俺「ふひひ……時間を止める腕時計を手に入れたぜ」 (8)

 
 きっかけは昨日まで遡る。
 俺は道端の怪しげな行商人から、不思議な腕時計を買ったのだ。

男「まさか時間を止める腕時計だとはな……」

 俺は意気揚々と街へ繰り出した。
 

俺「夕方だから結構人でごった返してるな……」

 俺の目の前を行き交う様々な人間……。
 俺はその一人一人をじっくり吟味する。
 と、そこへ一人の高校生が通りかかった。

 俺の目が細まり、獲物をロックオンする。

俺「ストップ」

 俺は腕時計のスイッチを押す。

 ……と、世界は急激に速度を落とし……止まった。
 全てが一時停止した世界。
 そこで動けるのは、俺、だけ。

 件の高校生も止まっている。

俺「…… 一緒に、楽しもうか」

 俺は獲物の顔を愛おしそうに撫で、その学ランのボタンへ手を伸ばす。

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