やっぱり霧切を待とう
3 やっぱり霧切を捜索しよう
選択多数決 安価下5まで
日向「確かに、ここで引き返したくはない。けど、ここで下手な事をすれば今度は俺達が危ない」
日向「皆まで危険に晒す訳にはいかない・・・一度引き返すぞ」
七海「・・・ここで引き返したらフラグが立たない気がするよ?」
日向「死亡フラグよりはマシだ」
左右田「しゃーねぇ、帰るか」
「動くな!!」
一同「!!」
そこからはあっという間だった。
覆面の集団に囲まれ、全員が捕まって・・・
日向「・・・ここは?」
テレビの明かり以外、何も見えない部屋。
部屋に唯一存在するテレビには、捕まった皆の姿があった。
モノクマ「うぷぷぷぷ、気がついたかな日向君」
テレビ越しにモノクマの声が聞こえる。
モノクマ「これから、君の仲間を順番に処刑します!」
日向「な…」
モノクマ「そうだねぇ…まずは左右田君から処刑しちゃおうかな」
左右田「嫌だぁああああああああああ!!」
左右田が覆面の集団に連れ去られる。画面が切り替わり、処刑台のような場所が映った。
左右田「あ…あぁ…」ガタガタ
モノクマ「では、これより左右田君の処刑を始めちゃいます。今回は左右田君の為に、スペシャルなお仕置きを用意しましたー!!」
その言葉と共に大量の銃器が左右田を囲む。
必死に助けを求める左右田の声が、大量の銃器の鳴り響く騒音に変わるのにそう時間はかからなかった。
四方八方から降り注ぐ銃弾の雨によって、左右田が蜂の巣になっていく様が映し出される。
左右田の叫び声が途絶えてもなお、降り注ぐ銃弾が左右田の身体に次々と穴を開けて血液を撒き散らす。
銃弾の音が収まった頃には、左右田がいた場所には原型もわからぬ肉塊があった…
モノクマ「いやっほーう!エクストリームゥ!!次はソニアさんを処刑してみましょー!!」
次に映し出されたのは猛獣を始めとした様々な危険な生物が閉じ込められた檻に四方を囲まれたソニア。
モノクマ「うぷぷぷぷ、想い人が大好きでたまらない動物達にお仕置きされるって絶望的だよねぇ。それでは張り切っていってみましょー!」
最初に開けられた檻から出てきたのは大蛇。その大きな胴体は人間を絞め殺す事もできるのではないかと思えてしまう巨大な蛇は、ゆっくりとソニアに近づいていく。
ソニアの顔がみるみる青ざめていくのがわかる。ゆっくりと迫る大蛇に怖気づいて後ずさりするも、後ろにいたライオンの威嚇に後ずさりが止まる。
ゆっくりと距離を詰めた大蛇がソニアに襲い掛かる。長い胴体を巻きつけて逃がさないようにし、ゆっくりと締め上げていく。
ソニアの表情が苦痛に歪み、声にならない声を絞り出す。
次の瞬間、第2の檻が開放された。その檻から出てきたのは獰猛な犬の群れ
檻から勢いよく飛び出した犬の群れは一斉にソニアに襲い掛かる。悲鳴を上げるソニア。
逃がさないように身体を締め上げる大蛇。噛み付く犬の群れ。
次のショーケースが開放され、今度は蜘蛛や蜂、蟻等の大量の虫がソニアに襲い掛かった。
響くソニアの絶叫。それでも止まない生き物達
やがて全ての檻が一斉に開放され、ライオンや熊を始めとした大型猛獣からサソリやムカデ等の危険な虫まで、様々な生物がソニアに襲い掛かり、画面が埋め尽くされる。
そして、最後に残ったのはずたずたに引き裂かれたソニアの衣服の破片のみだった………
モノクマ「次は…苗木君と狛枝君の処刑だね!!」
もう、いやだ。
目を閉じても耳を塞いでも、処刑の音が聞こえ、様子がわかってしまう。
これ以上、仲間が…仲間が………
次に映し出されたのは、大きな二つの樽と、その上に顔を出している苗木と狛枝の姿。
その周りには大量のナイフ。二つの樽にはナイフが入る位の穴がいくつも開いている。
モノクマ「さーて、超高校級の幸運である二人にはあの危機一髪の海賊以下略を行います!」
モノクマ「ナイフは全て本物です。当たりに刺さると、な、なんと…飛んでいきます!!」
モノクマ「果たしてナイフが全身に刺さって死ぬのが先か、飛ばされて落下死が先か…張り切っていきましょー、お仕置きターイム!!」
一本目のナイフが刺さる。それと同時に、苗木が飛んで行った。
一方、狛枝は苦痛に顔を歪めるも苗木が飛んで行った事に笑顔になる。
モノクマ「まさか最初に飛ばされるなんて思わなかったよ。…ま、あの高さから落ちたら何処に落ちても死ぬだろうけどね」
モノクマ「さー次いってみよー!!」
数本のナイフが刺さった所で、狛枝が血を撒き散らしながら飛んでいった。
モノクマ「…なんか思っていたよりもあっさりだったね。さすが幸運だよ!!」
モノクマ「二人の死体を見せれないのは残念だけど、次は罪木さんを処刑しちゃおっか」
次に映し出されたのは辺りに血痕が付着している禍々しい手術室。
手術台の上には、罪木が固定されている。
モノクマ「罪木さんには、いろーんなお薬を注射してじわじわと苦しんでもらいましょー!!」
覆面の男達が順番に薬を注射していく。
注射される度に罪木の顔が苦痛に歪み、出血、痙攣と次々と副作用が襲っていく。
叫び声も呂律が回らなくなり、何を言っているのかわからなくなる。
ただ、ひたすらに許してと叫んでいたのはわかる。
しかし、次々と薬が注射されて発狂する。
暴れても固定されたからだは動かない。
髪の毛が抜け落ち、手足はガクガクと震える。
その顔は絶望に満ちた歪みを見せ、やがて罪木は動かなくなった。
モノクマ「さて、そろそろ日向君にとってクライマックスの…七海さんのお仕置きいってみましょうか!!」
七海が………
また、七海が………
何で、また………
何処で間違えた?
何処で………間違えて………
また、七海が………
また、七海が………
また、七海が………
マタナナミガ
モノクマ「ちなみに、君に見ないという選択肢はありません!ぶひゃひゃひゃひゃ」
ナナミサンノオシオキヲカイシシマス
日向「やめろおおおおおおおおおおおおおおお!!」
映し出されたのは腕を縛り上げられて吊るされているされている七海の姿。
下の巨大なショーケース内で蠢いているのは大量のG。
ショーケースを埋め尽くす程の大量のGが七海の真下で蠢いているのだ。
モノクマ「七海さんの為に、Gをたーくさんたくさん集めてきたよ!一杯触れ合っておいで」シャキン
七海を吊るす縄が切られ、大量のGが蠢くショーケースに投入される。
七海の助けを呼ぶ声が聞こえる。しかし、俺は助けに行く事ができない。
Gは肉食だ。
大量のGが七海に群がり、悲鳴を上げる七海。
ショーケースを埋め尽くす大量のGによって七海が完全に見えなくなり…そこで映像は途絶えた。
監禁されているにも関わらず、タイムマシンが届く。
これはタイムマシンです。未来を変えたいと思う貴方、過去をやり直したいと思う貴方に是非おすすめ!使い方は簡単、スイッチ一つで過去に飛んで安価で行動して未来を変えるだけ!
※気になるあの人を守り抜くには誰かが守る必要があるぞ。
※七海に迫る危機は一つだけじゃない
※特定の人物を仲間にするには条件を満たす必要がある
※ある人物にバレると一気に絶望ルート
※昨日の敵は今日の味方
※新たなタイムトラベラーが現れる時、犠牲者は増える
※元凶を止めない限り、悲劇は繰り返される
※進展の鍵はバトンタッチ
※鍵が揃えば、元凶への反撃が出来る
※人の忠告はちゃんと聞きましょう
これで貴方もタイムトラベラー 開発者 ミスターA
日向「………」
日向「あの時、引き返す選択をしなかったらどうなっていたんだろうな」
飛び先を選択できます。
1 何時もの最初から
2 >>237から
選択多数決 安価下5まで
バシュウ
狛枝「で、落ち合う場所に着いた訳だけど…」
七海「霧切さんも大神さんもいないね」
苗木「まさかとは思うけど、霧切さんに何かあったんじゃ…」
日向「(ここは…あの時の?)」
日向「(何時ものように同じ時間には飛ばなかった…どういう事だ)」
狛枝「…日向君?」
日向「っと、すまん。考え事をしてた」
左右田「あんま無理すんなよ、お前が倒れたらどうにもならないからな」
ソニア「不二咲さんは万一に備えて残ってもらいましたが…大丈夫でしょうか」
七海「多分大丈夫…だと思うよ?」
苗木「それより、これからどうしようか」
日向「(ここで引き返したらだめなんだよな)」
1 闇雲に動くのは危険だ。安全を確保して霧切達を待とう
2 霧切達が心配だ。辺りを捜索しよう
選択安価 安価下3
日向「闇雲に探すのは危険だ。ここは霧切達が来るのを信じて待とう」
罪木「でも、長居して大丈夫なんでしょうか」
日向「闇雲に探してすれ違いになる可能性だってある。それと、念のため周囲を警戒して安全確保を行うぞ」
苗木「分かったよ。けど、安全確保はどうすればいいかな?」
狛枝「安全確保か・・・普通に考えるなら周囲に危険がないか確認する調査班と、この場所の整理や何かあった時の備えをして留まる準備班に分かれて進めるとかかな?」
ソニア「どちらもお任せです!」
左右田「その辺の物使ってちょっとしたもんを作る位なら出来るぜ」
罪木「ち、治療は任せてください!」
七海「日向君と一緒なら・・・どっちでもいいよ?」
狛枝「僕の幸運は何を引き寄せるのかな?楽しみだよ」
日向「(ここはそれぞれの長所とかを踏まえて人員を決めるべきだな。・・・狛枝が不安だが)」
調査班と準備班の人員振り分け
安価下5
日向「よし、調査班を俺、七海、苗木。準備班を左右田、罪木、狛枝、ソニアで分けよう」
ソニア「がってん承知之助です!!」
左右田「ソニアさんと一緒…よっしゃ!」
罪木「が、頑張ります!」
狛枝「僕みたいなゴミクズが足を引っ張ったりしないようにしないとね」
苗木「それじゃあ、僕達はこの周辺を捜索しようか」
日向「バラバラに捜索するのは危険だ、まとまって安全を第一に捜索するぞ」
七海「それじゃあしゅっぱーつ!」
続きは深夜に!
七海「うーん、中々見つからないね」
苗木「安全の確保も兼ねてるから、辺りに危険がないかもチェックしないとね」
日向「出来れば霧切達も無事でいてくれるといいんだけどな…」
七海「でも、それなら最初から待ち合わせ場所にいる…と思うよ?」
苗木「とにかく、霧切さん達を探さないと」
日向「って苗木、張り切るのはいいけど迂闊に姿を晒すなよ」
苗木「ごめん…気をつけるよ」
コッ
七海「…?」
日向「七海、どうした?」
七海「うーん、さっき向こうで物音がした気がするんだけど…気のせいだったかな?」
苗木「物音…?」
日向「………」
1 確か向こうだったな。念の為調べるぞ
2 俺達を狙う奴らだったら危険だ。そっと離れるぞ
3 気のせいだ、放っておこう
選択安価 安価下3
日向「確か向こうだったな。念の為調べるぞ」
苗木「うん、怪しい所は全て調べておかないとね」
七海「ここで見逃したりしてたら後の死亡フラグが立ったりするんだよね」
苗木「あはは…さすがに現実でそれはないと思うよ」
物音がした先の物陰を調べる。
辺古山「動くな」
日向「なっ…!!」
七海「辺古山さん…?」
辺古山「………」
日向「(一瞬で背後を…何で辺古山が!?)」
辺古山「………」
日向「(…何もしてこない?こちらが動かなければ危害を加えるつもりはないのか?)」
日向「(ここは一度話をしてみよう)」
日向「安価下3」
日向「………」
辺古山「………」
七海「辺古山さん…?」
辺古山「………」
辺古山「………お前達は敵か?」
日向「…は?」
辺古山「お前達は坊ちゃんの敵か? 答えろ」
日向「ちょ、ちょっと待て!俺達は敵じゃない!!」
七海「辺古山さん、一体どうしたの?」
辺古山「………」
日向「…九頭龍に何かあったんだな?」
辺古山「………」
霧切「辺古山さん、その辺にしておきなさい」
辺古山「………」
九頭龍「ペコ…刀を収めろ」
辺古山「………」スッ
苗木「霧切さん!? それに九頭龍先輩も」
日向「酷い怪我じゃないか。何があった!?」
九頭龍「その前に一つ聞きてぇ。…お前らは誰の味方だ?」
苗木「…どういう事?」
九頭龍「………いや、いい。ペコ、説明してくれ」
辺古山「坊ちゃんは…組に裏切られた」
日向「は…?」
辺古山「正確に言えば、乗っ取られたのだ。…周りの人間を始めとした組の大半にな」
日向「どういう…事だよ」
霧切「九頭龍組に対して最近接触があったのは江ノ島盾子…日向君の証言も合わせると彼女が怪しい人物候補筆頭ね」
九頭龍「チッ、情けねぇ…下の奴らの事も把握出来ねぇで、俺は跡取り失格だ」
大神「我らが来ていなければ、今頃どうなっていたことか」
霧切「彼の怪我も大分酷いわ。応急処置はしたけれど、しっかり治療をしておきたいわね」
七海「それなら、例の場所に罪木さんがいるから、罪木さんに治療してもらおうよ」
九頭龍「例の場所だ?」
1 そうだな…一度罪木達と合流して、九頭竜の手当を行おう
2 いや、ここは十神達に連絡して迎えを待とう
選択安価 安価下3
日向「あぁ、近くで罪木達が待機している。合流して手当を行った方がいい」
九頭龍「んなもん必要ねぇ…俺の事なんか気にするな」
日向「それは駄目だ。お前の怪我が悪化したらどうする」
日向「とにかく、一緒に行くぞ。ここは危険だ」
九頭龍「チッ………情けねぇ」
狛枝「九頭龍君!それに辺古山さんに霧切さん、大神さんまで!」
苗木「霧切さん達が九頭龍先輩達を連れてきてたとは思わなかったよ」
罪木「って九頭龍さん酷い怪我じゃないですか!何があったんですか!?」
九頭龍「………なんでもねぇよ」
罪木「なんでもなくないです!最低限の治療セットは用意してあるので今すぐ横になってください!」
左右田「なぁ、九頭龍達に何があったんだ?」
辺古山「…坊ちゃんは組に裏切られた」
ソニア「裏切られ…?」
辺古山「あぁ、組の者達が一斉に反乱しだしたのだ」
ソニア「そんな…一体何故!?」
辺古山「…わからない」
左右田「おいおいマジかよ!?組が裏切ったってことはそいつらが狙って来る可能性も」
辺古山「………」
狛枝「…九頭龍君は自分の部下達に裏切られたんだね。でも、彼ならきっとこの絶望も乗り越えられると僕は信じてるよ」
霧切「…それより、これからどうするつもり?何時までもここに留まるのも危険よ」
日向「そうだな…」
日向「安価下3」
日向「十神達に連絡して互の現状を報告、安全を確認次第合流地点を決めてそこまで迎えを頼もう」
七海「うん、ここに長居するのも危険だし早く戻らないとね」
prrrr
十神「日向か。一体何の用だ?」
日向「十神、今霧切達と合流した。そっちの状況はどうだ?」
十神「フン、何かと思えばそんな事か。こちらは何も問題ない。で、何処に迎えをよこせばいい?」
日向「話が早くて助かる」
十神達と合流し、帰還した。
左右田「いや~なんとか無事戻ってこれてよかったぜ」
七海「皆無事で何よりだね」
狛枝「所で、九頭龍君は?」
十神「奴なら今は治療室で治療を受けている」
罪木「辺古山さんも付き添ってました…」
大神「しかし、事は我の予想以上に深刻らしいな」
霧切「江ノ島さんが九頭龍組を扇動したとしたら、かなり厄介ね」
十神「チッ…おい日向、俺は十神グループの指揮に忙しい。この後どうするかは俺が決めろ」
日向「俺が決めていいのか?」
十神「今一番適切な行動を取れるのはお前だ。後は任せるぞ」スタスタ
苗木「…と、とりあえずどうしようか」
日向「そうだな…」
日向「安価下3
US○MI「申し訳ないが、連投安価は安価下でちゅ」
日向「今ここにいる皆のいろんな情報網を駆使して出来る限りの情報を集めて、今後の対策を練ろう」
ソニア「ここにいる皆の…ですか」
狛枝「九頭龍君の組は今離反に近い状態だし、期待できそうなのは十神君のグループかな?」
七海「そういえば、豚神君が十神グループの内部調査をしてくれてるけど…どうなったんだろう」
日向「………」
どうする、豚神の様子を見にいくか?
1 見に行く
2 見に行かない
選択安価 安価下3
US○MI「連投安価は安価したでちゅ。>>1の分があるから連投じゃないとかは無しでちゅ」
日向「豚神を信じよう。きっと何かあったらすぐに知らせてくれる」
七海「うーん…ならいいけど」
左右田「ソニアさんの国の応援は夕方頃でしたっけ」
ソニア「はい、もうすぐ到着するはずです」
狛枝「だとしたら、ソニアさんの国の応援が来次第反撃も出来るかもしれないね」
苗木「うーん、反撃すると言っても何処に反撃するのかな」
七海「確かに、今江ノ島さんが何処にいるかわからない事にはどうしようもないね」
不二咲「えっと、ちょっといいかな…?」
日向「どうしたんだ、不二咲」
不二咲「その…ネットワークを使って江ノ島さんがいる場所をどうにか絞り込む事に成功したんだ」
左右田「何だって!?」
狛枝「さすがだよ不二咲さん!!」
罪木「じ、じゃあ…攻め込むんでしょうか?」
不二咲「ただ、その場所が江ノ島さんの居場所かどうかまでは判断がつかないんだ…候補を絞り込んだだけにすぎないから」
不二咲「それで、その候補の一つに九頭龍組があったんだけど…」
霧切「…それが本当なら、江ノ島さんは九頭龍組に何かをした…という事ね」
七海「もし反撃するとしたら…九頭龍組とソニアさんの国の戦いになるのかな?」
苗木「あれ、十神グループは?」
霧切「今の十神グループは十神君があれこれしていて忙しいみたいよ。宛にしない方がいいんじゃないかしら」
日向「………」
狛枝「どうする、日向君?」
1 反撃に出る。九頭龍組に攻め込むぞ
2 いや、もう少し様子をみよう
選択安価 安価下5
日向「…いや、もう少し様子をみよう」
狛枝「…もしかして、怖気づいた?」
日向「そうじゃない。相手はあの江ノ島だ。何を隠しているかわからない以上、警戒して情報を集めるに越した事はない」
七海「確かに、下手に突っ込んで罠にかかりましたーってなったら目も当てられないよね」
苗木「でも、何時までも動かないでいたら逆にこっちの守りの突破口を見つけられてしまう可能性もあるから、そこも考慮しないとね」
ソニア「とにかく、私の国の応援が到着したら守りに加わる、という事でよろしいでしょうか」
日向「ありがとうな、ソニア」
左右田「ぐぎぎ…爆発しろ」ボソッ
不二咲「そういえば、そろそろ学校が終わる時間だね」
苗木「本当だ、すっかり忘れてたよ」
左右田「いや、忘れちゃだめだろ!?」
狛枝「なんにせよ、誰かに会いに行くなら今の内の方がいいかもね」
放課後の行動
安価下3
日向「スミス…?」
七海「日向君、どうしたの?」
日向「…いや、なんでもない」
残念だけどスミスさんは占いが10割当たる世界の存在だからここにはいないよ!
日向「…葉隠に占いでもしてもらうか?」
1 占ってもらう
2 占わない
安価下2
日向「葉隠、今占ってもらってもいいか?」
葉隠「おぉ日向っち、今の俺は調子がいいべ!今ならどんな占いでも確実に当たる…そんな気がするべ!!」
葉隠「…で、占って欲しい内容はなんだべ?」
日向「安価下3」
日向「江ノ島に対抗する為に必要な人物全員を占ってくれ」
葉隠「ほいきた。むーん…見えたべ!江ノ島っちに『対抗』する為に必要な人物は
日向っち七海っち罪木っち狛枝っち十神っち九頭龍っち辺古山っち霧切っち苗木っち左右田っち不二咲っち戦刃っち
と出たべ!」
日向「サンキュー、料金は出世払いで」
葉隠「あ、ちょっと待つべ!責めてこの連帯保証人の欄にサインを…」
日向「今急いでるから後でな!」ダッ
日向「(もう夜か…今は特にしなきゃいけない事はなさそうだな)」
夜の行動
1 七海と話す
2 狛枝と話す
3 九頭龍の様子を見る
4 辺古山と話す
5 その他人物と話す(もしくは電話)
選択安価 安価下3
日向「…もう遅いけど、誰かに電話するか」
電話する人物
安価下3
ってしまったぁああああああ!!一個ずれて見てたorz
日向「辺古山、ちょっといいか?」
辺古山「日向か。…坊ちゃんに何か伝達があるのか?」
日向「いや、そうじゃなくて辺古山と話したくてな」
辺古山「私と…? 一体何の話だ?」
日向「安価下3」
日向「77期生と78期生、それから教師達と生徒会全員で力を合わせて江ノ島とむくろを説得しようと思うんだ」
辺古山「………は?」
日向「あの二人を説得すればなんとかなるかもしれない。だから、力を貸して欲しい」
辺古山「私は、説得等ほとんど出来ないぞ」
日向「それでも頼む!辺古山と九頭龍の力が必要なんだ!」
辺古山「………わかった、だが説得に関してはあまり期待しないでくれ」
日向「力を貸してくれるだけでも十分だ」
辺古山「…だが、何故江ノ島とむくろを説得する必要があるんだ?」
日向「それは…安価下2」
日向「いや…やっぱり説得はやめよう。今はとりあえず俺達と一緒に待機してくれ」
辺古山「…?」
日向「それより話は変わるが…九頭龍の容態は?」
辺古山「…今は、眠っている。怪我は一ヶ月もすれば完治するそうだ」
日向「…そうか」
辺古山「………私は、何の為にいるのだろうな」
日向「…辺古山?」
辺古山「九頭龍組が離反を起こした時…私は坊ちゃんを守りきれずに怪我を負わせてしまった」
辺古山「私は本来、坊ちゃんを守らなければならない道具だというのに…主も守れない道具に、価値があるのだろうか」
日向「………」
日向「辺古山、それは違うぞ」
日向「安価下3」
日向「まずお前は道具なんかじゃないし、お前は守り通したじゃないか」
辺古山「私は、守り通せて等…」
日向「組一つを相手にしたんだ、本来なら命を落としていてもおかしくないはずだ 」
辺古山「………」
日向「これからは、仲間として俺達も全力で九頭龍を守る」
日向「悪いのは全て仕掛けた江の島だ。…必ず奴を倒そう」
日向「その為にも…力を貸してくれるか?」
辺古山「………」
辺古山「そう…だな。きっと坊ちゃんもそうしてくれる事を望んでいる」
辺古山「私でよければ、力を貸そう。…坊ちゃんは私が守り通す」
日向「辺古山…ありがとう」
九頭龍「(ペコ………)」
翌朝
苗木「おはよう日向君、今日もいい天気だね」
日向「おはよう。他の皆は?」
苗木「霧切さんは一足先に朝食に向かってるよ。僕達も一緒に行こう?」
朝食会に行く?
1 行く(朝の行動は消費される)
2 行かない(朝の行動を行う。内容は別安価)
選択安価 安価下2
ミスターA「この際だから言っておくと…江ノ島さんを説得して分かり合おうなんてのは無理だよ」
ミスターA「だから、特定の人には悪いかもしれないけど以後江ノ島さんを説得~系統の安価や明らかにバッドに誘導しようとする安価が出た場合は安価下に流させてもらうね」
ミスターA「だって意図的にバッドにしようとしなくてもフラグ回収しない限りバッドの繰り返しだからね」
ミスターA「ちなみに今回はまだ有効という事で2番にさせてもらうよ。…けど、これ以降バッドに誘導する動きがあったら特定の人物は安価下に流す処置も考えないといけないから、それはさせないで欲しいな」
日向「いや、ちょっと別の用事がある。…朝食会はパスさせてもらうよ」
苗木「わかった、みんなにはそう言っておくよ」
日向「用が済んだらすぐに戻るよ」
日向「(この際、葉隠に占ってもらうのもいいかもな)」
朝の行動
安価下3
日向「葉隠、占って欲しい事がある」
葉隠「おろ、日向っち!昨日の占いの料金だけども」
日向「それは出世払いで頼む。…それより、占いは出来るか?」
葉隠「いいけど、ちゃんと料金払ってくれよ?」
日向「あぁ、出世払いで支払う。…今回占って欲しいのは江ノ島に対抗する為に戦刃をどうすればいいか占って欲しい」
葉隠「ほいきた。むーん…見えたべ!今の状態のままじゃ戦刃っちに何やっても無駄と出たべ」
日向「…じゃあ、どうすればいいんだ?」
葉隠「ちょっと待ってろ…むーん、見えたべ!江ノ島っちの裏切りがフラグになると出たべ」
日向「(そろそろ戻らないとな…)」
苗木「あ、日向君おかえり」
七海「日向君、おかえり。皆集まってるよ」
豚神「これから会議を始めようというのに、貴様がいないのでは何もならんだろう」
日向「すまん」
狛枝「それより、これからどうするのか話し合おうか」
霧切「恐らく、江ノ島一派は今日動き出す。仕掛けるなら今しかないわ」
豚神「逆に、襲撃に備える…という選択もある」
大神「どちらを選ぶかは…お主次第だ」
1 九頭龍組に攻め込む
2 襲撃に備える
選択安価 安価下5
日向「江ノ島が乗っ取った九頭龍組に攻め込もう」
辺古山「なっ…坊ちゃんの組に!?」
日向「今の九頭龍組は九頭龍に離反してる…このまま放っておいたら取り返しのつかない事になる」
日向「だから…今の内に叩いて更生させないとだめだ」
辺古山「しかし…」
九頭龍「いいんだ…やってくれ」
苗木「九頭竜先輩、目が覚めたんだね!!」
罪木「く、九頭龍さん!?ダメですよ安静にしていないと!!」
九頭竜「皆が戦ってるのに俺ひとり呑気に寝てられねぇよ」
辺古山「しかし、坊ちゃん…」
九頭竜「ペコ…こいつはケジメだ。組を管理出来てなかった俺へのケジメでもあるし、あいつらに対してのケジメでもある」
九頭竜「それに皆殺しにしようって訳じゃねぇ」
狛枝「さすがだよ九頭竜君、君の希望が輝く様が見れそうで僕は嬉しいよ!!」
豚神「では、準備が整い次第江ノ島がいるだろう組に攻め込む。その際、俺達はどうするかを決めるぞ」
ソニア「他の皆さんはともかく…元凶を止めない事にはどうしようもありませんからね」
九頭竜「真っ先に頭を叩く。無益な争いを出来る限り最小限にとどめるならこの方法が一番だ」
豚神「だが、奴らが何をしてくるかはわからない。ここは慎重に進むべきだ」
不二咲「じゃあ、こっそり潜入するとかかな?」
左右田「こっそり潜入って、何処のスパイだよ」
七海「潜入かぁ…ダンボールを愛する蛇のおじさんを思い出すね」
大神「荒事になったら我に任せよ。…並大抵の敵は蹴散らしてくれよう」
苗木「大神さんが味方だと心強いね」
九頭竜「で、日向…最終的にどうするかはお前が決めろ」
日向「皆………」
1 短期決戦に持ち込む。一気に江ノ島を叩くぞ
2 表で皆が頑張ってくれてる間に、俺達でこっそり潜入して江ノ島を止めよう
3 正面から挑んで、組ごと江ノ島を叩こう
選択多数決 安価下7まで(連投は安価下)
日向「表で皆が頑張ってくれてる間に、俺達でこっそり潜入して江ノ島を止めよう」
七海「潜入作戦だね!なんだかワクワクするよ」
日向「って、お気楽なもんじゃないぞ?それこそ一歩間違えば危険な選択だ」
日向「けど、他の皆に任せて俺達は何もしないって訳にはいかない」
日向「だから、俺達が江ノ島を止める。…力を貸してくれるか?」
狛枝「それこそが希望につながる選択だね。僕はその為なら喜んで協力するよ!」
豚神「フン、潜入等お手の物だ」
霧切「…どうやら、反対の人はいないようね」
不二咲「ぼ、僕も…何か役に立てるかもしれないから、一緒に行くよ!」
苗木「行こう、皆。…決着をつけるために」
こうして、俺達は潜入を行った。
表では十神グループとソニアの国の応援が九頭竜組と戦っている。
その間に俺達は中枢へと向かう。
途中、戦刃むくろが立ちふさがったが大神が対抗し、俺達は先に進んだ。そして…
江ノ島「待っていたぞ、人間共よ。私様は待ちわびていたぞ!!」
狛枝「江ノ島盾子…」
七海「江ノ島さん…」
江ノ島「ここまで来た褒美だ…答えられる範囲でなら気分次第で何でも答えてしんぜよう」
日向「安価下3」
日向「じゃあ今日のパンツの色を教えてくれ」
一同「えっ」
苗木「日向君…」
七海「その…こういう場面でギャグに走るのはよくない…と思うよ?」
狛枝「はぁ…」
日向「」
江ノ島「ちなみに今日のパンツの色は白じゃ」
苗木「あ、江ノ島さん。さっき日向君がふざけてしまったから今度は僕が質問してもいいかな?」
江ノ島「よかろう…せいぜい我の機嫌を損ねないようにな」
苗木「安価下3」
狛枝「今日の戦刃さんのパンツは…何色なのかな?」
七海「」
江ノ島「」
日向「狛枝…お前」
狛枝「あはは、日向君がパンツパンツ言うからここは乗った方がいいかなって」
苗木「乗っちゃだめだよね、それ!?」
江ノ島「ちなみに今日のお姉ちゃんは黒じゃ」
日向「で、答えるのな」
江ノ島「つか、2連続でパンツとかどういう事だよ…お前らの発想が残念すぎるわ」
苗木「主に二人が暴走してるけどね」
江ノ島「まぁいいや、じゃあ今度こそラスト!これで次パンツとか言いだしたらもう答えてやんねーからな」
霧切「安価下3」
霧切「タイムマシンの出自について答えてもらえるかしら」
江ノ島「あーはいはい、タイムマシンの出自ね」
江ノ島「簡単に申し上げますと、私は未来人なのです」
苗木「未来…人?」
江ノ島「えぇ、未来の世界でタイムリープマシンを使い、この時代にやってきた…いわば未来の情報を得ている江ノ島盾子なのです」
霧切「…それとタイムマシンの出自について、どう関係しているの?」
江ノ島「まぁまぁ焦らない焦らない」
江ノ島「で…何処まで話したっけ? あぁ、私が未来人だって所まで話したんだっけ」
江ノ島「あのねあのね~、タイムマシンは~、未来の情報を元に~、なんと私が作っちゃったのです!!」
江ノ島「これがタイムマシンの出自!理解できたかな~?」
江ノ島「さて…ようやく貴様達人間が私様の元まで辿りついたんだ」
江ノ島「問おう、貴様は私様に何の用でここまで来た?」
日向「安価下3」
>>414
あれ?
何で狛枝が質問してるの?
質問してたのは苗木だと思ってたのに。
日向「i………」
日向「n………」
日向「そんなの決まっている。…お前という絶望を止めて、今まで続いてきた悲劇を終わらせる。そして七海達と平穏な日常に帰る為だ」
狛枝「予備学科はともかく、これ以上希望が死ぬなんて事はあっちゃいけないんだよ」
日向「お前ちょっとは空気読めよ!?」
江ノ島「………ふーん」
江ノ島「私様を止める…悲劇を終わらせる…平穏な日常に帰る?」
江ノ島「うぷぷぷぷ、君達は本当に何も分かってないなぁ」
霧切「…どういう事?」
江ノ島「わからないの?お前らがここまで来れたのだって、全ては仕組まれた事なんだよ」
九頭竜「仕組まれた事だ?どういう事だよ」
江ノ島「わざわざ九頭竜組扇動したのだって、余計な邪魔させないため。お前らだけが私様の元にたどり着けるように調整されているんだよ」
江ノ島「何でお前らだけを私様の元にたどり着かせたかって質問は受け付けないよ。…今答えたらつまらないからね」
江ノ島「で、かかってこないの?私様は目の前にいるのにかかってこないの?止めないの?」
1 江ノ島に挑む
2 挑まない
選択安価 安価下4
>>425 ミスってたorz 申し訳ない
ここで引き下がったら何にもならない。
だから俺達は江ノ島に挑む。これ以上悲劇を繰り返させない為にも。
俺達は江ノ島を倒す為に進んだ…しかし
パカッ
日向「…は?」
江ノ島「はい、残念。落とし穴ですよーん」
結論から言うと、俺達は落とし穴に落ちた。
まんまと罠にかかったのだ。
そして、落とし穴に落ちた先は…
日向「いてて…皆、大丈夫か?」
七海「うーん…私は大丈夫、だと思うよ?」
狛枝「超高校級のゲーマーの下敷きになれるなんて、僕は幸運だね」
日向「…他の皆は?」
狛枝「あれ、僕は無視なの?」
七海「うーん…他の皆は別な場所に飛ばされちゃったみたいだね」
狛枝「…どうやら、ここは人を閉じ込めておく為の場所みたいだね」
日向「監禁されたって事か…」
狛枝「あ、でも鍵が壊れてるみたいだから普通に開くよ」
日向「えっ」
七海「それって、閉じ込める事が出来ないから意味ないと思うよ」
狛枝「こんな所で鍵が壊れてるなんてある意味幸運だね」
七海「深く突っ込んだら負け…なのかな?」
狛枝「それより、この部屋の周りの構造はよく分かってない訳だけど…これからどうする?」
日向「そうだな…安価下5」
日向「まず電話が繋がるか確認しよう 」
タダイマ、デンパノトドカナイ…
七海「…繋がらないね」
狛枝「電波が遮断されてるみたいだね」
日向「…なら、この部屋を慎重に調べた後辺りを探索して皆との合流を目指そう」
七海「んー、この部屋は特に何もないよ」
狛枝「それじゃあ辺りを探索して皆を探そうか。
日向「そうだな…よし、行こう」
七海「うーん、迷路みたいになってるね」
狛枝「一個一個の扉があるけど、鉄扉で中の様子は一切見えないね」
七海「鍵がかかってるみたいだし、やっぱり何処かで鍵を探さないとだめ…だと思うよ?」
狛枝「どうする?鍵を探すなら効率よくてわけして探す?それとも安全を優先してまとまって探す?」
1 安全を重視してまとまって探す
2 効率を重視しててわけして探す
選択安価 安価下
日向「バラバラになるのは危険だ。ここはまとまって探すぞ」
七海「ここで離れ離れになった仲間って死亡フラグが立つよね」
日向「おいやめろ!?」
狛枝「分かったよ」
それから、俺達は鍵を探した。見つかるまでに色々と手こずったものの狛枝が偶然にも部屋の隅に落ちていた鍵を見つけた
七海「これで他の部屋に閉じ込められてる皆を助ける事が出来るね」
狛枝「でも…部屋に閉じ込められてるのって、本当に苗木君達なのかな?」
日向「…どういう事だ?」
狛枝「だってほら、ここは元々危険人物を閉じ込める場所だろうし、下手に開けて厄介なのが出てきたら危ないし」
七海「うーん…慎重に選ばないといけないね」
狛枝「ちなみに、赤の扉と黄の扉、青の扉がここにある訳だけど…どうする?」
1 せっかくだし、俺はこの赤の扉を選ぶぜ!
2 よし、黄色の扉を選ぼう
3 青の扉を開けよう
4 どれも開けない
選択安価 安価下3
日向「青の扉を開けよう」ガチャ
US○MI「うふふ、今日もヒナナミは平和でt……ハッ!」
日向「…ぬいぐるみ?」
US○MI「キャー!勝手に人の部屋に入らないでくだちゃーい!!」バタン!!
日向「…何だったんだ?」
七海「うーん、何か凄いオーラを纏ったうさぎのぬいぐるみがテレビ見ながらPC弄ってたね」
狛枝「どうやら、独房以外の部屋もあったみたいだね」
日向「紛らわしすぎるだろ…」
七海「さっきのは見なかった事にするとして…赤と黄、どっちの扉を開ける?」
日向「そうだな…」
1 せっかくだから、俺はこの赤の扉を選ぶぜ!
2 よし、黄色の扉を開けよう
3 …もう一度青の扉開けてみるか
4 いや、この3つは開けないで他を探そう
選択安価 安価下3
日向「よし、黄色の扉を開けよう」ガチャ
九頭竜「日向!?無事だったのか」
七海「九頭竜君に辺古山さん、二人共こんな所にいたんだね」
辺古山「二人でこんな所に閉じ込められるとはな…すまなかった」
日向「いや、二人が無事で何よりだ」
九頭竜「日向に七海に狛枝…他の奴らは別の場所に捉えられてんのか」
狛枝「大丈夫、きっと皆なら見つけられるよ!」
日向「あぁ、必ず見つけ出すぞ」
九頭竜「で…この3つの扉で青の扉にはよくわからないぬいぐるみがいたと」
日向「あぁ、よくわからないぬいぐるみがテレビ見ながらネットしてた」
辺古山「ぬいぐるみ…」
七海「残るはこの赤の扉だけだね…」
九頭竜「扉が3つだけならこの中に苗木達がいる可能性は高いが…」
辺古山「………妙だな」
狛枝「え?」
辺古山「この中からは死の気配がする…迂闊に開けない方がいい」
狛枝「辺古山さんがそういうって事は………」
狛枝「日向君はどうする?赤の扉を開ける?それとも、他の場所を探す?」
日向「………」
1 せっかくだから、俺はこの赤の扉を選ぶぜ!
2 いや、他の場所を探そう
選択安価 安価下3
日向「いや、他の場所を探そう」
狛枝「うーん、残念な気持ちもあるけど危険は避けたいだろうから仕方ないよね」
七海「んー、じゃあ他の所を探そうか」
九頭竜「この辺には他に部屋はなさそうだな…つー事は上の階を探すか」
七海「上の階に着いた訳だけど…」
九頭竜「ここには5つの部屋の扉があるな…どれもスルーは出来るが、この中に苗木達がいる可能性を考えるとスルーって訳にはいかねぇか」
辺古山「…恐らく、この中のどれか一つは地雷だと思ってもいいだろう」
狛枝「なんだかロシアンルーレットみたいだね。それで、扉の種類は…」
日向「赤、黄、ブルーベリー、緑、オレンジか」
七海「何で青じゃなくてブルーベリー色なのかな?」
狛枝「うーん、それはわからないなぁ。ただ、地雷を開けたら取り返しのつかない事になると思ってもいいと思うよ」
九頭竜「選ぶ際は慎重に選ばないといけねぇって事か…どうする?」
1 せっかくだし、俺はこの赤の扉を選ぶぜ
2 黄の扉を開けよう
3 ブルーベリー色の扉か…
4 緑色の扉でも開けてみるか
5 オレンジの扉にしよう
選択安価 安価下2
日向「オレンジの扉を開けてみるか」ガチャ
不二咲「皆…助けに来てくれたんだね!」
七海「お父さん、無事だったんだね!」
不二咲「七海ちゃん…」
狛枝「こういうのを親子の感動の再会って言うのかな。なんにせよよかったよ」
九頭竜「で、扉は後4つあるが…どうする?」
1 他の扉も開けてみよう(扉も指定)
2 上の階を捜索しよう
選択安価 安価下2
日向「次は緑の扉を開けるぞ」ガチャ
シーン…
九頭竜「………何もないな」
狛枝「ちょっと拍子抜けかな…」
辺古山「…何やら不穏な気配がする。あまりこの階に長居しないほうがよさそうだ」
不二咲「こ、怖いよぉ…」
七海「日向君…」ギュッ
日向「七海………」
日向「(今まで何度も七海を失って来た…このままだと、また七海を失う。それだけは避けなければならない)」
日向「(辺古山の言っていた事も気になるが、どうする?)」
1 もう少しとどまって他の扉を開ける
2 上の階に進む
選択安価 安価下2
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ヒントまとめ
・元凶(江ノ島)を止めない限り終わらない
・特定の人物(今までに一回出てきてそのあと触れられていない誰か)を仲間にしないといけない
・作戦途中で江ノ島にばれたら終わる
・日向がカムクラ化するためには七海を監禁しないといけない(でもカムクラ化すると自我は完全にない)
・七海が誘拐されるのは特定のフラグが立ってから
・江ノ島を止めるには日向が道連れしかない、しかもその周である人物に協力してもらわないと倒せても悲劇で終わる
・ミスターAのことが江ノ島にばれたらアウト(今は七海しか知らない)
・七海を守るにはほかの奴(多分罪木と狛枝)も守る必要がある
・タイムトラベラーは増やしちゃダメ
・進展のカギはバトンタッチ
・狛枝によるとタイムマシンが保管されている場所が存在するらしい
・>>145時点で残る鍵は3つ・鍵が揃えば、元凶への反撃が出来る
・人の忠告は聞いた方がよい
・十神と九頭龍の力が合わさると最強に見える
・江ノ島に『対抗』する為に必要な人物は日向、七海、罪木、狛枝、十神、九頭龍、辺古山、霧切、苗木、左右田、不二咲、戦刃
・>>376の時点では戦刃に何をやっても無駄。江ノ島の裏切りがフラグ
・タイムマシンは江ノ島曰く未来の技術から江ノ島が作成した
今回情報多いから、何かわかるといいな
葉隠占いまとめ
当たった(正しかった)もの↓
・日向がカムクラ化するためには七海を監禁しないといけない(でもカムクラ化すると自我は完全にない)
・七海が誘拐されるのは特定のフラグが立ってから
まだ結果がわからないもの↓
・江ノ島を止めるには日向が道連れしかない、しかもその周である人物に協力してもらわないと倒せても悲劇で終わる
・十神と九頭龍の力が合わさると最強に見える
・江ノ島に『対抗』する為に必要な人物は日向、七海、罪木、狛枝、十神、九頭龍、辺古山、霧切、苗木、左右田、不二咲、戦刃
・>>376の時点では戦刃に何をやっても無駄。江ノ島の裏切りがフラグ
覚えてる範囲で分けてみた。補完あればよろしくお願いします
日向「まだ苗木達がいる可能性が高い。もう少しこの階の扉を調べよう」
狛枝「それが日向君の答えだね。それで、どの扉を開けるの?」
九頭竜「残っているのは赤、黄、ブルーベリーの扉だな…」
辺古山「………」
1 せっかくだから、俺はこの赤の扉を選ぶぜ!
