ほむら「ふふ、愛してるわまどか。おやすみなさい。」 (86)

初めて書き出した妄想です。
もしかしたら、キャラが崩壊してるかもしれません。
気に入らない場合は見ないでください。
ブラウザバックしよう。
荒らしは厳禁です。
それでは、書いていきます。

くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、まどか達のみんなへのメッセジをどぞ

まどか「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

さやか「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」

マミ「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

京子「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」

ほむら「・・・ありがと」ファサ

では、

まどか、さやか、マミ、京子、ほむら、俺「皆さんありがとうございました!」



まどか、さやか、マミ、京子、ほむら「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に終わり

やっと、スレ検索できた。
ではでは、気に入らない人はブラウザバックです。

初めて ← これ重要
中途半端な文章で気に入らないならブラウザバックね。
荒らしは厳禁、時間の感覚を空けつつ投稿するよ。

私は望む世界を手に入れた。
それはとても儚く不安定な世界。
今も何処かで呪いが発生し、それをQBが抑える世界。
半月の月に数々の星に照らされた夜空が広がる。
でも私はとても満足しているわ。あの子を救えたのだから。
「まどか・・・。」
椅子に腰かけ呟く。
カサカサと音がして、気配を感じる。
「なにかしら?近くになにがいるのかしら?」
そう言いつつ首を後ろに傾げてそこ視線を向けると白くて丸い生物が映る。
「あら、キュウべえじゃない?今日の魔獣退治はおわったのかしら?」
しかし、キュウべえは黙ってこちらをただ見つめている。
「ふふふ、生意気だわ。」
そうつぶやいた瞬間、キュウべえはほむらの足元でうずくまっている。
同時に静かな半月の明かりのしたでソウルジェムだったものを振り回し、
ふらふらと静かに踊る。
椅子のところまで踊り、ソウルジェムだったものを空高く掲げる。
「ああ、まどか・・・。」
そして、崖から身を落とした。

あー君センスないね

すると歪がひとつ、ふたつと生まれていく。
「どうしてかしら、まどかはどうして思い出してしまうの?
世界がまた書き換わるじゃない。わたしにどうしてほしいというの?
貴方をあんな理不尽なところに返したくないのに・・・。」
町が消え、地面が消え、足元に映る夜空が霞む。
「ああ、私の造った世界が消えてゆく。」

そして、時間は巻き戻る。

眠たい。そう思いつつ目を開ける。もうずいぶんと見慣れた病院の天井が映る。
「ふふ、また戻ってきたのね・・・。」
ソウルジェムだったものを手の上に乗せ
「ダークオーブは変わらないの・・・ね・・・。ふふふ、待っていてまどか。
また貴方をその空間から連れ出してあげるわ。」
ダークオーブをイヤリングのように耳につけ、今の状況を確認しに病室を出ていく。

ほむらは歩き続ける。まどかの家、美樹さやかの家、巴マミの家、佐倉杏子の通うゲームセンターを。
頭に手を当て考える。
「ただ、貴方を連れ戻すだけでは、また記憶がもどってしまうわ。
貴方は何も知らない。何もなかった。そう、すべてなかったことにすればいいのよ。」
しばらく黙って
「ふふふ、もう迷わない。今度は失敗しない。貴方をそこから助け出してあげるわ。」

ほむらが手を叩くとまた、世界が歪み、因果が少しだけ変化した新しい世界がひとつ生まれた。
「これでまどかは干渉できないわね。昔のようにまた魔女がこれで出現するわ。」
そして、自らの記憶を改変する。あることを条件に思い出すようにして・・・。

「まず皆さんに大事なお話があります。卵焼きに醤油、ソースどちらをかけて食べますか?
はい!中沢君!」
ドンと教卓をたたいて、中沢君のほうに指差し、目を向ける。
「え、えーと。どちらでもいいんじゃないでしょうか?」
「はい、その通りです!こんなことでいちゃもんつけるような男性とは付き合わないように!」
「仁美、また先生だめだったんだ。」
「ふふふ。」
教室を見渡し、一呼吸置いて
「えー。それと今日から転校生が一人はいってきます。」
「ええい、そっちが先でしょ。」
机を叩き、立ち上がる。
隣で、すこし恥ずかしそうにして
「さ、さやかさん。」
クラスから笑い声が響き渡った。
「えー、では入ってきてください。転校生の暁美ほむらさんです。」
三つ編みをして、めがねをかけた女の子が教室に入ってきた。
ぎこちないおどおどした態度で教卓の横に立つ。
「あ、あの、その、あ、暁美ほむらといいます。よ、よろしくおねがいします。」
見かねた先生がフォローを入れるように話す。
「えー、暁美さんは心臓の病気で入院してたから、新しいことがいっぱいだろうけど、勇気をだして。
それと、みんな仲良くやってあげてね。」
クラスから「はーい」という声が響き渡った。

