ゼロ(はぁ……男のふりするの大変だなぁ)(100)

ゼロ(でも女だってバレたら黒の騎士団に舐められるかもしれないし……)

ゼロ(普段は女だからカモフラージュにもなるものね)


あとは頼んだ

玉城「ゼーロー」ガシッ

ルルーシュ(うわぁ突然男の人に触られた気持ちわるい)


限界

ゼロ「撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけよ!」

扇「よ?」

ゼロ「だ!」

>>10
かわいい

ナナリー「お兄様?」

ゼロ「なんだいナナリー?」

※幼少期

ナナリー「あはは!お兄様、こちらですよ!」

ルルーシュ「待てーナナリー!ははは!」

マリアンヌ(ふふ……ルルーシュって、とても凛々しい顔立ちだわ……)
       (この子は男の子として育てましょう……)

シャルル(修羅の道を往かせるかあぁ……マァリアンヌウゥ……)

※枢木家にて

スザク「どうだ、オレんちの風呂……でっけえだろ?」

ルル「ふん……なかなかだな」
   「僕は、日本の風呂に入ったことがないんだ、どうすればいいんだ?」

スザク「そんなの簡単じゃないか、脱いで洗って入って出る、それだけだ」
    「このカゴに脱いだものを入れるといいよ」ヌギヌギ

ルル「ふーん……」ヌギヌギ

スザク「へえ、ちゃんと畳むんだ?……って、え?」

ルル「……なんだ、ジロジロと見て……」

.
スザク「……おっ、おまえ、女の子だったのか!?」

ルル「なんの話だ?」キョトン

スザク「つ……ついてないじゃないか!」

ルル「えっ?」

スザク「おまえ、コレがないじゃないか!」

ルル「……なんだ、その変なの?」ジロジロ

スザク「知らないのか!?」
    「これは、おち───

.
~ ~ ~ ~ ~ ~

ルル「……知らなかった……」ガーン
   「じゃあ、僕はナナリーと同じ、女の子だったのか……」ガーンガーン

スザク「……やっぱりブリタニアって変な国だな……」

ルル「お母様からも、僕はお兄さんだからしっかりしなさいと、」
   「いつも言い聞かされていたんだ……まさか、嘘だったなんて……」

スザク「……まあ、どっちでもいいんじゃないか?」
    「お前はルルーシュだってことに変わりはないんだしさ!」

.
ルル「そうか……そうだよな……」
   「お前、いいやつだな……」

スザク「よせやい!」
    「うーっ、裸のまま立ってると風邪ひいちゃうよ、早く入ろう!」

ルル「そうだな!」
   「スザク、あとでそれ、触らせてくれないか?」

スザク「いいよ!でも、取るなよ?」

ルル「取らないって!」


※スザク再会

 ルル「どうせ、その毒ガスだって、ブリタニアが作ったんだろう……!」

 スザク「……お前……!」

 ルル「殺すな、だと……」
    「なら、ブリタニアをぶっ壊せ!」

 スザク「ルルーシュ!」

 ルル「!?」

 スザク「僕だよ……スザクだよ……」カポッ

 ルル「ス……」
    「……スザクなのっ!?」

 スザク「!?……ああ……?」

 ルル「ブリタニアの軍人になったのね……?」

 スザク「う、うん……」
     「それよりも、その、ルルーシュ……」

 ルル「なに?」

 スザク「……随分と、女らしい口調になったんだな……」
     「髪も腰まで伸ばして……」

 ルル「一応、男ってことで通してるけどね、その方が都合がいいし」
    「ナナリーにも、他の人がいる場所ではお兄様って呼ばせてるの」

 スザク「はは……」

 ルル「あの時、あなたから教わってなければ、まだ自分が男だって信じてたかもね」
    「感謝してるわ、スザク」

 スザク「……あ、ああ……でも、違和感あるな……」

 ルル「私も、そう思ってるわ」
    「随分と男らしくなったわね、あなたは……」

 スザク「そうかな?」

 ルル「うん……」

 スザク「…………」ジー

 ルル「…………」ジー

 C.C.「早く助けんか、このアホども!」

 スザ&ルル「うわ!」

.
※クロヴィスと再会

 クロヴィス「……次は何だ?詩でも唄うか?」フン…
       「それとも、チェスのお相手でも……?」

 ルル「懐かしいですね……」カポッ

 クロヴィス「……ん?」

 ルル「覚えていませんか……二人でチェスをやったことを……」カランカラン
    「いつも僕の勝ちでしたけど……」

 クロヴィス「何ぃ?」

.
 ルル「ほら、アリエスの離宮で……」

 クロヴィス「貴様……誰だっ?」

 ルル「お久しぶりです、兄さん……」カツカツ

 クロヴィス「…………!?」ガタッ!!

