恒一「見崎を棺桶の中に閉じ込めてみた」(195)
――八月某日・夜見のたそがれ
鳴「そういえば榊原くん」
恒一「なに?」
鳴「自分が死者なんじゃないか、って疑ってみたって聞いたけど」
恒一「ああ……」
鳴「疑いは解けた?」
恒一「ん……まあ……」
鳴「……」
鳴「」タッ
恒一「?」
タッタッタ…
恒一(……店の奥に走って行った?)
恒一「見崎? どこに行くの?」
タッタッ…
恒一(確かこっちの方に……)
恒一(カーテンの奥かな?)スッ
恒一「……あれ? これって……」
「――新しい人形が、この中に収められるみたい」
恒一「!?」ビクッ
恒一「……あっ」
鳴「……」
恒一(見崎……なんで棺桶の中に……?)
鳴「……」
恒一「……」
鳴「……安心して」
恒一「……」
鳴「死者じゃない」
恒一「……」
鳴「榊原くんは死者じゃn」恒一「えいっ」バタンッ
鳴「……」
鳴「……」
鳴「……えっ?」
恒一「……」
鳴「……ちょっと、榊原くん」
恒一「……」
鳴「何で棺桶の蓋閉めたの?」
恒一「……」
鳴「ねえ聞いてる?」
恒一「……」
鳴「ちょっと」
恒一「……」
鳴「……ねえ、返事してよっ」バンッ
鳴「どういうつもりなの? ねえ」
恒一「……」
鳴「……もしかして私に意地悪してるつもり?」
恒一「……」
鳴「だとしたらこんなの不毛ね。私は別にこのぐらいどうとも思わないもの」
恒一「……」
鳴「こんなの暗くて狭いだけ。少しも怖くないし、ちょっと息苦しいだけよ」
恒一「……」
鳴「だから早く私を出した方がいいよ。今なら怒らないであげるから」
恒一「……」
鳴「……ねえ」
恒一「……」
鳴「…………だから返事してよっ!」バンッ
鳴「ねえ、ねえってば、榊原くんっ」バンバンバン
恒一「……」
鳴「っ……」
恒一「……」
鳴「……いいわ、なら自力で開けてみせ、るっ……!」グッ
恒一「っ!」
鳴「うううっ……!」グググ
恒一「……! くっ……」ググッ
鳴「や、やっぱり外から押さえつけ……棺桶の前からどいてっ!」ググググ
恒一「っ……」グググッ
鳴「あ・け・て~~~っ……!!」グググググ
恒一「くぅっ……!」
鳴「ん~~~……!!」ググググ
恒一「……!」ググググ
鳴「くっ……はぁっ」パッ
恒一「!」
鳴「はぁ、はぁ、はぁ……」ゼェハァ
恒一「ふぅ……」
鳴「はぁ……はぁ……」
恒一「……」
鳴「……どうやら意地でも開けてくれないみたいね」
恒一「……」
鳴「……なに? 恥ずかしいと思わないの? 非力な女の子をこんな棺桶に閉じ込めて」
恒一「……」
鳴「悪ふざけにしてもそろそろいい加減にした方がいいと思うんだけど?」
恒一「……」
鳴「榊原くんがこんなことする人だとは思わなかった……」
恒一「……」
鳴「ねえ、何とか言ったらどうなの榊原くん?」
恒一「……」
鳴「……お願いだから何か言ってよ」
恒一「……」ゴソゴソ
鳴「……? 何して――」
ガチャッ
鳴「!?」
鳴「……ねえ」
恒一「……」
鳴「今の音なに? ガチャって」
恒一「……」
鳴「もしかして鍵閉めた? 閉めたでしょ?」
恒一「……」
鳴「閉めたんでしょ棺桶の鍵」
恒一「……」
鳴「ねえ聞いてるの? ねえってば」
恒一「……」
鳴「……だから返事してよっ!」バンッ
鳴「ホント、そろそろ冗談じゃ済まない」
恒一「……」
鳴「ここから出たら酷いからね? 絶対に後悔することになるから」
恒一「……」
鳴「だから今の内に解放した方が榊原くんの身のためよ。これ以上閉じ込めるつもりなら、もっと酷いから」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「……?」
恒一「……」
鳴「……ねえ、榊原くん?」
鳴「ねえ、そこにいるんだよね?」
恒一「……」
鳴「もしかしてこっそり何処かに行ったってこと、ないよね? 私を置いて」
恒一「……」
鳴「……い、いるよね? 棺桶の前に居るんだよね?」
恒一「……」
鳴「榊原くん、返事してよ」
恒一「……」
鳴「……さ、榊原くんっ、榊原くんっ!」バンッ
恒一「……」
鳴「返事してっ! そこにいるんでしょ!?」バンバンッ
鳴「榊原くん! 榊原くんってば!」バンバンバンッ
恒一「……」
鳴「っ……わ、わかった。アレでしょ」
恒一「……」
鳴「このまま居なくなったフリして私を不安がらせる作戦なんだよね?」
恒一「……」
鳴「ふんっ、小学生みたいな発想ね。バレバレ」
恒一「……」
鳴「ほら、バレたんだから諦めて返事してみて? そこにいるんでしょ?」
恒一「……」
鳴「っ……!! 榊原くんっ!」
鳴ちゃんかわええww
鳴「榊原くんっ、本当にいい加減にして!」バンッ
恒一「……」
鳴「私、本気で怒ってるんだからね? わかってるの?」
恒一「……」
鳴「もう絶対に許さない。今さらごめんなさいって謝ってきても遅いからね」
恒一「……」
鳴「例え土下座しても許さないからね」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「……お願いだから、何か言ってよぉ……」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「……ねえ、私何かした?」
恒一「……」
鳴「榊原くんが嫌がるようなことした? もしかして知らない内に怒らせたりしてた?」
恒一「……」
鳴「だとしたわ謝るわ。榊原くんがこんなことするんだから、よっぽどのことだよね?」
恒一「……」
鳴「私何しちゃったの? 教えてくれればちゃんと謝るから」
恒一「……」
鳴「ねえ……教えてってば……」
鳴「ねえ……」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「――もうっ! ホントいい加減にして!」バンッ
恒一「……」
鳴「怒らせるようなことしてたなら謝るって言ってるのに、どうして何も言わないの!?」
恒一「……」
鳴「私がここまで言ってるのに!」バンッ
恒一「……」
鳴「そこにいるんでしょっ! ねえっ! わかってるんだから!」バンバンバンッ
恒一「……」
鳴「おいっ! 榊原! 返事しろっ!!」バンッバンッバンッ
言葉が乱暴になる鳴ちゃんかわええ
鳴「おいっ、こらっ!」バンバン
恒一「……」
鳴「開けて! 開けろバカきばらっ!」バンッバンッ
恒一「……」
鳴「ねえっ……くっ」
恒一「……?」
鳴「うぅっ……ふ、蓋叩き過ぎて手のひら痛い……」ジンジン
恒一「……」
鳴「ふー、ふー……」
かわいけど脳内で再生されん…
鳴「ふー、ふー……」
恒一「……」
鳴「……」
鳴(ダメだ……言葉でどう言っても榊原くんは開けてくれない……)
鳴(ホントどういうつもりなの……? なんでこんなことするの……?)
鳴(一体どうしたら開けてくれるんだろう……)
鳴(……)
鳴(……)
鳴(……そうだ!)ピーン!
鳴「……ねえ、榊原くん」
恒一「……」
鳴「私、ちょっとトイレ行きたいんだけど」
恒一「!?」
鳴「実はさっきからずっと我慢してたの、もう限界」
恒一「っ……!」
鳴「このままじゃここで漏らしちゃうわ。榊原くんは私がこんな所で漏らしてもいいの?」
恒一「……」
鳴「流石にまずいよね? だからここ開けてくれる?」
恒一「……」
鳴「ほら、早く開けないと私が悲惨なことになっちゃうよ?」
恒一「……」
恒一「……」
恒一(……声に余裕があるし、多分嘘だな)
鳴ちゃんのおしっこprpr
鳴「……? ねえ、榊原くん?」
恒一「……」
鳴「……う、嘘だよね?」
恒一「……」
鳴「もしかしてこのまま漏らせって言うの? 冗談だよね?」
恒一「……」
鳴「流石に榊原くんはそこまで酷い人じゃないよね? 女の子にお漏らしさせるなんて……」
恒一「……」
鳴「っ……! あ、開けてよっ! 早く開けて!」バンッ
恒一「……」
鳴「漏らしちゃうから! お願いだからトイレ行かせて!」バンバン
鳴「開けて! 開けてってば!」バンバンバン
恒一「……」
鳴「~~~っ……! このっ……変態!」
恒一「……」
鳴「女の子を閉じ込めただけじゃ飽きたらず、お漏らしまでさせようなんて……榊原くん、真正の変態だったのねっ」
恒一「……」
鳴「変態っ……鬼畜!」
恒一「……」
鳴「サド! サディスト! 榊原くんはドSの変態よっ!」
恒一「……」
鳴「っ……こ、ここまで言われてるんだから何とか言ったらどうなの!?」
閉所恐怖症の俺は想像するだけでもガクブル
鳴「ねえっ、何か言い返さないの? 自分の悪口言われてるんだよ?」
恒一「……」
鳴「悔しくないの? 変態なんて言われて」
恒一「……」
鳴「もしかして榊原くんは本当に変態なの? だから何も言い返さないわけ?」
恒一「……」
鳴「っ……このっ、バカ! バーカ!」
恒一「……」
鳴「榊原くんのもやし! 変態! 変態もやし!」
恒一「……」
鳴「ストーカー! 質問厨! 犯罪者予備軍っ!!」
恒一「……」
鳴「ぜぇ、はぁ……」
恒一「……」
鳴「……意地でも何も言わないつもりなのね」
俺が漏らしそうだからちょっとトイレ
トイレ代行はよ
鳴「女の子にここまで言われて、本当に悔しくないの?」
恒一「……」
鳴「少しぐらいなら言い返してもいいんだよ? 眼帯オバケー、とかチビー、とか」
恒一「……」
鳴「今日は特別に許可するから。試しに言ってみてよ」
恒一「……」
鳴「ほら復唱して。『邪気眼女ーっ!』って」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「…………言えよっ!!」ガンッ
鳴「私一人自虐みたいなこと言ってバカみたいじゃないっ! いい加減にして!」
恒一「……」
鳴「普段ローテンションの私でもそろそろ本気でキレるレベルだよ!? わかってるのっ?」
恒一「……」
鳴「キレた私は本当に凄いよ? 現象でも裸足で逃げ出す程なんだからっ!」
恒一「……」
鳴「だから、ほらっ、開けて! 棺桶の蓋っ!」
恒一「……」
鳴「キレた私なんて見たくないでしょ? なら開けてよ!」
恒一「……」
鳴「あー! けー! てーっ!!」
鳴ちゃんが寂しくないように俺も一緒に棺桶に入る
鳴「はぁ、はぁっ……」
恒一「……」
鳴「はぁ……はぁ……」
恒一「……」
鳴「……ねえ、何でここまで言っても開けてくれないの?」
恒一「……」
鳴「私、本当に何したの? ここまでされるようなこと、した?」
恒一「……」
鳴「ねえ榊原くん……」
鳴「榊原くんってば……」
恒一「……」
鳴「榊原くん」
恒一「……」
鳴「さかっ……榊原、く……」
恒一「……」
鳴「さか……」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「…………グスッ」
恒一「!?」
鳴「グスッ……うっ、うぇっ……」
恒一「っ……!?」
鳴「ひぐっ、うっ、うぇっ……」
恒一「っ……」
鳴「バカっ……さ、さかぎばらくんのバカぁっ……」
恒一「……」
鳴「あ、あやまっ、謝るって……言ってるのに゛ぃ……」
恒一「……」
鳴「うぇっ、ひっく……お、お願いだから……返事してよぉ……ぐすっ」
恒一「……」
鳴「さかきばらくぅん……」
赤沢「謝罪を」
鳴「ぐすっ、うっ……うぇええ……」
鳴「うぇえええん……うぁああ……うぇええぇっ……」
鳴「ひぐっ……榊原ぐん……」
鳴「さかぎばらくん……榊原くんっ……」
鳴「開けて……開けてよぉ……ここから出してよぉ……」
鳴「お願いだからぁ……出して……」
鳴「榊原くん――」
――ガチャッ
鳴「……ふえっ?」
ギィッ……
恒一「よい、しょっと……」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「……さ、榊原、くん?」
恒一「……うん」
鳴「……あっ……」
鳴「……」
鳴「…………うぇっ」
鳴「……うっ、うぇええっ……」
鳴「やっど……やっと返事しでくれだぁ……」ボロボロ
鳴「うぇえっ……うぐっ、うぅっ……」
恒一「……」
鳴「ひぐっ、うっ、うぐっ……うぅっ……」
恒一「……み、見崎?」
鳴「ふぐっ、ふぅっ……うっ、うぇええっ……」
恒一「……ごめんね?」
鳴「うああっ……うっ、うああああっ……」
恒一「いや、まさか泣くとは思わなくってさ……」
鳴「うあああぁっ……うぇっ、うぇええええんっ……!」
恒一「……」
鳴「うっ、うぁっ……うあああああんっ!」
恒一「……あの」
鳴「うぇええええんっ!! うぐっ、ふっ、うぇええええんっ!!」
川堀「おう、誰か俺と一緒に入らないか」
鳴「ばっ、ばがぁっ……さがぎばらぐんのばがぁっ……!!」ポロポロ
恒一「……いや、ホントごめん」
鳴「ばがッ、ばがぁっ……なにぞれぇ……榊原くんのばかぁっ!!」
恒一「最初はちょっと見崎をからかうだけのつもりだったんだけどさ」
鳴「うぇええっ……ぐすっ……か、からかう?」
恒一「うん……あの、見崎をこのまま棺桶に閉じ込めたらどうなるのかなーっ……って」
鳴「ぐすっ……ううぅっ……」
恒一「どういう反応するのか気になって、最初はすぐ開けるつもりだったんだけど」
鳴「うぐっ……すんっ」
恒一「そしたら途中から止めるに止められなくて……」
鳴「ぐすっ……」
>>95
やめてくれよ…(絶望)
鳴「……じゃ、じゃあっ、私は何も……ぐすっ……し、してないってこと?」
恒一「うん……別に見崎は何も悪いことしてないよ」
鳴「……ホントに?」
恒一「うん」
鳴「私、榊原くんを怒らせるようなことしてない?」
恒一「うん……見崎は何もしてないよ」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「…………――か」
恒一「え?」
鳴「――バカぁっ!!」バチンッ
恒一「ぶっ!?」
桜木さんのふかふか肉布団に埋まりたい
鳴「バカっ……榊原くんのバカ!」
恒一「うっ、うおおっ……ほ、頬に思いっきり……」
鳴「私本当に不安だったんだからっ……!」
恒一「めっ目の中で火花が……」
鳴「私、さっ、榊原くんに……知らずに酷いことしたんじゃないかって、不安でっ……」
恒一「うああ……ち、チカチカする……」
鳴「傷つけてたんじゃないかって思って……わ、私っ……! ぐすっ……」
恒一「いてぇ……ぜ、絶対腫れてるよこれ……」
鳴「わだしっ……さ、榊原くんに謝らなきゃって……うっ、うぇっ……」
恒一「誰か氷、氷を……」
鳴「聞いてるのっ!?」
恒一「っ!! はい! き、聞いてますっ!!」
恒一「>>58を棺桶の中に閉じ込めてみた」
ではよ
鳴「ぐすっ……」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……あ、あの……見崎」
鳴「……許さないからね」
恒一「えっ?」
鳴「言ったでしょ、土下座しても許さないって」
恒一「……あ、あの」
鳴「――正座」
恒一「へっ?」
鳴「取りあえず、そこに正座して」
恒一「せ、正座って……」
鳴「いいから早くしてっ!」
恒一「!? は、はいっ!」サッ
鳴「……」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……み、見崎?」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「あの……」
鳴「……」
恒一「ね、ねえ見崎」
鳴「……」
恒一「いつまでこうしてればいいの……?」
鳴「……」
恒一「ち、ちょっと足が痺れてきたんだけど……」
鳴「……」
恒一「……見崎?」
鳴「……ねえ、榊原くん」
恒一「っ! な、なに?」
鳴「私が棺桶に閉じ込められてたのって、時間どのぐらいだった?」
恒一「え? じっ……時間?」
鳴「そう、時間」
恒一「えーっと……十分から十五分ぐらいだと思うけど……」
鳴「そう……じゃあその十倍ね」
恒一「え?」
鳴「今から百五十分、そのままね」
恒一「………………え?」
鳴「少しでも動いたらダメだから」
恒一「えっ……え、ちょ、ちょっと待って!?」
鳴「その間私は自分の部屋で本でも読んでるわね」
恒一「ま、待ってよ! もしかして正座したまま二時間以上も!?」
鳴「そうだけど、何か問題?」
恒一「い、いや……あの」
鳴「……」
恒一「さっ、流石にそれはきついかな~……って」
鳴「……」
恒一「……見崎?」
