【ガルパン】劇場版 両津&パンツァー【こち亀】 (229)
・こち亀とガルパンのクロスSSで、
公式コラボSS『VSこち亀』の『両津&パンツァー』の続編と言う位置づけですが、
『両津&パンツァー』を読んでいなくても、両津とみほ達が既に知り合い程度と思っていただければ大丈夫です。
・こち亀側は、アニメと原作漫画の設定が混在しています。
・両津以外にも、ガルパンのキャラとこち亀のキャラが知り合いだったりすると言う様な独自設定があります。
・基本的にはギャグですが、こち亀の人情回の様な話になります。
・作者はSS速報への書き込みは初めてです。
至らぬ点等はどんどん指摘して下さい。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1481461682
亀有公園前派出所………
(派出所前に停まる白バイ)本田「両津の旦那~っ!!(バイクを降りる)大変なんですよ~っ!!」
両津「何だ、本田。騒々しい」(パンターA型のプラモを作りながら)
本田「コレ! 見て下さいよぉっ!!」(新聞を両津に差し出す)
両津「茨城新聞? え~と、何々………大洗女子学園、廃校………って、何ぃっ!?」
麗子「ええっ!?」
中川「大洗女子学園って………確か先輩がこの前、戦車道で対決した子達の学校ですよね」
寺井「確か、今年の全国大会の優勝校の筈じゃ?」
本田「それが、その優勝が廃校に関わってたみたいでぇ………」
中川「どう言う事ですか?」
本田「ネットで見たんですけど、元々大洗女子学園には廃校の話が来ていたそうなんです。ここ数年、目立った実績が無いとかで………」
麗子「じゃあ、戦車道の全国大会に出場したのって、実績を挙げて学校を廃校にしない為にだったのね」
寺井「でも、それだったら優勝したから廃校は無くなったんじゃ………」
本田「ええ。でも、文科省の人が口約束しかしてないから駄目だって言ったらしいんですよ」
中川「ええっ!?」
寺井「そんな! あんまりだよ!!」
麗子「そうよ! 大洗の子達は学校を廃校にしたくなくて必死に戦った筈よ! なのに………酷過ぎるわ!」
両津「!!」(新聞を握り潰す)
両津「本田! 行くぞっ!!」
本田「ええっ!? 行くって、何処にですかっ!?」
両津「決まってんだろっ! 文科省だっ!!」
本田「えええっ!?」
中川「先輩! 落ち着いて下さいっ! 冷静に………」(両津を止めようとする)
両津「中川! お前も来いっ!!」
中川「ええっ!? ぼ、僕もですかっ!?」
両津「当然だ! お前の力が必要なんだっ!!」(中川を脇に抱える様に捕まえて本田の白バイに向かう)
中川「ちょっ!? せ、先輩っ!!」
両津「何やってる、本田! 急げっ!!」(中川を脇に抱えたまま白バイに跨る)
本田「ハ、ハイ!(白バイに跨る)うおおおおおぉぉぉぉぉぉっ! 行くぜえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
中川「うわあああああぁぁぁぁぁぁぁ…………」(ドップラー効果)
寺井「りょ、両さん!………行っちゃった」
麗子「圭ちゃんまで連れてって、如何する積りかしら?」
翌日・茨城県大洗町………
旧上岡小学校校舎にて………
杏「じゃあ、行って来る」
柚子「会長。ホントに大丈夫なんですか?」
杏「あの役人が交渉に応じるとは思えない………けど、このまま泣き寝入りだなんて出来やしないよ。やれる事はやらないとね」
柚子「会長………」
杏「小山。河嶋と一緒に留守を頼むよ」
柚子「ハイ………それにしても、桃ちゃんったら、こんな時に何処へ………」
桃「かかかかかかかかか、会長~~~~~~っ!!」(大慌てで走って来る)
杏「河嶋?」
柚子「桃ちゃん」
桃「ゼエッ! ゼエッ! ゼエッ! た、たた、大変………!? エッホ! ゴホッ!」
柚子「桃ちゃん、落ち着いて! 息が切れてるのに喋ろうとしないで」
杏「かーしま。取り敢えず深呼吸しろ」
桃「は、ハイ!………スーッ………ハーッ………スーッ………ハーッ………申し訳ありません。取り乱しました」
杏「それで一体如何したのさ? そんなに慌てて?」
桃「ああ、そうでした! ががががが、学園艦がぁっ!!」
柚子「桃ちゃん! 落ち着いて!!」
杏「学園艦? 学園艦が如何したのさ? 昨日取り上げられたばっかりだろ?」
桃「その取り上げられた筈の学園艦が港に戻って来てるんですっ!!」
杏「!?」
柚子「ええええええっ!?」
大洗港………
沙織「ホントだ! 私達の学園艦だっ!!」
あや「桃ちゃん先輩の言った通りだ!」
優希「てっきり、遂に桃ちゃん先輩がおかしくなったと思ったのに~」
桃「お前等ぁ~っ! 桃ちゃんと呼ぶなーっ!!」
柚子「一体如何して………」
中川「大洗女子学園の方ですか?」
沙織「わっ!? 凄いイケメンッ!!」
華「沙織さん、落ち着いて下さい」
杏「アンタは?」
中川「僕は中川と言います。先日は先輩がご迷惑をお掛けしました」
柚子「先輩?」
みほ「ひょっとして………」
両津「おう、お前等。久しぶりだな」(学園艦の昇降用タラップを下りながら)
優花里「! おじさんっ!!」
麻子「あの時の警官………」
沙織「如何して此処に?」
両津「ふふふ………ようこそ! 『私立』大洗女子学園へっ!!」
みほ「えっ?………」
華「『私立』?………」
中川「ハイ、大洗女子学園艦と関係する全ての権利は、僕が買い取らせていただきました。だから、大洗女子学園は県立から私立になります」
全員「…………」
全員「!? えええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ~~~~~~~~っ!?」
桃「かかかかかか、買い取ったっ!?」
柚子「学園艦と、全ての権利を?………」
中川「ハイ」(ニッコリ)
両津「中川に掛かれば、これぐらい軽いもんだ」
沙織「!? ちょっ、ちょっと待って! 中川って、ひょっとしてあの中川財閥の!?」
優花里「ええっ!? 中川財閥と言えば、世界でもトップクラスの大企業じゃないですか!?」
麻子「そう言えば、何時かの試合の時も中川がどうのこうのとか言ってたな………」
華「意外な繋がりです………」
柚子「一体幾ら掛かったんですか?」
中川「気にしないで下さい。ほんの10兆円程度ですから」(ニッコリ)
柚子「!? 10兆円っ!?」
桃「………(バターン)」
あや「桃ちゃん先輩が気絶したーっ!?」
みほ「如何してそんな事を?………」
両津「何、お前達には色々と楽しませてもらったからな。その礼だ。それに、わしを倒した連中の学校が無くなると言うのも面白くなかったんでな」
みほ「両津さん………ありがとうございます」
全員「「「「「「「「「「ありがとうございます!!」」」」」」」」」」(両津に向かって頭を下げる)
両津「ハハハ! 良いって事よっ!!」
杏「まあ、お金出したのは中川さんで、両津さんは何もしてないけどね」
両津「ガクッ!?………お前なぁっ! わしが話を出さなけりゃあ………」
杏「でも………本当にありがとう」(涙)
両津「!!」
杏「あ、アレー? 何かなぁ………今日はヤケに潮風が目に沁みるなぁ………」
両津「………そう言えば、大洗はあんこう鍋が名物だったな。良い店があったら紹介してもらおうか」
杏「!(涙を払い)それなら任せてよ! 腕によりをかけて作らせてもらうよ!」
両津「何? お前が作るのか?」
杏「あ~、見た目で判断しないで欲しいなぁ~。コレでも料理は得意なんだよ」
両津「ならばわしも得意の寿司を振る舞ってやるぞっ!!」
杏「よ~し! 今日は学園艦が戻って来た記念パーティーだぁっ!! 小山! 全生徒に召集掛けろぉっ!!」
柚子「! ハイ! ホラ、桃ちゃん。起きて」
沙織「中川さんも参加しますよね! って言うか、是非参加して下さいっ!!」
中川「ハイ、そうさせていただきますね」
華「沙織さん………住む世界が違い過ぎると思いますよ」
文科省………
辻「クソッ! 何で中川財閥が出張って来るんだ!!」
辻「折角懇意の解体業者に仕事を流して、その見返りを手に入れようとしたのに、全てパーだっ!!」
辻「おのれ、大洗………見ていろよ………このままではすまさんぞ」
本日はココまでとさせていただきます。
次回は明日の同じ頃に投稿させていただこうかと思います。
こんばんわ。