 ルル「今は亡き、マリアンヌが長女、第17皇位継承者、」
    「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアです……」

 クロヴィス「ルルーシュ……!?」
        「しかし、お前は……!」

.
 ルル「死んだはず……ですか?」

 クロヴィス「いや、その前に、いつ女になったんだッ!?」

 ルル「……聞かれるとは思ったけど……」ハァ…
    「元からです、周囲の者も、私ですら母上に騙されてた……」

 クロヴィス「……貴様、さてはルルーシュに整形した偽物かッ!?」

 ルル「どうしてそんな手間かけないといけないのよ!」
    「私はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア、帝国と母上に裏切られた者よ!」

.
 クロヴィス「ほ、ほんとうに、ホンモノなのか?ちょっと待ってくれ……」
        「女……ルルーシュが、女だった……!?」
        「そうか……だからマリアンヌ様は、決して私と共に沐浴をさせなかった……」

 ルル「……混乱してるわね、初めて知った時は、私もそうだったけどね」

 クロヴィス「おのれ……見たかった、夢にまで見たのに……!」
       「ルルーシュの、鈴のような可愛らしいふぐりは、いま幻と……!」ギリッ…

 ルル「……こんな時にカミングアウトしないでよ……」
    「そんなことよりも……教えてほしいことがあるの」チャキ

 クロヴィス「!!」

.
 ルル「マリアンヌ妃の暗殺の真相と……」
    「なぜ私が、男として育てられたのかということ……」カチ…

 クロヴィス「ひい!」

 ルル「まあ、クロヴィス兄様も驚いたくらいだから、育ての件についてはいいけど……」
    「暗殺をしたのは、お前なの!?」

 クロヴィス「……私じゃない、私じゃないぞっ!」

 ルル「なら、知っていることを話して……私の前では、誰も嘘をつくことはできない……」
    「誰なの……母さんを殺したのは!」キュィィィン!!

 クロヴィス「…………第2皇子シュナイゼルと第2皇女コーネリア」
       「彼らが知っている……」

.
 ルル「あいつらが首謀者!?」

 クロヴィス「…………」

 ルル「……そこまでは知らないか……」

 クロヴィス「…………!!」ハッ!!
       「ほ、本当に私じゃないっ!やってない!やらせてもいないっ!」

 ルル「……そう……」

 クロヴィス「……」ホッ…

.
 ルル「……ありがとう、変態お兄様」スッ…

 クロヴィス「い!!やっ……やめろ……」
       「腹違いとはいえ、実の兄だぞおっ!?」

 ルル「きれいごとで、世界は変えられないから……」キリ…ッ
    「……それに、血を見るのは慣れてるの」ニッ


※ルルCV:斎藤千和さんを想定

.
※クラブハウスにCCが強襲

 ルル(なっ……なんでこいつ、ここにいるのよ!)

