怜「ふとももには勝てなかったよ…」ゴロゴロ
竜華「何いうてんの、怜」
怜「竜華のふとももが魅力的すぎるのがあかんわ」スリスリ
竜華「太腿に頬ずりすんのやめっ!」
怜「いやーきもちええ。勝てる気がせんわ」スーリスリ
竜華「…えーかげん恥ずかしいからやめいって…」
――
オムニバス系竜怜・怜竜スレ
『竜華「ギュッてされたい」』
竜華「ギュッてされたい」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1376/13764/1376467236.html)
――
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1378067059
怜「んー」ゴロゴロ
竜華「それにしても、みんな来んなぁ」ナデナデ
怜「竜華と二人っきりになれるのは、嬉しいんやけどな?」
竜華「……もう、照れることサラリと言うなや…」カア
怜「相変わらず、純情やなぁ?」ムクリ
竜華「あれ、もう起きるん?」
怜「体はこんなにえっちぃのに」ムニッ
竜華「ひゃ!?」
怜「巨乳は固いことが多いーいうけど、竜華のは柔らかいで」
竜華「いやいや、何しよるんよ!」
怜「ええやん、あるモンは触るモンや」ムニムニ
竜華「…………もう勝手にし」ハァ
怜「なぁ竜華、おっきい人は肩がこるって、ホンマ?」
竜華「えー…あ、確かに、そうかも」
怜「ならいつも膝枕してもらっとるお礼や。肩もみしたるでー」
竜華「ん……じゃあ、お願いしようかな」
怜「じゃあ背中こっち向けて?」
竜華「はーい」クルッ
グッ
怜「(うわ、ホンマにめっちゃ固い……)」
竜華「………」
グッグッ
怜「っ……(あまりに固すぎるわ…)」
怜「(ウチの握力やとどうにもならんな…)」アセ
竜華「怜?」
怜「…大丈夫やから、リラックスしとって」
竜華「」クルッ
怜「竜華……?」
竜華「ええよ、もう」
怜「いや、でも………」
竜華「顔がなんやマジすぎて怖いし。肩こりホンマにヤバいから今度整骨院言ってくるから」
怜「えー…ウチがやりたいー」
竜華「気持ちだけで十分って。こんなに眉間に皺よせんでよ」グニッ
怜「んにゃっ!」
竜華「あ、今めっちゃ可愛い声出た!」
怜「い、いや、これは、その…」
竜華「もっかい聞きたいー」ズイッ
怜「いやや!おでこに手ー伸ばさんで!」
竜華「逃げるなー、って、わ」
怜「えっ?」
ドサッ
ガラガラ
泉「こんにち……は………」
怜「あ、泉」
竜華「…あ……………」カアアア
泉「(ソファーで、清水谷先輩が園城寺先輩を押し倒している!?)」
泉「(こ、これは入ったらアカンかったやつや!)」
泉「し、失礼しましたああああ!」ダダダッ
バタンッ
泉「(あれ、二人キスもまだって言ってなかったっけ…)」
泉「(なんにあんな、ふ、不健全な…)」カアッ
泉「(…とりあえず今日は帰ろうかな)」
――
竜華「ちょ、こ、これって」
怜「んー、この様子みたら普通に誤解するわな」
竜華「ヤバいやん!ちょっと呼び戻して訂正してくる!」
怜「」ギュッ
竜華「へ?」
怜「誤解やなくせばええんと違う………?」
竜華「え?いや、でも」
怜「付き合ってからも結構経つんや、既成事実を作るのも一つの手やで?」
竜華「な、なに意味わからんことを…」
怜「(あれ……いつもなら意味わからんこと言えば誤魔化されてくれるんやけどな……)」
竜華「ちょっ、また人が来たらアカンから、とりあえず離して…」
怜「嫌やっ(じゃー駄々こね屁理屈作戦で行こか)」
竜華「でも、あの」
怜「ウチが抱き着いてるの、嫌なん……?」ウルッ
竜華「嫌じゃないけど、そういう問題じゃないって言うか、えっと」
怜「じゃあええやん。もとより付き合っとるんや。問題ないって」
竜華「いや、その、部長が部室でこんなことしよるのは……」
怜「…ウチより、部長の立場優先なんか」ジトッ
竜華「そうやなくて、さぁ……」
怜「じゃあ、チューしてくれたら離れる」
竜華「は!?」
怜「ずーっとチューしてくれてないやん。してくれたら離れるでー」ギュッ
竜華「あ…………うっ」
竜華「(ど、どうしろと……いや、キスとかまだ無理や!)」
竜華「うちら、付き合ってまだ二か月ちょっとやん…」
怜「チューするには十分すぎる時間やと思うで?」
竜華「えええ………」
怜「はい、じゃ、目瞑るから」スッ
竜華「(…………怜のキス顔…)」ゴクッ
怜「…………………(まだか)」
竜華「…………」チュッ
怜「は?」
竜華「く、口にチューとは言うてないやろ!はい、離れて!」
怜「(また頬か…)」ジトッ
竜華「ウチ泉呼んでくるから!卓の準備してて!それじゃ!」
ガラガラ
怜「…………船Q、どう思う?」
船Q「気付いとったんですか」
怜「途中からやけどな」
船Q「あれぁー、まだ無理ですわ。あと一か月は必要かと」
怜「そっか……もう、どうしよー」
怜「うちの誘惑のレパートリーもそろそろ尽きてきたで…」ハァ
セーラ「(俺もおったんやけど……どうしよ、いつ出ていこ…)」カアア
おわり
読んでいただきありがとうございます。
これから結構暇なので新たにスレ立てしました。
更新切れても2ヶ月もつって聞いたので次回からはhtml化しないことにします。
前スレに引き続きお題も募集してますのでお願いいたします。
次
怜「今日はまだ泉一人か」泉「はい…」
泉「………………」
怜「あれ、なんか元気ない?」
泉「いや、あの……」
怜「あー、言いにくいなら別に言わんでもええよ」
泉「…いえ……誰かに相談したかったんで、聞いてもらえます?」
怜「ええけど」
泉「あの……今日の昼休み、告白、されちゃって……」
怜「わ、マジか。クラスの人から?」
泉「はい、なんですけど…」
怜「?」
泉「今、私、好きな人がいて……」カァッ
怜「ほう」
泉「その人は、私の事見てくれてないんですけど、どうしようもなく好きで」
怜「(なんか泉がこんな表情してんの珍しいな)」
泉「…でも好きな人おるとか周りに言うたことないから、どう断ったらいいかわかんなくて…」
怜「んー……じゃあ付き合ってみたら?」
泉「へ?」
怜「付き合ってくうちに、好きなところ見えてくる、とかあるらしいで」
怜「ためしに付き合うてみるのもええんやないの?」
泉「はぁ………そうなんですかね…」
船Q「あかんで泉!」バターン!
泉「!?」
怜「ふ、船Q、なんで掃除用具入れなんかに入っとったん」
船Q「そんなことはどうでもええんです!それよりなんですか!」
ID:tfGqDjn+oはHTML化依頼だしてくれ
怜 「絶対ふとももなんかに負けたりしない!!」キッ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1378057363/)
廊下
竜華「♪~」
竜華「(もうみんな部室おるんかなー)」
船Q「園城寺先輩、何言うとるんですか!」
竜華「!」ピタ
――
船Q「ええですか、カップルいうのはですね、好きなモン同士がなるんです」
船Q「なんで、好きでもない人と、付き合うんですか!」
船Q「アンタ他に好きな人おるんやろ!?」
泉「いや…その、声が大きいですって」
怜「…………まあ確かにそうやけどさあ」
――
竜華「………………え?」
竜華「(怜が…………他に好きな人が……?)」
セーラ「おー、竜華。どしたん?部室入らんの?」
竜華「……………ごめん、今日の練習任せるわ」
セーラ「おい、竜華?」
竜華「じゃ」ダッ
セーラ「おいっ!………ん?今、泣いてた?」
セーラ「……………」
ガラガラ
怜「あ、セーラ」
船Q「今日は遅いですね」
泉「こんにちはー…」
セーラ「(いつも通り、やな……ちょっと泉が暗い位か)」
セーラ「…………怜、今、何の話してた?」
>>15 え、二重にスレ立てしてますか?すみません。確認してきます
怜「んー?泉の…」
泉「わわっ、ちょっと待ってください」
怜「んー?なんで?ウチと船Qには話したやん」
泉「あんまり沢山の人に知られたくないって言うか…」
泉「園城寺先輩にしか話さない予定やったのに」
セーラ「あー…言いづらい話なら申し訳ないけど、どうしても必要なんや」
泉「あ…………はい……船久保先輩、お願いします」
船Q「ええと……かくかくしかじかで………」
セーラ「……………」
――
セーラ「……………なるほどな」
セーラ「(やっぱ怜関連やったか)」ハァ
泉「せ、先輩?」
セーラ「怜、あんな、さっき竜華がそこにおってん」
怜「竜華が?」
セーラ「うん、あいつたぶん、怜に他に好きな人がいるー思い込んで、どっか行ってしもたで?」
怜「!」
船Q「あー、確かにそうもとれますね」
怜「…………行ってくる」ダッ
セーラ「………気をつけてな」
河原
竜華「」ヒュッ
ポチャン
竜華「………今まで、結構付き合ってきてたんに」
竜華「全部、嘘やったんかあ……」ヒュッ
ポチャン
竜華「………ウチ、これからどうやって怜に接すればええんや…」
怜「(やっぱここか)」
怜「(河原で石投げて黄昏るって、んなベタなこと普通するかな?)」クスッ
竜華「怜ぃ………」ヒュッ
怜「だーれだー?」ギュッ
竜華「!」
ポチャン
怜「って、目ー隠してないから、バレバレやな」ヘヘ
竜華「………今更、なんしにきたん」
怜「色々勘違いして動揺しとるお姫様を慰めに来ました」ギュウ
竜華「………え?」
――
竜華「はぁー?」
怜「そういうことやでー♪」
竜華「え、めっちゃ恥ずかしいやん……早とちりして部活休んで凹んでるとか……」
怜「……ウチは嬉しいで?」
竜華「なんで?」
怜「竜華がウチの事めっちゃ想ってくれてるのがわかったもん!」ギュッ
竜華「…………なんや、今日は可愛いな」プニッ
怜「いつもウチは可愛いでー?殺人的にな」クスクス
竜華「自分で言うなや…まあ、そうやけどさ」
んでスレ立てたのとIDや酉が違う人はSS投下できないよ、場所間違えてない?
ここが参加型なら問題ないけど
セーラ「…今日は二軍の子を入れようか」
泉「……………そうですね」
セーラ「大丈夫やろうか…あの説明で」
船Q「まあ話聞く限りただの誤解ですし、すぐに解けるでしょ」
泉「そうですよ、あの二人のことやし問題ないですよ」
セーラ「…………あ、泉」
泉「はい?」
セーラ「浩子と怜がごちゃごちゃ言うて混乱しとるかもしれんけど」
セーラ「自分が思ったようにやればええで」
セーラ「そういうのは最終的に自分の心次第やからな」ドヤ
泉「……………はい」
船Q「今日は名言を吐く日なんですかー?」クスス
セーラ「うっせー!ほら!やるで!」
泉「(………うん、よし、断ろう)」
おわり
エラーが出て立てられなかった時のが
実はちゃんと立ってたみたいでした。すみません…。
html化依頼出してきました。ご指摘ありがとうございます。
次
怜「猫に変身する薬?」船Q「はい」
船Q「まだ試作品で、効果に個人差があるんやけど…」
セーラ「毎度毎度、ホンマにすごいな…」
船Q「効果も2時間前後やし、やってみません?」
泉「じゃあ、とりあえず清水谷先輩ですか?」
セーラ「浩子の薬のモルモットかあいつは…」
船Q「まあええんです!ええんです!じゃーお茶入れてきますね」
竜華「こんにちはー!って、みんなお茶飲みよるんか」
セーラ「うん!東京から取り寄せた新茶やって!」
竜華「東京………?」
船Q「ちょっと知り合いが出来たもので」
竜華「まあええわ、もらうで!」
ゴクゴク
シュルルル ポンッ
竜華「にゃ!?」
船Q「おお、完全に猫になった」
泉「即効ですね」
セーラ「これは竜華だとはわかれへんな」
竜華「にゃー!にゃー!(また浩子の薬か!)」
泉「何言うてるかわかりませんけど、なんとなくわかりますね…」
竜華「にゃー…にゃっ」
船Q「ああ、効き目はいつもより短いんで、部活終わる位には戻りますよ」
竜華「にゃぁ………」ホッ
泉・セーラ「(……やばい、結構可愛い)」
泉「あ、あっちにボールありましたよね」パタパタ
セーラ「………俺猫じゃらしとってくるー!」ガラガラ
船Q「先輩、カリカリとってくるんでおいしいか食べてみてください」パタパタ
竜華「……………」ポツーン
竜華「なうーん…………」
ガラガラ
怜「ん?」
竜華「!」
怜「みんな居れへん……ほんで、猫?」
竜華「にゃ、にゃ!」スリスリ
怜「わ、擦りついてきた」
竜華「♪~」
怜「猫に懐かれたことないから嬉しいなー」ダキッ
竜華「!にゃあ…(と、怜!?)」
怜「んー?可愛いなー」ニコッ
竜華「(怜の方が可愛い…!)」ドキドキ
竜華「………………にゃーん♪」スリスリ
怜「ひゃっ、くすぐったいよ」クスクス
竜華「(そうか…今は何やっても怒られへんねや!なぜなら猫やから!)」
竜華「にゃっ!」
怜「どうしたの?」
竜華「にゃー」ペロペロ
怜「わ、口舐めんといて……」ニコニコ
竜華「にゃーん♪」ペロペロ
怜「ホンマ甘えん坊やな……どこの子やろ」
ガラガラ
怜「んー?」
竜華「………!」
泉「……………えー」
セーラ「うわ……………」
船Q「……………ちょっと、それはドン引きですね」
怜「え、みんな、どしたん?」
怜「」ワナワナ
竜華「」ガタガタ
セーラ「自業自得やな」
泉「ど、動物虐待はいけませんよ?」アセッ
船Q「はい先輩、カリカリです」ザッ
竜華「…………」カリカリ
竜華「……に゛ゃっ(まずっ)」プイッ
怜「…………」ザザー
竜華「にゃ!?」
怜「……………全部食べ。それで許したるわ」
竜華「にゃ、にゃー……」ショボン
泉「それで許してもらえるだけ、ありがたいと思いますよ…」
――
清水谷邸 竜華部屋
怜「この変態っ!」プンプン
竜華「ごめんって…」
怜「猫に成りすまして人をたぶらかすとか最低やで!」プンプン
竜華「もうそんなに怒らんといてよー。ウチだって事故やったし」
怜「船Qの進化が止まらないのにも問題があるな…」
竜華「あ、これ、お茶。東京の新茶やで」コト
怜「………なあ、竜華」
竜華「え、なに?」
怜「今日の薬……船Qにもろうてないやろな?」
竜華「……………」アセッ
怜「わかりやすすぎるで……もう」
竜華「い、入れてないよ?」シドロモドロ
怜「……なら、先に竜華が飲んで」プイッ
竜華「…………わかった」
怜「(あれ、妙に素直……ホンマに入れてなかったんかな?)」
竜華「」キュッ
怜「……口に含むなんて行儀悪いで?はよう飲みーや、って、んむっ!?」
竜華「っ………」チュ
怜「(あ、やばい…口の中にお茶が……っ)」
怜「んー!んー!んっ」ジタバタ
竜華「…………」ギュッ
怜「…………!(全く身動きできん…どんだけ飲ませたいんや)」
竜華「………っぷは」
怜「」ゴクッ
怜「あ…………」
竜華「飲んだな」ニヤ
怜「な、なんやねんほんま………」カアアア
シュルル
ポンッ
竜華「…………え?」
怜「あれ、猫になってないやん」
竜華「………いや、耳としっぽがついてるで」
怜「え!?わ、ホンマや…個人差ってこんなわかりやすく出るんやな…」
竜華「…………」ムラッ
竜華「怜……………」ナデナデ
怜「ふぁっ……」
竜華「あ、尻尾にも触覚あるんやな」
怜「んっ……ちょっとこそばい…から、やめて………っ」
竜華「ねえねえ怜、にゃーって言って?」サワサワ
怜「やっ……誰がそんなん………」ピクッ
竜華「言って………?お願い……」
怜「………」ドキッ
怜「し、仕方ないな………」
竜華「」ワクワク
怜「………………」
怜「………にゃ、にゃー」
竜華「!!!」
竜華「……………怜、ごめん」
怜「にゃ?」
竜華「……辛抱、ならんっ!」ガバッ
怜「…はっ?ちょっと、やめいっ!」
怜「にゃああ!」
――
怜「――ってことがあってホンマ大変やったんやで!?」プンプン
泉「…………はぁ、そうですか」
怜「ほんま、効果切れても続けるから…体力もったんが奇跡やで」
泉「(どうでもいい…………)」
船Q「……猫になる薬は、ネコになる薬でもあったと」
セーラ「?船Qなに言うとるんや?」
船Q「…………ちょっと恥ずかしいから突っ込まんでください」
おわり
一旦終了
読んでいただきありがとうございます。
今晩あたりにまた書きます
トリップテスト
テスト
>>21
見落としてました。すみません。
PCで立てられなかったからガラケーで立ててました…。
紛らわしいことして申し訳ないです。
続きはよ
竜華がたまには自分も膝枕されたいと思ってるところに膝枕長野代表の咲ちゃんが迷子で現れて案内するお礼に膝枕して貰って咲ちゃんにときめいちゃう竜咲はよ
こんばんは。
さまざまなリクエスト有難う御座います!
ですが原則は怜竜・竜怜スレですので
『竜咲に嫉妬しちゃう怜』とか
『咲憧を引き寄せる怜竜』とか
そんな感じの対応になりますがお願いします。
説明不足ですみません…。
ご飯食べたらまた書きます。
色々不手際多くてごめんなさい…。
前スレの続きネタもやりますのでご了承ください。
次
怜(15)「文化祭で劇?」
中3 秋
怜「(文化祭の季節です)」
竜華「Aさん!ステージ発表の劇の脚本出来た?」
怜「(竜華は実行委員として忙しそう)」
竜華「おおきに!じゃあ配役と係分け決めようや」
怜「(最近膝枕してくれてないな…)」
竜華「ステージ出る人は他薦がええかなー?」
怜「(…いや、中3にもなって膝枕されてるウチがおかしいわ)」
竜華「えー、ウチ?まぁええけどー」
怜「(膝枕してくれてない、やなくて、隣にいない、かな?)」
怜「(微妙にヤな気分…なんなんやろ、コレ)」
竜華「怜ー!」
怜「!」
竜華「これでええー?」
怜「(聞いてなかった…まぁええか)うん、ええよー」
ワッ
怜「え、何?」
竜華「東の国のお姫様役や!ヒロイン役よろしくな!」
怜「え、ちょお待って、いややそんなん、やめて!」
竜華「ええって言ったのは怜やんー♪」
怜「(図ったな)………っ!!」ギリ
竜華「王子様役はセーラな!」
セーラ「任せとけ!やったるでー」フフフ
怜「(え、王子様、竜華やないん…?)」
怜「……竜華は、何やるの?」
竜華「ウチ?騎士やでー!」
怜「そっか…」
怜「(……いやいや、なんで王子様役は竜華やないといけんなんて法はない)」
怜「(なんか混乱しとるな…落ち着こう)」
セーラ「王子様役やっていうんやから、お姫様抱っこ出来ないかんなー」ヒョイ
怜「!?ちょお、何すんねん!」
セーラ「怜軽いわー。普段何食うてるの?」
怜「そんなんええから降ろし!」
竜華「なんやー、本番は王子様とチューするかもやで?」
怜「えー…」
セーラ「何でそんな嫌そうなんや!ってか、そんなシーンあるん?」
竜華「ウチも脚本の配役しか見てないから知らんけど」
A「あの………」
怜 セーラ 竜華「?」
A「脚本、ちょっと読んでもらえますか…?」
「「…………………」」ペラ
竜華「………あ」
本番当日
ザワザワザワ
セーラ「いよいよやな!」
怜「………うん」ドキドキ
セーラ「お前そんなセリフ無いんやし不安そうな顔してたらええやん!」
怜「(…そういうドキドキちゃうわ)」
竜華「セーラ!最後にもう一回殺陣の確認するでー!」
セーラ「おーう!」
怜「(竜華…めっちゃ男装似合っとる。あの髪と胸どこに直したんやろ)」
怜「(…って、もうすぐ本番やん……トチらんとええなぁ)」
ブー
『ただいまより、ステージ発表を行います』
ザワザワザワ………シーン
姫(怜)「………」トコトコ
騎士(竜華)「…足元にお気をつけください、姫」
姫(怜)「大丈夫よ!」
姫(怜)「まったく、護衛なんてなくても平気なのにお父様も心配性で……」
キー!キー!
姫(怜)「な、なに?」
騎士(竜華)「!」チャキ
魔王「ふはは、護衛は弱そうな騎士1人か!」
魔王「ぬるいぬるい、お前ら、姫を拐っていけ!」
キー!キー!
姫(怜)「(…この子らどっから声出してんねん)きゃあ!」
騎士(竜華)「姫………くそっ!」
姫(怜)「騎士様ぁ!(あ、竜華カッコええな)」
――
東の王「なんということだ!我が娘が憎き魔王に拐われてしまった!」
東の王「我が大切な一人娘…この国の女王となる存在であったはずなのに!」
王子(セーラ)「王様!」
東の王「お前は、西の国の…」
王子(セーラ)「せや!俺が助けにいったるで!」
東の王「おお、それはありがたい!」
王子(セーラ)「助けた暁には…姫を嫁さんにくれるよな?」
東の王「もちろんだ!では、任せたぞ!」
王子(セーラ)「……おおきに」ニヤ
怜「(で、ちょっと旅の話するんやけど)」
怜「(妙にセーラ一行の調子がええんよな)」
怜「(……で、魔王直前、スポットにセーラ)」
――
王子(セーラ)「……」ピポパ
怜「(携帯を使う王子様ってのも斬新やな)」
王子(セーラ)「ああ、右にブワーで、俺が左にヒューン、それでしまいや」
王子(セーラ)「…うん、頼むで魔王様?…いや、西の国の、お父様?」ピッ
怜「(この設定、初見はビックリしたなぁ)」
王子(セーラ)「………この戦いに、俺は間違いなく勝つ」
王子(セーラ)「なんてったって、魔王はおとんやからな」クスクス
王子(セーラ)「ほんで、姫様は俺のモノ…東の国も俺のモノ………」
王子(セーラ)「ぜーんぶ、俺のモンや!ふははははは!」
怜「(……でも、全く悪役が似合わないセーラのせいで、なんやギャグに思えてしまうわ)」
「園城寺さん、ぼちぼち準備」
怜「あ、うん!」
魔王「お前が、王子か」
王子(セーラ)「せや…姫を返してもらうで!」ニヤニヤ
魔王「良いだろう…我を、倒せたらな!」ブワ-
王子(セーラ)「」ヒューン
魔王「ぐわああああああ」
姫(怜)「王子様!(あの魔王役の子もどこから声出してんねやろ)」
王子(セーラ)「ぐへへ、姫様」
姫(怜)「お、王子様……?」
王子(セーラ)「俺が救いだしてんで、嫁さんになってな、行くで?」グィ
姫(怜)「い、いや…」
王子(セーラ)「なんや!恩人の言うことが聞けへんのか!」
姫(怜)「…………ぃやっ、騎士様…!」
騎士(竜華)「そこまで、だ」スラリ
王子(セーラ)「!」チャキ
騎士(竜華)「東の国を、姫を、王をめちゃくちゃにして…許さんっ!」
王子(セーラ)「…んなもん知るか!東の国は俺のモンや!」ダッ
キンッキンッ
姫(怜)「(こっから竜華とセーラの殺陣や)」
姫(怜)「(ガチで練習してたからなぁ…見事やわ)」
ギッ
王子(セーラ)「くっそ…なかなか手強いわ…」
姫(怜)「(てか王子そんなに強いんなら魔王とか小芝居せんでも結婚さしてもらえたやろ…)」
王子(セーラ)「おまえら!加勢しろっ!」
キー!キー!
姫(怜)「(出た!謎なところから声出してる隊!)」
騎士(竜華)「………姫がさらわれた時は……世話になったな」
キンッキンッズバッ
騎士(竜華)「………だが、私もここまで、旅をしてきた。簡単には負けない」
姫(怜)「(ここで赤いスポット…怖いけど、カッコええ………)」
姫(怜)「(!なにカッコええとか思っとるんや!いや、集中せな!)」
騎士(竜華)「……あとは、お前だけだな…」
王子(セーラ)「…………こうなったら……」ポチッ
ドドドド
騎士(竜華)「!」
姫(怜)「魔王城が………!」
王子(セーラ)「ふははは!お前も姫も、瓦礫の下敷きになってしもたらええんやー!」
姫(怜)「(セーラはやっぱり悪役似合わんなー。…でヘリっぽいものに乗って退場、と)」
騎士(竜華)「姫っ!」
姫(怜)「騎士様……どうしたら…」
騎士(竜華)「っ!」ダキッ
姫(怜)「!?(ここのお姫様抱っこ、いつされてもヤバい…)」ドキドキ
騎士(竜華)「しっかりつかまっていろ!脱出するぞ!」
姫(怜)「………はいっ!(ホンマにつかまってないと落ちそうやな…)」ギュッ
騎士(竜華)「…………」ドキドキ
――
――
騎士(竜華)「姫…………無事でしたか?」
姫(怜)「はい………だから、降ろして?」
騎士(竜華)「!…あ、す、すみません!」ワタワタ
姫(怜)「…ありがとう。どうなることかと思ったけど、あなたがいてくれてよかったわ」
騎士(竜華)「いえ、私は本来やるべきであったことを果たしたまでです」
騎士(竜華)「初めに魔物に襲われた時に、守ってさえいれば…」ギリ
東の王「気に病むことはないぞ、騎士よ」
姫(怜)「お父様!?」
東の王「話は聞いておる。西の国から我が国を守ってくれた」
東の王「…そなたに、わが娘をやろう!」
騎士(竜華)「!?」
姫(怜)「い、いや、そんな急に!」
東の王「お前たちはかねてより恋仲だったのであろう。しかし身分の差ゆえ実ることはなかったという…」
騎士(竜華)「………そこまで、ご存じとは…」
東の王「もう悩むことはないぞ、騎士!お前は王族の一員だ!」
東の王「皆の衆!宴の準備だ!」
――
式場
東の王「皆の者ー!わが娘と、東の国を守りし英雄に、祝福をー!」
ワーワー
司祭「――では、誓いのキスを……」
騎士(竜華)「…………」スッ
姫(怜)「……………」スッ
ジャーン………(閉幕)
――
部室
泉「……………え、今のシーンで終わりなんですか?」
船Q「そう。なんでも、清水谷部長が照れすぎてあれ以上顔近づけられんかったらしい」
泉「………なるほど」
ガラガラ
セーラ「よーっ…って、何見てんの!?」
泉「あ、中学の時の先輩らの劇を見せてもろうてました」
セーラ「お、オマエそんなんどこで入手したん!?」
船Q「企業秘密でございます」クスクス
セーラ「ホンマ敵に回すと怖いなお前…」
セーラ「………じゃ、せっかくやし感想聞かせてや」
泉「なんていうか、先輩らって、昔から先輩らやったんですね……」
船Q「リアルでもあんなイチャコラされたらキツそうではありますねー?」
セーラ「あいつらヤバかったで。練習の時も照れまくっててまったく進まんかったわ」
船Q「あー………ありそうや」
セーラ「一番驚くのが、まだお互いの事好きやなかったって言うんよ」
泉「ま、マジですか?」
セーラ「…俺は今でも嘘やと思うとる」
ガラガラ
怜「やっほー」
竜華「練習ぼちぼち始めるで………ってちょっと!」
セーラ「懐かしないー?中学ん時の劇」
竜華「あー、めっちゃカッコつけた役のやつやん……恥ずかしいから見んといてよ」ワタワタ
船Q「もう全部見終わった後ですよ、騎士様?」ププ
竜華「うあああ!やめて!」バタバタ
怜「(……………文化祭の時の竜華か…)」
怜「……………」キュン
怜「!」ブンブン
泉「園城寺先輩?どうしました?」
怜「……セーラの悪役の似合ってなさ、すごかったやろ?」
セーラ「!ちょ」
船Q「あー、あのシーンですね。ちょっと流してみましょうかー」
セーラ「おい!やめろー!」
おわり
なんか前より人多いですね…ありがたいことです。
次
竜華「迷子?」咲「はい」
*尭誠と怜竜は明日で、すみません
団体戦終了後
咲「団体戦、長かったなぁ。でも、終わっちゃった」
咲「……今から個人戦まで日があるよね」
咲「ちょっと買い出しに行こうっと」テクテク
咲「」テクテク
咲「…………ここ、どこ?」キョロキョロ
咲「まあ、たぶんこっちだよね」テクテク
病院前
怜「別について来んでもえかったのに。ただの検査やで?」
竜華「……いや…そうとは聞くけどさ…」
怜「そんな大層なもんやないって。そのへんブラブラしてまた迎えに来てやー」
竜華「そんな…心配やし……」
怜「ええからええから!なんかあったら連絡するし」
竜華「でも………」
怜「もー、ええって!ほら、じゃあね!」グイグイ
竜華「あっ!……もう」
怜「(…ひどく追いやり過ぎたかな…)」
怜「(でもあんな死にそうな顔で付き添われてたら逆に先生に迷惑かけるしな。ごめんな)」
竜華「………怜…」トボトボ
竜華「(準決勝終わってから、怜が冷たい…)」
竜華「(やっぱ決勝に連れていけなかったの、怒ってるんかな…)」
竜華「怜ぃ……」
竜華「………………ん?」
咲「どこ…………ここ、どこ……?」ウルウル
竜華「あの子は……?」
竜華「あのー」
咲「ふぇ!?は、はい!?」
咲「(知らない人に話しかけられちゃった…どうしよう)」グスグス
竜華「あ、そんなに構えんとって」クス
竜華「長野代表の宮永さんやんね?」
咲「あ…えと…………はい。あなたは………?」
竜華「北大阪代表の清水谷竜華です。決勝みたで?カッコよかったわー」
咲「あ、ありがとうございます」
竜華「…で、こんなところに、何しにきたん?」
咲「会場近くのドラッグストアに行こうとしたんですけど、迷っちゃって…」
竜華「…………いや、会場と真反対の方に歩きよるやん」
咲「そ、そうなんですか?」
竜華「(なんや、魔物なんかと思ってたら、意外とドジっ子なんやなー)」
竜華「……ウチも今暇やし、ドラッグストアまで案内するよ?」
咲「え、でも…」オロオロ
竜華「えーからえーから♪」
竜華「(こういう頼りない系の後輩、うちの部活少ないからなんか嬉しいわー♪)」
ドラッグストア外
アリガトウゴザイマシター
咲「すみません…あったばかりの人に案内してもらっちゃって…」
竜華「大丈夫やって!あ、アイス買ったから一緒に食べよ♪」
咲「ええ!?で、でも……」
竜華「折角会ったんもなにかの縁やし♪ウチが先輩なんやから気にせんとってー」
咲「(ここは、お言葉に甘えた方がいいんだよね…)」
咲「ありがとうございますっ」ニコッ
竜華「(わ、なんやこの可愛い生き物)」
竜華「うんーじゃ、あそこの公園でええ?」
咲「はいっ!」
公園
竜華「あっついなー…」
咲「ですねー………」
咲「………清水谷さんは、どうしてここに?」
竜華「竜華でええよ!……知り合いの付き添いでな」
咲「…病院にですか?」
竜華「うん、準決勝の終わりで倒れちゃったから、検査に来たんよ」
咲「(そういえばそんなことを言ってたような…)」
咲「(準決勝で先鋒の人が倒れたって…)」
咲「(先鋒の人……って…)」
咲「あの」
竜華「ん?」
咲「ご、ごめんなさい」ペコ
竜華「へ?」
咲「お姉ちゃんのせいで、無理されたんですよね?」
竜華「………(ああそうか、この子宮永照の妹なんか)」
竜華「(雰囲気違い過ぎて考えてなかったわ…)」
竜華「いや、そんなつもりで言ったわけやないし、大丈夫やで?」
竜華「今日も、ただの検査らしい…し」
竜華「(ただの検査って言って、入院したことしょっちゅうあるから、心配やけどな…)」
咲「…………なんか、竜華さん、疲れてませんか?」
竜華「…全然、そんなことないで」
咲「会ったばかりでこんなこと言っちゃっていいのかわからないですけど…」
咲「とっても、やつれているように見えますよ?」
竜華「(やつれてる…?)」
咲「………」ポンポン
竜華「!」
咲「膝枕、しませんか…?」
竜華「…………」
竜華「……じゃ、お言葉に甘えて」ポスン
竜華「………」ゴロゴロ
竜華「(……ん?後輩にこんなんされててええんやろうか?)」
咲「♪」ナデナデ
竜華「(でも、起きあがる気にならへん。やっぱ疲れてたかな…)」
竜華「(それにしても…)」
竜華「…なんか、上手やな」
咲「ふぇ!?膝枕に上手い下手ってあるんですか?」
竜華「……いや、やり慣れとる感がある」
咲「……一応、友人からもお墨付きを頂いてます」クスッ
竜華「(あー、気持ちええな…怜もいっつもこんな感じなんやろうか……)」
竜華「怜…………」
咲「竜華さん………?」
病院外
オダイジニー
怜「あー、結局なんもないんやん」
怜「大阪でも通院続けろー言われたし…テンションさがるわ…」ハァ
怜「竜華に電話……」
怜「…………いや、変に着信残したりしたらいらん心配しそうや。歩いて探そう」テクテク
憧「……(ここ、どこ………?)」キョロキョロ
怜「…あれ?」
憧「…………(私が、迷子だなんて…っ!)」ウルウル
怜「あの子……」
病院外
オダイジニー
怜「あー、結局なんもないんやん」
怜「大阪でも通院続けろー言われたし…テンションさがるわ…」ハァ
怜「竜華に電話……」
怜「…………いや、変に着信残したりしたらいらん心配しそうや。歩いて探そう」テクテク
憧「……(ここ、どこ………?)」キョロキョロ
怜「…あれ?」
憧「…………(私が、迷子だなんて…っ!)」ウルウル
怜「あの子……」
怜「もしもし、お嬢さん」
憧「っ!?…あ、千里山の……」
怜「準決勝では世話になったなー?」
憧「…園城寺さんは、どうしてここに?」
怜「あー、通院や」
憧「なるほど、倒れてたもんね」
怜「新子さん?やっけ?はなんでここに来たん?」
憧「えーっ…………と…」ポリポリ
怜「…………迷子か」
憧「………………悪い?」カァッ
怜「ふふっ…別にええんやないの?知らん場所やし。…ほんで、どこ行く気やったん?」
憧「開場のへんにある…ドラッグストアに」
怜「えー、真逆やで?そっち」クスクス
憧「わ、笑わなくたっていいでしょ!?」
怜「……ん、案内したるで」
憧「…………ありがと」
怜「(この子、高1やんな?えらいエラそうやなー)」
怜「(……ドジ踏んでるし、それも逆に可愛いけど)」クスッ
――
公園
竜華「…………」スウスウ
咲「寝ちゃった…………」
竜華「んー………怜……」
咲「『とき』さんって言うんだね…あとで調べてみよう」
――
憧「………この辺なの?」
怜「うん、もうちょっとで着く……で…………」
憧「……園城寺さん?………あ」
憧「(清水谷さんと……清澄の、宮永咲?)」
怜「…………」トタトタ
憧「あ、ちょっと……!」
――
公園
竜華「…………」スウスウ
咲「寝ちゃった…………」
竜華「んー………怜……」
咲「『とき』さんって言うんだね…あとで調べてみよう」
――
憧「………この辺なの?」
怜「うん、もうちょっとで着く……で…………」
憧「どうしました、園城寺さん?………あ」
咲「………」ナデナデ
竜華「…………」スウスウ
憧「(清水谷さんと……清澄の、宮永咲じゃん)」
怜「…………」トタトタ
憧「あ、ちょっと……!」
怜「なあ」
咲「………?」
竜華「」グーグー
怜「…………あんた、宮永咲やんな?」
咲「はい…そうです、けど」
怜「……なんで、ウチの竜華に膝枕してんねん」
咲「へ!?」
咲「(『ウチの』………?あ、ひょっとして…)」
咲「『とき』さん…ですか?」
怜「!なんや、名前知ってるんか」
咲「いや、さっき、清水谷さんがその名前をずっと呼んでたので…」
怜「!」
竜華「ん……怜………?」ムニャムニャ
憧「わ、ほんとに宮永咲だ」
咲「あ、和ちゃんの友達の…」
憧「わー、また会いたかったんだよねー!」
憧「うちは個人戦出ないからもう会えないと思ってたけど、ラッキー♪」
咲「……えっと」
怜「あ、竜華そのままベンチで寝かせてええから、帰り?お友達が心配するで?」
咲「え、ええ………」
怜「ほら」
咲「…………はい」スッ
憧「清澄の所に帰るの?連れてってよ!」グイッ
咲「わわっ!」
憧「園城寺さん、ありがとねー!」バイバイ
怜「うんーほななー」フリフリ
怜「(……あれ、宮永咲も方向音痴やんな…ま、大丈夫か)」
竜華「怜………怜………」スウスウ
怜「………竜華……」
怜「(ウチ以上に……疲れてるやん、竜華…)」
怜「…………」スッ
竜華「」ポスンッ
怜「(…………よし、起きてないな)」
怜「………」オソルオソル
ナデナデ
怜「(無理させてたんかな…)」
竜華「んっ…………♪」
怜「(幸せそうやし…大丈夫、かな?)」クス
――
憧「ホテルってどっちー?」
咲「あ、あっちだよ…たぶん」
憧「曖昧だなー。ひょっとして咲って方向音痴?」
咲「えぅっ!?……うん、そうかも」
憧「じゃ、私が連れてくよ!ホテルの名前教えて♪」
咲「えっと…………」
竜華「…………」パチ
怜「あ、目覚めた?」ナデナデ
竜華「!?」ガバッ
怜「わ、そんな急に起きんでよ。ぶつかるかと思ったやん」
竜華「え………あれ、咲ちゃんは……?」
怜「あー、宮永さんな?途中でお友達と帰ったで」
竜華「(……てことは、怜に咲ちゃんに膝枕されてることバレてるよな……)」
竜華「(玄ちゃんの時も怒ってたし…また、怒るかな……)」ビクビク
怜「竜華?」
竜華「は、はひぃ!?」ビクッ
怜「なんでそんなビビってんねん」クスクス
竜華「い、いやだって」
怜「……大丈夫やって、浮気なんて思ってへんよ?」
怜「竜華がウチのこと思ってたの咲ちゃんから聞いたから」
竜華「あ……ぁう…………」
怜「それより、えらい疲れてるで?」
怜「ウチは病弱やけど、竜華が疲れてる時は介抱とかできるからな?」
竜華「………アピールやめっ……でも、ありがと」
怜「膝枕位ならいつでもやってあげるから、ウチにもたまには頼ってな」
竜華「…………うん……じゃ、もういっかい寝るー」ポスン
怜「え?い、いや、もう遅いで?帰ろうや」
竜華「あと5分…………」ゴロゴロ
怜「いやいや…………もう」ハァ
――
咲「…………あの」
憧「…………………」
咲「ま、迷ってない?」オロオロ
憧「………迷ってないよっ!」
咲「…うん、そうだよね」
憧「………でも、このままだと帰るの遅くなりそうだし、今日はこのまま遊ぼうよ!」ギュッ
咲「はぇ?!」
憧「うん、そーしよ!なんかあったら私のケータイから穏乃とかに連絡すればいいし♪」
咲「よ、夜遊びはダメだよ…」
憧「い、や♪私が咲と遊びたいからー!」
咲「(………初めからこれが狙いで迷子…とか、ないよね?)」アセアセ
おわり
読んでいただきありがとうございました。
また明日の夜書きます。
おつ
前スレの続きネタは、そうとわかるようにしてくれるとうれしい
すばらです乙乙!
