男「カードゲーム?」(129)

男「暇だなーなにか楽しい事は無いかなー?」

男「ゲーム飽きちゃったし、漫画も最近のはつまらないし」

男「なにかないかなー?」


???「そこの少年!」

男「誰?」

???「どうやら君は暇みたいだね!」

男「う、うん、そうだけど……おじさん誰?」

おじさん「私?私は通りすがりのおじさんだ!

男「お……おじさん?」

おじさん「そうだ!決してゲーム会社の社長ではないぞ!」

男「ふーん、ところで」

おじさん「ん?」

男「なんで俺に声をかけたの?」

おじさん「ああ、君が暇だと言っていたのを聞いてね」

男「……聞いてたんだ」

おじさん「ところで、君」

男「なに?」

おじさん「カードゲームに興味は無いかい?」

男「カードゲームか……確かに好きだけど」

おじさん「ほうほう、何をやったことがある?」

男「うーん、何種類かはやったことがあるけど」

おじさん「経験は?」

男「基本的にはそのカードゲームのテンプレデッキを組んで全国大会に出てベスト4までは」

おじさん「そうか……」

男「でも飽きちゃったんだよね」

おじさん「それなら!このカードゲームをやってみないかい?」スッ

男「……チートバトラーズ?」

おじさん「そう、今世間で流行っているカードゲームさ!」

男「でも、ほかのカードゲームと一緒なんでしょ?」

おじさん「それは違うな、ほれ」スッ

男「デッキ?」

おじさん「今からルール説明を含めて実際にプレイしてみよう」

おじさん「基本的なルールは お互いのライフポイントは20 山札は50枚

勝利条件は相手のライフを0にする、逆に山札のカードが無くなったら負け

基本的に クリーチャーカード 永続カード フィールドカード 
以外は相手のターンでも手札から発動可能

ほら簡単だろ?」

男「なんだ、そこら辺のカードゲームと変わりないじゃん」

おじさん「ふふふ、それが違うのだよ」

男「?」

おじさん「始めよう……」

おじさん「お互い手札5枚からスタート」

男「一般的だね」

おじさん「まず、ドローフェイズ、山札からカードを一枚引く」シャッ

男「うん、知ってる」

おじさん「次にメインフェイズ、手札からいらないカードを選んでマナにする」

男「他のゲームと同じだね」


おじさん「手札からコスト0で『暗殺』を発動する」


男「え?コスト0?効果は?」

『暗殺』 コスト0
効果:相手のプレイヤーのライフを0にする


男「……なにこれ」

おじさん「……これが、チートバトラーの醍醐味」

おじさん「油断したら負ける、そういうカードゲームだこれは」

男「そ……そんな!?」

おじさん「さあ、どうする?ここで何もしなければ君の負けだ」

男「(俺の手札は……!!)」チラッ

男「(……このカードだ!)」

男「……!!手札からコスト0で『回避』を発動!」


『回避』 コスト0
効果:3ターンの間、相手のカードの対象にはならない


おじさん「ふっ、甘いな」

男「なに!?」

おじさん「手札より、コスト0で『消滅』を発動!」


『消滅』 コスト0
効果1:相手が発動したカードを無効化する
効果2:このカードの発動は無効化されない


男「っ!?」

おじさん「どうする?」

男「ならば!コスト0で『反射』!」


『反射』 コスト0
相手のカードの対象になった時に発動可能
効果:対象を自分から相手プレイヤーに変える


男「これで、暗殺のカードの効果そっちに返すぜ!」

おじさん「……」

男「どうだ?」

おじさん「おじさんの負けだ、初手の五枚の中にそれを無効化するカードは無かった」

男「……いや、俺も今のカードを無効化されたらお手上げだったよ」

おじさん「そうか……しかし君は引き運がいいな」

男「まあね」

おじさん「ところで、このカードゲームは楽しめそうかい?」

男「……三日くらいなら」

おじさん「始めたばかりの子は皆そう言うよ」

おじさん「まあ、そのデッキは君にあげよう」ザッ

男「おじさん、もう行っちゃうの?」

おじさん「ああ、元気で……」トコトコ

男「……たしかに、1ターンだけだけど、いい勝負だった」

男「油断したらやられる、おもしろそうじゃないか」

男「……やってみようかな?チートバトラー」

_________
____
___
_

一週間後


男「『消滅』発動!」

友「うわ、また負けた!」

モブ「友また負けてるじゃん!」

友「しょうがないだろ!こいつが強すぎなんだよ!」

