怜「大学受かった」 (73)

ワーワー

竜華「怜!どうやった!?」

怜「あったでー」

竜華「ウチもあったで!一緒に大学行けるなー♪」ダキッ

怜「学部はちゃうけどな」ギュッ

竜華「ここ、家からは遠いからアパート借りるやろ?」ナデナデ

怜「んー、そやな」スリスリ

竜華「一緒に住もうや!」

怜「うん、住もうな」

竜華「やったー♪」ギュー

ヒソヒソ

怜「………?」

竜華「怜?どしたん?」

怜「んーん、なんでもない。学校に帰ろうや」



竜華「電車来るまで時間あるから、ちょっとお手洗い行ってくるなー!」トタトタ

怜「うんー」フリフリ

怜「あー…人ごみ、ちょっと疲れたわ…」

「ねえ、さっきの見た?」

怜「…………?」

「見た見た!女同士で抱き合ってたやつやろ?」

「なんか一緒に住むー、とか言ってた人らやんな」

怜「!」

「うわ…そんなん言いよったん?」

「それガチのやつやん…キモいわ…」

怜「(う、ウチらのこと……?)」

竜華「怜ー?」

怜「!あ、竜華…」

竜華「大丈夫?青い顔しとるけど…疲れた?」

怜「…ううん、大丈夫や」

竜華「膝枕する?」ニギ

怜「いや、ええ」パシ

竜華「………怜?」

怜「………電車、来たで」

竜華「…あ、ああ、そやな」

園城寺邸 怜部屋

怜「………はぁ」

『女同士で抱き合ってたー』

『キモいわ……』

怜「(思えば、ウチと竜華って、レズなんやな)」ゴロン

怜「(高校では、イチャイチャしとっても何も言われんやった)」

怜「(そやから、大丈夫だって、そうおもっとったけど…)」

怜「(でも…それは、女子高やったからなんか)」

怜「(『付き合っとる』って言うても…みんな笑うてたもんなぁ)」

怜「(…冗談やと思われとったってことか)」ハァ

怜「(高校なら、まぁ許されとったかもしれへんけど)」

怜「(女子大とはいえ大学やし…いろんな人おるよな)」

怜「(……このままで……ええん、やろか…)」ウトウト

怜「(…でも、りゅうか、好きやし…)」

怜「(いや…でもバレたら……大学で友達おらんようなりそう…)」

怜「(でも………でも)」

怜「(うう………眠気…が……げん、か…)」

―――

入学式後

竜華「入学式暇やったなー」

怜「長かったな」

竜華「今から学部ごとの説明会やんな?」

怜「ん…じゃ、ウチあっちやから」

竜華「え、一緒に行かへんの?」

怜「………行く場所違うんやから、じゃ」トタトタ

竜華「と、とき………?」

学部セミナー教室内

「おんじょーじ、さん?」

怜「は、はい?」オドオド

「あのね、明日クラスの飲み会あるけど、来るー?」

怜「……ええっと」

「皆来るから、おいでよー」

怜「…あ、じゃあ、行きます」

「りょーかい、ありがとね♪」

怜「…………」バクバク

怜「(き、緊張する……)」

別の学部セミナー教室内

竜華「清水谷竜華です!よろしく!」ハキハキ

「あ、清水谷さんは明日のクラスコンパ来る?」

竜華「んー…一応確認とってみるけど、行く!」

「…あ、何、彼氏ー?」ニヤニヤ

竜華「そんな感じー…あ、ええって!」

「了解ー♪」

竜華「(怜は、大丈夫かな…うまくやっとるかなぁ………)」

怜、竜華宅

竜華「ただいまー」ガチャ

怜「おかえり」

竜華「……ふふ、なんかええな」クス

怜「へ?……何が?」

竜華「家に帰ったら、怜が居るって…なんか幸せやなーって」ニコニコ

怜「………………」

竜華「?怜どうしたん」

怜「……あんな、竜華」

怜「ウチら、もう大学生やん」

竜華「うん、そやな」

怜「………えっと、外で、ベタベタするの控えて欲しいんよ」

竜華「…………?」

怜「なんというか……人目とか、気にして、いこうや、もう大人やで?」

