小鳥「あ、いえ…何でもないんです、ごめんなさい」
P「いきなり何を言い出すんですか」
春香「どうかしました?」
やよい「何ですかー?」
小鳥「いえいえ、あれですよ」
小鳥「そうやってやよいちゃんを挟んで仲良くお話してるところを見るとですね…」
小鳥「なんだか二人が夫婦みたいだったんで、つい出てきちゃいました」
春香「ふ、夫婦…!」
P「意味が分かりませんよ」
やよい「あ、でも、プロデューサーがお父さんで春香さんがお母さんになってくれたら……」
やよい「それって、すっごく楽しそうかもー!えへへ」
小鳥「でしょう?やよいちゃん」
P「そうか?はははっ、春香は俺にはもったいないよ」
やよい「そんなことないと思いますよ?」
春香「………」
P「あ、営業の時間なんでそろそろ…春香、出掛けるぞ」
春香「は、はい!じゃあ行ってきます」
小鳥「行ってらっしゃーい」
やよい「いってらっしゃい!」
P「行ってきます」バタン
小鳥「(……全く…)」
小鳥「(お父さんは鈍感だし……お母さんは押しが弱すぎる)」
小鳥「(いつになったらくっついてくれるのかしら………)」
小鳥「…………はぁ」
小鳥「……先は長そうね」
やよい「?」
──────
春香「ただいまー」
小鳥「お帰り、春香ちゃん」
春香「もー、疲れましたよ……ふぅ」
小鳥「お茶入れてあげるわね」
春香「あ、ありがとうございます」
春香「いただきまーす」ズズズ…
小鳥「ところでなんだけど。春香ちゃん、最近プロデューサーさんとどう?」
春香「えっ?どうってどういう…」
小鳥「とぼけないでいいのに」ニヤニヤ
春香「な、何ですか…?」
小鳥「………好きなんでしょ?」
春香「」ギク
小鳥「んー?」ニヤニヤ
春香「そ、そんなこと……!」
小鳥「分かりやすいわねー」ニヤニヤ
春香「……な、なんで…そう思ったんですかぁ…」
小鳥「んー、何となく見ててわかるわよ。プロデューサーさんを見てるときの春香ちゃん、目が違うというか」
小鳥「まさに、恋してます!って表情になるのよねー」
春香「うぅ、恥ずかしい……」
小鳥「そんなことないわ。プロデューサーさんは優しいし男前だし…」
小鳥「いつも一緒にいる年頃の春香ちゃんが意識しないわけないもの」
春香「……そうですか?」
小鳥「ええ。それで、アタックしてるの?」
春香「あ、アタックといいますか…特別にお菓子を作ってあげたりは何度か」
小鳥「いいと思うけど、まだまだ足りてないみたいね」
春香「そ、そうなんですよ!…プロデューサーさん、いつも美味しそうに食べてはくれるんですけど…」
春香「普通に、プロデュースのお礼か何かとしてしか受け取ってくれなくて…」
小鳥「よくも悪くも、真面目な人だもんね。……ねえ春香ちゃん」
小鳥「私が協力してあげましょうか?」
春香「きょ、協力?」
小鳥「ええ!私が春香ちゃんとプロデューサーさんのキューピッドになってあげるわ!!」
春香「ほ、ホントですか!?」
小鳥「任せておきなさい!実は、プロデューサーさんの好みは大体把握してるの」
春香「ええっ??ど、どうして」
小鳥「大したことじゃないんだけどね。うふふ」
春香「…でも、いいんでしょうか……やっぱり、アイドルとプロデューサーだし……」
小鳥「そんなことはないわ!大事なのは気持ち、ただそれだけよ!」
小鳥「というか、いい加減二人にはそろそろ動いてもらわないと私が安心できないし」
春香「……?どういう意味です?」
小鳥「…あら、今のは気にしないでいいわよ」
小鳥「とにかく、私に任せておきなさい!」ドン
春香「……じゃ、じゃあ頼っちゃいますね。小鳥さん」
小鳥「どんとこい!」
春香「ありがとうございます…!」
──────
P「小鳥さん。お昼食べます?」
小鳥「ちょっと待ってくださいね、この写真の整理が終わったら……」
春香「……」ソワソワ
P「あ、懐かしいですねそれ。感謝祭ライブのときのですか」
小鳥「ええ。この集合写真、みんないい顔で写ってますね」チラッ
春香「………」ソワソワ
小鳥「……ごほん。あ、そうだー。これ以外に、まだ整理しないといけないアルバムがあるんだったー(棒)」
P「そうなんですか?」
小鳥「出来ればご飯食べるまでに終わらせたいから、ちょっとお昼遅くなりそうだなー(棒)」
春香「………」ソワソワ
小鳥「あ、プロデューサーさん!そういえば春香ちゃんが、今日は間違えてお弁当2人分作ってきたんですって」
P「え!?な、何と間違えたんだよ」
小鳥「もー、ほんとに春香ちゃんはドジだなー」
春香「あ、あははは……」
小鳥「せっかくなんで、プロデューサーさん食べてあげたらどうですか?」
P「え?でも……」
春香「そ、それがいいですね!!せ、せっかく作って来ちゃったし、捨てるのはもったいないから……」
春香「ぷ、プロデューサーさん!よかったらひとつどうですかっ!?」
P「…お、おう……くれるんなら是非」
小鳥「まあ、春香ちゃんよかったわね」
春香「な、何がですかっ!?」
小鳥「お弁当捨てずにすんで」
春香「あ、そっち……」
小鳥「今日は天気がいいから、屋上で食べるっていうのもたまにはいいんじゃないですか?」
P「おお、いい考えですね」
小鳥「二人でピクニックみたいに食べてきたらどうでしょう?」
春香「お、屋上で、二人で」
P「いいかもな。行こうか、春香」
春香「は、はいっ」
バタン
小鳥「頑張ってねー」
──────
ガチャ
P「ただいまー」
小鳥「お帰りなさい。春香ちゃんは?」
P「直帰させました。ふいー、疲れた…………」
小鳥「お疲れ様です。お茶淹れましょうか?」
P「あ、どうも……」
P「いやー、小鳥さんのお茶はいいですね。俺の好みの味ドンピシャです」ズズズ
小鳥「そりゃ、何年も淹れてきましたから」
P「ははは、そんな何年もってほどでもないでしょ」
小鳥「…そうでしたね。ふふっ」
小鳥「そうだ。春香ちゃんの調子はどうですか?」
P「いいですよ。最近は歌もうまくなってきてますし」
小鳥「順調にランクも上がってきてますよね?」
P「ええ。こないだBに」
小鳥「おお!おめでとうございます!流石ですねぇプロデューサーさん」
P「いえいえ、ただアイツが頑張ったからですよ」
小鳥「ほう……じゃあ」
小鳥「頑張ってる春香ちゃんには、きちんとご褒美をあげないとダメですよ?」
P「ごほうび……?まあ、何かあげてやる気がさらに上がってくれるなら、いいことですけど…」
小鳥「せっかくですし、ランクアップ記念にドドーンとやっちゃえばいいと思います!」
P「ドドーンと、ねえ………何をすれば喜んでくれるんでしょう?」
小鳥「そりゃもちろん……あれですよ♪」
P「……?」
小鳥「オフの日に、デートでもしてあげたらいいじゃないですかぁ~」ニヤニヤ
P「はい?デート?」
小鳥「きちんとプロデューサーさんがプランを立てて……遊園地とか、おいしい食事とかに連れて行ってあげるんですよ」
P「いや、デートの意味は分かりますけど」
P「いつも一緒にいるのに、それでいいのかっていうのと…」
P「そもそも俺とデートなんかして、春香は喜ぶんでしょうか?」
小鳥「プロデューサーさんは普段お仕事が出来るだけあって、謙遜なのかほんとに気づいてないのか分からないです」
P「はあ……」
小鳥「それに、仕事で一緒にいるのと休みの日に一緒に出かけるのとではまるで意味が違いますよ」
P「そりゃそうですけど………まあ考えてみます」
小鳥「考えてみますじゃダメ!今すぐ電話して誘ってください!」
P「ええ!?い、今ですか…!?」
小鳥「膳は急げ!春香ちゃんなら絶対喜んでくれますから!」
P「……はぁ…そうなんですか?」
小鳥「さあさあ!」
P「………まあ、何かしてやろうとは思ってたんで、いいんですけどね」prrrr
P「もしもし、春香?お疲れ。あのさ、こないだランク上がったろ?それでなんだけど………」
小鳥「…がんばれ……!」
──────
ガチャ
春香「お、おおおはよござます………!」ガチガチ
小鳥「おはよ……は、春香ちゃんどうしたの?」
春香「こ、小鳥さん聞いてください……ぷ、プロデューサーさんがあの、こないだランクが上がった記念に」
春香「でっでーとに連れてってくれるって…………!!」
小鳥「あぁ……」コホン
小鳥「やったじゃない、春香ちゃん!」
春香「は、はい、ありがとうございます……」
小鳥「よかったわねー今プロデューサーさんいなくて。誘われただけで緊張しまくってるところ見られずにすんだわよ」
春香「わ、わたしそんなにきんちょうしてまふっ…!?」
小鳥「ガッチガチよ」
春香「ガッチガチですか…?」
小鳥「それで、デートはいつ?」
春香「今度の日曜です……」
小鳥「よし!まだ時間あるわね」
小鳥「せっかくだし、いつも以上に可愛く勝負しちゃいなさい!」
春香「えっ?で、でもあんまり気合入れすぎても……プロデューサーさんは普通って感じでしたし」
春香「引かれちゃいませんか……?」
小鳥「春香ちゃんみたいな子にデートで気合入れられて喜ばない男がいるもんですか!」
小鳥「とびっきり可愛い格好して、プロデューサーさんをメロメロにしちゃいなさい!」
春香「め、メロメロ……///」
小鳥「じゃ、準備始めますか!」
春香「い、今からですかっ!?」
小鳥「もちろん!」
──────
P「あれ?その写真……」
小鳥「ああ。感謝祭の…この一枚だけ、デスクに飾っておこうと思いまして。みんな一緒に写ってる中で一番綺麗でしたから」
P「いいですね、俺も焼き増ししてほしいな」
小鳥「ネガはまだ残ってるんで、今度写真屋さんに持っていっときます」
P「ありがとうございます!」
小鳥「ところでプロデューサーさん。春香ちゃんとのデートプランはできました?」
P「え?あ、はい。一応は」
小鳥「このメモですか?どれどれ………」
小鳥「水族館、映画、ゲーセン、レストラン……オーソドックスですね」
P「ええ。普通にいくのがいいと思いまして」
小鳥「まあプロデューサーさんにしては、上出来なんじゃないでしょうか?ふふっ」
P「うーん、ほめてもらってるのかどうか分かりにくいですけど……」
小鳥「あと、私からのアドバイス。とにかく、春香ちゃんが喜ぶことをいっぱいしてあげてください」
P「喜ぶこと……ですか。たとえば?」
小鳥「私に聞いても無駄ですよ?」
P「えぇ……?」
小鳥「強いて言うなら、プロデューサーさんがしてあげようと思ったことは大抵喜んでくれると思いますけど」
P「……うーん」
小鳥「じゃ、お先失礼しますねー」
P「お疲れさまです」
バタン
P「…………はぁ……」
P「小鳥さんはなんであんなにアドバイスしてくるんだろう……」
──────
小鳥「いよいよデート当日ね」
小鳥「…まさか私も有給をとってこっそり後をつけてるとは、二人とも予想しないでしょう」
小鳥「………あ、春香ちゃんいた。まだ待ち合わせの30分前なのに……ふふふっ、可愛い」
春香「………ちょっと早く来すぎたかな…」
春香「…プロデューサーさん、ほめてくれるかな…この服」
小鳥「おお、ソワソワしてるしてる……」
小鳥「もう、プロデューサーさんは何やってるの!?春香ちゃんの可愛いしぐさ暫定一位のこの瞬間を見逃すなんて!」プンスカ
P「あ……春香!おーい」
春香「あ、プロデューサーさん!おはようございます!」
小鳥「ようやく来た!ほほう、大人っぽいカジュアルスーツ……プロデューサーさんもそこそこには心得てるのね」
P「すまん、待たせたか?」
春香「いえ、今来たところです…」
P「そうか。じゃあ、行こうか」
春香「はい!」
小鳥「順調な滑り出しね。このままうまくいくといいけど………」
小鳥「…はじめは水族館、と」
小鳥「お、移動したわね…ついて行かないと」
──────
春香「プロデューサーさん!マンボウですよ、マンボウ!」
P「おお、なんだか変わった見た目だな」
春香「あっ!あっちにはほら、ジンベイザメ!」
P「でかいなーさすがジンベイザメでかい」
春香「プロデューサーさん、あっち見に行ってもいいですか!?」
P「春香落ち着けー、はぐれるぞ」
春香「あ、そうですね……ごめんなさい」
春香「………そうですね、気をつけないとはぐれちゃいますもんね」
P「そうだぞー、日曜だし人が多いからな」
春香「……こんなに人が多いと、気をつけててもはぐれちゃいそうでなんだか心配ですね…」
P「そうだな……」
