部長「近年では、我が国でも中毒者達は増加していく傾向にあってだな…」
中川「先輩…」
両津「よし!そこでメッシにパスだ!」
両津「むぅ…なんと素晴らしいスルーパスだ、まるでボールが生きているみたいだぞ」
部長「両津くん」
両津「げっ!!メッシにファウルしやがった!!」
中川「先輩…!」
両津「このクソコンピューターめ!撃ち殺してやる!!」
部長「両津!!聞いているのか!!!」
両津「げっ…部長!?」
部長「人が大事な話をしている時に、よくも堂々とゲームをしていられるな!」
両津「な…中川…!部長が来たら合図しろって言っただろ…!」
中川「先輩がゲームをする前からいましたよ…」
部長「中川!甘やかすな!」
中川「は、はい…!」
両津「部長!これも大事な社会勉強なのです!」
部長「ほう?」
両津「サッカーゲームをして、選手名を覚えることによって世界の人々との繋がりが保てるのです!」
中川「選手名は関係ないんじゃ…」
両津「たわけが!今の時代ゲーム1つで全国の人間と戦い抜くことが出来るのだぞ!」
中川「オンラインゲームに似ていますね」
両津「オンラインゲームだと…?」
部長「やはり何をも話を聞いていなかったようだな…」ぴくぴくッ
両津「中川!お前が部長が話していることを教えなかったから…」
部長「人の所為にするんじゃない!!!」
パチンッ
両津「いててっ…グーで殴るのは止めてくださいよまったく!」
中川「そのオンラインゲームの中毒者達について話していたところなんです」
両津「それがどうしたんだよ?」
部長「まったく…お前の耳は人の話を聞き流すためだけについているのか…」
両津「はいはい、どうせワシの耳は飾りですよ」
両津「オンラインゲームならワシもやっているぞ」
中川「先輩のにも似ているのですが…」
部長「今問題となっているのは、パソコンを通じて出来るゲームのことだ」
両津「それの中毒者が何か仕出かしたのか?」
中川「ええ…学生がオンラインゲームにハマリすぎて、困っている親もたくさんいますからね」
部長「親でも手のつけようがないものだからな」
両津「だったら、パソコン捨てればいいじゃねぇか」
両津「それかそいつのデータを消去するだとか…」
中川「それは誰もが最初に思いついた手段です」
両津「それをすればいいだろ!親は何を戸惑っているんだ!!」
両津「ワシなら、自分の息子を殴り飛ばしてでも捨てに行くぞ」
部長「昔ならその手段も通用したかもしれんな」
中川「パソコンの電源を切られただけで、親を殺害したりする子供もいたりするんですよ」
両津「なんだと!?」
両津「電源を切られただけでかよ…」
両津「ワシなら、データを消されたらもう1度やり直すぞ…」
中川「ですから、親も簡単にパソコンを捨てたりといった行動に移せないんです」
部長「子供だけでは無く、親も中毒者になるケースもある」
両津「なんと!」
中川「オンラインゲームに限らず、コミュニティサイトにハマり過ぎる主婦もいるみたいですから」
両津「そういや本田の奴が言ってたな…」
部長「家事も子供の世話も一切しなくなるからな」
両津「母親失格じゃないですか!」
中川「ブログの更新が、生活の一部となっている人も少なくはありません」
両津「ブログなんて日記みたいなもんだろ…」
中川「中にはアバターに数十万とお金をかける人もいますからね…」
両津「数十万!?」
両津「アバターってネットの世界の自分みたいなもんだろ!?」
部長「実際には、感覚が麻痺して現実と区別がつかなくなるみたいだ」
中川「アバターにも服を着せ替えたり出来ますから…」
両津「ワシのアバターなんて、パンツ1丁に腕時計だけだぞ」
中川「そ…それは…」
部長「お前にアバターなど不必要だ。ゴキブリで十分だな。」
両津「ぐぬぬ……」
中川「他のアバターよりもお洒落したいと思えば、いくらでもお金をかけられますからね」
両津「そのために、わざわざ大金をつぎ込むのか!?」
中川「ええ、先程部長が仰った通り…金銭感覚が麻痺してしまうんですよ」
両津「働いてる奴ならまだしも、学生なんてそんな大金どうしてるんだ?」
中川「それは…」
寺井「親の財布から盗ったりしてるんだ…」
両津「むぅ…たかがネットのためにそんなリスクの高い行動に…」
両津「せめて兄弟の財布にすれば、罪も軽いのにな……」
部長「どっちも同じだ!!この大馬鹿が!!!」
両津「至近距離で大声出さないでくださいよ…!鼓膜が破れますから!」
部長「人の話を聞き流すお前に耳など必要ない!!」
両津「じゃあ、これから部長の声だけ聞き取りません」(両耳塞ぎ)
部長「ぐっ…またお前はそうやって……」ピクピクッ
パチンッ
両津「いてててっ…!暴力は卑怯ですよ部長!!」
中川「これもほとんど運営の策略ですからね」
両津「数十万もつぎ込む馬鹿がいれば、儲かるだろうな」
中川「中には期限付きのアイテムもありますからね」
両津「お金を払ってるのに期限までつけてんのか…?」
中川「ええ、1週間や1ヶ月、期限はそのゲームによって様々ですよ」
両津「期限が切れたらまた中毒者が暴れ出すんじゃねぇのか…?」
中川「期限が切れてお金があれば、またお金を支払いますからね」
部長「無ければ強盗をしてでも稼ごうと考えてしまうぐらいだ」
両津「地獄のループだなそれ…」
部長「お前のギャンブルと一緒だ、辞めようと思っても簡単に辞めれんのだ」
部長「特にお前のような意思の弱い奴はな」
両津「ぐぬぬ…」
部長「仕事もロクにせず、四六時中自分の趣味を満喫している人間もいるのは確かだ」
両津「それってワシのことですか!?」
部長「自分の胸に手を当ててよーく考えてみろ」
両津「…むぅ……寺井ぐらいしか思い当たらんな…」
寺井「えっ、僕…!?」
部長「誰がどうて見てもお前しかおらんだろ!!この馬鹿両津が!!」
両津「だから怒鳴らないでくださいってば…!」
部長「馬鹿には付き合いきれん…中川、少しパトロールに行って来る」
中川「はい」
部長「両津がよからぬ事をしていたら、後で報告してくれ」
中川「了解です…」
スタスタ
両津「部長怒声中毒なんじゃねぇのか…?」
部長「…何か言ったか?」
両津「い、いえ!気をつけてパトロールしてくださいね部長!」
中川「きっと聞こえてましたよ先輩…」
両津「まったく…迂闊に部長の悪口は言うことはできんな…」
カタカタッ
両津「…これでよしっと」
中川「何をしてるんですか?」
両津「ワシもオンラインゲームとやらに潜入してみることにした」
中川「仕事中にいいんですか…」
両津「鬼の部長さえいなくなりゃこっちのもんだ」
カタカタッ
両津「ほう…狩りをしてレベルを上げていくゲームか」
寺井「後で部長に報告した方がいいよね…」
中川「そのようですね……」
両津「やかましいぞ!!ワシも中毒者達を救済してやりたいんだ!」
寺井「両さんこそ、中毒者にならないか心配だよ…」
中川「ミイラ取りがミイラになる…ですね」
両津「ワシはそこまでドップリ浸かるつもりはない」
【キャラクター名を入力してください】
両津「こういうのは瞬時に思いついたのを打ち込むだけだ」
中川「もう思い浮かんだんですか?」
カタカタッ
【ちんげ】
中川「……」
【不適切な表現が含まれていたので使用することが出来ません】
両津「むぅ…運営もさすがにガードが固いな」
中川「当たり前ですよ…」
両津「ならばこれでどうだ?」
カタカタッ
【Ψち ん げΨ】
中川「……」
両津「おっ!スペースを空けたらいけたぞ中川!」
中川「ま、まずいですよ先輩…!こんな名前でプレイしてたら運営に…」
両津「運営ぐらい敵に回す気持ちでいかんと、ワシが呑まれてしまうぞ!」
両津「向こうも犯罪に加担しているようなもんだからな」
寺井「こんな名前でいたら、誰も話しかけないよ…」
両津「刺激的な名前の方がより注目を引けるだろ!!」
寺井「い…痛いよ両さん!!」
両津「職業は剣士にしておくか…」
カタカタッ
中川「あっさりと登録は完了しましたね」
両津「あとはサーバーに乗り込んで、狩りをするだけだ」
カタカタッ
【ようこそ狩りの世界へ!これから貴方には思う存分仲間との狩りの楽しさを味わってもらいます】
両津「…最近のネットゲームは出来がいいな」
中川「制作費に何十億円もかけてる会社もありますからね」
両津「億だと!?」
中川「その分、リアルさはテレビゲームにも劣ったりはしてませんよ」
両津「ワシのしているネットゲームは安物だな」
寺井「あ!誰か話しかけてきたよ!」
中川「魔法使いですね…先輩に狩りの誘いがきてますよ!」
魔法使い【一緒に狩りませんか?^^】
Ψち ん げΨ【邪魔すんな、叩き斬るぞ】
中川「せ…先輩!初対面のプレイヤーに失礼ですよ!」
両津「むぅ…反射的に打ち込んでしまったぞ…」
魔法使い【荒らしさんですか?通報しますた^w^】
両津「げっ!運営にチクられたぞ!!」
中川「先輩謝ってください!」
両津「仕方ない…」
カタカタッ
Ψち ん げΨ【ごめんなさい】
魔法使い【じゃあアイテムください】
両津「な、なんだコイツ…アイテム要求してきたぞ…」
中川「向こうも先輩と変わりませんね…」
両津「どういうことだそれは!!」
ガシガシッ
中川「いたたたっ…!せ、先輩早く次の言葉を打ち込んでください…!」
両津「むっ、相手が返信を待っているな」
カタカタッ
Ψち ん げΨ【まだレベル低いからアイテムは無い】
魔法使い【使えねーな、散れ】
両津「……」ぴくぴくっ
中川「せ、先輩…落ち着いてください……」
魔法使い【リアルでも無職なんだろうな^^】
両津「もう我慢ならねぇぞ!!撃ち殺してやる!!!」
寺井「りょ、両さんダメだよ!パソコンに発砲なんて!」
両津「離せ!ワシはコイツに2~3発撃ちこまねば気が済まんぞ!!」
プツンッ
両津「あ!姿を消したぞ!?」
中川「恐らく、ログアウトしたみたいですね…」
寺井「言いたいことだけ言って逃げたみたいだね」
両津「…ぐぬぬ……今度会ったらタダじゃおかんぞ…」
中川「先輩、隣のマップからモンスターが出現するみたいですよ」
両津「まずはレベル上げからだな」
タッタッタ(マップ移動)
両津「ほう、大草原のフィールドか!」
中川「モンスターはゴキブリみたいですね…」
両津「どうなってるんだこのゲーム……」
寺井「まるで両…」
両津「…何かね寺井くん?」ピクッ
寺井「な…なんでもないよ………!」
両津「ええい面倒だ!片っ端から倒していくぞ!」
カタカタカタッ
寺井「どんどんレベルが上がっていくね」
中川「どのゲームでも、最初のレベル上げは苦になりませんからね」
両津「食らえ!食らえ!!」
カタカタッ
寺井「すごい!もうレベル20まで跳ね上がったよ!」
中川「さすが先輩…ネットゲームでも達人ですね…」
両津「ふぅ…倒しすぎてモンスターがいなくなったぞ」
中川「次のモンスターが出現するまで、数分かかりそうですね」
ブーン
両津「やっと出現したか」
寺井「また、ゴキブリだね…」
両津「そろそろこの黒い生物を見るのにも飽きてきたな…」
中川「このフィールドはゴキブリしか出現しないみたいですよ」
両津「1時間もこのゴキブリ共を見ていたら、その内飯も食えなくなるぞ」
中川「先輩!きますよ!」
両津「何度来ようが、ワシの手にかかればー…」
ズシャッ
中川「あっ」
両津「げっ!他のプレイヤーがワシの敵を横取りしたぞ!?」
中川「マナーの悪いプレイヤーですね…」
Ψち ん げΨ【横取りはよくない】
僧侶【貴方が突っ立ってるから悪いんじゃないですか?】
両津「何言ってんだコイツ…?どう考えてもワシがこの狩場を確保していただろ!!」
寺井「狩場の独占も良くないみたいだよ…」
すいません遅くなりました
僧侶【そっちも狩場独占でマナー違反ですよ藁】
両津「テメェこの野郎!どっちがマナー違反か教えてやるよ!」
中川「先輩も言い返せば荒らしと見なされますよ!」
両津「なんだと?」
寺井「こういうのは相手にしない方がいいよ…」
中川「プレイしてる人間は子供かもしれませんしね…」
両津「ぐぬぬ…相手がもし子供だとすれば余計に腹が立ってきたぞ…」
中川「匿名の世界ですから仕方ありませんね」
Ψち ん げΨ【お前今いくつだ?】
僧侶【lastJKですw】
両津「り…りーすと?」
中川「ラスト女子高生…つまり、高3の女子高生という訳ですね」
両津「馬鹿な!女がネットゲーム等する訳が…!」
中川「珍しいことではありませんよ」
両津「今受験の時期じゃねぇのか?」
中川「推薦か何かで早く決まったんじゃないでしょうか…」
Ψち ん げΨ【受験生?】
僧侶【ノー(^o^)/ 卒業したら家に篭るw】
両津「げっ!ニート宣言したぞこの女!!」
寺井「ロクな人間がプレイしてないね…」
両津「こうなったらワシの罵声を浴びせてやる!」
カタカタッ
死ね死ね死ね死ね死ねと打ち込んでいく両津
中川「ダメですよ先輩…!それじゃあホントに通報されちゃいますから…!」
両津「通報もクソもねぇ!こんなガキに舐められてたまるか!!」
寺井「両さん…もうこのマップは出た方がいいよ…」
両津「はぁはぁ……ワシとしたことが、ガキ相手に熱くなってしまった…」
中川「それに、相手が本当に女性なのかも分かりませんよ」
両津「まさか男が女に成り切っているのか?」
中川「ええ、性別は女と設定されてますが匿名世界なので断定は出来ませんよ」
両津「オカマじゃねぇかそれ…」
中川「はい。マナーが悪い人になれば、女性に成りすまし男性を騙すこともありますから」
両津「むぅ…その気になれば出会い系にもなりそうだな…」
寺井「実際それ目当てで使う人もいるみたいだよ」
両津「ネットゲームでか!?」
中川「寺井さんの仰る通り、それが現実世界にまで進展して事件が起きたこともあります」
両津「よくよく考えてみればワシみたいな人間も参加しているからな…」
両津「左近寺や本田なら簡単に引っかかりそうだな…」
中川「見極めが大切になってきますね」
両津「胸糞悪いな、狩りは止めて酒場に行くか」
中川「そこならマナーの良い人がいそうですね」
両津「うむ。普通にチャットでもしてみるか。」
タッタッタ(マップ移動)
両津「酒場に着いたぞ」
寺井「へぇ~随分とリアルな酒場だね」
両津「昼間なのにこんなに人がいるのか…」
中川「全員が働いてる方とは限りませんから」
両津「むぅ…悲しいがこれが現実か……」
寺井「両さんは仕事中に……」
両津「何度も言わせるな!!!これは仕事だ仕事!!!」
両津「この軟弱ネットゲーマー達の根性を叩き直すのも警察の役目……ん?」
中川「あの魔法使い…さっきの人ですよね…」
両津「早速現れたなクソ魔法使いめ!」
カチャッ
中川「だ、だから拳銃は降ろしてくださいってば!」
寺井「何だか両さんのキャラのところに、みんな集まってきてないかい?」
魔法使い【コイツですよwさっきの痛い奴ww】
僧侶【僕もさっき絡まれたぁ~ガチ萎えたし;】
両津「な、なんだ…ワシのキャラが囲まれてしまったぞ!」
中川「先輩の名前のインパクトが強すぎたんでしょうね…」
ギルドマスター【この子達に中傷をしたのですか?】
両津「ギルドマスター?グループのリーダーか?」
中川「それに近い感じですね…」
ギルドマスター【私の大切な仲間に謝ってくれませんか?】
両津「コイツ…頭のネジが緩んでるんじゃねぇのか…?」
ビショップ【どうせ中の奴ガキだろ?w】
副ギルドマスター【時間の無駄ですから、放っておきましょうよ】
ギルドマスター【ちょい飯ROM】
両津「あ!ROMしやがったぞこいつ!」
中川「このギルドメンバーの前で謝らせるつもりですね…」
僧侶【さすがマスター!】
魔法使い【頼れますわww】
両津「なんでコイツ等、こんなに仲間が意識が高ぇんだよ…」
中川「現実世界の不良グループと大差ありませんよね」
両津「コンビニで群がってるチンピラ臭がしてくるぞ」
中川「単独行動が出来ないんでしょうね…」
両津「現実の不良は無駄に集団行動のスキルだけは高いからな……むっ?」
ギルド一同【あーやまれ!あーやまれ!あーやまれ!】
寺井「りょ…両さん落ち着いてよ……」
中川「そ、そうですよ先輩…たかがネットの世界ですから……」
両津「……」ピクピクッ
カタカタッ
中川「せ、先輩!?」
両津「調子こいてんじゃねぇぞクソガキ共が!!!!」
寺井「あ…スキル技を発動しちゃったよ!」
中川「さっきのレベル上げの時に覚えた大技ですね…」
カタカタッ
寺井「は…速い……」
僧侶【ちょ、その技重くなるから止めろ!】
魔法使い【やべ…お……】
副ギルドマスター【マスター早く戻ってきて!!!】
ぷつんっ
ぷつんっ
中川「先輩の技でサーバーに負担がかかってるみたいですよ!」
両津「わはははは!どんどん落としていってやるぞ!」
中川「その技を使う度に、人が強制的に落ちていってますね…」
ぷつんっ
寺井「すごい…酒場のプレイヤーがどんどん消えていってるよ…!」
ギルドマスター【なにこれ】
ぷつんっ
両津「ざまぁみやがれ!!お前等のマスターも落としてやったぞ!!」
中川「せ、先輩!他のマップにも影響が出てるみたいですよ…!」
両津「知るか!こんな時間にログインしてる奴等が悪いんだよ!!」
寺井「お…鬼だ……」
中川「スイッチが入ると手加減しない人ですからね……」
両津「わははは!結局酒場はワシ以外全滅したぞ!」
中川「これだけ負担がかかれば、運営も黙っちゃいないでしょうね…」
寺井「部長に報告した方が…」
両津「馬鹿者が!今の行為は称えられるべきだ!」
中川「サーバーに負担をかけることが…ですか?」
両津「当たり前だ!ネットのマナーも知らねぇガキ共にはいい制裁になったぐらいだぞ」
両津「すっきりしたから、ワシはパチンコに行ってくる」
寺井「えぇ?仕事中にかい?」
両津「部長にはパトロールに行っていると伝えておくんだぞ」
中川「結局パチンコですか…」
寺井「あれ?両さんのキャラに話しかけてるみたいだよ」
両津「ワシにか?」
カタカタッ
槍使い【IDとパスワード売ってくれませんか?】
両津「あん…?どういう意味だ?」
中川「アカウントの売買ですね…これも違法行為ですよ…」
両津「売買……?」ピクッ
両津「詳しく聞かせてくれたまえ中川くん」
寺井(目が金に…)
中川「ですから、高レベルのキャラ等を他人に売買するんですよ」
両津「それで儲かるのか?」
中川「レベルによって異なるんじゃないでしょうか…」
両津(待てよ…なにもちゃんとしたIDを教えなくてもいいって訳だよな…?)
中川「ですが、実際に売買行為で詐欺も多発してますから…」
両津(1アカウント5000円ぐらいで売り飛ばせば儲かるかもしれん…!)
中川「先輩?」
両津「よし!!中川、寺井!今から大量にアカウントを作れ!!」
寺井「えっ!?」
中川「何をするつもりですか先輩?」
両津「くくっ…それは後のお楽しみにとっておきたまえ…」
中川(嫌な予感が……)
―2時間後―
両津「やったぞ!!10人からの予約がきたぞ!」
寺井「りょ…両さぁん…もう、アカウント作るの疲れたよ…」
両津「泣き言を言うな!まだまだ作成していくぞ!」
中川「10人予約って…アカウントの売買ですか!?」
両津「その通り!雑魚キャラのアカウントを教えて逃走するだけで儲かるのだぞ!」
寺井「それって思いっきり犯罪だよ両さん…」
両津「今更こんなネットゲームに犯罪って言葉は当てはまらんだろ」
中川「きゃ…キャラの名前もひどすぎる…」
【ぶた】
【いんもう】
【肛門星人】
両津「全て即興で作ったからな」
寺井「でも、こんなレベルじゃ騙せないんじゃないかい…?」
両津「馬鹿なガキ程、騙しやすい筈だ」
中川「先輩も段々とマナーが悪くなってきてますよ…」
両津「これならパチンコでスッた分が取り戻せるぞ」
ピピッ
中川「また書き込みがきたようですよ」
両津「おっと、また馬鹿がワシに騙されにきたか…」
部長「ただいま」
中川「あ、パトロールお疲れ様です部長」
両津「……ようし…このキャラは3000円で売り裁くか…」
寺井「りょ…両さん……」
部長「……」
両津「げっ!値切り交渉してきやがった!!」
部長「ゴホン…」
両津「仕方ねぇな…2000円で売買するか…」
部長「両津くん、随分と熱心に仕事をしているようだな?」
両津「……ぶ、部長!!!??」
寺井「さっきからネットゲームでアカウントの売買を…」
両津「ば、馬鹿!!!余計な事……!」
両津「ご、誤解です部長…!ワシはただ単にネットのマナーを知らないガキ共に…」
部長「ブワッかぁもぉーーーーーん!!!!!!!!」
麗子「あら両ちゃんは?」
中川「それが、しばらく戻ってきそうにないんだ…」
麗子「もう…また悪さしたのかしら…!」
中川「今は部長とマナーについて学んでるはず……」
麗子「マナー?」
両津「…うぅっ……」
【ネチケットについて学ぼう第193話】
両津「まだ193話なんですかぁ……?」
部長「ネットのマナーを知らんお前には、500話まで視聴してもらうぞ」
両津「そ…そんなぁ…!!」
両津「もうネットゲームはこりごりだぁ~~~!!!!!!」
終わり
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