竜華「…う、うん」

怜「(……あかん、ストレートに言うの気が引けるわ)」

竜華「まぁ、家の中ならベタベタしてもええやろー?」ギュッ

怜「!」グイ

竜華「へ?」

怜「きょ、今日は疲れたから…勘弁して」

竜華「え、大丈夫?膝枕する?」

怜「…………いや、ええ」

竜華「な、なら、ご飯作るわ。ゆっくりしとって?」

怜「…うん、ありがと」

パタパタ

竜華「(怜……受かってから、様子おかしいな…)」

怜「(あかん…絶対なんか間違って伝わったわ)」

翌日夕方

竜華「じゃ、ぼちぼち行ってくるー」

怜「うん、…あ、そや」

竜華「?」

怜「あの…ウチの話、せんといてな?」

竜華「え、なんで?」

怜「えっと……と、とにかく、付き合ってるとか、言わんといて」

竜華「?………まあ、ええけど」

竜華「あ、怜は帰りいつになる?迎え行くわー」

怜「……や、迎えはええって」

竜華「え?」

怜「……とにかくええの!もう大学生なんやから!」

竜華「…昨日からそればっかりやん」

怜「う、うっさいわ!とにかく、迎え来んでな?」

竜華「……わかった。じゃあ、後でな?」

怜「…うん、いってらっしゃい」

バタン

竜華「(…怜、ホンマ、どないしたん…?)」

怜「(……うう、どないしよ…って、ウチも出ないと間に合わんわ)」

飲み会 竜華側

竜華「…………………」

「どないしたん?清水谷さん。険しい顔して」

竜華「んー…いや、ちょっと悩み事」

「そんな暗いことしとったらあかんよー!ほら」トクトク

竜華「え、これ、お酒やん」

「えー、固いこと言わんとってやー!」

竜華「や、でもさ…」

「飲んだら辛いこと忘れられるでー?」

竜華「…………そやな、ありがと」グビグビ

飲み会 怜側

怜「………」

ワーキャー

怜「(い、居づらい……みんな飲んどる士)」

怜「(竜華、何しとるんやろ……)」

「おんじょーじさーん!」

怜「え、え?」

「ねえねえ、園城寺さんって彼氏おるんー?」

怜「!」カアッ

「きゃー、赤くなったー!」

「園城寺さん可愛い―!」

怜「そ、そんなんやないって」

怜「(『彼氏』やなくて『彼女』やって言うたら…どんな反応するんやろ)」

「どうしたん?暗い顔して」

「ひょっとして、彼氏さんと上手くいってないとか?」

怜「(なんで会って間もないのにこの人らこんな踏み込んでくるんや…)」

怜「いや……そんなことないで」

――

「じゃー飲み会終わるで!忘れ物せんようになー」

怜「(やっと終わった…)」

飲み屋外

「園城寺さん、二次会行く?」

怜「えー…どないしよ(行きとうないなぁ)」

竜華「ときー!」

怜「!?」

竜華「へへ、怜ー」ニヘラ

怜「な、なんでここに居るん!」

竜華「どーせ一緒に帰るんやし…来ちゃった」ヘラヘラ

怜「(わ、酒臭っ…て)」

「おんじょうじさん、その人誰ー?」

怜「(あかん、何とか誤魔化さんと…)」

竜華「ウチ?うちはー…

怜「と、友達!」

竜華「…」ピク

「そうなんー?一緒帰るっていうのはー?」

怜「る、ルームシェアしててん」

「へー、そうなんや」

怜「り、竜華…だいぶ酔っとるやろ」

竜華「…………」

怜「ごめん、コイツ連れて帰るから、二次会はごめんな?」

「うん、またねー園城寺さん」

怜「ほ、ほら……行くで」

竜華「…うん」

帰り道

竜華「…………」

怜「む、迎え来るなって言うたやん!何で来たんや!」

竜華「………ちょっと、こっち」グイ

怜「きゃっ………え?」

裏路地

竜華「なぁ、怜」ドンッ

怜「り、りゅうか……ここ、道っ…!」

竜華「『友達』って、なんやねん」

怜「えっ…?」

竜華「うちら『恋人』と違うん…?」

怜「い、いや、そやけどっ……」

