怜「ありがとう、竜華」 (153)

ss初投稿です

投稿は不定期になると思います

方言とか間違えたり内容つまらなかったりするかもしれませんが見ていただけると幸いです。


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インターハイ終了後、秋 千里山女子校麻雀部 

セーラ「ロン、12000や!」

泉「うっ、トビました…」

セーラ「まったく、相変わらず甘いでー泉」

泉「うぅ、これでも努力しとるんですよ・・」

浩子「こりゃ、次のレギュラーも危ういかもなぁ」

泉「えぇ!そんなこと言わんといてくださいよ、船久保先輩!」

竜華「まぁまぁ、落ち着きーな泉。次の大会まで時間あるんやしあわてたってしゃーないで」

竜華「泉はまだ二年あるんやしのびしろもあるんや。これからきっと上達すると思うでー」

泉「清水谷先輩・・、ありがとうございます!」

セーラ「よーし、そんならこの優しい先輩いっちょ特訓の相手したるでー」

泉「えぇ!それはちょっと・・ てゆーか自分で優しいっていうんですね」

セーラ「なんやてー、どーゆーことやそれ」

ワーワーギャーギャー



竜華「ふふ、久々に来たけどみんな元気そうやなー」

浩子「ええ みんな引退された先輩方の穴埋めようと必死に練習してますわ」

竜華「そうかー そりゃウチらも嬉しいかぎりやな」

浩子「先輩方が果たせなっかったインターハイ制覇、ゼッタイうちらが成し遂げて見せるんで期待しとってください」

竜華「期待しとるで、船久保部長」

浩子「はい、任しといてください」

怜 「ツモ 2000・4000」

竜華「おっ、怜の卓も終わったみたいやな」

オツカレサマ  オツカレサマデシタ、センパイ

怜「ふぅ~、後輩相手に打つんも大変やな~」
 
竜華「怜、お疲れさま」

浩子「お疲れ様です ほな、そろそろ練習終わりますか」

ミンナー、カタズケルデー ハイ!

怜「船Qもエライ部長らしくなったな~」

竜華「せやな~、ウチも鼻が高いわ」

怜「・・アンタなんもしとらんやないの」

竜華「いやいや、ウチが部長の仕事をしっかりこなしとる姿見とったから浩子もあんな風にしっかりしとるんやと思うで」

怜「・・何言うてんの。天然の竜華から得るモンなんてなんもないやん」

竜華「ちょ、冷たすぎやないか!?」

怜「だってそうやもーん」

浩子「ほらほら先輩方、もう片付けおわりましたし早よ部室いきましょ」

竜華「おぉ、わかったでー浩子」

怜「あぁ、早よう部室いって横になりたいわ。ウチ病弱やし」

竜華「そのアピールいい加減やめーや」

怜「えぇ~だってホントやし、インハイでも倒れたんやし」

竜華「まったくもう・・・コホッコホッ」

怜「なんや?竜華も病弱アピールか?」

竜華「ちゃうわ。もしかしたら風引いたかもしれんなぁ」

怜「えぇ~。移すさんといてよ、ウチ病弱やしすぐかかるわ」

竜華「やからやめぇって、そのアピール」











 

すいません、今日はこれくらいしときます

続きはまた明日から書いていきます。

誤りがあったので訂正
>>5
×怜「移すさんといてよ」

○怜「移さんといてよ」

あと、今日の更新は正午くらいからを予定しています

~練習後 麻雀部部室~

怜「やっと部室ついたな~」

竜華「せやな~」

怜「と、言うわけで竜華・・」

竜華「ふふ、わかっとるよ」 スッ

竜華「おいで、怜」 ポンッポンッ

怜「ん・・ありがと竜華」 ゴロン

怜「~~♪」

浩子「相変わらずお二人方、仲がいいですね~」

セーラ「まったく、一緒におったらこっちが疲れるわ~」

竜華「まあまあ、そんなこと言わんといてなセーラ」

怜「それにしても、もうインターハイからだいぶ経ったなぁ~」

竜華「せやな~。ついこの前のことと思っとったんにな~」

セーラ「時は金なり、ってやつやな~」

泉「それ、使い方まちがってません?」

浩子「それを言うなら、光陰矢のごとし、やないですか?」

セーラ「なっ!? ・・ちょっと間違えただけやからな!」

泉「ホンマですか~?江口先輩」

浩子「必死ですね」

アハハハハ









浩子「しかし今年のインハイ、すごかったですね」

セーラ「団体戦でも個人戦でも宮永姉妹があばれまくっとったからな~」

竜華「でも最終的にどっちも宮永照が勝ったからな~、ほんますごいわ~」

怜「姉は強しってやつやな~。ウチもうあんな人とゼッタイ戦いたくないわ~」

浩子「まぁ、姉は今年でいなくなりますけど、妹はまだいますからね。うちらはたいへんですわ」

泉「ほんまですよ。まぁいつか絶対勝てるようになってみせますわ」

セーラ「おぅ、その意気やで!泉」

竜華「応援しとるで~泉 ・・・コホッコホッ」

泉「ん、風邪ですか清水谷先輩?」

竜華「うん、ちょっとな。おとといから咳き出始めたんや」

浩子「ホンマですか?気をつけてください。受験生なんですし」

竜華「ん、ありがと」

セーラ「そんならそろそろ帰るか、竜華も早よ休んだほうがええやろ?」

竜華「せやな、そろそろ行くか。ほら怜、帰るで」

怜「ん~~、あと5分~」

セーラ「なに言うとんねん、はよ起きぃや」 ペシッ

怜「痛っ。もうせっかちやな~」

竜華「それじゃあまたな~、泉、浩子」

泉・浩子「お疲れ様でした~!」

~下校路~
竜華「コホッコホッ」

怜「あんた、ホンマに大丈夫かいな?」

セーラ「さっきからずっと咳きしとるで」

竜華「大~丈夫大丈夫、平気やで~」

怜「てゆうか何でマスクしてこんだん?風邪気味なんに?」

竜華「いや~朝いそいどってな~、間違えてマスクの箱やなくてティッシュの箱つかんできてしもうたんや・・」 ハハハ

セーラ「!! やから今日竜華の机にティッシュの箱あったんか」

怜「相変わらず、竜華はどっか抜けとんな~」

竜華「ホンマやわ~」

アハハハハ

竜華「・・・ウチらの夏、もう終わってしもたんやなぁ」

怜「いきなりどうしたん?竜華」

竜華「いやぁなぁ、今年の夏はいつもよりも長かった、そんな気がしてな~」コホッコホッ

セーラ「そうやなぁ、俺ら3人にとっては最初で最後のインハイやったからな~」

竜華「結果は・・まぁ悔いが残るもんやったけどなぁ」

怜「そんなこと・・ないと思うで」

竜華「怜?」

怜「ウチな、ホンマ嬉しかったんや。インターハイに出れて」

怜「いままでずっと二人の背中を追っかけるだけやったんに、やっと同じ舞台に立つことができたんや」

怜「そりゃ、一軍に入れたんも一巡先をみる能力に目覚めたからやけど、それでもうれしかったんや」

怜「まぁインハイでは倒れてもーたし、準決勝敗退やったけど、二人と一緒にインハイ戦えたから悔いなんかないわ」

竜華「怜・・・」

セーラ「・・・そやな。俺も今年のインハイは一番楽しかったわ!」

竜華「ん、ウチもやわ」

怜「あれ、竜華は悔いあったんとちゃうか?

