杏子「自転車に乗りたい!」 (88)
さやか「この長い長い下り坂をー♪君を自転車の後ろに乗せてー♪」
杏子「何やってんだよ、さやか」
さやか「何って自転車に乗ってるんだよ、わかんない?」
杏子「で?」
さやか「これから、まどかと仁美とで自転車でちょっと遠出するんだ!」
杏子「ふーん」
さやか「どう?楽しそうでしょう?」
杏子「別にー。自転車で喜ぶとかガキかよ」
さやか「そうだよ!ガキだよ!自転車で喜んで悪いか!」
さやか「まあ、大人の杏子さんはほっといて、あたしはサイクリングを楽しんで来るよ!それじゃあね!」
杏子「…」
杏子「くやうらやましい!」グスッ
※くやうらやましい…悔しくて羨ましいの略
杏子「自転車が欲しい…でも、お金が無い!」
QB「やあ、杏子。魔女退治頑張ってるかい?」
杏子「キュウべえ!」
QB「がっかりして、めそめそして、どうしたんだい?」
杏子「自転車が欲しいー!!」
QB「自転車!?自転車って言うと、二輪の人力車の事かい?」
杏子「そう、それ!お前の宇宙の技術力で自転車を出してくれよ―!」
QB「自転車なんて君には必要ないだろ?これまで不便した事なんてなかったんじゃないかな」
杏子「違うんだよ、不便とかそんなんじゃなくてさ!自転車に乗って、ウキウキルンルン♪したいだろ!風を切りたいだろ!青春を楽しみたいだろ!そういう年頃なの、あたしも!」
QB「全然。全く理解できないね」
杏子「かぁー!やっぱインキュベーターには理解できないかー」
杏子「で、自転車出せるの?出せないの?」
QB「出せるといえば出せるけど…」
杏子「ほんとか!どうやるんだ?」
QB「適当に思春期の悩みを抱えてそうな女の子を捕まえて、『自転車が欲しいって願え』って脅迫して、魔法少女にすれば自転車が出てくるよ」
杏子「ごめん、あたしが悪かった…そんな鬼畜な事させないで…」
QB「良い案だと思うんだけどなあ。杏子も自転車が手に入るし、僕も新規の魔法少女と契約できる。一石二鳥じゃないか」
杏子「そんな事するなら、自転車パクった方がマシだっつうの!」
QB「なんだ杏子が自力で自転車を手に入る方法があるじゃないか」
杏子「さやかとマミと約束したからな、もう盗みはしないって…」
QB「杏子の事だからお金も無さそうだし、打つ手なしだね」
杏子「…グスッ」ショボーン
QB「…やれやれ仕方が無いね。さっき、商店街の方を通ったら福引がやっていたよ。なんと一等の商品は自転車だ!」
杏子「バーカ。そうそう福引なんて当たるもんじゃねえよ」
QB「でも、もしかしたらって事があるかもしれないよ。さっき、福引券を拾ったから、駄目で元々だけどやってみれば?」
杏子「…まあ、当たるとは思えないけどやってみるかな。ありがとキュウべえ」
くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、まどか達のみんなへのメッセジをどぞ
まどか「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」
さやか「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」
マミ「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」
京子「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」
ほむら「・・・ありがと」ファサ
では、
まどか、さやか、マミ、京子、ほむら、俺「皆さんありがとうございました!」
終
まどか、さやか、マミ、京子、ほむら「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」
本当の本当に終わり
杏子「自転車は金色の玉か…」
「はーい赤い玉はティッシュね」
「ほんとに金色入ってるの?」
「ほんとに入ってるよー。でも、一個しかないからねー」
杏子(一番外れでティッシュか…。いらねー…)
QB「1枚だけだと確率が低そうだね。当てる事ができそうかい?」
杏子「わかんねえよそんなの。わかんないからやるんだよ」
「はーいお嬢ちゃん、一枚だから一回ね。ゆっくり回してね」
杏子「うん。それじゃあ…」
ガラガラガラ…
杏子「頼むよ神様!こんな人生だったんだ。せめて一度ぐらい、幸せな夢を見させて!」
QB「せめて一度ぐらいの幸せな夢が自転車でいいの!?」
杏子「当たれー!!!」
QB(商店街で大声出すなよ…)
杏子「…(結果を知るのが怖くて目を開けられない!)」
カランカラーン!!
