キリカ「今日も元気だ!!」かずみ「ご飯が美味しい!!」ほむら「ブラック団参上よ!!」 (146)


キリカ「さて、かずみ。このSSは、どんなSSだい?」

かずみ「このSSはね……。黒いガチレズにバージンを狙われた女神様が『あたしゃノンケだよ!!』って言いながら、逃げ惑うSSなんだ」

ほむら「貴女達、さらっと嘘を言うんじゃないわよ!!」



注)このSSはあらゆる設定が破綻してます。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1384639614


1.結成ブラック団


ほむら「貴女達を呼び出した理由は、他でもないわ。ブラック団を結成するのよ」

かずみ&キリカ「……何故?」

ほむら「今の私は、悪魔なのよ。それなら、少しは悪魔らしい振る舞いをするべきだと思わない?」

キリカ「それと、ブラック団とやらが、何の関係があるのさ?」

ほむら「悪魔って、そういう感じしない?」

かずみ「曖昧にも程があるよ……」


キリカ「大体、黒髪の三人が集まったとしよう。こんな感じのSSなんて、他にも沢山あるし。似たようなのも……」

かずみ「キリカちゃん、それは禁句だよ!!」

ほむら「……兎に角、ブラック団を結成するのは確定なのよ!!」

キリカ「え~……」

かずみ「拒否権ないの~……?」

ほむら「与えないわ」

キリカ&かずみ(やだなぁ……)

2.風評被害


ほむら「納得いかないのよ」

かずみ「何が?」

ほむら「……私は何時からか知らないけど、ストーカー扱いされてるのよ」

キリカ「……その割には、鹿目まどかを追いかけ回してるんじゃない?」

ほむら「違うわよ。あれはキュゥべぇを追いかけてるのよ」

かずみ「そうなの?」


ほむら「そうよ。あの珍獣は、隙あらば契約を迫る為に、常にまどかの近くに迫ってるのよ。うらや……じゃなくて、鬱陶しいわ……」

キリカ「ふーん。つまり、君はキュゥべぇのストーカーと言う訳だね」

ほむら「違うわよ!! 頭からストーカーを離しなさい!!」

かずみ「でもさ。ほむらちゃんは、まどかちゃんの事が好きなんでしょ?」

ほむら「勿論、大好きよ」


キリカ「愛だけに、会いに行きたいって?」

ほむら「つまらない上に、勘違いしすぎよ。好きも、友達としてって意味よ」

かずみ「あんなに、百合SS多いのに?」

キリカ「まどほむは正義とか、言われてるのに?」

ほむら「そうよ」

キリカ「泣きながら抱き着いてたのに?」

かずみ「たった一つの道標とかって言ってたのに?」

ほむら「……そうよ」


かずみ「……って言うかさ。平行世界を横断してまでも、追いかけるって……ある意味ストーカーだよね?」

ほむさ「」グサッ

キリカ「まぁ、物は言い様なんじゃないかな? 結局、愛でも愛情でも友愛でも。それが、一方通行じゃストーカーと変わらないけれどね」

ほむら「」グサッグサッ

かずみ「まぁ……キャラ立ちしてて良いんじゃない? かずマギ勢は、キャラ立ちしてないし……」

キリカ「その点だったら、私達はまだいい方なのかもしれないね……」

ほむら「……違うもん……ストーカーじゃ無いもん」

かずみ&キリカ(……悪魔の癖にぐずり出したよ)


ほむら「私は……鹿目さんに憧れたもん……。憧れたから、死んでほしく無かったもん……」

かずみ&キリカ(メガほむが出てきた……)


まど神「話は聞いたよ!!」

ほむ&キリ&かず「……!?」

まど神「ほむらちゃんはストーカーじゃないよ。だって……私がそう思っていないから」

ほむら「……まどか」

まど神「……ほむらちゃんは、私を守るためにずっと頑張ってくれたんだもん。だから、その思いは無駄にしないよ」

ほむら「まどか……」

まど神「ほむらちゃん……」



キリカ&かずみ「……なんだ、この茶番」

3.カラオケ


チャッチャチャチャチャチャ~♪


キリカ「あれは誰だ♪ 誰だ♪ 誰だ♪ 誰だ♪」

かずみ「あれはほむら♪」

キリカ&かずみ「デビルほ~む♪ デビルほ~む♪」


キリカ「裏切り者の~名を受けて~♪」

かずみ「全てを捨てて~戦う女~♪」

キリカ「デビルアローは時間停止♪」

かずみ「デビルイヤーは時間停止♪」

キリカ「デビルウイングも時間停止♪」

かずみ「デビルビームも時間停止♪」

キリカ「あ~くまの力~身に~つ~けた~♪」

かずみ「正義の~ヒロイン~♪」

キリカ&かずみ「デビルほ~む♪ デビルほ~む♪」


ほむら「貴女達が私の事を馬鹿にしてるって事は、よ~く解ったわ」

4.織莉子の憂鬱


織莉子「いけない……一人だけなのに、また二人分のケーキと紅茶を用意してしまったわ……」

織莉子「……単身赴任の夫を待つ妻は、こういう心境なのかしら?」


何でも有りのおバカSSです。ボチボチで進めます。

皆さんお解りと思いますが、あれはデビルマンの歌の替え歌です。

正直な事を話すと、このSSは単に没ネタの寄せ集めなの。

では、投下。

5.フードファイト

とある中華料理屋。

かずみ「……ご馳走様でした!!」

ほむら「その体の何処に、餃子100個も入るのかしら……」

キリカ「見てるだけで気分が悪くなるよ……」

店主「アイヤー……この挑戦に成功したのは、貴女が初めてアルヨ……。商売上がったりネ……」

かずみ「えへへ。この賞金で、デザート食べに行かない?」

ほむら&キリカ「まだ食べるの!?」


店主「そう言えば、ワタシの弟子が、今度お店開くネ。オープン記念で、大食い大会を開くから、出てみるとヨロシ」

かずみ「……ほほう」


そして、数日後。

弟子「エントリーの方は、こちらに名前を書いて下さいね~」

かずみ「よーし。今日は食べるよー!!」

キリカ「……気合入ってるね」

ほむら「あの子が、昨日の晩から何も食べないなんて、有り得ないもの……」

かずみ「二人は出ないの?」

ほむら「出る訳無いでしょ……」


???「おっちゃん、まだ受付してんのか?」

かずみ「こ、この声は!?」

ほむら「あら、杏子じゃない。奇遇ね」

杏子「ほむらじゃねーか。まさか、この大食い大会に出るのか?」

ほむら「私が出る訳無いじゃない。出るのは、この子よ」

杏子「……それはそうとしても、珍しいトリオだな」

ほむら「ええ。ブラック団よ」

杏子「……そ、そうか」


かずみ「ふーん……。ま、勝つのは私だけどね」

杏子「大した自信じゃねーか……」


キリカ≪……どっちが勝つと思う?≫

ほむら≪どっちでも良いわ。ただ、一つだけ言える事は有るのよ≫

キリカ≪……?≫

ほむら≪将来、あの子達の旦那や彼氏になる人は、食費で破産する≫

キリカ≪それは、間違いないね≫


弟子「では、時間になるので、大食い大会を開始します」

弟子「ルールは一時間の内に、大盛りチャーハン、特製の激辛ラーメン、餃子50個を順番に完食して貰います」

弟子「ちなみに、残した場合は、その分の代金を支払って頂きます」

弟子「そして、一番先に完食した人には……賞金20万円を進呈します!!」

参加者「うぉぉぉぉ!!」

杏子(……やべぇな。金持ってきてねー……)

かずみ(……しまったなぁ。財布持ってきてない……)

杏子&かずみ(……この戦い負けられない)

弟子「では、大食い大会開始です!!」


かずみ「あ、美味しい」

杏子「うめぇな……」


ほむら(参加者達は、ハイペースでチャーハンをかき込んでる。……だけど、中華料理の大食いには、大きな落とし穴があるのよ……)


参加者A「……うっ」

参加者B「……やべぇ」

ほむら(中華料理は、油を多用する料理ばかり……。つまり、胃にかかる負担は計り知れない……)

キリカ「……誰向けてに喋ってるんだい?」

ほむら「解説しないと、向こう側に伝わらないでしょ」

キリカ「う、うん……」


キリカ「それにしても、凄い勢いで食べてるね……。あの二人、大丈夫なのかな?」

ほむら「その心配は必要ないわ。彼女達は、魔法少女よ?」

キリカ「魔法少女と大食いに、何か関係有るのかい?」

ほむら「……大有りよ」

ほむら「あの二人は、内臓に魔法をかけてるのよ。魔法で消化器官の働きを何倍も引き上げ、消化と吸収を普通の人間と比べ物にならない早さでしているわ。身体能力の強化と、同じ理屈よ」

キリカ「そんな使い方も出来るんだ……」

ほむら「普通の魔法少女だったらしないわよ……。魔力の無駄使いだもの」


デブ「ラーメン美味しいお」

オタ「でゅふふふ……美味でござる……」

杏子(……ちっ。目の前の豚二匹が、アタシより早いペースで食ってやがる。しかも、落ちる気配が丸でねぇ……)

かずみ(……杏子ちゃんや私より、早いペースで食べる人が居るなんて……)

杏子≪……かずみ、手を貸せ。目の前の二匹を、潰すぞ≫

かずみ≪……どうするのさ?≫

杏子≪……良いか。作戦を教えるぞ……≫


杏子「……ふぅ~。あっついな~……脱ご」ポロリ

かずみ「はぁ……汗だくだよ~」チラリ

オタ&デブ「ぶはぁ!?」

弟子「はい、そこの二人、吐き出したので失格です」

ほむら&キリカ(……せこい)


ほむら(そして、勝負はいよいよ大詰め……最後の餃子50個)

ほむら(この時点で、他の参加者はほぼリタイア。かずみと杏子の一騎打ち……)

ほむら(……しかし、二人の食べる勢いも、そろそろ限界に近いわ)

ほむら「……決めるのは、精神力になるわね!!」

キリカ「声に出てるよ?」

ほむら「……失礼」


かずみ(……ヤバい……そろそろ限界)

杏子(くそ……ここまでやるとは思わなかった……)

かずみ(あと……一つ……)

杏子(あと一個だ……)

かずみ&杏子(……負けてたまるか!!)


弟子「な、何てことだ!?」

キリカ「同じタイミングだ……」

ほむら「……すごい根性ね」

かずみ「……お、同じ?」

杏子「くそ……もうちょっとか……」

弟子「こうなると……賞金半々になっちゃうけど、良いのかい?」

杏子「まぁ……いいぜ」

かずみ「うん……私も良いよ」

杏子「やるじゃねーか……」

かずみ「そっちこそ……」

ほむら(そして、二人は固い握手を交わした……)


その一時間後。

杏子『……』

かずみ『……』

ほむら「ちょっと!! この二人魔女になりかけてるわ!!」

キリカ「グリーフシードは!?」

ほむら「使い回したのだけよ!!」

キリカ「どうする!?」

ほむら「ソウルジェムと体を引き離して、食い止めましょう!!」

キリカ「その間にグリーフシードを獲ってくるんだね!!」
ほむら「ええ!! 一刻の猶予も無いわ!!」


QB(緊急の手段で、二人の魔女化は何とか食い止められた……)

QB(惜しかったね……)

QB(だけど、大食いで魔力を使い切ったのは、前代未聞だよ……)

申し訳ないけど、死ね死ね団と言われると稲中しか出てこないのよ。

>>31
逆にブラック団と言われると笑点の六代目圓楽師匠とゆかいな仲間たち(独身、既婚)しかでてこないっす

>>33
上に同じくだよ。

6.キリカちゃんの奮闘

ブラック団アジト。もとい、ほむらのアパート。

キリカ(……私は女子力が低い)

かずみ「買い物行って来るけど、夕飯何が良い?」

ほむら「特に希望は無いから任せるわ」

キリカ(……かずみは、私達の炊事担当。料理の腕は、正直半端じゃない……)

キリカ(カレーを作る時、カレー粉から作り出した時はビックリしたね……。まぁ、逆に金がかかるから止めろと、ほむらに言われてたけど……)


ほむら「……今の内に掃除を済ませておこうかしら」

キリカ(ほむらは、その他の家事を担当しているけど……)

キリカ(部屋が綺麗じゃないと落ち着かないらしく、掃除と洗濯の手際が凄く良い……。三人分の洗濯も、余裕でこなしてる……)

キリカ(そして……私は……家事一般が、全く出来ないから何もしていない……)

キリカ(やっぱり……頼むなら、この二人だ)


そして、夕飯。

キリカ「……二人に、折り入って頼みが有るんだ」

かずみ「何を?」

ほむら「……お金なら貸さないわよ?」

キリカ「……違うよ。私に……家事を教えて欲しいんだ」

ほむら「家事?」

かずみ「何でまた?」

キリカ「来週は織莉子の誕生日なんだ。だから、その日は今までの感謝と、これからの友好の為に……織莉子の身の回りの事を全てしてあげようと思うんだ」

ほむら「……別に、プレゼントで良いような気もするけど?」

かずみ「でも、変にプレゼントとかよりも、気持ちが籠ってていいと思うよ」

キリカ「頼むよ。私を鍛えてくれ」

かずみ「私は良いよ」

ほむら「私も構わないわ」

キリカ「すまない……」


キリカ(その翌日から、私の特訓が始まった……)

かずみ「お米を研ぐ時は、ざるとボウルを使うの。その方が簡単で早いんだ」

キリカ「へぇ~……お釜で全部やると思ってた……」

かずみ「出来なくも無いけど、水を切る時にお米がこぼれちゃうからね。勿体ないじゃない」

キリカ(まぁ……かずみは良いけれど……)


ほむら「キリカさん……窓の縁にホコリが残ってますわよ?」

キリカ「や、やり直すよ……」

キリカ(この女、マジ悪魔だ……)


かずみ(……多分、ああいうセリフ言ってみたかったんだろうなぁ)


キリカ(そんなこんなで、誕生日当日……)

キリカ「じゃあ、行って来るよ」

かずみ「ちょっと待って」

ほむら「これを渡すわ。向こうに着いたら、着替えなさい」

キリカ「……ドン・キホーテのビニール袋?」

ほむら「中身はネコ耳カチューシャと、メイド服よ」

キリカ「……何故?」

かずみ「何事も、形から入るのは基本でしょ」

キリカ「……う、うん」

キリカ(……気遣いなのか。単なる趣味なのか。私には判断できない……)


美国邸。

織莉子「呼び鈴が鳴ってる……お客さんかしら?」

織莉子「はい、どちら様で……ってキリカ!?」

キリカ「……本日、お世話をさせて頂きます、メイドの呉キリカです」

織莉子「……はい?」

キリカ「では、お掃除からさせて頂きます。お嬢様は、おかけになってお待ちください」

織莉子「……え、ええ」


キリカ(……しかし、私はある重要な事を忘れていた)

キリカ(……美国邸は、豪邸である)


キリカ「……ふぅ。ほむらの部屋の何十倍だろうな……。だけど、頑張らなくっちゃね。織莉子の為だ」

キリカ(私は、特訓の内容を思い出しつつ、一部屋一部屋を丹念に掃除した)


キリカ「お掃除は終わりました。では、お紅茶をお持ちいたしますね」

織莉子「ふふ。そんな風に喋らなくても、普段通りで良いのよ?」

キリカ「いいえ。今日は、お嬢様のメイドですから」

織莉子「そのメイド服とカチューシャ。良く似合ってるわ」

キリカ「……ありがとうございます」


キリカ(安物なんだけどね……)


キリカ(……今度は、午後のティータイム)

キリカ(……ホットケーキを作り、紅茶を淹れる)

キリカ「落ち着け。特訓の通りにやれば良いんだ……」

織莉子(……キリカ……頑張って!!)


キリカ「えっと……卵と牛乳を、ホットケーキミックスに混ぜて……」


――カチン。


キリカ「……あとは、フライパンで焼くんだけど……って何これ?」

キリカ(突然、私の目の前に出現したは、風車と手紙だった)

キリカ「何々……?」


キリカ(……ホットケーキのタネを作った後は、30分程寝かす事。その方が、焼き上がりがふくっくらする。

 フライパンの温度は、加熱しすぎない。熱すぎると、表面が焦げるだけで、中まで火が通らない。

 片面を焼いた時、気泡が出てきたらたらひっくり返すタイミング。

 健闘を祈る……か)


キリカ「……よし。もう一息だ!!」


キリカ(こうして出来上がった、紅茶とホットケーキは……)

織莉子「とっても美味しいわ」

キリカ(会心の出来だった)

織莉子「キリカ…ありがとう」

キリカ「どういたしまして。最近、ここに来る事もあまり無いから……少しは恩返しになったかな?」

織莉子「そんなレベルじゃないわ。むしろ、私の方が申し訳無い位よ」

キリカ「……照れるなぁ」

織莉子「……フフ」


ほむら「上手く行ったみたいね」

かずみ「だね~」

ほむら「さて。ドラマも見たいから帰りましょ」

かずみ「え~……私はお笑いが見たいよ」


今日は、平和でした。

メイドって言うか
執事みたいな風になっちまった……

鷹の爪団総統「なにブラック団じゃと!!吉田くん、なんだねそれは?」

吉田「はい総統。ブラック団とは暁見ほむらをトップとする組織で、全員がQBというエイリアンによる肉体改造で人智を越えた能力を持ってるとか。」

総統「お、恐ろしい組織じゃ、そんな組織が世界制服を狙うとは・・・じゃがわしらの目的はやさしい世界征服。
同じ目的とはいえ理念が違うなら叩き潰すまでじゃ。」

全員「た~か~の~つ~め~」

薄々感じていたけど

俺の面白いと感じる感性は、人と随分とズレているようだ

投下

8.さやかちゃんは水属性


ほむら「……アダブラカタブラ」

かずみ「……チチンプイプイ」

キリカ「……エーッサエーッサエサホイサッサ」


さやか「三人でグリーフシードを取り囲んで、何してるのよ……」


ほむら「何って……実験よ」

さやか「実験?」

かずみ「そうそう。ソウルジェムはグリーフシードに生まれ変わるでしょ?」

キリカ「その逆のパターンが出来ないかって、試してるのさ」


さやか「……百万歩譲って、オカルトサークルの黒魔術にしか見えないわ」


ほむら「物は試しよ。意外な発見が有るかも知れないじゃない。仮に実験が成功すれば、ラッキーでしょ?」

さやか「そりゃそうだけど、そんな都合の良い話、有る訳ないでしょ……」

ほむら「ちょっと!! そのグリーフシードに触ったら……」

さやか「……へっ?」

ほむら(手遅れだった……。さやかは既に、あのグリーフシードを掴み取っていた……。あのグリーフシードは、私達の魔力を並々注ぎ込んでるから……何が起こるか解らない!!)

ほむら(そして、さやかの体は……グリーフシードと共に黒い光に包まれた……)


さやか「……びっくりしたぁ。いきなり光り出すんだもん……って、あれ? 立てないなぁ……」

ほむら「……」

キリカ「……」

かずみ「……」

さやか「うわっ!? 服が無くなってるじゃん!!」

さやか「……何で、三人して黙ってみてるのさ……。黙ってるなら、タオルとか持ってきてよ……」

さやか「あれ? 私の足が……魚に変わってる?」


ほむら&キリカ&かずみ&さやか「……人魚になってるー!?」


そして、マミとまどかが合流。
なお、さやかちゃんはほむらのTシャツを借りました。

さやか「……そういう訳なんです」

マミ「……かける言葉が見つからないわ」

さやか「ですよね……」


かずみ「……でもさ。魔女になるより、何だかロマンチックじゃない?」

キリカ「そうそう。人魚の何て、童話みたいだし……」

ほむら「その体なら、水泳の授業で一番になれるわ」


さやか「あんたら全く反省してないだろ……特にほむら」


まどか「さやかちゃん……何も言わないで、これを受け取って」

さやか「……ホタテの貝殻……これをブラの代わりに……って、やる訳有るか!!」


ほむら「今、思いついたんだけど、お伽話の人魚姫ってどんな話だったかしら?」

まどか「えっと……世界で一番美しい声を持ってるけれど、ある王子様に恋をしてしまって、声と引き換えにして……」

ほむら「解った……王子様のキスが必要なのね。ちょっと拾ってくるわ!!」

まどか「ほむらちゃん!! それは眠れる森の美女だよ……って行っちゃった」

さやか(……嫌な予感しかしない)


ほむら「……連れてきたわ!!」

恭介「……本当に人魚になってる」

仁美「う、美しいですわ……」


さやか≪ほむら……アンタ、何言って連れてきたの?≫

ほむら≪さやかが悪魔に呪いをかけられて人魚になってしまった、って説明したわ≫

さやか≪確かに、間違っちゃいないけれど……≫


ほむら「信じて貰えたかしら?」

恭介「う、うん。だけど、それと僕にどういう関係が……」

ほむら「呪いを解くには、多分王子様のキスが必要なの。だから、今だけさやかの王子様になりなさい」

恭介「え……!?」

仁美「……!?」


ほむら「そりゃ、そうでしょ。このままじゃ、さやかは学校にも行けないし、陸の生活も出来ないわ。このままだと海に飛び込んで、マグロと共に海流を泳ぐ生活をしなければならない。そして、何時か漁師に吊り上げられて……」

さやか「アホかー!!」バチーン

ほむら「痛いわね……尾びれで叩かないでよ」


さやか「もっとまともな説明が出来ないのかよ!!」

ほむら「……今のは、例えばの話でしょうが。だったら、キスが嫌なの?」

さやか「嫌っていうか……恭介は仁美の恋人なんだから……。それに……恭介や仁美の気持ちも考えないでキスとかなんて……」

仁美「……さやかさん」

恭介「暁美さん……僕には出来ないよ……」


全員「……!?」



恭介「……僕達は、まだ中学生なんだよ? もし、キスして……子供を授かってしまったとしても……責任は持てないんだ!!」


さやか「……へっ?」

仁美「えぇ~……」

ほむら(私は大きな誤算をしていた……。上条恭介は、想像以上にバイオリン馬鹿。もとい、性に疎かった……)

キリカ(果たして、美樹さやかは元に戻れるのか!?)

かずみ(後編へ続くよ!!)

人魚さやかを考えた事を有る奴は俺だけじゃ無い筈


だよね?

前に一方通行のSS書いてた人?

>>69
違いますね

最近魔女娘っとのワルプルギスの夜をゲットしました
まどマギの書籍以外のグッズで唯一欲しいと思ったので……

敵ボスキャラって好きなんだよね

9.人魚の魔法少女の受難……


かずみ(私はさやかちゃんと一緒に、海香の家に来た。人魚の姿から、元に戻す手がかりをつかむ為にね)

かずみ(ちなみに、さやかちゃんは車椅子で移動してるよ)


かずみ「……と、言う訳なの」

海香「……変な事してるとは思ったけれど、ブラック団は本気で馬鹿よ」

かずみ「だからさ、イクス・フィーレで、何か手がかりがつかめないかなって思ったの」

海香「やるだけはやってみるわ。ただ、保証は何も無いわよ」

さやか「じゃあ……お願いします」


海香「イクス・フィーレ!!」

海香(……これは……俄かに信じがたい現象ね)


かずみ「……何か解った?」

海香「……美樹さん。ソウルジェムを見せて貰って良いかしら?」

さやか「はい、これです」

海香「……やっぱりね。一体化してるわ」

かずみ「一体化?」

さやか「どういう事?」


海香「美樹さんのソウルジェムを、光に当てて透かして見るでしょ……。中をよーく見て」

さやか「……あれ? 中に何か入ってる?」

かずみ「それにさ……この形、グリーフシードじゃない?」

海香「その通りよ。グリーフシードは、本来ソウルジェムが壊れて生み出されるはずなんだけど……」

さやか「ソウルジェムが壊れないまま、中にグリーフシードが出来てるって事だね」

かずみ「なるほど。だったら、ソウルジェムだけを取り出す事を考えれば良いんだね!! これは、大発見だ!!」

海香「だとしても……そんな事出来るの?」

かずみ「……多分大丈夫だと思われる」

さやか(不安しか感じない……)



まどか「……変身!!」キラーン

ほむら(説明するわ。今のまどかは、円環の力を持つ魔法少女)

ほむら(つまり……ソウルジェムの穢れを消せる力を持つ。俗に言う、アルティメットまどか……)

まど神「やっぱり、この衣装動きにくいなぁ……」

ほむら(ただ、その衣装は、真っ白な小林幸子にしか見えない……)


さやか「じゃあ……お願い!!」

まど神「うん……任せて!!」

ほむら(そして、何をしているかと言うと……)

ほむら(かずみから聞いた話を参考に、グリーフシードだけを消す方法。つまり、円環の理に導く。まどかの能力なら出来るかもしれない)

ほむら(そうすれば、さやかの姿は何とか戻せないかと考えたけれど……)



さやか「……あれ? ……田舎のばぁちゃんが川の向こうで手招きしてる……」

まど神「あ……」

ほむら「戻して!! 今すぐ戻さないと!! 体が消滅しかけてるわ!!」


まど神「ふぅ……セーフだよ……」

さやか「危なかったぁ……」

ほむら「円環どころか、三途の川まで行きそうだったわね……」

まど神「グリーフシードを導こうとしても、ソウルジェムまで一緒に導かれちゃうよ……」

ほむら「完全に一体化してるって訳ね……」

さやか「そんなぁ……」


さやか「良いさ……。どうせ、あたしみたいな子なんて、水の中で泳いでずーっと陸地に憧れる、哀れな人魚がお似合いなんだ……」

ほむら「まずいわ……さやかが卑屈になってる」

まど神「でも……中のグリーフシードがソウルジェムの穢れを吸ってるよ」

ほむら「自分で自分の魔力を回復させる何て、昔のお百姓さんね」

まど神「どういう事?」

ほむら「食べた物を出して肥料にして、新しい作物を育てる……」

まど神「その例え方は汚いよ……」


杏子「……うぅ……」

ほむら(その時……。私達の目の前に現れたのは……全身に傷を受けた杏子だった)

まど神「……杏子ちゃん!?」

さやか「杏子!? 何があったの!?」

杏子「……皆……今すぐ逃げろ……」

ほむら(そう伝えた杏子は、その場で意識を失った……)

まど神「杏子ちゃん!! 杏子ちゃん!!」

ほむら(まどかが体を揺さぶるが、杏子は一向に動こうとしない……)


???「……オラクルレイ」

ほむまどさや「……!?」

ほむら(突如飛び交ってきたのは、無数の水晶玉だった。ショットガンの如く、広範囲を撃ち抜く……。こんな攻撃をしてくるのは……)

ほむら「美国織莉子!!」

織莉子「……ごきげんよう。暁美ほむらさん、鹿目まどかさん」


まど神「美国さん、どうしてこんな事を……」

織莉子「……今の貴女達が危険だからですよ」

ほむら(美国織莉子は、冷たい眼つきで私達を睨んでいる……)

織莉子「途方も無い力を得た貴女達は、いずれ世界を滅ぼすでしょう」

ほむら「そんな事……する訳が……」

織莉子「言い切れるんですか? 確実に制御しきれる自信が有るのですか?」

まどか「……それは」

織莉子「万が一にもその力が暴走すれば、止められる者は誰も居ないでしょう。そうなる前に、私の手で貴女達を殺します!!」

ほむら「……甘く見られたものね」

織莉子「……そう思いますか?」


???「……そういう訳さ。ちょっとでも動けば、その首を刎ねるよ」

ほむら(迂闊だった……。美国織莉子に意識をとられている間に、私とまどかの後ろを獲られていた……)

ほむら(真っ黒な鉤爪の刃が、私達の首筋に突き付けられている……。切っ先が微かに触れている以上、時間停止は使えない……)

キリカ「……悪いけど、君達に権限は無いよ」

まど神「……呉先輩。ほむらちゃんを裏切るんですか!?」

キリカ「……裏切ると言う行為は、仲間になって初めて成立する事さ。生憎だったね……」

ほむら(私は、奥歯を噛み締めるしかなかった……)

織莉子「……安心しなさい。スグに……楽になりますから!!」

ほむら(美国織莉子の手から、二つの水晶玉が発射された……)


織莉子「……!?」

ほむら(……水晶玉が、切り裂かれた!?)

さやか「……ふざけた事言わないで貰える?」

まど神「……さやかちゃん」

ほむら(水晶玉を斬り裂いたのはさやか……。しかも、滅多に見せないレベルで怒ってる……)

織莉子「邪魔をするのですか?」

さやか「邪魔も何もさ……友達を殺そうとする奴を、そのまま見てる奴なんて居る?」

織莉子「仕方ありませんね……貴女から、仕留めて差し上げます!!」


ほむら(美国織莉子が、魔力を込めた水晶玉を召喚する頃に……既にさやかは懐にまで潜り込んでいた……)

織莉子「……!?」

ほむら(美国織莉子の武器では、間合いを詰められると何も出来ない……。そして、接近戦は、さやかの一番得意とする戦術……)

さやか「スクワルタ・トーレ!!」

ほむら(……さやかの一撃が、美国織莉子を弾き飛ばした)

キリカ「……織莉子!?」

さやか「……今のはみね撃ち。次は本気で斬るよ?」

織莉子「……くっ。今日は、ひとまずここまでです」

キリカ「仕方ない……」


ほむら(……あの二人)

さやか「くそ……逃げられた」

さやか「全く……いきなり襲ってくる何て、卑怯にも程があるよ。ああいうのって、嫌いなんだよね……」

まど神「さやかちゃん!!」

さやか「あたしは大丈夫だよ。まどか達は、怪我してない?」

まど神「そうじゃ無くて……足だよ!!」

さやか「……あれ? 立ってる? 戻ってる!?」

まど神「でも……どうして突然戻ったんだろう……?」

ほむら「……まぁ、その内解るかもしれないわね。それと、杏子は私が連れて行くわ……」

さやか「でも怪我してるなら、あたしがすぐに魔法をかけても……」

ほむら「その必要は無いわ。兎に角、一旦アジトに運ぶわね……」


ほむら≪……何時まで寝たふりしてるのよ。私はもう気が付いてるわよ?≫

杏子≪……バレてたか。まぁ、詳しい事は後で話すって≫

ネタバレ


キリカ「ほむらは何時芝居だと気が付いたんだい?」

ほむら「美国織莉子が私達に攻撃を仕掛けた時よ。私達が捕えられているなら、美国織莉子が攻撃するより、貴女が首を跳ね飛ばした方が確実だもの」

キリカ「やっぱり、ほむらには見抜かれたか……」

ほむら「……全く。いきなり襲ってくるから、本気で寝返ったかと思ったわ」

キリカ「すまないね。でも、結果は上手く行ったから良かったじゃないか」

ほむら「それにしても、良くそんな強引な方法を思いついたわね……」


キリカ「かずみに、現象の事を聞いて織莉子に相談してみたんだ。そしたら、ショック療法が一番効くかもしれないって言ってたんだ」

ほむら「そんな方法に、根拠何てあるの?」

キリカ「織莉子も、契約仕立ての頃は予知をコントロール出来なかったのさ。ただ、一回思いっきり魔法を使ってから、普通にコントロールできるようになったからね」

ほむら「……自転車に乗れる様になるのと、同じ様なものかしら」

キリカ「そう言う感じだって、織莉子も言ってたよ。後は杏子にも手を借りて、一芝居したって訳」

ほむら「まんまとハメられたわ……。でも、美国織莉子に感謝しないといけないわね」

美国邸


織莉子(これで貸し借りは無しですよ、暁美さん……)

ゆま「怪我してるから、うごいちゃ駄目だよ~」

織莉子(私はゆまちゃんに治癒魔法をかけて貰っていますが……)

杏子「なぁなぁ。この美味そうなチョコ食っていいか?」

織莉子「それは、お菓子作りに使うチョコチップです!! ベビーチョコじゃ有りません!!」

織莉子(協力して貰ったとは言え、人の家の冷蔵庫を漁るのは止めて頂きたいものです……)

数日後


ほむら「……マハリクマハリタマクハリメッセ」

かずみ「……エンヤーコラサノドッコイノホーラサ」

キリカ「……ヘイヘイホー……ヘイヘイホー」


なぎさ「皆さんで、グリーフシードを囲んで何をしてるのですか?」


ほむら「何って……実験よ」

なぎさ「実験ですか?」

かずみ「そうそう。ソウルジェムはグリーフシードに生まれ変わるでしょ?」

キリカ「その逆のパターンが出来ないかって、試してるのさ」


なぎさ「そんな事、とても出来るとは思えないのです……」

ほむら「ちょっと、そのグリーフシードに触ったら……!!」


チャンチャン♪

最近仕事を変えたのでネタは思いつく時間は有るけどそれを反映する時間が無い

家に帰らない仕事も考え物だわ

続き投下。ラストになります。

10.バック・トゥ・ザ……


見滝原。深夜二時。

キリカ「この寒いのに、何でまたほむらはバス停に呼び出したんだ?」

かずみ「知らないよ。最近、山小屋に一人で籠ってたらしいけど……」

キリカ「……毎度の事だけど、ロクな事にならない気がする」

かずみ「……うん。最近、悪魔っていうか、疫病神な気がしてさ」



かずみ(そんな話をしていると、一台の軽自動車が、私達の目の前に停車した……)

ほむら「お待たせ。この車に乗って」

キリカ「……乗ってって。この車に?」

ほむら「ええ。ダイハツのミラよ」

かずみ「……そもそも、運転できるの?」

ほむら「任せなさい。バックは苦手だけど……」

キリかず(……今までで、一番嫌な予感がする)


ほむら「さあ。深夜のドライブに出発よ」

キリカ(私は助手席に座ったけど……あっちこっちに変なスイッチや時計がくっついてる……)

ほむら「この車、貨物登録の車なの。後ろのすわり心地は悪いかもしれないけど、少し我慢してて」

かずみ(すわり心地よりもむしろ……トランクに入ってる、奇妙な機械が気になって仕方ないよ……)


ほむら「この車山の中に落ちてたのよ。折角だから、拾って改造したのよ。LS700系って型式で、貨物車のミラでね……」

かずみ「そんな事言われても、何の事だかさっぱりだよ……」

キリカ「……改造って、何の?」

ほむら「それは、もうすぐ解るわ」

かずみ「その笑顔が、死ぬほど怖い……」


ほむら「ただ、ナンバーは偽造だから、警察に見つかると厄介だけれどね……」

キリかず「ええっ!?」

ほむら「では、実験開始よ!!」


キリカ(深夜の工業地帯……。直線道路に入ると、ほむらはアクセルを全開にした……)

かずみ(三人と荷物満載の軽自動車は……走らない。辛うじて時速が60kmを超えたら……)


キリかず(私達の乗る車は、瞬く間に光の中に包まれた……)


キリかず(そして、再び真っ暗になると、ほむらは慌てて車を停めて、車を降りた。周囲は、工業地帯のままだけど……)

ほむら「確か、この辺に置いていたけれど……」


ほむら「あったあった……うん……実験は成功よ!!」


かずみ「今度は何の実験なの?」

ほむら「この実験は、タイムスリップの実験よ」

キリカ「……君の元々の魔法は、そうなんじゃないのかい?」

ほむら「似てるけど、少し違うのよ」


ほむら「私の魔法は時間遡行とは言うけれど、厳密には時間軸移動とも言える物なの。つまり、平行世界やパラレルワールドと呼ばれる世界に渡る事」

ほむら「この実験は、同じ時間軸の中で、時間を跳躍する。つまり、この時間軸の中でのタイムスリップを行う」

ほむら「そして、このオンボロのミラが、時間を跳躍するシステムを搭載した、タイムマシンになるのよ!!」

キリカ(……意味解った?)

かずみ(全然わかんない……)


ほむら「論より証拠。このストップウォッチを見て頂戴」

かずみ「一分だけずれているね……」

キリカ「これと、そのタイムスリップに関係あるのかい?」

ほむら「その通りよ」

ほむら「このストップウォッチは、全く同じタイミングで時間をスタートさせてるのよ。右の方だけ一分進んでいるのは、外に置きっぱなしだった方……」

ほむら「そして、左手に持って方は、私がずっと持ち歩いていた……。だから、私達は一分後の未来へやってきたのよ!!」

キリかず(嘘くせぇ……)


ほむら「まだ、信用出来ないの?」

キリカ「そりゃねぇ……時計をずらす位いくらでも出来るでしょ」

かずみ「それだったら、もっと解る位の事してみてよ。10年前とかさ」

ほむら「……そうね。だったら、もう少し思い切ったタイムスリップをしてみましょうか……」


ほむら「セットは2003年で……システムもまだ大丈夫ね……」

かずみ「ホントに、10年前にタイムスリップするの?」

ほむら「そうよ。今度は、10年前の見滝原に移動するわ」

キリカ「……本当に上手く行くのかな?」

ほむら「問題無いはずよ。それと、トランクに積んでいるタイムスリップの機械だけれど、動力源は穢れを吸ったグリーフシードなのよ。まだ、余力は有るわ」

キリカ「へぇ……」

かずみ「道理で最近、使用済みのグリーフシードを集めてたんだね……」

ほむら「そういう事よ。じゃあ、もう一度タイムスリップするわよ!!」


かずみ(再びほむらちゃんは、アクセルを踏み込んだ……)

キリカ(エンジンが唸りを上げ、速度は徐々に上がって行く……)

キリかず(そして、私達の車は再び光に包まれた!!)


――シュン!!


ほむら「……よし!! 私達は過去に来たわよ!!」

キリカ「ほむら!! 前!! 前!!」

ほむら「……えっ?」


――ガッシャーン!!


キリカ(私達が乗っていた軽自動車は、目の前の立木に思いっきり突っ込んだ……)

かずみ「……いたたたたた。魔法少女じゃ無かったら、死んでたよ……」

ほむら「何でこんな所に、木が生えてるのよ……」

キリカ「……っていうか、10年前の見滝原にこんな森あった? そんな訳無いよな……」

かずみ「月明りで何とか周りは見えるけど……何もないよ。木と草が沢山……」

ほむら「……どうなってるのよ。緯度は構って居ない筈よ……」


キリカ「車は完全に壊れてるね……」

かずみ「……ねぇ。絶対に、ここ見滝原じゃないよ」

キリカ「それにしても、こんなに何も無い様な場所は知らないなぁ。街の明かりも見えないし……」


ほむら「……どうなってるのよ」

ほむら(私は、改めてセットされた時計の設定を確認した)


ほむら「……緯度はやっぱり同じで……2003年……」

ほむら「…………(-_- )」

ほむら「…………(-_-;)」

ほむら「ごめんなさい……私は本気でとんでもないミスを犯していたわ……。怒らないで聞いてほしい……」


キリカ「……怒るも何も、状況が呑み込めないからね」

かずみ「まぁ、失敗は誰にでもあるからねぇ。話してみなよ」


ほむら「本当に怒らない? 本当に怒らない?」

かずみ「そんな二回も繰り返さなくていいよ」


キリカ「で、何がどうなってるのさ?」

ほむら「ここは、確かに2003年の見滝原市よ……紀元前だけれど」

キリかず「……は?」

ほむら「……要するにBCとACを間違えてたのよ」

キリかず「…………え?」

ほむら「つまり、私達は……4000年前の見滝原にタイムスリップをしてしまったの……」

キリカ「……」

かずみ「……」


ほむら「……ごめんなさーい!!」


ブラック団……遭難。


ほむら「……こんなダメダメな悪魔は、この時代に埋もれて現代の人に、化石として見つかれば良いのよ……」

かずみ「もう!! ウジウジしててもしょうがないよ!!」

キリカ「そうそう。とにかく元の時代に戻るなら、君が何とかしなければいけないんだからさ……」

ほむら「……うん。頑張ってみる……」

キリかず(っていうか……今更だけど、本当にタイムスリップしてるんだ……)


かずみ(朝日を拝む頃に、ようやくほむらちゃんは復活しました……)

ほむら「えっと……持ってきたのは、これとアレとコイツも使えそうね」

かずみ「戦車に拳銃に……テロでも起こすつもりだったの?」

ほむら「いいえ。私は常に常備してるわ。所で、キリカは何処に行ったのかしら?」

かずみ「明るくなったから、川の方に行って来るってさ」


キリカ「おーい!! これを見てくれ!!」


かずみ「……うわっ。凄い量の魚だ」

キリカ「凄い綺麗な川でさ。魚も沢山いたから、取って来たのさ」

ほむら「意外ね。そんな、サバイバル術を身に付けてるなんて」

キリカ「いいや。速度低下の魔法と、爪を使えば簡単に取れたよ」

ほむかず「なるほど……」


かずみ「食材が有るなら、私の出番だね!!」

キリカ「でも、調理器具なんてあるのかい? 火もどうやって……?」

ほむら「これでいいかしら?」

かずみ「サバイバルナイフと……火炎放射器……」

キリカ「流石、年中武装してるだけあるね……」


キリカ「ただ焼いただけだと、味気が無いね……」

かずみ「仕方ないさ。食べ物に有りつけるだけ、良しとしようよ……」

ほむら「……兎に角、一刻も早く車を直さないといけないわ。それまで、我慢してて……」


その頃。森の外。

QB1「隊長!! 森の中に、非常に高度な知能を持つと思われる生物を発見しました!!」

隊長「なんだと!? この星には、そんな生物は居ない筈だぞ!?」

QB2「ですが、確かに反応を示しています!!」

隊長「ふむ……すぐにコンタクトを試みよう!!」


隊長「確かにこの生物は、この星のテクノロジーを遥かに超えているぞ!!」

ほむら「……!?」

キリカ「……あ!!」

かずみ「キュウべぇだ!!」

隊長「……キュゥべぇ? なんだそれは?」


ほむら「貴方達は、地球外生命体?」

隊長「我々を認知出来るとは、本当に高度な知能を持っているのだな。ご察しの通り、我々は宇宙から来た生命体だ」

QB1「僕達は、宇宙の存続の為に、この星を調査しているのさ」

QB2「この星の発展を手伝う見返りとして、宇宙エネルギーの供給をして貰うシステムを構築している最中なんだ」

隊長「ただ、まだこの星には高度な知識を持つ生命体が見当たらないものでな。我々の話を理解してもらう事さえも出来ないのだよ」

ほむら「ちょっとだけ、待ってて貰っていいかしら……」


ほむら「……これって、魔法少女システムが出来上がる前の話じゃないかしら!?」ヒソヒソ

かずみ「きっと、そうだよね……」ヒソヒソ

キリカ「もしそうだとすれば、魔女が生まれる世界を……無くせる!?」ヒソヒソ

ほむら「……むしろ、魔法少女のシステムを根本から、変えられるかもしれないわ!!」ヒソヒソ

ほむキリかず「…………よし」


ほむら「では、少しお話を聞かせて貰えるかしら?」

隊長「……ふむ」

隊長「この星の外には、宇宙と言う無限大に広がる空間があるのだ。そして、その宇宙は一定の速度で広がり続けている」

隊長「しかし、宇宙が広がれば、その広くなった分だけ存続のエネルギーが必要となる」

隊長「現在のエネルギーの供給率では、広がる速度に対して全く追い付かないのだ」

隊長「このままの状態であれば、エネルギー不足となり、宇宙はやがて崩壊してしまう」

隊長「そうなれば、我々は元より。宇宙全ての生命体が、滅びてしまう。その事態を防ぐためにも、我々は宇宙の中の生命体が存続する星々を調査しているのだ」

ほむら「なるほど……」

キリカ(全然わからない……)

かずみ(……何が何だかさっぱり)


ほむら「……今、この星は発展途上です。これから、長い年月をかけて発展していくでしょう。それは、私が保証します」

隊長「……果たして、そうだろうか? 今のまま進化するとは、到底思えない」

ほむら「この星の全ての生物には、感情と言う物が備わっています」

隊長「……感情?」

ほむら「はい。喜びや悲しみ。怒りや楽しい。心とも言います」

隊長「……それと、宇宙エネルギーと、何か関係するのかね?」

ほむら「はい。この感情と言う物は、私達から自然と生み出されるものです」

ほむら「無意識の間に、喜びから悲しみへ。悲しみから喜びへと、感情は移り変わります」

ほむら「全ての生物の感情の移り変わり……。この相転移を使えば、何かエネルギーに使えないのでしょうか?」

隊長「ふむ……面白い理論だ。試してみる価値はありそうだな……」


隊長「……感情か。今すぐ、この生物を観察だ」

QB1&2「了解しました」


キリかず「……大丈夫なの?」

ほむら「……ここは、賭けるしかないわ。そもそも、それ以外でエネルギーの供給何て、知らない訳だし……」


数日後……。

ほむら(ミラは完全にスクラップだけど、タイムスリップの機械だけは無事だったから良かった……)

ほむら「機械を、タンクローリー(日野スーパードルフィンのトレーラーヘッド)に載せ換えたわ。これで、元の時代に戻れるわよ!!」

キリカ「……まぁ、今度はぶつかっても無事そうだけど」


かずみ「ご飯出来たよ~!!」


QB1「隊長!! 感情エネルギーの回収システム、試作一号機が完成しました!!」

隊長「うむ。早速、試験運転を試みよう」


ほむら「……やっぱり、サバイバル料理ばかりだと飽きるわね。お米が食べたわ……」

キリカ「私も、ケーキが恋しいね……」

かずみ「そう? キャンプしてるみたいだから、私は何とも思わないよ」


隊長「おお!! 確かに、これまでとは比べ物にならない程、高効率だ!!」

QB2「やりましたね!!」


隊長「君達のお蔭で、新たなエネルギー回収システムが出来上がりそうだ。君達は、宇宙を救った英雄だよ」

かずみ「そんな、照れるなぁ~」

ほむら「所で、それはどう言ったシステムになりますか?」

隊長「まずはこれを見て欲しい」

キリカ「……何だい、この宝石は?」

隊長「これこそが、新たなエネルギー回収の鍵となる物だ」


隊長「この宝石が、君達の感情を感知する。そして、その感情の相転移をこの宝石を介して、エネルギーを生み出す……。エントロピーと言う現象だ」

隊長「このエントロピーは、宝石の近くに居る生物の感情を、全て媒体にする事が可能なのだ。更に、遠隔で回収できる様にしているので、一々接触する必要も無い」

隊長「不特定多数からエネルギーを回収できれば、君達に起こり得るリスクも分散できる」

隊長「まだ、エネルギー回収の受け皿や、宝石の設置など問題は山積みだが、基本システムはほぼ構築されたと言っていい」

隊長「君達のお蔭で、我々の苦労も報われるよ」

ほむら「私達は、何もしていません。だけど、私達はそのエネルギーの問題を知っていたのですよ」

隊長「何だと!?」


ほむら「私達は、この時代の人間じゃない。未来から、タイムスリップしてたの」

隊長「何という事だ……。時間跳躍の技術など、我々でも机上の理論に過ぎないのに……」

ほむら「まぁ……偶然が重なった結果が、今のシステムを生み出したという事かしらね……」

隊長「何はともあれ、結果が出ればそれで良いのだよ。君達には、感謝してもしきれない。ありがとう」

ほむら「どういたしまして。きっと、その感謝という気持ちが、貴方達に良い結果をもたらすでしょうね」


ほむら「さて……。私達は、そろそろ元の時代に戻るわ。宇宙と地球の発展を祈ってるわ」

キリカ「また、何時か会おうね。しろまる」

かずみ「バイバイ、キュゥべぇ。また、元の時代でね!!」


ほむら(私はイグニッションキーを捻り、ディーゼルエンジンに火を入れた……)

ほむら「未来に帰るわよ!!」

キリカ「は、走り出したけど……み、道が悪過ぎる!!」

かずみ「く、車が倒れるよ~!!」

隊長(彼女達の乗った、大きな機械が動き出すと、瞬く間に光に包まれた……跡形も無く消え去った……)


隊長(感謝……ふむ。これが、感情と言う物だろうか……)

QB1「……行ってしまいましたね」

QB2「しかし、あの生物は本当に未来からきたのですね……」

隊長「しかし、我々に休む暇など無い。一刻も早く、このシステムを構築するぞ!!」

QB1&2「はい!!」


ほむら(車が光に包まれた後……私が目を覚ました時は、全く違う景色だった……)

ほむら(この光景は……何度も繰り返していた、最初の病室……)

ほむら(日付も……あの日と同じね)

ほむら「……夢だったのかしら」

ほむら「だけど、左の指に……ソウルジェムの指輪が無い……」

ほむら「もしかして……未来が変わった!?」


???「……暁美ほむら……ここで間違いないね」

???「……入って良いのかな?」

ほむら(そして……病院にお見舞いに来たのは)

ほむら「眼鏡かけないと、何も見えないわね……」


キリカ「暁美ほむら……覚えているかい?」

かずみ「ほむらちゃんの賭けは、成功したんだね」

ほむら「……二人は、覚えているのね」


ほむら(事を察した私達は、病院の屋上へ向かった……)

ほむら「それにしても……階段ってこんなに上るのが、しんどかったかしら……」

キリカ「だ、大丈夫かい?」

かずみ「顔色悪いよ……」

ほむら「私の生身は、この程度なのよ……」


そして、屋上。

かずみ「他の皆は、魔法少女の事もキュゥべぇの事も、全く知らないみたいだったよ」

キリカ「それに、魔法少女の証の指輪も、綺麗に無くなってるんだ……」

ほむら「……あのタイムスリップで、魔法少女の歴史を……いえ。魔法少女のシステムを、全て変える事が事が出来たのね……」

かずみ「もう、魔法少女が生まれる事も、魔女が生まれる事も無いんだ」

キリカ「退屈な平凡な日常に戻るって事なんだろうね……」

ほむら「良いじゃない。平凡や普通って……大切だと思うわ。悲劇が繰り返される事は、二度と無くなったのよ……」


キリカ「実感がわかないなぁ……」

かずみ「でも……良いと思うよ。魔法少女は無くなっても、現代は何一つ変わっていないんだからさ」

ほむら「もう、私達ブラック団はお役御免って事かしらね……」

ほむら「でも最後に……一つだけ、やっても良いかしら?」

キリかず「……何を?」


ほむら「ブラック団……集合!!」



ほむら&キリカ&かずみ「せーの……解散!!」




エピローグ


かずみ「今日のイチゴリゾットは……うん。いい感じ♪」



織莉子「……これで全部かしら?」

キリカ「あ、はい……ありがとう……ございます」



ほむら「暁美ほむらです……。長い間入院してて、学校の生活に慣れていませんけど……一生懸命頑張ります!!」



おしまい

これにて、おしまいです。

単なる、没ネタの詰め合わせなので、ストーリーも構成も無く書きました。

次書くときは、もっとまともな物を書こうと思います。


最後の話は、先日実家にバックトゥザフューチャーのDVDを見て思いつきました。


では、また気が向いたときに、投下しようと思います。でわでわ。

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