竜華「なんなん前から?怜…もうウチの事嫌いになったん?」ズイ

怜「やっ……」フイ

竜華「顔そらさんでよ」クイッ

怜「やっ………やあっ…」ポロッ

竜華「!」

怜「りゅうか……ほんまに、やめてっ……」ポロポロ

竜華「……なんで、そんな、嫌がるん?」ズイ

怜「…………」

竜華「泣くほど…嫌なん?」

怜「…えっと…嫌、やないんやけど……」

竜華「………うん」

怜「やっぱり…おかしいやん、女同士で、こんなっ……!」ハッ

竜華「え……」

怜「!(い、言ってしもた…)」

竜華「……………ごめん」パッ

怜「あ、えっと」

竜華「……先、帰るわ…」フラッ

怜「りゅ、竜華……」

竜華「………………」スタスタ

怜「……………………」

怜「…」スッ

プルルルル

セーラ『おー?怜、どしたん?こんな時間に』

怜「……セーラぁ…」グスッ

セーラ『な、泣いとるんか?』

怜「…………」グスグス

セーラ『今、どこ居る?すぐ行くわ』

ファミレス内

セーラ「……思ったより近くにおって、助かったわ」

怜「ん……ごめんな、セーラ」

セーラ「どうしたん、話してみ?」

怜「………なあ、セーラ、」

セーラ「うん」

怜「女同士で…恋愛って……おかしいんかな…?」

セーラ「はっ?」

――

セーラ「そういうことか…」

怜「竜華に嫌われたし…でも、差別されるん怖いし…どうしたら、ええか…」

セーラ「………あのな、怜」

怜「うん…?」

セーラ「俺はな、お前らの事気持ち悪いとか思ったことない」

セーラ「世の中には、差別してくる人は確かにおるけど」

セーラ「その分、応援してくれる人ももちろんおるんや」

怜「………」

怜・竜華アパート前

セーラ「ちゃんと、仲直りして来いよ?」

怜「………………うん、ありがと、セーラ」

セーラ「じゃ、俺はこれで」ダッ

怜「……………」

ガチャ

怜「竜華」

竜華「……………」

怜「竜華」ギュッ

竜華「怜……」

怜「あのな、ウチの話、聞いてくれる?」

竜華「……………うん」

怜「高校の時は、何も考えとらんやったけどさ」

怜「…やっぱり、おかしいやん。女同士って」

竜華「…………そやな」

怜「クラスの友達にも、ひょっとしたらお母さんらにも、受け入れてもらえんかもしれへん」

竜華「……………」

怜「…………でもな、そうだとしても、竜華が好きやねん」

竜華「…!」

怜「どうしたらええかわからんやったけど…でも、とにかく、竜華とずっと一緒に居たい、から」

竜華「……………そっか」

竜華「悩んでるの…気付かんくて、ごめんな」

怜「いや……それは、別に」

竜華「………なんとなく、わかってた。おかしいって」

竜華「でも、それからは目ー背けて…」

竜華「とにかく怜が女友達と居るのに嫉妬しとった」

怜「……うん」

竜華「周りから、どう思われても…やっぱり怜が好きなんよ」

怜「うん、うん」

竜華「怜以外、考えられへんから…ずっと、二人で、生きていきたい」

怜「……そ、やな」

竜華「風当たり強いかもしれんけど、二人で、頑張りたい」

怜「うん」

竜華「…………怜、好きや」

怜「……ウチも、竜華のこと………」ギュッ

竜華「怜…………」ギュッ

――

――

セーラ「…どうせ、うまくいっとるんやろうな」

(怜『女同士で…恋愛って……おかしいんかな…?』)

セーラ「……アホ言うなや」

セーラ「(ずっと…女に片思いしとる俺は、どうなるっちゅーねん)」

セーラ「…くしゅんっ」

セーラ「やっぱ、半袖はまだ寒かったな…帰ろ」

おわり

咲では百合が当たり前みたいな風潮あるから書いてみた
でも怜竜が好きすぎてNTRが書けなかった

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