杏子「え!?」
「大当たり―!!金色が出ました―!!」
杏子「マ、マジで!!?」
QB「おめでとう杏子。君の祈りは福引を凌駕した!」
「おめでとうお嬢ちゃん!自転車大事にしてね」
杏子「ふぁ、ふぁい!だ、大事にしましゅ!!ありがとうございます!!」
杏子「…やったー!!!!」
杏子「やった!やった!」
QB「喜んでるところで水を差すようだけど、大丈夫かい?せめて一度くらいの幸せな夢なんだろ?これから、その分の不幸を味わう事になるかもしれないんだよ」
杏子「まっさかー!言葉に出しただけで、これが最後の幸せな夢って事があるかよ!そうだな…この自転車は良い子にしてたあたしに神様がプレゼントしてくれたんだ!」
QB「良い子にしてたねぇ…」
杏子「今まで不幸続きだった分、これからは幸せ三昧って事かもしれないぞ!自転車はその最初の幸せ!そうだ!そうに違いない!もう何も怖くない!」
QB(何で、この娘は自分で死亡フラグを立てるかな…)
杏子「それじゃあ、さっそく自転車に乗ってみよっと!」
QB「あ、それと杏子…」
杏子「うわ!凄ーい!徒歩より速ーい!!」
QB「杏子って自転車乗った事あるの?」
杏子「うわああああ!!!」
ドンガラガッシャーン!!!
QB「さっそく不幸な事が起きた」
その日の夜
さやか(なあに杏子?テレパシーを使って相談って。あたしサイクリングで疲れているから手短にお願いね)
杏子「えーと…」
さやか(どした?)
杏子「うーん…」
さやか(何か言いづらい事なの?)
杏子「…」
さやか(本当にどうしたの?何も話さないなら切るよ)
杏子「あ、あたしに自転車の乗り方を教えてくれ―///」
次の日
さやか「いやあ、まさかあの杏子が自転車に乗れないとはね…」
まどか「一度も自転車に乗った事が無いんだから仕方がないよ」
さやか「でもあの運動神経の塊みたいな杏子がだよ!あの杏子が!くぅ~これが萌えか!ギャップ萌えなのか!」
さやか「しかも恥ずかしそうに自転車の乗り方を教えてくれって言うんだからね。ぜひともその時の杏子の顔見たかったなー」
まどか「確かに杏子ちゃんのその時の顔は見たかったかも」
さやか「でしょー!あっ、杏子が来た!」
杏子「よーお前ら…」
まどか「おはよう杏子ちゃん。うわあ凄く良い自転車だね!」
杏子「だろう!福引で当てたんだぞ!新品だぞ!凄いだろ!」
まどか「凄ーい!でも杏子ちゃん、顔とか傷だらけだけどどうしたの?」
杏子「…自転車に乗ろうと思って何回も転んだんだよ…」
さやか「いやあ、どんなに良い自転車持ってても乗れないんじゃ意味ないですなー」
杏子「う、うるさい!!」
まどか「さやかちゃん、いじわるしないで。杏子ちゃん、安心して。今日はもう傷をつくらないためにいっぱい練習しよ!」
杏子「お、おう…ありがと」
さやか「でも、その練習でたくさん傷をつくるんだけどね」
まどか「さやかちゃん!!」
さやか「それじゃあ、これを自転車に装着しなくちゃ」ガチャッ
杏子「何これ?」
さやか「補助輪だよ。これを着けてたらこけないはずだよ」
杏子「なんだ、そんなものがあるんだ。じゃあ、練習しなくていいじゃん」
さやか「あんた、ほんと自転車の事何も知らないわねー。補助輪を着けて自転車に乗るなんて幼稚園児か小学生低学年までがする事だよ。まあ、まどかは小学4年まで補助輪着けてたけど」
まどか「ちょっと!さやかちゃん///」
杏子「そんなに恥ずかしいもんなのかよ。じゃあ着けるの止めた」
さやか「あんた全く自転車に乗った事無いんだから、最初は補助輪着きで慣れた方が良いよ」
杏子「そういうもんなのかー」
マミ「みんなー!」
杏子「マミ!」
さやか「杏子の練習のために、マミさんとほむらも呼んだんだよ」
マミ「お待たせ―!」ガラゴロガラゴロ
さやか「え、何この音?」
まどか「どこかで聴いた事あるような…」
マミ「さあ、今日は佐倉さんのために頑張りましょ!」ガラゴロガラゴロ
まどか・さやか「マミさん自転車に補助輪着けてるー!!??」ガビーン!
