VIPで書いてたものが落ちたのでこちらに建てました。
すぐに完結するかもしれませんが、よろしくお願いします。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1380465989
待ってた
苗木「どうして僕は一人なのかなぁ」
モノクマ「うぷぷ、それはね? 僕が殺し合い生活に飽きちゃって皆お仕置きしちゃったからさ」
苗木「そっか……なら、どうして僕は処刑されなかったのかなぁ」
モノクマ「さぁ?超高校級の幸運だからじゃない?」
苗木「そうなんだ……」
苗木「……僕……これからどうすればいいのかなぁ……」
モノクマ「一生ここで生活してみる? うぷぷ」
モノクマ「それとも僕を捕まえに来てみる? 特別大サービスでどこでも通れるようにしちゃうよ?」
苗木「そうだね……気が向いたらそうしてみるよ……」
モノクマ「うぷぷぷ」
苗木「……」
モノクマ「やっほー! 苗木君! 一人で摂る食事はどう? うぷぷ」
苗木「……そこそこかな……モノクマも食べる?」
モノクマ「もうー!! 苗木君! 僕を壊すつもり!? 機械に食べ物なんて御法度に決まってるじゃないか!」
苗木「あはは、そういえばそうだったね……」
モノクマ「あれあれー? 苗木君、随分とテンションが低いんだね」
苗木「……僕は……低血圧だからね……」
モノクマ「うぷぷぷ。それは随分と絶望的だね!」
苗木「……うん……絶望的」
苗木「……」
モノクマ「うわっ! 苗木君ってば一人で泳いでるよー」
モノクマ「あっ、そういえば苗木君しか居ないんだったねー。うぷぷ」
苗木「……朝比奈さんは泳ぐのが速かったんだ。僕なんか足元にも及ばないくらいに」
モノクマ「仮にも超高校級のスイマーだからねー」
苗木「大神さんも朝比奈さんに負けないくらい速かったんだよ」
モノクマ「へぇ、そんな凄い二人はどうして居なくなっちゃたんだろうね~。うぷぷ」
苗木「……どうしてだろうね」
モノクマ「苗木くーん。そろそろ絶望してきたー? 絶望しないとお仕置きしちゃうんだぞー」
苗木「あはは。それなら絶対に絶望しないでおこうかな」
モノクマ「えー? 残念だなぁ」
苗木「モノクマは飽きないの? 僕なんかを見てて。退屈じゃない?」
モノクマ「飽きないよー。だって僕、苗木君が大好きだからね!」
苗木「そっか……」
モノクマ「あれれー? 照れちゃった? ねぇ、照れちゃったの?」
苗木「て、照れるわけないだろ!!」
苗木「って、以前の僕なら言ってただろうね」
モノクマ「なんだー。つまんないの」
苗木「霧切さんが教えてくれたんだよ。2階のトイレに隠し部屋があるって」
苗木「そこは監視カメラも無かったし、ネット回線も繋がってた。それに、あの書籍」
苗木「あれには学園の秘密が書いてあったのかな?」
モノクマ「さぁ、どうだろうねぇ。苗木君はあそこで気を失っちゃったしね。うぷぷ」
苗木「……まぁ、今となっては大した意味もないんだけど」
モノクマ「うぷぷ。知りたいのなら教えてあげようか?」
苗木「本当?」
モノクマ「いいよ。僕の所へ来てくれたら、だけどね」
苗木「うーん……ならいいや」
モノクマ「それは絶望的だなぁ」
モノクマ「苗木くーん!! 暇だよー!!!」
苗木「そうだねー」
モノクマ「いい加減何かしようよ! いつまで堕落してるつもりさ!」
苗木「そうだねー」
モノクマ「うぅ……苗木君がぐれた……」
苗木「静かだねぇ……」
苗木「読書って面白いんだね」
モノクマ「へぇー」