 ナナリー「ふふっ、変わったお友達ですわね、イニシャルだけだなんて……」

 ルル「あ、うん……」

 C.C.「……」オリオリ

 ナナリー「ひょっとして……お兄様の恋人?」ニコッ

 C.C.「将来を約束した関係だ」オリオリ
    「……な?」クルッ

.
 ルル「はっ!?」

 ナナリー「え……?」ピキッ

 ルル「ちっ、ちが、ナナ」

 ナナリー「おにいさま?どういうこと?」
      「どうしてそんな、できない"お約束"を?」

 ルル「ちょ……ナナリー!」

 ナナリー「お兄様、まさか"お兄様"としてお約束をされたのですか?」
      「わたし、そういうことはいけないと思います」

.
 ルル「いや、約束なんてしてないし!」

 C.C.「したじゃないか?」オリオリ

 ルル「あんたは黙ってて!」

 ナナリー「C.C.さん、ごめんなさい、お兄様はお兄様ではないんです」
      「ほんとは女性なのです……」

 ルル「落ち着いて、ナナリー!」

 C.C.「ああ、わかっている」オリオリ

.
 ナナリー「え……っ」ピキキ
      「わかってて、そういうお約束を……?」

 ルル「やめて、ちょっとストップ!」

 C.C.「私は、相手の性別は気にしない」
    「どちらでも同じことだ……」オリオリ

 ルル「ストップっつってんでしょ!」
    「のんきに折り紙折るのやめてくれる!?」

.
 ナナリー「……おねえさま?」ピキッ
      「私を一番愛している、とおっしゃっていたのは、偽りでしたの……?」

 ルル「待ってナナリー、ちょっと誤解がある!」

 C.C.「そうか、お前たちは愛情で結ばれた仲なのか」オリオリ

 ナナリー「ですわ!」

 ルル「違う、なんか意味合い違う!」

 C.C.「まあ私には関係のないことだ」
    「ルルーシュは、夜はナナリーのものでも構わない」オリオリ

.
 ルル(……うhぢあうhfぃあうぇ!)ヒョイ、ボショボショボショボショ

 C.C.「うわっ!」

 ナナリー「きゃっ!?」

 ルル「はははははは、C.C.、だめじゃないか!」
    「サーバーの水を頭からかぶっちゃ!」ピクピク

 C.C.「へくしゅっ!……お前がかけたんじゃ」

 ルル「さあ、着替えないと!こっちに来い!」グイッ

 C.C.「あっ、こら!」テクテク

 ナナリー「おっ、お……おねえさまぁ!」

.
■6話 奪われた仮面

ルルーシュとナナリーは、ダイニングでお茶の最中……


 ルル「そう……やっぱりね……」
    「そんなことじゃないかと……」

 ナナリー「スザクさん、つらい目に……」

 ルル「いや、それはね……ん……」
    「……時間がかかるのよ、こういうことは……」

.
 ナナリー「何とかならないのですか?」
      「お友達でしょう?」

 ルル「うん…………ん?」


と、ルルーシュはダイニングの入口に、猫の姿をみとめた。
不思議なことに、その猫の頭部は異様なほど大きかった。思わず凝視するが……


 ネコ「ニャァ?」ポリポリ

.
 ルル(なに、この猫……って、ゼロの仮面を被ってる!?)
    「……ほぇえッ!?」ガタッ!!

 ナナリー「えっ?」

 ルル「こっ、こら、返しなさいよ!」ダダッ…

 ネコ「ニャアァ~」シパタタタ

 ルル(こっ……こんなバカな事でばれちゃたまんないわ……!)

 ナナリー(……今の声、何だったのかしら……)

.
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
 
 ナナリー「……ええ、そうなんです」
      「なんだか猫に、大事なものを盗られたみたいで……」

 ミレイ「大事な物って?」

 ナナリー「よくわからないんですけど……」
      「でも、とっても大事な物に違いないんです、だって、」
      「お兄様のあんな可愛らしい声、初めて聴きましたもの……」クスッ

 ミレイ「可愛らしい……?」キョトン

 ナナリー「あ……いえ、素っ頓狂な声、です!」アセアセ

.
 リヴァル「しかし、何だろう、ルルーシュの大事な物って……?」

 ニーナ「ラ、ラブレター?」

 ミレイ「恥ずかしい写真?」

 リヴァル「ポエム手帳!?」

 ミレイ「もしくは……」

 ニーナ「実は、」

 ミレイ&ニーナ「ルルーシュが女の子っていう証拠とか!?」パアッ!!