春香「…どうにかして、はぐれないようにする方法ってないんですかねー……?」
P「そうだなー……」
小鳥「そうだなーじゃないでしょう!?手をつなぎなさいよ!あれだけアピールしてるのに気づかないの!?」
小鳥「春香ちゃん!プロデューサーさんは頼りにならないから、あなたが頑張りなさい!さあ言うのよ!!」
春香「…ぷ、プロデューサーさん」
P「ん?」
春香「…そ、その、はぐれちゃわないように、あの………」
P「どうした?」
春香「…………て、を…」
P「て?………あ、ああ……別にいいけど……」
春香「…!!」
小鳥「よし!やれば出来る子春香ちゃん!」
ギュッ
P「これでいいか?」
春香「///」
P「離すなよ」
春香「はい……///」
小鳥「………あら、なんだいい感じじゃない」
──────
P「春香、何が観たい?」
春香「わ、私なんでもいいですよ!」
小鳥「まあ、普通はそういうわね。春香ちゃんらしい」
小鳥「ここでプロデューサーさんが何を選ぶかによって、その後の雰囲気は決まるわね」
小鳥「……ま、何にしても今の春香ちゃんなら喜んでついていきそうだけど」
小鳥「……だってまだ手をつないでるもの。あんな幸せそうな顔見たことないわ」
P「……じゃあ、これにしよう」
春香「……ステインズ・ガーテ?」
P「面白いから!絶対面白い!」
小鳥「アホプロデューサーあああ!ステガなんて興味持つのは律子さんくらいでしょう!?」
小鳥「アニメ映画なんてただでさえ『えっ?』てなりやすいのに……!」
小鳥「今度事務所で会ったらただじゃおかないんだから……!」
春香「プロデューサーさんのお勧めなら、観てみたいです!」
小鳥「………」
小鳥「春香ちゃん、いい子だわ……」グスッ
春香「………グスッ、プロデューサーさん…私感動しました…!」
P「そ、そうか…よかった」
春香「まさか、あの女の子が未来から来たあの人の娘だったなんて……」
春香「アニメもたまにはいいですね……」
P「よ、喜んでもらえて何よりだよ。ほら、ハンカチ」
春香「ありがとうございます」チーン
小鳥「……受けはよかったみたいね」
小鳥「結果オーライってところかしら……はぁ」
──────
P「何か欲しいものあるか?頑張ってとってやろう」
春香「ホントですか!?…なら、あのぬいぐるみ欲しいです」
P「あのちひゃーか?よしきた」
小鳥「いいわねー、まるでホントのカップルみたい」
小鳥「………」
小鳥「なってくれるといいんだけど……いや、なってもらわないと困るんだけど」
ガコン
P「お!春香、一発で取れたぞ、ほら!」
春香「すごい!さすがプロデューサーさん!」
P「…はい。どうぞ」
春香「ありがとうございます!……えへへ」
P「ははは、そんなにちひゃーが欲しかったのか?」
春香「それだけじゃないですよーだ」
P「ん?何が?」
春香「なんでもないです!」
春香「……プロデューサーさん」
P「どうした?」
春香「プリクラ撮りませんか?」
P「え?おう、いいぞ」
春香「よしっ、じゃあ行きましょう!」グイグイ
P「おわっ、こらこら引っ張るな」
小鳥「………いいわよーいいわよー」
小鳥「今日一日で、おそらく二人の距離は急速に縮まっているはず!」
小鳥「作戦は成功みたいね。ふふふっ」
──────
春香「すごぉい……綺麗なお店」
P「この前社長に連れてきてもらったんだよ。見た目の割りに結構リーズナブルで、美味しいんだ」
春香「な、なんだかオトナな場所ですね…」
P「気負う必要はないよ。さ、行こうか」
春香「は、はい」
P「じゃ、乾杯しようか」
春香「は、はい……」チン
春香「…あれ、食前酒って初めてですけど、意外と美味しいんですね」
P「そうか、よかった」
小鳥「プロデューサーさん、こういうお店知ってたのね。意外だわ」
小鳥「あ、とりあえずビール」
──────
春香「プロデューサーさん、今日はありがとうございました」
P「このくらい、どうってことないよ」
春香「すっごく楽しかったです!……よかったら、また一緒にお出かけしてください…」
P「春香の頼みなら何だって聞いてあげるよ」
春香「…!ほ、ホントですかっ!?」
P「もちろん」
春香「………と、とっても嬉しいです………」
小鳥「……いい雰囲気じゃない。人通りのない場所でこんな会話……」
小鳥「これ、ひょっとしたらひょっとするんじゃない!?」
小鳥「春香ちゃん、お願い、勇気を出して……」
小鳥「思いをぶつけちゃいなさい……!」
春香「……あの、ぷ」
P「だって」
春香「?」
P「俺はプロデューサーで、お前は大事なアイドルだ。プロデューサーとして出来ることなら何でもするさ」
小鳥「………………」
P「だろ?これまでもそうやってうまくやってきた」
P「明日からまた忙しくなると思うけど、一緒に頑張ろうな!」
春香「……………はい!」
P「もう遅いし、家まで送っていこうか?」
春香「…いえ、大丈夫です。遠いから時間かかりますし」
春香「プロデューサーさんは早く帰って、ゆっくり休んでください!」
P「お?そうか?…ならそうさせてもらうよ」
春香「ありがとうございました。また明日!」
P「ああ。また明日な」
小鳥「………………」
prrrrr
小鳥「あ、プロデューサーさん?今日はどうでした?」
小鳥「ちょっと相談したいことがあるんで、今から事務所にこれますか?」
小鳥「…はい。待ってます」
──────
ガチャ
P「小鳥さん?」
小鳥「あ、お疲れ様です」
P「お疲れ様です。そっちは今日どうでした?」
小鳥「みんな順調ですよ」
小鳥「で、プロデューサーさんのほうは?」
P「まあ、春香にもいい息抜きになったと思います」
小鳥「………」
P「それで、相談したいことって」
小鳥「……プロデューサーさん。お節介かもしれませんけど」
小鳥「もしかして、春香ちゃんには興味ありませんか?」
P「…え?」
小鳥「…………」
P「…………」
小鳥「……いえ」
小鳥「なんでもありません……」
P「……最近、小鳥さんから春香の話をよく聞いたり」
P「今日のことだって、きっかけは小鳥さんだったし」
P「なにか考えがあるんですか?」
小鳥「…………」
P「……今日、アイツにも言いましたが」
P「春香はアイドルで、俺はそのプロデューサーです」
P「確かに女の子としても魅力的だとは思いますが……」
小鳥「ダメ、ってことですね………将来的にもですか?」
P「………今のところその予定もないです」
小鳥「…………そうですか………」
P「何で小鳥さんがそのことを気にする必要があるんですか?」
小鳥「…………」
P「……………」
小鳥「……………」
P「…………」
小鳥「……………」
P「小鳥さん」
小鳥「…はい?」
P「おそらく、今伝えても無駄かと思いますが」
P「好きな人がいるんです」
小鳥「………!?」
P「小鳥さん」
P「あなたですよ」
小鳥「えっ?……えっ!?」
P「今までの流れからして、おそらく小鳥さんは俺に興味ないと思いますけど」
P「俺の気持ちは本物です」
P「……今は返事はいりません」
小鳥「…………」
P「でも、知っておいて欲しかったので」
P「失礼します」
バタン
小鳥「…………」
小鳥「………そんな……………」
小鳥「そんなのダメよ…………お父さん………」
コトッ
小鳥「……?」
小鳥「……デスクの写真立てが…勝手に倒れた………」ヒョイッ
小鳥「…………どういうことなの…………」
小鳥「私だけ………首から上が消えてる」
ちょっと飯
―――──―
ドガッシャアアアアアァァァァン
高木『な、なんだ!?すごい音がしたけど…何があった!?』
ピィー……ピィー……ピィー……ピィー……
フシュウウウウゥゥゥウゥウゥゥゥゥゥゥゥウウウゥゥウウウウゥゥウウウ
高木『…うわっ!たるき亭に車が突っ込んでる!?ケホォっ、真っ白な煙まみれで……大事故じゃないか!!』
小鳥『』
高木『な、中に女の子が…?もしかしてこの子が運転してたのか…?』
高木『おい、しっかりしろ!大丈夫か!?』
高木『誰か救急車を……黒井!こっちに来てくれ!』
黒井『なんだ、高木。どうした?』
高木『救急車を……!』
黒井『!!??』
黒井『……わ、分かった』ダッ
小鳥『……ぁ、ぅ……』
黒井『…目を覚ましたぞ』
高木『大丈夫か?』
小鳥『…こ、ここは…?』
高木『病院だよ。君、車ごと建物に突っ込んだんだ』
小鳥『………私が……』
黒井『全く、無傷なのが信じられないくらいだな』
小鳥『く…車は……!?』
高木『ボロボロになってた』
小鳥『……そ、そんな!……ぁぃてて…』
高木『こらこら、無理に動くな』
黒井『全身むち打ち状態になっているのだから、安静にしていろ』
高木『まったく、まだ高校生程度の歳なのに……なぜ車なんて運転していたんだ』
小鳥『…はい、すみません……あの、助けていただいてどうも…………』
小鳥『………あーっ!!』
高木『!?』
小鳥『ふ、二人とも……若い!カッコいい!!』
黒井『はあ!?いきなり何を』
高木『確かに俺たちはまだ若いが……急にどうしたんだ』
小鳥『…あ、ご、ごめんなさい。なんていうかその、知り合いによく似ていたので……』
黒井『…貴様、何者なんだ?名前は?』
小鳥『あ、あの、小鳥って言います……』
黒井『……苗字は?』
小鳥『苗字は……えーと……』
高木『こらこら、黒井。あんまり威圧してやるな、こんな大人しそうな女の子に』
小鳥『……!お、音無!そう、音無小鳥です!』
黒井『…何だ?まるで今思い出したような言い方は。記憶喪失か?』
高木『だから黒井…』
小鳥『いえ、何でもないんです』
高木『……音無小鳥か。いい名前だね』
高木『とにかく、今はゆっくり休むんだ』
小鳥『……ありがとうございます、高木社長』
高木『……え?』
黒井『……おい、なぜ高木の名前を知っている?それにこいつは社長なんかではないが』
小鳥『…あ、ち、違うんです、黒井社長』
黒井『!?』
小鳥『ああっ!そ、そうじゃなくて!!』
高木『…ははは。よくは分からんが、不思議な子だな』
黒井『高木。こいつ怪しいぞ』
小鳥『(うぅ……気を付けないと……)』
──────
高木『無事に退院できてよかったね』
小鳥『はい……入院費を立て替えていただいて、ありがとうございます…』
高木『いいんだよ。君もいろいろ大変な事情があるようだし』
高木『近くに身寄りも居ないんじゃ、これからの生活も大変だろう』
小鳥『…………』
高木『…もし君がよければ……なんだが』
高木『アイドルになるつもりはないか?』
小鳥『アイドル………もしかして、765プロですか!?』
高木『765プロ?そんな事務所は聞いたことないが…』
小鳥『あ…いえ…………あれ?』
高木『……ふむ……新しく立ち上げる事務所の名前は、そのまま高木プロにしようと思っていたが』
高木『響きがティンと来た!765プロ、いい名前じゃないか』
小鳥『………あれ?あれ?』
高木『よし、新しい事務所は765プロと名づけよう!』
高木『君、わが765プロのアイドル第一号になるつもりはないか!?』
高木『君を初めてみたときから思っていたんだ。君ならきっとトップアイドルになれる……その素質を持っていると!!』
小鳥『わ、私が……765プロのアイドル第一号………』
小鳥『……おかしい』
高木『ん?』
小鳥『あ、あの………』
高木『なんだい?』
小鳥『天海春香を知ってますか?それと、若い男のプロデューサーさんも…』
高木『……?俺は若いプロデューサーだが、その天海とかいう女の子のことは知らんな』
小鳥『……高木社長は、今おいくつで?』
高木『まだ社長ではないんだが……今年で40だよ』
小鳥『……!ということは……』
小鳥『…やっちゃった……たぶん10年かそこらずれてたんだわ……ドジだなぁ、私』
高木『ど、どうした?』
小鳥『どうりで誰も居ないわけだ………』
高木『?』
小鳥『あ、いや!こっちの話です!』
高木『ふむ……で、どうだい?』
小鳥『……ありがとうございます。ぜひお願いしたいんですが』
小鳥『その前に、私の話を聞いてほしいんです』
高木『うむ。いいよ』
黒井『俺は反対だ』
小鳥『………』
高木『黒井……分かってくれないのか』
黒井『当たり前だ!高校生の癖に車で事故を起こすような、おまけに出身も家族も分からん不審な輩をアイドルにするだと!?』
黒井『貴様の悪い癖だ、高木!何でも感覚で決め付けて、感情に任せて始めてしまう!』
高木『アイドルとは心に訴えるものだ。自分の直感を頼って何が悪い!』