セーラ「いきなり手ェ返したらアカンで~」

竜華「えぇ!?ちょ、ヒドない?」 コホッコホッ







怜「そういえばセーラ、卒業後の進路決めたん?」

セーラ「俺か?俺はスカウトがきたら、そのままプロの世界に入ろうと思てんねん」

竜華「スカウトが来たらって、セーラ絶対スカウトくるやろ」

セーラ「ん~そうかな~?そういう竜華もスカウト来るやろ」

竜華「ウチは、まぁプロの世界には興味あるけど、大学も行きたいしスカウト受けんと思うわ」

セーラ「えぇ~、なんかもったいないなぁ」

竜華「まぁ、大学卒業したら考えるかもしれんな」 コホッコホッ

怜「プロかぁ・・ウチには関係のない話やなぁ」

竜華「そうか?怜もインハイで活躍しとったし、スカウト来るかもしれんで」

怜「それでもな~。ほら、ウチ病弱やし」

セーラ「やめぇよ、そのアピール。てことは怜も大学か?」

怜「そうやなぁ~。できたら竜華と同じとこ行きたいわ」

セーラ「ホンマ仲えぇなぁ、お前ら」

怜「まぁな~。りゅうかー、竜華はどこの大学考えとるん?」

セーラ「あれ?竜華は?」

怜「?さっきまで一緒やったんに」

ゴホッゴホッゴホ

セーラ「!?」

怜「ちょ、竜華!?」

竜華「ゴホッゴホッ、ゴホッゴホッ」

セーラ「おい、大丈夫なんかお前?」

竜華「だ、大丈夫。ちょっと咳きこんだだけや」 ゴホッゴホッ

怜「大丈夫ってアンタ、もう座りこんで苦しそうやないか!」

竜華「平気やって怜。へーきへー・・ゴホッゴホッゴホッ」

怜「竜華!」

セーラ「!!竜華、手についとるそれって・・・」

怜「血・・やないか?」

竜華「へ・・血?嘘やろ?・・うっ!? ゴホッゴホッゴフォ!」

怜「!? 竜華!!」

セーラ「っ!?竜華が・・血を・・吐いた?」

怜「セーラ!早よ救急車を・・!」

セーラ「はっ!わ、わかった!」」ピッピッピ

モシモシ、ビョウインデスカ?トモダチガチヲハイテ・・

竜華「ゴホォゴホォ・・、ゴホォゴホォ・・」

怜「竜華ぁ、りゅ~~か~~~!」 ピーポーピーポー










今日はここまでです

平日は職業柄更新が厳しいかもしれませんが、ご了承ください

~2日後 病院~

コン、コン

竜華「は~いどうぞ」

ガラガラ

セーラ「おっす、竜華」

竜華「お~、セーラ。それに怜も…わわ?」 ガバッ

怜「うぅ、竜華ぁ、りゅうかぁ~」 ポロポロ

竜華「ど、どないしたん怜?そんないきなり泣き出して?」

怜「アホッ!決まっとるやないか!」

怜「いきなり路上で血ぃ吐いて、ウチホンマ心配しとったんやで」 グスッ

竜華「怜…ごめんな、心配かけさせて」

怜「ホンマ、竜華のアホォ…」 ヒックヒック

セーラ「俺もやで竜華、いきなり血ぃ吐いたんやからビックリしたわ」

竜華「セーラもごめんな。心配かけさせて」

セーラ「ええってええって。それより、竜華が元気そうで何よりやわ」

竜華「まぁな。まだ咳はでるけど前よりは楽になったわ」

竜華「竜華、お医者さんなんて言っとったん?」

竜華「うん、なんか気管支系の病気なんやって。まぁ、まだ詳しいこと分からんからまた検査するんやと」

怜「えっ?じゃあまだ退院できへんの?」

竜華「うん、検査おわってからやから、あと1週間くらいかなぁ」

怜「1週間も竜華に会えんやなんて、なんか寂しいなぁ」
シュン

セーラ「ホンマは膝枕してもらえんで寂しいんとちゃうか?」

怜「ッ?そ、そんなことないで」 アタフタ

竜華「ふふ、1週間膝枕ガマンしとってな~、怜」

怜「うぅ、わかったわ」

竜華「退院したら思う存分膝枕したるからな」

怜「? 約束やで、竜華」

竜華「はいはい」

セーラ「ほな、そろそろ行くか。あ、竜華。これに果物ぎょうさん入っとるから食べてな」 ドサッ

竜華「お~、ありがとな~」

怜「ほな、体に気をつけてな~」

竜華「怜のほうこそ、じゃあまたな~」

失礼、
>>19に誤植がありました

×怜「?約束やで、竜華」
○「!?約束やで、竜華」

何度もすいません

コツ、コツ、コツ

セーラ「いや~、竜華元気そうでよかったな~」

怜「…ん、そやな」

セーラ「? どーしたんや怜、なんや元気ないけど」

怜「…なぁセーラ」

怜「検査って…、こんな長引くもんなんかなぁ?」

セーラ「えっ? …うーん、そんなこと俺に聞かれてもなぁ、わからへんわ」

セーラ「第一、こーゆうことは怜のほうが詳しいんとちゃうか?」

怜「そりゃあウチ、実際検査入院したことあるけどなぁ」

怜「でもウチがした時より、なんや検査長い気がしてなぁ…」

セーラ「そんなこと心配したってしゃーないで。それに竜華はゼッタイ何もない、せやろ?」 バンッバンッ

怜「そ、そうやよな」 アハハ

怜(竜華、アンタ、ホンマに大丈夫やよな…)

~それから2日後、千里山女子高校~
泉「え? 清水谷先輩、まだ入院してはるんですか?」

怜「うん…なんか検査長引いとるらしぃわ」

浩子「心配ですね。しかも、血ぃ吐かれたんでしょう?」

セーラ「そーなんや、なんや気管支系の病気やって竜華言っとったわ」

セーラ「でも、前見舞いに行った時は元気そうやったで~」

浩子「…喀血ですか、ただの肺炎やったらいいんですけど」

セーラ「喀血?なんやそれ?」

浩子「簡単に言うたら、気管支、例えば肺とか気道から出血することですわ。肺炎とかになったら起きることあるんです」

泉「へ~、さすが船久保先輩。物知りですねぇ」

泉「ん、でもただの肺炎ってどうゆうことですか?まさか…清水谷先輩はもっと重い病気にでもなっ…」

怜「ッ! 泉? それ以上言ったらはっ倒すで!」 バンッ

泉「ひっ?」 ビクゥ

セーラ「せや、泉?いくらなんでも冗談が過ぎるで」か

泉「す…すいません、でした…」

浩子「ウチもちょっと憶測がすぎましたわ、すみません」

怜「…まぁ、ええよ。二人とも竜華を心配して言ってくれたんやからな」

セーラ「お、怜。もうこんな時間や。早よ病院行こうや」

怜「ん、そやな」

浩子「病院行かれるんですか。それなら清水谷先輩によろしく言っていただけませんか?」

セーラ「おぉ、わかったわ。それじゃあな~」

泉「先輩方、さようなら~」

~数十分後、バス内~

セーラ「いや~、なんとか間に合ったなぁ」 ハァハァ

怜「もうセーラ、バスの時刻間違えんといてぇな」 ゼーゼー

セーラ「いや~、ホンマ悪りぃ」

シヌカトオモタワ ソンナオオゲサナ

~~~

セーラ「竜華のやつ、元気にしとるかなぁ?アイツ、怜に膝枕できんでノイローゼにでもなっとんとちゃうか~」

怜「…そーかもなぁ」

セーラ「なんや怜、さっきのこと、まだ気にしとんのか」

怜「うん、まぁ…」

怜「やって、いくらなんでも長すぎないか?ウチ、心配やわ…」

セーラ「やから心配し過ぎやって」

怜「それに、もし竜華になんかあったらウチ…、ウチ…!」 ウルッ

セーラ「ッ! アホか、怜!」

怜「!?」 ビクッ

セーラ「俺らが竜華の事信じんで、誰か信じんねん!」

怜「…あっ」

セーラ「俺らは竜華の親友やろが。やったら何がなんでも竜華の事を信じるべきやろ」

セーラ「それが…友情ってやつやろ」

怜「ッ!セーラ、ウチ…」ポロポロ

セーラ「ん、分かればええんよ分かれば」

おばちゃん「いや~、あんたホンマええやつやな~」

セーラ「へ?何なんおばちゃん?…あっ!」

イヤ~エェハナシヤワ

カッコエェノォ、ジョウチャン

ウチカンドウシタデ~

パチパチパチパチパチパチ

セーラ「あ…あの、その…」

怜「セーラ、カッコよかったで」 クスッ

セーラ「~//」 カァ~

ツギハ~、○○ビョウインマエ~

~病院のロビー~

セーラ「あぁ~、恥かいたわ~」

怜「バス中の人、みんなセーラのこと見とったな」 ププ

セーラ「誰のせいやと思っとんのや、おい」 コツン

怜 「ふぐっ!?」

ナニスンネン! シカエシヤ!

怜「…ん?あそこにおるのって…」

セーラ「お、竜華の母さんやないか。せっかくやし挨拶しとこか」

怜「せやな…おばさん、こんにちは」

竜母「…あら、セーラちゃんに怜ちゃん。こんにちは」

竜母「いつもありがとうなぁ、お見舞い来てくれて」

セーラ「いえいえ。あっ、おばさん、竜華の具合どうですか?」

竜母「うん…、そのことなんやけどな…」

怜「?どないしたんです、おばさん?」

竜母「…やっぱ二人には…話しとくべきやよなぁ」

セーラ「えっ?なんのことです?」

竜母「ええか?今から言うこと、落ち着いて聞いて欲しいんや」

竜母「この前竜華の精密検査をしたんやけどな、その時にな…」










竜母「喉にな…癌が見つかったんや…」 ポロポロ










怜「…えっ?」

喀血したから肺かと思ったら咽頭か
十代女性は症例少ないから余計に悲しい
声枯れとか初期症状なかったのかな
続き期待

>>43 あったものと考えてください

ちょっと遅れましたが、今から投稿していきます

~竜華の病室~

コン、コン

竜華「…はい」

ガラガラ

セーラ「よぉ…竜華」

竜華「おぉ、セーラに怜。久しぶりやなぁ」

怜「……」

竜華「ん、どうしたん怜?そんな重苦しい顔なんかして、らしくないで」 アハハ

怜「…話は、おばさんから聞いたで」

竜華「…そう、か」


~回想~

セーラ「あの、おばさん。竜華にこのことって…」

竜母「…話したよ、隠してたってしゃーないからなぁ」 グスッ

竜母「これからあの子はちゃんとガンと向き合っていかなあかんし」

セーラ「そう、ですか…」

竜母「あとな、ふたりには竜華と普通に接して欲しいんよ」

怜「え…?」

竜母「変に気ぃ使ってもあの子のストレスになるだけや」

竜母「それになぁ、竜華はふたりに心配かけたくないと思とるやろうし…」

怜「…わかりました」