さやか「ちょ、マミさん、どうしたんですかその自転車は!?」
マミ「良い自転車でしょ美樹さん」
さやか「ええ確かにそうですけど…(補助輪が無ければ)」
さやか(何か補助輪の事は言わない方がいいのかなー?)
まどか「マミさん、何で自転車に補助輪着けてるんですかー?」
さやか(ストレートに聞いた!)
マミ「え?ああ、これの事ね。私ぐらいの実力者となると、少し重りをつけて力を制限した方がいいかなって思って」
まどか・さやか(何か勘違いしてるー!!)
まどか「いや、もしかしたら本当は初心者の杏子ちゃんに合わせるために着けてるとか…」
さやか「そ、そうだよねー。マミさん、本当は補助輪を着けづに運転できるよねー」
マミ「あら?佐倉さん、あなたも自転車に補助輪を着けるの?初心者のあなたにはお勧めできないわね。これは上級者が自分の力を制御するためのものよ」
まどか・さやか(普通に勘違いだったー!!)
杏子「おい、あれって確か幼稚園までって…」
さやか「みなまで言うな。ホントの事言ったら、家引きこもるぐらいのショックを受けると思うから…」
さやか「こうなったら、マミさんのためにも杏子の自転車には補助輪は着けれないなあ…」
まどか「でも、最初っから何もなしで練習させるのは危険だよね…」
さやか「こうなったら、あたしが走りながら後ろを支えてバランス崩さないようにするしかないかー」
杏子「すまないな…」
まどか「こんな感じで乗るんだよー」
杏子「すげー!まどかこけずに自転車に乗ってる!」
さやか「凄くない。あれが普通なの」
マミ「佐倉さん、今度は私が手本見せようかしら?」
さやか「え?必要無いですよ―正直見ても意味が無いと思います」
マミ「それってもしかして、私の自転車の乗り方は何の参考にもならないぐらい下手くそって言いたいの?」ウルウル
さやか「え?そ、そうじゃないですよ!マミさんの運転は凄過ぎて参考にならないってだけですから!」
マミ「なーんだ!それなら仕方ないわね♪」
さやか(今日のマミさんはめんどくさい…)
さやか「それじゃあ、あたしが後ろを押さえるからペダルをこいで走らせてみて」
杏子「お、おう」
杏子「お、お!動いた!しかもこけない!」
さやか「ちょっと揺らさないで!バランスとってよ!」
杏子「わ、わりー。(できるだけまっすぐになるようにっと)」
さやか「よーし良い感じだよ…って杏子!前!?」
杏子「うわー!!」ドーン!
さやか「木に激突とか、前見てんの?!」
杏子「止まり方も曲がり方もわからないんだよー!」
マミ「これは、相当苦労しそうね…」
まどか「そうですね…」
まどか「杏子ちゃん、止まる時はハンドルに着いてるブレーキを握るんだよ」
杏子「これか!」キキッ
杏子「止まった!ってうわああ!」
さやか「止まったら足を地面に着けるんだよ!」
杏子「曲げ方はどうするんだ?」
マミ「ハンドルを動かすのよ」
杏子「なるほど、お!曲がった!ってうわああ!またバランスが崩れた!」
さやか「ハンドルを動かしすぎ!ほど良い角度にしないと」
杏子「そのほど良いってのが難しいんだよなあ」
マミ「佐倉さん、こうキュッとなる角度でハンドルを動かしてサ―って感じで角度を調節するのよ」
杏子「ごめん、マミの言ってる事が全くわからん」
1時間後
さやか「何だかんだいっても杏子は運動神経が良いね、だいぶ様になってきたよ。あたしが押さえてないと駄目だけど」
杏子「ほんとか!」
さやか「この調子なら今日中には乗れるようになるかも」
杏子「よし!気合入れて走るぞ!」
さやか「…というわけであたしは離すよ」
杏子「え!?うわあああああ」
ガシャーン!