男「違うな、お前が弱いだけだ!」

友「ちくしょー!!」

男「ふふふ、これで1200勝0負だな!」

友「もう一回勝負だ!男ぉ!」

男「いいだろう!かかって来い!」


ガラッ

???「このクラスに男ってやつはいるの?」

男「ん?男は俺だけど?」

???「……貴方が男ね、あの様々なカードゲームでベスト4とかいうのは」

男「……誰?」

友「おい!男!この人、隣のクラスの女さんだよ!」

女「そうよ、私は女、貴方に用が会って来たの」

男「?」

女「……放課後に屋上に来なさい、じゃあ」ピシャッ

男「……」


「お前ら授業中だぞ!静かにしろ!」

放課後 屋上


女「……待ってたわ」

男「用ってなんだ?」

女「これよ!」バッ

男「……チートバトラーズ!対戦か!?」

女「そうよ!貴方が様々なカードゲームで活躍して行ったのは知っているわ!」

女「でも、よくわかったわね、私が対戦者って」

男「……色んなカードゲームやってきたせいで、こういうのは何回も経験してるから」

女「……そう」

男「場合によっては命を懸けた闇のゲームとかいうのも」

女「……色々、大変なのね」

男「うん」

女「……準備はいい?」

男「ああ、かかってこい!」

女「じゃあ、問題ないわね!私から先行でドロー!」

男「(しまった!?先行を盗られた!?)」

女「私はマナを一つ溜めて、ターンエンド」

男「……ターンエンドだと?」

女「何か問題でも?」

男「いや……」

男「(どういうつもりだ……?)」

男「(この女、このゲームを普通のカードゲームと勘違いしているのか?)」

男「(少なくとも、このゲームは手札の多さが大事なはずだ)」

男「(それをマナにだと?)」

男「(舐められているのか……?)」

男「(……まて、これは相手の狙いかもしれない)」

男「(今あっちの手札にあるカードは全て、カウンターできる物だとしたら……)」

男「俺のターン!ドロー!」バッ

男「(……『偵察』のカードか!)」


『偵察』 コスト0
効果:相手プレイヤーの手札を見る事が出来る

男「(……牽制してみるか)」

男「手札より『偵察』を発動!」

女「なら、『回避』のカードを発動するわ!」

男「(っ!、やっぱり見せる気はないか!)」

男「俺は手札より、『消滅』を発動する!」

男「(勿体無いけど、『回避』のカードは3ターンも持続するから発動させるわけには!)」

女「なら、私は手札より『無効化』を発動するわ」


『無効化』 コスト0
効果:相手が今発動したカードを無効にする
このカードの発動は無効にされない


男「(やっぱり、無効系のカードを持っていたか!)」

男「……クッ!」

女「これで、3ターン間はカードの効果を受け付けなくなったわ」

男「……手札から、『帰還者トーマス』を召喚してターン終了だ」スッ


『帰還者トーマス』 コスト0 HP9 ATK9
効果:このカードが墓地に送られた時、このカードは再びフィールドに置かれる


女「(……無限再生クリーチャー)」

女「(単なる時間稼ぎね)」

男 手札3枚 LP20   山札44
女 手札3枚 LP20 マナ1 山札44 『回避』3ターン


女「私のターン!ドロー!」バッ

女「手札から一枚、マナゾーンに置いてさらに」

女「『Gの巣』を発動するわ!」


『Gの巣』 コスト0 フィールドカード
コスト1 効果:自分のフィールドに『ゴキブリ』トークンを置く

『ゴキブリ』トークン コスト0 HP9 ATK0
効果:相手のカード発動時、このカードを墓地に送る事で効果を無効する
さらに、相手のターンをスキップする

男「(『Gの巣』!?)」

男「(あんなカードは初めてみたぞ!?)」

女「驚くのも無理ないわね」

女「このカードは最近発売された新ブースターパックのシークレットレアだもの」

男「(あの、害虫の襲撃とかいう表紙絵が気持ち悪いパックか……)」

男「(パックを手にしたとたん、寒気がしたから俺は買う事が出来なかった……!)」

女「私はコストを2回消費して、『ゴキブリ』トークンを2体召喚するわ」

女「さあ、私はターンエンドよ」

1コスト→1マナ


男「(まずいな……)」

男「(女の『回避』カードの効力が切れても、あのゴキブリがいる限り俺に勝ち目はない)」

男「(カードの効果で勝つのは無理になった)」

男「(……戦闘でLPを0にするしかない)」

男「俺のターンドロー!」シュッ

男「俺は手札より『かませ犬』を召喚する」


『かませ犬』 コスト0 HP1 ATK0
効果:カードを墓地に送る事によってそのターンの間
自分のフィールドのクリーチャー全てのATKとHPを+10する

女「手札より『処刑』を発動」


『処刑』 コスト0
相手のフィールドにクリーチャーが召喚された時に発動する
効果:相手の場のクリーチャー全部を墓地に送る


男「……『帰還者トーマス』は効果で墓地から場に戻る」

男「(今ここで無駄に手札を消費するわけにはいかない!)」

男「ターンエンドだ」

女「私のターン!ドロー!」シュッ

女「手札から『ボッシュート』を発動!」


『ボッシュート』 コスト0
効果:相手は手札を全て捨てる


男「……ちっ」

女「さらに私は2体の『ゴキブリ』トークンを召喚してターン終了よ」

男「(手札は0枚、ほぼ積み状態)」

男「(だが、あのカードを発動する事が出来れば!)」

男「ドロー!」

男「俺は手札より、『帰還者トーマス』を召喚する!」

男「もう1体のトーマスで攻撃!」

女「ゴキブリで防ぐわ」

男「(……しばらくは攻撃でゴキブリの数を減らすしかない)」

男「……ターンエンド」

女「(私のデッキのコンセプトは時間稼ぎ)」

女「(そう、『勝』と『利』のカードを揃える為のね)」


『勝』 コスト0
効果:自分の手札に『利』のカードがある時、揃えたプレイヤーは勝利する

『利』 コスト0
効果:自分の手札に『勝』のカードがある時、揃えたプレイヤーは勝利する


女「(このカード効果は、ルールブックに書いてある通り、どのカードよりも優先して発動する)」

女「(私のデッキには相手プレイヤーのLPを0するカードが無い代わりに)」

女「(この『勝』と『利』のカードが4枚ずつと、揃える為のドローカード)」

女「(相手のカードを無効化するカードと、相手のデッキ枚数を0にするカード)」

女「(そして、この『Gの巣』以外は入ってないわ)」

女「(……ここまでかしら?男……)」

_______
____
__
_

おじさん「(……3ターンが経過した)」

おじさん「(私のチートバトラーズセンサーが反応したから、来てみたが)」

おじさん「(ここまで、ターン数をかけた戦いは初めてだ……!)」


男 手札3枚 LP20 山札40
女 手札25枚 LP20 マナ3 山札20

おじさん「(そして、場の状況は)」


男 『機関車トーマス』×2

女 フィールド『Gの巣』 『ゴキブリ』トークン×4

男「(なんとかゴキブリの数は抑えることは出来た)」

男「俺のターン!ドロー!」

男「……(『無効化』のカード)」

男「(今はゴキブリのせいで使う事もできない)」

男「トーマス2体でゴキブリ2体撃破!」

男「ターンエンド」

女「ドロー!」

女「っ!!……ふふふ」

男「何がおかしい?」

女「残念、貴方は積みよ」

男「なんだと?」

女「私はまず、ゴキブリを3体召喚するわ」

女「さらに手札から、『強制』を発動する!」


『強制』 コスト0
永続:このカードが場にある限り、お互いの手札を見せ合う
そして、これからのターンその状況において発動出来るカードは必ず
発動しなくてならない

男「なっ!?」

女「さあ、見せなさい」バッ

男「くっ!」バッ

女「……テキストにより貴方は今『無効化』のカードを発動しなくてはならない」

男「……『無効化』を発動」

女「ゴキブリを1体墓地に」

女「貴方はさらに『反射』のカードを発動しなくてはならない」

男「っ!!」

女「そして私はゴキブリを1体墓地に」

女「そして、ゴキブリの効果で私のターンに」

女「ゴキブリを3体召喚」

女「ターンエンドよ」

男「ドロー!」

女「貴方は今引いた『暗殺』を発動しなくてはならない」

男「っち!」

女「ゴキブリを1体墓地へ」

男「(はやく……あのカードよ来てくれ!)」

女「効果で私のターン」


女「(まさかこんなあっさり勝負が決まりつつあるなんて)」

女「……弱いわね」ボソッ

男「なに?」

女「弱いって言ったの」

女「まさか、色んなカードゲームの上級者様がこんな一般の人間に負けるなんて」

男「……まだ、勝負は決まってない」

女「え?」

男「まだ俺は負けてないぞ!」ガバッ

女「え!?ちょっ!?何、突然飛び掛って!?」ドサッ

おじさん「(男君……この状況でまだ諦めないとは)」

おじさん「(流石はデュエリスト)」

おじさん「(……今彼が勝つ方法はひとつ)」