~~~

竜華「話は…オカンの言ったとおりや」

怜「竜華…」

竜華「…ちょっと、外出て話そか」

セーラ「ええんか?」

竜華「うん、先生から許可はもらっとるから大丈夫やで」

~屋上~

竜華「屋上、誰もおらんな」

セーラ「そうやなぁ」

竜華「…あそこのベンチに座ろか」

怜「うん」


竜華「ほら怜、久しぶりに膝枕したるで」 ポンポン

怜「えぇ、でも…」

竜華「ええって、ウチもしたいから」

怜「…じゃあ、お言葉にあまえて」 ゴロン

怜「…やっぱ、竜華はええ膝しとるわ」

竜華「あはは、ありがとぉ」

竜華「話は、オカンの言ったとおりや」

セーラ「そうか。ガンとか、あんまこの歳で気にするようなもんやないと思っとったわ」

竜華「ウチもやわ。まして自分がかかるなんて、夢にも思わんだわ」

セーラ「…手術は、するんか?」

竜華「ううん、せん。何かな、ガンが声帯の近くにあるから、手術したら後遺症のこるかもしれへんのやと」

竜華「やから、放射線治療と抗がん剤を併用していくんやって」

セーラ「そんなんか、声帯の近くって、ホンマコワイなぁ」

竜華「ホンマやわ」 アハハ

怜「…なんでや」

竜華「どうしたん、怜?」

怜「なんでもともと元気な竜華が病気に、しかもガンなんかにならなあかんねん!」

セーラ「怜…」

怜「ガンやったら、もともと病弱なウチがなればええんに、なんで竜華なんや?」

怜「なんで…なんで…!」 ポロポロ

竜華「怜、心配してくれてありがとな」 ナデナデ

竜華「でも、ウチは大丈夫や。先生も早期発見やから十分治る可能性あるって」

怜「でも、でもっ…!」

竜華「それにな、ウチ…まだ怜やセーラと一緒におりたいねん」

怜「!!」

竜華「やから、ガンなんかに負けんと、ゼッタイ治してみせるからな」

怜「竜華ぁ、りゅーか~!」 ウワーン

竜華「あはは、怜は泣き虫やなぁ」 グスッ

セーラ「せや、竜華はガンなんかにゼッタイ負けへん!」 グスッ

セーラ「俺らにできることあったらなんでもするからな。遠慮せずに言ってや」

竜華「ありがと、セーラ」

怜「ウチもなんでもするからな、竜華」 ヒック

竜華「ん。怜も、ありがとな」

セーラ「…おっ、日が沈むで」

竜華「あ、ホンマや~」

怜「綺麗やなぁ」









今日はここまでです

また、明日以降から更新します

~1週間後~
怜(久しぶりに竜華のとこ来たなぁ)

怜(ここんところ進路こととかで全然見舞い行けんかったからなぁ)

怜(セーラは今日も進路のことで先生と話すから来れんだけど)

怜(フフッ、でも竜華、これ見たら驚くやろな~) ゴソゴソ

怜(クラスのみんなや麻雀部のみんなが作ってくれた千羽鶴)

怜(きっと竜華、感動し過ぎて泣いてまうかもな)

コン、コン

怜(あれ、反応がない。寝とるんかな?)

怜「竜華~、入るで~」 ガラガラ

ハァ、ハァ ウゥ…

怜「!?、竜華!」

竜華「…怜か?…久しぶりぶりやなぁ」
ハァハァ

怜「ちょ、竜華、大丈夫なん?お医者さん呼ぼうか?」

竜華「いや…大丈夫や、怜」 ハァハァ

怜「大丈夫って、…あんた苦しそうやないか!」

竜華「いやこれな、副作用なんや、抗がん剤の…」

竜華「やからな、仕方ないことやねん」 ハァハァ

怜「そんな…」

竜華「あはは、怜、心配せんでも大丈夫やで」

竜華「ガン治す為には耐えなあかんからなぁ…」

怜「竜華…」

竜華「ん、それ、もしかして千羽鶴かぁ?」

怜「あ、うん。クラスや麻雀部のみんなが竜華のためにって…」

竜華「フフッ、嬉しいなぁ。ありがと、怜」 ハァハァ

怜(…竜華) ッ!











~次の日~
怜(セーラは今日もこれんらしぃなぁ)

怜(まぁ、仕方ないかぁ。なんかスカウトもたくさん来とるやしいし)

怜(でも、ウチだけでも行かんとなぁ)

怜(竜華はあんな苦しんどるのに、頑張っとるんや)

怜(なんとか支えになってあげたいわ)

コン、コン

怜(…また反応がない。…入ってみるか)

怜「竜華、来たで」 ガラガラ

シ~ン

怜(あれ、寝とるんかな?ベッドのカーテンもしまっとるし…」

ヒック、ヒック

怜「!? 竜華、おるんか?」

竜華「怜?…いやっ!来んといて!」

怜「っ! どうかしたんか、竜華!」 シャー

怜(?なに、これ…)

怜(ベッドに髪の毛、たくさん抜けおちとる…)

竜華「うぅ、怜」 グスッ

竜華「来んといてって、ヒック、いったやないか…」

怜「竜華、ウチ…」

竜華「怜、悪いけど、一人にさせてくれんか?」

怜「えっ?…でも」

竜華「えぇから、ウチは大丈夫やって」

怜「そんな…竜華、ウチはアンタが…」

竜華「いいから帰って!!」

怜「っ!?」 ビクッ

竜華「お願いやから、一人にさせてぇな…」 ポロポロ

怜「…わかったわ」

ガラガラ




怜(竜華…)

怜(…そらツライわな、一度にあんなに髪の毛抜けたら)

怜(それに、副作用であんな苦しんどるし…)

怜(竜華はいま、大変な目にあっとるんや)

怜(…それなのに)

怜(ウチは…ウチは竜華になんもできひん…!)

怜(…ふふっ)

怜「ウチって、非力やなぁ…」

怜「……」

怜「…っ!」

怜「ごめんなぁ、ヒック、りゅうかぁ」 ポロポロ

怜「うぅ、なんも、ヒック、出来んで…」 グスッ


グスッ、ヒック、グスッ






今日はここまでです

~2日後、千里山女子高校~
セーラ「怜のやつ、今日も休んどるんか?」

クラスメイト「うん、なんか体調すぐれんらしいよ」

セーラ「ふ~ん、そうなんか・・」

セーラ(ここんとこ、竜華んとこ行けんかったから、今日は一緒に行こうと思ったんに・・)

セーラ(まさか怜まで体調崩すとわなぁ・・)

セーラ(しゃーない、今日は怜の様子見に行くか)

~怜の家~

セーラ「こんにちは~」

怜母「あらセーラちゃん、怜の様子見にきたの?ありがとな」

セーラ「いやいや・・、あっ、怜の具合どうなんですか?」

怜母「それがな、多分体はもう大丈夫やと思うんやけど・・」

セーラ「どうかしたんですか?」

怜母「なんかな、あの子ふさぎこんどるっぽいんよ」

セーラ「ふさぎこんどる?」

怜母「うん。時々部屋に様子見に行ったら、部屋から泣き声聞こえてくるんよ」

怜母「ちょっと心配やわ・・」

セーラ「怜・・」

セーラ(あいつ、俺がおらん間になんかあったんかな・・)