休み時間になるとクラスのみんなから質問攻めが始まった。
「みなさんやめてあげてくださいまし。暁美さんがこまっているではありませんか。」
「え、えと、そのー。」
「志筑仁美ですわ。保険係をしております。お薬の時間でしたわよね。」
「は、はい。」
「暁美さんついてきてください。案内しますわ。」

そして放課後の教室の中。
「暁美さん。よかったら一緒に帰りませんか?」
首を横に振り
「ご、ごめんなさい。今は一人がいいんです。」
うつむきながらそう答えた。
「そうですか。」
少し困ったような表情がしたようにみえたけど、
家に向かって歩き出す。

「やっぱり、私ってだめな子なんだ・・・。こんなに迷惑かけるんだったら・・・。死ぬほうが・・・。」
ふと違和感を感じ周りを見渡す。
「え、ここはどこ・・・?」
まわりは見慣れない淀んだ景色、空は赤く、茶色の人形か何かが動いてる。
目の前には大きな門みたいな建物が広がる。
「な、なに?なんなの?」
茶色の人形が私を囲むように近づいてくる。
「わたしなんてどうせ・・・。わたしはこんなところで死ぬんだ・・・。」
とつぜん、後ろから声がする。
「志筑さん。今よ。」
「はい。」
拳を握り締め、メリケンサックのようなもので人形を次々と粉砕していく姿が映る。
「わたくしの秘密ばれてしまいましたわね。」
笑いながら私に話しかけてくれる。
「自己紹介はあとよ。先に目の前の魔女をやっつけるわよ。」
「はい。すぐいきますわ。」
目の前に、飛び散るものはすごく現実離れしたもので、
私は、ただ見ているだけでした。
「志筑さん。今よ。」
「はい。」
そう答えると、高く飛び上がり右手を強く握り締め、拳を振り下ろした。
「弱いものに付け込む魔女め、くらうのですわ。『エスポワールフィスト』」
地が響き、魔女が裂け、目の前にはとても大きなクレータが広がった。
「ふふ、もう安心してね。魔女はやっつけたわ。」
すこし奥に志筑さんは少しうつむいて、頬が赤くなっているのが見えました。

それから、助けてもらった人に家に招待されました。
独特な三角の机にと、棚には数々の紅茶とティーセットが並んでいる。
私と志筑さんは入り口側、助けてくれた人が反対側に座って、
白い生き物みたいなのが机の上で寝ている、のかな?
「わたしは巴マミ、見滝原の魔法少女よ。」
「わたくしも、改めて自己紹介しますわ。志筑仁美、最近魔法少女になったのですわ。」
「そして、このこがキュウべえよ。」
「よろしく、暁美ほむら。さっそくだけど・・・」
キュウべえの赤い瞳が私を見つめてくる。
「おかしいな。君とは契約ができない。
いや、むしろもう契約しているんじゃないかな。」
「えーと。」
巴さんと、志筑さんがこちらをまじまじと見つめます。
「暁美さん、キュウべえの言ってること本当?」
急な事であたふたしてるうちに、
「暁美さん、指見せてください。」
言われるままに、指を志筑さんのほうに向ける。
「ソウルジェムの印が指になくて?」
「本当ね。どういうことキュウべえ。」
「わからない。本当にイレギュラーなことなんだ。ボクも契約した記憶もないし、今日初めて会ったばかりだよ。
もしかして、その耳についているものがソウルジェムじゃないのかな?」
耳に手をあて、イヤリングを外し、手のひらに乗せた。

「きれいなソウルジェムね。でもなんか私たちのとは形が違うみたい。」
「そうだね。それはボクにはわからないし、どうしてそんなソウルジェムがあることが不思議でしかたないんだ。」
マミが手を叩き、
「じゃあさっそくだけど、変身してくれる?」
「え、えーと。」
「ソウルジェムに力をこめればきっとうまくいすはずですわ。」
ほむらは立ち上がり、ソウルジェムを握り締め、体から紫の光を放つ。
左腕に丸い盾、黒い手袋、黒いタイツ、胸は覆い、背中は開いた、黒いドレス姿が現れた。
「なんか、すごいですわ。ダークな感じがしますわ。」
「ふふ、そうね。普段から考えられない服装かもしれないけど、もしかして暁美さん
小悪魔にあこがれてたりするんじゃない?」
くすくすと冗談をまじえつつ、話が盛り上がる。
「暁美さんの能力はどんなものなの?ソウルジェムに力を流すようにすれば具現できるわよ。」
「え、えーと。こうですか?」
左腕の丸い盾に手を伸ばし、力を込める。
「え、巴さん、志筑さん、どうしたんですか?」
マミの方に手を伸ばす。
「えっ。なに?暁美さん?志筑さんが動いてないようにみえるけど、これって。
触れたもの以外の時間をとめることができるのね。」
私は力を抜き、時が動き出した。
「暁美さん?どうして巴さんの隣にいまして?」
仁美はほむらのほうを見つめている。
「え、えーと。」
「すごいわよ。暁美さんはね、時間を止めることができるみたいなの。」
首をかしげてマミのほうに視線を移す。
「触れたもの以外の時間をとめることらしいのよ。」

・・・。
・・・・・。
・・・・・・・そして退院して1ヶ月が過ぎたころ。

とても強大な魔女、ワルプルギスの夜の襲来。
「志筑さん。巴さん。目を開けてください。こんなのは嫌です。
どうして、どうして私なんかを守るんですか。」
少し手が動いたように見えた。
「暁美さん、私は貴方を守れてうれしかった。だって初めて助けたのが暁美さんなのですわ。
実はね、私には好きな人がいたの。でも、その人に振られちゃって・・・
そんなときに助けたのが、暁美さんなのですわ。ふふ。まだ、わたくしは戦えます。」
傷だらけなのに立ち上がる。
「仁美ちゃん。無茶はやめて。おねがいだから、ここから逃げよう。」
首を横に振る。
「やっと名前で呼んでくれたね。とてもうれしいですわ。
ほむらさん。貴方は私の誇りだったの。だからね、ここでとまるわけにはいかないのですわ。」
そういって魔女のほうに飛び出す。
もうほとんど魔力が残ってないはず、なのに・・・。
「いやー!!!」
両手を伸ばし、目が大きく見開く。でも足が動かない。
歯を食いしばり、立とうとするが、座り込んでしまう。
「仁美ちゃん、仁美ちゃん・・・。」

そして夜が明ける。
「こんなのって、どうして。どうして仁美ちゃんは死ななければならないの?」
涙がひとつ、ふたつ、頬を流れてゆく。
「・・・・・っ。」
頭が痛い。私どうしたんだろう。
すると、どこからか声が聞こえてくる。
「ふふふ、貴方こんな未来変えたいとは思わない?」
地面に両手をつきながら、辺りを見渡す。
けれど、誰もいない。残っているのは破壊されつくした町だけ。
「貴方は誰、ですか。」
「誰なんでしょうね。でもね、こんな結末を変える力が貴方にあるわ。
貴方には盾があるでしょう?それを回してごらん。」
そして、頭痛が引くのと同時に声が消えた。
半信半疑なまま立ち上がり、変身する。
「この盾を回す?こうかな。」
周りの景色が歪み、そして意識は途絶えた。
影から何かが出てくる。
「暁美ほむら、君はいったい何者なんだい?変身して盾を触ったと思ったら
消えるなんて。移動だったら魔力を感知するはずなのにまったく感じない。
わけがわからないよ。」

ふと気がつくと、そこは見慣れた天井があった。
「あれ、どうして病院にいるんだろう。」
カレンダーに目をやると、
「嘘、まだ転校する前じゃない。あのときの声はこのことを?」
考えるけど、わからない。でもはっきりわかることがある。
また仁美ちゃんに会える。そう思うとうれしくなり、転校がとても待ち遠しく感じる。

