俺「握ったものが全て幼女になる呪い」 (20)

~電車~

幼女「ママみてー!はやいよー!」

母親「こらっ、座席に乗っちゃダメでしょ!」

幼女「だってお外見たいんだもんー!」

母親「他の人の迷惑になるでしょ!降りなさい!」


男「チッ」

男(うぜーな糞ガキが)

男(こっちは夜勤明けだってのにギャーギャー騒ぎやがって)

幼女「がたんがたーん!」足バタバタ

男(ちょっと懲らしめてやるか)

男(ガキが座席から降りたタイミングで足を出して……)スッ

幼女「あうっ」ビターン!

ママ「幼女!」


男(ざまあwwwwwwwwwwwww)

幼女「……うう、いたいよぉ……」グスッ

ママ「バカだね!騒いでるから転ぶのよー。
   ほら、泣くんじゃないの。あ、ごめんなさいね」

男「いえいえ。大丈夫ですか?」ニッコリ

ママ「大丈夫です。ほら、幼女ちゃんもお兄ちゃんに謝りなさい」

幼女「……」

男「……」

男(何睨んでんだよクソガキが)

幼女「……お兄ちゃん、ごめんなさい」グスッ

男「いいんだよ。それより大丈夫?気をつけてね」

次はVIP駅~

ママ「あ。幼女、降りるわよ」

幼女「はぁい」グスッ


男(ふう、ようやく静かになるぜ)

俺「おい、クズ野郎」

男「あ?」

俺「全て見させてもらったぞ。お前、幼女を泣かせたな」

男「……何だお前」

俺「幼女はまだ駅にいるはずだ。謝罪してこい」

男(なんだよこいつうぜー……寝たふりで無視だ無視)

俺「……」

男「……」

俺「幼女を泣かせる行為は万死に値する。
  だがお前はまだ若い。命までは取らない
  代わりに、お前が握ったものを全てを幼女に変える呪いをかけた。
  泣いても詫びてももう遅い。一生背負っていく呪いだ」

男「……」

俺「じゃあな。全ての幼女に幸福あれ」スッ

男「おいあんたふざけたこといってんじゃ」


男「あ?……どこいった?」

次は~、うんこ駅~

男「……」

男(触れたもの全て幼女だぁ?頭湧いてんじゃねーのか)

男(……気持ちワリィ。さっさと降りるか)

ガタンッ

男「おっと、あぶね……」ギュッ

男「え」


つり革「……ふえ?」

男「!!??」

男「な!!なんだお前!なんで手握ってやがる!」バシッ

つり革「???」

プシュー

男(なんなんだよ!)だっ

つり革「……あっ」

~駅前通~


男「……」ブツブツ……

男「あの時は電車が揺れたんで、とっさにつり革を握ったんだ」

男「そしたら、俺の手をガキが握ってやがった」

男「しかも、俺が確かに握ったはずのつり革は無くなってた」

男「……まさか」

つり革「あの……」クイクイ

男「うお!!」

男「お前は……っ!」

つり革「……ご。ごめんなさ……」

男「なんの冗談だよこれは!
  わざわざそんなつり革みたいな衣装まで用意して!
  あの男の仲間だろ!?なめんなよ!」

男「俺はびびってなんかねーからな!!」

つり革「ふ、ふえ……」ビクッ


男「ぜってーついてくんじゃねえぞ!いいな!」ダッ

~自宅前・ドア~

男「はぁ……はぁ……。よし、ガキはついてきてねえ」

男「……夜勤明けだし、疲れてんだな、うん」

男「はよ帰ってねよ……」スッ

男「……待てよ」

男「……ドアノブも、握る……よな」ゴクリ

妹「あっ、お兄ちゃん」

男「いっ、妹……」ビクッ

妹「おかえりー。どうしたのそんなに怯えて」

男「い、いやなんでも……」

妹「?あ、そうだ。さっきね、コンビニで肉まん買ったの」

男「お、おう……」

妹「早く帰って食べよ。……どうしたの?」

男「はっ?」

妹「はやく鍵開けてよ?」

男「……あ、開けるよ」

妹「??」

男「……」

妹「なんでそんなに汗だくなの?」

男「……すまん、実は鍵が無くて」

妹「えー、そうなの?」

男「多分会社に忘れてきたと思う。
  悪いが開けてくれるか?」

妹「もーしょうがないにゃぁ」

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