怜に甘える竜華ええね
続き期待
なんか多重投稿多いですね。
不手際なしで投下したいです…。
>>101
続きというか、前のスレと世界が一緒なので…
そのため全部続きのようなものですが、単独で読めると思います。
前を読まないとわからないものは、事前にお伝えしますね。
軽く前スレまとめSS
泉「先輩方のここまでの流れ、まとめてませんか?」
セーラ「はぁ?」
船Q「何を今更そんなことしたがるんや…」
泉「や、一応、あった方が便利やないですか?」
船Q「はぁ……まぁええけど」
セーラ「始めの始めからでええんか?」
泉「はい、始めは知らないので教えてくださいー」
セーラ「んーと…」
セーラ「中1の時に初めて会ってな?」
船Q「お互いに一目惚れしとって、何となく仲良くなって」
セーラ「中1の秋あたりから完全にベッタリになったなー」
泉「ああ、初めて膝枕してもらったって言ってましたね」
セーラ「うんうん。ほんで…」
船Q「中3ん時の文化祭後に自分のが相手が好きやって気付いたらしいで」
泉「べったりしてたんに2年かかったんですか…」
セーラ「竜華は鈍感やし、怜は素直やないからなぁ」
泉「まあ、それはそうですけど…」
船Q「意識してからもかなりかかったんやで?」
セーラ「友達同士としては仲良うやってたけどな?恋に関しては奥手でなぁ…」
船Q「高2の3月の先輩らの卒業式で、告白して」
泉「あー、聞きましたね、その話」ゲッソリ
セーラ「やけど、ドヘタレやったからなぁ、竜華は」
船Q「園城寺先輩、3ヶ月の間、チューもしてくれん!って愚痴の嵐やったわ」
泉「それは私も聞いてました…きつかったですよね…」
セーラ「初デートまでの1週間の愚痴ノロケが一番すさまじかったけどな…」
船Q「思い出したくないわ…」
泉「でも、高3の7月の花火大会あたりから、ちょっと愚痴減りましたよね?」
セーラ「あー、そこで初チュー済ませたらしいわ」
船Q「そっからしばらくは清水谷先輩がキス魔状態でそれはそれで大変やったけどな…」
泉「あー、…でもアレは船久保先輩の乱開発してた薬の問題もあると思いますよ?」
船Q「……まあ、せやな」
セーラ「そういや、初夜に至ったも間接的に浩子の問題よな」
船Q「や、まさか清水谷先輩があの薬悪用するなんて思ってなくて…」
泉「初夜終わってから、清水谷先輩が爆発しましたよね」
セーラ「もともとムッツリやったしなー。タガが外れたんやろ」
船Q「園城寺先輩も、どんどん開発されてましたね…」
泉「そ、そんなことアッサリ言わんでくださいっ」カァッ
セーラ「まあ、そんなこんなで」
セーラ(24)「今、あいつらは押しも押されぬ完全な変態カップルになってるな」
泉(22)「……んー、この話でどうやって馴れ初めVTR作れって言うんですか…」
セーラ(24)「……そういや、新道寺の二人とも仲良くしてたな。サプライズで呼ぶか」
船Q(23)「まあおもろい動画はうちのPCにいっぱい入ってるから、大丈夫やで?」
泉(22)「白糸台との練習試合とか、姫松と合同合宿もしたって言うてましたね」
船Q(23)「…セーラの女装も入れようか」ニヤリ
セーラ(24)「ちょ、やめい!」
泉(22)「結婚式までホントあと少しですね…どうしましょうかね……」
おわり
こんな感じです。
中1~新社会人あたりの10年間で
短編をぼちぼち書いていきます。
よろしくお願いします。
それでは、おやすみなさい。
こんばんは。
次
怜「(白糸台に練習試合に来たんはええけど…)」
インハイ後
白糸台部室
怜「(あれ、ウチ宮永さんの『打ちたい』との指名を受けて練習試合に来たはずやのに)」
セーラ「……」コト
怜「…………」コト
淡「……………」コト
尭深「………」コト
怜「(宮永さんおらんし……)」
怜「(しかもメンツがハードすぎるで…)」ハァ
セーラ「っしゃあ、親リーっ!」パシッ
淡「…………それだっ」パラ
セーラ「なんや、ダブリーのみかいな」
淡「……なによ!別にいいじゃん!」
セーラ「次の角まであと少しやったのに、残念やなー?」
淡「………むぅ……!」
ガチャガチャ
セーラ「っはー、ってか静かすぎるでー」
セーラ「交流試合なんやけ話しながらやろうや」
尭深「…まあ、たしかにそうですね」
淡「何か話しようよー!」
怜「んー、じゃあ何の話する?」カラカラカラ
セーラ「将来の話とか?」カチャカチャ
怜「……メゲるからやめてや……」カチャカチャ
セーラ「………ごめん」
淡「あ、タカミ先輩にずっと聞きたかったんだけどさぁ」カチャカチャ
尭深「うん、何?」ズズ
淡「亦野先輩と付き合い始めたのー?」
尭深「!?」ブフォッ
怜「わ、渋谷さん大丈夫!?」
淡「やっぱりかー」アハッ
尭深「え、え、どうしてそれを」アセアセ
怜「(……渋谷さん真っ赤になっとる。可愛い)」コト
淡「様子見てればバレバレだよー?」コト
尭深「そっか……」コト
淡「ねえねえ、いつからいつから?」ワクワク
尭深「………インハイの、団体戦終わってから」
淡「………え?そんな前?」
セーラ「じゃ、個人戦の時にはもう付き合ってたんか…」コト
怜「……大会終わりの懇親会でも、そんな様子なかったやん……」コト
淡「バレないようにしてたのー?」コト
尭深「…………それもなんだけど」
淡「?」
尭深「誠子がドヘタレで全然近づいてくれないのっ!!!!!」バシィッ
セーラ・怜・淡「!?」
尭深「………あ、ツモです。大三元、字一色、四暗刻単騎」
セーラ「げぇ………そういやオーラスやった」
怜「セーラと淡ちゃんが連荘しすぎるから……」ハァ
淡「あたしじゃまだハーベストタイム止められないなー」ヘヘ
尭深「…………誠子、付き合い始めてから顔を見てすらくれない」
セーラ「(どっかで聞いたことある話やな…)」チラ
怜「…………………」
怜「…………わかるで、渋谷さん」
尭深「?」
怜「こっちかて好きで付き合っとるんやし」
尭深「そう!何されたっていいのに!」
怜「手繋ぐくらいで怒らんのに……!」
尭深「むしろ繋いでほしいって思ってるのに!」
怜「そうやんなー!」
尭深「そうですよ!」
怜「こっちかてドキドキしながら一緒帰ってるんやからってな!」
尭深「ちょっとくらい勇気見せてくれたっていいですよねー!」
ワイワイ
淡「(トキ先輩って誰かと付き合ってるの?)」コソッ
セーラ「(……大体誰かわかるやろ?)」チラッ
別卓
誠子「…………」アワアワ
菫「………………」
竜華「……………………」カアアア
船Q「……なんや別の卓がおもろいことになってますね」コト
誠子「あ、か、カン!」
菫「…………ここで大明槓する必要ないだろ」
誠子「え……あ、ホントだ役なしです…」アワアワ
菫「……それを言う必要もない」
誠子「………と、とりあえず」コト
船Q「残念、それやで。カンドラ乗って親倍や、24000」
誠子「……あ、トビです………」
船Q「ごちそーさんです」ニヤニヤ
菫「……………」ハァ
菫「…お前ら、付き合ってたんだな」
誠子「え、えっと………」カアッ
船Q「なるほど、なるほど」ニヤニヤ
竜華「……………誠子…」
誠子「………はい?」
竜華「わかるで…………!」
竜華「向こうが可愛すぎるのがアカンやんな!」
誠子「!」
誠子「そうなんですよ!」
竜華「あんな可愛い顔しといて………なあ!」
誠子「顔真っ赤にして照れてる子の手握れるかってんですよ!」
竜華「そやねん!恥ずかしすぎて顔見るのも無理やっちゅうねん!」
誠子「ホントですよ!」
菫「……………あの、」
船Q「突っ込み禁止です。似たもん同士仲良くさせときましょ」
菫「(…清水谷は亦野を名前呼びしてるんだな……)」
――
照「……………ツモ、16000オール」
泉「……と、トビです…………」カタカタ
照「(園城寺さんの卓終わってるし、次はあっちでやりたいなー)」モギュモギュ
照「………」モシャモシャ
泉「……………あ、クッキーいりますか?」
照「!」パアアア
照「……ありがとう」サクサク
泉「(…ちょっと可愛い)」
竜華「……でもな、誠子」
誠子「はい?」
竜華「たまにはな、勇気見せないかんで?」
竜華「…ウチもな、付き合ってからしばらく恥ずかしくてなんもできんやったけど」
竜華「やっぱり、それやと…不安がるから」
誠子「…………わかっては、いるんですけどね」
竜華「わかる、ウチも頭ではわかってんねん、でも動かへんのよ」
誠子「そうなんですよ!もう、ドキドキしちゃってなにもできなくて…」
竜華「でもやっぱり、攻め手なんやから頑張らなアカンで?」
誠子「そうです………よね…………」
竜華「また後で話しような?」
誠子「…………清水谷、さん……!」ビシッ
竜華「…………!」ビシッ
船Q「おおう、見事な敬礼」
菫「(……………攻め手ってなんだ?)」ウーン
船Q「(あれ、この人、案外疎いんやな……ムッツリやと思うてたけど)」
怜「……でも、大丈夫やで」
怜「さっきの話、聞こえたやろ?」
尭深「………はい」カアッ
怜「手ー繋いでこんのは、それだけこっちを思ってくれとるからや」
尭深「私も、誠子のことを信じて待ってれば……」
怜「いつか勇気だしてくれるから」
尭深「……なんというか、焦り過ぎてたのかもしれないですね」
怜「やろうなー、ウチも最初の一か月そんな感じやったからわかるで」クスクス
尭深「…………園城寺さん…」アクシュ
怜「………渋谷さん…また話しような?」アクシュ
尭深「はい、ありがとうございますっ」
淡「美しい友情だねぇー?」
セーラ「美しい………のか?」ウーン
照「ねえねえ、打ちたい、園城寺さん」クイクイ
怜「………あ、宮永さん」
照「お願い、園城寺さん、打とう?」クイクイ
怜「………ええよ」ニコ
怜「(…でも淡ちゃん達の後に宮永さんとか辛すぎるで……)」
竜華「………」イラッ
――
淡「じゃああたしリューカと打つー!」ドタバタ
竜華「……あ、淡ちゃんか、仕方ないなーなら、打とか」ヘラヘラ
怜「………」イラッ
練習試合後
帰り道
尭深「…練習試合……楽しかったね」
誠子「…うん」
尭深「また……打ちたいし、遊びたいね」
誠子「………尭深」
尭深「?」
誠子「………っ」ギュッ
尭深「!(手………)」
誠子「か、帰ろう?」カアアア
尭深「………もう、帰ってるよ?」クス
誠子「!確かに、そうか…」ヘヘ
尭深「誠子」
誠子「な、なに?」
尭深「今度一緒に、大阪いこう?」ニコ
誠子「!………そうだね」
練習試合後
バス車内
船Q「(…バスでた直後は、照怜やら淡竜やらで喧嘩しとったけど)」
泉「(江口先輩のおかげで今はまたイチャイチャしとりますね)」
船Q「(どっちがええか…ま、考えるまでもないか)」
怜「そや、竜華」
竜華「ん?」
怜「勇気出してくれるんやろー?」ズイッ
竜華「や、今バスやで?みんな居るし、あかんて」ドギマギ
怜「ええやん別にー。公認なんやし?」
竜華「いや、でもさ………」カアアア
怜「んー?」ギュッ
竜華「うぇっ!?ちょ、抱き着くのやめて…」アワワ
怜「竜華…」チュッ
竜華「んにゃっ…………あ」マッカ
船Q「(…………どっちがええか)」
泉「(考えた方が……ええかもしれませんね)」ハァ
セーラ「(………うん、喧嘩しとるよりは多少イライラしてもラブラブのがええはずや、うん)」
おわり
次
怜「今日さ、竜華ん家泊り行っていい?」竜華「え、は!?」
高3 4月
千里山部室
怜「ええやろ?はい決定ー」
竜華「ちょちょちょ、待って!…待って!」
怜「え?ダメ?ちゃんとお泊りセットも持ってきてるで?」
竜華「む、無理!」
怜「なんで?」
竜華「………いや、だって……」
怜「何か用事あるん?」
竜華「な、ないけど……」
怜「ならええやん。はい決定ー」
竜華「いいいいや、そうやなくてさ」アワアワ
怜「なに?」
竜華「こ、心の準備とか、あるやん…無理って………」
怜「………あんなぁ、竜華の心の準備待ってもう1ヶ月や」
怜「待つのも限界やで」
竜華「それは……ごめん、でも……!」
怜「『でも』はもう聞かへーん。それに、お泊りくらい昔からしとるやん」
竜華「あ、う……」
怜「なあ、ええやろ?」ジッ
竜華「(か、かわいいいいいい)」コクッ
竜華「(………あ、うなずいてしもた)」
怜「やった♪」ニコニコ
竜華「(もう断れん……どないしよ)」
――
セーラ「…………あいつら、一年入ったばかりやのに…」
泉「あ、あの………」
船Q「気にせんでええ。あれが先輩ら流の一年の迎え方や」
泉「は、はぁ………(入る部活間違えたかな………)」
清水谷邸 竜華部屋
怜「ひっさしぶりに来たけど、なんも変わってないなぁ」
竜華「まあ、参考書がちょっと増えたくらいやな」
怜「…………(あかん、来たはええけど、なんしよ…)」ドキドキ
竜華「…………あ、あ、おおお茶とってくるわ」トタトタ
パタン
怜「………向こうも相当緊張してるなぁ…」
怜「ウチが自然体でおらんと、余計に緊張してまうよな…きをつけよ」
怜「…でも、ちょっとは恋人らしいことしたいわ…」
竜華「(……やばい、めっちゃ緊張する……)」ドキドキ
竜華「(…や、普通のお泊りでもええんや、平常心、平常心)」
竜華「(……ゲーム…怜はスマブラが好きやっけなー)」トタトタ
――
――
竜華「っはー、怜なんでそんなスマブラ強いん?」
怜「インドア派舐めたらいかんで?」フフン
竜華「胸張って言うほどのことでもないやろ…」
怜「…………わ、もう22時やん」
竜華「ホンマや、お風呂入るー?」
怜「うん、竜華と一緒に入るー」
竜華「うぇ!?」アセアセ
怜「……冗談やで。先にもらってくるでー」
パタン
竜華「(………ふ、不意打ちやったわ)」バクバク
竜華「(……怜がお泊りに来てるの思い出してしまったやんー)」バタバタ
竜華「(ふ、布団敷こ………)」
竜華「お風呂、上がったでー…そろそろ、寝よか?」
怜「……なぁ、なんで布団敷いてんねん」
竜華「え?」
怜「こんなん普通のお泊りと一緒やん」
竜華「じゃ、どうしろっていうん?」
怜「決まっとるやん。竜華のベッドで一緒に寝よ?」
竜華「え、ええええ………」
怜「大丈夫やって、同衾するだけや」
竜華「同衾って、そんな」カアア
怜「ほらあ」グイグイ
竜華「え……え、あ、………」
竜華「………………」ドキドキ
怜「(さすがに、近いな…)」ドキドキ
竜華「(怜……やっぱ、恋人らしいことしたいんかな……?)」
竜華「な、なあ怜」
怜「………なに?」
竜華「………う、腕枕とかしたほうがええん?」
怜「!(竜華のくせに……)」ドキドキ
怜「……………そやな、ウチは腕枕ソムリエでもあるんやでー?」
竜華「ふふっ、なんそれー」クスクス
竜華「…………じゃ、おいで?」
怜「…………うん」
怜「(えっと…雑誌で読んだけど…)」
怜「(腕に寝ると、しびれるから…右腕の付け根の肩あたりに……)」ポスン
竜華「!?(ち、近!)」アワアワ
怜「………大丈夫?キツくない?」
竜華「う、うん、大丈夫(全然大丈夫やないけど!)」ドキドキ
怜「(ドキドキしとるの…こっからやとバレバレかな)」ドキドキ
竜華「………(てか、こ、これ……)」
怜「………竜華、なんで左手バンザイしてんの?」
竜華「い、いや、体の構造的に……」
竜華「普通にしとると怜に触れちゃいそうやから………」カアアアア
怜「ウブやな……ホンマに」
竜華「う、うっさいわ!」
怜「………竜華、ウチら恋人同士や。触れてもなんも問題ないで?」
竜華「そ、そやけど……」
怜「………竜華」ギュッ
竜華「(…怜がウチのパジャマ握ってる………)」ドキドキ
怜「……ね…抱きしめて?」
竜華「…………(そ、そんくらいならできるはず)」
ギュッ
怜「……(自分で誘ったことやけど)」
怜「(これ、なかなか恥ずかしい……)」ドキドキ
怜「(でも……気持ちええな………)」
竜華「と、怜…………?」ドキドキ
怜「…………………」
竜華「(まさか、もう寝た………?)」
怜「……………」
竜華「……………」
竜華「(寝れるかっ!)」ドキドキ
竜華「(こんなかわいい子が腕の中におって寝れるやつがどこにおるっちゅうねん!)」
竜華「(やらかいし、ええ匂いするし…)」ドキドキ
竜華「(…って何考えてるんやウチはー!)っ!」アワアワ
怜「……………」スウスウ
竜華「(怜………、ホンマ、大好きやで)」
怜「…………んぅ………」
竜華「!」
怜「りゅうかぁ…………?」
竜華「(ね、寝言か?)」
怜「りゅうかぁ…ウチのこと、好き………?」
竜華「……………う、うん、愛してるで」ドキドキ
怜「…………んふふ、ウチも、すきぃ……」ギュウ
竜華「(うああああああああ)」バクバク
竜華「(やばい、心臓吐く、心臓吐く!!)」
竜華「(………んむっちゃ、キスしたい…)」ドキドキ
怜「りゅうかぁ……」スヤスヤ
竜華「(…………怜は寝とるし……)」
竜華「(こ、恋人同士なんやし、大丈夫よな?)」
竜華「(は、初チューの練習や)」ドキドキ
竜華「…………(怜の顔を、こっちに向けて……)」ソー
クイッ
怜「んぅ…………?」スヤスヤ
竜華「(セーフ、か…………)」
竜華「(わ、顔近すぎ……っ)」カアア
竜華「(…よし、や、やるで……やったる!)」
竜華「(怜……………)」ソー
怜「…竜華の事好きやけど、寝込み襲われるんは、勘弁やで?」パチッ
竜華「!?!?」
竜華「あ、わ、わ、ご、ごめん!」
怜「やっぱりムッツリやなー?竜華は」
怜「キスしたいならしたるから、いつでもええって言いよるけど」
怜「さすがに寝とる時は………嫌やなあ?」ニヤッ
竜華「あ、あわわ」カアアア
竜華「……い、いつから起きてたん?」
怜「………初めから全部起きてるわ」
竜華「え、寝てないん?」
怜「そりゃ、竜華に腕枕されとるしドキドキして寝れんわ…………って」
竜華「え?」
怜「いや、そのあ………ちゃうねん」カアアア
竜華「…(か、かわいい)」ドキドキ
竜華「…………お互い、緊張しすぎて寝れんなぁ?」
怜「…りゅうかがちゅーしてくれたら、寝れる気がするー」
竜華「………ふ、ふつーキスしたら起きるやろ。白雪姫とかさ」
怜「……………ま、そうやけど」
竜華「……………」ドキドキ
怜「……………」バクバク
竜華「…ね、寝込み襲おうとして、ごめん」
怜「ほ、ホンマやでー。変態竜華」
竜華「……キスは、また今度でもええかな?」
怜「…………うん、ウチも今日はここで寝ときたい……かも」ギュウ
竜華「怜…好きやで」
怜「……うん、ウチも」
竜華「………そういえばさ」
怜「ん?」
竜華「ずっと起きとったんよね?」
怜「うん」
竜華「…てことは、あの『寝言』も、起きとったってこと?」
怜「……………ぁ」カアッ
竜華「怜めっちゃ可愛かったでー?」ナデナデ
怜「や、撫でんでよ………ふぁあ」
竜華「…………あ、眠い?」
怜「……………うん」
竜華「………寝り?おやすみ、怜」
怜「……うん、おやすみ、竜華」
怜「(竜華の腕の中………めっちゃあったかい…)」スウスウ
竜華「…………」
翌日 土曜日
千里山部室
竜華「れ、練習を開始しますー」フラフラ
オネガイシマース
竜華「……………ふぁあ」
セーラ「大あくびやな、竜華」
竜華「昨日、全く寝れんかったから…」ファア
船Q「!?」
セーラ「ん?浩子どうした?」
船Q「」バッ
怜「二条…泉か、よろしくなー」
泉「………あ、お願いしますー」
怜「(昨日熟睡できたからな、今日はえらい調子ええでー♪)」
船Q「(園城寺先輩は眠そうでない……どういうことや…!?)」
セーラ「浩子ー?」
おわり
今日はこれだけです。
泉の話は怜竜とは違うかなーと、考え中です。
別にスレを立ててちゃんと書く可能性が高目です。
ではまた明日もこのくらいの時間に書きますね。
お題お待ちしております。
おやすみなさい。
乙です
定番の手がくっついて離れなくなるとかどうでしょう
高3 9月
怜「はぁ…つら…」
泉「…て言うても、先輩玉入れくらいしか出ないやないですか」
怜「炎天下見とくのも辛いわ…」
泉「まぁ、そう言わずに…清水谷先輩らも頑張ってますし」
怜「確かに、赤組も白組も点数が拮抗してておもろいけどさ…」
「…午前の部最後の競技は、三年生による借り人競争ですー」
怜「…え?午前の部最後ってリレーとかダンスとかやないん?普通」
泉「たしかに、珍しいですね」
船Q「ついに来ました…メイン競技がっ!」
怜「わ、どっから来たん、船Q」
船Q「私はこの競技のために実行委員長に名乗りをあげたと言っても過言ではありません!」
泉「そういや、体育祭も文化祭も2年主導ですよねうちは」
怜「…なぜに、借り人競争に本気を入れとるん?」
泉「先輩のことやしお題工夫しとるとかやないんですか?」
船Q「おぉ、なかなかわかっとるやん、泉」
船Q「お題には…『実際テンション高過ぎると思う人』、『天然だと思ってる人』などなど…」
泉「…わ、ちょっとえぐい………」
怜「精神攻撃かいな…」
船Q「質実剛健が千里山の校訓ですし」
泉「そんな校訓、聞いたことないですけど…」
怜「そもそもこれは質実剛健と関係ないやろ…」
船Q「まあでも一番はアレですね、『恋人にしたい人(ガチ)』とか『実際可愛いと思ってる人』とかの恋愛系ですね」
泉「…うちが女子高ってのはもはや突っ込みどころではないんですかね…」
怜「なにそれ恥ずかし…、て、これ竜華とセーラ出るやん」
船Q「まさしく!セーラには是非『実は一番気にかけてる後輩』を選んで頂きたいっ!」グッ
怜「そんなセーラ一点狙いのお題なんか出すなやっ」ピシ
泉「…まぁ、他の実行委員の普通なお題もあるらしいですよ?」
怜「(………竜華、何引くかな…)」
怜「(『実は可愛いと思ってる人』やったら、ウチの所来るかな…)」
怜「……いや、ウチは『実は』でもなんでもなく可愛いわ」
泉「何を言うてはるんですか…」
怜「(ってことは…他の子と行く可能性もあるんか…それはそれで嫌やな…)」ハァ
泉「先輩………?」
パーン!
ワーワー
セーラ「いっちばん、最後の組になるとはな…」
竜華「それも、同じ組になるなんてなぁ?」
セーラ「…負けへんで、白組の勝利点はここで稼ぐっ」ゴッ
竜華「こちらこそ、赤組の勝利に貢献させてもらうわ」ゴオッ
船Q「燃えとるな。実際、ただの借り人競争やのに」
「…さて、いよいよ午前の部、最後のレースとなりました」
ヨーイ……パン!
竜華「……」ダッ
セーラ「うおおおおお!」ダダダッ
怜「うわお、流石に速い」
船Q「ぐんぐん引き離しとるなぁ…」
泉「二人して、ぶっちぎりですね…」
怜「(二人ともリレー選手やしなぁ…ホンマなんで麻雀部なんや)」
船Q「…でも、セーラんが若干押しとるな」
セーラ「(…おっしゃ、俺のが早くお題に着いたで!)」ペラッ
竜華「」ペラッ
セーラ「(お題は…『麻雀部員をおんぶ』!簡単や…)」キョロキョロ
セーラ「!」
怜「!(セーラと目が合った…)」
セーラ「ときいいいいいいい!」ダダダダ
怜「わ、怖っ」
船Q「まさに暴れ馬」
泉「……ちょ、後ろから…もっと凄いのが………っ!」
船Q「うわっ……」
怜「え、なに?見えんけど……」
竜華「」ヒュンッ
セーラ「!?」
怜「え?」
竜華「怜は……」ヒョイッ
怜「(か、体が浮いて…)」
竜華「ウチのもんやあああああ!」ダダダダ
セーラ「あ、ずりぃ!俺が先に目付けてたのに…」
船Q「うわお。園城寺先輩をお姫さま抱っこしながらあの速度で走るとは…」
泉「…てか、ここ部員以外もいっぱい人おるのに……」カアッ
セーラ「…あっ、お前らもいたんか!」
竜華「」タッタッタッ
怜「わっ、わっ、りゅ、うかっ、速、すぎっ、下ろしてっ」
竜華「……そうもいかんねん、後ろ見てみ?」
怜「うしっ、ろっ?……あっ」
船Q「走れー♪走れー♪セーラ号ー♪」ヒラヒラ
セーラ「うおおおおお!」ダダダダ
船Q「おおお、これは速いわ。大阪-東京間もこれなら30分やな」ノホホン
セーラ「お前ちょっと黙っとけええええ!」ズダダダダ
怜「(うわ、セーラが猛スピードで迫ってきよる…こわっ)」
竜華「なっ?やから下ろせんのよ、しっかり掴まっててな?」
怜「うっ、うんっ……」
怜「(…でも、掴まる所…)」
怜「…………」ギュッ
竜華「!?」
怜「りゅ、うかっ……!」ギュウ
竜華「(その顔で袖にしがみついてくるんは…だいぶ反則やろっ……)」
怜「………………っ」
セーラ「も、もうちょいで追いつくでっ!」
船Q「(私、園城寺先輩より重いのに…恐るべき無駄体力やなー)」
スタタタタッ
ダダダダッ
竜華「…………っ!」
セーラ「おらあああああ!」
泉「(…あ、江口先輩追い付きそうっ……)」
パーンッ
竜華「っ!(追いつかれた!?)」
泉「(こっから見る限りやとゴールはほぼ同時やっ!)」
セーラ「実行委員っ!どっちやっ!」
「……先に胴体が入ったのは」
竜華「…………」ゴクッ
セーラ「……………」ゴクッ
怜「(…いや、先に下ろせや……)」
「…清水谷さんですっ!」
ワーワー
セーラ「っあああー…」ガックシ
船Q「これで午前の部合計得点は赤組にまくられましたね……」
竜華「やったー!怜っ!」
怜「えっ?」
チュッ
怜「……!?」
セーラ「っちくしょー!負けた!」
竜華「愛の力の勝利やー!」ドヤッ
怜「………あぅ……」カアッ
セーラ「………あー、もう!」
セーラ「竜華が怜とらんやったら、勝ってたんにー!」ジタバタ
竜華「何言っとるんや!ウチの怜やっ!渡さへんに決まっとるやん!」
怜「…………」
竜華「なぁ!?怜!」
怜「……竜華」
竜華「?」
怜「…いっかい、周り、見て」
キャーキャー
ヒューヒュー
竜華「…………あ」カアア
怜「…あほ」
船Q「ほほう、ゴールして周り見えてなかったんですねえ」
セーラ「……お前は早う下りろや」
――
昼休み
セーラ「飯やー!」
竜華「と、怜!お弁当作ってきたで!」
怜「…………りゅうか」
竜華「重箱に詰め込んできた!食べよっ!」カチコチ
怜「竜華?」ジロッ
竜華「はい」
怜「正座」
竜華「はい」
船Q「(正座しとる清水谷先輩を折り畳み椅子から脚組んで見下す園城寺先輩…)」
泉「(これ以上人目に付くことはやめて欲しいんやけど…)」
怜「…あのさぁ」
竜華「ごめんなさい…」
怜「や、嫌やったわけやないけどさ…」
竜華「!」パアッ
怜「…でも、流石に全校生徒の前でキスは、頭おかしいやろ」
竜華「………おっしゃる通りです…」ショボン
怜「竜華の、あほ」
竜華「すみません…」
セーラ「…ま、まぁまぁ、竜華も嬉しかったんやろ、ええやん」アセアセ
怜「(……た、確かに、カッコ良かったけど)」ドキドキ
竜華「…………」ウルウル
怜「(…でも、正座して涙目のコイツと同一人物とは思えんわ)」ハァ
竜華「怜………?」
怜「…お弁当、作ってきてくれてありがとう。食べたい」
竜華「!う、うんっ!」パアアッ
泉「そういえば」モグモグ
セーラ「んー?」ガツガツ
泉「先輩ら何のお題を引いたんですか?」
怜「あー、確かに聞いてなかったな」
セーラ「俺は『麻雀部員をおんぶ』やったでー!」
船Q「なんや、『実際気になってる人』かと思てたわ」クフフ
セーラ「自分で言うなや!」ピシィ
怜「…………竜華は?」
竜華「う、ウチは…えっと……」
怜「?」
竜華「あの………その………」カア
船Q「(言い淀むとは…なかなかの引いたんかな…)」
船Q「(『一夜を明かしたい相手』とか入れたしな…)」ワクワク
怜「…………」ドキドキ
竜華「…………お、『女の子』……」
怜「………………え?」
セーラ「……は?」
泉「……………『女の子』?」
船Q「……あー、なんやそれか」チッ
泉「な、なんなんですか?『女の子』て」
船Q「や、こんな掃いて捨てるほど女の子居たら、逆に誰つれてくか迷うかなーと思って」
セーラ「…確かに、それならお題近くの子適当に連れてけばよかったやん」
セーラ「わざわざ結構遠くに居った怜連れてかんでも……」
竜華「いや……なぁ?」
怜「?」
竜華「…な、何引いても、怜連れていこう思てたから……」
怜「……………」カアア
竜華「………」カアッ
怜「…なら、『嫌いな人』でも連れてったってことやな」プイ
竜華「いや、そ、そういう意味やないって」アセ
怜「(あかん、また可愛くないこと言うてもうた…」
――
セーラ「……からあげうめー」バクバク
泉「(私もシカトしてご飯たべましょうかね)」モギュモギュ
船Q「(さすがに、『嫌いな人』とかテンション下がるやつは入れてないですよ)」モグモグ
怜「………っ、でもなっ」
竜華「……?」
怜「竜華が他の子の所行かんと…一直線にこっち来てくれたとき」
怜「…めっちゃ、嬉しかった…で?」テレッ
竜華「!」
竜華「と、ときいぃぃ!」ギュウ
怜「わ、やから人前やって…」
竜華「怜っ、大好きやでっ!」
怜「……もう、知ってるから、離れてー」
――
泉「(……先輩、視線が痛いです)」
セーラ「(考えるな…考えたら負けや)」
船Q「(それにしても…セーラにもっとえげつないの引かせたかったなー)」
船Q「(…まぁ、午後の部も盛り沢山やから、楽しみにしときや?)」ニヤリ
セーラ「!?」ゾクッ
おわり
ご飯食べてきます。
次
怜「ポッキーの日やでー!」
おつやでー!船Q流石だし!何が盛り上がるかを心得てらっしゃる!
船Qがセーラを呼ぶ時は江口先輩やった気するでー
続きも楽しみにしてますで
>>195
そうなんですか…。
阿知ポでセーラって呼んでたからそれ採用してました。ごめんなさい。
セーラが船Q呼ぶときは「浩子」でよかったですっけ…?
続き書きますー
高2 11月11日
部室
怜「というわけでトッポ買ってきた」ゴロゴロ
竜華「や、そこはポッキー買って来ーや」
怜「だってトッポは最後までチョコたっぷりやから」
竜華「その点トッポって凄いよな、って、やかましわ!」ピシッ
怜「あうっ」
竜華「…でも、一本欲しい!ちょうだいっ!」
怜「…………やらん」ポキポキ
竜華「ええー」
怜「だって竜華トッポ馬鹿にするから」
竜華「してへんって」
怜「あげへーん」
竜華「なんでや!膝枕したげよるんやで?」
怜「わー、恩を売るのは最低な行為やでー?」ゴロゴロ
竜華「充分に満喫しながら言われたくないわ…」
ナデナデ
怜「………そや、アレして竜華が勝ったら一袋あげるで」
竜華「一袋はいらんけど…アレって?」
怜「ポッキーゲームや」ニシシ
竜華「ポッキーゲーム………」
怜「そうそう(ノッてくれたらええなぁ…無理やろうけど)」
竜華「って…何?…それトッポやん」
怜「いやトッポは最後までチョコたっぷりやから、…って、え、知らんの?ポッキーゲーム」
竜華「うん、聞いたことないわ」
怜「…なんかチキンレースみたいなモンや、調べてみ?」
竜華「?うん………」スッ
怜「(…あれ、部室のタブレットってネット繋がってたっけ…)」
竜華「…………!」カアアア
怜「(…繋がってたか)」
竜華「ちょ、や、これアカンやつやん!」
怜「なんもアカンやつやないで?」
竜華「こ、『恋人同士が行う遊び』って書いてるでっ!?」
怜「いや、友達同士でも普通にやるで?」
竜華「いやいやいや、でも、これは…無理や」
怜「えー、なんでー?」
竜華「なんでって…無理やから、無理やっ」カアッ
怜「負けるの嫌で逃げてるんやないのー?」ニヤニヤ
竜華「…なんやって?」カチン
怜「竜華はヘタレやしなぁ?まぁウチには勝てへんやろなー♪」ゴロゴロ
怜「てことで、トッポはお預けや」ポキ
竜華「…………ええやろ、やったろうやないの」ゴッ
怜「……そうくると思ったで」ムクリ
怜「(…相変わらず、やっすい煽りにようノッてくれるなー、竜華は)」
怜「じゃあ、ん」ズイッ
竜華「え?たべかけやん、それ」
怜「まだ半分以上あるし、ん」ズイッ
竜華「(く、くわえる段階から難易度高いな…)」ドキドキ
怜「(め、めっちゃ大胆なことしよるな、ウチ……)」ドキドキ
竜華「……………(ええいっ)っ!」パクッ
怜「…!」
竜華「(く、くわえたはいいけど……)」
竜華「(顔、近すぎやっ……無理!食べるとか無理や!)」
竜華「(でも、勝負に乗った手前、負ける訳にはっ…)」
怜「」ポキ
竜華「!?」
怜「(どうせ竜華は食べれんやろ)」ポキ
竜華「(ち、近づいて……! )」
怜「(…でも、顔近すぎるな…目、閉じよ)」スッ
竜華「(アカン…可愛い……っ!)」カアア
怜「(ちょ、これ以上は恥ずかしいっ…)」ピタ
竜華「(止まった…怜まで、あと三センチ……)」
竜華「(アカン、だいぶアカン、けど)」
ポキ
怜「ー!?」
竜華「(…一回もトッポかじれないヘタレとは、思われたくないっ)」ドキドキ
怜「(ヤバい…竜華まであと一センチないやん)」ドキドキ
竜華「(ま、負けられへん、けど)」
怜「(でもちゅーする訳にも、いかんし…)」
竜華「(顔を背けることも、これ以上進むのも無理や……)」
竜華・怜「(う、動かれへん…)」カアッ
怜「(……トッポを食べることにより勝敗が決まることはなくなった)」
怜「(ということは、それ以外から攻撃するしかないから…)」
ギュッ
竜華「~~!」
竜華「(こ、腰に手を巻かれた…)」
怜「…………」ジッ
竜華「(ああああああ)」 バクバク
怜「(これで離れる…やろ)」
竜華「(…………うっ、ウチも…)」オソルオソル
ガシッ
怜「っ!」ピクンッ
怜「っふぅっ……」
竜華「(い、息が顔にかかるっ…!)」
怜「(肩掴まれてる、だけやのに…や、ヤバい……)」ドキドキ
竜華「(…む、向こうもだいぶヤバそうやから…あと一押し…)」グッ
怜「!?」
竜華「!(あっかん、ホンマに押してしもうた…)」
怜「(ゆっくり、ソファーに倒れて……)」
トスッ
竜華「……………」ドキドキ
怜「…………」ドキドキ
怜「(体勢的に、これ完全にアウトやろ…)」
竜華「(…こ、恋人でもない怜に……この体勢は…ヤバい…)」
竜華「(もう負けを認めて起き上がr……)」
ガラガラ
竜華「!」
セーラ「……………お前ら、何してんの?」
竜華「や、わ、こ、これはね?」ワタワタ
怜「っ…………竜華の負けや。トッポ、お預けや」ドキドキ
竜華「え?、や、もうええけど、うわわわわ」アワアワ
セーラ「…………?」
大2 11月11日
アパート部屋内
竜華「……ってことがあったの、覚えてる?」
怜「…忘れるわけないやん」
竜華「ホンマ、付き合ってもないのにようあんなんやったよなぁ?」クスクス
怜「完全に一線越えてた日やったな」
竜華「で、そんな事を思い出したから、買ってきたで!トッポ!」
怜「…………」
竜華「…ポッキーゲーム、しようや」ニヤ
怜「嫌や」
竜華「え、なんで」
怜「あん時みたいに…キスすら未遂…てことにはならんやろ?」
怜「むしろその先まで既遂になりそうや」ハァ
竜華「…ま、実際そのつもりやったけどさ?」タハハ
怜「もう……………」
怜「………はい」ズイッ
竜華「え?」
怜「高校の時みたいなのも良かったけど…」
怜「……そういうポッキーゲームも、実際、嫌や、ない、から」カアッ
竜華「………ふふっ、やっぱ変態やな」
怜「ええから、んっ」ズイッ
竜華「…………」ポキッ
怜「(食べるの、全く躊躇わへん…竜華も変わったよな)」ポキッ
竜華「」ポキッ
怜「」ポキッ
怜「(わ、もう近くっ…)」ドキドキ
竜華「っ」ポキッ
チュッ
竜華「」ガシッ
怜「んうっ………!」ピクンッ
怜「(舌……)」
竜華「(甘いな………)」
怜「(やっぱ、そうなるか…)」
竜華「………ん…ふっ」
怜「ん………んんっ…ぁ」ギュッ
竜華「……ぷは、怜………」グイ
怜「(……ぁ…あの時みたいに、優しく、押し倒されて……)」
トスッ
竜華「………………ええ?」
怜「…最後まで、甘いの、たっぷりでな?」
竜華「……わかってるで」
おわり
読んでいただきありがとうございました。
また明日の夜、22時以降くらいになります。
よろしくおねがいします。
こんばんは。
原作など見返しましたが
船Qは「江口先輩」とも「セーラ」とも呼んでますね。
タメ口と敬語織り交ぜるような子ですし、気分で使い分けている、という見解で行きます。
次
船Q「今年度の文化祭についての会議を行います」
高3 9月
怜「もう文化祭の準備の時期か」
竜華「11月やからな。すぐやで」
セーラ「初日はステージ発表、クラス発表で…」
船Q「2日目がメイン、部活別の出店、発表です」
怜「うちは部活推薦の人が多いからなー。部活出店は本気度が違うで」
船Q「そうですっ、運営となった今年、私は燃えておりますっ」ゴオッ
セーラ「おお、なんか珍しい」
泉「例年、どんな感じでやってるんですか?」
セーラ「1、2年が裏方で、3年が従業員、みたいな感じや」
竜華「喫茶雀荘ってのは決まっとるんやけど、年ごと従業員に色々着せるんよ」
怜「去年は、メイド雀荘やったなー」
泉「…なんか、長野あたりにありそうな店ですね」
船Q「今年の喫茶雀荘はっ………」
船Q「ぜひっ!男装喫茶をやらせていただきたいと考えとりますっ!」
竜華「……………ほう?」
怜「………意外と、普通やな。妹カフェとか言い出すと思ってたわ」
セーラ「よっしゃー!ほぼ普段着でええやんー♪」
船Q「なに言うてんの。ちゃんとした服着てもらうで?」ピシ
竜華「………ウチはええけど…みんなは、どう?」
怜「別に、楽しそうやし、なんでもええでー」
船Q「じゃ、決定でええですね」
船Q「………今年は、一味違った喫茶雀荘をご用意いたしますよ」ニヤリ
泉「…………(船久保先輩の覇気がすさまじい………)」ゴクリ
文化祭 当日
船Q「…コンセプトはお伝えした通り、執事喫茶雀荘、です」
泉「御屋敷に帰ってきたお嬢様に食事を振る舞い、麻雀をする、って感じですね」
怜「3年は受験だからってほとんど参加せんやったけど、ええの?」
船Q「全く問題ありません。マニュアルを熟読し完璧に接客し、お嬢様に楽しい時間をお過ごし頂ければ」
竜華「(なんか浩子怖いで……)」
セーラ「麻雀も、初心者には優しく、上級者には手を抜かず…やな」
船Q「その通り」キラリ
船Q「さ、先輩ら、着替えはこっちです」
竜華「え、自分で着替えるんやないの?」
船Q「いいえ、二年の精鋭たちが先輩らを確実に男にするため、研究重ねてきましたから」キラリ
怜「………すさまじい執念を感じるで、船Q」
船Q「そのようなお言葉をいただけるとは…身に余る光栄です」ペコリ
セーラ「(若干物言いが執事っぽくなっとるし……ガチやなこれは)」
泉「…………カップ類、おっけー?…え、調理室の包丁足りないー?ならこれ使うてー!」
竜華「(泉、1年のキッチン隊の中でちゃんとリーダーシップ発揮しとるな。ええことや)」
船Q「…では、先輩方が男性になって帰ってくるのをお待ちしております」
シャー
船Q「ふふふふふふ」キラーン
着替え部屋内
――
竜華「お、おお………」
後輩「凄いでしょ?」
竜華「サラシってすごいな…胸が消えたわ」
後輩「髪の毛も中に入れ込んで、ショート風にしてます」
竜華「自分でも、自分とは思えんレベルやな…ホンマに男や」
後輩「身に余るお言葉」
竜華「……(怜…どんなんになっとるんかな…)」
――
怜「すごいなぁ……これ」
後輩「先輩はショートなので色々やりやすかったですよー」
怜「まあ立派なモンもお持ちでないからな…竜華と違うて」ハァ
後輩「や、そんなこと言ってないですよっ」アセアセ
後輩「……でもまあ、先輩は小柄なので、イケメン系より儚い系目指しました」
怜「……もともと、儚い可愛い系やで、ウチは」フフン
後輩「あはは……ま、そうですよね」
怜「(竜華は……イケメンになっとりそうやなー)」
怜「(それより、どうやって胸隠すんやろ……)」
――
セーラ「ちょっと待てやっ!なんやこれっ!」
後輩「え?メイド服です」
セーラ「執事喫茶やろうがっ!なんでこんなん……っ」カアッ
後輩「浩子の命令で、江口先輩だけメイド服とのことで」
後輩「『いつもと違う格好してこその文化祭ですよ?』とのことです」
セーラ「浩子ぉ………」ゴオオ
後輩「まあこれしか用意してないですよ、着るしかないですー♪」
セーラ「ちょ、やめて、うあああっ!!」
――
シャッ
竜華「………あ、怜………?」
怜「…………りゅうか…?」
竜華「(………アカン、やばい)」ドキドキ
怜「(竜華やけど…竜華やない……めちゃ緊張する………)」ドキドキ
竜華「え……と、可愛い、な?」
怜「!…………竜華も…カッコいい………で?」
竜華「……………」カアア
怜「…………」カアッ
船Q「……(この二人で、まずは女子を鷲掴みですね)」ウンウン
船Q「そして………」
シャッ
セーラ「ひ、浩子…………」ワナワナ
船Q「………おお、想像以上に可愛い」
後輩「全力のメイド服作りましたから」
セーラ「おま、男装喫茶って聞いてたから…安心して………っ」
船Q「もちろん、それが狙いでございますから」オホホ
セーラ「くそっ…」
竜華「………がに股やめ。今日はメイドになりきるんやで?」
セーラ「…………うん」
怜「(……セーラがしおらしい。さすがは乙女モード)」
船Q「(これには大人の人も庇護欲そそられるやろ、いけるで)」ヨシ
船Q「……接客マニュアルは、お読みいただけましたか?」
怜「……………うん」
竜華「………これ、もはやホスト並やん…」
船Q「ん?何か言いました?」
セーラ「……………」カアア
船Q「では、ぼちぼち文化祭開始ですっ!」
船Q「気合い入れて……行きますよっ!」
オー!