鳴ちゃんと同じ空間に2時間もいられるんだぜ
恒一「ど、どうしたの? 顔がどんどん怖くなってるんだけど――」
鳴「……わかった」
恒一「え?」
鳴「更に追加して二百分間にしましょう」
恒一「はあっ!?」
鳴「榊原くんはどうも反省が足りないみたいだから」
恒一「えっ……ま、待って! ちょっと待って!」
鳴「――絶交」
恒一「!?」
鳴「もし出来なかったら、絶交ね」
恒一「っ……!!」
鳴「それじゃ、また後……三時間と二十分後にね」
恒一「……」
鳴「時々様子見に来るから、ズルしたらダメだよ?」
恒一「……」
鳴「途中でお茶でも持ってきてあげるから……頑張ってね? さ・か・き・ば・ら・くん」
スタスタスタ……ガチャッ バタン
恒一「……」
恒一「もう絶交でいいから帰るね」
鳴「」
霧果さんがきてイチャラブする展開はよ
恒一「……」
恒一「……」
恒一「……」
恒一「……」
恒一「……」
恒一「……うぅっ」モゾッ
恒一「くっ……あ、足が痺れっ……」モゾモゾ
恒一「っ……」
恒一「……」
恒一「……」
――一時間後
恒一「……」
恒一「……」
恒一「……」
ガチャッ
恒一「!」ビクッ
恒一「うぐっ……! あ、足に振動がっ……!!」
鳴「調子はどう? 榊原くん」スタスタスタ
恒一「み、見ての通りだよ……」
鳴「ふーん……」
恒一「もう痺れ通り越して大分感覚が無くなってきたんだけどさ……」
鳴「そうなの?」
恒一「うん……最初じんじんしてたのが今は皮膚の感覚すら曖昧と言うか」
鳴「へえ……」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……み、見崎?」
鳴「――えいっ」ツンッ
恒一「いいいい゛っ!!?」ビクゥッ!
恒一「ちょ、ちょっ……待っ……!!」
鳴「ダメだよ榊原くん、動いたら」
恒一「いやいやいや……こ、これはダメ……マジでダメな奴だから……」
鳴「動くたびに時間十分追加ね」
恒一「はあっ!?」
鳴「それっ」ツンッ
恒一「はうあああっ!?」ビクゥンッ!
鳴「そーれ」ツンツン
恒一「ふおっほお!? や、止めっ……!!」
鳴「それそれ」ツンツン
恒一「やめてーっ!?」
――結局
その後、僕が解放されたのは五時間後
日が暮れて、家から携帯に電話が掛かってくるまでだった
それまでの間、見崎に痺れる足をつつかれたり足の裏をくすぐられたり
挙句の果てに膝の上に乗っかられたりと色々あったのだけど
それらを伝える気力は、今の僕にはもう無い
……一つ、誓ったことと言えば
もう二度と、見崎に悪戯は仕掛けない、と言うことだろう
おわれ
見てくれた人ありがとう
最後尻切れ蜻蛉でごめんね
もうバイトの時間だから仕方ないね
お疲れ様でした
恒一「赤沢さんによりも無能に振る舞ってみた」
恒一「桜木さんの前で傘を食べた」
恒一「小椋さんにブリッジで迫ってみた」
恒一「高林君の前で苦しみもがいてみた」
恒一「風見君を死者にしてみた」
恒一「久保寺先生の前で喉を掻っ切ってみた」
恒一「杉浦さんを殺せって演説してみた」
恒一「王子君の前でちゃんちゃん焼き作ってみた」
恒一「多々良さんよりも不登校になってみた」
恒一「有田さんよりも飛ばされてみた」
恒一「綾野さんの前で崖から落ちてみた」
恒一「松永さんの前で懺悔してみた」
恒一「千曳先生が尋常じゃなかった」
恒一「中尾君よりも先にビーチボールを取りに行ってみた」
恒一「金松よりも原川でホモってみた」
恒一「霧果さんよりも見崎人形を作ってみた」
恒一「母さんよりも先に死んでみた」
恒一「現象よりも多く人を殺してみた」
恒一「父さんよりも長くインドに滞在してみた」
何この無限の可能性……
残念ながら使えそうなネタ一切ないわ
多々良さん不登校だったの?
恒一「ポニーテールっていいよね」
次の日女子全員がポニーテールにする展開だれかかいて
>>178
佐藤「江藤さんが息してないよぉ」
多々良「どうしてこんなことに……」
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません