夏海「兄ちゃんが姉ちゃんの髪で遊んでる」 (64)

卓「」スッスッ

小鞠「……」

夏海「……二人ともなにやってんの?」

小鞠「ん?ああ」

小鞠「お兄ちゃんがね、アニメとかのキャラの髪型を作ってみたいんだって」

小鞠「それで髪貸してあげてるの」

夏海「……いいの?姉ちゃん」

小鞠「減るもんじゃないから。別に切ったりするわけでもないし」

小鞠「それにたまにすごく可愛い髪型とか、アクセサリも付けてくれるし」

夏海「ふーん」

卓「」スッスッ

小鞠「♪」

夏海(……)

夏海(いいなあ。髪とかしてもらってる)

卓「」クイクイ

小鞠「……」チラ →鏡

小鞠「!」

小鞠「お兄ちゃん今の髪型のやり方教えて!」

卓「」コク

小鞠「これとさっきの髪留め合わせればすごく大人っぽくなりそう!」

卓「」コク

夏海「……」

夏海「なあ兄ちゃん」

卓「」?

夏海「ウチの髪でやってみない?」

卓「」?

夏海「ほら、兄ちゃん結構長い時間姉ちゃんといるんじゃない?」

夏海「あんまり構いすぎると姉ちゃん弱っちゃうしさ」

小鞠「私は小動物かなにかかー!!!」

夏海「え?」

小鞠「なに『ちがうの?』みたいな顔してんだ!」

小鞠「それで、私の見て、自分もしてもらいたくなったわけ?」

夏海「いやいや?あんまり触りすぎたら姉ちゃんの髪痛んじゃうかもしれないじゃん?」

小鞠「大丈夫。お兄ちゃん一回一回念入りに櫛ですいてくれるし」

夏海「いや~それでも…… ね?」

小鞠「……」

夏海「……」

卓「」クイクイ ギュッ

卓「」ウンウン ←リボン結びをアニメ通りに再現できてご満悦

小鞠「お兄ちゃん」

卓「」?

小鞠「ちょっと用事できたから後は夏海でやってくれる?」

卓「」

卓「」コク

夏海「姉ちゃん」

小鞠「もともとお兄ちゃんの我が儘聞いてただけだしね」

小鞠「アンタもかわいい髪型にしてもらったら?」

夏海「いや、ウチにはそんなの似合わないしー!」

夏海「それに姉ちゃんがやってもらったら可愛いというより子供っp」

小鞠「お兄ちゃん好きにやっちゃって」

卓「」b ニヤリ

夏海「ええええええええええ!兄ちゃんなにその悪い顔!?」

小鞠「さーて……」→鏡

小鞠「!? これすごい!今の髪型いいよ!蛍に見せてくる!」タタタタ

夏海「……」

卓「」シュル

夏海「あ」

卓「」スッスッ

夏海「兄ちゃんうめーな。どっかで練習したの?」

卓「」フルフル

夏海「なにもしてないのに? すげー」

卓「」クイクイ

夏海「ウチの髪、姉ちゃんより短いし癖毛だからやりにくくない?」

卓「」フルフル

卓「」

夏海「えっ」

夏海「兄ちゃんそんな臭いセリフ言ってて恥ずかしくならない?」

卓「」!?

