千早「高槻さんのもやし…」(221)
P「え?なんか言ったか?」
千早「もやし(裏声)」
P「千早が一発ギャグとは珍しいな」
千早「そうですか?(ふう…なんとか一発ギャグってことで誤魔化せたけど危なかったわ)」
みたいな感じでお願いします
やよい「うっうー!今日はもやしパーティーですー!」
千早「!」
P「お、ほんまか」
やよい「はいー!今日は給料日ですから!ごちそうですよー」
伊織「あー…アレ以外とイケるのよね」
やよい「うん!伊織ちゃんもくるー?」
千早「!?」
律子「ごめんねやよい。今日は竜宮小町のイベントがあるの」
律子「今日は名古屋に行って、そのまま泊まりよ」
伊織「そうなのよ。悪いけど今回は無理ね」
やよい「そ、そうなんだ…」ショボーン
伊織「や、やよい!また今度一緒にどうかしら!」
律子「そ、そうね!スケジュール立ててくれたらこっちも極力空けるようにするわ」
やよい「…!はい!わかりました!」パァ…!
P(なんという笑顔…やはり天使…!)
やよい「じゃあ今日は家族でもやしパーティーかなー」
やよい「今日もお父さんたちいないし…」
千早「…ンッ!ンッンッ!」ゴホゴホ
やよい「千早さん?喉の調子よくないんですか?」
千早(こんなくだらないことをする私を気遣ってくれるなんて…まさに天使!)
千早「い、いえ?大丈夫よ」
千早(やっぱりこんな天使の夕食を邪魔してはいけないわ
P「そうだやよい!」
やよい「なんですかぁ?」
P「もやしって喉に良いらしいぞ!知っていたか?」
千早「!?」
やよい「えぇ~!?そうなんですか?知らなかったです!」
P「今日のもやしパーティー…千早も参加させてあげてくれないか?」
やよい「勿論いいですよー!…って千早さんは大丈夫ですか?用事とか…」
千早「わ、わたたわたしはだいじょうびよ!!」
やよい「やった!よかったですー!」
千早(こ…これは…!?)クルッ
P(千早…貸しひとつだ)
千早(感謝…!圧倒的感謝…!)
P「今日はやよいも千早ももう仕事はないだろう?」
P「俺が車で送っていくよ」
ボボボボボ…
千早「プロデューサーの車…ちょっとうるさくないですか?」
P「そうか?まぁ住宅街じゃちょっと迷惑かもな」
P「じゃあこの辺でおろした方がいいか?やよいの家の正面まで行くのもなんだし」
やよい「ありがとうございます!ここからなら私の家まですぐですから」
P「じゃあ俺はちょっと車停めてくるから」
ボボボボ…
見たことのない風景。
道は狭く、建造物も低いものばかり。
千早(事務所からそう遠くないところにもこういった場所があるのね…)
やよい「こっちですよー、千早さん」
千早「ごめんなさい、考え事をしていたわ」
やよい「?」
千早(首をかしげる高槻さん…!可愛い!)
モワッ
ブイーン
やよい「あ、電話だ」ピッ
やよい「はーい、やよいです!あ!プロデューサー!どうしたんですか?」
千早「?」
やよい「はい…はい…えーっ!?そうなんですか?」
やよい「はい…はい…大丈夫です、わかりましたー」プツッ
千早「どうしたの、高槻さん?」
やよい「急にレコード会社との用事が入ったから今日はこれなくなったそうなんです…」
千早「!」
千早(こ…これは…!)
やよい「うぅー…折角みんなで食べられると思ってたのに」
千早「仕方ないわ、高槻さん。最近メジャーレーベルと新しい企画を作りはじめたらしいし」
千早「プロデューサーも立場的に先方の都合に合わせなくてはいけないのよ…わかってあげて、高槻さん」
やよい「はぃ…」(´・ω・`)
千早(くぁいい!!)
>>17
もう許してやれよ
やよい「ここが私の家です」
千早「着いたのね…」
千早(ついに…!ついに来た…!高槻さんのHOMEに…!)
千早(お母さん…辛くあたってごめんなさい…!私を生んでくれてありがとう…!)