沢山のご意見・ご感想、ありがとうございます。
本日分の投稿をさせていただきます。
みほ(思わぬ形で、大洗女子学園は廃校の危機から逃れました………)
(アレ以来、両津さんは良く大洗に遊びに来てくれる様になりました………)
(私達は両津さんの事を少なからず知っていましたが………)
(知らないメンバーの人達には、会長が始末書を3万枚描いたとか、警視庁を爆破したなんて話をした為………)
(暫くの間、遠巻きにしていましたが………)
(両津さんは顔に似合わず人柄が良く、すぐに皆と打ち解けました………)
(そして、そんなある日の事………)
大洗・海岸線の道………
両津「おお~! 潮風が気持ち良いじゃねえか」
優花里「如何ですか、両津殿。Ⅳ号にタンクデサントした感想は?」
両津「悪くねえな。欲を言えば、やっぱりタイガー戦車の方が良かったが」
みほ「すみません、両津さん。買い出しを手伝って貰っちゃって」
両津「気にすんなって。わしもコンビニに用があったしな」
両津「それにしても、公道でも戦車を乗り回せるとはなぁ」
麻子「免許があるからな」
両津「わしも全ての車種の免許を持っとるが、戦車は無いなあ」
華「戦車道でもなければ、普通の人が戦車に乗る事はありませんからね」
みほ「うふふ………!? 麻子さん! ストップッ!!」
麻子「!?」(急ブレーキ)
両津「わーたたっ!? ど、如何したんだ!?」(危うく戦車の上から落ちそうになる)
みほ「バックして下さい」(Ⅳ号がバックする)
優花里「何かあったんですか?」
みほ「! うわあああぁぁぁぁ~~~~~っ!!」(古ぼけた看板を見て、目を輝かせる)
両津「何々?………『ボコミュージアム』? 500メートル先左折?」
ボコミュージアム………
みほ「知らなかったぁ! こんなとこがあるなんて!!」
沙織「今まで1番テンションが上がってるよ………」
両津「何だ、この寂れたボロ屋敷は?」
ボコ「おう! よく来やがったな、お前達! おいらが相手してやろう! ボコボコしてやるぜ!」
みほ「生ボコだぁ! 可愛い!!」」
両津「全然可愛く見えないぞ。寧ろ生意気だ」
ボコ「おわっ!? 何をするっ!? 止めろっ!!」
両津「オイ! わしは何もしてないぞっ!?」
ボコ「やられた………覚えてろよぉっ!!」
両津「だから、何もしとらんと言っとるだろう!」
麻子「粋がる割りに弱い………」
みほ「それがボコだから!」
華「何か、私達以外にお客さんいないみたいなんですけど………」
両津「だからこんなに寂れてるんだろう」
ボコ「おう! よく来やがったな!」
両津「喧しいっ!!」
優花里「『イッツ・ア・ボコワールド』、『ボコーテッドマンション』、『スペースボコンテン』………」
両津「何かどっかで見た事あるアトラクションばかりだな………」
ボコショー………
ボコ「オイ! 今ぶつかったぞ! 気を付けろっ!!」
白猫「ああ? 生意気だ、やっちまえっ!!」
ボコ「おもしれぇ! 返り討ちにしてやらぁっ!! うおおおおっ!? ガフッ!?」
黒猫「口程にも無い奴め!」
両津「自分から喧嘩売っといて、一方的にボコボコにされとるぞ………」
ボコ「皆! おいらに力をくれっ!!」
みほ「ボコ、頑張れ………」
ボコ「もっと力をぉっ!!」
みほ「頑張れっ!!」
ボコ「もっとだ!!」
みほ「が………」
少女「頑張れー、ボコーっ! 頑張れーっ!!」
両津(何だ? わし等以外にも客が居たのか?)
みほ「ボコ頑張れー!」
華「ボコさん、頑張って」
優花里「ボコ、行けー!」
沙織「ふぁ、ファイト~………」
ボコ「キタキタキターッ!! 皆の応援がオイラのパワーになったぜっ!! ありがとよっ!!」
両津「良し、行けっ! 今度こそブチのめせぇっ!」
ボコ「おう! お前等纏めてやってやらぁっ!………あらっ!?」(転ばされてタコ殴り)
両津「はあっ!?」
沙織「何コレ?………」
優花里「結局はボコボコにされるんですか………」
みほ「それがボコだから」
ボコ「また負けた………次は頑張るぞっ!!」(幕が閉じる)
両津「ふざけるなぁっ! 金返せぇーっ!!」(幕を引っぺがして、まだ居たボコをボコる)
ボコ「うわっ!? ちょっ!? もうショーは終わりだぞっ!?」
両津「ウルセェーッ!!」
沙織「た、大変!!」
みほ「両津さん! もっとやって下さいっ!!」
あんこうチーム(ええ~~………)
ボコミュージアム・売店………
みほ「凄く頑張ってたね、ボコ」
沙織「そう?」
両津「あんなキャラじゃ、此処がこんなに寂れてるのも当たり前だな」
優花里「りょ、両津殿! しーっ! しーっ!」
みほ「あ! 激レアのボコが残り1つだって」
沙織「いやいや」
両津「そう言って買わせる手だぞ」
みほ「でも可愛いし………」
両津「ハア~~、わしには何処が良いのかさっぱり分からんぞ」
みほ・少女「「あ………」」(伸ばした手が触れ合う)
みほ「あ、良いの良いの。私はまた来るから」(激レアボコを少女に渡す)
少女「!………」(会計を済ませて早足に立ち去る)
両津「何だ、礼ぐらい言っても良いだろう」
沙織「折角みぽりんが譲ってあげたのに………」
みほ「きっと恥ずかしいだけだよ………」
両津(しかし、このミュージアム………先は長く無さそうだな………)
夕方・大洗駅前………
みほ「此処で良いんですか? 両津さん」
両津「ああ、ありがとうな」
華「また何時でもいらして下さいね」
両津「おう! すぐにでも来てやるぜ」
麻子「仕事は良いのか、公務員………」
両津「へーきへーき。わしは公務員だが自由業でもあるからな」
沙織「聞いた事ないよ、自由業な公務員だなんて………」
優花里「両津殿。今度両津殿の戦車模型を見せて下さいね」
両津「おう、良いぜ」
みほ「それでは、また」(Ⅳ号発進)
両津「さてと、ボチボチ帰るとするか」
???「や、止めて下さいっ!」
両津「ん?………」
女性「離して下さい!」(右腕を掴まれながら)
チンピラ1「良いじゃねえかよ、姉ちゃん」
チンピラ2「ちょいと俺達に付き合えって言ってるだけだろう?」
女性「嫌です! それに、私は人を探しに来ただけで………」
チンピラ1「あ~もう! ツベコベ言わずに来いってんだっ!!」
女性「! 嫌ぁっ!!」
チンピラ1「!? ぐへっ!?」(後頭部にサンダルがクリーンヒット)
チンピラ2「あ、兄貴っ!?」
両津「お前等、わしの目の前で良い度胸しているな………」
チンピラ2「け、警察っ!? 失礼しました~!!」(チンピラ1を引き摺りながら)
両津「口ほどにも無い奴め………」
女性「あ、ありがとうございました」
両津「(うおっ!? 間近で見ると、凄い美人!!)いや~、大した事はありませんよ~。警官として当然の事をしたまでです」(ニヤケ顔)
女性「………アラ?」(両津の顔をジーッと見詰める)
両津「な、何か?………(まさか、わしに惚れて!?)」
女性「その繋がった眉毛は………ひょっとして………勘ちゃん?」
両津「えっ?」
女性「ホラッ! 私よ、私! 同じ小学校で同級生だった、『ちよきち』よ!!」
両津「!? 『ちよきち』!? お前、まさか!! 『千代』かよ!?」
千代「わあ~っ! やっぱり勘ちゃんだったんだっ!!」
今日はココまでです。
最後に出て来たちよきちこと千代は、勿論島田 千代さんです。
独自設定で、両津の小学校時代の同級生とさせていただいております。
所謂、人情回で良く出て来る、幼少時に引っ越してしまった友人と言うポジションです。
>>32
両さんあんた、M551シェリダン を個人所有して乗り回してたと記憶してるが・・・(滝汗)
こんばんわ。
本日分の投稿を開始させていただきます。
その前に、
>>59
でのシェリダンの件ですが、所有しているのは私も知っておりましたが、
VSこち亀ではその事への言及が無かったので、この作品でも特に言及しない事にします。
御了承下さい。
大洗町・居酒屋しゅんさい………
両津・千代「「かんぱ~いっ!!」」
両津「んぐんぐんぐ………プハーッ! それにしても、まさかちよきちとこんなところで再開するとはなぁ」
千代「うふふ、私もビックリよ。でも、勘ちゃんったら、全然変わってないんだもの」
両津「逆にお前はビックリするぐらい変わったよな。小学校の頃は男勝りの女ガキ大将だったのに」
千代「もう~、何年前の話よ~」
両津「わしと豚平、珍吉が立ちションしてたら、自分も連れションしようとした事もあったな」
千代「ちょっ!? それはホントに止めてっ!! ああ~、今思い出してもホント恥かしいんだから!!」
両津「銭湯に言った時、男湯でワシ等が騒いでいるのを聞いて、自分も混ぜてくれって、素っ裸で男湯に乱入して来た事もあったっけ」
千代「だから、止めてってばぁっ!!」
両津「ハハハ、スマンスマン」
千代「私に言わせれば、勘ちゃんが警察官になった事の方が信じられないわよ。一体何回警察のお世話になったと思ってるの?」
両津「ハハハハ、コレも人生さ。そう言えば、ちよきちは今何をやってんだ?」
千代「!!………」(コップを置く)
両津「? 如何したんだ?」
千代「………コレ、私の名刺」(名刺入れを取り出し、名刺を1枚、両津に差し出す)
両津「何々?………島田流家元・島田 千代………!? 何ぃっ!?」
千代「私結婚して、島田流の家に入ったの」
両津「島田流と言えば、西住流と日本戦車道を二分する流派じゃねえか! スゲェな、玉の輿か!!」
千代「世間的にはそうなるかしら………」
両津「??」
千代「先代の家元には、子供は男が1人しか居なかったの。それで、私があの人と結婚する条件として、島田の家に入って、流派を継ぐ事を義務付けられたの」
両津「まあ、代々続く流派の家柄としちゃあ当然の判断だな………」
千代「けど、娘が生まれてすぐに………旦那が事故で亡くなったの」
両津「!?」
千代「以来、元々私は余所者だから冷遇される様になってね………でも、私は負けなかったわ。私が挫けたら、娘が島田家に取られてしまうのは目に見えていたから………」
両津「で、遂には家元に就任出来たってワケか。良かったじゃねえか」
千代「でも、そのせいで娘に………愛里寿には寂しい思いをさせてしまったわ」
両津「寂しい思い?」
千代「流派の会得に必死になるあまり、あの子の面倒を碌に見て上げられなくて………今、絶賛反抗期中なのよ」
両津「成程なぁ………」
千代「皮肉よね………あの子を守ろうと思ってやってた事が、結果的にあの子を苦しめてしまっていたのだから」
「今日も私に無断で大洗まで出掛けてね………心配して様子を見に来たんだけど、余計なお世話だって言われちゃったの」
両津「愛里寿………だったな。どんな子なんだ?」
千代「この子よ………」(名刺入れに入れていた写真を見せる)
両津「! あっ! コイツはっ!?」
千代「知ってるの? 勘ちゃん」
両津「昼間、ボコミュージアムっつう、奇妙なクマの館であった奴だ」
千代「ボコミュージアム………そうか、それで大洗に来たのね」
両津「コイツもこの訳の分からんクマが好きなのか?」
千代「ええ。私が家に居ない時に、1人でずっとこのキャラのアニメを見てたらしいの。あの子にとっては、心の支えみたいなものよ」
両津「心の支えねぇ………」(写真を見ながら)
両津「見た感じ、小学校の高学年くらいか?」
千代「13になるわ。と言っても、行ってるのは大学だけど………」
両津「だ、大学っ!?」
千代「飛び級してるのよ。親の私が言うのも何だけど、あの子は天才よ。独学で島田流を学んで、戦車道の大学選抜チームの隊長も務めているわ」
両津「大学選抜チームといやあ、この前社会人チーム相手に勝利したって言う、世界大会の出場候補チームじゃねえか!」
「それをこの娘が………」(また愛里寿の写真を見ながら)
文科省・学園艦教育局………
愛里寿「高校生と試合?………」
辻「まあ、エキシビションマッチだとでも思って下さい」
愛里寿「相手は………大洗女子学園。全国大会で優勝した学校………」
辻「ハイ。何せ、高校戦車道界では、期待の新星とされている高校ですからね。車両数は少ないですが、相手としては申し分無いかと」
愛里寿「でも、幾らなんでも、8両対30両と言うのはやり過ぎでは?」
辻「先方は既に了承しています。後は、大学選抜チーム側の隊長である、島田さんの意志次第です」
愛里寿「けど…………」
辻「………ボコミュージアム(ボソッ)」
愛里寿「!?」
辻「大洗にあるキャラクターミュージアムですね。しかし、あまり経営状況がよろしくない様子で………」
愛里寿「如何して、それを………」
辻「もし宜しければ、我々がスポンサーになって差し上げても宜しいですよ」
愛里寿「!!」
辻「まあ、焦らずに、良くお考え下さい………」
愛里寿「…………」(激レアのボコを見ながら)
(大丈夫………私が助けてあげるからね)
本日はココまでとなります。
千代さんが未亡人という独自設定は、以前友人のガルパンおじさんが
「千代さんって未亡人っぽい雰囲気あるよな。
愛里寿が天才になったのは、女手1つで育ててくれている母に報いようとしたからじゃないか」
と言っていた事があり、私も何となくそう感じた事で考えました。
そこから派生して、愛里寿が反抗期と言う設定も付与しました。
あのぐらいの年齢が丁度反抗期の頃じゃないかなとも思ったので。
千代さん自身は戦車道やってなかったんかな?
何となくしほさんとは昔ライバルだったような雰囲気だと思ってたんだが
こんばんわ。
本日分の投稿を開始させていただきます。
>>78
戦車道はやっていたけど、我流だったと思って下さい。
我流でしほとやりあっていて、旦那と結婚してから島田流を習い始めたと。
数日後………
『私立』大洗女子学園・生徒会室………
みほ「大学選抜チームと試合をっ!?」
杏「文科省の役人が言って来た………この試合で敗北、或いは試合を放棄した場合は、全国大会の優勝旗を返還してもらうと」
華「優勝旗を!?」
柚子「全国大会に優勝したのは『県立』大洗女子学園であって、『私立』大洗女子学園ではない。新設校が優勝旗を持っているのは不自然だって………」
沙織「無茶苦茶だよ、そんなのっ!!」
杏「あの役人、相当私達の事を逆恨みしてるみたいだね………こんな露骨な嫌がらせして来るなんて………」
優花里「ですが、大学選抜チームと言えば、この前社会人チームを破ったチームですよね」
杏「しかも、相手は30両だ」
梓「30っ!?」
桃「会長! 要求を呑みましょう! また廃校だと言われたワケではありません! 優勝旗を返還すれば事は済みます!!」
杏「それは出来ない………」
桃「何故ですか!? たかが旗1枚じゃないですか!!」
杏「その旗1枚の為に! 私達がどれだけ頑張って来たと思ってるんだっ!!」
桃「!?」
杏「あの旗には………我々の『思い』が籠ってるんだ。返せと言われて、ハイ、そうですかと渡せるかっ!!」
桃「! に、西住っ!! お前からも勝つのは無理だと言ってくれっ!!」
みほ「………確かに、戦うとなればとても厳しい戦いになると思います」
桃「ならっ!!………」
みほ「ですが、会長の言う通り、あの優勝旗は只の旗ではありません! 私達皆の思いの籠った大切な旗なんです!! それこそ、この学校と同じくらい!!」
桃「!!」
みほ「確かに、普通の考えれば無理な試合かも知れません。けど、普通は無理でも、戦車に通れない道はありません。戦車は火砕流の中だって進むんです」
「困難な道ですが………勝てる手を考えましょう!」
そど子「ハイ!」
梓「分かりました!」
カエサル「心得たっ!」
典子「根性で頑張ります!」
ねこにゃー「筋トレの成果を見せる時にゃ」
ナカジマ「整備は任せておいて」
桃「お前達………」
杏「皆もやる気みたいだね」
柚子「桃ちゃん………」
桃「………ええいっ! こうなったら自棄だぁっ!! 大学選抜チームを道連れにしてくれるぅっ!!」
柚子「いや、道連れにしちゃ駄目だから………」
みほ(あ! 大学選抜チームの隊長………この前のあの子だ………島田 愛里寿………まさか島田流の………)(大学選抜チームの記事の乗った新聞を見ながら)
島田家・千代の書斎………
千代「愛里寿! 如何言う事なの!? 大洗女子学園と………高校生と試合だなんて!!」(電話中)
愛里寿『………何処と試合をするのかは隊長である私の権限です』
千代「けど、幾らなんでも30両対8両の試合なんてないわ! これでは一方的な虐殺よ!」
愛里寿『相手はその条件で納得しているとの事です』
千代「本当にそう思ってるの!? 兎に角、試合を取り止めなさい! 何かがおかしいわっ!!」
愛里寿『………コレから試合のミーティングがありますので、失礼します………『島田流家元』」(ブツッ!)
千代「愛里寿!? もしもしっ! 愛里寿!? 愛里寿っ!?」
「…………」
「駄目だわ………私じゃあの子を止められない………」
「如何すれば良いの………」
千代「………!!」(何かを思い立った様に、携帯電話のアドレス帳を表示する)
名前:勘ちゃん(両津 勘吉)
千代「…………」(呼び出しを掛けようとして手が止まる)
「……………」
「…………!」(意を決した様に通話ボタンを押す)
亀有公園前派出所………
ピリリリリリリッ♪
両津「ん? 誰だ?………何だ、ちよきちじゃねえか」(ピッ)
千代『………勘ちゃん?』
両津「おお、ちよきち。この前はあんがとな、奢ってくれて」
千代『………お願い………助けて』(涙声)
両津「! 何が………あったんだ?」
両津「何だと!? 大学選抜チームと大洗女子学園が試合!?」
千代『ええ、今調べてみたんだけど………大洗女子学園は、この試合に負けるか、試合放棄をすると、優勝旗を返還しなければならなくなるの』
両津「クソ~! 文科省の奴め! 廃校に出来なかった事を逆恨みしてやがるなぁっ!」
千代『この試合、例え勝ったとしても、愛里寿は文科省の手先だ、なんて悪名を背負う事になってしまうわ』
『でも愛里寿は何も知らないわ。ただ文科省の良い様に利用されているだけよ。でも………私には如何する事も出来ないの』
『だから………お願い、勘ちゃん! あの子を! 愛里寿を助けてっ!!』
両津「ちよきち………」
千代『う、ううう………』(涙声)
両津「………ちよきち、心配するな」
千代『!!』
両津「わしに任せておけ! 大洗もお前の娘も、きっと助けてみせる!!」
千代『勘ちゃん………』
両津「その代わり………後始末は頼むぞ」
千代『! ええっ!! 分かってるわ!』
両津「じゃあな! お礼は期待してるぜ!」(電話を切る)
中川「先輩! 聞いてましたよ!」
麗子「一体如何する積りなの?」
両津「決まってんだろ! 大洗に味方して、あの愛里寿ってちよきちのガキに灸を据えてやるのよ!!」
「反抗期のガキにゃ、1発ガツンとかましてやらないとな」
麗子「でも、両ちゃん。肝心の戦車は如何するの?」
中川「正式な試合、しかもチーム戦となると、この前みたいに3Dプリンターで作ったプラスチック戦車と言うワケには行かないんじゃ」
両津「む、そ、それは………」
???「失礼致します! こちらに両津 勘吉巡査長殿は居られますでしょうか!?」
両津「? 両津はわしだが、誰だ、お前は?」
???「おお! 貴方が両津巡査長殿でありますか!! お初にお目に掛かります! 私は知波単学園の『福田』と言う者です!!」(敬礼)
両津「知波単学園って言うと、確か九七式中戦車・チハを主力にしている学園だったな」
福田「ハイ! 両津巡査長殿のお話は、従兄殿よりお伺いしております!」
両津「従兄?」
福田「覚えていらっしゃるでしょうか? 度井仲署の『芋頭巡査』です」
両津「! 芋頭! お前、芋頭の従妹か!?」
福田「ハイ! もともと知波単学園は千葉県と度井仲県の所属だった学園艦でしたので」
こち亀解説
『芋頭巡査』
コミック35巻収録『東京留学!?の巻』で登場。
千葉県と埼玉県の境にあると言う設定の架空の県、『度井仲県』の警察署所属の巡査。
度井仲県は戦時中に日本政府と連絡が途絶し、発見されるまで県民は全て太平洋戦争が継続していると思っていた。
その為、救急車のサイレンを空襲警報だと思ったり、映画の撮影に迷い込んで実弾を発砲するなどをした。
度井仲県では、旧軍の装備がそのまま警察へ流用されており、三八式歩兵銃や南部甲式で武装し、パトカーは戦車と言う有り様。
他にも、迷い込んだ強盗犯を捕まえる為に、戦艦や列車砲を出撃させている。
アニメでは第177話『秘境!度井仲県』にて登場。
コチラでは強盗犯を追っていた両津と中川が度井仲県に迷い込むと言う形となり、度井仲県は事件らしい事件が無く、警察署員は全員が巡査と言う設定が付与。
また、強盗犯を追うシーンで、零戦などのレシプロ機も登場。
最後のオチでは、度井仲署の全戦力で亀有に柿泥棒を追って来る。
両津「まさかアイツに従妹が居たとはな。それで、一体何用だ。わしはコレから大洗に向かわねばならんのだが………」
福田「おお! 大洗の件をご存知でしたか! それならば丁度良かったであります!」
両津「? 如何言う事だ?」
福田「実は我が知波単学園は、ぐろりあーなからの連絡により、大洗女子学園に助太刀する積りなのであります!」
「しかし………恥ずかしながら、我々だけでは心許無いと思い、従兄殿に相談したところ、両津巡査長を頼る様に言われまして」
両津「芋頭の奴、勝手に頼りにしおって………まあ、今回はそのお蔭で助かったが」
福田「我が校に度井仲署より寄贈されましたが、持て余している戦車がありまして………それを使って下さい!」
両津「度井仲署の戦車? 一体何だ?」
福田「それは………」
今回はココまでです。
芋頭巡査という、結構初期の方に出たキャラクター出しましたけど、知ってる方、居られますかね?
アニメの登場回を見直した時に、度井仲県の様子がドラマCDで聞いた知波単学園の様子でダブって見えたので、設定してみました。
その知波単から借りた戦車で、両津は参戦します。
以前にもコメントいただいたシェリダンは、この作品では使わない方向でいかせていただきます。
御了承下さい。
こんばんわ。
本日分の投稿を開始させていただきます。
コメントで多数いただいている両さんがどうやって試合に参加するかの件なのですが………
VSこち亀では、男性である両さんがプラスチック戦車でとは言え、普通に戦車に乗ってみほ達と非公式ながら試合をしているので、
強引に押し通す形で参戦させます。
でないと話が成立しないので………
役人がイチャモンを付ける事への懸念ですが、最終的に彼には天誅が下る予定ですので、問題ありません。
その頃………
北海道・大学選抜チームとの試合会場では………
桃「さ、300両っ!?」
柚子「その上、殲滅戦って………」
みほ「あ、あの、8対300でいきなり殲滅戦だなんて………」
辻「予定されているプロリーグでは、殲滅戦が基本ルールになります。それにプロリーグともなれば、それぐらいの団体戦は当たり前です。今回もそのルールに従っていただきたい」
児玉理事長「もう、大会準備は殲滅戦で進めてるんだって」
みほ「そんな………」
辻「辞退するなら早めにお願いしますよ」
児玉「すまない………」(辻と共に立ち去る)
沙織「無茶苦茶だよ!」
優花里「8対300なんて………とても勝ち目は有りませんよ!!」
桃「もう駄目だぁ! 御終いだぁっ!!」
みほ「…………」
杏「西住ちゃん、如何する? 辞退するって手も有りだよ?」
みほ「それはありません」
杏「! 西住ちゃん………」
みほ「退いたら、道は無くなります」
杏「………うん! だが、厳しい戦いになるな」
みほ「私達の戦いはいつもそうです。でも………」
大洗メンバー「…………」(無言で頷く)
みほ「皆が居ますから」
杏「ああ………」
みほ「………ふふふ」
優花里「? 西住殿? 如何されたのですか?」
みほ「………もし、両津さんだったら、こんな時、如何したかなと思って」
沙織「ああ~」
麻子「あの男の事だ………反則ギリギリ………いや、反則を使ってでも勝とうとするな」
華「想像出来ますね」
優花里「両津殿ならやりかねません」
翌日・試合の日………
みほ(相手を山岳地帯に誘きだして分散させて、各個撃破出来れば勝機は見える筈………)
(でも、相手は経験も実力も上………その上、300と言う圧倒的な数………)
(もしかすると、今度ばかりは………)
亜美「ではこれより、大学選抜チーム対大洗女子学園の試合を開始します………礼!」
みほ「よろしくおね………」
「待ったぁーーーーーっ!!」(みほの方へ向かって走って来るティーガーⅠ、ティーガーⅡ、パンターG型2両)
みほ「! お姉ちゃん!」
まほ「大洗女子学園、西住まほ!」
エリカ「同じく、逸見エリカ!」
まほ「以下18名、試合に参加する。短期転校の手続きは済ませてある。戦車道連盟からの許可も貰らってある」
みほ「お姉ちゃん………ありがとう………でも………」
みほ(その後も、サンダースやプラウダ、グロリアーナやアンツィオ、継続の皆が来てくれたけど………)
ダージリン「300両ですって!?」
カチューシャ「何よ、それっ!?」
ケイ「オーマイガーッ!」
アンチョビ「ちょっ!? 聞いてないぞっ!?」
まほ(ココまで何の妨害も無かったのはこの為か………)
ミカ「…………」(カンテラを鳴らす)
絹代「送れて申し訳ありません! 昨日の敵は今日の盟友! 勇敢なる鉄獅子22両、推参であります!」
ダージリン「増援は私達全部で22両って………いえ、この状況ではありがたいわ」
辻「揃いましたか? では試合を始めて下さい」
亜美「分かりました………では、改めて」
「待て待て待てえーいっ!!」
みほ「! この声はっ!?」
沙織「な、何アレッ!?」
典子「知波単学園の戦車隊の後方から、すっごくデカイ戦車が来てるっ!?」
エリカ「マウスッ!?………いや、違う!」
優花里「あ、アレはぁっ!?」(目がキラキラ)
両津「待たせたなぁ、お前等ぁっ! 葛飾警察署亀有公園前派出所勤務、両津 勘吉巡査長! 大洗に味方するぜぇっ!!」(砲塔の上に仁王立ちして)
みほ「! 両津さんっ!!」
優花里「す、凄いっ!! アレは旧日本軍の幻の超重戦車! 総重量150トン! 『大型イ号車』! 通称『オイ車』です! 『ミト車』とも呼ばれています!」
沙織「またゆかりんてば、人が変わってる………」
両津「よっと!」(オイ車から降りて来る)
ボルボ「やれやれ………まさかこんな物に乗るハメになるとはな」
左近寺「全くだ」
本田「また僕が操縦するんですか~?」
寺井「何で僕まで………」
中川「お久しぶりです、大洗の皆さん」
麗子「初めまして」
纏「よろしくな」
雑「こ、こんにちわ」
戸塚「久々に呼ばれたと思ったら、戦車に乗れとはな………」
ジョディー「ハーイ、ケイ。久しぶりね」
ケイ「ジョディーさんっ!!」
みほ「ケイさん。あの外人の方とお知り合いですか?」
ケイ「アメリカ海軍のジョディー・爆竜・カレンさんよ。サンダースで教官をしてくれてた事があるの」
辻「ちょっと待て! そいつ等は完全に部外者だろ! 試合への参加は認められない!!」
亜美「異議を唱えられるのは相手チームだけです」
両津「おうおう、如何した嬢ちゃん? まさかわし等が出たら勝てないから駄目~とか言うんじゃないだろうな?」
愛里寿「(カチン)………私達は一向に構いません」
両津(やっぱりちよきちの娘だな………ムキに成り易いところがソックリだ)
亜美「では、改めて! 大洗連合軍と大学選抜チームとの試合を始めます!!」
観客席………
千代(勘ちゃん………)
しほ「お久しぶりです、島田流家元」
千代「あ、しぽりん………」
しほ「今は公の場です。家元として振る舞って下さい」
千代「あ、ゴメンね………」
しほ「………ホントに覇気が無いわね。何かあったの?」
千代「………相談しても良い?」
しほ「………聞くだけよ」
千代「実はね………娘と上手く行ってなくて」
しほ「(ギクッ!)えっ………」
千代「まあ、当然よね………私は家元だからなんて言い訳して、碌に面倒も見てやれなくて………あの娘には母親としてより、家元として接した方が多かったもの………」
しほ「…………」
千代「でも私は紛れも無くあの娘の母親なのよ。なのにその娘と上手くやっていけてないなんて………良妻賢母を育てる戦車道の流派家元が聞いて呆れるわね」
しほ「……………」
千代「ねえ、しぽりん。私如何したら良いのかしら?」
しほ「………………」(汗ダラダラ)
千代「しぽりん? 如何したの? 凄い汗よ」
しほ「きょ、今日は暑いからね」
千代「此処、北海道なんだけど………」
本日はココまでとなります。
ウチの愛里寿ちゃんは、母親からの教育が不足しているので、挑発に乗り易いと言う子供っぽいところがあります。
で、次回から戦闘になるのですが………
迫力の戦闘場面を期待している方には大変申し訳ないのですが、戦闘場面はギャグ色が強くなります。
大学側を300両にしたのも、ギャグの為の演出ですので。
本当はもっとしっかり書きたかった思いもあるのですが………
そうするとテンポが悪くなるので、ギャグを前面に押し出してダイジェスト的にお送りする事に致しました。
一応、最後は真面目に締めますので、どうか御理解とご了承をお願い致します。
こんばんわ。
明日で終わりにする積りでしたが、諸事情で今日で一気に完結まで行かせてもらう事にさせていただきます。
懸念されている方もいらっしゃいましたが、
恐らくガルパンの世界に出したらイカンだろと思われる『あの連中』も登場します。
御了承下さい。
大洗連合軍・作戦会議中………
ダージリン「行進間射撃で行きましょう」
エリカ「楔を打ち込み浸透突破で行くべきよ! 」
ケイ「優勢火力ドクトリンじゃない? 1両に対して10両以上で攻撃ね」
絹代「私、様々な可能性を鑑みましたが、ここはやはり突撃かと」
アンチョビ「取り敢えず、パスタ茹でてから考えていいか?」
みほ「え、え~と………両津さんは、何か………アレ? 両津さん?」
両津「おう、何だ?」(テントに入って来る)
みほ「両津さん、何処へ行ってたんですか?」
両津「な~に、ちょいと仕込みにな」
みほ「仕込み?」
両津「ふふふ、まあ見てろって」(悪い顔)
みほ(すっごく悪い顔してる………)
みほ(その後、ごっつん作戦が開始され………)
(両津さんには22両の知波単部隊と一緒にあさがお小隊として、右翼の森林へ向かって貰いましたが………)
(コレが、大学選抜チームにとって、悪夢の始まりになるとは………)
(この時、私は全く予想もしていませんでした………)
サイド・あさがお小隊………
絹代「! 3時方向より敵! 数………50!!」
ケイ「来たわね!」
梓「ご、50………」
アリサ「クソッ! 数に物を言わせてっ!!」
ナオミ「攻撃します」
両津「待てっ! 撃つなっ!!」
ケイ「!? ホワットッ!?」
梓「ど、如何してですか!?」
アリサ「アンタ! このままアタシ達に的になれっての!?」
絹代「両津殿! ココは突撃するしか………」
両津「心配するな。アイツ等はわし等と戦う前に負ける」
あさがお小隊「??」
大学チーム隊員1「敵発見!」
大学チーム隊員2「何だ? 固まってるわよ?」
大学チーム隊員3「コッチの数を見てビビってるんじゃないの?」
大学チーム隊員4「無理ないわね………一気に踏み潰してやるわ」
大学チーム隊員5「よし! 1番槍はもら………」
チュドーンッ!! シュパッ!!(白旗)
大学チーム「!?」
梓「!? 何っ!?」
ナオミ「パーシングが突然爆発したぞ?」
大学チーム隊員6「ちょっと! 大丈………」
チュドーンッ!! シュパッ!!(白旗)
アリサ「アレって………まさか、対戦車地雷っ!?」
両津「その通り! 試合前にこの試合会場の彼方此方に地雷を埋めておいたのさ!!」
ボルボ「アメリカ軍で正式採用されている対戦車地雷だ。現代の主力戦車でも1発で行動不能にする事が出来る」
あさがお小隊「ええええええぇぇぇぇぇぇぇ~~~~~~~~っ!?」
チュドーンッ!! シュパッ!!(白旗)
大学チーム隊員7「またやられた!」
大学チーム隊員8「動くな! 動くと地雷を踏むぞ!!」
両津「よし! 奴等は身動きが取れないぞ! 撃って撃ちまくれっ!!」
辻「待てコラッ! 戦車道の試合で対戦車地雷を使うなんてアリかっ!?」
亜美「島田大隊長。相手の反則を訴えますか?」
両津「別に良いよ~、反則にしても~。相手が反則だから失格って事にすればそっちの勝ちだもんな~」
愛里寿「(カチン!)………問題ありません。試合を続行します」
大学チーム「えええええっ!?」
両津「よおし! じゃあ撃ちまくれっ!!」
あさがお小隊(卑怯だ………)
その後、地雷で身動きが取れなくなったパーシング達は、全てあさがお小隊……と言うよりも両津の餌食となった………
大学選抜チーム:パーシング50両、行動不能
両津『コチラあさがお! やったぞ! 敵の大隊は壊滅だ!!』
みほ「りょ、了解です………」
麻子「本当に反則的な事をやってきたな………」
優花里「ですが、相手の抗議が無い以上、反則とは認められません」
沙織「う~ん、良いのかなぁ?」
華「良いんじゃないですか?」
ダージリン「こちらダージリン。敵戦車発見。数、凡そ100」
沙織「コッチにも来たよ」
優花里「敵は数にモノを言わせて押し潰す積りです」
麻子「そりゃあ、コレだけ差が有ればそうするだろう………」
みほ「たんぽぽ全車、距離を保ちつつ反撃を………」
両津『ちょっと待て! そのまま後退しろっ!!』
沙織「両さんっ!?」
みほ「………まさか此処にも地雷が仕掛けてあるんですか?」
両津『いや、そこには地雷は無い』
大学チーム隊員A「一気に押し潰せっ!!」
大学チーム隊員B「了か………!? きゃあああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」
アンチョビ「な、何だっ!?」
オレンジペコ「地面が崩れて、大学チームの車両が皆飲み込まれました!!」
両津『地雷は無いが、落とし穴を掘っておいた』
みほ「…………」
ダージリン「え~と………敵部隊、壊滅ですわ」
大学選抜チーム:パーシング100両、行動不能
両津「よおし! 半分は片付いたぞ! このまま一気に………」
ドゴオオオオオオオンッ!!
両津「!? な、何だっ!?」
ボルボ「両津、見ろ! 丘の上をっ!!」
両津「!? な、何だっ!? あの巨大な爆発はっ!?」
杏『あ~、こちらひまわり。凄い爆発だった。上から飛んで来たっぽいぞ? すっごく大きい奴だと思うけど、気のせいかな?』
桃『気のせいではありません!』
両津「上からだとっ!?」
ジョディー「まさか、艦砲射撃?」
ドゴオオオオオオオンッ!!
中川「また着弾しましたよ!」
小梅『パンター1号車、撃破されました!』
直下『2号車行動不能!』
まほ『全車、撤退! 遺憾ながら、此処を放棄する!!』
両津「クソッ! 一体何なんだっ!?」
ドゴオオオオオオオンッ!!
両津「!?」
左近寺「コッチにも来たぞっ!!」
知波単生徒達「やられたー!!」
絹代「両津殿! 知波単部隊が私と福田、玉田と細見を除いて全滅しましたっ!!」
両津「チイッ! 一時後退だっ!!」
撤退後………
みほ「敵の攻撃の正体が判明しました。カール自走臼砲です。それも7両も居ます」
両津「カールだとぉっ!? ありゃ戦車じゃないだろう!?」
中川「いえ、先輩………如何やら文科省が強引に認可させたみたいです」
両津「また文科省の野郎か!」
沙織「如何するの!? 上から狙い撃ちされてるんじゃ、動けないよ!」
両津「………向こうがその気だってんなら、わしも手段は選ばんぞっ!!」
みほ(最初から選んで無かったんじゃ………)
カール&護衛中隊………
カール乗員1「撃てっ!!」
ドゴオオオオオオオンッ!!
カール乗員2「うわっ! すっごい音ね」
カール乗員3「それにしても………コレを戦車道で使うって、アリなのかしら?」
カール乗員4「許可は下りてるんだし、良いんじゃない」
カール乗員3「でも………」
カール乗員5「………アラ? 何かしら、アレ?」(空を見上げながら)
カール乗員1「如何したの?」
カール乗員5「コッチに向かって何か飛んできます」
カール乗員2「審判の乗った銀河じゃないの?」
カール乗員3「いや、アレは………」
カール乗員4「夜間戦闘機『月光』?」
???「ハーッハッハッハッハッ!!」(風防が開いて、2つの人影が現れる)
カール乗員達&護衛部隊達「!?」
???「華麗な変身、伊達じゃない!」
???「月のエナジー背中に浴びて! 正義のスティック、闇を裂く!」
???「空の事件なら任せてもらおう! 月よりの使者! 『月光刑事』!! 只今参上!!」
???「同じく、『美茄子(ビーナス)刑事』もよろしく!」
カール乗員1「イヤアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」
護衛隊員1「変質者よーっ!!」
カール乗員2「誰かーっ!! 警察呼んでーっ!!」
月光刑事「何、変質者!?」
美茄子刑事「オノレ、何処に居る!?」
カール乗員達&護衛部隊達「お前達だああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」
沙織「だ、誰なの? あの人達?」
両津「月光刑事に美茄子刑事だ。本庁の特殊刑事課に所属する、一応エリート刑事だ」
優花里「あ、アレが警視庁のエリート刑事?………」
麻子「日本の警察は大丈夫なのか?」
みほ「…………」(絶句)
カール乗員2「う、撃てっ! 撃ち落とせぇっ!!」
カール乗員3「如何やってですか? 上に撃てると言っても対空砲じゃないんですよ!!」
月光刑事「ムーンライトパワーッ!!」(翼の上に立ち)
美茄子刑事「サッ!」(月光刑事の姿を幕で隠す)
護衛隊員2「き、着替えてる?」
月光刑事「あんこうスーツ刑事っ!!」(あんこう踊りの全身タイツ姿で)
美茄子刑事「説明しよう! 月光刑事はこの姿になる事によって、あんこう踊りを踊り、敵を魅了する事が出来るのだ!」
月光刑事「ミュージック、スタート!」
美茄子刑事「ポチッ、とな」(ラジカセのスイッチを入れる)
アアアン アン アアアン アンアアアン アアアン アン アン アン♪
カール乗員1「おえっぷっ!!………」
カール乗員4「目が! 目が腐る~っ!!」
護衛隊員3「うぶっ! わ、私…………もう駄目………」
亜美「え~………只今、大学選抜チームより、体調不良を訴え、棄権したいと訴える者達が大量に出ましたので、一時試合を中断します」
全員(コレは酷い…………)
大学選抜チーム:カール自走臼砲7両・パーシング50両、リタイヤ
みほ(両津さんの反則ギリギリ………いや、もう反則な作戦のお蔭で、苦戦は免れないと思っていた戦いは)
(その予想に反して、私達が………いえ、両津さんが終始主導権を握った状態で進み………)
(開始から僅か数10分で、大学選抜チームを半分以上撃破………)
(その後、一時的に試合が中断した後に、私達は遊園地後へ移動………)
(遭遇戦で着実に敵の数を減らす積りでしたが………)
(またも両津さんによって、大学選抜チームの皆さんが悪夢を見る事となったのです………)
遊園地跡地・西裏門………
大学チーム隊員1「敵影無し………対岸にも敵影無し」
大学チーム隊員2「! 水中に何か居ます!」
大学チーム隊員1「!? 何っ!?」
ザバアアアアッ!!
大学チーム隊員3「せ、潜水艦っ!?」
???「たーりらーりらーりらー! 海を愛し、正義を愛す! 誰が呼んだかポセイドン! タンスに入れるはタンスにゴン!」
「私が水上警察隊隊長! 海野 土左ェ門! 御茶目なヤシの木カットがトレードマークの! 『ドルフィン刑事』だ!!」
大学チーム隊員1「イヤアアアアァァァァァーーーーーーッ! また変質者よ~っ!!」
大学チーム隊員2「誰か警察を~っ!!」
ドルフィン刑事「何を言うか。私は警察官だぞ」
大学チーム隊員「ええ…………」
沙織「あ、あの人も本庁の刑事さん?」
両津「ドルフィン刑事だ。因みに、ああ見えて、アイツは警視だぞ」
麻子「本当に大丈夫なのか、日本警察………」
華「駄目なんじゃないですか?」
みほ「…………」(何も言いたくない)
ドルフィン刑事「ドルフィ~ン!」(ポッポ~)
イルカ達「キュイ~~ッ!」
大学チーム隊員2「!? イルカッ!?」
大学チーム隊員3「あ、可愛い」
ドルフィン刑事(ポッポ~)
イルカ達「キュイ~」(芸を披露)
大学チーム隊員4「わあ~、上手上手~」
ドルフィン刑事「では、お約束も済んだところで………それっ!」(手榴弾を投げ込む)
大学チーム隊員達「えっ?」
イルカ達「キュイ~」(手榴弾を次々に尻尾で蹴り飛ばす)
大学チーム隊員達「!? わあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」(チュドーン!!)
ドルフィン刑事「ハッハッハッ! 見たかぁ!!」(ポッポ~)
イルカ達「キュイ~」
大学選抜チーム:パーシング50両、行動不能
一方、その頃………
両津「退け退け退けぇ~っ!!」
大学チーム隊員A「わあああっ!?」
大学チーム隊員B「来るなあああああぁぁぁぁぁぁっ!!」
沙織「凄い………相手の戦車を踏み潰してる………」
優花里「両津殿! 何故撃たないのでありますか?」
両津「つい前半戦で弾を使い過ぎちまったからな! 節約だよ! 節約!!」
麻子「節約で踏み潰されてる大学選抜の連中が気の毒だな………」
みほ「敵の数は大幅に減りました。このまま各個撃破を続けます」
華「もうツッコミも入れない事にしたんですね………」
みほ(と、こんな具合に特殊刑事の皆さんと両津さんは大活躍(?)し………)
(大学選抜チームの殆どのメンバーを倒してしまいました………)
(残りはセンチュリオン1両だけとなり、誰もが勝利を確信していた、その時………)
(遂に、大学選抜チームの総隊長………島田流の島田 愛里寿ちゃんが動き出しました)
(その圧倒的な強さの前に………アッと言う間に大洗連合軍は壊滅)
(残ったのはお姉ちゃんと私達あんこうチーム………)
(そして、両津さんだけとなっていました………)
遊園地跡・中央広場………
両津「クソッ! 何て奴だ! アイツだけでのせいでコッチの殆どの味方がやられてちまったぞっ!!」
中川「コレが西住流に並ぶ戦車道の流派………島田流」
本田「せせ、せんぱ~い。如何するんですか? もうコッチは僕達とみほちゃん達にまほちゃん達だけになっちゃいましたよ~」
両津「煩い! 情けない声を出すなっ!!」
みほ「やっぱり強い………」
まほ「流石は島田流と言ったところか………」
愛里寿「………私は負けない」(山のオブジェクトの上に陣取って)
両津「そうかよ! けどな! コッチだってお前を倒さなきゃならん事情があるんだよ!!」
愛里寿「………家元から言われたの?」
両津「お袋だろ! そんな言い方すんじゃない!」
愛里寿「………貴方には関係無い」
両津「アイツだってお前と一緒に居てやれなかった事を後悔してるんだぞ! お前だけが苦しんでたワケじゃない!!」
愛里寿「! 知った様な事………言わないで!」
両津「ええい! 意固地なとこまでちよきちソックリだな!!」
愛里寿「! 目標オイ車………」
みほ「! 両津さん! 狙われてます!!」
両津「! 本田! 下がれっ!!」
本田「う、うわああっ!?」
愛里寿「撃てっ!!」
ドゴオンッ!!
両津「うおおっ!? 直撃か!?」
麗子「まだ白旗は上がってないわ!」
ボルボ「両津! 主砲がっ!!」
両津「! しまったっ!! 主砲身を折られた! コレじゃ使い物にならん!!」
愛里寿「次弾装填………コレで終わり」
みほ「両津さん!」
まほ「ココは私達が!」
両津「いや、まだ方法は有る!!」
みほ・まほ「えっ?」
両津「本田! 退けっ!!」
本田「ちょっ! 先輩!? 操縦席に何してるんですか!?」
両津「………良し! 出来たぞっ!!」
本田「! コ、コレは!? バイクのハンドル!?」
両津「本田! コイツを掴めっ!!」
本田(バイクのハンドルを掴む)「! うおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!! 行くぜええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!」(アクセル全開)
まほ「なっ!?」
愛里寿「!?」
みほ「嘘っ!?」
優花里「オ、オイ車がウイリーしたっ!?」
両津「良し! 突っ込め、本田ぁ!!」
本田「うおおおおおっ!!」
沙織「ちょっ!? 何あのスピードっ!?」
麻子「180キロぐらいは出てるぞ………」
みほ「ア、アハハ………」(乾いた笑い)
愛里寿「! 突っ込んで来る! 避けてっ!!」
センチュリオン操縦士「ま、間に合いません!!」
両津「おりゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」
ドゴオオオオオオンッ!!
まほ「!? 勢い余って2両とも飛んだっ!?」
観客席………
観客1「ちょっ!? コッチ来るぞっ!?」
観客2「逃げろぉ!!」
チュドーンッ!!
しほ「無人になった観客席に突っ込んだ!?」
千代「愛里寿ーっ!!」(駆け出す)
両津「イデデデ………」
ジョディー「Oh、イッツクレイジー………」
戸塚「相変わらず無茶苦茶しやがって………」
纏「! マズイぞ、勘吉! 燃料が漏れてるっ!!」
両津「何っ!? 全員逃げろぉっ!!」
ボンッ!!(オイ車、センチュリオン、炎上)
両津「危ないところだった………」
センチュリオン乗員1「隊長ー!!」
センチュリオン乗員2「まだ隊長が中にっ!!」
両津「!? 何ぃっ!!」
炎上しているセンチュリオンの車内………
愛里寿「ハ、ハッチが変形して開かない! 他のハッチにはもう火が………」
「ゲホッ! ゴホッ!………熱いよ………誰か………助けて………」
千代「愛里寿っ!!」
愛里寿「!?」
千代「待ってなさい、愛里寿! 今助けるわっ!!」(変形しているハッチを抉じ開けようとする)
愛里寿「ど、如何して………」
千代「娘を見捨てる親が居るものですか!!」
愛里寿「!!」
千代「う、ぐうう………」(ハッチが熱を持ち始め、手が焼け焦げて行く)
愛里寿「! もう良い! もう良いから! 逃げて! 『お母様』!!」
千代「! 愛里寿!………」
両津「ちよきち! 下がってろっ!!」(千代に代わってハッチを掴む)
千代「! 勘ちゃん!!」
両津「おりゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」(バキッ!!)
センチュリオン乗員3「!? 嘘っ!? ハッチを力任せに引っぺがしたっ!?」
寺井「流石両さん」
両津「ホラ、手を伸ばせ!」
愛里寿「!!」(両津の手を掴む)
両津「よおし! 逃げるぞっ!!」(愛里寿と千代を纏めて背負って離れる)
チュドーンッ!!(直後に爆発するセンチュリオンとオイ車)
両津「危ないところだったぜ………」
千代「愛里寿! 怪我は無い!?」
愛里寿「う、うん………ありがとう、お母様。それと………今までごめんなさい」
千代「! 愛里寿~っ!!」(愛里寿の事を抱き締める)
両津「一件落着だな………」
辻「ちょっと待て! 私は認めないぞ! こんな試合!!」
両津「! 何ぃ~っ!?」
辻「当たり前だろう! 地雷や落とし穴を使ったり、変質者を呼んだり! 大体、部外者である貴様が参加している時点でおかしいんだ!」
両津「そっちこそ、300両の戦車や自走砲を使ったりしただろうが!!」
辻「煩い! 兎に角、この試合は無効だ! 大洗の優勝旗は返還してもらう!!」
両津「コイツ~ッ!!」
???「待ていっ!!」
両津「!!」
辻「だ、誰だっ!?」
???「股間のモッコリ伊達じゃない! 陸に事件が起きた時、海パン1つで全て解決! 特殊刑事課三羽烏のリーダー! 『海パン刑事』………只今参上!!」
センチュリオン乗員1「ま、また変質者が~っ!?」
辻「な、何だ、貴様っ!?」
海パン刑事「文部科学省学園艦教育局長、辻 廉太! 学園艦解体業者との癒着の罪で逮捕する!」(逮捕状を見せつける)
辻「な、何の事だ!?」
海パン刑事「惚けても無駄だ。証拠は揃っている」
辻「クソ! 捕まってたまるかっ!!」
海パン刑事「むっ!!」(海パンに手を入れる!)
全員「!?」
海パン刑事「エネルギー補給の時間だ」(海パンから取り出したバナナを食べる)
全員「だあああああっ!?」(ズッコケ)
両津「そのバナナは止めろと言ってるだろう!!」
辻「ふ、ふざけてるのか、貴様っ!?」
海パン刑事「落ち着け。ココは裸になって話し合おう」
辻「何っ?」
海パン刑事「むんっ!」(徐に海パンを脱ぎ、全裸になる!)
全員「!?!?」
海パン刑事「さあ、君も脱ぎたまえ」
センチュリオン乗員達「…………」(気絶)
千代「愛里寿! 見ては駄目よ!!」(愛里寿の目を塞ぎながら)
愛里寿「えっ? 何? 如何したの?」
辻「よ、寄るな! この変態!!」(後ずさり)
海パン刑事「隙有りっ!!」(ジャンプ)
辻「!?」
海パン刑事「ゴールデン・クラッシュッ!!」
辻「!! ギャアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
ゴールデン・クラッシュとは、相手の顔面に自らの『局部』を当てて押し倒すと言う、海パン刑事のこの世ので最も恐ろしい必殺技である。
両津「相変わらずえげつない技だ………」
海パン刑事「観念した様だな………」
辻「…………」(廃人)
両津「いや、精神が崩壊しただけだろうが」
亜美「えっと………と、取り敢えず! 大洗連合軍の勝利!!」
みほ「………何か、釈然としない」
試合終了の挨拶………
愛里寿「ゴメンなさい………貴方達が優勝旗を返還しなきゃいけなくなるなんて、知らなかったの………」
千代「私からも謝罪致します。この度の件は全て私の至らなさ故の事です」(頭を下げる)
みほ「い、いえ、そんな! 私達の方こそ、滅茶苦茶な試合をしてしまって………」
愛里寿「コレ………お詫びに………」(激レアのボコを差し出す)
みほ「お詫びだなんて、そんな………」
愛里寿「受け取って………じゃないと、私の気が済まないの」
みほ「………分かった。ありがとう」(激レアのボコを受け取る)
千代「私も、お詫びとして、今回の試合で損傷した戦車は島田家は責任を持って修復させていただきます」
「それから、今後島田家は大洗女子学園艦の後ろ盾とならせていただきます」
みほ「えっ!? で、でも、私は………」
しほ「みほ」
みほ「お母さん!?(ど、如何して此処に!?)」(ビクビクしながら)
しほ「………えっと」(しどろもどろしながら)
みほ(アレ? 何時もと違う?………)
しほ「げ、元気そうね」
みほ「えっ!?………う、うん………」
しほ「学校には慣れたの? ちゃんと御飯は食べてる? お小遣いが足りてないとかはないかしら?」
みほ「だ、大丈夫だよ………(ええ~~、何で急にそんな事を聞いて来るのぉ!?)」
まほ(えっ? 何、この光景?………)
エリカ「あんな西住師範の姿、初めて見た………」
しほ「………み、みほ!」
みほ「は、ハイ!」
しほ「ひ、暇が出来たらで良いから、1度帰って来なさい」
みほ「えっ?………」
しほ「1度ゆっくり話したいの………その、だから………あ、あの去年の決勝での事なら、もう怒ってませんから」
みほ「!!」
しほ「だ、だから………何時でも帰ってらっしゃい」
みほ「お母さん………良いの?」
しほ「じ、実家に帰って来るのに一々許可などいりません」
みほ「お母さん………」
しほ「そ、それから、西住家も今後は大洗を支援する事にしましたから」
杏「マジでっ!?」
しほ「よ、要件はそれだけです! では!!」(逃げる様に走り去る)
みほ「あ!………お母さ~んっ!! ありがとう~っ!!」
しほ「!!」(一瞬立ち止まったが、再び走り出す)
ダージリン「物凄い全力疾走で逃げてますね………逃げると言う道の無い西住流の家元が」
まほ「頼む………何も言わないでくれ」
千代(しぽりんも娘と上手く行ってなかったのね………)
両津「あっちの親子も一件落着みたいだな」
月光刑事「両津!」
両津「おうわっ!? 月光刑事!? まだ居たのか!?」
月光刑事「事件だ! すぐに出動するぞっ!!」
両津「ええっ!? 何でわしまで!?」
月光刑事「お前も特殊刑事課の一員だろうが! すぐに着替えろっ!!」(セーラー服を出して)
両津「待、待て! 止めろっ!! 着替えさせるなっ!!」
月光刑事「では行くぞっ!!」(月光の下部に付けられた空の爆弾に両津を押し込めて)
両津「おわあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」
みほ「両津さんっ!?」
千代「勘ちゃ~ん! カムバーックッ!!」
愛里寿「お母様………そのネタは今の人には分かり難いと思います………」
みほ(優勝旗を掛けた戦いは、一応私達の勝利で幕を閉じました)
(あの後、学園艦教育局長の役人さんが逮捕され、裁判で有罪が確定しました………)
(最も、精神が崩壊していたので、すぐに精神病院の隔離室に送られたそうです………)
(少し気の毒にも思えましたが、会長や両津さんは『自業自得』だと言っていました………)
(そうそう、その両津さんは………)
大洗町・ボコミュージアム………
愛里寿「わあ~~~! 綺麗になってる!!」(新築同前のボコミュージアムを見上げながら)
両津「流石は中川だな。仕事が速いぜ」
千代「勘ちゃん、ありがとう」
両津「な~に、良いって事よ」
愛里寿「お母様~! 小父様~! 早く行こう~!」
千代「ハイハイ、慌てないの、愛里寿」
両津「まあ、良いじゃねえか、ちよきち。新装開店の第1号客だからな。しっかり楽しめよ」
愛里寿「うん!………小父様って、何だかお父様みたい」
千代「!?」(ドキッ!!)
両津「ハハハ、止せやい! わしが父親って柄かよ! なあ、ちよきち!」
千代「え、ええ………そうね………」(顔真っ赤)
両津「? 如何したんだ?」
千代「な、何でも無いわ!」
両津「??」
愛里寿「お母様~! 小父様~! 早く~!!」
千代「ほ、ホラ! 行きましょう、勘ちゃん!」
両津「おわたたっ! 分かったからちよきち! そんなに押すんじゃない!!」
おわり
こんな駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
この作品を書こうと思った切っ掛けは、VSこち亀の両津&パンツァーで、
両さんが大洗に来たのは、大洗女子学園が夏休みの最中であると書かれて居まして。
劇場版が2学期が始まるところだったから、両津&パンツァーは時系列的に劇場版の前なのか………
じゃあ、その流れで両さんが劇場版ガルパンに介入したら?と思い付き、書いてみました。
結局、両さんが好き勝手やる形になりましたが(笑)
改めて、お付き合いいただき、誠にありがとうございました。
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