おじさん「(『あべこべ』のカードを引くこと!)」


『あべこべ』 コスト0
永続:このカードが発動した瞬間、全てのカードのテキストが逆の意味になる
このカードのみ『あべこべ』の効果に影響されない


おじさん「(だがしかし、そのカードはさっきのシャッフルの時に一番したにあった)」

おじさん「(……現実は非常だ)」

おじさん「(だが、しかし)」

おじさん「(おじさんは男君の諦めない心が気にいった!)」

おじさん「(二人がカードから目を離している隙に!)」ササッ


女「ちょっ!?グーはやめ ドゴッ

女「ブフッ バキッ


おじさん「(……後は君次第だ、男君よ)」

女「っはぁ……はぁ……」ポタポタ

男「危ない、危うく殺しちゃうところだった」

女「なんで……突然、顔面殴ったり……お腹蹴ったりするのよ……」ポタポタ

男「……すまない、昔から怒り狂うと手を出しちゃう性格なんだ」

女「」ガクブル

男「で、君のターン」

女「ゴキブリ召喚、エンド」

男「(ここで、あのカードを引かなければ俺は負ける)」

男「(デッキを信じろ……己を信じろ!)」

男「俺のターン!ドロー!」バッ

男「っ!?」

女「え、なに」

男「俺の……俺の勝ちだ!!!!」

女「え?」

男「手札より、『あべこべ』を発動する!」

女「『あべこべ』ですって!?」


『あべこべ』 コスト0
永続:このカードが発動した瞬間、全てのカードのテキストが逆の意味になる
このカードのみ『あべこべ』の効果に影響されない


男「そうだ、ルールブックにも書いてあるよな?」

男「『あべこべ』の逆になる効果は無効にする効果よりも優先度が高いことを」

女「そ……そんな」ガクブル

男「今この瞬間より、全てのカードの効果が逆転する!」


『強制』 コスト0
永続:このカードが場にある限り、お互いの手札を見せない
そして、これからのターンその状況において発動出来るカードは必ず
発動してはならない

『Gの巣』 コスト0 フィールドカード
コスト1 効果:自分のフィールドの『ゴキブリ』トークンを破壊する

『ゴキブリ』トークン コスト0 HP9 ATK0
効果:自分のカード発動時、このカードを墓地に送る事で効果を無効にできない
さらに、相手のターンにする

女「(そ、それじゃあ、『勝』『利』のカードは)」


『勝』 コスト0
効果:自分の手札に『利』のカードがある時、揃えたプレイヤーは負ける

『利』 コスト0
効果:自分の手札に『勝』のカードがある時、揃えたプレイヤーは負ける


男「さらに、トーマス2体でゴキブリを破壊!」

男「ターンエンドだ」

女「……ドロー」

女「もういいわ……私の負けよ、トーマスを倒すことができるクリーチャーはいないもの」

男「……『勝』『利』のカードか」

女「皮肉ね、勝利なのに」

女「……たしかに貴方は強かったわ」

男「いや、まぐれさ」

女「それも実力のうちね」

男「じゃあ、俺は帰るから」

女「待って!」

男「ん?」

女「アンティカードよ」スッ

男「っ『Gの巣』!?いいのか?」

女「別にいいわ、私には扱いきれないカードだし」

女「それに、気持ち悪いし」

男「……」

_______
____
__
_


それから時は流れ

町内大会で友と決勝戦で戦ったり

全国大会に出場したり

全国大会の途中で悪の組織と戦ったりした

そして……

一ヵ月後

最終決戦が始まった


ボス「ふはは!!これで終わりだ!」

ボス「滅ぼせ!『終焉の竜』!」


『終焉の竜』 コスト99 HP∞ ATK∞ 
効果:このカードが場に出た時相手プレイヤーのライフは0になる
この効果はいかなるカードの効果を受け付けない


男 LP1 → LP 0

男「ぐわあああああああ!?」ドーン

友「男おおおおおおおおお!!」

女「そ……そんな!」

おじさん「男くーーーーーーん!!」

ボス「ははははは!貴様の負けだ!」

男「……っまだ終わってない」ヨロッ

ボス「何を言う!!貴様のLPは0!負けだ!」

男「……この瞬間」

ボス「っ!?」

男「『大逆転』を発動する!」


『大逆転』 コスト0
このカードはLPが0になった時に発動できる
効果:このゲームの勝者となる、いかなる手段を使っても無効にできない


ボス「なんだとおおおおおおおっ!?」

男「俺の勝ちだ!!」

友「やったな!男」

女「流石ね!」

おじさん「まさか、こんな奇跡的な勝利をするとは」

