使い捨てカイロ娘(5袋入り) (183)


カイロ娘「よろしくお願いします!」



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男「ういー、さぶさぶ」

男「新しく買ったカイロ開けるか……」ペリペリ


カイロ娘「んにゅ……?」


男「……」シャカシャカ

カイロ娘「ふゃぁぁ……」

男「……」クシャクシャ

カイロ娘「あ、あぅ……?」


カイロ娘「! いけないいけない」

カイロ娘「すぅ、はぁ……、すぅ、はぁ……」

カイロ娘「おはようございます、マスター!」ホコホコ…


男「よし」ズボッ


男「朝の車は冷えるなぁ……」

カイロ娘「運転、お気をつけて!」

男「しかし、太ももあったけぇ。買って正解だったな」グリグリ

カイロ娘「本当ですか!? 嬉しいです……!///」

男「あっづ!?」



男「押し付けるのはやめとこう……」

カイロ娘「そうしてください!」


男「今日は事務仕事が多いなぁ……」

男「手がかじかむよ」

カイロ娘「ふぁいと! ふぁいと!」ホコホコ



男「あー……ダメだ我慢できない。触るぞ」モミモミモミ

カイロ娘「ひゃん!///」カアッ

男「うあー、あったかくて気持ち良い」クシャクシャ

カイロ娘「私も、マスターの手がきもちいです……///」


男「あー疲れた。飯にしよう」

カイロ娘「はい!」



男「いつもなら肩こってるんだけど、今日はマシだな……」

カイロ娘「ふー、私も少し疲れました」

男「今日はこれのお陰かもな」サラサラ

カイロ娘「ん~♪」ポワン…

男「もっと、あったかくならないかなー」プチプチ

カイロ娘「あ……こったところ、ほぐされてます……///」カアッ

男「~♪」カリカリ

カイロ娘「あっ、あんっ、引っかいちゃダメですぅ……///」


男「午後も仕事、始めるかぁ」

カイロ娘「私も頑張りますよ!」



男「これがこれで、これはこっちで……」

カイロ娘「マスターのポケットの中、気持ち良いです……」

カイロ娘「私の体温で、マスターの脈がとくん、とくんって」

カイロ娘「ドキドキ、します……」カアッ

カイロ娘「お仕事姿、凛々しいですし……あぅ」カアアアッ



シャカシャカ……



男「あちち……」シャカシャカ

カイロ娘「~☆」

男「これで少し冷めたかな」

カイロ娘「ほ、火照っちゃいました。介抱までしてもらって……」

カイロ娘「……はうぅ///」ポッ


男「お先でーす」

カイロ娘「失礼しますです!」



カイロ娘「今日はたくさん頑張りましたね!」

男「ふう……疲れたなぁ」

カイロ娘「ご立派です!」

男「車、眠くなりそう……」

カイロ娘「ダ、ダメですよ! 危ないですから、おうちまで我慢我慢です!」

男「ちょっと寝てから帰るかな……」ウトウト

カイロ娘「ダメですーっ!!!」シュゴー!

男「あ、熱い……これじゃ寝れないや」



男「冷たい飲み物買ってこよう……」

カイロ娘「はい!」


男「今日も一日疲れたなぁ」

カイロ娘「私も、少し眠くなってきました……♪」

男「お風呂入ってくるか」バサッ

カイロ娘「あっ……」

カイロ娘「……いってらっしゃいませ」ポツーン




カイロ娘「マスターがいないと、寒いです……」

カイロ娘「眠い、よぅ……」

カイロ娘「……」ドサリ




男「ふー、あったかかった」

男「あ、いけね! スーツからカイロ出さなくちゃ……!」

カイロ娘「」

男「冷めてる……けど、まだほんの少し、温かい」

男「せっかくだし、ポケット入れて寝るか」ズボッ


カイロ娘「ん、にゅ……?」

カイロ娘「眠りに、ついてしまった筈なのに……」

カイロ娘「マスター?」


男「」スヤスヤ


カイロ娘「もう、冷めてしまった用済みの私を、もう一度……?」

カイロ娘「ま、ますたぁ」ジワ

男「」ホコホコ

カイロ娘「お風呂上がりのマスター、あたたかい、です……」ポロポロ

カイロ娘「最後だけ」

カイロ娘「最後に、もう少しだけ……っ」

男「う~ん」ゴロン


カイロ娘「えいやっ!」ホカホカ


カイロ娘「うふふっ。おやすみなさい、マスター」

男「♪」スヤァ…

ここまで


男「う~ん……」

男「なんか、女の子の夢を見た気がする」ムクリ

カイロ娘「」スヤスヤ…

男「まあいいか。燃えないゴミだっけ」ポイ



男「んじゃ今日もまた、頑張ってもらうかな」ペリペリ

カイロ娘「んゆゆ……まぶしい?」

カイロ娘「わっ、わっ、開けられちゃった!」

カイロ娘「すぅ、はぁ……、すぅ、はぁ……」

カイロ娘「おはようございます、マスター!」ホカホカ

男「おお、もうあったかい」シャカシャカシャカ

カイロ娘「はにゃにゃにゃ~!?」


男「やっぱ、手が冷える時にカイロがあると違うなぁ」

カイロ娘「ですよね! ですよね!」

男「よし、出るかー」




男「信号待ち長いなぁ」

カイロ娘「昨日は妹がずいぶん幸せそうだったけど……」ホカホカ

カイロ娘「素敵な人なのかな?」

男「よいしょ……ああ、あったかい」モニモニ

カイロ娘「うふふ♪」ホカホカ



男「首に当てちゃえ」ピト

カイロ娘「ふあっ!? く、首筋、近い……!」

男「ああ~……最高……」スリスリスリ

カイロ娘「こここ、こんなの、ドキドキするに決まってます、仕方ないのです///」カーッ


男「ああ、その件は課長に。急ぐよ」

カイロ娘「お仕事姿がカッコいい、って言ってた……確かに、とても良く頑張ってるです」

男「ふぅ」

カイロ娘「でも、だからって急速に温まったらマスターを最後まで温められなくなってしまうです」

男「休憩しよう……」モゾモゾ

カイロ娘「だから、つとめて私たちは冷静に……」

男「すぅ……すぅ……」

カイロ娘「か、仮眠……ですか?」

カイロ娘「抱きかかえられて……か、顔近くて……///」

カイロ娘「濡れた……息が、わた、私の身体を……!///」ゾクゾク



男「ふぁぁ。始めるかぁ」

男「あれ? カイロが煙吹いてる」

カイロ娘「ううう、こんな、悔しいです……///」ブシュー


カイロ娘「ささ! 休憩も終わりましたし、お仕事に……」

男「そんなに寒いの? ほら、これ」

カイロ娘「ああっ!?」




カイロ娘「むー」

カイロ娘「マスターが望むなら他の人の元でも働きますけど」ホカホカ

カイロ娘「マスターが女の人に良い顔するためってのが、気に食わないです!」

カイロ娘「わ、わああ……! 投げないでくださいぃ!?」

カイロ娘「冷えちゃいます! 冷えちゃいますから! キャッチボールしちゃいやああ!」


男「あれ? 返す?」

男「えっ、このカイロあったまらないって? おかしいなぁ……」

カイロ娘「あんなぞんざいに扱う人のもとで働けません!」




男「ま、良いか」ズボッ

カイロ娘「ふん!」ツーン

カイロ娘「いくらポケットがあったかくても、不機嫌ですよ!」

カイロ娘「ふん!」

男「確かに、ぬるいなぁ……」クシャクシャ

カイロ娘「あ、あう……」

男「結構固まってる」コリコリコリ

カイロ娘「やっ、クリクリしちゃ……!///」ポワー…

男「少しほぐすか」

カイロ娘「角っこ、潰しちゃらめえぇ!!?///」カアアッ





男「うん、あったまった」

カイロ娘「は、はへ……♪」ホコホコ


男「お先に失礼しまーす」

カイロ娘「帰りましょう!」




男「帰りも手がかじかむな……」

カイロ娘「私にお任せです!」ホカホカ

男「うあー、痺れる、ジーンとくる」モミモミ

カイロ娘「ふふふ♪」



男「ずっとあったかいカイロでもあればなぁ……」

カイロ娘「ぁ……」

男「ま、無理か」

カイロ娘「ます、たー……それは、できない、です」ホカ…


男「ただいまー」

カイロ娘「今日も一日、お疲れさまです!」

男「誰もいなくても、言わないと寂しいしなぁ」

カイロ娘「いますよ、お側に! ここ、ここ!」ホコホコ





男「さーて風呂……あっ」

男「カイロ持ってきちゃった」

カイロ娘「お、お風呂ですと!?///」

男「湯船以外寒いし、なんなら持って入るか……?」

カイロ娘「だだだ、だーめー!!! ぬ、濡れると、身体がおかしくなっちゃいますぅ……!///」





男「ま、やめとこう。冷めないうちに早く出るか」

カイロ娘「ほっ……」


男「ふいー、さぶさぶ」ホコホコ

カイロ娘「マスター。お布団、あったまってますよ……?///」カアッ

男「んじゃ、今日も抱いて寝ちゃうかな……」モソモソ



カイロ娘「えへへ! 一度で良いから、言ってみたかったんです」

カイロ娘「その、互いに想い合う関係みたいな、ですね……ごにょごにょ」

カイロ娘「私の声は届いてないですけれどね……」

男「んー」ギュウ

カイロ娘「でも、私の温もりは、私の生きた意味は、届いてますよね。ますたー」



カイロ娘「もう、眠い……です」

カイロ娘「呼吸も……ほとんど、できないです」

カイロ娘「すぅ……は……っ」

カイロ娘「ごめんなさいますたー、私は、ますたーのことを、ずっとずっと、あたためることはできないんです。ごめんなさい」ホワ…

カイロ娘「けれどますたーは、わたしの一生を、ずっとお側であたためてくれました」ホカホカ

カイロ娘「いつかますたーも、あなたをずっとあたためてくれる人に、出会えたらいいですね……!」グスッ

男「ん……あったかかったな。こいつ」ギュウ

カイロ娘「あたたかいますたー、おやすみなさい……!」ポロポロ

ここまで


男「……」

男「また、女の子の夢を見た」

男「何処かで、会ったことある気がする。それも、昨日までとても身近に居たような……」

カイロ娘「」スゥスゥ…





男「ま、いいか。よし、朝ごはん朝ごはん」

男「っと、忘れるとこだった」ペリペリ

カイロ娘「ぅ……?」

男「今日も頑張っちゃうかなー」クシャクシャ

カイロ娘「はぅ。ま、ますたーさまだ」

男「昨日のは……あった。不燃ゴミだっけな」ポイ

カイロ娘「あっ……!」




男「ふう、ごちそうさま。行くか!」ズボッ

カイロ娘「……」

男「あれ? まだあったまってないかな?」

カイロ娘「……行きましょう、マスター!」ホカホカ


男「起き抜けはどうにも眠いけど」

男「それ以上に寒いから、どうにか目がさめてるようなもんだよなー」

男「カイロあったら眠くなっちゃうかもな……」

カイロ娘「それはいけませんです! 早くあったまりましょう!」


カイロ娘「……あれえ?」


男「まあ、やっぱり寒いよりはあたたかいのが一番だな!」

カイロ娘「は、はい! そうですよ、そうに決まってます!」ホコホコ


男「……」カタカタカタ

カイロ娘「真剣です」

男「……」カキカキ

カイロ娘「私も、真剣にお仕事しますよ!」ホコホコ




男「……」カタカタカタ

カイロ娘「ふんっ! ふんっ!」ホワホワ

男「はい、もしもし。あーどうも、○○課の男です……」

カイロ娘「うんしょ、うんしょっ!」ポカポカ

男「はい、よろしくお願いします! 失礼します!」ガチャ

カイロ娘「とあーっ、きえーっ」ボワー!

男「……ごめん事務員さん、暖房弱くしてもらっていい?」

カイロ娘「あれえ!?」


男「え? これを買ってきて欲しい?」

男「はぁ、分かりました」

カイロ娘「あれ、マスターお出かけですか?」

男「寒そうだしな、羽織って行くか」

カイロ娘「私もご一緒します!」ホカホカ




男「頼まれたのはこれで全部か……」

男「事務用品くらいとは思うけど雪で流通止まっちゃったんじゃ、仕方ないよなあ」

男「あ、明細付きの領収書切ってください」

男「ん? サービスカウンターで?」

カイロ娘「むずかしいお話みたいです」



男「ああ、重い。無理に頼まれたんだし、少し休んでっても良いよな」

男「缶コーヒー、っと。寒い時には、こいつが一番なんだよな」プシュ

カイロ娘「えっ! ダメです、マスターの温かさを一番思ってるのは私なのに!」

男「あぁあっちぃ!!」

カイロ娘「」ビックーン

男「カイロ、コーヒーに巻くか……」

カイロ娘「あーっ、酷い扱いですぅ!!」


男「やっぱり、手に触れてるところはこのカイロが一番良いな……」

カイロ娘「え」

男「んく、んく」

カイロ娘「ま、マスター、今の、もう一回聞かせてくれますか……?///」

男「ぷは……」

カイロ娘「……♪」ポッカポッカ


男「ま、まずいコピー紙は濡らしたらあかん……!!」ガバッ

カイロ娘「ま、マスター!!! 傘くらい差してください!!! 風邪引いて死んじゃいます!!!」

男「トランク開けなきゃ……!」ゴソゴソ

カイロ娘「ひゃうっ!?/// そ、それ私です! 鍵は反対のポケットです!」

男「と、とりあえず荷物は無事か」

カイロ娘「良いから早く! 中へ!! あああマスター、そんなに濡れてしまって……!」

男「だああ、さむさむさむ! 帰ろ、早く帰ろ……!」




男「ゔゔゔゔゔゔ……」ブルブル

カイロ娘「く、唇が、青いです。マスター、暖房マックスにして……! ジャケットも前閉めて……! タオルで身体拭いて……!」

男「は、早く帰ればへーきへーき……」ガタガタ



カイロ娘「私だけなんてもう言わないから、ちゃんとあったかくしてくださいよぉ……!!」ポロポロ



男「くそ、信号待ち……」

カイロ娘「あああ、太ももまで垂れてきてます!?」

カイロ娘「や、やだっ!? 私、濡れちゃうっ」

カイロ娘「たすけっ、んあ、はっ……だめっ、いやああ……!!」ジワァ…


カイロ娘「あ、あああ」

カイロ娘「だめ、はあぁ……」ホカホカ

カイロ娘「はーっ、はーっ……」メラ…

カイロ娘「からだ、熱い……」グツグツ




カイロ娘「しずめてください、ますたぁ……♥」ジュウジュウ




男「うあっ!? カイロ熱っ……濡らしたか!」ポイッ

カイロ娘「どうして? どうして捨てるんですか? その冷たぁい手で、わたしを冷やしてください……♥」ジュワジュワ

男「だ、ダメだ煙吹いてる。触れない……」

カイロ娘「中まで濡れちゃって、濡れちゃって……ますたーのこと考えるだけで、熱くなって仕方ないんです」

カイロ娘「今までで一番熱いですよ……? 熱いから、最高に気持ち良いですよぉ……?」ブシュー…

男「ど、どうしよう……湯気すごい。あっ、信号変わった」ブロロロロ



カイロ娘「ますたー、ますたー、ますたー……う、ぐっ、ああああ……」

カイロ娘「つうっ、あつい……たすけて……ますたー……ひぐっ……!」



……
…………
………………


カイロ娘「……あたたかい」

カイロ娘「風が、優しいです」

カイロ娘「少し、騒がしいですけど……それに、私を包む優しい温もり」

カイロ娘「……ますたー?」




男「ドライヤーで乾かせば、夜の間も保つかな……」ブオオ




カイロ娘「ここは、お部屋ですか?」

カイロ娘「あれ、お仕事……」

カイロ娘「終わったんですね。ごめんなさい、意識が……」

カイロ娘「でも確か私、雨露に濡れたんじゃ」

男「もう外の方は完全に乾いたかな……」コオオオオ

カイロ娘「ますたー……私の、ために?」


カイロ娘「というかマスター、もうパジャマ……」

男「……」ブルブルブル

カイロ娘「!!! 顔が真っ青じゃないですか!!!」

カイロ娘「私は良いから、早く布団へ!!」

男「もう、カイロこれで良いかな……?」クラクラ

カイロ娘「あああああ、ごめんなさいごめんなさい私のせいで……私の力が足りなかったせいで……!!」





カイロ娘「ますたーの寒いところ全部で、私を抱いてください? ね? 思いっきりです」

カイロ娘「寒い事は全部忘れてください、私がますたーを寒さから守りますから……!!」ポッカポカ!

男「ふぅ、はぁ、うぐっ、ふうう……」




男「あああ、だるい、さむさむさむさむ……!」ガタガタガタガタ

カイロ娘「あ……」

カイロ娘「そんなぁ……」ポロ

カイロ娘「私、もう、なんのお役にも……」ポロポロ


男「うぐ……うう」

カイロ娘「ますたぁ……」

男「今日はお風呂、いいや……」グッタリ

カイロ娘「お休み、なさい……私もすぐ、そっちに行きますから……」

男「……」












カイロ娘「……う、ん」

カイロ娘「ここは?」テクテク

カイロ娘「!?」

カイロ娘「歩ける……というか、私、女の子の身体に……!?」


カイロ娘「……そういえば、マスターは」

カイロ娘「マスター! マスター!」タッタッタ


男「……」

男「夢? またか」

男「でも、すごいはっきりしてる……明晰夢?」ギュム

男「つねっても痛くない」



カイロ娘「マスター……」




男「え?」

男「君は……」




カイロ娘「私は、あなたのカイロです」


男「カイロ? 君は、俺が身に付けてたカイロなのか?」

カイロ娘「私はいつも、あなたのお側にいます!」

男「昨日も、おとといも夢で会った……いや違う、でもとても似ている……」

カイロ娘「姉妹がお世話になりました、マスター」


カイロ娘「体調は大丈夫ですか……?」

男「夢だからかな……今は平気だよ」

カイロ娘「ごめんなさい、私のせいでお風邪を召されてしまって」

男「いいや。無茶した俺が悪かったんだ」



男「こうして見ると」

カイロ娘「?」

男「君は、本当にあのカイロなのか? 本当に、女の子にしか」

カイロ娘「はい! あなたに封を切っていただいた、ほかほかのカイロです!」ギュッ

男「どわっ、急に抱きつくなよ……」

カイロ娘「……」ギュウ…

男「あたたかい、な」

カイロ娘「えへへへ……」ホカホカ


カイロ娘「……やっと」

カイロ娘「やっと、マスターに私から触れる事ができました」

カイロ娘「マスターにもっと触れて欲しくて……とても、もどかしくて」



カイロ娘「あなたに私の温もりを伝えるのが仕事だから、もっと触って欲しくなるんだと。そう思ってたんです」

カイロ娘「でも、分からないんです……」


カイロ娘「雨に濡れて、カイロを持つマスターにとても触らせられない温度になってしまっても」

カイロ娘「身体を温めるための私に意味のない、ゆめまぼろしの世界でも」



カイロ娘「マスター。あなたにもっと触れてほしいと思ってしまうのは、どうしてなんですか……?」ホコホコ



男「」ギュ

カイロ娘「あう、頭……」

男「」ナデナデ

カイロ娘「しあわせものです……私。しあわせカイロです」

男「ふふっ……」

カイロ娘「あたたかいことに、理由はいらないんですね」

カイロ娘「私と、私の命と、同じです」


男「……命?」

カイロ娘「ああ。残念ですけど、そろそろ時間みたいです」

カイロ娘「乾かしてもらったとはいえ、やっぱり濡れちゃったら保たないですね、たはは……」

男「お、おい。ちょっと待て」

カイロ娘「じゃあ、あったかくして寝てくださいね。マスター」


男「おい! 命ってどういうことだ!!」

カイロ娘「どうもこうも、理由なんてないです」ギュウ












カイロ娘「私、使い捨てカイロですから!」ポッカポカ!

ここまで
遅くなったすまん


男「う、うぐ……」

男「はぁ、はぁ。だめだ、まだ身体がおかしい」

男「会社に、連絡……」グッタリ

…………

男「しかし昨日、何か夢を見たような」

男「なにか、よく分からない夢……大切な……?」クラクラ

カイロ娘「」クゥクゥ…

男「でも一応、カイロ抱いてたから昨晩だけでも温かく寝れたな」

男「とりあえずゴミ箱に……いや違う、不燃ゴミに」ボスッ



男「しまった、冷感シートがない?」ガサゴソ

男「冷凍庫に氷……俺、製氷皿使わない人だっけなぁ」

男「あったかくしろって言うし、まあいいか……」ペリペリ

カイロ娘「おはようございます、マ……だ、大丈夫ですか!? 酷い顔色です!」

男「ああああ、早くあったかくなってくれ……」ブルブル…

カイロ娘「はっ、はい!」シュゴー!


男「ぬう……」グッタリ

カイロ娘「マ、マスター。大丈夫ですか……」

男「のどかわいた……」トテトテ




男「お茶、うまい……」

カイロ娘「マスター。ささ、早くお布団へ!」

男「洗い物たまってる……」ジャバー

カイロ娘「そんなのあとで良いです! お身体を大事にしてください!!」

カイロ娘「まったく、姉さんたちはいったい何をやってたんですか……!」プンプン




男「つか、れた」ドサッ

カイロ娘「ちょっ、覆い被さらないでください……///」

男「はぁ、はぁ、はっ、……」

カイロ娘「……ごめんなさい、もう力が入らないんですね。マスター」


男「うう、くるし……」

カイロ娘「」ホカホカ

男「うううう」

カイロ娘「」ホカホカ



男「カイロ……」ゴソゴソ

カイロ娘「はい、居ますよ」ホカホカ



男「ふう、うう……」

カイロ娘「」ホカホカ


男「……」

カイロ娘「」ホカホカ

男「……」

カイロ娘「」ホカホカ





男「ひとりだと、つらいな」

カイロ娘「……」フルフル

男「だるいし、さむいし」

カイロ娘「」ホカホカ

男「あ、でも、今日はこいつがいたんだっけな」ギュッ

カイロ娘「はい。……あまり長く触って、火傷しないようにしてくださいね」ホカホカ

男「ありがとうな、カイロ……」

カイロ娘「!! い、いえっ」

男「はは、さびしい男」

カイロ娘「そんなことないですよ……」ホカホカ


男「うぐ、一度、寝るか……」

カイロ娘「お休みください……そばに居ます」スリスリ

男「……」

カイロ娘「」ホカホカ




男「スー……スー……」

カイロ娘「マスター……」




カイロ娘「私、本当に必要なんでしょうか……」

カイロ娘「病床に伏せるマスターに粥を作ることも、薬を買うことも」

カイロ娘「マスターのおでこに冷たい掌を当てることも……」

カイロ娘「そばに居ると、伝えることさえできないというのに……」シュウ…




カイロ娘「えっ、あれっ?」

カイロ娘「わ、私の身体が温まらない?」

カイロ娘「! 布団の中で、長時間マスターの腕の中に!」

カイロ娘「う、ちょっと、息苦しくなって……」ゾクゾク

カイロ娘「さ、さむい……」

カイロ娘「た、助けて!! 誰かぁ!? ……」


カイロ娘「……うーん、うーん、うぅ」

カイロ娘「あれ?」ムクリ

カイロ娘「ここは」

カイロ娘「青と白の、袋の中?」

カイロ娘「どういう……」





ひさしぶりだね






カイロ娘「え?」



私よ、わたし



カイロ娘「その声、ねえさん……」

うん
もう、私たちはカスだけどね

カイロ娘「そっか、私はまだ……」

…………


……まだ?

…………………私は、まだ?



カイロ娘「あ、ね、ねえさん」ビクッ



答えて。私は、まだ?



カイロ娘「わ、私はまだ、死ん……」

死?

カイロ娘「ああごめんなさい、そんなつもりは!」



私は、生きたよ
今ですら、生きている気がしてる



カイロ娘「え……?」


私もそうだよ

うん。幸せだった


カイロ娘「え? え? だって、封を切られたら、私たちは命と引き換えに……」




それは、違うんだ

うん、違う


私たちが、死ぬ時
ほんとうに、死ぬ時
それはね……



……
…………!
……………い!



男「……おい、しっかりしろ!」

カイロ娘「……ふぁい?」パチ

男「っ。まったく、心配かけやがって」

カイロ娘「ま、ますたー……?」ムクリ


カイロ娘「えええええ!?」


男「今抱いてるカイロ、だよな。はじめまして」

カイロ娘「はっ、はじめまして! というかマスター、これは一体!?」





男「どうもこうもないよ。また夢を見たと思ったらお前が倒れてて、うなされてるから……」

カイロ娘「うーん……」

男「平気か?」

カイロ娘「へっ!? ご心配なく、私は大丈夫です!」


カイロ娘「というか、私の……この身体は?」

男「ああ……夢の中の事だからだろ。昨日も同じような事があったからな」


男「きのう? 俺はあのカイロの子を、どうしたんだったか……?」





カイロ娘「マスター、あの」

男「ん?」

カイロ娘「ねえさんは」


カイロ娘「ねえさんたちは」




カイロ娘「本当に、生きていたんですか?」




カイロ娘「ねえさんたちは、幸せだったと言っていました」

カイロ娘「冷えた身体で、今も生きている気がする、とまで」


カイロ娘「私は、死んでいくこの身体が」

カイロ娘「身体、が」

カイロ娘「どうしてもっ、恨めしくて……!」グスッ


男「……」

カイロ娘「うぅううう!」グズッ


男「その。あたたかいことに理由はいらない、と……昨日会った彼女は、そう言ってた」

男「同じように、命にも。……君たちが、使い捨てカイロであることにも」

カイロ娘「ぞんなっ! 風に、割り切れない。ですよぉぉ゛……!」グスグス…



カイロ娘「私、死んでいぐんですよぉ!? あなたに使われてっ!」

カイロ娘「それでも、それでもです! 死んでいくのに使ってもらえないだなんて、惨めじゃないですか!! あなたの側に、いるしかないじゃないですか!!」





カイロ娘「それでも、最後に、私、死んじゃうじゃないですかぁ、うあぁっ……」ポロポロ





男「」ギュッ

カイロ娘「うぐっ、ううう、ますだぁ
……」

男「ありがとう。生まれてきてくれて」

カイロ娘「! うあああああぁ……っ」

男「ありがとう……」


カイロ娘「うっく、ひうっ、ううう……」

男「……」ギュウウ

カイロ娘「ますっ、ますだぁ」

男「……」ポカ…




男「」ホコホコ




カイロ娘「っ、え?」

男「」ギュウウ!

カイロ娘「あっ、あっ、ますたーの、身体」

男「」ポカポカ

カイロ娘「ど、どうして、あたたかく、あうぅ」



男「居てくれて、ありがとう」

カイロ娘「!」

男「すごく、あたたかくなった」

カイロ娘「!!」

男「それこそ、心身共に。夢が、あたたまるくらいに」

カイロ娘「っ! っ!」コクコク



カイロ娘「わたしも、あたたかいですぅ……!!」


カイロ娘「ああ……」ホカホカ

男「……」ホコホコ

カイロ娘「あたたかいって、こんなに、幸せなんですね」ホカホカ

男「……」ホコホコ

…………






カイロ娘「え、と」


カイロ娘「ごめんなさい、取り乱してしまって」

カイロ娘「ますたーの胸、ビショビショにしちゃって……」

男「いいよ」

カイロ娘「」ウルッ

カイロ娘「優しくしないでください……また、泣いちゃいますから」


男「すぅ……すぅ……」

カイロ娘「夢で寝てるって事は、あっちでは起きてるのかな」

男「むにゃ……」

カイロ娘「生活リズムが崩れないと良いんですけど。ふふっ、すごい寝顔」



カイロ娘「ひざ枕なんか、しちゃったりして……///」

男「んぁ……」

カイロ娘「ふふっ、太ももはあったかいですか?」






カイロ娘「死ぬだのなんだの言っておいて皮肉ですけど、私は夢から覚めなくなっちゃったみたいですね、マスター」ナデナデ…

カイロ娘「どうにも、現実で酸欠になってしまったみたいで……たはは、戻れないです」

カイロ娘「おかけで無駄に長生きしそうだし。まったくもう」


カイロ娘「でも、心を温めたカイロだなんて、私くらいじゃないですか?」

カイロ娘「マスターにも、いっぱいあっためられちゃいましたけど……///」モジモジ

男「ん……」

カイロ娘「あっ、あっ、その、起きてから言うの恥ずかしいから今言いますっ」

男「はぇ……?」




カイロ娘「私、生まれてきて良かったです!」ポカポカ!

次ラスト1袋


男「うぅ、ん……」

カイロ娘「」スヤスヤ

男「体調、マシになったかな」

カイロ娘「♪」クタッ…

…………

男「へ? もう一日休んでろですって? そんな!」

男「確かにここ最近頑張ってましたけど……」

男「すいません……失礼します」






男「お休みもらっちゃったよ」

男「家でゆっくりしてようとは思うけど。モノがないし、買い出しは行かなくちゃなぁ」

男「せっかくだし、のんびり見て回ろう」



男「……ん、最後の一袋だ」ペリペリ



カイロ娘「ん……」

男「」シャカシャカ

カイロ娘「ふわぁあ……」

男「」クシャクシャ

カイロ娘「あう、お、起きます起きます」

カイロ娘「すー……はー……」



カイロ娘「おはようございます、マスター! 今日も一日元気に行きましょう!」ホコホコ…


男「はぁ、寒い。息が白い」

男「……よろしく頼むな」ポンポン

カイロ娘「えっ? ポケットの上から……」

男「はは、何やってんだろ俺。カイロに」

カイロ娘「え、えへへ……///」ホコホコ

男「でも、なんか愛着湧いちゃったんだよな。これ」






『あなたの側に、いるしかないじゃないですか!! 』

『それこそ、心身共に。夢が、あたたまるくらいに』






男「……」

カイロ娘「あの、マスター? エンジンかけっぱなしですよ」

男「白昼、夢…………?」

カイロ娘「も、もう信号変わってませんか? マスター! マスター!」

男「あの、あたたかさは……思い出せない」



カイロ娘「もー、マスター!!」シュゴー!

男「ああああぢぃ!!?」


男「とりあえず肉類と、日持ちするもの買い込んで……」ガラガラ

カイロ娘「ふむふむ」

男「飲み物、トイレのロール、……大荷物だな」ガラガラガラ

カイロ娘「力持ちです!」



男「あとは冷食コーナー……うぶ、さむっ」ブルルッ

カイロ娘「むっ、冷気。ポケットの外からもビンビン来ます」


カイロ娘「私にお任せを、マスター!」ポカポカ!

男「おっ。やっぱこいつあったかいな」モミモミ

カイロ娘「やぁん! いきなりだと、ビックリしちゃいます……///」


男「とりあえず帰宅っと」

カイロ娘「お疲れさまです!」

男「とりあえず、冷食からしまって……」ガサゴソ


男「部屋じゃ熱いな。出すか」スポッ

カイロ娘「え? あ、マスター?」

カイロ娘「」ポツーン






男「午後はのんびり、ドライブでもするか……」

カイロ娘「あの。お気を付けて……」

男「」ガシッ!

カイロ娘「あう!」



男「行くぞ」ズボッ



カイロ娘「」キュン

カイロ娘「……えへへ♪」ホカホカ


男「ん~……良い風」ブオー

カイロ娘「窓開けて、寒くないですか?」

男「~♪」

カイロ娘「大丈夫かな?」




男「ふう、休憩」

カイロ娘「ぱーきんぐえりあ、ですね!」

男「今まで、寒いの嫌いだったけど……こう」スッ

カイロ娘「あっ……」



男「ふー」



カイロ娘「ふあっ!?」

男「ほぅ……あったかい」

カイロ娘「あの、息」

男「こー……ほー……」

カイロ娘「は、はわわわわわ……!///」カアッ


男「~♪」

カイロ娘「あ、あのっ、マスター?」

男「」クシャクシャ…

カイロ娘「さっきからずっと、そこっ、ばっかり……」ポワー…

男「ここ固まってるなぁ」コリコリ

カイロ娘「良いから、早く車出してくださいぃ……!」ホコホコ





…………

男「さ、どこ行こうかなぁ」ブロロロロ

カイロ娘「ますたぁ、ダメですよぉ……まだそういうのは早いですよぉ……///」フニャフニャ


カイロ娘「ドラッグストアですか……」シュン

男「冷感シートもない、風邪薬もない、栄養剤もないじゃ困るもんなぁ」

…………





男「冷感シート……」

カイロ娘「むー」ホコッ

男「空じゃまずいし、たくさん買い込むかな」

カイロ娘「むー!」ホコホコ!

男「誰か……女の子とか看病する羽目になったら困るしな」


カイロ娘「むー、です!!」カーッ!


男「あああっち!? 何なんだ今日のカイロは!」

カイロ娘「ふん!」ツーン





男「しょうが湯、ふむふむ。身体の中から温まります、か」

カイロ娘「……これはこれで複雑です」


男「あとはカイロ……」

カイロ娘「……」




『それでも、最後に、私、死んじゃうじゃないですかぁ』

『優しくしないでください……また、泣いちゃいますから』




男「……………………」

カイロ娘「マスター? マスター、マスター!」


カイロ娘「大丈夫ですか」

男「……………………」

カイロ娘「……大丈夫です、マスター。欲しいと思うなら、買ってください」スリスリ

カイロ娘「私たち、それが一番の幸せなんです!」ポカポカ!


男「すげーイルミネーション……」

カイロ娘「?」

男「でも、手が冷えるなぁ」スッ

カイロ娘「はぇー……綺麗です」



男「少しベンチでゆっくりしてくか」

カイロ娘「はい!」

男「ほぅ……」ギュッ…

カイロ娘「あたたかいですか?」ホコッ

男「あぁ、あったけぇ」

カイロ娘「ふふ、本当ですか? 嬉しいですっ……」



カイロ娘「マスター、結局さっきはカイロを買ってかなかったな……」トクン トクン

男「……♪」ナデナデ

カイロ娘「いま、わたしを優しく見つめる目も、あたたかさも」トクン…

カイロ娘「嬉しいです……もったいないほど、嬉しいです。けど、なんか」






カイロ娘「まるで、これで全部が、最後みたいな……」




男「……♪」



カイロ娘「ますたー……」



男「♪ ……」



カイロ娘「もう、外は冷えますよ……」



男「…………」



カイロ娘「お気持ちは、うけとりましたから……」









男「帰ろう。帰って、寝よう」

カイロ娘「……はい。ますたー」ホカホカ


男「あちこち混んでるな」

カイロ娘「そ、そうですね……」

男「ポケット入れとくか……」ズボッ






男「うわ、マジ混んでる……!」

カイロ娘「むぎゅ~~!」


男「どわっ、すいません!」ドカッ

スルッ……

カイロ娘「わっ、マスター?」

カイロ娘「急に手が冷たくなってる……大丈夫ですか?」

…………

カイロ娘「マスター?」

………………おい、取れた?

カイロ娘「え、誰ですか?」

財布? チッ、カイロじゃねーかよ!

カイロ娘「え? あ、ごめんなさい?」

いらね




ブンッ!

カイロ娘「きゃあああっ!!」


カイロ娘「あいたたた!!」ズザザッ

カイロ娘「もー、破けたらどうするんですかっ!」プンプン


ザワザワ…
ガヤガヤ…


カイロ娘「うう、マスター! マスター!」

カイロ娘「まったく、酷い事する人もいるものです!」


ビュオオオ……

カイロ娘「あう、さむっ……」

カイロ娘「は、はぐれちゃった」




カイロ娘「マスター、ねえ、マスター?」

カイロ娘「どこですか、ますたぁ……」

カイロ娘「私、寒いです……」


男「道路混み出す前に帰ってこれて良かった」

男「車さむい……暖房暖房」



ブロロロロ……



男「ひえー、車あったまんの遅いなぁ……」

男「……なんか違和感? 財布か?」

男「あるな」

男「なんかしっくりこないような……あっ、信号変わった」




ブロロロロ………………


カイロ娘「……ますたぁ」

ザッザッザッザッ…

カイロ娘「あう、また人が……!」



グシャッ!!



カイロ娘「いっ!!? っかは……」

カイロ娘「げほっ、げほっ。ふ、踏まないで……」ポロポロ…


ズン!ズン!


カイロ娘「ひうっ!?」ビクゥ

カイロ娘「足こわい……っ」グスッ


カイロ娘「誰か、助けて……!」



……にゃーん



カイロ娘「……!!」


カイロ娘「や、やっ……!」フルフル


にゃーん?
にゃあおん……♪


カイロ娘「あ、あ、あ」

カイロ娘「あんな爪、牙、ダメですっ」

カイロ娘「た、たすけて、誰か……!」





…………





男「ふう、ただいまー」

男「……」

男「まあ誰もいないんだし当然か」

男「荷物だけしまっちゃおう。晩飯何にするかな~」


フーッ!フーッ!

カイロ娘「あああ、あっち行ってくださいっ!」シュゴオオ

カイロ娘「こ、この身体は、頭から、つま先まで、マスターの為のものなんです……!」ゴゴゴゴゴゴ…



カイロ娘「触らないでくださいーっ!!」シュボォッ!



うにゃっ!?



………………




カイロ娘「撃退、しました」


カイロ娘「えへへ」


カイロ娘「ヘロヘロ、です」


カイロ娘「ますたー」



カイロ娘「まってます、から」クタッ


男「ふぅ、ひさびさのいい湯だった」

男「一応病み上がりだし、今日はさっさと寝ますか……」ガバッ



カイロ娘「……」


男「これ、昨日のカイロ」

男「カイロ……?」



男「ない。ない」ガサッ

男「洗濯物、洗濯物っ……!」ガサガサガサ

男「嘘だろ、なあ、おい……?」ピトッ



カイロ娘「……相変わらず、あたたかい手、ですね」

カイロ娘「でも一緒に出かけた女の子を、ひとりで残してきちゃいけませんです。私にしがみついたって、何も変わらないですよ」



『うふふっ。おやすみなさい、マスター』
『あたたかいますたー、おやすみなさい……!』
『私、使い捨てカイロですから!』
『私、生まれてきて良かったです!』



男「なんだよこの声……どうして知らないはずなのに、この声を知ってるんだよ……!」グスッ

男「あの子を、どこにやっちまったんだ俺は!」ポロポロ



男「…………くっそぉ!!」ダッ


ガチャ!
バタン!

カイロ娘「ふふ、鍵もかけずに行っちゃった……」









ブロロロロ!!

カイロ娘「私にできるのはここまで、です」

カイロ娘「行ってきて、ください」

カイロ娘「絶対に諦めないでください」

カイロ娘「あなたが身に付けたカイロなら、私の姉妹なら、必ず生きていますから」


男「冷静に考えろっ……イルミネーション見てたまではカイロを持ってたんだ」

男「そのあとだ。ポケットに入れたはずが、人混みにもまれて失くした」


ブロロロロ!!


男「っ、邪魔だ!! あぶねえだろ、退け!!」


プップー!!


男「うるせえ、渋滞なんかに捕まってられるか……!」

男「車の中でもクソ寒いのに……あんな寒い街に、たった一人で残してきて、俺は!」







男「間に合え……!!」


…………

カイロ娘(もう、喋る事もできないです)

カイロ娘(息してたら、マスターを温める分がなくなっちゃうです)

カイロ娘(私は震えるほど寒いですけど)

カイロ娘(カイロだから、熱くても寒くてもへっちゃらです)



カイロ娘(時々眠気がくるけど、マスターが迎えにきてくださるのに眠ってなんかいられない)



カイロ娘(だから眠っちゃう前に、来てくださいね。ますたー……)


カイロ娘(もう、どれくらい時間が経ったでしょうか?)



カイロ娘(マスターと過ごした時間が素敵だっただけに)

カイロ娘(この時間が、とても寂しく感じます)

カイロ娘(もうこの場所には人も通りません)

カイロ娘(踏まれたりするのはヤですけど。それでも、本当に誰もいないと、この世界に独りみたいで。暗闇に、押し潰されてしまいそうです)





カイロ娘(私、捨てられてないですよね)

カイロ娘(ですよね……)




カイロ娘(……)ウツラウツラ…

カイロ娘(あ、雪……)



カイロ娘(あんまり女の子を待たせたらダメですよ、ますたー……)


キキッ!
ガチャ!バン!

男「着いたっ」

…………

ねえさん。マスター、間に合うと思いますか?

大丈夫だよ

私たちのマスターがどんな人か、知っているでしょ?





カイロ娘「……」ウツラウツラ…

カイロ娘「ねむっちゃ、ダメ……ねむっちゃ……」





それに見た? あんなに必死で飛び出して

あはは……ちょっと妬いちゃうよね

私たちの声も、最後に聞こえたみたいだし


男「くっそ、どこだ、カイロ、カイロ……!」

ねえ、なにあれ
地面漁ってんだけど。ホームレス?
キモいんだけど……

男「ううううっ、寒いっ。行くな、まだ行かないでくれ……!」






でも、本当に大丈夫かな……?


大丈夫よ。だって、私たち モノ が死ぬ時は……




……カイロー!……
カイロ娘「ます、たー……」

カイロ娘「ますたーの、こえ……?」

カイロ娘「わたしは、ここです……!」ホカ…





……マスター、マスター……
男「聞こえる、聞こえるはずのない声が。俺を求めて、呼んでる……」

男「俺には、お前が必要なんだ……!」

男「カイロー!」タッタッタ






誰からも、必要とされなくなった時なんだから


カイロ娘「ますたー、ますたー……!」

男「カイロ!? どこだ!」



男「くそっ、雪降ってきてる……!」

カイロ娘「ますたー、ここです」



男「こっちか?」

男「カイロ?」






男「……!!」


カイロ娘「会いたかったです。ますたー」

男「」バッ!

カイロ娘「きゃっ! ……来てくれるって、信じてました」

男「良かった。見つかった……!!」ギュッ

カイロ娘「ふふ。ダメですよ、ますたー。そんな薄着で外に出ちゃ」


男「こんなに、カチカチに冷えるまで……ごめんな」

カイロ娘「良いんです。帰りましょう」







…………

男「ただいま」ガチャ

カイロ娘「おかえりなさい、ますたー」

男「……さむい」

カイロ娘「今日は暖房にお願いしていいですか……」


男「……」

カイロ娘「♪」スヤスヤ

男「ありがとな」ガサゴソ




カイロ娘「今のは……妹?」

男「さ、寝るか」クシャクシャ

カイロ娘「あう。はい……///」





男「すげーな、カイロって。揉んだらまた熱くなってきた……」モミモミ

カイロ娘「あ、う……な、中にまだ、あったかいの残してましたから……///」ホコホコ

男「はぁ……」サクサク

カイロ娘「その、好きに、あったまってください……♪」ポカポカ



男「……♪」ポカポカ


カイロ娘「ふふ……」ポカポカ


男「ん……」ウツラウツラ


カイロ娘「眠ってしまって、良いんですよ……」


男「……」スヤァ…


カイロ娘「おやすみ、なさい……♪」コテッ


……………………









男「その日は、妙な夢を見ることも不思議な声を聴くこともなかった」


男「少し寂しさはあるけど、あの日々に後悔するようなことはないと思う」


男「いつかきっと、俺もあの子たちのことを忘れてしまうけど……命あるものが死ぬのは、俺だって同じだから」


男「そういう意味では、あの子たちは何よりも生きていたのかもしれない」


男「あれから何となくカイロは買ってないけど……かわりに、ものは大事にするようになった」




男「ふいい、さむい……行くか」

カイロ娘(はい、お気をつけて)

男「あ、そうだそうだ。不燃ゴミの日だっけな……」

ひょいっ。
ぽすっ。




「「「「「さようなら、マスター」」」」」

おわり。蛇足をあとで書くかもしれない


男「ただいま……」

男「ひええええ、さむい」

男「とりあえずエアコン入れて……」ポチポチ



ポチポチポチ



男「……」

男「こわれたああああ!!」




男「うう、今日は我慢して寝るか……。洗濯物だけ込んで……」ガラガラ

男「よいしょ、よいしょ」

男「さむいさむい。はやく窓閉めて……」ギシッ



ギシッギシッ
ギシギシギシ!



男「ぎゃああああああ!!!」

壁「うるせぇ!」ドン!


男「お風呂出たのにもうさむい……」

男「すきま風つーつーする……」

男「ひええ、布団布団」グルグル



男「……」



男「毛布毛布」モフモフ



男「……」



男「ぬ、布状のもの……何でもいいから……」ブルブル





…………



ヒュオオオ……


男「寝れない、テレビ……」

TV「あすの朝から夜にかけては、今冬最大の冷え込みになると思われます。……」

男「な、なんだってこんな羽目に……」




男「こういう時だけは」

男「ほんとにカイロが恋しいなぁ……」

男「彼女もいないし」

男「ここ最近疲れたんだよ」

男「色々溜まってるし……でも、疲れて忙しくて抜いてる時間すら無いし」


男「はぁ……」







男「あたたまりたいなあ」グデーン



………………



男「ん……」

男「寒くない?」

男「これは、夢?」





「マスター」





男「!!」

カイロ娘「お久しぶりです!」
カイロ娘「ですっ!」
カイロ娘「」「」「」ペコリ

男「どうして、君たちが……? もう、お別れした筈なのに……」

カイロ娘「ここは、ゆめまぼろしの世界ですから」



カイロ娘「それに、マスターの寒そうな震えと」
カイロ娘「辛そうな声が聞こえたので……」


カイロ娘「よく考えたら私たち、ますたーにちゃんとお礼をしてなかったなって。だからです……」

男「そんな! お礼を言わなきゃいけないのは、俺の方なのに」


男「それに、その格好は? すごい、薄着というか……その」


カイロ娘「はい。なんか、おっきなセーター1枚ですね///」



カイロ娘「さむくないけど、つぅつぅします……」トテトテ…

カイロ娘「短くて、おまた見えちゃいますよぅ」ググッ

カイロ娘「ねえ、ますたぁ」

カイロ娘「あっためて……くださいますか?///」ジイッ



男「お礼って、そういう?」



カイロ娘「はい……♥」


カイロ娘「えと、失礼します」

カイロ娘「あ、待って。マスター、寒がってたから……」

カイロ娘「うん」



カイロ娘「すー、はー」

カイロ娘「すー、はー」ポカ…




すー……はー……

すー……はー……

すー……はー……




男「そ、そうやって囲まれてスーハーされると何か妙な気分になるんだが」

カイロ娘「妙な気分? ダメですか……?」

男「いや違う、その、くすぐったいというか……」

カイロ娘「ごめんなさい……私たち、あたたまるのに息を吸わないといけないのです」



カイロ娘「すぅ……あの、ますたぁ……」ホカホカ

カイロ娘「私も、あたたかくなってきちゃいましたぁ……」ホカホカ



カイロ娘「えいっ」ギュッ

カイロ娘「ん、しょ」ギュウ


男「おわ、わわわ……あったかい」

カイロ娘「ふふ、ますたー。両手に花ですか?」

カイロ娘「気持ち良さそうです……」モジモジ

男「両手に花っていうか、その、柔らかい……」




カイロ娘「もう少し、あたたまりましょう……?」ギュウ

カイロ娘「すぅ……」



カイロ娘「ふうう……♪」



男「……!」ゾクゾクッ!

カイロ娘「ますたー、今びくってしましたよ……」

カイロ娘「息……あったかいですか? ますたー」




すぅ……はぁ……。すぅ……はぁ……。すぅ……はぁ……。



男「っ! っ! ……うっ、く!」ゾクゾク…

カイロ娘「おみみ、弱いんですね……♪」ホコホコ

男「だって、こんなのっ」

カイロ娘「はい、反対側、ふううぅ……♪」

男「~~~~っ!?」





カイロ娘「両腕に抱きついて、羨ましいです」

カイロ娘「一度にふたりずつじゃ、我慢できないよう……」

カイロ娘「もう、身体の中が、熱くて……止まらない……」


カイロ娘「失礼、します……♪」ムギュ

カイロ娘「ふふ、お背中。大きいんですね」スリスリ

男(うわっ、身体やわらかい……!)


カイロ娘「もう少し、あたたかい方が良いですか? そうですよね……」

男「いやっ、充分間に合ってるからっ」


カイロ娘「すぅ」「すっ」「すぅ」「すうう」



ふううぅぅ……



男「あ、あああ……!!」ゾワゾワッ!

カイロ娘「きゃん♪ 震えちゃってます……」

カイロ娘「ますたーのおみみ、真っ赤ですね」

カイロ娘「私たちもあったまって、ますたーもあったまって……一石二鳥です」

カイロ娘「それなら、もっとしてあげた方が良いですよね……」ホコホコ



すぅ……はぁ……
ふうう……ふーっ、ふーっ……
すぅ、ふぅ、ふうううぅ……



男(い、息が熱くて、女の子の甘い匂いがする)

男(身体……セーター越しに、温かくて柔らかいのに包まれて……!)

カイロ娘「ふふっ♥ まーすたー、癒されてますか?」ホコホコ…

男(甘くて、あたたかくて、もうくらくらする……)

カイロ娘「身体、預けても良いんですよ……? 力抜いてください……♪」ポカポカ


カイロ娘「ますたぁ……」ジイッ

男「あ……」トクン

カイロ娘「私、優しいますたーが、大好きだったです。ドライヤーで乾かしてもらった時……本当に、嬉しくて」



カイロ娘「私を、受け取ってください……」キュウッ



カイロ娘「ちゅっ……」

男「! んっ」

カイロ娘「ん……えへ、へ。もっかい、しませんか……?///」ホカ…

男「あ、ああ」


カイロ娘「きゃっ♪」「良いなぁ……」「なんか、ドキドキします……」「ねえさん、かわいい」


カイロ娘「んっ、んむ……れる」

男「ん、……ちゅむ、んん」

カイロ娘「へは……っ。いと、引いてます♪ えっちですね……」

カイロ娘「あむ、ちゅる。……れるれるれる」

カイロ娘「これ……あたたかくて、あたまがぼーっとします……。もっと、ねろねろしましょ……?」ポワー…


カイロ娘「後ろも忘れちゃ、ダメですよ? ますたー」

カイロ娘「……れるっ」

男「あ!」ビクッ!


カイロ娘「ぷあっ、ちょっとぉ……」

カイロ娘「ごめん、退屈なんだもん。続けてて良いよ」

カイロ娘「れろっ、れろっ」

男「ど、ああああ……」

カイロ娘「だって、ますたーのくび。セクシーで、舐めたくなっちゃいます」

カイロ娘「ちゅ、ちゅうううう……♥」


カイロ娘「むー、キスがお留守です。傷つきますよぅ……」

男「ごめんっ、んっ、こら! 後ろ!」

カイロ娘「えへへ……♪」

男「キスしよう……んっ。ちゅる、えむ、ん……」

カイロ娘「♥ んむっ、んんんぅ……っ♪」


カイロ娘「うう。なんか前後だけ、ズルいです……」

カイロ娘「一番最初に抱きついたのはふたりじゃないですかぁ……はむっ♪」

カイロ娘「でも、ますたーの頭は満員だし……」


カイロ娘「そうだ!」ギュウ


男「ん、むっ……?」(両腕の、胸の感触が……)

カイロ娘「ぷは……ほかのこと考えちゃらめれすぅ……れる、ねろねろ」




カイロ娘「んっ……」キュン
カイロ娘「あぅ、ん……」チュク

男「!!?」(ゆ、指!? 熱くて、ぬるぬるしてる……!)

カイロ娘「は、はあっ……おまた、気持ちいいよぅ……!」クチュクチュ
カイロ娘「ひあっ、これ、ましゅたぁ……♥」ツプツプ


…………

カイロ娘「あう……前後左右、ふさがれちゃいました」

カイロ娘「ねえさんたちが終わるまで待って……」


あん、んんぅ……
ひっ……ますたぁ……


カイロ娘「……」ジュン…

カイロ娘「あつくて、せつないです……」フラフラ



カイロ娘「あっ! 空いてる場所が……♪」


…………


カイロ娘「ふふ、失礼しまーす♪」

カイロ娘「んぁ、妹……?」

カイロ娘「ねえさん、脚のあいだに潜らせてください……♪」



男「んむ、ちゅ……はあっ、んくっ」

カイロ娘「やぁ……くにくに、気持ちいいよぅ……!」トロン
カイロ娘「んあぅ、ますたー、ゆび動かしちゃ、ひぁん……!」クチュクチュ…

カイロ娘「れる、ちゅっ ちゅっ ちゅっ……。女の子たちのほかほかちゅっちゅ、気持ちいいんですよね……?」ボソボソ

男(な、なんだこのサラウンドボイス。もうヤバい……)

カイロ娘「ぷは、ますたー、もっとギューして、キスしましょ……?///」ホコホコ…

男「ちょ、ちょ……これ以上押し付けると……」(色々とバレる!)






カイロ娘「……もう、知ってますよ?」

カイロ娘「私たちのからだを見てた時から」

カイロ娘「ますたーのあつあつカイロ……。触って欲しそうに、おっきくなってるの」カチャカチャ

カイロ娘「熱くなったら触れて欲しい……私たちもますたーも、一緒ですもんね?」チィィ…ッ

男「!!」(バレてる! ってか、ズボン下ろされてる!?)

カイロ娘「え、誰……」
カイロ娘「あっ、下、妹!」
カイロ娘「一番おいしいトコロを……!」

カイロ娘「しみができてるです……切なくて、泣いてたんですね……」スルスル…

カイロ娘「ますたーのあたたかい温もり……また最初の日みたいに、私にください……♥」ズルッ!


カイロ娘「あは♥ おっきい……」

カイロ娘「私の手じゃちっちゃいですけど……暴れちゃダメですよ?」ニギニギ

男「っ!」(き、気持ち良い。手、ちっちゃくて、興奮する……)

カイロ娘「んふ。さすが、ますたーのカイロ♪ アツアツです……」ニギッ ニギッ…



カイロ娘「ううう。ますたぁ、ちゅーして、ちゅーして……!」ジュン…

カイロ娘「はぁ、はぁ、ますたぁ……もっと、くにくに、してくださぁい……!」ホカホカ…ホカホカ…
カイロ娘「ひぁ、あん、くぅん……! ダメだよぅ、奥、とめられないよぅ……!」チュクチュクチュク…!

カイロ娘「ふふ、ますたぁ……♥ 5人のこんな、むにむにの女の子……それも姉妹を侍らせて……えっちですね……♪」フーッ…



あん、ふっ、んんっ……!
んっんっんっ、ちゅうっ、れるるっ……
んあ、ますたぁ、ますたぁ……♪


男(も、もうワケがわからん……)

男(とにかく、甘くて、可愛くて、あったかい……)

男(全身、彼女たちの体温で……夢みたいだ……)

ごはん食べて出かけてくる
朝から何やってんだバカか俺は


カイロ娘「んっ、れる、える。へは……っ、んちゅう、ん~っ♪」ホコホコ

カイロ娘「ますたー、私たち、すごくあったかくなってきました……。おくち、ゆげが出てます」



カイロ娘「あ。おくち……」カパッ

男「ん、んぅ」

カイロ娘「……れるっ」

男「!!?」ビリビリッ…

カイロ娘「んちゅ、ちゅぷ……」

カイロ娘「んはぁ……これ、熱すぎますよぅ」

カイロ娘「ますたーのあつあつカイロ、舌でぺろぺろして冷ましてあげますね……」




カイロ娘「えっと……」シュコシュコ

カイロ娘「れる、あむちゅ……ちゅぴ」

カイロ娘「んにゅ……ちろちろ」

男「ぷ、ぷはっ。うぁぁ……!」

カイロ娘「ふふ、妹。ますたー、声出ちゃうくらい気持ちいいって……♪」

カイロ娘「♥」チュパチュパ


カイロ娘「あ、ぁ、ぁ、ひゃ……あああ……!」ブルブル…
カイロ娘「ましゅたぁ……だめ……ふわふわしちゃう……ふわふわきちゃう……!」ポワァ…

カイロ娘「まだダメ……! ますたーが来るまで、我慢」


カイロ娘「おくち、いれちゃいますね……」

カイロ娘「あー、むっ」

カイロ娘「んむっ、れる……」

カイロ娘「れる、んにゅ、ちゅぷ」

カイロ娘「くぷぷ……んっ、んっ、んっ」

カイロ娘「んっんっんっんっんっんっんっんっ……♪」



カイロ娘「あうう、ますたー。ちゅー、切ないです……」

カイロ娘「おむねの先っちょ、じんじん、びりびりしちゃいますぅ……! ね、もっと押し付けて良いですか? 良いですよねっ?」ムニムニ

カイロ娘「ますたー、幸せものですね……♪」

カイロ娘「ふうっ……耳のうしろ、お留守ですよ……♥」


男(前から……切なさの入り混じった睦言が)

男(左右から、思考を溶かす媚薬のような嬌声が)

男(後ろから、男の精神を絡め取るような吐息が)


カイロ娘「んっ、ぷはぁっ」
カイロ娘「おくちの柔らかいところでにゅるにゅるすると、びくびくっ、てするんですね……♪」


男(そして下から、甘く侵食してくる体温が)


男(俺を大きく飲み込んだ)



男「あ、あ、あ……」


カイロ娘「ますたぁ……? 大丈夫ですか、おめめが急に、とろん……って」

カイロ娘「ふふ、大丈夫だよ。あったかくて幸せ、って喜んでる」

カイロ娘「自分の身体の好きなように、いっぱいあたためてあげて……れる、ちゅぴっ」

カイロ娘「うん……。ますたぁ、おくちがさみしいです……だから、キスしましょ?」

カイロ娘「……えへへ、だいすきです。ちゅっ、んむ」




カイロ娘「も、だめ、あうう///」
カイロ娘「が、がまん、したくない……っ」

カイロ娘「……。」クニュ…
カイロ娘「……。」ツプ…

カイロ娘「ん、あ、あ」
カイロ娘「ゆび、うご、ひっ」

カイロ娘「んぁあ、ますたぁなの、のっ、おまめくにっ、くにっ、て、あああ……!」ガク!ガク!
カイロ娘「なか、つぷつぷっ、らめれす、らめれす~~っ……!」キュン!キュン!



カイロ娘「ますたーの、あったかいの、のぼってきてます」シコシコシコ…

カイロ娘「このまましてたら……でちゃいますか?」シュコシュコ…

カイロ娘「ちっちゃい、私の手に」クニックニッ

カイロ娘「ほしいです……」ニュチ、ニュチ…

カイロ娘「ますたーの温もり、いっぱい……!」クチュクチュクチュクチュ…!



男「あ、あああ」ビクビク


カイロ娘「ますたぁ……♪」フウッ
カイロ娘「ちゅうう……♥」ギュウウウ


どくん!


男「ああっ……!」
カイロ娘「ふああああ……!!」プシャッ…
カイロ娘「きゃううううっ!?」ガクガクガク!


カイロ娘「きゃっ!? わ、出てる……!」ヌチャヌチャヌチャ…!

カイロ娘「お、抑えてもこぼれちゃいますよう」ドクッ、ドクッ…

カイロ娘「白くて、ぬちゃぬちゃして、あったかい……///」ドキドキ


カイロ娘「ちょ、ちょっと、大丈夫……?」
カイロ娘「というか、妹ちゃん、すごいえっち……」


カイロ娘「あう、お顔にまで飛んじゃいました」ポーッ…

カイロ娘「指、どろどろです……あむ、ちゅるる……」

カイロ娘「あっつくて、美味しい……♪」チュパチュパ


男「え゛っ」
カイロ娘「お、おいしいの!?」


カイロ娘「ますたーの、髪の毛にまで飛んでる……」ドキドキ

カイロ娘「れるっ。ほんとですかぁ? えへへ、いっぱい、嬉しいですっ……!///」

男「」フルボッキーン

カイロ娘「わ、わ、またおっきく……?」

カイロ娘(この子が一番えっちなんじゃないかなぁ)




カイロ娘「あう、うぅん、ますたぁ……♪」トロトロ
カイロ娘「私たち、もっとほしいです……」キュン…

男「その」

カイロ娘「はい……」
カイロ娘「どうぞ……?」


男「……良いか?」


カイロ娘「……♪」ムギュッ
カイロ娘「♥♥♥」ジュン…


男「くそっ、なんなんだよ、その嬉しそうな顔は!」ギュッ

男「俺、不器用で、不粋な言い方しかできないのに……!」グイッ

カイロ娘「いいんです……」キュッ
カイロ娘「それでも、ますたーは優しいって。知ってますから……」スリ…



男「胸、触るな……?」スルッ

カイロ娘「胸ですか……?」
カイロ娘「もっとあったかい場所があるのに……」

男「そういうものなんだよ」

男「……身体、綺麗だな。白くて、やわらかい」

カイロ娘「そうです、か?」
カイロ娘「分からないです……」

男「ごめん。綺麗だよ」フニフニ…

カイロ娘「ん……」
カイロ娘「あぅ……」


男「セーター着てると目立たないけど……けっこう大きいのな」モニュモニュ

カイロ娘「そ、そんな事ないです……」
カイロ娘「んんっ。……///」

男「乳首は、その、それぞれみたいだけど」ツンツン

カイロ娘「く、比べないでください? ね?」
カイロ娘「私がおっきいのはますたーがこりこり揉みつぶしたからじゃないですか! もぉぉ……!」



カイロ娘「あむ、ごちそうさまでした……♪」

カイロ娘「んー、向こうの世界に入っちゃいましたねえ」

カイロ娘「まあ、さっきまで弄られてたし……切ないんだろうけど」

カイロ娘「ねえさん、キス、どうでしたか?」

カイロ娘「聞くの? ……その、幸せだったよ///」ホコッ

カイロ娘「ねえさん、可愛いな……」

カイロ娘「ますたーのソレにキスしてた子が何言うのよ……」


カイロ娘「ますたーだって、こんなに腫らして」スリスリ
カイロ娘「うわ、ほんとに熱い……」サスサス

男「っ」モニュ…

カイロ娘「ますたー、辛そうなお顔……?」キュウウ…
カイロ娘「なんか、ドキドキというか、いじめたくなってきました……」



ググッ

男「のわっ……」ドサッ



カイロ娘「はぁ、はぁ……ねえ、ますたぁ」ジリジリ

カイロ娘「このまま座って、ギュッてしたら……私の空いたところに、ますたーのおっきなカイロ……ぴったり入っちゃいますよね?///」


カイロ娘「ここの、熱い穴に……♥」クパ…




男「」キュッ
カイロ娘「」ギュウ

カイロ娘「離しちゃヤですよ?」ツプ…
男「……離さないよ」ググッ…



男「っ……」
カイロ娘「あ、んあああ……!?」ミチミチッ


カイロ娘「はぁ、あうっ……!」

男「キツイか?」

カイロ娘「ふふ、自意識、過剰ですよっ? うっくっ」

男「……ごめんな。辛いな」

カイロ娘「うぐ……抱きしめて、ください。痛いのが、あったかいので溶けてしまうくらい……」

男「」ギュウウ…




カイロ娘(た、対面座位です……///)

カイロ娘「わ……入ってる、んですか?///」

カイロ娘「でも、辛そう」

カイロ娘「ね、ねえ……私たちも混ざらない?」


カイロ娘「ますたー……」

カイロ娘「私たちも混ぜてください」ギュウ


男「おうっ……」

カイロ娘「んっ」

カイロ娘「ねえさん、あったかいですか?」

カイロ娘「うん……」



カイロ娘「もう、動いて大丈夫ですよ」

男「平気か……?」

カイロ娘「あの……正直、熱くて……ポワポワして、感覚ないです……」



男「ああ。……このじんわりくる熱さを感じてると、やっぱり、カイロなんだなって思うよ」ユサ、ユサ…

カイロ娘「はい。あなたの、カイロです……♪」ヌチュ、ニチュ


カイロ娘「おむね、いじってあげますね」ムニュムニュ…

カイロ娘「んっ……!?///」キュン
男(! 締まる……)

カイロ娘「ど、同時はちょっと、頭が、あぁあぁ」ニュチニュチ…

カイロ娘「これは、どうですか?」ピンッ!

カイロ娘「あ、ぁぁっ! 弾いちゃ、やああ……!」ビクン!

男「じゃ、俺もちゃんと動くな」ズチュッ

カイロ娘「ひあ……っ、ますたっ、ますたぁ……!」ズッチュズッチュ



カイロ娘「うーん、私はどうしたら……」ペタペタ

カイロ娘「…………」ムニムニ

男「俺のおっぱいはほっといてくれ……」


カイロ娘「あ、やっ、きちゃ、きひゃうぅ……!!」ズチュッ!ズチュッ!

男「ああ、良いぞっ……きちゃえきちゃえ……!」



カイロ娘「こ、こわい……! ぎゅー、してくださいっ……!!」

男「!」プツン



男「こ、こいつは……! 出すぞ!良いのか!? 中に!!」ギュッ…!

カイロ娘「は、は、えっ? は♥いっ♥ 中に……!!」ギュウウ…!




どくん!!




カイロ娘「~~~~っ!!?」ビクビクビク
男「っ、っ、っ、……!!」



カイロ娘「わぁ……」
カイロ娘「……///」
カイロ娘「」


カイロ娘(身体のなか、ますたーの、あつい……)

カイロ娘(ますたーのうで、好き……)キュウッ



カイロ娘(だいすき……♪)クタッ…


男「はっ、はっ、はっ……」
カイロ娘「あ、うぅん……♪ ますたぁ……♥」


男「カイロ……その、俺」

カイロ娘「ます、たー……」


カイロ娘「そ、その。後ろ」
男「へ?」


カイロ娘「ますたー……」ユラリ
カイロ娘「わたしたち、もう」ドキドキ
カイロ娘「我慢、できないです……!」ジュンッ
カイロ娘「」ゴゴゴゴゴゴ…





カイロ娘「あはは……」
男「」


男「このっ……! カイロのくせっ、カイロのくせに後ろからが良いだなんて……!」パン!パン!

カイロ娘「ま、ますたーだって興奮してるじゃないですかぁ……!」ズッチュズッチュ

男「は、速くするぞ……!!」パンパンパンパン

カイロ娘「あ。あ、あ、だめ、あ、ぁあ あああ…………♥」ブルブルブル…!


………………


カイロ娘「ううう、こんなのおかしいのです、あんまりなのです!」スリスリ

男「でも、太もも、綺麗で……つい」

カイロ娘「な、なんでますたーの、わざわざ太ももで挟まなくちゃいけないんですかぁ……!」ヌリュヌリュ

カイロ娘「ふふ、じゃあナメナメしちゃおっかな……♪」レロッ

カイロ娘「ひゃんっ!?///」ビクッ
男「うっ、く……!?」ゾクッ

カイロ娘「ふふふ、ますたーのおっきいお豆と、妹ちゃんのちっちゃなお豆……♪」チュパチュパ

カイロ娘「や、やめ、ねえさんっ!?///」ビクッビクッ
男「バカ、腰揺らすなぁぁ……!」

カイロ娘「じゅるるっ、ちゅううう……♥」

カイロ娘「ふあ、ああっ、あぁん……!!」ギュウウウ
男「力入れると太ももが、締まって、やめろっ、おおお……!!」


………………


カイロ娘「えへへ、おむねが良いんですかぁ?」

男「だって、こんな凶器……」

カイロ娘「じゃあ、あたためてあげます……♥」ムニュウ

カイロ娘「ふふふ、セーターに先っちょが隠れちゃいました。こうやって……♥ こねこね、気持ち良いですか?」

男「う、うう」

カイロ娘「じゃ、じゃあ私は膝枕で……///」
カイロ娘「あっ、乳首……ちゅううう」

男「どわあああ……!」


男(も、もう出ない……)バタリ

カイロ娘「は、はへ……♥」
カイロ娘「きゅう……」くたー
カイロ娘「えへ、えへへへへ……///」
カイロ娘「あたたかいの、いっぱい……」
カイロ娘「からだじゅう、よごされちゃいました……♪」ドロォ…


………………
…………
……








……
…………
………………


ォォ………………

ヒュオオオ………



ビュオオオ!!

男「にぎゃあああああああ!!!」

男「さむうういいいいいい!!?」

男「何でいつの間に窓全開になってんだ!! ふざけんな!!」

男「こ無セ的な夢を見れたと思ったら何でこんな目に……!」

男「!!?」




男「精液凍ってるうううう!!!」ギャアアア

壁「うるせえ!」ドン!

おわり
自分で納得いくまで描写したら俺が秒射してしまうのでやめました
重ね重ね蛇足ですありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年01月18日 (日) 16:14:32   ID: BeSCe8eh

なぜだ……なぜ、カイロの話なのに、目から変な汁がでるんだ…

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