まどか「大丈夫杏子ちゃん!」
杏子「痛ってー…。さやか!何で手を離した!」
さやか「ずっと誰かに支えてもらってたら、ずっと自転車一人で乗れないままだよ」
杏子「だからって急に離す事ないだろ!」
杏子「よーし、スピードに乗ってきた」
さやか「それじゃあ、離すよ」
杏子「オッケー!…バランス崩すなよー」
まどか「あ!乗れてる乗れてるよ杏子ちゃん!」
杏子「良い感じ…っうわあああ」ガシャーン
マミ「大丈夫佐倉さん?」
さやか「流石に直ぐは無理かなー」
ほむら「みんな、お待たせ」
まどか「ほむらちゃん」
ほむら「だいぶ待たせてしまったわね、ごめんなさい」
さやか「遅いよ、ほむらー!」
ほむら「急用ができたのよ、ごめんなさい」
マミ「あれ?暁美さん自転車は?」
ほむら「え!?じ、自転車?…こ、壊れて今は無いの」
さやか「そりゃあ災難だったね」
まどか「かわいそうに…」
ほむら「え、ええ。不幸な事故だったわ」
杏子「ほむら、お前も自転車乗ってみなよ」
ほむら「え!?」
杏子「ほむらが乗ってるとこ見たいんだよ」
ほむら「だ、だから言ってるでしょ!じ、自転車は壊れてしまったって!」
杏子「あたしの貸すからさ」
ほむら「そ、そもそも私が自転車を乗る必要性を感じないのだけれど」
杏子「ほむらなら、自転車乗るのが上手いかなって思ってさ」
ほむら「え!?そ、そりゃあまあ、それなりの実力があると自負しているけれど…」
杏子「じゃあ、見せてくれよ!手本にしたいから」
ほむら「お、お断りさせていただくわ」
杏子「えー!なんでだよー!」
ほむら(自転車が乗れないからに決まってるでしょ!!)
ほむら(入院生活が長かったせいで自転車に触れる機会がほとんどなかったという悲劇!そのせいで中学生になってからも自転車に乗れないなんて…)
ほむら(私は文武両道のクールビューティーとして周りから認識されている。なのに自転車に乗れない事が知れたら私のイメージが崩れてしまうわ!)
ほむら(それだけは死守しなくてはいけない、特にまどかの前では…)
まどか「私もほむらちゃんが自転車乗ってるとこ見たいなー」
ほむら「え!?」
まどか「ほむらちゃんなら、きっと自転車乗るの上手いはずだもん!」
マミ「そうよね。なんたって文武両道のクールビューティーな暁美さんですもの」
さやか「ほむらなら杏子の良い手本になるだろうなあ」
ほむら(どんどん乗らなければいけない状況になってる!)
ほむら(結局、観念して乗る事になりました…)
杏子「さすがほむら。自転車に乗ってる姿も様になってるな」
まどか「ほむらちゃんカッコイイ!」
ほむら「(まどかが私をカッコイイって!)ありがとう、まどか」
まどか「カッコイイだけじゃなくて、技術も凄いんだろうなあ」
マミ「きっと凄いサイクリングテクニックを見せてくれるはずよ!」
さやか「なんてったってあのほむらだもんね!トリックプレーとかするんじゃないのかな」
まどか「ほむらちゃん、すんごいのを期待してるよー!」
ほむら「ええ、期待に応えて見せるわ…(ハードルがどんどん上がってる!)」
ほむら(どうしよう…この事態をどうやって打開すればいいの!?)
ほむら(破れかぶれでやってみようかしら…そしたら万が一できるかも…)
ほむら(待って…失敗してこけたらどうするの!?大怪我負うかもしれないのよ!!)
ほむら(こけた先には竹藪があって、竹に刺さって、その傷のせいで鉄壁の防御が破れたりするのよ!!)
ほむら(どうしよう…怖くて足が震えてきちゃった…)ガクブルガクブル
杏子「なんかほむらの奴、震えてない?」
まどか「きっと武者震いだよ」
ほむら(やっぱり正直に話そう…クールビューティーじゃなくなっちゃうけど大怪我するよりマシよ…)
まどか「ほむらちゃん頑張ってー!」
ほむら(まどかが私に期待の眼差しを送っている!)
ほむら(駄目よ…私はまどかの期待を裏切る事はできない!)
ほむら(でも、こけて大怪我するのは嫌!いったい、どうすれば…)
ほむら(…そうだ!!)
ほむら(私は魔法少女よ!それも時間停止という反則級の特殊能力を持った魔法少女よ!)
ほむら(少し進むごとに時間停止を使えば、まどか達には私がちゃんと自転車を乗って運転してるように見えるはず!)
ほむら(流石、文武両道でクールビューティーな私!凄い発想ね!)
ほむら(いけるわ、これなら!)
ほむら「それじゃあ、出発するわよ」
まどか「頑張ってー!」
ほむら(両足を地面から離して…)
ほむら「キャッ!?」
ほむら(両足をペダルに乗せるだけで私バランス崩しちゃうの!?)
ほむら(直ぐに時間停止を…)
ほむら(って今、私魔法少女になってないじゃない!)
ほむら(直ぐに変身を…うわあ!)グラッ
ガシャーン!
まどか「ほむらちゃーん!!?」
さやか「ほむらがこけた!?」
杏子「大丈夫かー!ほむらー!」
ほむら「…」
マミ「頭を打って気絶してしまったみたいね…」
さやか「ほむらがこけちゃうなんて…」
杏子「もしかしたら、ほむらって自転車乗れなかったんじゃ…」
まどか「そんな事絶対無いよ杏子ちゃん!だって、あの文武両道でクールビューティーなほむらちゃんだよ!」
さやか「そうだよ!あの文武両道でクールビューティーなほむらが自転車乗れないなんてあるはずないよ!!」
マミ「そうね、きっとタイヤの前に障害物となる石があったか…あるいは今日は体調が悪くて倒れてしまったとかそんなとこじゃないかしら…。だって文武両道でクールビューティーな暁美さんが自転車に乗ってバランスを崩すなんて事あるはずないもの」
杏子「それもそうだな。だってあの文武両道でクールビューティーなほむらだもんな」
さやか「よし!傷は治したぞ!でも起き上らないね、ほむら」
マミ「やっぱり体調が悪いのかしら…」
まどか「ほむらちゃんは私が見てるから、杏子ちゃんたちは練習頑張って」
杏子・さやか・マミ「はーい!!!」
ほむら(ほんとは目を覚ましたんだけど、このまま気絶したふりをしていた方が良さそうね…)
まどか「ほむらちゃん、本当は体調が悪いのに無理しちゃったのかな…」
ほむら(…まどかを心配させるのは心が痛むわ。やっぱり起き上ろうかしら?)
まどか「地面の上で眠るのは辛そうだね…よいしょっと」
ほむら(ひ、ひ、膝枕ですと!!!!)
まどか「早く元気になってね、ほむらちゃん」
ほむら(もう少しこのままでいましょ///)
さやか「よし!それじゃあ練習再開!」
杏子「それじゃあさやか、後ろを支えて」
さやか「何言ってんの?誰かが後ろを支えての練習はもう十分したから、後は離してやるだけ!」
杏子「ええ!!そんなの無理だよ!」
マミ「無理とか言ってちゃ駄目よ佐倉さん。みんな無理だと思う物を乗り越えて成長するんだから」
杏子(補助輪のくせに…)
さやか「そうそうマミさんの言うとおりだよ。何事もチャレンジ!チャレンジ!」
杏子「わかったよ…」
杏子「それじゃあ行くぞ…」
さやか「おう!」
マミ「頑張って!」
杏子「それじゃあ行くぞ…」
さやか「おう!」
マミ「頑張って!」
杏子「それじゃあ行くぞ…」
さやか・マミ「はよ行け!!」
さやか「何で行かないのさ?」
杏子「だって、怖いんだもん…」
さやか「魔女との戦いは平気で戦えるのにねえ…」
杏子「しかたないだろ!怖いもんは怖いんだ!」
さやか「はぁ…しゃーない。途中まではあたしが支えてあげるから」
杏子「サンキュー!」
さやか「途中までだからね!途中で離すから!」
さやか「それじゃ行くよ」
杏子「うん」
さやか「よし、スピード出てきた!」
杏子「お、おう」
さやか「それじゃあ離すよ」
杏子「ちょ、ちょっと待って!」
さやか「待たない!」
杏子「わ!わ!わわわ!!」
さやか「杏子!ビビらないで!バランス保って!足つけちゃ駄目!そう!こいで!」
マミ「佐倉さん!こげてるわ!自転車乗れてる!」
杏子「や、やったー!あたし自転車乗れてるぞー!」
さやか「やれば、できるじゃん杏子」
杏子「よーし、このままどこまで行けるかなあ…」
マミ「佐倉さん、どこへ行くの!?」
杏子「わああ!止まらない!!」
さやか「スピード出しすぎよ!!壁にぶつかっちゃう!!」
マミ「キャー!!!!」
さやか「…あれ?何も音がしない?」
マミ「!?佐倉さんがいないわ!!」
さやか「そんなまさか!?」
壁に駆け寄るさやかとマミ
さやか「ああ!壁にグリーフシードが!!」
マミ「なるほど、佐倉さんは魔女の結界に自転車ごと入ってしまったようね…」
マミ「近くにいたのに気づかなかったなんて…」
さやか「さっそく行きましょうマミさん!」
マミ「暁美さんはどうしましょ?」
さやか「流石に今日のほむらを戦わせるのは酷ですよ」
マミ「そうよね、結界の中にいる佐倉さんと合流して3人で戦いましょ!」
まどか「ほむらちゃんったら幸せそうな寝顔♪」
ほむら(ぐへへへまどかの太もも!まどかの太もも!)
結界内
杏子「痛ててて…まさか、あんなとこにグリーフシードがあったなんて」
杏子「それにしてもこんなタイミングで魔女と戦う事になるなんてな。壁にぶつかるのを助かったというべきか、ぶつかった方がまだマシだったと言うべきか…」
杏子「自転車は…良かった壊れてない」
さやか「大丈夫、杏子?」
杏子「さやか、マミ!」
マミ「たいした怪我もなさそうね」
杏子「まあな。さっさと魔女を倒しちまうぜ!」
さやか「じゃないと自転車の練習ができないもんね。それとも、結界内でも練習する?」
杏子「そんなの無理に決まってんだろ!」
さやか「ジョーダン、ジョーダン」
銀の魔女ギーゼラ「ブオオオオオオオ!!!」
・銀の魔女ギーゼラ
その性質は自由。機械のようなパーツが体の部位にある魔女。バイクのような形に変形して高速移動する事が可能。
アニメ本編では7話で杏子の回想シーンに少しだけ登場。
魔法少女まどか☆マギカポータブルだと出番割と多し。
杏子「こいつがこの結界の魔女か」
さやか「なんか魔女なのに機械のような体だね」
魔女ギーゼラ「ブモッ!!」
ドスッ
魔女の攻撃!
さやかと杏子は飛んで攻撃を回避した
さやか「わっ!攻撃してきた!」
杏子「そんな殴るだけの攻撃が当たるかよ!」
マミ「反撃よ!ティロボレー!」
バーン!バーン!
魔女「ブブブ!?」
さやか「効いてる、効いてる」
魔女ギーゼラ「ブバアー!!!」
ドスン!魔女の攻撃!
マミ「おっと。当たらないわよ!」
魔女ギーゼラ「ブブブブ!!」
ドスッ!魔女の攻撃!
さやか「あらよっと!」
杏子「そんなとろい攻撃じゃ、蚊も叩けないぜ!」
マミ「思ったより強くない魔女のようね…楽に倒せそうかしら」
魔女ギーゼラ「ブルルルル…」
さやか「え!?なんか魔女の様子が変だよ!」
杏子「なんか湯気が出てるぞ。怒ってんのかこいつ」
魔女ギーゼラ「ブアアアアアアア!!!」
ガキン!ガチャン!ガクン!
マミ「えええ!魔女が変形した!?」
魔女ギーゼラ「ブルルルル…」
杏子「変形とかロボットかよこの魔女」
マミ「まるでバイクみたいな形ね…」
さやか「なんかやばくない?」
魔女ギーゼラ「ブアアアアアアア!!!」
マミ・杏子・さやか「突っ込んできた!?」
さやか「キャアアアアア!!」
さやかは魔女に跳ね飛ばされた!
杏子「さやか!!くそ、なんてスピードだ…」
マミ「とにかく魔女の動きを止めないと…リボンよ魔女を拘束して!」
シュルシュル、マミから発したリボンが魔女に向かう
魔女ギーゼラ「ブルルルルーン!!」
しかし避けられた
マミ「速すぎて、魔女を捕える事ができない!?」
杏子「危ないマミ!!」
魔女がマミ目がけて突進した
マミ「キャー!!!」
マミは跳ね飛ばされた
杏子「大丈夫かマミ!」
マミ「魔女の攻撃を受ける直前、逆方向に飛んだから直撃は避けられたけれど、結構なダメージね…」
杏子「さやかは?」
マミ「美樹さん!美樹さん!…駄目、あの一撃で気絶してしまってるわ…」
マミ(美樹さんが気絶していなければ、私の傷もすぐに治せていたのに…。治療専門じゃない私ではこの傷を戦える状態まで治すには時間がかかるわ…)
魔女ギーゼラ「ブルルルルルル!!!」
魔女の突撃!
杏子「うぉ!危ね!」
杏子は魔女の突撃を回避した
マミ「流石だわ!運動性能に優れている佐倉さんなら避けれる!」
魔女ギーゼラ「ブオオオオオオオ!」
魔女の突撃!
杏子「うわ!」
杏子は魔女の突撃を回避した
杏子「逃げてばっかでいられっかよ!」
杏子は魔女めがけて槍を投げ飛ばした!
魔女「ブブン!」
しかし魔女に避けられた
杏子(くそっ!あいつのスピードが速すぎて飛槍が当たらない…、やっぱり直接手に持って攻撃しなくちゃ…でも、今のあたしの速さであいつの攻撃を避けて直接攻撃なんてできるか?)
杏子(誰かが隙を作れば…。さやかは…気絶して戦える状況じゃない。マミは…まだ治療に時間がかかる…くそ!どうすれば…)
マミ「避けて佐倉さん!」
杏子「ハッ!」
魔女ギーゼラ「ブブブブブ!!」
魔女の突撃!
杏子「ぐぁっ!」
杏子は回避しようとしたが、避け切れず攻撃を受けた
マミ「大丈夫佐倉さん?」
杏子「くそっ!ちょっとくらっちまった…ハァハァ」
杏子(このままじゃ駄目だ…相手の攻撃を避けるだけだと、さっきみたいにいつか攻撃を受けてしまう…そして、最後死ぬことに…くそっ!今戦えるのはあたししかいないんだぞ!あたしがあいつを倒さないとさやかもマミも死んでしまうんだ!)
杏子(どうすればいい?せめてもっとスピードを上げる事ができたなら…)
杏子「あっ!あったぞ!早くなる方法が!」
魔女ギーゼラ「ブルルルル!!!」
魔女の突撃!
杏子「マミ!」
杏子はすんでのところで回避した
マミ「え!?」
杏子「ちょっときついかもしれないけど、少しだけ時間が欲しいんだ。頼む!」
マミ「…わかったわ。何のためかわからないけど、あなたを信じる!」
マミ「魔女!私が相手よ!」
マミ(今の私が戦えるのは数分だけ。佐倉さんの言う少しの時間を稼ぐには足りるかしら…いいえ、足らせてみせる!)
魔女ギーゼラ「ブオオオオオオオ!」
魔女の突撃!
マミ「私には、佐倉さんのような運動能力はない…だけど、これなら!」
バーン!マミは地面に向けてマスケット銃を撃った!
魔女「ブモモ!?」
マミ「反動で避けれる!」
マミは魔女の攻撃を回避した
魔女「ブオオオオ!!」
魔女の突撃!
バーン!マミは地面に向けてマスケット銃を撃った!
マミ「そんなんじゃ、私を捕まえられないわよ」
マミは魔女の攻撃を回避した
マミ「うっ!(傷口が開いた?!)」
魔女ギーゼラ「ブルルルルルル…」
マミ「ここまでなの…」
杏子「マミ!よく耐えてくれた!」
マミ「あ!あれは自転車!?」
杏子「特訓の成果を見せてやるぜ!!」
魔女ギーゼラ「ブオオオオオ!!」
魔女の突撃!
杏子「当たんないよ!」
杏子は魔女の突撃を回避した
マミ「凄いわ佐倉さん!魔女の突撃を楽々回避した!通常の人が自転車に乗ってもあんなスピードは出せないけど、常人より運動能力に優れた魔法少女が自転車に乗ればまるでバイクに乗ってる時のようなスピードが出せるのね!」
マミ「だけど、曲がるのはどうかしら…」
杏子「特訓を思い出すんだ…」
(さやか「ハンドルを動かしすぎ!ほど良い角度にしないと」
マミ「佐倉さん、こうキュッとなる角度でハンドルを動かしてサ―って感じで角度を調節するのよ」)
杏子「ハンドルをほど良い角度に!そしてキュッ!サーッだ!」
杏子の自転車は右に曲がった
杏子「やったー!曲がれた!曲がれたー!」
マミ「凄いわ佐倉さん!思わず拍手しちゃった!」パチパチパチ
杏子「自転車はもうマスターしたぞ!こうなりゃこっちのもんだ!」
魔女ギーゼラ「ブオオオオオオ!!!」
魔女ギーゼラは杏子に向かって、猛スピードで突進した!
それに応えるかのように杏子も自転車をフル回転で動かし、猛スピードで魔女ギーゼラに向かった!
杏子「うおおおおおお!」
バイクを模した形の魔女と杏子の自転車が衝突する…その直前、ギリギリのところで杏子はハンドルを左に動かした。
杏子の自転車は魔女の突撃をかわし、魔女の体には杏子の槍が突き刺さっていた。
魔女ギーゼラ「ブアアアアアアア!!!」
マミ「ああ!魔女の体が崩れていく!」
杏子「よっしゃ!グリーフシードゲットだぜ!」
マミ「助かったわ佐倉さん。それにしても、なかなか手強い魔女だったわね」
杏子「ああ…」
杏子(最後かわした時に見た魔女の顔、なんか笑ってるように見えた…。あいつも誰かと一緒に走りたかったのかな…)
マミ「その分、犠牲もあったわね…」
杏子「え?あああ!あたしの自転車が!!!」
マミ「魔法少女の能力に自転車が耐えられなかったのね…」
次の日
杏子「ちくしょー!せっかく自転車手に入れたのに、乗れるようになったのに、その結末があれかよ!」
QB「修理はできないのかい?」
杏子「あそこまで壊れてると、自転車を新しく買うのと同じぐらいの金がいるんだってさ。そんな金あたしにあるわけねーじゃん!」
QB「それは残念だったね」
杏子「この世に神様はいないのかよ…」
QB「君も言ってたろ?せめて一度ぐらいの幸せな夢でいいからって。だから、その程度のもんだったって事かもしれないね」
杏子「ぐすん…」
チリン♪
QB「…でも一度だけの夢じゃなさそうだよ」
さやか「おはよう、杏子!」
杏子「何だよさやか、自転車に乗ってさ。自転車が壊れたあたしに対しての嫌みか?」
さやか「いじけちゃってるねぇ…」
杏子「ふん!」
さやか「あの…お礼がしたくってさ。杏子が頑張って魔女を倒してくれなかったら、あたしもしかしたら死んでたかもしれなかった。ありがとう杏子」
杏子「…良かったな、あれから怪我もすぐに治って」
さやか「うん!これも全部杏子のおかげだよ!」
杏子「…」
さやか「それでそのお礼に一緒に自転車に乗ってどこか出かけようかなって思って」
杏子「はぁ?だから言ってるだろ、あたしは自転車が壊れたって!」
さやか「自転車は一台でも2人で乗れるんだよ」
杏子「へ?」
さやか「お嬢さん、わたくしの後ろに乗って下さいな!」
杏子「へ?どゆこと?」
さやか「あたしの自転車の後ろに荷台があるから、そこに杏子が乗れば二人乗りできるんだよ」
杏子「ふ、二人乗り!?いっ、いっけないんだぞー二人乗りは!小学校で習わなかったのかよ!」
さやか「あんたは小学生か!って、まあ中学生でも二人乗りは駄目なんだけど…」
さやか「でも、たまには不良になってもいいんじゃない?」
杏子「…危ない運転して振り落とすなよ」
さやか「杏子こそ、しっかりあたしにつかまっててよ!」
さやか「ちゃんと乗った杏子?」
杏子「お、おう!」
さやか「それじゃあレッツゴー!」
杏子「わわ!速い!ちょっと速いぞさやか!」
さやか「キャッ!あんたこそ、どこつかんでんのよ///ちょっと落ち着きなさい!」
さやか「ね?慣れたらそうでもないでしょ?」
杏子「ああ…風が気持ち良い…」
さやか「でしょ?」
杏子「なあ、さやか」
さやか「うん?」
杏子「…あんがとな」
さやか「…お互い様だよ」
さやか「こう気分が良いと歌でも歌いたくなってくるね~。この長い長い下り坂をー♪君を自転車の後ろに乗せてー♪」
まどか「良かったね、杏子ちゃん自転車に乗れて」
ほむら「そうね」
まどか「杏子ちゃんもさやかちゃんも楽しそうだなあ。私達も二人乗りする?」
ほむら「え///(私が、まどかの乗った自転車の後ろに乗る…つまり、まどかの体つかみ放題!)」
まどか「ほむらちゃんが乗った自転車の後ろに乗ってみたいなあ///」
ほむら「え?!」
まどか「駄目?」
ほむら「クラッ…今日も体調が良くないみたい。二人乗りで自転車に乗るのはまた今度にしましょ」
まどか「それじゃあ仕方がないね。早く元気になってね、ほむらちゃん」
ほむら「ええ…(練習して早いうちに自転車乗れるようにした方が良さそうね…)」
マミ「ちょっと、美樹さん、佐倉さん待ってよ~。私も一緒にサイクリングするわ~。補助輪付きだとやっぱり遅いわね…ついに補助輪を外して私の本気を見せる時が来たかしら?」
終わり
最後まで読んでくれてありがとうございました。
それじゃあ、おやすみなさい。
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