「ねえ、まどか、もうほむらのことはほっときなよ。」
まどかはうつむく。
「私、どうしたらいいのかわからない。こんなのってあんまりだよ。」
今にも泣き出しそうな表情だ。
「ったく、あいつ何考えてんのだか、まるでわからん。」
「さやかが言うとぜんぜん説得力がないのです。」
眉がすこし、ピクっとした。
「ほほう、なぎさは私が変とでもいうのかー。」
手をワキワキさせながら、なぎさのほうに飛び掛る。
「や、やめるのです。逃げるのですー。」
まどかを中心にしてぐるぐる楽しそうに追いかける。
でも、まどかはうつむいたまま。
「はぁ、まどか。気持ちはわかるけどさぁ、少しは休みなよ。」
「そうなのです。過労はいけないのです。」
さらにまどかはうつむく。
「違うの。なんだか変な胸騒ぎがして・・・。このままだと何かなくしそうで怖いの。」

ほむらの作った世界は円環の理から干渉されない世界。
まどかも見ることができない世界。

「はぁ、はぁ、はぁ。」
とても強大な魔女は倒したはずなのに、こんなのって・・・。
「これでボクたちのノルマは達成かな。」
キュウべえのほうを睨む。
「どういうことなの、仁美ちゃんは、仁美ちゃんはどうなったの?」
でも、それは虚しくキュウべえが語る。
「暁美ほむらも見届けたんじゃないのかな?その通りだよ。
志筑仁美は魔女になった。それもワルプルギスの夜を越える魔女にね。
きっと10日もあれば仁美は地球は滅すだろう。」
「どうして、どうしてこんなことをするの?」
「宇宙の寿命を延ばす為さ。君はエントロピーっていう言葉を知ってるかい?
簡単に例えると、焚き火で得られる熱エネルギーは、木を育てる労力と釣り合わないってことさ。
エネルギーは形を変換する毎にロスが生じる。宇宙全体のエネルギーは、目減りしていく一方なんだ。
君たちの魂は、エントロピーを覆す、エネルギー源たりうるんだよこれもすべて宇宙の為なんだ。
だからほむらも魔女になってよ。君たちの生きた証はグリーフシードになって永遠に残るからさ。」
ほむらは立ち上がる。
「わたしの戦場はここじゃない。」
「どうしたんだい?魔女を倒さないのかい?どこに逃げても同じなんだけどね。」
私は、盾に手をかける。

時間は遡る。

「みなさん、QBにだまされているの!あ、あの、きいてください。」
真剣な眼差しで、仁美ちゃん、美樹さん、巴さんに声をかける。
「あのさ、そうやってチームの輪崩そうそしてるんでしょ。
あんた、あいつと繋がってるみたいだし。」
「もうやめてくださいまし、どうして仲間割れを起こさないといけないのですか。
もっと円満に解決しましょう。」
「何いってんのさ仁美、もともと転校生があんな奴とつるんでるんだ。
仲間割れを狙ってるのに決まってるよ。」

美樹さやかが魔女になり仲間割れがおきる。
残ったのは私と仁美ちゃんだけ。
そして、ワルプルギスの夜を撃破する。

もう終わったんだ、もう体に力が入らないや。
ソウルジェムはもう限界に近づいてる。
「仁美ちゃん。もうこの世界壊してしまっていいんじゃないかな?」
「そうですわね。それもいいかもしれないですわ。」
そう告げると、最後のグリーフシードを取り出し、ほむらのソウルジェムに当てる。
「仁美ちゃん?なんで!」
「嘘、そんなことないですわよ。世界を壊すなんて。」
「やめて、そのグリーフシードは仁美ちゃんが使って!」
「いいえ、貴方ならこんな結末を変える力があるのでしょう?
だから、最後にひとつお願い。どうか、キュウべえにだまされる前のわたくしを救ってくれませんか。」
目を大きく開け、手を力強く握り締る。
「ええ、何があっても仁美ちゃんを救う。もうこんな結末は迎えたりしない!」
「ふふふ、とても嬉しいですわ。それと、もうひとつだけおねがい。私のソウルジェムを壊してくれないかしら。」
涙で仁美ちゃんがよく見えないや。
「おねがい。魔女になるくらいなら、死んだほうがましです・・・わ・・。」
盾から拳銃を取り出し、ソウルジェムに向ける。
手の震えがとまらない。
「わ・・・私、がんばるから、仁美ちゃんを救うから。」
とっても嬉しそうに笑ってくれた。
「ありがとう・・・。」
拳銃の引き金を引く。
足が動かない。どれぐらいの時間が経ったのだろう。
そして、盾に手を掛ける。

