れんげ「なっつんが廃人になったん」 (75)
夏海「はぁ~」
夏海「またテストで0点とっちゃったよ…」
夏海「これはまた母ちゃんアルマゲドンかなぁ…」
夏海「でも夏海ちゃんは悪くないよね…、さぁて…どこに隠そう」
??「お嬢ちゃん、何かお悩みかい?」
夏海「?、誰?おじさん」
??「私が誰かなんてどうでもいいのさ」
??「それより勉強のことで何かお悩みかい?」
夏海「まぁ、そうだけど…」
??「ならぴったりの物がある、ほら」スッ
夏海「ん?なにこれ?」
??「頭がよくなる薬さ…」
??「どうだい?買ってみないかい?」
夏海「えぇ~?おじさんなんか怪しいなぁ」
夏海「ウチが馬鹿そうに見えるからって騙そうとしてんじゃないの~?」
??「とんでもない、なんならこれはタダであげよう」
夏海「え!?タダで?」
夏海「タダなら・・・まぁ貰ってあげてもいいかなぁ」
??「そーかいそれは良かった」
??「疲れたときや勉強する時に使ってみるといい」
??「頭が冴えてシャキっとするよ」
夏海「へぇ~!ありがと、おじさん!」
夏海「ってな感じで貰っちゃったんだけど」
夏海「どう?姉ちゃんも使ってみる?」
小鞠「え~なんか怪しくない…?私はいいよ…」
夏海「もぉ~こまちゃんは心配症だなぁ~ww」
小鞠「うっ、うっさい!!」
夏海「でもどうせタダで貰ったんだし~」
夏海「貰ったぶんは使ってみないと勿体無いでしょ~」
夏海「ってなわけで早速一錠使ってみますか」ゴクン
夏海「よーし勉強しますか!」
夏海「・・・」
夏海「・・・!」
夏海「おお!おお!」
夏海「凄い!いつもは10分はかかるであろう問題がスラスラと!」
夏海「頭が冴えていとも簡単に・・・」
夏海「世の中にこんな便利なものがあったとは・・・」
数日後
一穂「この前やった小テスト返すぞ~」
一穂「夏海、あんた凄いね~」
夏海「ふぇっ?ひゃ、ひゃくてん!?」
一穂「なんであんたがそんなに驚いてんの・・・」
れんげ「なっつん100点とったん?すごいのん!なっつん!」
蛍「夏海先輩、頑張ったんですね!」
夏海「えへっ…ま、まーね夏海ちゃんが本気を出せばこんなもんよ~」
小鞠「…本当だったんだ」
夏海「えへへ~、どうよ姉ちゃん」
夏海「さすがの姉ちゃんもこうなったらもうウチのこと認めるしかないんじゃないの~?」
小鞠「ふ、ふん、一回100点とったくらいでそんなわけないでしょ!」
小鞠「だいたいそれだってあの変な薬のせいだって分かってるんだからね!」
夏海「んー・・・まあそれはそうなんだけど、やっぱ姉ちゃんも使う??」
小鞠「わ、私はいいって言ったでしょ・・・」
夏海「たはー、やっぱり姉ちゃんは心配性だなあ」
小鞠「だって怪しいじゃん・・・夏海もやめたほうがいいよ」
夏海「大丈夫だって!これ使ってからすっごく調子いいし」
小鞠「でも・・・」
夏海「分かった分かった、こまちゃんは怖がりさんだなあ」
小鞠「こま…!ふん!も、もう知らない!」
夏海「ごめーんww姉ちゃん怒んないでよww」
夏海「みんなから褒められたのはいいけど」
夏海「あの薬もうなくなっちゃったんだよねー」
夏海「あのおじさん・・また会えないかなー」
夏海「あ!いた!」
??「やぁお嬢ちゃん、私を探していたみたいだね」
夏海「そーなんだよ、この前もらった薬なくなっちゃってさ」
??「その様子だとあれを気に入ってくれたみたいだね」
夏海「うん!凄いよあれ!もっとないの?」
??「あるにはあるけど・・・前のはお試しのサービスだからねえ」
??「欲しいなら今度は買ってもらわないといけないんだ・・・」
夏海「えぇ~そんな・・・うーんしょうがないなあ」
??「へへっ、毎度有り・・・」
夏海(うーん薬を使ってる時は調子がいいんだけど・・・)
夏海(切れるとなんだかダルくなるっていうか・・・)
夏海(それにだんだん効果も薄くなってきてる気がするし)
夏海(量が足りないのかな・・・もっと、もっと欲しいなあ・・・)
夏海(あーなんかイライラするなぁもう!)
れんげ「?、なっつんどうしたん?大丈夫?」
夏海「え、あ、大丈夫w大丈夫w」
蛍「ダルそうだけど大丈夫ですか?無理しないでくださいね?」
夏海「へーきへーきw心配無用だよww」
蛍「なんだか・・夏海先輩最近変じゃないですか・・・」
蛍「ダルそうに見えると思ったら妙にテンション高かったりして・・・」
れんげ「うちもそう思うん」
蛍「こんなふうに言ったら失礼かもしれないけど・・・情緒不安定っていうか」
れんげ「こまちゃんはどう思うん」
小鞠「え・・・うん、言われてみれば確かにそうかもしれないね・・・」
蛍「ですよね?夏海先輩なにか悩み事でもあるんでしょうか・・・」
小鞠(夏海・・・)
夏海「ええ!?また値段上がったの!?」
??「そうなんだよごめんねえ、いつも買ってくれてるのに」
夏海「そんな・・・ウチもうそんなお金ないよぉ」
??「それでもこっちも商売だからねえ・・・お金がないと売るわけには・・・」
夏海「うう、分かったよ・・・」
??「悪いねえwお金が貯まったらまたおいで待ってるから」
夏海「・・・うん」
夏海(あー・・・薬・・・欲しいなぁ・・・)
夏海(でもお金が・・・お金・・・)
夏海(どこか・・・どこかに無いかな・・・)ガサゴソ
小鞠「夏海?何やってるの?」
夏海「うぇ!?ね、姉ちゃんいたの」
小鞠「・・・夏海?大丈夫?」
小鞠「なんか最近のあんたちょっとおかしいっていうか」
小鞠「蛍やれんげも心配してたし・・・」
夏海「大丈夫だって、何真面目な顔しちゃってんのw」
小鞠「ホントに?もしかしたらあの薬せいで何かあったのかなって・・・」
夏海「そんなわけないじゃんw大丈夫だよ!安心して!」
小鞠「ならいいけど・・・何かあるんならちゃんと相談してよね」
夏海「うんうんありがと姉ちゃん」
夏海「お金・・・持ってきたよ」
??「おーそれじゃあ約束通り、はいこれね」
夏海「ん・・・」
夏海(勝手に家から持ち出しちゃったけど・・・)
夏海(しょうがないよね・・・薬のためだもん)
夏海(ごめんね姉ちゃん・・・)
夏海(でも夏海ちゃんは悪く・・・そうウチは悪く無いよね・・・)
れんげ「やっぱりなっつんおかしいん!どうしたん!?」
夏海「おかしくないって!いつものウチじゃん!」
れんげ「そんなことないん!いっつもダルそうにしてるん!」
蛍「そうかと思えば急に大きな声で話しだしたりしますし・・・」
夏海「うるさいなあ!どんな声で話そうがウチの勝手じゃん!」
小鞠「な、夏海、少し落ち着いて」
夏海「なんなんだよ姉ちゃんまで!みんなしてウチのこと変人みたいに言ってさ!」
蛍「そんなつもりは・・・」
夏海「いいよもう!ウチ帰る!」
夏海(もうなんだよみんなしてウチのことイジメてさ!)
夏海(イライラするなぁ・・・薬・・・そうだ薬飲もう)
夏海「あ、あれない・・・切らしてたんだ・・・」
夏海「薬・・・お金・・・」
小鞠「ちょっと夏海!急に帰るだなんてみんな心配してたのに」
夏海「ああもう!なんなんだよぉ!!」
小鞠「な、夏海・・・?ホントにどおしちゃったの・・・?」
夏海「うっさいなあ!どけよ!」
小鞠「きゃあっ!!」
雪子「小鞠?いるの?どうしt」
夏海「お金・・・薬・・・」ガサゴソ
小鞠「うぅ・・・ぐすっ・・・ひっぐ」
雪子「な、夏海!?これあんたがやったの!?」
夏海「くすり・・・おかね・・・」
雪子「夏海!夏海!!なに言ってるの!」
夏海「ああああもう!!」
雪子「ひっ!夏海がおかしく・・・きゅ、救急車!」
病院
医師「娘さんの血液から覚せい剤反応が出ました・・・」
医師「かなり依存も進んでいます、長期入院、警察への連絡も必要ですね」
小鞠「嘘・・・」
雪子「そんな・・・」
夏海「・・・・」
医師「今は鎮静剤で落ち着いていますが薬が切れればおそらくまた・・・」
医師「最悪の場合拘束が必要になるかもしれません・・・」
雪子「夏海・・・ごめんね・・・気づいてあげられなくて」
夏海(やっぱり・・・あの薬がいけなかったんだ・・・)
夏海(母ちゃん泣いてる・・・)
夏海(姉ちゃんも・・・あんなに心配してくれたのに)
夏海(ごめんね・・・ウチ、馬鹿だったよ)
夏海(でも薬が切れたら・・・)
夏海(また薬のことしか考えられなくなるのかな・・・)
夏海(怖い・・・怖いよぉ)ハァハァ
夏海(あんな薬・・・あんな薬使わなきゃ良かった・・・)
れんげ「ねぇね!なんでなっつんとこまちゃんお休みなん?」
一穂「あー・・・なっつんがちょっと病気しちゃったみたでねー」
れんげ「なっつん病気なん?ならお見舞い行くん!」
一穂「うーん今はちょっと無理かなーもう少しよくなってから出ないと」
れんげ「そんなになっつん大変なん・・・?」
蛍「あの・・・小鞠先輩は・・・?」
一穂「こまちゃんは明日にはくるはずだけど・・・やっぱりショックだったかねえ」
蛍「そうですか・・・」
~~
れんげ「なっつんまだ来ないのんな・・・」
蛍「心配だね・・・」
小鞠「・・・」
れんげ「なっつん最後に会ったとき凄く怒ってたん・・・」
れんげ「ウチ、なっつんと仲直りしたいん・・・」
一穂「気持ちは分けるけど・・・なっつんも辛いからねー」
れんげ「辛いなら応援するん!ウチなっつんと会いたいん!」
一穂「う、うーんそれは・・・」
小鞠「・・・分かった」
れんげ「なっつんに会えるん!楽しみなんなー!」
蛍「そうだねー」
小鞠「うん・・・でも驚かないでねれんげ」
れんげ「?、なっつんどうかしたん?」
小鞠「・・・」
蛍「だ、大丈夫ですよ!きっと夏海先輩も喜んでくれますって!」
小鞠「・・・うん、そうだよね」
れんげ「早く会いたいん!」
雪子「みんなありがとうね・・・夏海のために・・・」
蛍「いえ、夏海先輩は私たちの大切な先輩ですから」
れんげ「当たり前なん!なっつんは大事な友達なん!」
小鞠「・・・本当にありがとうねみんな」
小鞠「じゃあいこっか・・・」
雪子「そうね・・・」
ガラッ
れんげ「なっつん!お見舞いに来t」
夏海「うわあああああ!!!」
夏海「虫!虫虫!虫が!ここにもうわああああああ!!」
雪子「夏海!落ち着いて!お友達よ!」
れんげ「な、なっつん!?」
蛍「せ、先輩・・・」
小鞠「・・・」
夏海「ハァッハァッ!虫!虫が!」
夏海「体から!皮膚の下から這い出てて!!」
夏海「来るなあああ!来るなああああああ!!!!!!」
夏海「消えろおお!消えろおおおお!!!!!」
れんげ「」
夏海「・・・」
小鞠「ごめん・・・」
夏海「なんで姉ちゃんが謝るのさ・・・」
小鞠「・・・」
夏海「れんちょんに・・・見られちゃったよね」
夏海「はぁー参ったなあこれじゃあ夏海ちゃんの頼れるイメージが総崩れだよー」
小鞠「・・・」
夏海「はぁー・・・なんでこうなっちゃったかなあ」
夏海「ううなんで・・・なんでグスッ」
小鞠「ごめん・・・ごめんね夏海」
夏海「だがら謝んないでよぉ・・・」
夏海(れんちょんはウチのこと今どう思ってるのかな・・・)
夏海(ほたるんも・・・きっともうウチのこと先輩とは思えないだろうなあ・・・)
夏海(学校・・・戻れるかな・・・)
夏海(はぁもう嫌だよ、何もかも、嫌だ、嫌だ嫌だ!)
夏海(・・・・)
夏海(・・・薬)
夏海(あの薬があればみんな忘れられるのかな・・・)
夏海(ああ・・・薬・・・くすり・・・)
夏海「ハァッ!ハァッ!くす・・・り・・・」
雪子[夏海?夏海!?しっかりして!」
雪子「先生夏海が!!」
ウチはしばらくして学校に戻った
だけどウチもみんなも前とはなにか違っていた
上手く説明できないけどなにかが
でもその違いがウチには凄いストレスで
気がついたらあの薬を探していた
頭では分かってたよいけないって
それでも体が勝手に動いていた
そう勝手に・・・
だから、だからウチは悪く無イ
ウチハワルクナイ
??「やぁ、久しぶりだねお嬢ちゃん」
終わり
卓「という夢を見た」
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