苗木「昔はマンガばっかりだったからさ。あんまりこういった物は読んだ事がなかったんだ」
モノクマ「ごくごく一般的な男子中学生だったんだね。ある意味健全じゃないか」
苗木「勉強が楽しいって言ってる人の気持ちが今なら分かるよ」
モノクマ「こういった他愛無い会話は面白いのかい?」
苗木「……一人で喋るよりは面白いかな」
モノクマ「それなら、僕が居なくなったら苗木君はどうなるのかな?」
苗木「そうだね……その時は……外にでも出てみようかな」
モノクマ「うぷぷ。それも面白そうだね」
期待
モノクマ「どうしたんだい苗木君。最近、やけに精力的じゃないか」
モノクマ「運動、勉強、描画から培養まで。色んな事に手を出してるね」
苗木「うん。時間は有り余ってるからね。ただ、無目的に過ごすだけじゃ勿体ないかなって」
モノクマ「うぷぷ」
モノクマ「それで、今までと何が変わったのかな? 目的って何?」
苗木「まだ秘密だよ。そうだね……それは君と会った時に話そうかな」
モノクマ「ちぇー。苗木君のくせに生意気だなぁ」
モノクマ「あっ、ちなみに今のは霧切さんを意識してみましたー。うぷぷぷ」
苗木「えー、霧切さんはもっとそっけない感じだったよー」
モノクマ「うーん、本当に生意気……お仕置きしちゃおうかな?」
苗木「あはは、それも面白いかもしれないね」
残り一人になっても夜の食堂で御飯食べる妹様
モノクマ「どうでしょう? そろそろ私様と会ってみませんか?」
苗木「あれ? 口調が変わった?」
モノクマ「だって飽きちゃったんだもーん! で、どう? 苗木君。僕と会ってみない?」
苗木「あっ、また変わった」
苗木「というか会って何するのさ」
モノクマ「会うだけだよ。何も変わらない。苗木君が望むなら殺人ゲームを始めてもいいけどね」
苗木「僕が君を襲ってもいいの?」
モノクマ「大好きな苗木君に襲われるなんて絶望的……」
モノクマ「まぁ、本音を言うといい加減変化がほしいんだよね」
苗木「うーん……」
コンコン
苗木「もしもし?」
「どうぞー。うぷぷ」
ガチャ
江ノ島「よっす、苗木。久しぶりだねー」
苗木「…………江ノ島さん」
江ノ島「驚いた?」
苗木「……君が黒幕なの?」
江ノ島「まっ、色々違うところはあるけど。事の元凶は私様なんだよねー。うぷぷ」
苗木「……そう」
江ノ島「どう? 絶望した?」
苗木「……」
江ノ島「私の事、殺したい?」
苗木「……そんな事……するわけないじゃないか」
江ノ島「何で? 自分の手を汚すのが嫌なの? それならお仕置きを受けに行こうか?」
江ノ島「苗木が一声かけてくれたら行ってあげるよ?」
苗木「しないってば。意味無いよ」
江ノ島「そう? 苗木の溜飲は下がるんじゃない?」
苗木「それは違うよ」
苗木「溜飲も下がらないし、そもそも江ノ島さんにそんな感情抱いてないからね」
江ノ島「ふーん……。まっ、別にいいけどね」
苗木「話は終わり? そろそろ戻ろうと思ってるんだけど」
江ノ島「うぷぷ。苗木君は変わったのかなー? それとも無理しているだけなのかなー?」
苗木「そうだね……多分、どっちもかな」
バタン
江ノ島「なっえぎー!! 一緒に寝よー!!」
苗木「えー……何で態々……せっかく自分の部屋があるのに」
江ノ島「そんなの大好きな苗木の温もりを感じたいからに決まってんじゃん!」
苗木「もう。仕方無いなぁ……」
江ノ島「やっほぃ。苗木ー、愛してるぜー」
苗木「あっ! 抱きついてこないでよ!」
江ノ島「いいじゃん、私様の生身なんてそうそう触れるもんじゃないんだしさー」