夏海「あははは。冗談だって。さんきゅ」

卓「……」クイクイ

卓「」ジャーン

夏海「おっできた? どれどれ……ってえ!」

夏海「なにこれ!?ツインテ!?しかも……」

夏海「黄色いリボン!? れんちょんとおそろいかっ!!」

卓「」

夏海「え、似合ってる?いやーウチにはこういうのはちょっと……」

夏海「か、かわいいって……それこそウチに似合わねーって!」

雪子「あら、面白いことやってるじゃない」

夏海「!?」

夏海「か。かーちゃん……」

雪子「兄ちゃんがやったの?なかなか似合ってるじゃない」

卓「」ウン

夏海「や、やっぱりウチのガラじゃないからさ、ほどいて……」

雪子「なに言ってるの!せっかく女の子らしい恰好になったのに!」

夏海「ウチはいつも女の子だしー!乙女だしー!」

雪子「ウチはリボンで飾ってるれんちゃんのほうがアンタより女の子らしいと思っとったけどね」

夏海「ひどっ!6歳の子供と年頃の娘比べるとか!」

雪子「良い機会だし、明日はそれで学校行ってみたら?」

夏海「いやこれれんちょんスタイルだよ!? 流石に小1の子とお揃いっていうのは」

雪子「ええじゃない。れんちゃんを見習ったってことで」

夏海「嫌に決まってんだろー!!」

卓「」

夏海「え? 別の可愛い髪型にコーディネートする? いやそーゆー問題じゃねー!」

雪子「じゃあ兄ちゃんに任せよっか。明日うんと可愛くしたってね?」

卓「」ウン

夏海「うわーー!!」

小鞠「……」

夏海「姉ちゃんまっすぐ歩かないと田んぼに落ちるって」

小鞠「あ、うん……」

夏海「ったく昨日ほたるんちで何やってたのさ」

小鞠「蛍と……髪で遊んでた……」

夏海「?」

小鞠「お揃いの髪型とか……髪飾りとか付け合って」

夏海「それだけでそんなに疲れるもんかねー?」

小鞠「まあ楽しかったんだけどね……」

小鞠「それはそうと」チラ

夏海「……」 ←赤いリボンのツインテ

小鞠「ぶっ」

夏海「笑うな見るなー!!」

夏海「おかしいだろ!れんちょんスタイルから離れるって言ってたのにリボンだけしか変わってないし!」

小鞠「あはは!似合ってる似合ってる!夏海可愛い!」

夏海「似合うコーディネートじゃなくて完全に兄ちゃんの趣味だろこれ!」

卓「」b

夏海「その指折らせろー!」

 シャッ ─ニ三卓

小鞠「お兄ちゃんはやっ!」

夏海「待てー!」

「にゃんぱすー」

夏海「!?」

小鞠「おはよ、れんげ」

れんげ「にぃに、こまちゃんにゃんぱすー」

卓「」コク

小鞠「ほら夏海ー……夏海?」

れんげ「なっつんいないん?」

卓「」アレ

小鞠「うん?」

木「……」

小鞠「髪がはみ出て丸わかりなんだけど」

れんげ「あれがなっつん?なっつん木になったん?」

小鞠「いや後ろに隠れてるだけだから。こっちまで連れてきてくれる?」

れんげ「承知したのん!」

れんげ「なっつーん」ヒョコ

夏海「あ」

れんげ「にゃんぱすー」

夏海「や、やっほーれんちょん……」

れんげ「かくれんぼしてるん?ウチもやるん!」

夏海「いや違うし。ていうかそんなことしてたらバス乗れなくなるし」

れんげ「考えてみればそうだったん!」

れんげ「……」

夏海「れ、れんちょん?」

れんげ「今日のなっつん、何か違うん……」

夏海「え」

れんげ「ほたるんが来たあの日の教室と同じ何かを感じます」

夏海(気づいてねーのかよ!)

夏海(いや気付かれてないならそれでいいけど)

夏海「気のせいじゃね?れんちょんもそんな日はあるさ」

れんげ「ふーむ……」ジー

小鞠「夏海ーれんげー!もうバス来るよー!」

夏海「! あ、ああ今行く!走るぞれんちょん!」

れんげ「! 急ぐのん!」

夏海「間に合った……」

小鞠「ほら、あれ見て」

「わあー、可愛いですね!」

れんげ「にゃんぱすー」

「おはようれんちゃん」

夏海「ん?げっ!」

蛍「おはようございます夏海先輩。すごく似合ってますよ!」

夏海「ほ、ほたるん……」

夏海「ほ、ほたるん……」

蛍「赤いリボンが先輩らしいと思いますよ」

夏海「うう……あまり見ないで……」

蛍「いつものもいいけど今の先輩も可愛いですよ」

夏海「年上への言葉使いをわきまえろー!」

小鞠「アンタそれ私の前で言える?ん?」

れんげ「赤いリボン……?」

れんげ「!」

れんげ「今日のなっつんかみのけが違うん!!」

小鞠(気付いてなかったのかよ)

れんげ「触ってもいいん!?」

夏海「あーうん、どうぞ……」

れんげ「……」クイクイ

夏海「……」

れんげ「……」クイクイ ←自分の髪を触っている

れんげ「……」

れんげ「おそろいなん!」

夏海「言うなー!!」

教室

れんげ「ねぇねにも見せてあげたいん!」

蛍「きっとびっくりするねー」

夏海「……なあ兄ちゃん」コソッ

卓「」?

夏海「やっぱほどいていいかな?母ちゃんは一日これでいろって言ってたけど帰る時にまた兄ちゃんが結んで……」

卓「」←熟考

卓「」ダメ

夏海「えええええええ!?」

卓「」ニヤニヤ

夏海「うあー!いつもの優しい兄ちゃんがどっか行ったー!!」

ガラッ

一穂「ふぁ~あーはいみんなおはよー……お?」

夏海「あ」

れんげ「ねぇね、どうですか!」

一穂「……」

一穂「あのーそこのお嬢さん、学校を間違えていませんかー?」

夏海「!?」

小鞠「いやいや」

蛍「せ、先生!?」

一穂「え?」

一穂「……」ジッ

一穂「……」

一穂「……」

一穂「あ、夏海?」

夏海「いやおせーよ」

一穂「いやーごめんごめん。いつもと違うから一瞬わかんなくて」

小鞠「一瞬じゃなくて割と長い時間悩んでたよね」

一穂「あははー。それにしても……」ジー

一穂「うん、よく似合ってる。可愛いわこれ」

夏海「うっ……」モジモジ

一穂「夏海も女の子の色気づいてきたってことかねー」ニヤニヤ

夏海「ち、ちがっ!ウチは無理やり……」

れんげ「うちとおそろいなん!」

一穂「ツインテかー。うちのれんちょんも大きくなったらこんな感じになるんかなー」

小鞠「夏海みたいなれんげなんて想像できないね」

蛍「れんちゃんは今のまま大人になりそうですね」

一穂「それじゃ朝のHR始めるよー」

寝る
落ちたら仕方ないが、まだあったら明日頑張る

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