やよい「妊娠……?」(144)
やよい「うー、食べ過ぎちゃったよぉ……」
やよい「昨日の晩、五人であかねちゃんちでお好み焼きパーティをして、残った分を持って帰ったから……朝、ぜーんぶ食べちゃお、って、思ったんだ、けど」
やよい「さ、三枚は流石に、食べすぎ、っかなぁ」
ちはる「もう、やよいったら朝から意地汚いわよー」
やよい「むーっ、ママなんて五枚も食べたのにぃ」
ちはる「ママは大人だからいーのよん♪あ、そういえばね、やよい?」
やよい「うーん、ぽんぽん痛い……なぁに?ママ」
ちはる「あなたが可愛がってた野良猫のみーちゃんね?子供が出来たみたいなのよー。ママ、昨日みかけちゃってー」
やよい「……妊娠?」
通学路
やよい「(ママの予想だと、三ヶ月くらいのおなかだった、って!)」
やよい「(ふふっ、たのしみー!みーちゃんってかわいい猫さんだから、きっと赤ちゃん猫さんもとっても可愛いよね!)」
やよい「(みーちゃんは、野良だけど……子供が生まれたら、私が守ってあげなきゃ!)」
やよい「(私だって……弱虫だけど!スーパーヒーローなんだもん!)」
やよい「(……ぽんぽん痛いけど)」
みゆき「あっ、あっかねちゃん!あそこにいるの、やよいちゃんだよー!」
あかね「お?ほんまやな……うん?なんや、足取り重ないか?やよいのやつ」
キャンディ「クルー?ありは、お腹押さえてあるいてるクルー?」
あかね「はっはーん、さては」
みゆき「んー?あかねちゃん、何か思いつくの?」
あかね「やよい、昨日のおこパの余り、ぎょーさんもってかえっとったやろ?それを今朝たらふく食べたんちゃうかー、っていう、あかねちゃんの名推理や!」
みゆき「あー、あかねちゃんが、やよいちゃんの拍手に合わせてコテを舞わせまくってた、あれねー」
あかね「い、言いなや、あの子人を乗せるの上手いねんほんま。さて、あかねちゃんがちーっといじってこよかなー」
みゆき「泣かせちゃダメだよー?」
あかね「ツッコミは勢いと鮮度が命や!かまへんかまへーん!おっはよーさんやーよいっ!」
やよい「わわっ!?あ、あかねちゃん!?もー、びっくりしたよぉ!あ、みゆきちゃん、それにキャンディもおはよう」
みゆき「おはよ、やよいちゃん」
キャンディ「おはようクル」
あかね「ところでなんや、やよいー。もしかして、おめでたでっかー?……なんちゃっ」
やよい「えっ!?あかねちゃん知ってるの!?えへへー、三ヶ月なんだって!!」
あかね「……えっ」
みゆき「……えっ」
キャンディ「……えっ」
やよい「うっふふ、びっくりだよね!あれ?あかねちゃんに話したことあったかなぁ?」
あかね「あ、いや、その、え?は、初耳も、初耳や、そりゃそうやけど……えっ!?」
やよい「だよね?でも、嬉しいことだからいっか!ね、みゆきちゃん!」
みゆき「えっ、あっ、う、うん!それはもうとっても、とってもウルトラハッピー!……な、こと、なんだろうけど、あの。や、やよいちゃん?」
やよい「?なぁに?」
あかね「あ、あんまボケんとちがうでー、やよい!フリと違うからな!?も、もっぺん聞くで!に、ににに、にん、妊娠、しとんのか!?」
やよい「?うん、そう言ってるよ、さっきから」
あかね「」
みゆき「」
キャンディ「あ、メルヘンランドさんですか。ちょっと緊急事態クル。え?まだそちらの存在を出せる状況じゃない?聞こえねーのか!!緊急事態クル!!!!!!!!!」
キーン、コーン、カーン、コーン
やよい「はわっ!?か、鐘鳴っちゃった!?い、急ごうよ二人とも!」
あかね「」
みゆき「」
やよい「ね、ねぇ!?もー、おいていっちゃうよ!?いいの?もー!先生に怒られてもしらないんだからー!」トテトテトテトテ
あかね「……はっ!や、やよいどういうことや!相手はどこのどいおらん!?」
みゆき「はっ!やよいちゃんあのそのえーっとそそそそういうのはねあのね!!!ま、まままだ子供だしあの私達にはコウノトリさんの……あ、あれ?」
キャンディ「っるせークル!責任者出せクル!!!人事課はパクトの人選信用して勧誘してんだぞ!こうなったのも開発の責任クル!!!!!!」
あかね「あ、あかん、キャンディもなんやよーわからんことわめいとる……これ、ど、どないしよ、みゆきぃ」
みゆき「あ、あかねちゃぁん……」
なお「あかね、みゆきちゃん。ホームルームに遅れるなんて、何かあったの?」
れいか「お二人は、確か間に合う時間に校門をくぐってらした、と思ったのですが……?」
あかね「あぁ、なお、れいか……それどころやないねん、ほんま、それどころちゃうんねんて」
みゆき「あ、あの、あのね……やよいちゃんが……」
なお「やよいちゃん?そういえば今朝はなんだか元気がなさそうだよね?」
れいか「そうね……今も、少し前にかがんで、お腹をおさえてらっしゃるし」