黒井『違う!アイドルとはビジネス戦略を立て、ライバルを出し抜きながら勝ち進まなければ生き残れん!』
高木『お前こそ、そんなやり方では誰も心から愛されるアイドルになれないんだよ!』
黒井『そんなものは必要ない!偶像とは昔から孤高、孤独な存在なのだ!』
黒井『貴様のやり方では、本当の意味でのトップアイドルなど生み出せるわけがない!』
高木『いいや、出来る。証明して見せよう、お前のやり方が間違っていると』
黒井『……………勝手にしろ!!……俺は降りる、あとは一人でやれ』
スタスタスタ
小鳥『……ごめんなさい……わ、私のせいで………』
高木『……いつか、こうなるような気はしていたんだ』
高木『君が気にすることじゃない』
小鳥『………』
高木『アイツとは、またどこかで会うことになる……それまでは俺達で頑張っていこう』
小鳥『………はい』
高木『…で、約束だったな。君の話とやらを聞こう』
小鳥『……はい。信じてもらえないかもしれませんけど…………』
小鳥『私は────』
──────
ガチャ
春香「おはようございます…」
小鳥「あ、おはよう…」
律子「おはよ……どうしたの、春香?元気ないけど」
春香「え…あ、いえ、なんでもないんです」
小鳥「……………」
亜美「おやおや?はるるんどったの?」
あずさ「春香ちゃん、どうしたの?」
伊織「辛気臭い顔してるんじゃないわよ。移るでしょ」
春香「はは、ごめんね伊織…」
小鳥「………」
亜美「んっふっふ~、もしかして恋のお悩みってやつですかな→?」
小鳥「ちょっ……!」
伊織「…?何?」
小鳥「……何でもないわ」
あずさ「あらー、でも春香ちゃんは今日の運勢最高だって。きっとこれからいいことあるわよ」
春香「あ、ありがとうございます………」
小鳥「(一体どうしたらいいのかしら………)」
小鳥「(お父さんがお母さんのことを女の人としてみてないんなら、私が今何をやっても無駄だわ)」
小鳥「それどころか………私のせいでややこしくなってるのよね、これ………」
ガチャ
P「おはようございまーす」
律子「おはようございます、プロデューサー」
亜美「兄ちゃん、はるるんがなんか落ち込んでるよ」
伊織「あんた担当アイドルのメンタル管理も出来ないわけ?」
P「え、えぇ?春香、どうしたんだ?」
春香「えっ?いえいえ、なんでもないんですよ!春香ちゃんはいつもどおり元気いっぱいですから!!」
P「……だ、そうだけど」
亜美「………はるるん、なーんか匂うYO」
伊織「………」
あずさ「まあまあ、二人とも…」
小鳥「………」
──────
春香「あの、小鳥さん」
小鳥「…ん?どうしたの?」
春香「このまえは、ありがとうございました!私のために、いろいろ一緒に考えてくれて………」
小鳥「そんなの、お礼なんていいのに」
春香「…でも、もういいんです」
小鳥「えっ…」
春香「プロデューサーさん、なんだか私に興味なさそうですし……」
小鳥「そ、そんな、あきらめちゃダメよ…………」
春香「応援してくれるのはとってもありがたいんですけど…でも」
小鳥「そ、そんなこといわないで春香ちゃん……きっといつか、プロデューサーさんも」
春香「ダメですよ………だって……」
小鳥「プロデューサーさんが好きなのは、小鳥さんなんですよね………?」
小鳥「………!?」
小鳥「春香ちゃん、もしかして……聞いてたの…」
春香「ごめんなさい、盗み聞きするつもりでは……でも」
春香「……プロデューサーさんの気持ちが知れて、よかったかな……?」
小鳥「………春香ちゃん…」
春香「……私、レッスン行ってきます」スタスタ
小鳥「………」
スゥ……
小鳥「………!?」
小鳥「……写真の、片腕が……消えてる………」
訂正
小鳥「プロデューサーさんが好きなのは、小鳥さんなんですよね………?」
↓
春香の台詞ってことで
──────
高木『……にわかには信じられない話だな』
小鳥『わかってます…でも、これを見せれば信じてくれると、高木社長が……』
小鳥『未来の高木社長が言っていました』
高木『……これは……!?』
小鳥『社長が30年前から構想していたという、タイムマシンの設計図』
小鳥『本来なら今この時点では、社長の頭の中にしかないはずのものです』
高木『確かに…君が乗ってきた車の中にあった奇妙な機械にそっくりだ……だが』
高木『……ただの冗談のつもりで考えていただけなのに………』
小鳥『信じてもらえますか?』
高木『………………』
高木『………まだ、完全にとは行かないが』
高木『君の言うことを真に受けてもいいかも知れんな……』
小鳥『…!あ、ありがとうございます!』
高木『しかし……その、タイムマシンだったというボロボロの車はどうにも……』
小鳥『直しようがありませんね……』
高木『………この、設計図とやらにしたがって作れば』
高木『俺でも作れるのか?』
小鳥『そのはずです…』
高木『………君を元の居場所に帰すには、それしかないのか?』
小鳥『……はい………』
高木『………』
高木『ならば』
高木『やってみよう』
小鳥『ほ…本当ですかっ…!?』
高木『どれだけ時間がかかるか分からんが……いいか?』
小鳥『はい…!ありがとうございます……』
高木『完成するまでの間は、765プロで働いてもらうことになるよ』
小鳥『もちろんです!』
──────
高木『ところで………この装置でどうやって、その、タイムトラベルを?』
小鳥『あっちの社長が言うには、この装置を起動させて、車を時速76.5マイルまで加速させれば成功するそうです』
小鳥『というか、しました』
高木『……なぜマイルなんだ?』
小鳥『私の知ってる高木社長は外国製品が大好きで……タイムマシンの車も外国製でした』
小鳥『確か、ベロ……なんとかっていう車』
小鳥『よく覚えてませんけど、そんな感じでした』
高木『…それで、マイル表記にこだわっていると。…だいたい時速124kmか……』
高木『自分の話だとはいえ、そんな恥ずかしい老人になっているなど考えたくも無い』
小鳥『でも、面白くて大好きですよ。高木社長の話』
小鳥『いつも、765プロの話をしてくれましたし』
高木『…今の私にとってはその765プロは、まだまだ出来たばかりの、君しかいない事務所だというわけか』
小鳥『楽しみにしてますよ。社長』
高木『ややこしくなるような話をしないでくれないか?』
高木『……ところで、パーツのところどころに、中国製品を指定しているみたいだが』
高木『こんなのではすぐに故障してしまいそうだな』
小鳥『…何言ってるんです?いいものは全部中国製でしょう』
高木『…………?』
>>1
■■アイドルマスター9・18事件■■ ※新参は必読ですよ、必読!※
◆葬式動画 ~ ギャルゲに男を混ぜたらオタ発狂
アイマス2 2010年度 決起集会 3/4
http://www.nicovideo.jp/watch/sm12147007 (*30万弱再生のsm12146373は2011/10/4非表示化)
*ハイライト
03:50…新キャラ男3人紹介直後/08:55…女キャラ4人リストラ確定/09:30…声優の空気の読めない発言
13:15…声優が泣いている/18:26…アンコールなし。無言の退場動画
【参考】
PV in 幕張メッセ ~ アイマス2発表当時 (*オタ歓喜の様子が伺える)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm12042663
総統動画 ~ 名言?「可能性を生み出しただけでアウト」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm14143475 (*88万再生のsm12151997は削除)
ニコニコ大百科 ~ ググってもなぜか出なくなった (*決起集会非表示化とほぼ同時)
http://dic.nicovideo.jp/a/9%E3%83%BB18%E4%BA%8B%E4%BB%B6
[ギャルゲー板] ~ 9・18事件でゲーム本スレは分裂 (*住み分け)
http://toro.2ch.net/gal/
◆アイマス2肯定派のスレ
【THE IDOLM@STER2】アイドルマスター2 第xxx週目
*新「本スレ」。「アンチ」視点では「2スレ」、「楽スレ」ともいい、住人は「2信者」、「石原信者」、「アイマス厨」
◆アイマス2否定派のスレ
THE IDOLM@STER アイドルマスター 家庭用xxxx週目
*元祖「本スレ」。「無印スレ」ともいう。「2信者」視点では住人は「アンチ」。平時はギャルゲ板最速の雑談スレ
††††アイドルマスター葬式会場xx日目†††††
アイドルマスター 一歩引いた視点スレxxx
──────
高木『ご両親に何も言わずこっちへ来たのか?』
小鳥『ええ、まあ』
高木『心配するぞ?』
小鳥『ありえませんよ』
高木『なぜ?』
小鳥『これを直して、出発した直後に戻れば済む話です』
高木『……そうだったな』
小鳥『たぶん今もどこかで何かやってると思いますけど、お父さんもお母さんもたぶんまだ子供だと思います』
高木『……聞けば聞くほど面倒な話だ』
小鳥『あ、そうそう!これは社長が言ってたんですけど』
小鳥『タイムトラベルにはものすごい電力が必要になるみたいですよ』
高木『ふむ。どのくらいだ?』
小鳥『たしか、0.961ジゴワットとか言ってました』
高木『ジゴとはなんだ?』
小鳥『メガの1000倍です!』
高木『……想像もつかん。こっちへ来たときはどうやってその電力を確保したんだ?』
小鳥『核物質です』
高木『』
小鳥『高木社長が、ある無人の街で拾ってきたとか』
高木『無人の街?』
小鳥『なんでも、放射線事故があって人が近づけなくなったって噂の』
高木『日本にそんな場所があるのか?チェルノブイリでもあるまいに』
小鳥『私もよく分かりません。学校でも習わなかったし』
高木『……よく分からんな。まあいい』
高木『そっちの工具をとってくれ』
小鳥『了解です♪』
──────
高木『タイムマシンの修理に時間を割くのも大事だが、事務所である以上、君にアイドルとしての活動もしてもらわないといけない』
小鳥『まかせてください!こう見えても、向こうじゃアイドル候補生だったんですから!』
高木『そうなのか?』
小鳥『ええ。お父さんとお母さんは、765プロのプロデューサーとアイドルだったらしいんです』
小鳥『その影響で、私もアイドルを目指すようになったんです』
高木『765プロの…』
高木『ということは、将来君のお父さんとお母さんがここへ来るというわけか』
小鳥『そういうわけです。お母さんがいた765プロを、どうしても見てみたくって』
高木『ならば、何故まだ誰もいないこんな時に来たんだ?』
小鳥『それは……私、お母さんに似てドジで。時空転移装置の設定を10年ずらしてしまってたんです』
高木『なるほど。本来なら10年後に来る予定だったと……』
小鳥『その頃の765プロは、たくさんのアイドルがいてとってもにぎやかで、すっごく楽しかったってお母さん言ってました!』
高木『なるほど。それに恥じない事務所を作り上げていかなければな』
小鳥『はい!それで、今日は何をするんですか?』
高木『スタッフに挨拶回りと、レッスンを少しだね』
小鳥『わかりました!頑張ります!』
高木『(…いつのまにか音無君の話に順応してしまっているな)』
ちょっと30分後に行ってくる
──────
小鳥「765プロオールスターライブ?」
律子「社長やプロデューサーと話し合って決めたんです。今までの活動を総括するつもりで、大々的にやりますよ」
P「それに向けて、各アイドルのスケジュールを決めている最中なんですが……同時に、みんなのコンディション管理もしないといけなくて」
P「ほとんどは問題ないんですが……一人だけ」
小鳥「……もしかして、春香ちゃんですか?」
律子「そうなんです……このところ何をやるにもどこか力が抜けてて」
律子「ここでなんとか調子を持ち直したいところなんですけど……」
P「どうすればいいんだろうなあ………」
小鳥「………とりあえず、春香ちゃんの担当はプロデューサーさんですから、私はお任せします」
小鳥「下手に手を出すより、そのほうがいいと思うんで」
律子「……まあ、もう少し様子を見てもよさそうですね。プロデューサー、頼みましたよ」
P「分かった」
春香「………ハァハァ……」
千早「春香。調子が悪いのなら、無理しないほうが…」
春香「…だめだよ、千早ちゃん。せっかく大きなライブがあって…」
春香「みんなで一緒に、それに向けて練習できるときに」
春香「サボってなんて……られない、もん……」
美希「春香。ミキも、もうやめといたほうがいいって思うの」
真「今無理してもしょうがないよ。休むときは休むって大事だよ」
雪歩「無理しないほうがいいよ……」
春香「……………」
ガチャ
P「春香。調子は……」
千早「プロデューサーからも言ってあげてください!」
雪歩「全然休んでくれないんです……」
春香「……………」
P「………春香。一度外に出よう」
春香「い、いえ、まだ出来ます……」
P「春香!」
春香「!」
P「これは命令だ。俺と一緒に外に来い」
春香「………はい」
P「残りもほどほどにな。先はまだ長いからあせるなよ」
P「じゃ」
バタン
真「………春香、ホントにどうしちゃったんだろう」
千早「…………」
──────
P「…どうしたんだ?最近」
春香「………いえ、なんでも」
P「頑張ってるのは分かるが、なんだか空回りしてるな」
春香「……………」
P「なんでも前向きなのは春香のいいところだがな、悩みは悩みとして吐き出したほうがいいぞ」
春香「……そうですね…」
P「…………」
春香「…………もう、戻ってもいいですか」
P「え…もう?」
春香「……休みはしますけど、みんなの練習を見ていたくて」
P「………分かった」
タッタッタッ
P「…………」
P「……どうすればいいんだろうか…」
小鳥「どうすればいいのかしら…」
律子「春香のことですか?」
小鳥「はい…プロデューサーさんにお任せしたとは言っても」
小鳥「やっぱり心配です…」
律子「分かりますけど、私たちまで悩んでちゃダメですよ。しっかりしないと」
小鳥「………そうですね…」
律子「私、竜宮の3人のところに行ってきます」
小鳥「行ってらっしゃい」
バタン
小鳥「………………」
小鳥「……片脚が消えちゃってるわ」
小鳥「このまま行ったら………」
小鳥「…ううん。させない」
小鳥「春香ちゃんと、後で話をしましょう」
──────
春香「話って…プロデューサーさんのことですか?」
春香「もう諦めたし、いいんですよ」
小鳥「本当に?」
春香「………」
小鳥「いつも優しくて、笑顔が素敵で、春香ちゃんのことずっと気に留めてくれていて」
小鳥「春香ちゃんが心から慕っている、あのプロデューサーを」
春香「………もう諦めちゃったの?」
春香「……………」
春香「…そんなわけないじゃないですか………!」
春香「今だって………好きで、好きでしょうがないんですよ……!」
春香「でも、どうしようもないんですっ………!始めから私のことなんて見てないんだから……!」
春香「…プロデューサーさんに好かれてる小鳥さんに、何が分かるっていうんですかっ!!」
訂正
春香「もう諦めちゃったの?」
↓
小鳥の台詞ってことで
小鳥「…ごめんなさい」
小鳥「でも、諦めてほしくないの」
春香「………」
小鳥「私にとって、プロデュサーさんと春香ちゃんが一緒になることが私の一番の幸せなの」
春香「………なんで」
春香「なんでそうなるんですか………?」
小鳥「知りたい?」
春香「…………」
小鳥「あなたが望むなら、すべて終わった後に話すわ」
小鳥「だから、それまで私を信じて欲しいの」
小鳥「…ひとつだけ言っておくと、二人がうまく行ってくれないと私はいないのと一緒ってこと」
春香「…………?」
小鳥「春香ちゃん、頑張ってくれるかしら…」
ガチャ
高木「おお音無君、ちょうどいい。話がある」
小鳥「あ、社長。お疲れ様です…どうしました?」
高木「………先に謝っておかなければいけないね」
高木「長い間待たせて、すまなかった」
小鳥「…………!!」
高木「……どうかね?」
小鳥「……すごい、あのときのと全く同じ…………」
高木「壊れた部品の代用品を探しているうちに、こんなに時間がかかってしまった…」
高木「本当に申し訳ない…」
小鳥「な、何言ってるんですかっ!?私はお礼を言いたいのに……」
小鳥「……これで私、帰れるんですね………」
高木「ああ。だが、3つ問題がある」
小鳥「……ひとつは心当たりありますが」
高木「そうだね。今の事務所の状況を見るに、君のご両親はプロデューサーの彼と天海君」
高木「間違いは無いかね?」
小鳥「その通りです」
高木「…思ったとおりだよ…初めて会ったときの君と天海君は、まるで瓜二つだ。髪の色は違うがね」
小鳥「…そうですね。自分でもびっくりです」
高木「本来なら、君はこの事務所にいるべき人間ではない…二人は出会って、そのまま結婚するはずが」
高木「君が現れたことで…関係に変化が生じてしまった」
小鳥「そうです……これ、去年の感謝祭のときに撮った集合写真なんですが」
高木「……写真の中の、君の体が消えているわけか」
高木「…………よく、SFドラマでいうタイムパラドックスという奴だな」
小鳥「このままじゃ、いつか私も消えてしまうんじゃないかって……」
高木「……先に残り2つの話をしよう」
高木「2つ目。君がこっちへきてからすでに10年経っている」
高木「今、君が元の時代に帰ったとしても……」
小鳥「いきなり10歳も歳をとった状態で、家に帰れるわけありませんね…」
高木「これも、対策を練らないといけないね」
高木「3つ目。タイムトラベルに使う電力だが」
高木「残念ながら核燃料は現時点で手に入らない」
小鳥「……」
高木「つまり、別のエネルギーをどこかから手に入れなければいけないんだが…」
高木「君が以前くれた設計図の最後のページに、小さなメモが挟まっていた」
──────
オールスターライブ終了後 嵐
夜中0時07分6秒 落雷
会場 避雷針
0.961ジゴワット
──────
高木「小さくて気づかなかったが、これを利用しようと思う」
小鳥「…ライブ当日の夜中、会場に雷が落ちるから…その電気を利用しろってことですか?」
高木「おそらくそうだろうね」
小鳥「うまく行くんでしょうか……?」
高木「他に方法がない以上、これに賭けるしかないようだ」
高木「私は同時に2つ目のことも考えておく」
高木「君はご両親のことに集中したまえ」
小鳥「……はい」
書き溜め尽きたから煮詰めてきます
──────
春香「……………」
響「春香、どうしたんさー?調子悪いのか?」
春香「ご、ごめんね響ちゃん………」
貴音「響。らいぶ1ヶ月前ということで、焦る気持ちも分かりますが」
真美「でもでも、はるるん最近ずっとこんな感じだよね→」
やよい「春香さん、お水いります?休んだほうが…」
春香「…ありがとう……別に、疲れてるとかじゃないの。ただ……」
響「ただ?」
貴音「?」
春香「………なんでもない」
真美「…変なのー」
やよい「春香さん、こんどもやしスタミナ弁当あげましょうか?」
春香「あはは、ありがとうね…」
春香「……はぁ」
小鳥「(ライブまで1月……いまだ二人の進展はなし。どころか…)」
小鳥「春香ちゃんの不調は一向に治りませんね」
律子「困ったもんですね……」
P「すまん…俺がふがいないばっかりに」
律子「別にプロデューサーのせいだけではありません。むしろ本人の問題じゃないですか?」
律子「なんだか、迷ってるような感じがするのよね」
P「迷ってる?」
律子「……このままアイドルを続けることにですよ」
P「……そんなことがわかるのか?」
小鳥「…………」
小鳥「春香ちゃん」
春香「…あ、小鳥さん」
小鳥「お疲れさま。調子はどう?」
春香「………わかりません」
小鳥「…そう。プロデューサーさんとは?」
春香「………こんな私を心配して、いろいろ気にかけてくれるのはうれしいんですけど…」
春香「複雑です」
小鳥「………」
春香「小鳥さん。私こんなんで良いんでしょうか」
小鳥「え?」
春香「みんなに愛されるアイドルになるつもりだったのに、たった一人好きな人が出来ただけで、その人とうまく行きそうにないからって」
春香「こんなにコンディションに影響が出るなんて、私思ってもみませんでした」
小鳥「…仕方ないわ。みんな、アイドルである前に一人の女の子だもの」
小鳥「誰だって、調子が出ないときくらいあるわ。原因が何であれ」
小鳥「……春香ちゃん、あのね。私が昔アイドルだったのは知ってるかしら」
春香「……はい。社長から聞きました」
小鳥「そう。私がアイドルを目指したのは、お母さんがアイドルやってたからってのがあるんだけど」
春香「そ、そうだったんですか…!?それは初耳です」
小鳥「あと、お父さんがプロデューサーだったの」
春香「えぇっ!?す、すごい…!」
小鳥「確かにちょっと特殊ね」
小鳥「両親は私に、レッスン以外の大事なことを教えてくれたわ」
春香「大事なこと?」
小鳥「普通の女の子は特別な一人の目の前で輝くけれど、アイドルは逆」
小鳥「みんなの前で輝いて、特別な人の前では暗い部分も見せるものなの」
春香「………そうなんですか?」
小鳥「これがお父さんの考え。同じ仕事をしてるプロデューサーさんも、たぶん同じ考えなんじゃないかしら?」
小鳥「…一度、全部受け入れてもらえればスッキリするはずよ」
春香「…………あの、私」
小鳥「お母さんはね、ちょっと考えが違ってたかな」
春香「?」
小鳥「みんなの前で輝いて───」
小鳥「特別な人の前では、もっと輝く」
春香「………!」
小鳥「とっても大変な生き方だと思うけどね。………春香ちゃんはどっちかしら?」
春香「……………」
春香「……私は、後のほうがいいです」
春香「女の子は誰だって、大事な人の一番になりたいですから」
小鳥「……お母さんも同じことを言ってたわ」
小鳥「少しは吹っ切れたかしら?」
春香「はい。…根本的な解決はまだですけど」
春香「もう少し頑張ってみます」
小鳥「……そう。よかった」
小鳥「あ、最後にもうひとつ!」
春香「?」
小鳥「私の両親もそうだったんだから」
小鳥「春香ちゃんとプロデューサーさんがうまく行かない理由はないわ」
春香「…!」
小鳥「今から予告しておきます…オールスターライブが終わった後」
小鳥「私が特別に二人の時間を作ってあげるから」
小鳥「そこで思い切りなさい」
春香「…………」
小鳥「ああみえてプロデューサーさんも押しに弱いから。しっかり思いを伝えれば大丈夫よ」
春香「……でも、プロデューサーさんは小鳥さんが」
小鳥「残念だけど、私はプロデューサーさんとは一緒になれないの」
小鳥「……この前話したけど、その理由が知りたかったら」
小鳥「あの人を落としてみせることね」
春香「…………」
春香「頑張ってみます」
小鳥「……そうこなくっちゃ」
春香「はい!……では、私今日はもう帰ります」
小鳥「お疲れさま。またね」
バタン
小鳥「………ライブの夜がタイムリミットってことね…どっちも」
小鳥「…………」
小鳥「集合写真、一人減っちゃったわね」
小鳥「この次は、私の体も少しずつ消えていくのかしら」
──────
高木「………以上が、明日本番の大まかな流れになる」
高木「私からはこれだけだ。あとは彼に任せよう」
P「ありがとうございます。…よし!みんな」
P「いまさらあーしろこーしろは言わない。明日に向けて俺が言いたいのはたった一つ!」
P「………本番、思いっきり楽しもう」
「「「「「はい!!」」」」」
P「よーし。解散!早く寝ろよー」
高木「音無君、ちょっといいかね?」
小鳥「はい?何でしょう」
高木「明日のことで少しな」
小鳥「…わかりました」
律子「社長。私達は」
高木「ああ、君らは大丈夫だ。もう上がってくれて構わない」
P「分かりました。お疲れ様です」
律子「お疲れ様です」
バタン
高木「……行ったかね?」
小鳥「みたいです」
高木「…では、明日に向けて具体的なプランを説明する」
高木「ライブと合わせてだから、少し大変かも知れんが…よく聞いておいてくれ」
小鳥「はい」
高木「ライブが終わるのが夜9時。軽くミーティングを済ませて……」
高木「解散が9時半。このあとは律子君たちとスタッフの手伝いで後片付けをするんだが」
高木「もし君がよければ………」
高木「……いや、この話は後でしよう」
小鳥「?」
ドンッ
高木「この目覚まし時計をタイムマシンに置いておく。夜中12時7分6秒きっかりに会場前のある地点を時速76.5マイルで通るようにセットしてある」
高木「君はスタート地点に停めた車に乗り込んで、これが鳴ったと同時にアクセルを踏んでくれればいい」
小鳥「ある地点、とは…?」
高木「会場の屋根には避雷針があってな。おそらく嵐による雷はそこに落ちるだろうから」
高木「あらかじめ引いておいた電線を伝って、タイムマシンの屋根に取り付けたアンテナとぴったり接触するように細工するのだよ」
すまぬ晩飯
戻った
完結させてから寝るように頑張る
高木「そしてタイミングよくマシンに電気が流れれば………」
高木「見事!0.961ジゴワットのエネルギーを手に入れ、タイムトラベル完了」
高木「君は無事、元の時代に帰れるというわけだ」
高木「どうかね?すばらしいアイデアだろう?」
小鳥「……はあ…しかし、うまく行くんでしょうか…」
高木「確かに少々無茶のある計画だが、可能性はゼロではない」
小鳥「…そうですね。やるしかないですもんね!」
高木「電線は本番中に私が設置しておくから、君はライブの事と……」
高木「天海君たちのことを何とかしたまえ」
小鳥「…はい」
高木「幸運を祈ってるよ」
高木「そして、もうひとつだが……すまない。方法が思いつかなかった……」
小鳥「…別にいいですよ」
高木「し、しかし……」
小鳥「お父さんもお母さんも、事情を話せば分かってくれると思います」
小鳥「それに……ここで過ごした10年を、なかったことにするのも嫌ですし」
高木「………今すぐには無理だが、必ず何とかする」
小鳥「…ふふっ、明日帰っちゃうって言うのに、それじゃ間に合いませんよ」
高木「………」
小鳥「気にしないで下さい!まずは帰ることと、両親のことが最優先!でしょう?」
高木「………………わかった」
小鳥「明日……明日、すべてのカタがつくんですね」
高木「そうだね…今まで君といて、楽しかったよ」
小鳥「もう、社長やめてください。まだ何も解決して……おっと…?」ヨロッ
高木「お、音無君どうしたんだね?大丈夫か?」
小鳥「す、すみません…バランス崩しちゃって」
高木「疲れているのなら、無理せずに…」
小鳥「いえ、疲れているわけではないんですが…さっきから足の感覚がなくて…」
高木「…………」
小鳥「嫌だわ、むくんじゃってるのかしら…」
高木「音無君、靴を脱いで見せてくれないか」
小鳥「…?は、はい…構いませんが」ヌギッ
高木「………!」
小鳥「………!」
──────
『大変長らくお待たせいたしました。ただいまより、765プロダクション・オールスターライブを開催いたします……』
春香「みなさーん!こーんばーんはーぁ!」
美希「ミキ、みんなに会えてとっても嬉しいの!」
亜美「今日は最後までCHO→盛り上がっていこうね→ん」
真美「真美たち頑張っちゃYO!」
やよい「うっうー!今日は楽しみましょーっ!」
千早「私達の最高の歌を、聴いていってください!」
伊織「竜宮小町もいるわよ!にひひっ」
あずさ「まぁ~、会場がお客さんでいっぱいだわ~」
響「最高の夜にしてあげるぞ!なあ真!」
真「もちろんさ!」
雪歩「きょ、今日は来て頂いてありがとうございますぅ」
貴音「まこと善き夜ですね。嵐の前の静けさといいましょうか」
春香「最初はみんなで歌っちゃいますよ!曲はもちろん」
「「「「「"THE IDOLM@STER"!!!」」」」」
♪~
P「始まりましたね!」
律子「ええ。いいスタートですね」
小鳥「最後までトラブルが起きませんように………」
高木「よっ……ほっ……」
高木「ふぅ……さすがに建物をよじ登るのは一苦労だな、私も歳か」
亜美「お次は竜宮の亜美と」
真美「真美による、一夜限りの双子デュオだよー!聴いてねーん」
亜真美「「"スタ→トスタ→"!!」」
♪~
律子「さすが、息が合ってますね」
P「あいつらはセットにすると外れるリミッターでもあるのかね」
小鳥「(あっちでも双子の息ぴったりだもんね……)」
高木「ふぅ……ようやく頂上に着いた。これが避雷針だな」
高木「……風が強くなってきたな。長居は危険か」
高木「さっさと済ませよう」
「……765が生意気にもこんな場所でライブだとはな。笑わせる」
美希「ミキがキラキラするところ、みんなちゃんと見ててねー!」
美希「"マリオネットの心"なの!」
♪~
P「あいついつもあのくらい本気出せばいいのに」
律子「……ほんとですね」
小鳥「美希ちゃんも若いころからすごいわねー…」
律子「…?」
小鳥「あ、いえ、何でもありません」
高木「………よし。避雷針に設置完了」
高木「次はあの電信柱…か」
高木「…お、降りるほうが怖いというのは本当なのだな……」
真「いくよ、響!」
響「いつでも来るさー!」
「「"迷走Mind"!!」」
P「さすが、あいつらは本番でもブレない」
律子「あの二人は見てて安心ですもんね」
小鳥「ダンスするのも、教えるのも上手ですもんね」
P「…?」
小鳥「あ、いえ、何でもありません」
高木「んぐぉぉ、線が絡まる……!」
高木「頼むよ、今は時間を無駄に出来ないのだから…」
高木「……ハァハァ……よし」
「お前達、分かっているな」
「はっ。配電盤を…ですね」
「こんな下らんステージ、めちゃくちゃにしてしまえ」
伊織「お待たせー♪」
あずさ「盛り上がってますかー?」
亜美「亜美は2回目だよー」
「「「"SMOKY THRILL"聴いてください!!」」」
P「律子、鼻高々って感じだな」
律子「えっ!?いえ、そういうつもりでは…」
小鳥「誇ってもいいと思いますよ?竜宮は20年後も売れてますから」
律子「…??」
小鳥「多分」
高木「……ふぅ、ふぅ……道の上に、電線を引き終えた…」
高木「とりあえずはこれで何とかなると思うが………」
高木「風が強くなってきたな。ひとまず中へ……」
一応訂正しとくわ…
小鳥「誇ってもいいと思いますよ?竜宮は20年後も売れてますから」
↓
小鳥「誇ってもいいと思いますよ?竜宮は20年後もCDが売れてますから」
やよい「うっうー!元気いっぱいで、張り切っていきましょーっ!」
やよい「"キラメキラリ"です!」
♪~
律子「やよいも、頼もしくなりましたね」
P「……ですね。嬉しいような寂しいような」
小鳥「(社長がまだ帰ってこない…それに…舞台裏が騒がしい…)」
小鳥「あの、私ちょっと楽屋見てきます」
律子「え?はい」
「黒井!こんなところにまでやってきて、どういうつもりだ!」
「やかましい!どうせこんなライブ、失敗に終わるのがオチだ!」
小鳥「………高木社長に、黒井社長…」
黒井「!……貴様、音無小鳥」
高木「音無君……!」
黒井「……フン!まだこんなみみっちい事務所に残っていたとはな。引退した後はとっくに消えたと思っていたが」
小鳥「765プロはみみっちい事務所じゃありません」
高木「音無君…」
黒井「下らん、実に下らん!上辺だけの友情や絆に何の価値がある!?」
黒井「貴様らのやり方はしょせんごっこ遊び。頂点など遠く及ばん!」
小鳥「……いくらあなたでも、言っていいことと悪いことが…」
黒井「高木も、貴様も、竜宮小町にいるアイドル崩れのプロデューサーも!」
黒井「無能なアイドルたちも!」
黒井「あの腰抜けプロデューサーも!」
小鳥「…!」
黒井「全部まとめて、765プロなど取るにたら」
バッチイイィィィィイィイン!!!!!!
黒井「」
高木「」
小鳥「……………言わせない」
小鳥「あの人のことを、腰抜けだなんて言わせない!!!」
小鳥「絶対にっっっ!!!!」
黒井「ひっ…!」
高木「……お、音無君、落ち着きたまえ……!」
小鳥「あの人たちを…無能だなんて…絶対に言わせないわっっっ!!!!」
黒井「ぐっ……ぉ、覚えていろ……貴様らはいつか消してみせる……!」
小鳥「何か言いましたかっ!!??」
黒井「ひぃっ……!」ダッ
高木「お、音無君………」
小鳥「……社長…ごめんなさい、ついカッとなっちゃって……」
高木「……いや、いいんだ」
小鳥「電線の設置終わりましたか?」
高木「ああ、問題ない。風が強くなってきたのが心配だが……」
小鳥「……ありがとうございます」
高木「さあ、ステージ袖に戻ろうではないか」
貴音「響、準備はよろしいですか」
響「もちろんさー!美希は?」
美希「バッチリなの!」
「「「"オーバーマスター"!!」」」
♪~
律子「小鳥さん…それに社長!どこ行ってたんですか!?」
高木「いやすまんすまん、少し野暮用を思い出してね…」
ゴォ……ゴォー…
ガタ…
P「こっちは問題ありませんよ……ただ、風がいよいよ強くなってます」
小鳥「会場も、ちょっとだけ揺れてますもんね……大丈夫でしょうか」
高木「………」
千早「私が今出せる、最高の歌声を……聴いてください」
千早「"眠り姫"」
♪~
P「相変わらず聴き入りますね」
律子「流石です」
小鳥「そりゃ、千早ちゃんは将来ブロードウェイでソロコンサートを開く器ですし」
P「……?」
小鳥「多分」
ゴォ……ゴォー……
高木「………頼む、耐えてくれ……」
小鳥「………」
春香「みなさん!楽しんでますかー!」
春香「さて、次の一曲で、そこに跪いてくださいね!」
春香「"I Want"!!」
♪~
P「春香も、本番までに調子を取り戻してくれてよかった」
律子「途中からは、なんだか吹っ切れた様子で…以前より声も出てましたしね」
小鳥「本当によかったですね……」
高木「そうだね」
小鳥「………(頑張れ、お母さん)」
雪歩「わ、私の歌を聴いてくださって、ありがとうございますぅ」
雪歩「い、一生懸命歌います…!」
雪歩「"Kosmos, Cosmos"」
♪~
P「雪歩は頼りないように見えて、人一倍芯が強いんですよね」
律子「ファンの間でも、儚さと強さを兼ね備えてるって高評価です」
高木「ウチにきたときはあんなにオドオドしていたのにねぇ……」
小鳥「雪歩ちゃんは、なんか極道の女ってイメージがありますけど……いい人なのは分かりますけどね」
P「…!?」
律子「…!?」
小鳥「私の中では」
高木「(20年で萩原君に何が起こるのか、知りたいような知りたくないような……)」
P「ライブも終盤だ」
律子「みんな、あと一息よ!頑張って」
「「「「はいっ!!」」」」
「………これか……へへ、ざまあみやがれ!」
バチン
ヒュウウウゥゥゥン………
P「!?何だ…照明が消えた!!」
春香「うわぁっ!?」dngr
真「ちょっと春香、いきなりこけるなよ!」
やよい「うー、怖いです……」
律子「停電!?」
伊織「ちょっと!直るのこれ!?」
小鳥「ま、マイクもききません!!」
高木「き、君!懐中電灯をもって、配電盤の様子を見に行こう!」ダッ
P「はい、社長!律子、小鳥さん、あとお願いします!」ダッ
律子「ちょっと!プロデューサー!?」
雪歩「うぅ…ライブ中止になっちゃうのかな……」
響「えぇっ!そ、そんなの嫌だぞ!」
貴音「皆、落ち着くのです……こういうときは、らぁめんの麺を数えるのです……!」
真美「お姫ちんあわてすぎ」
小鳥「大変…お客さんもパニックになってるわ!」
「おいおい、これどうなってんの?」ガヤガヤ
「停電かよ…外雷鳴ってんの?」ガヤガヤ
「そんな感じしなかったけどなぁ」ガヤガヤ
「ライブどうなるのー?続きはー!?」ガヤガヤ
小鳥「……このままじゃいけないわ………」
小鳥「……アイドルのみんなも、不安になってる……」
小鳥「……………」
小鳥「……………よし!」ダッ
律子「こ、小鳥さん!?危ないですよ、真っ暗なのに!」
「早く始めろよー…」ブーブー
「まだ直んないのー?」ブーブー
「もう帰ろっかな」ブーブー
律子「大変…お客さんが不満がってる………」
律子「…………待って、何これ………」
亜美「律っちゃんどうしたの→?」
律子「シッ!」
「……おい」
「なんか聴こえるぞ」
「ちょっとお前ら静かにしろ!」
「……なんだ?こんな曲聴いたことない……新曲か?」
「誰が歌ってるんだ?」
空になりたい 自由な空へ……
翼なくて翔べるから 素敵ね
空になりたい 好きな空へ
雲で夢 描けるから
律子「この声……小鳥さん!?」
「「「「!!??」」」」
──────
P「社長、怪しいやつがいました!」ゲシッ
「うわっ!」
高木「君かね?配電盤のヒューズを切ったのは」
「………けっ」
P「配電盤の場所を言え!今すぐ!!」ガッ
「……わかった、分かった。言うよ………」
高木「急ぐぞ!」
P「はい!」
始まりはどこになるの?
