ほむら「最高に面白いダジャレを思いついてしまったわ」 (84)

~魔女の結界内~

杏子「ようやく結界の中心まで来たな」

さやか「うん。そろそろ、魔女が現れるあたりだね!」

マミ「私、しばらく魔女の使い魔としか戦っていなかったから
魔女と戦うのはしばらくぶりだわ」

まどか「私もです」

ほむら「……」

ほむら(マミは魔女と戦うのはしばらくぶり……マミが、魔女と……)

ほむら(ぷっ、最高に面白いダジャレを思いついてしまったわ)

ほむら(ここは一つ、皆に披露して、魔女との決戦前で緊張している気持ちをほぐしてあげようかしら)

さやか「あ、ちょっといい?」

ほむら「?」

さやか「それじゃあ、マミさんが魔女とあい「まみ」えるのはひさしぶりってことですよね。
……なーんちゃって! どう? どう? このシャレ?」

まどか「ぷーっ! さやかちゃんそのギャグ最高だよお!」

杏子「あはははははははははははははは! ウケる! やるじゃん! さやか!」

マミ「ふふふふふっ!
私の名前をあいまみえるをかけたのね! なかなか思いつくものじゃないわ!
美樹さん、芸人の才能があるんじゃない?」

ほむら「……」

さやか「いやあ、それほどでもありますって!
ほむらも我慢しないで笑っていいんだよ? ……ってぐふぉおお!」

まどか(ほむらちゃんがいきなりさやかちゃんにドロップキックを!)

ほむら「……これから、命がけの戦いをしようっていう時に、浮かれないでくれる?
学校の遠足じゃないのよ? 一歩間違えれば死ぬかもしれないの。
遊び半分なら帰ってちょうだい」

さやか「……す、すびばせん(ケホケホ)」

ほむら(……まさか美樹さやかも、同じネタを思いついていたなんて!
何だか悔しいわ)

マミ「ま、まあ、暁美さんの言いたいこともわかるけど。
美樹さんだって悪気はないんだし。落ち着いて。ね?」

まどか「そ、そうだよ。どんな強い魔女かわからないんだし。
ここはみんなで協力しないと」

ほむら「……ごめんなさい。ちょっと気が立ってしまったの。
それじゃあ行きましょうか」

数日後

~魔女の結界内~

まどか「使い魔がうじゃうじゃ出たけど、どうにかここまで来たね。
魔女の気配も近くなってきたなぁ」

マミ「もうひと頑張りね」

さやか「フォーメーションはどうする?」

杏子「あたしが幻覚魔法を魔女にかけて、その隙にマミ達が中距離攻撃。
さやかが援護に回るっていうのでどうだ?」

ほむら「……」

ほむら(杏子が幻覚魔法を魔女に……佐倉杏子が、幻覚魔法を……)

ほむら(ふふっ、今度こそ天下が取れんばかりのすごいダジャレを思いついてしまったわ)

ほむら(ここで、私のギャグセンスをみんなにアピール、
大ウケを取って、私のイメージアップというのはどうかしら。
そして、まどかもそんな私に惚れ直す……よし、この路線で決まりだわ!)

ほむら「じゃあ、佐倉杏子が、魔女に幻覚魔法をかけて」

マミ「あ! じゃあ、佐倉さんが魔女を幻覚で「錯乱」させるのね!
……なーんちゃって! どうかしら! この洒落!」

まどか「佐倉さんが…錯乱! あはははははは!」

さやか「ぷーっ! くすくす! 最高じゃないですか!
流石はマミさんです!」

杏子「すげえな! マミ! あたしの名前と錯乱をかけたのか!
末恐ろしいギャグセンスだ!
将来的にお笑い界を牛耳る日も近いんじゃないか?」

マミ「ふふ、世界のキタノには負けるけどね」

ほむら「……」

マミ「暁美さんも遠慮しないで、存分に笑ってちょうだい!」

ほむら「マミ」

マミ「何?」

ほむら「ちょっと背中を向けて、その辺に立って」

マミ「この辺?」

ほむら「もう少し右。……そう、そのあたり。そのまま動かないでね。
……はああっ!」

バキッ

マミ「あだぁ!」

さやか(ほむらがいきなりマミさんに延髄蹴りを!)

マミ「な、何するの? 暁美さん? 首が取れるかと思ったわ!?」

ほむら「よくあることじゃない」

     /    い そ な  ヽ   /    邪 時 モ      ヽ
      |     な う ん   |    |     魔 は ノ      |
      |    き ね と    !    !     さ ね を       |
/ ̄\|    ゃ 救 い   |    |     れ ヽ 食       |
        ダ わ う    |    |     ず 誰 べ      |
        メ れ か  ./  _|     に に て        |
 そ 円    な て :  /'´    !     自 も い      /
 う  環    の     / /    ヽ    由   る    /
 決 の    |\__/   {   ト、 \   で       /
 め 女    | /      ト、\ | \ \       _/
 た 神   |/   / ∧N \| ヽ/ ̄ヽ! ̄ / /  ハ
 の 様   /   /j/,.-- 、      ,斗=ミ、///  /V´L   フガッ
 ! が   |     / _   ι  爪_,ハ ´V  :/ ゝ  _)
         |     { 〃心ヾ     ゞー'   /   /ヾ(_,ヘ∧
       /j/!  V 弋ソ '            / //}  }} ∧∧
ヽ____> | ! 〈}              //j/ノ  / :/ V∧_
         ヽ!\ヽ ι  ,.-‐―-_、  ´    / /   V/ ̄ /
  コフゥ     ノ八`    V´__/  ι    八/  __/    /
       r=≦三 |  ι             / :| :「     ∠ _
       | `<_\   `───’  ι |  ト、 |__//    |
        ヽ      |  _         _ /   ノ >'´    /
       「 ≧=-‐┘ ι  ー─ '  _,.    ι  | | __,. <_
       | `ー‐┐      「__7 ̄  _,.  ´   />>‐    ̄|
        >―‐┘      |{ {  「   ___/  |__,. -=≦
       |`ー‐┐    r―<ヽヽ__j_/: : : : : :/    //  \ _
       ≧=彡-‐  |: : : : >{: : : {<: : : : :/   /イ
          V/     /〉: : : : : :ゝ-xく : : : : 〈     /
        /     / {: : :_/:/ /|: \: : : :}    /
         /   {    !  7: : : : / //|: : : :\/__/

マミ「ないわよ! そんなこと!」

ほむら「マミ。私たちはチームを組んでいるけれど
年長であり、主戦力のあなたがムードメーカーなのは間違いないの。
そのあなたが、ふざけた空気を助長しては士気に関わるわ。
自覚を持ってちょうだい」

マミ「う……、ご、ごめんなさい」

ほむら(……言おうとした途中で、巴マミに先を越されるなんて。
さっきの賞賛だって本当なら私が受けていたはずなのに! 何なのよ、全く!)

まどか(何か、最近のほむらちゃん怖い)

ほむら「わかってくれればいいの。……いくわよ」

杏子「お、おう」

数日後

~魔女の結界内~

マミ「まさか、使い魔でさえ、これほどの強さとはね」

さやか「魔女はどうやらこの先みたいですけど
……その前に作戦を練った方が良いですかね」

まどか「どうしよう。私、何だか緊張してきちゃった」

ほむら「……」

ほむら(……まどか。 ぶるぶる震えちゃって。調子、大丈夫かしら)

ほむら(むっ、またも天才的なダジャレを思いついてしまったわ。
自分の才能が怖いわね)

ほむら(よし、こういう時こそ、笑いを取って、まどかを和ませてあげないと)

ほむら「そうね。まどかが本調子が出ないと困るわ。
ここの所、少し疲れ気味みたいだし……」

杏子「そうなのか? 
じゃあ、まどかの調子はいま、どうかな?」

ほむら「!!!!」

杏子「なーんてな! まどかと「いま、どうか」をかけてみたんだ!
どうだ? この洒落!」

さやか「まどかが……「いま、どうか」
あはははははははは!」

マミ「ぷっ! あははははははは! 佐倉さん! それ最高よ!
やるじゃない! どう? 私とコンビを組んで吉本に殴りこまない?」

まどか「あはははは! お、お腹が痛い!
おかげで緊張がほぐれたよ! ありがとう! 杏子ちゃん!」

杏子「へへ。
ほむらもあたしの渾身のジョークを堪能してくれていいんだぜ?
あれ? ほむら? どこ行った?」

ほむら「後ろよ」(ガシッ)

杏子「ぐえええええええ!」

マミ(ア、アルゼンチンバックブリーカー!
……あの暁美さんがあんな荒業を繰り出すなんて!)

杏子「ギブ! ギブギブ! ほむら!」

杏子「はあはあ……(や……やっと技を外してくれた)」

ほむら「今回の魔女は強敵かもしれないのに
馬鹿げたジョークなんて飛ばさないでちょうだい。
調子が崩れて、命がけの戦いの最中に連携のミスでもあったらどうするのよ?
まったく」

杏子「わ、わかった。以後気を付ける」

ほむら(まさか、前ふりのセリフの直後にネタをもっていかれるなんて!
しかもまどかからもちゃっかり感謝されちゃって! よくも!)ギリギリ

さやか(なんだろう。なんか最近、空気が殺伐としてるなぁ)

ほむら「行くわよ。くれぐれも戦闘中は気を抜いてミスとかしないでね」

まどか「……」

マミ「……」

数日後

~魔女の結界内~

杏子「今日はずいぶん、あっさり魔女本体の所につきそうだな」

マミ「油断は禁物よ。結界が小さいからって魔女が弱いと決まったわけでもないしね」

さやか「でも、さっさとけりがつくのは嬉しいな」

まどか「さやかちゃん、今日、上条君のコンサートに行くことになってるんだもんね」

さやか「そうそう。もう今日は、間に合わないかと諦めかけてたよ。
ここの所、魔女退治と勉強で、楽しみがなかったからさぁ」

ほむら「……」

ほむら(美樹さやかにとっては上條恭介の演奏が唯一の楽しみなのかしら…………、
美樹さやかにとっての、……唯一の楽しみ)

ほむら(はっ、今度こそ、爆笑間違いなしの鉄板のジョークを思いついたわ)

ほむら(何か知らないけど、最近みんな、私を見ると表情が硬くなるみたいだし、
ここは今度こそ笑いを取って私だってジョークの一つも言えるってところを見せないと)

ほむら「なるほど、ということは、上條恭介の演奏を聴くことが」

まどか「さやかちゃんのささやかな幸せなんだね!」

ほむら「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

まどか(はっ! しまった!
ほむらちゃん、魔女狩りの途中にふざけたこと言うと最近怒るんだった!
ど、どうしよう……あれ?)

ほむら「う、……う」

マミ「?」
杏子「?」
さやか「?」

ほむら「うわああああああああああああん!」ダッ

まどか「ほ、ほむらちゃん! どこへ行くの!」

さやか(? な、泣いていた?)

数日後
~学校の帰り道~

まどか「ほむらちゃんが、学校にも魔女退治にも来なくなって、もう3日だね」

さやか「一体、どうしちゃったのかな?」

マミ「鹿目さんがジョークを言ったのがそんなにショックだったのかしら」

まどか「やっぱり私がいけなかったんですかね……」

さやか「ほむらのやつ、まどかを一番信頼しているみたいなところがあったから
まさか、まどかが、戦いの最中にふざけるような、
自分の主義に反することをするとは思わなかったんじゃないかな」

マミ「それで、ショックを受けて、引きこもってるの?」

まどか「え、じゃあ私のせいなのかな」

さやか「アイツもストイックだなぁ。
よし、杏子にも声かけて、ほむらの家に行きましょうよ。
それで、これからは戦いの最中にふざけたことは言わないって、みんなで謝りましょう」

マミ「そうね、暁美さんがいないとやっぱり戦力ダウンだものね」

~ほむらの家~

マミ「暁美さん? いるの?」

杏子「ほむら! 大丈夫か!?」

まどか「ほむらちゃん! 開けて」

さやか「ほむら! あたしたち、謝りに来たんだよ!
ねえ、開けてよ!」

ガチャリ
ほむら「……、みんな、来てくれたのね」

まどか「よかった。とりあえず元気そうで何よりだよ!
あのね、ほむらちゃん! 本当にごめんなさい!
戦いの最中にふざけたことでそんなにほむらちゃんが傷つくとは思わなくて。
でもね、あれは、本当は……」

ほむら「違うの! 別に、まどかが悪いんじゃないの!
いや、本当は、その前の、美樹さやかの事も、マミのことも、杏子の事も……」

さやか「?」
マミ「?」
杏子「?」

……
さやか「え、じゃあ、つまり、思いついたギャグを他の人に言われて
悔しくて怒っていたの?」

ほむら「つい、熱くなって、みんなにひどいことをしてしまったわ。
ごめんなさい」

マミ「それなら、そうと言ってくれれば、言うタイミングを譲ったのに」

まどか「てっきり、私の事、怒っているのかと思ったよ。……良かった」

杏子「そういうことなら、これからは、ほむらの言うこと邪魔しないように気を付ければいいんだな!」

ほむら「……みんな」

マミ「それじゃあ、明日から、またみんなで魔女退治しましょう、ね?」

ほむら「ええ、ありがとう」

翌日

~魔女の結界内~

まどか「どうやら、この先に魔女本体がいるみたいだね」

さやか「ここまで倒してきた使い魔から考えると
接近戦じゃ厳しそうな感じだよね」

マミ「そうなると、私と鹿目さんの遠距離攻撃でじわじわ削りながら
暁美さんの時間停止でとどめを刺すのが、良さそうね」

杏子「良いんじゃないか? それで」

ほむら「……」

ほむら(……私が、……魔女にとどめを)

ほむら(ふふふ、今度こそ、世界中のコメディアンもはだしで逃げ出す最高のジョークを考えたわ!)

ほむら(みんなも、私のセリフのタイミングをつぶさないように空気読んでくれるって約束してくれたし、今度こそ、イける!)

ほむら「つまり、私、暁美ほむらが魔女をほうむらんとするわけね」

マミ「!?」

さやか「……」

杏子「え」

まどか「は?」

ほむら(…………あれ、微妙なリアクションね。
もしかして笑いどころが分からなかったかしら)

ほむら「いや、つまり、ほら、私の名前、ほむらと、葬らんというのをかけたんだけど。
あら? ……も、もしかして、面白く、なかった?」

マミ「い、いや、お、面白かったわ、ね? みんな?」

杏子「あ、ああ、お前の名前と葬らんをかけるなんて、考えもしなかった」

さやか「……うん、まあ、ね。いいんじゃない、かな」

まどか「ああ、うん。一瞬、リアクションに困っちゃったけど
こう、よく、考えると味わいのあるダジャレだよね。
ほむらちゃんのギャグは、やっぱりホームラン級だよ、うん」

ほむら「! や、やめて! そんな空気は別に求めていなかったの!
そんな慰めはいらないの! 余計辛くなってくるから!
つまらなかったなら、つまらなかったといっそ正直に言ってちょうだい!」

さやか「悪いけど、あまり面白くなかった」

ほむら「うわああああああああああああああん!!!!!」ダッ

マミ「あ、暁美さん! どこへ行くの!?」

まどか「さやかちゃん! なんてこと言うの!」

さやか「え? 今のってあたしが悪いの?」

杏子「全く、さやかは空気が読めない子だなぁ」

さやか「ちょっと! よってたかって私のせいにしてるけど、
私、ほむらが正直に言えっていうから言っただけでしょうが!」

マミ「その話は後にして、とりあえず、今は、魔女を倒しましょう。
……それから、暁美さんの所に行きましょう。いいわね?」

~ほむらの家~

マミ「暁美さん! 開けて!」

杏子「ほむら、悪かったよ! いや、ほんとはさっきのダジャレ最高だった!
 なあ、さやか?」

さやか「うん、ほむらと葬らんをかけたダジャレなんて
普通の人間にはなかなか口に出せないよ」

まどか「ほむらちゃん、開けて! 
みんな、ほむらちゃんのこと、別に、寒いとか思ってないから!」

ほむら「もう、やめて! 放っておいてちょうだい!
今は、独りになりたいの!」

……
まどか「……ほむらちゃん」

マミ「駄目ね。何を言っても、今の暁美さんの心には届きそうにないわ」

杏子「と、いうより、あの状況に居合わせたあたしら全員に対して
忌避感があるかんじだな、これは」

さやか「それじゃあ、……」

QB「それで、何で僕が呼ばれるんだい?」

マミ「魔法少女を導いて、心のケアもするのがキュウべえの役目でしょう?」

QB「そう言われても、ほむらが僕にものすごい敵意を持っていたの知ってるだろ?」

まどか「お願い! キュウべえ」

QB「僕にしたって、折角まどかが契約したのに、
ほむらが、マミ達とうまく連携して、ワルプルギスの夜を倒しちゃったから
まどかが魔女にならないままだし。
ノルマの達成が遠のいたし。

むしろ、僕の方もほむらと仲良くする義理はないというか」

杏子「だけど、それは逆に言うと、何を言っても、傷つく心配がないから
何でも言える関係ってことだろ?」

QB「……」

さやか「自分の周りの人間の誰とも居たくないけど、誰かにいて欲しい、
そんなときだってあるんだよ! 
キュウべえなら、部屋の壁とか通り抜けて入れるし。
適当に話の聞き手に回るだけでも、気持ちを落ち着ける効果があるかもしれないでしょ、ね?」

QB「仕方がないな。
行ってみるけど、僕は基本的に正直に話すし、変な気遣いはしないよ」

マミ「ありがとう! キュウべえ」

QB「暁美ほむら」

ほむら「何しに来たの? 帰ってちょうだい」

QB「僕としても、そうしたいんだけどね。
マミ達が君のことを心配しているんだ」

ほむら(ビクッ)「あの子たちとは、今は顔あわせたくないの」

QB「「今は」っていうけど、じゃあ、いつになったら、あわせられるのさ。
そのまま気まずくなって、仲直りするきっかけがなくなったりしないかい?」

ほむら「……」

QB「原因を聞かせてくれないかな。
マミ達からは君が魔女退治の途中で、離脱して、そのまま家に閉じこもったとしか聞かされてないんだ」

ほむら「……あなたに話しても理解できないと思うけど」

ほむら「……というわけよ」

QB「つまり、君としては、マミたちを笑わせたかったけど、それが上手くいかずに逆に気を遣わせた、
そのことが君の自尊心を傷つけて、落ち込んでいるということかい。
ちなみにどんなダジャレを言ったのかな?」

ほむら「いや、だから、
みんなで魔女退治をするときに、私がとどめを刺す役目になりそうだったから
「つまり、私、暁美ほむらが魔女をほうむらんとするわけね」
といったの」

QB「え、もう一回言ってくれるかな?」

ほむら「だから「私、暁美ほむらが魔女をほうむらんとするわけね」って!
何よ、何度も言わせないでちょうだい」

QB「ほむらが、……魔女を、ほうむらんと」

ほむら「?」

QB「面白い!」

ほむら「えっ」

QB「君のほむらという名前と
何の関連もない、葬らんという動詞に同じひらがなが使われていて
何の変哲もない日常会話の中に、その二つの言葉が連続するという意外性!
興味深いよ!
感情を持ち合わせない僕でも、なんだかこう飛んだり、転げまわったりしたいような
そんな気持ちになったよ!」

ほむら「……キュウべえ」

ほむら(キュウべえは本当のことを黙っていることはあっても、嘘はついたりしない。
やっぱり、私のダジャレは面白かったんだわ。
それも、宇宙的規模で通じるレベルで! ただ、人類にはちょっと早すぎただけなのね!)

QB(今まで人類の娯楽文化というものに興味がなかったし
母星にも漫才やジョークという文化がなかったから、事実上、僕がまともに聞いた初めてのダジャレだけどね。
……さらにいうなら、これを面白いと思えるほむらの精神構造が面白いな!)

QB「ところで、ほむら、最近何で、まどか達がダジャレを言うようになったのか知っているのかい?」

ほむら「え? 何か理由なんてあったの?」

QB「君のためだよ」

ほむら「私のため?」

QB「そうさ。ワルプルギスの夜を倒して、皆と少しずつ打ち解けてはいるけど
君、あまりまどか達の前で笑っていないだろ?
だから、本当は自分たちに心を開いてないんじゃないかって、心配していたんだ。
それで、4人で相談して君を笑わせようとしていたんだよ」

ほむら「心を開いていない。……そ、そんな風に見えていたの?」

QB「そうだよ、ほむら。
まどか達は何とか君ともう少し仲良くなりたい
笑っている君が見たい、その一心で最近ダジャレを言うようになったんだ」

ほむら「……」

ほむら「キュウべえ、まどか達は……
まどか達は、まだ、私の家の前で待っていてくれているかしら」

QB「待っていると思うよ。……君が出てきてくれるのを」

ほむら(私、自分の事ばかり考えていたのに
まどか達はずっと私のことを心配してくれていた)

ほむら(それなのに、私がみんなにしたことは……)ダッ
ガチャリ

QB「やれやれ、これでマミに言われた役目は果たせたかな」

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