.
 ナナリー「えっ?」ビクッ

 リヴァル「いやいや、それはないっしょ、会長~」
      「確かに奴って、中性っぽいとこありますけど~」ニヤニヤ

 ミレイ「うーん、私は彼が女の子であってほしいんだけどねぇー」ニマニマ

 ナナリー「ええっ!?」ビクビクッ

 リヴァル「いや、オレは男だと思います!」
      「オレ的にはそっちの方が……」

 ミレイ「ロマンがないわねぇ、リヴァルは~」
     「男装の似合う女の子……ステキだわぁ~」

.
 ニーナ「見た目どっちかわからないのが、すごくいい……///」ホワホワ~

 リヴァル「じゃあ、奴が男ならオレが貰いますよ?」ニヤリ

 ミレイ「じゃ、女の子ならわたしのものね?」ニマー

 ニーナ「わ、わたし、どっちでもいい……///」ホワァ~

 ナナリー「……みなさんっ!」

 3名「!!!」ビクッ

 ミレイ「あ、ああ、そうね!本題に戻んないと!」

.
 ミレイ「……コホン、まっかせなさい!」
    「ぜえーったい、ルルーシュより先に取り返してみせるから!」

 ナナリー「先に……?」

 ミレイ「先に!」ビシッ!!

.
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 ルル(……ったくもう!)ハァハァ
    (こんな時にテロリストが使えれば、包囲作戦を展開できるのに!)
    (カレンを……いや、ダメだわ、これ以上疑われるのはまずいし!)

 ネコ「ニャア~」タッタッ…

 女生徒A「なあに、この猫……?」

 女生徒B「あれっ、この仮面って……ゼロの……?」
       「あっ、いっちゃった……」

.
 ルル「……」ハアッハアッ…

 女生徒A「あっ、ルルーシュ君?」
       「今ね、なんか変な……」

 ルル「……いっ、今の見たわね!?」キッ

 女生徒たち(ええっ!女言葉!?)ギョッ

 ルル(あっ……しまった!)チッ
    「……忘れろ、今見たり聞いたりした事を!」キュイイィィィ!!

.
 女生徒たち「……うん、わかったけど……」ボヤー

 ルル「よしっ!」タタッ…


……と、そこで突然、校内放送のチャイムが廊下に鳴り響いた。
続いて、生徒会長のウキウキとした様子の声が……!


 ミレイ『こちら、生徒会長のミレイ・アッシュフォードです……ネコだ!』
    『校内を逃走中のネコを捕まえなさーい!』

 ルル「は?」タッタッ…

.
 ミレイ『捕獲に協力したクラブは予算を優遇します!』
    『そしてぇ~、ネコを捕まえた人には……スーパーなラッキーチャンス!』

 ルル(……なんか悪寒が!)ゾクッ…

 ミレイ『生徒会メンバーからキッスのプレゼントだあ~!』オーッホッホッホ!!

 ルル「何イ!?」キキィッ!!


生徒会長のはた迷惑な発案に、思わず足が止まるルルーシュ。
……その途端、ルルーシュの近くにいた生徒たちの目が怪しく輝いた!
好奇心に彩られた……というよりも、獲物を狙う獣のような視線が、
彼女に注がれる!

.
 男子A「……今の、マジ?」
     「ネコを捕まえるだけで、メンバーとキスだって?」ギラッ

 男子B「当然、ルルーシュを指名してもOK……ってことだよな?」ジュルッ

 女子A「ちょっと、ルルーシュ君は私が狙ってんのよ!?」

 女子B「私もよ!ねえねえ、私たちで一緒にいただいちゃおう?」

 ルル「!?」ビクッ

 男子C「ともかく、ネコを捕まえさえすれば……!」キッ!!

 生徒たち「……」ジー…

.
 ルル(ひ……ひい……!)ビクビク

 生徒たち「……ネコはどこだあああああぁぁぁぁ……!」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨……

と、ものすごい地響きを上げながら、生徒たちは猛然と走り始めた!
後に残されたのは、呆然とするルルーシュ……!


 ルル(ちょっと……何よ、どういうこと……!?)
    (ゼロが私だってのがバレた上に、ファーストキッスまで奪われたら……!)
    (じょ、冗談じゃない……冗談じゃないわよ!?)ゴゴゴゴ…!!

.
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 スザク(……あっ、あれか?)タタタッ…

 ルル「……スッ、スザク!?」ダダッ!!

 スザク「ルルーシュ……君もネコを?」

 ルル「ああ……」
    (まずいわ、スザクにアレを見られたら……)

.
その時、時計台のらせん階段の上から、ネコの鳴き声が響いてきた。
二人とも、同時に階段を見上げる。


 スザク「上か……!」ダッ…!!

 ルル「ま、待てスザク!お前は帰れ!」タタタ…
    
 スザク「でも、生徒会長さんが捕まえろって……」ダダダダッ

 ルル「いいから帰れ!」タタッ、タタッ
    「ネコは俺が……」

.
 スザク「身体を動かすのは男の僕に任せとけって!」ズダダダダ
     「前に小鳥が逃げた時だって……」

 ルル「古い話を持ち出すな!」
    「っていうか女だっての隠してるって言ったでしょ!」ハァハァハァ
    「疑われるようなことを言うなっ!」

 スザク「ごめんごめん!気を付けるよ!」ドドドドド

 ルル「……ったく……相変わらずの、体力バカ男が……!」ハァハァハァハァハァハァ

.
見つけたネコを追い、時計台の屋根まで登ったスザクとルルーシュ。
屋根をじりじりと上りながらネコに接近するスザクを、窓から身を乗り出し止めようと
しているルルーシュ。


 ミレイ「ネコを追い詰めたですって?どこどこ?」

 シャーリー「あそこ……ス、スザクくん!?」

 スザク「大丈夫、怖くないから……」ジリジリ…

 ルル「スザク!よせ!」

.
 スザク「大丈夫、任せて!」ズリズリズリ

 ルル(あいつ……昔はもっと個人主義だったのに……!)


ミレイたちも地上から、事の成り行きを固唾をのんで見守る……
と、その瞬間、窓から身を乗り出していたルルーシュは、バランスを崩す。


 ルル「あっ……うわ……!」グラリ

.
 リヴァル「ぁあっ!?」

 ミレイ「あ……!?」

 シャーリー「きゃ……!」

 スザク「……あっ!?」クルッ

 ルル「キャアアアアアアアアアアアッ!」ズルズルズルズル

どうでもいいけどそのコテの顔文字がハゲ頭に見える

.
屋根をずるずると滑り落ちていくルルーシュの、絹を裂くような甲高い悲鳴!
背後の異変に気づき、即座に身を翻したスザクは、滑るように屋根を下り、
すんでの所でルルーシュの腕を捕まえた!


 スザク「だっ、大丈夫か、ルルーシュ!?」

 ルル「う、うん……」ジワ…

 スザク「ふふっ、珍しいな、君が涙か?」ニコッ
     「下でみんなが見てるよ?」

 ルル「……ちっ、違うぞ!」ゴシゴシ

.
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 ミレイ「……いっ、今の、甲高い叫び声って……?」

 リヴァル「なんか、上の方から……聞こえたような……?」

 シャーリー「まっ、まさか、ルル……の……?」

 ナナリー「いっ、今のは私の叫び声ですっ!」
      「つい思わず……」

 ニーナ「そうなの?」

 カレン「そうかなぁ……?ていうかナナリー、」
     「目が見えないのに危なかったのがよくわかったね?」

 ナナリー「そっ、それは……心眼です!」

 リヴァル「心眼ン?」キョトン

 ナナリー「お兄様の危機が、心の目で見えたのです!」
      「それで思わず、きゃああーって!」

 ミレイ「ふーん……まぁいいけどね、」
     「ルルーシュも無事だし、オッケーってことにしよ!」ニコッ

 ナナリー「はい……」ホッ

>>74
.
彡 ⌒ ミ 
(´・ω・`) よくおわかりで

.
■TURN 7 コーネリアの陸戦艇G1の傍で ─────

ルルーシュ扮するゼロの指揮により、途中まではブリタニア軍を翻弄していた
レジスタンスだったが、撤退後に出陣したコーネリアの親衛隊およびコーネリア
直々の指揮により、彼の作戦はことごとく読まれ、レジスタンスたちは個別に
撃破されたのであった───