苗木「暑いよ江ノ島さん……」
江ノ島「うぷぷ。苗木君は純情だねぇ」
苗木「江ノ島さんは何でもできるんだね」
江ノ島「私は天才だからね。そういう苗木はどうなの? って、聞かなくても分かるか。うぷぷ」
苗木「あはは、僕なんか凡人中の凡人だよ。何一つ突出した所なんか無いさ」
江ノ島「うぷぷぷ。そんな苗木君が生き残ったところがまた皮肉に思えるねぇ」
江ノ島「結局、才能があったところで終わるときは終わるんだから」
苗木「それは違うよ」
苗木「こんな結末に導けたのも、江ノ島さんの『超高校級』の才能があったからだよ」
苗木「仮に、僕と江ノ島さんの立場が逆だったら段取りの段階で終わってただろうし……」
苗木「本当……僕と君の立場が逆だったら良かったのにね……」
江ノ島「人生ってそんな物だよ。苗木君」
江ノ島「うぷぷぷぷ」
モノクマ「苗木君。こんな所で何してるの?」
モノクマ「武道場なんて、苗木君に一番縁がない場所じゃないか」
苗木「あれ、今日はモノクマなんだね。珍しい」
モノクマ「ずっと同じじゃ飽きるんだよねー。何でもさ」
苗木「まぁ、そんな性格なんだから仕方ないよねぇ」
モノクマ「そうそう。偉い人もセレスさんも言ってたでしょ? 変化に対応できる者だけが生き残れるって」
モノクマ「どっちももういないけど。うぷぷぷっておっと。話がずれたね」
モノクマ「もう一度聞くけど、苗木君はこんな所で何してるのさ」
苗木「うん。武道を始めようかなと思ってさ」
モノクマ「え~、こんな苗木君が? がっりがりのもやし君なのに」
苗木「大神さんにちょっとだけ教えてもらった事があったんだ」
苗木「と言っても構えだけだけど」
モノクマ「ふーん。僕も教えてあげようか? こう見えても結構強いんだよ?」
苗木「有難う。でも、大神さんと君は違うし、またの機会にお願いしようかな」
モノクマ「うぷぷぷ。嫉妬しちゃうなぁ」
苗木「江ノ島さんって飽き症なんでしょ?」
江ノ島「そっりゃあもう絶望的なくらいにねー」
苗木「そろそろ僕に飽きちゃわない? もう結構一緒に居るよね?」
江ノ島「そうだねー。苗木の事は大好きだけど、飽きちゃったらお仕置きしちゃうかもねー」
江ノ島「でも、まだ飽きてないから安心しなよ! うぷぷぷ~」
苗木「江ノ島さんは僕の事が好きなの?」
江ノ島「もっちろん。超高校級に愛してるぞぅ」
苗木「なら、僕が外に出て行く時も一緒に来てくれる?」
江ノ島「うぷぷ。どうだろうねー」
苗木「最近夢を見るんだ」
苗木「皆で楽しく学園生活する夢」
苗木「皆と僕、江ノ島さん……そしてあと一人」
苗木「その子は顔がぼやけてて、あんまりよく分からないんだけど」
江ノ島「あらら、残念だね~。うぷぷぷ」
苗木「でも、僕はその子の事をよく知ってる気がするんだ」
苗木「あの子は誰だったんだろう……」
江ノ島「なーえぎくーん!! 暇だよぉ!!」
苗木「僕はあんまり暇じゃないんだけどなぁ……」
江ノ島「私様は暇を持て余しているんだよぉ!! 苗木君はいっつも何かしてて構ってくれないし!」
苗木「うーん……それなら一緒にプールでも行く?」
江ノ島「やったね! 苗木君と一緒にプールなんて最高に絶望的だよっ!」
苗木「どっちなのさ……」
江ノ島「うぷぷぷ」
――
江ノ島「苗木―。つまんねーよー」
苗木「えっ、つまんない?」
江ノ島「あのさ……どこの世界に男女で10回以上も競泳する奴が居るんだよ!! しかも毎回全力だしっ!!」
苗木「ご、ごめん。朝日奈さんは楽しそうにしてたから……」