男「……なに、自分のデッキを信じたまでさ」

男「俺の最高の仲間達をな……」

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そして、それから三日後


男「……第二回世界大会のデッキどうしようかな?」

友「今までの逆転デッキじゃダメなのか?」

男「ああ、今の流行は『絶対勝利』だからな」


『絶対勝利』 コスト0 
効果:勝ち、なにがなんでも勝ち


友「『あべこべ』はダメなのか?」

男「それは禁止になった」

友「……そうか」

女「そうね、まずはそれをメタれるデッキから作らないと」

友「ん?おい二人とも、あの公園のベンチで座ってるの」

男「おじさんだ!」

おじさん「……」

男「おじさん、ベンチであんなにうな垂れてどうしたんだろ?」

友「また、神のカードでも奪われたんじゃね?」

女「また?」

男「おじさーん!」

おじさん「っ!!……男君か」

男「何か会ったの?」

おじさん「まぁ、色々とね」

友「どうせまた、神のカードを奪われたんだろ?」

女「相変わらずのザル警備ね」

男「そうだ!おじさん、このデッキを見てくれよ」

おじさん「……どれ」パラパラ

おじさん「……すばらしいね」

男「まじで!!これなら世界大会に出場できる!」

おじさん「……男君」

男「ん?」

おじさん「全国大会は中止になったんだ」

男「そ、そんな!?」

友「どういう事だ?」

おじさん「……すまない」

女「まさか……また闇の組織が?」

おじさん「いや、そうじゃない」

男「じゃあ一体なにが……」


モブ「おーい!お前ら、ニュースだニュース!」

友「モブか、どうした?」

モブ「大変だぞ!」

男「?」

モブ「チートバトラーズの会社が倒産したらしいぞ!」

男「え」

友「え」

女「……どうゆうこと?」

おじさん「……」

おじさん「実はな、大規模なボイコットが起きたんだ」

男「……どうして?」

おじさん「皆、作るのに飽きたらしい」

男「え?」

おじさん「段々ゲームのルールも強引になっていったし」

おじさん「新しいパックを出すたびに、ルールブックは辞書並の厚さになっていくし」

おじさん「正直、屁理屈ゲーになっていったんだ」

男「言われてみれば……」

おじさん「皆、飽きていって……気が付いたら、私一人になっていた」

男「おじさん……」

おじさん「さらばだ、男君」

おじさん「……クソゲーを見極める力もつけるんだぞ?」トコトコ


男「」

友「」

女「」

モブ「……あれ?」


こうして俺達のチートバトラーズは終わりを告げた
_______
____
__
_

男「暇だなーなにか楽しい事は無いかなー?」

男「ゲーム飽きちゃったし、漫画も最近のはつまらないし」

男「なにかないかなー?」


???「そこの少年!」

男「誰だ!?」

???「どうやら君は暇みたいだね!」

男「う、うん、そうだけど……おじさん誰?」

おじさん「私?私は通りすがりのおじさんだ!

男「お……おじさん?」

おじさん「そうだ!決してゲーム会社の社長ではないぞ!」

男「ふーん、ところで」

おじさん「ん?」

男「なんで俺に声をかけたの?」

おじさん「ああ、君が暇だと言っていたのを聞いてね」

男「……聞いてたんだ」

おじさん「ところで、君?」

男「なに?」

おじさん「カードゲームに興味は無いかい?」

男「カードゲームか……確かに好きだけど」

おじさん「ほうほう、何をやったことがある?」

男「うーん、何種類かはやったことがあるけど」

おじさん「経験は?」

男「基本的にはそのカードゲームのテンプレデッキを組んで全国大会に出てベスト4までは」

おじさん「そうか……」

男「でも飽きちゃったんだよね」

おじさん「それなら!このカードゲームをやってみないかい?」スッ

男「……最弱バトラーズ?」

おじさん「そうだ!」


ベシャッ!!


男「……」

おじさん「なんで地面にたたきつけるんだ!」

男「なんでって」

男「クソゲーを見極める力も必要なんでしょ、おじさん?」

男「じゃあね」トコトコ


おじさん「」




地面に落ちた、『敗』『北』のカードを見つめるおじさんは

まさに敗者だった

それから、しばらくしない間に最弱バトラーズの会社も潰れたらしい


おしまい

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