妹「滅・私・奉・公!」兄「なんと」(337)

兄「よろしくお願いします」

妹「よろしくお願いいたします」

執事「今日からしっかり働いてもらうぞ」

兄「えー……」

妹「兄さんっ」

執事「親の借金がもとで売られるとは気の毒だが、頑張って奉公すれば帳消しになる」

兄「人身売買じゃないのこれ」

妹「しかたないです、頑張りましょう」

執事「それでは奥様にお前たちを紹介しよう。ついてきなさい」

執事「失礼します」

奥様「あら……その子たちが?」

執事「はい、例の」

奥様「そう……まだ子供のようだけど」

兄「一応まだ成人前です」

奥様「若いから無理がきくわね、おっほっほ」

兄「な、なんて嫌なババアだ」

お嬢様「お母様、この人たちだれ?」

奥様「今日からうちで働く使用人よ」

お嬢様「ふぅーん……」

兄「よろしくね」

執事「こら貴様!言葉遣いに注意しろ!」

兄「ひぃっ」

妹「今のは兄さんが悪いです」

お嬢様「……」

妹「……今日からこちらでお世話になります、兄と妹です。どうかよろしくお願いいたします」ペコリ

お嬢様「……うん。これ食べる?」

兄「何やら高級そうなお菓子だな」

奥様「これ、およしなさい。下男にそんなもの与えなくてよろしい」

お嬢様「はーいお母様」

奥様「この家にいる以上、身のほどはわきまえて行動するように。わかりましたか?」

妹「かしこまりました」

兄「はい、お母様」

奥様「あなたにお母様と呼ばれる筋合いはありません」

執事「……失礼いたしました」バタン

兄「ずいぶんおっかない人ですね」

執事「……お前は教育しがいがありそうだ」

兄「ひぃ」

妹「よ、よく言って聞かせますから……」

執事「まぁいいだろう。先にお前たちの部屋を案内する」

兄「金持ちの家だから、きっと俺たちの部屋も豪華なんだろうな」

妹「兄さん、多分それはないです」

執事「ここだ。お前たち二人はここで寝泊まりしてもらう」

兄「えーと……階段があるけど」

妹「部屋はないですね」

執事「馬鹿者、よく見ろ」

兄「GTOの鬼塚のパターン?」

執事「階段の下、脇にドアがあるだろう」

兄「それって物置なんじゃ……」

執事「中は狭いが二人で寝るくらいはできる」

妹「あ、相部屋ですか」

兄「ほほぅ……わかりました」

妹「なにいきなり納得してるんですかっ!」

兄「仕方ないだろ、俺たちは売られた身なんだ」

妹「うぅっ……兄さんと相部屋だなんて」

執事「私もさすがにすまんとは思ったが、奥様の命令でな」

兄「あのババア……」

妹「な、中は意外に広いです」ガチャ

兄「そりゃいい」

妹「国境作りますからね。私の領域に許可なく入らないように」

兄「はいはい……」

執事「明日から仕事をしてもらう。今日はゆっくり体を休めるように」

兄「こんな窓もない物置部屋でゆっくり休めるかよ」

執事「……」ギロ

妹「に、兄さんっ……わかりました。それでは」

執事「……夕飯は7時。風呂は使用人が使えるのは夜10時以降だ」

妹「わかりました」

兄「あー疲れた」ドス

妹「私の方が倍疲れたますっ」

兄「そんなにプリプリ怒るなよ」

妹「私たちは使用人ですよ、兄さん。売られた身なんです」

兄「魂まで売った覚えはないぜ」

妹「カッコいいこと言ってもダメです。きちんと勤めあげないと」

兄「わかってるよ……」

妹「……お父さんとお母さん、大丈夫でしょうか」

兄「今さらあんな奴らの心配なんかするなよ」

妹「……」

妹「……そうですね。しばらくお父さんたちのことは考えないようにします」

兄「そのほうが精神衛生上いいと思うぞ」

妹「しかし、埃っぽいですねこの部屋……」

兄「せめて窓があればな」

妹「後で時間のあるときに大掃除しましょう」

兄「くぅ、ケータイの電波も入らない」

兄「晩飯までまだ時間があるな」

妹「そうですね」

兄「ちょっとひとっ風呂浴びさせて貰おうかな」

妹「兄さん、話聞いてました?夜遅くじゃないと私たちは入れないですよ」

兄「あ、そうだった……」

妹「全くもう、しっかりしてください」

兄「せめて顔くらい洗いたいな」

妹「トイレとか洗面所でなら大丈夫じゃないですか?」

兄「ちょっと行ってこようかな」

お嬢様「あ……」

兄「あ」

お嬢様「……なにしてるの?」

兄「ちょっとトイレを探して……るんです、はい」

お嬢様「こっち」

兄「ありがと……うございます」

お嬢様「ふふ、変なしゃべり方」

兄「慣れてないんだ……ですよ」

お嬢様「ふぅん」

お嬢様「ここがトイレ」

兄「おぉ、洗面所もあるな」

お嬢様「なんでタオル持ってるの?」

兄「用を足すより、顔を洗ってすっきりしたかったんだ」ジャー

お嬢様「……」

兄「……」ゴシゴシ

お嬢様「ねぇ」

兄「ん?」

お嬢様「あのこ、何歳?」

兄「あのこって?」

お嬢様「さっきの女の子」

兄「あぁ、あいつは……」

お嬢様「私と同い年だね」

兄「あ、そうなんだ……ですか」

お嬢様「兄妹なの?似てないけど」

兄「ええまぁ」

お嬢様「ふぅん……」

兄「何か?」

お嬢様「どうして兄妹でうちで働くの?」

兄「はは、なんでだろうね」

お嬢様「まぁいいや」

兄「いいのかよ」

お嬢様「興味ないもん」

兄「あ、そう……」

お嬢様「妹ちゃんのほうはね」

兄「へっ」

お嬢様「えへへ……ねぇ、一緒に遊ぼう?」

兄「いや、しかし」

お嬢様「私の部屋でお話しようよ」

兄「うぅーん……こういう状況じゃなかったら喜んで行きたいんだけど」

お嬢様「だめ?」

兄「えーと……」

奥様「……なにをしてるんです?」

お嬢様「あ、お母様……」

兄「お母様、ご機嫌麗しゅうございます」

奥様「あなたにお母様と言われる所以はありません。奥様と呼びなさい」

兄「てへぺろ」

奥様「はぁ……頭が痛くなってきたわ」

お嬢様「お母様、この人と一緒に遊んでもいい?」

奥様「いけません。使用人風情に構うんじゃありません」

お嬢様「……つまんない」

兄「お母様の言う通りですよ、お嬢様」

奥様「だから私はあなたのお母様ではありませんっ」

奥様「……今回は特別に許しますが、ここは私たち家族だけしか使ってはいけないんです」

兄「あ……そうなんですか」

奥様「以後気をつけなさい。使用人のトイレの場所は後で執事に聞くように」

兄「わかりました」

奥様「……貴女も部屋に戻りなさい。じき夕飯ですよ」

お嬢様「はーい」

兄「ふぅ……」

兄「食った食った」ポンポン

妹「立派な夕食でしたね」

兄「まぁ、余りの食材なんだろうけどな」

妹「コックさんの腕がいいんでしょう」

兄「え……あの奥様が作ってるんじゃないの?」

妹「キッチンにいましたよ?シェフっぽい人が」

兄「ほぇー……そりゃすごいな」

妹「なんとか、ここでやっていけそうですか?」

兄「まだ働いてないからなんともなぁ」

妹「あ、そうですね」

兄「まぁお前は何でもそつなくこなすから大丈夫だろ」

妹「私が心配なのは兄さんですっ」

兄「年下のくせに生意気な」

妹「その年下に今までの人生で散々フォローしてもらってたのは誰ですか?」

兄「ちっ」

兄「まぁ真面目に働かないと借金もなくならないし頑張る」

妹「その意気です。兄さんはやれば出来る子ですから」

兄「まかせろ」

妹「使用人の仕事ならそんなに難しくないし、兄さんでも出来るでしょう」

兄「兄ちゃんグレちゃうぞ」

兄「しかし、なんていうか雰囲気悪いよなここ」

妹「まぁ、窓もない物置部屋ですから」

兄「部屋じゃなくてこの家だよ……天然かお前」

妹「し、失礼なっ」

兄「なんつうか、奥様とか執事とか」

妹「奥様はともかく、執事さんはいい人に思えましたよ」

兄「そうかなぁ。お嬢様は可愛いし、いい子だけど」

妹「お菓子貰えそうになったくらいでそんなに持ち上げますか」

兄「いや、さっき会ったんだけど」

妹「え?」

兄「で、洗面所連れてってくれて」

妹「……ふむふむ」

兄「そのあと一緒に遊ぼうって言われたんだけど」

妹「ええぇえっ!」

兄「な、なんだよ」

妹「べ、別に……何でもないです」ギリィッ

兄「部屋に呼ばれたけど、奥様が来て解散に」

妹「ほっ……」

兄「お、風呂はいれるんじゃないか?この時間」

妹「さ、お風呂も入ったしもう寝ましょう」

兄「全然風呂に入った記憶がないんだが」

妹「ちゃんと二人とも順番に入りましたよ?」

兄「そ、そっか」

妹「明日からは早起きしないといけないですからね」

兄「分かってる」

妹「ここに線をひきますから、こちら側に入ってこないでください」

兄「おい、せめて部屋の真ん中で分けろ。お前が8、俺2みたいな割合だぞ」

妹「さ、電気消します」パチ

兄「おいこら」

妹「寝顔見ないで下さいよ!」

兄「見抜きしてやろうか」

妹「見抜き?」

兄「何でもない」

妹「くーくー……」

兄「寝るの早いな……」

妹「すやすや……」

兄「メンタル強いなぁこいつ。見習わないとな」

妹「……お父さ……母さ……」

兄「……ん?」

妹「……ぐすっ……お父…さん……」

兄「……」

妹「……すーすー……ぐすん……」

兄「……妹……」

チュンチュン

妹「兄さん、朝です」

兄「うそだ……真っ暗じゃないか……グゴゴゴ」

妹「窓がないから仕方ないです……電気つけます」パチ

兄「ギャース」

妹「おはようございます、兄さん」

兄「うぅ……今日からいよいよ使用人人生が始まるのか」

妹「そうですよ、ほら起きてっ」

兄「なぁ、お前……」

妹「何ですか?」

兄「いや、何でもない」

妹「途中で止められると気になるから言ってください」

兄「何でもないってば」

妹「ダメです、はーやーくー!」

兄「……お前、寝るときブラジャーしないんだな」

妹「……っっ!」

兄「悪いな、胸元開いてたから」

妹「……先っちょまで見えました?」

兄「うん」

妹「両胸?」

兄「うん」

妹「コォオオオ……」

兄「なぜ空手の呼吸法を」

妹「……すぐに分かりますよっ!」

兄「いででで……」

妹「ふんっ」

兄「殴るなんて良くないぞ」

妹「私の胸をチラ見したのが悪いんですっ」

兄「見えたもんはしかたないだろ……」

妹「うぅ……だから相部屋嫌だったんです」

執事「朝から騒々しいな」

兄「あ、おはようございます」

妹「おはようございます」

執事「顔が腫れてるがどうした?」

妹「虫歯が痛むようです」

兄「お前よくもいけしゃあしゃあと」

執事「ふむ、虫歯は早めのケアが重要だぞ」

兄「はぁ」

妹「ところで、仕事は何をすればよろしいんでしょうか」

執事「うむ、妹のほうはこれに着替えるように」

兄「……メイド服?」

執事「主に掃除などの雑用だが、そのうち来客にお茶を出してもらうこともある」

妹「はい」

執事「私より先輩のメイドに聞くのがはやかろう。雑務室で待ってるはずだ」

妹「わかりました。それじゃ兄さん」

兄「頑張ってこいよ」

執事「さて、お前のほうは…」

兄「執事かぁ、その服カッコいいと思ってたんですよ」

執事「いや、お前はこれに着替えてくれ」バサァ

兄「なんで執事がえんじ色のジャージに」

執事「お前は庭の草むしりを頼む」

兄「えー!」

執事「何か不満か?」

兄「まさしく下働きじゃないですか」

執事「そのとおりすぎて返事のしようもないぞ」

兄「執事がいいです」

執事「いいからはよ行ってこんか!」

兄「ひぎぃっ」

ミーンミーンミーン

兄「……」ブチブチブチ

ミーンミーンミーン

兄「あっちぃ……真夏だ」ブチブチブチ

ミーンミーンミーン

兄「くっそー……なんで俺一人なんだよ」ブチブチブチ

ミーンミーンミーン

兄「俺の他は全く男手がないってことか、ちくしょう」ブチブチブチ

兄「はぁ……ようやく1/10くらいは済んだか」

妹「兄さん」

兄「この声は」

妹「兄さん、頑張ってますか?」

兄「あぁ……なんとか……って」

妹「えへへへ……似合いますか?」

兄「似合いすぎて、そういう店に来たかと思った」

妹「ちょっぴり恥ずかしいです、この格好」

兄「むぅ……メイド喫茶が需要あるのもわかる気がするよ」

妹「汗だくですね、冷たい麦茶をどうぞ」

兄「こりゃありがたい」ゴクゴク

兄「ぷはー、ごちそうさん」

妹「いーえ」

兄「いいのか勝手にこんなことして」

妹「麦茶は、執事さんが持っていけって言ったんですよ」

兄「ほほぅ、いいとこあるじゃないかあの男にも」

妹「私は甘やかしたらダメですと言ったんですが」

兄「お前鬼か」

メイド「あはは、面白いねぇ」
兄「ど、どちらさまですか?」

妹「私の先輩メイドさんです」

メイド「よろしこー」

兄「よ、よろしく……です」

メイド「あははは、別に私に敬語はいらないから」

兄「なんかやけにさばけた人だな」

妹「もう2年もこのお屋敷で働いてるそうですよ」

メイド「まぁ長いだけだけどね」

兄「えーと、昨日からこちらでお世話になってます。兄と妹です」

メイド「うんうん、聞いてるよー」

メイド「なんか今時住み込みで働く苦労人だって」

兄「あ、あははは……」

妹「メイドさんは通いなんですか?」

メイド「私はこの村の人間だから」

兄「なるほど、ここは村だったのか」

妹「山の中の村ですよ、何を今さら」

メイド「こんなところに住むなんて変わった金持ちだよねぇ」

メイド「ま、わからないことがあったら何でも聞いてねっ」

兄「はい」

妹「よろしくお願いします」

メイド「んじゃ行こっか。次は二階の掃除だよー」

妹「はいっ」

兄「楽しそうだなぁ……やっぱ仕事って人間関係だな」

執事「なんだ、まだこれしか終わってないのか。早くしろ。はよはよ」

兄「こっちはこのツンデレ執事しかいねぇのかよ」

兄「はぁはぁ……」

執事「うーん……半分も終わってないが」

兄「こんな広いの無理ですよ」

執事「なせばなる。為さねばならん」

兄「そんな根性論今時はやらないって」

執事「生意気な奴だな……見ててやるから早くしろ」

兄「さては自分の仕事なくて暇なんだろ」

執事「」ギク

兄「図星だな」

執事「まぁ今日はこのくらいにしておこう」

兄「た、助かったぁ」

執事「日が高くなってきたからな……続きは明日だ」

兄「今日はこれで終わりですか?」

執事「何を寝ぼけたことを。午後は屋敷の窓拭きだ」

兄「げろげろ」

執事「ぞうきんとかっぱきはメイドに用意させておくからな」

兄「かっぱきってなんですか?」

執事「プププ」

兄「ちゃんと教えて下さいよ……」

メイド「お疲れさま」

兄「午前中でくたくたです」

メイド「あはは、初日はそんなもんだよ」

兄「くんくん……いい匂いがする」

メイド「お昼ごはん食べるでしょ?」

兄「当然です」

メイド「座って座ってー今日は私が作ったんだよ」

兄「ゴチになります」

メイド「美味しい?」

兄「うまいです……グァッグァッグァッ」

メイド「そ、そんなに掻きこまなくても誰も取らないよ……はいおかわり」

兄「もぐもぐ……うまいっ」

メイド「ふふっ、見てて気持ちいい食べ方だね」

兄「重労働だったもので」

メイド「ま、そんなに美味しそうに食べてくれると作ったほうも嬉しいよ」

兄「毎日食べたいくらいです。朝も夜も」

メイド「私、口説かれてるのかな……?」

兄「そ、そんなつもりじゃ」

メイド「くっくっく、冗談だよー」

兄「はぁ……」

兄「そういや妹は」

メイド「あー……ごはん食べたらまたすぐ掃除に行ったみたい」

兄「張り切ってるなぁ」

メイド「休むのも仕事のうちなんだけどね」

兄「まったくもってそのとおりです」

メイド「あははっ若いっていいよねぇ」

兄「メイドさんはいくつなんですか?」

メイド「んー……兄君とそんなに変わらないよ」

兄「そうなんですか」

メイド「さぁ?」

兄「ちょっと」

メイド「いいじゃん別に、私の年齢なんてさ」

メイド「さ、それじゃ仕事仕事」

兄「ごちそうさまでした」

メイド「今お皿洗ったら、窓拭きの道具取りにいこうね」

兄「そーいや午後から窓拭きだったか……」

メイド「愚痴らないの」

兄「はいはい、頑張ります」

兄「これがかっぱきですか」

メイド「呼び方はいろいろあるみたいだけどね」

兄「車のワイパーみたい」

メイド「うんうん、そんなところかな」

兄「で、これをどうやって使うんですか?」

メイド「あ……もしかしてやったことない?」

兄「この前まで一般高校生だったもので」

メイド「しかたないなぁ……使い方教えてあげるよ」

兄「お願いします」

メイド「脚立押さえててね」

メイド「うんしょ……っと」

兄「(おぉ……スカートの中が)」

メイド「これをこうして……窓にスジが残らないようにね」スーッ

兄「スジが見えてます」

メイド「え?どこ?」

兄「いや、気のせいでした。もう一回お願いします」

メイド「そっか……それじゃちゃんと見てね」スーッ

兄「(うぉお……白か……でもお尻のところにプリントが)」

メイド「あんまり力を入れると駄目なの……ちゃんと見てる?」

兄「見てます(猫か……結構子供っぽいパンツ履いてるな)」

メイド「ぐらぐらするから、もっとしっかり押さえててよー!」

兄「だがそれがいいっ!」

妹「……兄さん」

兄「や、やぁ」

メイド「あら妹ちゃん。今行くから待ってて」

妹「今何を見てました?」

兄「」ギク

妹「今何を見てました?」

兄「大事なことなので二回言いました」

妹「……ここからだとよく見えますね」

兄「な、何がかな」

妹「兄さんが私の寝顔に欲情する変態なのは知ってましたがここまでとは」

兄「待て、それは誤解だ」

妹「兄さんのドスケベッ!えっち!へんたーい!」

兄「で、でかい声だすなって」

妹「見損ないましたっ!地を張ってた兄さんの株が地底奥深くに埋まりましたっ!」

メイド「ど、どうしたの一体……」

奥様「……何の騒ぎですか?」

メイド「あ、奥様……」

妹「す、すみません」

兄「ちょっとした誤解が生じてまして」

奥様「仕事は粛々と着実に。品のない大声を出さないでください」

兄「そうだそうだ」

妹「すみません……」ギロッ

奥様「全く……我が家の使用人がこれでは家督に傷が付きます。以後品格の無い行動は慎みなさい」

兄「はい、お母様」

奥様「私はあなたのお母様ではありませんっ!だいたいあなたは……」

メイド「これは長くなるわー……」

兄「ふぅ」

メイド「たっぷり一時間しぼられたわね……」

妹「ご、ごめんなさい」

兄「ったく、お前のせいだぞ」

妹「最後に火をつけたのは兄さんですっ」

兄「あ、お前は人のせいにする気か」

妹「知りませんっ」

メイド「あははは、じゃ続きやろっか皆で」

妹「兄さんが上ですからねっ」

兄「ちっ……」

兄「意外と時間かかるなぁ」

メイド「今日は他にたいして仕事もないし、大丈夫だよ」

兄「他にどんなことしてるんです?」

メイド「うーん……お客様が来たら対応しなきゃいけないし」

兄「なるほど」

妹「兄さんのユニフォームじゃお出迎えできませんね」

兄「なにおう」

メイド「今時そんなジャージあるんだね」

兄「ちょっとひどいよな、これ」

妹「でも似合ってますよ?」

兄「お前にも貸してやろうか」

妹「いいです」

お嬢様「ただいま」

メイド「あ、お帰りなさいませお嬢様」

妹「お帰りなさいませ」

兄「おかー……えりなさいませ」

お嬢様「……皆で何してるの?」

兄「窓拭きです」キュッキュ

お嬢様「そうなんだ……楽しそう」

兄「ちっとも楽しくないです」キュッキュ

妹「兄さんっ!もう」

お嬢様「くすくす……正直だね……」

お嬢様「ね、それ何時に終わるの?」

兄「うーん……多分今日中には終わらないかと」

メイド「全部やろうと思ったら3日くらいはかかるかもね」

兄「らしいので、キリのいいところで止めると思います」

お嬢様「そっか……ねぇ」

兄「はい?」

お嬢様「終わったら、私の部屋に来てほしいの」

兄「なんと」

妹「お、お嬢様っ……いけません」

お嬢様「どうして?」

妹「わ、私達は使用人ですから立場が違います。おいそれとお嬢様の部屋に入る訳にはいきません」

お嬢様「私がお願いしても駄目なの……?」

妹「に、兄さんは1日仕事してバッチいですから、部屋に入れないほうがいいです」

お嬢様「それじゃあ、お風呂入ってから来ればいい」

兄「なんか誤解されそうな発言だな」

妹「兄さんからも言ってくださいっ」

お嬢様「………」

兄「えーっと……」

お嬢様「だめ……?お話したいの……」

兄「ウォオ……これを断れる奴が果たして世界に何人いるだろうか」

お嬢様「じゃ、待ってるね……」スタスタ

兄「あっ……」

妹「兄さんっ」

兄「な、何?」

妹「私達は使用人なんですよっ」

兄「それは分かってるけど」

妹「お嬢様の友達じゃないんですっ!私達は奉公しにきてるんですよ」

兄「分かってるってば」

妹「分かってないですっ」

メイド「ま、まぁまぁ落ち着いて」

妹「メ、メイドさんもそう思いますよね」

メイド「うーん……ちょっとくらいいいんじゃないの?」

兄「ですよねー」

妹「兄さんは黙っててくださいっ」

兄「どうどう」

メイド「お嬢様、兄くんに興味あるんだよきっと」

妹「え……」

メイド「今まで兄くんみたいな若い男の子が働いたことなんて無かったし」

兄「なるほど……」

メイド「一人っ子だし、兄くんみたいなお兄さんが欲しかったのかもね」

妹「……」

メイド「ま、奥様にバレないならっていう前提だけど」

兄「ふむふむ……」

メイド「バレたら首だよね、きっと」

兄「そ、それは困るな」

妹「そうですっ」

メイド「あんまりお友達連れてこれるような家じゃないから、お嬢様に味方してあげたいけど……」

兄「……」

奥様「ちょっと」

メイド「は、はいっ」

奥様「私はちょっと出ますから、あとのことは執事に」

メイド「か、かしこまりました……」

兄「行ってらっしゃいませお母……奥様」

メイド「……」

兄「……」

妹「……」

メイド「行っちゃったね」

兄「はぁ」

妹「うぅ……最後の防御壁が」

兄「いい加減兄貴離れしろよ」キリッ

妹「むかっ」

メイド「あはは、仲良しだね二人」

兄「長い付き合いですから」

妹「ふんっ……兄さんの好きにすればいいです」

兄「どういう風のふきまわしだ」

妹「別に……別に、少しくらい兄さんを貸してあげてもいいと思っただけです」

メイド「優しいね」

兄「その優しさをなぜ兄貴にも向けられないのか」

メイド「じゃ、片付けよっか。だいぶはかどったし」

兄「はーい」

妹「……」

兄「そんなにむくれるなよ」

妹「ふんっ」

メイド「あらら、妹ちゃんは兄くんが大好きなのねー」

妹「か、からかわないでください」

兄「ちゃんと夕飯前に戻るから心配するな」

妹「心配なんかしてないですー!」

ほれ

保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内
保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内


       \  ウホッ!  /⌒!|  =彳o。ト ̄ヽ     '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ /
        \    ! ハ!|  ー─ '  i  !    `'   '' "   ||ヽ ./
   | ̄ ̄ ̄  \  | | /ヽ!        |            |./ヽ/-、,,_,, _,,
   |           \ ヽ  |        _   ,、            /,/       ヽ、
   /    ̄ ̄ ̄ ̄ \\ !         '-゙ ‐ ゙       //  .        \
  /    やらないか  \     ∧∧∧∧∧     // ,!   | | ト,       ゙、
 /              /\  <     い >   /,,イ ./|!  .リ | リ ! .|! | ト|ト}
/             /  /\ <  予    > / //ノノ  //゙ ノ'////|.リ/
           /    /   <     い >  ´彡'゙,∠-‐一彡〃 ト.、,,,,,,,,,,,レ゙
―――――――――――――<  感    > 二ニ-‐'''"´      /`二、゙゙7
    ,, - ―- 、         <  !  男  > ,,ァ''7;伝 `        {.7ぎ゙`7゙
  ,. '" _,,. -…;   ヽ       <     の >   ゞ‐゙''  ,. ,. ,.   l`'''゙" ,'
  (i'"((´  __ 〈    }      / ∨∨∨∨∨ \.   〃〃"     !   |
  |__ r=_ニニ`ヽfハ  }     /_,,._,,.....、、..、、、,,_   \        (....、 ,ノ  !
  ヾ|!   ┴’  }|トi  }    /゙´         .},   \       `'゙´  ,'
    |! ,,_      {'  }   /       ,.ァぃぐ 意外に .\ ー--===ァ   /    す
   「´r__ァ   ./ 彡ハ、 /    ァ')'゙⌒´  'リヽ, 早いん | \ _ _   ./  大 ご
    ヽ ‐'  /   "'ヽ/    ヾ、  ,.、=ニテ‐゙レ だな  l  \` ̄   ,/   き く
     ヽ__,.. ' /     / .     〉 '" /{!  .\      〉  | \   ./    い  :
     /⌒`  ̄ `   / ,r‐-、  /     ̄´     `i.  /ミlii;y′  \/    で
腹ン中パンパンだぜ / .| !`ト,jィ .`、       - 人 ./;jl髭'     \    す

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄
  バン    はよ
バン(∩`・д・) バン  はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
 ̄ ̄\/___/
    ドゴォォォォン!!
        ; '     ;
     \,,(' ⌒`;;)
   !!,' (;; (´・:;⌒)/
  ∧_∧(;. (´⌒` ,;) ) ’
Σ(* ・ω・)((´:,(’ ,; ;'),`
 ⊂ヽ ⊂ ) / ̄ ̄ ̄/
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