~怜の部屋~
セーラ「怜~、おるか~?」 コンコン

怜「・・セーラ?」

セーラ「入っていいか~?」

怜「ええよ、鍵あいとるから・・」

ガチャ

セーラ「なんや、元気そうやないか」

怜「うん、熱あったん昨日までやったからな・・」

セーラ「ほな、今日どうしたん?おばさん心配しとったで」

怜「うん、まぁな・・」

セーラ「・・俺がおらん間に、竜華となんかあったんか?」

怜「ッ!? ・・やっぱわかるんか?」

セーラ「まぁな、何年怜と一緒におると思っとるんよ」

セーラ「それに、怜がふさぎこむ原因って、それくらいしかないやろ?」

怜「はぁ~、やっぱセーラには敵わんな」 アハハ


続きは夜に書きます

怜「セーラがおらん間、ウチ、竜華のいろんな姿見て来たんよ…」

怜「後遺症の苦しみに必死に耐える姿、髪が抜けて悲しんどる姿」

セーラ「……」

怜「その姿見て思たんや、ウチにはその苦しみを取り除くことも和らげることもできひん…」

怜「目の前で竜華が苦しんどるんに、ウチはなんて非力なんやろなぁって…」

怜「そう思うとなぁ、なんか、悲しくてなぁ、グスッ、惨めでなぁ…」 ウルッ

怜「この2日間、ずっとそのこと考えとってなぁ。そしたら、涙出てきてなぁ…」 ポロポロ

怜「ごめんなぁ、セーラ。変に心配かけさてもうて…」 ヒック

セーラ「……ッ!」



バチン

怜「…ッ!?」 ヒリヒリ

セーラ「…なに勝手に落ち込んどるんよ」

怜「セーラ…?」

怜「なに怜がへこたれとるんやって言っとるんや!」

怜「…そないなこと言ったって、ウチ…」

セーラ「アホかっ!!」

怜「!?」 ビクッ

セーラ「お前、それでも竜華の友達か?」

セーラ「怜までへこたれてしまったら竜華はどうなんねん!」

セーラ「一番苦しんどるのは、竜華自身なんや!」

怜「…!」

セーラ「それなのに、怜までへこたれてしまったら、誰が竜華を励ましてやんねん…」

怜「う…あ…!」 フルフル

怜「セーラ、ウチ、ウチっ!」 ポロポロ

ダキッ

怜「ッ!セーラ…」

セーラ「そら、俺も竜華のそんな姿見たら、心苦しくなるわ…」

セーラ「でもな、俺らはなにがあってもへこたれたらあかんねん」

セーラ「俺らがへこたれたら、竜華もへこたれたまんまや」

セーラ「なんもできんのは、俺も同じや。でもせめて、応援くらいはしてあげなきゃあかんやろ…」

怜「セーラ、ウチ…」ポロポロ

セーラ「…ええよ、このまま泣いても」

怜「…うっ、うっ!」

ウワーン、ヒック、ヒック



>>74訂正
×怜「なに怜が…」
○セーラ「なに怜が…」

セーラ「落ち着いたか、怜?」

怜「うん…ありがとな。」

怜「なんかウチ、セーラに励まされてばっかやなぁ」

セーラ「ええってええって、俺ら友達やろが」

怜「セーラ…」

セーラ「それより、明日こそは竜華んとこ行こな」

怜「うん、わかったわ!」

怜「…あ、そうや。明日学校休みやし行く途中で買いたいものあるんやけど…」

セーラ「構わへんで~」

セーラ「おっ、もうこんな時間や。そろそろ俺、帰るわ」

怜「うん…今日はありがとな」

セーラ「ええって。じゃ、またな~」

怜「うん、また明日な~」

ガチャ、トコトコ

怜母「セーラちゃん、ありがとな。怜のこと励ましてくれて」

セーラ「おばさん!?聞いとったんですか?」

怜母「いやな、セーラちゃんの声あんまりデカイからな…聞こえてきたんよ」

セーラ「…あっ//」 カァ~

怜母「でも…、ホンマありがとな」

セーラ「いえいえ。それじゃ自分、帰りますわ」

怜母「ん、また来てな」

ガチャ


~帰り道~

セーラ(……) トコトコ

セーラ(…竜華のやつ、そんなに苦しんどったんか…)

セーラ(それなのに俺は、自分の進路のことを理由に、竜華のとこに行かんかった) ギリッ!

セーラ(…怜にはあんなこと言ったけど、俺も友達失格やなぁ…)

セーラ(フフッ…)

セーラ(……っ!) グスッ

セーラ「…はっ!あかんあかん」 ゴシゴシ

セーラ(俺まで落ち込んでどーすんねん!)

セーラ(…とりあえず今夜は、船Qからもらったアレがちゃんと動くようにせなあかんな…)

セーラ(きっと、竜華も喜ぶやろなぁ)

セーラ「…よし、頑張るで~!」

今日はここまでです

さて、自分のなかでは一応折り返し地点にさしかかったのですが、ここまでいかがですか?

感想を書いていただけると幸いです

今日の更新は夜におこないます

~次の日、竜華の病室~

竜華(あれから怜、来んようになったなぁ…)

竜華(そりゃそうやよな。あの時、あんなひどいこと言ってもうたんやからなぁ…)

竜華(いくら自分が混乱しとったからって、あれはいくらなんでも言い過ぎたわ)

竜華(…自業自得やなぁ)

竜華(セーラも全然来んようになったしなぁ…)

竜華(きっと進路のことで忙しいんやろなぁ)

竜華(……)

竜華(なんや今日は、いつもより髪の毛抜けとるような気がするなぁ)

竜華(今なら怜が言っとった事もわかるわ)

竜華「…生きるんて、辛いなぁ…」 ハァ

竜華(……)

竜華(……)

竜華(…っ!) フルフル

竜華(二人に、セーラと怜に、会いたいなぁ…) グスッ

コンコン

竜華「…!」

ハイルデ~、リュウカ~

竜華(この声…!)

ガラガラ

セーラ「よっ。久しぶりぶりやなぁ、竜華」

竜華「セ、セーラ…」

怜「元気にしとったか~、竜華」

竜華「怜も…」

竜華「…っ!」 ポロポロ

セーラ「ちょ!?いきなりどうしたんや」

竜華「うっうっ、だって、グスッ、二人とも、グスッ、ここんとこ来てくれんだから…」

竜華「ウチ、二人に、グスッ、見捨てられたんかと思うて…」 ヒック

怜「竜華…ごめんな、ウチここんところちょっと体の調子崩してな…」

竜華「えっ?ウチがあんなこと言ったからとちゃうんか?」

怜「あんなこと?…あぁ、あれな」

怜「気にするわけないやろ、誰でもあんな事起きたら混乱してまうって」

竜華「と、ときぃ…!」 フルフル

セーラ(ホンマはひどく気にしとったけどな…)


セーラ「俺もごめんな、竜華」

竜華「セーラ?」 グスッ

セーラ「怜から聞いたんや、竜華にどんなことが起きとんのか…」

セーラ「竜華がこんな苦しい思いしとんがに、俺、自分の進路のことばっかに気をとられて…」

セーラ「ホンマごめん。俺、竜華の友達失格やわ…」

竜華「セーラ…。ううん、全然気にしとらんよ」

竜華「むしろ嬉しいんよ、いつかセーラがプロの立つって想像したらなぁ」

竜華「セーラ、自分の進路、しっかり考えてな」

セーラ「竜華…」

セーラ「…ありがとな、応援してくれて」

竜華「ええって、お礼なんて」


セーラ「せや、今日は俺らから竜華にプレゼントがあるんや」

竜華「プレゼント?なんやなんや」

セーラ「ふふっ、驚くなよ~」ゴソゴソ

セーラ「ジャーン!」 バッ

竜華「こ、これって…」

セーラ「デジタルフォトフレーム、ってやつや!」

竜華「わぁ、すごいなぁ。でもこれ、高かったんとちゃうか?」

セーラ「大~丈夫。船Qに手伝ってもらってな、安く値切ってもろたんよ!」

怜(…いったいどんな手つかったんやろ、船Q…)

セーラ「写真はもう俺が選んで入れといたで~」

竜華「そうなんか、じゃあ後で見てみるか~」

怜「ウチからもプレゼントあるで!」ゴソゴソ

怜「はい、竜華!」

竜華「ありがとな。…うわ、なんやエライ綺麗にラッピングしてあるなぁ」

怜「開けてみてもええで~」

竜華「そう、そんなら…」 ガサゴソ

竜華「…! かわいいなぁ、このニット帽」

怜「せやろ~、ウチが見つけたんやで」

怜「これなら、竜華の頭、隠せるしな…」

竜華「怜…ありがとな」

竜華「今かぶってみるな」 ゴソゴソ

怜「っ!似合っとるで、竜華」

竜華「ホンマか!」

セーラ「あぁ似合っとる!…でも、それかぶったら、いかにもガン患者っぽいなぁ」

竜華「…言わんといてぇな、それ」 ハァ

セーラ「あ、ごめん…」












竜華「ほな、写真見てみるかぁ」

怜「あ、ウチも見たい!」

セーラ「そんなら3人一緒に見るか~」

~~~

竜華「あ、これ入学式の時の…」

怜「三人で一緒に校門の前で撮ったやつやなぁ」

セーラ「いや~、なんか若々しいなぁ、俺ら」シミジミ

怜「…なに年寄り臭いこと言うてんの」

竜華「これは体育祭の時やなぁ」

セーラ「…そういやこん時、竜華、倒れた怜のとこ行くために、リレーの途中でコース逆走したんやったなぁ」

竜華「あれは、今思い出すとホンマ恥ずかしかったわ…」ハァ

怜「あれ、千里山の伝説になっとるで…」

竜華「あ、これって…」

怜「セーラが学校祭で制服着たときの写真やなぁ」

セーラ「わっ!?はよ次の写真見ようや」 アセッ

竜華「こん時のセーラすごかったなぁ~。周りの人たちみんなキャーキャー言っとったなぁ」 クス

怜「ギャップ萌えってやつやな」 ニヤニヤ

セーラ「ワ~~~!!」 カァ~

怜「これは、修学旅行の時やなぁ」

竜華「京都、近いけどあんま行けへんからなぁ。また行きたいわ~」

セーラ「…俺、こん時お前らと一緒のグループになったこと、後悔しとるわ」 ハァ

竜華「えっ!?なんで?」

セーラ「だってお前ら、京都でも人目気にせんと膝枕するからな。一緒におる俺が恥ずかしかったわ」

怜「えぇ~、だってウチ病弱やし…」

セーラ「そのアピールやめぇ!」



竜華「あ、こっから麻雀部の写真やなぁ」

怜「せやな…あ、これこの前の合宿の…」

セーラ「怜が初めてレギュラーとして参加したやつやな」

竜華「あの時の怜シフト、覚えとるか?」

セーラ「もちろんや! 入院しとった怜を連れてくためにあの手この手で考えからな~」

怜「いや~、みんなに気を遣わせて、なんか申し訳なかったわ」

竜華「ええって別に。それにしても、この合宿、ホンマ楽しかったわ」

怜「せやな~。セーラが泉に無茶振りふって…」

竜華「それに対して泉は、必死にボケかまして…」

セーラ「それを船Qが冷静にツッコんで…」

怜「で、ウチは竜華に膝枕してもらいながらその光景見とったんや」

竜華「ホンマ面白かったな~」

~~~

竜華「あ、これで最後や…」

怜「これって…」

セーラ「引退した時に部室で撮った写真やなぁ」

怜「うわ、みんな変な顔しとるなぁ」

竜華「あはは、ホンマやなぁ」

セーラ「特に泉見てみぃよ。すごい顔しとるで」

怜「うわ、ホンマや」

竜華「こりゃヒドイなぁ」

アハハ


竜華「…懐かしいなぁ、ホンマ」

怜「竜華?」

竜華「なんか今年はいろんなことがあったな~、って」

竜華「そんでもって、たくさんの思い出出来たな~、って、そう思てなぁ…」

セーラ「…なに辛気臭いこと言うとんねん、竜華」

竜華「セーラ…、ん、そやな」

竜華「ウチ、まだ二人といっぱい思い出つくりたいわ」

竜華「やから、頑張ってガン治すわ」

セーラ「お~、その意気やで、竜華!」

怜「ウチらも応援しとるからな~」

竜華「ん、ありがとな~」

怜(よかったわ~、竜華が元気になってくれて…)

セーラ(俺らも、精一杯竜華のこと支えてやらんとなぁ)

~~~

怜(ウチもセーラも、この時、このまま竜華が元気になってくれる)

怜(そう、信じて疑わなかった…)

怜(…やけど)

怜(まさか竜華があんなことになるなんて…)

怜(この時、ウチらはまったく予想もしとらんかった…)

~~~

ふぅ、今日はここまでです

~月日は流れ、冬 竜華の病室~

セーラ「えっ、ホンマか?」

竜華「ホンマや、先生が言っとったわ」

竜華「ガン、大分治ってきとるんやって、やから薬はもう使わんでええらしいわ」

セーラ「そりゃよかったわ~。もう竜華もあんな苦しい思いせんでええし」

怜「せやな~。…でも、髪の毛、大分抜けてもうたな…」

竜華「大丈夫や、薬やめたらまた生えるようになるんやって」

竜華「まぁ、あの頃みたいな長さになるまでは時間かかるけどなぁ」

怜「そうなんか…。そや、退院とかいつになるん?」

竜華「早かったら、年明けてちょっとくらいやって」

セーラ「そんな早いんか~」

竜華「うん、学校も行っても構わへんのやと」

怜「きっと喜ぶで~、船Qや泉も」

セーラ「よっしゃ、今日は竜華の快復を祝ってパーっとやるで~!」

怜「病室で騒いだらアカンやろ…」

セーラ「んなことわかっとるわ!ちゃんと迷惑かからんように気をつけるわ」

セーラ「ほら怜、買い出し行ってくるで~」

怜「なんでウチまで…、ウチここで待っとるわ」

セーラ「んなこと言わんと、早よ行くで~」 ガシッ

怜「ちょ、セーラ!?」 ガラガラ

カイダシイクデ~ ソンナヒッパラントイテナ~

竜華「フフッ、元気やな~2人とも」

竜華「ウチも早よ、あれくらい元気にならんとな~」

竜華「…コホッ、コホッ」

竜華「あれ、おかしいなぁ」

竜華「ここんとこ寒かったから、風邪でもひいてもうたんかなぁ」


セーラ「ただいま~」 ガラガラ

竜華「おかえり~。…あれ、怜は?」

怜「 」 ゼーゼー

竜華「ちょ、大丈夫なん怜!?」

セーラ「だらしないなぁ、あんくらいの距離走っただけなんに」

怜「アンタが体力ありすぎるんよ…」 ハー、ハー

竜華「ほら怜、ウチの膝の上ではよ休みぃや」 ポンポン

怜「いやいや、病人にそんなことさせられへんって」 フラフラ

竜華「強がらんでええから、早よ!」

怜「…ほな、お言葉に甘えて」 ゴロン

竜華「どや、久々の膝枕は?」

怜「…やっぱ、最高やわ~」~♪

セーラ「やれやれ…。久しぶりに見るわ、この光景」


セーラ「ほら、あったかいお茶買って来たで~」

竜華「ありがとな~、セーラ」

セーラ「ええってええって、竜華いまジュース飲めへんのやろ」

怜「お茶に合うように和菓子も買ってきたで」

竜華「うわ~、ホンマありがとうな」

セーラ「ほな、さっそく食べるか」

竜華「せやな~、ちょうど小腹もすいてきたし」

セーラ「うまいな、これ」 モグモグ

怜「最近のコンビニもあなどれんなぁ」

竜華「お茶も美味しいし、ええな~」

モグモグ、モグモグ

竜華「なぁ怜、最近どうなん、勉強?」

怜「バッチリやで~。この前、志望校判定Aもらったし」

竜華「そりゃすごいな~、セーラはどうなん、どこのチームに入るか決めたん?」

セーラ「俺は大阪のチームに入ろうかと考えとるわ」

竜華「そうなんか~。てことは、いつか宮永照とも戦うことになるかもなぁ」

セーラ「おう、いつか絶対宮永をたおしてみせるわ!」

怜「応援するで、セーラ」

セーラ「おう。…竜華、お前はどうするん?」

怜「せや、竜華は退院したらどうするん?」

竜華「ウチか?そーいや考えとらんかったわ」

竜華「今からやったら、センター間に合わんやろな~」

竜華「プロになるんも、難しそうやし」

竜華「退院したら、またゆっくり考えるわ」

セーラ「んな呑気な…、まぁでもしゃーないか」

怜「自分の進路なんや、ゆっくり考えんとな」

竜華「うん、よーかんがえるわ」

竜華「…コホッコホッ」

怜「っ!? 竜華?」

セーラ「どうかしたんか?」

竜華「ごめんごめん、なんや風邪ひいたみたいやわ」

セーラ「なんや風邪かぁ~、びっくりさせんなや」

怜「ガン再発したかと思たわ」

竜華「ごめんごめ…うっ!?」

セーラ「竜華!?」

竜華「ゴホッゴホッゴホッ」 ガクガク

怜「大丈夫か竜華!」

竜華「息が…苦しい…」 ゴホッゴホッ

セーラ「っ! また血が…しかもこんなに…」

怜「はよ、ナースコールを…」 ポチッ

ピー、ピー

ダイジョウブデスカ、シミズダニサン

~数時間後~
タッタッタ
セーラ「おじさん、おばさん!」

竜母「セーラちゃん、怜ちゃん!」

怜「竜華は…、竜華はどうなんですか?」 ハァハァ

竜父「まだいろいろ検査しとるところや…」

セーラ「そうですか…」

怜「うぅ、竜華ぁ」 グスッ

セーラ(クソッ、一体なにが起きたんやっちゅーんや)

セーラ(竜華…、無事でいてくれよ) グッ

ガチャ、バタン

セーラ「あっ、先生!」

竜母「先生、娘は…娘は大丈夫なんですか?」

医師「落ち着いてください、娘さんは、今のところは平静を取り戻しました」

怜「よ、よかった…。竜華ぁ」

医師「…ただ」

竜父「ただ、なんですか?」

医師「えぇ、とりあえずご家族の方だけに、お話したいことがあるのですが…」

セーラ「先生、俺達にも聞かせてください!」

医師「しかし君たちは…」

怜「お願いです、先生!」 ペコリ

竜父「先生、私たちからもお願いしますわ」

竜母「この二人はいつも娘についていてくれたんです、せやから…」

医師「…わかりました。では、奥の部屋でお話いたします」


竜父「で、先生。話とは…」

医師「えぇ、娘さんのことですが…」

竜母「まさか、喉のガンが…」

医師「いえ、喉頭のガンはほとんど治りかけていました。ただ…」

セーラ「ただ…、何やっていうんですか?」

医師「先ほど、精密検査の結果がでたのですが、実は…」

医師「…肺への転移が、確認されました」

怜「て、転移!?」

竜父「転移って、先生…」

医師「我々も予想外でした、まさか転移を起こすなんて…」

竜母「先生、娘はまた、薬つかわんとあかんのですか、それとも手術せなあかんのですか?」

医師「そのことですが…」

医師「ガンはもう、肺全体を侵しています。これでは手のうちようがありません」

セーラ「そんな…まさか!?」

医師「大変申し上げにくいことですが…」






医師「もって、余命3ヶ月でしょう…」






セーラ「なっ…!?」






怜「そ、そんな、竜華が…」 ガクッ


今日はここまでです

ちょっと無理矢理な展開ですいません

すいません、もう1レスだけ投稿します

セーラ「…ふざけんなや」

怜「セーラ…?」

セーラ「なんでそんな簡単に余命なんか言えるんや!」 バンッ

セーラ「自分ら医者やろーが、やったらちょっとくらい竜華治す努力したらどうなんや!」

医師「しかし、もう本当に手のうちようがないんだ…」

セーラ「何が、手のうちようがない、や!」

セーラ「第一、なんで転移に気づかんだんや!」

セーラ「普通に検査しとれば気づくもんやないんか!」

医師「もちろん、我々も定期検査はしていたさ。しかし異常はなかったんだ…」

医師「これは本当に予想外だったんだよ」

セーラ「なんやて…このッ!」 クワッ

医師「うわっ!」 ガシッ

竜母「セーラちゃん!」

竜父「落ち着くんや、セーラちゃん!」 ガシッ

怜「暴力はアカン!」 ガシッ

セーラ「グッ、離してーな!このヤブ医者、一発殴らな気ぃすまへん」

セーラ「予想外やて?アンタ、竜華の命なんやと思っとんのや!」

セーラ「人の命は、そんな言葉で済ませれるような軽いもんやないんやで!」

セーラ「クソ…クソッ!」 ガクッ

怜「…セーラ」 グスッ

セーラ「なんで、なんで竜華が…」ポロポロ

クッソォォォォォォォォォォォォォ!!!







セーラ「…ふざけんなや」

怜「セーラ…?」

セーラ「なんでそんな簡単に余命なんか言えるんや!」 バンッ

セーラ「自分ら医者やろーが、やったらちょっとくらい竜華治す努力したらどうなんや!」

医師「しかし、もう本当に手のうちようがないんだ…」

セーラ「何が、手のうちようがない、や!」

セーラ「第一、なんで転移に気づかんだんや!」

セーラ「普通に検査しとれば気づくもんやないんか!」

医師「もちろん、我々も定期検査はしていたさ。しかし異常はなかったんだ…」

医師「これは本当に予想外だったんだよ」

セーラ「なんやて…このッ!」 クワッ

医師「うわっ!」 ガシッ

竜母「セーラちゃん!」

竜父「落ち着くんや、セーラちゃん!」 ガシッ

怜「暴力はアカン!」 ガシッ

セーラ「グッ、離してーな!このヤブ医者、一発殴らな気ぃすまへん」

セーラ「予想外やて?アンタ、竜華の命なんやと思っとんのや!」

セーラ「人の命は、そんな言葉で済ませれるような軽いもんやないんやで!」

セーラ「クソ…クソッ!」 ガクッ

怜「…セーラ」 グスッ

セーラ「なんで、なんで竜華が…」ポロポロ

クッソォォォォォォォォォォォォォ!!!






今度こそ、ここまでです

あ、ミスって同じレス2回投稿してました

すいませんでした

~翌日、病院~

セーラ「竜華は、目覚ましたんですか?」

竜母「うん、お昼くらいに目覚めたわ」

怜「おばさん、あのことは竜華に…」

竜母「…話したわ。竜華には知る義務があるからなぁ…」

竜母「話したらあの娘、最初はショックで泣いとったけど…」

竜母「しばらくたったら泣き止んで、何か悟ったかの様にずっと窓の外見とるんよ」

怜「………」

竜母「こっちから話しかけても、全く反応せんのよ…」

竜母「まるで、現実逃避でもしとるようやわ…」

怜「……ッ!」 グッ

セーラ「…会っても、構いませんか?」

竜母「構わんよ。竜華も二人に会ったら、何か話すかもしれんし…」

セーラ「…ありがとうございます」

怜(竜華…)

怜(いきなり余命宣告なんてされたら、そりゃ混乱するわな…) グスッ



ガラガラ

セーラ「入るで~、竜華」

竜華「………」 ボー

怜「竜華?」

竜華「………」 ボー

セーラ「なにボーっとしとんねん、竜華」

竜華「………」 ボー

怜「…もう」 テクテク

スゥ~~

怜「りゅ~かーーー!」

竜華「…ッ!」 ビクッ

竜華「びっくりした~。耳元で大声ださんといてな、怜」

怜「何言っとんねん、ボーっとしとる竜華が悪いんやろ」

セーラ「せや、入ってきても何も反応せんそっちが悪いわ」

竜華「…ごめん」

セーラ「んまぁ、ボーっとしとりたい気持ちも分かるけどなぁ…」

竜華「…知っとるんやろ、ウチのこと…」

怜「…うん。おばさんたちと一緒に、聞いとったからなぁ…」

竜華「そうやったんか…」

竜華「………」

怜「………」

セーラ「………」

竜華「…なぁ怜」

怜「ん、なんや…?」

竜華「ウチずっと考えとったんよ…」

竜華「3ヶ月って、短いんかなぁ、それとも長いんかなぁ、って」

怜「ッ!!」

セーラ「何言っとんねん竜華、そんなん…その…」

怜「…正直、ウチらにはわからへんわ」

竜華「せやな、そんなこと怜たちに聞いても、分かるわけないわなぁ」

竜華「ウチにとっちゃ、やっぱ短いわ」

セーラ「竜華…」 ギリッ

竜華「何でやろなぁ、ホンマ」

竜華「先生からガン治りかけてるって聞いたときはホンマ嬉しかったんや」

竜華「退院して…また怜やセーラと一緒にいろんなことするの楽しみやったんや」

怜「りゅう…か」 ウルッ

竜華「それなのに、あと3ヶ月しか生きれへんやなんて…」

竜華「運命って、残酷やなぁ…」 フフッ

セーラ「……クッ!」 フルフル

竜華「そりゃ、最初はショックやったけどな…」

竜華「時間がたつと、だんだん事実を受け入れれるようになったんや」

竜華「そんで思ったんよ…」

竜華「ウチの人生、なんも悔いないなぁ、って…」

怜「……ッ!」 ポロポロ

竜華「…ごめん、やっぱ一つだけ悔いあったわ」

怜「…?」

竜華「もっと…もっと二人と一緒におりたかったわ」 ポロポロ

セーラ「ッ! 竜華…」

竜華「もっと二人と麻雀したり、話したり、ショッピングしたり、お泊まりしたり…」 グスッ

竜華「いろんなこと、ヒック、三人でしたかったわぁ…」 ポロポロ

セーラ「竜…華ッ!」 ポロポロ

怜「そんなん…ウチもやわ!」

怜「うっうっ、もっと竜華と、グスッ、一緒におりたいわ!」

竜華「トキィ…」 グスッ

セーラ「俺もや、竜華…」 ヒック

セーラ「俺ももっと、ヒグッ、お前と一緒におりたい!」

竜華「セーラァ…」 グスッ

竜華「うっ、うっ、ううっ!」

ウワァァァァァァァァン!!

セーラ「グスッ、ヒック…」

怜「うぅ、りゅうかぁ…」 ヒック

竜華「グスッ、なぁ怜」

怜「…なんや?」

竜華「膝枕…させてくれんか?」

怜「えっ!?」

竜華「もう怜に膝枕してあげれんの、最後かもしれへんから。頼むわ…」

怜「…わかったわ」

ゴロン

怜「…やっぱ世界一やわ、竜華の膝枕」

竜華「ありがとうなぁ、怜」

竜華「…もう膝枕もできんようになるんやなぁ」

怜「…そんな悲しいこと言わんといてぇな。また涙でるやん」 グスッ

怜「…うぅ、りゅうかぁ…」 ポロポロ

怜「今まで膝枕してくれて、ありがとうなぁ」 ヒック

竜華「こちらこそ、膝枕させてくれてありがとうなぁ、怜」 グスッ

セーラ「…なぁ、竜華」

竜華「ん、なんや、セーラ?」

セーラ「俺にも…膝枕してくれへんか?」

怜「えっ…!? 」 ガバッ

竜華「……」

竜華「…もちろん、構わへんよ!」 ニコッ

セーラ「…おおきに」

ゴロン

竜華「セーラの髪、固いなぁ」

セーラ「いいやろ、別に」

セーラ「しかし、気持ちええなぁ、竜華の膝枕。怜が夢中になるんもわかるわ」

怜「せやろ~」 グスッ

セーラ「…こんなんなら、俺ももっと前からしてもらえばよかったなぁ」

怜「セーラ…」

竜華「せやなぁ、これが最初で最後の膝枕やからなぁ」

セーラ「…竜華ッ!」 グスッ

竜華「セーラ、ありがとうなぁ。ホンマセーラには、いっつも迷惑かけたなぁ」 ヒック

セーラ「何言っとんねん。俺のほうが、お前らにいろいろ迷惑かけとったわ」 ポロポロ

セーラ「竜華こそ、雑な俺と一緒にいてくれてありがとうなぁ」 ヒック

竜華「セーラ…」 グスッ


~暫くして~

竜華「…二人に、お願いがあるんよ」

怜「なんや、かしこまって」

セーラ「竜華の願いやったらなんでも聞くで!」

竜華「…もうウチの見舞いには、来んで欲しぃんよ」

怜「…えっ!?」

セーラ「な、なんでや。なんでそんなこと…」

竜華「二人には、ウチがどんどん弱ってく姿なんか見せたくないんよ」

竜華「それにこの時期やろ、二人には自分の進路のことに集中してほしいんや…」

怜「………」

セーラ「…わかったわ、それが竜華の願いやっちゅーんなら」

怜「セーラ…」

セーラ「やけど、これだけは忘れんでほしいんや」

セーラ「たとえ会いにこんでも…、俺らの心はずっと竜華と一緒におるからな!」

怜「…せや。ウチらは絶対竜華を1人にせえへんで」

竜華「二人とも…ありがとうな」

竜華「あ、もう面会時間終わる…」

セーラ「そうか…それじゃあ…もうサヨナラやなぁ」

怜「サヨナラやないで、セーラ…」

怜「竜華…またな!」 ニコッ

セーラ「怜…。そのとおりやな」

セーラ「またな、竜華!」 ニッ

竜華「…うん!」

竜華「またな…二人とも!」 ニコッ

ガラガラ

竜華(行ってしもたな…)