セーラ「(浩子…1,2年の心を掴んでるな…)」
怜「(物凄いリーダーシップを発揮してるな…さすがは部長)」
竜華「……………しゃっ!やるでっ!」
店内
怜「(………内装、やる気だしすぎやろ…ホンマの店か)」
セーラ「(費用はいったいどこから出てるんや……)」
竜華「――おかえりなさいませ、お嬢様」
「は、はい………」
竜華「(………まず、羽織物などを受け取る)」ファサ
竜華「………では、ご案内いたします」ニコリ
「―――!」ドキドキ
怜「…………………」ムスッ
船Q「(その格好でふてくされると、もう完全に男の子ですね)」
竜華「(4名様…麻雀は初心者らしいから、初めから説明やな)」
竜華「お嬢様。本日は麻雀をお教え差し上げます――」
怜「(なんであんな初めから接客完璧なん………)」
怜「(カッコええんやから…あんな愛想振り撒かんでもええのに…)」ムカムカ
泉「………船久保先輩」
船Q「ん?」
泉「あの窓際でふてくされてる子カッコいい!と外がやかましいです」
船Q「…控室に入れようか」
――
竜華「(帰り際……羽織物をお着せして………)」
竜華「お嬢様、本日の文化祭はとても楽しいものになっていると聞いております」
竜華「御足もとに気を付けて…いってらっしゃいませ」ペコリ
「!は、はい………」キュンキュン
ガラガラ
竜華「(……………はー、疲れた…やっと一組)」
怜「……………」ギュッ
竜華「?どうした、怜?」
怜「……………取られたら嫌やから」
怜「………ウチの匂いつけてる所」スリスリ
竜華「……可愛いなあ、怜は」ナデナデ
――
泉「船久保先輩!あきません!部員が数名鼻血を出して倒れました!」
船Q「くっそ、ちょっと破壊力上げ過ぎたか……仕方ない、午後の子ら連れてきて!」
泉「はい!」
セーラ「(破壊力……ってなんや?)」モジモジ
セーラ「わ、俺も出番や………」
昼休み
竜華「あーむっちゃ疲れたー………」
怜「ホント………人多すぎるやろ……」
竜華「あ、たこ焼き買ってきたでー」
怜「ありがとー……ふう」ポスン
竜華「いやいや、起きなきゃ食べれんよ?」
怜「んー………しばらく、休憩…」ゴロゴロ
竜華「もー、髪乱れとるやん……」ナデナデ
洋榎「おー!竜華はっけーん!」
竜華「!あ、洋榎やん……あと末原さん」
恭子「……………どうも」ペコリ
洋榎「凄いなー、ホンマに男やん」
竜華「お前さんとこの従妹がすさまじい才能を発揮しとるからなー」
洋榎「やろ!アイツも愛宕の血が流れとるからな」ドヤッ
竜華「自分で言うなやー、もう」
怜「………んー」スヤスヤ
恭子「(園城寺さん、寝とるやん……このうるさい中凄いな…)」
洋榎「午後は何時からやりよん?」
竜華「13時からや」ナデナデ
怜「んぅー」スリスリ
竜華「んー?」ナデナデ
恭子「(ちゅうか、執事の格好で、こんな人目に付く所で、何堂々と膝枕してんねん………)」カアッ
洋榎「じゃあそんくらいに行くわ―!あ、来週うちらも学園祭やから来てなー!」
竜華「はいはいー。じゃ、またあとでな」
洋榎「ほら、行くでー、恭子」ギュッ
恭子「あ……うん」
ドタバタ
竜華「手ぇ繋いで行ってしもた…」
怜「………アレから、ホンマに付き合いだしたんやな」
竜華「起きたんか、………アレって何?」
怜「こっちの話♪ほら、ぼちぼち戻って準備せな」
竜華「……あ、そやな。行こうか」
セーラ「お、おかえりなさいませ………ってお前らか」
竜華「!」
怜「!」
セーラ「なんや、驚いた顔して……」モジモジ
竜華「………こりゃ驚くわ」
怜「…今引くくらい可愛かったな」
セーラ「う、うるせぇ!」
船Q「あ、戻ってきたんですね…後半戦ですよ!」
終了直前
船Q「次の一組で最後ですー。園城寺先輩、お願いします」
怜「わあ、もうそんな時間か…わかった」
ガラガラ
怜「おかえりなさいませ、お嬢様」
「……………最高、ですわ」
怜「?」
「体からあふれる未熟さ、不完全さ、」
「それでいて執事としての強い意志を感じる瞳!」
「長野から観光がてら来た甲斐がありましたわ……」グッ
怜「あの……お嬢様?」
透華「あなた!龍門渕家の執事になりませんこと!?」ガシッ
怜「…!?」
セーラ「(…あ、去年のインハイで冷えてた人や)」
船Q「(………それより、これはヤバい…かも)」
純「おい、やめとけよ。困ってるじゃん」
透華「こんな儚げで麗しい執事を放って帰るわけには行きませんわっ!」
怜「いや、あの………」
ガシッ
透華「!?」
竜華「…………お嬢様、大変申し訳ございません…」
透華「な、なんですの?」
竜華「……この者は仰られた通り、まだ未熟です」
竜華「ですから、他の所にたることはできません………」ゴゴゴ
透華「っ!」ゾクッ
一「す、すみません!ほら透華も謝って」
透華「………そうですね……申し訳ありませんわ」
竜華「……こちらこそ、未熟な者に接客させて、申し訳ありませんでした」サッ
怜「………」ドキドキ
智紀「(新人を守るのは先輩としてなのか…、それとも………?)」
智紀「(そして尊敬しつつも芽生える愛情に戸惑う新人……アリですね)」ウンウン
衣「?ここは麻雀を打てる所ではないのか?」
竜華「……失礼いたしました。それでは卓の方へご案内いたします」
船Q「(すばらっ!清水谷先輩、ナイスフォローっ!)」グッ
文化祭終了後
部室打ち上げ
船Q「お疲れ様でしたっ!かんぱーい!」
ドヤドヤ
泉「最後は少しゴタゴタしましたけど、なんとか無事終わりましたね」
セーラ「ホンマにな、最後の人ら強すぎて接客忘れるかと思ったわ」
船Q「でもこれで………今文化祭の最優秀出店賞は頂きですね!」
泉「………あれ、清水谷先輩らは……?」
セーラ「………ほんまや、おらんな」
船Q「まあ、じきに帰ってくるんやないですか?」
――
屋上
竜華「日が暮れるな……」
怜「やなー……………」
竜華「……着替えに行く?」
怜「んー……もうちょっとこのままがええ……」ギュウ
竜華「………そっか」
怜「あんなぁ?竜華」
竜華「うんー?」
怜「最後さ、あの龍門渕の人ら来たとき…ありがとな」
竜華「い、いや…あれは体が動いちゃったっていうか………」アセッ
怜「嬉しかったで?」ギュウ
竜華「あう………」
怜「竜華………ダメダメ執事で、ごめんな?」
竜華「……ホンマや、他の人にたぶらかされる駄目執事には、お仕置き、せんといかんな?」
怜「…………え?」
竜華「……」ダンッ
怜「………(わ、壁に押さえつけられた)」
怜「あ、アカンって…人が来たら…」
竜華「見せつけてあげればええんと違う……?」
怜「嫌って…んうっ!」
竜華「…………………」チュー
怜「ん……………んんっ」ジタバタ
竜華「(逃がさんよ)」ガシ
怜「……………ん……ふぅっ」ピクッ
竜華「」プハ
怜「……りゅ、竜華、駄目やから……」
竜華「卒業前に、1回だけ、学校で………ええやろ?」
怜「や、いやっ!…………んぁっ!」ビクンッ
部室
セーラ「…………遅いな」
泉「もう打ち上げも終わってみんな帰っちゃいましたよ」
船Q「ぼちぼち機械警備の時間になるから帰らないかんのに……」
ガラガラ
竜華「あれ、まだみんな居ったん」
怜「………………」カアアッ
セーラ「……まだおったんもなんも、お前ら待ちや」
竜華「あー、ごめんごめん」アハハ
船Q「はよ、着替えな。清水谷先輩、こっちです」
竜華「はーい」シャッ
泉「園城寺先輩も………先輩?」
怜「………………うん」シャッ
着替え中
セーラ「あー、そういやお前らの休憩中に新道寺の二人が来とったでー。」
竜華「えー、ホンマ?会えんかったわ」
セーラ「再来週学園祭らしいから、来てくれってよー」
竜華「うん、行くー、なぁ、怜?」
怜「………っ、うん」スルスル
泉「!」
泉「(…………首筋に赤い斑点………!)」
泉「(……見んかったことにしよ)」カアッ
おわり
次
怜「なんやコレ…瓶?」
*Wデート系は集中して書きたいので休日にやります。すみません
高2 6月
怜「なんか液体が入っとる…」
怜「Qて書いてあるけど…船Qの私物かな?」
怜「………わわっ」ピシャッ
怜「ちょっと手に付いた…」
怜「サラサラしとる…ただの水なんかな?」
怜「でもなんか劇物やったらアカンし、手洗いに行こう」トタトタ
ガラガラ
竜華「わっ!いた!」
怜「おわ、竜華か。なんや人を珍獣みたいに…」ジト
竜華「怜!ね、ちょっと来てっ!」ギュッ
怜「へっ?(あ、手…)」
竜華「(……ん?怜、手汗すごいな)」
竜華「(…ってあかん!早くせな消えてまう!)」ダッ
怜「ちょ、竜華待って…」
竜華「まてへん!ごめん!」
怜「(変な液ついたまんまなんに…)」
怜「(……まぁ、ええか)」タタタ
屋上
竜華「ほら、見て!」
怜「わぁ………虹や」
竜華「凄いやろー!怜に見せたくて探しよったんよ!」キラキラ
怜「!」ドキ
怜「………ホンマ…ここまで大きい虹ははじめてや…」
竜華「綺麗やろー!」
怜「やなぁ………ってなんで竜華が自慢げやねん」
竜華「……あ、消えてしもうたぁ…」
怜「…あ、あのさ、竜華」
竜華「え?………あ」
竜華「(…………っと、怜と手繋ぎっぱやった!)」アセッ
怜「(そういや、手繋いだんはじめて……かも)」カアッ
竜華「ご、ごめん、今離すからっ!」
グッ
竜華「あれ?」
怜「………ん?」
グッグッ
竜華「……手が」
怜「え?」
部室
ガラガラ
竜華「…………」ヒョコ
船Q「こんにちはー、清水谷先輩」
竜華「あ、こんにちは……」
セーラ「どうしたんやー?部室入ってきいや」
竜華「……あの、」
セーラ「早う……ほらっ」グイッ
竜華「わわっ」バタタ
怜「………っ!」バタタ
セーラ「?あれ、怜」
船Q「………手、繋いどりますやん」
セーラ「おお、おまえら、やっとか……」
竜華「え?やっとって何?」
怜「………あ、あのさ船Q、そこのテーブルにあった瓶やけど…」
船Q「…ひょっとして、アレが手に付きました?」
怜「う、うん……」
竜華「え、瓶て何?」
船Q「あっちゃー、どうしましょう…」ガリガリ
セーラ「ん?話が見えんのやけど……はじめから説明してくれへん?」
船Q「部室に置いてたんはこの瓶です」
セーラ「おう、なんか水が入ってるな」
船Q「ただの水やありません。瞬間強力接着剤です」
セーラ「お…おう」
船Q「手に出したときはただの水ですが…」
船Q「30秒何かに引っ付けて放っとくと何がなんでも離れなくなります」
怜「なんでそんなもんを部室に?」
船Q「や、ちょっと卓のマット修繕しようと思ってまして…」
竜華「や、ちょ、待って?何がなんでも離れない…?」
船Q「……はい。まだ剥がし薬を作ってないので、どうやってもはがれません。」
セーラ「(作るって…これお手製なんか………)」
怜「え、どうするん。ヤバいやん」
船Q「……明日の放課後までには完成させますので、それまでなんとか……」
怜「マジか…………」
竜華「…ま、しょうがないわ。何も気にせず手ー繋いだウチが悪かったし」
怜「……でも、どうするん?」
竜華「…泊りに、来る、しかないやん」カアア
怜「………………」カアア
セーラ「(はいはい、もう早う付き合ってしまえばええのに)」
船Q「(…え、この先輩らまだ付き合ってなかったんか…驚きや)」
清水谷邸前
竜華「……家、着いたな」
怜「…………うん」
竜華「(っ、あかん、手のぬくもりのせいでなんも考えられんっっ!)」バクバク
怜「(手つないで帰るとか……なんか、恋人みたいやんっ……)」ドキドキ
竜華「っとっ、とりあえず、入ろか?」
怜「…………」コクリ
竜華「お母さんに説明して、ちゃんと理解してもらったけど…」
怜「……ずっとニヤニヤしてたな」
竜華「っ、そうやな…もう」
怜「…………ど、どうする?」
竜華「……あ、怜トイレ大丈夫?」
怜「明日くらいまでなら、大丈夫、やで」
竜華「うちも大丈夫やから……あとは、風呂、か」
怜「(風呂…………)」
怜・竜華「………」カアッ
怜「い、一日くらい、大丈夫やろ」アセアセ
竜華「せ、せやな。諦めようか」アセアセ
怜「…………………」
竜華「………じゃ、ね、眠くなるまでテレビ見ようか」
怜「う、うん…そやな」
竜華「(手繋いでるだけやのに………)」ドキドキ
怜「(……めっちゃ、気まずい……)」ドキドキ
怜「…………ふぁあ」ウトウト
竜華「………ぼちぼち、寝る?」
怜「ん、あ、布団敷くの手伝うで……」
竜華「ええって…って、二人でやるしかないんか」
怜「………せやで?」クス
――
竜華「…………じゃ、ベッドから手だけ降ろしとくから」
怜「………うん、ありがと」
竜華「……………」
怜「(………普段のお泊りと一緒や)」ドキドキ
怜「(…へ、平常心………)」
怜「(平常心………)」
怜「(あかん、寝れん……)」ドキドキ
怜「(りゅ、竜華はどうなんやろ……)」チラ
竜華「……………」スウスウ
怜「(………あれ、もう、寝たんか?竜華)」ジッ
竜華「……………んー」ドサッ
怜「んぎゅっ!?」
――
竜華「あ、朝や…!?」
竜華「(え、ウチなんで怜の布団で寝とるん!?)」
竜華「(寝てる間に忍び込むとか…へ、変態やん………)」カアア
怜「…………おはよ」
竜華「わっ!」
怜「……………昨日、竜華落ちてきて、潰されたんやけど」
竜華「え!?うあ、ごごめんっ!」
怜「…………ええよ。学校行こう?」
怜「(潰されたことより、その後抱き枕にされた事の方が大問題やけどな……)」カアアア
朝 学校
「(ねえセーラ、あの二人、ついに付き合い始めたん?)」ヒソヒソ
セーラ「(…いや、かくかくしかじかで……)」
「(なんやそうなん?でも、真っ赤やなー)」クスクス
セーラ「……………」ハア
怜「………人目が痛い……ひそひそ声も耳に痛い……」
竜華「…まぁ、一番後ろで隣同士で、ギリ助かったな」
怜「いや、助かってないやろ……」
竜華「まあ、今日は怜ノート書かれへんやろうから、ウチが頑張るな?」
怜「じゃー、ウチは…膝枕してもらっとこうかな」
竜華「………いや、話は聞きや」ピシ
怜「…わかっとるって」
昼休み
怜「………なあ竜華、大変なことが判明した」
竜華「ん?」
怜「箸が………持たれへん」
竜華「!あー、昨日巻き寿司やったから気付かんかったけど…盲点やな」
怜「どないしよ……」
竜華「ま、こうするしかないやん。はい、あーん」
怜「!」ドキドキ
竜華「(恥ずかしいけど…恥ずかしがると向こうも余計恥ずかしいやろうし)」ドキドキ
怜「……………あーん」モグモグ
竜華「………おいしい?」
怜「……うん」
「(いや、アレ付き合い始めたんやないん?)」ヒソヒソ
セーラ「(違うモンは、違うんや…うん)」
放課後
怜「終わった…」
竜華「はよ、部活行こう!船Q来とるかな……」
怜「(竜華……もう早く離れたいんやろうか………)」
怜「(ウチは、もうちょっと、このままでも…………)」
怜「(…………りゅうかぁ…)」ギュッ
竜華「(!手、握ってきた……)」
竜華「…………」ナデナデ
怜「………?」
竜華「ご、ごめんな?離れたいわけやないで?」
怜「りゅうか………?」
竜華「た、ただ、ちょっともう心臓がもたんっていうか……いや、そうやなくて…」カアッ
怜「……ふふっ、アホやな、竜華は」
竜華「…………と、とにかく船Qやっ!」グイッ
怜「はいはい」トタトタ
部室
怜「え…………?」
竜華「出来てない………?」
船Q「ホンマすいません…材料調達が間に合わなくて…」
船Q「明日の昼には完成するんですけど……」
怜「…………(竜華と……)」ドキドキ
竜華「………………(もう一晩、やて…?)」バクバク
怜・竜華「(……っ、これ以上、どうしろっちゅうねん!)」カアアア
おわり
今日はここまで。
12本書いたらまとめる方式でいきます。
>>1 怜「絶対ふとももなんかに負けたりしないっ!」キッ
>>12 怜「今日はまだ泉一人か」泉「はい…」
>>24 セーラ「猫に変身する薬?」船Q「はい」
>>53 怜「文化祭で劇?」
>>78 竜華「迷子?」咲「はい」
>>104 泉「先輩方のここまでの流れ、まとめてみませんか?」
>>116 怜「(白糸台に練習試合に来たんはええけど…)」
>>137 怜「今日さ、泊り行っていい?」竜華「え、は!?」
>>174 竜華「体育祭やー!」セーラ「やー!」
>>197 怜「ポッキーの日やでー!」
>>218 船Q「今年度の文化祭についての会議を行います」
>>244 怜「なんやコレ…瓶?」
出来れば需要が知りたいので、お手数ですが
どの話が良かったか教えてくださると助かります。(前スレ含む)
明日は4本書きたいな…
おやすみなさい。
前のスレ
>>1 竜華「ギュッてされたい」
>>21 怜「まだ竜華がチューしてくれへん」
>>46 竜華「夏祭りかぁ…」
>>88 泉「先輩らの馴れ初めが聞きたい」
>>102 怜「入れ替わり薬?」船Q「そう」
>>151 竜華「スペワにいくでー!」
>>167 竜華「姫松と合同合宿やー!」
>>179 船Q「清水谷先輩が幼女になった?」
>>241 竜華(23)「5年前に戻れる薬?」船Q「そうです」
>>258 竜華(18)「ご、5年後の世界?」
>>320 竜華(18)「現在に戻ってきてから、その後」
>>333 怜「しみずだに、さん、かぁ…」
>>350 恒子「ふくすこプレゼンツ!千里山インタビュー☆」
現スレ
>>1 怜「絶対ふとももなんかに負けたりしないっ!」キッ
>>12 怜「今日はまだ泉一人か」泉「はい…」
>>24 セーラ「猫に変身する薬?」船Q「はい」
>>53 怜「文化祭で劇?」
>>104 泉「先輩方のここまでの流れ、まとめてみませんか?」
>>116 怜「(白糸台に練習試合に来たんはええけど…)」
>>174 竜華「体育祭やー!」セーラ「やー!」
>>197 怜「ポッキーの日やでー!」
>>218 船Q「今年度の文化祭についての会議を行います」
>>244 怜「なんやコレ…瓶?」
これ以上の厳選は無理
竜華「スペワにいくでー!」
船Q「今年度の文化祭について~」
他校の生徒も登場して且つイチャイチャラブラブしてる話が好きです。
お久しぶりです。
次
竜華「姫松文化祭っ!」
姫松高校
竜華「はー、やっぱり人が凄いなー」
怜「……人ごみきらーい」
泉「さすが南大阪随一の人気校、活気に溢れとりますね」
セーラ「麻雀部は何やってるんや?」
船Q「活動記録と展示、あと麻雀体験ですね」
セーラ「えー?なんか、地味やなー」
泉「……まぁ、喫茶店とかやってるうちが派手すぎるんやと思いますけど?」
洋榎「やーやー、そちらのお嬢さんたち」パンパンッ
洋榎「うちの焼きソバはうまいでー?食べて行かへん…って」
セーラ「愛宕姉やんか!」
洋榎「洋榎や、ひろえ!千里山の中堅は名前も覚えれんのかいな」ププ
セーラ「なんやとー!?」
漫「せ、先輩…あきませんって」
竜華「あれ、漫ちゃん」
漫「お久しぶりですー、来てくださったんですね」
怜「あれ、麻雀部は活動展示とちゃうの?」
漫「そのはずやったんですけど…」
洋榎「展示なんてつまらんやん!屋台やりたいやんっ!」
由子「そんなわけで、屋台と展示の二手に分かれることになったのよー」
船Q「なんともまぁ…ありそうな話で」
ギャーギャー
怜「……ここうるさいから、展示の所行きたい」
由子「じゃー案内するのよー」
船Q「…泉、あとは任せたで」
トタトタ
泉「え、…私ここに居なきゃいけないんですか?」
漫「…お互い、そんな役回りやな」ポン
竜華「そういや恭子はどーしたん?」
洋榎「展示の方におるでー………それがなん?」
竜華「ええのー?一緒やなくて」
洋榎「へっ?」
竜華「付き合いよるんやろー?恭子と」ニヤニヤ
セーラ「え、マジで?」
洋榎「……あ、いやその」カアッ
竜華「どうなんー?」ニヤニヤ
洋榎「………お、お前も園城寺と離れとるやん!ええの!?」
竜華「…え、ああ!怜いいいい!どこー!?」
セーラ「船Qも消えとる…どういうことや!拉致か!?」
洋榎「なんや!物騒なこと言いなやー!」
セーラ「おのれらのやったことやろー!」
泉「先輩…もう騒ぐのやめましょうよ…制服で来てるんですよ?」
麻雀部部室
恭子「こんにちはー、麻雀部に…て、」
怜「先週ぶりやな」
恭子「園城寺さんやん!ゆっくりしてってー」
船Q「私も居るでー」
絹恵「浩子やん!ここはほとんど人も来んから、のんびりできるでー?」
怜「じゃー、お言葉に甘えて」
由子「私もあっち面倒だからしばらくこっちにおるー」
恭子「ああ…ひょっとして屋台で色々あったんか…?」ハァ
船Q「…洋榎とセーラの大暴れやで」
怜「………洋榎っていえばさ」
恭子「?」
怜「付き合い始めたんやな、あんたら」
恭子「はぇ!?」
怜「ねえねえ、どっちから告白したん?」
絹恵「そう!聞いてくれますか!?」
――
――
洋榎「…恭子ってさ」ポー
由子「んー?」
洋榎「どんなんが、好きなんかなぁ……」
絹恵「……どんな質問やねん」
洋榎「や、恭子さ、誕生日やん?来週」
由子「そうやねー、そういや」
漫「末原先輩のことですし、愛宕先輩にもらったもんならなんでも嬉しいと思いますよ。」
洋榎「?どういうことや?」
漫「!あ、いや……」
由子「…洋榎と同じで、恭子も洋榎が好きなのよー」
洋榎「え?や、冗談いいなや!」
絹恵「冗談ちゃうわ。ええかげんみんな焦れとるんやで?」
洋榎「え、でも……恭子がうちのこと好きとは限らんし………」
洋榎「う、うちやって、恭子のこと、好きなわけやないし……」カアッ
由子「(反応が露骨すぎるのよー)」
漫「ええから、誕生日の日にでも告白して付き合うてくださいよ」
洋榎「せ、先輩にそんな口聞きなや……」マッカ
絹恵「それが末原先輩にとっても一番のプレゼントとちゃいます?」
洋榎「……そうなんかな…………」
――
恭子「は!?」
絹恵「ん?なんですか」
恭子「そんな話、ひとっつも聞いてないけど」
怜「そら、本人に言う話やないしな」
恭子「え………ぅあ………」カアアア
由子「言っとくけど、こんな事これまでも何度もあったんよー?」
船Q「それより、続きは……?」
由子「告白シーンは、恭子さん、どうぞー?」
恭子「え………えっと……」
――
帰り道
洋榎「か、帰ろか」カチコチ
恭子「?なんでそんな緊張してるん?」
洋榎「べべべ別に………緊張…してへんし」
恭子「しとるやん、どうしたん?ほんまに」
洋榎「………あ、あんな?」
恭子「うん」
洋榎「~~~~~~」ズイッ
恭子「?何、これ……」
洋榎「――っ、き、恭子、今日誕生日やん、やから」カアア
恭子「………あ、ありがと」カアッ
洋榎「あ、あんな?恭子」
恭子「………………?」
洋榎「……………………うああ、いや、なんでもないっ!」
恭子「…洋榎」ギュッ
洋榎「!?」
恭子「18になったしさ…、付き合ってくれても、ええんやで……」
洋榎「…………え、えっと……」
洋榎「……す、好き、や、恭子………付き合って」ギュッ
恭子「…………う、うん」カアア
――
恭子「……………て……感じやった」ドキドキ
絹恵「へー、そんなやったんやねー」
怜「え、聞いたことなかったん?」
由子「二人とも照れすぎて全く話してくれんやったからー」
船Q「うちの二人とは大違いですね……」
怜「ちょ、船Q!」
由子「えー?なになにー?」
船Q「私ら部員は、お二人の進捗をノロケにより逐一把握しとりますんで」
絹恵「えー!園城寺さんらも付き合い始めたんやね!聞かせてー!」
船Q「ええ、じゃあ卒業式ぐらいからですね……」
怜「ほ、ホンマにやめて!なんかえろう恥ずかしい……」
――
竜華「許さへん……うちの怜を麻雀部に連れてったんか!」キッ
洋榎「ウチは知らんわ!なんなら表でて戦うか!?」
泉「(もう表出てますけど……)」
漫「」アワアワ
セーラ「そういや大阪最強、決めてなかったな…あっちのストラックアウトで決着や!」
洋榎「……おう!受けてたとうやないか!」
ダダダ
漫「……………え、焼きソバどうするんですか…?」
泉「焼きソバいかがですー?あ、おおきにー♪200万円ですー」
漫「(千里山の1年…順応してる!?)」
――
ストラックアウト
竜華「…………洋榎さ」スパァン
洋榎「………なんや」スパァン
竜華「……………チューした?」スパァン
洋榎「は!?」ガキン
セーラ「あ、外した」
洋榎「や、今のはずるいやろ!」
竜華「ねえ、どうなん?」
洋榎「や、その………………う、うん」
竜華「マジかっ!」スパアン
洋榎「うっさいわ、お前ドヘタレらしいやん」スパアン
竜華「え!?」ガキン
洋榎「これでおあいこやなー?」ニシシ
竜華「だ、誰からそれを」
洋榎「園城寺が恭子に話してるらしいでー?」
竜華「と、怜…………」
洋榎「お前、ちゅーにも三か月かかったんやろー?うちの勝ちやで」
竜華「な、付き合い始めたんはうちらが先やし!」
セーラ「…………(入りにくい会話になってきたな)」
――
怜「…………」マッカ
恭子「……………」マッカ
由子「懐かしいねー」
絹恵「合宿の時みたいやね」クスクス
船Q「……先輩らが人前でイチャイチャしとるからこんなんになるんですよ?」
怜「せ、せやけどさぁ……」
恭子「い、イチャイチャなんか、してへんしっ」ワタ
由子「部室でチューしといてイチャイチャしてないは言わせないのよー」
恭子「!どうしてそれを……」
絹恵「みんないましたよ?あの時」
恭子「う、うあああああああああ」ジタバタ
船Q「うちもひたすら準備室でチューしとった日あったわ……」
由子「付き合わない時間も面倒だけど、付き合ってる時間も大概面倒よねー」
――
泉「漫さん!ソース切れちゃいましたよ?」
漫「はい、これが追加分や」
泉「おおきに!」
漫「ちょっと人減ってきたかな……」
泉「そうですね…」
セーラ「よっ」
泉「あ、江口先輩」
漫「愛宕先輩らはどこに行かれたんですか?」
セーラ「………どっちが相手を好きかで対決しはじめたけん、逃げてきた」
泉「……ああ、それはとても面倒くさい…」
セーラ「あ、俺も手伝うでー」ウデマクリ
漫「いや、悪いですし……」
セーラ「……イライラしとるから働いときたいねん」
漫「ああ………どうぞ」
――
怜「…………ああ、もうこんな時間か」
恭子「ホンマ、人が来ないから時間忘れるわー」
船Q「色々話せて楽しかったです、ありがとうございました」
由子「こちらこそ、楽しかったのよー」
絹恵「似たような境遇で大変やけど、頑張ろうなー」
怜「!も、ええから帰るでー」
ガラッ
洋榎「恭子っ!」
竜華「怜っ!」
恭子・怜「!」
船Q「わ、噂をすれば」
洋榎「恭子ー、好きやでっ!!」ギュウ
恭子「!?は、いきなり何を………」
竜華「怜………愛しとるっ!」ズイッ
怜「っ!ここで、ちゅーは……」カアア
洋榎「へへん、嫌がられてやんの」
竜華「…………ウチは『好き』どころやない、『愛しとる』んや!」
竜華「怜ぃ………」ギュウッ
洋榎「恭子…うちも愛しとるで」スリスリ
怜「(くっだらんことで張り合っとるみたいやな……)」
恭子「(こ、こんな、みんなおるのに………)」カアッ
由子「………………」
船Q「……今日、ご飯食べに行きましょ?」
絹恵「…………そやな、今はやけ食いしたい気分や」
――
セーラ「やったー!売上全校No.1やでっ!」
漫「やりました……やりましたっ!」
泉「これで姫松高校麻雀部に………って、私らなにやってるんですか?」
おわり
次
怜「追試になってしもうた…」
セーラ「おわ、マジか」
竜華「怜、成績ええのに…珍しいな?」
怜「うん……もうほんま恥ずかしい……」
セーラ「何で追試になったんー?」
怜「……………きゅ、きゅうり」
竜華「きゅうり?」
セーラ「あの……30秒で小口切り30枚しろってやつ?」
怜「…………」コクン
竜華「あー、アレ結構たくさん追試らしいな」
セーラ「俺も60枚以上切ったのになー、2mm以下に切れたのは31枚ギリギリやったわ」
竜華「まあ薄く素早くを求められてるしなー」
怜「竜華は、どうやったん?」
竜華「へへん、65枚やで」ドヤッ
セーラ「おわあ、さっすが、すごいなー」
竜華「怜は、どうやったん?」
怜「……………」
竜華「?」
怜「じゅ、19枚………」
セーラ「…マジか」
竜華「…追試合格ラインもヤバいんやないん…?」
怜「うん……せんせーにヤバいって言われた……」
セーラ「まあそうやろなー……」
竜華「………………決めた」
怜「ん?」
竜華「追試は来週やろ?」
怜「う、うん、せやけど」
竜華「なら、特訓や!日曜にきゅうり20本もってうちんち集合な?」
怜「え、えええ………」
竜華「つべこべ言わないー♪決定や!」
セーラ「(二人で小口切りしたきゅうりを20本も食べきれるんやろうか……?)」
――
日曜 清水谷邸
怜「お、お邪魔します……」
竜華「いらっしゃいー♪あ、きゅうり重そうやな」ヒョイ
怜「……あ、りがと」
怜「(もうエプロンしとるんやな…)」
竜華「包丁ちゃんと研いできたからー、切りやすいでー」
怜「準備万端やなー………」
怜「あ、エプロン忘れてしもうた」
竜華「エプロンいらんよー?用意しとる。はい」
怜「おおきに……て」
竜華「可愛いやろ?」
怜「あ、あほっ!可愛すぎるわ…着れんわこんなん」
竜華「えー、教えてあげるんやし…お願い、着て?」
怜「……う、うう………」
怜「……………」モジモジ
竜華「(…………わ、想像以上や……)」カアッ
竜華「怜………可愛いで?」
怜「は、恥ずかしいから…っ」
怜「…早くきゅうり………やろ?」
竜華「あ…………うん」ドキドキ
竜華「(やばい、自分で着せといてアレやけど、コレ破壊力高めや、気をつけな)」
竜華「ええ?大事なんは、体で覚えることや」
怜「んー…ようわからんけど」
竜華「まずは、キュウリを2mm以下に切ってみて?ゆっくりでええから」
怜「うん……………」ストン
竜華「えっと……ちょっと違うな」スッ
怜「へっ?」
ギュッ
竜華「こう、刃をまな板に垂直にな?」
竜華「左手はもっと丸めて。こうや」
怜「(りょ、両手後ろから取られた……)」
怜「(なんか……抱きしめられとるみたいで……)」カアッ
竜華「怜ー?聞いてる?」
怜「う、うん!えっと…こうやな」トンッ
竜華「あ、ええ感じやで♪その感じを覚えて…だんだん早くしてくんや」
怜「…………(やばい、緊張して覚えるとかそういう問題や……)」カアッ
竜華「(ううー、ドキドキするけど…怜のためや、我慢や)」
竜華「…………ん、ええ感じやな」
怜「ほ、ホンマ?」パアッ
竜華「!う、うん…じゃあ30秒測って早く切る練習するで」ドキドキ
怜「うんっ!」
トントントン
竜華「(駄目や、可愛い。可愛いすぎるわ)」ドギマギ
怜「♪~なんか、うまく切れるようになってきたでー」トントン
竜華「(あ、きゅうりの量が尋常やないな…よし)」
トントントン……
怜「……………やったっ!30秒で30枚切れたでっ!」
竜華「おお、追試もクリアできるな」
怜「見てみて、ちゃんと薄いの30枚やでー?」ドヤ
竜華「ふふ、おめでとさん」ナデナデ
怜「…………あれ、山盛りあったあのきゅうりはー?」
竜華「よくぞ聞いてくれましたっ!」
竜華「じゃーんっ!」
怜「わ、きゅうり料理いっぱい…」
竜華「ポテトサラダやろー、冷汁やろー、酢の物やろー、ピリ辛炒めっ!」
怜「凄いな……いつの間に」
竜華「怜が一生懸命切ってる間に、ちょっとなー」ヘヘン
竜華「ほら、食べよー?」
怜「冷汁って初めて食べたけど、美味しいな」ズズ
竜華「せやろー?栄養満点やで」
怜「……ありがとな?竜華」
竜華「うん?」
怜「……………はい、あーん」
竜華「え!?」
怜「教えてくれたお礼や、可愛い子がいっぱいサービスしたるで」アーン
竜華「や、いやいや」アセッ
怜「ほらぁ…………」
竜華「っ…………」アーン
怜「おいしいやろー?」
竜華「………ん、なんで怜が自慢げやねん」
怜「うちの自慢の竜華が作ったもんやから」クスクス
竜華「っ…………」カアッ
竜華「………はい」
怜「?」
竜華「お返しや、はい、あーん」
怜「っ!………これ、恥ずかしいな」
竜華「いいからー、ウチも恥ずかしかったんやで?」
怜「……………」アーン
竜華「おいしいやろー?」
怜「………自分で言うなや………おいしいけど」
竜華「怜の切ったきゅうりやからなー♪おいしいで!」
怜「は、恥ずかしいから、そんなん言わんでっ」
竜華「えー?」
怜「ほ、ほら、きゅうりの練習再開してええ?」
竜華「……うん、しよっか」
怜「今日はありがとな」
竜華「楽しかったでー、追試受かるとええなー♪」
怜「大丈夫や!もう35枚切れるようになったからな」ドヤ
竜華「きゅうり余ったの夕飯にするからねー」
怜「うちの切ったきゅうりや、心して食べや?」
竜華「ふふ、はいはい」
――
部室
ガラガラ
怜「竜華っ!」
竜華「あ、怜。どうやった?」
怜「ばっちり、一発合格やでー♪」
竜華「おおーさすがや!」
怜「竜華のおかげやで?ありがとう」チュッ
竜華「~~!」カアッ
怜「また、今度は一緒に料理作りたいなー?」
竜華「……あのフリフリエプロン、また着てな?」
怜「えー……まあええけど」ギュッ
竜華「ふふっ………お疲れ、怜」
セーラ「(……………あかんわ、むっちゃ入りにくい)」
おわり
ここまで。
きゅうりの追試ってどこでもやってると思ってました。
ではまた明日。
こんばんは。
どんな方でもレスしてくださると嬉しいです。
ありがとうございます。
次
怜「たかみーから電話や」
竜華「暇やなぁ…」
怜「そうー?」ゴロゴロ
竜華「怜は膝枕満喫しよるし暇やないかもしれんけどさ」
怜「自分の膝の上で無防備に寝転ぶ美少女を眺めよけばええやんー」ゴロゴロ
竜華「最近ほんと自信過剰やなぁ…怜は」
怜「♪~」
ピリリリリ
怜「あ、電話や、竜華、携帯とってー?」
竜華「起きて取ればええのに…はい」
怜「……あ、たかみーや」ピッ
竜華「え、たかみーって……白糸台の?」
怜「もしもーし」
怜「…うんうん、久しぶりー」
怜「えー、いや、そちらこそやん」クスクス
竜華「(い、いつの間にこんな仲良くなってん)」アセッ
怜「…うん?今?暇やけどー…あ、竜華もおるよー」
怜「………え、今、大阪?」
竜華「は?」
怜「あの誠子ちゃんと来とるんか…え、無理やり連れてきた?」
竜華「…………」
ピリリリ
竜華「……ピッ」
竜華「(誠子から………)」
件名:無題
本文:S O S
竜華「(そうやろうなぁ……)」ハァ
竜華「怜、誠子らと一緒にどっか行く?」
怜「…そやな、大阪案内したるで!今どこ?」
――
尭深「すみません、いきなり来てもらって」
怜「うちらも暇しとったところやし、全然かまわんよー」
竜華「………」
誠子「…………先輩」ウルウル
竜華「(まさか、こんな急に…って顔やな)」
怜「じゃあ行こう?ご飯食べてないやろ、おいしいとこ案内するでー」
――
トタトタ
怜「(なあなあ)」ヒソヒソ
誠子「(は、はい?)」
怜「(二人で旅行来れるようになったんやな。ラブラブやなー?)」ニヤッ
誠子「!?や、そんなんじゃないですっ!」
尭深「?誠子どうしたの?」ノゾキ
誠子「う、うぁ、いやなんでもないよ!?」アタフタ
竜華「こら、後輩いじめはあかんで?」
怜「ほほえましいから可愛がってるんやって」
誠子「や……うう」アワアワ
竜華「あ…着いたで。お好み焼きでええ?」
誠子「はッはい!行きましょっ!」
尭深「…………」ジトッ
怜「(……相変わらず、みたいやな、せーこ)」ヒソ
尭深「(…ここまでくるのも、大変でした…なかなか誘ってくれなくて)」ハァ
店内
怜「よっこいしょっ…はー、着いた」
竜華「おっさんみたいな声出さんの」
怜「ええやん別にー。ねえ、ウチネギ玉がいいー」
竜華「はいはい。二人は?」
誠子「(……なんか、夫婦みたいだな。うらやましい…)」
尭深「良くわからないので、おすすめをお願いします」
誠子「(私たちも、あんな風になれるのかな…)」
竜華「じゃあ豚玉かな。誠子は?」
誠子「(って!ま、まだ夫婦とかそんな年齢じゃ)」アセアセ
尭深「誠子………?」
誠子「あっ、あっ!じゃ、尭深と一緒ので!」
竜華「ふふっ、仲ええなー」クスクス
尭深「………」カアア
怜「あ、種来たで、焼こうー」
尭深「自分で焼くシステムなんですね…」
竜華「え?自分で焼く以外のシステムあるん?」
怜「ここのお好み焼き屋しか来てないから他の店はようわからんわ…」
誠子「わー、焼いたことないからテンションあがる!」
竜華「焼こうかー」ジュウッ
怜「あ、ひっくり返すのやらせてー」
竜華「まだ種落としたばかりやん。もうちょっとしたらな」
怜「えー。むぅ」
竜華「むくれないのー」ナデナデ
怜「んー」
尭深「(………ねえ)」
誠子「(……うん)」
誠子・尭深「(イチャイチャしすぎでしょ…!)」ドギマギ
誠子「(ナチュラルか!?ナチュラルでイチャイチャしてるのか!?)」
尭深「(もし……これを見せつけてるのだったら…)」ズズッ
誠子「(!?尭深、どこからお茶を?!)」
尭深「(…私たちも、見せつけるべきなんじゃないかな?)」ポスンッ
誠子「!ちょっ」カアッ
尭深「ちょっと肩によりかかっただけだよ?」
誠子「え………あぅ」
竜華「?二人は焼かないの?」
誠子「!あああ、焼きます焼きますっ」ジュッ
誠子「(ごめん尭深!)」グッ
尭深「………へたれ」ボソッ
誠子「…?」
怜「ほう……………」ニヤ
怜「はー、お腹いっぱいやなー」
竜華「そーやな。なんか行きたいところある?」
誠子「えと、じゃあ通天閣行ってみたいです」
尭深「(誠子…ご飯の間も、清水谷さんらとしか喋らなかった…)」ジト
怜「(…………ふふっ、ちょっと手助けしたろうか)」
怜「じゃあ竜華、行こうー」ギュッ
竜華「うんー、ほら、行こう?」
誠子「(!腕組んで歩き出した…)」
尭深「………誠子、私たちも…」
誠子「え、あ、でも………」
尭深「嫌…………なの?」ウルウル
誠子「あうあう…………」
ギュッ
誠子「手……つなぐだけでも……いいかな?」
尭深「………ん、まあ、いいよ?」
誠子「行こう、置いてかれそう」
尭深「うん…」
竜華「楽しかったなー。今日はありがと」ニコ
誠子「いやいや、色々案内してもらっちゃって…ありがとうございます」
怜「せーこ」チョイチョイ
誠子「は、はい?」
怜「チューくらい、しいや?」ヒソッ
誠子「~~!?」
尭深「?」
怜「頑張れー」ニシシ
竜華「二人は今日どうするのー?」
尭深「普通に…一泊して帰ろうかと」
誠子「(え、今日泊り……なんだ)」ドキドキ
怜「ごゆっくりなー、大阪を満喫してな?」ニヤリ
誠子「あ………あい」カアア
竜華「じゃあ、また遊ぼうなー?東京行くときはよろしくー」
怜「ほななー」フリフリ
尭深「またお願いしますねー」フリフリ
尭深「さて、誠子、ホテル行こうよ」
誠子「(や、でもまだ付き合って間もないし、ちゅ、ちゅーとか……えええ)」ドギマギ
尭深「ねえ、誠子」
誠子「(ていうか、ホテル行こうとか響きがちょっと……)」カアッ
尭深「せいこー?」
――
竜華「なあ、怜」
怜「んー?」
竜華「今日、なんかえらいひっついてこない?」
怜「んー、竜華級のヘタレを奮い立たせるために、ちょっとな」ギュッ
竜華「えええ……や、ウチあれほどやないよ?」
怜「どうだかー?」
竜華「うーん…まあ、ええけどさ、怜が甘えてくれるのは嬉しいし」ナデナデ
怜「ふふん♪」ギュウ
おわり
次
竜華「………肝試し?」
怜「ええ……肝試しかぁ…」
船Q「何をいまさらビビってるんですか、毎年のことですよ?」
泉「この夏合宿の最終日ですか?」
セーラ「うん、この辺の林に雰囲気あるところがあるからなー」
竜華「去年は企画側やから楽しかったけどさあ…」
怜「今年は……なあ?」
船Q「ふふふ、最大級の恐怖を味あわせてあげますよ…」キラリ
怜「!」ガタガタ
船Q「二人一組を組んでもらって、林の奥の自分のプレートを取って帰ってきてください」
船Q「……誰かいるかもしれませんし、いないかもしれません…」
船Q「本物も……現れたとの報告も多々ありますから。どうかお気をつけて……」
セーラ「わ、怖いなー」
泉「懐中電灯を下から当てるとか、ベタな事してるから笑っちゃいそうですけど…」
竜華「…………っセーラっ!」ギュッ
怜「セーラぁ……」ギュウ
セーラ「わっ、なんやお前ら」
竜華「お願い……セーラコンビ組んでぇ…」
怜「怖い……ゆーれー怖いぃ………」
セーラ「…………」ポリポリ
泉「………も、モテモテですね……」
セーラ「(面倒くせぇ……)」
セーラ「…………俺、泉と行くわ」
怜・竜華「!」
船Q「決まりました?もう他の部員は組みましたよ」
セーラ「ビビりカップルで楽しんで来いな?」
怜「どどどどどないしよ」カタカタ
竜華「ととと怜、大丈夫や、ウチがついとるで」カタカタ
泉「………ホンマに、もう」
船Q「では、先輩らが最後ですー。行ってらっしゃいませー」フリフリ
ジリ…ジリ
竜華「………………こ、怖いな」ビクビク
怜「…………り、竜華、お化け屋敷平気やなかったっけ?」
竜華「ここは雰囲気ありすぎるんよ!ビビるやん…そりゃ」
怜「………ま、まあたしかに、怖いな」
竜華「で、でも、2年の部員が潜んどると思えば…安心して……」
ガサッ
竜華「」ビクッ
怜「ひゃっ」ギュッ
竜華「…………あ、猫や」
怜「な、なんなん………ビビらせんなや、猫風情が」フシャー
竜華「怜、ちょ、離してくれへん?」
怜「!あ、ごめん………」
――
船Q「ふう……一仕事終えた後の麦茶は美味いなー」
セーラ「ほんま……怖すぎたで……」ハァ
泉「先輩が付いていてくれて…ホント良かったですよ」
セーラ「…そういや、怜たちには何も仕掛けてないん?」
船Q「ああ、あの二人はもとよりビビりなんで、誰もいない方が逆にビビるかなー、と」
セーラ「……なるほど」
怜「ま、まだ着かんの…?」
竜華「ゆ、ゆっくりしか、歩けてないからな……」
怜「怖い……りゅうかぁ……」
竜華「(……怖いけど…怖いの以上に、怜がヤバい……)」
ザザザザ
竜華「!」ビクッ
怜「うあっ」ギュウ
竜華「か、風やろ、今のは。大丈夫やって」カチコチ
怜「も、あかんて…帰ろうや…」ジワッ
竜華「も、もう少しやから……頑張ろうや」
怜「………嫌やぁ……もう嫌や……」ウルウル
――
泉「ええ?あの二人だけに特別メニュー用意してきた?」
船Q「ええ、折角のビビりですから、後半はだいぶ違います」
セーラ「おわ……お前相変わらずドSやな…」
船Q「さてさて、そろそろ準備に行かな」スクッ
セーラ「?」
船Q「ふふふ、先輩、お付き合いください」ニヤリ
怜「……あ、やっと見えてきた……」
竜華「ここの空き地の真ん中の…テーブルやんな」
怜「ねえ……早よとって帰ろう…?」
竜華「うん、そやな……あれ?」
『プレートはここやなくて、この奥の河原に置いてますから、頑張ってください。Q』
竜華「……………」
怜「……………」
怜「船Qの………あほお……」グスグス
河原付近
怜「もうなんやねんーあほお……あほお…」グスグス
竜華「なあ…頼むから、離れてくれへん?」
怜「嫌やっ!竜華もウチを見捨てるん……?」
竜華「…………や、そういうわけやないって…」
怜「あ、河原や……やっと帰れる……」
竜華「どこに、プレート置いてるんやろ……」
怜「…………あ、あれや。水際にあるやつ」
竜華「あ、これか」ヒョイ
ザパッ
怜「ん?」
竜華「!」
セーラ「(………………これ、どうなんやろ)」
船Q「(黒髪カツラ、白装束、裸足のセーラ…まあ、セーラには見えへんよな)」
セーラ「(でも、夜の川の水浴び意外にええな)」ジャバッ
竜華「あ………あああ…」ジリジリ
怜「……………っ」ギュウウ
セーラ「(追うの?)」
船Q「(無言で、しばらく立っていてください)」
竜華「ひ、浩子やろ!わかっとるんやで?」
怜「(あかん………もう声出んわ)」
セーラ「…………………」
竜華「……な、なんか答えてや」
ウォオオオオ……
ウォオオオオ……
船Q「(河を囲む土手にようわからんうめき声を反響させます)」
セーラ「(おわ、浩子が本気や)」
怜「…………あぅ」ヘタッ
竜華「…………と、怜………に逃げるで」ギュッ
怜「む、無理……腰が」
竜華「…………怜、肩」
怜「ん………」
竜華「………い、行く、で」ヨロヨロ
セーラ「(わ、おっそ)」
船Q「(江口先輩、見えなくなったら速攻で帰りますよ)」
セーラ「(え?)」
怜「あ……あかん………りゅうかぁ」
竜華「だ、大丈夫やから……追ってきてへんし」
怜「……やあ……やあ」ギュウ
竜華「…………立てる?」
怜「やあ………おぶって帰ってぇ」
竜華「(ウチやってもう立てんレベルやけど……)」
竜華「……おいで?」
怜「ん…………」
ガサガサ
怜「ひあ!?」ギュッ
竜華「…………………」
ザザザザ
怜「いやっ………」ギュウ
竜華「………………」
ビュオオオオ
怜「んんぅ……っ!」ギュウウ
竜華「(耳元で、変な声出さんでや…)」ドキドキ
竜華「だ、大丈夫や、もう着くから……」
怜「竜華………好きやっ……から……お願い、助けてぇ……?」
竜華「!(もう怖いどころやないわ……)」カアッ
怜「着いた?もう、着いた?ねえ」
竜華「つ、着いたから、降りて?」
怜「ん……………」スタ
船Q「おかえりなさい」
竜華「ひ、浩子……!最後のなんなんや!」
船Q「はい?」
泉「え?」
怜「とぼけんなや!最後女の人の格好してあらわれたやろっ!」
泉「え、船久保先輩も他の先輩もずっとこっちに居ましたよ?」
船Q「ええ、先輩らはなんもない方がビビると思って何もおいてませんよ?」
竜華「え……………」
怜「…………う、うそやん」ガタガタ
竜華「あの河原の女の人…なんやったん………」ビクビク
船Q「あー、あの河原のへん女性の変死体が最近見つかったらしいですねぇ?」
竜華「」
怜「……………」ジワッ
泉「(び、ビビらせすぎやないですか?)」
船Q「(ふふ、このくらいが丁度ええんよ、あの二人は)」ニヤニヤ
セーラ「ふー、風呂気持ちえかったー」ホカホカ
怜「」ギュウ
竜華「」ギュウ
セーラ「ん?」
怜「お願いぃ……」
竜華「今日うちらと寝て…………?」
セーラ「…………」チラ
船Q「(作戦成功ですよ?おおきにです江口先輩)」グッ
セーラ「………………ビビり同士二人で寝てろや」パシッ
おわり
なんか…イマイチですね……。
読んでいただきありがとうございました。
また明日。
こんばんは。
次
咲「ここ、どこ……?」憧「うーん…」
*>>78の『竜華「迷子?」咲「はい」』の続きです
電車内
咲「ねえ…この電車ホントに会場の辺りに向かうの?」
憧「だ、大丈夫よ!東京の電車は循環してるから、ずっと乗ってたらいつか着くから♪」
咲「そうなのかなぁ…どんどん光がないところに行ってるよ…?」
憧「(確かに…自信なくなってきたなぁ)」
咲「ねえ、一回降りようよ。それで改めて場所確かめよう?」
憧「そ、そうね。降りよっか!」
プシュー
咲「……えっと…」
咲「繁華街っぽいけど…ここ、東京じゃないよね?」
憧「いや、東京でも意外と田舎なところあるし…」
憧「(誰かに助け呼んだ方がいいよね…)」
憧「(でもしず達に助け呼ぶのは…プライドが……)」ハァ
憧「…………!」
咲「どうしたの?憧ちゃん」
憧「ちょっと待ってね」ピポパ
ホテル内
竜華「今日はおおきに。怜」
怜「んー?」
竜華「おかげでかなり元気になったわ」
怜「んふふ、せやろ?ウチの膝枕もなかなかやろ?」
竜華「うん、なかなかやったで?」クスクス
ピリリリ
怜「?」
竜華「怜、電話やで」
怜「新子さんや…」
竜華「え?いつアドレス交換したん?」
怜「竜華が寝とる間に、咲ちゃんと一緒に帰ってったんよ」ピッ
竜華「そうなんか……」
怜「もしもーし」
怜「……………ああ、やっぱり迷ったんか」
竜華「(…え、迷子?)」
怜「今駅?何ていう駅なん?」
竜華「(咲ちゃんは方向音痴って言ってたけど…憧ちゃんもなん?)」
怜「………ねえ竜華、川口駅ってどこ?」
竜華「え?…………わ、埼玉県や」
怜「埼玉県?!」
――
憧「え、埼玉県?」
咲「ええ………遠くに来ちゃったね…」
憧「ど、どうしよ……」
怜『…しゃーない、竜華、行くで』
憧「へ?」
怜『適当に時間つぶしとって。30分位でそこにつくから』
怜『あ、でも、絶対そこ動くなや!絶対やで!フリちゃうからな!』
憧「う、うん………」
ピッ
憧「……」
咲「あ、憧ちゃん?なんて言われたの?」
憧「………ここで待っとけって。迎えに来てくれるらしい」
咲「ええ………ホントに?」
憧「うん…なんか、申し訳ないよね…」
憧「あと30分位、ここで時間つぶしててって」
咲「そっか……じゃ、ちょっとお話しする?」
憧「……そうしよっか」
ガタンゴトン…
怜「全く…どうやったら埼玉まで迷えるんや……」
竜華「ほんまに……あきれた方向感覚やな」
怜「感謝してほしいわ…こんな時間から迎えに行くなんて…」
竜華「って言う割に、楽しそうやで?」
怜「へ?」
竜華「ウチも楽しいけどなー♪怜と夜におでかけするの」
怜「~!そ、そういうの、簡単に言わんでって」
竜華「あー、赤くなった、可愛い」プニプニ
怜「んぁ…頬突っつかんでっ!」
川口駅
咲「それでね、和ちゃんがさ…」
憧「うんうん」
憧「(和の話ばっかり…いや、共通の話題がそれしかないからだよね、うん)」
咲「憧ちゃん?」
憧「ん、何?」
咲「ボーっとしてるよ?眠いの?」
憧「いや、大丈夫よ?」
咲「そっか…」
咲「……………憧ちゃん、おいで」ポンポン
憧「?」
咲「膝枕するよ」ニコ
憧「!」カアッ
咲「憧ちゃん?」
憧「……ありがと、じゃ、お願い」ポスッ
ナデナデ
憧「んー」
咲「(そういえば、試合外で考えると、夕方にあったばっかりだよね…憧ちゃん)」
憧「咲ー」ギュウ
咲「なに?」
咲「(いきなり懐に入ってくるというか…強引な人だなって思ったけど)」
憧「んーん?呼んだだけー」
咲「(…………可愛い)」ナデナデ
憧「(やばい、超気持ちいいコレ…)」
咲「~♪」ナデナデ
憧「(そういや清水谷さんもしてもらってたなー、確かにこれは離れらんない)」
ガタン…ゴトン……
咲「あ」
憧「ん?」
プシュー
竜華「あらあら」
怜「良かった、フラフラしてたらどないしよかと思ってたわ」
憧「!」ガバッ
咲「わっ!」
怜「良い子はおねんねの時間やからなー?」クスクス
憧「~~!そ、そういうんじゃないしっ!」
竜華「で、二人は、ご飯食べたの?」
憧「………そういえば」
咲「…………」グゥ
咲「あっ」
竜華「…ふふっ、じゃ、終電まで時間あるし、ご飯食べにいく?」
憧「…………うん」
ファミレス内
竜華「あれから今まで、ホンマにずっと迷ってたん?」
咲「…………はい」
怜「マジか…逆に凄いなそれ」
憧「……あの、ありがと、わざわざここまで来てくれて」
竜華「んーん?全然。ウチらは迷わんかったしな?」クスクス
咲「あ、はは……」
怜「新子さんって、なんか意外やなー」
憧「?」
怜「方向音痴やし、甘えん坊なんやな?」
憧「え………あぅ」
竜華「まあ、そこも可愛いんやないの?」
咲「そう、可愛いですよね、憧ちゃん」
憧「………え」カアッ
怜「(お?)」
竜華「さ、ごはんも食べたし、帰ろうか」
怜「二人、ホテルはどこ?」
咲「私は………あ、ここです」ピッ
憧「えっと…ここ」ピッ
怜「あ、ちょっと離れてるな」
竜華「じゃ、二手に分かれて送ってこうか」
怜「そうしよか」
清澄宿泊所付近
竜華「ぼちぼちつくけど、誰か部活の人に電話した?」
咲「えっ……と、………あ゛」
咲「」プルルル
竜華「?」
咲「もしもし………ご、ごめんね?もう旅館の目の前だから」
竜華「え?」
ダダダダ
和「咲さんっ!」ギュウ
咲「わあ、苦しいよ、和ちゃん」アセッ
和「本当に…心配したんですよ?こんな時間まで…」
咲「ごめんね?」
和「」キッ
竜華「い、いや、ウチは迷子になっとるの連れ帰ってきただけやで?」
和「………ありがとう、ございました」
竜華「(この子、咲ちゃんへの愛すごいなー。憧ちゃん大変そうや…)」
阿知賀ホテル付近
怜「………新子さん、あのさあ」
憧「憧でいいよ。…ん、言いたいことはわかるけど、言わないで」
怜「……あの子、もうひと押しやで。頑張り」
憧「わかってるけどさ、でもなぁ…」
怜「無理に押せーなんて言わんけどさ」
憧「………うん、ありがと。いろいろ」
怜「ええって。ラブラブになってるの、楽しみにしとるわ、憧ちゃん?」
憧「うん、」
怜「悩んだらメールしてな?」
憧「………ありがと」
怜「……あ、ぼちぼち着くで?………って」
ダダダダ
穏乃「憧――!!!!」
憧「しず!?」
穏乃「憧っ!」ギュム
憧「ちょ、なんで引っ付いて来るの!離れてー!」
穏乃「やーだー!ホント、どこ行ってたんだよーこんな時間までー!」
憧「………なんでもいいでしょー!」
怜「(…………なるほどな、大変やな)」
怜「…ほな、連れて帰ってな?」
穏乃「あ、園城寺さん!連れて帰ってくれたんですか!ありがとうございますっ」
怜「いやいやー。ほなな」フリフリ
憧「……じゃーね」
ホテル内
竜華「…………なぁ、どう思う?」
怜「………厳しい、やろなぁ…」
竜華「相当頑張らないかんよな」
怜「………まあ、いろいろ世話になった子たちやし、幸せになって欲しいけどなぁ…」
竜華「…………ん?世話になった?」
怜「…なんでもないー。もうだいぶ遅くなったし、寝よう?」
竜華「…………そやな……」
怜「…ね、一緒に寝ていい?」
竜華「…………ん、おいで」
おわり
次
竜華(20)「怜もハタチになるし、お酒買いに行こか」
少し過激な表現が入りそうです。
怜「ただいまー」
竜華「あ、おかえり!」パタパタ
怜「ん?なんかめっちゃいい匂いするー」
竜華「……ふふふ、こっち来て?」
怜「?」
竜華「じゃーんっ!」
怜「わ……すごいな、ご馳走やん」
竜華「へへ、怜の好物ばっかりやでー?」ドヤッ
怜「何、今日なんか良いことあったん?」
竜華「いやいやいや、今日は何の日?」
怜「今日………あっ」
竜華「誕生日おめでと、怜」
怜「………!」
竜華「どっか食べに行こうかとも思ったんやけどなー、やっぱ家がええかなって♪」
怜「………あ、ありがと」
竜華「ついに二人そろって新成人やな……と、言うわけで!」
怜「まさか?」
竜華「うん!買って来た!お酒ー♪」
怜「竜華も成人してから一度も飲んでなかったもんなー」
竜華「だって、怜と飲めないなら意味ないし」ニコニコ
怜「!そ、そやろな。何買って来たん?」
竜華「んー、普通にチューハイと…あと、白ワインー」
怜「わ、わいん?」
竜華「(前、5年後に行った時に飲んだワインやし、まあ酔わないやろ)」
怜「………冷めないうちに、食べたいー」
竜華「そやな、食べよか。先にチューハイでええ?」
怜「うん!」
60分後
怜「ごちそうさまー!」
竜華「お粗末様でした」
怜「んー、これがお酒かぁ…」グビグビ
竜華「ジュースみたいやなー」
怜「意外に普通の飲みモンやな?」
竜華「………あ、これ、プレゼント」
怜「んー?………あ」
竜華「可愛いやろー?」
怜「ホンマや!ペアグラス?ハート型で可愛いー」ニコニコ
竜華「ふふふ、これで飲も?ワイン」
怜「うんー!」
竜華「あとおつまみ追加で作ってくるなー」
怜「へへ、ありがと」
竜華「(……ん?怜、ちょっと酔ってる?)」
竜華「おまたせー」
怜「わー、可愛い、おいしそ」
竜華「はい、怜」
怜「…ん」
竜華「乾杯」
怜「」ゴクゴク
竜華「ちょ、飲み過ぎやろ」
怜「ふはー………おいしいな、コレ」
竜華「(そりゃ、チリワインなのに結構高かったし………)」
怜「もう一杯、ついでー?」
竜華「飲み過ぎはあかんで?」
怜「今日はええのー、ついでー?」
竜華「…………もう」
30分後
怜「んぁ…………」スウスウ
竜華「(ほぼ一本一人で空けてしもた……)」
怜「んー?竜華ぁ…」
竜華「(泥酔やなぁ…)」
竜華「ほら、片付けるからソファーに行って?」
怜「えー…めんどくさぁい………」
竜華「ええからどいてって」
怜「んー、りゅうかつれてってー」ギュウ
竜華「………はあ」
竜華「…よいしょっ」
怜「ん」
竜華「…………ほら、ソファーついたで?」
怜「んー」グイッ
竜華「え」グラッ
ドサッ
怜「ん…………ふ」チュー
竜華「~!?」
竜華「(お、押し倒された……)」
怜「ん…………っん…っ」
竜華「(ちょっ………)」グイ
怜「んーん!」チュー
竜華「んんぅ…………っ」
怜「………ふは」
竜華「(酒臭い……)」
怜「んふふー、竜華いい匂いー」スリッ
竜華「え、ちょ」
怜「もぅいっかいー」チュー
竜華「っ!」
竜華「(さすがに、ちょっと、ヤバいかも……)」ムラムラ
竜華「(でも、泥酔状態の怜を襲う訳には……)」
怜「……ぷは、あー、暑いな」ヌギヌギ
竜華「!や…ここで脱ぎなや!」
怜「んー?」ファサッ
怜「ぜーんぶ脱いだー!」ニヘラ
竜華「怜、あかんから…」
怜「えー、なにがー?」ギュウ
竜華「っ…………」ムラムラ
怜「りゅうか……?」
竜華「な、何?」
怜「何しても、ええよ………?」
竜華「っ、や、でもさ」
怜「……」ペロッ
竜華「!や、耳は………」ビクッ
怜「ねえ…まだ……?」ハムハム
竜華「あかんて…ホントに………」
怜「なんもアカンことないって…」ギュムゥ
竜華「や、だから……怜酔ってるし…」
怜「酔ってないー」チュッ
竜華「やっ……いや酔ってるって」
怜「ねえ……お願い…」
竜華「…?」
怜「抱いて……?」
竜華「!」
怜「無茶苦茶に………して?」
竜華「」プツーン
竜華「怜ぃ!」ガバッ
怜「んふ、やぁっとその気になったなー?」
竜華「これは怜が悪いわ」フニ
怜「んぁっ!」ビクンッ
――
―――
朝
怜「………」ムクリ
怜「体が痛い………頭も痛い…腰が一番痛い………」
怜「あれ、昨日………」
竜華「…………」グーグー
怜「…………っ!」カアアア
怜「(…あかん、アホや、ウチ)」ブンブン
怜「(あんな………だ、抱いて、とかっ)」
怜「(は、はずかしっ………)」
竜華「ん、怜………?」
怜「………あ、おはよ」
竜華「ふふ、昨日は変態さんやったなぁ?」ニヤニヤ
怜「や、言わんでっ……」カアッ
竜華「めっちゃ乱れてたもんなぁ?」
怜「わーわー」バタバタ
竜華「もっともっとって……なかなか寝かせてくれなかったし」
怜「…………もうやめて……めっちゃ恥ずかしいから」
竜華「また、飲もうな?」
怜「…………ぜーったい、嫌や!」
おわり
読んでいただきありがとうございました。
また明日。
こんにちは。
投下は22時以降になりそうです。
――
泉「それでも、私は」
泉「それでも、私は」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1378964513/)
前にあった泉竜リクエストのスレッドです。
地の文アリ、ゆっくり更新の予定ですので、ご注意ください。
全く書き溜めないから投下遅くなります
次
怜「もうすこしでさ、竜華誕生日やん」
セーラ「あー、そうやな」
怜「む、興味なさそう」
セーラ「…興味持ったらめんどくさいことに巻き込まれそうやからな」
怜「興味持ちや、親友やろ?」
セーラ「そうやな、誕生日やけど、どうしたん?」
怜「いや、考えるのは1つやろ、」
セーラ「プレゼント?」
怜「そや!」
セーラ「あいつ怜大好きやし、何貰ったって喜ぶんやない?」
怜「いや、そうやけどさ…でもできれば欲しいものあげたいやん」
セーラ「…なるほど。でも、最近欲しいもんあるとか聞いてないで?」
怜「いや、リサーチしてきてやー」
ガラガラ
セーラ「えー、めんどいー泉やってや」
泉「!え、…何の話かわからんけど嫌です」
怜「はくじょうものー」ブーブー
船Q「リサーチと聞いてっ」バァン!
怜「あ、船Qお疲れー」
セーラ「(…掃除用具入れに潜んでいることはスルーなんか)」
泉「あ、船久保先輩リサーチしてくれるんですか?」
船Q「うーん、私がリサーチする訳ではないけど…」
怜「えー」
船Q「つい先日完成したこの発明品、ついに使う時が……!」ゴソゴソ
怜「え?」
セーラ「(……製薬だけやなくて発明もするんか。船久保家やべえ)」
船Q「こちらです!『スパイ衛星』!」ジャーン
泉「……(元ネタが超わかりにくい…)」
船Q「ふふふ…これはですね、小さいでしょ?これがですね…」
泉「特定の人の周りを衛星のように周回し、その人をカメラに録画するんです」
船Q「!い、泉…なぜそれを………!」
泉「…22世紀のとあるロボットが教えてくれましたから」
セーラ「お、おう……?」
怜「そっか、それを竜華に付けて、欲しいもんリサーチすればええんやな!」
船Q「そういうことです」キラリ
セーラ「(なんかの法律に引っかかりそうなリサーチやな…)」
ガラガラ
竜華「遅くなってごめんねー!さ、週最後の練習頑張ろうー!」
セーラ「お、そうやなー」
怜「(……どうするん?)」
船Q「(…ま、練習終了後ですね)」
――
竜華「じゃ、今日の練習はこれで終わりますー」
アリガトウゴザイマシター
竜華「怜、今日はごめん!監督の所行ってくるから先に帰っとってー」
怜「う、うんーまたな」
竜華「ん、じゃーね、また来週~」フリフリ
竜華「♪~」スー
ガラガラ
船Q「っしゃ!軌道に載ったで!」
怜「え、なに?うまくいったん?」
船Q「バッチリですっ」グッ
泉「じゃあ、アレの映像を映すモニターあるんですよね?」
船Q「うん、このタブレットで見れるでー」スッ
怜「……見よう、見ようー」
セーラ「(なんでこいつら浩子の無駄科学力をスルーできるんや…)」
フッ
竜華『♪~』
セーラ「わ、ホンマに映った」
船Q「…めっちゃ楽しそうに歩いとるな」
怜「なに歌ってるんやろ…」
泉「……えーと…『Little Play』って曲ですね。これ歌詞です」
セーラ「ああ、竜華とめっちゃ声似てる歌手のやつか」
怜「(……えらい重い曲歌ってるな)」
竜華『失礼しますー』ガラガラ
雅枝『おー、竜華』
竜華『再来月の夏合宿の練習日程なんですけど…』
怜「……まっすぐ、監督の所に行ったな」
セーラ「?なんでちょっとホッとしてるん?」
怜「監督の所に行くって、どっかで女としけこんどるんやないか心配やったから」
泉「はいはい」
竜華『~』
雅枝『……』
泉「普通に話し込んでますね…」
セーラ「なあ、ええやん、進展ないやろ?それ。もう帰ろうやー」
船Q「……まぁ、カメラは普通に使えるのがわかってよかったです。とりあえず落としますね」プツッ
怜「これ、どうすればええん?」
船Q「おうちに持って帰ってええですよー」
怜「ほんま?おおきに、船Q」
船Q「くれぐれも悪用せんでくださいね?」
怜「わかっとるって」
園城寺邸
怜部屋
怜「…悪用すんな…とはいうけど…」
怜「…見たい……もうじきお風呂の時間やしな……」
怜「………………」バタバタ
怜「ちょ、ちょっとだけっ」フッ
竜華『♪~』
怜「わ、いきなりお風呂や」
怜「また歌っとるやん…好きやなー、歌うの」
竜華『来週はデートー♪』ワシャワシャ
怜「……………え」
竜華『どこ行こうかなー♪怜なんがええって言ってたっけ』シャアアア
竜華『あ、新作映画出てたな。上がったらチケット取ろうー』キュッ
『カラカラ』
怜「………」カアッ
ピッ
怜「…………めっちゃ、悪いことした気分…」
怜「ね、寝よう」ゴソゴソ
怜「………」ドキドキ
翌日 部室
船Q「……どうも」
泉「…お、おはようございまーす」
セーラ「………なぁ、なんで、俺ら呼び出されたん?」
怜「………あんな、」
泉「?」
怜「…これ、恥ずかしくて一人で見れない!から、みんなで見よ?!」
セーラ「(やっぱりか………)」ハァ
船Q「……どうせそうやろうと思って、プロジェクター用意してきました」ジャーン
泉「!これでみんなでモニターに顔寄せ合って見んで済むわけですね!」
セーラ「準備ええな……ホンマ」
船Q「じゃ、見ましょうか」フッ
竜華『じゃ、行ってきまーす』
船Q「おお、出かける所ですか」
泉「清水谷先輩の私服初めて見ました…案外可愛いですね」
怜「せやろ!あげへんで!」
竜華『♪~』トタトタ
セーラ「…どこ行くんやろうな?可愛いカッコして」
怜「!まさか………デート!?」
泉「(いや、ないない)」
竜華『まずはー、あそこの喫茶店やなー♪』
船Q「あ、喫茶店に入りました」
怜「見たことない店やなー…」
竜華『………』ペラリ
泉「メニュー熟読しとりますね」
怜「普段パパッと決めるタイプやのになぁ……」
セーラ「初めて来た店やからやない?」
竜華『すみません。このフルーツタルトと、アイスコーヒーをお願いします』
『かしこまりました』
船Q「フルーツタルト…お好きなんですか?」
怜「えー?いや、竜華は生クリームたっぷりなヤツが好きやで?」
セーラ「確かに、普段ならショートケーキ頼むやろうに…」
泉「まあ、気分やないだけでしょ」
竜華『…おいしいな』メモメモ
怜「独り言はキモいでー、竜華ー」
船Q「……おや、なんか書いとりますね」
泉「休日は喫茶店めぐりしてレビュー書いとるんですかね」
セーラ「……案外可愛い趣味しとるんやな」
怜「そやでー、竜華は可愛いでー」
泉「さっきと言っとること真逆ですけど…」
『ありがとうございましたー』
竜華『ごちそうさまですー』
セーラ「店を出たな」
竜華『次は……っと、あ』
怜「ん?何見つけたんやろ」
竜華『猫やっ!』ダダッ
船Q「おわ、猫まっしぐら」
泉「先輩、それ逆の意味です」
怜「……………」ワナワナ
セーラ「…猫に嫉妬は、さすがにダサいで?怜」
『んにゃー』スリスリ
竜華『……よし、このへんかなー』
セーラ「喫茶店近くの公園か」
怜「あんの泥棒猫っ………まだ竜華の足に擦り付きおって………」ゴオオ
船Q「ホンマモンの泥棒猫ですね」
竜華『………おいでー』ポンポン
『にゃーん』ポフッ
怜「!」
竜華『よしよし♪』ナデナデ
船Q「猫とイチャコラし始めましたね」
セーラ「ホンマ一人で何してるんやろ?」
泉「(…………何してるか、わかった、けど…ええわ、黙っとこう)」
怜「…………」ブチッ
怜「………この公園って、学校の近くやんな?」
船Q「?はい、そうですけど……」
怜「…………浮気者を、成敗してくるわ」ダダッ
セーラ「………は?」
ガラガラ
泉「…行っちゃいましたね」
船Q「浮気者って、猫ですか?」
セーラ「…………アホやな。ホンマ」
竜華『んー、映画終わったらこんな感じでええんやろか…』ナデナデ
『にゃーん』
竜華『ホンマ?喜んでくれるかなー?』
『んぅにゃー』ナデナデ
竜華『来週やからなー、記念すべき5回目のデートや、気合いいれんとな♪』
ダダダダ
竜華『え?』
怜『おいコラァ!お前何他人の席とってんねん!』
『にゃ?』
竜華『怜?なんでここに』
怜『そこはウチの席やー!』
『ふしゃー!』
怜『なんや、ネコ科の分際で!』
竜華『と、怜……落ち着いて』
怜『竜華も……そいつの肩を持つっていうんか?』
竜華『ああ、はいはい、降ろすから…』ヒョイ
『んなー』シュタッ
怜『』ガバッ
竜華『うあ!?』
怜『にゃあー!』ギュウ
竜華『お、降りて、怜!?』
怜『嫌やー!竜華はウチのもんや!』スリスリ
竜華『落ち着いて!…この状況、何!?』
――
『キャーキャー』
セーラ「………なあ、この状況、何?」
船Q「…んー、見せつけたかっただけやないですか?」
泉「………もう切りましょうよ」
セーラ「帰ろう、マジで」
船Q「そうですね……」ピッ
泉「(…結局、清水谷先輩の誕生日どうするつもりなんやろ……)」
おわり
ごめんなさい、今日は一本だけでご勘弁。
次っ
怜「…あ、シャンプー切れてる」
インハイ中
ホテル部屋内
竜華「マジか、ウチのシャンプー使う?」
怜「うー…このシャンプーがええんやー」
竜華「こだわり強いやつか」
怜「うん、ウチの髪を形作る大事なもんやからなー」フフン
竜華「まあ、怜の髪綺麗やもんなぁ…」ナデナデ
怜「!せ、せやろ!」ドギマギ
竜華「そんで、どうするの?」
怜「この下にコンビニあったから、探してくるー」
竜華「じゃあ、ついてく」
コンビニ外
怜「…んー、なかった…」
竜華「まだ8時やし、ドラッグストアあいてるやろー」
怜「ちょっと遠いけど行ってええ?」
竜華「もちろん!行こう」ギュッ
怜「!あ、ありがと」
怜「(夏休みでだいぶ積極的になったよなー、手繋いでくれるとか)」
ドラッグストア
竜華「旅行用のやないけど、買えてよかったなー」
怜「うん♪ごめんな付き合わせて」
竜華「全然!楽しいし」ニコ
怜「……お菓子いっぱい買ったもんなぁ」
竜華「…う。気付いてたん?」
怜「あからさまに鞄広がってるやん…丸わかりや」
竜華「へへ……」
怜「体のバランスは崩しなや?」
竜華「はいはい、膝枕ソムリエさん?」
怜「ふふふー、」
トスッ
怜「んぎゅ?」
竜華「?怜、どうしたん?」
怜「今、誰かにぶつかった気がしたんやけど…」
竜華「えー、誰も居らんやん」
ゆみ「モモ、どうした?」
竜華「?あの人、……」
モモ「またぶつかっちゃったっす…」ポリポリ
怜「!?」
ゆみ「お前は……自分が見えないからって、周りを見ないのは良くないぞ」
竜華「……あ…あ」ガタガタ
怜「お、お化け……」ビクビク
ゆみ「……ん?」
モモ「…ごめんなさい。……って、あ!」
竜華「(え……に、人間なん……?)」
ゆみ「……あ、2回戦で阿知賀女子と対戦していた…」
モモ「千里山の人っすよね!?」
竜華「そうですけど……あなた達は?」
ゆみ「長野の加治木ゆみだ。代表ではないのだけれど、応援にね」
モモ「同じ学校の東横桃子っす!」ニパー
怜「」ガタガタ
ゆみ「……?」
竜華「あ、この子お化けの類が苦手で……」
ゆみ「ああ、なるほどな」クス
モモ「失礼なっ!ちゃんと人間っすよー!ちょっと影薄いけど…」
怜「………あう」
竜華「それで、こんな夜分にどうしてここへ?」
ゆみ「ああ、モモがアイスを食べたいと言い出して、きかなくなってね」
竜華「じゃー、うちらと似たような理由やな」
モモ「おんじょーじせんしゅー?」フリフリ
怜「……ほ、ホンマに人間やんな?」
モモ「そうだって初めから言ってるっすー!」プンプン
モモ「……そうだ!お二人これから暇っすか?」
竜華「え?」
怜「暇というか…まあ明日も試合はないけど」
モモ「じゃーあ、打ってみたいっす!」
ゆみ「こら、出会ったばかりの人に失礼だろ」
モモ「でも…あの阿知賀の人たちを倒したっすよね!?興味あるっす!」キラキラ
竜華「まあ、ウチは別に……怜が無理せん程度なら」
怜「……ん、なんや化けモン呼ばわりしてしまって申し訳なかったしな、別に大丈夫やで」
モモ「やったっすー!じゃ、こっちっすよ!」ギュウ
ゆみ「ちょ、こら!」
竜華「(わお、ラブラブやな……)」
怜「…………」ギュッ
竜華「え?」
怜「……手つなげるようになったから、次は腕やで」ギュウ
竜華「いやいや、……こ、心の準備が…」アセ
怜「毎回心の準備いうてるやん。聞かんよもう」ギュー
竜華「…………はいはい」ドキドキ
蒲原宅
モモ「ただいまっすー♪」
智美「おかえりー………って」
ゆみ「すまない蒲原、今晩も、ちょっと客人だ」
智美「うわー、本物の千里山だー」ワハハ
竜華「(案外、千里山有名なんやな……)」
怜「(この人ら阿知賀と知り合いっぽいから、知ってるだけやないの?)」
モモ「……じゃー、打ちましょ!」
竜華「…あ、ウチ個人戦代表なんやけど……」
ゆみ「………そうか、ならあの人は呼べないか…」
モモ「私達は代表じゃないから大丈夫っすよー♪」
怜「(個人戦出るわけでもないのにわざわざ東京まで…長野って仲ええんやな)」
竜華「でも、今、5人やで?、1人余るな」
華菜「そこで華菜ちゃんの出番だしっ!」
ゆみ「わっ!風越の……いつからここに?」
智美「あー、さっき呼んだら飛んで来たんだー」ワハハ
華菜「これなら3麻で二手に分かれられるし!」
怜「………………」ピンッ
華菜「に゛ゃっ!?」
竜華「こ、こら」
怜「なんやこいつイジめたくなるなー」ペシペシ
華菜「んぅー!華菜ちゃんを怒らせたのを後悔させてやるしっ!」ゴオッ
――
ゆみ「…ふう、二位か……」
桃子「三麻で東風だと、消えれもしないからダメダメっすね……」ズーン
竜華「(良かった…これでトップやなかったら恥もええとこやったで…)」フウ
ゆみ「あっちは……と」
――
怜「残念やな?それやで。24000」
華菜「………うぅ…トんじゃったし……」ウルウル
智美「池田はちょっと振り込みすぎだなー?」ワハハ
怜「残念やなぁー?華菜ちゃん?」ニヤニヤ
竜華「(………あれ、怜ってSだったっけ………?)」
怜「……竜華、疲れた」フラフラ
竜華「わわ、怜大丈夫?おいで」
怜「んー」ポスッ
智美「あー、大丈夫かぁ?」
竜華「良くあることやから……この子、ちょっと病弱やから」
怜「そやねんー」スリスリ
華菜「(元気いっぱいに見えるんだし…)」
――
桃子「………………」
ゆみ「……あの、何故視線をこちらに向けている?」
桃子「…………」ポスッ
ゆみ「こ、こら、モモ」アセッ
桃子「んー、先輩の太腿いいっすね♪」スリスリ
ゆみ「お前はもっと、人目をだな………ったく」
智美「(それを言うと千里山の二人もなんだけどなぁ)」ワハハ
怜「ん…………」ムクッ
竜華「あ、元気になった?」
怜「うん、おおきに」
竜華「遅くまですみません、じゃあ、ウチらそろそろ………」
ゆみ「うん、今日は打てて楽しかったよ、ありがとう」ナデナデ
桃子「ありがとっす♪」ゴロゴロ
竜華「い、いえいえ………」
怜「…………(普段あんな感じで見られとるんか……)」
智美「帰るのかー?送っていくぞー」ワハハ
竜華「あー、じゃあ………」
ゆみ「………歩いて帰った方がいい。お気をつけて」
竜華「?」
華菜「送っていくし!」
怜「ホンマ?ありがとう、華菜ちゃん」
華菜「当然だっし!」ドヤァ
竜華「………………」ピンッ
華菜「んにゃ!?」
竜華「………確かに、楽しいな」
怜「やろ?」ピンッ
華菜「も、やめろしっ!」ジタバタ
――
竜華「ただいまー」
怜「はー、シャンプー買いに行くだけでこんなに疲れるとは…」ドサァ
竜華「いやいや、楽しかったやん!」
怜「うん、まぁなー」
竜華「インハイで友達が増えるって、ええことやなー」
怜「そやなぁ…でも、竜華とずっと一緒に居れるのもええことやで」ギュッ
竜華「!そ、そんなんええから風呂入ってき!」カアア
怜「照れた―」
竜華「照れてないっ!」
おわり
次
竜華「妹が欲しい」
怜「何言うてんの?」ゴロゴロ
竜華「そのまんまや。妹が欲しいー」
怜「……ならお母さんにお願いしいや」
竜華「違う!現実的やけど!そうやない!」
怜「えー?妹ってそれ以外の方法は無理やない?」
竜華「いや!小さい妹も可愛いけど私が欲しいのはそんな妹やないっ!」
怜「えー……どういう妹?」
竜華「こう、着てる服を共有したり、恋愛相談しあったり、そういうの出来る2才差くらいの妹が欲しい!」
怜「……なんかすごい具体的な妹像が出てきたな」
竜華「やー、一人っ子やん?ウチも怜も」
怜「そうやけど」
竜華「妹やお姉ちゃん欲しいって思ったことない?」
怜「ないな」
竜華「即答かいな」
怜「だっておやつ半分になったりするんやろー?嫌やんそんなん」ゴロゴロ
竜華「でもでも、楽しいことが二倍やで?」
怜「んぅー……別に必要ないわ…竜華おるし」
竜華「…………ビックリした。そんなぶっこみ方あるんか」カアア
怜「竜華を赤面させるのはウチの大得意分野やからなー」ニシシ
竜華「その通りやな、ホンマに」ナデナデ
竜華「…………そうや!なあ、怜」
怜「嫌や」
竜華「え、まだ何も言うてないけど」
怜「竜華の言うことぐらいわかるわ。『妹になって』やろ?」
竜華「う………」
怜「そんなこっ恥ずかしいこと出来るわけないやん」
竜華「うううー………膝枕から突き落とすで?」
怜「出来んくせによう言うわー」ゴロゴロ
竜華「…………くそぉ…」
竜華「………あ、そういえば」
怜「んー?」
竜華「妹カフェってのがあるんよな?」
怜「うん、日本橋に…って、まさか」
竜華「うん。擬似妹と戯れてくる。…怜、降りて」
怜「え、…嫌や」
竜華「なんなんー、さっきからわがままばっかりやん…」
怜「嫌なもんは…嫌やもん」
竜華「なんでよ?もう十分回復したやろー?」
怜「いーやー」ギュウ
竜華「もー、降りてー」
怜「………(そや、せっかくやから)」スッ
竜華「あ、降りてくれた」
怜「……………」
竜華「じゃ、行ってくるわー…怜も行く?」
怜「………」プイッ
竜華「はいはい、じゃー、後でな」
怜「(ここや!)…お姉ちゃん、待ってっ!」
竜華「!」
怜「ごめんね…お姉ちゃん」ギュッ
怜「お姉ちゃんが遠くに行っちゃうから…いじわるしてもうてん」
怜「許して……くれへん?」ウルウル
竜華「うう……うちも拗ねてたわ。ごめんな?」カアッ
怜「(ふふふ、ちょろい、ちょろすぎるで竜華)」
怜「……おおきに。お姉ちゃん、だぁいすき♪」ギュッ
竜華「うっ………」プシュー
怜「わ、竜華?」
竜華「(怜が妹………想像以上に、アリやわ……)」グッ
怜「ガッツポーズしながら気絶してもうた…」
セーラ「お疲れー…て、何してんのお前ら」
怜「なあ、竜華が気絶したんやけど」
セーラ「………どうせお前のせいやろ、自分でなんとかしいや」
怜「ええ……セーラお姉ちゃん……助けてやぁ……」ウルウル
セーラ「!」
怜「(あ、セーラも楽に落とせそうやな)」
怜「(みんな妹属性に弱すぎやで)」
竜華「アカンで怜ぃ!」
怜「あ、起きた」
怜「折角セーラをええように扱おうとしてたのにー、今起きんでもええやん」
竜華「アカン!姉妹プレイは二人だけのもんや!たとえセーラ相手でもやったらあかん!」
怜「プレイて………あんなぁ」
竜華「こんな可愛い妹……余所にやれんわー!」ギュッ
怜「わ、もう……ええから離してよ」
セーラ「……………」カアアア
船Q「あれ、お姉ちゃん、顔真っ赤ですよ?」
セーラ「!お前…いつから………!」
船Q「さーあ?いつからでしょうね?」ニヤリ
泉「(…………今日は練習休みなのに、なんで部室に皆居るんやろ……)」
怜「はいはい、私はお姉ちゃんだけの妹ですよ」
竜華「ふふ…わかればええねん……お姉ちゃんの言いつけは守ってな?」
怜「(竜華が見たことない笑顔浮かべてる……んー、言葉にできんな)」
おわり
大体お題消化してきましたね…
また明日。
姉妹ごっこはもっと長く書きたかったから続編あるかも
あと、出来ればお題欲しいです(小声)
おはようございます。
今日は休みだからたくさん更新したい…!
次
竜華「体育祭、午後の部」 船Q「…開幕です!」
>>174の続きです
怜「あっつー…」
怜「もー、今日最高気温何度なん……」
泉「32度ですね。9月で最高らしいですよ。」
怜「ホンマ、なんでこんな日に体育祭やねん……」
竜華「まあ、雲っとるよりはええやんー」
怜「…………それにさ」
セーラ「?まだなんかあるんか?」
怜「……あの、午前の部終わってから、周りの目が……」カアッ
竜華「……………」カアッ
セーラ「あー、それは………」
怜「ホンマ、顔から火が出るわ…」ハァ
船Q「清水谷先輩、江口先輩、ぼちぼち団体競技ですよ?」
セーラ「おー、もうそんな時間か」
竜華「えっと、……じゃ、また後で」
怜「…………うん」
ヒソヒソ
怜「(周りの声が痛い………)」
泉「まあ、それは……ドンマイです」
怜「そういや、次の団体競技ようわからんかったけど…」
泉「ビブス取り、ですっけ?」
怜「初めて聞いたわそんな競技」
船Q「ふふふ、これも盛り上がりますよ……!」
怜「どんなルールなん?」
船Q「簡単ですよ。相手陣地のビブスを来て、自分の陣地に戻ればええんです」
泉「ああ、制限時間内に自分の陣地に戻ってきたビブスの枚数を競う、みたいな?」
船Q「そや。守る側は『どんな手』を使っても、自分の陣地に引き止めればええねん」
怜「なんや、えらいバイオレンスなゲームやな……」
船Q「職員会議でも問題になりましたけど…まあ、押し通しました」キラン
泉「むっちゃ楽しそうですね…」
船Q「……実行委員長やからな」
怜「……お、始まった」
ワーワー
船Q「…赤組の攻撃は、特に見どころなかったですね」
怜「ま、竜華は軽く白組の妨害をいなしてたけどな!」ドヤ
ヒソヒソ キャーキャー
泉「(……また周り見えなくなってるな…園城寺先輩。恥ずかしいわ…)」
「次は白組の攻撃です」
パーン
セーラ「うおっしゃあ!」ダダダダ
怜「セーラが一番に着いたな」
泉「しかも5枚もビブス着ましたよ…」
セーラ「………う…お前ら………戻らせろやぁ……!」ズルズル
泉「おぅ、赤組の人4人ぐらい引き摺って歩いてる…!」
船Q「踏ん張りが効かん砂の地面とはいえ…もう、馬鹿力としかいいようがないな…」
竜華「………行かせんっ!」ギュッ
「ぐぇ!」
泉「清水谷先輩は、確実に引き止めてますね…しかも何枚か着とる選手を狙って」
船Q「3人で1人ホールドが基本やのに、1人で2人もホールドしとるな…すさまじいわ」
泉「……この競技、そんなメジャーな……基本とかあるんですか?」
船Q「いや、ウチが考えただけやけど」
泉「はぁ……盛り上げることに全力ですね」
竜華「っ!」ギュウ
怜「(…………竜華が……他の女に抱きついとる……やと?)」
怜「竜華……………」ゴオオオ
泉「!」ゾッ
竜華「!」ビクッ
「!」スル
竜華「あ、しまっ……!」
船Q「おろ、清水谷先輩が逃がしましたね」
泉「珍しいですね。腕力もそこそこありそうやのに」
怜「…………♪」ニコニコ
泉「(……この人の眼力って、この距離でも通じるんやな………)」ゾッ
船Q「騎馬戦もさすがに盛り上がりましたねー」
泉「点数も横並びですねー。このパワーバランスが絶妙ですね」
船Q「せやろー?さすがやろ?」ドヤ
怜「………………ええなぁ」
泉「ん、どうされました?」
怜「いやさ、竜華も、セーラも、運動神経抜群やん?」
怜「ウチ見とることが出来へんし……応援くらい、したいな、って」
泉「まー…、運動得意な人は羨ましいですよねぇ」
船Q「……………言いましたね?」
怜「………え」
船Q「言いましたね、『応援したい』って」
怜「…い、言うたよ…」
船Q「はい、こちらです。清水谷先輩らのでる競技は4つ後のリレーで最後です!急ぎますよ!」グイ
怜「え、マジ何?ちょっ………」ズルズル
泉「……………行ってしまった…」
泉「…………」ポツン
泉「……まだかな、先輩ら」
竜華「はー、つっかれたー。…あれ、怜は?」
泉「船久保先輩に連れてかれましたよ」
セーラ「……またなんか企んどるんか」
泉「………みたいです」
――
「ほらほら、行きますよ、先輩?」
「ちょ、船Q、コレホンマに恥ずかしい……」
「ええですから、応援するんでしょ?」
竜華「ん?」
怜「…………あ……えっと」モジモジ
竜華「」
セーラ「おー、チアガール」
船Q「先輩が清水谷先輩達を応援したいとのことだったので」
泉「………赤組の応援団、学ランやなかったですか?」
竜華「」
船Q「いろんな需要に応えるのが、実行委員ですから」
怜「あの……………竜華?」モジモジ
竜華「……………はっ!」
セーラ「意識飛んでたな」
泉「まぁ、確かに可愛いし…わからなくはないですね」
怜「に、似合わへん……よな」シュン
竜華「……や、そんなことない、……か、可愛いで?」
怜「お、おおきに…………」カアア
ヒューヒュー
泉「(船久保先輩、なんでこんなことばかり…)」
船Q「(さ、園城寺先輩、今ですっ!)」
怜「え…と…………」
竜華「うん?」
怜「竜華、リレー、頑張ってな?」ウル
竜華「」
船Q「(ポンポン持った園城寺先輩に涙目上目遣いされたら、まあトビますよね)」ウム
セーラ「(お前、怜に色々吹き込み過ぎや)」ピシッ
竜華「…………っ、」ギュッ
怜「ん!?」
竜華「あ、ありがと、が、んばるで!」ニコッ
怜「…………」ギュッ
――
船Q「控えめに服につかまる園城寺先輩……こらキましたわー」パシャパシャ
泉「………船久保先輩、何してるんですか?」
船Q「え?卒業アルバム用にどうかなと」パシャパシャ
セーラ「……いろんな意味で黒歴史やろうからやめたげて」
竜華「………」ドキドキ
怜「………………」バクバク
――
「最後の競技になりました、紅白対抗リレーです……」
竜華「……行ってくるわ」
怜「………が、がんばれー」フリフリ
竜華「怜、いつまで……それ着てん」カアッ
怜「り、竜華が照れんで……こっちが恥ずかしなるから……」カアッ
竜華「そ、そやな………とりあえず、後でな」
ダダダ
セーラ「っしゃ!俺も行ってくるわー」
泉「が、頑張ってください……」モジモジ
セーラ「……お前まで、なんでそんな恰好……」
船Q「麻雀部応援団ですよ?」ニヤニヤ
セーラ「はぁ………じゃあな」
泉「(とんだ羞恥プレイや……)」フリフリ
セーラ「あ、あと泉」
泉「はい!?」
セーラ「あー………可愛いで」クルッ
ダダダ
泉「…………えぅ」カアアア
船Q「…ええですわ………」パシャパシャ
怜「ふ、二人ともアンカーなんやな」モジモジ
船Q「まあ、私が実行委員ですし」
泉「じ、事実二人は学校でもダントツで速いですしね」ソワソワ
船Q「…そろそろその格好に慣れたらどう?」
怜「………いや、これ丈短いし…着替えさせてや」
船Q「それはあきません。これでブーストが見れる予定ですし」
泉「?」
ワーワー
怜「…赤組が、だいぶ抜かれとるな」
船Q「まあ、追い抜けなくはない距離です」
泉「え、アンカー江口先輩だし、厳しないです?」
船Q「だからこそのブーストの出番ですよ。ほれ、目立つ位置に行くで?」
怜「わ、ちょっ……」
船Q「泉も!」
泉「えー………」
――
「せーらっ!これっ」パシッ
セーラ「っおおきに!行ってくらぁ!」ダダダダ
竜華「(……先行かれた……けど)」
「清水谷さんっ!」
竜華「おおきに!」パシッ
ダダダダ
竜華「間に合わなくは、ないっ!」
セーラ「…………(あと、少し……)」ダダダダ
竜華「…………(最後の、直線………って!)」
怜「………りゅ、りゅうかー」
泉「せ、セーラせんぱいー、頑張って………」
竜華「ゴールの先に…」
セーラ「…………あいつらっ」
竜華「………怜ぃいいいいいいい!」
セーラ「(うあ、やべっ、竜華が超加速しやがった)」
船Q「ふふふふふ、盛り上がってまいりました」
怜「りゅうか……!」
泉「っ、せーら、せんぱいっ……!」
船Q「(さて………どっちだっ!?)」
パーン!
セーラ「(………おっしゃ、ギリ、勝ったでっ!)」ダダッ
泉「え?」
セーラ「!(げ、止まりきれなくて……)」
セーラ「泉っ!そこどけっ………」
泉「」バッ
セーラ「っ!?」バフッ
泉「」ダキッ
キャーキャー
泉「お、お疲れ様です……」ギュッ
セーラ「お、おう………悪い」
泉「………あ、すみません」パッ
セーラ「………いや、別に、大丈夫やけど」フイ
竜華「(わ、止まれなっ………)」
竜華「怜っ………!」ダダダッ
怜「」ヒュンッ
竜華「!?」ズサー
怜「わ、ごめん、つい避けてしもうた……」アセッ
竜華「」ムクッ
怜「へ?」
竜華「怜ぃ!ごめん、負けたー!」ギュッ
怜「だから…人前でやめえって………もう」
竜華「怜ぃ………」スリスリ
怜「はいはい……怪我はしとらん?」ナデ
竜華「うん……………」
船Q「……白組が、僅差で、勝利………か」
竜華「もー、最後なぁ……折角怜に応援してもらったんに……」
怜「………ホンマや、もう。散々恥かかせといて」カアッ
竜華「ごめんって………あと、アレ、また着て?」
怜「……………あほ」
――
セーラ「いよっしゃー!白組勝利!ホンマ、楽しかったわー」
泉「そう、ですねー」
セーラ「いやー、こんな盛り上がった体育祭初めてやでー」ハハ
船Q「ま・さ・し・く!それが私の聞きたかった言葉っ!」
船Q「大盛り上がりで、体育祭、完了やでっ!」キラン
おわり
今日は意味もなく徹夜してしまっているから寝落ち注意です
次
とき(5)「ここ、どこや………?」
公園内
とき(5)「まよってしもうた………」
とき(5)「おかーさんも、おらんし……」ジワッ
とき(5)「………おかーさーん…」ウルウル
りゅうか(5)「あれ、どーしたのー?」
とき(5)「!、だーれ?」
りゅうか(5)「んー?りゅーかっていうの!」
とき(5)「そうなの?わたしはときっていうねん!」
りゅうか(5)「よろしくねー!」ニコニコ
とき(5)「よろしゅー」
りゅうか(5)「それで、ときちゃんはなんしてたんー?」
とき(5)「……あ、そうや、おかーさん……」
りゅうか(5)「あ、まいごやな!?」
とき(5)「!ち、ちゃうで!おかんがどっかいっただけや」
りゅうか(5)「そうなんー?」
とき(5)「そうや!」
りゅうか(5)「じゃあ、あそぼー?」
とき(5)「そやなー!」
りゅうか(5)「じゃ、かくれんぼねー!ときちゃんがおにね!」
とき(5)「うんっ!」
「……見つけたで、あの子が清水谷先輩やな…」キラン
部室内
竜華「やーっと、牌譜整理終わったで………」
竜華「あー、疲れた」ドサッ
竜華「…それにしても、みんな来んな……ふああ」
竜華「…………ん、ちょっとだけ、寝ようかな…」
竜華「…………んー……」スウスウ
――
――
公園内
竜華「!」ガバッ
竜華「あれ……なんや、ここ、…夢、か?」
竜華「あ…小さい時に遊びよった公園やん………懐かしいなー」キョロキョロ
「……ちゃーん、りゅーかちゃーん」
竜華「?」
とき(5)「りゅーかちゃーん、どこー?」
竜華「あの子…………?」
竜華「お嬢ちゃんー?」
とき(5)「?おばさん、だれや?」
竜華「う……おねえさん、やで?」
とき(5)「ああ、ごめん。で、おねえさんだれなん?」
竜華「いや、ウチも竜華って言うねん」
とき(5)「そうなんー?でもな、わたしが探しとるのはちっちゃいりゅーかちゃんやねん」
竜華「そうなんやなー…(この子、なんか怜に似とるな……)」
とき(5)「さっきまでかくれんぼしよったんやけどな?みつからんの」
竜華「……そっか、じゃあお姉さんが一緒に探したげるわ!」
とき(5)「…………」ジト
竜華「え、なに?」
とき(5)「しらんオトナについてったらアカンっておかーさんにいわれてる」グッ
竜華「わわわ、防犯ブザー鳴らさないで!お姉さん悪い大人やないから!」
とき(5)「えー………でも」
竜華「それより、探そう?」
とき(5)「うーん……そやな」
とき(5)「りゅーかちゃーん!」
竜華「(探してるけど……たぶん、見つからんやろうな…)」
竜華「(この状況、覚えあるわ…寝て起きたら、知らん場所…)」
竜華「(いつやったか、未来に行った時と同じや)」
竜華「(でも、あの時と違て、見た目が変わってない。…ってことは…)」
竜華「(部室に5歳児のウチが行ったのかな…それは申し訳ないかも)」
――
とき(5)「ねえ、おらんやん」
竜華「(やっぱりか…)うーん、ホンマになぁ……」
とき(5)「したばっかりさがしとるのがアカンねん。きのうえにのぼってるのかも」
竜華「えー、そんなに運動出来んやったけど……」
とき(5)「なにいうてんの?」
竜華「!いや、なんでもない」
とき(5)「なら、うえをさがそう?かたぐるましてー?」
竜華「………(初めから肩車が狙いやったんやないかこの子)」
とき(5)「よいしょっ」
竜華「(お、案外軽い)」ヒョイッ
とき(5)「わー、たかーい♪」
竜華「そりゃ、背高いしなー、ウチ」
とき(5)「おそらにてがとどきそうやでー!うわあー」
竜華「わ、グラグラするから、ちゃんとつかまって……」
とき(5)「あは、いややー……っ」ゴホッゴホッ
竜華「!だ、大丈夫?」
とき(5)「……だいじょうぶ、ウチちょっとびょーじゃくやねん」
竜華「そのアピールやめっ……って」
とき(5)「んー?」
竜華「………お嬢ちゃん、お名前は?」
とき(5)「おんじょーじときや!」
竜華「…………マジか」
とき(5)「?」
竜華「い、一回降ろすで?」
とき(5)「えー、いやや!」
竜華「え……いや、頼むわ…」
とき(5)「んー…じゃあだっこー!」
竜華「はぁ………はいはい」ギュッ
とき(5)「♪~」
竜華「(確かに………怜にそっくりや)」ジッ
竜華「(………でも、怜ってこの辺に住んでなかったような……)」
竜華「(!そういえば…昔、茶髪の子と遊んだ思い出があるな……)」
竜華「(あの子、怜やったんやろうか……)」
とき(5)「おねーさん?」
竜華「(…それにしても………)」
とき(5)「?」クビカシゲ
竜華「(か、可愛い…………)」ドキドキ
竜華「(って、何考えてるんや!ろりこんか!ウチは!)」ブンブン
とき(5)「…………」グッ
竜華「わ、だから防犯ブザーを抜かんでって!」
とき(5)「おねーさんのかお、わるいオトナのかおになってんもん」ジト
竜華「(…なるほど、鋭い。怜らしいわ)」
竜華「……大丈夫やって。怜ちゃんは、咳はもう出ない?」
とき(5)「うーん!げんきげんきやでー!」ニコニコ
竜華「なら、もうちょっと探そうか」
とき(5)「うんー!」
――
竜華「結局、見つからんな……竜華ちゃん、おうちに帰ったんやないの?」
とき(5)「えー………そうなんかな……ふあぁ」
竜華「?怜ちゃん、眠い?」
とき(5)「んー、ちょっと、ねむいー」
竜華「…じゃ、あっちのベンチで膝枕したげるよ」
とき(5)「ほんまー!?やった」ニコニコ
竜華「(…………天使やなぁ…)」ドキドキ
とき(5)「♪~」ゴロゴロ
竜華「気持ちええやろー?」ナデナデ
とき(5)「………まぁまぁやな」
竜華「この頃から、辛口なんやな」
とき(5)「……えー?なんて?」
竜華「……ふふ、なんでもない」
――
竜華「…………あんな?実は、ウチ、未来から来てん」
竜華「未来の、怜ちゃんのな………恋人やねん」
竜華「また、8年後に会うから、そん時は、よろしくな?」ナデナデ
とき(5)「…………」スウスウ
竜華「っ!(眠たく…なって……)」
――
竜華「っは!」ビクッ
怜「……………」スウスウ
竜華「…あ、戻って、きた…?」
怜「んぅ~」スリ
竜華「あれ、な、なんで膝枕してんねやろ……」
怜「りゅうかちゃん…大丈夫、ちょっと眠いだけや…」スウスウ
竜華「!」
ガラガラ
船Q「おつかれさまで……って、寝てますね」
竜華「…………そやねん」
怜「♪~………」スウスウ
竜華「……なんや、楽しそうな顔しとるな」ナデナデ
船Q「幸せな夢でも見とるんですかね」
怜「うん………げんきげんきやでー」ムニャムニャ
竜華「(アレは夢やったんか…………それとも……)」
竜華「…………ほんま、何の夢みてんねやろな」クス
おわり
前スレ179の船Q「清水谷先輩が幼女になった?」
の続きだったり
次
セーラ「……窓ガラス、割ってしもた」
怜「……何してんねん、高3にもなって」
セーラ「…………竜華と、ピンポン野球しとって」
船Q「ピンポン野球って…そんな球威出るもんなんですか?」
泉「…江口先輩達ならありえなくはないかも…」
怜「……あほ」
竜華「…面目ないです……………」
雅枝「そんな訳で、レギュラー陣は連帯責任で罰やから」
船Q「えー」
雅枝「口答え禁止。明日から一週間落ち葉掃除やで?」
泉「え………校門の所の道ですか?」
雅枝「もちろんや」
怜「うえ…落ち葉一番多いところやん…………」
竜華「申し訳ない……」
雅枝「はい、じゃー毎朝頑張ってな?」
セーラ「……はい」
翌朝
竜華「………」サッサッ
怜「わ、早いな、竜華」
竜華「ま、自分のやったことやしなー」
怜「じゃ、ウチ落ち葉まとめるわ」
竜華「おおきにー」
怜「セーラ達は?」
竜華「ん、向こうやってるで」
怜「え……ってことはウチが最後か」
竜華「まあ、ええんやない、怜悪くないし」
怜「んー、まあそうやけど」ヘヘ
竜華「よし、じゃーあっちのと合わせるか」
怜「(………わ、もうほとんど終わってたんか…)」
怜「(いったい何時からやってたんやろ………)」
泉「あ、おはようございますー」
怜「なんか、遅うなってごめんな?」
セーラ「いやいや、ぜんぜんええんやで?……ふぁ」
竜華「浩子たちより遅う来といて…よう言うで」
船Q「それにしても………」
コンモリ
船Q「……すごい落ち葉の山ですね…」
怜「………これ、さ」
セーラ「もちろん、捨てる………けれどもっ!」
泉「?」
セーラ「やっぱさ、………枯葉って、燃えるやん?」ガサッ
泉「!それはっ」
セーラ「じゃーん、さつまいも、や」
泉「罰の掃除でサツマイモ蒸かすとか、余計怒られません…?」
セーラ「泉はこういうの慣れてないんやろー?別にこのくらい怒られんで♪」
船Q「ま、罰は楽しんでやるもんですからね。やりますか」
竜華「セーラがサツマイモ持ってくると思って、ウチ新聞紙とマッチ持ってきたわ」ドヤ
セーラ「信じてたでー?竜華」ニヘヘ
怜「あ、道でやると条例違反や、校庭でやるで、急がな始業までにできんかも…」
泉「(この人ら……落ち葉掃除、一度や二度じゃないな………っ)」
パチ…パチ
竜華「♪~」
怜「………よし、そろそろ、頃合や、入れるで」
セーラ「おっ、りょーかいっ!」ガサッ
泉「たき火で焼き芋って、初めてです……燃やすんやないんですね」
船Q「そりゃ、バーベキューとかやあれへんからな」
竜華「ぬくい落ち葉の灰の中で、じっくり蒸かす感じや」
怜「この落ち葉の量なら……30分くらいやな」
泉「へええ…結構待つんですね」
セーラ「…さて、何の話する?」
泉「はい?」
船Q「枯葉焼き芋は、この蒸かしタイムのおしゃべりが醍醐味やで?」
泉「はぁ……どうします?」
竜華「んー……じゃあ、秋といえば!」
セーラ「オータム」
船Q「オータム」
怜「オータム」
泉「…オータム」
竜華「……いや、部活から一旦離れようや」
泉「あの、先輩らって、なんでこんな落ち葉焼き芋に慣れてはるんですか?」
怜「んー?ああ」
セーラ「この時期は必ず誰かやらかして、落ち葉掃除してっからなぁ…」
竜華「もう中学んころからずっとやな……」アハハ
船Q「秋といえば、ドジっ子、ってことですかね」
竜華「なんでやねん……って言おうと思ったけど、ま、確かにそうやな」
怜「去年は、船Qが監督と愛宕姉妹の親子喧嘩ムービーをうっかり部会で流したんやったな」
竜華「あー…あれかぁ」
セーラ「しかも、喧嘩の内容が、きのこたけのこ論争やったからなぁ…」
泉「…ああ、それは荒れますねー」
船Q「いやー、あれはうっかりしてました」ハハ
怜「あれはワザとやったやろ」ピシッ
泉「(見たい……かも)」
パチパチ
セーラ「もーちょっとかなー」
泉「ですねー、あ、ぼちぼち人が来始めましたね」
船Q「ほら、みんな何も気にせんと通るやろ?」
泉「ホンマに、恒例行事なんですね…」
――
怜「…………んー」
竜華「あ、疲れたならあのベンチで休む?」サス
怜「んぅー」フルッ
竜華「ああ、はいはい」ギュッ
怜「♪~」
泉「…………え、今何が行われたんですか」
船Q「秘儀、テレパシー!やろ」
セーラ「……まあ、あれくらいなら俺でもわかるけど」
泉「わかるんですか!?」
セーラ「なんとなく、な」
竜華「?」
怜「んぅ」スリッ
セーラ「……ほら、出来たで」ヒョイッ
泉「ありがとう……って熱っつ!」
竜華「そのまんま持ったら熱いに決まっとるやんー。ほら、新聞紙」
泉「あ、ありがとうございます」
――
怜「………」アーン
竜華「ちょっと待って……」パカッ
竜華「………はい、あーん」
怜「……」パクッ
――
泉「………いやだから、何が行われてるんですか」
セーラ「あー、この時期の眠たい怜は甘えたやからな」
船Q「今年は先輩に若干余裕が出来たんで、とりあえずは面倒やないですね」
セーラ「付き合ってない頃のコレはきつかったでー」
泉「…………はぁ」
――
怜「りゅうかぁ………」アーン
竜華「ふふ、可愛いなぁ、怜」アーン
キーンコーンカーンコーン
船Q「あ、予鈴なりましたね」
怜「ん…………んぅぁー」ノビ
セーラ「ぼちぼち、始末して、始業やな」
泉「おいしかったです。ありがとうございました」
セーラ「………明日は、朝飯抜いてこいよ?」
泉「へ?」
竜華「毎日ごはんとサツマイモ食べたら、太るからなー♪」
泉「え、これ毎回やるんですか?」
セーラ「当然やでー」
泉「え、ええ………」
船Q「(…先輩と、インハイ終わってからゆっくり話せるのって、)」
セーラ「(正直、この時くらいやもんなぁ…)」
竜華「(……この時間は、大切にしてたいな)」
怜「(来週は、ウチが窓割ろうかなぁ……いや、ダメか)」
泉「(んー、思ったより、罰も、悪くないんやなぁ……)」
おわり
ごめんなさい一回寝ます
また起きたら。
怜「え?」
船Q「違いますよ」
竜華「え、だって今日15日やん」
怜「あんなぁ…今は太陽暦、お日様が基準や」
船Q「月が基準となる太陰暦で8月14日から15日にかけてが十五夜です。」
泉「今年は…19日らしいですよ。中秋の名月」
竜華「えー……」
セーラ「昨日お月さん見たけど、ほぼ半月やで?」
竜華「うう……でもせっかく日曜やん!お月見しよう!部活終わったらウチん家な!」
怜「勢いで誤魔化すんかい…まあ、ええけど」
セーラ「月見団子ある!?」
竜華「うん!作るで!」
セーラ「なら行くー!」
船Q「月より団子、ですか……」
清水谷邸
セーラ「竜華んちは縁側あるし、月見にはもってこいやなー!」
竜華「えへへ、せやろー?」ドヤ
泉「私たちも、強制参加なんですね……」
船Q「まあええやん。楽しいし」
竜華「じゃ、これが米粉や!」ドン
怜「うわ…どんだけ作る気なん」
竜華「よぉし!作るでー!」
――
泉「…そういえば、なんで白玉粉やなくて米粉……?」コネコネ
船Q「それに、あんこも入れんプレーンな団子で、ええんやろか……」コネコネ
セーラ「♪~」コネコネ
怜「楽しそうやな。そういえばお菓子作り好きなんやっけ?」コネコネ
セーラ「!そ、そんなことないで!」アセッ
怜「ホンマかー?」コネコネ
泉「これが、最後の一個ですね」コネコネ
セーラ「おー、めっちゃできたな」
怜「100個くらいあるんやないのコレ……」
泉「食べてるうちに飽きそうですね…」
竜華「そういうと思って、みたらしとチョコソースとストロベリーソース作ってきた!」
船Q「おお、どこに行ったのかと思えば」
怜「ホンマ器用やな竜華…」
竜華「へへへ」
セーラ「ええ感じに暗くなってきたでー!外出ようや!」
怜「……………半月やな」
竜華「……いや、ほぼ満月や」
船Q「………んー、その間ですね」
セーラ「ストロベリー団子うめー♪」ムグムグ
泉「こっちも美味しいですよー」モキュモキュ
船Q「あ、私も食べますー」トタトタ
怜「………………」
竜華「………………」
竜華「……この世をば」
怜「わが世とぞ思う望月の?」
竜華「わ、ウチが言おうとしてたやつやで!」
怜「欠けたることもなしと思えば。藤原道長の句やな」
竜華「う、そうやけど……」
怜「満月みたいに満ち足りてるって句やけど……」
怜「今の月は欠けすぎや。かけてるところ、無しとは言えへんで」
竜華「う…………ええもん」
怜「何が?」
竜華「これから満たしていくから」ギュッ
怜「!な、何アホなこと言うてるんや!離れっ!」ドキドキ
セーラ「………甘いな」
泉「…………甘いですね」
竜華「あー、辛いの欲しいならポテチとかも置いてるでー?」
船Q「…………そういう甘いとちゃいます」
竜華「?」
竜華「………古文て、月の話多いよなー」
怜「恋の話多いからな。恋といえば夜やで」ニシシ
竜華「あー…………うん」カア
怜「相変わらずウブやな。というかムッツリや」
竜華「うっさいわ………」
怜「まあ、それは冗談としても…儚いイメージ強いからな。月は」
怜「自分の恋と重ねてたんと違う?」
竜華「ふうん……まるで怜みたいやな、月って……儚くて綺麗で」
怜「……なんとまあ、ろまんてぃっくなこと言うんやな」クスクス
竜華「む、別にええやん」
怜「………そや、竜華」
竜華「?」
怜「『月が、綺麗ですね』」
竜華「…………んなベタな」カアッ
怜「ベタでもええやんー♪」ポスッ
竜華「わ、寝んでよ………」
怜「嫌やー」スリスリ
竜華「………月、かぁ……」ナデナデ
怜「えー、そこは返してや。月が綺麗やで?」
竜華「…………ん。愛してるで、怜」ナデナデ
怜「…………!」
怜「………お、趣のないやつやな」プイッ
竜華「たまには、ストレートに言うのもありかなー、って」
怜「まあ、嬉しいけど」
竜華「愛してるで、怜。怜は?」
怜「………………いや、ちょう待って…」カアア
竜華「…………ふふ、可愛い」プニプニ
怜「ううぅ…」
――
セーラ「…………」パリパリ
泉「先輩、じゃかりこ見つけました」
船Q「ナイス。それも食べよ」ボリボリ
セーラ「まったく…………甘すぎて、やっとられんわ」
おわり
今日は月が綺麗ですね
次
泉「部長ドッキリ?」
部室
船Q「言葉のとおりや、合宿中に部長にドッキリを仕掛けるで」
セーラ「今年は合宿で色々やるんやなー…」
怜「ドッキリなんて、竜華やし、簡単やろ」
船Q「それで、今年何するかを話合おうと思いまして、みなさんを呼んだわけです」
セーラ「麻雀部のレクはすべからく2年担当やからなー」
泉「なるほど…」
船Q「…さ、思い付きでいいのでどんどん出していきましょ」
セーラ「劇系やりたいー!あの、空港で一人が歌いだしてみんながノっていくやつみたいなん!」
怜「んー…ああいうのは高いレベルが求められるし……」
泉「麻雀の練習時間が削られるのはアカンでしょ」
セーラ「うっ……確かに」
船Q「園城寺先輩は?」
怜「そやなぁ…ハニートラップ系とか?ブラックメールやっけ、あんなん」
泉「えー……それは」
セーラ「…そのラブ光線に気づかへんから、まず引っかからない。怜しかどうせ見えてない」
怜「………まぁ、そうやろなぁ」ヘヘ
泉「(わー、嬉しそう)」
セーラ「泉は?」
泉「えー…先輩苦手なモンありましたっけ…?」
怜「ジェイソンみたいな、リアルな感じで怖いモンが苦手やで」
セーラ「でも…苦手なモンぶつけるのはいじめみたいやし嫌いや…」
泉「うーん……どうしましょ」
船Q「……………決めました」
怜「船Q?」
泉「え、今のでなんか決まったんですか?」
船Q「ハニートラップやりましょ」
セーラ「え、無理ってなったばっかりやで?」
船Q「園城寺先輩しか見えてない、なら、そこを利用すべきかと」
怜「…どういうことや?」
船Q「ちょっとややこしいですよ、しっかり聞いてください……」
合宿1日目
竜華「部屋割り貼っとくでー」
セーラ「…え、お前と怜だけ2人部屋やん。あとは5人部屋とかやのに」
竜華「うん、なんか監督がそうしろって」
泉「うわ、部長権限ですか」
怜「やらしいなー」ジトッ
竜華「や、そ、そんなんやないって!」アセアセ
船Q「(おばちゃ……監督、おおきにっ!)」グッ
竜華「浩子?」
船Q「や、なんでもないです」
1日目 夜
怜「……なんとか、抜け出してきたで」
船Q「おお、お疲れ様です」
怜「ホンマ、寝とる間だけは積極的やから…」
セーラ「どうせ抱き枕にされとったんやろ?」
船Q「…早くしましょ。先輩が気づいたらあきません」
セーラ「ほんで、アレやな……」
船Q「ばっちり、部長以外には根回し済みです。大丈夫」
怜「入れ替わり薬、また飲むことになるとは……」
セーラ「…よし、やるで」
2日目 朝
竜華「ん、んぅー!」ノビー
竜華「っはー!よし、2日目の練習も頑張るでー!」
竜華「ほら、怜、起きて……」
セーラ「…んうぅ」グシグシ
竜華「………は!?」
セーラ「ん、竜華、おはよ」
竜華「いやいやいやいや、なんでセーラここにおるん!?」
セーラ「?何言うてんの?」
竜華「……え、いや……ええ?」
怜「とーきー!りゅうかー!おっきろー!!」
竜華「!?」
セーラ「……んぅ、セーラなんでそんな朝から元気なん…」
怜「お前らがねぼすけなだけや!ほらほら、朝飯食べるでー!」グイグイ
竜華「いやいや、怜……、なんで、学ラン着てんの?」
怜「は?俺セーラやけど……」
セーラ「竜華さっきからこんな感じやねん…寝惚けとるんやと思う」
怜「あー、しっかりせい、部長ー!」
竜華「(ど、どういうことや……)」
怜「俺先行っとるからなー!」ドタバタ
竜華「(…ま、ええわ、打てばわかるやろ)」
――
セーラ「………」コト
竜華「(わかっとったことやけど……制服着て何も違和感を感じてないセーラ、新しいな…)」コト
怜「…………あちゃー、裏目ったー!」コト
竜華「(ほんで、怜は一巡先見えてない。でも地力のある打ち方しとる)」
船Q「…………」コト
竜華「(…………で、二人が入れ替わってるのを、誰も気付いてくれない…)」
竜華「(ウチがおかしくなっとるんかな……うーん……)」
セーラ「…………リーチ」
竜華「(!リー棒突き立てた……まさか)」
セーラ「…………ツモ。4000・8000」
怜「わお、倍満かぁ……きっついなー」
セーラ「まあ、ウチがリーチかければ一発ツモもついてくるからな」ドヤ
竜華「(ホンマに一発ツモか……やっぱりウチの目がおかしいんかな…)」
竜華「(…いや、思えば、入れ替わり薬を浩子が作ってた気がする)」
竜華「なぁ浩子」
船Q「はい?」
竜華「いつやったか、入れ替わり薬って持ってたよな?」
船Q「?はい、持ってましたけど」
竜華「あれ、今もあるん?」
船Q「いえ、使い切りましたよ?」
竜華「…………そっか」
竜華「(………じゃあ、なんや………?)」
セーラ「(さすがに自分が飲んだことある薬やからな……鋭いわ)」
怜「(……この体めっちゃしんどい)」
2日目 夜
セーラ「…………なぁ、竜華」
竜華「……!な、何?」
セーラ「膝枕………してくれへん?」
竜華「!?」
セーラ「ちょっと今日の練習で疲れてしもて……駄目?」ウルウル
竜華「(……あかん、このセーラむっちゃ可愛い)」
竜華「(でも、セーラやし、……うー)」
怜「……………お、竜華と怜やん」
竜華「!」
――
泉「斬新ですね。園城寺先輩で園城寺先輩を誘惑するって」
船Q「ふふ、中身園城寺、外見園城寺の対決、どちらが勝利するでしょうか」キラリ
怜「なにしてんのー?」
セーラ「竜華が膝枕してくれんのよ」
怜「えー?喧嘩か?竜華」ノゾキ
竜華「っ!(学ランの怜……めっちゃ可愛い!袖余ってるし…)」ドキドキ
セーラ「え……何、セーラにときめいてんの?」ジト
怜「え、………ホンマ?」
竜華「い、いや」
セーラ「ホンマかー?」ジィッ
竜華「(……でも、このセーラもよっぽど可愛い……)」ドギマギ
竜華「(どないしよ、どないしよ………両方可愛い!)」
竜華「…………ごめーん!」ダダダ
怜「あっ…………行ってもうた」
セーラ「迷っとったなー……」
船Q「別カメ!清水谷先輩は!?」
竜華『あう…………あう』ジタバタ
泉「自室でバタバタしております!」
船Q「なるほど、よし、江口先輩に追いかけさせ!」
泉「どっちですか!?」
船Q「中身江口や!台本通りに頼むで!」
怜(セーラ)『さらっと先輩を呼び捨てにすんな!任せとけ!』
ガラガラ
船Q「あ、園城寺先輩、お疲れ様です」
セーラ(怜)「う、ん………」
船Q「さてさて、見た目怜中身セーラの告白タイムですよ……!」
セーラ(怜)「(これでセーラに落とされたら……うわ、微妙な気分になりそう)」ゲソッ
コンコン
竜華「は、はい…………?」
怜(セーラ)「あ、俺やけど………」
竜華「と………セーラか」
怜(セーラ)「……あ、あのさ…………」
竜華「うん?」
怜(セーラ)「…………さっき、竜華が俺にときめいてるって聞いて、嫌やなかったっていうか……」カアッ
竜華「へ?」
怜(セーラ)「………竜華のこと、好きやねん………」トタタ
竜華「ええええ!?」ズザザ
――
泉「おお、近づいた分だけ遠ざかりましたね」
船Q「セーラ!聞こえる?今から言う感じで喋って!」
セーラ(怜)「………………」ゴクリ
竜華「と、とりあえず座り?」
怜(セーラ)「うん……………」トスッ
竜華「…………そ、それで……」
怜(セーラ)「…………あの、な、前から、怜のこと…羨ましくて」
竜華「…………」ドキドキ
怜(セーラ)「俺……いや、私だって、竜華と、付き合いたい………」ジワッ
竜華「!(やばい、この子死ぬほど可愛い…でも、セーラや)」
怜(セーラ)「…………に、二番目でもええねん。私も、愛してほしい……」ジリ
竜華「……………え、えっと」ジリ
――
船Q「ふふふふ、悩んでる。悩んでる」
泉「ホンマ、ドSですね先輩………」
セーラ(怜)「(…………あれ、なんか、くらくらしてきた)」
怜(セーラ)「…………」ジリ
竜華「えっと…………その……」ジリ
怜(セーラ)「竜華は……………どうなん?」ジリ
竜華「……………あ」トンッ
竜華「(やば、壁や…………)」
怜(セーラ)「…………竜華………」ジリ
竜華「(近っ!あかん………)」
怜(セーラ)「あいしt……っ」ガクン
竜華「!?」
――
泉「え、倒れましたよ!?」
船Q「……まさか、今、何時や!」
セーラ「……………あれ、なんで俺ここに」
泉「……………まさか」
船Q「……効果、切れや」
竜華「セーラ………?」
怜「……………あれ」
竜華「っ……!」ドサッ
怜「うひゃ!?りゅ、竜華!?」
竜華「怜、今は怜やな!?」チュー
怜「……………んぅっ」
竜華「怜……………愛してる、怜……っ!」
怜「(…外見だけや………なかったんやな)」キュンッ
怜「(…………って!カメラついてるここ……っ!)」
――
船Q「やばい!回収班!すぐ向かって!」
泉「アカン映像が撮れてしまう………」
船Q「コレ放送部のビデオ大賞に応募するつもりやったのに……とんでもない映像が映る前にはよ!」
船Q「……ていう訳です」
竜華「……………あんなぁ……」
セーラ「ま、怜脱がす前に入って来てもらって良かったやん」
泉「…………ガッツリキスしてる所は見ちゃいましたけどね……」ゲッソリ
怜「…………………」カアアア
竜華「……ええわ。とりあえず、ウチが怜の全てを愛してるってわかってもらえたやろ?」
船Q「…………ええまあ。痛い位に」
泉「……………これは、ドッキリ大成功?なんですか?」
セーラ「どう考えても違うやろ……」
船Q「あ、先輩」
怜「?」
船Q「これビデオ対象に応募するんですけど、軽くチューしてるとこまでなら入れてもええですか?」
怜「………………ぜったい、出すなぁっ!」
おわり
まとめ
前のまとめ>>264
>>287竜華「姫松文化祭っ!」
>>305怜「追試になってしもうた…」
>>329怜「たかみーから電話や」
>>345竜華「………肝試し?」
>>367咲「ここ、どこ……?」憧「うーん…」
>>387竜華(20)「怜もハタチになるし、お酒買いに行こか」
>>414怜「もうすこしでさ、竜華誕生日やん」
>>450怜「…あ、シャンプー切れてる」
>>467竜華「妹が欲しい」
>>501竜華「体育祭、午後の部…」船Q「…開幕です!」
>>531とき(5)「ここ、どこや………?」
>>551セーラ「……窓ガラス、割ってしもた」
>>573竜華「今日って、十五夜やんな?」
>>582泉「部長ドッキリ?」
船Qの汎用性は異常
また明日。
次
怜「寝たフリしてみよ」
部室内
怜「んー」ゴロゴロ
竜華「皆来ないなぁー」ナデナデ
怜「そやなー……太ももすりすりしとこか」スリスリ
竜華「もー、こそばいって言いよるやん」
怜「ええやんー」
竜華「えー……まあ、ええけどさぁ」
怜「そうやろ~♪」
竜華「……機嫌ええなぁ」ナデナデ
怜「(…そういえば、竜華って)」
怜「(ウチが寝とる間、何しとるんやろうな)」
怜「(………やってみよ)」
怜「りゅうかぁ……」
竜華「ん?どうしたん?眠い?」
怜「ん……ちょっと、寝る…」スウスウ
竜華「…おやすみー」ナデナデ
怜「(…いたずら、されてへんとええな)」ゴロッ
竜華「♪~」ナデナデ
竜華「怜ー?」
怜「………………………」
竜華「寝てしもうたか…」
怜「(ここからやな)」
竜華「……ふふ」ナデナデ
怜「(……前髪撫でとる)」
竜華「ホンマ可愛いなぁ…………」
怜「(…仰向け、失敗やな。寝顔晒しとかんとダメやん)」
竜華「…髪もサラサラやし」スル
怜「(今度は後ろ髪か……)」
怜「(…起きとるときと変わらんな)」
竜華「あー、アカン。可愛い」プニプニ
怜「んぅ………」ゴロン
竜華「!」ピタッ
怜「(……頬、ぷにぷにされた…)」
竜華「……怜?起きとる…?」
怜「………………」スウスウ
竜華「寝とる………か」ホッ
怜「(……いや、これくらい、起きとるときにされてもなんも思わんで?)」
怜「…………」
竜華「怜………愛してる…」ナデナデ
怜「…………!」
竜華「…ダメや、恥ずかしい」
怜「…………(練習か)」
竜華「………えっと、す、好きや…」
怜 「……………」
竜華「ううー………」カアアア
怜「(…お、起きとるときに言えや…)」ドキドキ
竜華「んー……言えん…」ナデナデ
怜「……………」
竜華「…怜が、可愛い過ぎるせいよな」フニッ
怜「んっ(また、頬か)」ピクッ
竜華「…でも、ちゃんと言葉にした方がええっていうし……」モンモン
竜華「うー…でも、なぁ……」
怜「……(そういえば)」
怜「(ウチから竜華に『好き』って言ったの、いつが最後やろ……)」
竜華「はぁ……可愛いなぁ。怜」ナデナデ
怜「(…初のお泊まりで、寝言風に誤魔化して言ってから、言うてないな)」
竜華「…………はぁ」サラサラ
怜「(ウチやって…言わな、いかんよな……よし)」
竜華「…………」ナデナデ
怜「んぅ……」ムクリ
竜華「…あ、起きた?」
怜「…………あ、あんな、竜華」
竜華「?どうしたんそんな改まって」
怜「………えっと」
怜「(竜華、好きやで………)」ドキドキ
竜華「?」
怜「…………ぅ」
怜「(………アカン、言えへん…)」
竜華「?……どうしたん、また体調悪なった?」
怜「!……い、いや、大丈夫や」
竜華「ホンマ?無理せんでや」
怜「…えっと」
竜華「うん?」
怜「(…………そ、そや)」
怜「………」ポンポン
竜華「何?」
怜「………ひ、膝枕したる。おいで」
竜華「え、どういうこと?」
怜「…………ほら」ポンポン
竜華「……ほな、失礼するでー」ゴロッ
怜「ん。おいでー」
竜華「…………………気持ちええな」
怜「やろ?」ナデナデ
竜華「……あかん、コレ、気持ち……良すぎる………」
怜「んふふ、寝てええよー?」
竜華「…………ん…………」スウスウ
怜「(………寝たな……よし、独り言風に……)」
怜「…竜華の髪、綺麗よなぁ………」サラサラ
竜華「んぅ…………」
怜「………」プニ
怜「わ、やらかい」プニプニ
竜華「!」
怜「なるほど、病み付きになるなぁ………」
竜華「(と、怜……なんしとるんや……)」ドキドキ
怜「(………よし、起きたかな)」
怜「っ…………」ドキドキ
怜「り、竜華………ウチも、好きやで」
竜華「!」
怜「えっと………あ、あいして、る、で……」カアッ
竜華「(…こ、これ……起きた方がええんやろか……)」ドキドキ
怜「(………は、恥ずかしい……)」
竜華「(…いや、起きれん……恥ずかしすぎる…!)」カアッ
竜華「(…寝たふり決めこもう)」スウスウ
怜「……………?」
竜華「んぅー……」
怜「え、ホンマに寝てる………?」
竜華「(が、ガッツリ起きてるわ……)」ドキドキ
怜「な、なんなんもう………」ナデナデ
――
竜華「…………」パチッ
怜「…………あ、起き、た?」
竜華「う、うん、起きたで」
竜華「(ま、全く寝てないけどな)」
怜「…………えっと…」ドキドキ
竜華「…………な、なに?」ドキドキ
ガラガラ
セーラ「んー?何しよるん、怜、竜華」
船Q「何見つめ合ってるんですか…?」
怜「!い、いや!なんでもないで!?」カチコチ
竜華「う、うん、なんもないわ!うん!部活しよ!」カチコチ
泉「……?」
怜「(いつか、起きとる時に言わな…)」ハァ
竜華「(…冷静に考えたら、寝とる時に言ってたの聞こえてたってことか…)」ドキドキ
怜「(ん………がんばろ)」ウン
竜華「(わー、わー、アカン、恥ずかしい)」ブンブン
竜華「(………お、起きとる時に、頑張らな)」カアアア
船Q「赤くなったり、色々忙しいですね」
セーラ「ホンマ、何考えてるんや?」
泉「……どうせノロケですよ。早く打ちましょ?」
おわり
更新できなくてごめんなさい。
こっから数日
このくらいの小ネタしか投下できないですごめんなさい。
呼んでいただきありがとうございました。
次
竜華「…きすまーくって、どうやって付けるんやろ」
そんなに過激にならないつもりです
ガラガラ
怜「あー、授業疲れた…」
怜「って、部室誰も居らんやん」
怜「セーラ職員室に行ってたもんなぁ…」
怜「…ちょっと、準備室のベッドで寝とこかな」トタトタ
準備室
怜「っふう……」トスッ
怜「うう、今日水泳やったから…眠気が……」ウトウト
怜「…………」スウスウ
――
ガラガラ
竜華「おつかれーって、誰も居らんやん」
竜華「あれ、怜先に部室に行くって言ってなかったっけ…」
竜華「………ま、ええわ、牌譜出してこよー」トタトタ
ガラガラ
竜華「……………あれ」
怜「………………」スウスウ
竜華「熟睡やん…」
竜華「今日水泳やったからなー…そりゃ、眠いわな」
怜「う…………ん」ゴロ
竜華「(………可愛い、チューしたい)」
怜「………りゅう…か……」
竜華「!(耐えきれんな………)」ムラッ
怜「…………んー、」スウスウ
竜華「……………ちょっと、失礼して」ギシッ
怜「………」スウスウ
竜華「(…ええ感じに制服乱れてて………えっちいな)」ムラムラ
竜華「(って!…この画、へんたいみたいやな)」
怜「……………」
竜華「(ええわ、サッとちゅーして逃げよ)」スッ
怜「あのさ、アホ竜華」
竜華「!」
怜「毎度毎度…ウチが寝とる時だけは積極的やな…」ハァ
竜華「あ…………うぁっ」カアア
怜「何、ウチを組み伏せてんの」
竜華「ご、ごめん!」
怜「……もう…人が気持ち良く寝とるのに……」
竜華「………ごめんって…」
怜「何しようとしてたん」ジトッ
竜華「めっちゃキスしたくなって………」
怜「………あっそ」ギュッ
竜華「…へ?」
怜「…………するなら、早よすれば?」スッ
竜華「!?」
怜「なぁ………」
竜華「………ご、ごめんな?」チュッ
怜「んー………」パチッ
竜華「……えっと………」
怜「謝らんでええよ」
竜華「え?」
怜「………起きたら、竜華がいっぱいで、幸せやったからな」ギュー
竜華「お、おおう!?」ドキドキ
怜「…………んふふー」
竜華「(……ち、ちょっと、寝惚けてるんか?)」アタフタ
怜「もーいっかいー」チュッ
竜華「あ……あう」チュッ
怜「ふふ、竜華とのキス、気持ちええわ……」トロン
竜華「(…………う、可愛い)」ムラムラ
怜「…………ん」
竜華「……そういえばさ」
怜「んー?」
竜華「き、きすまーくって、口紅せんでもつけれるん?」
怜「はっ?」
竜華「ずっと疑問やってん。男の人にキスマーク付けられたーみたいな話聞くやん」
怜「いや、竜華……」
竜華「口紅いらんの?」
怜「…………えっと、そうやけど」
竜華「え、じゃ、どうするん?」
怜「……………何それ、言わせるん?」
竜華「……………?」
怜「(こんな押し倒されてる状況で、なんでキスマークの付け方教えないかんねん……)」ドキドキ
怜「えっと……チューするやん」
竜華「……どこに?」
怜「やらかい所が付けやすいらしいで」
竜華「そっか……」スルスル
怜「え!ちょっ……」
竜華「大丈夫、ちょっとはだけさすだけやから」プチプチ
怜「いやいや、やめって!」ピクッ
竜華「だって……やらかい所っていうたやん」
怜「な、なんでそんな短絡的な発想なんや!」
竜華「で、でも、見えてへん所の方がええんやろ?」
怜「…………う、そうやな」
竜華「…………えいっ」チュッ
怜「(わ、ホンマに胸にキスしよる…胸っちゅーか鎖骨やけど)」
怜「ほんでな?……す、吸うねん」
竜華「?どゆこと?」
怜「…あっ……む、胸元で話さんで…っ」ビクッ
竜華「あ、ごめん…」
怜「…………普通に吸うんやって。チューって」
竜華「………こうかな?」チュー
怜「ふぁっ…………」
竜華「……………」ドキドキ
怜「んんっ…………」
竜華「(怜、えっちい声でとる……)」チュー
怜「ふっ………」
竜華「(めっちゃアカンことしてるよな、これ……)」
怜「りゅ、りゅうか……いつまでっ」
竜華「あ…………ご、ごめん」
怜「………で、どう?」
竜華「…………んー、ちょっと赤いの残ってる」
怜「ん、それがキスマークや」
竜華「こんな小っちゃいんやな………」
怜「……うーん、ウチからやと、見えへんな……」サス
竜華「!」
怜「ん?竜華なに?」
竜華「(…胸元はだけて、キスマークさすって……可愛いいい)」ドキドキ
怜「………りゅうか?」ウワメヅカイ
竜華「………もっかい付けてええっ!?」チュ-
怜「え!?」ドサッ
―――
――
30分後
竜華「…………えっと」
怜「……………」ブスー
竜華「ご、ごめん」
怜「付け過ぎや、アホっ………」
竜華「抑えが、効かんかった……」
怜「明日、体育なくて良かったわ…」
竜華「……………怜」ギュッ
怜「…………抱きしめても誤魔化されへんで」
竜華「や、そんなわけじゃ……」
怜「(………あ、竜華の首筋が目の前に)」
怜「……………そや」ピコーン
竜華「?」
怜「…………」チュー
竜華「ひゃぁ!?」
怜「………ふふふ」
竜華「え、ま、まさか、付けたん?」
怜「うんー♪それで許したる」
竜華「でも、首って………!」
怜「竜華髪あるから、大丈夫やって」
竜華「うー……………」カアアア
怜「お互いさまやでっ」
竜華「それは………そやけど……」
怜「これで、竜華はウチのもんやー♪」ギュッ
竜華「……………」
竜華「……………安心せえ」ギュッ
怜「んー?」
竜華「なんも残さんでも、ウチは怜のモンやっ!」
怜「っ!そ、それ言うなら……!」
怜「ウチも………こんな沢山残さんでも、竜華のモンやで……?」ギュー
竜華「……ふふ、ばかっぷるやなー、ウチら」ニコニコ
怜「んー」スリスリ
船Q「………下世話な雑誌、部室に置いてて正解でしたね」
セーラ「不正解やってなんでそんな余計な事するんや……」
船Q「まあ、色々聞かれるのがよっぽど嫌なんで」
セーラ「………ちゅーか、部活始まってるの、気付けや、あのアホら」
トタトタ
泉「江口先輩ー?、牌譜取りに行きたいんですけど」
セーラ「…………やめとけ。後悔するで?」グイッ
泉「………?」
おわり
自分も二本書いててテンションが定まらないです。
読んでいただきありがとうございました。
また明日。
泉完結したからこっちに集中して頑張りますー
次
竜華「徹夜で麻雀!」
大3
竜華・怜宅
竜華「久しぶりやなー、5人揃うの」
泉「ホンマですねー」
セーラ「あ、泉、入学おめでとさん」
怜「セーラと同じ大学やっけ?」
船Q「学部も一緒やろ?ホンマ好きやなー」
泉「いやいやいや、そんなんやないですっ!」アセアセ
セーラ「おー?」
竜華「はーい、おつまみできたでー」
セーラ「酒はー?」
竜華「あるで、ほい、ビールでええの?」
船Q「いっぱい出てくるな。普段から飲むん?」
怜「いやぁ…そんな飲まんけどなぁ。」
泉「あ、私は未成年なんで、ジュースで」
竜華「じゃ、かんぱーい」カツン
船Q「」ゴクゴク
怜「おわ、飲みっぷりがすごいな」
船Q「まぁ…研究室の飲み会で散々飲まされてるんで」
竜華「え、二年で研究室入ってるん?」
船Q「まぁ、知人の紹介で、色々開発を」キラリ
セーラ「おわーすげーな、さすが薬学部」
泉「(…先輩は薬学部とかそんな問題やない気がするけど)」
怜「ほえーすごいなー」ゴクゴク
竜華「…わ、怜、飲み過ぎたらあかんって」
セーラ「なー、ビール空いたー」
竜華「え、セーラマジか」
―――
怜「んー」クラクラ
セーラ「おー」グビグビ
竜華「もー、飲み過ぎやって……」
泉「先輩ら、飲める方なんですかね?」
竜華「ウチは普通やけど…怜がなぁ……」
セーラ「俺は大概飲んでるからなー!洋榎と!」
怜「おお、セーラの大学の麻雀部飲み会も凄そうやもんな」
船Q「…そういや、泉はサークル入ったんか?」
泉「あー、麻雀部に入ろうか、どうしよっかなーと悩んでるところです」
セーラ「来いよ!楽しいでー?」
泉「………じゃ、来週見学に行きます」
竜華「そーなったら、泉とは敵やなー?」
怜「んふふ、負けへんで」
船Q「……そや、ちょっと打ちません?」
セーラ「ええなー、なぁ牌あるよなー?」
怜「ん。こっちー」トタトタ
パタン
泉「………あー、じゃ、ぼちぼち終電なんで……」
セーラ「何言うてんねん」ピシッ
泉「痛っ!……あれ」
船Q「………今日は寝かせんで」ガシッ
泉「へっ!?」
竜華「大学生になったら、徹マンは基本やでー?」ニコニコ
泉「(………うわ、酒臭、先輩ら)」
――
セーラ「……なぁ、怜帰ってこんで?」
竜華「やなー……ちょっと見に行ってくるぅ」フラフラ
泉「わ、先輩フラフラですやん。座っててください、私が見てきます」
竜華「あー、ホンマ?」
泉「ホンマですっ!座っててください!」
船Q「じゃー頼むで泉ー」グビグビ
竜華「んーじゃ、あっちの寝室ー」
泉「はーい」
泉「(先輩……おえ、ウイスキー一本空けてるやん、酒強くてもさすがにヤバいなこりゃ)」
泉「ここか」
怜「んー」スヤスヤ
泉「(寝てはるなー、やっぱり)」
怜「あれー、なんれ泉ここにおるん?」
泉「先輩が戻ってこないから連れて来いと言われて」
怜「んぅー、そっか」
泉「ほら、牌どこですか?」
怜「あ、こっちー」フラフラ
泉「(ここ、寝室やんなぁ…)」キョロキョロ
泉「(お約束通り、ベッドも一つしかない…)」カアッ
怜「こら、部屋のもんジロジロ見たらあかんでっ」
泉「あ、すいません」アセッ
怜「はいー牌ーふふっ」ニヤニヤ
泉「(ダジャレはスルーやっ)……じゃ、戻りますよ?」
怜「んー、連れて帰ってー?」ギュッ
泉「うあ、せ、先輩!?」
泉「は、離れてくださいっ!」
怜「………んー、いややー……ほら、連れてけ、泉」ギュムウ
泉「まったくもう………」ズルズル
ガチャ
セーラ「おかえりー」
泉「(……はっ、これ、清水谷先輩に怒られるパターンやん………!)」アセッ
竜華「………んぁ、怜ー、おいでー」
怜「んー」フラフラ
泉「(………あ、見えてないんかな、ラッキー)」
セーラ「泉ー、うつで、おいー」
船Q「ほらほらー、ハコにしたるわー」ヘラヘラ
泉「はいはい、じゃ、打ちますか」ジャラッ
――
竜華「これー」ヒョイ
怜「あ、竜華それアカン、振り込むでー」
竜華「あ、もー。一巡先見たらダメって言ってるやん」
怜「んー?大丈夫、竜華パワーがいっぱいやからー」ニコニコ
竜華「そーお?」ヘラヘラ
船Q「相変わらず仲ええですね」
泉「(……ナチュラルに清水谷先輩の膝に座っとるし)」
セーラ「おらー、はよ打てって」
竜華「んーじゃ、これー」パシッ
セーラ「よーしっ」パシッ
怜「あっ…」
泉「あ、ロンですー、3900」
セーラ「えー?」
船Q「だっさい振り込みですねー」ニヤニヤ
セーラ「うっせー!次は親や!やったるでー」
セーラ「おー、ええ配牌やー!」コトッ
船Q「こっちもなかなかですでー?」コト
怜「………なあなあ」
泉「なんですか?」コト
怜「ラス引いた人、罰ゲームしようや」
セーラ「えー?何するん?」
船Q「一気飲みとかですか?」
泉「……それは死にそうなんで、やめときましょ?」
竜華「……あ、じゃ、アレ着せる?」コト
怜「あー、ええな」
セーラ「何ー?」
怜「ん、メイド服着てもらおっかなーって」
船Q「なんでそんなモンが……」
竜華「そんなん、プレイの一環に決まっとるやん」
怜「コスプレやでーコスチュームプレイや」
セーラ「んーメイド服かー着たくないから頑張らな」
船Q「ええんやないのー?」
竜華「ふふ、ウチがラスやったら怜が着てー?」
怜「えー……アレ着ると竜華激しいから嫌やぁ………」
泉「(………サラっとすさまじい事言ってるのに誰も突っ込まへん……)」
セーラ「………しゃあ、二順目リーチっ」グビグビ
泉「(…酒、こわっ)」
――
泉「私が……トップですね」
泉「(酒ってすごいんやな、先輩らの打筋、めちゃめちゃやん)」
船Q「先輩ら雑すぎですよー」ニヘラ
セーラ「あー、3チャかぁ……」
竜華「………へへ。ラスやな」
怜「えー、ウチに着せたくてわざと負けたんやないん?」ジト
竜華「どーでしょー?」
怜「しょーがないにゃぁ……竜華は」ゴロゴロ
セーラ「んー、じゃ着替えてこいよー」ゴロン
船Q「私もちょっと寝とくわ」ゴロ
泉「(………普段なら先輩が突っ込んでくれるのに…)」
怜「行ってくる―」フラフラ
竜華「うちもー」フラフラ
―――――
―――――
寝室
怜「どこにやったっけ」
竜華「んー、ここやで」ゴソゴソ
怜「……………りゅうかぁ」
竜華「えー?」
怜「着替えるのめんどいー、脱がせて?」
竜華「………ふふふ」シュルシュル
怜「んー」ヌギヌギ
竜華「怜は可愛いなぁ…」
怜「知ってるでー」
竜華「…………これも、脱ぐー?」
怜「えー、メイド服やし下着着たいー……」
竜華「…だめ、燃えないから、アカンで」
怜「…………そやなー、しょうがないなー」ヌギヌギ
竜華「……怜っ!」ガバッ
怜「そやな、来てまうよなー」ギュム
竜華「隣にみんなおるから…声出したらアカンでー?」フニフニ
怜「あっ…………や」
泉「先輩ら戻ってこんし………」
セーラ「…………」グウグウ
船Q「…………」ゴロゴロ
泉「江口先輩らは熟睡やし……」
泉「でも、始発まであと2時間くらいあるからなぁ……」
泉「………ちょっと、寝よかな。先輩の家やけど」ゴロリ
泉「…………………」
「………ほら、ここ、もうヤバいやろ?」
「…ひゃあっ!そ、アカンって……」
「……ふふ、滅茶苦茶にしたるわー」
「あっ、…あかん……ふぁあああ!」
泉「……………………」ドキドキ
泉「……………」
朝
泉「……あれ、いつの間に寝てたんやろ」
セーラ「うあ………ふぁあ」
船Q「おはようございますー」ガリガリ
竜華「あ、みんな起きたー?」
泉「!」
怜「朝ごはん、って言ってもスムージーやけど」
セーラ「おー!おおきにー!」
船Q「ありがとうございます」
竜華「やー、楽しかったな、また飲もうな?」ニコニコ
怜「そん時は泉も飲もうなー」
泉「(こ、この人らはウチらが聞いてたとか考えんのか……!)」
セーラ「泉?」
泉「……………私、生涯酒は飲まんって誓いました」
竜華「………………?」
おわり
なんか長くなりすぎた
また明日。
次
竜華「赤ちゃんが欲しい………」
土曜日 部活終了後
セーラ「は?」
泉「…………」ブフッ
怜「……何言うてるんや、変態」
竜華「あ、ち、ちゃうねん!そそそそういうことやなくてっ……!」
怜「妊婦フェチってことか?なかなかハイレベルやな」
竜華「や、怜には産ませんで?つわりで倒れたら心配やし」
セーラ「……いや、そもそも、女同士やと赤ちゃん出来んやろ」
泉「あ、その突っ込みして良かったんですか?」
怜「…………………」ハァ
竜華「そ、そう!なんかさ、子どもとか赤ちゃんって可愛いやん?」
怜「まぁ………そやな」
竜華「そやから……こう、遊びたいっていうか……戯れたいっていうか…な、ちゃうねん」
セーラ「………」ジト
泉「…………」ジト
怜「…………ろりこんか」ジト
竜華「あー!ちゃう、そうやなくって、えっと……!」
船Q「…話は見えませんけど、赤ちゃんはここにおりますよ?」
「……あー、あー」
怜「え?」
竜華「わー!可愛い!」
セーラ「ど、どうしたんや、この子」
船Q「おばちゃ…監督に預けられました。ウチの又従妹らしいです」
竜華「へぇ……」ナデナデ
「あー」キャッキャ
竜華「わー!嬉しそう!かわいいー」ニヤニヤ
セーラ「……おまえ、完全にアウトな表情しとるで」
竜華「え?」
怜「やっぱりろりこんか。あほ竜華」
竜華「え、あ、いや…!」
「あー!あー!」バタバタ
船Q「わ、ど、どうしたんや?」
竜華「ウチに抱っこされたいんやってー。せやろー?」
「あー」ニコニコ
竜華「ほらほら、おいでー」ダキッ
「♪」キャッキャ
泉「何とも……人見知りせん子ですね」
セーラ「何歳なんや?この子」
船Q「10ヶ月です。ハイハイも掴まり立ちも出来るから普通に相手しとればええと言われとります」
怜「…………………」ムスッ
竜華「いないいなーい…………」
「……………」キョトン
竜華「ばぁー!」
「きゃあああ」ニコニコ
セーラ「………めっちゃ楽しんでるやん」
泉「あの溢れる若妻感はなんですか……」
キャッキャ
怜「………ろりこん竜華。もう知らん」ゴロン
船Q「先輩、不貞寝やめてください。邪魔ですんで」
セーラ「子どもに嫁取られた旦那かいな……」
泉「………いや、妹にお母さん取られたお姉ちゃんですね」
怜「……………」ブスッ
竜華「…………あ、怜!」
怜「!な、何?」
竜華「この前保育園実習の時に作ったガラガラ部室に置いてたよね?どこにあるか知らん?」
怜「……………知らんわ」プイ
竜華「え………」
「あー?」
怜「…………」トタトタ
竜華「?怜準備室に行ってしもた……」
「あーあー」クイクイ
竜華「なー、どうしたんやろうなー?」
泉「………帰ります?」
船Q「…いや、折角ええ映像が撮れてるんで」●REC
セーラ「一体どの層に需要あるんやこの映像………」
準備室内
怜「………ガラガラ。あった」
怜「ちょっと大人気ないやんな……赤ちゃんに嫉妬は」
怜「…うん、将来の予行演習や、ウチもええお母さんになろう」
ガララ
怜「竜華ー、ガラガラ、あった…で……」
「あー、あー」ポヨンポヨン
竜華「あはは、触ってもなんも出えへんよー」ヨシヨシ
怜「はっ?」
ドタタタ
竜華「え?」
怜「おいチビ公!何しとるんやあほっ!」フニッ
「えう………?」
怜「柔らかいほっぺしよってからに!それはウチのおもちやで!?」フニフニ
「あー、………」ジワ
竜華「こ、こら、怜………」
「あああああん!」ビエエエン
泉「わーわー」
竜華「わ、よしよし、怖かったなー?」ユサユサ
「あー、うあああー」ビエエエン
セーラ「おい、怜!アホはお前や!」ビシッ
怜「あうっ」
船Q「さすがに……酷いですわ、コレは」
怜「ご、ごめん……ついカッとなってしもて」アセッ
「あー、あー」グシグシ
竜華「怖かったなー、ごめんなー?」ヨシヨシ
怜「………あの」
「」ビクッ
怜「ご、ごめんな?チビちゃん。これで遊ぼう?」ガラガラ
「!」パアアア
「あー、あ」ジタバタ
竜華「あ、降りるん?」ヒョイ
「あー」ハイハイ
セーラ「怜一直線やな」
船Q「おもちゃのためなら、怒ってきた人も怖くないんやな……」
泉「案外現金ですね……さすが愛宕家の従妹」
船Q「あ?」ジロ
泉「………す、すいません」
怜「ほーい、がらがらー」ガラガラ
「あー」キャッキャ
怜「ほら、ここまでおいで?届かへんやろー?」ニコニコ
「んっ!」ギュッ
竜華「!」
怜「お、掴まり立ちできるんやな。すごいわ」ガラガラ
竜華「(………いや、赤ちゃんに嫉妬は、アカン)」ブンブン
セーラ「形勢逆転か」
泉「あの子が先輩の腕掴んだだけですやん……」
船Q「園城寺先輩と子どもやと、なんか友達同士みたいやね」
「あー」ノビー
怜「もうちょっとやなー」フリフリ
「!」パシッ
怜「あー、とられてもうた」
「あー」パアア
竜華「怜ー」ギュッ
怜「うぇ!?な、なに?」
「♪~」ガラガラ
竜華「怜、ごめんな?」
怜「……ん?あぁ、いや、ウチが悪いわ、あんなん」
怜「でも、竜華が大好きやから、赤ちゃんにも嫉妬してしまうんや…」ギュッ
竜華「んー、ウチも赤ちゃんに嫉妬しとるし」ギュウ
怜「!」
竜華「怜………」チュッ
怜「りゅう、か……」チュッ
「あー?」ガラガラ
セーラ「はーい、良い子は見ちゃダメやでー」ギュッ
泉「最近自分らの世界に入り込むの早くないですか?」
船Q「まぁ……しゃーないんやない?アホやし」
怜「竜華ぁ………」ギュウ
竜華「ん……いつか、子ども一緒に育てような?」ギュッ
怜「そやなぁ………一緒に、ええ家庭作りたいなぁ……」
―――
泉「………物心ついて、『あ、アレいちゃこいてたんか…』てなるやつですね」
船Q「ゲッソリなるやつやなぁ……」ハァ
セーラ「おら、たかいたかーい」
「きゃああああ!」キャピ
セーラ「ええなー、子ども可愛いな」
泉「ですねー」
船Q「(セーラやら部長やらと子ども……なるほど、ええモンが生まれそうやな)」ニヤリ
おわり
ぼちぼちコラボ系も復活しようかなぁ…
読んで頂きありがとうございます。
竜華「へ?」
怜「ずっと考えててん。竜華って、運動できるし、料理できるし、麻雀強いし…」
竜華「や、そんな」テレテレ
怜「なんか不得意なことあるんかなぁ…と」
竜華「………………実はな」
怜「…お、なんかあるんか」
竜華「うん……それも、ゴツいのが」
怜「…………な、何や、それは」
竜華「それはな…………」
怜「………………」ゴクリ
竜華「…これやー!」バサバサ
怜「!?」
怜「なんや……あ、世界史?」
竜華「そう!もー、全く覚えられん!」
怜「来週からテストやなー」
竜華「なんやねん!世界の過去を知ってどうなんねん!」グシャグシャ
怜「わーわー、落ち着いて、竜華」
竜華「コンスタンティヌスって誰やー!カラカラって名前なんに浴場とか作るなやー!」プンプン
怜「や……期末は古代ローマやないで。イスラム史や」
竜華「……?イスラム史って何?」
怜「……その段階なんか」ハァ
竜華「あ、ひょっとして怜、世界史得意!?」
怜「…ま、まぁ、文系科目は全般得意やし、覚えるの好きやし……」
竜華「え、凄いー!教えて下さい怜せんせー!」ガバッ
怜「うわっ……はいはい、なら勉強会しよか?」ナデナデ
竜華「うんっ!」
――
園城寺邸
竜華「お邪魔しまーす!」
怜「邪魔すんなら帰ってー」
竜華「ならさいならー…って、なんでやねんっ!」
怜「お、見事なノリツッコミやな」
竜華「ふふん」ドヤ
怜「………さ、勉強やな」
竜華「…………うん」
怜「イスラムは王朝の名前めっちゃ出てくるやろ?」
竜華「うん……覚えきれん…」
怜「ま、名前はうろ覚えでええねん。問題はどこにあるか、や」
竜華「なるほど」
怜「で、これが地図や。これに王朝書き込んでいくでー」
竜華「わ、なんか授業みたいやな」
怜「ふふふっ、さすがやろー?」ドヤ
竜華「(ドヤ顔怜かわええなぁ)」
怜「まずは……イランからか……と、上下逆やと書きにくい…」トタタ
竜華「え?」
怜「ちょっと座るで」ポスッ
竜華「(えええええ)」
怜「見ときや?ここが初めは……」サラサラ
竜華「(な、なんでいきなり膝の上に…!)」
怜「これが15世紀までで、次が…」
竜華「(ええ匂いするし、柔らかいし…)」
怜「……………竜華?聞いとる?」ジト
竜華「っ!ご、ごめん!」
怜「…ほらあ、ウチに見惚れんと、プリント見ときや?」
竜華「う、うん……」ドキドキ
怜「そんで、中央アジアが…」サラサラ
竜華「………………」
――
怜「っと、こんな感じや。わかった?」クルッ
竜華「……なるほど、ようわかった」
怜「ん、なら良かった」
竜華「センセーより教え方上手やん。凄いなー」
怜「そ、そんな誉めることやないで」テレ
竜華「…でもコレで、大体頭に入ったで」
怜「お?言うたなー?なら、この問題集の275ページからやってみ」
竜華「おっけー」
怜「……全問正解なら、『ご褒美』、あげるな?」ニヤニヤ
竜華「え?………あ」カアッ
怜「……じゃ、ウチあっちの学習机で数学やりよくから」スタ
竜華「(あ、怜膝から降りてしもた……)」
竜華「(………『ご褒美』……)」
竜華「よっし、やるでっ」ゴッ
怜「(まぁイスラム難しいし、満点は無理やろー)」ペラ
怜「……………」カリカリ
竜華「…………」カリカリ
怜「………」ムゥ
竜華「………終わった」
怜「………あ、コレ解答や。丸つけしとって」スッ
竜華「あ、おおきにー」ヒョイ
怜「…ご褒美目当てにズルしたらあかんよ?」
竜華「そ、そんなことせえへんって」アセ
怜「……………」ウーン
竜華「(これも正解…お、次もや)」シュッ…シュッ
怜「……………んー」
竜華「(……え、これまさか)」シュッシュッ
竜華「!(ぜ、全問正解やっ…)」
竜華「怜…あれ」クルッ
怜「…………んん、わからん」
竜華「何しとるん?」
怜「数学…の、なんか応用」
竜華「……あ、なんやこのパターンか。これな?…」サラサラ
怜「え?……ああ、なるほど。コレに代入するんか」
竜華「そうそう。わかった?」
怜「うん、ありがと……竜華、数学得意なん?」
竜華「うんっ!数学と化学が得意科目やっ」キラキラ
怜「………何で理系に行かんやったん」
竜華「だって、文系理系クラス違うやん。怜と一緒のクラスになりたかったから」
怜「!」
怜「……そ、そんな理由で将来左右する選択を…」
竜華「えー、だって怜がいない将来とかありえへんし」ギュー
怜「…もう、ええわ」カアアア
怜「それより、世界史は?」
竜華「……あ、そう!満点やったよ!見て!」ジャーン
怜「え、……わ、マジやん」
竜華「ふっふっふ」ドヤ
怜「(一発で理解するとは…ホンマ、頭ええんやなあ)」
竜華「ね、ご褒美はー?」ワクワク
怜「(……いや、本能に忠実なだけかな)」ジト
竜華「………ねーったら」
怜「いや…ホンマに全問正解するとか思っとらんで…」
怜「(なんも考えてなかったわ……)」アセ
竜華「え、なんもないの?」ジト
怜「うっ…ご、ごめん」
竜華「んー………なら、怜からチューして?それで勘弁したるわ」
怜「へ!?」
竜華「ほら……なんなら目瞑るから」スッ
怜「え、ええ?」
竜華「んー」ズイ
怜「や、でも……」アセ
竜華「…怜やっていつもねだってくるやん。んー」
怜「そうやけど……えー」
怜「(ど、どないしよ)」
竜華「………」
怜「(と、とりあえず首に手を回して…)」ギュ
竜華「!」
怜「………」ドキドキ
竜華「(目開けたら…怜がいっぱいやろうなぁ…)」ドキドキ
怜「あぅ……………や、やっぱ無理やぁ……」フイ
竜華「!………ええぇ?」ジト
怜「はっ……恥ずかしっ……」カアアア
竜華「い、いつもウチ、そんな感じやねんで……?」
怜「や、それはさぁ………立場が……」
竜華「…………なぁ」ジッ
怜「っ、そ、そうやっ」
竜華「ん、何?」
怜「こ、この期末試験で合計点勝った方がチューするんやダメ?」
竜華「えぇー?」
怜「そ、そうやん。世界史のイスラムできただけやったらアカンのやし」アセッ
竜華「んー……まぁ、そうかぁ………」ウーン
怜「(よし、勉強はウチのが辛うじて出来る……はず)」
竜華「ん、じゃあ、今から猛勉強するわ」パッ
怜「!…………そやな」
竜華「………………」
怜「……………」
怜・竜華「(絶対、負けられんなっ)」
おわり
一日目 夜
竜華「ほ、ほんま、なんで監督二人部屋なんかにしたんやろ…なぁ」ドギマギ
怜「(あからさまに緊張しとるな…ま、ウチもやけど)」ドキドキ
怜「(ドッキリのためや、冷静に、冷静に…)」
怜「………さ、早よ寝るで。明日も早いやん」
竜華「そ、そやなぁ…」カチコチ
怜「…布団は………あった、これか」ボフッ
竜華「……お、お布団並べて敷く?」
怜「………一枚でええんやない?」
竜華「!?そ、それはアカンっ!」カアッ
怜「…………一緒に寝たいくせに」
竜華「や、寝たいけど…!立場上合宿中にそんなんは………って…あ」
怜「………煩悩丸出しやん」ニヤニヤ
竜華「~~!と、とにかく、お布団は並べよ!」
怜「はいはい。忍びこんで来んでや?」
竜華「そ、そんなことっ………」カアアア
就寝後
竜華「………………」スーピー
怜「(竜華寝たかな、よし、抜け出さんと)」ゴソッ
竜華「んっ………」ゴソゴソ
怜「(え?)」
竜華「」ガバッ
怜「(わ、わ、こっちの布団に入ってきた) 」ドキドキ
竜華「……………」ゴソゴソ
怜「(な、なんやこれ。………なんやこれ!)」
竜華「…」サワッ
怜「あっ……」ピクッ
竜華「んー…ときぃ………」ギュウウ
怜「んっ(……起きとるんか……?)」
竜華「……好きやぁ、………」サスサス
怜「ひゃっ…背中、やめっ………」ビクビク
竜華「んー……………」スウスウ
怜「(…寝とるんか………このヘタレ、起きとる時にせえや……)」モゾモゾ
怜「(…ぼちぼち出ないとホンマに船Qにどやされる…)」
怜「(なんとか抜けださな)」モガモガ
竜華「…………」ペロッ
怜「んあっ!?もっ………」
――
怜「……な、なんとか、抜け出してきた、で……」ピクピク
船Q「おお、お疲れ様です」
怜「ホンマ、寝とる間だけは積極的やから…」
セーラ「どうせ抱き枕にされとったんやろ?」
怜「(そんなレベルやなかったわ)」ハァ
船Q「…早くしましょ。先輩が気づいたらあきません」
部屋内
セーラ(怜)「(これは…竜華の時と比べ物にならんくらい力が溢れとるな)」
竜華「………」グガー
セーラ(怜)「(これなら、万が一襲われても抵抗できそうや)」
竜華「んぅぅ…………」スピー
セーラ(怜)「(…で、竜華は…完全にウチの布団で寝とるな、まったく)」
セーラ(怜)「(……ウチも竜華の布団で寝よか)」モゾモゾ
セーラ(怜)「(……………竜華の、匂い……)」 スウ
二日目朝
竜華「ん、んぅー」ノビー
竜華「(あれ、寝とる所が違うような……まぁええか)」
竜華「よし、二日目頑張るでー!」
竜華「ほら、怜、起きて……」
セーラ(怜)「んうぅ……」グシグシ
竜華「!?」
セーラ(怜)「………ん、竜華、おはよ(良かった。抱きつかれんで済んだわ)」
セーラ(怜)「(…この体で抱きつかれるんはセーラにも竜華にも申し訳ないしなぁ…)」
竜華「あ………え!?」
一日目夜 おわり
二日目夜 ネタバラシ後
竜華「ホンマ…驚いたわ……」
怜「んー、なら良かったわ。ドッキリやしな?」
竜華「この部屋、カメラはもう無いんよね?」
怜「うん、さっき船Qが全部外してたで」
竜華「そっか………ならええけど」
怜「結構カメラ仕掛けてあったなぁ…」
竜華「………まぁ、ええわ」
怜「?」
竜華「ウチが中身も外見も全部総合して怜を愛してるって、わかってもらえたやろ?」ギュー
怜「さっきも聞いたわソレ…うん、わかったって」
竜華「……ふふ、それなら、ドッキリにかけられるのもアリやなぁ」ギュ
怜「(背中から抱かれるの…ええなぁ)」
竜華「………あのさ」
怜「何ー?」
竜華「セーラが中身の怜は何も思わんかったけど……」
怜「うん」
竜華「袖余った学ランって……めっちゃ興奮する」
怜「は?」
竜華「しかもさ、学ランの下、タンクトップ一枚やん」ムニ
怜「んぁっ……そ、そやけど」
竜華「なんちゅーか…よう考えたら、めっちゃエロいやん…」クニクニ
怜「ふぁっ…へ、へんたいっ」ビクッ
竜華「今後とも是非この格好で学校に……」サワサワ
怜「嫌に決まっとるわ……っ!」ピクピク
竜華「………怜、こっち向いて」
怜「………?」クルッ
竜華「」ドサ
怜「きゃっ!」
竜華「………ふふふ、今日は寝かさへんで…」チュー
怜「んっ……や、嫌やっ!」ビクンッ
竜華「そんなこと言っても体は…」
バタン
竜華「え?」
船Q「………マイク取り外し忘れてました」
泉「……………」カアアア
セーラ「………あんなぁ」
竜華「あ………あっ」
怜「……さいてー」
船Q「すいませんねー?お取込み中に」
竜華「………え、と…」カアア
泉「(船久保先輩……わざと忘れたんやないでしょうね…)」
ガチャガチャ
船Q「…これでホンマに全部撤去やけど」
セーラ「……明日も練習あるからな?ほどほどにな」
パタン
竜華「…………… 」マッカ
怜「…合宿中は部長の立場優先やないの?」
竜華「…そうでした。すみませんでした」
怜「……ほら、寝るで」
竜華「…………うん」
怜「…………………」
竜華「……………………」ドギマギ
怜「………まぁ、そやけど」モゾモゾ
竜華「!?」
怜「ウチのこと、全部愛してくれてるってわかったから…ご褒美や」ギュッ
竜華「え…………え……」
怜「……一緒に、寝たる」
竜華「…………!」
怜「…………」スウスウ
竜華「(ご褒美というか、拷問やん…………!)」ドキドキ
怜「♪~」スリスリ
二日目夜 おわり
三日目夜
怜「…き、肝試し、怖かった…」
竜華「セーラも…一緒に寝てくれんし…どないしよ」ガタガタ
怜「………あの女の人、なんやったんやろ………」ガタガタ
竜華「か、考えるのやめよ!怖いし……」
怜「そ、そやな……」
竜華「ね、寝よ?はやく」
怜「…………うん、おやすみ」
竜華「おやすみー………」
怜「…………………」
竜華「………………………」
怜「なぁ…………」
竜華「!」ビクン
竜華「あ……あ。何?」
怜「あ、ごめん。えっと………」
竜華「………うん、わかるわ」
怜「………一緒に、寝よ?怖い」ビクビク
竜華「…うん、そうしよ」ガタガタ
竜華「ほら、おいで」ピラ
怜「ん…………」ゴソゴソ
竜華「……」ギュッ
怜「………………」ギュウ
竜華「…」
ガタンッ
竜華「!」
怜「ひゃあっ!」
竜華「か、風やから、大丈夫や」
怜「りゅうかぁ……」ヒシ
竜華「ん、大丈夫やから、ウチここにおるから」
怜「ん…………」
セーラ「(………ここ、か?)」ユラ
竜華「え?」
怜「……え…何、あの……影」
セーラ「(…なぁ、まだビビらせるん?)」
船Q「(こっち向かんでください!ただユラユラ立って!ほら)」
怜「あ………あ…」ガタガタ
竜華「」
怜「り、竜華、助けて……」
竜華「」ブクブク
怜「!き、気絶しとる…」
怜「嘘やん……」ビクビク
――
セーラ「(……ぼちぼち可哀想になってきた)」
船Q「あー、気絶しちゃいましたか、なら、もうネタバラシしましょうかね」
――
怜「はぁー?」
セーラ「そゆこと。俺、黒髪ロング似合うやろー?」
船Q「先輩ら見事に騙されるから、ネタバラシするのが惜しくて…」ククク
怜「なんやねん…ビビッとったのアホみたいやん…」
竜華「」ピクピク
怜「おーい、竜華ー」ペチペチ
竜華「女の人が…うあああ」ボー
怜「……だめや、こいつ」
――
四日目朝
竜華「(………なんかすごい怖い夢見た気がするけど……よう覚えてない)」
怜「………………ふぁ」ウトッ
セーラ「(……結局、朝まで意識もどらんやったらしい)」
船Q「(園城寺先輩…夜通し半泣きやったぽいですね。いろんな意味で)」
泉「(……もう先輩で遊ぶのやめましょうよ…)」
三日目の夜 おわり
ありがとうございました。
また明日。
次
怜「付き合って、三日やん?」
竜華「うん、そうやなぁ…」
怜「なんで何もせんの」
竜華「へ?」
怜「ほら、付き合い始めたやん?」
竜華「う、うん…………」ドキドキ
怜「今も一緒に帰っとるやん?」
竜華「そ、そやな」ドギマギ
怜「ね、なんで何もせんの?」
竜華「………ごめん、質問の意味がわからん」
竜華「え、あ、そ、そやな」
怜「…こう……恋人らしく…手を繋いで帰るとかさぁ……」
竜華「………あ…いや」
怜「………ほら、手」スッ
竜華「……………………!」
怜「……ウチの手が寒いて言うてるよー?」
竜華「う………うぅ」カアアッ
怜「…ほら、風邪引いてまうー」フリフリ
竜華「…………ご、ごめんっ!」ダダダッ
怜「あっ………えええ」
怜「ホンマに行ってしもた……もう」
怜「折角付き合い始めたんに……これやと避けられとるみたいやん」
怜「えーかげん……不安になるで………」ハァ
船Q「……先輩らマジで付き合い始めたんですね」
怜「わ、船Q」
怜「わ、船Q」
船Q「清水谷先輩から聞いてましたけど……先輩の妄想かなんかと思ってました」
怜「……それは酷すぎやない?」
船Q「ま、とりあえず…おめでとうございます」
怜「…いや……でもこれ、付き合いよるって言うんかな……」ポリポリ
船Q「逃げられましたもんね」
怜「付き合い始めてからずっとこんな感じやねん…膝枕すらしてくれへんし」
船Q「そうですねぇ………」
怜「どうすればええと思う?」
船Q「………まぁ、考えがないわけではないけど」
怜「え、マジで?」
船Q「上手くいくかはわからんけど……一応…やってみよか」
怜「期待しとるで、千里山の頭脳」ポン
船Q「……おまかせあれ」
船Q「(新薬……ええわ、清水谷先輩なら死にはせんやろ)」
公園内
竜華「あー……またやってしもたぁ………」ガシガシ
竜華「いやぁ……怜可愛いしぃ……無理やん?ふつう」
竜華「…でもヘタレすぎると見放されるよなぁ……なんとかせんと」
竜華「これでも雰囲気とかあれば抱きしめれるし、膝枕やってできる…」
竜華「手ー繋ぐくらい…出来る……はずや、うん」
竜華「あ、明日、明日頑張るで…!」
船Q「明日、で、ええんですか?」
竜華「!ひ、浩子!?どこから……」
船Q「明日手ー繋ご思ってたら、今日愛想尽かされるかもしれませんよ?」
竜華「た、確かに…でもさぁ」
船Q「でも、もなんもありませんて……あ、これ、あげます」
竜華「?何これ、ジュース?」
船Q「栄養ドリンクみたいなもんです。ま、私の応援の気持ちですね」
竜華「さ、さよか……ありがとう」プシッ
船Q「…………園城寺先輩、もう少ししたらここ通ると思うんで、頑張ってくださいね?」
竜華「うん……おおきになー」
船Q「いえいえ。じゃ、私はこれで」
竜華「………」ゴクゴク
船Q「ただ今戻りました」
怜「……え、どこ行ってたん。人を道に待たせて」
船Q「まぁ、作戦決行中です。」
怜「お、なんか凄そうやな。で、ウチは何すればええの?」
船Q「とりあえず、あっちのコンビニで週刊誌ひとつ読んでください」
怜「へ…週刊誌……?」
船Q「読み終わったら、頃合なんで、公園に行ってください。清水谷先輩がおりますから」
怜「う、うん……わかったけど、それでええの?」
船Q「大丈夫です。100パー、手繋いでくれます。保障しますよ」
怜「………船Qがそういうならそうかもな。ありがとう」
船Q「(手繋ぐだけで……終わればええですね)」ニヤ
怜「?どしたん船Q」
船Q「!い、いえ…私は用があるんで帰りますね」スタスタ
怜「うん、じゃーね」フリフリ
怜「さて……えっと、コンビニやっけ」
コンビニ内
怜「………週刊誌を一冊、やっけ」
怜「何の意味があるんやろ………」ウーン
怜「ま、ええわ。丁度見たいのあったし」ペラ
――
公園内
竜華「……怜、来ぉへんなぁ…」
竜華「浩子、適当なこと言うたんちゃうやろな」
竜華「………怜が来たら、絶対、手繋ぐで……!」
ドクン
竜華「んっ?」
ドックン ドックン
竜華「……なんや…これ」
ドッドッドッドッ
竜華「…………!」カアアア
竜華「ひ、浩子……まさかこのドリンク…」
コンビニ内
怜「………ふう、面白かったな」パタン
怜「立ち読みだけやと申し訳ないから…お茶買って……と」
アリガトウゴザイマシター
怜「よし、公園行こうか」
――
公園内
竜華「はぁ……はぁ…………ヤバい」
竜華「(怜が来たら……絶対手ー繋ぐどころじゃ済まんっ……!)」バクバク
竜華「(即家に連れ込んで…いや、この場でしてしまいそうや)」
竜華「に、逃げな…」
怜「竜華ー?」
竜華「!」
竜華「!」
竜華「…………あ、とき、」バクバク
怜「(さっき以上に挙動不審やん…大丈夫なん?これ)」
怜「さっきはごめんな?一緒に帰ろう…?」トタトタ
竜華「………!」ズザザザ
怜「(…………おい船Q……)」
竜華「(駄目や、これは、ヤバい)」カアア
怜「あれ、竜華、顔赤ない?」
竜華「え!?そ、そんなことないで!?」
怜「そんなことあるって…動かんでや、そこ…」スタタ
竜華「あ……え?」バクバク
怜「………ん、ちょっと屈んで」
竜華「………こ、こう?」
怜「…ありがと」ピタ
竜華「ひゃぁっ!?(怜の手が額に……てか、背伸びしとる怜が目の前に…!)」
怜「何変な声出してんねん」
竜華「(………触れてるところが…ビリビリする…!)」ムラムラ
怜「………熱はないなー?」
竜華「て、手で測るのでわかるん?」ドキドキ
怜「うん、まぁ、病弱やから」
竜華「………そ、そか」
怜「(?病弱アピール言わへんねやろか…)」
竜華「だ、大丈夫やから、帰ろう?」ドッドッ
竜華「(そや、帰りながら、もう無心に、ただただ歩くことだけを考えよ、うん)」
怜「…あ、お茶あるで?飲む?」
竜華「ほ、欲しいっ!」
怜「はい、飲みかけやけど」
竜華「おおきにっ!(た、多少これで薄まるかな……って)」
怜「?」
竜華「(の、飲みかけって……かかかか間接キスやん…!)」ワタワタ
怜「…りゅうかぁ?いらんの?」
竜華「うん、や、やっぱええわ。とりあえず風に当たりたいから帰ろうや」ヒョコヒョコ
怜「……うん、ええけど…………」
怜「(…挙動不審度が増してる以外、普通やな…船Qいったい何をしたんや……?)」
竜華「(右足を出して…同時に右手を…あれ、左手だっけ)」カチコチ
怜「…………そういえば、りゅうか」
竜華「………は、はひ!?」ドキドキ
怜「さっき、なんでウチから離れたん」ジト
竜華「(……そ、そんな顔で見られたらっ…!)」
竜華「べ、別に…!」
怜「…………何もなくて、恋人から逃げるヤツがおるかいな」
竜華「う………そやけど」ドキドキ
怜「(んー、モーションかけた方がええんかな)」
怜「………なぁ、竜華ぁ……」
竜華「え、なに!?」
怜「ウチの手、冷たいぃ………」スリスリ
竜華「!」
怜「誰かさんが握ってくれへんから…」
竜華「ごご、ごめんっ!」ギュッ
怜「!(両手ごと……か)」ドキ
竜華「んっ…(手も………アカンのか)」ビクッ
怜「………あ、竜華の手、あったかいな」
竜華「せ、せやろー?(体の芯からあったかいどころの騒ぎやないけどっ!)」ムラムラ
怜「やっと、手握ってくれたな?」
竜華「!こ、これは勢いで…ごめん、離すっ…」
怜「いやいや、やめてや」
竜華「へ………?」
怜「今日は、これで、連れて帰ってくれるんやろ?」ギュッ
竜華「うひゃっ……!」
竜華「(こ、これ……恋人繋ぎ……やんなっ……!)」
竜華「(指の間まで敏感になっとるしっ…)」ピクッ
怜「竜華………?」ジッ
竜華「(う、上目遣いとか……今してこんでよっ……!)」バクバク
怜「ホンマ、さっき公園で会ってから………おかしない?」
竜華「……や、その……色々おかしいけど……」
怜「どうしたんや」
竜華「う……い、言えへん」
怜「えー、なんそれ」ジト
竜華「…………抑えがきかんくなりそうなんや」ボソ
怜「………………竜華?」
竜華「…………い、いや!な、なんでもないっ!」
怜「ふふっ……竜華」トスッ
竜華「ひぁっ!?な、なんやいきなり肩にっ………」
怜「………抑えなんて、きかせんで、ええんやで?」ニコ
竜華「っ…………」ドックンドックン
竜華「怜!」ガシッ
怜「え?な、何?」
竜華「(そ、そんな誘い文句……っ、襲うしかっ!)」バクバク
怜「(………手ー繋いで、すぐ、初チューか)」ドキドキ
竜華「…………怜」
怜「……竜華……」
竜華「……やっぱり、アカーンっ!」フイッ
怜「……………はっ?」
竜華「ごめんな怜、ウチやっぱ先に帰るわっ!」ダダダダ
怜「ちょ、竜華…………嘘やん」
竜華「(い、一時の感情で大事な初チュー失ってたまるかっ!)」
竜華「(夜景の見える丘とかそういう綺麗なところでチューしたいんやっ!)」
竜華「じゃ、じゃーね!」
怜「ええ……」ポツン
怜「………………」ムス
セーラ「おい浩子、怜めっちゃ不機嫌なんやけど」
船Q「あっれー?先輩、うまく行きませんでした?」
怜「10秒くらい手ー握って…それで終いや。ダッシュで逃げよった」
船Q「(えー…通常の8倍は増幅されるし…発散せな効き目なくならんのに……)」
セーラ「?ああ、手ー繋いでくれんって話か」
怜「あんなん手ー繋いだ内に入らんわ。もう」
船Q「おっかしいなぁ………」
竜華「」ガラッ
船Q「あ、清水谷先輩」
竜華「~~~~!」ツカツカ
船Q「…………発散できました?」
竜華「………しとらんわっ!解毒剤、寄越しっ!」カアアア
おわり
次
華菜「天江衣!大阪に行くしっ!」
龍門渕高校内
透華「あなたは…風越の」
衣「?なんでいきなり大阪に向かうのだ?」
華菜「打ちに行くんだしっ!一緒に来るしっ!」
衣「!その者は、強いのか!?」キラキラ
華菜「ちょー強いしっ!華菜ちゃんトばされちゃったしっ!」
一「(普通な打ち手でもトばされそうだけどな、この大将は)」
衣「……行こう!」キラキラ
華菜「よっし!…というわけで、天江を連れて行くしっ!じゃっ!」バタバタ
衣「やったー!」トテトテ
バタン
透華「…………なんですって!?」
一「反応遅いよ、透華……」
透華「風越のに連れて行かれましたわっ!一体どうしたらっ……!」アワアワ
一「大丈夫だよ。衣だってもう高校生だし」ポン
新大阪駅
華菜「着いたー!」
衣「(何か既視感を覚える景観……衣はここに来たことがあるのか?)」
衣「…それで、どこに行くんだ?」
華菜「」プルルルル
衣「?」
――
千里山 部室内
ピリリリ
怜「あ、来た来た。もしもしー」
怜「うん、うん、おっけー。じゃそこに居ってなー」ピッ
竜華「誰から電話?」
怜「うん。ちょっと後輩のために、な♪」
セーラ「……どういうことや?」
船Q「あ、お願いしてた人ですか。ありがとうございます」
怜「うん!じゃ、ちょっと迎えに行ってくるー」トタトタ
竜華「え、じゃあウチも行くっ!」
船Q「早よ連れて来てくださいねー」
セーラ「……じゃ、俺らは打とうか」
泉「(………もう11月やけど、先輩らはいつまで部室に入り浸る気なんだろう…)」
駅構内
竜華「なぁ、結局誰なん?誰かこっちに来たん?」
怜「会ってからのお楽しみやでー♪」
竜華「ええー……もう」
怜「お、おったわ、おーい」
華菜「おそいしっ!」
怜「やかましわ。先輩呼びつけてから」ピシ
華菜「んにゃっ!?よ、呼びつけたのはそっちだしぃ…」
竜華「わ………久しぶりやな、華菜ちゃん」
華菜「よっすっ!千里山の大将さん!」
衣「この者たちなのか?衣と打ってくれるのは」
衣「(見たことがあるような……)」
竜華「!この子……」
衣「(思い出した!いつぞやの祭事の際に打ってくれた人だ!)」
衣「よろしく頼むぞ!」パアッ
竜華「(か、かわいいっ!)」キューン
衣「(……でも、あの時打ったのは男の人だったような…?)」ウーン
華菜「……何見つめ合ってるんだ?」
怜「ほらほら、行くで」
怜「ここや」ガラガラ
華菜「おお、さすが名門!うちと同じくらい広いしっ!」トタトタ
泉「おかえりなさいーって、わ」
セーラ「……こいつは………」
華菜「ふふふ、華菜ちゃんがそんなに怖いか?」ドヤア
怜「ちゃうわ。お前の後ろや」
華菜「……う、わかってるけど……」ジワ
衣「……衣と打ってくれるオトモダチか」
船Q「(園城寺先輩が最恐の高校2年生とオトモダチとはな…)」
竜華「打とう!衣ちゃんっ!」
衣「!ちゃんではなくっ!」
竜華「え、あかんかった?可愛いやん、『衣ちゃん』って」
衣「もう17歳だっ!衣はもう子どもじゃないっ!」
竜華「ふふ、ウチは18歳やでー?」ヒョイ
衣「ふぁっ」
竜華「可愛えなぁ…よし、打とう」トタトタ
衣「……抱えて、運ぶなぁぁ……」
怜「……………」ジト
華菜「……?大丈夫かー?」
怜「…気安くタメ口きくなや、ボケ」パシ
華菜「んにゃっ!なんでそんなに機嫌悪くなってるんだし…」
怜「……うっさいわ、うりうり」プニプニ
華菜「にゃあああああ……や、やめろしぃ…」
竜華「…………………」ジト
怜「……………」イライラ
セーラ「え、ええから、とにかく打とうやー!」
竜華「…華菜ちゃん、3麻しようや」
華菜「え……わかったし……」
怜「………………トビなしでな」
――
怜「ロン。5200」
池田「わっ!起家いきなり流されたしっ……」
竜華「ロン。2000」
池田「にゃっ!……うう、はい」
竜華「ロン。6100」
池田「連荘止められなかったし……」
怜「ロン。5800」
池田「にゃああ!?」
怜「ロン。11600」
池田「………もう点棒なくなっちゃったし…」
竜華「ロン。24300」
華菜「」
――
衣「♪~」
セーラ「うわ……ゴツいいじめやな……」
泉「無極点ってもんやないですね」
船Q「お互いからむしり合えば平和に済むのに…」
衣「ツモ!6000オール」
泉「(……こっちもこっちで気を抜くとえげつない…)」
華菜「あ…ありがとうございました………」カタカタ
怜「………ごめんな、」
華菜「ひゃひぃ!?」ビクン
竜華「そ、そんなおびえんで?ちょっとイラついてて……」
華菜「(ま…麻雀やってる時よりは怖くない)」
竜華「……楽しかったで?また遊ぼうな?」
華菜「うん!遊びたいしっ!」バクバク
怜「…………そやな」プニ
華菜「うう……」
――
セーラ「アレでよくまたあいつ等と遊ぼうと思えるよな…」
船Q「あの風越の大将は日本一の鋼メンタルの持ち主と呼ばれてますから」
泉「確かに……メンタル強そうですね。あの人」
衣「……(あんまり構ってもらえなかった……)」ショボン
竜華「……衣ちゃん」ナデナデ
衣「!」パアアア
竜華「あんまりお構い出来んでごめんなー?」
衣「あっ………こほん」キリ
衣「衣を子ども扱いするんじゃないっ!」
竜華「…ふふ、さよか」ナデナデ
衣「な、撫でるのをやめて…話を……ふぁぁ」
怜「…………」イライラ
セーラ「……こ、衣ちゃん?華菜ちゃん?帰るで?」
華菜「?」
船Q「このエリアは危険です。逃げないと」
泉「(どーでもいい修羅場に巻き込まれますからね)」
セーラ「帰り道たこ焼きつれてったるわー」
衣「!そ、それはまことか!?」キラキラ
華菜「やったー!早くいくしっ!」
セーラ「………んじゃ、ごゆっくり」
ガラガラ
竜華「…………………」
怜「……………」
怜「…衣ちゃんと、えらい仲良くしてたなぁ?」
竜華「………」
怜「会ってちょっとの子を抱き上げたり普通するー?タラシやな、竜華は」
竜華「…返すようやけどな、そっちだって」
怜「?」
竜華「ちょっと会っただけの人とすぐアドレス交換するやん。華菜ちゃんとか憧ちゃんとか」
怜「!そんなっ…やましい気持ちは全くないで?」アセ
竜華「……わかっとるけど、さぁ。」
竜華「怜んが……タラシに見えるわ……」
怜「ご……ごめん」
怜「でもさぁ…それと衣ちゃんと仲良うすんのは、関係、ないやん…」
竜華「…………から」ボソ
怜「え?」
竜華「や、妬かせたかったから……」カアアア
怜「…………!」
怜「りゅうかぁー!」ギュウ
竜華「にゃっ!?な、何?」
怜「んふふ。どうにも可愛く思えてなぁー」スリスリ
竜華「わ、わかったから、離れてっ……!」ドギマギ
怜「ウチは竜華しか見えてへんでー?」ギュー
竜華「も…知ってるって…………」ナデナデ
怜「……ふふ、なんか、いつもと逆やな…」
竜華「ん……そやなぁ」
怜「…………あ、そうや」
竜華「え?」
つづく
次
怜「今日はウチが上や」
上のの続きです。
過激な表現が出ますので注意。
清水谷邸 竜華部屋
竜華「怜」
怜「ん?なーに?」
竜華「今日は、確かに泊りって話やったけどさ…」
怜「うん」
竜華「なんで、ウチは押し倒されとるん?」
怜「んー?なんでやろ」チュッ
竜華「や、ごまかさんでや」
怜「えー?ごまかしてないって」
竜華「いやいや、おかしいやろこの状況。なんで押し倒すという選択に至ったんや」
怜「いや、さっきさぁ、嫉妬しとる竜華めっちゃかわいかったやん?」
竜華「…知らんけど」
怜「でさ、冷静に考えたんやけど、うちらってどう考えても私が攻めやん?」
竜華「ちょちょ、待て!」
怜「ん?何?」
竜華「めっちゃ話飛んだんやけど!何!?」
怜「いや飛んでないってー…そやからさ」
竜華「うん…?」
怜「ウチは普段から竜華の胸触ったり太ももスリスリしたりするやん?」
竜華「え…ま、そやけど」
怜「それなのに、ベッドの上では竜華に主導権握られるとか、おかしくない?」
竜華「えぇ…そうなんかなぁ……」
怜「や、絶対おかしいって。ウチがたぶらかして竜華が照れるって構図が自然なんやって」
竜華「えぇ……(普段からそんな感じやけど……)」
怜「…そやから、今日からウチが上な?」
竜華「うぅ……じゃ、お願いします…」カアア
怜「(多少変なこと言っても押し切れるから竜華って楽やわー)」
怜「(たまには竜華にも気持ちよくなって欲しいもんなぁ…)」
――
怜「(…とは言ったものの)」
怜「(……普段、竜華ってどこからしてるっけ…?)」
竜華「怜……?」
怜「(とりあえず、ちゅーかな)」チュー
竜華「ふっ……んんぅ」
怜「んっ…んぁっ……」
竜華「…(……上からキスされんの…新鮮やな)」
怜「(……次、次……口を離れて、耳か)」
竜華「……っぷはっ…」
怜「ふっ……あむ」カプ
竜華「………………」ピク
怜「(………あれ、あんまり反応せんなぁ…)」ペロペロ
竜華「………」
怜「(…ウチ、普段やとこのへんでもう限界やのに)」
怜「………んぅう」ハムハム
竜華「んっ……くすぐったい…」クスクス
怜「…………」ジト
竜華「…あ、ご、ごめん」
怜「…その余裕、今に崩したるわっ」カプ
竜華「わ……どこに噛み付いてるねん」
怜「………鎖骨や」ハムハム
竜華「(………怜って、噛み癖あるよなぁ……)」ビクッ
怜「(………全然、感じてへんし…)」ムゥ
竜華「(……なんか、やられてる事自体より…)」
竜華「(怜にこんなんさせてるのが…むっちゃ緊張する)」ドキドキ
怜「(…もっと盛り上がってから脱がされるモンやけど……もう、ええわ)」プチプチ
竜華「!ちょっ…」
怜「んー?竜華のパジャマ可愛いなー?」
竜華「や。ぬ、脱がさんでよっ…!」
怜「だって、脱がさな出来へんやん」プチプチ
竜華「…………あかんって」ドキドキ
怜「言う割に抵抗せーへんしな♪」
竜華「……うぅ」カアッ
怜「(……あと一押し…かな)」ムニ
竜華「ひゃっ!?」
怜「やっぱり大きいなぁ……」モムモム
竜華「……うぅ……」カアアッ
怜「…普段揉まれてもそんな反応せんやん。どしたん?」ムニュ
竜華「っ!…じょ、状況が違うわっ!」
怜「……まぁ、それもそうやな」ハム
竜華「っあ!?」
怜「(鎖骨と合わせ技なら……いけるかな?)」カミカミ
竜華「んっ…………あ」
怜「(え、えっちぃ声でだした……)」ドキドキ
怜「か、可愛いで……竜華」ムニ
竜華「い、今なんも話しかけんでっ………んっ」ピクン
怜「(……そやな、ここで話しかけられても自分で精いっぱいやもんな)」
竜華「…………な、怜っ……」
怜「…な、何?」
竜華「………えっと………さ、先もっ……触って、欲しい」カアアッ
怜「!(これはっ……アリやな)」ムラムラ
怜「どーしよっかなぁ…」ペロッ
竜華「じ、焦らさんでよっ…!」
怜「…………普段焦らしとるのはどっちや…」
竜華「う…」
怜「…………ま、ええわ」クニッ
竜華「っあっ!」ビクン
怜「…わ、めっちゃえっちぃ顔しとるやん」クニクニ
竜華「うっさいっ……んあっ」
怜「…………可愛い」
竜華「っはっ……はぁっ……!怜ぃ…」モジモジ
怜「…(ちょっと腕疲れてきたな)」クニクニ
怜「(…………こうしよ)」ドサッ
竜華「怜!?大丈夫!?」
怜「んー」ハム
竜華「ふぁあっ………!」
怜「………」チューチュー
竜華「ちょっ……す、吸わんで………っ!」
怜「(ちょっと…これはやってる方も恥ずかしいんやな………)」カアッ
竜華「…んっ……あっ……」
怜「(…………よし、ぼちぼち、頃合かな…)」サワッ
竜華「ひゃぁっ!?」
怜「さすが最高のふとももやなぁ……」サワサワ
竜華「…………ちょ、くすぐったいっ……」
怜「ふふふふ、(このまま上がって…)」クニッ
竜華「ひゃあっ!」
怜「(ほんで、合わせ技やっ!)」ハム
竜華「んっ!?………はっ…!」ピクピク
怜「ふぃもちふぇぇ………?」ペロペロ
竜華「ちょっ……やぁっ…!」
怜「(初めは触れるか触れないか……やんなぁ)」サワサワ
竜華「む、無理っ……んあぁっ……!」ビクビク
怜「……わ、竜華めっちゃ濡れてるやん」
竜華「い、言わんといてよっ…」
怜「…………ふふ、嬉しいで…」クチュッ
竜華「んあぁっ!」ビクン
怜「(…幸せ、やなぁ………)」クチュクチュ
竜華「んっ…!はっ………いやぁっ!」
――――
――
竜華「………………!」ガクガク
怜「(イッたんか…?)」ハァハァ
竜華「っ!」ガクン
怜「イッた……か……」
怜「……………はぁ、つ、疲れたっ…」クタッ
怜「腕で自分の体支えるんもキツいんやなぁ…」
怜「普段、竜華って凄い頑張ってくれてるんやなぁ…」ギュッ
竜華「……………」
怜「………ふふっ、でも、気持ちようなってくれたんかなぁ…」ギュウ
竜華「…………うん、めっちゃ気持ち良かったで」ギュッ
怜「!?」
怜「お、起きてたん!?」
竜華「ふふ、ウチも幸せやったわぁ……怜に抱かれて」
怜「………なんか、恥ずかしいなぁ…」フイ
竜華「……でも、あんま向いてないやろ?怜、体力ないし」
怜「…………えぅ…ま、確かに……」
竜華「やからさ」ドサッ
怜「きゃっ!」
竜華「やっぱ、こっちんが良くない?」
怜「んっ………でも、ウチにもやらせてや?」
竜華「んー、そやなぁ…考えとくわ」ペロッ
怜「んあっ……ちょ、まさか」
竜華「………さ、二回戦やな」
怜「…やあっ!やめっ!………ふぁああ!」
おわり
見切り発車って良くないですね…
すみません。
読んで頂きありがとうございました。
また明日。
竜華「えー、動こうよ!涼しくてええ季節やん!」
怜「動くのきらーい、ご飯食べよう?」
セーラ「何の話しよるんー?」
竜華「ん?週末のデート何するか」
セーラ「あー、じゃあ俺はこれで」
怜「待ちや!」
セーラ「いや、この話聞いてても絶対楽しくないやん」
怜「でも、自分らで決められへんもん」
泉「で、何行こうとしてるんですか?」
竜華「バトミントンか、秋刀魚か」
船Q「ほう…………」
竜華「やっぱ、バドミントンやんなぁ?そこの近くアスレチックもあるし行きたいー!」
セーラ「おお、楽しそうやな」
怜「や、秋刀魚の美味い季節になったやん?食べに行きたい」
船Q「ああ、確かに、安くなってますね、秋刀魚」
泉「………ほんなら、釣りに行ったらどうです?」
竜華「?ああ」
怜「それなら……確かに、スポーツも食欲も満たされるなぁ」
セーラ「………釣りって、そんな動くか?」
船Q「……というか、秋刀魚は外遊魚ですよ?船釣りで遠くに行かないと」
怜「えー………船酔いする……」
竜華「!それは、確かにダメやな」
泉「なら、普通にどっかで堤防釣り行ったらどうですか?」
船Q「……でも、用具もなんも持ってないんやろ?」
怜「確かに………なんか別の策を考えようかな……」
セーラ「(………俺らなんで真剣にこいつらのデートの話してんねん)」
ピリリリリ
竜華「ん?電話や」ピッ
怜「誰から?」
竜華「もしもし、誠子ー?どしたん?」
誠子『先輩っっ!今、釣りの話してました!?』
『ちょっと、誠子……』
竜華「?してたけど………」
誠子『行きましょ!行きましょ!釣り!』キラキラ
竜華「え、うん………?」
誠子『やー、関西の方に行きたかった海釣りスポットあるんですよ!』
怜「…………アツいやつやな」
誠子『あ、尭深も連れて行きますんで!いいですか!?』
『え、今週末は静岡に行く予定だったよね……?』
竜華「う、うん…………」
誠子『やったぁー!じゃ、またあとで連絡しますっ!』
『ちょ、誠子、しつr』ピッ
竜華「………………」
怜「白糸台の、ふぃっしゃー……」
セーラ「……まあ、ええやん、週末の予定決まって」
日曜日
誠子「こんにちはっ!」キラキラ
竜華「げ、元気やなぁ……」
誠子「いやー、先輩たちが釣りに興味持ってくださってホント嬉しいですっ!」ニコニコ
誠子「あ、先輩らの分の釣竿も用意してますんで!」
怜「(……あんな喋るほうやっけ……この子)」
尭深「あの………すいません、誠子が暴走してしまって…」
怜「いや、ウチらはええよ?行きたかったし、釣り」
誠子「さ!こっちですっ!ちょっと遠いですけどっ!」スタスタ
竜華「う、うん(テンションについていけるか自信がない…)」
海釣り公園
誠子「ここです!」
竜華「おー!海やな!」
誠子「んー……ここです、はい、先輩」
怜「……………………寒いー」ブルブル
尭深「わー…晴れててきれいー」
尭深「(はじめはちょっと嫌だったけど…)」
誠子「………♪~」
尭深「(誠子が楽しそうだから、ま、いいかなぁー)」
誠子「あ、これゴカイです」
竜華「ミミズとは違うん?」
誠子「んー…似たようなもんですよ」
尭深「ぅ…………これ、触るの…?」
誠子「あー、尭深こういうの苦手だもんねー」ヒョイ
尭深「!」
誠子「こうして頭から………はい、できた!」ニカッ
尭深「あ、ありがとう……」カアッ
竜華「…………お熱いねー」
誠子「!い、いや、そんなつもりじゃ」アセ
竜華「(うう…ウチも、気持ち悪いけど、怜に付けてあげよっ)」
竜華「怜ー?」
怜「キモいなー、こいつ」ヒョイ
「………」ウネウネ
竜華「え、怜、持てるん!?」
怜「?ああ……竜華こういうの苦手やっけ?」
竜華「う………そ、そんなわけやないけどっ……」
怜「なら、こうされても平気ー?」ズイ
竜華「うあああ!ちょ、近づけるのやめっ!」
怜「ほれほれー♪」ヒョイヒョイ
竜華「わわわ……せ、誠子!助けてっ……!」
誠子「……あ、あれならワームもありますよ?ちょっと食いつき悪くなりますけど」
竜華「!そっちで!そっちでお願いしますっ!」
パシャ
尭深「(……………釣れないなぁ…)」
誠子「♪」
尭深「(………誠子は集中してるから話しかけづらいし…)」
怜「りゅうかぁー」ヒョコ
竜華「わっ、いきなり膝の上に載ってこんでよ!」グラ
怜「だってぇ…全然釣れへんから……竿置いてきたわー」
竜華「もう……その待つんが釣りの醍醐味やんか…」
怜「待てへんー!竜華のそばにずっと居りたい―」ギュウ
竜華「…………もう」カアッ
尭深「(……あっちは全力でイチャイチャしてるから話しかけれない……)」
尭深「……………」ポツーン
尭深「(…お茶持って来ればよかったなぁ)」ハァ
ピクリ
尭深「…………あれ」
グイグイ!
尭深「!…………わ、かかったっ…」
グンッ
尭深「おもい……引き込まれそう……」グイグイ
誠子「尭深ッ!」タタッ
尭深「あ、誠子」
誠子「このしなりッ……!来ている…大物がっ!」グッ
尭深「え……!」
誠子「尭深!持っててっ!」ギュッ
尭深「………」ドキドキ
尭深「(…後ろから竿持たれて…抱きつかれてるみたい……)」カアッ
誠子「んっ…………もうちょいっ!」カリカリ
尭深「(初めて抱きつかれたのが、釣り中なんて…)」
誠子「尭深っ!しっかり持っててねっ!引くからっ!」
尭深「…うん(誠子らしいね)」クスッ
ザパッ
尭深「!」
竜華「おお!めっちゃおっきいの釣れたやんっ」
誠子「やったよっ!尭深!スズキだよっ!超大物だよっ!」キラキラ
尭深「う、うん………そうだね」
誠子「これは80センチいってそうだなぁ……♪」
尭深「せ、誠子?」
誠子「うん?」
尭深「嬉しいのは…わかるんだけど、離してもらえないかなぁって」カアッ
誠子「…………………!」パッ
誠子「あ……あう………」カアアア
怜「おうおう、おさかなさんみたいに口をパクパクしとりますなぁ」ホホウ
竜華「………あ、こっちもかかったで、怜!」
怜「けっこう釣れたなぁ」
誠子「この釣果は予想以上ですよ!」キラキラ
尭深「……でもこれ、どうするんですか?ここ料理とかできないみたいですけど…」
竜華「二人がよければ、ウチで夕飯食べてく?」
誠子「え、いいんですか…?」
怜「おっきいスズキもあるんや、食べな損やでー」
尭深「じゃ、じゃあ……お言葉に甘えよう?」
誠子「うん、そうだねー」
清水谷邸
セーラ「……で、俺らはなんでここに?」
竜華「調子に乗って作ってたら…ちょっと4人では食べきれなくなっちゃって」テヘ
泉「わー、いっぱい釣れたんですねー?」
怜「……魚屋で秋刀魚買うてもろうたのとかも入ってるけどな」
船Q「ほう、季節とはいえ…スズキ釣ったなんて、すごいですねぇ?」
誠子「……………あ、」
船Q「うん?」
誠子「……………愛の力ですっ!」ドヤア
尭深「……………」カアア
船Q「…………………うん?」
おわり
次
怜「姉妹ぷれいをもっと極めようと思う」
竜華「はぁ………?」
怜「なんやお姉ちゃん、ノリ気やないん?」
竜華「いや、…うーん、妹は欲しいけど……」
怜「ほらー、妹っぽく扱ってよ」
竜華「そうは言うけどなぁ…妹居ったことないからようわからんわ」
怜「ウチもお姉ちゃん居ったことないから、こんなんでええんかわからんけど…」
竜華「じゃあ、もうええやん?帰ろうや」
怜「………あかんっ!じゃ、修行行くでっ!」
竜華「え、修行って、どこに?」
怜「奈良やっ!」キリッ
竜華「……………は?」
奈良 吉野
怜「ここやー♪」
竜華「なんかめっちゃ山奥やん……」
怜「まあついて来てやー?」トタトタ
竜華「わぁ、待ってーな、怜…」
――
松実館
怜「ここやで」ガラガラ
竜華「松実館?……って、」
怜「ごめんくださーい」
玄「はいはーい……あ、園城寺さん!」
怜「ごめんな?突然来ちゃって」
玄「いえいえ、とりあえずこっちへー」トタトタ
竜華「(そういや玄ちゃんの所は実家旅館やって言ってた気がするけど)」
竜華「(なんで、ここに………?)」
宥部屋
怜「お邪魔しますー」
宥「わー、清水谷さんと園城寺さん、いらっしゃいー」フリフリ
竜華「(……炬燵の中でうごめいてるのが、宥ちゃんなのかな…?)」
怜「名前で呼んでや、宥ちゃん」
宥「そうー?わかった」
竜華「今日は涼しいです……よね?」
宥「ううん、今日はすっごく寒い………」プルプル
竜華「(………なるほど、インハイの時もマフラーしとったな、そういえば)」
ガラガラ
玄「はい、お茶ですー」コト
竜華「あ、玄ちゃんおおきに」
宥「それで、お二人はどうしてここに?」
怜「………それがな」
玄「ふぅーむ、なるほどなるほどー」
怜「そんな訳で、姉妹ってどないなんかなぁって思って」
竜華「(…めっちゃ恥ずかしいんやけど………)」カアア
宥「でも、何から話せばいいのかなぁ…」
怜「えっと…じゃ、まず、お互いの事何て呼んでるん?」
玄「普通に…お姉ちゃんって呼んでます」
宥「私は玄ちゃんって呼んでるよー」
怜「やって、お姉ちゃん?」
竜華「………う、そうなんやなぁ」
怜「ええー?怜ちゃんって呼んでやー」ユサユサ
竜華「…ちょっと、いや、だいぶ恥ずかしい…」
怜「ほらぁ…お姉ちゃん、呼んでってぇ」
竜華「わ、わかったって…と、怜ちゃん?」
怜「よしよし、ようできたなぁ~」ナデナデ
竜華「う、うん(なんか馬鹿にされてるみたいやなぁ…)」
玄「あとは……そうですねぇ」
宥「玄ちゃーん……」プルプル
玄「あ、お姉ちゃん寒い?半纏持ってくるね!」
怜「!」
ガラガラ
玄「はい、これ」
宥「ありがと~」
怜「なぁ、今の、以心伝心やんなぁ?」キラキラ
宥「えー?」
怜「名前呼んだだけで何が用かわかってたやん」
玄「あー、確かにそうですねぇ」
竜華「どうしてわかったん?」
玄「なんとなく……イントネーションですかねー?」
竜華「へー、すごいなぁ…」
怜「よし、実践や!」
竜華「は!?や、ちょっと無理あるやろ……」
怜「なあ、お姉ちゃん……」ジッ
竜華「………ああ、怜ちゃん、おいで?」ポンポン
怜「うん!おおきにー」ポスッ
竜華「……あ、なるほど、こういう感じなんやな」ナデナデ
玄「わー、確かに、人のを見るとすごいねー!」
宥「以心伝心ってあったかいねー」ニコニコ
怜「………でも、普段いちゃつきよるんとそんな変わらん気がする…」スリスリ
竜華「いや、姉妹ってそんなにいちゃつくモンやないやろ」
怜「玄ちゃんはお姉ちゃんに甘えたいときどうするの?」
玄「えー……そうですね…うーん」
宥「玄ちゃんは甘えたいときは『大浴場のお掃除をしよう』って言うよー?」
玄「!それは……」
竜華「え、どういう意味?」
宥「一緒にお掃除して、一緒にお風呂に入ったら、玄ちゃんとっても喜ぶの」
宥「大浴場のお掃除はとっても冷えるから、私もあったかくなりたいしね」ニコ
怜「なるほど、お互いにとって幸せ、っちゅうことやな」ウンウン
玄「そ、そうです!(…合法的におもち見れるから、とは言えない…)」
竜華「へぇー、ここ大浴場もあるんですねー」
玄「!清水谷さん入っていきますか!?お背中流し…」
バシッ
怜「………玄ちゃんー?まった麻雀楽しみたいんか…?」ニコニコ
玄「あ………す、すいません」
宥「とにかくね、あったかいのを分け合うととっても幸せだと思うの」
竜華「あったかいの……?」
宥「そう、私、玄ちゃんを頼るのも頼られるのも大好きだから」
宥「そうやってあったかいやり取りをするのが、とっても幸せ」ニコニコ
竜華「……なるほどなぁ」
怜「なんかわかったん、お姉ちゃん?」
竜華「うん、なんとなくやけどな。じゃ、そろそろおいとまするで」
怜「えー、泊まって行こうよー」
玄「はい!ぜひ、どうぞ?空いている部屋に泊まってもらうなら大丈夫ですし」
竜華「……ダメや。明日も学校やで?」
怜「ぶー。お姉ちゃんのケチ」
竜華「良いからお姉ちゃんの言うこと聞きなさい」
宥「(わぁ……お姉ちゃんっぽい…)」
怜「……しゃあないなぁ。お姉ちゃんの言うことやしな」
竜華「じゃ、そういうわけで。今日はありがとうございました」
宥「(いいなぁ、あんな風に玄ちゃん叱ってみたいなぁ…)」ポワポワ
玄「お姉ちゃん?ほら、早くお見送り行こうよ!」
宥「わわわ、わかったー」モゾモゾ
千里山 部室
怜「おねーちゃーん」
竜華「はいはい、後でな?」
怜「えー、今がええー!」
竜華「お姉ちゃん今忙しいから!練習終わったらかまってあげるから!」
怜「うぅ……ホンマ?」
竜華「ホンマやって。そやから大人しゅうしててな?怜ちゃん」
怜「うんっ!」
セーラ「………あいつら何してんねん」
船Q「なんか松実姉妹に指導してもろうたとか言うてはりましたよ」
泉「……清水谷先輩のお姉ちゃん感がヤバいんですけど………」
船Q「『ごっこ』をしすぎて、『ごっこ』やなくなってる、ってやつやな」
セーラ「…もうええわ、仲ええなら」
おわり
1000近づいてきたからそろそろペース考えないと…
読んでいただきありがとうございました。
次
怜「んぅ………朝か」
>>776怜「今日はウチが上や」の翌朝です
竜華「……」スーピー
怜「あれ、なんで竜華も裸…」
怜「……!」カアッ
怜「そやった。昨日は………」
怜「…思い出すのやめよ。恥ずかしなるし」
竜華「…………」クカー
怜「…まだ寝とるんか」ナデナデ
竜華「んー」ギュウ
怜「んぎゅ!?」
竜華「……怜…すきやでー…」ギュウウウ
怜「(い、息できないっ…)」ジタバタ
竜華「……ん…」パッ
怜「っは………はぁ…死ぬかと思ったわ…」
竜華「………んぅ…」スースー
怜「…もう、邪魔なんはこのおもちかー」プニプニ
竜華「……」グーグー
怜「…わお、やっぱりやらかいな」ムニッ
竜華「んっ………」スヤスヤ
怜「それにしても、起きひんな…」
竜華「♪~」スヤスヤ
怜「ホンマ、天使みたいな顔で寝とるし」ナデナデ
怜「…ずっと天使ならええのに、なぁ」
怜「なんで狼に変身してまうんやろ…」ハァ
竜華「……」スヤスヤ
怜「このあほぉっ」ムニー
竜華「…」ムニー
怜「(………むっちゃほっぺ伸びるやん)」ムニムニ
竜華「んん………」ムニムニ
怜「(…今起きたら仕返しされそうやから、このへんでやめとこ)」
怜「それにしても……」ゴソゴソ
竜華「♪~」グーグー
怜「わ、気温18℃……さすがに朝は冷え込むなぁ」
怜「……っくしゅん」ブルッ
怜「あかん、服着な」
竜華「…………んー」ゴソゴソ
怜「あれ、竜華……起きた?」
竜華「………」バサッ
怜「わっぷっ………」
竜華「…さむないー………?」ギュー
怜「(これ…あぁ、毛布か)」
怜「うん……ぬくいで」
竜華「ふふっ…………なぁょ…った……」グーグー
怜「(……半分寝とるんか)」
竜華「ときぃ……」
怜「(寝とる時も、思ってくれとるんか…)」ドキドキ
怜「………そや」
竜華「………んー…?」
怜「…睡眠中の竜華さん限定の……ご褒美や」ソッ
チュッ
竜華「んっ………♪」スウスウ
怜「りゅうかー………」ギュウ
竜華「……………」ナデ…ナデ
怜「んー……」ウトウト
――
竜華「ん…………朝か」
怜「♪~」スヤスヤ
竜華「!?」バクバク
竜華「……あ、ああ、そやった」
竜華「(毎度のことやけど、朝から…は、裸の怜見るんは心臓にわるいで……)」ドキドキ
怜「…………」スウスウ
竜華「そや、気温……20℃か、ちょっと寒いかな」
竜華「怜に毛布…って、もう被ってるなぁ」
怜「んぅ………?」スースー
竜華「寒かった?ごめんな」ナデナデ
怜「りゅうかぁ……まくら」
竜華「枕?ああ、落ちとるな…」ゴソゴソ
怜「ちゃうってぇ…」ギュッ
竜華「え?」
怜「ちちまくらぁ………」ポフッ
竜華「ひゃっ!?」
怜「んー……」スリスリ
竜華「…………毎回毎回…ご丁寧にコレようやるよなぁ…寝惚けながら」ナデナデ
怜「…………」スヤスヤ
竜華「(…今日はウチも脱いどるし、恥ずかしい、かも)」カアッ
竜華「……って、9時やん、ぼちぼち起きな」
怜「…………んぅ」
竜華「(……でも、この天使を起こすのには抵抗がっ……!)」
怜「………………」ギュー
竜華「もー、こんな無防備に寝てから…襲われても知らんで……?」ギュ
怜「……朝の竜華は、そんなんせえへんもん」
竜華「わ、起きてたんか」
怜「そりゃー朝っぱらから耳元で誰かぼそぼそ喋っとったら気になるし」
竜華「う…………確かに」
怜「今日は何すんの?」
竜華「いや、昼から学校行って勉強しよって言うてたやん」
怜「うぅ………眠いからまた明日ぁ…」
竜華「アカンて!受験生やで?起きんと!」
怜「………りゅうかぁ…もうちょっと、寝ようよー」ジー
竜華「う…そんな顔で見んでよ……」
怜「……なぁ…?」ギュッ
竜華「………(う…理性と本能が争っとる…)」
怜「昼から……するんも、ええやん…?」スリスリ
竜華「っ!………」
竜華「………………やっぱり、ダメっ!ほら、服着て!」
怜「………」ジト
竜華「……う、ウチも着るしっ…」イソイソ
怜「ヘタレぇ………」
竜華「もっ……怜も!着て!」
怜「んー、じゃ、竜華が着せてー?」
竜華「えぇ……………」
怜「ほらほら、じゃないと全裸で学校行くでー?」
竜華「わ、わかったからっ………!」
怜「…………んー」ゴロゴロ
竜華「…………ほら、足」
怜「ん、ありがと」
竜華「…………」スルスル
怜「……なんや、いつもと逆やな?」ニヤニヤ
竜華「う、うっさい」カアアア
怜「手ー震えとるで?」
竜華「やっ……だって、緊張するやん…なんか」ドキドキ
怜「ま、そのくらいの初心い竜華が可愛いけどなー♪」ナデナデ
怜「……(オオカミ竜華ちょっと怖いし)」
竜華「ええから、腰、あげて……」
怜「んー」クイ
竜華「うぅぅ………」
怜「素直で可愛いで……竜華」
竜華「………はい、全部着せたでー」
怜「ん………ありがと」
竜華「……よし、シャワー浴びて、行こう?」
怜「そやなぁ………」ギュ
竜華「な、何?抱き着かれると動けんのやけど……」
怜「ん?竜華が風呂場まで運んでくれるやろ?」
竜華「え、うぇえ!?」カアアア
怜「ほらっ…………」ギュウ
竜華「…わ、わかった」ヒョイ
怜「よろしい」ナデナデ
竜華「(お姫様抱っこ、顔近いから苦手なんやけどっ……)」ドキドキ
怜「♪~」ギュー
脱衣場
怜「……着せたのに、すぐ脱がせるんやなー?」
竜華「や、だってお母さんいつ帰ってくるかわからんし……」ヌガシヌガシ
怜「お姫様だっこしとる時点でアウトやないの?」
竜華「あっ…確かにそやなぁ」
怜「相変わらず、どっか抜けてるな?」
竜華「しゃーないやん…あ、下着は自分で脱いでな?」
怜「えー……まあ、ええけど」ポイポイ
竜華「じゃ、先に入っててー」ヌギヌギ
怜「うんー」ガチャ
竜華「(んー……なんか、忘れてる気がする……まあ、ええかぁ)」
部室
船Q「………来んな」ガラガラ
泉「どうかしたんですか?」ガチャガチャ
船Q「今日で部長の引き継ぎ終わらす予定やったんですけど」コト
泉「あー、確かに清水谷部長来ないですねー」コト
セーラ「……昨日怜が泊りに行くって言うてたで」コト
船Q「あー………アカンね」
泉「………明日でええんやないです?」
ガラガラ
竜華「っごめんっ!浩子!」
怜「………おつかれー」
船Q「おお、噂をすれば」
セーラ「やっぱり二人して重役出勤か」ニヤ
泉「せ、先輩、そんなっ……」カアッ
竜華「!そ、っそそ、そんな事してへんしっ!」ワタワタ
船Q「……逆に怪しいですよ?」
怜「…じゃ、終わったらメールちょーだい?先生に添削出してくるから」トタトタ
竜華「い、行ってら!よ、し、資料準備してきたから!やるで!」
船Q「………ま、ええですけど?」
おわり
次
泉「お疲れ様でーす……」
部室
ゴゴゴゴゴ
泉「(…………あれ)」
怜「…………………」ゴゴゴゴ
竜華「…………」ゴゴゴゴゴ
泉「(せ、先輩らが物凄いオーラを発している……)」ゾッ
泉「(わ、同級生のみんな無音で練習しとるやん……ステルスかいな)」
怜「……………」ハァ
竜華「………幸せ逃げてるでー?」
怜「……逃げとるわ、誰かさんのおかげでな?」
竜華「……………」イラッ
泉「(これは……け、喧嘩かな……?)」
怜「………竜華の、アホ」
竜華「アホはそっちや、ボケ」
泉「(……………先輩方、両方目の色が戦闘色やし…)」ガタガタ
泉「(こ、ここは離脱やした方がええな……)」
泉「あ、ちょーっと用事思い出したんで、帰ります」
竜華「泉」
泉「は、はひぃ!?」
怜「…………打とうや、3麻」ガシ
泉「え、でも………」
竜華「ええやろ?」ガシ
泉「え、ええ…………」
泉「(え、なんでそんな息ぴったりなん)」ビクビク
竜華「…………泉と、楽しい麻雀したいなぁ?」
泉「(こ、殺される…………)」ガクガク
怜「…………なんや、浮気か」
竜華「………先に言い出したんは、そっちやろ」
泉「(え、浮気…!?修羅場!?なんや………!?)」
ガラガラ
セーラ「……………お前ら、ここでもやりよるんか」ハァ
泉「え、江口先輩―!」パアッ
竜華「…セーラは関係ないやろ」
セーラ「部室をこんな空気にするんなら俺にも関係あるわ、アホ」
怜「……………」ハァ
セーラ「今日はとりあえず帰れ!」
竜華「………や、引き継ぎせないかんし」
セーラ「ええから!アレなら自習室で勉強しとけ!」
竜華「…………はいはい」
ガラガラ
セーラ「はぁ……やっと行ったか」
泉「………こ、怖かった…」ドサ
セーラ「大丈夫か?泉」
泉「……はい………な、なんやったんですか?きっかけ」
セーラ「…聞く?めっちゃくだらんことやで?」
泉「一応、聞かせてください」
セーラ「…コーンフレーク」
泉「は?」
セーラ「パフェの下にあるコーンフレークや」
泉「…あんまり話見えないんですけど…」
セーラ「あー…………つまりやな」
――
怜「やからさ、あのコーンフレークはかさませるためのモンや!いらん!」
竜華「アホ言うなや!アレがないとパフェ食べた気にならんやん!」
怜「アホはお前や!だいたいなっ、この前パフェ食べに行った時もやなぁ…」
竜華「それ言うなら、あの時やって………!」
――
セーラ「…………で、昼休み全力で色々言い合って、あんな感じや」
泉「…………」ヘナヘナ
セーラ「クラスメイトの子らは微笑ましく見てたんやけど…」
泉「…それは………なんと言ったらいいか……」
セーラ「…………アホばっかやで、ホンマ」ハァ
泉「……とりあえず、修羅場とかやなくてよかったです…」
船Q「………でも、少し不安なんですよねぇ…」
泉「あ、お疲れ様です船久保先輩」
セーラ「不安って、なんや?」
船Q「いや、さっき、部室でピリピリしてたから、1,2年に喧嘩したって広まってな?」
セーラ「……………まさか」
船Q「そ、活動してなかった部長ファンクラブがにわかに復活してきてん」
セーラ「ええー………マジか…」ガシガシ
泉「え…なんですか、それ」
船Q「先輩が部長に就任した直後くらいになー、部長補正か人気めっちゃ出てな?」
セーラ「まあ、面倒見ええしな、竜華」
泉「まぁ…………確かに」
船Q「去年のバレンタインはその都合で大変やったんやけど」
セーラ「まぁ、その直後に付き合い始めたし、すぐ沈静化したわけよ」
泉「あー……めんどくさそうですね…」
船Q「喧嘩したんやったら、付け入る隙がっ…て奴やな」
セーラ「……ええ……そんな感じなんか……もう」
泉「でも、すぐ仲直りするでしょうし、大丈夫でしょ」
セーラ「言うてあいつらお互い意地っ張りやからなぁ…ちょっと怖いで」
船Q「…………ぼちぼちテスト期間で、部活もなくなりますしね……」
泉「(………そんな、ウチらが心配することでもないと思うけど)」
自習室内
竜華「…………」カリカリカリ
怜「…………」カリカリカリ
後輩A「(喧嘩したって噂……本当なんかな?)」
後輩B「(……めっちゃ不機嫌そうなのに、二人並んで勉強するんやな)」
後輩C「(もうすぐテストやし………ちゅーか先輩ら受験やし、)」
後輩D「(疎遠になるんかもしれんなぁ……)」
後輩E「(…………ひょっとしたら、)」
「(私たちにも、チャンスが………!)」
つづく
あと100レスもかからず終了予定です。
スレ余ったら小ネタ入れるくらい。
今月中に終わりたいけど、無理そうだなぁ…
読んで頂きありがとうございました。
次
怜「仲直り出来へん……」
園城寺邸 怜部屋
怜「完全にタイミング逃してもーた…」
怜「どないしよ、明日からテスト週間やのに」バタバタ
怜「……謝る、か?…ちょいシャクやな」
怜「…まぁ、竜華なら、直に謝ってくれるやろ」
怜「寝よっ」ポスッ
怜「……ちゅーか、パフェって…下らんなぁ、ホンマ…」ウトウト
清水谷邸 竜華部屋
竜華「……あかん、もう三日も怜と喋ってない」ワシャワシャ
竜華「下らんことで、意地張りすぎやな…これは」
竜華「…怜のことや、絶対自分から謝ったりせーへん」
竜華「ウチから謝らな…」
竜華「うー…怜許してくれるかな…?」
竜華「いや、喋ってへんけど、登下校一緒やし…」ウトッ
竜華「ごはんも…一緒やし…もう、おこって、ない、かなぁ……」スウスウ
翌朝 通学路
怜「!」
竜華「あ、怜…おはよ」
怜「っ」プイ
竜華「!」
怜「……おはよ」
怜「(ヤバい、そっぽ向いてしもた…仲直りせないかんのに)」
竜華「(そっぽ向かれた…やっぱ、まだ怒ってる……?)」
怜「(あ、不安がってる、なんか言わんと…)」
怜「あの…」
後輩A「清水谷せんぱーい!」
怜「!」
竜華「わ、おはよう、どうしたん?」
後輩A「おはようございます!あの、…学校までご一緒してもいいですかっ?」キラキラ
怜「(……なんや、こいつ)」
竜華「怜がええなら…ええけど」チラ
怜「……」
セーラ「おー、こんな所で突っ立ってたら遅刻するでー!」
後輩A「あ、江口せんぱい…」
怜「…ウチ、セーラと行くわ」ギュッ
セーラ「へ、何?」
竜華「え、怜っ……」
怜「お二人で…楽しんでな?」スタスタ
セーラ「わわ、手ー引くなって、何なんまじで!?」ドタタ
竜華「……………」
後輩A「せ、せんぱい……?」
竜華「…大丈夫。行こうや」ニコ
後輩A「は、はいっ!」
後輩A「今日からテスト週間ですねー…」ペラペラ
竜華「(怜…やっぱり、怒っとるんかなぁ…)」
竜華「(でも、セーラと手ー繋がんでも……)」イライラ
後輩A「テスト範囲広くてヤバいー!あ、そういえば…」
竜華「(そもそも、この子が話しかけてこんやったら…)」
竜華「(…いや、それは八つ当たりやな、やめよ、考えるの)」
後輩A「先輩?」
竜華「!な、なに?」
後輩A「テスト期間って、部室は開くんですか?」
竜華「……んー、開けた方がええなら開けるけど…」
後輩A「できたら、部室で勉強したいし、開けて欲しいです…」
竜華「おっけー、監督に伝えとくわ」
後輩A「ありがとうございます!では、私玄関こっちなんで!」トタタ
竜華「はーい、またね」
教室
竜華「………はぁ」
怜「……随分、仲良さそうやったやん」
竜華「……そっちかて、セーラと手ー繋いで行って……」
怜「…………」
竜華「………ウチ、勉強するから」
怜「…そやな、テスト週間やしな」スタスタ
竜華「………………」カリカリ
怜「………………」スワリ
竜華「(……あああー、やってしもうた)」トサ
怜「(…な、なにしてんねん、ウチは!)」ボフ
セーラ「(あーあ、二人とも突っ伏してしもうた…)」
セーラ「(あの子のこともあるし…ぼちぼちヤバいかな…)」
昼休み 屋上
怜「……」モキュモキュ
竜華「……」モグモグ
怜・竜華「「(き、気まずい……)」」
竜華「(あ、謝らな、今こそタイミングや…)」
怜「……ごちそうさま」
竜華「(い、今や!)怜……?」
怜「(来たっ)……な、なに?」
竜華「あの………えっと」
怜「……用があるなら早よ言うてや」
竜華「ひ、膝枕!」ポンッ
竜華「せえ………へん………?」
怜「……へ?」
竜華「(あああ、何言うてるんや私は!)」
竜華「(謝らないかん所やのに…)」
怜「(膝枕……確かに、久しくやってない……)」
怜「(竜華の、ふともも……)」
怜「(ど、どないしよ…)」ドキドキ
竜華「……」ドキドキ
ガチャ
竜華「ん?」
後輩B「部長!こんなところに」
怜「!」
後輩B「園城寺先輩も、こんにちはー!」
怜「(『も』、か……)」フイ
竜華「と、怜…ちょっと」
後輩B「あ、大丈夫です……それより部長!」
竜華「ん?」
後輩B「ちょっとこっち来てもらっていいですかっ?」グイ
竜華「……え、いや、怜が…」
怜「…………ええやん、行ってくれば」
後輩B「ほら、園城寺先輩もそう仰ってますし」グイグイ
竜華「え、えええ……」
バタン
怜「………………アホぉ」ジワ
――
夜
清水谷邸 竜華部屋
竜華「(何度か、謝るタイミングあったけど…)」
竜華「(ことごとく、後輩達がやってきて潰されてもうた…)」
竜華「(うう、さすがに…恨むで……)」バタバタ
竜華「(明日…明日、こそは……)」
竜華「(…それにしても、あの子)」
――
後輩B「あの、これ、焼いてきましたっ!食べて下さい!」
竜華「へ?それだけ?」
後輩B「はい?」
竜華「お菓子だけなら、怜居っても良かったんやない?」
後輩B「いや………その」ゴニョゴニョ
竜華「……………?」
後輩B「…先輩達、仲良いですよね」
竜華「うん!まぁ…今は喧嘩しとるけど」
後輩B「ちょっと…私ら心配なんですよ」
竜華「へ、何が?」
後輩B「先輩達、江口先輩と違て推薦なしで普通に大学進学やないですか」
竜華「うん、そやけど」
後輩B「仲ええのはええですけど…お互いの勉強、邪魔してたりしません?」
竜華「えぇ…そんなこと…」
後輩B「してますって。そやから、先輩らもうちょい距離取ったがええと思うんです」
竜華「そうなんかなぁ……?」
後輩B「…私、注意しましたからね?それでは」トタタ
竜華「え、ちょっと」
――
竜華「うーん……」ゴロン
竜華「…怜、邪魔なんかなぁ、ウチのこと」
竜華「ううー…なら、喧嘩したままんがええってこと…?」
竜華「でも、そんなん嫌やぁ…」
竜華「どないしよ…」
翌朝
竜華「よし、いってきまー……す」ガラガラ
後輩ABC「「おはようございまーす!」」
竜華「……お、おはよう」ピクピク
後輩C「先輩?登校ご一緒しても大丈夫ですか?」
竜華「あ、えーと…」
怜「…………」フイ
竜華「!あ、……」
怜「」スタスタ
竜華「…………ええよ、行こう?」
――
放課後 部室
怜「……………」ブスッ
泉「…あの不貞腐れて眠ってる人は……園城寺先輩ですか?」
船Q「……あの枕、わざわざ持ってきたんか」
ガラガラ
セーラ「おーっす…て、やっぱりか」ハァ
泉「江口先輩、お疲れ様です」
船Q「…まだパフェで喧嘩しとるんですか?」
セーラ「喧嘩は…まぁ、ええんやけど…」
泉「とすると…」
セーラ「ものすごいねん、清水谷組が」
泉「(…ヤーさんみたいなファンクラブ名やな)」
船Q「ああ、朝囲まれて登校してるんは見ました」
セーラ「昼も連れてってしもたし…今も勉強教えて攻撃にあっとる」
怜「もー知らん……うわきものー」スヤスヤ
船Q「…まぁ、言うても後輩やからなぁ…」
泉「くわえて生粋のお人好しですしね……」
怜「うぅ……」ジワ
セーラ「!」
船Q「寝ながら泣いてはるな…」
泉「(…鼻詰まりそうやな)」
セーラ「…もー、限界や」
泉「え?」
セーラ「怜と竜華がこんなんなってるの、俺、もう嫌や」
セーラ「……行ってくる!」
船Q「…くれぐれも怪我させんでくださいね?大会に関わるんで」
セーラ「わかっとるわ!」ガラッ
ダダダ
船Q「…熱いなー、さすがやわ」
怜「んっ……りゅう、か…」
空き教室
竜華「…で、ここがこうなんねん。わかった?」
後輩E「なるほど…ありがとうございましたっ!」
竜華「(ずっと問題見んとこっち見てたけど…ホンマにわかっとるんやろか?)」
後輩D「あ、次聞いてもいいですかっ?」
竜華「……うん、ええよー」
竜華「(…いつ終わるんや、コレ)」
後輩ABC「♪~」
竜華「(今日ずっと怜と喋れんまんまやし…)」ハァ
バタンッ
セーラ「はぁ……はぁ」
竜華「あ、セーラ」
セーラ「お前ら…こっち、来い」
後輩A「えっ…私達、ですか?」
セーラ「それ以外誰がおんねん!来いっ!」
竜華「せ、セーラ…なんや怖いで?」
セーラ「竜華はここで勉強しとけ!ここに居ろよ!」
竜華「うん、それはええけど…」
バタバタ
竜華「……どういう、ことや…?」
セーラ「……なんで呼び出されたか大体わかるやろ?」
後輩C「……………」
セーラ「まぁ、一緒に居りたいっちゅーのは、わからんでもないけど…」
セーラ「それでもな?一番は好きな人の幸せやろうが」
後輩A「…はい」
セーラ「…お前らがちょっかいかけすぎるお陰で、竜華も怜も辛なってんねん」
セーラ「俺は、そんなん嫌やから」
セーラ「……変につけこむより、ひっそり応援したがええと思うで?」
後輩B「…………」
セーラ「…とりあえず、竜華に謝れ、な?」
後輩E「わかりました……すみません」
セーラ「ん、俺に謝らんでええから、ほら、行きっ!」
後輩D「……はい」トタタ
セーラ「さて…次は、竜華やな」
――
セーラ「竜華」
竜華「……あ、セーラ、あの子らどうしたん?」
竜華「意味も分からんうちに謝られたんやけど……」
セーラ「……お前さ、最近ずっと後輩とおったやん」
竜華「…………うん」
セーラ「あんさぁ…後輩傷つけたくなくて、言うこと聞いてるんやろうけど…」
セーラ「……後輩より、もっと大切な人が傷ついとるで?」
竜華「!」
セーラ「……よう、考え」ガラガラ
――
部室
セーラ「」ガラガラ
泉「お、お帰り…なさい」
セーラ「おう……お前ら、帰るで」
船Q「え、でもそれやと園城寺先輩が一人に……ああ」ポン
セーラ「…そういうことや、離脱するで」
泉「…はい」
――
怜「(ん……枕が気持ちよくなった…?)」ゴソ
竜華「………あ、起きた?」
怜「…ん、起きた」
竜華「そっか…辛いならまだ横になっとってええでー?」ナデナデ
怜「……なら、そうする」
竜華「あの…ごめんな?」
怜「いや…こっちこそ……そもそもパフェのコーンフレークなんてどうでもええし…」
竜華「いや、そうやなくてさ…」
怜「…?」
竜華「ほら、最近…ずっと後輩ばっかりやったやん?」
怜「………ま、確かにな」
竜華「うん…それで、謝りたくて」
怜「…」ギュッ
竜華「?」
怜「ウチも……ごめん」
竜華「はぇ……?」
怜「竜華が取られそうになっとるのに…なんもせんやった」
竜華「……………いや、それは…」
怜「………ごめんな?竜華」ギュー
竜華「…大丈夫、他の誰にも取られへんから」
怜「………じゃ、仲直りのチューやな」ムクリ
竜華「…………え」
チュッ
竜華「…………!」カアアッ
怜「………へへへ」ギュッ
竜華「……はー…思えば、マトモな喧嘩したんこれが初めてやな」ナデナデ
怜「ホンマや…ウチが勝手に怒ることはようあったけどな」スリスリ
竜華「まぁ…喧嘩するほど仲良うなったってことで」
怜「そやなぁ」
竜華「これからもよろしくな」
怜「これからも…デートいっぱいして、甘やかしてな」
竜華「…勉強もしよな?」
怜「えー…」
竜華「いやいや、一緒の大学行こうって決めたやん」
怜「うー…そやけど」
竜華「明日もテスト休みや、頑張ろ?一緒に」ギュッ
怜「うん…頑張ろ、一緒に」
船Q「ほな、私こっちなんで」ペコリ
セーラ「おーう」
泉「また明日ー」
セーラ「はー…むっちゃ疲れたわ……」
泉「お疲れ様です…お、お茶でも飲みに行きます?」
セーラ「おう、そやなぁ…」
泉「……」ドキドキ
セーラ「あいつら…人の気持ちも知らんと……」ボソ
泉「…はい?」
セーラ「……なんでもないわ」
おわり
次
竜華「……お、おわったぁ…」
これ含めあと2本です。
大学内 試験終了直後
「…そこまで。今から、解答用紙を回収します」
竜華「………つっかれたぁ」カラン
「帰りは混雑しますので~」
竜華「……んー、ちょい難しかったけど……」
竜華「まあ、大丈夫かな…?凡ミスしてない限り」
竜華「…怜は、大丈夫やろうか……」
怜「ふぅ……」
竜華「怜ー!」トタタ
怜「あ、竜華」
竜華「大丈夫やった?」
怜「うん…でも、ちょっと疲れたわ…」
竜華「あ、あっちにベンチあったで?」
怜「ん、じゃ、お願い」
怜「はぁ……」ポス
竜華「疲れたなぁ…」
怜「うん…まぁ、竜華とホテルで過ごすんは楽しかったけどな?」
竜華「…」カアッ
怜「悶々としながらの受験になって、ごめんな?」
竜華「そ、そんな悶々とか…してへん、し」
怜「嘘やって一発でわかるでー」ニヤニヤ
竜華「ううっ…」ナデナデ
竜華「試験終わって…いつまで居るんやろうな?ウチら」
怜「うん……人おらんくなったなぁ…」
竜華「そろそろ、帰る?」
怜「んーん、もうちょっと」
竜華「ホンマに…膝枕愛好家やねんな。ここ、大学やで?」
怜「や…だからこそやろ」
竜華「うん?」
怜「これからも…この大学で、膝枕してくれるんやろ?予行演習や」
竜華「………!」
竜華「う、受かるの前提かいな…」ナデナデ
怜「だって、竜華に教えてもろうた所一杯出たし、大丈夫やもん」
竜華「んー…そうは言うけど…後期の勉強もせなアカンで?」
怜「う……今は考えたくないー」
竜華「ん、まぁ、今日はゆっくり休もうか」
怜「……あ、何?ゆっくり休ませてくれるん?」
竜華「へ?」
怜「てっきり溜まりに溜まった欲求をぶつけてくるモンやと思ってたわ」ニヤ
竜華「そっ…………」カアアア
怜「それでもべつにええでー?」プニプニ
竜華「……っ、それは受かって、からや」フイ
怜「…ん、楽しみにしとくわ」
竜華「………じゃあ、暗くなるし、もう帰ろ?」
怜「そやな、そうしよ」ムクッ
帰り道
竜華「…そういえばさ」
怜「うん」
竜華「受かったら、怜はどうやって通うん?」
怜「……微妙に家から遠いし、親にも自立せえって言われとるし、たぶん独り暮らしかな」
竜華「…さよか」ドキドキ
怜「……それがどしたん?」
竜華「いいい、いや、別に」カアッ
怜「んー?」
竜華「………(『受かったら、一緒に住もう?』)」
竜華「(無理っ!絶対、言えへんっ!)」 ブンブン
怜「りゅうかぁ……?」
竜華「な、なんでもないっ!変なこと聞いてごめんな?」
怜「……………別に、変なこと聞いてないで?」
清水谷邸 竜華部屋
竜華「お母さんたちに、一人暮らしも、同棲するんも、許してもらった…受かったら、やけど」
竜華「あとは……向こうのオッケーもらうだけ……」
竜華「………………ううううー」バタバタ
竜華「お、親御さんから…外堀から埋めてこうかな…」
竜華「……いや、怜抜きで怜のお父さんに『同棲させてください!』は無理や」
竜華「直接、言わな……いや、受かってなければ、元も子もないし…」
竜華「………合格発表の日に、言おう。セリフ考えとこ」
合格発表
竜華「い、いよいよやな………」ドキドキ
怜「……そやな」
竜華「な、なんでそんなに落ち着いてん」
怜「まあ、『人事を尽くして天命を待つ』ってやつや」ニギ
竜華「!」
怜「………あと10分や、のんびり待とう?」プルプル
竜華「(………言うて、手ー震えとるな)」
ワーワー
竜華「!」
怜「!」
竜華「ご、合格者の番号書いたパネルをはめてくんやな…」
怜「……ウチの学部は、あっちや。…じゃ、後でな?」
竜華「うん………」
怜「……………」バクバク
ワッ
竜華「あ、怜の貼られた……って、ウチの所もや」
竜華「………番号……は」
竜華「あった、…受かった、か」
竜華「(…なんか、こんなもんかぁ……嬉しいような、どうでもええような)」
竜華「ま…怜が受かっとったらそれでええか」
竜華「えっと……怜……は」
ワーキャー
竜華「ん、人が多すぎて見えへん………」
竜華「すいませーん、通ります―!」モガモガ
竜華「怜………怜!」
怜「……………………」グス
竜華「!(え、な、泣いとる……?)」
竜華「(嘘やん……そんなっ………)」
竜華「………」オソルオソル
怜「…竜華…………」クル
竜華「あ……怜………」
怜「……………りゅうかぁ」ギュー
竜華「……(……か、かける言葉が…)」ナデナデ
怜「……ったよ…」
竜華「…………え?」
怜「…………あった…受かってたぁ……」ポロポロ
竜華「!」
竜華「…おめでとう……ウチも、受かってたよ」ギュッ
怜「そっか……おめでとうな、りゅうかぁ」ギュウウ
怜「…あんな、…こたえ、あわせしたらな?ぜん、ぜん、違うてて」グスッ
竜華「うん」
怜「…りゅうかと、大学行けなんやったら、どうしよって」グスグス
竜華「………うん、うん」
怜「…でも、あった。あったぁ……」ギュー
竜華「うん、良かった、ホンマに、良かったなぁ……」ギュッ
怜「…………」
竜華「落ち着いた?」
怜「…うん」グイ
竜華「…………?」
ワーワー
怜「いや、ちょっと…人居るし、恥ずかしい」
竜華「……あ、ご、ごめん」パッ
怜「でも、おめでとう、竜華」
竜華「ありがと、……怜も」
「生協のアパートでーす、よろしければどうぞー」
竜華「どうもー」ヒョイ
怜「…そっか、引っ越し準備しなきゃやなー」
竜華「!(わ、忘れてたっ……)」
怜「?」
竜華「(ど、同棲…誘わな、今言わな…)」アセアセ
怜「………どしたん、いきなり立ち止まって」
竜華「…………」カサカサ
怜「何?その紙…」
竜華「…(『ご飯作るし、幸せにするから…一緒に住もう?』……よし)」カサカサ
怜「…………」ジト
竜華「……………あ、あのさ」
怜「…何?」
竜華「………ご、ご……」プルプル
怜「……………ご?」
竜華「…………ご、ご飯っ……」
怜「えー?もうお腹すいたん?」
竜華「………えっと……そうやなくて」バクバク
怜「…………あ、そうや」
竜華「な、何?」
怜「先に、生協行こうか」
竜華「へ?」
怜「……二人暮らしの、部屋探しに行くやろ?」
竜華「…………そ、それって」
怜「一緒に、住みたいんやろ?」
竜華「―――!」カアアア
怜「……あんなぁ、バレバレやで?竜華」
竜華「あ……あう……」パクパク
生協出口
怜「………ええ所、仮押さえしてもらったな」
竜華「ま、後はお母さんらに許可……」ハッ
怜「…ウチの親にもオッケーもらっとるで」
竜華「………そ、そうか…」ホッ
怜「あんなぁ……へたっぴ過ぎるで?竜華」
怜「受験の日から、言いたい事丸わかりや。知らんふりする方が疲れたわ」ハア
竜華「う…………ご、ごめん」
怜「今度……そやな、プロポーズの時は、カッコよく決めてや?」
竜華「………え、そんな、プロポーズで」カアアアッ
怜「…あれ、プロポーズする気ないん?」
竜華「!い、いや、する!するっ!最高にキメキメでいったるっ!」
怜「…………ふふ、楽しみにしとるわ」
竜華「………な、なら、帰ろう?」
怜「…そやなぁ、今度こそ学校寄らないかんな」
竜華「あ、その前にご飯食べる?怜は何がええ?」
怜「んー…普通にファミレスでええかな」
竜華「…さよか、じゃ、あっこ入ろう」スッ
怜「……ん」ギュッ
トタトタ
怜「(これからも、二人で、一緒に……やな)」
竜華「(プロポーズは…ちゃんと、練ってから言おうっ……!)」
おわり
次で最後です
怜(23)「……仕事終わったー」
怜 仕事場
怜「あ、課長。今日はお先に失礼します」
「…ああ、恋人さんだっけ?」
怜「………あ、はい…」カアッ
「いいよいいよー、あとやっとくから、楽しんでおいで?」
怜「あ、ありがとうございます…失礼します」ペコリ
怜「……竜華からメール…」
怜「(『今日遅くなる』…か)」
怜「(全日本の大会の、それも決勝やもんなぁ…仕方ないやろうけど)」
怜「(……あいつ、まさか記念日忘れてへんやろうな)」ジト
怜「…さすがにないか。6年間、ウチの方が色々忘れてたし」
怜「一旦、家に帰ろっと……」
怜・竜華宅
怜「……………遅いなぁ」
怜「なんでインハイはTV中継するのにプロはせえへんねん……」イライラ
怜「結果、どうなったんやろ…」
ガチャガチャ
怜「!」トタトタ
竜華「ただいまー」パタン
怜「おかえりっ!」ギュ
竜華「わ、愛する奥様のお迎えやなー」ギュー
怜「……そ、それで……大会、どうやったん?」ドキドキ
竜華「…へへ、見事、春の大会、大阪スコーピオンズ、優勝やでー!」ニコニコ
怜「ホンマ!?おめでとう!」パアッ
竜華「今年は大阪開催やったからな…地の利もあったで」
怜「…いや、麻雀はホームとか関係ないやろ」
竜華「……ふふ、確かにそうやな」
怜「…………それも、おめでとうなんやけど…その……」モジモジ
竜華「…わかっとる、祝勝会抜け出してこっち来たんや」
怜「!」
竜華「……6周年やな?ご飯食べ行こう?」
怜「…………うん!」
怜「…準備出来たで」
竜華「え、今日そのコートなん?」
怜「……へ?ああ、気分で、黒かなぁ…って」
竜華「あかんよ、今日はフレンチやで?オシャレなん着んと」
怜「ええ……これでも問題ないやん…」
竜華「あるのー!ほら、白いのあったやん?アレにしてーな」
怜「まぁ……そこまで言うなら…」
竜華「ん、ええ子」ナデナデ
怜「(……なんか、納得いかん……)」ゴソゴソ
竜華「……よし、行こう?」ギュッ
怜「……うん、ありがと」
トタトタ
竜華「♪~」
怜「(……社会人になって、一年、ぼちぼち、頃合い)」
怜「(…………ロマンチストの竜華や、普通な日にプロポーズせえへん)」
怜「(クリスマスも……何ということなく過ぎてしもうた)」
怜「(ウチの感が言うてる……『今日や』とっ!)」
竜華「……着いたで、ここや」
怜「(ほら!ベッタベタなフレンチレストランやんっ!)」
「いらっしゃいませ」
竜華「21時から予約していました清水谷です」
「清水谷様ですね。すぐご案内いたします…あ、羽織物お預かりいたしますね」
怜「あ、はい…」
竜華「…………」ジー
怜「?」
竜華「……ん、なんでもないで?」
怜「うん……?」
「新人参のポタージュです」
竜華「どうも~♪」
怜「(………おかしい)」
竜華「…美味しいなぁ、怜」
怜「……そやな、美味しいわ…んで、今日の試合の話聞かせてーな」
竜華「そう!先鋒の宮永照が凄まじくてなー…」ペラペラ
怜「(竜華が…いつも通り過ぎる)」
怜「(いや、ここ数年、めっきり図太くはなってるけど…)」
竜華「…でも、洋榎やセーラがむっちゃ取り返してくれて…」
怜「(さすがに、プロポーズの日まで…こんなに図太くはおれんやろ)」
竜華「………で、ギリギリ、まくったんや、最後」
怜「…ほわー、すごいな、竜華」
竜華「ふふふ、さすがやろ?」ドヤ
怜「………混ざりたいわ」ボソ
竜華「…体に無理が出たら、アカンから」
怜「ん…わかっとるって」
怜「(こりゃ、プロポーズ今日やないんかな…)」
竜華「…わかっとるならええんや」クス
怜「(そんなら、次いつや…ウチの誕生日か?)」
怜「(ええ…半年先やん………待てへんよ、そんなん)」
竜華「………あ、魚きたで」
竜華「………おいしかったなぁ?」
怜「ホンマ、良かったわ。ありがとうな?竜華」
竜華「ふふ、喜んでもらえたならよかった」ニコ
怜「(結局、シャンパンに指輪が入ってるとか、ケーキに指輪添えられてるとか、全然なかった……竜華好きそうやのに)」
竜華「…でもちょっと懐寂しいから、歩いて帰ってもええ?」エヘヘ
怜「………そやな、今月は年度末で厳しいもんな…節約しよか」
怜「(………でも、お酒全く飲んでへんやったな…)」
怜「(ちゅーことは…告白しようと思ってたのに、出来んかったってこと?)」
竜華「…ほら、こっちや」グイ
怜「……ヘタレ」ボソ
竜華「………ん?」
怜「…なんでもなーい!」ギュッ
怜「(……もう口出しせーへん、待つで、私は)」
竜華「……………」スタスタ
帰り道 公園
怜「………あれ、ここ」
竜華「わ、なつかしい、よう休んでた公園やん」
怜「こんな所やったっけ…なんか、暗いと雰囲気変わるなぁ」
竜華「な、ちょっと入らん?」
怜「ええ…でももう遅いで?」
竜華「ちょっとくらいええやん!それにほら、怜、疲れたやろ?」
怜「……ま、そやな」
公園内
竜華「ん」ポンポン
怜「……ん」ポス
怜「……………あー、なんや懐かしいな」
竜華「……うん、怜、さむない?」
怜「うん、大丈夫や」
竜華「ホンマ、ずっと、変わらんなぁ…ここの公園」
怜「……噴水は古びとるし、周りにあんなでかいマンションなかったけど?」
竜華「う…そんなんやなくてさぁ、こう、空気っていうか」
怜「ん……たしかに、変わらんな」
竜華「やろー?」
怜「………竜華の、太ももの柔らかさもな」スリスリ
竜華「あっ!もー…やめって言うのに」
怜「ええやんー♪ほら、ウチ病弱やし」
竜華「そのアピールも、やめっ!」
怜「ふふー」
竜華「……あ、そや、怜」
怜「んー?何?」
竜華「結婚しよ?」
怜「……………え?」
竜華「やから、結婚。ほら、一生に幸せにするから」
怜「……!」
怜「ひ、膝枕中に言うことかいな…」
竜華「あ、なんやウケ悪いなぁ…で、返事は?」
怜「……わかって聞きよるやろ」
竜華「んー?わからんよ、怜の口から聞きたいし」
怜「………」ギュ
竜華「?」
怜「……………ふとももには…勝てへん」カアアッ
竜華「………そっか」ナデナデ
怜「…ちゅーか、な、なんで、今なん……!」
竜華「んー?」
怜「あったやん!ここに来るまでタイミング!優勝の瞬間とかっ!フレンチの間とかっ!」
竜華「………あー、それは、だって怜が気づいてないから」
怜「……………は、何を?」
竜華「……………左のポケット、見てみ?」
怜「……」ゴソゴソ
コツン
怜「!」
竜華「怜が気づいたときに、言おうと思ってたんに…怜気付かんのやもん」
怜「…こ、これ、ひょっとして」
竜華「………出してみ?」
怜「……………指輪…!」
竜華「…ウチのポケットにも入ってたんやけどな」スッ
怜「……えっと」
竜華「はい、手出して?」
怜「え、でもウチ…」
竜華「ん?何?」
怜「………あの、高校ん時にもらったリング、まだ付けてて…」
竜華「……!え、アレ?」
怜「…う、うん」
竜華「えー……あんなん若気の至りやのに……めっちゃ恥ずかしい…」
怜「………まあ、ウチは嬉しかったから」
竜華「…なら、まあとりあえずもう一個付けてや?」
怜「……………うん」
竜華「……………さて、行くで」
怜「え、どこに?」
竜華「祝勝会の所や!」
怜「ええー?まだやりよるん?」
竜華「当たり前やん!ウチが行くまで帰るなって言うとるわ!」
怜「えー…入ったばかりの新人が偉そうに…」ジト
竜華「う、うるさい…」
竜華「プロポーズ上手くいったら、二人で行くって言うてんねん!」
怜「は、なんでそんなん勝手に…!」
竜華「…一応、失敗した時、慰めてもらおうと思って」ボソ
怜「……ホンマに、アホやな」ギュッ
竜華「!」
怜「…失敗するわけ、ないの、わかっとったやん」チュッ
竜華「………あー、やっぱ飲み屋やなくてホテル行こうか」
怜「え…嫌やっ」
竜華「…………冗談。じゃ、行こう?ここの近くやから」
竜華「あ、泉やら浩子やらも駆けつけてくれるらしいでー?」
怜「えー………冷やかさそうで大概いややな…」
竜華「ええやん!楽しいで、ほら」スッ
怜「…………うん」
ギュッ
――これからも、二人で一緒に…な?
おわり
全てのまとめ
>>1 怜「絶対ふとももなんかに負けたりしないっ!」キッ
>>12 怜「今日はまだ泉一人か」泉「はい…」
>>24 セーラ「猫に変身する薬?」船Q「はい」
>>53 怜「文化祭で劇?」
>>78 竜華「迷子?」咲「はい」
>>104泉「先輩方のここまでの流れ、まとめてみませんか?」
>>116怜「(白糸台に練習試合に来たんはええけど…)」
>>137怜「今日さ、泊り行っていい?」竜華「え、は!?」
>>174竜華「体育祭やー!」セーラ「やー!」
>>197怜「ポッキーの日やでー!」
>>218船Q「今年度の文化祭についての会議を行います」
>>244怜「なんやコレ…瓶?」
>>288竜華「姫松文化祭っ!」
>>305怜「追試になってしもうた…」
>>329怜「たかみーから電話や」
>>345竜華「………肝試し?」
>>367咲「ここ、どこ……?」憧「うーん…」
>>387竜華(20)「怜もハタチになるし、お酒買いに行こか」
>>414怜「もうすこしでさ、竜華誕生日やん」
>>450怜「…あ、シャンプー切れてる」
>>467竜華「妹が欲しい」
>>501竜華「体育祭、午後の部…」船Q「…開幕です!」
>>531とき(5)「ここ、どこや………?」
>>551セーラ「……窓ガラス、割ってしもた」
>>573竜華「今日って、十五夜やんな?」
>>582泉「部長ドッキリ?」
>>612怜「寝たフリしてみよ」
>>628竜華「…きすまーくって、どうやって付けるんやろ」
>>651竜華「徹夜で麻雀!」
>>672竜華「赤ちゃん欲しい…」
>>691怜「竜華って、苦手なことあるん?」
>>707怜「合宿の夜事情…」
>>731怜「付き合って、3日やん?」
>>758華菜「天江衣!大阪に行くしっ!」
>>776怜「今日はウチが上や」
>>800竜華「スポーツの秋!」怜「食欲の秋!」
>>817怜「姉妹ぷれいをもっと極めようと思う」
>>834怜「んぅ………朝か」
>>852泉「お疲れさまでーす……」
>>865怜「仲直りできへん……」
>>895竜華「……お、おわったぁ…」
>>915怜(23)「……仕事終わったー」
長々と読んで頂きありがとうございました。
P.S.他の人の怜竜SS読みたいんでこれを機にお願いします(懇願)
それでは。
html依頼出してきますけど、
スレ残ってる限りリクの怜竜小ネタ書いてきますね(1レス方式)
りゅうか(5)「おねえちゃーん!遊んでー!ねえねえ」ユサユサ
怜「(この子ホンマ可愛いなぁ…ま、竜華やし、当然やな)」
りゅうか(5)「ねえってばぁ」ユサユサ
怜「(…でも、今の竜華と一緒で、虐めたくなる顔しとるな)」
りゅうか(5)「ときおねーちゃん、遊んでくれないのー?」ユサユサ
怜「(やったろ)」
怜「うっ……そんなに揺すられると…」パタ
りゅうか(5)「!?」
怜「うう…今までありがとうな…りゅう…か…ちゃ…」スッ
りゅうか(5)「おねーちゃーー!?」ガビーン
怜「(お、ナイスリアクションやな)」
りゅうか(5)「うそや!お、おきて!おねーちゃん!」ユサユサ
怜「(ふふふ、どーすんねやろ)」
りゅうか(5)「あー、そやっ!」
怜「(………え?)」
チュッ
怜「~~~!」パチッ
りゅうか(5)「やったー!起きたー!」バンザーイ
怜「な、な、何を……!」カアアア
りゅうか(5)「倒れたおひめさまはねー!ちゅーしたらおきるの!」ニコニコ
怜「そ、っか、お本で読んだんかな?」
りゅうか(5)「うんー!」ギュッ
怜「わわっ、何!?」
りゅうか(5)「おねーちゃんがおきて、良かったー」パアアッ
怜「…ご、ごめんな?」ナデナデ
怜「(あー、…ヤバい、この子連れて帰りたい)」ドキドキ
ガラガラ
船Q「お疲れ様でー…って、その子何ですか?」
怜「……………船Q」
船Q「はい?」
怜「APTX4869ちょーだい」
船Q「…え、持ってないですよ」
怜「なら、竜華を二人にして?」
船Q「は?」
おわり
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