江ノ島「あんなスポーツマンちゃんと比べるなっての」
苗木「でも、江ノ島さんも泳ぐの速いじゃないか。僕、毎日練習してるのに全部負けちゃったよ」
江ノ島「問題はそこじゃないっての。絶望過ぎる程に酷すぎる苗木のセンスの事を言ってんだよ」
苗木「そうなのかぁ……女の子とあんまり遊んだ事が無いから分からなかったよ……ごめんね? 江ノ島さん」
江ノ島「まっ、実を言うと嫌いじゃないんだけどね。そんなずれてる所も。うぷぷぷぷ」
VIPのも見てたぞ期待だな
みてるぞ
期待
VIPから追いついた
もうみれないと思ってたから嬉しい
――
モノクマ「苗木君、苗木君」
苗木「ん? どうしたの?」
モノクマ「いやー、そろそろ外に出たいんじゃないかと思ってさ」
苗木「んー……まだいいかな」
モノクマ「うぷぷぷ。そう言うと思ったよ」
モノクマ「でも、外の様子を知りたくない?」
モノクマ「ここに来てから1度も見てないでしょ?」
苗木「そうだね……それは知りたいかも……」
苗木「でも、そんな事を聞くって事は何かあるの? それこそ、僕を絶望させるような何かがさ」
モノクマ「うぷぷぷ。それは見てのお楽しみだよー」
――
モノクマ「さてさて、心の準備はできてるかな?」
苗木「うん。大丈夫」
モノクマ「偶には絶望した顔の苗木君も見てみたいもんだねー」
苗木「そうだね。江ノ島さんの頼みだし、できるだけ叶えてあげたいよ」
モノクマ「優しいねぇ、苗木君は」
モノクマ「それでは! 上映開始しちゃうよ~」
――
モノクマ「どう? 苗木君。外の様子は」
苗木「……酷いね」
モノクマ「その割には随分と落ち着いているみたいだけど? うぷぷ、残念」
苗木「……これも江ノ島さんが?」
モノクマ「そうだよー。殺し合いゲームも、このテロも、全部私様がやった事なのです」
苗木「……そう」
モノクマ「僕の事、殺したくなった?」
苗木「……ううん。やっぱり江ノ島さんは凄いなって思って」
モノクマ「うーん、どこまでも聖人君子なんだね君は」
モノクマ「さっすが、僕の大好きな苗木君だよ」
――
苗木「江ノ島さん。下着姿で歩くと風邪引くよ」
江ノ島「服鬱陶しいしさぁ。こっちの方が動きやすいんだよねー」
江ノ島「てか、リアクション薄いねー苗木は」
江ノ島「折角、モデル体型の可愛い女の子がキャミソール姿でうろついてんのに」
苗木「何でだろうね。いつも一緒に居るからかな?」
江ノ島「え~? じゃあ、裸でも何とも思わないって事? それって超絶望的なんですけど」
苗木「裸は流石に照れちゃうよ。そこまで達観できないし」
江ノ島「うぷぷぷ。純情なままの苗木君で良かった」
苗木「でも、冷えるといけないから服は着てね」
――
苗木「江ノ島さんはこの先どうするの?」
江ノ島「ん~……苗木の観察?」
苗木「ずっと先の話。夢とか無いの?」
江ノ島「大層な夢なんて持っても飽きちゃうしねぇ。その場の欲求を満たす事しか考えてないかなー」
苗木「江ノ島さんらしいね」
江ノ島「そういう苗木はどうなのさ。てか、外があんなんじゃ、夢なんか持ってても意味無いか」
苗木「それは違うよ。確かに、この学園に入る前は平凡な夢を持っていたよ?」
苗木「でも、ゲームに無理矢理参加させられて……その時は皆で脱出するのが夢? だったのかな」
苗木「またそれも叶わなくなっちゃたけど……だけど、また夢ができたんだ」
江ノ島「へぇー。どんな夢? 絶望的に壊してあげるから教えてよ」
苗木「まだ内緒。だけど、僕の夢には絶対に江ノ島さんが必要なんだ」
江ノ島「嬉しい事言ってくれるじゃん」
