男「今日は俺が奢ろうか?」 (24)

女「先輩に出させるなんて出来ませんよ!私が払います!」
男「そんなに高くないしいいよ別に」
女「なら尚更です!そんなに高くないなら私が出しても構いませんよねっ?」
男「いーや、俺が!」
女「私が!」
男「俺!」
女「私!」

男(奢ると言った手前……)チラッ
女(払うと言った手前……)チラッ

2人(引くわけには行かない!!!)

男(ここで奢られたら男として情けなすぎる!)
女(ここで払ってもらっちゃったらずるい女って思われちゃいます……!)

男「女の子にお金の心配をさせないのが男ってものだろ?」
女「男の人に家計の心配を掛けないのが女というものです!」

2人(でもそろそろ店混んできたし…)
2人(早く自分が払って終わらせないと!)

女「いえ、私が払いますよ」

男「あぁ、そっか…んじゃ」

女「カードで…」

店員「……」

女「あの…」

店員「ツケときます。ありがとうございました」

女「え、え?」

店員「アンナヤツ別れたほうがいいっすよ」

女「ふふふ…」

男「ほら、そろそろ出ないと店に迷惑だろ?俺が払うからさ」

女(お店の人を引き合いに出すなんて……でも私、負けません!絶対ぜったい、払って見せます!)

~隣の席~
バカップル彼氏「よし、会計は俺に任せて食べろよな♪」
バカップル彼女「だーめっ、私が払うのっ!」
バカレシ「よーし、じゃあいつもの」
バカノジョ「わ、り、か、ん!もうっ、バカレシ君ったらいつもやさしー♪」
イチャイチャ

男・女(その手があったか!)

男(ここは一時休戦だ…)
女(けど、勝負はまだ終わってません!)

男「よし、ここは割り勘にして。店を出てから返すよ」チャリン
女「はい、そうしましょうか」チャリン
店員「アッシター」

男「さあ!」
女「ええ!」
男「割り勘にした分君の財布に返そう!」
女「貰うわけには行きません!返すのは私です!」

男「俺!」
女「私!」
俺!私!俺!私!………

女友「それで、その後?」
女「日がくれたので割り勘のままになっちゃった……次は絶対私が払う!」

男「女さん、日曜日遊びに行かないか?この前の食事代も返したい」
女「分かりました、10時に駅で良いですか?」
男「ああ、電車賃は200円の場所に行くつもりだが構わないか?」
女「ええ……ただし、お金を返すのは私です!」

2人(さあ、第二試合の始まりだ!)

男「この喫茶店だ」
女「落ち着いてて、とても好みです」
男(ククク……俺はこの喫茶店の常連!前回は女さんもよく知った店だったから失敗に終わったが、今回は違う!レジの一度リセットと計算してマスターに席を予め頼んでおいたのさ!)
女(あちらは何か策があるようですが、そんな小細工通じません!)

2人(前のもまとめて払ってやる!)

男「ここの店はすごくこだわりが強くて、値段もそこそこだけど美味しいんだ。穴場って感じで」
女「先輩のお気に入りなら間違いは無いですね!なのにお客さんは少な目なんですね……みなさん見る目が無いのでしょうか?」

男(グッ……みなさんの見る目、だと!?これは何と答えればいいんだ!店と見る目、どちらかを否定するしかないのか……!?)
女(これは、結構効いてるんですか先輩!やった、今回こそ私が払えそう!)

男「えーっと……ここモンブランが美味しいんだよ」
女「先輩のオススメなんて楽しみです!先輩は何にしますか?」

男「俺は……チーズケーキで!」
マスター「カシコマリャッシター」

男(これが俺の作戦!わざと値段に差のあるケーキを選ぶことで割り勘しにくくなる!)
女(でもそれは諸刃の剣ですよ、先輩!)

男「ふう、美味かったな。じゃあここは俺が」
女「いえいえ、私が!」
男「値段違うし割り勘しづらいだろ?」
女「ええ、でも私の方が高いのを食べてしまったので私が払いますね!」

男(やっちまったー!!)

そして二人は何度もデートと言う名の戦いを繰り返した…

男「ここのパスタも絶品なんだよ」

戦は二年以上続いた…

女「私、今日は多めに持ってきたので二人分払えますよ!」

毎週日曜日…

男「君にプレゼントだ!」

途中から「相手に貰ったプレゼントより少し高いプレゼントを送る」勝負も始まり…

女「先輩、これどうぞ!」

しかし、奢る奢られるの決着が付くことは無かった…

男「なあ、俺たちずっと割り勘してきたけどさあ」
女「はい?」
男「これで最後だ!女さんは一生俺が養う!この指輪を貰ってくれ!」
女「先輩……嬉しいです……でも」
男「分かってる」

2人「今回こそ奢る!」

おしまい

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