女「男ー!私、なんかやべぇ!」(103)

男「どういう風に?」

女「私に彼氏がいるらしい!」

男「…何で伝聞系?」

女「友から聞いたからだ!」

少し前のこと

女「へー、友彼氏いるんだ、すげー」

友「何言ってんの、あんたにもいるじゃん」

女「えっ!?」

友「あっ、あいつから電話……はい。あー、うん。うん。わかったー。じゃねー」

女「あの、彼氏ってどういう…」

友「ごめん、彼に呼ばれちゃって。じゃあねー」

女「あっ、ちょっ、待て!」

ーーー

女「……てなことがあってなー」

男「……」

女「じっくりと考えてみた結果、やっとその意味がわかったんだ!」

男「よし、わかったか!」

女「おうよ!私が二重人格で、もう一人の私が勝手に彼氏作ってるってことだな!」

男「……」

女「これはゆゆしき事態だ!」

男「あーうんそうだな」

女「だって、もう一人の私…ああもう長いから相棒でいいや!相棒がやったこととはいえ、彼氏なんて作りたくないし」

男「え?何でだ?」

女「だって彼氏いたら、男と遊ぶ時間減るじゃん!」

男「!!」

女「だからさ、ちょっと男にやってもらいたいことがあるんだ」

男「やってもらいたいこと?」

女「もし私の人格が相棒に交代しちゃったら、そのときは何とかして!」

男「……何とかって何だよ」

女「何とかは何とかだ!男なら何とか出来るだろ!」

男「…二重人格がもし本当だとして」

女「本当だぞ!だってそれ以外わかんないからな!」

男「…どんな奴だと思う?」

女「そうだなー…やっぱり私の相棒だし、せくしーできゅーとでどっちが好きなの?ってな感じだな!」

男「…意味わからんし、お前はどうなってもセクシーではない」

女「えー、なんでだよー」

男(キュート100%だ)

女「じゃあ今日は男ん家で泊まるな!」

男「マジか!」

女「マジだ!お母さんにケータイで聞いたら、『大人の階段上ってきなさい』って言われたぞ!意味わからん!」

男(いいんですかお義母さん)

女「男の家は?」

男「都合よく、今日は夫婦水入らずで旅行だ」

女「男の家泊まるの初めてだなー。楽しみだ!」

男「俺も女子を泊めるなんて初めてだな」

女「じゃあ、私が男の初めての女ってわけだ!」

男「…ああ」

男(何だよその言い回しは!)

女「私の彼氏ってどんな人だろ。友に聞いときたかったなー」

男「……どんな奴だと思う?」

女「うーん、そうだなー……私はもし付き合うなら、友達みたいに楽しく話せる人がいいんだよなー」

男「そうか。…話変わるけど、お前は俺のことどう思う?」

女「大好き!一番の親友だ!」

男「ふーん…親友…」

女「なんだよー、私の親友は嫌なのかー?」

男「いや…そんなこと無い、俺もお前のこと大好きだよ」

女「よかったー…親友だと思ってんのが私だけなんて寂しいからな!」

男「…ああ…寂しいな……」


女「よし、早速お泊まりにレッツゴー!」

男「え?着替えとか持って着てんのか?」

女「…あ」

男「……」

女「…ついてきて!」

ーーー

女「男がここくるの初めてだなー」

男(案外女の子らしい部屋だ)

女「お母さん、若い者の邪魔しちゃ駄目だから引っ込んでるって…別に邪魔になること無いのにな」

男(作ってやってもいいんだぞ!)

女「あ、後ろ向いてろよ。今から着替え準備するから」

男(下着か…)

女「ふんふんふんふ~ん♪」ガサゴソ

男「……」チラ

男(……熊)じー

女「ふんふんふ~ん♪」ガサゴソ

男(……縞)じー

女「あ、ちょ、何見てんだ!」

男「ナンノコトヤラ」

女「べ、別にいいだろ!熊可愛いだろ!」

男(女可愛い)

女「もう…男のスケベめ…」

男「っていうか何個持っていくんだよ。何泊する気だよ」

女「解決するまで泊まる!一応着替えは5つ持っていく!」

男「…夫婦水入らずは今日だけだ」

女「嘘!」ガーン

男(俺的には何泊しても良いんだが…)

女「…ま、とりあえずいこーか」

男「何持ってくんだ?熊?」

女「や、やっぱり見てんじゃん!猫だよ!」

男「猫か……可愛いなぁ…」

女「おうとも!猫可愛いなぁ!」

ーーー

男「到着」

女「おー!すげー!男ん家だー!普通だー!」

男「…凄いのか普通なのか」

女「今日は二人きりだなー」

男「……ああ!」

女「思えばさ、私と男って二人でいる時が多いよな」

男「そうだっけか?」

女「そうだって!…でも、今日は正真正銘の二人きり……なんかさ、ドキドキしてくるな…」

男(俺はずっとドキドキだがな)

女「おじゃましまーす…って開かない!」

男「…アホ……」

ーーー

女「いやー、同じアニメでも、二人でみるとやっぱり違うなー」

男「そうだな…」

女「いろんな花出せるって便利だなー」

男「何に使うんだよ」

女「もちろん、好きな人にあげるに決まってるだろ!」

男「……」

女「男は何の花が似合うかなー…」

男「!!」

女「…まあ私、花全然知らないんだけどな!」

男「知らないのかよ!」

女「えっと……菊!」

男「天然……だよな?」

女「お母さんにはバラで、お父さんにはひまわりとか」

男「何で?」

女「何となく」

男「俺のも?」

女「何となく」

男「…まあ、男は花よりも実際使うものとかの方が嬉しいんだけどな」

女「む…それ言ったらおしまいじゃねーかよー」

ーーー

男「完成だ!俺特性、えびせん丼!」

女「わー…」

男「なんだよそのテンション」

女「いやだってえびせん丼って…」

男「いやこれ有名だぞ、食って見ろよ」

女「む…」


女「うまい!」

男「だろ!」

女「男って料理出来ないのか?」

男「出来ねえよ悪いか」

女「いや別に…でも、結婚するなら家事出来る人限定になるな!」

男「お前は?」

女「料理好き!」

男「よし!」

女「そういえばさ、相棒が出てきたらどうするか決めた?」

男(忘れてた…)

女「相棒って男のことはしらないよな。何か変な感じだな!記憶喪失したみたい!」

男(仮に本当にそうなったら正気を保てる気がしない)

女「本当に頼むぞ?」

男「…ああ!」

女「男ー、マッサージしてー」

男「マッサージ!?」

男(マッサージ。それは合法的に女子に振れることができ、更には場合によっては喘ぎ声さえも聞けるかもしれない、素晴らしいイベントだ!女のちっぱいにも触れるかも…)

女「足つぼマッサージー」

男「…………やり方わからん」

女「えー」

男「…しかたない、わからんけどやってやる」

女「イェーイ!ほらほらご自由に!」

男「……」さわっ

女「ひゃっ!」ビクッ

男「ほらほらほらほら!」さわさわさわさわさわさわ

女「きゃはははは!ひゃめっ、はひぃっ、ひゃめてってばぁー!」

ーーー

女「ふへ…ま…まっしゃーじじゃにゃいよ…」

男「うん、わざとだ」

女「なにやってんだよばかぁ…」

男「ごめん」

男(…たまらん)



女「スリーカード!」

男「フラッシュ!」

女「負けたー…」

男「…そろそろ風呂だな」

女「勝ち逃げとか卑怯だぞ!もう一回!」

男「はいはい」

男(こういうのって絶対どっちか勝ち逃げになるよな…)

女「56789ストレート!」

男「残念、フルハウスだ」

女「うぅー…」

男「…お前運無さすぎるだろ」

女「むー…男の家に泊まることで運を使いすぎたんだな…」

男(その理屈なら俺は全く役が揃わねえよ)

男「で…結局どっちが先に入るんだ?風呂」

女「私、一番風呂入りたいぜ!OK?」

男「別に良いけど」

女「やったー!ありがとな!」

女「…あ、覗きとかするなよ」

男「……」

ーーー

女「はー、さっぱりー」

男(俺は別にのぞく為に譲ったんじゃない。というか、覗きは先攻でも出来る)

女「次男入りなよ」

男「おー」

男(ズバリ、残り湯!)

男(しかしパジャマ姿、可愛すぎる)

女「あ、ごめんな、間違えてお湯抜いちった。シャワーしてくれ」

男(…嘘だっ!)

男「ちょっ、俺一応今は主人だぞ!主人の前にお湯抜けるってどういうことだ!」

女「ごめんな…つい…」

男「…まあ、いいけど…」

男(変態的行為をしようとした罰が当たったのか…?)

ーーー

女「結局相棒は出てこなかったなー」

男「……相棒ってさ、誰かと付き合ってるお前の事なんだよな」

女「おー、多分」

男「そうか……じゃあ」

女「じゃあ?」

男「……いや、別に…」

男「もし相棒がいたら何とかしてって言ったよな」

女「言ったなー」

男「つまり、どうするも俺次第だと」

女「うん、まぁそうかな」

男「……よし」

男「お前が誰かを好きになったとして……その人と付き合うという事になるか?」

女「えー、それはねーよ!だってそれだとお父さんや、男と付き合うことになるじゃん」

男「…親と俺の『好き』は同じ?」

女「あれ……なんか違うな。何なんだろう…」

男「女……」ズイッ

女「!!」びくーん

男「……」コツン

女「あわ、あわわわわ…」 デコツン

男「…ドキドキしてるか?」

女「ふぇっ!?」

男「俺は、ものすごくドキドキしている」

女「な、なななななんなんだよ男!」ドキドキドキドキ

男「親にこうされて、こんな気持ちになるか?」ドキドキドキドキ

女「…ならない」ドキドキ

男「…だろ?」ドキドキ

男「……」ドキドキ

女「……」ドキドキ

男「……そ、そろそろ寝よううか…」

女「え!?」

男(俺のヘタレ…)

ーーー

男「いつもはベッドなんだけどな、今日はお前が来たから布団床に敷いた」

女「並んで寝るって…新婚さんみたいだな…」

男「! お、おやすみ!」

女「…おやすみ」

女「……なあ」

男「…何?」

女「私、男と一緒にいるとき、ずっとドキドキしてた」

男「!!」

女「でもいつもはちょっとだけだったし、気にしてなかった。でも……でも…」

男「女……」

女「なんなんだよこれ……すっごくドキドキするよ…嬉しいのに苦しいよ…変だよ…男ぉ…」

男「……女」

女「助けてよ…死んじゃうよ…男…男ぉ…」

男「…もう一人の女は、最初からずっといたんだ…」

女「え…?」

男「…ごめん、いまからもっと苦しくなるかもしれない」

女「え…それってどういう…」

男「もう一度言う、大好きだよ、女…」

ーーー

友「……」ピコピコ

女「なぁ、友」

友「何?」そーしん

女「友ってすげーな…あんなに苦しくて…暖かい気持ちを何回も味わってるなんて」

友「…よくわかんないけど、羨ましいね、そういうの」ピロリーン


おわり

肝心なところは書いたら全てが台無しになる気がした…
支援してくれた皆さん、ありがとうございました。

大事な所報告

友「無粋だと思うけど、聞くよ。何してきたの?」

女「い、言えるわけ無いだろそんなの…」テレッ

友「……ほら、熱くて激しい事してきたんでしょ?吐きなさい。私が色々アドヴァイスしてあげる」

女「……男がね」

友「うん」

女「『大好きだよ、女』って言いながら…キスしてきたんだ」テレテレ

友「……それだけ…?」

女「…うん」テレテレ

友「……あの変態ヘタレが」

この女なら

女「すげー! 私が男と付き合うことを予知してたのか!」

女「友には超能力あるんだな!」

くらい言いそう

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