やよい「(うー、ぽんぽん痛い……でも、トイレに行くのは私のイメージがぁ)」
あかね「……あん、な?お、驚かんと聞いてや……や、無理な相談やろけど、なるべく声に出さんといてな?」
なお「なに?また、やよいちゃんが転校するー、とか。そういう話?」
みゆき「あの、あの、ね?やよいちゃん……こ、子供が、できたん……だって」
なお「うん?妹が出来た、ってこと?」
れいか「まぁ、それはお祝いしませんと……」
あかね「ちゃうねん!ちゃうねん!!!やよいのお腹に……!!!」
みゆき「あ、あかねちゃんしーーー!!しーーーーっ!!!!!」
早くクソして来いよ
れいか「……確かですか?」
なお「そ、そうだよ……それこそ、こないだみたいなことじゃ?」
あかね「……信じたないけどな。本人から、聞いた。それに、あないなことがあったのに、やよいも無駄に嘘なんやつかへんやろ」
みゆき「でも、でもね!やよいちゃん……嬉しそう、だったの」
なお「……」
れいか「……」
みゆき「だ、だから、私達は……すっごくびっくりしたし、なんで、って、思うけど……い、一緒に喜んであげられたらな、って……思うんだけどなぁ」
れいか「……なにはともあれ、やよいさんにお話を聞かないと、いけませんね」
やよい「(な、何か別のことを考えてそっちに集中しちゃおう!うん!えっと、スーパーヒーロー大戦は何故失敗したのか……)」
>>9
このやり取り、こち亀であったな
みゆき「……何か、すごく真剣にノートに書いてる、ね」
なお「なんだろう……家計簿かな」
あかね「なおとちゃう。や、でも、今後のなんや、予定とかそないなことやろか」
れいか「そうですね……どういう道を選ぶにせよ、いずれは学校を休むことになるでしょうから」
やよい「(うー、もう、限界!こうなったら……)ぴぴー?お外に猫さんがいるー!スケッチしてこよー!!」」
あかね「な、なんやいきなり独り言ゆうて、飛び出してったで」
みゆき「猫さんなんて、いるかなぁ?」
キャンディ「キャンディ猫さんじゃないクル……」
あかね「そういう話しとんとちゃう。なんや自分テンション低いな」
なお「やよいちゃんには悪いけど、ちょっと……ごめんね」
れいか「そうね、何を書いていたのか見てみましょう……これは」
なお「……『本番に向けての計画性の足りなさ、全体的に指導に欠け……望まない結末、失敗』これ、って」
れいか「やよいさん……あぁ、せめて円満な、ものであれば……」
みゆき「うーん?やっぱり猫なんて、いないよねー?」
あかね「そもそもやよいの席から窓の外なんて見えへんやろ……お?ゆうてたら、あれ……やよいちゃう?」
キャンディ「クルー?なんであんなところにいるクルー?」
みゆき「……体育館裏の、人気の無いトイレに、入っていっちゃったね」
あかね「……もしかして、あれやろか?つ、つわり、っちゅうの?」
みゆき「……」
あかね「……どない、しよか。これはもう、ほんまもほんまやで」
なお「そうだね……それに、二人には明るく言ったみたいだけど」
れいか「なにやら複雑な様子です……それはそう、ですよね。この歳で身ごもるなんて」
みゆき「……お昼休みに、みんなで聞こう。やよいちゃんが困ってるなら、私、放っておけない!」
あかね「もちろん、うちもや」
なお「私だって」
れいか「私達は6人でプリキュアですもの、ね」
キャンディ「クルー」
やよい「今日はみんなでお昼だね~」
みゆき「そ、そうだね!ささっ、やよいちゃん座ってすわって!」
あかね「そないな日ぃあたるとこあかん!熱射病なったらどないすんねん!」
なお「はい、やよいちゃん。ハンカチ引いたから、こっちの影のとこに入りなよ?」
れいか「クッションの方がよければおっしゃってくださいね?家庭科室から持ってきますので」
やよい「えっ、えっ!?い、いーよそんな、なんでみんな今日はそんなにその過保護なの!?朝からずーっと、その調子だよ?」
みゆき「ど、どうしてって……それは、そうだよ。やよいちゃんが大事、だもん」
やよい「?えっと、ありがとう?」
あかね「……あんな、やよい。勝手やけど……今朝、うちらに話してくれたこと。なおとれいかにも、教えてもーた。ごめん」
やよい「あ、そうなの?二人は全然知らないだろうし、興味もないだろうから、特に話すつもりはなかったんだけどね」
なお「!そんな薄情なこと、言わないでよ!!!やよいちゃん!!!」
やよい「!?!?」
なお「私とれいかだって!!やよいちゃんの身に起きたこと……!」
れいか「なお、落ち着いて。やよいさんも、きっと悩んでたのだから」
なお「あ……ご、ごめんね。私ってば」
やよい「う、うん。あの、私こそ……(そっか、なおちゃんは可愛いもの好きだもんね。子猫とかも好きなんだ、うんうん)」
うぬぅ!
やよい「そうだよね、やっぱり素敵なことだもん!みんなにもしっかり、話しておかないと、だね!」
れいか「……でしたら、本当に?その、妊娠を、なさって……?
やよい「うん!今朝分かったんだよー、びっくりしちゃったー」
あかね「う、うちらのが億倍びっくりしたっちゅーの……しっかしまぁ……い、いつのまにーやで、もー」
みゆき「あ、あのねやよいちゃん!お相手はえーっと、ど、どんな人なの!?そりゃ、やよいちゃんが選んだ相手なら、きっと素敵でウルトラ……」
やよい「え?うーん……わかんない、かなぁ。近所のオスと、とっかえひっかえだったいたい、だから。は、はわわ、ごめんね!ちょっと表現が……」
みゆき「」
あかね「」
なお「」
れいか「」
キャンディ「」
やよい「?みんな、どうしたの?」
みゆき「……みんな」
あかね「……おう」
なお「うん」
れいか「えぇ」
キャンディ「クル」
みゆき「一回、深呼吸」
あかね「」スーーーーー
なお「」ハーーーーーーー
れいか「……大丈夫です、やよいさん。続けてください」
やよい「?よくわかんないけど、分かったよ」
あかね「……そないなこと、なっとったんか」
やよい「うん、可愛くてモテモテだったから。あの近所じゃ若いメスも少なかったんだもん」
みゆき「そんな、そんな、ことって……」
なお「……やよいちゃん?それは、あれだよね?あの、自分から、じゃないんだ、よね……?」
やよい「うん?えーっと……あー、言われて見れば、そうかも。嫌々やってたこともあったみたい、あんまり覚えてないけど(そんなに見てないもん!本当だよ!!)」
れいか「……無理やり、ということですか?」
やよい「うん。とくに近所のボスみたいな子からは、何度もだったよー。大きくて力も強いから、最近じゃ抵抗もしてなかったみたい」
みゆき「……どう、して。相談、してくれなかったの?」
やよい「え?」
あかね「みゆき、やめぇy」
みゆき「どうして!私達に、言ってくれなかったの!?辛いよ、って!!助けて、って!!!どうして、言って、く、うぅ、ううううう……」
やよい「え?え?なんdわふっ!?み、みゆきちゃん!?なんで抱きついて、あの!?」
みゆき「ごめん、ごめんね、気づいてあげられなくて、ごめん、やよいちゃん、ごめんね」
あかね「……やよい、辛かったな」
なお「……もう大丈夫、私達がついてるよ」
れいか「これからは、一緒に悩みましょう。強がらなくとも、いいのですよ?」
ヒシッ
やよい「……」
やよい「……(みんな、そんなに猫さんの交尾見たかったのかなぁ)」
あかね「……湿っぽい話は、しまいや!!やよい、あんたはその子らのこと、うれしゅう思っとんのやもんな!」
やよい「?それはもちろんだよ。えへへっ、早くみたいなー」
なお「……そうだね。家族が増えるって、幸せなことだよ」
れいか「応援しましょう、私達で何ができるかは、分かりませんが」
みゆき「うん!決めた!やよいちゃんのウルトラハッピーのために、みんなで頑張ろう!」
やよい「みんな……ありがとう。そうなの、正直私一人じゃどうしようか、ってこともあって……おうち、とか」
あかね「せやな、やよいの家は広いゆうても、いきなり家族が増えるんやからなぁ」
やよい「えっとね、なおちゃんちにひきとってもらうのはどう、かなぁとk」
なお「!?!?ほ、本気!?!?やよいちゃん!?」
やよい「……ダメ?」
なお「め、眼を潤ませてお願いしてもダメだよ!?ダメすぎるよ!?えっちょ、やっぱり本当は……?」
あかね「どーどーや、なお。やよいのボケやんか、なぁ?」
やよい「え、あー、そーなの!じょ、冗談でしたー!(なおちゃんってケチだなぁ)」
みゆき「えっとー、三ヶ月、って言ってたよね?」
やよい「うん、だいたいそれくらいだろーって、ママが」
なお「うん?」
れいか「やよいさん、病院には……?」
やよい「あ、やっぱり行ったほうがいいのかぁ?」
あかね「そらそやろ!?腹ん中に子供いんねんで!?」
れいか「確かに近年、病院に通わない方が増えている、とは聞きましたが……出生率はかなり低くなってしまう、そうですよ?当然ですが」
やよい「そっかぁ……それは困るよね」
あかね「っちゅーか、なんできづかへんかってん」
みゆき「もしかして、お父さんがいないから、恥ずかしかった、とか……?」
やよい「?」
なお「あ……大丈夫!私達が付き添うよ!どんな眼で見られても、やよいちゃんを守るから!」
やよい「一緒に来てくれるのは、嬉しいけど……うーん?そんなに珍しいこと、かなぁ」
れいか「低年齢化が進んでいるとはいえ、とても稀なことだと」
やよい「……(お嬢様育ちって大変だなぁ)」
みゆき「みんなで行けばウルトラハッピー、だね!男の子かー、とか!女の子かー、とかも分かるのかな?」
なお「どうだっけ?性別が分かるのは確か……6ヶ月だったかな?けいたは股に挟んでたせいで、ギリギリまで女の子だと思われてたけど」
れいか「なおったら、妹が出来るってはしゃいでたのに、すっごく落ち込んでたものね」
あかね「そうなんかぁ。っちゅーことは、あと三月か」
みゆき「何人生まれるのかなー!」
あかね「何人てなぁ、みゆき?そら普通なら……」
やよい「あっ!それは分かるよ!5~8くらいじゃない?って、ママが!」
みゆき「」
あかね「」
なお「」
れいか「」
やよい「?」
みゆき「ご、五人か、八、人?」
あかね「あ、あっはは、じょ、冗談やろ、やよいー。な、なんやさっきからボケがその、ぶっとんでんなぁ?」
やよい「嘘じゃないよ?ママも、知り合いに聞いたら大体そのくらいよねー、って言ってたって!」
なお「……うち、大家族でもなんでもないね、それ」
れいか「もう一度、勉強しなおしかしら……」
やよい「?(それにしても、猫を数えるのに『何人』って。やっぱりみゆきちゃんはメルヘンだなぁ)」
みゆき「……こんな小さな身体に、そんなに大変で、大きなもの、抱えてたんだね?やよいちゃん」
やよい「!?な、なんの、ことっ!?私そんな、それにもうひねりdはわわわ!」
あかね「ここまできてそないな否定せんでもえぇ……んで、いつがえぇかな、病院行くんわ」
なお「なるべく、早いうちがいいよね。もう三ヶ月なら、色々と始まることも多いだろうし」
れいか「母に言って、腕のいいお医者様を紹介してもらいます。やよいさん?それでいいかしら?
やよい「え、あ、うん。お願いできるかな、私、そういうの詳しくなくって」
あかね「当たり前や、若いみそらで……やよい、ほんっっまに無理はしたらあかんで?うちらがついとる、な?どんなことでも、相談しーや?」
やよい「うん、あ、ありがと(おおげさだなぁ、あかねちゃん)」
バッドエンド王国
狼「腹ぁ減ったなぁ」
鬼「しかたないオニー、マジョリーナがなんだか発明とやらをしているせいで、料理してくれないオニー」
狼「まーたなんかくだらねぇもの作ってんだろ、あのババアめ……お前なんか作れよ」
鬼「俺様がそんなことできるはずないオニ」
狼「そりゃそーだなわーるかったよウドの大木め、ちっ、そしたらまた、人間のとこにでも……」
魔女「待つんだわさ」
狼「あぁん?おぉ、ババアか。飯くれ、飯」
魔女「あんたは中学生男子かだわさ」
狼「俺様はいつでも反抗期だ、悪い奴だからなぁ」
魔女「小物な台詞を言うんじゃないよ。あんたもたまには、ものすごく悪いことでもやってみればいいだわさ」
鬼「悪いこと?村に下りて、大暴れするオニー?」
狼「それはてめぇの元同僚だろうが……んだよ、飯前で出撃しろってかぁ?腹ぁ減ったら戦もできねぇ、っつぅだろうが」
魔女「現地調達すりゃぁいいだわさ」
鬼「オニ?」
魔女「あんた、前言ってたねぇ?子ヤギはとんでもなく美味しい、って」
狼「おぉ、とくに7匹いっぺんに食っちまったときゃあさいっこうだったぜぇ……おい、腹を減らす話題やめろ、何が言いてぇってんだろが、ババア」
魔女「いーっひっひっひ、ここに行きな!いきのいい、それこそ生まれたての食材が毎日わんさかだわさー!」
狼「また人間界の雑誌ってやつかぁ?てめぇもいい加減、あっちへの熱を冷ましやがれ……えーっと?……産婦人科?」
魔女「人間の赤ん坊が生まれるところだわさー!」
狼「ほーぅ、そりゃぁいい……さいっこうに、上等な食材の宝庫じゃねぇか」
鬼「それに、ウルフルンが暴れて食いまくってやれば、バッドエナジーもわんさかオニ!」
狼「おぉよ、一石二鳥どころじゃねぇ、三鳥、いや、三頭かぁ子豚がよぉ!俺様超得だぜやっほぉおおう!」
鬼「俺様も行くオニー!」
ジョーカー「うっふふふぅん?偉大なる悪の三幹部のお一人、まっじょりぃなすわぁん?いつになく荒らぶってらっしゃいますねぇ~?」
魔女「人間をバッドエンド王国の住人にしちまう薬ができなくてイライラしてるんだわさって何をいわすんだわさ!あんたも手伝いな!!こないだの青っぱなの侘びもこめるんだわさー!」
ジョーカー「んっふふぅ、おおせのままに~~~♪」
数日後
あかね「この近所なんやって、れいかのおかんが紹介してくれたところ」
みゆき「そっか。だからやよいちゃん家の前で集合で、そこから歩きなんだね」
あかね「なんや、本当は迎えの車を出してもらいたかったのですが……とか、言いよどんどったなぁ」
みゆき「うーん?なんだろうね……あ、ついたついた。やよいちゃん家だー」
やよい「二人とも、おはよー。ほらみーちゃん、挨拶しようねぇー」
猫「」ナー
みゆき「?猫ちゃん?やよいちゃん、猫ちゃん飼ってたの?」
やよい「え?この子は野良だよ?うん?知ってるよね?」
みゆき「うーん?そうだっけ?それで、どうしてその猫を?」
やよい「?どうして、って????」
あかね「あー、えぇえぇ、やよい!気にせんといて!みゆき、ちょーっとこっちきー」
みゆき「え?だって、あかねちゃんも不思議でしょー?これから病院行くのに、なんでケージに入れた猫を持ってるのか……」
あかね「みゆき、ちと勉強せなあかんで、ほんま。あれは、あれや。あにまるせらぴー、ゆうやつやで!」
みゆき「?あにまるせらぴー?」
キャンディ「なぁにそり、クル?」
あかね「精神的に疲れよったひとー、とかな?妊婦さんなんかを、動物と触れ合わせることで、癒してまうんや!
みゆき「!動物さんに、そんな効果が!」
キャンディ「キャンディも、役立たずじゃなくなるクル!!!」
あかね「そーやー?せやから、猫のことは気にせんと。やよいを刺激しないことを第一に考えんといかん、っちゅうこっちゃ」
みゆき「うん、分かった!あっかねちゃんものしりー!」
あかね「ふふふっ、まかしときー!なんせうちは、やよいとその子ぉお守り隊やからなー!」
なお「おまたせー、みんな」
れいか「遅くなってしまい、申し訳ありません」
みゆき「あ、二人ともおは……えっ!?」
あかね「れ、れいか!?その頬どないしたんや!?あ、お、大声はいかん、大声は」
やよい「お、おっきな絆創膏だよぉー?というより、湿布?かな?」
なお「あー、やっぱり目立っちゃうよね……うちで張ってあげたんだけど、さぁ」」
れいか「……少し、祖父と喧嘩しました」
あかね「!?そ、それはやっぱ……やよいの、ことか?」
やよい「えっ」
れいか「……そのような騒動を持ち込む娘とは縁をきれ、と」
やよい「えっ(猫の妊娠ってそんなに重い話なの!?!?!?)」
れいか「ですが、私にとって……いいえ、私達、ですね?やよいさんは、とても特別な仲間です」
なお「あのこわーいれいかのおじいちゃんに言い返すんだから、れいかも凄いよね」
あかね「そ、それはしらんけど……で、叩かれたんか」
れいか「優しいですが、厳しい人ですので。やりかえしましたけどね」
みゆき「そ、そう……え?」
なお「私がれいかの家に着いたときには、全身墨汁で漬されたおじいさんが、れいかのお兄さんの背中に隠れて丸くなってたよ」
あかね「こ、こっわ、おこてもうたれいかこっわぁ……」
やよい「……(私が拾った猫のせいで青木家がやばい)」
やよい「はわっ!?は、春香さん!?もー、びっくりしましたぁ!あ、千早さん、それに美希さんもおはようございまーす!」
春香「おはよ、やよいちゃん」
千早「おはよう、高槻さん」
美希「ところでどうしたの、やよいー。もしかして、おめでた?……なんちゃっ
やよい「えっ!?美希さん知ってるの~!?えへへー、三ヶ月なんだって!!」
美希「……えっ」
春香「……えっ」
千早「……えっ」
ふむぅ
産婦人科
やよい「……ここ?」
あかね「そーやー。さ、やよい。堂々とし!うちらがおるから!」
キャンディ「キャンディも!プリキュアの子共はしっかり守るようにって人事課nよくわかんないけど守るクルーー!」
みゆき「うん!猫ちゃんもね!一緒だよ!」
なお「そういえばこの猫ちゃん、可愛いよね!名前はなんていうの?オスかな?」
れいか「みーちゃん、というようよ?みーちゃんさん?やよいさんを守ってくださっているのね?」
やよい「……」
やよい「……(何かが、何かがおかしい)」
あかね「……ロビーまで、きよったけど」
みゆき「や、やっぱり、みんな見てくるね」
なお「堂々と、なんでしょ?しっかりしなよ、平気だから」
れいか「やよいさんは、この帽子被りましょうか」
やよい「えっ、あー、うん……なんd、いや、うん……」
やよい「(変、変だよ……私以外、誰も、動物さんのケージも、首輪も、持ってる人、いないよ)」
やよい「(動物の鳴き声も、どこからもしない、し……こ、ここって普通の病院だよね?あれ?)」
やよい「(な、なにより……このロビー、周りが妊婦さんだらけだよぉお!?!?どういうことなのぉおおお!?!?!?)」
狼「ウーーールッフフフフフ!病人の臭いがプンプンするぜぇ!!」
鬼「元気が出るオニ!良い子はいねぇがぁー!」
狼「良い子も悪い子もねぇ!今日はとにかく食いまくることが目的だからぁなぁ!さぁて、まずはこいつだ」
狼「世界よ!最悪の結末、バッドエンドに染まれ!!」
狼「白紙の未来を黒く塗りつぶすのだ!!!」
れいか「!これは!」
あかね「な、なんやなんや、こないなときにー!」
なお「!周りの、妊婦さんが!!!」
「産むのが怖い」 「子供なんて」
「ほしく、なかtt」
みゆき「!!だめ!!やよいちゃん、聞いちゃダメ!!」
やよい「うぅ、マリッジブルーになっちゃってるんだねってえぇ!?みゆきちゃん、なんで私の耳ふさぐの!?わ、私は元気だよぉ!?」
キャンディ「!ウルフルンと……それに、アカオーニクルー!?」
あかね「なんやて!?くっ、こないな時に、二人いっぺんやなんて!」
狼「おぉ?なんだ、テメェらか」
鬼「またプリキュアオニ……うぅん?なんでお前たち、こんなところにいるオニ?」
なお「……やよいちゃん、大丈夫。みんなで守るから、やよいちゃんは下がっててね」
やよい「え、え?そんな、なんで?私も、変身……」
れいか「無理は禁物です。キャンディ?」
キャンディ「やよいのパクトは、やよいが安静にできるまで休止させることになったクルー。だからみんなに任せるクルー」
やよい「……えぇええええええ!?!?!?」
ここまで読んだ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
i (●):(●) \
! ( ,ノ(、_, )ヽ、 )゙,; \
ヾ -=二=- .,,;゙ ヽ
\ ( ゙;) i
ミヾ_/\ ミヾ_/ ,イ |
ヾ_/ \`ヾ_/ ノ
/ _=ミ( /゙
/ _ノ \ i´
(__,) (__,)
みゆき「……赤ちゃんが出来るのは、とってもとってもハッピーなこと!」
みゆき「そんなお母さんたちの想いを、辛くっても優しく迎えようとしてるやよいちゃんの強さを!」
みゆき「台無しになんて、させない!!」
みゆき「いくよ!みんな!」
プリキュア!スマイルチャージ!!
やよい「待ってよぉー!私も戦うもん!ヒーローは……もぉおお!なんでこうなったのー!?!?」
猫「」ナーー
ハッピー「キラキラ輝く、未来の光!キュアハップィー!」
サニー「太陽サンサン、熱血パワゥア!キュアサニェー!」
マーチ「勇気凛々、直球勝負!キュアマーーチッッ!」
ビューティ「深々と降り積もる、清き心。キュアビューティ!」
五つの光が導く未来!
輝け!スマイルプリキュア!
やよい「四つじゃん!今四つでしょ!五つって言うなら私も変身させてよぉおおお!!」
狼「出やがったなぁ……あぁん?おい、そっちのチビはどうした」
鬼「オニ!おかしいオニ!!なんでピースちゃんゴホン、ピースはピースにならんオニ!せっかくあんなに研究してきたオニーーーー!」
ビューティ「お黙りなさい!」
狼「」ビクッ
サニー「余計なお世話や!!さっさとかかってこんかいボケェ!」
マーチ「でも、やよいちゃんには指一本触れさせないよ!他の妊婦さんはもちろんだけどね!」
ビューティ「あなたたちには分からないわ。今のやよいさんの尊さ、大変さは!」
ハッピー「そうだよ……やよいちゃんは、やよいちゃんは、もう!!!」
ハッピー「やよいちゃんだけの、身体じゃないんだもん!」
やよい「……えっ」
狼「あぁん?」
鬼「」
狼「あー、話がみえねぇが……んだ?そのガキ、ガキを作りやがったってのか?」
サニー「ガキガキ言いなや!!!赤ちゃんや、赤ちゃん!!!お腹ん中の子供に悪い言葉聞かしな!発育におおきくかかわるんやでー!」
ハッピー「さっすがサニー、ものしり!」
マーチ「ビューティが教えたことまんまの、受け売りって感じだけどね。とにかく、あんたたちはやよいちゃんのお腹に悪いね、うん」
ビューティ「そうね、即刻かえっていただきましょう」
やよい「いや、あの、き、気合はよく、わかるし、いいことだと思うんだけど……みんな?みなさん?ちょっと話し合おう?ね?ちょっと、何かものすごく大きなすれ違いが発生してるから」
「訳わからんオニ(困惑)」
ハッピー「大丈夫だよ、やよいちゃん。すぐに狼さんたち倒して、お医者さんにみてもらおうね!」
やよい「えっとあの、や、やっぱりここは、犬猫病院じゃ、ないんだ……」
サニー「当たり前や、あんたを診てもらうんに、なんで犬猫やねーん!ってな!最近のやよいはボケが大きくでとってえぇことや思うでー」
やよい「や、ボケボケなのは多分サニーたちの方で……」
マーチ「こいつらを片付けたら、次はやよいちゃんのことを傷つけたその『ボス』とやら、だね。筋を通してもらいにいこう」
やよい「みんな映画とかドラマの見すぎ。そんな人いないから。ねぇ、お願いだから聞いて。ねぇ、ねぇ!」
ビューティ「大丈夫です、やよいさん。いざとなったら祖父にもみ消させます」
やよい「なにそれ怖い」
狼「はぁ?どういう状況だ、おい。まぁいい、アカオーニ、赤っ鼻だせ、俺はうっかり忘れちまった」
鬼「」
狼「おい、おい?なにボーっとしてやがんだ、連中がもめてる今がアカンベェ出すタイミングだろうが、あちらさんもそのへんを……おい?」
鬼「」
狼「……ここにいる誰よりもバッドエナジー発してやがる、この馬鹿」
鬼「ピースちゃんが……俺たちの、ピースたんが」
狼「……はぁぁぁ」
狼「……やめだ、やーめやめ。俺様ぁ帰る」
ハッピー「さぁ、狼さんおとなしく……えっ?」
狼「この馬鹿はツンパの中に赤っ鼻をしまってやがるし、俺じゃそれを取り出せねぇ、ってか取り出したくねぇ。今日はやめだ、面倒くさくなったしな」
サニー「そないなこと、信じられるかい!あんたらのことや、そうやって油断をさせたろー、ゆうつもりなんやろ!」
狼「最近人間食ってねぇから、いきなり食うと腹がびっくりするかもしれねーし、もう面倒なんだっての」
猫「」ナー、ナー
狼「……ははぁん。面倒なのは、俺様よりそこのチビらしいけどなぁ」
マーチ「面倒、なんかじゃない!やよいちゃんは大変でも頑張る努力をしてる!」
狼「……なんつーか、お前ら、全員あれだ。とち狂ってるわ、うん」
ビューティ「どういう意味ですか?やよいさんの気持ちを馬鹿にするのなら、いますぐここで」
狼「やらねぇっつってんだろ。おーいチビ、じゃあな」
やよい「ひっ?」
狼「そこの、妊娠三ヶ月で初産だからせいぜい四匹くれぇ産むだろう、って言ってる、猫公によろしくなぁ」
やよい「」
ぶっちゃけありえなーい
ハッピー「え、みーちゃんも妊婦さんなの!?わー!……あ、あれ?」
サニー「……三ヶ月?」
マーチ「……やよい、ちゃん?」
ビューティ「……説明を、お願いできますか?」
やよい「……あ、あの、ね?その……」
やよい「……うん?」
やよい「いや勝手に勘違いしたのそっちでしょ!!!???」
キャンディ「クルクル、クルぅ。みーちゃんが妊娠っていうのは、本当らしいクルー」
あかね「通訳どーもや、キャンディ……せやったら、なんではよゆわんねん、もー」
やよい「だ、だってぇ。みんなもみーちゃんのお話してるんだとばっかり……ついさっき、気づいたんだもん」
みゆき「ほんとだー、よくみたらみーちゃん、お腹ぽっこりしてるね。ケージに入ってたから、分からなかったよー」
なお「うまーーい具合にすれ違ってたんだね、話が。もう、心配したんだよ?」
れいか「私達もよく聞いてなかったことが、騒動の原因ですし。ここは、責任の追及はやめましょう?」
やよい「うん、そうしようよ……でも、そっか。みんな、そんな勘違いをしてたのに……あんなに、真剣になってくれたんだね」
あかね「そらそーーやーー、友達が妊娠やで?真顔にもなってまうっちゅーの」
やよい「あー、真剣、というか、ね?面倒とか、れいかちゃんのおじいちゃんが言ったみたいに、離れていっちゃうんじゃないかな、普通は、ね?」
れいか「言いましたよ?私達にとって、やよいさんは大切な仲間だ、と」
なお「そうだよ。離れていく、なんて。お願いされてもいやだよね」
みゆき「うん、うん!それに、私もうやよいちゃんの赤ちゃんの名前まで考えてたのにー!むしろ今の方が残念だよぉ、はっぷっぷー!」
やよい「そ、そんなぁ……っふ、ふふ、はははははははははっ!」
あかね「なんやねんそれ、みゆ、っぷ、っははは、あっはははは!」
なお「っふふ、それじゃみーちゃんの子供にそれをつけてあげれば、いいんじゃないかな?」
れいか「ふふっ、みゆきさんが名付け親なら、とても幸せな子猫になりそうね」
みゆき「うん、うん!……えっへへ!勘違いでも、ウルトラハッピー!」
やよい「……ありがとう、みんな!」
れいか「……さて。ともあれ、今からみんなで、おじいさまに謝りに行きましょうか」
なお「……やよいちゃん、誤解だったわけだから多分そこまで本気では怒らないとおもうけど……座禅3時間は、覚悟したほうがいいよ」
やよい「……えっ」
あかね「……せやな。あと、うちのおかんとかおとん……あー、町内会長さんとこにも、お祝いいらへんこつなったー、ゆわんと」
やよい「……えっ!?」
みゆき「あー、そういえばさっき、あかねちゃんが『やよいとその子ぉお守り隊や!』ってドヤ顔だったとき、ご近所さんがすっごいこっち見てたよ」
やよい「えぇぇえええええ!?そんな、そんなぁ」
やよい「こんなの、スーパーヒーローじゃないよぉおおおおおおおお!!!」
完
キャンディ「いやマジで勘弁してくださいクル、キャンディ悪くないクル、え?キャンディならすぐ猫に聞けたはずクルって?そりゃそうかmもう減俸される分さえ残ってないクルぅわああああああん!!」
今度こそ 完
キャラクターへの愛を感じた、乙
狼はネコ目やけ、ネコ語もいけるんちゃうかな、よーわからへんけど!
毎度毎度プリキュアは百合キュアばっかやーおもとったら大間違いやで!
れいかはなおの嫁やけどな!じゃあの!
ABC朝日放送 日曜朝八時半
スマイルプリキュア!
大好評放送中!
関連グッズも続々発売中!!
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません