照「園城寺さんと、花田さんと、鷺森さんと、片岡さんだね」 (23)

照「ここは一体どこなんだろ…」テクテク
 
  ガチャッ

照「あ」

すばら「おや、宮永さんじゃないですか!」すばらっ

怜「これは最後に凄い大物が来たもんやな」

優希「よろしくだじぇ!」

灼「よろしくです」ペコッ

照「よろしく…。えぇと、皆さんはどうしてここに?」

怜「あーチャンピオンでもやっぱり分からへんねや」

照「?」

すばら「私達も気付いたらこの部屋に居たんですよ。そこに至る記憶は皆一切無いみたいです」

灼「うん…。気付いたら真っ暗で、目の前に扉があったから入ってみたら…」

優希「不思議なこともあるもんだじぇ」

怜「最初は拉致でもされたんかと慌ててたんやけど」

怜「どうもそういう訳でも無いみたいやし、4人で途方に暮れてた所やったんや」

照「なるほど…。さっき『最後』って言ってたけど、どうして私が最後の一人だと?」

怜「椅子が5つ置いてあったからな」

灼「それと、机の上に『5』って書いてある紙があったから」

灼「この部屋に5人集められて何かするんでは?と推測していたんです」

照「閉ざされた部屋に集められた5人…何だかちょっとミステリー的な雰囲気だね」

怜「たしかに。何か命懸けのゲームでもやらされて、結局全滅しそうなシチュエーションやなー」ゴローン

すばら「こ、怖いことを言わないで下さいよ園城寺さん…」

優希「ゲームって言うなら、やっぱり麻雀かな?」

灼「ここに居るのは皆麻雀部だしね。それは偶然…じゃないとおも」

怜「でもそれだとウチら勝ち目あらへんで?」チラリ

照「そんなことは無いと思うけど…」テレテレ

すばら「ふふふ。ここに阿知ポでもあれば良い勝負が出来るんですけど…うっ!?」

       ズキィッ……!!!
 

すばら「今急に頭が……って、皆さんもですか?」

怜「うん…何かズキってして。まぁウチの場合はいつものことやけど」

照「…痛むのと同時に、声が聞こえた気がする」

優希「えっ!チャンピオンもか!?」

灼「てことは優希ちゃんも…。…何か嫌な予感がするけど」

灼「一斉に言ってみませんか?何が聞こえたか」

すばら「了解です。それでは…せーのっ」


   「「「「「栞。ノープラン」」」」」


すばら「…何故か大体状況が分かってしまいましたね」すばら…

怜「何やろうなこの脱力感は…」

灼「…状況が何故か何となく理解できたのは良いとして」

灼「どうします?これから」

怜「どうするって言われてもなぁ…」

すばら「多分ですけど、ここは夢の中の世界みたいなものですから」

すばら「時間が経てば勝手に解放されるのでは?」

優希「あー言われてみればそんな感じだじぇ。夢の中特有のふわふわした感じ…」

怜「ならテキトーにお喋りでもしてよか。折角の機会と言えば機会やしな」ゴロンッ

すばら「そうですね…。というかいつの間に私の膝の上に…」

すばら「では、何故私達が集められたのかを考えてみましょうか」

怜「いや、栞なんやろ?」

すばら「もしかしたら何か別の深い理由があるのかもしれませんし…」

照「…鷺森さん以外は先鋒だね」

灼「ですね。仲間はずれみたいでさびし…」

照「!ごめん…」ペコリッ

灼「い、いえ冗談ですよ。スミマセンこちらこそ…」ペコペコ

怜「というか、Aブロック準決勝先鋒戦の三人が集まっとるんやな」

灼「なるほど、ハブられてたのはむしろ玄だったんですね」

優希「それを言うと、Aブロック準決勝の四校の人+私だからなー」

優希「私こそ何で居るのかよく分かんない感じだじぇ」

怜「まぁ特に意味は無いんやろうしな」

すばら「準決勝と言えば…あ、スミマセン。二人はよく知らない話になってしまうかもですが」

灼「大丈夫ですよ。私も試合は見てましたし」

優希「私も花田先輩の試合は一秒も漏らさず応援してたから問題無いじぇ!」

すばら「ふふっありがとうございます、片岡さん」

すばら「宮永さん、スミマセンでした」

照「?何が?」

すばら「真剣勝負の試合とはいえ、連携で宮永さんを潰しに行く様な形になってしまって…」

怜「…あぁ、それやったら謝るのはむしろウチやな」

怜「後であの時のこと思い返したら流石に露骨過ぎたなと思って…すまんかった」

照「別に、気にしなくていい。いつもの事だし…」

優希「おぉー。流石チャンピオンらしい余裕の発言だじぇ」

怜「まぁあそこまでやっても、結局は20万点弱も稼がれてしもうたからなー」

怜「ウチは病院送りにまでなったのに、いやはや感服するで」

照「でも」じっ

怜「へ?」

照「無理するのは、よくない。あなたを大事に思う人が心配するから…それは、駄目だと思う」

怜「………ゴメンなさい」

照「うん。本当に無事でよかった…」ニコッ…


灼(良い人だ…)じーん

優希(ホント咲ちゃんは何をやらかしたんだじぇ…)アセ

優希「いやーでも構図的には、完全に大魔王に立ち向かう三人の戦士って感じだったからなー」

灼「三人がかり…いや、二人がかりでようやく止められるとか本当に尋常じゃ無い強さだよね」

怜「え、今誰を抜いたん?」

灼「ホントその節はウチのバカがご迷惑をお掛けしまして申し訳無いです…」ペコリ

すばら「いえいえっ!他はともかく、あの局は松実さんの偉大なる決断あっての事ですから」

灼「でも腹立ったでしょう?原作は終わった時憂いた顔してたからまだしもアニメは…」

怜「まぁ……ちょっとはな?」フフッ

すばら「ちょっと園城寺さんっ!」アセアセ

照「いやでも、一番厄介だったのは確かに松実さんだったよ?」

照「あんなの経験したことなかったから…」

すばら「そうですよ!松実さんは居るだけで十分私達の力になっていたんです!」

灼「でもちょっとくらい何かしろやと思うシーンはあったでしょう?」

すばら「そ、そんなことは…」

優希「ていうか花田先輩の発言も別にフォローにはなってないと思うじぇ」

怜「…でもまぁ、悪気は無いとはいえどうしても共闘する感じになってまうよなー」

怜「チャンピオンっていう肩書きも相まって」

怜「それが麻雀の面白い所と言えばそうやけど、本人からしたらやっぱ鬱陶しいやろ?」

照「私は麻雀が打てれば何でも楽しいから、そういうのはあまり考えたことないけど」

照「4つ巴で競い合ってる試合とか見ると、楽しそうだとは思うかな。準決勝の大将戦みたいに」

鷺森「宮永さんに限ってはそれ凄い難易度高いとおも…」

すばら「いつかそんな戦いが出来るといいですね。私も是非見てみたいです」すばらっ

優希「なーに後一年もすればこの私が軽くその領域に辿りついてみせるじぇ」フフフ…

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