お終いはどこになるの?
上を見て あなたに聞いてみたら
始まりとお終いなんて
繋がって巡るモノ
大事なのはやめない事と
諦めない事
律子「こんな曲……ウチにデータがないわ」
律子「小鳥さん、こんな曲持ってたの…!?」
春は花をいっぱい咲かせよう
夏は光いっぱい輝こう
奇跡じゃなくて 運じゃなくて
自分をもっと信じるの
秋は夜を目一杯乗り越え
冬は雪を目一杯抱きしめ
笑っていいよ 泣いていいよ
だって巡ってまた春は来るから
繋ぐレインボー
「誰か知らんけど…いいぞー!」
「これ、春香ちゃんに似てない!?」
「いや、でもちょっと声がちがうぞ!」
「最高wwwでござるwwww」
春香「……小鳥さん、綺麗な声……」
千早「……素晴らしいわね」
やよい「はわー…」
真「いい歌だね………」
雪歩「う、うん…」
亜美「ピヨちゃんやるねぇ→」
律子「大喝采、だわ………」
バチン
ブゥゥゥゥン……
春香「照明が戻った!?」
響「はぁー、よかったぞぉ……」
ダダダッ
社長「遅くなってすまない…!」
P「大丈夫だったか!?」
律子「はい、なんとか………」
P「そうか、よかった……」ホッ
律子「小鳥さん……内緒にするんですか?」ボソボソ
小鳥「いいんです。いずれ分かることですから…ふふふっ」ボソボソ
小鳥「……………」
P「よし!気を取り直して、最後の一発決めてやれ!」
「「「「はい!!!!」」」」
「みんなー!さっきはゴメンねなのー!」
「お詫びに、とびっきりの一曲をお送りしますからねー」
「最後の曲です!」
「「「「"CHANGE"!!!」」」」
♪~
ワー…ワー…
ワー…ワー…
小鳥「(いよいよ時間がないわ………)」
小鳥「(指がだんだん薄くなってきてる………)」
──────
小鳥「ライブは無事成功………か」
小鳥「765プロでの最後の仕事……立派ににやり遂げられたかしら………」
小鳥「…ううん!今はそのことはいいの!」
小鳥「このあたりにプロデューサーさんを呼び出して、春香ちゃんを待ち伏せさせてるから……」
小鳥「いよいよ勝負ね………うぅ、オーディションよりも緊張する……」
小鳥「いよいよ指先が消えてなくなりそうだし………怖い、怖すぎる……!」
小鳥「…あ、春香ちゃんきた……!」
春香「…………」キョロキョロ
小鳥「……頑張って、春香ちゃん…………」
P「春香」
春香「あっ……プロデューサーさん…」
小鳥「来たわね………!」
P「春香、ライブが終わったら伝えたいことって………?」
春香「……ぷ、プロデューサーさん………」
小鳥「……頑張って…」
春香「その…………」
春香「私…………!」
小鳥「春香ちゃん……!」
P「ああ……聞くよ」
春香「私、ずっと…………」
春香「プロデューサーさんのことが……」
小鳥「頑張って………!!」
春香「プロデューサーさんのことがっ!」
小鳥「…お母さんっ!!」
春香「………す、好きでしたっ!!」
小鳥「………どう来るっ…!?」
P「…………ありがとう」
小鳥「そうじゃなくてっ!!……お願い、早く……」
小鳥「もう、手がほとんど……!!」グスッ
P「俺も……春香のことは好きだよ」
春香「ほっ…ホントですか!?」
P「ああ…だが、今はアイドルである以上…まだ付き合うというわけには……」
小鳥「何で……戻らない……!」
小鳥「手が戻らないよぅ………!!」グスッ
小鳥「お願い、お母さん………助けて……」スゥー……
小鳥「!!…い、嫌ぁ…!」
P「だから…いつか、お前がアイドルを辞めて」
小鳥「ダメっ……そんなんじゃダメなのっ……!!」
小鳥「お願い……今すぐじゃないとっ…………!!」スゥー……
P「そのときにまだ、俺のことを好きでいてくれたら」
小鳥「…………っ……!!」スゥー……
春香「嫌ですっ!!!」
春香「私はっ…!今、お返事が聞きたいんです!」
春香「小鳥さんになんか負けません!」
春香「私は…今すぐ」
春香「プロデューサーさんの恋人になりたいんですっ!!」グイッ
P「春香っ……んむっ……!?」
春香「……んっ……!」
小鳥「…………!」
小鳥「き、キス……しちゃった……!」スゥー…
春香「…………ぷはっ」
P「………は、春香……………」
春香「……………」
P「……………はぁ…負けたよ。春香」
春香「……えっ!?」
P「そこまで、俺のこと好いてくれてたんだな……ありがとう」
春香「!じゃ、じゃぁ………」
小鳥「!!て、手が………」
小鳥「戻って……足も……!!」
小鳥「やった…!やったわっ!」
小鳥「……グスッ、よかった………!」
春香「……グスッ、よかった……!」
P「……ほらほら、泣くな」ギュゥー
春香「……うわぁあぁん、だって、だっでぇっ……」グスッ
風呂入ってくる
あとはBack to the futureするだけです
──────
小鳥「社長!社長ー!」タッタッ
高木「…おお、音無君!…その姿を見るに、うまく行ったようだね」
小鳥「はい!ありがとうございます!」
高木「君のご両親…天海君とプロデューサーの彼にも、祝福の言葉をかけてやらんとな」
小鳥「……あとは、帰るだけなんですね」
高木「……ああ。そうだね」
高木「そうだ。昨日言いそびれていたんだが…」
高木「二人に、別れの言葉を言わなくてもいいのかね?」
小鳥「…………できることなら、話したいです」
高木「そうか。まだ時間もあるし……なら、二人をここに呼び出そうか」
P「社長。俺たちだけでいいんですか?他のメンバーは……」
高木「いや、良いんだよ。君達二人に音無君から言いたいことがあるそうだ」
高木「少々…驚くような内容かも知れんが。耳を傾けてやって欲しい」
春香「いったいどうしたんです…?」
P「小鳥さん…」
小鳥「いきなりごめんなさい、二人とも。全部話しますね」
P「………えぇー……?」
小鳥「信じてもらえないかもしれませんけど…」
春香「信じるも何も……ぶっ飛びすぎてて……」
春香「私が…小鳥さんのお母さんだなんて……」
高木「私も始めは信じられなかったんだがね。どうも本当らしいんだ」
P「小鳥さんが……俺の娘……?」
小鳥「プロデューサーさん、ずっと隠しててごめんなさい……」
P「じゃあ、音無っていう苗字は……」
小鳥「…ああ、偽名です。当然本物の苗字はプロデューサーさんと一緒ですよ」
P「そうだったんですか…」
高木「おお、それは盲点だった」
春香「…プロデューサーさんは、ずっと自分の娘を好きだったってことですか……」
P「や、やめろ春香言うな!///」
小鳥「そういうわけで、これから私、未来に帰ります」
P「そ、そうですか…いえ、完全に信じたわけじゃないんですけどね」
小鳥「ひどいなー、お父さん。娘の言うことが信じられないの?」
P「お、お父さんだって!?」
小鳥「ねー、お母さん」
春香「お、お母さん!?」
高木「いやぁ…ははは、なかなか面白い光景だね」
高木「しかし、彼女が765プロを去るのは事実だ。他のアイドルや律子君には悪いが、事後報告として済まさせてもらう」
P「そうですか……寂しくなりますね」
春香「お別れなんですね…」
小鳥「何言ってるんですか?もう後何年かしたらまた会えますよ」
春香「あ……それって…///」
P「なるほど……ゴホン」
小鳥「そういうわけで、お父さん!」ズビシ
P「は、はい!」
小鳥「春香ちゃんのこと…お母さんのこと、よろしくね」
小鳥「あと、私のことも」
P「……分かりました。いや……わかったよ、小鳥」
小鳥「よろしい」
小鳥「お母さん!」
春香「……は、はい!」
小鳥「お父さんの家には765プロがなくなった後も他のアイドルがいっぱい遊びに来るから、浮気には気をつけてね?」
春香「あ、ありがとう……」
P「おいおいなんてことを……」
高木「…小鳥君。そろそろ時間だ」
小鳥「…はい、社長」
P「小鳥さん…」
小鳥「さん付け禁止」
P「え、えーと…小鳥…またね」
小鳥「うん!」
春香「げ、元気でね…」
小鳥「お母さんも、元気で」
──────
高木「…寂しいかね?」
小鳥「まさか。私は帰ったらすぐ会えるんですもん」
高木「…ああ、そうだった」
高木「……私は、少し寂しい」
小鳥「………社長」ギュゥ
高木「おっとと…照れるな…」
小鳥「長い間、本当にありがとうございました」
高木「いいんだよ、私も楽しかった。…未来の私によろしく言っておいてくれ」
小鳥「…はい」
高木「ひとつ質問がある」
小鳥「何でしょう?」
高木「君が話に聞いていた765プロに……今の事務所は負けていなかったかね?」
小鳥「……お話よりも、ずっと素敵でした」
高木「そうか…よかった」
カッ
……ゴロゴロゴロ……
高木「本格的に嵐が近づいてきたようだ。時間まで後20分…準備に取り掛かろう」
小鳥「はい!」
──────
カッ
ゴロゴロゴロ……
小鳥「よし……来た時と同じ乗り心地。いよいよここまで来たのね………」
小鳥「まずはタイムサーキットを起動…と」
ピキュイイィン
M D Y H M
MAY 20 2032 1 21
DESTINATION TIME
MAY 20 2012 23 54
PRESENT TIME
MAY 20 2032 1 20
LAST TIME DEPARTED
小鳥「よし。……この目覚まし時計が鳴ったら、ここから出発すればいいのね」
小鳥「あとは…あらかたの設定は社長がしてくれてるから、大丈夫ね」
小鳥「あとはエンジンを……」
ピシャァァアン!!