やよい「ただいまー」ガチャ
千早「!?」
千早(しまった!?心の準備がまだ!)
面倒なのでやよいファミリーとのカラミはカット
千早「ごちそうさま高槻さん。もやしって美味しいのね」ホクホク
やよい「そのぅ…やかましくなかったですか?失礼なかったですか…?」
千早「そんなことないわ。とても賑やかで…こういうの…うまく言えないけど…とても楽しかった」
やよい「千早さん…よかった」ニコッ
千早「ふふっ」
千早(笑顔カワイイ!)
ブィーン
やよい「あ、電話だ…すいません、ちょっと出ますね」ピッ
千早(なんでこのタイミングでかかってくるの!?空気の読めない人ね!)
やよい「あ!プロデューサー!どうしたんですか?」
千早「!?」
やよい「はい…はい…えぇ!?そうなんですか?いつの間に…」
千早(なに?今度はどうしたの?)
やよい「はい…はい…わかりました!はーい!」
やよい「じゃあプロデューサー!またあさって、よろしくお願いしまーす!」プツゥ
千早「高槻さん?プロデューサーはなんて?」
やよい「そろそろ食べ終わって千早さんが帰るころじゃないかーって、かかってきました」
千早「え?」
やよい「それで夜に女の子を一人で帰すのは危ないからって、提案を出してくれたんですー」
千早「提案?」
やよい「途中プロデューサーの車でスーパーに買い物に行ったじゃないですか」
千早「うるさいから駐車場では怪訝な目で見られたわね」
やよい「そのときレシートといっしょにタクシー券を私のべろちょろに入れてくれてたみたいで…」
やよい「それで千早さんを帰してあげろーって」
千早「プロデューサーったら…そこまで気を使う必要なんてないのに…」
やよい「それに私も同乗していきなさいーって」
千早「!?」
千早「なんで高槻さんが私と!?」
やよい「だ、だめですか…?」(´・ω・`)
千早「駄目じゃない!駄目なんかじゃないわ!」
千早「ただ何故彼はそのような提案を…」
やよい「千早さんのマションはタクシー下りてからも入口までちょっと距離があって危ないからーって」
やよい「一人よりも二人!私もご一緒します!」
千早「…高槻さんの弟さんたちは?彼らだけでは危なくない?」
やよい「プロデューサーにも訊かれましたけど、もう少ししたらお父さんが帰ってくるから大丈夫です」
千早(プロデューサーったら…そこまで気を使ってくれるなんて…)
千早マンション
千早「ごめんなさい、高槻さん。付いてきてもらって」
やよい「いえいえー今日は千早さんが来てくれたおかげで弟たちも喜んでましたし!」
千早「でも高槻さん?来てもらっておいてなんだけど今日私の家に泊まったら明日の準備はどうするの?」
千早「というか私は明日オフだから私が高槻さんの家に泊まっても良かったんじゃ…」///
やよい「私も明日休みなんですよ」
千早「なにっ」
やよい「私の明日の仕事は雑誌のインタビューだけなんですよ」
やよい「明後日は沢山現場移動するんですけど…その時各現場で質問していく形式に設定し直してくれたみたいですー」
千早「そこまでやるのね…あの人は」
やよい「えへへ…現場毎で質問していくって情熱大陸みたいでわくわくしますー」
やよい「そもそも私の家は狭いうえに兄妹もいますから…」
やよい「千早さんがゆっくり休むのには向かないかなーって」
千早「高槻さんまで…そんな気を使ってくれなくていいのに」
やよい「えへへ…」
千早「着いたわ、ここが私の部屋ね」
やよい「わー、ここが千早さんのおうちなんですねー!」
千早「あまりモノがないからつまらないかもしれないけれど…どうぞ」ガチャ
やよい「失礼しまーっす」ヒョイ
千早「……!!」
その時千早に電流走る…!
ここは千早の家…!
千早の家にやよいと二人きり…!
何者かが闖入してくることなどない…!
そしてこのマンションは防音もしっかりしており声を出しても漏れることはない…!
千早(プロデューサー…!なんていう手際なの…!?味方にしてなお怖ろしい人…!)
