唯「憂ー、星がキレイだよー」
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~土曜の夜 平沢家ベランダ~
唯「ほらー」すっ
憂「わあぁ....スゴイね....」うっとり
唯「ベランダ涼しいし、
しばらくここに居ようよ~」
憂「うんっ!」
~数十分後~
唯「ほへ~......」じーっ
憂「すー.....すー.....」
唯「ん....?憂.....
こんな所で寝ちゃうなんて....」
唯「......いつも世話を
焼かせてごめんね.....」ナデナデ
憂「ん.......すぅ.....すぅ.....」
唯「ふふっ」
再び空を見上げる
唯「それにしても今夜の星空は
ホントにキレイだねぇ.....」うっとり
ギューーーーーーン
唯「あ.....あの星動いてる....流れ星?
すごいっ!お願い事しなきゃ!
何かテキトーに......えっとえっと....」
唯「えと.....アイス下さい!!
カミサマッ!」ぱんっ
唯(流れ星にお願い事するのにカミサマに
お願いしちゃった.......三回言うのも忘れた.....)
唯「これじゃ失敗だね....」チラ
ギュイィーーーーーーン
唯「あれ....消えてない.....?」
唯「すごぉい.....お願いし放題だね......」
ギュウゥーーーーーーーン
唯「.......」ぼへー
唯「まだ消えない......」
ギューーーーーーーン
唯「な....何だかこっちに来てる気が.....
う....憂ぃ....」ゆさゆさ
憂「ふが......おねぇひゃあん.....うへ....」
唯「憂ったら.....しょうがない子だね.....」
ギュウウウゥーーーーーーーン
唯「ああっ!?
どんどん大きくなってる!
こっちに向かって落ちてきてるよぉ!
憂っ!起きてぇ!」ゆっさゆっさ
憂「ふにゅ.....あん......ダメだよぉ.......」
唯「..........」
ギューーーーーーーンッ
唯「ひいいいいっ!?」ささっ
バチィインッ
流れ星は平沢家のベランダに落下し、
床を焦がした後に停止した
しゅううう..... パチパチパチ
唯「えええ~っ.....流れ星が.....
こんな事ってあるんだぁ.....」
シューーー....
唯「おえ...焦げ臭い....」トコトコ
唯は警戒しつつ落ちた流れ星に近付く
唯「......ゴクリ....」
(ちっちゃい.......確か流れ星って
落ちるまでには燃え尽きちゃうのが
ほとんどなんだっけ....)
唯(ということはこれって
すっごく珍しい物だよねっ!よし!
私の宝物にしよう!)ささっ
警戒心はどこへ行ったのか、
唯は流れ星を手に取ろうとする
チョンッ
唯「あちちっ.....」
唯「.......」ジロジロ
唯「ふむ....これが宇宙で
漂っていたんだね.....」
コロコロ
唯は手で流れ星を押さえ、
もっとよく観察しようとする
ザクッ
唯「あ"いたぁあッ!?」バッ
流れ星の表面はカミソリの刃の様な
鋭い凹凸が出来ていた
唯はその凹凸で指の腹を
大きく切ってしまう
ドクドクドクドク....
唯「あわわわっ.....血があっ!
血がこんなにいぃっ!」あたふた
唯「憂いいいいーー!
起きてー!!」ユサユサ
ドクドクドクドクッ....
憂「んん.....お姉ちゃん....」むくっ
憂「.....へ?何で私の服....
真っ赤なの....?」
唯「憂いいーー!
指を切ってしまいましたああーーー!
わあぁーーーーーん!」ボロボロ
憂「わあああぁッ!?
お姉ちゃーーん!?」
~数十秒後 リビング~
グルグルグルッ
憂「これで良しと.....はあ.....
びっくりした....」
唯「助かったよぉ憂.....」シクシク
憂「どうして切っちゃったの?」
唯「流れ星がね........
........
憂「流れ星?
流れ星が落ちてきたの!?」
唯「うん....ベランダに落ちてるよ~、
拾ってくるっ」すっ
憂「スゴイ......
珍しい事もあるものだね.....」
唯「あったあった!」ヒョイッ
唯は包帯の巻いてある指で
そっと流れ星を掴む
唯「ほら、これだよー 憂ー」
憂「わぁ......これが宇宙に.....」
唯「私の宝物にするよ!」
憂「宝物?
また怪我しないように気を付けてね?」
唯「だいじょーぶだいじょーぶ♪」
~深夜 ゆいのへや~
唯「っ....」ズキズキ
唯(切ったとこ痛いなぁ.....)
唯(....この指じゃギー太弾けないや.....
部活できない....お茶は飲めるけど....)
唯(月曜日までに治んないかなぁ.....)
唯(....治るワケないよね.....寝よっと....)
唯「ぐぅ......」
~早朝~
唯「.....」
唯(ずいぶん早く目が覚めたなぁ......)
唯(指......痛いや.....)ぽけー
痛みと寝起きでやつれている唯の顔を、
『誰か』が心配そうに覗いている
唯(ほぇ.......憂ぃ?)
唯(ん.....違うね......
憂はウサ耳なんて付いてないもん.....)
唯(へ......?じゃ......誰?)
必死に目を凝らす
全身水色、この時点で人間ではない
縦線の入ったロボットの様な目
顔と一体化した大きなマスク
体格は唯と同じくらいであり、
そのボディラインにはピンクの模様が
入っていて水色との
コントラストが美しい
特に目に付くのが頭に生えた
巨大な二本の角、
まるでウサギの耳の様だ
???『.....』じーっ
そいつはただ黙って唯を見つめている
唯(う........宇宙人.....?
ちょっとかわいい....)
唯(いつまで私の事見てるんだろ.....)
不思議と警戒心は湧かなかった
唯(もう一眠りしたいのにな.....
こんなに熱い眼差しを送られると
眠れないよ.....)
???『.....』スッ
唯(あ....?消えた....!)
唯(私寝ぼけてるのかなぁ.....)
唯(もっかい寝よ......)
~数時間後~
憂「おねーちゃーん そろそろ起きたらー?
もうご飯出来てるよー」
唯「いまいくよー 憂ぃー」ぐでー
~遅めの朝食~
唯「ヨーグルトが欲しいよぉ」
憂「えっと....あったかなぁ?」ガタッ
唯「......あれっ?」
テーブルにはヨーグルトのパックが
置かれていた
唯「憂ー あったよー♪」
憂「へっ?お姉ちゃんたらいつの間に
持ってきてたの?」
唯「憂が自分で持ってきてたの
忘れてたんだよー 多分っ♪」パカッ
憂「.....そうかなぁ?」
~朝食後~
唯「朝からお腹いっぱいだよ.....ふぅ」
憂「....洗濯物っと....」トコトコ
唯「なにしよっかなぁ~」
唯「ギー太は....弾けないや.....そうだった....」ごろんっ
唯「ふぃ~......」ごろごろっ
憂「.....ぅう~ん...」
憂は乾いた洗濯物をたくさん抱えている
憂「ふう....」どさどさっ
唯「あ、憂ー 私がたたんであげるよー」
憂「ホント?ありがとうお姉ちゃんっ♪」
唯「まかせてー」さっ
憂「それじゃあお部屋の
お掃除してくるね♪」
唯(働き者だねぇ憂.....)
唯「......」ぱたん ぱたん
唯「ふぅ....たたむのも大変だね.....」
唯「....おっ....」
唯は大きなバスタオルを見つける
唯「むっふん♪」ばっ
洗濯物を二枚たたんで疲れ果てた唯は
バスタオルにくるまって再び寝転がる
唯「ふむん.....
あったか.....落ち着くね~」ごろごろ
唯(はあ.....でもギー太が
弾けないとなるとなぁ...ユーウツだ...)
唯(今日の私は何かシゲキ的な
出来事を欲してるよ.....)
唯(なにか面白い事ないかなぁ~......)
唯「ん......?」
???『.....』じーっ
唯「あ....キミは朝の宇宙人.....
いつの間に...」
早朝に見た宇宙人がテーブルに
伏せた状態でこちらを見つめている
唯「な....なんなの?」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
唯「キ.....キミは一体何者なんだい.....
どうして私を見てるの?」
???『....』すうぅっ
宇宙人はバスタオルにくるまった
唯に近付く
唯「......?」
そして一瞬視界が途切れる
~~~~~~~~
唯「はっ!今なにか起こった!?
なんか変な感じがした....」キョロキョロ
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ドドド
唯2「んふ~おいひ~」トコトコ
唯「へ?」
唯2「ほぇ?」
唯「う....憂?」
唯はアイスを咥えながら歩く
『自分』と出会った
唯「あ......は....?」ぽかーん
唯2「...なにひてるの?そのうひろの
ヒトはだれ?」じゅぽじゅぽ
唯「憂?憂でしょ?
私の真似なんてやめてよぉ...
びっくりするじゃんか...」
唯2「ういはいまおへあの
ほうじにいっへるよ~」ちゅぽんっ
唯「じゃああなたは誰!?」
唯2「わらひは唯だよ~」れろれろ
唯「私も唯だよ!!」
唯2「私の方が唯だよ~」サクサク
唯「私の方がもっと唯だもんっ!!」
唯2「んふ....ほうなのぉ?」ちゅぱ
唯「もー!
アイス食べるのやめてよー!」
唯2「ひどぅい....」しゅん
唯「フツーに考えて私が
2人いるなんてありえないよ!」
唯2「ん~....?その後ろにいるヒトの
せいじゃなーい?」
唯「ハッ!!」バッ
???『.....』ドヤァ
唯「ま...まさか....そうなの?」
(確かにこの子が現れて.....)
唯2「ふぃ~」ごろんっ
唯2「.....♪」ぺろぺろ
唯「.....どうすればいいの....
元の私一人の時に戻りたいよぉ....」
???『.....』すっ
宇宙人は
『唯』と一緒にバスタオルを被る
唯「へ?.....なに....?」
シュンッ
唯「ッ!!」ガバッ
唯「....」キョロキョロ
唯「憂ーー!憂ぃーーー!」
憂「どうしたの!?
何かあったの!?」どたどた
唯「憂.....だよね....間違いない....
元に戻った...」
憂「?」
???『.....』すいー
憂「お姉ちゃんっ、アイスなら昨日
買ってきたからね?食べる?」
唯「わぁーい!食べる食べるー!」
???『.....♪』
唯(あれ.....憂.....
この子が見えてないの?)
憂「はいお姉ちゃん♪」さっ
唯「あ....!ありがとー!憂ー!」
憂「それじゃ またお掃除してくるね、
何かあったらすぐに呼んでね」トコトコ
唯「ん.....」ぺろぺろ
唯「....」チラッ
???『.....』すいいー
唯「キミが....さっきの不思議な
出来事を起こしたのかい?」
???『.....』
唯「もしそうならさ....
もう一回さっきみたいにしてみて?
....確かめたいよ....」
???『.....』ささっ
宇宙人は先程と同じ様に
バスタオルでくるまるよう促す
唯「タオルにくるまる.....そしたら....?」
シュンッ
唯「っ!!」キョロキョロ
唯2「ほぇ?またきたぁ....」ぺろぺろ
唯「あ....さっきの........私.....」
唯「もう驚かないよ.....」
唯2「あ~ 私とおんなじアイスだ~♪」
次の瞬間、2人の持っているアイスが
磁石のS極とN極のように引き合った
唯「わあっ!?」バッ
唯2「なっ!?」ビュン
ドバアアァッ
そしてアイスとアイスが重なり合い、
重なり合った部分が消滅した
唯2「え....」ぽけー
びちゃっ じわああ...
『唯』のアイスは
半分以上食べられていたので、
重なり合わず消滅しなかった分が
出来た、その分は床に落ち、
絨毯に染み込む
唯2「あ.....あいすぅ~....
ううう....」ポロポロ
唯2「うわああーーん!」
唯「あああっ....
どうなってるの....」オロオロ
唯2「私のばかあっ!
あいすかえせぇーー!」
憂「お姉ちゃーーん!?
どうしたのー!?」ドドド
唯「あわわっ.......帰ろうっ!」バサアッ
???『...!』
今度は自分からタオルにくるまる
シュンッ
~~~~~
憂「お姉ちゃんっ!?」ダッ
唯2「憂ぃーー.....」
憂「あ....おねーちゃん...
アイスこぼしちゃったの?」
唯2「えっ.....」
憂「.....絨毯が.....」
唯2「あ...あの....違うの...それは....
えっと....私が...どう言えば....」
憂「めっ!」グッ
唯2「ううっ....ぐすっ....
あんまりだよ......」
~元の世界~
唯「悪い事しちゃったな....
なんであんな事になったんだろ...」
???『....』フワフワ
唯「.....」すっ
宙に浮く宇宙人を撫でてみる
???『....』
唯「無反応....つまんないの」
唯「でも....
もう一人の私がいる所に行くの...
面白いかも.....♪」
???『.....♪』
唯「キミのおかげなんだよね....?」
???『....』ふわふわ
唯「名前....付けてあげるよ....
何がいいかなぁ....」
唯「うーーん....」ぐぐぐっ
唯「ウサ耳だからウサ太.....いや.....
もうちょっとカッコいいのを.....」
唯「そだ....こんな時こそ
この子の力を借りよう」バサァ
シュンッ
~別世界~
唯「おぉい.....あれ?いない......」
唯3「む.....私だ.....」テクテク
唯「あ....ねえねえ...
この子の名前を決めたいんだけどさぁ」
???『....』
唯3「ほう....
なら私が名前を付けてあげよう....」
唯(さっきとは『違う所』なのかな....?
ここの私は....紫のヘアピンしてる!?
ちょっとかっこいいかも......)
唯3「『私の』に
付けた名前でもいいよね」
唯「へ?あなたも『いる』の?」
唯3「そりゃ『同じ私』じゃんか、
ただあなたのはちょっと違う
みたいだけど....」
唯「そ...そっか...同じ私だもんね....
てっきり『私だけ』かと....」
唯3「この子でイタズラするの
面白いよぉ?」ニヤニヤ
唯「ななっ!?
なにしてるのかね!ここの私よっ!」
唯3「憂のおっぱい揉んだりするの!
その時のびっくりした顔、
すっごくイイんだよ~♪」
唯「何がなんだかわからないよ....」
唯3「あ、名前だったね」
唯3「Dirty Deeds Done Dirt Cheap」
唯「ほぇ?」
唯3「だからぁ....
Dirty Deeds Done Dirt Cheap」
唯「だーてぃ...でいぃず?
よくわかんないよ...」
唯3「訳すと
『いともたやすく行われる
えげつない行為』」
唯「......憂に対してえげつない行為を
シてるんだね....この私ひどい....」
唯3「これを縮めて
D・4・C」キラッ
唯「おお!!
でぃーふぉーしー!かっこいいっ!」
唯3「ふっ....」
唯「D4C太~♪」
D4C『....♪♪』
唯3「これでいい?」
唯「うん!気に入ったよ!」
唯3「よかったねー」
唯「ありがとー! ここの私っ!
それじゃあ帰るねー」バサアッ
唯3「ばいばい」
唯「あ!その紫ヘアピンすっごく
かっこいいよ!」
シュンッ
唯3「えっへへ...そうかなぁ....」
~元の世界~
唯「きっと.....カミサマが私に
キミを授けてくれたんだね....
『D4C』...」
D4C『.....』
憂「おねーちゃ~ん?」
唯「あ!憂ー!」
憂「お姉ちゃんどこにいたの?」
唯「ずっとここにいたよー♪」
憂「え?さっきは居なかったのに.....?」
唯(あっちの私はD4C太で
憂にイタズラしてるのかぁ.....)
唯(私もちょっとだけ
してみようかな....)
D4C『....』ババッ
D4Cは憂に急接近する
唯「ふむ....けっこう速いんだね」
憂「へ?なにが?」
唯「な....なんでもないよー」
(....それじゃあ....憂の....)
D4C『....』すっ
D4Cは憂のポニテのリボンをつまむ
ぱさっ
憂「あれっ?リボン取れちゃった.....」
唯(....思った通りに動いてくれる...)
唯「すごいや.....」
憂「どうしたの?」
唯「なんでもなーい♪私お部屋行くねー
お掃除ありがとー」タッ
憂「うん!」
~ゆいのへや~
唯「シー太ぁ.....」
D4C『....』
唯「きっとシー太と一緒なら
『別の世界』に行けるんだ.....
むふふ....おもしろいな♪」
唯「よしシー太!行こうよ!
また別の世界にっ!」もぞっ
唯は毛布にくるまる
シュンッ
唯「ふむ...?」もぞもぞ
唯4「あら?そこは私のベッドだよ?」
唯「いた!ここの私ー!おーい♪」
唯4「何しにきたの....?」
唯「なんにも用はないよー きただけー♪」
唯4「もう.....仕方ない子だねぇ.....」
『この世界の唯』は
足を交差させて椅子に座っている
唯4「フー....」ふぁさっ
『この世界の唯』は髪を掻き上げ、
唯を横目で見る
唯「むおぉ.......」
(なんだか....仕草が女の人だ....)
唯4「.....」すっ
唯(....うなじがせくしー.....
ヘアピンつけてないし...片目が隠れてる感じなのもクールだね....)
唯(そういえば名前決めてくれた私も
ちょっと雰囲気が違ったなぁ....)
唯(よく見たら部屋も違う....
漫画が置いてないし.......
女性誌ばっかり....)
唯(なるほど....
『微妙に違う』んだね.....)
唯4「いつまでいるのぉ?」
唯「も....もう行くよ...」
(ここの私といると
なんか落ち着かないなぁ...)
唯「もっと別の世界に...」もぞもぞ
~さらなる別世界~
唯「むふ.....?」もぞっ
唯「居ないや....下かな?」
ガチャ
唯「こっそりこっそり....」
唯は階段をゆっくり降りる
唯「.......」
憂「おねーちゃんおねーちゃーん!」
唯「わぁ....憂だぁ....♪
ふふっ...ごろごろしてる...珍しー♪」
唯5「ほーい!どうしたんだい憂ー」
憂「おねぇちゃん....あいすぅ~」
唯5「ご飯食べてからだよ!
いま作ってるからね!」トントントン
憂「ぶー」
唯「ななな......何てこった.......
憂が....まるで私みたい....」
唯5「ん?....どうしたの?
何してるの?」
唯「ひゃっ!
えっと....ちょっと見にきただけだよ....」
唯5「そうなんだ、ご飯食べてくー?」
唯「ご飯...作れるの?」
唯5「もっちろん、
毎日作ってるよ~」ジュウゥ
唯「お....おおお....」チラッ
憂「ん~.....」ぐでーん
唯「えっと.....私の所はね....
憂と私と逆の立場なの.....」
唯5「ええっ?信じられないよ~、
私の方がお姉ちゃんなのにぃ」
ジュウジュウッ
唯「そ....そだね....」
(何だかすっごいショックだ.....)
唯5「暇ならさ、
憂と遊んであげてよー」パッパッ
唯「は...はぁ...わかりました....」
憂「おねーちゃーん!」
唯「はぁい....」トコトコ
憂「ご飯は後でいいからさ~
一緒にごろごろしようよ~」
唯「うへぇ....」
憂「えいっ!」ガバッ
唯「わあっ!?」ごろんっ
憂「えっへへ♪
おねえちゃーん?」ぎゅううっ
唯「こ....こんなの憂じゃないよぉ....」
憂「ん~」スリスリ
唯「も....もう帰りたい....
精神的にツライよ....」
シュンッ
~~~
憂「あれっ?おねえちゃん?」
唯5「ここにいるよー」
~元の世界~
唯「はあぁ.....」ズーン
唯「あっちの私の方が
しっかり者だなんて....」
憂「おねーちゃーん!ご飯だよー!」
唯「はーい.....」
~昼食後 ゆいのへや~
唯はアイスを食べながら
D4Cを見つめる
唯「不思議だなぁ.....」しゃくしゃく
唯「よし........
もっともっと調べよう!」ぺろり
D4C『.....!』さっ
唯「行くよ!シー太!」バサアッ
シュンッ
唯2「ん.....?」
唯「またきたよー」もぞもぞ
唯2「ふん....」ぷいっ
唯「あ...怒ってる?」
唯2「知らないっ」ツーン
唯「ご....ごめんね....」
唯2「許さないもん....」
唯「お詫びにアイス....
持ってきたから....」ゴソゴソ
唯2「....」ぴくっ
唯「これで許してくれるかな....
ダメ...?」
D4C『....』じいぃっ
D4Cと一緒にお願いする
唯2「う..........
でもあのアイスがよかったんだもん....」
唯「あああっ....
溶けちゃうよぉ....」たらーっ
唯2「な!?
溶けちゃうなら仕方ないね!
私が食べるよ!」バッ
唯「わあっ!」
唯2「むふふー♪」ぺろっ
唯「えっと....許してくれる?」
唯2「今回だけだよー♪」
唯「良かったぁ....」
唯2「なにしにきたのー?」
唯「えっと....色々調べにきたんだよー」
唯「この世界....憂はどんな感じ?」
唯2「働き者でホンっト~に
いい子だよー♪」
唯「えっとそれじゃ.....
あなたは部活なにしてるの?」
唯2「軽音部!
ギターやってるんだ!」ふんす
唯「そっかぁ...」ジロジロ
唯2「どしたの?そんな観察するように
見られるとちょっと恥ずかしいな...」
唯(『この世界の私』は私と
そっくりだね、一つも違う所がないや...
この怪我以外は....)
唯2「ん?....手....怪我してるの?」
唯「あ....うん....
だから今ギー太弾けないの.....」
唯2「そうなんだ....かわいそう....
替わってあげたいよ....」
唯(本当に替われたらいいだろなぁ....)
D4C『.....』ドキュウゥン
唯「え?シー太?」
┣¨┣¨┣¨┣¨ド
D4Cは『この世界の唯』に近付く
唯2「な....なあに?」
ズギュンッ
唯2「......っ!?」
唯「.....ほぇ?」
そしてD4Cは『唯』から離れ、
『この世界の唯』に移る
唯2「あ.....私.....」
唯2「『理解』した....
流れ星かぁ....へぇ~」
唯「私も『理解』したよ....
何が起こったか...」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
唯2「シー太が『私の』
そばにいる!!」バッ
D4C『.....』バッ
唯2「今!
この私が『基本』となったッ!」
バアァー~~ーン
D4C『....』ドヤァ
D4Cは『この世界の唯』を
『基本』にしたのだ
唯2「今からは私が
シー太と一緒だね~♪」ぎゅっ
D4C『.....♪♪』
唯「うん...そうみたい........
なんとなくわかるよ...」
唯2「じゃあ私 『基本世界』に行くね♪
また遊びにくるよ~」バッ
唯「ばいば~い、ギター頑張ってね~」
唯2「元気でねっ♪」もぞ
~ビジョン名~
「Dirty Deeds Done Dirt Cheap」
(いともたやすく行われる
えげつない行為)
略してD・4・C
~本体~
「平沢唯」
~基本性能~
A=超スゴイ B=スゴイ C=人間並み
D=ニガテ E=超ニガテ
破壊力 E
スピード B
射程距離 本体から15メートル
持続力 A
精密動作性 D
(ただし、本体の平沢唯が
物事に熱中した時に限りA)
成長性 A
~能力~
『流れ星』の落ちた世界を基本とし、
そことは微妙に違う『隣りの世界』、
いわゆる
『パラレルワールド』に行く事が出来る
『隣りの世界』へ行くには条件があり、
その条件は本体が『何か』に
挟まった状態になる事
『何か』とは生物だろうが液体だろうが
とにかく『面』に挟まりさえすれば良い
・本体は『隣りの世界』
からモノを持ち込んだり、
モノを持って来るなど自由である、
生き物も例外ではない
しかしどの世界にも共通の『法則』が
あり、それは
『同じモノは同じ世界に存在出来ない』
という法則である
D4Cによって『同じ物体』が二つ以上
『同じ世界』に揃い、
『出会って』しまうと、その物体は
磁石のSN極の様に引き合い、
そして重なり合い、徐々に消滅を始める
完全に消滅した時、
『どの世界』からも存在が消えてしまう
(この法則を平沢唯はまだ把握
していない)
ところが、本体の唯だけは例外である
・D4Cを持つ『基本の唯』が致命傷を
負い、命が助かる見込みが無い場合、
『隣りの唯』を『基本の唯』として、
そっくりそのまま『入れ替わる』
事が出来る
その時D4Cは『基本の唯』から
『隣りの唯』へと移り、
『基本の唯』の記憶や意志を
引き継がせる
そして『D4Cを引き継いだ唯』が
『基本』となる
この『D4Cの譲渡』には制限が無く、
何度でも可能
・『D4C』は基本的に一体のみ、
無数にある世界の中には『D4C』と
似たビジョンを操る唯も存在するが、
『隣りの世界に行く能力』を持っているD4Cは
『基本世界のD4C』だけである
・全ての唯は
ほぼ『同じ信念を持つ唯』なので、
D4Cを渡して『理解』させなくても
大抵は『基本の唯』に協力してくれる
『入れ替わった』唯は『基本世界』
に帰ってきた
唯「むふふ....すごいや....
こんな事もできるなんて....フフフフフ」
唯は指の心配をする必要がなくなって
ハイになっている
唯「段々と掴めてきたよ.....
フッフフフハハハ」
唯「アハハハハハハハー!」
憂「お姉ちゃーん?どうしたのー?」
唯「あっ!なんでもないよー 憂ー!」
唯「フッフッフッ....」
唯「どんどん試してみたく
なっちゃうッ!」
唯「行くよッ!シー太ッ!」ガバアッ
D4C『...♪♪♪』
シュンッ
~~~~~~
唯6「わあっ!?私だあ!」
唯「ふふ....『D4C』の実験台に
なってもらうよ.....」
D4C『....』ガシッ
唯6「ひいいー!?」
D4Cは『この世界の唯』を
床に押さえ付ける
唯「ふっふっふ.....」ばさあっ
唯はそこに毛布を被せる
唯6「もふぅー!?」バタバタ
唯「さあっ....」
シュンッ
『この世界の唯』は
どこかに送られてしまった
唯「やっぱり....!
他の物も別の所へやれるんだ!」
唯「さて!
この世界には私は一人だけだ!
...............なにしよ」
唯「.........よーし.....
憂ーー!来なさーい!」
ガチャリ
憂「おねーちゃーん♪♪」
唯「ふんっす!」ガバッ
唯は憂に抱き付いてベッドに引き倒す
憂「きゃあっ!?」どさっ
唯「久し振りに『抱き枕憂』を
やってみたかったんだよね~」ぎゅう
憂「くるしいよぉ....でも幸せ~♪」
唯「そうだ!この憂を『抱き枕専用憂』にしよう!すっごくいい考えだね!」
憂「おねぇちゃん?」
唯「そうと決まればッ!『D4C』ッ!」
バサアァッ
シュンッ
~基本世界 ゆいのへや~
唯「むふん」もぞもぞ
唯6「あっ!ひどいよー!私ったら!
急に襲ってくるなんて!」ぷんすか
唯「ごめんごめーん」
憂「はっ!?
お姉ちゃんが....2人っ!?」
(天国にきたのかな....)
唯「さて....憂....しばらく私の
抱き枕になってもらうよ....むふふ」
憂「きゃはー♪♪お姉ちゃんっ♪」ギュッ
唯6「ちぇー....いいなぁ......」
トントントントントン
階段を登る音が聞こえてきた
憂「お姉ちゃーん!
さっきから急に笑い出したりして
どうしたのー?」トントントン
唯「あっ....『基本の憂』だ....」
唯「おおっ!!そうだ!
ダブル憂枕にしよう!
なーんていい考えなんだろっ!」
憂「???」
唯6「ズルいよ.....」うるうる
憂「入るよーお姉ちゃーん」
ガチャリ
憂「何してるのー?お姉ちゃん」
憂「え......?」
唯「むふふ~ 憂~おいでおいでー♪」
憂「あ、私だ」
(お姉ちゃんに抱かれてる今そんな事
どうでもいいや~?はぁ...最高...)
憂「な....なんで私がお姉ちゃんに
抱き付かれてるの...?
私はここにいるのに.....」
唯6「憂いぃ~~
私仲間外れなのぉ~」シクシク
憂「お姉ちゃんまで2人......?」
(疲れてるのかな.....私....)
今日はここまで、続きは明日になります
どうでもいいや~?
?になっていたのはミス
グイィインッ
憂「え?なに....?」グンッ
憂「ふぇ?」グォオン
唯「あうっ....憂!?」
平沢唯以外のモノが『出会う』
ガアァーーーーンッ
憂「ひッ!?」ズブズブズブ
憂「わあああぁっ!?」ズバッズバッ
『同じモノ』同士が重なり合い、
消滅を始める
唯「えっ!?憂ッ!」
(これって....まさかあの
アイスの時みたいに!?)
唯6「なあぁっ!?憂ぃーーー!?」
憂「...お姉..ちゃん?
な..なにこれ...」ズブズブズブズブ
唯「D...『D4C』ッ!!すぐに憂を
元の世界に送り返してぇーーー!!」
D4C『....ッ!』ヒュバッ
D4Cは『隣りの憂』に
毛布を叩きつける
ドバアァーーーン
憂「......!?」シュウゥン
間一髪、『隣りの憂』は送り返され、
消滅は防がれた
唯「フー...!フー...!
『D4C』!」
D4C『...』ブァサッ
唯6「もふぁっ!?」
シュンッ
唯はこれ以上の面倒を避けるため、
『隣の唯』も送り返す
憂「....何が起こったの....?」
唯「良かったぁ.....」
憂「今......私....?」
唯「憂....何でもないんだよ....」
(同じモノが揃うと消滅....)
唯「り...理解したよ.....
危なかった...」ゾゾォ~
憂「お姉ちゃん....?」
唯「ううう....憂ぃ~」ギュウッ
憂「?」キョトン
唯「ぐすっ.....」
(気を付けなくちゃ....)
~夕方 リビング~
唯は普段通りごろごろ
憂は姉の為に夕食を作っている
唯「シー太ぁ♪」ごろごろ
D4C『....♪』
唯「...ジュース飲みたい...」
唯「憂ぃ~.....ジュース.....」
憂「え?ジュース?
...ごめんねお姉ちゃん....
ジュース買ってくるの忘れてた....」
唯「むむむ......そうだっ!」
D4C『.....』さっ
D4Cは絨毯をめくる
唯「ジュースがある世界、
行けるかなっ?行けるかなッ?」ささっ
絨毯と床に挟まり、『隣の世界』へ
シュンッ
~隣の世界 リビング~
唯「ふぅ....
ジュースジュースぅ♪」もぞもぞ
唯「ふむ...」キョロキョロ
唯7「んっ.....
はあぁ.....あん....」くちゅくちゅ
唯「おーい私~♪なにしてるのっ?」
唯7「ヒッ!?」ビクウッ
唯「そんなカッコでどうしたの?」
唯7「な....なんでもないよ!
なんでもなーーい!!」
唯「なに焦ってるんだろ?変な私....」
唯「それよりもジュースだよシー太ぁ♪」
D4C『....』ひゅんっ
D4Cは冷蔵庫からグレープジュースを
見つけ出し、持ってくる
唯「わぁーい♪」
唯7「........」
唯「んく....」ごくごくごく
唯7「あ......私の分が....」
唯「ぷっはぁー!いえす!いえすっ!
うまいっ!」
D4C『....』ひゅん
D4Cは冷蔵庫にジュースを返しに行く
唯「満足だよー♪」
唯7「......」
唯「そういえば
憂がいないね~」キョロキョロ
唯7「早く帰ってよぉ....」
唯「はぁい♪かーえろっ♪」ごそごそ
シュンッ
~~~~~
唯7「はぁ..........」
トントントントンッ
憂「お姉ちゃーんお腹空いたー?
今ご飯作るねー」タタタッ
唯7「いいっ!?」ビクッ
憂「お姉ちゃん?何してるの~?」
~基本世界~
唯「ふぐぐ...」もぞもぞ
憂「わああっ!?」
唯「あ、憂~」がばっ
憂「お姉ちゃん絨毯に
もぐっちゃダメだよ!」
唯「はぁーい♪」
憂「もう....」カチャカチャ
唯「あ、ご飯並べるの手伝うよ~」
憂「ん....ありがとうお姉ちゃんっ」
唯「~♪」トコトコ
憂「お姉ちゃんなんだか
ご機嫌だねっ♪」カタン
唯「...わかるかい?」カチャリ
憂「うん!
なんだか目が覚めた って感じ?」
唯「ふふふ.....」
唯(もうシー太の能力は大体掴めたよ、
『次元の壁を越えれるエネルギー』....
この私の『D4C』だけだ....)
~夕食後 ゆいのへや~
唯「あっち側から
連れて来た....」バッサバッサ
唯10「わおっ!?」どさっ
唯は毛布をまとったり振り回したり
しながら『隣りの唯』を連れてくる
練習をしている
唯2「ギー太弾けなくて退屈だよ~」
唯3「イタズラしたいなぁ...
憂に....ふふ」ニヤニヤ
唯4「フー.......」ふぁさっ
唯5「憂のお世話しなきゃ
いけないのに.....」あたふた
唯6「元の所に返せぇー!
人権侵害だぁー!」じたばた
唯7「........」
唯8「憂ぃ....会いたいよぉ.....」
唯9「軽音部さいこー!」
唯10「わあああ......いっぱい居る...」
部屋は唯で溢れていた
唯「あ...やり過ぎたかなぁ.....」
唯6「うっわあ~!
私かっこいい!」キラキラ
唯4「そう?」
唯2「あれ?
なんでズボン履いてないの~?」
唯7「ぅ......知らないっ」
唯5「軽音部?憂が入ってる部活だ!」
唯9「楽しいよー 軽音部♪」
唯3「こっそりD4Cで触ったら
怯えて私に抱きついてきてね...
それで......」
唯8「な....何言ってるの.....?」
\ワイワイガヤガヤ/
唯「!....そうだ......」
~数分後~
唯「憂ー!ちょっと来てー!」
憂「今行くよー
お姉ちゃーん」トントントントン
憂「どうしたのー?」ガチャ
唯「憂!私をよく見てごらん!」
憂「へ?」
唯「.....」キラキラキラッ
憂「はわぁ!?お姉ちゃんかっこいい!
後光が差すよぉっ!」
唯「ふっふっふ...」
(かっこいい私と『入れ替わった』!
憂を虜にしちゃえ♪)
憂「....お姉ちゃん髪伸びた....?
ヘアピンは?」
唯「も~、そんな事いいからさ...
こっちにおいでよ.....」
憂「」ドキーン
憂「う....うん!」さっ
唯「『私が』
抱っこしてあげるよ~」ギュウッ
憂「ひゃあ...あったか~い♪」
唯「遠慮なく楽しむがいいよ~♪」
憂「ふぅ...」とろ~ん
唯「なっ!?」
(憂のこの顔は...期末テスト明けの
学生の様に眠たそーな顔だ!)
唯「憂...もう眠いのかい?
お姉ちゃんの中で寝てもいいよ~」
憂「すぅ....すぅ....」
唯「ふむ....いい寝付きだね...」
(私が苦労かけてばかりだからかなぁ...
今日なんて消滅させちゃう所
だったし...)
唯「私も眠くなってきた...」
唯「......ぐう....」
ここでひと段落といったところ。
ここで一段落といったところ。
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