小鳥「!!」
──────
高木「落雷まであと15分…うまく行くといいが……」
高木「…落ち着こう。ここは最終チェックを………」
高木「…………!な、なんと言うことだ……」
高木「強風で電線が外れてしまっている……!」
高木「もう一度上らないと…」
ピシャァァアン!!
高木「!!」
高木「い、今のは…」
高木「いや、まだ時間ではないはず…となると全く別の落雷か…」
ゴロゴロゴロゴロ…………
高木「小鳥君のいる方向に落ちたみたいだが…大丈夫だろうか」
──────
小鳥「……今、すっごく近かった…びっくりしたぁ…」
小鳥「まだ時間じゃないから…目的のとは別の雷かしら。驚かさないでよもう……」
小鳥「あと10分ね…エンジンを………」
カチッ
ギュルルルルル…
小鳥「あれ?」
カチッ
ギュルルルル…
小鳥「…ちょっとまってよ」
小鳥「かかってよ……!」
小鳥「なんで…!?」
──────
高木「……はぁ…はぁ…2回も上るのはきついな……後5分か」
ゴォォォオオォ…
高木「…風が強い…気をつけなければな」
ゴロゴロゴロゴロ……
高木「線が外れているのは……これか」グイッ
高木「……」カチッ
高木「……よし」
高木「…………なんと」
高木「今度は下が外れてしまった……!」
高木「どうすれば……」
──────
小鳥「もう時間がない……!」
カチッ
ギュルルルルル…
小鳥「かかって…お願い、いい子よ……」
カチッ
ギュルルルルル…
小鳥「かかりなさい……かかりなさいよ……!」
ジリリリリリリリリリリリ
小鳥「!!!」
小鳥「……お願い……お願い…!!」
ジリリリリリリリリリリリリリ
小鳥「…かかってぇーっ!!」
カチッ
ギュルルルルル…
ブルルルルォォオオオオオオオン
小鳥「よっしゃぁ!」
ガコン
グンッ
ブォォォォオオオオオオ…………!!
──────
高木「もう時間だ…間に合わない……!」
高木「………一か八か、というやつだな…!」
高木「電線を滑り降りよう……」ギュッ
高木「とぉっ!」バッ
スルスルスルスルスルスルスル……
高木「ああああああおおおあああああ…」
─ 35mph ─
ブォォォォオオ……!!
小鳥「順調よ、小鳥……」
─ 45mph ─
小鳥「……………っ…!」
──────
スルスルスルスル……
ドンっ
高木「~~っ…あいたたた……」
高木「!後10秒……!」
高木「ケーブルは…!?」
高木「あそこか!」
─ 55mph ─
ブォォォオオオオ……!!
小鳥「………行け、行くのよ……!」
─ 65mph ─
小鳥「…………落雷まであと4秒……!」
さる喰らっちまった
別PC起動中
, -''" ̄  ̄``丶、
, -'" `ー 、
/ く〉 ____ ヽ
/ _,、‐'´ ̄\``丶、`-、}
ヽ__, -''"オリ::::::_:::… `-、 !
{彡彡彡リ:::::::::::`''ー..、, j ‥ } リ
i彡f´ヽ j:::::::::、亡fィェ:::`i rュテ`'レ'
1川 ({ lリ::: ゞ ¦ |「~´ f´!
{廾ハ ヽ:::ヽ r i ゝ ,!ノ _________
リ川i>ー1::::! ィ `'='´ l /
{从ク:::l:::l::: .ー‥ー- 、, l |
_`Y´:::::::\ == ,' < 保守だ!
/  ̄`''ー-、,:::\ / |
/  ̄ヽ`-、_ / \
/ |::::::;;;;;;;;~l~``丶、  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
----------‐'''´ |_ ::: ト、 `-、
|`'' ー┬ト-v |
──────
高木「ふんぬっ……中年をなめるでないっ…!」ダッ
高木「(後3秒……2秒……!)」
高木「………!よし!あとはこれをつなげば………」
─ 75mph ─
小鳥「後1秒………」
小鳥「!!…光ったっ…!!」
──────
高木「ぬおおおおおおおぉぉ……っ!!」
ビシャァァァァアアン!!!
ビリビリビリビリ……!!
高木「ふぬぉぉぉっ…!!」カチッ
高木「繋いだっ!」
ビリビリビリビリビリ!!
ドォン
高木「うわぁっ!?」
─ 76.5mph ─
小鳥「……………………!!!!!」
─ MAY 20 2012 00 07 ─
─ MAY 20 20≡ ≡ ≡ ─
─ MAY 20 2032 1 21 ─
>>404のタイムサーキットを以下に訂正
M D Y H M
MAY 20 2032 1 21
DESTINATION TIME
MAY 19 2012 23 54
PRESENT TIME
MAY 20 2032 1 20
LAST TIME DEPARTED
バシッ!
バシッ!!
シュバァァァアアァン!!
ヒュゥゥゥゥゥウウウウン………
カランカランカラン……カタッ
高木『……………』
高木『……………消えた…』
高木『………やった……やった……!』
高木『成功したぁぁっ!!』
高木『やったぁっっ…!』
高木『!……ゴホン』
高木『……小鳥君……良かった…』グスッ
高木『…さて……喜んでいる場合ではないな』
高木『約束はきちんと果たさないといけないね』
高木『…待っていてくれたまえ、小鳥君』
高木『いや…彼女は待つ必要はないのだったな』
──────
バシッ!
バシッ!!
シュバァァァァァアアン!!
ヒュウウウゥゥゥゥウウウン……
ピィー……ピィー……ピィー……ピィー……
フシュウウウウゥゥゥウゥウゥゥゥゥゥゥゥウウウゥゥウウウウゥゥウウウ
ガチャッ
小鳥「ふへぇ……けむたぃ…………」
小鳥「…………」
小鳥「ここは………私」
小鳥「戻ってる…!?」
小鳥「………やったんだわ……ようやく……」
小鳥「帰ってこられた………!!」グスッ
高木「何を言っとるんだね、今しがた出発したばかりなのに」
小鳥「!!」
小鳥「…高木社長……!!」ギュゥッ
高木「……おっと、照れるな……あまり老人を勘違いさせないほうがいいよ」
小鳥「……社長。老けました……?20歳くらい」
高木「…そうだね」
小鳥「……えへへ、この高木社長は懐かしいです……」
高木「小鳥君、君もずいぶんと……大人っぽくなったのだねぇ。10歳くらい?ははは」
小鳥「…そうですね、恥ずかしながら…………」
小鳥「…はぁ……」
高木「どうしたのかね?」
小鳥「いえ、帰ってこられたのは嬉しいんですけど……」
小鳥「いきなり10歳も歳をとって帰ってきたら、お父さんやお母さん何て言うでしょう………」
高木「君は何を言っとるんだ?」ニヤニヤ
小鳥「………?」
高木「あのときに私が言った言葉を覚えておらんようだな」スッ
小鳥「…………この薬は?」
高木「タイムマシンに使っている時空転移装置を、ナノマシンに応用したものだ」
小鳥「…………!」
高木「君と別れてから、きっかり20年かけて何とか開発に成功した。間に合ってよかったよ」
高木「これを飲めば、君の体の細胞の構成が…10年ほど、過去に戻ることになる」
アポトキシン4869…
小鳥「…………社長っ……グスッ……!」
高木「言っただろう?『必ず何とかする』と」
小鳥「……社長っ……グシュッ、ありがどう、ございますっ……!!」
高木「例など要らん。言いたいのはこちらのほうだ」
高木「もうひとつ、君に見せたいものがあってね……この古い写真を」
小鳥「……この写真は……!!」
高木「君が事務所のデスクに飾っていた、感謝祭ライブのときの集合写真」
高木「きちんと君も写っているよ」
小鳥「………っ………!!」
高木「君は765プロ創設者の一人、かつ命名者」
高木「そして名誉事務員だ。我々全員で決めた」
高木「………いままで、ありがとう」
小鳥「………ヒック、ぅゎぁぁぁぁぁぁぁぁん……………!」
高木「こらこら、なにもそんなに泣く事はないじゃないか」
小鳥「……だって…嬉しいんです………!」
小鳥「お父さんとお母さんが大好きだった765プロに……」
小鳥「自分が、仲間としていられたんですもの………!」
高木「………うれしいよ」
高木「私の頑張りも、無駄ではなかったのだね……」
えげつないほどハッピーなエンディングだな
──────
高木「朝になる前に、君の家に帰ろうか」
高木「こんな夜中まで連れ出していたことがバレたら、お母さんになんて言われるか…恐ろしい」
小鳥「ウチのお母さんは起こると怖いですからね……」
小鳥「この窓から……」ソローリ
春香「小鳥っ!!!」
小鳥「っ!!」
高木「…あらあら」
春香「こんな夜中にどこをほっつき歩いてたのっ!?」
小鳥「お、お母さん…あはは」
春香「お父さんもお母さんもホントに心配して……」
春香「あなたもアイドル候補生なんだから、きちんとそういう自覚を持ってちょうだい。変なのに狙われるかもしれないのよ?」
小鳥「…ごめんなさい!…お母さん!」
春香「?」
小鳥「ただいまっ!!大好き!!」ダキッ
春香「ちょっ!?…ど、どうしたのいきなり。変な子」
小鳥「えへへ……」
春香「それで?どこに行ってたの?」
小鳥「高木社長のところだよ。ですよね?」
春香「……社長」ジトー
高木「……あはは、ごきげんよう、春香君」
春香「……はぁ…一緒にいたのが社長で安心してる私がいやになります……」
高木「小鳥君は本当にいい子だね」
春香「調子に乗らないで下さい」
高木「…すまない」
春香「とりあえず小鳥、朝になったら765プロのみんなが来るから。少しでも寝て、支度しておいてね」
小鳥「えっ…聞いてないよ!?」
春香「当たり前です、昨日の晩に話そうと思ってたのに」
春香「ほら、この話はお父さんと一緒にまた今度ね。部屋へ行きなさい」
小鳥「はーい」
春香「……社長も来ます?」
高木「…いいのかね?」
春香「…今日の小鳥の件がなければ、もちろんと言いたいんですけどね」
高木「あはは…申し訳ない」
春香「…どうぞ、入ってください。部屋を用意します」
高木「いやはや、すまないね……旦那さんはどこに?」
春香「まだ寝てますよ」
──────
P「……小鳥、起きなさい」
小鳥「……んぅ…」
P「ほらほら、日曜だからってだらだらしてちゃダメだぞ?」
小鳥「……ん…お父さん……おはよぅ…」
P「おはよう」
小鳥「……お父さん!」ダキッ
P「うわっ!?ど、どうしたんだいきなり…」
小鳥「……えへへ、なんでもないですよーだ…♪」
P「身支度して、今に来てくれ。もうみんな居るから」
小鳥「…765プロのみんなが?」
P「皆さん、だろ。早くおいで」
バタン
小鳥「………急がないとっ!」バッ
コンコン
小鳥「失礼します……」
「おー!ぴよ子、遅いぞ!ねぼすけさんだなぁ」
「小鳥ちゃん、おはよう!ハイ、たーっち!」パチン
「古都からここまで、長い旅路でした…」
「ぁふぅ…小鳥、ちょうどいいの。一緒に二度寝しよっか…ふぁ」
「ちょっと美希、春香の家でだらしない真似しないでちょうだい」
「千早さんは細かいの……zzz」
「ミキミキも相変わらずだね→」
「昔からちっとも成長してないもんね→」
「アンタらもよ」
「小鳥ちゃん、おはよう~」ドタプーン
「おはよう、小鳥!」
「おはよう。お茶いる?」
「コラコラあんたたち、いくら春香とプロデューサー殿の家だからってくつろぎすぎ」
P「みんな今日は良く来てくれたなぁ」
春香「こうやって集まるのは久しぶりですもんね」
高木「おぉ、みんなおはよう。いやはや、久しぶりだねぇ」
「あっ、社長!昨日いぬ美二世をどこに連れて行ったんだ?」
高木「あ、すまない。家に置いて来てしまった」
「何ぃ~っ!?今すぐ連れてきてよ!」
高木「はは、後でな」
小鳥「おはようございます!今日も765プロの話、いっぱい聞かせてくださいね!」
END
いぬ美wwwこまかいなwww
一応おまけ(小鳥が過去に出発する前のシーン)もあるんだが
一度寝て残ってたら書く
とりあえずお付き合いありがとう
ごめんやっぱ保守たのむ
書きたいが眠気が限界
おまけだけだけど
11時には復帰する
乙
保守ありがとう
飯食ってぼちぼち書いてくよ
──────
高木「おぉ、小鳥君。こんな夜中によく来てくれたね」
小鳥「高木社長、こんばんは!」
高木「この間のオーディションはどうだったのかね?」
小鳥「それが……また」
高木「そうか…残念だったね」
高木「全く…小鳥君を落とすとは、審査員も見る目がないということだね」
小鳥「あはは……ありがとうございます」
高木「君のご両親は元気かね?」
小鳥「はい!相変わらず仲が良すぎて……困っちゃうくらいですけど」
高木「ははは。いいことではないか」
小鳥「それでもですよ……普通娘に、自分達の馴れ初めを詳しく話したりします?」
小鳥「やれお母さんがプロデュース中に積極的にアタックしたとか、やれ無理やりキスしてお父さんを落としただとか」
小鳥「いい加減うんざりです。もう聞き飽きて覚えちゃいました」
高木「彼らは現役時代から、お互いに信頼しあったパートナーだったからね…無理もない」
小鳥「765プロの頃から?」
高木「そうとも。君には事務所のことをたくさん話したっけな」
小鳥「はい!高木社長のお話、面白くて大好きです!」
小鳥「いろんなアイドルがいて、毎日とっても楽しかったって、お父さんもお母さんも言ってました!」
高木「そうか、嬉しいね」
小鳥「…はぁ~、私も765プロでアイドルやってみたかったなぁ…」
小鳥「それで、今日は一体どうしたんですか?」
高木「ああ。君に見せたいものがあるんだよ……こっちについてきたまえ」
高木「先に言っておくが……これはまさに世紀の大発明だ。あまり驚かないでくれたまえよ」
小鳥「発明?社長は社長じゃなくて発明家なんですか?」
高木「いや、私の本業はもちろんプロデューサーだったのだがね、ある知人に会って事情が変わったのだよ」
高木「………着いた。これだ!」
小鳥「……車?」
高木「ただの車ではない」
高木「そう!タイムマシンだ」
小鳥「………はぁ………」
高木「……何だねその反応は。まるで信じていないようだな」
小鳥「そりゃそうでしょう。いきなりこんな改造車見せ付けられて、はいそうですかって信じられます?」
高木「…そうかもしれないね。なら、証明して見せよう」
高木「実際にこれが動くところを見れば問題ないはずだ」
──────
高木「……よし。この辺でいいだろう」
小鳥「それで、どうするんです?」
高木「まあ見ていなさい。おーい、こっちにおいで!」
小鳥「?」
バウバウ!