2 黄色の扉を開けよう
3 ブルーベリー色の扉…
選択安価 安価下2
日向「黄色の扉を開けるぞ」ガチャ
「………」
狛枝「なんだただのゴミか」
七海「ゴミじゃない…と思うよ?」
辺古山「やせ細ってはいるが、生きているようだな」
「………ぅ…」
九頭竜「………こいつは」
日向「何か知ってるのか?」
九頭竜「…いや、何でもねぇ。きっと気のせいだ」
七海「虚ろな目でこっちを見つめてるけど…どうする?」
日向「そうだな…安価下3」
日向「…おい、大丈夫か?」
「………」
日向「…名前、言えるか?」
「………」
辺古山「返事は無し…か」
狛枝「何言っても反応はなさそうだね」
七海「うーん、どうする日向君?」
1 仕方ない、この人物は放置して上の階を捜索するぞ
2 もう少しこの人物と話そう
3 この人物を連れていけないだろうか
選択安価 安価下2
日向「この人物を連れていけないだろうか…」
狛枝「え、こんなゴミ連れて行ってどうするの?」
日向「ゴミって…とにかく、何時までもこんな所に閉じ込められていたんじゃかわいそうだろ」
七海「私はいいと思うけど…ホラーゲームだと死亡フラグだよね」
九頭竜「おいやめろ!そんな訳ねぇだろうが!!」
辺古山「…しかし、ここに元々繋がれていたという事は恐らく危険人物だぞ。本当に連れて行くのか?」
「………ぅ…」
日向「危険人物だとしても、こうして生きている以上は助けないと後味悪いだろ」
九頭竜「…わかったよ。だったらお前が連れてけ」
狛枝「それで、どうする?そろそろ上の階を捜索する?」
1 上の階捜索
2 扉を開ける
選択安価 安価下2
日向「…あまりのんびりしてもいられない。上の階も捜索するぞ」
6人で階段を昇り、上の階に向かう。
上の階に向かう途中、調べなかった扉の方から激しく叩く音が聞こえた気がした。
日向「今度は6つの扉か…」
九頭竜「赤、白、黒、目玉模様、御札付き、㌔㍉コンと書かれた扉…おい、後半はどうなってんだ」
狛枝「もしかしたら、この中に寄り道出来るネタ扉とかあるかもね」
七海「フラグには関係ない寄り道ってやつだね」
辺古山「だが、調べられる扉の数は減るだろうな…慎重に選ぶべきだ」
1 せっかくだから、俺はこの赤の扉を選ぶぜ!
2 白い扉を開けてみよう
3 黒の扉…
4 目玉模様でも開けてみるか
5 御札付き…?
6 ㌔㍉コン
選択安価 安価下3
日向「白い扉を開けてみるぞ」ガチャ
白い扉を開ける。 途端、嗅ぎたくないあの異臭…血と油の匂い。
白とは似ても似つかない鮮血に染まった部屋…その真ん中には
身体を細切れにされた無残な罪木だったものが散らばっていた。
狛枝「………は?」
九頭竜「なっ………!?」
日向「なん………だよこれ」
日向「何だよこれ!?」
すぐさまバラバラに切断された罪木の元に向かおうと部屋に入ろうとする。
罪木がまとっていたであろう血に染まった衣服の残骸とこちらを向いている歪んだ表情をした頭部。
一体罪木に何が…その時だった。
辺古山「待て、日向」
日向「辺古山?何で止めるんだよ」
辺古山「この部屋…至る所にワイヤーが仕掛けられているぞ」
辺古山「罪木が私達と同じように落ちてきて、このワイヤーだらけの部屋に落ちたのだとしたら」
九頭竜「落ちる瞬間にワイヤーで細切れってか…」
狛枝「………」
七海「罪木さん…」
日向「ふざけんなよ………何でワイヤーが部屋に設置されてんだよ」
日向「九頭竜組はそんな事が平気で出来るのかよ!?」
九頭竜「あぁ?そもそもこんな仕掛け作った覚えはねぇぞ!!」
日向「元は九頭竜組の建物だろ!?九頭竜以外に誰がこんな事するんだよ!?」
九頭竜「知るかボケ!」
七海「ちょっと待って、二人共今ここで争っている場合じゃないよ」
七海「それより…これからどうするのか考えないと」
辺古山「苗木達もまだ発見出来ていないからな」
日向「………すまん」
九頭竜「そういやそうだったな。…今いるのは俺達を含めて6人…?」
九頭竜「おい、日向が背負っている奴含めたら7人のはずだよな?」
日向「俺と七海と狛枝と九頭竜と辺古山とこの人と…不二咲は何処行った?」
七海「お父さん…?」
九頭竜「まさかあいつ…!!」
七海「私、探して来る!!」
日向「あ、おい七海!!」
1 七海を追う
2 九頭竜達と探索
選択安価 安価下3
日向「九頭竜、俺は七海を追うから捜索を任せるぞ!」
九頭竜「っておい、日向!」
七海「お父さん…何処なの?」
日向「七海!!」
七海「日向君…お父さんがいないよ」
日向「分かっている。けど、ここで単独行動は危険だ」
日向「きっと不二咲も無事だ。…だから、一人で行動するな」
七海「日向君…」
その時、俺は気付いた。開けていたはずのオレンジの扉が閉まっている事に。
そして、ブルーベリー色の扉が内側から激しく叩かれたかのようにボコボコに変形している事に。
再び、ブルーベリー色の扉が激しく叩かれる。このままだとドアが破られそうだ。
七海「日向君…凄く嫌な予感がするよ」
日向「………」
1 オレンジの扉を開けてその中に隠れるぞ
2 すぐに九頭竜達の所に戻ろう
3 ブルーベリー色の扉を開けてみる
選択安価 安価下2
3番で!
日向「この扉を開けてみるか…」
七海「…大丈夫なの?見るからに死亡フラグだよ」
1 そんなのはかんけない、俺はこの扉を開けるぞ!
2 やっぱりオレンジ色の扉を開けてその中に隠れよう
3 九頭竜達の所へ行こう
っと、安価は安価下3で
日向「…このオレンジの扉を開けて隠れよう」
七海「…わかった」
ガチャ
不二咲「誰!?」
日向「ふ、不二咲!?」
七海「お父さん!?」
不二咲「ひ、日向君に七海ちゃんかぁ、よかったぁ」
日向「何でこんな所にいるんだよ」
不二咲「それなんだけど…って、その前に扉を閉めて鍵を掛けて!」
日向「お、おう」
ガチャ
不二咲に急かされて扉を閉める。程なくして、外から扉が壊される音が聞こえた。
日向「…何が起きたんだ?」
不二咲「………」
七海「日向君…今は静かにしてたほうがいい…と思うよ」ボソッ
日向「………」
しばらくの間沈黙が続く。
不二咲が何処にあったのか、パソコンの画面と睨めっこをしていた状態から安堵の表情に変わるまでの時間がとても長く感じた。
不二咲「…もう大丈夫だよ」
日向「なぁ、不二咲…一体何があったんだ?」
不二咲「………この部屋にパソコンがあったのを思い出して、何か出来ないか調べてたんだ。…けど」
不二咲「そのロックが厳重すぎて解除に時間がかかるんだ。だから、もう少しここにのころうと思う」
七海「お父さん…」
不二咲「大丈夫、ロックが解除出来たら皆と合流するから!」
日向「けど、今は何が起きているのかわからないぞ。それでも残るのか?」
不二咲「うん、パソコンを持って移動する事も出来るけどそれだと移動が遅くなるし、皆に迷惑はかけたくないから」
七海「じゃあ、お父さんは残るんだね」
不二咲「うん。だから、先にいっててよ」
日向「………」
七海「日向君、どうする?」
1 不二咲も一緒に来てくれ
2 わかった、なら俺も一緒にのころう
3 わかった、俺達は先に行ってるぞ
選択安価 安価下3 (続きは後日)
※注意書き※
当サイトにはENシリーズとFCシリーズがあります。
同じ人物が複数作に出ているので、前を読まないとわからないことがでてきます。
流れとしては、FCシリーズ→ENシリーズになります。
(FC4は繋がりが薄いので、単独で読んでも大丈夫かと)
FATED CHILDREN
1*1995年度(完結済)
?はじまりの唄?
(神奈川県平沢市立菊谷中学校3年A組 男子20名・女子20名 計40名)
2*2002年度(完結済)
?トモダチ?
(茨城県北浦市立桜崎中学校3年1組 男子22名・女子18名 計40名)
3*2000年度(完結済)
?護るべきヒト?
(神奈川県四宮市立篠山中学校3年4組 男子19名・女子20名 計39名+??)
4*1996年度(完結済)
?誰が為に生きる?
(静岡県清水市春日宮中学校3年C組 男子20名・女子20名 計40名)
ENDLESS NIGHTMARE
1改*1998年度(完結済)
?悪夢の始まり?
(千葉県船海市立船海第二中学校3年5組 男子19名・女子21名 計40名)
2*2001年度(完結済)
?醒めない夢?
(千葉県船海市立船海第一中学校3年3組 男子18名・女子22名 計40名)
3*2001年度(完結済)
?悪夢の終わり?
(群馬県桐生市立巴ヶ丘中学校3年2組 男子20名・女子20名 計40名+2名)
OTHER
2012年度(中盤戦終了)
?月に叢雲、花に風?
(東京都私立帝東学院中等部3年A組 男子20名・女子20名 計40名)
FOOD BATTLE ROYALE
?喰わなきゃ喰われる?(EN1・EN2・FC1・FC2選抜 男子20名・女子20名 計40名)キリリク人気投票EN1EN2FC1FC2FC3
ネタバレ名簿
退場(つーか負けた)人は背景が赤いです。
男子1番 因幡彰人 女子1番 麻生咲
男子2番 井上稔 女子2番 今村草子
男子3番 江原清二 女子3番 加賀光留
男子4番 神田輪 女子4番 上総真央
男子5番 坂出慎 女子5番 金坂葵
男子6番 瀬戸口北斗 女子6番 幸田真菜
男子7番 滝川渉 女子7番 近藤楓
男子8番 堤良樹 女子8番 相模晶
男子9番 手塚直樹 女子9番 佐々川多希
男子10番 仲山行人 女子10番 瀬川小夜
男子11番 浜本謙太 女子11番 天条野恵
男子12番 浜本卓朗 女子12番 天道千夏
男子13番 土方涼太 女子13番 土井雫
男子14番 真木頼和 女子14番 鳥江葉月
男子15番 水城蓮 女子15番 中野尋代
男子16番 水原翔 女子16番 能勢杏奈
男子17番 皆川玉樹 女子17番 福島里奈
男子18番 良元礼 女子18番 水城凛
男子19番 李星弥 女子19番 緑沢風美
男子20番 藁路文雄 女子20番 依羅ゆた
試合経過
1回戦
第一試合(コーヒーゼリー)
○ 因幡彰人(M1)・相模晶(F8) VS 江原清二(M3)・今村草子(F2) ×
第二試合(わんこそうめん)
○ 土方涼太(M13)・水城凛(F18) VS 水原翔(M16)・鳥江葉月(F14) ×
第三試合(プリン)
○ 藁路文雄(M20)・依羅ゆた(F20) VS 瀬戸口北斗(M6)・天道千夏(F12) ×
第四試合(カキ氷宇治金時)
○ 浜本卓朗(M12)・天条野恵(F11) VS 浜本謙太(M11)・幸田真菜(F6) ×
第五試合(特製ミックスジュース)
○ 良元礼(M18)・瀬川小夜(F10) VS 李星弥(M19)・近藤楓(F7) ×
第六試合(いちご大福)
○ 滝川渉(M7)・上総真央(F4) VS 堤良樹(M8)・緑沢風美(F18) ×
←
世は少食化が進む21世紀――
拒食症を恐れた大人たちは、1つの法案を可決した――
新世紀食事教育改革法
通称・FBR法
毎年全国の中学校から任意に選出した1つの学校内の中学3年生から
40人をランダムに選び出し、生徒同士を戦わせ、
最後に残った1組がグルメ券100万円分をもらえるという
フードファイトシュミレーション――
200X年9月、私立青海(おうみ)学園の3年生40人が姿を消した。
40人の少年少女は拉致されたのだ。
気がつくと、真っ暗な部屋に明かりがポツポツと付いた部屋に寝転がっていた。
起き上がって見ると、前にある社長とかが座りそうな椅子に腰掛ける1人の女性。
『坂ノ下愛鈴(さかのした・あいりん)』と名乗るその女性。
彼女は笑顔で言った。
「今からみんなには食べて食べて食べまくってもらいまぁすv」
今、戦いの幕は開く――
会場は薄暗い部屋の中――
過酷な戦いは続く――
現実を否定する者
「あたしはこんなの認めない!!」
「どうしてぇ?喰いまくればいいだけじゃない?」
「嫌だ、あたしは…あたしは太りたくない!!」
やる気(喰う気)マンマンの者
「食べる事であたしが存在する証になるなら…」
「みんな、待ってて…グルメ券はあたしの物よ…!」「いいぜ、喰ってやる!優勝してやるよ!こんな楽しい事、途中でやめられるか!」宇宙的胃袋を持つ者「アンタ…何でそんなに喰えるんや!?」「オレの辞書に満腹という文字はないんだ…」「か…勝てない…オレには無理だ…」「アハハハ、あたしの胃袋をなめるんじゃないわよっ!」愛情を力に換えて喰いまくる者「彰人君、あたしに任せて…コーヒーゼリーはあたしの専門よ…!」「晶…ゴメンな、オレの分まで……」「ゴメン…あたし、もう食べれない…!」「大丈夫だよ、僕が咲の分も食べてあげるよ…」攻撃を加える者・受ける者「おおっと、今プリンに醤油弾が撃ちこまれたっ!」「やめてぇ!!あたしウニって大嫌いなのよぉ!!」「がんばれ、好き嫌いはナシだ、天道!!」「礼、何をするんだ!!ミックスジュースにコーヒーを入れるなんて…っ!」「勝つためだ、お前には納豆の匂いと戦ってもらうぜっ!」深まる謎「お前、誰だ…何者なんだ…?」「あたし?ノ・セ・ア・ン・ナだよ!ただし、みんなの知っている杏奈じゃないけどねっ!」「能勢アンナ…まさか…っ!」「あなたの胃袋は一体…」「…オレは……」壊れゆく友情「お前なんかに…晶を渡せるか!!」「何だと…?テメェ、何様のつもりだ…スシはサビ抜きのクセに…!」「お前こそ、おでんにカラシをつけられないくせに…!」「翔、悪いけど、オレ勝つぜ」「テメェ…友情よりもグルメ券を取るつもりか!?」「当然だろ?」崩れゆく兄弟の絆「どうして言う事を聞かないの!?薬飲んででも喰えって言ってるの!!」「嫌だよ、僕…そんな凛ちゃんなんか嫌いだぁ!!」「お前、彼女なんか作りやがって…同じ顔のクセに…」「性格の差だよ、兄ちゃん…兄ちゃん、幸田さんも落とせないの?」もぎ取った勝利「勝った…やったよ、佐々川さん!!」「やった!これも真木君のお陰だよ!!」「何とか勝てたな…」「武器に救われたね…」裏切りと、絶望「喰えない女は必要ないんだ…だから、他のヤツと組んでくれないか?」「そんな…良樹君…」「ちくしょう…ケンカの腕なら多分負けないのに…」「それはお前の胃袋がそこまでの胃袋だっただけの話だぜ」「仕方ないよ、諦めるしか…あんなヤツにかなうはずがない…アイツは、化け物だ…!」
「彰人君、あたしたち勝ったわねv」
「そうだな、どれもこれも晶のおかげだぜ!」
「そんなぁ…(///)」
「照れるなよ、コイツゥv」
勝利に酔いしれるオレの幼馴染の晶(相模晶・女子7番)とその彼氏の彰人(因幡彰人・男子1番)。いつにも増してイチャイチャしやがっている。はっきり言う。オレ――瀬戸口北斗(男子6番)は今かなり機嫌が悪い。彰人め、オレの大事な大事な幼馴染とイチャイチャしやがって!何が『照れるなよ、コイツゥv』だ、晶のキレイな額を指で突付きやがって!こういうヤツが待ち合わせのときに
「ま・っ・た・か?」
「ううん、今来たトコv」
とかやるんだ、チクショウ!関係無いけどな、管理人は本当にコレを見たんだぞ!?
朝、某駅の改札口の近くで!!(実話)
オレの知っている晶はこんなことをするヤツじゃない!もっとクールでドライで…でも優しくていいやつで…
それを…それを!!ああ、今すぐにちゃぶ台でもひっくり返したい気分だ!!
大体彰人は何様のつもりだ?
晶にばっかり喰わせて…晶だってなぁ、甘いものは嫌いなんだぞ!?
そりゃあ、好物はコーヒーゼリーだけど…
「晶、あんなに喰って大丈夫か…?」
「大丈夫、あたし彰人君のためならいくらでも食べちゃうからv」
「晶…」
「どぅうぇえいっっ!!」
オレの堪忍袋の緒が切れた。意味不明な奇声を上げて、オレは彰人に殴りかかった。
「ちょ…っ 北斗!?」
「何なんだよ北斗!!」
晶と彰人が同時に声を上げた。でもんなこと知ったこっちゃない。何かムカつくんだ!!
「あ…あの…瀬戸口君…?」
「お前は黙ってろ、天道!!」
おっと、ゴメンよ、傷つけたかな?でも人に構ってる余裕はない!天道(天道千夏・女子12番)は相当ショックを受けたらしく、黒い影を背負っていたらしい。それを慰めていたのは晶。あーあ、後で絶対に晶に殺される…でもどうせ殺されるならオレは…!
「どういうつもりだ、北斗!」
彰人はそう言いつつオレの手に爪を喰い込ませている。反抗する気マンマンかい、おんどれは!!
「お前なんかに…晶を渡せるか!!」
彰人の表情が変わった。
「何だと…?テメェ、何様のつもりだ…
スシはサビ抜きのクセに…!」
「お前こそ、おでんにカラシをつけられないくせに…!」
「何だよ、そういうお前はご飯にマヨネーズをつける派だろう!?」
「そーだよ、何が悪いんだ!?」
「あ、開き直りやがったな!?」
「へんっ!お前は目玉焼きに醤油をかけるだろ!?バーカ、目玉焼きはソースって相場は決まってるんだ!!」
「んだとっ!?醤油をバカにすんなテメェ!!」
オレと彰人の大喧嘩。横で晶と天道が何か喋っていた。傍にいたT塚N樹氏に聞いたところによると、こんな感じだったらしい。天道はオロオロしてオレと彰人の喧嘩を止めようとしていたようだ。
「あ、あの… あぁ…相模さん、どうしよう…?」
「くだらない、ほっときなさい」
ああ、クールでドライだね、ちょっとは燃えてほしかったんですけど?
「あ、相模さんは目玉焼きは…」
「塩に決まってるじゃない」
「え…マヨネーズじゃないんだ…」
「マヨネーズ…かけるの?」
ちなみに管理人は塩派。この後、痺れを切らした晶がオレたちに水をぶっ掛けてケンカは終結。それ以来、オレと彰人がちょっぴり疎遠になったことは言うまでもない。オレ――水原翔(男子16番)は緊張していた。次の対戦は何を隠そうオレの出番。ペアの鳥江(鳥江葉月・女子14番)は、食事の前の胃薬(キャ○ツー)を飲んでいる。鳥江曰く、精神安定剤にもなるらしい。…大丈夫かよ?対戦相手は、親友の涼太(土方涼太・男子13番)&その彼女の凛サン(水城凛・女子18番)だ。かなりの強敵だ。特に凛サン。凛サンに勝ったとすると、凛サンの番犬のような双子の弟、蓮(水城蓮・男子15番)に何をされるか…『第2試合開始しまぁすv選手の人は会場に来てくださぁいv』アイリンの声。いよいよだ。グルメ券をもらったら、親にごちそうしてやるんだ。そうすれば、新しいサッカーシューズとか買ってくれる…!「鳥江、行くぞ」「ふぁ?い…いこぉv」…鳥江!?何か怪しいヤクでも使ったか!?かなりぽわぁんとしてるぞ?試合会場に行くんだぞ?決して『逝く』とか『イく』とかじゃないぞ!?いやもうイッてるし逝きかけだけど…早くもオレの野望は砕け散りかけだ――
【残り38人】
「はい、着席、ちゃくせーき!!」
進藤幹也(担当教官)が大声で叫んだ。
後ろの方ではガタガタと席に着く音が聞こえるが、前の方ではほとんどが立ち尽くしていた。
設楽海斗(男子10番)は曽根崎凪紗(女子10番)を抑えたまま、呆然と栗原佑(男子7番)の死体を見つめていた。
信じられない。
佑が、死んでいる。
目の前で。
海斗は一緒に凪紗を抑えていた不破千尋(男子17番)の方を見た。
千尋は瞬きもせず、佑の方を凝視していた。
涙はないが、ショックを隠せないでいる。
いつも、4人一緒だった。
互いの足りない部分を補い合っているような、そんな関係だった。
そのピースが、1つ欠けた。
「…凪紗、座ろう。 千尋も、大丈夫か…?」
海斗は2人に声を掛けた。
千尋は今までに見せた事のないような呆然とした顔で、海斗を見た。
「…千尋?」
「あぁ…うん、大丈夫…」
千尋はずれかけた眼鏡の位置を直し、自分の席に腰掛けた。
海斗は、もう一度凪紗に声を掛けた。
しかし、凪紗は何も言わない。
聞こえてすらいないようだった。
海斗は凪紗に腰を下ろさせ、自分もその前に座った。
佑の顔が、よく見える。
怒りに満ちたその目は、天井を睨んでいた。
全員が、座った。
机の大部分が佑の血で汚れた池田圭祐(男子3番)の顔は青ざめていた。
進藤は佑の死体には目もくれず、話し始めた。
「わかったかな? 首輪はこうなってしまうんだ!!
えっと…地図の話だったかな?
君たちに配る地図は、100マスに分けられているんだ!!
例えばここ、中学校はD=04エリア、という風になっている!!
そして、6時間ごとに定時放送を行う!!
その時に、禁止エリアというものを言うからな!!
時間になってもそこにいる死んだ者はそのまま…
だが、生きている者は、電波を送って…ボン!!
栗原君のようになってしまうから、注意しような!!
あと、怪しい行動を起こしても、こっちから電波を送る!!
首を飛ばされたくなければ、頑張って殺し合おうな!!」
突然、後ろの方で誰かが呻き声を上げた。
吐瀉物が床にぶちまけられる音がした。
それを聞いて、またどこかで誰かが呻き声を上げた。
それの臭いと佑の血の臭いが、教室を満たしていた。
気分が悪い。
最悪だ、すべて最悪だ。
「さあ、何か質問はあるかな!?」
「…どうしても、しないといけないんですか?」
後方から聞こえた声は、稲田藤馬(男子4番)のものだった。
何人かが頷いた。
しかし、進藤は希望を打ち砕いた。
「しないといけないぞ、もう決まった事だ!!」
予想通りの返事だ、捻りも何もない。
「どうして…何でオレらなんですか…?」
いつも穏やかな柚木康介(男子19番)が、泣きそうな声で言った。
「これは、厳正な抽選の結果だ、君らの運が良かったんだな!!」
悪かった、の間違いだろうが。こんなもの、嬉しがるヤツなんかいるはずがないだろう。
「よし、そろそろ出発だ!!
あ、私物は自由に持っていっていいぞ!!
その前に、皆机の中から紙と鉛筆を出したまえ!!」
海斗は机の中を漁った。
中からは新品らしい鉛筆と小さな紙が出てきた。
「はい、それに次のことを3回ずつ書こう!!
『私たちは殺し合いをする』、はい!!
『殺らなきゃ殺られる』、はい!!」
ふざけるな、誰が書くか。
海斗はささやかな反抗として、全く逆の事を書いた。
殺し合いなんかしない、殺さないし殺されない、誰が殺し合いなんかするか。
「最後に1つ、アドバイスをしてあげよう!!」
進藤が叫ぶ。
いい加減耳が痛くなってきた。
「いいかい、諸君?
[ピーーー]か殺されるか、生きるか死ぬか…選ぶのは君自身だ――
武運を祈る!!
では出発だ!! 出席番号順だからな!!」
進藤は茶色の封筒を取り出し、封を手で切った。
「最初の出発者は…
おお、何たる偶然!!
男子1番、青山豪君!!」
ほぼ全員が、一斉に豪の方を見た。
「お…オレ…?」
豪がゆっくりと立ち上がった。
豪は震える手で自分の荷物を持ち、デイパックを受け取った。
ちらっと教室の中を見た。
「あ、そうだそうだ。
この中学校があるエリアは、最後の人が出た20分後に禁止エリアだ!!
注意するようにな!!
あと、転校生の周防君は、出席番号11番に入るぞ!!
さあ、青山君、出発だ!!」
豪はゆっくりと後ずさり、廊下に出るとダダダダッと足音を立て、走っていった。
「2分後に、女子1番、今岡梢さんだ!!」
6月11日、AM4:05、試合開始――
千尋は豪の出て行った入り口をぼんやり眺めていた。
千尋は気まぐれな人間だった。
好きなことはするが、嫌なことはしない。
千尋にとって、頭に知識を詰め込む事は、好きな事だった。
運動する事は、楽しい事だった。
喧嘩をする事は、ストレスを発散させられる事だった。
そして、凪紗・佑・海斗といる事は、何よりも幸せな事だった。
凪紗といると、癒されている自分がいた。
佑といると、楽しんでいる自分がいた。
海斗といると、落ち着ける自分がいた。
最高の、居場所だった。
特に、凪紗といる時は特別だった。
仲間として以上に、異性として、女性として大好きだった。それは千尋だけでなく、佑もそうであったし、海斗もそうだろう。過去に一度、3人で互いの気持ちを確認したことがある。しかし、誰も告白したりはしなかった。しばらくは仲の良い4人組でいたかった。しかし――壊された。いとも簡単に。ピースが、欠けた。
「次、男子10番、設楽海斗君!!」
進藤の大声で、千尋は我に返った。
海斗の方を見た。
海斗はちらっと千尋の方を見た。
その目は、静かに怒りに燃えているようだった。
海斗は凪紗の方に視線を移し、すぐに千尋に戻した。
…うん、わかっているよ――
千尋は頷いた。海斗はそれを確認し、デイパックを受け取ると、部屋を出て行った。
『千尋、海斗…凪紗の事、任せた!!』
大事な仲間が残した、遺言。千尋と海斗には、それを守る義務がある。海斗は絶対に外で凪紗を待っている。放心状態の凪紗を出迎えるのが、先に出る海斗の役目。そんな凪紗を送り出すのが、後に出る千尋の役目。
「次、女子10番、曽根崎凪紗さん!!」
呼ばれたが、凪紗は気付いていない。
進藤がもう一度名前を呼ぼうとしたのを制し、千尋は立ち上がり、凪紗の肩を叩いた。
「凪紗チャン…凪紗チャン?」
凪紗がようやく気付き、ゆっくりと千尋の顔を見た。
「ち…ひろ…?」
「凪紗チャンの番だよ、行かないと」
「あ…うん…」
凪紗は虚ろな目のまま、自分の鞄を手に取った。千尋は凪紗の耳にそっと自分の口を近づけた。
「外で、海斗クンが待ってるよ。海斗クンを見つけたら、すぐにここから離れるんだ、いいね?オレを待とうだなんて、思っちゃいけないよ?次は、あの得体の知れない転校生だから、危険だからね」
凪紗が驚いた表情で千尋を見た。
「でも、千尋…――」
パンッ外で、1発の銃声が響いた。凪紗の肩がビクッと震えた。
「おーおー、始まったなぁ!!」
進藤が爽やかに笑みを浮かべた。今すぐ殴ってやりたいほど、爽やかに。「まさか…海斗…っ」凪紗が不安げな表情を浮かべた。千尋はにっこりと微笑んだ。「大丈夫、多分… でもほら、行ってあげな、早く。オレのことは心配しないで、大丈夫だからさ」「早くしろ!!」田中(軍人)が銃を構えた。凪紗は田中をキッと睨んだが、すぐに視線を千尋に戻した。「…千尋、絶対、会おうね…?」千尋は頷いた。凪紗はデイパックを受け取り、教室を出ようとしたが、くるっと向きを変え、佑の亡骸の側にしゃがんだ。「何している!!」「…形見くらい、持って行ったっていいじゃない」田中の方には目もくれずに言い、凪紗は佑の腕からリストバンドを外した。血を含んでいたが、それを自分の腕にはめ、凪紗は出て行った。千尋は自分を睨んでいる進藤の視線に気付き、そちらを見た。にっと笑って見せた。海斗クンに任せれば、凪紗チャンは大丈夫…ごめんね、できればオレも2人と一緒にいたかった…
は急いで外へ出た。先ほどの銃声は、何だったのだろう?海斗…海斗じゃないよね…?凪紗の前に教室を出た設楽海斗(男子10番)は無事だろうか?校舎の出口に着いた。外はまだ暗いが、周りが見えないほどではない。外はグラウンド、その向こうには校門が見え、その奥には森が広がっているようだ。まずは、ここから出ないと…凪紗は周りを見回し、誰もいない事を確認し、一気にグラウンドを駆け抜けた。ああ、こうやって周りを警戒する自分が情けない。皆を疑う気などないのに。しかし、事実戦いは始まっているはずだ。そうでなければ、銃声など聞こえるはずがない。一気に茂みの中に駆け込んだ。辺りを見回す。
「海斗…海斗…?」
小さな声で海斗の名を呼んだ。死んで、ないよね?嫌だよ、海斗もいなくなっちゃったら、あたしは――
「うわっ!!」
突然腕を掴まれ、凪紗は叫び声を上げた。
「バカ、オレだ」
抑揚の少ない、低い声が聞こえた。聞き慣れた、落ち着く声。凪紗はばっと振り向いた。
「か…海斗…無事だったんだね!!」
「まあな」
ぶっきらぼうで、短い言葉。いつもと変わらない、海斗のままだ。
「銃声…海斗じゃないよね?」
「…いや、違う」
海斗は首を横に振った。そっか… じゃあ、さっきのは一体…
「よぉ、ご両人!」
突然後ろから声を掛けられ、凪紗と海斗は同時に振り向いた。自然と、喧嘩の前のように構えてしまう。当然だろう、この声は、聞き覚えがない。
「…転校生…」
海斗が低く呟いた。目の前にいるのは、茶髪に鋭い目、謎の転校生周防悠哉(男子11番)だった。凪紗の次に出たであろう悠哉に、追いつかれてしまった。笑顔を浮かべているが、正直言って怖い。
「…武器は?」
凪紗は悠哉には聞こえないように小声で訊いた。海斗は首を横に振った。まだ見ていないか、外れ武器かのどちらかだろう。
「そんな険しい顔せんといてぇな」
悠哉がカラカラと笑う。笑ってはいるが、隙はあまりなさそうだ。
「千尋は、待つか?」
今度は海斗が呟き訊いた。
『海斗クンを見つけたら、すぐにここから離れるんだ、いいね?
オレを待とうだなんて、思っちゃいけないよ? 次は、あの得体の知れない転校生だから、危険だからね』
凪紗は不破千尋(男子17番)の言葉を思い出した。本当は待っていたい。しかし、ここで死ぬわけにはいかない。
「海斗、逃げよう…千尋は大丈夫、絶対会える、あたしは信じてる」「…そうだな。あいつは曲者だ、易々とやられはしない」
目の前で悠哉が首をコキッと鳴らした。
「話は終わったんか?ちょっと色々と訊きたい事が――うわっ!!」
凪紗と海斗は思いっきり地を蹴り、悠哉にまっすぐに突っ込んだ。海斗が足を振り上げる。悠哉はすっと屈んでそれを交わす。
「危な――ゲッ!!」
ちょっと甘いよ、転校生!!手加減した海斗の蹴りは、屈んでもらうための、ただの囮だよ!!凪紗は、海斗が足を振り上げたと同時に悠哉の懐に潜り込んでいた。悠哉が屈んでくれれば、小柄な凪紗でも楽に胸倉を掴める。
「はああぁっ!!」
悠哉の胸倉をぐいっと掴み、凪紗はその体を力の限り投げ飛ばした。幼い頃から武道を嗜んでいた凪紗には、普通の体格の男子くらいなら楽に投げ飛ばせる。勢いよく叩きつけられ、悠哉が咳き込む。
女子1番・今岡梢(いまおか・こずえ)
バレー部。女子運動部グループ。体育委員。
女子の中では最も背が高い。運動神経抜群。
伊達功一(男子12番)の元彼女。
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★★★☆☆
★★★★★
★★★★☆
★★★★★
★★★☆☆
★★★☆☆
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
フライパン
kill:
なし
killed:
坂本陽子(女子7番)
死亡話数:
35話
凶器:
ナタ
功一と別れた原因は功一の浮気。
G=10エリアで陽子を発見。軽い気持ちで声を掛けたが、陽子は狂っていた。説得も空しく首にナタが刺さり死亡。
運動神経をほとんど発揮できなかったのが心残りです。
彼女の本当の気持ちは彼女しか知らないですが、もしかしたらまだ功一が好きだったのかも・・・?
神奈川県四宮市立篠山中学校
3年4組クラス名簿
Now 4 students remaining.
students' profile→■
男子1番 青山豪
(あおやま・ごう) 女子1番 今岡梢
(いまおか・こずえ)
男子2番 浅原誠
(あさはら・まこと) 女子2番 岩見智子
(いわみ・ともこ)
男子3番 池田圭祐
(いけだ・けいすけ) 女子3番 金城玲奈
(かねしろ・れな)
男子4番 稲田藤馬
(いなだ・とうま) 女子4番 桐島伊吹
(きりしま・いぶき)
男子5番 笠井咲也
(かさい・さくや) 女子5番 黒川梨紗
(くろかわ・りさ)
男子6番 工藤久尚
(くどう・ひさなお) 女子6番 小南香澄
(こみなみ・かすみ)
男子7番 栗原佑
(くりはら・たすく) 女子7番 坂本陽子
(さかもと・ようこ)
男子8番 斎藤穂高
(さいとう・ほだか) 女子8番 椎名貴音
(しいな・たかね)
男子9番 真田勝
(さなだ・まさる) 女子9番 駿河透子
(するが・とうこ)
男子10番 設楽海斗
(したら・かいと) 女子10番 曽根崎凪紗
(そねざき・なぎさ)
男子11番 周防悠哉
(すおう・ゆうや) 女子11番 高山淳
(たかやま・じゅん)
男子12番 伊達功一
(だて・こういち) 女子12番 遠江敬子
(とおとうみ・けいこ)
男子13番 津田彰臣
(つだ・あきおみ) 女子13番 中原朝子
(なかはら・あさこ)
男子14番 長門悟也
(ながと・さとや) 女子14番 濱中薫
(はまなか・かおる)
男子15番 新島恒彰
(にいじま・つねあき) 女子15番 姫川奈都希
(ひめがわ・なつき)
男子16番 羽山柾人
(はやま・まさと) 女子16番 真中那緒美
(まなか・なおみ)
男子17番 不破千尋
(ふわ・ちひろ) 女子17番 三河睦
(みかわ・むつみ)
男子18番 美作由樹
(みまさか・ゆうき) 女子18番 矢田美晴
(やだ・みはる)
男子19番 柚木康介
(ゆのき・こうすけ) 女子19番 結城緋鶴
(ゆうき・ひづる)
男子20番 脇連太郎
(わき・れんたろう) 女子20番 吉原遼
(よしはら・りょう)
以上40名
男子1番・青山豪(あおやま・ごう)
サッカー部FW。男子運動部グループ。
いつでも努力を怠らない。
笠井咲也(男子5番)・工藤久尚(男子6番)と特に仲がいい。
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★★☆☆☆
★★★★☆
★★★★☆
★★★★☆
★★★☆☆
★★★☆☆
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
Cz75
kill:
なし
killed:
結城緋鶴(女子19番)
死亡話数:
14話
凶器:
アイスピック
咲也・久尚・設楽海斗(男子10番)に嫉妬心を感じていた。
サッカー選手になるために優勝する事を決意するが、突然緋鶴に首を刺され死亡。
努力家、無念の退場でした。。
やろうとした事はともかく、1つの事に全てを捧げられる人ってかっこいいですよね。
彼のイメージ、『ホイッスル!』の主人公が元だったりします。
男子2番・浅原誠(あさはら・まこと)
囲碁部。男子文化系グループ。
成績は学年3位で、常に勝てない不破千尋(男子17番)を嫌っている。
愛国主義者で、将来の夢は政府官僚。
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★★★★★
★☆☆☆☆
★★★☆☆
★☆☆☆☆
★★★☆☆
★★★★☆
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
フランキ スパス12
kill:
濱中薫(女子14番)
矢田美晴(女子18番)
killed:
不破千尋(男子17番)
死亡話数:
72話
凶器:
フランキ スパス12
千尋を憎み、探し出して殺害しようとしている。
D=06エリアで薫と遭遇。 偶然千尋の居場所を聞き出せた上、千尋とも遭遇。 薫を銃[ピーーー]るが、千尋には逃げられる。
千尋と美晴を発見し、トラックを炎上させる。 千尋を庇い続ける美晴に苦戦するが、銃殺。 それに激怒した千尋も倒そうとしたが、腕と頭を撃たれ死亡。
プチオフ会でも見事に人気の無かった(苦笑)浅原君。「誠」の字が泣くよ。
結局最期まで勝てなかったのは、実力の差。
そして、奪う為の強さと護る為の強さ、2つの力の差。
女子3番・金城玲奈(かねしろ・れな)
部活は無所属。女子ギャルグループ。
タカビーな性格のお嬢様。
岩見智子(女子2番)いじめをしていたこともある。
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★★☆☆☆
★★★☆☆
★★★☆☆
★★☆☆☆
★★★★☆
★★★★☆
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
サバイバルナイフ
kill:
なし
killed:
桐島伊吹(女子4番)
死亡話数:
11話
凶器:
FN ブローニング・ベビー
クラスメイトを見下していた。
見下しているクラスメイトたちの為に死ぬのは嫌だ、とやる気になる。合流した伊吹を殺害しようとしたが、伊吹の罠にはめられ、銃殺。
出た、天上天下唯我独尊タイプ!