竜華(これが、今生の別れってやつなんかなぁ) グスッ

竜華(…さて)

竜華(ウチに残された時間は3ヶ月しかない…)

竜華(その間にウチにできることは…)

ガラガラ

竜母「竜華、調子はどうなの?」

竜華「あ、オカン…。調子はまあまあやわ」

竜母「怜ちゃんたちは、帰ったんか」

竜華「うん、さっきな…」

竜華「…オカン、ちょっと頼みがあるんやけど」

竜母「なんや、頼みって?」

竜華「あのな…」

~~~~~~~~~~

コツ、コツ

怜「…もう、竜華には会えへんのやなぁ」 グスッ

セーラ「…泣くんやない、怜」

セーラ「それが竜華の願いちゅーんなら、聞いてやるべきやろ」

セーラ「それよりも、今は自分の進路のことに集中しようや」

セーラ「半端なとこに進んだら、それこそ竜華に顔向けできへんで」

怜「…そやな」

怜(竜華、見とってな)

セーラ(絶対に、お前との約束は守るで!)

~3ヶ月後、病室~

竜父「竜華ッ!」

竜母「竜華、まだ死んだらアカン!」

竜華「はぁ…はぁ…」

竜華「オカン…オトン…いままで…そだててくれて…ありがとうな…」

竜父「何言っとんねん、竜華!」

竜華「オカン…ウチがしんだら…あれ…たのむで….」

竜母「竜華ッ!」

竜華(うち…もうしぬんやなぁ…)

竜華(やっぱ…みじかかった…なぁ…)

竜華(せーら…とき…)

竜華(やっぱ…さいごに…あいたかった…なぁ…)

竜華(………) ツー

竜華「 」 フッ

ピーーーーーーーーーーー

リュウカ!? リュウカァァァァァ

~千里山女子高校~

セーラ「どうやった、2次試験?」

怜「うん、手応えばっちしやった」

怜「これなら、合格しそうやわ!」

セーラ「そりゃよかったな~」

怜「セーラはどうなん?」

セーラ「おう、俺もなんとかプロになれそうやわ~」

怜「そうか~、てことは、春からは江口プロやなぁ」 ニヤニヤ

セーラ「やめろよ、恥ずかしい…」

怜「竜華も聞いたら、喜ぶやろなぁ」

セーラ「せやなぁ…」

ピンポンパンポン

雅枝『園城寺さん、江口さん。至急、職員室まできてください』

怜「ん、監督や」

セーラ「いったい何やろな?」








~職員室~
怜「失礼します」

セーラ「監督、何か用ですか?」

雅枝「…………」

怜「監督、どうしたんです?黙り込んで」

雅枝「怜、セーラ」

雅枝「二人とも、落ち着いて話聞くんやで…」

セーラ「何ですかいきなり」

雅枝「さっき…竜華の親御さんから電話あってな」

セーラ「……ッ!」






















雅枝「竜華が…息をひきとったそうや…」 ググッ


























怜「……えっ?」

今日はここまでです

多分明日がラストの投稿になると思います

~通夜の式場~

泉「ウッ…ウッ…清水谷先輩ぃ…」ポロポロ

浩子「ひどいですよ…ウチらをおいて、先に逝くなんて…」 グスッ

雅枝「…お前ら、ここにおったんか」

浩子「おばさん、それに洋榎に絹も…」 ヒック

洋榎「久しぶりやなぁ、浩子。…つっても、こんなとこで会いたくはなかったなぁ」

浩子「…まったくやわ」 グスッ

洋榎「まさか清水谷がガンやったとはな~、ウチ全然知らんかったわ…」 フゥ

絹恵「…あんなに優しかった清水谷さんがもうおらへんなんて、信じられへんわ…」 グスッ

雅枝「…そういや、セーラと怜は?」

泉「それが…まだ来とらんみたいなんです」

洋榎「なにやっとんねんセーラのやつ!親友の通夜に遅刻しとるなんて」

絹恵「園城寺さんまで来とらんやなんて…」

浩子「何かあったんですかね…」

セーラ「…俺らがなんやって?」

泉「うわっ!? 江口先輩!?」

浩子「いつここに来たんです!?」

セーラ「…ずっと前にや」

セーラ「俺と怜、さっきまで通夜の準備の手伝いしとったからなぁ」

セーラ「やから、お前らより早く来とったんや」

泉「そうやったんですか…」





洋榎「いや~、よかったわ」

セーラ「洋榎…」

洋榎「まさかウチらよりも先に来とったとはなぁ、びっくりやわ。あのセーラがなぁ…」

セーラ「……」

洋榎「ウチはてっきり、清水谷が死んだショックで、家に引き篭もっとたかと思たわ」

絹恵「ちょっと、お姉ちゃん!!」

雅枝「洋榎! いくらなんでも不謹慎やで!!」 クワッ

洋榎「わっ!? ごめんオカン…」

セーラ「…そのほうが楽やったかもな」 ボソッ

洋榎「っ!?」

セーラ「…悪い、俺まだやることあるから。また後でな…」 タッタッタ

浩子「あっ、先輩…」

洋榎「……」

洋榎「…アイツ、相当落ち込んどるな」

絹恵「えっ…お姉ちゃん?」

洋榎「いつもやったら、もっと噛み付いてくるんに。大人し過ぎるで、アイツ」

雅枝「…ワザと言ったんか、さっきの」

洋榎「当たり前やろ、オカン。ウチかて常識はわきまえとる」

洋榎「アイツも冗談やってわかっとるはずなんに、そのまま聞き入れやがった…」

洋榎「…しゃーないわな。清水谷とセーラは、長い付き合いやからなぁ」

洋榎「ウチかて、ライバルの1人失って…辛いわ」 グスッ

雅枝「洋榎…」

絹恵「お姉ちゃん…」

泉「…園城寺先輩」

絹恵「えっ?」

泉「園城寺先輩、大丈夫なんでしょうか?」

浩子「確かに…心配やなぁ」








~式場内~

泉「あ、二人ともおりましたよ」

雅枝「怜、ここにおったんか」

怜「監督…それにみんなも….」

洋榎「…すまん、セーラ。さっきは言い過ぎたわ」ペコリ

セーラ「ええよ、気にしとらんし…」

洋榎「……」

浩子「園城寺先輩、あの…大丈夫なんですか?」

怜「ウチか、ウチは大丈夫やで」

怜「いずれは、こうなるって分かっとったからなぁ」

絹恵「園城寺さん…」

怜「…でもなんでやろなぁ」

泉「えっ…?」

怜「いざここに来たら、信じられんのや」

怜「竜華がどっかから、ニコニコしながら出てくる、そんな気がしてなぁ…」

浩子「先輩…」

怜「…何言っとんやろなぁ、ウチ」

怜「竜華は、もう帰ってこんのに…」

怜「…グスッ」

雅枝「……」

セーラ「…正直辛かった、ここに来るんわ」

洋榎「セーラ…」

セーラ「竜華が死んだ、その事実を受け入れなあかんからなぁ」

セーラ「俺も…すぐにはその事実を受け入れたくなかったわ」

セーラ「…っ!」 グスッ

洋榎「………」







~~~~~~~~~~

~次の日、火葬場~

浩子「これで…本当にお別れなんですね…」 グスッ

泉「うぅ…ふぐっ…ヒグッ…」

雅枝「えぇ顔しとるなぁ…竜華のやつ」 グッ

洋榎「…じゃあな、清水谷。安らかに眠ってくれよ」グスッ

絹恵「清水谷さぁん…」 ヒック

セーラ「……」

怜「……」

雅枝「お前ら、先に出るで。3人だけにしてあげようや…」

浩子「…わかったわ、おばさん」

洋榎「ほら、行くで絹…」

絹恵「…うん」

テクテク

セーラ「……」

怜「…りゅうかぁ」 ポロポロ

セーラ「…お別れやな、竜華」 グスッ

怜「…ホンマは、ヒック、お別れなんかしたない…」

怜「でもそしたら、グスッ、竜華、怒ってまうやろ…」

怜「竜華ならきっと、前に進んでけ、って言うやろ…」

怜「やからウチも…前向いて頑張るわ…」グスッ

セーラ「…サヨナラは絶対言わへんで」

セーラ「やから」

セーラ「…またな、竜華」

怜「ウチも…またな、竜華」

竜華「 」

怜「っ!? なんか今、竜華が笑った気がした」

セーラ「…せやな、俺もそう思ったわ」

セーラ「じゃあ、行くか…」

怜「…うん」

怜(竜華…)









~数時間後~

竜母「監督さん、わざわざ娘のために足を運んでいただき、ありがとうございました」

雅枝「いえいえ。こちらこそ娘さんのこと、ご冥福をお祈りしています」

竜母「実は…娘から預かっているものがあるのですが」

雅枝「預かり物ですか…」

竜母「ええ、この手紙です…」 スッ

絹恵「手紙…二通あるで」

雅枝「一通は私、もう一通は浩子たちにやな」

浩子「ウチらに…ですか?」

竜母「ここで読んでもらっても、構いません」

雅枝「…そうですか。では失礼して」 ビリッ

泉「じゃあ、ウチらも…」 ビリッ

雅枝「………」

浩子「……っ!」 フルフル

泉「う、うっ…!」

雅枝「竜華のやつ…これくらい自分の口から言えや…っ!」 グスッ

洋榎「オカン…」

浩子「清水谷先輩…うっ、最後の最後まで、グスッ、ウチらに気ぃ遣ってくれて…」 ポロポロ

泉「うわぁぁあぁぁん!!清水谷せんぱぁぁあぁぁい!!!」

ウゥ、ヒック、グスッ

竜母「…それと、二人にはこれを」スッ

セーラ「これって…」

怜「…DVDですか?」

竜母「中に竜華からの最後のメッセージが入っとる」

竜母「家に帰ったら、是非見て欲しいんよ」

怜「………」

セーラ「…わかりました」








~怜の家~

怜「…疲れたなぁ」

セーラ「あぁ、いろいろあったからなぁ」

怜「……」

セーラ「…見るか、DVD」

怜「うん…」

怜「準備、するな」

ガチャ、ガチャ

セーラ「いったい何やろな~?」

怜「さぁ、見当もつかんわ」

ジジジ、パッ

怜「あっ…」

セーラ「竜華…」

竜華『えぇっと、なんて喋ろうかなぁ?』 ウーン

竜華『ん?…わっ! もう録画されとるやん!』 アセアセ

セーラ「何やっとんねん竜華」 クス

怜「相変わらず天然やなぁ」 クス

セーラ「…見たとこ、ビデオレター、みたいやな」

竜華『え、えっと…セーラ、怜、うーんと…アロハ!』

セーラ「なんでやねん!」 ビシッ

怜「…南国やないんやから」 アハハ

竜華『とまぁ、冗談は置いといて…』

竜華『このビデオ見てくれて、ありがとな』

竜華『二人がこのビデオ見とるってことは、ウチはもうこの世におらんってことや…』

怜「……」

竜華『あ、辛気臭い顔せんでな。ウチ、死ぬんは全然怖くないし』

セーラ「…嘘つけ」

竜華『このビデオでは、あの日、最後に会った日に伝えれんだメッセージを、二人に伝えたいと思うわ』

怜「メッセージ…」



竜華『まずセーラ!』

セーラ「ん、俺か」

竜華『とりあえず言いたいのは…』

竜華『セーラはもっと女の子らしい格好したほうがええで!』

セーラ「…はぁ!?」

竜華『いつかお嫁さんになるとき、そんな格好しとったら恥ずかしいやろ』

竜華『やから、もっと女の子らしくなりぃや!』

セーラ「うるせー、余計なお世話や!」

竜華『まぁ、それはほっといて…』

竜華『セーラはきっと、このビデオ見とるころには、ほぼプロ入りを確実にしとると思うわ』

竜華『残念やわ、セーラがプロとして戦っとる姿見れんで…』

セーラ「竜華…」

竜華『ウチにとって、セーラは友であってライバルやったわ』

竜華『セーラみたいな強い人が近くにおったから、ウチも強くなれたんやと思う』

竜華『そのライバルがプロになる、って思うとホンマ嬉しいんや』

竜華『やからセーラ、プロの世界でも大暴れしたってな!』

竜華『んでもって、いつか宮永照をボコボコにしたってな!』

竜華『ウチ、遠いとこから応援しとるから』

セーラ「分かっとるわ、それくらい…」 グスッ

竜華『最後にひとつ』

竜華『怜のこと、よろしく頼むな』

怜「…!」

竜華『あの子、ウチがおらんだら、いっつも無茶するからな』

竜華『ウチの代わりに、見張っとってな』

セーラ「…ああ、任せとき」 グスッ







竜華『じゃあ次は怜!』

怜「…ウチか」

竜華『怜、アンタはもっと自分のことは自分でせなアカンで』

竜華『いつまでも病弱アピールしとったら、何もできんからな』

怜「いきなり説教かいな…」

竜華『…怜はな、強い子なんや!』

怜「…!」 ピクッ

竜華『やから病弱を理由にせんと、もっといろんなことにチャレンジしていったらいいと思うで』

怜「竜華…」

竜華『強い子やったからこそ、インハイであれだけの闘いができたんやと思う』

竜華『いや、それだけやない』

竜華『インハイの前、3軍やったときから、ウチやセーラに追いつこうと頑張っとったやないか』

竜華『そのひた向きに努力するところが、怜の強さやと思うで』

怜「…っ!」 フルフル

竜華『やから、ウチがおらんようになっても、頑張ってな』

怜「りゅうかぁ…」 ポロポロ

竜華『最後にもう一つ』

竜華『これはメッセージっちゅうより、お願いなんやけどな』

怜「?」

竜華『ウチのホンマの夢はな…セーラと同じでプロになることやったんや』

セーラ「!?」

竜華『…でも、その夢は叶いそうにない』

竜華『やからな…もしよかったら、怜にその夢継いで欲しいんよ』

怜「えっ!?」

竜華『もちろん怜にほかに夢があるんやったら、それを追いかけてほしいんやけど…』

竜華『もし何もないんやったら、プロになって欲しいんよ』

竜華『そしたら、セーラもぶっ飛ばせるしな』

セーラ「おい!」

竜華『ウチの勝手な願いやけど…叶えてくれたらうれしいわ』

怜「……」

竜華『あ、もう残り時間少ないわ』

竜華『名残り惜しいけど、これが最後のメッセージや』

竜華『セーラ…怜…』

竜華『………』

竜華『二人とも、ウチの友達でいてくれて、ありがとな!』

セーラ「…!」

怜「竜華…!」

竜華『ウチ、二人がいたからこそ、たった18年しかなかったこの人生を、悔いなく過ごせたんやと思う』

竜華『ホンマ感謝しとるわ…』

竜華『ウチはもうすぐ、天国に旅立ってまうけど…』

竜華『二人はウチの分まで、精一杯生きてな!』

竜華『…約束やで』

セーラ「うぅ…フグッ…」 ポロポロ

怜「グスッ…グスッ…」 ポロポロ

竜華『…もうお別れの時間や』

竜華『セーラ…怜…』

竜華『……』 グスッ

竜華『またな…』

プツン

セーラ「っ! ? 嫌や!待って!!」

怜「行かんといて! 竜華!!」

リューーーーカーーー!!!













セーラ「クッ…」 グスッ、グスッ

怜「りゅうかぁ…」 ヒック

セーラ「…怜」 グスッ

怜「なんや…セーラ?」

セーラ「俺、やったる!」

セーラ「竜華があんだけ応援してくれたんや」

セーラ「これで恥ずかしい結果残したら、竜華に顔向けできひん」

セーラ「俺…絶対に宮永照倒して、トッププロになる!」

怜「セーラ…」

セーラ「怜は…どうするん?」

怜「えっ…」

怜「……」

怜「ウチは…大学にいく」

セーラ「怜…」

怜「大学で自分の雀力磨いて、絶対プロになったる」

セーラ「…っ!」

怜「そしていつか…セーラや宮永を倒すんや!」

怜「それが…竜華との約束やからな」

セーラ「怜…。おう、望むところや!」

セーラ「待っとるで、お前が来るの」 ガシッ

怜「うん!」 ガシッ

怜(竜華…見とってな)

怜(アンタの夢、絶対ウチが叶えたるからな!)















~それから数年後~

怜(…ついにここまで来たんやな)

怜(竜華、今日ウチ、セーラや宮永照と戦うんやで)

怜(…自分でも、ちょっと信じられへんわ)

セーラ「よっ! 怜、久しぶりやなぁ」 バンッ

怜「痛っ!? セーラ、力強すぎるわ」

セーラ「あ~、ゴメンゴメン」

セーラ「にしても怜、あれからずいぶん強なったらしいな~」

怜「うん。いつまでも能力だけに頼っとったらアカンからな、雀力鍛えまくったんや」

怜「いまやったら、一巡先見るだけで充分やわ」

セーラ「そうか、そりゃ戦うのが楽しみやな~」

セーラ「でも、絶対負けへんで!」 ゴッ

怜「ウチもや、セーラ!」

照「こんにちは…園城寺プロ」

怜「あ、宮永プロ…」

照「あなたと戦うの、インターハイ振りね…」

怜「せやなぁ…」

照「その…清水谷さんのことは聞いた。…残念だと思ってる」

怜「ええってそんなん。別に宮永プロが気に病むことやないで」

怜「それよりも…今日はいい闘牌にしような」

怜「そのほうが…竜華も喜ぶと思うし…」

照「園城寺さん…。うん、今日は全力で戦いましょう」 ゴッ

セーラ「二人とも、そろそろ時間やで~」

怜「うん、わかったわ」

怜(よし、行くか) グッ

トキィ、ガンバレ~

怜(ッ!?)

怜(今、竜華の声がしたような…)

怜(……) クスッ

怜(竜華…ウチ、絶対にトッププロになるからな)

怜(やから…天国で応援しとってな!)

怜「うし」 スクッ

怜「行ってくるで、竜華!」 ゴッ












カン!

これでこのssは完結です

かなり真面目な作品になってしまいましたが、応援してくださった方、ありがとうございました!

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