やよい「あっ…」
千早「ど、どうしたの高槻さん?」
千早(もしかして…魔境に足を踏みいれてしまったと後悔を…!?)
やよい「うぅ~、パジャマ忘れてきちゃいましたー!」;;
千早「そういえば手ぶらで出てきちゃったわね」
やよい「うぅ…」
千早「たっ↑高槻さん…?」
やよい「はい」
千早「私のシャツでよければ…着る?」
やよい「えっ?いいんですかぁ?」
千早「ええ」
やよい「ありがとうございます!うっう~!」
千早「ちょっと待ってね…最近着てないやつのほうがいいわよね?高槻さんに合うサイズの服残っているかしら」
やよい「そ、そんな~なんでも良いですよ」
千早「う~ん…ちょっと大きめの服しかないわね」
やよい「部屋も暖かいし…薄着でもいいかなーって…」
やよい「あっ!これ借りてもいいですか?」
千早「」( ゚ 3゚).: ブーッ
やよい「あうぅ…やっぱりちょっと大きいかもです…」
千早は驚愕した。
やよいはYシャツを取りだしたのだ。
今の千早が着ているYシャツだ。
無論、サイズなど合うはずもない。
ダボダボなんや!
千早(これは…)
やよい「うぅ~、やっぱりちょっとおっきぃかもです」
千早(なんという天使力…ッッ)
やよい「やっぱり袖あまっちゃいますね」エヘヘ
千早(そしてなにより…ッ)
千早(基本サイズの大きい服なのに…胸だけはフィットしているッッ)
千早(胸だけが強調されているッッ)
千早「…くっ」
やよい「?」
千早「た…高槻さん?」
やよい「はい?」
千早「明日は高槻さんもオフなのよね?」
やよい「はいーっ!」
やよい「滅多に無いことだから千早さんと一緒にいられたら嬉しいかなーって」
千早「!!?」
千早「た…高槻さん!」
やよい「?」
千早「>>60」
結婚してください
千早「結婚してください」
やよい「えっ」
千早「えっ」
何が起きたのか。
千早は一瞬理解できなかった。
自分が暴発したという現実を。
千早(わ…私はいきなり何を…!)
やよい「今結婚って…」
千早(最早…退けぬ!)
千早「そうなの高槻さん…私は貴女と結婚したいの!」
千早「人生を共に歩んでいきたいの!」
やよい「で、でも」
千早「自分でもわかってる…おかしなことを言っているっていうのは」
千早「でももう無理なの…この気持ちを殺し続けるのは」
千早「好きなの。高槻さん」
やよい「わ、私も千早さんが好きですよ。一緒にいたいとも思ってます」
千早「ありがとう高槻さん。でも私の好きとはきっと違う」
千早「私はあなたと一緒にいたいというだけじゃないの」
千早「貴女を私のモノにしたい。同様に私も貴女のモノにしてほしいの」
やよい「」
千早「私は貴女の体に触りたい。身体のすべて、あますところなく触れたい」
千早「そして私のすべても貴女に触れてほしい」
千早「これが私の気持ち…本心よ。高槻さん」
やよい「…」
千早「…」
やよい「…」
千早「ごめんなさい…高槻さん。迷惑…だったわね」
やよい「あ、あの…」
千早「ずるいわね、私は。こんなところでこんな風に言われたら貴女も断りづらいわよね」
やよい「…」
千早「忘れて、高槻さん。今日はもう眠りましょう」
やよい「千早さん…」
千早「お風呂…あっちだから。入る?沸かした方がいいかしら?」
やよい「い、いいえ…」
千早「そう…」
やよい「あ、あの」
千早「世の中にはこういう人間もいるってこと覚えておいて高槻さん」
千早「他人にホイホイ心を許すのは…気を付けた方がいいわ」
やよい「…」
千早「おやすみなさい、高槻さん」
やよい「千早さん…」
千早「大丈夫。寝てる間に何かするなんて…ないから。電気消すわね」
やよい「はい…おやすみなさい」
千早「おやすみ」ブツ
部屋から光が消え、二人はそのまま眠りについた。
話すことだけでなく、考えることからも逃げ出すように。
翌朝
やよい「んむぅ…」ゴソッ
やよい「…ねむぃ」
千早「zzz…」
やよい「そっか…私千早さんの家にお泊りしてたんだ」
千早「zzz…」