奪い取ったサザーランドのコクピットの中で、彼は状況の変化に焦りを覚える。


 ルル「くそッ、バカが……!」
    「P8、そちらから状況を報告しろ!」

.
 男『状況もなにも……うっ、ぐわあああぁっ!』
   『…………』ガガッ、ザザー…

 ルル「P8、P8!……くそッ!」
    「残っている者、Pナンバーから順に報告……」


と、その時、陸戦艇からのコールサインがコクピットに鳴り響いた。


 指令『作戦終了……全軍、第4フォーメーションに移行せよ』

 ルル(なッ……制圧された、ですって!……こんな簡単に……?)
    (ゲームにすらなっていないわよ……!)プルプル…

.
陸戦艇の前に寄り集まっていたナイトメアは、指定されたフォーメーションを
形作り始めた。こうなると、彼女もそれに従うしかない。
四方を他ナイトメアに囲まれた形となったルルーシュは、これまでとは
全く異質の相手とその戦略に、敗北感を覚えていた……


 ルル(こ……これが、組織……?違いすぎるわ……!)

 コーネリア『……全ナイトメアのパイロットに告げる!』
       『ハッチを開いて素顔を見せよ!』

 ルル「な……!?」
    (やられた……完璧に読まれていた……!)

.
 コーネリア(フッ、これで終わりだな……)
       『……繰り返す、全員、ハッチを開いて素顔を見せよッ!』

 ルル(バカな……顔を出せば、バレちゃうわ……!)

.
他ナイトメアのハッチが次々と開く中、ルルーシュの機体だけがハッチを開かない。
彼女は、コクピットの中で苦悶していた。


 ルル(どうなる……面通しをされたら……)
    (ゼロの仮面がなくても、私の素性がバレるわ……ダメだ、絶対ダメよ!)

    (ギアスを使って……ダメよ、相手を直接みないと通用しないわ、)
    (ナイトメア相手じゃ全くの無駄……じゃ、歩兵か他のパイロットに……)
    (無理よ、相手の数が多すぎるし、どうやってこっちを向かせるの!?)
    (いや、できるかも……ゼロだと名乗ってしまえば……?)

    (でも他のナイトメアが……なら、先制攻撃をかけて強行突破……)
    (……ありえないわ、コーネリアの親衛隊相手に……自殺行為だわ!)

.
2機のナイトメアを引き連れたギルフォード機が、順次各パイロットの面通しをしていく。
彼らはルルーシュの機体の前に来ると、まだハッチを開いてないことに気付く。


 ギルフォード『ハッチを開けよ……貴公の番だ』


コクピット内に、無常に響くギルフォードからの通信。
ルルーシュは、もはや進退窮まったことを察した。
残された手は、わずかでも時間稼ぎをすることしか……


 ルル「……すみません、それが、先ほどの戦闘でハッチが不具合を……」

.
 機体A『ん?……ちょっとお待ちください、』
     『おい、なぜ女が乗っているんだ?』

 ルル(……しまったあああああ!)
    (声色を作るのを忘れた……!)


切迫した事態のさ中に、男らしさを演じることを失念してしまったルルーシュ。
最も目立ちたくない場面なのに、逆に注目を集めてしまうこととなった。
自分のあまりのバカさ加減に、彼女は胃がキリキリと痛むのを感じた。

.
だが、続く彼らの言葉は、予想もしなかったものであった。


 機体B『答えろ、パイロットはどうした?』
     『……いや、まさか貴様……また乗せたのか……!』

 ルル(また?……また、ですって?)
    (この機体のパイロット、前にも女を乗せたことがあるの?)
    (……あっ!まさか、そういうことなの!?)


彼らの言葉から、ルルーシュは雷撃を受けたかのような閃きを得る。
猛烈に思考を回転させ、降ってわいた蜘蛛の糸のように細い幸運を、
何とかこちらにたぐりよせようと頭の中で必死にもがく。

.
 ルル「わっ、わたしはマリアンといいます!」
    「どうか撃たないで……!」

 機体A『そんなことは聞いてない、ダリルはどうした?一緒にいるのだろう?』
     『おい、返答しろダリル!』

 ルル「えっと、この人、返事したくないって言ってます!」
    「事情は後で説明をするからと……」

 機体B『何が事情だ!また女にいいとこを見せようとしただけだろう!』
     『総督直々の作戦だというのに、何という……!』

 ルル「ごめんなさいいいい!ほんとにすみませんん!」
    「ハッチも壊れてるそうです、お願い、撃たないでくださいいいい!!」

.
 ギルフォード『……ということだそうですが、どういたしますか、コーネリア様?』

 コーネリア『……よい、後で工作隊に開けさせよ』
       (まさか、ゼロということはなさそうだが……?)