「まどか、今度はどうしたのさ。何を探してるのよ。」
「さやかちゃん、何かおかしいの。ほむらちゃんがどの世界にも見当たらないの。」
さやかにも見えるように力を強く込める。
「ほむらだったらいるじゃん?何がおかしいの。」
首を横に振る。
「違うの、ダークオーブを持ってるほむらちゃんがみつからないの。」
手を頭にかけ、しばらく考える。
「あいつ、いったい何を考えてるのよ・・・。」
イライラして頭を掻き毟る。
「ああもう、また、なにかたくらんでるのね、ひつこい奴。まどか、もうほっときなって。」
まどかはまたうつむく。
「ほむらちゃん・・・。」
「あ、あいつが何かしでかしてもまどかだったら絶対止めれるって!
だからね、もっと明るくしようよ。」
「さやかの言うとおりなのです。笑顔が一番なのです。」
「うん・・・。」
まどかはうつむいたままそう返事をした。

どれぐらい時間がたったのだろう。
仁美が契約してしまう。
私の祈りが届かない。でも、まだあきらめない。
何度でも、何度でも、繰り返す。
仁美を救うまで・・・。

「ふふふ、そろそろ頃合いだわ。私の体、返してもらうわよ。」

重たい瞼を開ける。そこには何度も何度も見慣れた天井が写る。
「せ・い・こ・う。それじゃあ、最終仕上げでもはじめましょうか。」
キュウべえを呼び出し、キュウべえをつまみ、首をかしげる。
「君はいったい何者なんだい?」
「私は暁美ほむら。あなたは、ただ私に従えばいいのよ。キュウべえ。」
「どういうつもりだい。」
そのとき、魔法少女の魔力がひとつ消えた。
「キュウべえ、余計なことを言ってると、地球に存在する魔法少女全員消すわよ?」
なにを考えているかまったくわからない。
しかたがない。ここは従うしかないか。
「それは困る。わかったよ。何をすればいいんだい?」

いつものように病院に出かける。
「上条さん、よろこんでくれるかしら。」
めずらしいCDを持ってドアをノックする。
「上条さん、わたくしですわ。」
しかし、返事がしない。
「どうかしまして?入らせていただきますわよ。」
ベッドに座ってるのは知らない女の子。
黒いドレス姿でとても不気味な感じの。
「あなたはどちら様で?ここは上条恭介の部屋でしてよ。」
「ふふふ、こんな男のどこがいいのかしらねぇ。」
視線を降ろすとその先に、血を流した上条恭介が倒れている。
「あ、貴方!いったい彼になにをしまして。」
「ふふふ、やっぱり他人の不幸を見るのはとても楽しいわ。」
すべてを見下したような表情で彼に近寄り、
そして右腕を踏みつぶした。

悲痛な叫びが病室に響きわたる。
貴方は許せない。わたくしの大切な彼を・・・。
私の目は大きく見開き、その女の子に視線を向ける
もう、正気は残っていない。
「私は、暁美ほむら。すべての不幸を見とどけるのが楽しくてしょうがないの。
クスクス、貴方にいったい何ができるのかしら。」
仁美の肩に乗っていたキュウべえがささやく。
「仁美、彼女の存在を消すのさ、君にはそれだけの力がある。
彼女はかなりイレギュラーなんだ。ここに存在する彼女だけを消しても
無駄だと思うからこう願うんだ。」
うつむきながら少し首が振れたように見えた。
「貴方がキュウべえに願い事をしても無駄よ?次は・・・。美樹さやかでも殺そうかしら?」
気迫のある目をこちらに向けてくる。
しかも、その目は輝きを失っていないように見えた。
「キュウべえさん、どうかわたくしの願いを聞き届けになって。
『暁美ほむらの存在を、過去と未来、いいえ、生まれてこなかった。
もともと存在しなかったことにしてくださいまし。』」
胸に手をあて、キュウべえに気迫の篭った声が響き渡る。
「ねぇ、叶えてよ。はやく!」
とても暖かな光が彼女を包み込み、魔法少女になった彼女が姿を見せた。
でも何も起きなかった。
「願いがまだ発動しないね。どうやら、暁美ほむらを消し去るには、ここで勝つしかないようだ。
仁美なら勝てるよ。暁美ほむらを倒す為の願いだからね。」

仁美は飛び出す。メリケンサックを握り締め、
力を大きく込めて右ストレートを繰り出す。
「あらあら、契約したのねぇー。でも私に勝てるかしら?」
そして、時間が止まる。
あとすこし遅かったら、喰らっていたわね。
「ふふふ。どうしようかしら。このまま負けてもいいんだけど・・・。そうねぇ。」
上条恭介の肩に手を触れ、傷を癒し、遠い離れた場所に運ぶ。
嬉しそうな表情をして・・・。
「まどか・・・。やっと貴方をそこから救いだせるわ。」
そして、元の位置にほむらは戻る。
時間は動き出す。
「うぐっ・・・!」
あっけなく右ストレートが決まり、そして私は高く跳び上がる。
「貴方を許しませんわ。くらいなさい!」
右手を引いて、捻りながら振り下ろす。
ものすごく大きい音を立て、町ひとつぐらいのクレータが姿を現した。。
「・・・。」
足から力が抜け、体は透明になってゆく。
うすく微笑み、瞼を閉じた。
「わ、わたくし勝ちましたわ。貴方なんて存在しなかったことに・・・。
ですから町も元通りになるはずですわ。やりましたわ。上条さん。」

「嘘っ・・・!?どうして、なんで消えていくの?」
驚いたように、世界を覗く。
「ほむらちゃん?どうしたの?なんで消えていくの!?」
悲痛な叫びが響き渡る。
すると、後ろからあわてたような声が聞こえた。
「なにさ、これ、どうしてここの空間が崩れていってるのよ。」
さやかのほうに振り向く。
「まどか、いったいなにがおきてるの。」
首を横に振り
「わからない・・・。わからないよ・・・。」
私は力いっぱい空間の崩壊を防ごうとする。
しかし、まったく止まる気配がしない。
それよりも、気になる世界がひとつ姿を現した。
「え、なに・・・。あの世界何なの。いつのまにあったの?
もしかして、あそこにほむらちゃんがいるの?」
まどかはそういい残すと、その世界に入っていった。
「まどか!もう!追いかけるよなぎさ。」
「はいなのです。」

目に映ったのはとても巨大なクレータ。
中心にほむらちゃんが倒れていて、その隣に勝ち誇ったように仁美ちゃんが立っていた。
私はあせるような気持ちで声を捻り出す。
「仁美ちゃん。ほむらちゃんをどうしたの!?」
声に気づき振り返る。
しかし、そこには何もなかった。
「誰・・・なのかしら?」

ふと気がつくと、私はイスに座っていた。
周りには木々が立ち並び、川も近くで流れ、道の真ん中に
パラソルのついた大きな丸いテーブルがあって・・・。
「また、会えたわね。まどか。」
目の前に、体の薄くなったほむらが肘をつき座っていた。
嬉しそうな、悲しそうな、虚ろな目をしてよくわからない表情で・・・。
「ほむら・・・ちゃん?」
何が起きているかわからない。ほむらちゃんに何が起きてるの?
「あら、お客さんがあとふたりくるわね。どうせなら全員呼びましょうか。」
手を顔の横に伸ばし、音を立てる。
「え、なに?」
周りを見渡すと、さやかちゃん、杏子ちゃん、マミさん、仁美ちゃん、なぎさちゃんが
椅子に座った状態で、テーブルを囲むように姿が現れた。
「さぁ、みんなそろったわね。」
にっこりとした表情でみんなに挨拶する。
でもどこか寂しそうな表情。

「え、なにどうなってんのさ。」
「これはいったい?暁美ほむら、貴方はさっきわたくしがとどめをさしたはずですわよ。」
「おいおい、これはいったいなにがおきてやがる。」
「あ、暁美さん?たしかさっきまで・・・。」
「気がついたらここにでてきたのです。」
驚いているみんなは同時に声を出す。
「ふふふ、同時にしゃべらないで頂戴。ききとれないわ。
そうね。一番不服そうな志筑仁美としゃべりましょうか。」
視線を仁美のほうに移す。
「ちょっとまってよ、仁美は関係ないでしょ。」
ほむらを睨む。
「だまりなさい。私は志筑仁美と話しているの。」
ただならぬ威圧にみんなが黙る。
「そうねぇ、貴方はさっき確かに私を倒した。この状態でいれるのはせいぜい10分でしょう。
私はもうすぐ完全に消滅するわ。おめでとう。貴方は貴方の世界を守れたのよ?」
「ならどうして貴方はわたくしの前に姿を現すのですか。」
「それは、これから知ることになるわ。」
仁美は黙り込む。

次に視線をさやかに移す。
「いつか貴方は私にひとりで抱え込むな、って言ったよね。貴方たちがいったいどれだけ私に迷惑をかけたかわかる?
それで知ってどうするつもりだったの?」
目を大きく見開き、
感情の読み取れない表情でさやかを見つめる。
「そ、それは・・・。」
すこし困ったような表情が見えた。
「ふふふ、もう時間はないわ。見せてあげる。」
虚ろな目をとても大きく見開く。
「私の生き様を。」
それはとても低い声でした。
「まって!ほむらちゃんはこれからどうなっちゃうの?」
机をたたき、必死そうに私を見つめる。
「ふふふ、私にはわからないわ。でもね、まどかを閉じ込めてた空間はなくなるの。おめでとう。」
虚ろとした目で微笑み、顔の横で手を叩く。
それと、同時に全員が倒れこむ。
「ふふ、すべてはまどかの為よ。まどかが犠牲になるくらいなら、私がすべてを引き受けるわ。
これで、まどかは永遠の時をさまようことはないのよ?」
ほむらはそう言い残し、完全に消滅した。

「ほむらちゃん!」
私は自分でもびっくりするくらいに飛び起きた。でも・・・。
「ほむらちゃんって誰だろう。なんで飛び起きたのかな。うーん。」
この言葉に懐かしさを感じつつ、今日も普段と変わらない一日が始まった。

「ふふふ、何も見えない。何も感じない。
わたしは消滅した存在。もう存在すら許されないもの。これであの子は救われるわ。
いつまでも、どこまでも続くこの闇は私の最後の場所。もう死ぬことすらできないでしょう。
ふふふ。でも、まどかにとても理不尽なことがあれば愛の力で出て行くかもしれないけどね。」
私は闇に溶ける。
もう、誰も見聞きできない、干渉されない空間で私は眠る。
そう、永遠に目の覚めない眠りにつくわ。

もう、いくら時間が流れたのだろう?
いやむしろ止まっているかもしれないわ。
だって私は、時間を操る悪魔だもの。

でも、なにかしら?
小さな音が聞こえてくる。次第に大きくはっきり聞こえてくる。
聞き覚えのある時計の音が聞こえてくる。
そう、何もないはずなのに聞こえてくる。
この音は私の家の時計ね、私がいなくなったはずなのにどうして残っているのかしら?
ほむらは薄く目を覚ます。
私を囲むように、まどか、さやか、杏子、マミ、仁美、なぎさが立って泣いているのが確認できる。
「ほむらさん。」
「暁美さん。」
「ほむら帰ってきて・・・。」
「クソッ!ほむら・・・。」
「ほむら帰ってこないとさみしいのです。」
「ごめんなさいほむらちゃん!ほむらちゃんはこんなやりきれない気持ちをひとりで抱えていたんだね。
私が悪いのに・・・。どうしてほむらちゃんだけ消えなくちゃならないの!?」
「あら、おはよう。貴方たちどうしたの?なんで泣いているのかしら?
私は貴方たちを裏切ったのよ?」
上半身を起こし、その目の前には大粒の涙を流すまどかが映る。
しかし、こちらを見ないでずっとうつむいているわ。
ああ、そうか。どうやら私は見えないらしい。
うれしいわ、覚えててくれたのね。愛おしい。
でも干渉していないなら私安心して眠りにつけるわ。
「ふふ、愛してるわまどか。おやすみなさい。」

それを聞いたまどかは顔を上げる。再び眠ろうとするほむらに跳びつく。
「ほむらちゃんのバカ!どうしてひとりでいなくなろうとするの!」
バランスを崩したほむらはそのまま仰向けに倒れこむ。
「まどか・・・?わたしが見えるの?」
まどかが私の上に乗って泣きながらしゃべる。
「やっと会えたのに、喜べばいいのに、干渉出来ないと思い込んでまた背負う!
後悔はないの?私を取り残した後悔は!」
「後悔なんてあるわけないわよ。私は貴方を守れたのよ。」
「違う、そんなの違うよほむらちゃん。私はそんなの全然嬉しくないよ。」
「違うわ、私はね、貴方が人間として、ごく普通に友達をつくって過ごしてくれるだけで
私はとても嬉しいの。だから貴方自ら責めないで。」
「違わない。私はほむらちゃんと一緒に過ごしたいんだよ。どうしてわからないの?」
「いいえ、貴方は自ら魔法少女を救うため、身を捧げたのは貴方よ?まどか。
だからね、そんな運命を貴方に背負わすぐらいなら、代わりに私が背負うの。」
「違うよ、どうしてほむらちゃんだけがそんな運命を背負おうとするの。そんなのだめだよ。」
「そう・・・。なら、どうして私が悪魔として改変した世界をまた元にもどすのかしら?ねぇ、どうして?」
「ごめんなさい。ほむらちゃんを失って初めて気がついたんだ。こんなのはおかしいって。
だからね、これからはもっと一緒に歩もうよ。」
「一緒に歩む?どうやって。ここまで世界を壊したんだよ?私に生きる資格があると思う?」
「違うよ、こんな私を身を捧げてがんばってくれたんだよ。だからね、他の人が駄目だっていっても
私は生きてほしい、生きる資格はあると思う。私が許すから。」
「いいえ、そもそも私が存在しなければ、貴方がとても長い時間円環の理に閉じ込められなかったのよ。
そして私は世界を何回も書き換えてしまった。だから私は存在してはいけないのよ。」
「そんなことないよ。私のためにこんなに傷つき、感情を殺してしまったから。今度は私が背負う。」
「駄目よ。私に感情なんて残っていると思う?私にはもう愛することしか残ってないのよ。」
「ちがうよ。そんなことないよ。だってほむらちゃんずっと寂しそうな表情をしてるもん。」
「いいえ、寂しくなんかないわ。だから貴方が背負うことないのよ。」
いつの間にか、涙が消え、お互いに気持ちをぶつけていた。

「あのさ、これどうする。全然埒があかないよ。」
両手をあげて困ったように手を振る。
「全然お互いに譲らないね。」
「もうみんな泣き止んでしまったわね。」
「そろそろ止めたいですけど、どうしましょう。」
「そんなことよりチーズがほしくなってきたのです。」
肩に手をのせ、さやかにつぶやく。
「さやか、一番の親友だろ?とめてきなよ。」
さやかはまどかとほむらのほうに腕を振りながら指差す。
「そんな無茶いうな!そういうあんたが止めてきなさいよ。」
さやかの頬を両手でつねり、ニカニカ笑って
「無茶を言うのはさやかじゃないか。」
杏子の頬をつねりかえす。
「ええい、やめんか!」
「ケンカはやめるのです。平和が一番です。」
「さ、さやかさん。」
「・・・・・・・・・・。」

「私なんかがもどって因果も戻ってしまっては、また、まどかに重い運命を背負わせてしまうわ。」
「そんなことないよ。今度は大丈夫だよ。ほむらちゃんをひとりぼっちにさせるようなことするわけないじゃん。」
「いいえ、貴方は優しすぎるから、貴方にしかでき・・・な・・・?」
ほむらはただならぬ気配を感じた。
そう、マミが鬼のような形相でこちらを見つめている。
「あーなーたーたーち!いいかげんにしなさい!」
拳を握り締め壁を力強く叩く。するとざわめきが消えた。
左手で頭を掻いて、右手はほむらの方に向け指差す。
「ああ、もう、聞いてるこっちがイライラしてきたわ!
あなた、自分を粗末にしすぎ!まどかを想うのはいいけど、
自己犠牲では何も変わらない!まどかもそう!もっと貴方自身を大切にして!」

そして、振り返りさやかと杏子を睨む。
「さ、さやかが悪いんだよ。なぁ、マミ。」
「いいや、杏子が悪いの!」
お互いに腕を振りながら指差し合っている。
「貴方たち、覚悟はできているのでしょうねぇ。」
威圧を受け、二人の動きが止まる。
「なんで貴方たちがケンカをはじめなきゃいけないの!
二人を止めるならさっさと止める。止めないならケンカをするな!」
そう言い終えるともう一度拳を握り締め壁を力強く叩く。
「ご、ごめんなさい。」
「わ、わりぃ、マミ。」
安心したのか、胸をなでおろし、にっこり笑う。
「やっぱり平和がいちばんなのです。」
「ふふふ。」
気ダルそうな、困ったような表情が映る。
「おねがいだから、みんななかよくしましょ。」
私は半泣きになりながら、マミのほうに視線を向ける
「マミさん。ごめんなさい。ほら、ほむらちゃんも。」
「ご、ごめんなさい。」

マミさんのあの表情は初めて見ました。
私、おもうのです。やっぱり普段怒らない人が怒るととても怖いのだなって。

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