朝
スケート場
男「という訳でスケート場にやってきた」
妹「お腹減った」
男(スケート場には春休みということもあり家族連れやカップル、果ては自分の技術を皆に見せつける謎にスケート上手いおっさんなど色んな人たちがスケート場を賑やかしていた。今回はこの実験を行うため、家にいるメリーさんを起こさずにこうして妹とコソコソここへ来た次第である)
男「メリーさんは遠くにいる人間と会う場合はいつも自分の怪奇現象を利用して後ろに回り込んでくる。どんな結果になるか楽しみだぜ!」
妹「・・・というか携帯しながらスピンなんて出来るのか?」
男「フッ、俺を見くびるなよ・・・この日のために電話しながらスピンする練習だけを毎日2時間こなしてきたのさ!」
妹「こいつバカだ!」
男(妹は俺を新種の哺乳類を見る顔で言った。あえて無視した)
男「よっしゃあ!ミッションスタートだっっ!!」
ピッピッピ
プルルル
男「あ、もしもし?男だけど」
男(電話を掛けると眠たそうなメリーさんの声が聞こえた)
メリー「ん・・・私メリーさん・・どうしたの?」
男「今近所のスケート場に来ている。もしメリーさんもここへ来るなら帰りは近くの喫茶店で優雅にモーニングセットとなるだろうなぁ!もしここへ来るならだけど」
男(数秒の沈黙の後、ぽつりと言った)
メリー「私メリーさん。今、私たちのおうちにいるの」
ブツッ
男「よし!来るぞ!」
妹「モーニングセット!本当か!?」
プルルル
男(数分してからまた電話がかかってきた)
メリー「私メリーさん。今スケート場に着いたの」
男「いつにも増してが早えな!?」
男(俺は妹の見守るそばでスピンを始めた。この速度に追いつけるものか!)
シュンシュンシュン・・・
プルルル
男(来たか!)
メリー「私メリーさん。今、あなたの後ろにいるの」
男「ふっ・・・後ろってのはどこだ?今の俺の背中は高速で回転してるんだぜ!?」
妹「ハッ・・!お、おいバカ兄貴!背中を見ろ!」
男「えっ・・・なっ!?」
メリー「・・・・」
男(背中をちらりと見るとメリーさんが小さな手足をがっしりと固定して俺の背中に張り付いていた。体重が軽すぎるせいか全く気付かなかった)
メリー「・・・モーニングセット、嘘じゃないよね?」
男「ち、ちくしょう・・・俺の・・俺のミスだぁー!!」
男(真っ白なアイススケートに俺の絶叫が虚しくこだました)
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メリー「私メリーさん」男(そういえばメリーさんって会ったらどうなるんだろう)
三年前の初めの話
メリー「私メリーさん」男(そういえばメリーさんって携帯代どうしてんだろうな)
二年前の次の話
その日の夜
男の部屋
カチカチッ
パソコン『んまっ・・・つぁっ・・・ちょぎっ!』
男「フフッ・・・やっぱり何度やってもこのゲームは最高だな」
ピロンッ
男「む?メールか。見知らんアドレスだな・・・」
男(誰かが宛先を間違えたのかと思ったが一応本文を開いてみると、そこには驚きの内容が書かれていた)
『男くんへ。私は同じ大学の女と言います。女友達ちゃんから勝手に連絡先を聞いちゃいました!実は男くんと直接話したいことがあって、一緒にご飯を食べませんか?空いてる日を教えてほしいです!( *´艸`)』
男「う、うおおぉぉ!?こ、これは!」
男(俺にも春が来たという事だろうか?自慢じゃないが俺はこの歳になるまで一度もそういう浮ついた話はなかった。しかし、この文章は間違いなく・・・!)
プルルル
男「なんだ!?」
メリー「私メリーさん。今公園にいるの」
男「俺を経由して帰ってくるつもりか!?いや、確かにその方が早いかもしれないけど!とにかく今は重要な話の返事をしなきゃなんないんだ。悪いがちゃんと徒歩で帰ってくれ」
ブツッ
男(そうさ、今はそれどころじゃない。ここはまだ見ぬ女さんにナイスガイな返事を送るために余計な邪魔はさせん!)
男「ええっまずは・・・」
プルルル
男「ムキー!」
メリー「私メリーさん。今4丁目にいるの」
男「お願いだから邪魔しないで・・」
ブツッ
ツーッツーッツーッ
男「そうかい・・・メリーさんがそういうつもりならこっちにも考えがあるぜ!」
ボフッ
男(俺はベッドに仰向けで寝た。これなら流石メリーさんも後ろに回れまい)
男「さてさて、まずは最初の挨拶を・・・」
カチカチッ
男「ん?」
男(今、ベッドの中から妙なクリック音が聞こえた?」
プルルル
男「ま、まさか・・・!」
メリー「私メリーさん。今あなたの後ろにいるの・・・なにこれ?ええと・・・我らが旗艦、無事帰投せり?」
男「や、やめてくれ!!」
ガタッ
男(ベッドの中にいた)
居間
男・妹・メリー「「「いただきます」」」
男「・・・・・」
男(やはりここは紳士らしく『こんにちは男です。お食事のご招待にお預かりいただき誠に光栄の至りであります』から始めるか?いや、もう少し柔らかい感じのほうがいいか?)
カチカチ・・・
妹「おい、飯食ってる時に携帯なんかいじくるな」
男「んー」
男(やっぱりここは今風に『どうもー!おはこんばんにちは!男です!誘ってくれてありあがとー!』か?いや、初対面には馴れ馴れしすぎるか・・)
カチカチ…
メリー「ご飯食べてる時は携帯ダメだよって言ってたよ」
男「んー」
カチカチ…
男(『どうも~!俺は別に全然忙しい日なんかないよ!女さんの都合で決めてOK!』と、あえていきなり内容からいったほうが余裕のある男っぽく振舞えるか!?ううむ・・・)
妹「ダメだ、声が聞こえてない・・・」
メリー「うん・・・」
一時間後
居間
TV『許してやったらどうや!?』
メリー「あははっ・・・」
妹「はっはっはっ!」
男「ううむ・・・」
男(うーん・・・送ったはいいが返事が気になりすぎて何も集中できない!ここは一旦気分をリセットするか!)
男「ちょっとシャワー浴びてくるわ」
メリー「うん」
妹「・・・」
ガチャッ
妹「・・・・・行ったな」
メリー「えっ?」
妹「さて・・・」
カパッ
メリー「あっ、ダメだよ。勝手に男の携帯見ちゃ・・・」
妹「いいんだ。なんかずっと画面見てて怪しかったからな。お母さんもよくお父さんの携帯見てた」
メリー「えぇ・・・」
ピロンッ
妹「ん・・・メールだ」
『分かりました!それじゃあ早速明日の正午に△△駅で集合しましょう!楽しみにしています(*^^*)』
妹「なんの話だ?履歴を洗ってみるか・・・」
カチカチッ
妹「・・・こ、これは・・・!」
メリー「?」
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・
彼女(※二作目参照)『なるほどね・・・それは十中八九デートのお誘いよ。あの人も隅に置けないわね』
妹「や、やっぱりか・・・」
彼女『どうしたの?』
妹「いや、なんでもない。ありがとな」
彼女『ううん。また何かあったら言ってね妹ちゃん』
ピッ
メリー「なんて言ってたの?」
妹「やはりあのバカ兄貴を好きになった輩がいるらしい」
メリー「えー」
妹「これはなんというか・・・一大事だ!」
メリー「一大事なの?」
妹「・・・ああ。どんな手違いがあったのかは知らないがあんなバカと付き合うなんてその人が可哀想だ!・・・だからその人がどんな人か確かめよう」
メリー「確かめるって?」
妹「ええと、だから、その・・・現場を監視するんだ!幸い場所と時間は割れてる。だから尾行しに行こう」
メリー「途中で分かんなくなったら?」
妹「そこでメリーちゃんの能力だ」
メリー「なるほど」
続く(∵)
いや、確かにスレタイとは言ってなかったのは俺だ!
なんだかんだ文句言いつつも見てくれているツンデレの為にも今度は宣伝も含めてもう一度分かりやすく渾身の前作紹介をしようじゃねえか!
メリー「私メリーさん」男(そういえばメリーさんって会ったらどうなるんだろう)
三年前に描いた最初の話だぜ!多分ピークだ!
メリー「私メリーさん」男(そういえばメリーさんって携帯代どうしてんだろうな)
二年前に描いた上の続きだ!最初のが10レスにも満たないssだったにも関わらず続きが読みたいという人がいたので長めに描いた!
どちらもあらすじを書くほどではないし各作品はスレタイで検索するなりして読んでくれ
ちなみに今作は半分の実体験に半分メリーさん要素をぶち込んだ作品だ!
リトルバスターズ?はて、知らない恋愛アドベンチャーゲームだな!(∵)
当日
△△駅前
男「・・・・・」
男(くぅー緊張するぜ!普段あまりワックス付けてなかったが変な髪形にねえよな!?)
女「あっ、お待たせ男くん!」
男「!」
女「ごめん遅れちゃったわね・・・」
男「あ、いや・・・大丈夫・・です!」
男(予想以上に綺麗な人だ!こんなの大学にいたか!?見かけたらずっと脳裏に焼き付きそうなもんだが・・・)
女「うふふっ、同い年なんだし別にタメ口でいいわよ」
男「えっあっ、そ、そうだな・・・」
女「じゃあ行きましょ」
男「お、おー!」
妹「ふん、あれだな・・・」
メリー「なんで怒ってるの?」
10分後
メリーさん「見失っちゃった・・・」
妹「しょうがない。メリーちゃん、電話してくれ」
街中
女「あっ、そうだ。ねえ男くん、もしまだお腹減ってなかったらでいいんだけどちょっとショッピングモールの方に寄って行ってもいい?」
男「ん?別に構わないけど・・・」
プルルルル
男(その時、俺に一本の電話が入った。その名前は他でもない、メリーさんだった・・・)
男「!?」
女「電話、取らないの?」
男「あっ、うん・・・」
男(万が一のことを考え、手を携帯に当て、女さんに聞こえないよう電話を取った)
ガチャ
男「も、もしもし?」
メリー『私、メリーさん』
男「そんなことは分かってらい!おいおい、今日は電話しないでくれって言ったろ?大事な用があるんだって」
メリー『今、△△駅の前にいるの』
男「・・・まさか追っかけてくる気か?頼む。妹と遊んで・・・」
ガチャ
男「・・・・・・・」
女「どうしたの?」
男「・・・ショッピングモールだったよな?」
男(このままではまずい!なんの目的かは分からないが確実にメリーさんが後ろに回り込んでくる!俺は女さんの手を握って一気にショッピングモールまで駆けだした)
男「さあ追いつかれる前に行こう」
女「えっ、き、急にどうしたの男くん!?」
物陰
妹「よし見つけた!偉いぞメリーちゃん!」
メリー「うん・・・!」
ブティック前
男「ふーっふーっ・・・」
女「はぁ・・・はぁ・・・つ、疲れたー」
男(よし、ここまで来たら今までのペースからして少しは時間稼ぎが出来そうだ!)
男「この店でいいんだっけ?」
女「う、うん。ここに来たかったんだけどその・・・手が・・・」
男「えっ?あっ!ご、ごめん!」
男(無意識に手を握っていた!ちくしょう!さっきから今までずっとか・・・メリーさんのことがなけりゃ感触を堪能できたかもしれんというのに・・・!)
妹「くっ、また見失ってしまった・・・逃げ足の速い奴め!メリーちゃん」
メリー「分かった」
女「やっぱりこっちの方がいいかなぁ・・・男くんどう思う?」
男(フッ・・・まさか俺がこんなカップルみたいな会話をするなんて考えられなかったぜ。ああ、たった今俺は幸せなんだなってはっきり分かる!)
男「そうだな・・・俺はこっちの方がエレガントな感じでいいと思うよ」
女「そっかーそれじゃあこれでお願いしますっ」
店員「ありがとうございます。それではレジの方までお願いします」
男(あとはメリーさんの問題がなけりゃモーマンタイなんだが・・・)
店員「ではこちら4万2千円となります」
男「4万2千円!?」
女「どうしたの?」
男「あ、いや・・・」
男(女さんは全然動揺していない!こ、これが普通なのか!?・・・そ、そうだここは男らしく俺がプレゼントとして買っておくか!そうすれば女さんもきっとなんて気前がいい男なんだろうと尊敬してくれるはずだ!ちと家計にダメージを与えるがそんなもの愛のためなら関係ない、さらば諭吉!!)
男「あ、女さん。ここは俺が・・・」
女「えっ?」
プルルル
男「!?」
男(まただ。もはや携帯を見なくても誰からかかってきたのか分かる。普段は食べたいくらい可愛いが今は目の上のたんこぶだぜ!!)
店の前
男「メリーさん!マジで勘弁してくれ!!」
メリー『っ!』
男「あっ・・・す、すまん大声を出しすぎた・・でも本当に勘弁してくれよ。追いかけっこならまたいくらでも相手するからさっ!ほ、ほら、大人しくしててくれたら帰りにまたチータラ買ってあげるから!好きだったろチータラ?ねっ!?」
メリー『私メリーさん。今、ショッピングモールに着いたの』
ブツッ
男「・・・・・」
男「そうかい・・・そういうことならこっちも考えがあるぞメリーさん!!」
女「あ、お待たせ!会計すませちゃった。じゃあそろそろご飯行こっか」
男「あ、そ、そうだネ!」
男(うう、そうこうしてる間にもう買っちゃったか・・・いや焦るな男、まだアピールするチャンスはあるとも!)
妹「服を買ってたのか!?あたし達にはあんまり買ってくれないのに!」
メリー「そうだね・・・」
近くのレストラン
女「ふふ、ここのイタリアン美味しいんだよ!」
男「へ、へえ・・・」
男(店内にはいかにも金持ちって感じの客が席に座って談笑していた。上から聞こえるこじゃれたBGMは俺の場違いさを囁いているようにしか聞こえなかった)
男「お、女さん・・・本当にこの店?」
女「えっ、そうだよ?」
男(女さんはさも当然のように答えて受付の人に席を案内してもらっていた。そもそもここは学生なんかが入っていい場所なのか!?)
女「こっちだって~」
男「あ、ハイ!」
ガヤガヤ・・・
妹「相変わらず人込みが多くてすぐ見失うな・・・もう一度アレやってくれメリーちゃん」
メリー「・・・うん・・・やろうと思ってるんだけど繫がらない。多分今、電源切ってるんだと思う」
妹「な、何ィ!?小癪な!」
メリー「大丈夫・・・一応電話を掛けることは出来なくても直接『後ろ』に付くことは出来る。その代わりその間は誰にも見られちゃいけないの。だから妹ちゃんは私が男のところに行くまでどこかに離れてて・・・場所が分かったら連絡する」
妹「ん?兄貴の後ろに付くってことは場所が分かるってことじゃないのか?」
メリー「ううん。直接背中に移動するからその”過程”は私にも分からないの」
妹「・・・・い、今のは聞いてよかったのか?」
レストラン
男(今頃メリーさんは慌てているところだろうか?帰ったらちゃんと言いつけておかないとだな・・・)
女「男くん。メニュー見ようよ!」
男「あ、すまん、ぼうっとしてた!どれどれ・・・って!?」
男(メニューの値段を見ておったまげた。ピザがSサイズでも800円するのだ。パスタも軒並み1000円以上は当たり前・・・サイゼリヤとはえらい違いじゃねえか!)
女「あ、そうそう。ここの店は必ずドリンクも頼まなきゃいけないの。そっちも見といてね」
男「えっ!?」
男(驚いてドリンクメニューを見てみると背筋に冷たいものが走った。ジンジャーエールが400円になんだかよく分からない口上を並べた天然水が300円・・・水に300円だと!)
女「うわ~このオレンジジュースも美味しそう~!私こっちにしようかなっ!」
男「・・・・!」
男(女さんが選んだのはその中でも一番高いオーガニックオレンジジュースとかいう600円もする代物だった。オーガニックってなんだ!?)
女「男くんはどれにする?」
男「お、俺はそうだな・・・この天然水にしようかな!俺最近天然水にハマってるんだよハハハッ!」
男(もちろん本当の理由は一番安いからだ。こ、こりゃヘタしたら今回だけで数回はファミレス行けるんじゃないか!?)
ショッピングモール通路
トコトコ
妹「うーん。仕方がないとはいえじっとしているというのも気持ち悪いな・・・」
「あら、もしかして妹ちゃん?」
妹「ん?あっ、二人とも来ていたのか」
彼女「こんなところで会うなんて偶然ね」
彼氏「あれ・・・妹さん一人?男さんやメリーちゃんは・・・」
妹「・・・・全員この近くにいるが今は3人とも別行動だ」
彼女「・・・どういうこと?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・
彼女「・・・なるほどね。いまだにあの子が例のメリーさんだなんて信じられないけど、そこはもう置いておくわ」
彼氏「置くんだ・・・」
彼女「ともかく、いい
途中送信してしまった(∵)
訂正
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・
彼女「・・・なるほどね。いまだにあの子が例のメリーさんだなんて信じられないけど、そこはもう置いておくわ」
彼氏「置くんだ・・・」
彼女「ともかく、妹ちゃん。言っておくけどそれはただの嫉妬よ。男さんはその人ときっと大事なデートをしてるのよ」
妹「うん・・・」
彼女「このままメリーさんと妹ちゃんが男さんの近くにいても邪魔にしかならないわ」
妹「うん・・・」
彼女「このままその人に取られたくないのは分かるわ・・・だからね妹ちゃん」
妹「うん?」
彼女「その意気よ!是が非でも邪魔しなさい!!そんなどこぞの馬の骨かも分からない女に取られることはないわ!好きな人にまとわりつく女に容赦は必要ないわ!どんな手段をもってしても雰囲気をぶち壊してくるのよ!!」
彼氏「うわーそういえばこの人こんなんだった!」
妹「分かった」
彼氏「分かっちゃダメー!!」
女「・・・・・・うーん!やっぱりここのナポリタンは最高っ!」
男「あ、ああ・・・そりゃ良かった・・・」
女「男くん、そっちのピザはどう?」
男「そりゃあ美味しいよ、うん・・・」
男(女さんのでだいたい5000円、俺のが3000円だから……ああ、ちくしょう!こういうのは普通男が払うのがルールなんだよなあ!でもこれ全部払ったらメリーさんや妹にサプライズで服屋へ連れてってやる俺の計画が!)
女「お、男くん、凄い汗かいてるけどどうかしたの?」
男(クソッ!妹達か女さんの二択になっちまってるじゃねえか!本当なら、こういう時はメリーさん達のために男を捨ててでも取っておくべきなんだろう!だが考えてもみろ!大学生になってやっと芽生えた春をこのままテメーで摘み取ることになるんだぞ!ここで女を選ばねえ奴は一生独身でもいいって言ってるようなもんだ!だが!しかし!・・・ウウッ!)
男「俺は・・・俺は・・・!」
「私メリーさん。今、あなたの後ろにいるの」
男「ハッ!?」
女「き、キャーーーッ!?」
「キャーーーッ!」
妹・彼女・彼氏「「「!」」」
妹「よし、兄貴はあの店か!」
彼女「さあ行きなさい妹ちゃん!アナタ自身のためだけに!」
彼氏「いやいやいや!」
店内
ザワザワ
「なんだどうした!?」
女「そ、その子は!?」
メリー「・・・・・・」
男「馬鹿な!メリーさんだと!?どうしてここに!」
メリー「私だから」
男(メリーさんは全く悪びれず、それどころか少し怒ったような顔で言いのけた。こう来られると何も言えない)
男「・・・すいません皆さん。お騒がせしました。俺の妹がこんな所までおっかけて来たみたいで、後ろから急に現れてちょっと驚かせちゃっただけなんです・・・女さん。そういう訳だからちょっと説得してきていいか?」
女「あ、うん・・・じゃあ私ちょっとそこにいるね」
男「あっ・・・」
男(そういうと女さんは気を利かせてその場を離れてくれた。本来なら俺が行かなきゃならないんだが・・・あの顔はドン引きしちまったか?)
男「・・・なあメリーさん。どうしたんだ今日は?いつもならやめてほしい時は現れないじゃないか」
男(そう。メリーさんは時も場所も選ばず、場合によっちゃトイレに入ってる時でさえ後ろに回り込もうとするが嫌だと言えば普通にやめてくれるのだ。しかし今回の強引さはいったい・・・)
メリー「私だけじゃない。妹ちゃんも一緒に追ってたから」
男「い、妹も一枚噛んでたのか!?」
レストラン待合室
妹「ここだな!」
女「・・・そうなのよ~!」
妹「む、あれは例の女か?何故こんな所に・・・」
女「そう!せっかく服も奢ってもらおうと思ったのにその男、会計の瞬間に消えちゃってさぁ~~・・・今もなんかレストランに妹?が忍び込んできちゃったらしくて、お陰でご飯冷めちゃうわよ」
妹「・・・・・・・・」
女「その妹ってのも髪の色が全然違うし無愛想だからすごく不気味でさぁ~ありゃ夜に1人で出くわしたらそれなりの怪談話になりそうね・・・まあでもチョロそうだったし、これからよこれから!うふふっ・・・!」
妹「・・・・・・・・」
女「あっ、こっち来た。もう切るわ!バーイ」
男「あ、すまん女さん・・・こいつ帰り道が分からないって言うんだよ!そ、それで、食事の最中に非常に失礼だとは思うんだが・・・」
女「ううん、多分そうなると思ってたわ!気にしないで男くん」
男「申し訳ない・・・」
レストラン前
男「さてと・・・考えうる限り最悪の別れになっちまったな」
妹「よう馬鹿兄貴」
男「あっ、こんな所にいたのかお前!俺のあったかもしれないラブストーリーを返しやがれ!メリーさんからだいたい聞いたぞ、お前が尾行しようなんて言ったらしいじゃねえか!悪戯が過ぎるぞ!」
妹「うっさいわ!むしろ変なのに捕まらなかったことに感謝しろ!」
男「痛えっ!?なんで飛び蹴りするんだよ!」
メリー「・・・妹ちゃん。それであの人、妹ちゃんはどう思ったの?」
妹「ああ、それなんだがな・・・あいつにはメリーちゃんの『友達』になってもらおう」
メリー「えっ?」
妹「あいつがメリーちゃんが兄貴の家族って知ってるならとても都合がいい」
メリー「・・・なるほど」
男「なに2人でコソコソ話しているんだ?」
妹「・・・どうやって背中に引っ付いたヒルを剥がしてやろうか考えていた所だ」
男「まったく!よく分からんが今日みたいな事は二度とごめんだぜ!分かってるのか2人とも?」
メリー・妹「「ごめんなさい」」
男「・・・よし、じゃあ明日は服屋に行くか?そろそろ暖かくなってくる頃だしな」
妹「本当か!」
メリー「やった」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・
夜
マンションの一室
女「もー!あいつ結局会計忘れて私1人に払わせてるじゃない!次はうんとふんだくってやるんだからっ!」
プルルルル
女「・・・ん?知らない番号ね」
ガチャ
「私メリーさん。今、あなたの街にいるの」
それから1時間後
家
リビング
メリー「ただいま・・・」
男「あれ、いつの間に出かけてたんだ・・・こんな夜に出歩くなんて危ないぞ?」
妹「やったか!?」
メリー「・・・初めてやり甲斐を感じた気がする」
妹・メリー「・・・」ピシガシグッグ
男(どうやら妹とメリーさんがまた何か企んだらしく、よく分からないがそこには女同士の詩(うた)が、奇妙な友情があったような気がした。関わるとろくな事がなさそうなので無視しておこう)
ピロンッ
男「あっ、女さんから・・・」
男(女さんからメールが来た。内容はこうだった)
『ごめんなさい。もうあなた達には二度と近づきません。許してください』
男「泣けてきた」
男(まあ、あんな騒ぎを起こしたりしたらここまで嫌われてもしょうがないか・・・いや、これで良かったんだ。家族を大事にしないとビト・コルレオーネにぶっ飛ばされるぜ。今はこれでいいじゃねえか)
メリー「悲しいの?」
男(すると俺の独り言に心配してメリーさんが寄ってきた)
男「いいや、こんな美女2人に囲まれて幸せだよ俺は。しかし今日は2人の後手に回りまくっちまったな!」
メリー「後ろに回るのは得意だからね」
妹「ぷっ!」
男「はははっ!」
メリー「うふふっ・・・」
「「「アッハッハッハッハ!」」」
終わり(∵)
誰のマネをしたつもりでもないし俺は芝居かかった台詞が大好きなんだよ!
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