 ルル「許してくださいいい!わたしまだ死にたくありませええええん!」

 機体A『うるさい、黙っていろ、女!』
     『……ダリル、貴様は3階級降格だ!後で営倉に……』

.
と、その時、耳をつんざくほどの大きな音で、「ゼロを発見!」の通信が飛び込む。
ハッとしてモニタを見ると、廃墟のビルの上で佇むゼロが、ブリタニア軍を見下ろして
いる姿が映っていた。
ギルフォード率いるナイトメアらは、ゼロを包囲・捕獲すべく、直ちに行動を開始した。


 ルル(バカな!なんでゼロが……!)
    (……でも、ここは乗るしかないわ!)


ルルーシュも、同時に行動を起こす。
あわただしい動きに紛れ、廃屋の陰に隠れてナイトメアから飛び出し、
そのまま地下の下水道へと走って逃れた……

.
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 ルル(……クロヴィスとは格が違う……!)タッタッタッタッ…
    (それが、コーネリア……っ!?)…ダダッ


薄暗い下水道の中、ルルーシュは行く手を阻む者に気付き、足を止める。
目を凝らして見ると……それは、先ほどのゼロであった。
その正体の見当がついていたルルーシュは、驚くこともなく問いかける。


 ルル「……どうして助けたのよ?」

 ゼロ「だから、言ったろう……?」カポッ…

.
ゼロは、おもむろに仮面を外した。
仮面の中に収められていた緑色の長髪が、光沢を放ちながらばらりと広がる。
その下から現れた顔……C.C.は、微笑みながら続けて応えた。


 C.C.「……死なれては困る、と」…ニッ

 ルル「……条件が同じなら、負けはしなかったわよ!」

 C.C.「負け惜しみだな……」
    「それだけの条件を揃えるのも、力のうちだ」

.
 ルル「……なら、揃えてやるわよ」

 C.C.「……」

 ルル「ブリタニアに負けない、私の兵隊を……人を、国を……ッ!」ギリッ…

 C.C.「…………」ジー

.
 ルル「……というか、よく考えたらあのまま誤魔化せて私一人でもあそこから」
    「逃げ出せてたわね……」
    「囮になってくれたお礼は言うけど、感謝はしないわよ?」

 C.C.「……」ムカッ
    「素直じゃない女だな」

 ルル「だって、本当だもの」
    「感謝なんてしたら、またピザおごらされるしー」

.
 C.C.「…………」ムカムカッ
    「まあ、私も、まさかお前が女のふりして逃れるとは予想もしなかったな」

 ルル「!!」カチン
    「……どうして知ってんのよ」

 C.C.「やりとりを通信機で聞いてた」
    「うまくごまかしたものだな、マリアンちゃん?」

 ルル「!!!!」ピキッ
    「……何よ、その微笑みは?」

.
 C.C.「いやいや、本当にうまくやったものだなと」
    「そうだな、お前の言う通り、私の助けなどなくとも良かったかもなあ」
    「なあ、マリアン?」ニヤ

 ルル「マリアンて言うな!」

 C.C.「おいおい、お前が自分でマリアンと名乗ったんじゃないか」
    「さて、早く戻ってナナリーにも教えてやるとするか」テクテク

.
 ルル「ちょい待て!教えるって、何を!」カツカツ

 C.C.「今度からお兄様はマリアンと呼んで欲しいらしい、と」テクテクテクテク
 
 ルル「望んでいないし!」カツカツカツカツ

 C.C.「お前の弱みをまたひとつ握った、と思うと愉快でたまらない」ニコニコテクテク

 ルル「勝手に弱みにすんな!」カツカツカツカツ

.
━━━━ 区切り用しおり 彡 ⌒ ミ ここまではげた ━━━━

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年03月19日 (水) 22:16:02   ID: CdoaXsov

良いと思う。ルルーシュに萌えた。色々と

2 :  SS好きの774さん   2014年04月20日 (日) 19:31:39   ID: VuWARYn4

もっと、見たかったですっ!

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