江ノ島「色んな意味でね。うぷぷぷ」
朝っぱらからいいスレを見つけてしまった
支援
スレタイでダメダメな苗太くんがモノえもんに泣きついてモノモノマシーンで解決してもらう話かと
それを言うなら萎え太くんだろ
ふむふむ、続きをお願いします
vipから支援
江ノ島「苗木は本当に私色に染まらないねー」
苗木「え、何? わた……?」
江ノ島「私様の影響を受けないって話をしているのです」
江ノ島「モーション掛けても、これっぽっちも反応しねーんだから」
苗木「えっと……つまり、江ノ島さんは僕を洗脳しようとしてたって事?」
江ノ島「そうそう。本気でサブリミナル掛けても少しの挙動にも表さないから、盾子ちゃん本気で泣きそうだよ」
苗木「へぇ……。でも、それに掛からないのは僕が鈍感だからじゃない?」
江ノ島「カリスマのはずなのに……鈍感で片づけられるってすっごい絶望です……」
潜在意識まで鈍感とか上条さん以上なんじゃないか
いやあいつもたいがいだぞ
――
苗木「江ノ島さんはここには飽きないの? もうずっと居るけど」
江ノ島「とっくに飽きてるに決まってんじゃん。まぁ、住居に飽きるも糞もないんだけどさー」
江ノ島「苗木が居なかったら、とっくに出て行ってるって」
苗木「あはは、それなら僕は江ノ島さんに飽きないように精進しないとね」
江ノ島「そうそう。自分でも絶望するくらいに飽き症だから。この一瞬たりとも気を抜かないでねー」
苗木「うん。頑張る」
江ノ島(うぷぷ。前向きな性格。優しくて裏表が無く、希望を持ち続け……挙げればきりがないけど、あんたと私はどこまで言っても正反対だよ。それこそ鏡を見てるくらいに)
江ノ島(交わることがないから苛ついて、絶望させてあげたい。けど、そんな相手……苗木だから……)
江ノ島「愛してるよ。苗木」
苗木「有難う。でも僕は江ノ島さんの事を好きじゃないんだ」
苗木「嫌いでもないけどね」
江ノ島「う~ん! もうー! 愛くるしいなぁ、苗木は。んちゅー」
苗木「わっ!! 急に何するのさ!!」
江ノ島「別にいいじゃん。唇じゃないんだし」
苗木「う、うーん……いいのかなぁ……」
江ノ島「うぷぷ。やっぱり苗木には飽きないねぇ」
――
江ノ島「苗木はさ、絶望って何だと思う?」
苗木「うーん……絶望かぁ。人それぞれって言いたいんだけど、それじゃあ議論にならないよね……」
苗木「自分ではどうにもならない状況……じゃないかな?」
江ノ島「うんうん。それも1つの要素だね」
苗木「要素?」
江ノ島「そもそもこんな不確定なものに絶対的な回答なんてあるわけないじゃん。状況、信条、立場、場所……どんな答えを出したって誰かしらには当てはまるんだから」
苗木「もう、江ノ島さんの意地悪」
江ノ島「うぷぷ。まぁまぁ、あんまり怒らないでよ苗木。ここからが本番なんだから」
苗木「え?」
江ノ島「さて、質問です。今現在、私様、江ノ島盾子ちゃんは苗木君の味方でしょうか?」
苗木「……それは……どういう意味?」
江ノ島「さぁ? それも苗木の考える事だからね」
江ノ島「制限時間は5分。私を納得させたら苗木の勝ち。できなかったら負け」
江ノ島「勝っても苗木には何も良い事は無いかもしれない。でも負けると」
江ノ島「お仕置き、しちゃうぞ♪」
江ノ島「うぷぷ。最後の学級裁判の始まり始まり―」
――
苗木「全くもう……いつも急なんだから……」
江ノ島「うぷぷぷ。苗木君も成長したねー、随分と落ち着いているじゃないか」
苗木「江ノ島さんのおかげでね」
江ノ島「皮肉もいいけどもう一分過ぎちゃったよ。後4分で僕を説得させる事ができるのかなぁ?」
苗木(江ノ島さんが僕の味方……)
苗木(以前は敵だった。少なくとも僕たちにとっては……)
苗木(江ノ島さんはどうなんだろう……僕たちの事をどう思っていたんだろう……味方では無い。けれども……)
江ノ島「後2分だよー。ちゃんと1分刻で時間言ってくれると思ってるといつの間にかお仕置きが始まっちゃうからねー」
苗木(そもそも、江ノ島さんはどうして世界をこんな事に……どうして大勢の人を絶望に……)
苗木(以前、僕は夢のためには江ノ島さんが必要だと言った。僕の夢…………)
苗木(…………)
江ノ島「はい、おしまい。苗木、心の準備はできた?」
苗木「……うん。大丈夫」
――
江ノ島「で? あんたの答えは?」
苗木「うん。江ノ島さんは僕の味方だよ」
江ノ島「そう。根拠は? 勘だとか、失望させるような事は言わないでね」
苗木「勿論。失敗したらお仕置き受けちゃうからね」
苗木「まず、僕は江ノ島さんについて考えてみたんだ」
苗木「江ノ島さんは『超高校級の絶望』だけど、さっき江ノ島さんが言った通り絶望なんて人それぞれなんだよ。それで、江ノ島さんの絶望って何だろうって」
苗木「江ノ島さんはどんな絶望でも興趣しているけど、より大きな絶望……質を求めていると思うんだ。それも自分に対する絶望をね」
苗木「そして、殺し合い生活から今までの事、江ノ島さんに聞いた事件の事から踏まえると、江ノ島さんには強い者を絶望させたくなる欲、下剋上のような考えが強いんじゃないかな?」
江ノ島「……」
苗木「それは言いかえると、少数派って事。弱い者の味方というわけではないけどね」
苗木「そこから僕の味方という事について考えてみるんだけど、そんな風に言うって事は江ノ島さんは僕が外に出て何をするかを分かってるって事だよね?
だって、ここには江ノ島さんと僕しか居ないし、殺し合い生活も機能していない今、敵味方を考える必要は無いんだから」
苗木「もう分かってると思うからはっきり言うね? 僕の夢」
苗木「僕の夢は世界中に希望を与える事。居なくなった皆のためにも、僕の命を捧げても叶えたい夢なんだ」
苗木「今、世界中のあらゆる所に絶望が広まっているけど、これって希望は極僅か……つまり、少数派って事になるよね?」
苗木「江ノ島さんがさっき言ってたけど、絶望に希望を与える事で絶望する人もいるよね? 絶望なんて人それぞれなんだから」
苗木「江ノ島さんは飽き症だって言ったけども、僕と一緒に居る事でそう感じる事も無いんじゃない? だって、僕たちは正反対なんだから」
苗木「……こんな感じでどうかな? 江ノ島さんが僕の味方をしてくれる理由」
江ノ島「……苗木」
江ノ島「それ…………とっても絶望的」
――
江ノ島「でも気をつけてね苗木。私様はいつ飽きるか分かりませんから」
江ノ島「いきなり後ろからグサーッ! と絶望的に裏切るかもしれない」
苗木「大丈夫。江ノ島さんが超高校級の絶望でも、どんなに世界中が絶望だらけでも乗り越えられるよ」
苗木「何だって僕は『超高校級の幸運』……そして」
苗木「『超高校級の希望』なんだからね」
江ノ島「うぷぷぷ。それはそれは」
江ノ島「すっごい絶望的」
終わり
乙
乙でした
乙!
すごく良かったです乙
ふーむ…希望と絶望の間に子供出来ると希望&絶望?相殺してただの子供かな、
乙
乙でしたぁ
乙です
ほっこりした
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