やよい「それで…千早さんが…」
やよい「こんなことになるなんて…プロデューサぁ…私どうしたらいいんれすかぁ…」
千早「ん…」モゾッ
やよい「千早さん…おはようございます」
千早「たっ高槻さん…おはよう。もう着替えたのね」
やよい「あの…」
千早「朝ごはん、食べる?」
やよい「い、いえ」
千早「そう…」
やよい「あ、あの…私帰りますね」
千早「そうね…もう明るいし」
千早「駅までわかる?送って行った方がいいかしら?」
やよい「だ、大丈夫です!一人でも帰れますから」
千早「そう…」
やよい「それじゃ千早さん…また明日」
千早「ええ、また明日ね。高槻さん」
遠ざかって行く高槻さんの後姿を見送る。
終わった…
離れてしまった、こんなにも
天使のように心を開いていた高槻さんが
いえ…離れてしまったのは…私ね
電話を取りプロデューサーにかける
千早「おはようございますプロデューサー。昨日は色々とありがとうございました」
P『おはようちひゃー。しかし俺に礼を言っている暇があるならやよいと一分一秒でもだな…』
千早「私は765プロを辞めます」
P『えっ』
千早「私には高槻さんの傍にいる資格はありません」
千早「高槻さんにとってももう私が傍にいることは良いことじゃありません」
P『えっえっ』
こうして私は765プロから消えた
J-pop最大級フェス ODYSSEY 控室
黒井「早いものだな」
千早「何がですか」
黒井「君がウチに移籍してからもう一年だ」
千早「あぁ、そのことですか」
黒井「高木の下を離れた理由を君は未だに語らぬが、それは些細なことだ」
黒井「君は世紀の歌姫として活躍している。我がプロダクションで。それが全てだ」
千早「何を言い出すかと思えば…集中したいので出ていってもらってもいいですか」
黒井「勿論。個の意志と力を高めるのを拒む私ではない」
黒井「しかしひとつだけ釘をさしておこうと思ってね」
千早「?」
黒井「今日君はマリンステージの大トリを務める。くれぐれもランドステージの大トリに遅れを取らないようにな」
千早「遅れを取るって…今日みたいなフェスは客層も出演アーティストのスタイルも全然違うじゃないですか」
千早「盛り上がり方も違って当然なのに遅れをとるとか、何を言っているんですか」
黒井「…その様子だと知らないようだな。ランドステージの大トリを」
知っているはずがない。
必要なのは自分のパフォーマンスを引き出すこと。
他のステージを誰がどう盛り上げるかなど知る必要がないのだ。
黒井「ランドステージの大トリは765プロのSランクアイドル、高槻やよいだ」
千早「…!」
黒井「確かに君と高槻やよいの売り出し方は違うが…区分はバンドでもシンガーでもない。アイドルだ」
黒井「ステージがより盛り上がった方が優れたアイドルだ」
千早「…」
黒井「ヌルい765を離れてウチを選んだ君なら言う必要は無いと思うが…」
千早「情けをかけるなと言いたいのでしょう?わかってますよ」
千早「油断もしません。このような舞台でトリを務める以上彼女のパフォーマンスも私の知っているころのものじゃないでしょうから」
そもそも油断もへったくれもないものなのだが。
さっきも言った通り正面からぶつかり合うわけではない。
自分がぶつかりあうのはオーディエンスの期待と熱気。
そして自分の限界。
千早「いつどこで何をしようとも、私は私の最善を求めるだけです」
黒井「ウィ。その通りだ。それと違い765の連中は誰といっしょだからとか気持ちだとかそんなことばかり…」
千早「話はもういいですか?集中したいので」
黒井「これは失礼。君のステージ、期待しているよ」ガチャ
黒井「765プロと…高槻やよいを叩き潰すんだ」バタン
この期に及んで未だに765プロとの因縁にこだわる黒井。
このような小さな人物の事務所に移籍したのは間違いだったのかもしれない。
千早(いえ…違うわ。黒井社長の言うとおり、765プロはまたたく間に台頭してきた)
千早(やはり黒井社長の人を見る目は本物)
そして…その黒井が最大級の敵意を向けざるを得ない高木。
その高木の下、驚異的な早さで千早と同じ高みまできたやよい。
千早「高槻さん…」
千早「振り切ったと思っていたのだけれど…追ってくるのね」
いつも笑顔で、周りの人も思わず笑顔になってしまうような天使。
ちょっと抜けた言動や上手く回らない舌を備えた天使。
千早「でもこんな舞台で私にぶつけられる以上、もう抜けたところのある子じゃなくなっているのでしょうね」
千早「…あなた同様、私もあのときのままじゃないわ」
自分の感情を御せずに暴発し、逃げ出した腰ぬけはもういない。
溜まったフラストレーションですらインスピレーションを湧かす道具にし、ステージの起爆剤にしてしまう。
すべてを音楽に、そしてオーディエンスのために使いこなせる歌姫になったという自身が今の千早にはある。
千早「私は強いわよ、高槻さん」
マリンステージ Last act
客「「「「「ちーちゃんーん!」」」」」
客「「「「「千早さーん!」」」」」
千早「…」スタスタ…
客「「「「「ちーちゃんだああああああ!」」」」」
客「「「「「ウオァアアアアアアアアアアアアアア!!」」」」」
千早がステージに現れ、オーディンエスが本日一番の盛り上がりを見せる。
黒井は千早をアイドルの区分に入れたが、千早は最早当代随一のアーティストであり、そのファンはドルオタだけではない
イントロが流れる。
鐘のSE。
客「「「オオオオ……」」」
湧いていた客が静まり、全ての意識が千早に向く。
千早「ずっと眠っていられたら この悲しみを忘れられる そう願い眠りについた 夜もある」
湧いてなんぼのステージで千早の唄のみが響く。
翔太「すごい…」
黒井「今日のセットリストは千早自身が考えたものだ」
黒井「普通この手の曲は中盤以降にMCを挟んでから唄うものだ」
北斗「曲紹介をしないとお客さんも聴き入れないタイプのものだからね」
冬馬「それを開幕早々MCも無しで…まじかよ」
千早「例え百年の眠りでさえ いつか物語なら終わって行く 最後のページめくったら」
サビ。
オーディエンスが一斉に湧く。
歌い出す者、踊りだす者、サイリウムを振る者、泣きだすもの、etc…
とにかく湧く。
千早「蒼き光の向こうへと涙は拭い去り あの空見上げて」
歌い終わった途端、オーディエンスは一層大きい歓声を上げる。
千早「みなさん、今日は来てくれてありがとう。如月千早です」
客「「「「「ちーちゃあああああああああああんん!!!!」」」」」
千早の後ろで楽器隊が組み直される。
その間、自分のMCで繋ぐ。
765プロにいたころはMCなどそれこそ挨拶や曲紹介程度しかしなかった。
しゃべりはほぼユニットのメンバーに任せていた。
しかし苦手なしゃべりも自分でやるようになったからこそ、客も一層千早を好きになっていった。
一礼し、下げた頭をあげ会場を見回す千早。
その時、オーディエンスの向こうにある光景を見た。
道を挟んで向こう側。
もうひとつのオーディンスの群衆。
そのオーディエンス達の視線声援の向けられる先。
千早(高槻さん…!)
ランドステージに今立っている人物。
やよいだ。
どんな衣装を着ているのか。
どんな表情をしているのか。
何を歌っているのか。
そもそも今はMCをしているのか。
ここからではわからない。
千早(わかりようなんてないし、わかる必要もないわね…)
千早(私はここで、私の歌を聞いてくれる人たちの為に唄うだけ)
演奏隊のセットが完了し歌に入る。
961プロに来てからリリースした曲を歌い始める。
765プロにいた頃はあまりやらなかったキャッチー且つアップテンポな曲で、オーディエンスも一緒に歌う。
MCを挟みつつ、そのまま4曲歌う。
千早「ふぅー!じゃあ次は…!」
曲紹介をしようとしたところで、また千早の目にあるものが映った。
向かいのステージのパネルに大きくやよいが映し出されていたのだ。
千早(たかつき・・・さん?)
大型パネルに映っているやよいは千早が想像していたものとはかけ離れていた。
かつてのやよいのまま、弾けるような笑顔を振りまき、楽しそうに唄い、踊っている。
千早(どういうことなの…)
やよいはとても魅力的だが、アイドルとして商業的に成功できる素材ではなかったはずだ。
千早(なのに高槻さんは高槻さんのまま…ここまで来たの…!?)
千早「…」
黒井「!?どうしたんだ一体」
やよいが置き忘れたもやしを
千早が食べて知らんぷりする話かと
千早「…っ!」
マイクを強く握り、MCを続ける。
千早「ガンガン行きましょう。オーバーマスター」
客「「「「「ヒーハー!!!!」」」」」
千早(何もおかしなことはないわ…私が如月千早であり続けるように…彼女も高槻やよいであるだけ)
千早「カッコ悪いわよ アタシを堕とすの バレてるの」
千早(人気アイドルになるように売り出すのだって…周りの人たち次第だけど)
千早「カッコつけたところで 次に出るセリフ プランBで」
千早(でもなんで…まったく同じ笑顔で、同じ要領でこのステージに立てるの!?)
Gentle より Wild に Wild より Dengerous
試してみれば?
Good Luck To You!
客「「「「「「フウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!」」」」」」
再度顔を上げやよいのステージに目を向ける。
パネルにやよいは映し出されていない。
曲の間だけなのだろう。
千早「高槻さん…」
客「「「「!?」」」」
黒井「!?」
所でパンツにもやし生やす事って可能なの?
パンツにもやし生やす事って可能なの?
勢いでやったらスレ立て成功した
>>129
何やってんだお前wwwwww
千早「た、高槻さんのステージも盛り上がってるわね!」
千早「でも!私のステージでも負けないくらい皆さんを楽しませてみせますね!」
客「「「「ちーちゃああああああああああああああああああああああんn」」」」
黒井「あの如月千早が…誰かを意識したMCだと…?」
千早はそのまま曲を続けていく。
千早(高槻さん…なんでその笑顔のままここに来たの…!?)
千早(あの頃の私を…思い出してしまうじゃない!)
ふかわがもやしをひたすら育てる番組があったの思い出した
ふかわに思いを馳せなくていいからwwww
…やよいがぱんつのもやしをおしっこで育てる話とかどうだろう?
誤爆したわ
千早(これ以上更に私を追ってくるつもりなら…)
千早(ここで折れてもらうわ…!高槻さん!)
黒井「ムッ!また一層とパフォーマンスが…!」
冬馬「すげぇ…向こうのステージからこっちに流れてきてる客もいるぜ!」
翔太「ヒャー」
北斗「oh…」
ヒャー
oh…
こいつら何でハッテンしてんの?
そして…
千早「みなさん…!今日はほんとうに、ほんとうにありがとうございました…!」
客「「「「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」」」」」」」」
WIN……!
やよいのステージからも客をひきよせる圧倒的WIN……!
黒井「やったぞ…!先日のIUでは竜宮小町に遅れをとったが…!」
黒井「あれは僅差だった…!だが今度は…圧倒的勝利…!」
黒井「大勝利!私大勝利!」
冬馬「チッ…みてらんねーな」
翔太「でも凄かったね、千早おねーちゃん」
北斗「次元が違ったな、俺たちとも」
千早「…ふぅ」
ステージ裏でドリンクを飲みながら汗を拭く。
千早「もう…これで…」
「お疲れさま、千早ちゃん」
千早「…!?」
春香「あれ…?そんなびっくりしないでよ」
千早「春香…来ていたのね」
春香「うん。ほかのみんなもいるよ。やよいの方にだけど」
千早「春香はいいの?高槻さんの傍にいなくて」
春香「うん。私は最初から千早ちゃんのステージにいたし」
千早「そう…」
春香「でも千早ちゃんは本当にすごいね。びっくりしちゃったよ」
春香「やよいのステージも盛り上がってたのにそれを上回っちゃうんだもん」
千早「そうね…移籍してから初めて自分以外のアーティストを意識したわ」
春香「うわっ…何気にとんでもない発言!」ガタッ
千早「…あなたのリアクションもとんでもないわね」
春香「えへへ…///」
春香「そろそろ私行くね。やよいのところ」
千早「そう。…ひとつ伝えてもらってもいいかしら、春香?」
春香「なーに、千早ちゃん」
千早「今日のフェスは本当に良かったわ…楽しかった。高槻さんも凄かった…って」
春香「うん!」ニカッ
春香「…あ!」
千早「!?」ビクッ
春香「いけない!大事なこと忘れちゃうとこだった!」ゴソゴソ
千早「?」
春香「千早ちゃん!はいこれ!」グッ
千早「これは…もやし?」
春香「うん!やよいが千早ちゃんに渡してほしいって」
千早「高槻さんのもやし…」
遂にスレタイ来たな
春香「いつかの返事をしたいから、またもやしパーティーしましょう!だってさ」
千早「…!」
春香「やよいもなんていうか…律儀だよねー」
春香「返事が何に対してのものかは私にはわからないけどさ」
春香「元々友達だったんだし都合の合うときにいつでも会えばいいのに」
春香「千早さんに会うのは千早さんに追いついてからですーって言って聞かないの」
千早「高槻さん…!」
春香「私なんてBランクアイドルのままで千早ちゃんとしゃべってるのにね」エヘヘ
千早「これは…」
やよい『今からお前を蹴落としてやるナイチチにはもやしがお似合いですぅ』
千早「…と言う高槻さんからのメッセージね」
千早「……」
千早「変わったのは…離れたのは私だけだったのね」
春香「?」
千早「春香…高槻さんにもう一つ伝えてもらって良い?」
春香「?いいよー」
千早「私も高槻さんと一緒にもやしを食べたいって」
終わる
六時になってしまった
付き合ってくれた人乙
今更ちゃっちゃと結婚させて濃厚なちはやよスレにすれば良かったと思っても後の祭り
にゃも「ちよちゃん結婚して」
位軽く済めばよかったんだけどなwww
千早「た…高槻さん?」
やよい「はい?」
千早「明日は高槻さんもオフなのよね?」
やよい「はいーっ!」
やよい「滅多に無いことだから千早さんと一緒にいられたら嬉しいかなーって」
千早「!!?」
千早「た…高槻さん!」
やよい「?」
千早「一緒にお風呂に入らない?」
やよい「えっ?」
千早「ほら!今日は疲れたでしょう!?」
千早「自分の体洗うのも億劫じゃないかしら?」
やよい「おっくーってなんですかぁ?」
千早「ええと…面倒ってことよ」
やよい「たしかに…このまま眠っちゃいそうです」
千早「駄目よ高槻さん!せなかだけでも私が洗ってあげるからお風呂に入るべきよ!」
やよい「わかりましたー!お風呂に入るとそれだけで気持ちよく眠れますもんね」
千早(シデュフフフwwwwwwwwwwwwktkrwwwwwwwwwww)
シデュフフフフフwwwww
やよい「千早さんのお風呂ってきれいなんですね」ヌギヌギ
千早「そそそそそうかしら」ハァハァ
やよい「はい。ウチなんて何人も入るし家は古いしで…ボロボロなんですよー」ヌギヌギ
千早「へぇ。そうなのね」
千早(高槻さんおあんつおぱんつおぱんrつ…)
やよい「?千早さん?どうかしましたか」
千早@「なんでもないわ」ハァハァ
やよい「具合悪いなら千早さん、もう眠った方が…」
千早「台丈!大丈夫だから!」グッ
やよい「そ、そうですか…」^^;
やよい「じゃあお風呂はいりましょー」スルスル…
千早「!」
痴ひゃ(おぱんちゅヌギヌギきたあああああああああああああああああああああ」
やよい逃げろその千早中身俺らだ
てか痴ひゃwwww
やよい「何がきたんですか?」
千早「えっ!?えええええと…さっきPCみたときにamazonで注文したものの発送メールが来てたの」
千早「もうすぐ着くと思ったらつい…」
やよい「んもー千早さんったら」アハハ
千早「ウフフ///」
豊胸機でも買ったか…
千早(いけないわwwwwwww声に出てたwwwwwwwwwきをつkないとwwwwwwww)
やよい「でも以外ですね」
千早「えwwwwwwwwwww」
やよい「千早さんは機械とか苦手でしたから…パソコン使って通販してるなんてイメージありませんでした」
千早「え、ええ!最近小鳥さんに教えてもらって使い始めたの!便利なの!とても!」
やよい「そうなんですね!いいなぁ~便利そうで」
千早(HDDはあなたの画像や動画で一杯なのよ…)
千早「PCってとっても便利!苦手だからって逃げてちゃダメね」
やよい「なんか千早さんテンションおかしい…」
カイワレ大根しか見当たらんが?
やよい「わぁ、浴漕も綺麗ですー」キャッキャッ
千早(ああああああああああああああああああああああああああああ)
千早(ぬがああああああああああああああああああああああああああああ)
千早(なんで今ここにカメラがないのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお)
千早「駄目よ私。落ち着きなさい」
やよい「?」ジャバー
千早「仮にカメラがあったとして、撮るわけにはいかないじゃない」
やよい「わあぁ…あったかいですぅ~」
千早(目に焼き付けるの…記憶するの…すべて…!)
やよい「んっ…ポカポカする…気持ちいぃ…」
千早(ふおっふおーっ!!)
千早がイカちゃぁぁぁん!の早苗にしか見えない
千早「…」
やよい「千早さん?洗いっこするんじゃないんですか?」
千早「覚えたぞぉ! メモメモ!」
やよい「!?」
千早「キュンキュンキュン! キュンキュンキュン!」
やよい「どうしたんですか!?」
千早「私のハードディスクに記録しているのでありますっ☆」
やよい「」
たてた
やよいwwww
やよい「ち、千早さん…やっぱり疲れてます…?」
千早「疲れてなんてないわ!私はいつでも元気10万パワーよ!」ニコニコ
千早「高槻さんさえいれば元気100万パワーね!」ニコーッ
やよい「は…はぁ…」
千早「だから今の私は元気100パワー!」ナニイイイイイイッ
やよい「千早さん…765で唯一のAランクで忙しいから…うぅ」;;
>>186
パワーダウンしとるぞ
やよい「千早さん、もうお風呂は上がりましょう」ザバァ
千早「なっなんで!?私はまだもっとお風呂に入って痛いの!元気100万パワーで!」
やよい「今日はもう寝た方がいいかなーって」
千早(少々行動がおかしかったかしら…くっ)
千早「そうね…もう寝た方がいいのかもしれないわ」
やよい「千早さん明日休みですから…明日もゆっくりしましょう?」
やよい「私も看病しますから」
千早「!?」
少しかよwwww
やよい「ほら千早さんお布団に入って」
*だがベッドや!
千早「は、はい」
やよい「えへへ…」
千早「!?!?」
千早(タカツキサンが私のベッドに…!?)
千早「あっあのあのあの!?」
やよい「私の家では弟や妹が体調悪くなったらこうして一緒に寝てあげるんです」
千早(うりゃや増しすぎワロタwwwwwwwwww)
やよい「あっ…年上の千早さんに…ごめんなさいー!」
千早「いえ、いいのよ。高槻さん」
やよい「ほっ…よかったですぅ」
千早「このまま…このまま眠らせて」
やよい「はい、どうぞ」
千早「おやすみなさい、高槻さん」
やよい「おやすみなさい、千早さん」
千早(ブボボモワ
やよい「」
千早「…」ギュッ
やよい「あ…」
千早(高槻さん…暖かい…)
千早「zzz…」
やよい(もう寝ちゃった…よっぽど疲れてたんですね千早さん)
やよい「今なら…ちょっとくらい、いいですよね」
チュッ
やよい「えへへ…おやすみなさい。千早さん」
寝る!
>>193
乙!
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