ただ、相手が悪かったですね、ご愁傷様です。
こういう子は・・・どうもなぁ・・・
女子9番・駿河透子(するが・とうこ)
バスケ部キャプテン。女子運動部グループ。
女子委員長で、しっかりしていて正義感が強い。
誰とでも気兼ねなく話ができる。
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★★★★☆
★★★★★
★★★★★
★★★★☆
★★☆☆☆
★★★★★
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
ダーツの的
kill:
なし
killed:
新島恒彰(男子15番)
死亡話数:
61話
凶器:
ベレッタM92FS
真田勝(男子9番)に恋心を抱いている。
F=01エリアで吉原遼(女子20番)に襲われるが、勝に救われる。自分の為にクラスメイトを殺そうとする勝に怒り、今の状況をどうにかする方法を考えようと訴える。その時銃声が響いた。銃弾は透子の体に着弾し、勝に想いを告げて息を引き取った。
登場が1番最後になりました透子ちゃん。
話を進めるうえでの役割としては真田君を徹底的なジェノにする事でした。
襲われていなければもっと違う事になっていたんでしょうが・・・
女子5番・黒川梨紗(くろかわ・りさ)
美術部。女子文化部グループ。
大人しくおどおどした感じ。
設楽海斗(男子10番)とは幼馴染。
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★★★★☆
★★☆☆☆
★★☆☆☆
★☆☆☆☆
★☆☆☆☆
★★☆☆☆
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
ピコピコハンマー
kill:
なし
killed:
なし
死亡話数:
なし
凶器:
なし
海斗に恋心を抱いている。
G=04エリアで美作由樹(男子18番)に襲われ逃げる。逃げる途中で遠江敬子(女子12番)に救われる。敬子に励まされ、共に行動する。
C=07エリアで不破千尋(男子17番)率いるプログラム破壊グループに会うが、人探しの為にすぐに別れる。
G=06エリアで矢田美晴(女子18番)と会い、喜ぶ。 美晴にハッキングの事を聞くが、その所為で政府側にバレてしまった。 美晴の希望により別れた。
G=09エリアで海斗を発見。しかし、常に自分ではなく曽根崎凪紗(女子10番)の事を考えている海斗に激怒。真田勝(男子9番)に襲われ錯乱し逃げ出す。 追いかけてきた海斗に改めて失恋。 元の場所で敬子の亡骸を発見、泣く。 放送後、移動。
E=07エリアで千尋と勝の最期を看取り、プログラム本部へ向かう。
本部で爆発予定の校舎内にADGIメンバーが取り残されている事を知り、救出に向かう。竹原(元戦闘実験体)に襲われるが無傷のまま井上稔(ADGI)・柳瀬伊織(ADGI)を救出、脱出するためにヘリに急ぐ。
海斗を助けられなかった事・護られてばかりだった事を悔やみ、今度は自分が誰かを救う為に医術を学ぶ事を決意、渡米。
2年後、伊織のいる病院に勤める。
とことん護られてばかりだった梨紗ちゃんでした。
私は実は本来こういう護られてばかりの子はあまり好みません、なのに想像以上に何もしない子になってしまった…
男子18番・美作由樹(みまさか・ゆうき)
テニス部。男子運動部グループ。
可愛らしい容姿でいつも微笑んでいるが、毒舌。
その容姿から、愛称は“ユキちゃん”。
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★★★★☆
★★★☆☆
★★★★☆
★★★★☆
★★★☆☆
★★★★☆
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
S&W M36
kill:
姫川奈都希(女子15番)
坂本陽子(女子7番)
killed:
真田勝(男子9番)
死亡話数:
64話
凶器:
キャリコM950
愛想が良いわけではなく、異常者?
G=04エリアで黒川梨紗(女子5番)を襲う。
F=07エリアで奈都希を発見、銃殺。 コルト・ロウマン入手。
G=09エリアで怯える陽子の首を切り殺害。感情が足りない事を自覚。
H=04エリアで勝を発見。 襲うが返り討ちに合う。 全身に被弾し失血死。 最期に涙を流した。
有利に見えたかもしれませんが、ユキちゃんが終盤戦最初の犠牲者でした。
最期に感情が戻った・・・わけではないですが、少し、ほんの一欠け出たのかな。
願わくば、来世では感情を表せる子になれますように・・・
女子2番・荒川素子(あらかわ・もとこ)
陸上部。小夜グループ。
大人びていて無口だが、喋るときつい口調。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
ヌンチャク
kill:
なし
killed:
瀬川小夜(女子8番)
死亡話数:
B=06
凶器:
ブローニングハイパワー9ミリ
出発後、小夜グループメンバーに出会うが、良元礼(男子16番)に襲われる。飛鳥都(女子1番)、大野迪子(女子3番)と共に逃走。
その後都が熱を出したため、3人でB=06エリアの診療所へ。そこでずっと潜伏していたが、小夜が現れる。小夜を中に入れようとしたとき、銃を向けられ、頭部に被弾し死亡。
女子2番・荒川素子(あらかわ・もとこ)
陸上部。小夜グループ。
大人びていて無口だが、喋るときつい口調。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
ヌンチャク
kill:
なし
killed:
瀬川小夜(女子8番)
死亡話数:
B=06
凶器:
ブローニングハイパワー9ミリ
出発後、小夜グループメンバーに出会うが、良元礼(男子16番)に襲われる。飛鳥都(女子1番)、大野迪子(女子3番)と共に逃走。
その後都が熱を出したため、3人でB=06エリアの診療所へ。そこでずっと潜伏していたが、小夜が現れる。小夜を中に入れようとしたとき、銃を向けられ、頭部に被弾する。
こんばんは、私です。
今日は、舞台「アメージングなグレイス」からの、まどマギ映画二度目でした!
アメグレ、面白かった!めっちゃ笑った!
前から3列目で観てたんですが、相変わらず女性陣(に扮した男性陣)は美人揃いだなぁ…!!
マリアさんが急きょ降板したので不安でしたが、とってもよかった!!
そしてまどマギ二度目。
初めて見た時とは違った見方ができて、オープニングの時点で泣きそうだった…
二度行くべき映画ですな、これは!
フィルムは、ほんと終盤というかむしろエピローグ的なところのまどほむでした。
まぁるいケーキのシーンとか返信シーンとか欲しかったなぁ…
ベベ可愛い。
今週は、どえらいシステムトラブルが発生したおかげで、よく働きました。
よくよく考えたら、1日の労働時間最高記録だった…3日連続で更新していったよ…
明日は職場の子の結婚式。
天気悪そうだ…せっかくのお式が…
11月は休みに予定入れまくってるせいで休む間がありませんが、楽しみなことは楽しみにして乗り切る!
↓↓更新裏側↓↓
月に叢雲、花に風
61)たった一人の友達
本当は「希望と絶望の相転移」とかつけたかったんですけどね。モロすぎるので(笑)
仮に古都美がソウルジェムを持っていたとしたら、一気に黒く濁って魔女化していたことでしょう…
見ての通り、続き物です。
近々更新したいと思います。
スタダスでは大体中盤戦終了時点の残り人数は19人…だった気がする。
…と思ったら全然そんなことはなかった←
EN1:15人
EN2:11人
EN3:19人
FC1:11人
FC2:19人
FC3:17人
FC4:19人
…あ、でも19多いな。というか奇数ばっかだな。
…という話題を出すということは、そういうことです。
今回は11なのか15なのか17なのか19なのか、初の偶数なのか…
まずは中盤戦ラストまで、お付き合いいただけたら幸いです。
吉田桃子
女子2番・有馬怜江(ありま・さとえ)
卓球部。女子運動部グループ。
臆病で、1人でいることを嫌う。
特に志摩早智子(女子11番)になついている。
身長/146cm
愛称/怜江、怜江ちゃん
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★★★★☆
★★★☆☆
★☆☆☆☆
★★★☆☆
★☆☆☆☆
★☆☆☆☆
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
USSR マカロフ
kill:
なし
killed:
出雲淑仁(男子1番)
死亡話数:
49話
凶器:
ワルサーPPK
早智子に近づく人に殺意を抱く。
E=09エリアに潜伏していたが、出雲淑仁(男子1番)に発見される。早智子を探すために手を組むが、内心殺意を抱いている。<42話>
↓
D=04エリアで早智子・北王子馨(男子5番)に会う。発砲。2人に説得されていたが、その後ろから淑仁に撃たれ、胸部に被弾し死亡。<48?49話>
中盤戦ラストを締める出来事の引き金となった怜江ちゃんでした。
ルール上2人が残るのは不可能だけど、そんなことは関係なく、ただ親友の側にいたかったという望みの結果が、こんなことに。書きにくい子でした。
タイムテーブル
時間
被害者
加害者
凶器
死亡場所
死亡話数
第1回放送
5/17
AM6:00
AM1:41 水上朱里(F18) 岸田総司(補佐) 刀 B=05 第8話
AM3:50 持留奏太(M16) 多田尚明(M11) 脇差 C=06 第14話
AM3:51 多田尚明(M11) 山神弘也(M17) 鎌 C=06 第14話
AM5:17 薮内桃子(F19) 逢坂珠尚(F1) S
2013/12/27 15:35:19 グリーンアップル スミレ様 (最新作:Tommorow is Another Day? 1997年度山梨県居八小中学校全生徒)
2013/12/27 12:28:05 バトル×2 yoshi様 (最新作:ダンデライオン 京都府京都市立有明中学校3年A組)
2013/12/24 15:38:36 A LITTLE SELF-RESPECT チキン様 (最新作:?Hope in Despair? 2009年度鳥取県水木町立水木中学校3年B組)
2013/11/23 10:41:18 Victory KML様 (最新作:鎮魂歌 1997年度香川県城岩中学校3年B組)
2013/11/20 03:48:23 Star☆Dust 水金翔様 (最新作ENDLESS NIGHTMARE ? 2001年度群馬県桐生市立巴ヶ丘中学校3年2組)
2013/11/17 05:02:36 若紫文庫 松風美奈子様 (最新作:BATTLE ROYALE?The Gatekeeper? 1999年度兵庫県神戸市立月港中学校3年A組)
2013/10/28 17:04:18 NIGHT BLOOD 紫堂カムジ様 (最新作:P×P/Live now. 1999年東京都江戸川区立淺木西中学校3年A組)
2013/10/20 17:18:33 ジョニーズ裏事務所 ジョニー様 (最新作:1984年度市立桜丘中学高3年A組プログラム)
2013/09/04 11:07:16 毒人間の館 若丸進二様 (最新作:楽園島の門番姫 千葉県私立星矢中学校三年三組)
2013/08/18 02:09:56 あいまいみい 源彩璃様 (最新作:あの子の空箱 2002年度東京都私立尾鳥女子中学校 三年紫組)
2013/08/13 22:25:53 N.enu. ユウキナオ様 (最新作:ソラアワセ 2005年度 愛知県立第二竜神中学校 3年C組)
2013/07/15 20:01:47 A castle IN the air カヤコ様 (最新作:FREE WORLD -僕等の自由世界- 2000年度静岡県芙蓉市立次郎丸中学校3年0組)
2013/01/20 10:50:54 徘徊行路 ひいな様 (最新作:バトルロワイアルペティー 2005年度S県立第三高等学校英文科2年A組)
2013/01/01 06:05:33 das verlorene Paradies 司城誠治様、鈴鹿征治様 (最新作:この国に生まれてよかった 2005年度熊本幼年学校3年)
2012/10/09 19:27:27 オセロ堂 ひま様 (最新作:2000年度広島県広島市立三津屋中学校3年3組プログラム)
2012/06/08 17:04:44 枯渇 サチ様 (最新作:希い 2006年度沖縄県那覇市立井筒西中学校3年2組)
2012/05/03 22:51:38 selfish HEROs 藤沢克己様 (最新作:battle royale -dead end- 1999年度高知県森下町立陽生中学校3年C組)
2012/04/27 13:54:20 Doomsday 夜空様 (最新作:Underworld Dream 1995年度新潟県静海市立静海中学校3年1組)
2012/04/07 20:04:54 そんな気分で雑草魂 四季々たかゆき様 (最新作:プレゼント 2002年度神奈川県横浜市はばたき中学校三年五組)
2012/02/28 21:29:11 ファンタジスタ! 佐倉恭祐様 (最新作:善悪の彼岸 2007年度 静岡県私立菊花学園高等部2年虹組第二期)
2011/12/06 10:22:13 Last Message みかど様 (最新作:Graduation 東京都港区立皇中学校三年五組)
2011/11/15 10:06:41 あの日の空の色 霧風ライキ様 (最新作:何所か空のふもと 2001年度石川県前沢市立星辰中学校3年4組)
2011/10/09 23:37:24 Life goes on 浅俊カイ様(最新作:Innervisions 1998年度 神奈川県逗子市私立昭栄学園中学校3年A組)
2011/08/05 03:11:11 かみさまはこども のの様 (最新作:still 山形県遊佐町立花笠中学校三年A組)
2011/07/13 06:09:04 Red Unbrella 崩様 (最新作:A reason of existence 沖縄県立城中学校3年4組)
2011/05/25 02:47:54 ガルナの塔 がるな様 (最新作:らせん階段 2006年度岐阜県板鳥市板鳥第六中学校3年E組)
2011/05/24 16:27:43 Heaven’s Gate ミバル様 (最新作:2002年度私立星絢学園中等部3年D組プログラム)
2011/02/05 03:48:44 34番地。 きび様 (最新作:OBR1 Bonds 2005年度埼玉県立鈴那中学校3年A組)
2010/11/11 00:30:41 Die魂 黒羽花樹様&俊様(最新作:Target 21)
2010/08/09 03:44:10 西からのそよ風 川村信也様 (最新作:バトル・ロワイアル?Final Episode? 2004年度神奈川県川崎市立柵上中学校3年B組)
2010/04/22 22:38:42 -SKY WARDS- 璃瑠様 (最新作:The lost one 横浜市立桜木第3中学3年C組)
2010/03/23 23:57:55 陽気屋 陽気人様&蒼魔翌様(最新作:死の災禍が過ぎる刻 2011年度鹿児島県私立古泉学園中等部3年1組)
2010/03/23 23:27:18 グロリアスオレンジ しの様 (最新作:Funeral Dirge 2005年度東京都久村市立藤林第二中学校3年C組)
2010/03/23 23:26:19 うたかた≠ウタカタ 綾咲美由様 (最新作:† ∞×ROOLING † 1995年度群馬県甘楽郡甘楽町立那須中学校3年生)
2010/03/23 22:05:41 夢日和 知美子様 (最新作:7人の中学生 戦闘実験第68番プログラム特別学級)
2010/03/23 21:50:25 ノームの巣窟 メトロ様 (最新作:Genius Boys1 2001年度京都府京都市立第十三中学校3年2組)
2010/03/23 20:14:08 マリカのBATTEL×3 マリカ様 (最新作:”pure”dream 東京都私立大東亜女学院中等部3年2組)
2010/03/23 19:57:21 残月 いお様 (最新作:僕は君だけを傷つけない 石見原学園 3年2組)
浅瀬真帆
この国の陸軍・海軍・空軍全てを統轄する、軍の最高責任機関。名目上は政府の管轄下であるが、実質的にこの国を治めているのはこの統轄本部である。そのため、軍でも最高クラスの人間しか、ここへの出入りを許可されていない。
そこには最高機密クラスの書類がたくさん置かれている資料室がある。その資料室の奥に、一つの古びたドアがある。『第六十八番プログラム資料』と書かれたドアには、それにあまり似つかわしくないばかでかい鍵がかけられている。
そのドアの奥には、文字通り"第六十八番プログラム"の資料が置かれている。
正式名称、戦闘実験第六十八番プログラム。通称プログラム。
毎年全国の中学3年生を対象に、ランダムに50学級を選ぶ。それぞれのクラスを隔離し、武器を与え、互いに最後の一人になるまで殺し合いをさせる。生き残った人間(優勝者)には、生涯の生活保障と総統陛下の色紙を与える。
これは、全体主義国家であるこの国の防衛上必要な戦闘シミュレーションであると、国民に説明している。しかし実際は、一部の大人たちが、誰が優勝するかを賭ける、ゲームである。
ここには、第一回目が行われた1947年から昨年行われた2000年までの資料が保管されている。1年を1冊にまとめ、1クラスに4ページとってある。そこには、性格・使用した武器・倍率(賭の)などが書かれているクラス名簿、会場図、大まかなゲーム進行、優勝者、かかった時間、そして賭の最高賞金獲得者が書かれている本冊と、ほかに注目する事柄などをまとめた、別冊とがある。
別冊には、各都道府県別プログラム実施回数表や、最短時間・最長時間ランキングなど、賭けゲームに参加する大人たちのための資料がメインに書いてある。
その別冊に、超特記事項という欄がある。その最初に注意書きとして、こう書かれている。
『これは、プログラムを円滑に進めるため、過去に起こり、なおかつ未来にも起こりうるであろうアクシデントを記述するものである。各プログラムの担当者はこの記事をよく読み、これらの事態に備えること』
そして、内容は
?.プログラム担当者の死亡したケース。3件。
1.1957年度、群馬県高崎市立第5中学3年E組プログラム。
担当者:死村 変(しむら へん)
死亡理由:生徒の一人が支給された手榴弾を大会本部に投げ込み、爆死。
対策:手榴弾の威力を弱める、大会本部のあるエリアを最初の禁止エリアとする。
2.1984年度、北海道小樽市立北寒中学3年2組プログラム
担当者:森木 朗(しんき ろう)
死亡理由:コンピューター処理ミスにより、本部爆発。
対策:コンピューター専門技師を用意すること。
3.1997年度、香川県城岩町立城岩中学3年B組プログラム。
担当者:坂持 金発(さかもち きんぱつ)
死亡理由:ゲーム終了後、優勝者を連れ帰る最中、優勝者の手によって殺される。なお、他に乗っていた兵士も殺されていた。
対策:優勝者を連れ帰るときは厳重に警戒し、隔離する。
中略
?.優勝者なしのケース。15件。
1.1950年度、長崎県佐世保市立東佐美中学3年A組プログラム。
原因:ゲーム途中、首輪(ガナルタガル試作1号)の暴発。生き残っていた15人全員死亡。
対策:首輪の改良。
中略
13.1994年度、神奈川県横浜市立南浜中学3年5組プログラム。
原因:不明。このプログラムに関してはいっさいの資料を破棄する。
対策:今後、このようなケースは起こらないものと考える。よって対策は無し。
後略
生徒データ
残り40名(3話終了時点)
1番 相川 秀樹 (あいかわ ひでき) 石川 友絵 (いしかわ ともえ)
2番 青木 達也 (あおき たつや) 磐田 真由香 (いわた まゆか)
3番 市川 祐介 (いちかわ ゆうすけ) 内川 優子 (うちかわ ゆうこ)
4番 上原 順平 (うえはらじゅんぺい) 小笠原 明菜 (おがさわら あきな)
5番 内田 浩輔 (うちだ こうすけ) 片田 カナ (かただ かな)
6番 大賀 直毅 (おおが なおき) 川窪 美里 (かわくぼ みさと)
7番 大崎 健史 (おおさき たけし) 川下 麻友 (かわしも まゆ)
8番 加藤 勇 (かとう いさみ) 河本 雪那 (こうもと ゆきな)
9番 黒木 康明 (くろき やすあき) 坂口 里香 (さかぐち りか)
10番 榊 英臣 (さかき ひでおみ) 鈴木 貴子 (すずき たかこ)
11番 鈴木 尚志 (すずき ひさし) 千葉 菜々歌 (ちば ななか)
12番 高田 宗徳 (たかだ むねのり) 土枝 麻衣美 (つちえだ まいみ)
13番 戸田 直人 (とだ なおと) 土井 亮子 (どい りょうこ)
14番 戸田 弘樹 (とだ ひろき) 荷川取 玲 (にかわどり れい)
15番 長嶺 竜作 (ながみねりゅうさく) 野口 佳代 (のぐち かよ)
16番 浜口 大器 (はまぐち だいき) 長谷川せつな (はせがわ せつな)
17番 富士川 涼 (ふじかわ りょう) 保志 希美 (ほし のぞみ)
18番 三沢 悠介 (みさわ ゆうすけ) 美作 杏子 (みまさか きょうこ)
19番 森 茂樹 (もり しげき) 森田 沙紀 (もりた さき)
20番 柳沢 雅弘 (やなぎさわまさひろ) 山寺 佳代子 (やまでら かよこ)
21番 山田 信吾 (やまだ しんご) 吉丘 博美 (よしおか ひろみ)
プログラム更新状況(3話終了時点)
9/23 12:22 プログラム説明開始
9/23 12:26 男子18番三沢悠介、担当教官により殺される
9/23 12:37 女子6番川窪美里、担当教官により殺される
9/23 13:05 ゲーム開始、男子20番柳沢雅弘が出発
永遠の誓い
本編
名簿
地図
状況説明
戻る
自分が立っているのか、座っているのか、横になっているのか、それすら判らないくらい深い闇の中に、康明はいた。目を開けても、目を閉じても、前に広がるのは漆黒の闇だけ。上下左右、視界に入るすべて、いや自分の感じることのできるすべては暗闇だけだった。
ふと、目の前に少女が現れた。小学生かそれくらいだろうか。彼女の髪の毛は闇の中でも映えるくらいのつやがあり黒く、彼女の肌は周りの闇とのコントラストで浮かび上がるほど白かった。康明はこの少女を知っていると思った。ただ、誰だろうと記憶を探ってみても、絡まった糸のようにもつれた記憶が答えにたどり着けない。
どれくらいそうしていただろうか。ふと、少女の顔がゆがみだした。と、顔だけじゃなく周りのすべてが歪みだした。漆黒の闇ですら、そう認識できるほど、水に石を投げた波紋が広がるように歪んでいた。
「……!」
康明は少女の名前を叫んだ。しかし、その名前は声となって康明の口からこぼれることはなかった。次の瞬間、康明の体自体が歪みだした――。
「…き、……き、おい、黒木!」
目が覚めたとき、最初に思ったのは頬にあたる地面の冷たさだった。瞬時に、自分がうつぶせに倒れているのに気づき、おくれてそこがさっきまでいたはずの教室ではないと気づいた。
ここはどこだ?急に眠くなって、それで…
康明は顔を上げた。ずんとした痛みが頭の後ろ、首筋に走った。その鈍い痛みに、めまいがして、軽く目を閉じる。しばらくそうしていると、痛みが引いていって、頭がはっきりしてきた。軽く頭を振って、上半身を起こした。まばたきを二、三回くりかえすと、体が心なしか軽くなったような気がした。
「黒木、大丈夫か?」
二、三度頭を振って、声のするように顔を向けた。そこには加藤勇の姿があった。康明は体を起こしながら、加藤に声をかける。
「…会長…? 」
「気づいたか、黒木」
加藤はほっとしたように康明に笑いかけた。
「…ここは…?」
「わからん。俺もさっき気づいたばっかりだ。何が何だか…」
そのまま回りを見渡すと、クラスメイト達が床に倒れていた。何人かは康明のように目を覚まして起き上がり始めていた。康明の隣で、加藤がぶるぶると頭を振り、ずれたメガネを直した。
「でも、確かにここはどこなんだろうな。それに、何でこんなところに…?」
そんな言葉を聴きながら、康明は周りを見回した。教室よりちょっと広いくらいの部屋に、3?5の生徒たちがいた。数えていないので判らないが、おそらく全員いるのだろう。まだ倒れている生徒もいれば、康明たちのように体を起こして話し合っているものもいる。並び順は、教室の机の並びと同じようで、後ろには加藤、前には寝ている戸田弘樹の姿があった。そして、すぐ横に自分の鞄が置いてあった。みんなそれぞれ自分の荷物が脇に置かれているようだった。
半分くらいの生徒が目を覚まして、康明たちのように会話をしていた。小声の会話がみんなの不安を表しているようだ。
「あ、黒木、起きた?」
祐介がそういいながら康明たちのほうにすりよってきた。なんとなく立ってはいけないという雰囲気があるのか、座ったまま手だけで移動してきた。
「祐介、ここはどこだと思う?」
答えられないだろうな、とおもいつつ、さっきと同じ質問をぶつけてみた。
「よくはわからないけど、船の中っぽいよ」
「船?」康明と加藤の声がユニゾンした。
「うん。窓が丸いし、天井か壁とか床とか金属だし、それに何よりこの揺れがね」
そう祐介に言われて、初めて康明は揺れを感じた。いや、今まで感じていたが認識してなかっただけだった。祐介の言うように、不定期にゆれていた。地面の上ではこんなにゆれない。また、車や飛行機なんかの乗り物とも、地震の揺れとも違う。やっぱり船だ。それもそこそこ大きな船だと感じた。
改めて辺りを見回すと、かなり広い部屋のようだった。その部屋の中に、康明たち五組の人間が詰め込まれていた。ドアは康明から見て前方に一つと、右側に一つ。窓は丸窓が康明の左側の壁に並んでいた。
「これ、何なの?」
康明は心に思っていた最大の懸念を口に出した。
「……」
「さあ? 僕にはわからないよ。この首輪の意味もわからないし」
祐介が自分の首に巻かれた銀の首輪を触りながらいった。そのとき、康明は自分にもそれと同じものがまかれている事に気づいた。首輪! ペットの犬や猫のように、首にはしっかりと巻かれていた。周りを見るとみんなの首にも同じようなものが巻かれていた。
「な、なんなんだよ。これ……」
「……予想はできる。あたってほしくはない、最悪の予想だがな」
加藤がぽつりと呟くように言った。最悪の予想?と言いかけて、康明ははっとした。
クラス全員、みずしらずの場所、訳のわからない首輪、中学三年生、五十クラスに一組…
「まさか、これって………」
加藤は無言で、何かを考え込むようにあごに手をあて、市川はかたをすくめただけだった。
?やっぱり、これって………
「やすくん!」
声とともに、康明の右腕にしがみついてきたのは、長谷川せつなだった。教室の並び順でせつなは通路を挟んで康明の隣に座っているため、目を覚まして状況を確認する前にとっさに康明の腕をつかんだようだった。彼女の手というか全身が小刻みに震えている。状況を理解しようとしてるのか軽く頭を振って周りを見渡した。
「ねえ、やすくん! これって、これって、これって」
壊れたCDプレーヤーのように同じ言葉を繰り返すせつなの手を握って落ち着かせながら、康明は答えた。
「僕にも、わからない。でも、多分………」
その瞬間、康明たちの前方にある扉が勢いよく開いた。そして銃を持ち、軍服とおもわれるものに身を固めた、兵士と思われる男たちが飛び出して、五組の人間たちを取り囲むように並びだした。その音と動きに驚いて康明は前のめりになっていた体を元に戻した。
みんな何が起きたかわからず、喋り声も止まり、ただただおびえた顔で整列をみていた。ほぼ取り囲み終わったくらいのタイミングで、扉から大柄な男が現れた。左手にはバイオリンらしきものをつかみ、右手には楽器用の弓を持っていた。まわりの兵士たちが背すしを延ばしたところを見ると、このバイオリンが兵士たちのボスらしかった。
バイオリンは康明たちの前に立つと、全員の顔をなめるように見回し、笑顔を浮かべた。その後ろでは、兵士たちが学校で使うようなホワイトボードをがらがらと運んできて、設置した。バイオリンは首だけ後ろに曲げると、何事か発した。康明には聞こえないほどの小声だったが、声をかけられた兵士のはんのうからみて、ごくろうか何か、そんなことを発したのだと感じた。バイオリンは康明たちに向き直ると、顔に満面の笑顔を浮かべた。なんとなくいやらしい笑いで、見ていて気持ちのいいものではないと康明は感じた。わざとらしい咳をし、ソバージュの前髪を書き上げながら、バイオリンはもったいぶった言い方で、話し出した。
「こんにちは。私の名前は、博士次郎(はかせじろう)といいます。ま、名前なんてあってないようなもの、何とでも好きに呼んでください」
そしてまた、にかっといやらしい笑いをした。この博士とか言うバイオリン男はいったいなんなのか、いきなりでわけが分からない。皆、あっけにとられているのか、周りの兵士に恐怖を覚えているのか、声を出す人はおらず、ただ、目の前の博士ことバイオリンを見つめてた。
そしてバイオリンは一つ大きく息を吸い込むと、よく通る声で高らかに言った。
「君たちに、これから、殺し合いをしてもらいます」
康明は隣の市川にちらりと目をやった。市川はまっすぐ正面のバイオリンを見つめていた。その顔からは表情を感じ取れなかった。康明は次にせつなの顔を見た。目を大きく見開いて、口が半開きのまま表情が固定されていた。そして、加藤を見た。苦虫を噛み潰したような、奇妙な顔をしていた。康明はそして、自分の顔も変な表情のまま固まっている事に気付いた。
その時、康明たちのいるところよりも前で、すっと立ちあがる人影をみつけた。
「どいうことです?」
ちょっと間の抜けたような、この場の雰囲気にはそぐわない、でも彼女らしい通った声で質問したのは、山寺佳代子(女子20番)だった。
「いきなりそんなん言われても、ちょっと困るかなーって」
山寺は少し笑みを含んだような言い方で、事実顔をほころばせかけた。が、バイオリンが目の前に歩み寄ってきたことに戸惑い、少し顔が引きつった。バイオリンはゆっくり歩み寄ると、にかっと笑いながら、顔にかかった長いソバージュを弓を持った右手で掻き揚げた。
「うふ、わかっているでしょう。殺し合いですよ」
「わかりません」
さっきと打って変わって、突き放すような言い方で、山寺は答えた。目の前にバイオリンがいるにもかかわらず、挑発するようにその目をにらみつけていた。数秒のにらめっこの後、バイオリンはふっと口の端をあげ、表情を崩すと、踵を返して元いたホワイトボードの前に着くと、くるりとこちらを向いた。
「あなた方は、今年の第68番プログラム対象クラスに選ばれました。おめでとう」
頭を硬いもので思いっきり殴られたような衝撃が走った。
康明の頭の中をプログラムという言葉が回っていた。小学五年生の教科書から登場し、全国の中学生なら誰でも知っている言葉。正直、康明にとってプログラムなんて遠い世界の出来事だと思っていた。いや、康明だけじゃなくここにいるほかの生徒の大半が同じことを思っていただろう。康明は中学に入ったころはプログラムが怖かった。三年生になってから最初の一週間はずっとびくびくしていた。でも、それを心配することは明日地震がおきることを心配したり、道を歩いていて車にひかれることを心配したりすることと同じことだった。心配してもどうもできることではないと感じたのだった。さらにそれよりも懸念すべきことが康明の身に降りかかったこともあり、まったくすっかりとその言葉を忘れていた。
しかし、今、そのプログラムは遠い場所で行われていることでも、その辺の誰かに起こったことでもなく、現実として、康明の目の前に現れたのだ。
突然のことに、康明は「えっ」とつい声を出してしまった。でもそれは康明だけではなく、今度は沈黙をはさまずにみんなが口々に声を出した。
「プログラム……うそ……」
「なんだよ。ドッキリかよ。おい!」
「いや……いや……」
「わけわかんねーよ!」
最初は小さな呟きだったその声は、うなりをあげ、クラスメイト全体を包み込み、がやがやとうるさいくらいの大きなうねりとなった。
バイオリンはしばらく黙っていたが、軽く右手をあげ、弓で一人の生徒を指した。すると、彼の後ろに控えていた兵士がバイオリンの横まで歩いてくると、バイオリンが指した生徒に対して持っていた銃の銃口を向けた。指名された生徒、三沢悠介(男子18番)は「え?」っという言葉を吐いた。次の瞬間、彼の眉間に銃弾が突き刺さり、そのまま首を後ろにおって、仰向けに倒れた。 あまりにも短い時間の出来事に、大半の生徒は何が起きたかわかってないようだった。それでも三沢の近くにいた生徒が声を上げると同時に、その声は他の生徒にも伝達し、叫び声が室内へと広がった。
「静かにしろ!」
そんな叫び声でいっぱいの中、バイオリンがとても響く声で一括すると、皆一瞬で静まり返った。皆が静かになったのを確認すると、再びあのいやらしい笑顔を浮かべながら話し出した。
「いいですか、人が話している時は騒がない。これは基本ですよ。えっと、彼……三沢君でしたか? 彼は最初の犠牲者になってしまいましたが、いいですか」
バイオリンはぐっと力を込めるように弓を握り、顔を康明たちに近づけると
「これがルールです。今は私の命令で殺しましたが、これを皆さんがやるんです。最後の一人になるまでですよ。あなたが、あなたたちが、皆を[ピーーー]んです」
誰も声を上げなかった。みんな緊張しているのか張り詰めた空気があたりを支配していた。誰かのつばを飲み込む音がやけに大きく聞こえた。
「さて、それでは詳しい説明をしましょう。基本的なルールは殺し合いです。手段は問いません。最後の一人になるまで殺しあう。生き残った一人。いいですか、一人だけです。その人が優勝、家に帰れますよ。」
家に帰れるという言葉にみんなが反応し、おぉという小さな声が漏れた。
「そうです。家に帰れるんです。ただし、一人だけ。 ……ただ、これだけではいつまで掛かるか分からないし、実際に殺せといわれてもできないという人もいるでしょう。そこで、我々があなたたちをサポートします」
康明はそう心で呟きながらも、クラスメイトを[ピーーー]という具体的なイメージが浮かんだことを恥じた。プログラムなんて、殺し合いなんて真面目に取っちゃダメだ。絶対にどこかに皆が助かる道があるはずだ、と康明は自分に語りかけた。
「それから、我々が首輪を爆発させるのは禁止エリアに入ったときだけではありません。24時間以内に死者が一人も出なかった場合、72時間以内に最後の一人にならなかった場合などはその時点で生き残っている全ての生徒の首輪を爆破します。禁止エリアは基本的に2時間で一つのペースで増えていきますが、皆さんが消極的だとエリアも一気に増えますからね」
「よくできたシステムだこと」
となりで祐介が小さく呟いたのが康明の耳に届いた。よくできたシステム、の意味を一瞬考え、そして理解した。禁止エリアとやらのせいで、一箇所に隠れ続けることはできない。また、増え続けていく禁止エリアのせいで活動場所を制限され、必然的に他人と出会う機会が多くなる。そして、『武器』を持った状態でクラスメイトとはいえ他人と出会えば、ましてや一人しか生き残れず、何もしなければ24時間後に爆死するとわかってる状況だとしたら……
康明はそれ以上考えることをやめた。考えれば考えるほど、康明にできることは無いような気がしたからだ。いや、正しくはある一つの結論に達することが怖かったからだ。それ以外の選択肢が消えてしまうのを無理やり押し込めて、そのこと自体を思考からはずした。
「もしかしたら何人かは、女子が不利と思うかもしれませんが、今までの優勝者の男女比はほぼ1:1ですので、あまり気にしなくていいですよ」
そこで一息つくと、バイオリンは再びみなの顔を見回した。
「さて、何か質問はありますか?」
「あ、あの…」
康明の後ろの方から声が聞こえた。委員長こと、野口香の声だった。
「どうぞ」
「えっと、私たちがプログラムに選ばれたこと、親は知ってるんでしょうか?」
ちょっとおびえながら、それでもいつものように芯のこもった声で野口は問いかけた。
「ああ、親御さんたちの心配はしなくていいです。もうすでに連絡がいってますよ」
「えっと、それで…」
野口はちょっと口ごもった。
「ほとんどの親御さんは納得してくれました。これは国として大事な政策ですし、理解してくれる方が多かったですよ」
「ほとんど…」
野口がつぶやくように言った。それで十分伝わった。なかには納得できなかった親がいたのだろう。つまり…
康明の脳裏に、父の姿が思い浮かんだ。
優しかった父親、ちょっと仕事にいってくるという言葉、そして…
「ああ、それからね」
なかば呆然とする野口が座りかけたとき、バイオリンが付け足すようにいった。
「君らの担任の、なんだっけ? ……池田、池田先生ね……」
池田先生という言葉に、せつながびくっと体を動かし、バイオリンをにらみつけるように顔を上げた。康明はバイオリンの顔に浮かぶにやにやした笑顔に、答えを見た気がした。
「せ、先生がどうしたん……ですか……」
最後は消え入りそうになりながら、野口が答えた。その声で康明はやはり委員長にもこれから発せられるせりふは好ましくないものだと感じているのだと知った。できることなら、それは外れてほしいが。
「君らがね、プログラムに選ばれたことを信じられなかったようでね。我々も説得したんだが……」
せつなの体が小刻みに震えていた。せつなは幼いころに母をなくしていて、今まで学校の先生に母親の影を見ているようなところがあった。特に、池田先生は年齢的にもちょうど康明たちの親世代で、自分に子供がいないことから、生徒たちを親身になって世話してくれていた。せつなも何度か相談に乗ってもらったりしていると聞いたことがあった。
「残念です。聖職者の立場にいながら、自分の生徒たちの最後に立ち会えないとは。まあ、君たちが亡くなった後にちゃんと導いてあげようという心かもしれませんが」
さも楽しそうに話すバイオリンの声を聞きながら、康明は今にも飛び出しそうなせつなをぐっと押さえつけた。せつなの口が開きかけたそのとき。
「なにしたのよ? 殺したの? 殺したのね!? 先生を、殺したのね!」
湯域さなこ
夕来踏め湖
ひっ、ぃあああ
康明から山寺の表情は見えなかったが、その後姿は固まったままだった。口を押さえている両腕が小刻みに震えているのが見て取れた。
康明は、彼の腕を硬く握ったままのせつなの手に触れた。せつなははっとしたように康明を見た。彼はゆっくりとうなずくと、せつなの肩を軽く抱いた。
「今ので爆弾の威力がわかっていただけたかと思いますね。 ……さて、説明も一通り終わりました。ほかに何か質問はありませんか?」
バイオリンが問いかけるが、誰も答えるものはいなかった。質問したいことはたくさんあるが、それはバイオリンの求めているものとは違うと思ったので、黙っていることにした。
「さて、そろそろ始めましょうか。私が今からくじを引きます。そこに書いてある人から、出席番号順に男女男女という順で出発してもらいます。入り口でバックを受け取ったら後はドアの外にいる人の指示に従ってくださいね。この建物をでたら始まりですので、皆さん、しっかり殺しあってください」
と、バイオリンがなにかを思い出したかのように小さくうなずくと、自分の胸ポケットに手をいれ、中からサインペンを取り出した。
「皆さんの私物かばんにも同じものが入っていると思います。先ほど勝手にいじらせてもらいました。別に何も盗んだりはしてませんからご安心を。 ……ちょっとだしてください」
そういわれて、康明は自分の鞄を探った。ペンは、開いたすぐそこにおいてあった。
「皆さん、見つかりましたか? 大丈夫みたいですね。それじゃ、それを持って、左手のてのひらに次の言葉を書いてください。『私たちは殺し合いをする』」
さあ、という表情でバイオリンは見渡すが、誰もペンを動かそうとしない。
「書いてください。『私たちは殺し合いをする』」
しかし、誰も動かない。康明も書きたくなんてなかった。ただ、下を向いてペンの先を見つめていた。
次の瞬間、康明の耳に三発の銃声が響いた。と、同時に悲鳴とうめき声がこだました。
「たけちゃん!」
せつなが驚いた声を上げ、それに反応して康明も自分の斜め後ろに眼をやった。康明から4人ほど間に挟んだ、普段の席と変わらない場所に健史はいた。脇腹の辺りを撃たれたらしく、押さえた手の隙間から血が滴り落ちていた。隣に座っている磐田真由香(女子2番)が心配そうに声をかけている。
今にもそっちに向かっていきそうなせつなの腕を、康明はつかんだ。「痛いっ」せつなが小さく声を上げたので、驚いて手を離した。
「ごめん……でも、だめだよ。勝手に動いたら」
「……そうだね……ありがと……」
せつなはぺこりと頭を下げると、上げかけた腰を下ろした。しかし、視線は健史から離さない。
「大丈夫だよ、タケなら」
「うん」
せつなはその台詞に安心したのか、体を前に向けなおした。
康明は周りを見回した。ほかに撃たれたのは美作杏子(女子18番)と富士川涼(男子17番)の様だが、二人ともかすっただけのようだ。あくまでも威嚇だったのだろう。
「さあ、書いてください」
バイオリンが凄みを利かせながら言った。今度は逆らうものはいなかった。みんな黙々とペンを動かし始めた。前に座っている戸田弘樹(男子14番)もせっせとペンを動かしているし、隣のせつなも特徴的な小さい丸い字を左の手のひらの上に走らせていた。
康明は躊躇いがちにペンのキャップをはずすと、手のひらにペン先をつけた。
「早く書いてください。『私たちは殺し合いをする』」
私たちは殺し合いを、まで書いて康明は止まった。そして、力強く『しない』と大きく書いた。
「次、『やらなきゃやられる』と右手のひらに書いてください」
?やらなきゃやられる?本当にそうか?みんなを疑ってどうする…
康明は「やらなきゃ」まで書いた文字の上から横線を何度も引いて、文字を黒く塗りつぶした。
私たちは殺し合いをしない、私たちは殺し合いをしない
康明はぐっと手に力を入れて、こぶしを握った。
「さて、遅くなってしまいましたね。それじゃ今からくじを引きます。名前を呼ばれたら返事をして、立って、荷物を持ってこっちでバッグを受け取って、出て行ってください。」
バイオリンが後ろのドアの前に詰まれているバッグに目をやってから、横に立っている兵士が持っている箱に手を突っ込んだ。
「…男子20番、柳沢雅弘君」
「は、はははい」
ひょこっと康明の左斜め前で柳沢が立ち上がった。いつものようなおどけた態度ではなく、とても緊張しているのが後ろからも分かった。少し小走りでドアに向かうと、兵士が無言でバッグを突きつけていた。
「柳沢君」
パァン!
浜田智史(男子十八番)に引き連れられながら、清太郎は傾斜のある細い山道を歩く。目的地まで距離はもうさほど無いと聞いたせいか、その足取りはとても軽快なものになっていた。
時折、雨風によって道が崩されている箇所があったりしたが、いずれも大股開きで進めば乗り越えられる程度の難所である。先を進む大柄の智史が軽いジャンプで飛び越えても、山道は崩れたりしなかったので安心できた。
清太郎も彼に習って、山肌の岩や、柵がわりのロープに手をかけたりしながら、難なく歩を進めていく。
「なあ浜田」
清太郎が話しかけると、智史は前を向いたまま「なんだ」と返してきた。
「さっき言っていた、メールで呼ばれた、って話について詳しく聞きたいんだが」
すると智史が歩きながら振り返る。
「そうだった。俺らが集まるってことを、お前は偶然耳にしてやってきたんだったな」
「ああ。さっきも言ったが、増田と西村の会話を聞いてな」
「分かった。これが俺に送られてきたメールだ」
智史がズボンのポケットから取り出した携帯電話を開き、差し出してくる。
星矢中学校では通常授業の日のみならず、行事の際も携帯電話を持ってくることを禁止とされているが、律儀にそれを守っている者は半数程に過ぎない。今回の林間学校でも智史のように、携帯電話を持参している生徒がかなりいるようだった。
清太郎は智史の携帯電話を受け取り、明るく光る画面を覗き込む。
日時:2013年6月--日 13:16
発信者:吉野梓
本文:G-5の洞窟?に集まろう(by角下
短くまとめられた本文を見て、清太郎は首をひねった。
「これを見て、浜田たちはこのエリアに来る事を決めたってわけか?」
「そうだ。が、何か納得していない様子だな」
「色々と考えさせられる所が多いメールだと思ってさ」
「あー、まあそうだな。俺もこれを見た当初は気になったことが多々あったわ。本文に書かれてる名前と発信者が違うこととかさ」
末尾に書かれている名前から、このメールの文面を考えたのは角下優也(男子六番)だと推測できる。だが発信者は吉野梓(女子23番)となっている。なぜか別人である。
清太郎はこの矛盾について、数秒間考えた。
「携帯電話を持っていなかった角下が、吉野のを借りてメールした、ってところか?」
「その通りだ。真面目に学級委員をやっている角下は、今回も校則を破ってまで携帯を持ってきたりはしていない」
智史の話し方から、少なくとも角下優也か吉野梓のどちらかとは既に洞窟で合流していて、当人からこれらの話を聞いたのだろうと察することができる。
もじゃもじゃ頭を掻きながら、眉を寄せる清太郎。
「それより気になったのは、このメールが送られてきた時間だ。この13時過ぎってタイミングは、プログラムについて江口やエアートラックスから説明を受けていた頃じゃないか?」
「そうだな。正確には、説明が大方終わって、プログラムへの意気込みを無理やり発表させられていた頃だ」
「おかしくないか? 俺らは船に乗り込んで、かなり沖の方にまで出ていたんだぜ。携帯電話の使用圏外だったはずじゃないか」
すなわち、メールの送信も発信も、当時サンセット号の中では行えなかったはずである。
「確かに海の上でメールは通じない。だがほんの一瞬、携帯電話の電波が通じる瞬間があったんだ」
「どういうことだ? もっと詳しく説明してくれ」
「俺たちを乗せた船が、ある有人島のすぐ傍を偶然通りかかったんだ。その瞬間、島の電波圏内に入って携帯電話が通じるようになった。角下はそのチャンスを見逃さず、クラスメートに一斉送信した」
「なるほど。もしや電波が通じる瞬間があるかもしれないと賭け、あらかじめ本文を打ち込んでいた。そしてそれが功を奏した、というわけか」
クラスメートたちを特定のエリアに集めるために取られた手段の全貌が見えてきたところで、次にこのメールの送信先を確認してみた。すると、実に十数名ぶんものクラスメートのアドレスが表示され、それだけの人数に宛てて同じメールが送られていたことが判明した。
「このメール、携帯電話を持っているクラスメート全員に送った……ってわけではないよな」
「吉野の携帯にアドレスが登録されている人間の中で、ある程度信用できる人間に絞って送信した、と角下は言っていたな」
言われてみれば確かに、メールの送信先のほとんどが女子であり、しかも吉野梓に近しい人間が中心のようだった。角下優也もさすがに他の生徒のアドレスまで記憶しているはずがなく、これ以上送信先を広げることができなかったのだろう。
「つっても集合場所に向かうまでの道中で、メールを受け取らなかった奴も合流したりして、なんだかんだ男子も結構な人数が集まってきてるけどな」
送信先のリストに智史の名前はあったが、佐久間祐貴の名は見当たらなかった。つまり祐貴は誰かに導かれてやって来た側の人間、というわけだ。
「ちなみに、集合場所をG-5の洞窟にしたのは、皆がどこからでも向かいやすい会場のほぼ中心で、かつ目印として分かり易いと思われたからだと言っていた」
「たしかに、船のモニターに映し出されていた地図に、洞窟らしきイラストが描かれていたな」
モニターに映った地図を見るやいなや、クラスメート達とどこに集まるかすぐに画策し、兵士達の目を盗みつつ急いでメールを打ち込んで送信する。それだけのことを、あの状況下で冷静に、短時間で実行したとなると、角下優也の行動力とはたいしたものである。
「そんなこんな話しているうちに、見えてきたぞ」
道を塞ぐかのように脇から伸びてきている太い枝の下をくぐりながら、智文が前方を指差した。
草葉の隙間の向こうに、岩の山肌にぽっかりと空いた穴が見える。元々人が立ち入らないよう閉鎖されていたのを無理に開放したのか、錆び付いた鉄柵が穴のそばに立て掛けられていた。
洞窟は奥に長く続いているのか暗く、突き当たりが視認できない。
薄汚れた岩によって頑丈に形成されている洞窟には、得体の知れない生物でも飛び出してきそうな不気味さがあった。
清太郎は少し不安な気分に襲われた。集合場所の洞窟は見えたが、その周囲に肝心の人の姿が無いのである。
「なあ浜田。先に到着してる奴らはどこにいるんだ? 洞窟の中か?」
「いいや。いずれは中に身を潜めたいんだが、どうやらまだ駄目らしい。今は皆、そこいらの茂みの中か岩陰にでも潜んでいるはずだ」
「なんで中に入れないんだ」
「説明が難しいんだが、首輪の電波がな……。いいや、俺よか角下か尾崎に説明してもらったほうがいい」
ここで初めて智文の口から尾崎良太(男子五番)の名前が出てきた。吉野梓のメールの送信先に良太は含まれていなかったはずなので、ここにいるのならば、彼も誰かに導かれて来たということだ。
「おーい、角下。俺だ。高槻を連れてきたぞ」
細い山道を抜けて洞窟前の広場に出たところで、智史が周囲に呼びかけた。すると茂みの一部がガサガサと揺れて、数人のクラスメートがゆっくりと姿を現した。その先頭に、皆が集まるよう画策した張本人である角下優也が立っていた。
「お疲れ様、浜田。そして高槻、よく来てくれた」
そう言いながら優也は、膝まで隠れてしまう雑草の海原を歩き、近づいてきた。武器は持っておらず、まっすぐこちらに右手を差し出してきた。
「よろしく」
清太郎もならって手を伸ばし、優也とがっちりと握手を交わす。
「こちらこそ。連絡をとる手段がなくて諦めかかっていたけど、高槻には是非来てもらいたかったんだ。歓迎するよ」
雄也の中性的な甘いマスクが微笑んだ。
「みんな、出てきてくれ。高槻が来た。心配しなくていい。彼は安全な人間だと俺が保証する」
優也が周囲に呼びかけると、広場の隅の木陰や茂みの中、斜面を形成する岩の陰などから、さらに続々とクラスメートたちが姿を現した。
『序盤戦』終了結果
プログラム開始前
AM12:24 渡辺先生、兵士達から銃弾を全身に浴び死亡。
【第4話】AM12:36 須藤 沙里菜(女子10番)榊原教諭により首輪を爆破され死亡。
【第5話】AM12:48 飯田 健二(男子2番)榊原教諭により額を銃で撃たれ死亡。
【第6話】
AM1:00 プログラム1日目開始【第7話】
AM2:18 奥村 秀夫(男子3番)須王拓磨(男子10番)にチェーンソーで首を切断され死亡。
【第11話】
AM2:25 若松 圭吾(男子23番)吉本早紀子(女子22番)により果物ナイフで胸を刺され死亡。
【第12話】
AM2:28 和田 裕子(女子23番)吉本早紀子(女子22番)により果物ナイフで胸を刺され死亡。
【第12話】
AM3:09 栗山 綾子(女子6番)
沼川貴宏(男子17番)により斧で頭をかち割られ死亡。
【第13話】
AM4:46 霧鮫 美澪(女子7番)
須王拓磨(男子10番)によりチェーンソーで左胸を突かれ死亡。
【第16話】
序盤戦終了現在の生存者
男子 女子
1番:相川 透
あいかわ とおる 2番:飯田 健二
いいだ けんじ 3番:奥村 秀夫
おくむら ひでお 1番:石川 直美
いしかわ なおみ 2番:上原 絵梨果
うえはら えりか 3番:小野 智里
おの ちさと
4番:加藤 塔矢
かとう とうや 5番:狩谷 大介
かりや だいすけ 6番:北川 太一
きたがわ たいち 7番:剣崎 大樹
けんさき たいじゅ 4番:霧鮫 美澪
きりさめ みれい 5番:倉田 麻夜
くらた まや 6番:栗山 綾子
くりやま あやこ 7番:佐藤 千春
さとう ちはる
8番:剛田 昭夫
ごうだ あきお 9番:桜井 稔
さくらい みのる 10番:須王 拓磨
すおう たくま 11番:杉山 浩二
すぎやま こうじ 8番:島田 早紀
しまだ さき 9番:新城 忍
しんじょう しのぶ 10番:須藤 沙里菜
すどう さりな 11番:椿 美咲
つばき みさき
12番:辻本 創太
つじもと そうた 13番:坪倉 武
つぼくら たけし 14番:富岡 憲太
とみおか けんた 15番:中村 信太郎
なかむらしんたろう 12番:戸川 淳子
とがわ じゅんこ 13番:時任 乙葉
ときとう おとは 14番:戸口 彩香
とぐち あやか 15番:中井 理枝
なかい りえ
16番:名城 雅史
なしろ まさし 17番:沼川 貴宏
ぬまかわ たかひろ 18番:野村 信平
のむら しんぺい 19番:柊 靖治
ひいらぎやすはる 16番:南条 友子
なんじょう ともこ 17番:板東 小枝
ばんどう さえ 18番:氷川 恵
ひかわ めぐみ 19番:文月 麻里
ふみづき まり
20番:姫沢 明
ひめざわ あきら 21番:福本 修
ふくもと おさむ 22番:矢島 政和
やじま まさかず 23番:若松 圭吾
わかまつ けいご 20番:牧田 理江
まきた りえ 21番:森 文代
もり ふみよ 22番:吉本 早紀子
よしもと さきこ 23番:和田 裕子
わだ ゆうこ
<残り 39人>
25
男子生徒は友子の首に突き刺さっている鎌を抜いた。瞬間、友子の首からはおびただしい量の血液が飛び、男子生徒の制服にかかったが、その生徒は特にそのことは気にしなかった。
中の上くらいの高さの身長で、二重まぶたと、冷たい視線が特徴的なその顔。それは狩谷大介(男子5番)であった。
大介はヒュッと一度鎌を振り、刃の部分に付いた血を軽くとばした。
実にラッキーであった。とにかく自分以外の邪魔な生徒達を殺していこうと思っていたところに、出くわした友子が、大介に全く気が付いておらず、無防備な背中を見せていたのだ。このチャンスを逃すわけがなかった。
鎌に付いた血を制服の袖でふき取った大介は、地面に倒れている友子の体を蹴り飛ばした。友子の体は2メートルほど転がったが、そこで岩にぶつかって止まった。友子の体中に新たに出来た傷から血がにじみ出していた。
ふと横を見ると地面にはスタンガンが転がっていた。
なんだよ! こいつの武器これかよ! シケてるな!!
大介はスタンガンを一度拾い上げたが、すぐに元あった場所に投げ捨てた。
またそのすぐ側には透のヌンチャクも落ちていたのだが、それは岩影に隠れていたので大介は気が付かなかった。
誰かを殺したら鎌よりももっと良い武器が手にはいるかと思ったにの、結局これかよ。スタンガンだったらまだ鎌のほうがマシだ。
用が済んだ大介はすぐさま洞窟をあとにした。
外は少しずつ明るくなってきていた。とは言ってもまだまだ薄暗いが、夜明けが近いということは確かだ。先ほどよりも、辺りの様子がはっきりと分かるくらいの明るさにはなっていた。
大介はたった今、獲物を捕らえたばかりだったが、特になにも収穫できなかったことが不満だったため、また次の獲物を探そうと思った。
次の獲物こそ、良い武器持ってろよ。
大介がそう思ったときだった。大介の視界の中に、林の中で動く一つの影が入ってきた。明らかに人間の影である。つまりは獲物だ。
大介は再び鎌を握りしめ、林の中の影の方に、少しずつ近づいていった。幸い、まだ獲物の方はこちらの存在には気が付いてはいないようだ。
気づかれないように、そっと近づいていくうちに、次第に獲物の姿が鮮明に見えるようになってきた。どうやら男子生徒のようだ。背はあまり高くはない。むしろ低い方だ。
桜井か?
大介は獲物の正体は、クラス内で最も背の低い桜井稔(男子9番)ではないかと考えた。シルエットもそんな感じに見える。だが、さらに近づいていく内に、その予測が間違っていることが分かった。さすがにこれだけ近づけば、はっきりと相手の姿が見える。
濃い眉、短く切った髪、そして気の弱そうな表情。間違いない、坪倉武(男子13番)だ。
鎌をさらにしっかりと握りしめた。そのとき大介の顔は獲物を狙うハンターの顔へと変貌していた。
【残り 33人】
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武が進むたびに、茂みがガサガサと大きな音を立てていたのだが、武は緊張のあまりそのことに気がついていなかった。誰かが付近にいたとしたら、茂みの音のせいで武のいる場所はバレバレである。それに気が付かないほど、武は放心状態であったのだ。当然自分の近くに、ついさっき殺人を終えたばかりの大介が潜んでおり、次に武を狙っているなど、知る由もなかった。
次の一歩を踏み出したとき、茂みの中の枝の一本がデイパックに引っかかった。
くそっ!
武はあせりながら引っかかっている枝をデイパックからはずした。はずした弾みで再び茂みからガサッと大きな音をさせてしまった。だが案の定武はそのことに気がつかない。
坪倉武はもともとクラスの中ではおとなしい存在で、その上かなりドジなところがあった。そんな彼がこの殺人ゲームを順調に行えるはずがなかった。それは武自身も自覚していた。
彼がすでにやってしまったドジ、例えばのどが渇いた武は無計画に水を飲んでいたため、デイパックに入っていた水もすでにペットボトル残り一本、それも一本の三分の二程しか残っていないのだ。飲料水をどこかで確保できるのかどうかも分からない、この殺人ゲームの最中、慎重に事を進める者ならもっと計画を持って飲むであろう。だが武にはそれがなかった。武は水を飲み続け、そして水の残りが少なくなり、初めて自分のやってしまったミスに気が付いたのだ。
そんなドジな武が次の一歩を踏み出した時だった。武を狙っていた“ハンター”がついに姿をあらわしたのだ。
「よう。武」
突然目前の茂みの中から、狩谷大介が出てきたので驚いた。
狩谷大介。男子の中でのポジションは上の方でもなければ、下の方でもない。言い方を変えれば全てにおいて可も不可もない男だ。
勉強はそこそこ、運動もそこそこといった、特に目立つような人物でもない。とにかく普通の男子生徒であったといえる。さらに言い方を変えれば全くの凡人だとも言えるだろう。
ただ一つ大介の特徴をあげるとすれば、裏で何を考えているか分からないというちょっと怪しい部分である。親しい友人と楽しそうに話していると思いきや、誰にも見られていないときに、他の友人に睨み付けるような、冷たく怖い目を向けていたりしていることがしばしばあったのを、武は知っていた。武は普段から大介のそういう“何を考えているかわからない”という部分が本当に怖いと思っていた。
「か、狩谷くん…」
驚きと不安のあまり、声が怖がった調子になってしまった。それを見た大介が返した。
「オイオイ武、声がふるえてるぞ。お前まさか俺のことを怖いと思ってるのか?」
大介の言うとおりだ。確かに武は大介に対して少なからず恐怖を感じていた。なぜなら目の前に現れた大介の手には、刃先の鋭い鎌が握られているのが見えるからである。
あれが大介の武器…。
大介の手の中にある鎌は浅黒く、そして鋭く光っている。
もしあんなので襲われたら…。
そんなことを考えた武の足は、自然と後ろに一歩を踏み出していた。
「おいおいなんだよ武。まさか俺から逃げる気じゃないだろうな? 待てよ、俺だって不安なんだ。一緒にいようぜ」
違う。狩谷はやる気になっている。一緒にいるどころか、近づいただけで殺されてしまうかもしれない。
武は大介が既にクラスメイトを殺している事など知りもしなかったが、直感的に大介に対して危険を感じた。そして武は自然と後ずさりをつづけていた。
大介も鎌を構えながらゆっくりと近づいてきた。その顔にはかすかに笑みすら浮かんでいるように見える。
「待ってくれ!それ以上近づかないでくれ!」
武は必死になって言った。殺意を持っているかもしれない大介がとにかく怖かったのだ。しかもこの期に及んで見せたあの笑み。間違いない。大介には殺意がある。そう思った。当然これまた武の考えであるのだが、この件に関しては武は間違っていなかったのだ。
「オイオイ。大丈夫だって。俺だってクラスメイトを殺したくはないよ。ただ一緒にいようぜって言っただけだぜ」
臭い演技を続けながら、大介が歩を止めることはなかった。後ろ向きに歩く武と、大介の間の距離は、少しずつ確実に縮まっていた。
突然武の背中に何かが当たった。驚いて振り向くと、そこには一本の大木が立っていた。背中にあたったのが人間ではなかったことに少し安心したが、すぐに視線を目の前の大介に戻すと、再び恐怖が舞い戻る。
「待ってくれ!止まってくれ!こっちに来ないでくれ!」
武は両手を前に出して、とにかく大介に近寄ってこないように頼んだが、そんなことで殺意を持っている大介が止まるわけがなかった。
「武。お前さっきからうるせえよ。そんなに怖いんなら一思いに殺ってやろうか?」
口調はおとなしかったが、恐ろしく顔歪ませながら大介が言った。そう、ここへ来てついに大介が本性を見せたのだ。
やっぱり狩谷はやる気になっていた。
大介への恐怖が最高値に達した武は、走って大介のそばから逃げ出そうした。が、今度は茂みの枝が武の足に絡まって転んでしまった。
「何あわててるんだよ、武くんよぉ」
冷ややかに笑いながら大介が近づいてきた。
だめだ!やられる!
目前まで迫っている大介を見てそう思った時だった。
「なあ、あんたたち」
突然、大介の背後から女生徒が現れた。さすがに、突然の訪問者に、大介も驚いたらしく、鎌を構えたまま振り返って言った。
「なんだお前は!」
大介は背後から現れた女生徒の顔へ視線を向けた。女生徒の正体は新城忍(女子9番)であった。そう、あの女子の仲良しグループの一人だ。新城忍といえば、確か小学校の時から空手道場に通い、今では県内でも女子中学生の中では3本の指には入る実力者だと聞いている。
それほど体格が良いとも言えない忍を見て、武はそのことを不思議に思っていた。
「何? あんたはやる気なの?」
大介が鎌を構えているのをいるのを見て忍が言った。その口調にはどこか迫力があった。
「ああそうさ! このゲームで生き残って帰るのは俺なんだよ! だからてめぇは[ピーーー]ぇ!」
そう叫びながら突如、大介は鎌を振り上げながら忍に襲い掛かった。
武はその光景を呆然としながら見ていたが、次の瞬間「ぐわっ」とだれかが唸った。一瞬、その声の主が誰なのかはっきりと分からなかったが、目の前の光景を見るとだれが唸ったのか一目瞭然だった。大介が手に持っていたはずの鎌が地面に落ち、大介自身は腹を抱えながら地面に座り込んでいた。
37
「ねえ、あんたは何処の小学校から来たの?」
教室内で麻里の後ろに座っていた、会ったことも話したことも無い女の子が話しかけてきた。
今日は市立飯峰中学校の入学式。式が終わったばかりのバーーーローー年生達は、初めて中学校の教室に入り、そして新たなクラスメイトたちとの顔会わせをしている最中である。
文月麻里もそのバーーーローー年生の中の一人である。
先ほど初めて着たセーラー服に少し恥ずかしがりながら式を済ませた。新しいセーラー服は少し大きめで、まだ汚れたことの無い生地は真っ白で美しかった。
麻里はセーラー服を着るということに少しあこがれていたので、実際に着ることが出来、本当にうれしかった。
ああ、自分は本当に中学生になったんだと実感した。
周りの生徒にしてもそうだろう。皆それぞれ着慣れないセーラー服、男子なら学ランを窮屈そうに着ている姿が、とても初々しく見えた。
辺りを見回してみると、麻里の知っている生徒は少なかった。
ここ飯峰中学校に入学してくる生徒は、ほとんどがこの市内の4つの小学校から上がってきた子達である。単純に計算してみても、クラス内には同じ小学校から上がってきた子は4分の1ほどしかいないのだ。しかも、同じ小学校だった子も、同じクラスになったことが無いという子が多く、そうなると知っている子など、ごく僅かに限られてくるのだ。
麻里は新しいクラスで、ちゃんと友達が出来るかどうかが不安だった。
そんなときに、突然背後から話しかけてきた女の子。麻里はどう対応したらいいのか少し焦った。
「ひ、東小学校・・・。」
麻里はまるで片言の日本語を話す外国人のようになって、それだけ言った。
「東校かぁ?。私は中央小学校出身なんだ。」
その女の子は、麻里が緊張しているのを察したのか、緊張をほぐすかのような口調で返してきた。
麻里のその女の子の第一印象。髪は長め、顔は整っており、はっきり言ってこの年から大人顔負けの美人であると思った。
「ん?私の顔がどうかした?」
麻里はその女の子の言葉を聞いてハッとした。そして視線を下にそらした。どうやらその子の顔に見とれてしまっていたらしかった。すごく恥ずかしかった。
「い、いや別に・・・そんな訳じゃ・・・。」
焦りながら何か言い訳をしようとしたが、麻里には良い言い訳が考え付かなかった。そして、
「綺麗な顔した人だな?って思って・・・。」
つい思ったままの事を口にしてしまい、その後ハッとして、ものすごい恥ずかしさで、顔を真っ赤にしてしまった。
「プッ!」
目の前の女の子が笑い出した。
「あははは! いきなり何言うの!」
笑われて当然である。今の麻里の発言は、初対面の人に向かって、普通は言える台詞ではない。それを真顔で言ってしまったのだ。麻里の顔はさらに真っ赤に染まってしまった。
「アンタ面白いわ?!」
目の前の女の子はまだ笑い続けていた。
「あんまり笑わないでよ。」
麻里は視線を女の子の顔に戻した。いくらなんでも初対面の人にここまで笑われると、さすがの麻里も黙っているわけにはいかなかった。
「あはは、ゴメンゴメン。」
女の子はさすがに失礼だと思ったのか、必死で笑いをこらえた。(しかし顔はまだ笑っていた。)
「でもさ?、あんたのその発言も普通はないとおもうよ。」
「そうだけどさ。」
「じゃあ言わせてもらうけど、あんただって十分カワイイと思うよ。」
女の子はにこやかに言ってきた。
え?自分では思ってもいなかったことを言われた麻里は、さらに顔が赤くなってしまった。
「ねえねえ。あんたの名前は何っていうの?」
女の子がそう聞いてきたので、麻里はそれに答えた。
「文月麻里です・・・。」
女の子は相変わらず笑顔で、今度は自分の紹介を始めた。
「あはは、私の名前は牧田理江。これから3年間よろしくね。」
そう言って理江と名乗る女の子は、麻里の手を握ってきた。
これが麻里と理江の初めての出会いだった。
これ以降、麻里と理江は一番の親友同士として付き合ってきた。苦しい時は一緒に苦しみ、悲しい時は一緒に泣き、うれしい時は一緒に喜び、そして楽しい時は一緒に笑ってすごした。いつの間にか、麻里にとって理江は無くてはならない存在になっていた。
麻里は理江が大好きだった。
そして今、麻里は理江を助けるために引き金を引いた。理江には絶対に死んでほしくなかった。
麻里はまだ涙を流し続け、よく見えていない目で、理江と早紀のほうを見た。一人の女生徒が立っているのが見えた。そして、その足元では頭から血を流した女生徒が倒れているのが見えた。
麻里は涙をぬぐって、その光景をもっとよく見ようとした。そして愕然とした。
地面に倒れている女生徒は、早紀ではなく理江だった。
【残り 29人】
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今からおよそ一年前の、2002年の8月3日。私は自らのサイト『毒人間の館』を世に公開した。
現在と比ると、当時の我がサイトは規模も小さく、まさに赤子のような存在であった。
我がオリバト『岐阜県市立飯峰中学校三年A組プログラム』は、
そんな当時からサイト上に存在していた、まさに毒人間の館の原点でもあった存在と言えよう。
そもそも、私がバトルロワイアルという作品に出会ったのは、
和歌山県のとある古本屋に立ち読みしに行った時であった。
漫画コーナーに平積みされたバトルロワイアル1?4巻を目にした瞬間、
私は何か惹かれるものを感じた。
手に取ってページをめくってみると、紙の上で凄まじき光景が繰り広げられていた。
理不尽な戦いを強いられた中学生達が、それぞれの想いを胸に、
そのはかなき命を奪い、そして奪われていくという悲しきストーリー。
私はすぐに、この作品の虜となった。
すぐに原作小説『BATTLE LOYALE』を購入した私は、数日かけて読破。
読み終えたとき、私は爽快感すら感じていた。
そして当然のように、映画版のビデオに手を出すまでは、さほど時間を要しはしなかった。
そんな私がある日、ネット上をブラブラしていた時、運命の出会いがあった。
これまでその存在すら知らなかった『オリバトサイト』という場所のひとつに、
行き着いてしまったのだ。
私は一心不乱にそのサイトのオリバトを読んだ。そして思った。
自分も、こんな素晴らしき作品を書いてみたいと。
ところが、私がオリバトを書き始める前には、幾重にも渡る困難が待ち受けていた。
まず、自らに小説を書けるだけの文章力が備わっていなかったということ。
高校時代の国語の成績が、10段階中4であった私の書く文章は、
とても他人に読ませることが出来るレベルではなかったのだ。
そしてもう一つの問題は、バトロワ原作が出版されてから、
既に一年以上もの時が経過していた当時、
オリバトサイトは恐ろしいほどに、その数を増やしていたのだ。
限りある読み手側の人間を、自らの小説に惹き込むには、
それら全てのオリバトにも負けぬほどの作品を作らねばならない。
その数が多ければ多いほど、難易度が上昇していくのは説明するまでも無いだろう。
それでも書きたいという衝動に負けた私は、ついにペンを手に取った。
大学ノートの一ページに、思いついた展開をとにかく書き込み、
後にストーリーの軸に合わせて再構成し直すという作業を延々と続けた。
気がついた頃には、命を得た46人もの生徒が、ノートの上を歩き始めていた。
その頃には、頭の中にその光景が鮮明と浮かび上がるほどになっていた。
2002年の7月。私はついにキーボードを叩き始めた。
中学時代に学校で教え込まれたブラインドタッチには問題は無かったが、いかんせん、
やはり文章力が無さ過ぎた。
私はサイトを世に公開する前には、既に七話もの展開を書き上げていた。
しかし処女作であったそれは、やはり目が痛くなるほどの代物だった。
だが困ったことに、当時の私はそれにも気がついていなかった。
そしてついに、毒人間の館、オープンの日を迎えた。
サイトをネット上に送り込むと同時に、公開したオリバトは1?5話。ここから全てが始まった。
当時、リングや同盟等に全く参加していなかった我がサイトに来てくれた人の数など、
たかが知れたものだった。
しかし今冷静に考えてみると、逆にそれで良かったのだと思う。
日に日にその話数を増やしていくうちに、私は徐々に気がつき始めた。自らの文章力の無さに。
そして恥じた。何故私はこんな駄作を、こうも堂々と公開しているのだろうかと。
話数が70を超えた時に、私はついに解決策に乗り出した。
これまでに公開していた文章全てをプリントアウトし、その全てを舐めるように読み返した。
そして気になる文章を全てチェックし、修正作業を開始。
これによって、見るも無残な姿だった我が小説は、
とりあえず最低限の形にまでは持ち直したのだった。
初めから“挿絵付”という、ちょっと他のオリバトには類を見ないやり方で始めた私は、
文章と絵が上手く作れないという二重苦に嫌気がさしたこともあったが、
逆にそれが完成した時の達成感を忘れることが出来ず、気がつけば話数も100を超えていた。
始めた当初は、50くらいで終わるだろうと思っていたが、
書いているうちにストーリーが膨らんでしまい、
何時の間にかこうなってしまっていたのだ。
書いてた本人だが、本当にビックリだ。
この頃からだったと思う。私のオリバトの読者が徐々にだが増えていったのは。
掲示板で書き込まれる感想や、メールで送られて来る感想。
そして「面白かった」という言葉を目にするたびに、私のボルテージは最高潮に達した。
徐々に日常生活が忙しくなるも、私はもう止められなかった。
執筆作業を。
そして本日。ついに我がオリバトが終わりを迎えた。
連載開始から、じつに一年以上もの時が経過していた。
出来上がった作品を思い返してみると、詰めの甘かった設定から組み立てたにしては、
それなりにはまとまったストーリーにはなったのではないかと思える。
正直、ちょっとホッとした。
本日、この岐阜県市立飯峰中学校三年A組プログラムという作品の呪縛から、
ついに開放された。
しかし、何故かちょっと寂しさのような感覚を覚えるのも、これまた事実である。
これからもう少しの間、当作品完結記念の企画や、
ちょっとした改稿作業を控えているため、
もう少しの間だけ、繋いだ手を離すわけにはいきませんが、
私がこの作品から手を離すまで、どの道時間はさほど残されてはいません。
我が息子がいずれ一人立ちする日が来るのは、
この作品を書き始めた日から覚悟しておりました。それでは、最後にこの作品に向けて一言。
相川 透 (あいかわ とおる)
支給武器 ヌンチャク
被害者 なし
加害者 なし(事故死)
行動経緯 出発地点である分校を一番に出発。
その後、偶然出会った南条友子(女子16番)と合流。プログラム中でさえも優しき行動を忘れず、落ち込んだ友子を励ました。
G?5地点の洞窟内に潜むが、岩壁が崩壊し、その下敷きとなり圧死(事故死)。
その他 クラス男子一のお調子者。しかし、他人を思いやる優しい心の持ち主でもある。
登場する章 戦前の宴編/乱戦と出会い編
生存記録 残り35人時
絵 ■
男子2番 飯田 健二 (いいだ けんじ)
支給武器 なし
被害者 なし
加害者 榊原吾郎(担当教官)
行動経緯 E?7に位置する分校を出発する前に、やる気な発言をする沼川貴宏(男子17番)に激怒し、飛びかかるが、担当教官である榊原吾郎(担当教官)に額を撃ち抜かれ死亡。
その他 生活態度にやや問題あり。
登場する章 戦前の宴編
生存記録 残り45人時
絵 ■
男子3番 奥村 秀夫 (おくむら ひでお)
支給武器 ハンマー
被害者 なし
加害者 須王拓磨(男子10番)
行動経緯 出発後は分校付近の森林内に潜み、ターゲットが通るのを待ち続ける。
栗山綾子(女子6番)を発見するが、その手に銃が握られていることに恐れを感じ、隠れてやり過ごす。
その後、名城雅史(男子16番)に襲い掛かるが、逃げられ失敗。
元来た道を戻ってきた際に、遭遇した須王拓磨(男子10番)と戦闘になり、チェーンソーの餌食第一号者となってしまう。
その他 普段はそれなりに温厚。
登場する章 闇夜の襲撃者編
生存記録 残り44人時
絵 ■
男子4番 加藤 塔矢 (かとう とうや)
支給武器 不明
被害者 なし
加害者 吉本早紀子(女子22番)
行動経緯 分校付近で、恋人でもある戸川淳子(女子22番)と合流し、H?6とH?7の間に位置する民家の地下室に隠れる。しかしそこを訪れた吉本早紀子(女子22番)にレミントンM31RSで撃たれてしまう。
その他 戸川淳子(女子22番)と交際中。
登場する章 愛か友情か編
生存記録 残り22人時
絵 ■
男子5番 狩谷 大介 (かりや だいすけ)
支給武器 鎌
被害者 南条友子(女子16番)
加害者 剣崎大樹(男子7番)
行動経緯 G?5洞窟にて南条友子(女子16番)に背後から襲いかかり、鎌で殺害。
直後その付近で坪倉武(男子13番)を発見し、早速攻撃を開始するが、そこに割り込んできた新城忍(女子9番)に邪魔をされ顔面を負傷。さらには剣崎大樹(男子7番)にアイスピックで胸を刺され死亡。
その他 目つきが怖い。
登場する章 乱戦と出会い編
生存記録 残り33人時
絵 ■
男子6番 北川 太一 (きたがわ たいち)
支給武器 大東亜政府特製煙幕弾(×3)
男子10番 須王 拓磨 (すおう たくま)
支給武器 チェーンソー
被害者 奥村秀夫(男子3番)/霧鮫美澪(女子4番)/剛田昭夫(男子8番)/野村信平(男子18番)/坂東小枝(女子17番)/辻本創太(男子12番)/新城忍(女子9番)
加害者 名城雅史(男子16番)
行動経緯 山中を息を切らしながら歩いてきた奥村秀夫(男子3番)を見つけ、すぐに襲撃を開始。チェーンソーで首を切り落とし殺害。
次に優勝候補の一人でもある、同じく不良の霧鮫美澪(女子4番)と戦闘。勝利はするものの、顔右半分に、希硫酸による火傷を負うこととなる。
さらに剛田昭夫(男子8番)と野村信平(男子18番)の剣道部コンビを発見。さっそく襲撃を開始する。
戦闘力に定評のある昭夫となかなかの良い勝負を展開するが、汚い手段で勝利をもぎ取る。
怯える信平を楽しみながら殺害。
しばらく後に、坪倉武(男子13番)を追跡している新城忍(女子9番)の姿を発見し、すぐさま追跡する。すると偶然にも忍が武を殺害する現場を目撃。
体力を使い切った忍を追い詰めるも、まんまと逃げられてしまう。
山中をさまよっている内に、坂東小枝(女子17番)を捕まえることに成功するが、そこに現れた柊靖治(男子19番)に銃口を向けられ、小枝を離すように命じられる。しかし上手く靖治を騙し、小枝を殺害。銃を持つ靖治からの逃走にも成功。
かなりの時間が経過した頃、C?5地点のスーパーマーケット内で辻本創太(男子12番)と戦闘。意外にてこずらされ、負傷するものの、なんとか殺害することに成功。
その直後、怒る新城忍と再会し、前回決着がつかなかった戦いに幕を下ろすべく衝突。あわや敗北かという苦戦を強いられることとなるが、悪運に助けられ、なんとか勝利をもぎ取った。
さらに山中へと入っていった彼は、剣崎大樹(男子7番)と名城雅史(男子16番)と石川直美(女子1番)を発見。
奇襲を仕掛けた彼は、先ず直美を崖下へと突き落とし、大樹と激しい格闘を展開するも、一度敗れてしまう。しかし、須王がまだ生きていると知らずに隙を見せた大樹に襲い掛かり、まんまと人質にする事を成功させるが、最後は雅史に大樹ごと撃たれて死亡した。
その他 生まれつき右の目は失明していたらしい。
素行が悪く、ありとあらゆる悪行に手を染めており、プログラム開始以前にも5人の命を奪っている。
両親は政府のお偉いさん。
身体のありとあらゆる臓器の場所が、常人とは左右対称となっている。
登場する章 戦前の宴編/闇夜の襲撃者編/女帝対魔王編/怒りの剣豪編/裏切りが招く厄編/非力な正義編/覚醒闘士編/消える巨星編
生存記録 残り6人時
絵 ■/■/■/■/■/■/■/■/■
男子11番 杉山 浩二 (すぎやま こうじ)
支給武器 ブローニング・ハイパワー9ミリ
被害者 桜井稔(男子9番)
加害者 吉本早紀子(女子22番)
行動経緯 親友達を探し歩き、結果、桜井稔(男子9番)と合流することに成功。脱出計画の話を持ちかけ、稔と共に行動することとなる。
山の中で佐藤千春(女子7番)の姿を見かけるが、万が一の事態を想定し、気付かれぬようにその場をやり過ごすことに。
脱出計画に必要な道具を手に入れるためと言い、南東の住宅地の中の一軒に侵入し、そこを捜索する。
目的を達成後、再び山中に戻るが、そこで矢島政和(男子22番)の襲撃に遭う。
政和を追いつめるものの、まんまと逃走されてしまう。
先に捜索済みの住宅が禁止エリアになると知り、稔を引き連れ、南東の住宅地へ。
過酷な山道を切り抜け、ようやく到着した途端、脱出計画などデマだと言い、その場で稔を射殺。
禁止エリアから逃れる為に、住宅地から山地へと再び走るが、途中待ち伏せていた吉本早紀子(女子22番)に敗れ、プログラムから脱落することに。
その他 名城雅史(男子16番)、柊靖治(男子19番)、桜井稔(男子9番)とは親友同士。
整った男性的な顔が特徴。雅史曰く“男前”
全てにおいて要領が良い。
行動力もあり、親友グループの中では皆を引っ張る役目。
登場する章 戦前の宴編/希望への糸口編/地獄の宣告編/脱出プラン編/弓を引く偽善者編/禁猟区への棘道編
生存記録 残り10人時
絵 ■/■/■/■/■
男子12番 辻本 創太 (つじもと そうた)
支給武器 救急箱
被害者 なし
加害者 須王 拓磨(男子10番)
行動経緯 川岸に打ち上げられていた新城忍(女子9番)を見つけ、すぐさま彼女を介抱する。
ありとあらゆる手を尽くし、忍の意識が戻ると、心から喜んだ。
食料探しにスーパーマーケットに侵入した際、須王拓磨(男子10番)と出会ってしまう。
戦闘になり、キレた創太は須王に軽傷を負わすが、結局は戦いに敗れ、斬り刻まれてしまう。
その他 米屋を営む両親の下に生まれた一人息子。
良く食べて育った為、体重はもはやクラスで一番。
「[ピザ]」と言われると、キレて思いがけない力を発揮する。
登場する章 戦前の宴編/覚醒闘士編
生存記録 残り9人時
絵 ■/
ぎっ!
「はいどうも、名城雅史です」
「柊靖治です」
「杉山浩二です」
「桜井稔です」
「え?と、なんだっけ。本日はこの場を借りて、俺たちオリバトキャラ座談会を開催したいとのことで、第一回目のゲストとして俺たちが呼ばれたって聞いたんだけど」
「そう。ここの作者って今まで自分のオリバトに関する話って、意外だけどあまりしたことなかったんだってさ。だから少しそういう話もしてみたかったらしいんだけど、本人が登場するのは恥ずかしいからって、代わりに俺たちになんとかして欲しいってことで……」
「正直言って、面倒くせぇ。だいたい、本編でもう死んじまってる俺らを出演さすなんて、ばちあたりもいいところじゃねぇの?
それにこの企画を開催した時期が中途半端だ。こういうのって普通、連載開始と同時にやるとか、あるいは完結後に後書きみたいな感じでやるべきじゃねえの?
それにこのページってこういう企画する所じゃないだろ?」
「浩二。そろそろそういう発言は控えたほうが……」
「で、今回は何について話すの?」
「第一回という事で、本当に最初の話から入っていこうと思う。作者若丸が、どうして今の形のオリバトを書き始めることとなったか、これについて」
「オリバトを書き始めたきっかけとなった理由なら知ってるぜ。たしか他のサイトのオリバト読んで、それに影響されたんだろ? ま、最もありがちなパターンだよな」
「そもそものきっかけはバトロワのCGIゲームサイトが発端らしいよ。そこのCGIゲームのキャラアイコンに興味を持った作者が、そのアイコンの製作者のサイト『読む前のBATTLEROYALE』に辿り着いた。
そこのリンクから『ネオ・プロ』や『草加中』等に行き着き、初めてオリバトってジャンルを知ったんだってさ。そして、そのままオリバトというジャンルに興味を抱いてしまって、ようやくストーリー製作を開始したと」
「なんでお前、そんなにも詳しいんだよ」
「大体どころか、それもう100パーセント正解だわ。なんか話すこと無くなっちゃったな」
「じゃ次。どうして今の形のオリバトになったか。その全体像について話し合う?」
「そうだな。本編に触れるのは今回控えるとして、それ以外にも一見して気になる点は多いしね」
「俺が気になるのは生徒名簿だな。全員分のイラスト描いて掲載だなんて、面倒くさいことこの上ないと思うぞ。なんせ俺らのクラス、46人ていう大人数だしな」
「そもそも作者若丸が生徒イラストを描こうと思ったのは、先に言った『ネオ・プロ』や『草加中』とかが原因なんだってさ。それらのサイトって行って見れば分かると思うけど、名簿に全員分のイラストが掲載されてるだろ。作者が作品を読んでいる時、それらのおかげでものすごく読みやすかったんだってさ。だから自分もオリバトサイト作るなら、そういうのを欠かせたくないと思ったらしい」
「あと1ページ内に46人全ての生徒のイラストを表示させていることについてだけど、それも『ネオ・プロ』『草加中』の影響だってさ。
生徒イラストを掲載させているサイトって、オリバトサイトの何パーセントかくらいは存在しているから、そんなに珍しいものではないけど、ほとんどのサイトが生徒ごとにページを分けて紹介してるだろ。作者自身はそういう一人一人ページを切り替えるよりも、いっぺんに表示された方が楽に感じて、今の形にしたんだって。もちろん画像一つ一つのサイズも最小限まで縮小させてね」
「言われてみりゃあ、一ページに生徒イラスト全員分が詰まってるサイトってのは少数派かもな。俺は先に挙げられた2サイト以外には、あと『オセロ堂』くらいしか思い浮かばねぇし」
「『オセロ堂』の生徒イラストは上手いよね。作者が画面に向かってちょっと感動してたらしいから。『ネオ・プロ』のリアルな生徒絵のときも驚いて、このとき再び驚いて。なんかちょっと羞恥心まで感じたとか」
「まあ他のサイトの話はそれくらいということで。
とにかくそれらのサイトに触発されて、今の生徒イラストを製作することを思い立ったんだってさ。」
「ま、文章力があればそんなの製作する必要も無いんだろうけどな。ぶっちゃけ、若丸はあまり本を読まない奴だったらしいし、だから文章力も秀逸だとは言いがたいし、せめて生徒イラストでも製作しておいて正解だったな」
「でもさー、46人もキャラデザインするのって大変だったんじゃない?」
「いや、作者の頭の中には、ある程度生徒46人のイメージが出来上がっていたらしいから、さほど苦労はなかったらしいよ。唯一、初めて使ったスキャナの扱いにはてこずったらしいけど」
「次にオープニングアニメについてだけど、あれって作ったの結構遅かったよな」
「そうだね。時期的には『地獄の中の少女編』が完結する間際に公開してたと思うよ」
「公開時期が遅くなった理由は簡単。最初の頃はまだ素材となる挿絵の数が足らなかったというのが一つ。もう一つは、あの頃ようやく、あれだけのアニメ製作の技術が身についたから。そんな理由で遅れたらしいよ」
「なるほどな。じゃあ、そもそもなんであんなオープニングを作ろうと思い立ったんだろうな」
「それも策略の一つだったんだって。初めてサイトに来訪してくださったお客さんに、なにかインパクトがある物を見せ付けて、ここに繋ぎとめる為だったんだってさ。どんなに頑張って作品を作ってても、読まれなければ意味がないからね。要は作品を読ませるための入り口として役立たせたかったという訳さ」
「う?ん、姑息だけど、一応筋が通っていないでもない。意外と色々と計画してたんだな」
「アニメーションバナーにしてもそう。数多く並んでいるバナーの群れの中で、一歩抜き出る為に、あの200×40ピクセルという小さな画像にも力を注ぎ込んだんだってさ」
「というわけで、今回色々と語ったけど、肝心な本編ストーリーにまつわる話とか、キャラ製作秘話とか、そういう期待してたのが語れなかったな」
「まあまあ、今回は第一回座談会だったわけだし、その辺は以後また行なわれた時に語れば良いんじゃない?」
「つっても、次回は俺ら以外のゲストを呼ぶらしいけどな」
渡辺直子
東京都板橋区立第二東中学校 3年2組 クラス名簿
女子 出席番号 男子
朝倉 祥枝 (あさくら・さちえ) 1番 相川 陸 (あいかわ・りく)
安西 真奈美 (あんざい・まなみ) 2番 稲森 敏夫 (いなもり・としお)
猪瀬 晴海 (いのせ・はるみ) 3番 遠藤 将和 (えんどう・まさかず)
浦 明日香 (うら・あすか) 4番 小野 靖彦 (おの・やすひこ)
金子 裕美 (かねこ・ひろみ) 5番 加賀見 徹 (かがみ・とおる)
神原 啓子 (かんばら・けいこ) 6番 春日 幸一 (かすが・こういち)
九条 遼子 (くじょう・りょうこ) 7番 黒崎 尚人 (くろさき・なおと)
佐藤 玲菜 (さとう・れいな) 8番 小石川 諒 (こいしかわ・りょう)
篠塚 加奈子 (しのづか・かなこ) 9番 坂下 陽平 (さかした・ようへい)
杉崎 比奈 (すぎさき・ひな) 10番 志摩 慶一郎 (しま・けいいちろう)
館野 皐月 (たての・さつき) 11番 関 隆二 (せき・りゅうじ)
藤堂 梓 (とうどう・あずさ) 12番 高橋 晃 (たかはし・あきら)
時任 めぐみ (ときとう・めぐみ) 13番 高橋 和樹 (たかはし・かずき)
永野 智子 (ながの・ともこ) 14番 月島 拓哉 (つきしま・たくや)
中本 千鶴 (なかもと・ちづる) 15番 仁科 翔太 (にしな・しょうた)
羽鳥 茅乃 (はとり・かやの) 16番 能見 忠孝 (のうみ・ただたか)
樋口 茜 (ひぐち・あかね) 17番 葉山 優輔 (はやま・ゆうすけ)
水澤 由貴 (みずさわ・ゆき) 18番 本田 隼人 (ほんだ・はやと)
八代 久美子 (やつしろ・くみこ) 19番 牧丘 信之 (まきおか・のぶゆき)
芳川 紗弥 (よしかわ・さや) 20番 三原 匠 (みはら・たくみ)
渡辺 美琴 (わたなべ・みこと) 21番 山田 貴司 (やまだ・たかし)
男子一番 愛川優希(あいかわ・ゆうき)
支給武器 --(出発前に死亡)
被害者 なし
加害者 なし
死因 首輪による爆死
登場話 01/03
死亡話 3話「スマイルグッバイ」
最終行動 乾楓(女子4番)が死亡したことによりランダムで自分の首輪が作動する。クラスメイトを巻き込まないように教室から出て、廊下の方へ走った。
友人関係 今村遥斗(男子2番)
所属部 帰宅部
備考 体力は普通。よっほどのことがないと怒らない。普段は笑って許せる。あまり存在感がないように見えるが、実はやる時はやる時に目立つタイプ。
男子十番 鈴木涼磨(すずき・りょうま)
支給武器 フライパン
被害者 榊原玲那(女子10番)雪本未宇(女子20番)大前克(男子4番)風間太一(男子5番)蔵本春季(男子8番)牧野瑠羽(男子18番)大谷汐(女子7番)野原羽(男子16番)星野空(男子17番)今村遥斗(男子2番)瀬田隼人(男子11番)花田唯音(女子17番)菊本大輝(男子7番)樋田冴江(女子14番)品川勇介(男子9番)山上愛華(女子19番)手塚湊馬(男子13番)片瀬ツバサ(転入生)
加害者 なし(爆死)
死因 首輪爆発による大量失血死
登場話 02/04/05/09/18/19/24/25/35/43/44/46/52/57/58/61/62/64/65/68/69/70/71/72
死亡話 72話「うさぎの涙」
最終行動 「幸せを奪う」ことが目的でルール関係なく3年5組全生徒及び転入生を殺害することを企む。手塚湊馬(男子13番)との戦闘で重傷を負うが、殺害。放送を聞いて精神が錯乱、最後は首輪爆発により死亡する。小学時代まで東京に在住していて片瀬ツバサ(転入生)とは友人関係にあった。
友人関係 --
所属部 テニス部
備考 プロになれるほどのテニスの才能を持つ。親による虐待や同級生からのイジメを長い間受けてた過去を持ち、人と関わるのを嫌い周りを常に見下す。口癖は「バカばっかりだ」
女子一番 淡本綾唯(あわもと・あやゆい)
支給武器 十二色のクレヨン
被害者 なし
加害者 藍瀬輝々(男子1番)
死因 銃による胸部被弾
登場話 03/09/28/34/40/42/49/57
死亡話 57話「願いの代価」
最終行動 海原青歌(女子2番)と合流をはたした。途中、藍瀬輝々(男子1番)に襲われるが、隣にいる親友を思って自ら死を選んだ。青歌に自分の過去を話す。
友人関係 海原青歌(女子2番) 黄泉泉(女子20番)
所属部 家庭科クラブ(他・無所属)
備考 一人称、二人称が「我」と「汝」。生真面目すぎる態度だが、教師に高く評価される。幼少時の父親の態度がきっかけで全対象の男を嫌っていて、特に仲良し男子組である静木青(男子10番)達の騒ぎ具合に頭を悩ませている。親友である海原青歌(女子2番)に対しては心を許しており、若干表情が柔らかい。
【40】
淡本綾唯(女子1番)は、駅に向かって歩いていた。海原青歌(女子2番)がそこにいるのだと、 信じて。こんなことなら、校門で待ち伏せしていればよかった。たとえ危なくともずっと待っていれば すぐ青歌に会えたはずだ。後悔先に立たずとはまさにこのことだろう。何で今までずっと気付かなかった。今は安心できない。黄泉泉(女子20番)の安否も気にかかる。 一刻も早く見つけなければ二人も自分も危ない。 それまでなんとかいてほしい。 小学生になり、初等部に進級し、1年A組の教室に向かったあの日。出席番号が1番なので、一番前の席に座った。初めて見かける生徒もいれば、どこかで見かけたことのあるような人もいた。しかし、どっちにしろ、綾唯はどうでもよかった。誰かと仲良くなることは面倒で、一々他人に構っていられなかったから。担任の先生が来て、簡単な話を聞き終え、休み時間になったとき、後ろから肩をつつかれ、振り向くと当時は長髪で気の強そうな目をした青歌がニッと笑っていた。
「お前、俺の前の席だろ?」
「……え、あ、ああ」
「名前なんて言うんだったっけ?あの廊下の右側に貼ってあった名前がいっぱいの紙、もうなくなって
たから覚えられなかったんだ」
「淡本綾唯……」
「あやゆい?なんか呼びにくいからあやゆーでいいや!俺、海原青歌!名前の由来母さんに聞いたこと
あるけど青歌って青春の歌をうたえるように、だってさ、笑っちゃうよなー、あやゆーは?」
最初は馴れ馴れしくて、一人称が俺、しかも思ったことをすぐ口に出す奴だと衝撃をうけた。勝手にあ
だ名をつけられたが、呼びにくいのは本当のことだった。自分でも綾唯って自己紹介するのに随分と苦
労する。どうしてこんな名前をつけたんだと両親に文句をつけたい。今となっては、もうどうでもよくなってきて「あやゆー」と呼ばれることに慣れてきたけれども。確か、2年生のときもこんな会話をしたことがあった。 「なーあやゆー、何で此処に入ったんだ?」 「我か。……我の理由は秘密となっている」 「なんだそれ、学園側からの命令か?」 「そうなっている」 「なんでもかんでもあの偉い学園長かー。まあしょうがないよな、みんなわけあってここにいるし」 「……汝は?」 「俺がここにいる理由?そうだな……俺も秘密だ」 今思えば、改めて思い出せば、青歌は理由を訊かれたとき、さみしそうな目をしていた。 何故青歌はそんな目をしたんだろうか。過去に何かあったのかはよくわからない。だが、誰もがみんなほとんどわけあってあの青空学園にいるのだから。そういう場所だって充分わかっている。なら、青歌も何かあったのか。 駅が見えた時点で既に綾唯の足はスピードを速めていた。早く見つけるため、ディパックのひもを担いでいた左肩から右肩に変えて走り出した。微かだが、自分の足音とは違う誰かの足音が聞こえてきた。まちがいない。青歌はそこにいる。 「青歌!」 駅の入り口に足を踏み入れた。木の傍にいた青歌が驚いてこっちを見ていた。どこにも怪我はない。無事だったのだと綾唯はホッと胸をなでおろした。なるだけいつもどおりに接しようと青歌に近付いた。 「汝、大丈夫だったか。行くぞ、一緒に……」 「来るな」 途中で遮られ、青歌の声が冷たく飛んだ。一瞬何を言われたのかわからなかった。綾唯は不審に思い、首をかしげる。 「青歌」 「来んな。悪いけど一緒には行けない。ひとりにさせてくれ」 汝、何を言っているんだ。ひとりにさせろ、と今まで何も言わなかったのではないか? 何故、そういうことを言う? 「……何故だ」 「うるさい。ひとりになりたい。それだけだっての。わかったらさっさとどっか行け」 普段の青歌は淡々と言わない。そう考えた矢先、少しだが、青歌の肩が震えていた。そこで綾唯は再び思い出した。理由を尋ねたとき、間が空いて秘密だと言った、青歌のさみしそうな目。 そうだ。多分、青歌は強がっている。 「……汝、それは逆だ」 「……は?」 綾唯の言葉に、青歌はいまいち理解できなかったのだろう。多少苛付いている様子だった。綾唯は、続けた。 「青空学園の生徒は、ほとんど理由があって通っている。我もそうだし、汝もそうだ。……何を強がる必要がある。辛いときは頼ってくれていい。楽になっていいんだ」 そう、もう楽でいい。 そのためにあの学園に通っているのだから。 「言え、青歌。何が汝を苦しませる」 「……言ったら、泣くに決まっているだろうが」 青歌は少し戸惑ったように、困惑する表情をして俯いた。その間、綾唯は青歌に近付いて手を差し伸べる。元々、自分も青歌も最初は素直ではなかった。でも、今は。 「ともだち」 小さく呟くような声で言うと綾唯はいつもの笑みを浮かべた。さらに青歌に見えるように手を少し動かして伸ばす。綾唯の言葉に青歌は俯いた顔を上げ、しばらくきょとんと目を丸くしたのもつかの間、青歌の頬を涙がゆっくり伝った。 「あやゆーのバカ……っ!」 か細く、でもやはり気の強い声を発したあと、青歌は綾唯の手を掴んでそれっきりずっと泣き続けた。
【残り:29人】
おさまったか?
このスレかなり楽しみにしてるから>>1が更新やめないでくれると嬉しいな
とりあえず、>>473を参考にまとめ直した
確定事項
・江ノ島を止めない限り終わらず、作戦途中で江ノ島にばれたらアウト
・ミスターAのことが江ノ島にばれてもアウト(今は七海しか知らない)
・日向√でカムプロ参加は不可能。七海√でも手術に干渉できないためBADEND確定
・江ノ島の目的は「カムクラを手に入れること」(これだけが目的かは判らない)
・タイムトラベラーは守る必要がある。そのため増やしてはいけない。
・進展のカギはバトンタッチ
・人の忠告は聞いた方がよい
葉隠の占い結果(3割当たる)
・七海が誘拐されるのは特定のフラグが立ってから
・江ノ島を止めるには日向が道連れしかない、しかもその周である人物に協力してもらわないと倒せても悲劇で終わる
・十神と九頭龍の力が合わさると最強に見える
・江ノ島に『対抗』する為に必要な人物は日向、七海、罪木、狛枝、十神、九頭龍、辺古山、霧切、苗木、左右田、不二咲、戦刃
・↑は葉隠がかなり調子のいい時に占っているため、信憑性は高いとみていいかもしれない
・>>376の時点では戦刃に何をやっても無駄。江ノ島の裏切りがフラグ
その他の情報
・タイムトラベラーの犠牲者の法則は江ノ島のタイムマシンに適用される法則
・江ノ島もタイムマシンを保持。彼女も既に何回もトラベルしている模様
・タイムマシンが保管されている場所を狛枝が発見している(しかしその後の経過は不明。かつ日向のタイムトラベルでなかったことになった可能性がある)
・>>145時点で残る鍵は3つ・鍵が揃えば、元凶への反撃が出来る
・タイムマシンは未来の技術から江ノ島が作成した(ミスターAの供述と一致)
・現時点では、トラベルから2日後には七海誘拐or罪木襲撃がきている。その1日後にも再び襲撃される
予想
・今まで七海と一緒に行動する限り、七海は誘拐されていない
・霧切は苗木経由で仲間にすることができる
・大神は葉隠占いの対抗戦力にはいないが、戦刃を抑える、霧切保護の為に必要かもしれない
・残りの鍵の3つのうちの1つは、戦刃の可能性がある
間違いとか漏れがあったら指摘お願いしますん
日向「わかった、俺達は先に行ってるぞ」
不二咲「うん、きっと役に立つ情報を引き出してみるよ」
七海「………」
日向「…七海?」
七海「日向君…私もお父さんと一緒にいたら駄目かな?」
不二咲「七海ちゃん?」
七海「お父さんのアシスタントにはなれないかもしれないけど、ここでお父さんを一人にしたらいけない気がする」
七海「だから、私もお父さんと一緒に残りたいけど…だめかな?」
日向「七海…」
1 それは駄目だ。七海は俺と一緒に行くぞ
2 わかった、なら俺も残るぞ
3 …わかった。俺は九頭竜と合流して先に捜索を進める。それまで待っててくれ
選択安価 安価下3(尚、あえて指摘するとまとめの確定事項にミスリードが混じっている模様
日向「…わかった。俺は九頭竜と合流して先に捜索を進める。それまで待っててくれ」
七海「うん。…ごめんね、わがまま言って」
日向「いいんだ。それより、絶対に無事でいてくれよ」
七海「うん…日向君も、絶対無事戻ってきてね」
七海と不二咲に別れを告げて上の階に向かった。
狛枝「あれ、日向君一人でどうしたの?」
辺古山「…二人はどうだった?」
日向「二人共無事だ。不二咲はパソコンを見つけて、中に何か有益な情報がないか調べてる。七海はそれに付き添ってるから、俺はそれを伝える為に合流した」
九頭竜「なるほどな。…とにかく、この階の扉はほとんど調べた。収穫は特に無しだ」
日向「わかった、なら上の階に行こう」
狛枝「ここにも扉だね」
辺古山「赤、ブルーベリーの扉に…白黒のクマ模様の扉?」
九頭竜「なんだそりゃ。で、どれを調べる?」
1 せっかくだからry
2 ブルーベリーか…
3 白黒のクマ模様を開けるぞ
選択安価 安価下3
ミスリードってどれだろ?
>>262とかにある、1からのヒント自体がミスリードを狙ったものでないなら
>>618の解釈、或いはまとめである以下
・元凶が江ノ島である
・途中作戦をばれてはいけないのも江ノ島である
・ミスターAのことが江ノ島にばれてもアウト(今は七海しか知らない)
・タイムトラベラーは守る必要がある。そのため増やしてはいけない。
・日向√でカムプロ参加は不可能。七海√でも手術に干渉できないためBADEND確定
・江ノ島の目的は「カムクラを手に入れること」(これだけが目的かは判らない)
のどれかが間違っているってことになるな
あと予測に、
・松田は江ノ島に情報が漏れる可能性あり
・選択分岐で確認が出る項目はBADの可能性大
・七海、日向が死なない限りタイムマシンは送られてこない を追加頼む
それからちょっと考えたことなんだが、『日向が』江ノ島を倒すことが正解ではない気がしてきた
仮に江ノ島を倒すことを選択=日向道連れで「トラベラーの被害を出さない」って条件をクリアしてない気がするんだ
「道連れ」がどういうものかはわからないけど、仮に日向死亡だと七海がトラベルするわけだし
そこで「バトンタッチ」で、日向じゃなければ道連れじゃない方法で江ノ島を倒せる可能性があったりしないかな
まぁ、葉隠の占いがどこまで信用できるかって問題もあるんだけど
日向「白黒のクマ模様の扉を開けるぞ」ガチャ
扉を開けた先…そこにいたのは
モノクマ「うぷぷぷぷ…やぁお前ら、こんな所で何をしているのかな?」
モノクマ「ひょっとして、僕に会いに来てくれたの? そうだとしたら、僕は感激だよ!!」
九頭竜「な、なんだ…?」
辺古山「白黒のクマのぬいぐるみに見えるが…」
モノクマ「ぬいぐるみじゃないよ!モノクマだよ!」
狛枝「どうでもいいけどさ…モノクマは何でここにいるの?」
モノクマ「僕がここにいる理由?そんな事どうだっていいじゃん」
モノクマ「それよりさ、何時までもこんな所にいていいの?」
日向「どういう事だ?」
モノクマ「この地下牢にはね…こわーい巨人が住み着いているんだよ」
モノクマ「その巨人に見つかったら、ぐちゃりと潰されちゃうかもね」
モノクマ「うぷぷぷぷ…」
九頭竜「テメェ、さっきからおちょくってんのか?」
モノクマ「忠告はしたからね。そんじゃ、頑張って脱出してみなよ。…脱出出来るならね」
モノクマ「うぷぷぷぷ…だーっはっはっは!!」
九頭竜「チッ…クソが!」
辺古山「しかし、地下牢か…上に登って行けば出口はあるはずだが」
狛枝「モノクマの台詞が気がかりだね…どうする?」
1 この階をもっと捜索しよう
2 上の階に行こう
3 下の階に戻ろう
4 その他
選択安価 安価下3
日向「地価牢なら、上に進んでいけば出口はある。上の階を捜索するぞ」
九頭竜「チッ、本当なら俺が案内しなきゃいけねぇってのにすっかり変わり果ててやがる…力になれなくてすまねぇ」
日向「いいんだ、それよりも江ノ島をとめるぞ」
狛枝「苗木君達も心配だしね」
辺古山「この階には…銀色の扉、金色の扉、銅色の扉があるな」
狛枝「随分豪華な扉だね…これは希望も大きい分ハズレを引いた時の絶望も大きそうだよ」
九頭竜「で、どの扉を開けんだ?」
1 金色の扉を開けるぞ
2 銀色の扉を開けよう
3 銅色の扉を開けてみるか
4 開けずに次の階へ
選択安価 安価下3
日向「銀色の扉を開けるぞ」ガチャ
霧切「!!」
狛枝「霧切さん、やっぱり無事だったんだね!」
霧切「無様にも閉じ込められていたけれどね。他の皆はどうしているのかしら?」
日向「それは…」
霧切に事情を説明した。
霧切「なるほどね…だとしたらまずいわね」
日向「何がどうまずいんだ?」
霧切「日向君、貴方なら一番よく知っていると思うけど…今まで貴方が周回を繰り返して七海さんを無事助け出せた事はあったかしら」
日向「………それは…まさか!?」
霧切「えぇ、今までの貴方の体験が正しいなら…」
霧切「日向君、これから貴方が行動するにあたって焦りは禁物よ。どうするかはよく考えて決めなさい」
日向「………」
九頭竜「で、どうすんだよ」
1 七海を迎えに行く
2 他の扉を開ける
3 上の階を捜索
選択安価 安価下3 皆さん、良いお年を
日向「そうだな、上の階を捜索するぞ」
狛枝「あれ、意外だね。てっきり七海さんと不二咲さんの所に行くと思ってたのに」
日向「七海達も心配だけど、今は苗木達だっていない」
日向「だから、俺は七海を信じて苗木と左右田、そして出口を捜索する」
狛枝「………ふぅん」
辺古山「では先を急ぐぞ」
九頭竜「結構登ったな。俺が知る限りだと地下牢出口も近いぞ」
霧切「それが本当なら、苗木君も近くの部屋にいる可能性も高いわね」
狛枝「ひょっとしたら今までの階で開けてない部屋にいた可能性もあるけどね」
辺古山「この部屋の扉は2つか…両方とも何の特徴もない鉄の扉だ」
日向「右か左か…か。よし」
1 右の扉を開けるぞ
2 左の扉を開けるぞ
3 どちらも開けずに下に戻るぞ
4 どちらも開けずに上に進むぞ
選択安価 安価下3
日向「ここで闇雲に進むよりは苗木を見つける為に下の階の扉を開けるぞ」
狛枝「やっぱり七海さん達が気になるのかな?そうなら素直にそういえばいいのに」
日向「うるせぇ、そういうのじゃねーよ」
霧切「…まぁ、調べてない場所を調べておくのは賛成ね」
辺古山「だが、同時に危険もある。慎重に選んでくれ」
九頭竜「で、どの扉を開けに行くんだ?」
日向「そうだな…」
開ける扉(まだ開けてない扉限定。出てない扉or関係ない内容の場合安価下)
安価下3
日向「よし、この金色の扉を開けるぞ」ガチャ
金色の扉を開ける。
その先で俺達が見たのは…
日向「!!」
九頭竜「これは…何だ?」
辺古山「何かの機械のようだが…」
狛枝「………!!」
霧切「この機械は一体………」
日向「そんな…何でこれがここにあるんだよ」
そこにあったのは…俺が何度も七海を救う為に使用してきたタイムマシン。
それが3台この部屋に置かれていた。
モノクマ「うぷぷぷ、お前らおめでとうございます!見事これを見つけたご褒美として、お前らにこれを使う権利を与えましょう」
九頭竜「あぁ? その前にこれが何なのか教えやがれ!」
モノクマ「これが何かって?それはお前らが使ってみてのお楽しみだよ。ちなみに、使い捨てタイプだから一人1台、つまり3人までしか使えないからね」
モノクマ「使うかどうかはお前ら次第だから、そんじゃあね」
日向「………」
九頭竜「チッ、勝手に人の敷居に訳わかんねぇもん置きやがって…何が褒美だ」
辺古山「ご褒美と言っていたが…これが何なのかわからない以上は無闇に手を出さない方がいいかもしれないな」
霧切「………日向君、ちょっといいかしら」
日向「…何だ?」
辺古山「日向…顔色が悪いが大丈夫か?」
日向「…大丈夫だ」
霧切「続けるわね。…日向君、この機械について何か知っているかしら?」
日向「…どうしてそんな事を聞くんだよ」
霧切「いいから答えて」
日向「………」
日向「安価下5」
日向「知らない」
霧切「…本当に?」
日向「あぁ。いきなり訳のわからない機械をご褒美だと言われても分かる訳がないだろ」
霧切「………」
霧切「ならいいわ。私はこの機械で色々試してみるから」
日向「なっ…無闇にいじると危険だぞ!?」
霧切「他に手がかりが見つかっていない以上、これが何なのかは調べておく必要があるでしょう?」
日向「それはそうだけど…」
どうする? 霧切を止める?
1 止める
2 止めない
選択安価 安価下3
日向「霧切、ちょっと待て!」
霧切「何かしら、別に問題はないと思うけど?」
日向「とにかく、今はその機械に不用意に手を出さない方がいい」
霧切「やけにこれを調べる事を拒むわね。やっぱり何かかくしているの?」
日向「(まずいな、下手に隠そうとしても絶対にバレる。なんとか霧切を納得させる理由を言ってあれを調べられる事を阻止しないと)」
日向「安価下5」
日向「…わかった、真実を話す。けどもう少し待ってくれないか。今は苗木を見つけてからにしてくれ」
霧切「………なら約束して、苗木君を見つけたら全て隠さずに話すと」
日向「………あぁ」
九頭竜「日向…言っとくけど、俺達にも聞かせろよ」
日向「…わかった」
狛枝「…それで、これからどうするつもりなの?」
日向「そうだな…他の扉を開けて苗木を捜索しよう」
辺古山「となると、何処にいるかが問題だな」
霧切「まだ開けていない扉の中に閉じ込められている可能性は高いわね…どうするつもり?」
1 赤の扉(1)
2 赤の扉(2)
3 赤の扉(3)
4 ブルーベリーの扉に向かう
5 黒の扉…
6 目玉模様でも開けてみるか
7 御札付き…?
8 ㌔㍉コン
9 銅の扉
10 上の階へ
選択安価 安価下3
日向「この扉を開けてみるか・・・」ガチャ
お姉さん「みんなー、お姉さんの算数教室、はっじまっるよー!!」
幼女「わーい!!」
お姉さん「今回は皆と一緒にお勉強をするお兄さんもやってきてるよー」
幼女「ほんとー?」
お姉さん「それじゃあそこのお兄さん、こっちにおいでー」
狛枝「え、僕?」
お姉さん「ほら、こっちこっち」
お姉さん「それじゃあ問題です。いちたすいちは何かなー?」
幼女「うーん、わかんなーい」
幼女「お兄さん教えてー」
お姉さん「ほら、幼女ちゃん達に教えてあげて」
狛枝「僕が?」
幼女「おねがいします」
狛枝「うーん・・・」
狛枝「安価下3」
狛枝「世界の希望達が立ち向かえば、二どころか三にも四にもなれるよ」
幼女「そうなんだー」
日向「(…大丈夫なのかそんな答え方で)」
お姉さん「………」
お姉さん「どうやら、お兄さんは補習を受けなければならないようですねー」
お姉さん「という訳でちょっとこっちに来てもらおっか」ガシャン
狛枝「え…ちょっ」
九頭竜「なっ…!?」
瞬時に、シャッターが降りる。
狛枝が別室に運ばれ、モニターが現れた。
そこに映っていた映像は狛枝が連れて行かれた場所…
そこでは、ベルトコンベアに狛枝が繋がれている状態で授業を受けており、ゆっくりとコンベアが進んでいる。
その先では巨大なプレス機が音を建てて稼働している。このまま進めば、間違いなく潰されるだろう。
プレス機が近づくに連れて、狛枝の顔が真っ青になる。
そして…
瞬時、画面が真っ赤に染まった。
真っ赤な画面から流れて来るのはお姉さんのアナウンス。
お姉さん「はーい、いちたすいちもまともに答えられないような子はこうなっちゃうから気を付けてねー」
…何処の扉を調べる?
1 赤の扉(1)
2 赤の扉(2)
3 赤の扉(3)
4 ブルーベリーの扉に向かう
5 黒の扉…
6 目玉模様でも開けてみるか
7 御札付き…?
9 銅の扉
10 上の階へ
って安価指定忘れてたぁああ!!
安価下でお願いsます
霧切「………」
九頭竜「なんだよこれ…ふざけんじゃねぇぞ!!」
霧切「待って」
日向「霧切?」
霧切「さっきまでいた子供達は…何処に消えたの?」
九頭竜「…そういや、さっきまでいたあいつらがいねぇな」
辺古山「………この部屋には長居しないほうがいいかもしれないな」
日向「…一度下に戻ろう。確認したい所がある」
霧切「確認?」
日向「あぁ。七海達が残っている部屋の隣のブルーベリー色の扉…あの扉を確認しておきたい」
辺古山「…もしも何かあった時は、私が応戦する」
日向「…頼むぞ」
下に戻り、ブルーベリー色の扉がある部屋に向かう。
日向「…なんだ、これ」
九頭竜「扉が破壊されてやがるぞ」
霧切「…この扉、どうやら内側から破壊されたようね」
辺古山「もしこの中に危険な人物がいたのだとしたら、部屋を出てこの辺りを徘徊している事になるな」
九頭竜「チッ、いったいどうなってやがる。おい日向、とっとと他の部屋も調べるぞ」
日向「………」
1 赤の扉(1)
2 赤の扉(2)
3 赤の扉(3)
5 黒の扉…
6 目玉模様でも開けてみるか
7 御札付き…?
9 銅の扉
10 上の階へ
11 七海達が心配だ。一度オレンジの扉の部屋に入るぞ
選択安価 安価下4
日向「…七海達が心配だ。一度オレンジの扉の部屋に入るぞ」
辺古山「そうだな…一度七海達の安否を確認しておいた方がいいのかもしれないな」
霧切「七海さん達は隣の部屋にいるのよね。早く調べましょう」ガチャ
七海「あ、日向君。他の場所の探索は終わったの?」
日向「いや、まだ全部は調べていない。…その前に、一度七海と不二咲が無事か確認しておきたくてな」
七海「そうなんだ。…ところで、狛枝君は?」
日向「………」
霧切「…狛枝君は殺されたわ」
七海「………え?」
霧切「残念だけど、狛枝君は罠にかかって殺された。私達はそれを阻止する事が出来なかった」
日向「けど、大丈夫だ。いざとなったらまたやり直せばいい」
九頭竜「…おい、日向。お前それ本気で言ってんのか?」
日向「九頭竜?」
九頭竜「狛枝が…いくら仲が悪かったからってあいつが死んだ事に対してそんな考え方をするのかよ!?」
七海「………」
辺古山「日向…お前のその考え方には、何か理由があるのか?何も理由がないのならば、さすがに薄情だぞ」
日向「安価下5」
日向君がタイムトラベルをしている事を認識してるのは今のメンバーの中だと九頭竜君と辺古山さんは知らないんです
日向「…酷い言い方をしてしまって悪かった」
日向「本当は苗木を見つけてから言おうと思っていたが、さっき霧切に言わなかったことを言おう思う」
日向「霧切達には話したが、俺も江ノ島と同じくタイムトラベルをしている」
九頭竜「タイムトラベル…?」
辺古山「江ノ島が言っていたタイムマシンとやらか」
霧切「………」
日向「何度も何度も七海やみんなが死んで、その度にやり直している」
七海「だから狛枝が死んだことも、もう一度タイムトラベルをすれば生き返るからって軽く考えてしまったんだね」
日向「…本当にすまない。」
霧切「それで、さっき言わなかった事…あの機械は何なの?」
「さっき霧切が調べようとしていた装置はタイムマシンだ」
霧切「…そう」
九頭竜「あれがタイムマシンだって…?」
辺古山「にわかには信じられないな」
日向「あぁ。タイムトラベラーは増やしたくないから、霧切にはタイムマシンに触ってほしくなかった」
霧切「……そういう事ね」
不二咲「うーん…でも、どうしてタイムトラベラーを増やしちゃいけないの?」
日向「タイムトラベラーが増えるって事は、それだけこうして苦しみを背負う仲間が増えるって事だ。…なるべく、それは避けたかった」
七海「……それは違うと思うよ?」
日向「七海…?」
七海「日向君は、仲間に苦しみを背負わせたくないからタイムトラベラーを増やしたくないんだよね?」
七海「でも、一人じゃどうしようもない事だってあるから、そういう時こそ仲間を揃えた方がいい…と思うよ?」
日向「七海………そうだな、考えておく」
霧切「ところで、不二咲さんはそのパソコンのデータの解析を何処まで進めたの?」
不二咲「うーん、ファイルの解析をもうすぐ終えるからもう少し待ってねぇ」
七海「私は、お父さんともう少しここに残るからまだ調べてない部屋を調べたほうがいい…かな?」
九頭竜「…どうする、日向?」
日向「そうだな…安価下4」
日向「わかった、なら俺達はその間に他の開けてない扉を調べて来る」
霧切「調べない事には、何も始まらないものね…左右田君や苗木君の安否も気になるわ」
九頭竜「ただでさえ何があるか分からねぇ場所だからな…気を付けて調べるぞ」
辺古山「それで、どの扉から調べていくつもりだ?」
1 赤の扉(1)
2 赤の扉(2)
3 赤の扉(3)
5 黒の扉…
6 目玉模様でも開けてみるか
7 御札付き…?
9 銅の扉
10 上の階へ
選択安価 安価下3
日向「銅の扉から調べる」
霧切「銅の扉…私が閉じ込められていた銀の扉、タイムマシンが置かれていた金の扉と同じ階にあったあの扉ね」
九頭竜「よし、ならとっとと調べるぞ」
俺達は銅の扉がある部屋に向かい、扉を開ける。
日向「ここは………っ!?」
部屋に入って真っ先に目に入ったのは誰のものとも分からぬ白骨。
霧切「…この様子だと、この人はここに閉じ込められて相当な時間が経過していたようね」
九頭竜「くそが…何だって組の地下にこんなもんが」
辺古山「…待て、この遺体…よくみると何かメモを持っているぞ」
霧切「早速調べましょう」ヒョイ
日向「お、おい…もうちょっと気を付けて持てよ」
霧切「………」
九頭竜「…何が書いてあった?」
霧切「慌てないで。今から読み上げるわ」
実験は失敗した。
不死の病を治す為に開発が行われていたクスリは突然変異を来す危険なものだった。
これの投与によって暴走した実験体は尋常ではない力を持ち、意志の疎通も困難。
かろうじて閉じ込める事は出来たものの、私はその責任を取らされてこの地下牢へ。
ここはもう封鎖される。 あの化物を逃がさない為の脱出不可の牢獄に。
あの化物を閉じ込めたといっても、あんな扉は奴がその気になれば何時でも壊せる。
願わくば、その前に奴も餓死してくれる事を…
文章はここで途切れている。
霧切「………」
日向「………」
九頭竜「実験って…一体どんなトチ狂った事をしてやがったんだ」
辺古山「坊ちゃん…」
霧切「この文章によると、その化物は今もここにいる可能性が高いわね」
九頭竜「そしてあの破壊された扉…嫌な予感がしやがるぜ」
辺古山「…どうする、日向」
日向「そうだな…安価下5」
日向「早めに出口を確保しておいた方がいいかもしれないな・・・一度手分けして調査しよう」
霧切「そうね・・・手分けして探した方が効率もいいわ」
九頭龍「よし、なら手分けして捜索するぞ。俺はこの辺りを捜索するぜ」
辺古山「では、私は上を捜索しよう」
霧切「私は下の階を捜索するわ」
日向「なら、俺は・・・」
1 辺古山と上の階を捜索する
2 九頭龍と一緒に付近を捜索する
3 霧切と一緒に下の階を捜索する
4 別行動で下の階を捜索する
選択安価 安価下3
日向「なら、俺は霧切と一緒に下の階を捜索しよう」
九頭龍「わかった、ならとっとと手分けすっぞ」
霧切「…で、何処から捜索するの?」
1 赤の扉(1)
2 赤の扉(2)
3 赤の扉(3)
5 黒の扉…
6 目玉模様でも開けてみるか
7 御札付き…?
選択安価 安価下3
扉まとめ
扉は階ごとに開けた順番で並べた。開けてない扉は「(未)」を付けてる
最初の階
辺古山「この中(赤の扉)からは死の気配がする…迂闊に開けない方がいい」
青の扉→US○MI
黄の扉→九頭龍と辺古山
赤の扉(1)→(未)
2番目の階
狛枝「地雷を開けたら取り返しのつかない事になると思ってもいいと思うよ」
オレンジの扉→1回目は不二咲発見
2回目はパソコンがあるため七海と不二咲が残ることに
3回目は無事な七海と不二咲発見。あと少しで解析終わり
緑色の扉→何もなし
辺古山「…何やら不穏な気配がするあまりこの階に長居しないほうがよさそうだ」
黄の扉→謎の痩せた人物。日向が背負っている
ブルーベリー色の扉→1回目は開けず
2回目は内側から叩かれたようにボコボコになっていた。開けず
3回目に訪れると壊れていた(巨人徘徊中?)
赤の扉(2)→(未)
3番目の階
「上の階(3番目の階)に向かう途中、調べなかった扉の方から激しく叩く音が聞こえた気がした」
狛枝「この中に寄り道出来るネタ扉とかあるかもね」
白い扉→バラバラになった罪木。ワイヤーの部屋
??コン →算数教室で狛枝が補習…
辺古山「………この部屋には長居しないほうがいいかもしれないな」
黒の扉→(未)安価でもうすぐ開けることになる
赤の扉(3)→(未)
目玉模様→(未)
御札付き…? →(未)
七海と別れた後、九頭竜が一応
「この階の扉はほとんど調べた。収穫は特に無しだ」と言っている
4番目の階
白黒のクマ模様の扉→モノクマの忠告「この地下牢にはね…こわーい巨人が住み着いているんだよ」
赤の扉(4)→(未)
ブルーベリー色の扉(2)→(未)
この階は白黒しか開けてないはずだが赤もブルーベリーも選択肢の中から消えている
見落としてるかもしれない
5番目の階
狛枝「随分豪華な扉だね…これは希望も大きい分ハズレを引いた時の絶望も大きそうだよ」
銀色の扉→霧切
金色の扉→3台のタイムマシン発見
銅色の扉→白骨遺体発見。化物(巨人?)を生み出した人物らしい
6番目の階
見た後すぐに下の階に戻ったので未探索
左の扉→(未)
右の扉→(未)
間違ってるとこあったらスマソ
個人的に大事だと思うセリフや描写も書いた
あくまで個人のまとめだからそんな感じで見てくれ
・苗木と左右田と出口を探さなければならない
・全部開けたがどれも大きな絶望ではない…?
・巨人が徘徊しているっぽいからバラバラで行動してると死ぬかも…
辺古山「…もしも何かあった時は、私が応戦する」
↑戦える辺古山なら死なない可能性有り
・謎の痩せた人物
九頭龍「………こいつは…いや、何でもねぇ。きっと気のせいだ」
心当たりがありそう
辺古山「ここに元々繋がれていたという事は恐らく危険人物だぞ」
日向「まずは黒の扉を開けよう」
霧切「黒の扉、ね…わかったわ」
ガチャ
日向「…何もないな」
霧切「そう…この部屋は何もないみたいね」
「うぎゃああああああああああああ!!」
日向「!!」
霧切「…今の悲鳴、まさか」
日向「今の悲鳴は左右田だ…下の階から聞こえたぞ」
霧切「…どうするの?」
1 様子を見に行く
2 様子を見に行かない
選択安価 安価下2
酉間違えたorz
俺達はすぐに下の階に向かった。
下に着いた瞬間、異様な気配を感じる。まさかとは思うが…
霧切「…赤い扉が破壊されている?」
地下2階の赤の扉が破壊されていた。
まさか、左右田はこの中に?
霧切「…迂闊に近づくのは危険よ。ここは慎重に中の様子を伺いましょう」
霧切の指示に従い、慎重に中の様子を覗く。
そこにいたのは、左右田と思わしき人物の無残な死体と、それを潰す巨人と錯覚する程大きな人間だった。
日向「なっ………!!」
霧切「静かに。声を出すと気付かれるわ」ボソッ
巨人はうめき声をあげながら死体を殴り潰している。
日向「(…どうする?このままこいつを放置しておくべきなのか、それとも…)」
1 気付かれないようにそっと立ち去り、上の階の皆と合流
2 気付かれないようにそっと立ち去り、七海達の様子を見に行く
3 下の階へ
4 その他
選択安価 安価下4
日向「…一度離れて皆と合流しよう」ボソッ
霧切「わかったわ、慎重かつ迅速に離れましょう」
俺達は一度このフロアを離れ、捜索している皆を集めた。
九頭龍「巨人が左右田を潰していた!?」
日向「あぁ…見た時は俺も信じられなかったし、見間違いだと思いたい」
霧切「けど、ここではもう3人も犠牲者が出ている。それでも見間違いだなんて言い張るのはただの現実逃避よ」
辺古山「…しかし、モノクマの言っていた巨人が奴だとすると厄介だぞ」
日向「辺古山が撃退する事はできないのか?」
辺古山「…わからん。対峙しない事には何とも」
九頭龍「けど、ここで無理をしたらそれこそ本末転倒だ。ここからの行動は慎重に決めろよ」
霧切「…最悪の場合、あの3つのタイムマシンを使用する事も視野に入れておきなさい」
日向たちの行動 安価下4
日向「…九頭龍、一つ聞きたい事がある」
九頭龍「どうした、気になる事でもあったか?」
日向「今俺が背負っている人物…お前は最初に見た時、心当たりがあるような反応をしていた」
日向「もしこの人物の事で知っている事があれば、教えてくれないか?」
九頭龍「…そいつに関してか。まだ確証がないからわからねぇが、そいつとは多分前に会った事がある」
日向「前に会った事があるのか?」
九頭龍「あぁ。つっても2・3日前だけどな…面影はあるが、2・3日前の奴が何でこんなところにいるかも分からねぇし、別人のように弱ってるから気のせいじゃねぇかと思った」
九頭龍「…それに、会ったと言っても組の奴らと話しているのを少し見ただけだから対した接点はねぇ」
霧切「…九頭竜組と話をしていた人物、ね。もしかしたら彼がここにいるのは、それが関係しているのかもしれないわね」
辺古山「だが、それを聞いてどうする?今はその人物はまともに喋れない程弱っているぞ」
日向「念の為確認しておきたかっただけだ」
九頭龍「それで、これからどうする?そろそろ猶予も無いと思うぞ」
辺古山「…もしかしたら、一度調べた扉で気になる扉を再度調べると何か発見があるかもしれないな」
日向達の行動 安価下5
日向「よし、苗木を見つける為にもまだ開けてない扉を探索するぞ」
辺古山「…わかった。それで、どの扉に向かうつもりだ?」
日向「そうだな…九頭龍達はこの先の扉を何処まで調べた?」
九頭龍「大体は調べたぞ。後調べていないのは右、左の扉だけだ」
辺古山「と…特に目星いものはなかったな…」
日向「おい、何でうつむいてる」
霧切「下に戻った場合あの巨人と遭遇する可能性が高まる事も忘れないで」
九頭龍「で、どの扉を捜索する?」
1 右の扉を開けよう
2 左の扉を開けよう
3 さらに上へ
4 七海達の様子を見に行こう
5 赤の扉(1)
6 赤の扉(3)
7 目玉模様でも開けてみるか
8 御札付き…?
選択安価 安価下3
日向「目玉模様の扉が気になるな…」
霧切「なら、そこから調べましょう。ただし、今までの事があるから十分注意して」
日向「あぁ、わかった」
ガチャ
九頭龍「…この部屋に置いてあるのは一台のテレビか」
日向「テレビ………」
辺古山「どうした日向、顔色が悪いぞ」
日向「いや…何でもない」
霧切「このテレビ…電源が付くわ」
九頭龍「一応付けてみるか。何か分かるかもしれねぇ」
日向「………」
日向「(まさか…な。そんな事ないよな?)」
霧切「電源をつけるわよ」ポチッ
ブツッ…ザー…ザー…
モノクマ「えー、オマエラ、オマエラ、よくこのテレビを見つけてくれました」
日向「っ!!」
モノクマ「このテレビを見つけたオマエラにはスペシャルな映像を見せたいと思います」
モノクマ「うぷぷぷ…この映像はフィクションなんかじゃありません。心してご視聴くださいませ」
そう言ってモノクマがテレビ画面から消える。
そして一瞬の暗転。
そこに映っていたのは…部屋でパソコン解析している不二咲と傍にいる七海の姿だった。
映像に映っているのは七海と不二咲。
パソコンの解析が完了したのか、その場で二人が喜ぶ。
その直後、画面が大きく揺れる。
ドンドンドン! ドンドンドン! 激しく扉を叩く音が聞こえる。
二人が驚き、怯える。叩く音が大きくなる。
扉らしきものが倒れる様子がカメラにちらっと映る。
カメラに映ったのはあきらかに普通の人間ではない巨人のような何か。
腰が抜けたのか、不二咲がその場から動かない。
巨人はゆっくりと不二咲の方へと向かう。
七海は不二咲を連れて逃げ出そうとする。
しかし、前方の扉は巨人に行方を遮られており、逃げられない。
巨人が不二咲を掴む。
不二咲が苦しむ様子、七海が必死にお父さんお父さんと呼び、懇願する。
しかし、巨人は無慈悲にも不二咲を握り潰す。
骨が折れ、全身から血が吹き出し、動かなくなる。
七海が泣き叫ぶ。お父さんが握りつぶされた事で発狂する。
巨人は握りつぶした不二咲を床に捨て、今度は七海に手を伸ばす。
すんでのところで七海が逃げ出す。巨人が追いかける。
画面が次々と移り変わり、七海が逃げる様子が映し出される。
やがて追いつかれ、七海が巨人に捕まる。
足を踏み潰され、七海が泣き叫ぶ。
ヒナタクンタスケテ
直後、七海の頭が巨人に叩き潰された所で映像が途切れた。
日向「………」
九頭龍「くそがっ…どう言う事だこの映像は」
霧切「この映像が本物だとすると、もう二人共…今下に向かうのは危険ね」
日向「…やり直さないと」
辺古山「日向…?」
日向「また…助けられなかった。やり直さないと、やり直さないと」ブツブツ
九頭龍「おい日向、どこに行くつもりだ!?」
日向「…離してくれよ」
霧切「…タイムトラベルをしてやり直すつもり?」
日向「そうに決まってるだろ?だから早く離してくれ」
霧切「日向君…貴方は今まで何回これを繰り返して来たの?」
日向「…そんなのはもう数えてない」フラッ
霧切「待ちなさい、そんな精神状態で行動してもなにも変わらないわ!」
日向「…なら変わるまで繰り返すだけだ」ガチャ
巨人「………」ニタァ
辺古山「っ!! 危ない!!」シュバッ
ザシュッザシュッ
巨人「………」
辺古山「日向、大丈夫か!?」
日向「助けないと…七海を助けないと」ブツブツ
辺古山「くっ、もう話もまともに出来ない状態か」
巨人「………」ニタァ
霧切「危ない、離れて!!」
九頭龍「こいつ…!」パァン
巨人「…?」
九頭龍「ケロっとしてやがる…化物かよ」
霧切「とにかく、急いであの部屋まで逃げるわよ」
辺古山「あの部屋…タイムマシンか」
九頭龍「よし、ならさっさと…」
ドスドスドス
霧切「見かけによらず速い!? このままだと捕まるわ」
辺古山「………霧切、坊ちゃん、日向達を頼む」
九頭龍「ペコ、どうするつもりだ?」
辺古山「この化物を足止めする」
霧切「無茶よ、貴方の太刀筋を受けて尚平気だったのよ」
辺古山「だが、ここでまともに戦えるのは私だ。足止めは戦闘が出来る方が長く足止め出来る」
九頭龍「待てペコ、早まるな!お前が残る必要なんて…」
辺古山「坊ちゃん…大丈夫ですよ」
辺古山「生きて、帰ってきますから。だから先に行ってください」
九頭龍「ペコ…」
1 ペコを信じて先に行く
2 ペコを置いていけない。残る
選択安価 安価下4
九頭龍「わかった…だが、絶対帰って来いよ。じゃねぇと許さねぇからな!」ダッ
辺古山「………」
巨人「………」ニタァ
辺古山「さて、竹刀で何処まで太刀打ち出来るか…推して参る!!」
霧切「なんとか逃げ切ったわね…」
日向「………」
九頭龍「………」
霧切「(二人共大分精神が乱れている…このままだとまずいわね)」
霧切「ねぇ、二人共…一つ決めておきたいことがあるの」
日向「決めておきたい事?」
霧切「えぇ…誰がタイムトラベルをするか、についてよ」
日向「そんなの、俺と霧切と九頭龍でいいだろ」
霧切「そういう訳にはいかないのよ。…苗木君も見つかっていないし、不安定要素が大きすぎる」
九頭龍「…ペコだってまだ戻って来ていねぇからな」
霧切「それだけじゃないわ。日向君が背負っているその人物の事もある」
九頭龍「(そういや自然に背負ってたからすっかり忘れてた)」
霧切「この人が何者なのかもわからない…もし彼がこの先における重要人物だとしたら助ける必要がある」
日向「けど、そうとは限らないだろ」
霧切「えぇ、これは唯の可能性の一つ。けど、それを頭に入れた上で誰をタイムトラベルさせるか考えなさい」
このままタイムトラベルする場合、霧切、日向、九頭龍、謎の人物の4人の中からタイムトラベルさせる人物を3人選びます。
ペコの帰りを待つ場合や苗木を探し出す場合何か変化があるかもしれません。
決断内容→安価下5
尚、日向君は七海を救わない限り死ぬまで何度でもタイムトラベルを繰り返す模様
九頭龍「なら苗木を探すぞ。まだ調べてない場所もあるし、もしかしたらそこにいるかもしれねぇ」
霧切「わかったわ。ただ、バラバラに動いたらさっきの巨人に襲われる可能性が高い…まとまって行動しましょう」
九頭龍「わかった。…日向はどうする?」
日向「俺は………」
1 ここに残る
2 一緒に探しに行く
3 不二咲達が解析していたパソコンが気になる
選択安価 安価下4
日向「俺は、七海達が解析していたパソコンが気になる。だからあれを確かめに行く」
霧切「あのパソコンね…あんな事があった以上、無事な保証はないわよ。それでも行くの?」
日向「あぁ、確かめに行く」
霧切「…そう。なら、3人でまとまって行きましょう。その背負ってる人は置いて行きなさい」
日向「…そうだな、さすがにこれ以上背負い続ける必要はないよな」
俺達は、3人で七海達がいた部屋に向かう。途中、折れた竹刀と血しぶきの跡があったが、気にせず進んだ。
九頭龍が辛そうな表情をしていたが、正直気にしていられない。
霧切「ここがあの部屋ね…」
日向「………」
辺りは鮮血に染まっており、周辺で七海の荷物の残骸を見つけた。
あの時戻っていたら助けられたのだろうか…いや、戻った所で何時ものように助けられなかっただろう。
霧切「電源は…生きているわね。ファイルを開くわよ」カチカチッ
00000100111011110101001000100100010001001110101010110101010101101010101010101011111011110110111010101010101010010101010101001001010010101001111001001010101010101010110010101011011101010101000101000010100000100001010010111111
ブチン シュゥウウウウ…
日向「………」
霧切「………」
九頭龍「おい、何かパソコンが煙あげてんぞ」
霧切「一瞬だけ数字の羅列が見えたわね…」
日向「おい、まさかとは思うけど故障とか言わないよな?」
霧切「…コンピュータがオーバーヒートを起こしたみたいね」
九頭龍「それ駄目じゃねぇか!?」
霧切「ただ、あの数字の羅列は私達にはとても解読出来ないわよ。それこそ不二咲さん位でないと」
日向「…結局は何もわからなかったって事か」
九頭龍「で、どうする?苗木を探すか、さっきの部屋に戻るか」
1 苗木を探そう
2 タイムマシンの部屋に戻ろう
選択安価 安価下3
日向「なら、苗木を探そう。まだ見つかってない以上助けられるかもしれない」
霧切「…そうね。それで、どの扉を探すつもり?巨人が徘徊している以上あまり探索は出来ないわよ」
探す扉(まだ開けてない扉のみ)
安価下3
日向「赤の扉を開けるぞ」
九頭龍「赤の扉か…確か赤の扉は3つあったな」
霧切「その内の一つは左右田君が閉じ込められていた部屋よ。…殺されてしまったけど」
九頭龍「チッ…で、上の階の赤の扉か、下の階の赤の扉か。どっちを開けに行くんだ?」
1 下の赤の扉
2 上の赤の扉
選択安価 安価下3
oh…sageのままになってました。
被ったら安価下
日向「上の階の赤の扉を開こう」
霧切「なら、早速向かいましょう。…巨人には見つからないよう、慎重に進みましょう」
下から3番目の階の赤の扉に辿りついた。
霧切「早速開けるわよ、準備はいい?」
九頭龍「問題ねぇ、それより気を引き締めていくぞ」
ギィ…
赤の扉を開ける。部屋の真ん中には1枚の紙が落ちていた。
日向「紙…?何でこんなものがここに落ちているんだ?」
霧切「…そこまで古くはなさそうね。読むわよ」
・とある人物との接触が鍵となる
九頭龍「とある人物って誰だよ…」
霧切「それがわかったら苦労しないでしょうね。…この内容は覚えておいた方がいいかもしれないわ」
九頭龍「で、次はどうする?他の扉を調べるか、タイムマシンの部屋に戻るか」
行動安価 安価下5
日向「(巨人の弱点がおんなのはだかとかいう天のお告げが聞こえた気がしたがきっと気のせいだな)」
日向「よし、左の扉を開けに行こう」
九頭龍「左って…もう開けてあるじゃねぇか」
日向「そうじゃなくて、上の階に右と書かれた扉と左と書かれた扉があっただろ?あの扉だ」
九頭龍「………とっとと行くぞ」
霧切「ここね…早速開けるわよ」
日向「あぁ、開けてくれ」
ガチャ
苗木「き、霧切さん!それに日向君に九頭龍君も…よかった、無事だったんだね」
日向「他の皆は死んじまったけどな…」
苗木「え…」
九頭龍「信じられねぇかもしれねぇが、本当の事だ」
霧切「でも、苗木君が無事だっただけでもまだマシよ」
苗木「なんだろう、僕の扱いがおまけ扱いに感じる…」
日向「気のせいだろ」
霧切「それで、この後はどうするの?右の扉もまだ調べていないし、さらに上だってまだ調べていないわ。…それとも、もうタイムマシンの部屋に向かう?」
1 右の扉も調べてみよう
2 更に上を調べる
3 タイムマシンの部屋に行く
選択安価 安価下4
日向「そうだな、苗木も見つけた事だしそろそろあの部屋に戻るか」
九頭龍「もたもたしてるとあいつに遭遇しかねねぇからな…とっとと引き返すぞ」
苗木「えっと、状況を説明する時間は…」
日向「後で説明する」
日向「なんとか見つからずに来れたな」
苗木「ところで、ここに並んでいる3つの機械は?」
霧切「タイムマシンよ」
苗木「えっ」
苗木に状況を説明した。
苗木「…つまり、このタイムマシンは最後の手段であって、これを使用する事で過去に戻れるんだね」
九頭龍「まぁ、3台しかねぇ上に1つにつき一人しかタイムトラベルできねぇらしいからこの中からタイムトラベル出来るのは3人だな」
霧切「…ちょっと待って」
日向「どうしたんだ、霧切?」
霧切「日向君、貴方はこの部屋にあの人物を置いて来たのよね?」
日向「あぁ、そうだが」
霧切「なら、その人物はどこにいったのかしらね…」
九頭龍「! そういや、あいつがいねぇぞ」
霧切「………やっぱりね」
苗木「えっと、どうしたの?」
霧切「タイムマシンの一つが使用済みになっているわ」
九頭龍「なっ・・・!」
霧切「使用済みのタイムマシンは動く気配無し。タイムトラベル出来るのは二人のようね」
苗木「じゃあ、タイムトラベルするとしたら僕達の中から二人だけになるんだね」
霧切「そういう事よ。そしてトラベルするメンバーだけど・・・タイムトラベルを繰り返している日向君は必須よ」
九頭龍「日向が必須な理由はなんだよ」
霧切「タイムトラベルを繰り返している彼には今回の周回の出来事を覚えておいてもらったほうが次に活かせるからよ」
九頭龍「・・・そういう事か」
霧切「それで、後一人がタイムトラベル出来るのだけど、慎重に決める必要があるわ」
苗木「それなんだけど、僕は遠慮しておくよ。今回何も役にたてなかったし」
九頭龍「となると、俺か霧切か・・・」
ドンドンドン!!
日向「!!」
九頭龍「おい、この扉を叩いてるのってまさか・・・」
霧切「どうやら、情報交換や話し合いをする時間もないようね」
霧切「日向君、どちらを選ぶかは貴方が決めなさい」
九頭龍と霧切、どちらをタイムトラベラーに選ぶ?
※選択安価 安価下7
日向「霧切、早くトラベルを!!」
苗木「き、霧切さん!」
霧切「わかったわ、私でいいのね?」
九頭龍「もう扉がもたねぇぞ、早くしろ!!」
俺と霧切は急いでタイムマシンを起動する。
起動する瞬間、タイムマシンの中にメモが貼り付けられていたのが見えた。
これはタイムマシンです。未来を変えたいと思う貴方、過去をやり直したいと思う貴方に是非おすすめ!使い方は簡単、スイッチ一つで過去に飛んで安価で行動して未来を変えるだけ!
※気になるあの人を守り抜くには誰かが守る必要があるぞ。
※七海に迫る危機は一つだけじゃない
※特定の人物を仲間にするには条件を満たす必要がある
※ある人物にバレると一気に絶望ルート
※昨日の敵は今日の味方
※新たなタイムトラベラーが現れる時、犠牲者は増える
※元凶を止めない限り、悲劇は繰り返される
※進展の鍵はバトンタッチ
※鍵が揃えば、元凶への反撃が出来る
※人の忠告はちゃんと聞きましょう
※全ての元凶は目の前に存在している
これで貴方もタイムトラベラー 開発者 ミスターA
バシュウ
もう何度目のトラベルだろうか。
とにかく、また七海を助ける為に行動しなければ。
タイムリミットまで残り3日
日向君の行動 安価下5
日向「霧切と一度話し合おう。まずはそれからだ」
霧切「・・・本当にタイムマシンだったのね」
日向「信じてなかったのかよ・・・」
霧切「当たり前でしょう?タイムマシンだなんて言われても半信半疑がやっとよ」
霧切「それで、これからどうするつもり?あまり時間はないのでしょう?」
日向「安価下5」
日向「前の周回で消えたあの人物を探そう。あいつが何者なのか気になる」
霧切「あの人物ね・・・探すのはいいけど、心当たりはあるの?」
日向「それは・・・安価下2」
日向「九頭龍組だ。九頭龍があいつを見たと言っていたし、上手くいけば捕まえられる」
霧切「最も、それが唯一の手掛かりなのだけど」
九頭龍「変わったやつを見なかっただ?」
日向「あぁ、ここ数日で誰か変わった人物が訪ねて来なかったか?」
九頭龍「いや、来てねぇな。・・・それがどうかしたのか?」
霧切「どうやらまど来てないみたいね。・・・あの人物がトラベルしている以上、ここに来るとは限らないわ。どうするつもり?」
日向「安価下3」
日向「そうだな…なら江ノ島と戦刃以外の生徒全員に聞き込み調査をするぞ」
霧切「片っ端から聞き込みをするつもり? 情報を得る為なら範囲は広い方がいいけど、彼女達に気付かれたらそれこそ本末転倒よ」
日向「けど、そうでもしないと何も分からないままだ」
霧切「…わかったわ、なら好きにしなさい。私は私で調査を行うわ」
1日中生徒達に聞き込みを行った。しかし、知り合い全員を訪ねても例の人物に関する情報は手に入らなかった。
本科だけでなく、予備学科を訪ねても同じだった。
翌日朝
日向の行動 安価下3
日向「(そういえば今日の七海のパンツは何色だろうか…っていかんいかんいかん!そんな事よりこれからどうするかだ)」
日向「(とりあえず、他のトラベラー達と連絡を取った方がいいよな。まずは誰と連絡をとるか…)」
連絡を取る人物
1 七海
2 狛枝
3 罪木
4 霧切
選択安価 安価下3
日向「七海に会いに行こう。・・・後何回繰り返せば、七海を救えるんだろうな」
七海「あれ、日向・・・君?」
日向「七海、今いいか?」
七海「いいけど・・・日向君、顔色が悪いよ?」
日向「気のせいだ。俺は大丈夫だぞ?」
七海「・・・本当に大丈夫?少し休んだ方がいいよ?」
日向「大丈夫だって」
七海「ならいいけど・・・それで、朝早くからどうしたの?」
日向「安価下4」
七海「あれ、日向………君?」
日向「七海、今いいか?」
七海「いいけど…日向君、顔色が悪いよ?」
日向「……気のせいだ。俺は大丈夫だぞ?」
七海「・・・本当に大丈夫?少し休んだ方がいいよ」
日向「大丈夫だって、それより一緒に遊びにいかないか?遊園地とかどうだ?」
七海「………日向君、お願いだから無理しないで」
日向「七海…?」
七海「日向君…自分では気付いてないかもしれないけど、凄く疲れた顔してる。あれからまた何度もタイムトラベルを繰り返して苦しんでる」
七海「そんな事繰り返してたら、日向君が壊れちゃうよ」
日向「…そんな事ない。七海の為なら俺は七海「そんなのだめだよ!!」
七海「これ以上日向君の辛そうな顔を見たくないよ…お願いだから、これ以上苦しまないで」
七海「これ以上無理して自分を壊さないで…お願いだよ」
日向「七海………」
七海「日向君…もう、いいんだよ」
七海「もう、無理しなくていいから…少しだけ、休もう?」
日向「………」
七海「本音も苦しみも全部聞いてあげるから…もう休もうよ」
日向「………なぁ七海」
七海「何、日向君?」
日向「………俺、もう疲れた」
七海「…うん、たくさんトラベル繰り返して、疲れたよね」
日向「ごめん、お前のこと、救いたかっけど……もう無理っぽいや」
七海「………謝らなくてもいいよ。日向君は頑張ったよ」
日向「ごめん…………ごめんな………」
七海「泣いてもいいんだよ。私が全部、受け止めてあげるから」
日向「ごめん………う…うぐ…七海………」
七海「よしよし………」
俺は泣いた。七海の胸元で思いっきり泣いた。
正直限界だった。タイムトラベルに疲れてしまった。
その後、七海の家で過ごす事にした。
七海の部屋でふたりっきりで色んな事をして遊んだ。出来る事なら、ずっとこのままでいたい。
けど、それが叶わないという事実は消える事はない。
それでも、今だけは…今だけは休もう。正直疲れた。
このまま七海と平和に過ごしたい。平和に…過ごしたい。
今日は七海の部屋に泊まる事にした。
七海が死ぬ日 朝
1 七海と一緒に過ごす 2 葉隠に何か占ってもらう 選択安価 安価下3
江ノ島「うぷぷぷ…連投安価は安価下だよー」
今日は七海が殺される日だ。
何か手を打たなければいけなかったのは分かってる。
けど、俺は何もする気になれなかった。
この周回は、もう何もしない
今回は最期まで七海と一緒にいよう。
俺は、七海と一緒に過ごす事にした。
………
気がついた時には、七海はいなくなっていた。
何者かに催眠ガスを巻かれ、眠ってしまっていた隙に連れ去られた。
ビデオが届いた。再生した。
そこには、七海が極寒の部屋に閉じ込められている様子が映されていた。
七海は普段着で凍え、震えている。
脱出口を探す様子も映されたが、扉には鍵がかかっており、他に出口はない。
来ている服以外に寒さを防ぐものは存在せず、寒さが七海の体温をどんどん奪っていく。
七海の顔がどんどん真っ青になっていき、動きも鈍くなる。
やがて横になる。もう足が動かないようだ。
指も全く動く様子がない。かろうじて腕を動かす事が出来る位で、うずくまるように七海は丸くなる。
…震えがだんだん少なくなり、そのまま七海は動かなくなった。
タイムマシンが届いた。
次の周回では何をしようか。
正直、3日前に戻って七海との日々をずっと過ごすだけでもいい気がしてきた。
これはタイムマシンです。未来を変えたいと思う貴方、過去をやり直したいと思う貴方に是非おすすめ!使い方は簡単、スイッチ一つで過去に飛んで安価で行動して未来を変えるだけ!
※気になるあの人を守り抜くには誰かが守る必要があるぞ。
※七海に迫る危機は一つだけじゃない
※特定の人物を仲間にするには条件を満たす必要がある
※ある人物にバレると一気に絶望ルート
※昨日の敵は今日の味方
※新たなタイムトラベラーが現れる時、犠牲者は増える
※元凶を止めない限り、悲劇は繰り返される
※進展の鍵はバトンタッチ
※鍵が揃えば、元凶への反撃が出来る
※人の忠告はちゃんと聞きましょう
※全ての元凶は目の前に存在している
※日向からミスターAと接触する事は出来ない(例外あり)
これで貴方もタイムトラベラー 開発者 ミスターA
バシュウ
七海死亡3日前
日向の行動 安価下4
………七海と一緒に過ごそう。死んだらまたタイムトラベルすればいい
七海が学校から戻るのを待つ事にした。
七海「日向…君?」
日向「七海、よかったら今日一緒に過ごさないか?」
七海「いいけど…日向君、凄く辛そうな顔してるよ」
日向「大丈夫だ。…七海と一緒にいられれば何も辛くない」
七海「(日向君…相当無理してる。大丈夫かな?)」
七海「うん…じゃあどこに遊びに行く?」
日向「そうだな…ゲーセンで一緒にゲームでもするか」
七海と一緒に遊んで過ごした。
その次の日も一緒に遊んで過ごした。
その次の日も…
七海がいなくなった。
ビデオが送られてきた。
いくら繰り返しても七海は死ぬ。
今回のビデオの内容は七海が挽肉にされるビデオだった。
中が見える挽肉マシンに七海が放り込まれ、ぐちゃぐちゃにされるまでの過程が丁寧に映されていた。
七海の絶叫と血しぶきが飛び交い、あっという間に挽肉の出来上がり。その挽肉は焼かれてハンバーグにされた。
…しばらくハンバーグは食べたくないな。
タイムマシンが送られてきた。
これはタイムマシンです。未来を変えたいと思う貴方、過去をやり直したいと思う貴方に是非おすすめ!使い方は簡単、スイッチ一つで過去に飛んで安価で行動して未来を変えるだけ!
※気になるあの人を守り抜くには誰かが守る必要があるぞ。
※七海に迫る危機は一つだけじゃない
※特定の人物を仲間にするには条件を満たす必要がある
※ある人物にバレると一気に絶望ルート
※昨日の敵は今日の味方
※新たなタイムトラベラーが現れる時、犠牲者は増える
※元凶を止めない限り、悲劇は繰り返される
※進展の鍵はバトンタッチ
※鍵が揃えば、元凶への反撃が出来る
※人の忠告はちゃんと聞きましょう
※全ての元凶は目の前に存在している
※日向からミスターAと接触する事は出来ない(例外あり)
※バトンタッチは特定の段階まで辿りついた時のみ可能となる
これで貴方もタイムトラベラー 開発者 ミスターA
…次はどうしようか
これ以上現実逃避をしても何も変わらない気がする。
でも、疲れた。でも七海には死んで欲しくない。誰かにアドバイスでも求めてもらおうか?
バシュウ
七海死亡3日前 朝
日向の行動 安価下4
尚、2機使いによる連続安価取り防止の為同じ人物と見られる人物が何度も安価を取っている場合安価下に流す事になりました。
oh…sageっぱなしだった
被ったら安価下
日向「…たまには葉隠の占いにでも頼ってみるか」
葉隠「お、日向っちどうしたべ?」
日向「占ってほしい事があってな、今いいか?」
葉隠「わかったべ、料金は日向「出世払いで」
葉隠「お、おう…それで何を占ってほしいんだべ?」
日向「俺が今さがいている人物が誰でどこにいて何をしているのか占ってほしい」
葉隠「んーいいけども、多分当たらない気がするべ。とりあえずやってみんべ」
葉隠「むぅーん…見えたべ!日向っちが探している人物はアルターエゴで、今秘密の隠れ家で情報収集をしていると出たべ!」
日向「サンキュー、料金は出世払いではらうよ」
葉隠「ちゃんと払ってくれよ?」
放課後の行動 安価下3
日向「七海、今いいか?」
七海「あ、日向…君?」
日向「ちょっと話しておきたい事があってな。聞いてくれるか?」
七海「いいけど…日向君、大丈夫?」
日向「俺は大丈夫だ、気にするな」
七海「……ならいいけど」
七海にこれまでの事を説明した。
七海「それじゃあ、前前々回の周回で消えた謎の人物が誰なのか占ってもらった結果がアルターエゴだったから、お父さんにアルターエゴに関して聞きたいという事…でいいのかな?」
日向「あぁ、そうだ。早速不二咲にこの事を訪ねに行くんだが、七海も一緒に来てくれるか?」
七海「うん、わかった」
不二咲「アルターエゴに関して?」
日向「あぁ、詳しく聞かせてくれないか?」
不二咲「いいけど…今僕が作っているアルターエゴはまだ未完成だよ」
不二咲からアルターエゴについて聞いた。
アルターエゴは人工知能であり、人間のようにコミュニケーションをとったり高度なコンピュータ処理を行えるらしい。
しかし、プログラムである為人間と同じように動く事は出来ないし、そもそもパソコンでしか動作実験はしていないそうだ。
不二咲「だから、多分葉隠君の占いは外れてると思うよ」
日向「そうか…詳しい話を聞かせてくれてありがとう」
不二咲「ううん、こっちこそ大した役に立てなくてごめんねぇ…でも、何でその謎の人物を探してるの?」
不二咲に謎の人物に関して話す?
1 話す
2 話さない
選択安価安価下3
不二咲に事情を話した。
不二咲「えっと…それじゃあ日向君は七海ちゃんを助ける為にタイムトラベルを繰り返していて、その周回の途中で遭遇した謎の人物の行方を追う為に情報を集めてるという事?」
日向「大体そんな所だ」
不二咲「そっか…ごめんね、本当は僕が守ってあげなきゃいけないのに」
日向「不二咲がそこまで気負う必要はない。それより、七海を救う為にもこれから協力して欲しい。力を貸してくれるか?」
不二咲「うん、僕が役に立てるかは分からないけど協力するよ」
不二咲が協力してくれるようになった。
夜の行動 安価下2(七海は電話でのみ会話可能。霧切は独自調査で夜は接触不可。尚、葉隠はその辺をうろついている為夜も占ってもらえる)
>>936 の最後の文を読んでみよう ついでに性的展開は>>1が描写苦手だから書く予定はないんだ、ごめんね!
prrrr
苗木「はい、苗木です」
日向「苗木、少しいいか?」
苗木「日向君?こんな時間にどうしたの?」
日向「詳しい事は明日話したい。明日の朝、学校の前で会えないか?」
苗木「明日の朝だね、わかったよ」
苗木と明日の朝会う約束をした。
翌朝
苗木「おまたせ、日向君」
日向「わざわざこっちに合わせてくれてありがとな、苗木」
苗木「それで、話って何かな?」
苗木に今までの事を説明した。
苗木「そんな事が…とてもじゃないけど、信じられないよ」
日向「けど、事実だ。このままだと明日には罪木か狛枝、明々後日には七海が襲われる」
苗木「…あれ、明後日が抜けてるけどあさっては何も起きないの?」
日向「それが、霧切と共にタイムトラベルした次の周回からは明後日に七海が何か起きたりはしていない。理由は分からない」
苗木「そうなんだ…わかった、まだ半信半疑だけど僕でよかったら協力するよ」
日向「ありがとう、苗木」
苗木「それで、僕はどうすればいいかな?」
日向「安価下3」
苗木に葉隠の占いで出た江ノ島に対抗する為のメンバーの事を話した。
苗木「それじゃあ、日向君と手分けしてそのメンバーを集めればいいんだね」
日向「あぁ、ただし戦刃は後回しにしてくれ」
苗木「分かったよ、片っ端からあたってみるね」
放課後の行動 安価下3
日向「一度霧切と話し合おう。今のままだと何も変わらないままだ」
霧切「あら、日向君じゃない。トラベルの後は特に動きはないみたいだけど、どうしたの?」
日向「あの人物について調べていてな…結局これといった手がかりは見つからなかった」
霧切「そう…それで、何の用?私は私で忙しいのだけど」
日向「安価下4」
あたしにとっての麗くんは、大切な幼馴染で、憧れで、護るべき人。
昔から誰よりも頑張り屋さんだったよね。
ピアノが上手に弾けないって言ってうちに来た時には、一緒にピアノを弾いたよね。
あの時ね、びっくりしたの。
だって、どんどん上手になっていくんだもの。
でも、それは、あたしが指が疲れてきて休んでいる間も、ずっとずっと頑張って弾き続けた努力の賜物だったんだよね。
それから、実は寂しがり屋さん。
健太くんたちと初めて出会った時のこと、「麗」って名前で呼んでもらえた時のこと、とっても嬉しそうに教えてくれたよね。
それから、何度もアタックしているのに瑠衣斗くんになかなか友達になってもらえなかった時は、どうすればいいのか、何度も話し合ったよね。
麗くんを邪見にする人なんて初めてだったけど、麗くんはそれも嬉しそうだった。
あたしや奨くんはなりえなかった、対等のお友達がずっと欲しかったんだよね――あたしがそのことに気付いたのは、みんなとお友達になった後だったんだけど。
麗くん、これまでもこれからも、ずっと仲良しでいようね。
私にとっての城ヶ崎さんは、生涯付き従うことを希う、愛しい方。
初めて貴方にお会いしたのは、咲良の家の道場で稽古をした後のこと。
幼かったとはいえ、同年代の男の子にこのような言葉を遣うことが適切かどうかは分かりませんが、とても可愛くてまるで天使のような出で立ちで、思わず魅入ってしまったことを憶えています。
こんな性格ですし昔から人に好かれないことは自覚していた私は、その頃は咲良以外の誰にも心を開くことはありませんでした。
ですが、貴方は、貴方を避けようとした私に輝かんばかりの笑顔を向けて、「よろしく」と言って手を差し伸べてくださりましたね。
きっとあの時、私は、恋に落ちたのだと思います。
貴方はとてもお優しい方。
名家の生まれの子どもが集まる帝東学院においても、トップクラスの家柄で、世が世なら一般庶民など生涯お目にかかることなどできない位の人だというのに、貴方は決して威張るようなことはならさなかった。
そのカリスマ性とリーダーシップで人の上に立っていることが多かったけれど、城ヶ崎のお家の笠を着ることはこれまで一度もありませんでした。
貴方のその優しさに、庶民が増長していたことは非常に不愉快でなりませんでしたけれど、ここだけの話、庶民と戯れる貴方の楽しそうな様子を見ているのは、悔しいですがとても好きなのです。
城ヶ崎さん、どうか、私を生涯お傍に置いてください。
俺にとっての麗は、いつか絶対超えたいライバルで、ダチ。
お前はいつだって超俺様。
初めて会った時、あのテニスコートでピンチだった俺を飛び入りで助けてくれたことにはすっげー感謝してる、それは本当。
だけど、あの態度にはびっくりした。
お前が決めたことがルールになるとか、聞いたことねーよ。
後から、お前の家が俺たちなんか足元にすら遠く及ばないようなとてつもなく凄い家の出身だって聞いて、納得したけど。
ただ、超俺様だけど、ムカついたことは一度もない。
だって、お前、俺らのことを上から目線で見ることがないもんな。
あと、人を引っ張ることについては、認めてる。
生徒会長としてのお前よりも、テニス部部長のお前を見る機会の方が多かったけど、テニス部には我が強そうな坊ちゃんが多いのに、お前はそれを上手くまとめてた。
そこにはもしかしたら、金持ちにしかわからない事情があるのかもしれないけど。
ただ、そう坊ちゃんたちが多い環境で、俺がすんなりテニス部に馴染むことができたのは、俺の家柄とか見た目とかじゃなくてテニスの腕前を見ろって一喝してくれたからってのは大きいと思う。
テニスの実力でいつかお前を超すのが俺の目標、だけど、部長の座に就くってことについては生涯勝てる気がしねぇ。
麗、覚悟してろよ、一生掛かったっていつかお前を超えてやるから。
あたしにとっての麗は、絶対無敵のヒーロー。
アンタは、人の視線を釘付けにする人。
初めて会った時、健太のピンチに颯爽と現れたアンタは、テレビや漫画で見たどんなヒーローにも負けないくらい、ヒーローだと思った。
あたしが持っていたラケットを、こっちが返事をする前に持って行っちゃったよね。
最初は唖然としたけど、アンタのプレイ、一挙手一投足、気が付けばずっと目で追いかけていた。
次に会った時に健太と試合していた時も、健太には悪いけど、終始アンタのことばっかり見てたよ。
アンタは、自分の悲しい気持ちは胸に閉まってしまう人。
健太と咲良が付き合うようになった時、何となく、アンタの顔見て気付いた――アンタが咲良のこと好きだったんだって。
昨日一昨日好きになった、とかではないだろうからショックだって大きかったはずなのに、アンタは周りにはそれを見せようとしないで2人のことを祝ってたね。
それどころか、瑠衣斗と別れたばかりのあたしのことを心配してくれて、励ましてくれて、あたしが泣いた時には胸を貸してくれたよね。
馬鹿じゃないの、アンタだって大声上げて泣きたかっただろうに。
カッコイイにも程があるよ。
もみじにとっての麗さまは、全てを以て役に立ちたいと思える王子様。
麗さまは、人のために頑張る人だよね。
少しでも麗さまに近付きたくてテニス部に入ったけど、健ちゃんと紗羅ちゃんと遊ぶ時にしかやったことがなかったから、新入生では一番下手だった。
だけど、麗さまはそんなもみじにテニスを教えてくれたね。
要領が悪くて飲み込みが遅くて、麗さまが時間を作ってくれてるのになかなか応えることができなくて、すごく悔しかったの、ごめんなさい。
それでも見捨てないでくれて、とても、嬉しかったよ。
そんな麗さまにとって誇れる人になりたいって、心の底から思ってきたの。
麗さまは、周りの人を褒めることが多いよね。
麗さまは、もみじが頑張ると、頭をくしゃくしゃって撫でて褒めてくれる、それが心地良くて大好きでたまらないの。
褒めてもらうためなら、もみじはどんなことだって頑張れるんだよ。
だから、テニスだって教えてもらった後に家でもたくさん練習したし、あんまり好きじゃないけど勉強も小学生の頃とは比べ物にならないくらい頑張ったの。
麗さまが誇れる人になるため、麗さまに褒めてもらうため、麗さまの近くにずっといるためになら、もみじは何だってできる。
僕にとっての城ヶ崎は、観察対象、それから、僕の世界を広げた人。
君って、意外にしつこい。
君に仲間になれだとか友達になれだとか散々追いまわされた中等部入学間もない頃のことは、今でもたまに夢に見るんだ。
周りには友達が取り巻いているし、いつでもどこでも中心に立って目立つタイプなんだから、僕一人に固執する理由がわからなかった。
あれだけ冷たくあしらったんだから諦めるのも時間の問題だと思っていたのに、結果的に僕が折れる形になってしまったね。
金持ちらしくない執着心だと思うよ、まあ、嫌いじゃないけれど。
君は、実は周りの様子をよく見ている人だね。
最初の頃は、君の、というのもあるけれど、大人数で騒ぐテンションにはとてもついていくことができなくて、一歩退いたところからその様子を見ていた。
君は脇目も振らずに自分の思うままに進んでいるように見えて、実は周りの仲間たちの様子をよく見ているということには、すぐ気付いた。
今の、皆が和気藹藹としている空気は、当初ぎくしゃくしているところ(初等部出身組と庶民の間には、うっすらと壁があったんだよね、今では信じられないけれど)を君が感じ取って、さり気なくフォローを入れて丸く収めた努力の結果だろうね。
僕のことも、いつも話の輪に入れるように話を振ってくれていたしね。
30分程前に響いた銃声に不安を憶え、真壁瑠衣斗(男子十六番)は同じグループの上野原咲良(女子二番)・高須撫子(女子十番)と共に西へと向かっていた。
既に禁止エリアとなった小中学校の北側を通る道路の脇を慎重に進み、木々の向こうに灯台が見える地図で言えばD=02エリアの西側まで何事もなく来たのだが、頭上から聞こえたスピーカーのノイズに足を止めた。
『この恋は時を超えて貴方の元へ咲かせよう♪
みんな、おはようさん、ライド先生の定時放送の時間やでー!』
瑠衣斗は腕時計へと視線を落とした。
プログラムが始まり、二度目の朝が来たのだ。
前回の放送では40人いたクラスメイトが23人まで減り、夜中も何度か銃声が響いていたので、残り人数が半分を切っている可能性も十分にある。
放送の度に、聞きたくない名前が流れないようにと祈っているのだが、ライド(担当教官)の歌声の後ろで重く低く響くドラムとギターの音がその祈りを潰そうとしているような気がした。
…まさか、そんなの根拠がないよな、馬鹿らしい。
胸を掻き立てる不安を掻き消すように心の中でそう呟いた。
『じゃあ、まずは儚く散っていったお友達を発表するで!
女子十四番・平野南海さん。
男子十三番・原裕一郎君。
女子十八番・室町古都美さん。
男子十番・城ヶ崎麗君、以上4名や』
名簿を確認しながら、放送で呼ばれたクラスメイトの名前を線で消していた瑠衣斗は、4本目の線を引こうとし――手を止めた。
…今……何て……
ペン先が“男子十番”の左側で止まり、じんわりとインクが紙へ染みていた。
そんな、馬鹿な。
疲れているから聞き間違えたんだ、そうに違いない。
いいや、いくら疲れているからって彼の名前を聞き間違えるはずがない。
だけど、彼の名前が呼ばれるはずがない、こんな所で死ぬはずがない。
城ヶ崎麗の名前が呼ばれるだなんて、あるはずがない――不死身だとか超人だとかそういう話ではなく、麗が誰かに負けて命を落とす姿なんて想像できないのだ。
『それから、禁止エリアの発表なー!
7時からE=06、神社の辺りやな。
9時からA=07、なんや海やん、ラッキーやん自分ら。
11時からH=02、南西の集落が入ってるから気ぃ付けなあかんで』
瑠衣斗はばっと顔を上げ、仲間たちの様子を確認した。
咲良はペンを地面へ落とし、呆然とどこか遠くを見ており、動く気配がない。
撫子は口許を押さえて俯き、小さく肩を震わせていた。
2人の様子が、自分の耳が正しかったという現実を瑠衣斗に突き付けたことに愕然としたのだが、禁止エリアを書き逃すわけにはいかないと、瑠衣斗は耳を放送に傾けて震える手でペンを走らせた。
城ヶ崎、何で、どうして――頭の中はその思いばかりが巡った。
『最後にアドバイスな。
やー、今回の放送はビックリした子が多そうやなぁ。
でもこれはつまり、彼も人の子、我も人の子っちゅーこっちゃ。
誰にでもチャンスはあるってことやから、めげずに頑張らなあかんで!
ほんなら今回は真面目にやったところで…次は昼になー!』
放送はブチッと切れ、辺りに静寂が戻った。
動くことができなかった。
受け入れたくない現実を突き付けられ、全身が錘を纏ったように重くて指一本動かせず、何かを考えようにも頭も回らず、時間だけが過ぎた。
数える気にもならないが少し時間が経った頃、隣で咲良がゆっくりと動き、瑠衣斗は顔を上げた。
「麗くん……」
小さく麗の名前を呟くと、咲良は荷物をその場に置いたまま、ふらふらと歩き出した。
小さく麗の名前を呟くと、咲良は荷物をその場に置いたまま、ふらふらと歩き出した。
「……待て、上野原!
高須、立て!!」
開くのも億劫に感じる口を開いて咲良を制止したが止まらないため、重くてたまらない体を動かして撫子の腕を掴んで無理やり立ち上がらせた。
地図をポケットに突っ込み、自分と咲良の荷物を肩に掛け、左手で撫子の手を取り(こんなことをしても何一つ反応を示さない位、撫子も放心状態だった)、咲良の後を追った。
ようやく咲良の腕を掴んだ時、鬱蒼としていた木々が途切れ視界が開けた。
まだ少し暗いが青い空が広がり、景色を二分するように白い灯台が朝日を浴びて輝いているように見えた。
そして、灯台に凭れて座っている誰かの姿を確認した。
風に靡く明るい茶髪、きちんと着こなされた男子の制服――それはあまりにも見慣れた容姿で、あまりにも見たくなかった光景で、胸が痛み息が詰まった。
力の抜けた手から咲良の腕がするりと抜け、ゆっくりと背中が離れていった。
「高須、顔を上げて」、俯いたままの撫子に声を掛けると、撫子は日頃からは想像できない程ゆっくりと気だるげに顔を上げ、充血した目を大きく見開くと、瑠衣斗の手を振り払い荷物も捨てて灯台へと駆け出した。
瑠衣斗は撫子の荷物も肩に掛け、2人の後を追った。
「瑠衣斗…っ」
灯台の下まで辿り着くと、灯台に凭れかかる麗の傍にいた朝比奈紗羅(女子一番)が大きな目を真っ赤に腫らして瑠衣斗を見上げた。
麗しか目に入っていなかったのだけれど、麗と同じ班として教室を最初に出発した木戸健太(男子六番)・紗羅・鳴神もみじ(女子十二番)が傍にいたのだ。
これで池ノ坊奨(男子四番)がいれば全員集合だったな、ぼんやりとそう思った。
まさか、誰もが悲しみに暮れた再会になるだなんて思いもしなかったけれど。
咲良は麗の傍に座り、じっと麗の顔を見つめていた。
奨の死を目の当たりにした時にはあれ程泣き叫んでいたというのに、今は涙一つ零さず、声も発さず、麗から視線を離さない。
その様子が、何をしでかすかわからず却って恐ろしい。
「ああ…城ヶ崎さん、城ヶ崎さん…ッ!!
起きてください、冗談はやめてください、お願いしますッ!!!」
撫子は麗の肩を掴み、何度も揺すった。
がくりと下がった頭が左右に揺れるが、撫子が手を止めるとそれも止まり、あの自信満々な笑顔を浮かべて顔を上げることはなかった。
瑠衣斗も麗の傍らに膝を付いた。
白皙の右手に触れると、これが人間の手なのかと思う程に冷たく、手首を親指で撫でながら脈を探したものの、微動だにしなかった。
男にしては華奢な首筋に触れてみる。
血の気の引いた冷たい頬に触れる。
顔を覗き込んでみても、閉じられた目は開かない。
紅色のペンキを刷毛で乱暴に払ったような白い灯台の壁面、赤黒く変色したベージュのベスト。
もう、疑う要素が見つからない。
受け入れるしかない。
麗は、死んだ。
初めて会った日から、「仲間になれ」としつこく勧誘してきた麗。
今でも夢に見る程に記憶に残る、勧誘してくる麗と拒む瑠衣斗の追いかけっこ。
15年という短い人生しか歩んでいないけれど、運動が酷く苦手だということを知っても、麗がそのことを含めた瑠衣斗の存在を受け入れてくれたことは、瑠衣斗にとっては人生の転機だった。
金持ちの感覚に付いていけないこともあった。
思考が理解できないと思ったことは、一度や二度ではなかった。
けれども、それも含めて、麗の友人として過ごした日々は、人生の中で最も楽しくて輝かしいものだった。
自信に満ちた振る舞いも、自分より背丈は小さいのに大きく見えた背中も、人の目を惹き付ける笑顔も、もう見ることができないだなんて。
気付けば、瑠衣斗の頬を一筋の涙が伝っていた。
誰かのことで涙を流すだなんて昔の自分からは考えられないことで、瑠衣斗自身驚いたのだが、指で拭っても拭っても瑠衣斗の頬は濡れたままだった。
ゆらり、と、隣で撫子が体をふらつかせながら立ち上がるのを目の端で捉えた。
咲良の傍に行くのだろうかとぼーっとする頭で考えたのだが、撫子は瑠衣斗の後ろを通り、放心状態の咲良の傍も素通りし、麗の足元で俯く健太の横で止まった。
スカートの背中側に差し込んでいた短刀を手に取り、ゆっくりと鞘をずらし、顕わになった刃が朝日を反射して煌めいたところで、瑠衣斗は目を見開いた。
「高……――」
「誰!!? 誰が城ヶ崎さんを裏切ったのッ!!?」
瑠衣斗の制止の声を遮り、撫子は金切り声で叫ぶと、短刀の刃の切っ先を健太へと向けた。健太は驚愕の表情を浮かべて後ずさり、撫子を見上げていた。
「裏切るって…何言ってんの、そんなのあるわけないじゃん!!」
「黙りなさいッ!!」紗羅の反論を、撫子は一蹴した。
「城ヶ崎さんは貴方がたのリーダーではなかったのですかッ!? そうでしょう、そのはずです、城ヶ崎さんが庶民の下に付くなどあり得ませんッ!! 確認するまでもありませんッ!!!」
撫子は『確認するまでもない』と叫ぶが、瑠衣斗は麗の冷たくなった右手を取り、シャツの袖のボタンを外し、ゆっくりと袖を捲った。白い腕に、はっきりと黒い王冠の印――瑠衣斗の腕にもある、班のリーダーの証が印されているのを確認し、小さな溜息と共に目を閉じた。証拠を目にした撫子は、一層眉を吊り上げた。
「ほら、御覧なさい、やはり城ヶ崎さんではないですかッ!! このプログラムは、リーダーが亡くなった場合はメンバーも道連れになるルール… 本来なら、貴方たち庶民が生きているはずがないッ!!! ただ一つ、下剋上ルールが適応される場合を除いてッ!!! 城ヶ崎さんを殺めた犯人は、木戸さん朝比奈さん鳴神さん以外あり得ないッ!!! さあ、誰ッ!!?城ヶ崎さんを裏切り、殺めたのは誰ですかッ!!?」
撫子の怒りに満ちた言葉の内容は、状況から正しく導かれたものだった。とても信じられないことだが、麗を死に追いやった人物は、健太か紗羅かもみじ――この3人に絞られてしまっている。他の班の誰かに麗が殺されたのであれば、今頃3人の名前も放送で呼ばれ、頭と胴体が離れた死体が転がっているはずだ。今回のプログラムで採用されたチーム戦の特殊ルールは、プログラム開始間もない頃に目の当たりにしたのだから、嘘偽りではない。
「わ…わかって…ました…そんなこと…!!
真壁さんにわかって、私がわからないわけ…ないじゃないですか…ッ!!」
大人しく話を聞いていた撫子が、絞り出すように声を上げた。
先程までの怒りと憎悪に満ちた表情はそこにはなく、見るだけで胸を突き刺された痛みを憶えるような、悲痛なものだった。
「でも…貴女たちが裏切った…そう思う方が簡単だったんです…!!
目の前に城ヶ崎さんを殺めた人がいるのに…憎むことができない…
悪くないってわかってるからこそ…どうすればいいのかわからない…
私のこのぐちゃぐちゃな気持ちは…どこに向ければいいのですか…ッ!!」
先程まで争っていた紗羅が、撫子に抱き付いた。
普段から言い争うことが多かった相手にそのような行動をされたことに撫子は大いに驚いたようだったが、やがて、紗羅の華奢な肩に顔を押し付け、泣きじゃくった。
麗の顔を覗き込んだ時、麗は灯台の壁を大いに汚す程の出血を伴う傷を負いながら、仲間に止めを刺されながら、とても穏やかに笑っていた。
外面は超俺様気質なのに本当は仲間を大切に想う麗のこと、きっと最期の瞬間まで仲間の身を案じ、仲間の未来を願い、息絶えたのだろう。
一方で、恐らく、皆が自分のことでここまで絶望のどん底に突き落とされることなど、考えていなかっただろう。
馬鹿だね、城ヶ崎。
君は、君が思う以上に僕らにとっては大きな存在で…
僕らは君が思う以上に君を中心として回っていたというのに…
君が誰よりもそれを知らなかったんだ。
君は、誰を犠牲にしたとしても、誰よりも、生き残らないといけない人だったんだ。
でもそうはできなかった君は、馬鹿で愚かで…
…そんな君だから、僕らは惹かれたんだ。
「くっそ……アイツら……」
皆の嗚咽の中、健太が小さく呻いた。
瑠衣斗に比べれば一回り小さな拳が、地面を何度も殴っていた。
「元はといえば…アイツらがこんな馬鹿げたことに乗ったから…!!
次会ったら…ぶっ飛ばしてやる…ッ!!」
「…木戸……“アイツら”って……」
「奨もやられたんでしょ…賢吾に、賢吾たちに」
瑠衣斗の疑問に答えたのは紗羅だった。
その答えは、瑠衣斗たちを驚愕させるのには十分過ぎた。
賢吾――榊原賢吾(男子七番)。
奨を喪った時の光景が、鷹城雪美(女子九番)の冷徹な表情と声が頭を過り、瑠衣斗はぶるっと体を震わせた。
麗が死を選択せざるを得なかった原因を作りだしたのは、賢吾たち。
まさか、奨だけでなく麗までもがその手に掛かってしまっただなんて。
そこまで考え、瑠衣斗はばっと振り返った。
瑠衣斗の胸に顔を埋めていたもみじが、瑠衣斗が動いたと同時に体を引っ張られ、驚いて顔を上げたが、それどころではなかった。
瑠衣斗が視線を向けた先、そこには誰もいなかった。
先程まで、周りの騒ぎが聞こえていないかのように一言も発せず微動だにせずに膝を付いて麗を見つめていた、咲良の姿がなかった。
慌てて辺りを見回し――目を見開いた。
「木戸、止めろッ!!!」
瑠衣斗は言い放ちながら、自らも動いた。
突如呼ばれた健太は鳩が豆鉄砲食らったような表情を浮かべたが、瑠衣斗の指差した先に視線を向けるや否や、大声を上げて地面を蹴った。
その声を聞いた紗羅と撫子が気付いて悲鳴を上げ、もみじも泣き叫んだ。
PSPだと大祐は怪しいキノコを食わせてその様子を喜ぶような上級者向けになってたな
821: 名無しさん@ピンキー[sage]
2014/02/04(火) 18:56:45.71 ID:EdV4NXX 0 [1/1] AAS
伊藤先生がこの先生キノコるには
822: 名無しさん@ピンキー[sage]
2014/02/04(火) 20:42:38.00 ID:ugSLJ9pM0 [1/1] AAS
修平が主人公のシリーズは最初のCRが一番良かったなぁ。
真島さんのパンチとか涙モノなのにシリーズ進むごとに微妙になるし、司との協力も好きやったなぁ
823: 名無しさん@ピンキー[sage]
2014/02/04(火) 21:46:31.15 ID:7Gh1Slgl0 [1/1] AAS
せっかくクリアしたのに殺される俺
824: 名無しさん@ピンキー[sage]
2014/02/04(火) 23:55:30.17 ID:3p zjFbM0 [1/1] AAS
次回作でも伊藤先生みたいなチャラDQNキャラは出て欲しいな
825: 名無しさん@ピンキー[sage]
2014/02/05(水) 00:49:41.43 ID://NCI46N0 [1/1] AAS
ただの小悪党のクズに人気投票で惨敗する主人公とメインヒロインww
826: 名無しさん@ピンキー[sage]
2014/02/05(水) 02:56:57.40 ID:BpRnYzqC0 [1/1] AAS
リベリオンズの修平は「主要視点保持者」で、琴美は「修平の」ヒロインだから……。しゅ、主人公とメインヒロインじゃないから……。
修平は活躍自体はしてるんだが、充や司の爆発四散みたいに分かり易い活躍ではない上に、そのシーンにCGがないのが致命的。
あと役割において、頭脳役は司と被り、リーダー役は悠奈と被るという有様で、しかも共にその被った相手が人気キャラ。
とはいえ、まり子、琴美と下位争いするようなキャラではないと思うんだが……。
琴美は何かもう酷い。似たような役割の結衣に注力した結果こっちは空虚になったのか何なのか、いずれにせよ酷い。
2014/02/05 03:05:22 バトル×2 yoshi様 (最新作:ダンデライオン 京都府京都市立有明中学校3年A組)
2014/02/05 00:42:17 グリーンアップル スミレ様 (最新作:Tommorow is Another Day? 1997年度山梨県居八小中学校全生徒)
2014/01/29 03:59:20 愛鳥週間 りん様 (最新作:Blue Heaven 2003年度東京都私立大東亜女学園3年D組)
2014/01/28 05:29:58 Star☆Dust 水金翔様 (最新作ENDLESS NIGHTMARE ? 2001年度群馬県桐生市立巴ヶ丘中学校3年2組)
2014/01/27 03:13:18 A LITTLE SELF-RESPECT チキン様 (最新作:?Hope in Despair? 2009年度鳥取県水木町立水木中学校3年B組)
2014/01/01 13:47:51 das verlorene Paradies 司城誠治様、鈴鹿征治様 (最新作:この国に生まれてよかった 2005年度熊本幼年学校3年)
2014/01/01 00:25:44 若紫文庫 松風美奈子様 (最新作:BATTLE ROYALE?The Gatekeeper? 1999年度兵庫県神戸市立月港中学校3年A組)
2013/11/23 10:41:18 Victory KML様 (最新作:鎮魂歌 1997年度香川県城岩中学校3年B組)
2013/10/28 17:04:18 NIGHT BLOOD 紫堂カムジ様 (最新作:P×P/Live now. 1999年東京都江戸川区立淺木西中学校3年A組)
2013/10/20 17:18:33 ジョニーズ裏事務所 ジョニー様 (最新作:1984年度市立桜丘中学高3年A組プログラム)
2013/09/04 11:07:16 毒人間の館 若丸進二様 (最新作:楽園島の門番姫 千葉県私立星矢中学校三年三組)
2013/08/18 02:09:56 あいまいみい 源彩璃様 (最新作:あの子の空箱 2002年度東京都私立尾鳥女子中学校 三年紫組)
2013/08/13 22:25:53 N.enu. ユウキナオ様 (最新作:ソラアワセ 2005年度 愛知県立第二竜神中学校 3年C組)
2013/07/15 20:01:47 A castle IN the air カヤコ様 (最新作:FREE WORLD -僕等の自由世界- 2000年度静岡県芙蓉市立次郎丸中学校3年0組)
2013/01/20 10:50:54 徘徊行路 ひいな様 (最新作:バトルロワイアルペティー 2005年度S県立第三高等学校英文科2年A組)
2012/10/09 19:27:27 オセロ堂 ひま様 (最新作:2000年度広島県広島市立三津屋中学校3年3組プログラム)
2012/06/08 17:04:44 枯渇 サチ様 (最新作:希い 2006年度沖縄県那覇市立井筒西中学校3年2組)
2012/05/03 22:51:38 selfish HEROs 藤沢克己様 (最新作:battle royale -dead end- 1999年度高知県森下町立陽生中学校3年C組)
2012/04/27 13:54:20 Doomsday 夜空様 (最新作:Underworld Dream 1995年度新潟県静海市立静海中学校3年1組)
2012/04/07 20:04:54 そんな気分で雑草魂 四季々たかゆき様 (最新作:プレゼント 2002年度神奈川県横浜市はばたき中学校三年五組)
2012/02/28 21:29:11 ファンタジスタ! 佐倉恭祐様 (最新作:善悪の彼岸 2007年度 静岡県私立菊花学園高等部2年虹組第二期)
2011/12/06 10:22:13 Last Message みかど様 (最新作:Graduation 東京都港区立皇中学校三年五組)
2011/11/15 10:06:41 あの日の空の色 霧風ライキ様 (最新作:何所か空のふもと 2001年度石川県前沢市立星辰中学校3年4組)
2011/10/09 23:37:24 Life goes on 浅俊カイ様(最新作:Innervisions 1998年度 神奈川県逗子市私立昭栄学園中学校3年A組)
2011/08/05 03:11:11 かみさまはこども のの様 (最新作:still 山形県遊佐町立花笠中学校三年A組)
2011/07/13 06:09:04 Red Unbrella 崩様 (最新作:A reason of existence 沖縄県立城中学校3年4組)
2011/05/25 02:47:54 ガルナの塔 がるな様 (最新作:らせん階段 2006年度岐阜県板鳥市板鳥第六中学校3年E組)
2011/05/24 16:27:43 Heaven’s Gate ミバル様 (最新作:2002年度私立星絢学園中等部3年D組プログラム)
2011/02/05 03:48:44 34番地。 きび様 (最新作:OBR1 Bonds 2005年度埼玉県立鈴那中学校3年A組)
2010/11/11 00:30:41 Die魂 黒羽花樹様&俊様(最新作:Target 21)
男子1番 相葉優人
(あいば・ゆうと) 女子1番 朝比奈紗羅
(あさひな・さら)
男子2番 芥川雅哉
(あくたがわ・まさや) 女子2番 上野原咲良
(うえのはら・さくら)
男子3番 雨宮悠希
(あまみや・ゆうき) 女子3番 荻野千世
(おぎの・ちせ)
男子4番 池ノ坊奨
(いけのぼう・しょう) 女子4番 如月梨杏
(きさらぎ・りあん)
男子5番 川原龍輝
(かわはら・りゅうき) 女子5番 小石川葉瑠
(こいしかわ・はる)
男子6番 木戸健太
(きど・けんた) 女子6番 財前永佳
(ざいぜん・ひさか)
男子7番 榊原賢吾
(さかきばら・けんご) 女子7番 佐伯華那
(さえき・かな)
男子8番 宍貝雄大
(ししがい・ゆうた) 女子8番 阪本遼子
(さかもと・りょうこ)
男子9番 松栄錬
(しょうえい・れん) 女子9番 鷹城雪美
(たかしろ・ゆきみ)
男子10番 城ヶ崎麗
(じょうがさき・れい) 女子10番 高須撫子
(たかす・なでしこ)
男子11番 田中顕昌
(たなか・あきまさ) 女子11番 奈良橋智子
(ならはし・ともこ)
男子12番 内藤恒祐
(ないとう・こうゆう) 女子12番 鳴神もみじ
(なるかみ・もみじ)
男子13番 原裕一郎
(はら・ゆういちろう) 女子13番 蓮井未久
(はすい・みく)
男子14番 春川英隆
(はるかわ・ひでたか) 女子14番 平野南海(ひらの・みなみ)
男子15番 日比野迅(ひびの・じん) 女子15番 広瀬邑子(ひろせ・ゆうこ)
男子16番 真壁瑠衣斗(まかべ・るいと) 女子16番 星崎かれん(ほしざき・かれん)
男子17番 望月卓也(もちづき・たくや) 女子17番 水田早稀(みずた・さき)
男子18番 横山圭(よこやま・けい) 女子18番 室町古都美(むろまち・ことみ)
男子19番 芳野利央(よしの・りお) 女子19番 山本真子(やまもと・まこ)
男子20番 林崎洋海(りんざき・ひろみ) 女子20番 湯浅季莉(ゆあさ・きり)
戦闘記録
1 ○ 原裕一郎(男子13番)
室町古都美(女子9番) v.s. 相葉優人(男子1番) ×
小石川葉瑠(女子5番)
(5/31 9:07p.m. 相葉優人 退場)
(5/31 9:08p.m. 小石川葉瑠 退場)
2 ○ 榊原賢吾(男子7番)
松栄錬(男子9番)
鷹城雪美(女子9番)
湯浅季莉(女子20番) v.s. 春川英隆(男子14番) ×
望月卓也(男子17番)
財前永佳(女子6番)
広瀬邑子(女子15番)
(5/31 11:04p.m. 広瀬邑子 退場)
(5/31 11:11p.m. 春川英隆 退場)
第10班リーダー変更:春川英隆→財前永佳
(望月卓也・財前永佳 撤退)
チーム編成
1班 男子一番・相葉優人 男子八番・宍貝雄大 女子三番・荻野千世 女子五番・小石川葉瑠
2班 男子二番・芥川雅哉 男子十五番・日比野迅 女子十一番・奈良橋智子 女子十七番・水田早稀
3班 男子三番・雨宮悠希 男子五番・川原龍輝 女子七番・佐伯華那 女子十九番・山本真子
4班 男子四番・池ノ坊奨 男子十六番・真壁瑠衣斗 女子二番・上野原咲良 女子十番・高須撫子
5班 男子六番・木戸健太 男子十番・城ヶ崎麗 女子一番・朝比奈紗羅 女子十二番・鳴神もみじ
6班 男子七番・榊原賢吾 男子九番・松栄錬 女子九番・鷹城雪美 女子二十番・湯浅季莉
7班 男子十一番・田中顕昌 男子十九番・芳野利央 女子八番・阪本遼子 女子十三番・蓮井未久
8班 男子十二番・内藤恒祐 男子二十番・林崎洋海 女子四番・如月梨杏 女子十六番・星崎かれん
9班 男子十三番・原裕一郎 男子十八番・横山圭 女子十四番・平野南海 女子十八番・室町古都美
10班 男子十四番・春川英隆 男子十七番・望月卓也 女子六番・財前永佳 女子十五番・広瀬邑子
涙ながらに訴えてくる鷹城雪美(女子九番)を前に、上野原咲良(女子二番)はどうするべきなのかわからなくなった。
まず、雪美とはそこまで親しい間柄ではない。
雪美はクラスの中でも大人しい女子のグループに属し、クラスの中心で盛り上がる城ヶ崎麗(男子十番)といつも行動を共にしている咲良には滅多に近付いてこない。
学校行事での様子から見て、雪美は目立って騒ぐことがあまり好きではないのだろうな、という印象を持っていた。
用事があれば普通に会話をするが、取り立てて用事のない時には関わることが滅多にない、それが雪美と咲良の距離だった。
そんな咲良に、どうして雪美は助けを求めるのか。
そして、雪美は先程自分たちに襲い掛かってきた松栄錬(男子九番)と湯浅季莉(女子二十番)と同じ班だったはずだ。
それに、忘れもしないプログラム開始直後の銃声――雪美たちの班と麗たちの班以外がまだ教室にいたことから、あの銃声に雪美たちが関わっている可能性は非常に高く、それは雪美たちが麗たちを襲った可能性も高いことを示している。
麗はプログラムに乗らないことを宣言していたし、同じ班の木戸健太(男子六番)・朝比奈紗羅(女子一番)・鳴神もみじ(女子十二番)が麗の意思に背くこともクラスメイトを自ら傷付けようとすることもとても考えられない。
戦う意思のない麗たちをおそらく襲っておきながら、今どうして泣いて助けを請うているのか。
「ふざけるなよ、鷹城」
隣から低く唸るようなベースボイスが聞こえ、咲良は顔をそちらに向けた。
真壁瑠衣斗(男子十六番)がいつになく鋭い目で雪美を見据え、手に携えていたボウガンを雪美に向けていた。
池ノ坊奨(男子四番)も小さな目を見開いて瑠衣斗を見ていた。
「瑠衣斗くん…っ」
よくわからないけれど助けを求めているクラスメイトに対して武器を向けるだなんて信じられず、咲良は瑠衣斗の袖を掴んだが、瑠衣斗に振り払われた。
「わかってるだろ、上野原。
鷹城の班は、プログラムに乗らないと言った城ヶ崎たちを襲ったかもしれない。
それは仮定の話だとしても、鷹城の班の湯浅と松栄が僕らを襲ったのは事実だ。
僕らを襲っておきながら『助けて』?
そんな悪ふざけが通用するとでも思ってるわけ?」
瑠衣斗の言葉に、咲良は何も返すことができなかった。
咲良自身感じている疑問と同じことを瑠衣斗が口にしていたので。
「ひ…酷いわ…真壁くん…!!
悪ふざけだなんて…そんな…!!」
雪美は垂れ目がちの瞳からぼろぼろと涙を零しながら、その場にへたり込んだ。
ボウガンの矢先を向けられながら、雪美は身体を小刻みに震わせて小さく首を横に振った。
「あ、あたし…違うの…あたしは何もしてないの…!!
城ヶ崎くんたちにだって会ってないわ…!!
あたし、こんな…プログラムなんて…怖くて…やりたくなんかなくて…
でもみんな…賢吾も季莉ちゃんも松栄くんも『死にたくない』って…それで…」
雪美はしゃくり上げながら、泣き腫らした目を咲良たちに向けた。
プログラムという絶望的な状況下において咲良が自分を保っていられるのは、今傍にいる奨や瑠衣斗、自分たちを逃がしてくれた高須撫子(女子十番)が味方として傍にいてくれることが大きい。
それなのに、雪美は本来傍にいてくれるべき仲間たちに敵意を向けられたという。
それはどれ程の絶望か。
もしも、咲良が今の雪美のように誰も頼ることができない状況で命を狙われているとしたら――考えただけで怖くてたまらない。
咲良の脳裏に蘇るのは、明け方に内藤恒祐(男子十二番)・林崎洋海(男子二十番)・如月梨杏(女子四番)・星崎かれん(女子十六番)に襲われた時の光景。
リーダーの梨杏が死亡したことにより、3人の首輪から警告音が発せられた。
恒祐とかれんが死への恐怖に慄き、助けを求めてきたけれども、咲良にはどうすることもできず、死にゆく様をただ見ていることしかできなかった。
恐怖からかれんを突き離し、恒祐が差し伸べてきた手も撫子が踏みつけた。
恒祐が掴んできた時の感触は、今も咲良の足首に残っている。
あの時は、クラスメイトなのに、見殺しにすることしかできなかった。
もう、誰かを見殺しにするだなんて、絶対にしたくない。
瑠衣斗の制止を振り切り、咲良は雪美の前にしゃがんで視線の高さを合わせ、雪美の肩に手を置いて微笑んだ。
「怖かったね、雪美ちゃん…
大丈夫、『誰も頼れない』なんて言わないで。
班なんて関係ない、あたしたちはクラスの仲間だもん。
あたしが、雪美ちゃんを護るから」
「あ…ありがとう…上野原さん…!!」
雪美は涙を拭いながら小さく笑んだ。
瑠衣斗が何か言いたげな視線を咲良に送っている――瑠衣斗はまだ雪美のことを怪しいと思っているのだろう。
けれど、こんなに泣きじゃくっているのに、嘘だなんて思えない。
「…うーん…みんな、話せばわかってくれないかなぁ…
雪美ちゃん、榊原くんのことは下の名前で呼んでるってことは仲良しなんだよね?
季莉ちゃんとも話してるところ何度も見たことあるし。
こんなことやっちゃダメだってわかってもらって仲直りするのが一番良いよね」
後ろで大きな溜息が聞こえ、咲良は振り返った。
瑠衣斗が頭を抱え、眉間に皺を寄せていた。
「…瑠衣斗くん、あたしのこと、呆れてる?」
「まあね。
本当に君は…人が良いというか何というか。
松栄と湯浅に襲われて、鷹城の言葉を信じるなら榊原は拳銃を持ってて…
それでもまだどうにかできるって思ってるあたりがおめでたいな、と思ってるよ」
「瑠衣斗さん…あの…咲良さんを悪く言うのはやめてください…
自分も、咲良さんの言ってることは正しいと…思います」
咲良と瑠衣斗の間に奨が割って入った。
奨の大きな背中の向こうで、瑠衣斗がもう一度溜息を吐いているのが見えた。
「別に、悪く言ってるつもりはないよ。
こんな状況でも上野原も池ノ坊も変わらない…それは良いことなんだろうし。
まあ、僕は榊原や松栄たち、鷹城だって信じる気にはなれないけど」
瑠衣斗が慎重になるのももちろんわかる。
自分の命が掛かっている上に、瑠衣斗は自分の死で咲良と奨と撫子を巻き添えにしてしまうのだから、何事も疑ってかからないといけないと思っているのかもしれない。
だけど、泣いている女の子を前に聊か冷たいのではないかとも思ってしまう。
「大丈夫だからね、雪美ちゃん。
瑠衣斗くん、口ではああ言ってるけど、本当は優しい人なの。
…瑠衣斗くんだけじゃない、季莉ちゃんも松栄くんも榊原くんも…
みんな、本当は雪美ちゃんを襲いたくなんてないはずだよ?」
皆のことをよく知っているわけではない。
けれども、季莉は少しきつい性格をしているけれども人懐こい子だし、錬は大人しくて本に関しては多くの知識を持っている。
そして榊原賢吾(男子七番)は咲良とは1年生の時から同じクラスで、無口でとっつきにくく自分にも他人にも厳しいけれど、真っ直ぐな人で咲良もお世話になったことがあり、良い人だということはわかっている。
プログラムだなんて、クラスメイトを傷付けるだなんて間違っていると、話せばきっとわかってくれるはずだ。
雪美は目を細めて笑み、咲良の両手を握った。
「ありがとう…本当にありがとう上野原さん…
そう言ってくれて、あたし、とても嬉しい…!!
そうよね、話せばきっとわかって――……ッ!!」
雪美の視線が咲良から外れ、咲良の後方へと向けられた。
雪美の垂れ目がちの瞳が限界まで見開かれたのに気付き、咲良も雪美の視線を追って肩越しに振り返り――目を見開いた。
木の陰から、雪美を狙っているという榊原賢吾が現れたのだ。
「きゃああああッ!!」
雪美が悲鳴を上げ、咲良にしがみ付いた。
咲良は咄嗟に雪美を自分の背中の後ろへ隠して腰を浮かせ、賢吾を見上げた。
その隣では、瑠衣斗がボウガンを構えた。
「瑠衣斗くん、待って…
榊原くん…お願い、話を聞いて…?」
賢吾の小さいが鋭い双眸が咲良を見下ろしていた。
その視線に背筋が凍る思いだったが、それ以上に賢吾のカッターシャツが赤黒く変色しており、顔や首筋にも拭いきれなかったと思われる斑点が付着していることにぞっとした。
季莉や錬と同じく、賢吾もやはりやる気になっているという証拠だ。
怖い…けど…雪美ちゃんを護らなきゃ…
大丈夫、きっと話せばわかってくれる、話さなきゃ何も始まらない…!
咲良は大きく息を吐くと、賢吾の目をじっと見つめた。
「榊原くん、お願いだから、誰かを…雪美ちゃんを傷付けようとしないで。
プログラムなんて間違ってるの、こんなことやったらダメなの。
本当は榊原くんもわかってるんでしょう?」
「そこを退け、上野原…俺が何をしようが、関係ないだろう」
威圧感のある声に気圧されそうになるが、咲良は見逃しも聞き逃しもしなかった。
賢吾の目が泳いだのも、語尾が僅かに震えていたのも。
本当は賢吾もわかっているのだ、そうに違いない。
プログラム本部となっている小中学校から見て真東にあたるE=06エリアのほぼ中心には、御神島唯一の神社が存在し、そこに4人の男女がいた。
島の名前に“神”が入っているが、特別な神様を祭っているものなのかどうかは不明である(この島に昔から住んでいる人に聞けばわかるかもしれないが、生憎プログラムのために島民は全て追い出されてしまっているので聞きようがない)。
まあ、何を祭っていようが関係ない。
たとえ神がいようが何だろうが、現在ここは戦場なのだから。
1時間半前にあった定時放送では7人の名前が呼ばれた。
その中で実際に亡骸を確認したのは、教室で全員の眼前で射殺された田中顕昌(男子十一番)と、小中学校から僅かしか離れていない場所で倒れていた横山圭(男子十八番)のみで、後はこの島のどこかで斃れているらしいが実感が湧かない。
本当に自分たちが殺し合いなんてしなければならないのだろうか、これは全部悪い冗談で、放送で名前を呼ばれた人たちもドッキリに加担していて後でひょっこり顔を出すのではないだろうか――人の亡骸を見ても尚そう思えてしまう。
そう思えてしまう大きな要因は――
佐伯華那(女子七番)は右手に持っている卓球ラケットをじっと見つめた。
家庭科部に所属し運動は苦手でのんびり屋の華那には卓球を趣味にした覚えはない――これがデイパックに入っていた支給武器らしきものだった。
スポーツの道具にしても、例えば野球のバットやホッケーのスティックであったなら武器と言われても頷くことはできるのだが、卓球のラケットで何ができるというのか。
「華那、ラケットがどうかした?
へへっ…それがバドミントンのラケットだったら、バドミントンしたいんだけどなー」
華那の隣で膝を抱えて座っていた山本真子(女子十九番)がにこりと笑んだ。
真子はクラスの中では目立たないグループに属する華那とは違い女子主流派グループの中でいつも騒いでいる、広瀬邑子(女子十五番)に次いで小柄な女の子で、確かバドミントン部に所属していたと記憶している。
教室ではライド(担当教官)に、「自分の父親は国会議員なのに、どうしてプログラムに選ばれてしまったのか」という趣旨の質問をしたが責められるように言葉を返されて泣いてしまい、今も目が腫れてしまっている。
笑顔にも元気は感じられないし、活発さを表しているかのようなサイドポニーも今はセットが乱れてしまっている(そう言う華那自身も、天然パーマの短めのツインテールが大いに乱れているのだが、鏡を見ていないので気付いていない)。
そんな真子の傍には、これさえ捲れば大抵の言葉の意味を知ることができるであろう大東亜広辞苑が置かれているのだが、そんな知識の本こそが真子の武器だ。
「いいねーバドミントンかー…俺結構強いと思うんだけど!
ふふふふーんふーん、ふふふふーんふーん、ふふふふーんふーん、ガンニョムー♪
ああっ、ちょ…顔に嵌めるパーツ落ちた!!」
地面と砂を被ったコンクリートの地面と睨めっこをする川原龍輝(男子五番)の右手には、組み立てかけのプラモデルが握られている。
それは、1970年代に初めてテレビ放映されてから幾度も様々なシリーズが放映され、大東亜人ならその名を知らない者はいないであろう世代を超えた人気アニメ『機動戦士ガンニョム』シリーズで、登場人物たちが登場して宇宙で戦う人型機動兵器を模したプラモデル、通称・ガンプラ――卓球ラケットや広辞苑も大概だと思うが、信じられないことにこれが龍輝に支給された武器だ(武器でも何でもないが。そして卓球ラケットや大東亜広辞苑にもそれは言えることだが)。
龍輝との会話の間も手鏡とピンセットを用いて自分の眉毛を整えることに必死になっているのは雨宮悠希(男子三番)、龍輝の親友の1人だ。
纏う空気がとても爽やかで文武両道でサッカー部に所属し性格も容姿も良い悠希は、帝東学院中等部屈指のイケメンで人気を二分する城ヶ崎麗(男子十番)と春川英隆(男子十四番)と違って家柄が普通なので(麗も英隆も大企業の御曹司だ、とても普通とは言えない。比べて悠希の父親は公務員らしいので、その普通さに安心感を憶える)、とっつきやすいイケメンだと言われそれなりに人気がある。
難があるとすれば、悠希自身が自分の容姿の良さを自覚している上に、麗や英隆には人気が及ばないことに心から疑問を抱いているというナルシストなところだろう。
「悠希、眉毛抜いてるお前の顔、なかなかおもれーぞ、いいのかよー」
「えー、それは良くないなぁ…
俺のかっこよさが台無しになっちゃうね」
「あ、そこ笑うところ?」
「何でだよもー俺すっごい真剣なのに」
悠希のナルシスト発言は普段からよく耳にはしているのだが、どうもそれが厭味ったらしく聞こえないのは、悠希の爽やかな雰囲気もあるだろうが、傍にいる龍輝がそれを茶化すことで冗談めかしてしまうからかもしれない。
冗談めかしても悠希は怒らないどころか笑って返すので、ただの親友同士の冗談のやりとりにしか聞こえなくなるのだ。
そんな悠希の傍には、サッカー少年には不似合いな中華包丁が置かれている。
4人の中では唯一武器になりえる支給武器だ。
卓球ラケット、広辞苑、ガンプラ、中華包丁――4人のデイパックから出てきた物たちがあまりに戦闘を連想させない物ばかりのため、いまいちプログラムという実感が湧かないのだ。
湧かないからこそ龍輝はガンプラ作成に没頭し、悠希は眉毛を抜くことに全神経を集中させることができている。
華那たちは第3班として名前を呼ばれた。
芥川雅哉(男子二番)・日比野迅(男子十五番)・奈良橋智子(女子十一番)・水田早稀(女子十七番)が第2班として名前を呼ばれた時点で、残り2つの班のうちの1つはこのメンバーになることは全員が予想できていただろう。
何しろ残るメンバーは華那たちの他には、城ヶ崎麗を取り巻くグループの残りの4人だったのだから。
龍輝と悠希は普段から一緒にいる親友同士だし、華那と龍輝は同じ小学校出身で縁があるし、華那と真子はグループが違うが言葉は交わす間柄だったので、チームとしては悪くなかった。
既に8チームが戦場におり何度か銃声も響いていたので恐怖はあったが、とにかく走って小中学校から離れれば的にはされないだろうという悠希の提案で4人は走った(走るのが苦手な華那は龍輝に手を握られ引き摺られるように駆けた)。
プログラムという状況に慄き、辿り着いた神社の裏側に身を隠し、今に至る。
恐怖に慄いていたはずが、いつの間にかこんなにも平和な空気になってしまったが。
大体出来上がったガンプラの仕上げの作業を龍輝に依頼され、狼狽する様子を悠希にからかわれ、真子は顔を真っ赤にしていた。
真子は女子相手では非常に元気のある子で人当たりも良く、このクラスの中ではどちらかというと取っつきにくい女子とされるギャルグループの湯浅季莉(女子二十番)とも出席番号が前後であるからか気軽に話しかけているところをよく目にする位には積極的なのだが、男子が相手になるとやや萎縮しているように感じる。
意外にも男子が苦手らしい。
そんな真子こそが、華那たち第3班のチームリーダーだ。
腕にある王冠型の印を見た時には青褪めていた真子だったが、龍輝があまりにもあっけらかんと「なんとかなるって、あっははっ」と笑い飛ばし、悠希があまりにも爽やかに「山本さんのことは護るからね」と王子様のように告げ、華那があまりにも呑気に「みんなで生きればいいだけの話だよー」と述べたこともあり、今はリーダーとして全員の命を背負っているというプレッシャーはあまり感じていないように見えた。
「んー……できたっ!
どうでしょうかっ、川原くん!」
「おっ、いーじゃんいーじゃん、ありがとなー!
よっし、ガンニョムエキュシア完成…『俺が…ガンニョムだ!!』」
「何それ」
「あ? エキュシアのパイロットの真似だって。
なんだよ悠希お前見てなかったのかよ、ガンニョム」
「逆に、龍輝は見てたんだー」
「俺だけじゃねーよ、優人とか恒ちゃんだって…」
龍輝は口を噤み、視線を下に向けた。
恒祐が既にこの世にいないということを思い出したのだろう。
冗談ではないか、ドッキリではないかと思っていても、顕昌や圭の亡骸を目撃してしまっている以上はプログラムが本当に進行しているということを頭の中のどこかで認識しているのだ、華那も、龍輝たちも。
「…実際さ、どうなんだろうな。
プログラムに乗るヤツがこのクラスにいるってことが信じられないんだけど」
龍輝が先程までガンプラを作成していたとは思えないような真剣な面持ちで呟いた(しかしその手にはガンプラが握られている。緊張感が台無しだ)。
真子と悠希の表情も曇る。
「…なんか想像できないね、みんなが銃撃ったりしてるのとか…」
悠希が溜息混じりで呟いた。
「なー、優人とか逃げる姿は想像できても追う姿は想像できねーし。
たっくんもこんなの絶対嫌がってるだろうしな。
迅とヒデなんて俺らのオトンとオカンみたいなモンだからな、できるわけねーよ!
あーあ…会いたいな、また馬鹿みたいなことで騒ぎたいなぁ」
龍輝が指折り親しい友人の名前を述べていった。
龍輝たちの知らない所で、春川英隆と望月卓也(男子十七番)の属する第10班が相葉優人(男子一番)のいる第1班と迅のいる第2班を襲ったということなど、当然龍輝たちは知る由もない。
龍輝は気遣わしげにそう言うと、華那の色素の薄い天然パーマの頭を優しく撫でた。
いくら昔からの縁があるからとはいえ、年頃の男の子が彼女でもない女の子にするような行為ではないと思うのだが、気遣ってくれてのことだから文句は言わない。
龍輝の言う通り、華那とペースが似ているのんびり屋の荻野千世(女子三番)と同じ班の宍貝雄大(男子八番)と、非常に大人しく内気な室町古都美(女子十八番)と同じ班の圭が名前を呼ばれていることは気に掛かる。
華那が言える立場ではないのだが、2人共鈍くさいところがあるので、怪我などしていなければ良いのだが。
「それに鷹城のことも心配だろ?
俺あんま喋ったことないけどさ、大人しい感じだし…」
「…うーん……まあ……」
華那は言葉を濁した。
その反応が予想とは違うものだったからか、龍輝が怪訝な表情を浮かべ、悠希と真子も顔を見合わせて首を傾げていた。
華那は、鷹城雪美(女子九番)に対して苦手意識を持っていた。
雪美は自分のことをあまり語らないミステリアスな部分もあるが、基本的にはとてもおっとりとしていて穏やかな笑顔を絶やさない穏やかな人だ。
それでいていつも華那たちの手を引いて導くような優しさのあるリーダーシップを持っているので、千世はいつも雪美を頼っているし、古都美は雪美にべったりだ。
しかし、華那はそんな雪美に違和感を憶えていた。
穏やかな笑顔はいつも貼り付けているだけの上辺だけのものに見えたし、おっとりした口調でたまに冷たい言葉を吐くことがあるのだけれどそれが妙に板についていたし、いつもどこか冷めた目で華那たちを見ているような気がしていた。
古都美なんかは「雪ちゃんの笑顔は優しいよね」と絶賛するけれども、華那に言わせれば、どんなに表情が笑っていても目がちっとも笑わないあの笑顔は不気味だ。
とにかく、怖いのだ。
鷹城雪美という、友人カテゴリーに入るはずの同級生のことが。
「佐伯さん…?
大丈夫? 顔色悪いけど…」
悠希が心配そうに華那の顔を覗き込んだ。
一般的な女の子が向けられれば赤面するであろう端正な顔が華那の視界いっぱいに広がり、華那はへらっと笑みを浮かべた。
悠希は華那のタイプではないけれど、その気遣いはありがたかった。
「あ、うんー、ありがとう雨宮くん。
かな大丈夫だよー…――ッ!!」
華那は小さな目を大きく見開いた。
華那だけでなく、その場にいた全員が戦慄した。
何者かの足音が近付いてきたのだ。
クラスメイトが襲ってくるということが想像できなくとも、やはり戦場における第三者の気配は心地良いものではない。
神社の拝殿の裏側にいる華那たちに身を隠す場所はない――建物の裏側までわざわざ誰も来ないだろうと高をくくっていたのだが、それは甘すぎる考えだったと後悔するがもう遅い。
拝殿の角を曲がり、その何者かが姿を現した。
華那たちに刺すような鋭い視線を向けたその人物――榊原賢吾(男子七番)は、右手に携えていた刀を鞘から抜くと、一直線に突っ込んできて距離を詰めてきた。
剣道部に所属している賢吾が刀を持っているというのは、たとえ剣道という型をはみ出た動きをしていても恐ろしいことこの上ない。
賢吾は普段と変わらない硬い表情を崩さず、華那の頭上目掛けて刀を振り下ろした。
「華那ッ!!」
刹那、華那は龍輝に腕を引っ張られてその身体を龍輝の胸の中に埋めた。
その勢いのまま2人は抱き合った状態で地面を転がった。
刃は空を切り、地面に当たって不快な音を鳴らした。
「華那、川原くん…ッ!!」
「甘い甘いっ、他所見してたら駄目よ、真子ッ!!」
華那と龍輝に気を取られていた真子は、名前を呼ばれ振り返り、目を見開いた。
賢吾が現れた角とは反対側から、別のクラスメイトが襲い掛かってきていたのだ。
金髪を巻いたツインテールに赤いピアス、紫色のセータという派手な容姿をした、ギャルグループの1人である湯浅季莉(女子二十番)が、真子に掴み掛ろうとしていた――その手に、鎌を持って。
鷹城雪美(女子九番)は、少し大人しめで目立たないごくごく普通の女の子――と周りから見られるように生活してきた。
雪美の実家は少々という修飾語がとても似合わない程に特殊だ。
何を隠そう、雪美の家は、関東一円でその筋の者からは恐れられている極道“鷹城組”。
祖父が組長を務めており、雪美も家を出入りする祖父の部下たちからは“お嬢”と呼ばれ祭り上げられている。
怪我をしている人間を見るのは日常茶飯事で、時には銃撃戦なども起こり、父は抗争に巻き込まれて既にこの世にはいない。
雪美は、そんな特殊な家庭が、嫌いだった。
誰にも知られたくなかった。
帝東学院は名門校で良家の子息息女が多く通うからか、親の職業などを気にする子どもは少なくない。
特に初等部では、それがとても顕著だった。
出る杭は打たれるという諺があるが、確かに少し周りより突出すれば、それに僻んだ者たちはその者の家柄を知りたがり、例えばそれがごく普通の庶民であれば『家が大したことないくせに、良い気になるな』と嫌がらせを受けるのだ。
しかし、雪美の場合は家のことを知られると恐れられ、悪い意味で目立ってしまう。
奇異の目で見られるのも後ろ指を指されるのも御免なので、雪美は極力目立たないように生活を送ってきた。
化粧などをして目立つことはしない、髪も大きくいじらずに黒いウェーブのかかった髪を後ろで束ねるだけにする、制服も着崩さずスカート丈も無難な長さにする――雪美の顔立ちは誰もが振り返るような恵まれたものでもなければ後ろ指を指され笑われるような落ち目でもないものだし、背丈や横幅も平均的なので、これで良い意味でも悪い意味でも目立つことはなかった。
そして所謂主流派グループと呼ばれるような、クラスの中心になってイベントなどで盛り上がり目立つ集団には決して属さなかった。
だからといって、孤立してはいけない。
孤立しても目立ってしまい、あることないこと噂を立てられてしまう。
目立たない友人を作り、目立たない位置にいるのがベストなのだ。
友人を作ってべたべたとすることなど面倒なことこの上ないのだが(特に女子はどうしていつもどこでも集団行動をしようとするのか。移動教室ならまだしも、トイレにぞろぞろと集団で向かうなど、鬱陶しいことこの上ない)、家庭の事情がバレる方が余程面倒なので仕方がない。
お陰様で、校内で雪美の素性を知る者はほんの一握りしかいない。
クラス替えの度に良さそうな友人を作ってきた雪美が現在のクラスで最初に目を付けたのが、出席番号が近く且つ大人しそうに見えた佐伯華那(女子七番)だった。
物事を深く考えていなさそうだし、中等部から入学してきたという華那であれば人の家柄を気にすることもないだろう――そう考え、声を掛けた。
「あの…佐伯さん…よかったら、お友達になってくれない?
あたし…あんまり人に声掛けるの得意じゃないんだけど…
佐伯さん可愛いなって、お友達になりたいなって、そう思って…」
しどろもどろ言葉を紡ぎ出し、大人しく人見知りをするけれども華那には良い印象を持ったから勇気を出して声を掛けてみた、そんな自分をアピールする。
笑顔を浮かべて好意を見せれば相手は受け入れてくれる、これまでの経験で雪美はしっかりと学んでいた――友達を作るなんて、ちょろいものだ。
「あーえっと…鷹城さん…だっけ?
うん、ありがとー、よろしくね」
ほら、すんなりと友達になることができた。
少し警戒しているような表情を浮かべていたけれど、初めてクラスメイトになった子に話し掛けられれば大抵はそういう反応を示すものなので、気に留めなかった。
同じような手法で、のんびり屋故か友人作りに乗り遅れていた荻野千世(女子三番)と、見るからに自分に自信がなさげで大人しくて1年生の時からクラスメイトだったという星崎かれん(女子十六番)から嫌がらせを受けていた室町古都美(女子十八番)にも声を掛け、1つのグループを作った(奈良橋智子(女子十一番)にも声を掛けても良かったのかもしれないが、彼女の頭の良さは知っていたのでやめておいた。頭の良い人間は厄介だ)。
今しがた雪美のチームメイトである榊原賢吾(男子七番)と湯浅季莉(女子二十番)に襲われたばかりだというのに、雪美の涙声での訴えに、雨宮悠希(男子三番)と川原龍輝(男子五番)の顔には動揺が見て取れた。
ホント、男って女の泣き落しに弱いんだから。
しかし、華那は眉をハの字に下げたものの、その瞳から警戒の色は薄れなかった。
「…探してくれてありがとうね。
でも、雪ちゃん、かなたちのこと襲ったよね…?
かなたちの…かなのこと、殺そうと思って探してたの…?」
思っていた以上に警戒されているようだ――雪美は一瞬ぴくりと眉間に皺を寄せたがすぐにそれを解き、ふるふると首を横に振った。
「ち…違う…そんなわけないじゃない…!
賢吾と季莉ちゃんも、悪気があったわけじゃなくて…
あ、あたし、リーダーだから…護ってくれようとしただけで…ほら…!」
雪美はセーターとブラウスの袖を捲り上げ、リーダーの証である黒い王冠の模様を華那に見せた。
リーダーが誰かということを他の班の人間に見せるのは百害あって一利なしなのだが、まあ問題ないだろう。
「ねえ、鷹城さん…訊いてもいいかな…?」
あたしと華那ちゃんの会話を邪魔しないでほしいわね、まったく――という本心はもちろん口にも顔にも出さず、雪美は問いかけてきた悠希に視線を移した。
山本真子(女子十九番)を庇って季莉に刺された肩は相当痛むようで、端正な顔は苦痛に歪んでいる。お気の毒に。
「俺たち、鷹城さんたちの班と麗たちの班しかまだ出発してなかった時に、銃声を
聞いたんだけど…
あれは…鷹城さんたちなの?
麗は『やらない』って言ってたのに、それでも護るとか言って、攻撃したの…?」
雪美は再び僅かにぴくりと眉を上げた。
成程、いつも主流派グループの中で馬鹿みたいに騒いでいる馬鹿な集団の一員だという認識しかなかったが、悠希は痛みに苦しみながらも頭はしっかりと働いているらしい――少々侮っていたようだ。
悠希の指摘通り、雪美たちは教室を出発してそう時間が経たないうちに、本部から左程離れていない場所で、一足早く教室を出発していた城ヶ崎麗(男子十番)・木戸健太(男子六番)・朝比奈紗羅(女子一番)・鳴神もみじ(女子十二番)を発見した。
このメンツを見た時に、リーダーに指名されていそうな人物はどう考えても麗しかいないという予想をし、雪美は賢吾に指示をして麗を襲わせた。
しかし賢吾が襲いかかる直前に健太と紗羅に勘付かれてしまい、季莉に紗羅を攻撃するように依頼したのだがこれも麗に阻まれ、結局逃走を許してしまった。
「ハズレ、逆にあたしたちが撃たれた側なんだけど。
あれ、木戸よ?
ま、誰にも当たらなかったから良かったけど」
口を挟んできた季莉を睥睨した。
どのように話を運ぼうか考えることを楽しみながら言葉を紡いでいるというのに、季莉に邪魔されては興醒めするではないか――と思ったのだが、独りでべらべらと喋るのも怪しまれるかもしれないので、視線が合った季莉には笑顔を見せ、視線を華那たちに戻した。
「あたしたち…逃げたの…
城ヶ崎くん、『乗らない』って言ってたから、声を掛けようとしたのに…」
流石にこの情報には衝撃を受けたようで、とろんとしていた華那の目が小さいながらもいっぱいに開かれていた。
「まさか…」
いつも勝気で元気一杯に馬鹿なことをしている龍輝が、驚愕と悲愴を混ぜたような打ちのめされた表情を浮かべ、唇を震わせていた。
足を止めかけた華那を批難するように龍輝が叫び、2人の様子がおかしいことに気付いた悠希と真子も速度を緩めた。
その間に賢吾と季莉が距離を詰める。
龍輝と華那に向けて刀を振り被った賢吾の懐に、龍輝が渾身の力を込めた体当たりを喰らわせて賢吾を地面に這い蹲らせた。
そのまま悠希と真子に襲いかかろうとしていた季莉に横から体当たりを喰らわせると、季莉は悲鳴を上げながら吹っ飛ばされ、拝殿の壁に身体を打ちつけた。
「多分アイツらにも飛び道具はねぇっ!!
逃げるぞ、逃げ切ってやるッ!!」
龍輝が叫ぶ。
さすがはクラスのムードメーカーだ、皆を鼓舞することは十八番らしい。
でも、甘いわ。
「龍くん、前…ッ!!」
雪美がほくそ笑んだのと華那が叫んだのは、ほぼ同時だった。
雪美が言った“何か忘れていないか、違和感はないか”、その言葉の意味を、華那はすぐに理解していた(本来全員が疑問に思うべきなのだと思うが、クラスメイトに襲われた恐怖で頭からぽろんと抜け落ちていたのだろう。だからこそ、言葉の意味を瞬時に理解した華那は、やはり最高なのだ)。
華那たちが逃げようとしていた方向から、人影が現れた。
黒くサラサラとした坊ちゃんヘアー、縁なしの眼鏡とその奥の弱々しい瞳――雪美の班の4人目、これまでずっと姿を隠していた松栄錬(男子九番)が、黒い銃身とブラウンのグリップの小型自動拳銃、S
池ノ坊奨(男子四番)・真壁瑠衣斗(男子十六番)・上野原咲良(女子二番)を逃がすことに成功した高須撫子(女子十番)は、湯浅季莉(女子二十番)が自分に向けて振り下ろそうとしている鎌を季莉の腕を掴んで止めていたのだが、大きく一呼吸した後全力で季莉の腕を腕相撲のように左側へ押し退けた。
変な方向に腕を捻られた季莉はたまらず悲鳴を上げ、右腕を押さえながら撫子から距離を取り忌々しげに撫子を睨んだ。
「3人も逃がしちゃったじゃない…どうしてくれるわけ…!?」
「は? どうするもこうするもないでしょう?
そちらに敵意があるのなら、戦おうが逃げようが逃がそうが、こちらの勝手。
湯浅さんがとやかく言えることではありません」
「うるさいッ!!
何もわかってないくせに…ッ!!」
撫子は眉を顰めた。
確かに死にたくないと思うのなら班のメンバー以外は全て殺害しなければならないというルールの下にいるのだから、ようやく会えた敵を逃がしたくないという気持ちはわからなくはない。
しかし、それにしては、季莉の様子は切羽詰まり過ぎではないだろうか。
状況から見ればどちらかというと撫子の方が追い込まれているような気もするのだが(松栄錬(男子九番)が怪我をしているとはいえ、人数ではこちらの方が不利なのだから)、むしろ季莉の方が追い詰められているように見える。
まあ、季莉たちの身に何が起こっていようが、撫子には関係のないことだ。
[ピーーー]気で向かってくる気なら、殺しても仕方がないくらいの気持ちで向かうまでだ。
季莉たちをここで放っておけば、きっと城ヶ崎麗(男子十番)たちの障害になる。
それよりも何よりも、大切な親友である咲良に危害が及びかねない。
何を考えているかわからない奨や、庶民のくせに身分不相応にも成績で麗の上を行っている瑠衣斗のことなんてどうでもいい(いや、瑠衣斗の身に何かあれば自分も咲良も首が飛んでしまうのでどうでもいいことはないか。命を握るリーダーとしては大事な存在だが、仮にそのルールがなかったとしたら瑠衣斗が死のうがどうしようが関係ない、という意味だ)。
しかし、大切に想う麗と咲良に危険が降りかかるのならば、それは全力で阻止しなければならない。
大体、錬のことはよく知らないが、季莉とはそりが合わない。
家柄を重視する撫子から見て、季莉の家柄はかなりのもの――というより学内でもトップクラスのお嬢様の季莉のことは本来尊敬すべきなのかもしれない。
しかし、素晴らしい家に生を受けながら、頭が悪いとしか思えない派手な格好をして騒いでいるその姿が許し難いのだ。
金髪の縦ロールのツインテールも、元の顔がわからない程に施された化粧も、校則を大きく無視した制服の着こなし方も、まるでテレビの中で見かける頭が軽そうで馬鹿騒ぎしているレベルの低い庶民の学校に通う下等な庶民にしか見えない。
わざわざ自分の地位を下げている季莉が理解できない。
一時は喧嘩という野蛮な行為もしていたことも、気に入らない要素の一つだ。
芳野利央(男子十九番)はチームメイトである阪本遼子(女子八番)・蓮井未久(女子十三番)と共に南西にある住宅地の中を東に向けて移動していた。
少し前まではG
明るい髪色、離れた場所にある体の両手首にはリストバンド、ブラウンを基調としたチェック柄のズボンは膝のあたりまで捲りあげられている――この派手な容姿は内藤恒祐(男子十二番)に違いない。
更に目を凝らすと、恒祐より更に明るい色のセミロングヘアが生える頭部――女子でここまで明るい髪色をしていたのは星崎かれん(女子十六番)だけだ。
少し離れた場所には恒祐やかれんに比べればはるかに大きな体が横たわっていた、こちらはクラス一の長身を持つ林崎洋海(男子二十番)か。
そして唯一頭と体が離れ離れになっていない亡骸は、黒髪のストレートヘアーと眼鏡から如月梨杏(女子四番)だと判別できた。
この4人は確か最初の放送で名前を呼ばれ、ライド(担当教官)が『リーダーの如月さんの死亡によって残りのメンバーの首輪が爆発した』と言っていた。
よく見ると、梨杏の頭にはアンテナのようなものが突き刺さっていた。
どうやらこれが梨杏の死因で、梨杏の死により他の3人の首輪が爆発したようだ。
ぞっとした。
たまたまこれは梨杏の班で起こったことだが、この惨状が利央たちの迎える結末だという可能性だって十分にあるのだ。
改めてリーダーである自分が遼子と未久の命を背負っている、という意味の重さを知り、責任の重さに息を呑んだ。
とにかく、一刻も早くここを離れなければならない。
亡くなった梨杏たちには申し訳ないがこんな場所にはとても居続けられないし、遼子と未久が大きな悲鳴を上げたので、誰かに聞こえているかもしれない。
「蓮井、阪本…ここから離れよう、立てるか?」
「こ…腰が抜けて…足が震えて立てない…」
未久が上ずり震える声で訴え、遼子も小さく何度か頷いた。
これまで親しくしてこなかったクラスメイトの女の子の身体に触れるのはとても申し訳ないし、正直思春期を迎えた男子中学生としては恥ずかしくてたまらないのだが、いつまでもここに座らせているわけにもいかない。
ミニウージーのストラップを肩に掛けてから、「悪い、抱える」と詫びを入れ、先に小柄な遼子を脇の下に腕を通して抱え上げ、まるで抱き締めているような体勢になりながら茂みの外へと引きずり出した。
服の上からとはいえ自分とは違う柔らかい感触とどこか甘い香りがすることに柄でもなく照れながら、同じように未久も外へと引っ張った。
ほんの少しだけ嫌な臭いから解放されたが、惨状が目に焼き付いて離れない。
早くここを離れなければならないのだが、遼子も未久も腰を抜かしている状況ではすぐに移動することができない。
幾ら何でも、利央が2人を抱えて移動することなどできるわけがない。
どうするべきか――考え始めた利央の耳が、足音が近付いてくるのを捉えた。
まずい…
殺意を持って獲物を見つけたという考えで近付いてきているのなら、やるしかない…
利央は再びミニウージーを両手に持ち、足音が聞こえる方向へ向けた。
死なないためにはいつかは撃たなければいけない、頭の中ではわかっていても初めて撃たなければならないかもしれない状況に心臓が大きく脈打っていた。
殺らなければ、殺られてしまう。
アキヒロ(軍人)が教室で放った言葉が重く圧し掛かる。
万一自分が殺されてしまえば、遼子と未久をも殺してしまうことにならないのだから。
「おい、誰かいるのか!?」
声が聞こえ、近付いてきた足音が緩やかになり、そして止まった。
利央は大きく目を見開いた。
引き金に掛かりかけていた指の力が自然と抜け、ミニウージーを下ろした。
「芳野…芳野じゃねーか!!」
「城ヶ崎…」
目の前に現れたのは、生まれながらの明るい色の髪と白皙の肌、その中で光る赤みの強い瞳――利央の“好敵手”、城ヶ崎麗だった。
目の前に現れたのは、生まれながらの明るい色の髪と白皙の肌、その中で光る赤みの強い瞳――利央の“好敵手”、城ヶ崎麗だった。
後ろから追いかけてきたのは麗と共に教室を出た木戸健太(男子六番)・朝比奈紗羅(女子一番)・鳴神もみじ(女子十二番)だ。
麗たちはやる気ではないはずだ――体の力が一気に抜けた。
「悲鳴が聞こえてさ、急いで来てみたんだけど…何かあったのか?」
麗が辺りを見回しながら利央たちの方へ近付いてきたので、利央はその両肩に手を置いて動きを止めさせた。
訝しむ麗に対し、利央は首を横に振って見せた。
「見ない方がいい…如月の班が、そこで…死んでる」
麗は大きく目を見開いた。
利央は驚愕する麗の表情を改めて見、気付いた。
麗の目が酷く腫れていることに。
あ…そうか、池ノ坊が名前を呼ばれていたからか…
城ヶ崎も、泣くのか…
麗はいつも自信満々に笑みを浮かべている印象がとても強いので、泣いている姿など想像できなかった。
しかし、幼い頃から一緒にいたという池ノ坊奨(男子四番)が先程の放送で名前を呼ばれていたのだ、言葉では言い表せない程に悲しんだに違いない。
「城ヶ崎……その…池ノ坊のこと…何て言えばいいか……お悔やみを…言う…」
何と声を掛けるべきなのかわからないが、あの麗が目を腫らすまで泣いたのだから何も言わないわけにはいかなかった。
きっと麗は最期の時まで(プログラムだというのに、麗が死ぬだなんてことはとても想像ができない。ルールを捻じ曲げてでも麗は生き残っていそうだ)自分の意志を貫き通すのだろう。
「あ、あのさ、利央…」
唐突に声を掛けられ、利央は紗羅へと視線を移した。
紗羅は何事かを言い淀んでいたようだが、意を決したのか大きいが気の強さを窺わせる吊り上がり気味の目を利央へと向けた。
「プログラムに乗る、乗らない、で言えば…賢吾は乗ってるよ、きっと。
あたしたち、出発してわりとすぐに健吾と…あと季莉に襲われたんだよね…」
「…季莉……」
未久がぴくりと反応した。
確か未久と季莉はバレーボール部のチームメイトだったと記憶している。
そして、賢吾。
曲がったことを嫌う賢吾にとって、紗羅たちを襲うことは真っ直ぐな正義なのか。
「じゃあ、最初に聞こえた、銃の音は…?」
「そりゃ俺だ、紗羅と麗が危なかったから、威嚇で空に向けて撃ったんだよ」
遼子の疑問に間髪入れず健太が答えた。
プログラムに乗らないといった麗と、麗に付き従う健太と紗羅の言葉――物的証拠があるわけではないが、恐らく嘘ではないだろう。
「賢吾と湯浅…ということは、錬と鷹城もあわせて乗ったということか」
「松栄と鷹城?
さあ…俺たちが見たのは榊原と湯浅だけだったからな。
そうか、そういう班構成になってるのか。
なあ芳野、他の班がどうなってるか、わかるか?」
麗が訊いた。
麗たちは最初の出発だったので、他の班の構成がわからない。
出発直後に賢吾たちに襲われたのなら隠れて他の班の行動を見ることもできなかっただろうから、気の毒なことに先に出発するメリットはほぼ何もなかったと言える。
辺りは木々に括り付けられた頼りない電球と月の光以外に光源はないので仄暗いのだが、それ以上に空気が重々しく、喩えるなら重油をぶち撒けたような重い暗さが辺りを包んでいるような状況だった。
真壁瑠衣斗(男子十六番)は木の幹に背中を預け、ぼんやりと闇の先を見ていた。
右手は地面に置いたボウガンの上に置かれていたが、とても今は掴める状態ではない――身体から全ての力が抜けてしまったかのようで、頭も酷く重い。
向かいに座っているチームメイトである高須撫子(女子十番)は、プログラムという命を懸けた戦場においても「地面に直に座ることなんてできない」と主張し、地面にタオルを敷きその上に腰を下ろしていた。
いつも強気で、初等部出身者ではない瑠衣斗に対しては“庶民”と揶揄してきた撫子だが、今の姿からはそのような威勢の良さは感じられなかった。
膝を抱えて時折鼻を啜り泣いているかと思えば、苛立たしげに髪に手を突っ込んで掻き回し唸り声を上げていた。
その隣で横になっている上野原咲良(女子二番)も、少し前までは泣きながら自分を責めて何度も謝罪の言葉を発し、その度に撫子の支給武器である短刀に掴み掛って自らを傷付けようとし、撫子と二人掛かりでそれを止めた。
今は泣き疲れたのか眠っているので、その心配はなさそうだが。
撫子が情緒不安定になっているのは、咲良の状態がこのようであるからだろう。
池ノ坊奨(男子四番)を失ったことで瑠衣斗たちが受けた精神的ダメージは、とても大きいものだった。
正直、瑠衣斗は奨とそこまで深く関わったことがないどころか会話だってまともに交わしたことがない。
しかし、いつも城ヶ崎麗(男子十番)の傍に控え、麗が楽しそうにしている様子を見守っている光景を思い出すと、込み上げてくるものがあった。
城ヶ崎…大丈夫だろうか…
放送を聞いて、きっとショックだっただろうな…
変なことになっていなければいいんだけれど…
咲良のように目の前で奨が死亡する瞬間を見ていないにしても、麗も付き合いの長い幼馴染の名前が放送で呼ばれたのだから、相当ショックを受けているだろう。
泣き喚く姿が想像できない――全てに恵まれた環境で育ってきた麗にとって、きっと何かを失う経験なんてこれが初めてだろうから、一層心配になる。
ショックを受ける耐性がないのだから、どのような行動に出るか想像ができない。
傍にいるはずの木戸健太(男子六番)と朝比奈紗羅(女子一番)は頭に血が昇りやすいタイプで、鳴神もみじ(女子十二番)は怒りより悲しみに暮れるタイプだろうけれど周りの人間の行動を抑え込む力はない。
揃いも揃って変な行動を起こしていなければいいのだが。
だけど――瑠衣斗は溜息を吐いた。
麗たちのことは心配なのだけれども、正直あちらの様子を心配できる余裕はない。
幼馴染の奨を目の前で失った上に、鷹城雪美(女子九番)に『あなたのこと、世界で一番大嫌いなの、それこそ殺したい程に』と言われた咲良の精神的ショックは誰よりも大きい。
小学生の頃周りから疎まれていた瑠衣斗とは違い、咲良はこれまで周りに愛されてきただろうから、誰かにそこまで嫌われたことなどなかったはずだ。
嫌いと言われただけでも相当ショックだろうに、奨は自分のせいで命を落としたと責任を感じており、瑠衣斗や撫子がどれだけ違うと言っても咲良は聞かなかった。
目を覚ませば、きっとまた自分を傷付けようとするのだろう。
咲良がそのような行動を取れば取る程、撫子が疲弊していくのも見て取れる。
瑠衣斗が思っていた以上に、撫子は咲良に心酔しているらしい。
瑠衣斗は決して小柄ではないのだが、女子の中では荻野千世(女子三番)に次いで背丈のある咲良とはほぼ同じ体格の上、体力面では情けないことに咲良が上回っているので、これは決して容易ではなかった。
「落ち着いて、上野原は何も悪くないって何度言えばわかるんだ…ッ!!」
「違うの、あたしが全部悪いの、あたしがッ!!
あたしがいなかったらよかったの、あたしなんか[ピーーー]ばいいのッ!!!
離して、死なせてッ!!! あたし、死にたいのッ!!!」
そんな…
愕然とし、咲良を押さえている力が一瞬緩んだ。
すぐに我に返り力を込め直したので、振り切られることはなかったのだが。
“死にたい”、それは咲良が初めて口にした願望の言葉。
咲良が暴れた時に発する言葉は、これまでは「[ピーーー]ばよかった」という後悔や「死ななければいけない」という義務だった。
このままではいけない、このままでは本当に咲良が死にかねない。
「上野原、お願いだから落ち着いて――」
瑠衣斗の言葉に、ぺしっという乾いた音が重なり、咲良の動きが止まった。
咲良を前方から押さえていた撫子の平手が、咲良の頬を打ったのだ。
「もう、いい加減にしてッ!! どうしてそんなこと言うのッ!!!
私は貴女に生きていてほしいのに、どうして貴女が死にたいなんて言うのッ!!!
貴女のせいじゃないって、悪くないって、何度言えばわかってくれるのッ!!!」
撫子は髪に手を突っ込んでぐしゃぐしゃに掻き回しながら金切り声で叫ぶと、そのまま蹲って小さな子どものように大声を上げて号泣し始めた。
プライドが高くこれまでもずっと強気でい続けてきた撫子がこんなにも感情を露わにしたのを目の当たりにするのは初めてで、瑠衣斗は息を呑んだ。
そしてそれは撫子と最も懇意な間柄である咲良ですら同じだったようで、瑠衣斗が拘束を解いてももう暴れることはなく呆然として撫子を見下ろしていた。
しかし、大人しくなったのも束の間、咲良も再び泣きじゃくり始めた。
「ああ…あたし…最低……っ!
撫子を泣かせて……あたし…あたしやっぱり…生きてたらいけない…ッ!!」
「違うって言ってるじゃないッ!!!」
大声で泣き叫ぶ2人を前に、瑠衣斗は成す術なく頭を抱えた。
もう、どうすればいいのかわからない。
人付き合いの経験値が浅い瑠衣斗にとって、普段泣いているところを見たことがない女子が2人同時に泣いている時に上手く対応する方法など、わかるわけがない。
そもそも、だ。
男である自分がもっとしっかりしていれば、奨は死ななかったのではないだろうか。
奨が今もここにいてくれれば、咲良は泣きながら「死にたい」だなんて言わなかったのではないだろうか。
咲良が元気でいてくれれば、撫子も泣かなかったのではないだろうか。
誰よりも悪いのは、自分ではないのか。
麗が大切に想っている咲良と撫子と奨を、政府から決められたとはいえリーダーとして麗から預かる身となったというのに、責任を全うできていない自分が、全て悪いのではないだろうか――そうに、違いない。
こんなことでは、麗に顔向けできない。
瑠衣斗は頭を抱え、髪をぐしゃっと握り締めた。
「ごめん…城ヶ崎…ごめん…っ」
「もしもーし。
ちょーっとボリューム落とした方が良いんじゃないかな?」
不意に背後から聞こえた声に、瑠衣斗は心臓が止まるのではないかという程驚き、ボウガンを振り返りながら構えた。
「高須…高須ッ!!」
闖入者の存在に気付かず泣き喚く撫子と咲良のうち、武器を所持している撫子を呼んだ(咲良には武器を持たせていない、当然だ、今持たせればそれを自らの命を絶つために使用しかねない)。
撫子は顔を上げて非常事態に気付くと、泣きじゃくりながらも黒光りする自動拳銃ジェリコ941L(これは内藤恒祐(男子十二番)の死後に頂戴した物だ)を構えた。
鼻息を荒くし怒る水田早稀(女子十七番)と、早稀を宥めた日比野迅(男子十五番)――確か2人は付き合っており、そして2班として瑠衣斗たちの少し前に教室を出て行った記憶があった。
2人は、どうなのか。
迅は瑠衣斗とは出席番号が前後になるため何かと組まされる機会があり言葉を交わすことも何度かあった。
愛想はあまり良くないが仲間の面倒をよく見ている、所謂“いいやつ”だ。
早稀のことはよく知らないが、もみじの祖母が開いている駄菓子屋の常連客だそうで、もみじがよく懐いていた。
だが、そんな前情報が役に立たないことは、雪美の時に思い知らされている。
「…武器を、地面に置いて」
瑠衣斗の指示に、思っていたよりあっさりと迅と早稀は従った。
迅は小ぶりな自動拳銃(瑠衣斗が知るところではないが,NAA ガーディアンという名の物だ)を、早稀は携帯ゲーム機のような物を地面に置いた。
これは何だろう――訝しんでまじまじと見ていると、早稀が「それ、探知機。 首輪の位置を表示するんだってさ」と教えてくれた。
こんな物も配られているとは――人探しにも争いを回避するにも使えそうだ。
「…芥川さんと奈良橋さんはどこですか?
確か、同じ班でしたよね…?
どこかで隠れて、私たちを狙っているのではないのですか…?」
撫子が唸るように尋ね、それを聞いた咲良はびくっと身体を震わせた。
瑠衣斗の脳裏にも、雪美が瑠衣斗たちを油断させたところで襲いかかってきた榊原賢吾(男子七番)のことが蘇り、身体がぶるっと震えた。
「いないいない、あたしたち2人だけだって。
探知機見たらわかるでしょーが!」
早稀が探知機を履き古したローファーの爪先で軽く蹴った。
確かに、画面に表示されている点は5つのみ、この探知機の表示を100%信じても良いのなら早稀の言ったことは真実だが、例えば仲間を表示させない設定ができるなど、敵を騙す機能が付いていても全く不思議ではない。
「…悪いけど、表示を鵜呑みにはできないよ。
この画面、偽物かもしれないじゃないか」
「疑り深いなぁ、もう、苛々する!
いないモンはいないんだから、他にどう証明すりゃいいの…あっ!」
何を閃いたのか、早稀はぱあっと表情を明るくし、瑠衣斗の前に仁王立ちした。
瑠衣斗の眼前には、スカートの丈が短いために露わになっているバスケットボールで鍛えられた早稀の大腿部があり、思わず視線がそこに貼り付いてしまったが、我に返り慌てて視線を逸らし、早稀を見上げた。
早稀は悪戯っぽく笑みを浮かべると、少し屈んで瑠衣斗の右肩に左手をぽんっと乗せ、右手は自らのカーキ色のパーカーのファスナーを摘み、ゆっくりと下ろした。
「ここであたしが全部脱げば、裏にはなーんもないって信じてくれるかなぁ?
ねぇ、る・い・とっ♪」
「ぬ…げば……えぇ…ッ!!?」
一瞬想像してしまい(仕方がないだろ、僕だってそういう年頃なんだ)、煩悩を振り払うように頭を激しく横に振ると、早稀の手を払った。
逃げるように背中を向けたが、顔も身体も熱を帯びてしまっていた。
「きゃああっ!! 駄目よ早稀ちゃん、早まらないでぇっ!!」
「ああああ貴女何言ってるの、そんなことさせませんッ!!!
ちょ、真壁さん、貴方まさか変なこと考えたんじゃ…破廉恥極まりないですッ!!」
「な…真壁テメェ誰の許可得て想像してんだッ!!」
「ししししてない、してないったらしてないッ!! 濡れ衣だよ日比野…痛っ!!」
「というか許可って何なんですか日比野さん、ああもう、汚らわしいッ!!!
これだから男は…咲良、貴女木戸さんと一刻も早く別れるべきですッ!!!」
「え、な、何でそこで健太くんのことになるの?!
ああ早稀ちゃんごめんねごめんね、もう疑わないから脱がないでっ!!」
「ぷっ…あっははははっ!!!」
早稀が声を上げて笑い出した。
早稀にしがみ付いた咲良も、早稀を男子2人に見せないように間に割って入った撫子も、瑠衣斗の胸倉を掴んでいた迅も、迅に殴られた左頬を押さえていた瑠衣斗も、全員顔を真っ赤にしながらも呆気に取られて早稀を見上げた。
早稀は目尻の涙を指で拭い、下ろしかけていたファスナーを元の位置まで引き上げると、笑顔を皆に向けた。
「やだよー、冗談に決まってんじゃん!
あたしそんな易々と脱ぐ軽い女に見える? 心外だなぁ!
てか瑠衣斗すっごい慌ててるし、撫子も『破廉恥』とかいつの時代の人!?
咲良は慌てすぎだしさ、超うけた!!
あ、迅、心配してくれありがと、愛してるっ!!」
「じょ…冗談って…貴女、こんな時に――」
「どう、ちょっとでも気持ちは晴れたかな?」
早稀の言葉に、瑠衣斗ははっとして咲良と撫子を見た。
つい先程まで号泣していた2人の涙は驚きのためにとっくに引っ込み、思い返してみれば先程の撫子の怒鳴り口調は普段と変わらないものだったし、早稀の言葉が冗談だったことに安堵したのか咲良の表情も綻んでいた。
瑠衣斗自身、呼吸は上がっているが(冗談にしてはタチが悪すぎるだろう、日比野に殴られ高須に責められた僕の立場は何なんだ)、身体の強張りが消えていた。
「…アンタたちが気持ち的に一杯一杯になってる理由は、あたしにだってわかる。
うぷぷぷ
このSSまとめへのコメント
なんで荒らしが?
荒らしガチで死ね
peHDovB80 fack