男「お、俺が"思春期男性のサンプル"として女子校へ!?」 (44)

 
校長「うむ。 我が校と向こうの学校とは姉妹校でな。 表向きは一時転校という形じゃ」

男「て、転校って……! 俺だってこっちに友達はいるし、そんな急な……!」

男「それに、『サンプル』だなんて! 実験動物みたいなそんな……!」

校長「補習続き、赤点だらけ、進級危うし、の君が意見できる立場かね?」

男「う、うぅ……」

校長「もう君のご両親にも話を通している。 進級させると言ったら手放しで喜んでおったよ」

男「くっ……」

校長「ちなみに、向こうの寮にも荷物は送ってもらうよう手配した。 身一つで行くが良い」

男「て、手回しが良すぎませんか!? 出発はいつなんですか!?」

校長「今から車で駅まで送って行く。」

男「今!?」

校長「達者でな」

男「い、いやだ……!」

秘書「スッ」 ドスッ

男「──」 バタ  

 
校長「ご苦労」

秘書「いえ」

───
──


男「……う……」

男「ん」 パチ

男「っ!?」 ガバッ

男「こ、ここは……?」 キョロキョロ

男「ほ、保健室……? でも、見たこと無……」

保健医「あらぁ~、気が付いたかしら~?」

男「えっ!?」 クルッ

保健医「おはようっ  じゃ、校長室に行きましょうね~」

男「えっ、えっ?」

保健医「だいじょうぶよ~ 校長センセ、ちょっと怖いけど、結構やさしいから~」

男「え、あの、えっ」

 
───

校長「ようこそ、我が学園へ」

男「ど、どうも……」 オドオド

校長「ふふっ、そんなに恐縮しないでください……。 貴方は貴重な人材なのですから」

男「じ、人材……?」

校長「向こうの校長から、概略は聞きましたか……?」

男「え、えっとぉ……確か思春期の男のサンプルとかなんとか……」

校長「それだけ、ですか?」

男「え、ええ……はい」

校長「はぁ……」

男「……?」

校長「我々が欲している人材……それは、"我が生徒を輝かせる存在"です」

男「か、輝かせる?」

校長「……我が校は由緒正しき伝統校……そして、教育、施設、インフラ、サービス、食事……様々に手を尽くしてきたつもりです。」

男「はい……」

 
男(だって、都内でも有数の超お金持ちお嬢様校だもんなぁ……)

男(この校長室だって、調度品やら何やらえらい高級そうだ…… うちの学校とじゃ雲泥だな)

校長「そして、生徒たちもすくすくと育ってくれる……」

校長「と思っていました」 ギロッ

男「ひっ!?」 ビクッ

校長「しかし……私は最も大切なことを見落としていたのです」

男「た、大切なこと……?」

校長「ご存知のように、我が校は……女子校です」

男「はぁ……」

校長「そして、生徒たち──すなわち、我が校の生徒たる乙女たちを輝かせるのに必要不可欠な存在……それは、」

校長「男子です」

男「だ、男子!?」

校長「イエス。 思春期の女子を輝かせるのは、同世代の男子との健全なる共有空間なのです」

男「お、お話がよく見えませんが……」
 

ぱくりわろた(⌒-⌒; )
庶民サンプルだな(⌒-⌒; )

 
校長「我が校には、教員、職員、事務員含め、男性は一切おりません」

男「男ゼロ!?」

校長「更に全寮制。  故に、我が校の生徒たちは、異性の存在を一切関知しないまま卒業することになってしまいます。」

男「は、はぁ……そうですね」

校長「それでは我が校の生徒にとって、多大なる不利益であると判断しました」

男「そ、そうですかねぇ~?」

校長「よって、貴方にはこの1ヶ月間、我が校の特例生徒として過ごしていただきます」

男「あ、あのぉ……でもぉ……」

校長「問題ありません。 長らく使われていなかったとはいえ、男子トイレ等の設備は綺麗に清掃して用意してあります」

男「あ、あ、いえ、そういうことではなくて……」

校長「……何かご不満でも?」

男「え、えっと……その、環境が特殊すぎて……その……もうちょっと考えさせていただきたいな、と……」

校長「ダメ……ですか……?」 ウル

男「!!?」
 

校長「ダメなのですか……?」 ウルウル

男「っ!? あ、いや、その」

  ガシッ ギュゥ…

校長「お願いします…… どうか……」 ウルウル

男「あ、い、あの、えっと……」

校長「ね……?」 ピトッ

男「~~~」

校長「お願い……」

男「…………ハイ」

───

側近「一時はどうなるかと思いましたが、了承していただけましたね」

校長「フッ……」

側近「そして、先ほどの技は……」

校長「我が生徒にも、この術を身に着けて欲しいものです。 その為の転校生なのですから」

側近「はい」

 
(中略)

取り巻きA「姫様!」

取り巻きB「連れてまいりました!」

男「モゴモゴ……フーッフーッ」 ジタバタ

お嬢様「フッフッフ……ご苦労」

男「モガ!? モガモガガ!?」

お嬢様「ふふふ……床に転がって無様な姿……」

男「モガモゲゲモガ!?」(どうしてこんなことをするんだ!)

お嬢様「貴方が私に恥をかかせたからですわ! 皆が見ている前で!!」

男「モゲモゴゴモガギグ!」(転んでスカートずり下げたのはわざとじゃない!!)

お嬢様「言い訳無用!! その身に罪を刻んでやりますわ!!」

男「!!?」

取り巻きA(なぜ姫様は会話できているのでしょう……)
 

ついに途中をめんどくさがりだした

>>40
だって女の子のことが分からないから、展開が思いつかないんだもん

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