小鳥「…この子、響おばさんのところの」
高木「小鳥君。このいぬ美二世が、世界で始めてのタイムトラベラーとなるところをよーく見ておくんだよ」
小鳥「こんな実験台にするようなこと……許可はもらったんですか?」
高木「我那覇君には、最近ぼけてきた私が夜中に散歩しだすのを止める役として彼女を借りたいと言っている」
小鳥「…色々と最悪な嘘ですね」
ガチャッ
高木「いぬ美二世を助手席に乗せて……おとなしくしてておくれ」
バウ!
高木「よしよし、いい子だ」
小鳥「どうやって運転を?」
高木「リモコンで操作できるように改造した」
小鳥「えぇ……」
高木「よし。小鳥君、席の真ん中にある機械が見えるかね?」
M D Y H M
MAY 20 2032 1 07
DESTINATION TIME
MAY 20 2032 1 05
PRESENT TIME
── ─ ── ─ ─
LAST TIME DEPARTED
小鳥「はい。この数字がいっぱい書いてあるやつですか?」
高木「それがタイムサーキットだ」
小鳥「タイムサーキット?」
高木「上が目的の年月日と時刻。真ん中が現在時刻」
高木「一番下は、最後に出発した時間が表示される。まだどこにも…いや、"いつ"にも言ったことがないから、表示はされていないがね」
小鳥「ドヤ顔をやめてください」
高木「このタイムサーキットを起動させて、車を時速76.5マイルまで加速させるんだ」
小鳥「…マイル?キロメートルじゃなくて?」
高木「すると、見事!車にある時空転移装置が作動し、お望みの時間へひとっとび」
高木「タイムトラベルが成功するというわけだよ」
小鳥「……そうなんですか……」
高木「口で説明するより、実際に見たほうが早いだろう」
高木「今、タイムサーキットを現在の1分後に設定した」
高木「あとは……そうそう忘れていた、あれだ」
小鳥「あれ?」
高木「タイムトラベルには膨大なエネルギーが必要になる。だいたい一回につき0.961ジゴワットといたところだな」
小鳥「ジゴ?」
高木「メガの1000倍だ、覚えておきたまえ」
小鳥「……(ギガのことかしら)」
高木「それで使うのがこれだ。核燃料」
小鳥「核!?ちょっと!!!」
高木「大丈夫、安全だよ」パカッ
高木「後ろのこの部分に入れて……と」
小鳥「……そんなものどこで手に入れたんですかっ!?」
高木「なに、盗んだりはしとらんよ。そういうものがたくさん落ちている無人の街があってな」
小鳥「……?」
高木「昔放射線事故で人が近づけなくなった場所だ。今ではなかったことにされてるところだよ」
小鳥「……そんな場所があるんですか?日本に?」
高木「私もはじめは信じられなかったね」
バタン
高木「さあいよいよだぞ小鳥君。出発だ」クイッ
ブォォォォォ……
小鳥「あ、動いた………」
ブォォォォ……
キーッ
高木「ここから……一気に加速する」クイッ
ギュルルルルルル
ブォォォォォォオオオオオオ……!!
小鳥「社長。…こっちに突っ込んでくるみたいですけど」
高木「心配は要らん。時速45マイル……」
ブォォォォォォオオオオオ…………!!
小鳥「避けなくていいんですか!?」
高木「私を信じろ!65マイル……!」
ブォォォォオオオオオオオオオ…………!!
小鳥「危ないですってば!!」
高木「75………!」
高木「76.5!!」
バシッ!
バシッ!!
バシッ!!!
シュバァァァァァァアアアン!!!
小鳥「……………っ………!?」
ヒュゥゥゥゥゥゥゥウウン………
カランカランカラン………カタッ
高木「……………」
小鳥「…………き、きぇた………?」
高木「……やった……やったぞ………」
高木「成功した!小鳥君、うまく行ったのだよ!!」
小鳥「………ホントに、タイムトラベルを………?」
高木「そうとも!いぬ美二世は世界で始めて…1分だけではあるが…未来へのタイムスリップを成し遂げた!」
小鳥「………すごい……!」
高木「…まさに大偉業だよ、小鳥君………」
小鳥「………………」
高木「これはきっと人類の歴史に深く刻まれるだろう………」
高木「時間という最大の敵をついに味方に回し、あるとあらゆる時代に行ける…」
小鳥「……いぬ美二世って1分後にタイムスリップしたんですよね」
高木「各分野での研究も飛躍的にはかどるし、何より……」
ピピピピッ
ピピピピッ
小鳥「!?」
高木「小鳥君、危ない!!」バッ
小鳥「うわぁっ!?」
バシッ!
バシッ!!
バシッ!!!
シュバァァァァァアアアアン!!!!
ヒュゥゥゥウウゥゥゥウン………
ピィー……ピィー……ピィー……ピィー……
フシュウウウウゥゥゥウゥウゥゥゥゥゥゥゥウウウゥゥウウウウゥゥウウウ
小鳥「……ぁぃてて……」
高木「いぬ美二世は無事かね!?」
ガチャッ
バウ!
小鳥「……さっきとなにも変わらず……元気ですね」
高木「……見たまえ、いぬ美二世の首にぶら下げておいた時計を!」
小鳥「………ずれてる……1分」
小鳥「………本当に、タイムトラベルしたんだ………!」
高木「だから言っただろう!これは本物だと!」
小鳥「……そうですね、ここまで見せられたら……信じます」
高木「光栄だよ」
高木「君も使ってみるかい?」
小鳥「えっ、私!?」
高木「そうとも。次は人類初のタイムトラベラーだ…君がなるんだよ」
小鳥「……で、でも、いきなり言われても…何をすればいいのか」
高木「どこか見てみたい時代はないのかね?」
小鳥「……見てみたい時代…………あ、それなら」
小鳥「お父さんやお母さんがいた765プロが、まだあった頃に行きたいです……!」
高木「そうか……そうか」
高木「ならば、だいたい20年ほど前になるな。春香君だけでなく、765プロの初期メンバーがすべてそろっているはずだ」
小鳥「ホントですか!?行きたい!」
高木「……よし。なら準備しよう」
──────
小鳥「タイムサーキット起動、と……」
高木「小鳥君!きっかり20年前だよ、設定はきちんとな」
小鳥「はーい。………えっと、これが年を調節するボタンね。1回で10年……」
カチッ…カチカチッ
小鳥「よし」
高木「準備はいいかね?」
小鳥「はい!」
高木「よし、ではいつでも出発したまえ…幸運を」グッ
小鳥「はい!」グッ
小鳥「夢にも思わなかったわ……」
小鳥「アイドルだった頃の、765プロのみんなに会えるだなんて……!」
ガコン
グンッ
ブォォォォォ…………!
─ 55mph ─
小鳥「………どんなところなのかしら……きっと楽しくて素敵な事務所なんだろうなぁ…」
─ 65mph ─
小鳥「待っててね……お父さん、お母さん…!!」
─ 75mph ─
小鳥「待っててね……………みんな!!」
─ 76.5mph ─
─ MAY 20 2032 01 20 ─
─ MAY 20 20≡ ≡ ≡ ─
─ MAY 20 2002 20 58 ─
To be continued...
終わりです
映画のパロSSは書いてて楽しいね
どうしてもイイハナシダナーに持って行っちゃうのはどうも俺の悪い癖みたいだ
いつの日かロリ小鳥さんが見られる可能性も微レ存ってことで
丸一日かかっちゃった
長い間お付き合いありがとう
( ゚ω゚ )
/ `ヽ.
__/ ┃)) __i | キュッキュッ
/ ヽ,,⌒)___(,,ノ\
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| トン
_(,,) Wonderful (,,)
/ |_______|\
乙ー
未来黒井はどうなってんだろ
>>584
ビフ役にしようと思ったけど
未来でPにヘコヘコさせるのをすっかり忘れてたんだぜ
ttp://www.youtube.com/watch?v=CXe3IjMl3ls&feature=related
乙 他には何書いたことある?
>>594
あんまり数は多くないけど
やよいのあしながおじさんとか
Pがアイドルたちに膝枕されるお話とか書いてました
10年戻れなくなることを知っておきながら過去に送り込む社長wwwww
忘れただけなのか?
なんにしても最高だった乙
>>598
過去に放り込んでキューピッド役をさせないとPと春香はくっ付かないからじゃね?
/ ̄ ̄ ̄フ\ _ ノ^)
// ̄フ / \ .//\ ./ /
// ∠/ ___\___ __// \ / (___
// ̄ ̄ ̄フ /_ .//_ //_ / \./ (_(__)
// ̄フ / ̄//////////// | (_(__)
/∠_/./ ./∠///∠///∠// ∧ ∧ /) (_(__)
\ \ \/ ̄ ̄ ̄フ\ \ \_ \ _ /⌒ `´ 人___ソ
\ \ \フ / ̄\ \ .//\ //\ / 人 l 彡ノ \
\ _ \//___\/∠_ // < Y ヽ ヽ (. \
//\///_ //_ /// 人├'" ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
// //.////////∠/ ヽ-i ヽ__ ヽ
/∠_//./∠///∠// .\\ `リノ ヽ |\ ヽ
まだあったのか…
おれもBTTF借りてくるわ
気が向いたらまた書く
>>1の次回作に期待
全部借りられてるとかふざっけんじゃねーよ
なんてヘビーな日曜なんだ
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません