唯「桜が丘精神病院女子患者隔離病棟けいおん部!」 (83)

『……だ。……から。……君とは……もう』

唯「うーん、う~ん・・・」

唯「はっ!」ぱちっ

唯「あっれ・・・夢?」むくっ

ギシッ

唯「・・・えっ?」ギシッ

唯「ここ、どこ?」キョロキョロ

唯「どうして私、ベッドに縛られてるの!?」

ギシッミシッ

唯「嘘っ!?なにこれぇ!?」ばたばたばたばた

ギシッミシッ

唯「何!?何なのこれっ!?」ギシギシ

唯「どうして!?どうしてこんな・・・っ!?」ばたばた

唯「・・・あっ」ぱたっ

唯「もしかして、ここ・・・」

唯「病院?」

唯「嘘っ!?なにこれぇ!?」ばたばたばたばた

俺「あばれんなよ」

ギシッミシッ

唯「何!?何なのこれっ!?」ギシギシ

俺「初めてなのか?」

唯「どうして!?どうしてこんな・・・っ!?」ばたばた

俺「唯ちゃんが可愛いからだよ」

唯「・・・あっ」ぱたっ

俺「そんなに気持ちよかったのかよwww」

唯「もしかして、ここ・・・」

唯「病院?」

唯(私は平沢唯。そこそこ売れてる歌手だ。ロックンロール!)

唯(それでも、最近は売れ行きも伸び悩んじゃって、ちょっと病んでるかも)

唯(不眠気味になってしまった私は、生まれて初めて病院から『睡眠薬』を処方してもらった)

唯(効果は・・・あまり効かなかった気がする)

唯(酔い潰れるまでお酒を飲んだほうが、まだ眠れるってもんだよ)

唯(そして、昨日の夜)

唯(私は泥酔して、お酒と家にあった睡眠薬を全部飲んだんだ)

唯「あんまり憶えてないなぁ・・・」

唯(記憶があいまいだけど、お酒と睡眠薬を飲んだ事は確かだと思う)

唯(そして、たぶんここは・・・病院だ)

唯「あ、あの~?だ、誰か居ませんか~?」キョロキョロ

唯「ううっ、恐いよぉ。早くこのベルト外してよぉ」ぐすっ

唯「ナースコール、ナースコール無いの?」もぞもぞ

唯(ベッドの枕元に目をやりましたが、スイッチのような物は見当たらない)

唯「だ、誰かぁ・・・」ぐすん

コンコン

唯「ひっ!」ビクッ

『入りますよ、平沢さん』

唯「えうっ、は、はい・・・」

ガチャ

「目が覚めたんですね」

唯「あ、はい」

唯(ナース服を着たお姉さんが入ってきました。やっぱりここは病院みたい)

唯「あ、あの、私は・・・」

「平沢さん。記憶に残っている事を答えてください」

唯「へ?え、えと、お酒と睡眠薬を飲んだ事、ですか?」

「そうですね。そのようです。」

唯「あのぉ、このベルト外してもらえません?何だか苦しくって。それと、ここは病院ですよね?どこの病院ですか?」

「外せません。ここがどこかもお答えしかねます」

唯「・・・えっ?」

「規則ですので、最低24時間はこのまま経過を観察します」

唯「ちょ、ちょっと!?何ですかそれっ!私、私患者ですよね!?」

「ええ。そうですよ。平沢さんには治療が必要なんです」

唯「治療って・・・何の治療ですか!?もう目は覚めたんだから、家に帰してください!!」

「出来ません」

唯「何でですかっ!!」

「ここは精神科です」

唯「・・・精神科?」

「あなたは心の病気なんですよ。しばらくは入院による治療が望ましい」

唯「う、嘘でしょ!?それは、最近ちょっと病んでるっぽかったけどっ!精神科なんて!?」

「これは医師の決定ですので、医師が認めない限りは拘束は外せませんし、ここの所在地もお教え出来ません」

唯「・・・そんなぁ」

「私は看護師長の真鍋和といいます」

唯「・・・真鍋さん。私もう大丈夫だから解いてください」

和「私は医師でないので、患者の治療方針を決定出来ません」

唯「家に帰してっ!」

和「治れば帰れますよ。それでは」

唯「あ、ちょっと!?ねえ待って・・・!」

スタスタスタスタ

バタン

唯「・・・嘘でしょう?」

唯(その後、本当に24時間以上もあのベッドの上で縛られたままだった・・・)

唯(あっちのが病気になっちゃうよ・・・)

唯「それで、私は大丈夫なんですよね?」

医者「うーん、入院しよっか?」

唯「どうしてですかあ!?」

医者「いやぁ、拘束はもうしなくて良さそうだけど、自分が大丈夫だと思ってるんだよね、平沢さんは?」

唯「そ、それはそうです!ただちょっと酔っ払って、間違って睡眠薬飲んだだけなのに・・・」

医者「うーん、そう思ってるうちは出してあげられないなぁ」

唯「そんな・・・」

医者「取り敢えずベッド空いてるから、入院ね。相部屋の人とも仲良くねー」

唯「・・・はい」

純「では平沢さん!お部屋案内しますね~」

唯「あ、はい。えっと?」

純「看護師の鈴木純です!困ったことがあったら何でも聞いてくださいね」

唯「あー、はい。えっと、相部屋なんですよね?」

純「そうですよー。個室が必要なのは突発的な暴力の心配がある患者さんとか、超リッチな患者さんだけです」

唯「そうですか。それで、私の相部屋の人はどんな人ですか?」

純「うーん、そんなに癖のある人ではないですよ?普通に生活してる分には」

唯「・・・。」

純「失礼しまーす」ガチャ

唯(病室のドアが不自然に分厚い・・・)

紬「あら純ちゃん。そちらの方は?」

純「今日から相部屋になる平沢さんです。平沢さん。こちら、琴吹さん」

唯「ど、どうぞよろしくお願いします。平沢唯です」

紬「はじめまして♪琴吹紬です!」

純「それじゃ平沢さん。あと15分で晩ご飯の時間だから、適当に荷物置いたら食堂まで来てください」

唯「荷物って・・・」

唯(支給された歯ブラシくらいしか無いじゃんか)

純「それではー」

バタン

唯「はぁ、でもようやくご飯が食べられるよぉ。琴吹さん、ここのご飯って美味しいんですか?」

紬「名前なら紬でいいわよ?」

唯「それじゃあ、私も唯で!」

紬「そして、ご飯についてはよく知らないの。私、摂食障害で入院してるからご飯はみんなと別のを食べないといけないから」

唯「あっ・・・そう、なんだ・・・」

紬「唯ちゃんはどうして入院を?」

唯「あ、えっと・・・医者はオーバードーズって言ってました」

紬「薬物過剰摂取ね。ここでは結構多いわよ」

唯「そうなんだ・・・」

紬「麻薬か何か?」

唯「ち、違うよぉ!睡眠薬とお酒飲んだだけっ!」

紬「なーんだ。それなら早く出られるかもしれないわね」

唯「そうなの?」

紬「それ位なら、2週間ってとこかしら?」

唯「・・・2週間かぁ」

紬「私の経験上、そんなところね!」ふんす

唯「・・・紬さんは、もう入院して長いんですか?」

紬「んー?入退院を繰り返しちゃってるから、5年位かな?」

唯「ごっ!!?」

コンコン

純『平沢さーん?ご飯食べないんですかー?』

唯「あ、食べます!食べたいですっ!」

紬「それじゃあ行ってらっしゃい唯ちゃん♪」

唯「あ、えっと、はい・・・」

唯(5年も精神科の隔離施設に居る人かぁ・・・)

唯(ちょっと恐いなぁ)

(だれかみてるひといるのこれ?)

【食堂】

唯「これが・・・ご飯?」

純「箸とかフォークは使えないので、カップに入ったお粥をそのまま飲んでください!」

唯「・・・べちょべちょ」

純「慣れれば美味しいらしいですよ?」

唯「嘘でしょ、それ」

純「あ、やっぱりわかります?」

唯「ううっ、ご飯期待してたのにぃ」ゾルゾル

唯「まずい・・・」ゾルゾル

律「お?」

律「こーんちは!」

唯「あ、はい・・・」

律「見ない顔だけど、新しい人?」

唯「うん。今日から入院だよー」

律「そっかー。メシ不味いっしょ?」

唯「すっごい不味いね!毎日これなの?」ゾルゾル

律「3色それだぜぇ?お菓子も食えるんだけど、月に3000円分まで。マジ刑務所より酷いんじゃねーかな?」

唯「うえー。耐えられないよぉそんなの・・・」

律「私、律!ODだよ」

唯「私は平沢唯。えっと・・・私もオーバードーズ」

律「マジで?おんなじじゃん♪」

唯「えへへー、ここOD多いらしいね」

律「うん。麻薬覚せい剤が親バレしたJCJKが結構ブチ込まれてるよ」

唯「うわぁ、ハードな人たちだなぁ」

唯(まぁ、私の仕事でも何人か知り合いに居るけどね)

律「酷いのから軽いのまで様々だよーここは」

唯「ヤバイ人とか、いる?」

律「ああ、いる。今のうち教えとくな」

唯「うはー!りっちゃんマジでいい人っ!」ニコニコ

律「だーれがりっちゃんだよっ!」

律「まあいいや。あっち見てみな」

唯「?」

さわ子「~~~~ブツブツ~~~~ブツブツ」

律「あいつは山中さわ子。躁鬱で気分の浮き沈みが激しくて、ねちっこい。
目の敵にされるとしつこく絡んで来るんだ。テキトーにシカトしとけ。話かけられたら相槌だけ打ってすぐ逃げろ」

唯「うんっ!」

律「あとは・・・あいつもヤバイ」


梓「ね?いいでしょ純!ね?ね?」カクカクカクカク

純「はいはい落ち着いてねー梓。ご飯食べたら病室戻る!ほらっ!」


律「ガチレズ色情魔の中野梓。病名は知らね。ともかく常に誰かとレズセックスする事しか考えてねーんだ」

唯「うわぁ、酷いねぇ」

律「前はルームメイトとよろしくしてたんだけど、今そいつが退院して一人部屋なんだ」

唯「溜まってんじゃん!近づかないようにするよお」

律「あとは・・・いっぱいいるけど、おいおい憶えてけばいいよ。ガチでヤバイのは目え見ればわかるし」

唯「うん。気をつけるよ!ありがとりっちゃん」

律「お前、今後も私をあだ名で呼ぶ気だろ?」

唯「えへへ~」

律「ま、いいか。メシ食っちまおうぜー」

唯「あはは、不味いけど食べないとお腹空くもんね」

憂「あ、私も同席いいですか?」

律「お、憂ちゃんじゃんか」

唯「こちらは?」

律「憂ちゃんだ。たまにしか病室から出て来ないんだけど、今日は具合良さそうだね」

憂「はい。今日は出ても平気そうだったので、食堂まで来ました。
はじめまして、平沢憂です」

唯「あれ?平沢?私も平沢だよー。唯って呼んで!」

律「あー、そういや同じ苗字だな」

唯「珍しい苗字じゃないけど、カブるのはあんまり無いかなー」

律「背格好も似てるし、実は姉妹だったりして?」

憂「・・・・・・お姉ちゃん?」

唯「えっ?」

憂「唯さんは私のお姉ちゃんですか?」

唯「え、いや、違うけど・・・」

律「やべっ!」

憂「お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃんっ!」ぎゅっ

唯「へっ!?な、何この子!?」

憂「お姉ちゃんっ!私のお姉ちゃん、はじめまして♪お姉ちゃんお姉ちゃんっ!」ぎゅっ

唯「ちょっ、離してよっ!なんなの!?」

律「憂ちゃん!落ち着こう、な?」

憂「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん!」スリスリ

唯「りっちゃん、どうしてくれんのこれ?」

律「いや、こんななるとは思わねえし」

唯「この平沢さんはなんて病気なの?」

律「ボーダー。境界性人格障害をこじらせてるかんじ」

唯「そんな子になんでそんな事を言うかなぁ?」

律「ごめんって!普段は大人しい子だから忘れてたんだよっ!」

憂「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん」スリスリ

和「平沢憂さん。そっちの平沢唯さんはあなたの姉ではありませんよ」

唯(うっ、あのナースだ・・・)

憂「あ、和ちゃん?」

和「あなたにお姉さんはいません」

憂「えっ?」ぱっ

唯(お、開放された!)

憂「じゃあ、和ちゃんが私のお姉ちゃん?」

和「違うわよ。あなたは一人っ子でしょ?」

憂「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんっ!」スリスリ

和「はぁ・・・平沢憂さん。お部屋に戻りましょうか?」ズルズル

憂「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん」スリスリ

唯「・・・凄まじい子だったね」

律「いやー、普段はいい子なんだぜ?」

唯「りっちゃんもお姉ちゃんになってから言えばいいんだ、そんな事っ!」

律「だから悪かったって!」

律「お詫びに一本おごるよ。まだ持ち込み禁止されてんだろ?」スッ(タバコ)

唯「りっちゃん大好きー!」ぎゅっ

律「おわっ!?」

【喫煙室】

唯「ぷはー!生き返る~!」すぱー

律「買い物が出来る曜日は決められてんだ。その時にリストに書いた物だけが買ってきてもらえる」すぱー

唯「ふー、それじゃあ私はあと何日もタバコ吸えなかったんだねぇ」

律「吸える時間と本数も決められてるけどな。1日朝夕2回、それぞれ2本まで」

唯「うわっ、キツいかも・・・」すぱー

律「私はもともとそん位だったから、そうでもないけどなー」すぱー

唯「じゃありっちゃんお願いっ!もう一本恵んでっ!」すぱー

律「しゃーねえなぁ。あとで返せよ?」ひょい

唯「はぁ~。りっちゃんマジ天使だよー」シュボ すぱー

律「喫煙室の天使か。すごく薄汚れてそうだな」すぱー

ガチャ

さわ子「~~ブツブツブツブツ」のそっ

律「げっ」

唯「・・・りっちゃん」ボソ

律「ああ、2本目に火を付けたとこ悪いが、諦めろ」ボソ

唯「ううっ、残念だなぁ」すーーーー

唯「ぷはぁ!」ぶはー

さわ子「・・・なにすんのよっ!!!」カッ

唯「へっ!?」ビクッ

さわ子「イマッ!!私ニッ!!タバコの煙ヲ吹かけたデショッ!!!」ガタッ

唯「えぇ~~っ!?」

唯「喫煙室何だからしょうがないよぉ」

律「バカっ!反論すんな!」ボソ

さわ子「キィ~~ッ!!!何よアンタはっ!!!バカの癖にっ!!!」

唯「バカぁ!?」

律「おい、いいから行くぞ。相手すんな!」

唯「やだよ!もうこうなったらこの一本吸うまで帰らないもん!!」すぱー

律「やめろって!かかわるなっ!」

唯「ていうか、りっちゃんもさっき何気に私にバカって言った!!」

律「私?言ってねえって」

唯「言ったもん!言った!!」

律「ああっもう!勝手にしろ!!」

唯「ぐぬぬぬぬぬぬ!!」

さわ子「キィイイイイイイイイッ!!」

律「もうどうなっても知ーらね!私は逃げる!」ぴゅーん

風呂

ガッシボカッ

さわ子「ぐぇえっ!」ドサッ

唯「ふんすっ!ロッカー舐めんな!」

さわ子「うぇえええん!!うぇええん!殴ったぁ!こいつ私を殴ったぁ!」びぇぇ

唯「えっ?えっ?」

さわ子「うわぁああん!お父さーん!お母さーん!!」びーびー

唯「ちょ、ちょっと、山中さん?だっけ?」

さわ子「やだー!やだぁ!こんなとこやだー!おうち帰りたいー!!」びぇぇん

唯「うっわ、どうしようこれ・・・?」

澪「お、おい、どうしたんだ!?」

唯(やばっ!人に見られたっ!)ドキッ

澪「えっ?山中さん・・・?」

さわ子「うわああん!うえっ、ひっく、こいつが私の事ブったぁ・・・!」グスグス

唯「あー、えっと、いや、こいつが私に絡んできて」

澪「まったく。律があわてて部屋に帰って来たと思ったらこれだ」

唯「えっ?りっちゃん?」

澪「私は秋山澪。律のルームメイトだよ」

唯「そ、そっか。それでこの場所に・・・あ、私平沢唯です」

澪「そっか、平沢さん」

さわ子「うえーん!うわーああん!!」ビィビィ

澪「これ、マズイ事になるかもしれない」

唯「えっ?」

さわ子「い、言いつけてやるぅ!先生に言いつけてやるー!!」ダッ

唯「はぁ!?そっちがふっかけて来たんじゃん!!」

さわ子「うぇ~~~~ん!!」タッタッタッ

唯「まったくもう、なんなんだよ」ぷんすか

澪「先生に言いつける、か」

唯「子供じゃないんだから、ねえ?」

澪「いや、この場合の先生は医者の先生の事だよ」

唯「・・・へっ?」

澪「・・・拘束室行きかもしれないよ、平沢さん」

唯「こ、拘束って、またぁ!?」

唯「・・・ただいまぁ」

紬「あら、遅かったわね」

唯「ムギちゃーん。私、また拘束されちゃうかもしれない」

紬「ムギちゃん?」

唯「うん。紬だからムギちゃん」

紬「ふふ♪素敵なあだ名ね。
それで、どうして拘束されちゃうの?唯ちゃん鬱とか脅迫も入ってるの?」

唯「そうじゃないよぉ。私、喫煙室で絡んできた山中さんをぶっ飛ばしちゃって」

紬「あらあら、初日からやっちゃったわねぇ」

強迫です

唯「あんなキチガイに舐められてたまるか!って思ったら張り切っちゃったよ~」

紬「それで、ついやり過ぎちゃったのね?」

唯「ううっ、今さら謝っても許してくれないよねぇ?」

紬「まあ、こんな場所だもの。人間関係の行き違いで事件が起きるのはしょっちゅうよ」

唯「それで拘束室は嫌だよぉ。私、絡まれたから相手しただけなのに・・・」

紬「それはそうなんだけど、唯ちゃん?あなたは一つだけ認識が間違ってる事があるのよ?」

唯「認識?何が?」

紬「唯ちゃんはさっき山中さんをキチガイって言ってたわよね?」

唯「そうだよ。あんな絡みかたされたの初めてだったよー」

紬「でもね唯ちゃん。ここにいる人たちは、全員漏れなくキチガイなのよ?
あなたも私も、山中さんも」

唯「・・・。」

紬「キチガイ同士のケンカをお医者様は差別しないで判断するわ」

唯「キチガイ・・・」

紬「だから、きっと唯ちゃんは拘束室行きになるわね」

【24時間後】

唯「ううっ、お腹空いたよぉ。点滴はもうやだぁ~!」

医者「それじゃあ、今後は山中さんに絡まれても逃げるかどうかして、その後にナースステーションに報告するようにね?」

唯「はい・・・すみませんでした・・・」シュン

唯「ううっ、少しは大人しくしないとなぁ」とぼとぼ

律「よ。おつとめご苦労さん」

唯「あ、りっちゃん!」

律「この前はバックレて悪かったな。まさか本気でケンカになるとは思わねえからさ」

唯「いいいもう。そうだ、秋山さんにもお礼言っておいてよ。心配して喫煙室まで来てくれたみたいだから」

律「ああ、言っておくよ。今度からは山中には近づくなよ?」

唯「うん・・・りっちゃんのアドバイス聞いておけばよかったね」

律「関わっても得なんてねえんだからさ」

唯「そだね。とりあえず、お部屋戻ってみるよ」

律「うん。じゃ、またメシの時間にでも」

唯「じゃあねー!」

ガチャ

唯「ただいまー」

紬「お疲れさま。お腹空いてない?」

唯「めちゃくちゃ空いたよ~!」

紬「そう思って、唯ちゃんの分の『買い出しリスト』捏造して、お菓子買っておいたわよ?」

唯「マジで!?て言うか、買い出しの日昨日だったんだ!?」

紬「うん。拘束室にいる間は買い出しリストも出せないから、勝手にリスト書いちゃった」

唯「ありがとうムギちゃん!私、お菓子ないと死んじゃうから助かるよぉ!」ぱぁぁ

紬「そう、良かったわ♪」

クワイエットルームにようこそ

唯「チョコレートチョコレート~♪」もぐもぐ

唯「うんっ!あまーい!」ぱぁぁ

紬「・・・。」

唯「あ、ムギちゃんも食べる?」

紬「・・・ううん。私は食べられないから」

唯「あっ!ご、ごめんね?」

紬「いいのよ、気にしないで?」

唯「う、うん・・・」ゴソッ

唯(うっかりしてた。ムギちゃんは摂食障害だったんだ・・・)

>>73
バレたか
ほぼ丸パクリだからな

あの映画は漂う百合っぽさと独特の雰囲気が最高だった
バレたところで寝る

そのうちNIPあたりで続けよう

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