サシャ「後味悪すぎです……」(75)
・1『サシャ「キスの味、私に教えてください」』(過去ログ倉庫行き)
2『サシャ「この味は、ウソをついてる味ですね」』(過去ログ倉庫行き)
3『サシャ「二人だけの、秘密の味です」』(過去ログ倉庫行き)
4『サシャ「とくと味あわせてあげましょう!」』(過去ログ倉庫行き)
5『サシャ「同じ味を、知りたいですから」』(過去ログ倉庫行き)
6『サシャ「味気なくなんかないですよ?」』(過去ログ倉庫行き)
7『サシャ「……興味ないです」』(過去ログ倉庫行き)
8『サシャ「味も匂いもたまりません!」』
9『サシャ「ありがとうの味、届きましたか?」』
10『サシャ「味も見ておきましょう」』の続きです
・ほんわかとネタバレあり&いつも通りのご都合主義&展開です
きたああああああああ
―― 消灯時間前 女子寮 ミカサたちの部屋
ミカサ「……」シュッシュッ
ミカサ「……」ガチャガチャ
ミカサ「……」フワフワ
ミカサ「……」ギャリンギャリン
ミカサ「……」パサパサ
ミカサ「……」ギュルンギュルン
ミカサ「……ふふふ」ニヤッ
アニ「何してんのミカサ」
ミカサ「明日のお休みの日、ダブルデートに行く。ので、その準備」ゴソゴソ
アニ「……ふうん」
ミカサ「ちなみに、エレンとサシャとライナーと私の四人で行く」
アニ「聞いてないよ」
ミカサ「アニが聞きたそうな顔をしていたから、答えただけ」
アニ「……あんた、エレンと出かける時にはそんな入念に準備しないよね」
ミカサ「……」ピタッ
アニ「今度は何企んでるわけ? 世話を焼くのはエレンだけじゃ物足りない?」
ミカサ「……あの二人は、見てて不安。このままだと、先に進む気配がちっともない」
ミカサ「この前、密室に二人をぶち込んでみたけれど特に何もなかった。アニも知っているはず」
アニ「それは知ってるけどさ……改めて言うけど何してんのあんた。暗躍しすぎでしょ」
ミカサ「……照れる///」テレテレ
アニ「褒めてないよ」
ミカサ「もう一押しだけすれば、すぐにでも転がっていきそうなのに」
ミカサ「あと一歩が見てて……とても、もどかしい」
アニ「あんたのエゴだよね、それ」
ミカサ「……」
アニ「……ミカサもユミルも、よくあの二人に……っていうか、サシャにちょっかい出してるけどさ」
アニ「あの子、そんなに弱くないと思うよ。私がぶん投げても、いつも自分で起き上がってくるし」
アニ「必要なら、自分の力でなんとかするんじゃない」
アニ「それでも立ち上がれなくなった時に、手を差しのべてあげるくらいで……本当は、ちょうどいいんじゃないの」
ミカサ「……」
アニ「何?」
ミカサ「今日のアニは、よく喋る」クスッ
アニ「……うるさいよ」プイッ
ミカサ「それに、ちょっと優しい」
アニ「やめてよ。私は……そう、そうやって準備するあんたが目障りだから注意しただけ」
ミカサ「……」
アニ「……何?」
ミカサ「ありがとう。アニのアドバイス、大切にする」
アニ「いいってば、そういうの。……ところでミーナ遅くない?」
ミカサ「照れ隠しぃ」ニヤニヤ
アニ「うっさい」
ミカサ「ミーナならクリスタたちのところに寄ってくると言っていた」ゴソゴソ
―― 同刻 消灯時間前 女子寮 ユミルたちの部屋
ミーナ「来ましたなぁ」ニマニマ
クリスタ「ですなぁ」ニマニマ
ミーナ「ダブルデート、か……私たちには無縁の響きだよね」フッ
クリスタ「そんなことないよ! ミーナにもきっといい人がそのうち見つかるって!」
ミーナ「ううっ、ありがとうクリスタ……!」グスッ
クリスタ「いいよいいよ」ナデナデ
ミーナ「よしっ……! というわけで、恋愛初心者のクリスタちゃんにはこの私がダブルデートの何たるかを解説してあげる!」
クリスタ「うん、よろしくね!」
ミーナ「ダブルデートのいいところは、自分たち以外の誰か……つまり第三者がいることなの」
クリスタ「近いところに他人の目があるって事だよね。……うーん、二人っきりのデートより集中できなさそうで、あんまりいいとこないって印象だけど」
ミーナ「ううん、そんなことないよ! 誰かに『見られてる』って意識することで、お互い緊張感が持てるからね」
クリスタ「緊張感?」
ミーナ「相手の女の子よりおしゃれしようとか、他の人から見て恥ずかしくないように振る舞おうとか、そういう意識が芽生えるってこと」
クリスタ「……逆に、普段見せない自分を見せるチャンスってこと?」
ミーナ「そうそう、そういうことです! だから、デート回数の多いカップルほどダブルデートはいいかもね」
クリスタ「ふうん……じゃあ、ミカサとエレンにしかメリットないんじゃ……?」
ミーナ「いえいえ、初心者にとってもメリットは多いですよー! 二人きりで何していいかわからない時に、お手本が目の前にいるわけですから」
ミーナ「……ところでサシャ。ライナーとでかけるの何回目だっけ?」
サシャ「ええっと……3回目ですね」ポリポリ
クリスタ「ああっ!? ――サシャ、寝る前にお菓子食べちゃダメって言ったじゃない! お肌が荒れる原因になるんだからね!! というわけで没収!!」ヒョイッ
サシャ「ああっ!? 私のお菓子ー!!」ガーン
ミーナ「まあそれは置いといて。……ねえねえ、やっぱりデートの帰り際にキスとかするの?」
サシャ「え? や、その……しません、けど」
ミーナ「へー、そうなんだ、意外」
クリスタ「サシャからおねだりはしないの?」
サシャ「おねだりですか? ……そういえばこの前」
ミーナ・クリスタ「この前!?」
サシャ「」ビクッ
クリスタ「初耳だなぁ、それ」ニヤニヤ
ミーナ「ぜひぜひ聞きたいですなぁ」ニヤニヤ
サシャ「……~~!!///」ボンッ!!
クリスタ「サシャ! お願い!!」
ミーナ「聞きたい聞きたい!」
サシャ「ダメですっ!/// もう寝ますおやすみなさい!!///」ガバッ!!
クリスタ「こらー! 抵抗はやめて出てきなさーい! あなたはもう包囲されているー!!」ポフポフ
ミーナ「お布団ドームに閉じこもっても無駄だよー!! 諦めて投降しなさーい!!」ムニュムニュ
サシャ「いーやーでーすー!!」モゾモゾ
サシャ(そっか……この前のって、よくよく考えたらおねだりですよね……///)ドキドキ
サシャ(ていうか、もう最初っからおねだりでしたよね……)
サシャ(キスの味が、知りたかっただけなんですが……こういうきっかけって、珍しいんですかね)
サシャ(キスって、やっぱり好きあってる人同士がやるもの、なんですよね……)
サシャ(……そんなこと言われたって、やっぱり、好きとかよくわかんないですよ)
サシャ(……ライナーはどう思ってるんでしょうか)
サシャ(確か、私のことは嫌じゃないって言っていた気が――)
―― 俺には好きな奴がいるんだ!
サシャ「……」ムクリ
クリスタ「あれっ? サシャ、どうしたの?」
ミーナ「さっきはごめんね? うるさかった?」
サシャ「………………………………いえ」
クリスタ「? サシャ、具合でも悪い?」
ミーナ「うん、顔色よくないけど……?」
サシャ「…………なんでも、ないです。おやすみなさい」ポスッ
クリスタ「そう……?」
ミーナ「なら、いいんだけど……」
サシャ(忘れてた……そういえば、好きな人いるって言ってましたよね。一番、最初に)モゾモゾ
サシャ(もしかして、今も、好きなんでしょうか……?)ズキッ
サシャ(もし、今も好きだとしたら、私……その人にも、ライナーにも、悪いことしてますよね……)ズキズキ
サシャ(…………)
サシャ(考えたく、ないな……明日だけでも、楽しく過ごしたい……)
サシャ(…………寝て、忘れましょう。それが、いいですよ)
サシャ(…………)ズキズキ
サシャ(おなか、痛いな……)モゾモゾ
―― 同刻 消灯時間前 男子寮 エレンたちの部屋
エレン「……ライナー、これなんだよ」
ライナー「街の地図だ」
エレン「……多くないか?」ズシッ...
ライナー「お前用に減らした方だぞ、これでも」
エレン「……ていうかライナーが覚えてるなら俺が地図覚える必要なくないか?」
ライナー「はぐれた時どうする」
エレン「兵舎に戻ればいいだろ」
ライナー「ダメだ。目は極力離さないつもりだが、万が一ということがあるからな」
エレン「過保護だな……ミカサみてえ」
ライナー「何とでも言え。今日は覚えるまで寝かせないからな」
エレン「うへー……」
エレン「ってか、この前のスイカの代金払いに行くんだよな? 知ってる店なんだから迷うことないだろ?」
ライナー「そう思っていた時期が俺にもありました……」フッ
エレン「はぁ?」
ライナー「サシャの食欲は底なしだからな。メシ食った直後でも関係なしに、いい匂いに惹かれて何も考えずうろちょろうろちょろ歩き回るんだ」
エレン「……」
ライナー「少しでも目を離せばあっちへフラフラこっちへフラフラ……知らない人間にホイホイついていった時、俺は自分の認識の甘さを呪ったっ!!」ダンッ!!
エレン「うわぁ……ライナー、苦労してんだな……」
ライナー「……わかってくれるか?」ゼエゼエ
エレン「……理解はしたけど覚えられるかどうかは別だからな?」ペラッ
ライナー「ああ、できる限りでいいから努力してもらえると助かる」
エレン「わかったよ、ったく」ペラペラ
ライナー「ところで、エレンの明日の持ち物はそれだけか?」
エレン「ああ。男の持ちもんはハンカチ一枚と財布一つで充分だろ」
ライナー「そんなんでいいのか?」
エレン「下手に何か持っていっても邪魔だからなー。女とでかけると大抵荷物持たせられるし」
ライナー「……お前も苦労してるな」
エレン「まだあるぞ? いつだったっけ、ミカサが慣れない靴履いてきた時なんか大変でさ――」
ライナー「ほうほう」カキカキ
ベルトルト「……エレンがライナーに手ほどきしてる」
アルミン「エレンはデートの経験値だけはべらぼうに高いからね。まあ相手はいつもミカサなんだけど」
ベルトルト「……って他人事のように言ってるけど、アルミンもそれなりに経験値はあるんじゃない? ミカサとでかけたことあるんだろ?」
アルミン「そりゃあ……皆無じゃないけどね、エレンほどじゃないよ。ミカサが最終的に頼るのはエレンだし」ゴソゴソ
アルミン「……よし、こんなもんかな。準備できたよベルトルト」
ベルトルト「こんなに手間がかかるとは思わなかったな……ごめん、迷惑だった?」
アルミン「ううん、全然。むしろ仲間が増えて嬉しいよ! エレンはあの通りだし、マルコにも一度話したことあるんだけどそれっきりだし、あとはもう大抵すぐ逃げちゃうから」
ベルトルト「アルミン、上手だもんね。語り方とかすごいし」
アルミン「あはは、ありがとう。……じゃあ始めるね。一人百物語」
ベルトルト「いよっ、待ってました」パチパチ
エレン「……とまあ、こんなところかな」
ライナー「勉強になるな。助かった」
エレン「大袈裟だな、これくらい普通だって」
ライナー「……その普通の経験値を積めない訓練兵が何人いることやら」
エレン「?」
エレン「そういやライナー、サシャにお礼は言ったのか?」
ライナー「礼? スイカの礼か?」
エレン「いや、この前風邪引いた時にさ、サシャが夜メシ持ってきてくれたろ。その礼だよ」
ライナー「……」
エレン「げっ……ここの通りは服屋が多いな。帰りは避けて通ろうぜ。……ライナー?」
ライナー「……初耳だ」
エレン「服屋がか?」
ライナー「そっちじゃない」
エレン「サシャがこの前来たことか? ……まあお前寝てたしな、知らなくても仕方ないだろ」パラッ
ライナー「エレンが手引きしたのか?」
エレン「? いや、俺は帰りに送っていっただけだけど」
ライナー「……そうか」
ライナー(エレンじゃない……ってことは、部屋まで手引きした人間は別にいるってことか)
ライナー(同室ならアルミンやベルトルトだが……あいつらが何も言わないのはおかしい)
ライナー(今度ジャンやマルコ辺りに聞いてみるか)
―― ……そうですね。それくらい前です。それからは一回も会ってないです
ライナー(……意外と信用されてないんだな)
ライナー(いや、元々でかい嘘は吐いてるんだ。信用してくれなんて……俺が言えた台詞じゃないか)
ライナー(本来なら、言えるわけがない言葉だ)
ライナー(……このことは、追求しないようにしよう)
エレン「……なあライナー、寝ていい?」ウトウト
ライナー「ダメだ」
―― 翌日朝 女子寮 ミカサたちの部屋
ミーナ「むふふふふ……今日もいい出来っ♪」ウットリ
サシャ「……おおっ、スカートなのに動きやすいですね」クルクルクルクル
ミーナ「なんてったって夏だからねっ! 今回はキャミソールとプリーツスカートのセットで元気よく決めてみたよ!」
クリスタ「サンダルはヒール低めのを選んだから、いざって時には走れるからね?」
ミーナ「そして髪にはっ!!」
クリスタ「プレゼントのっ!!」
ミーナ・クリスタ「「ちょうちょの髪ゴム!!」」
ミーナ・クリスタ「「……」」
ミーナ「……蝶かぁ」ウーン
クリスタ「? どうしたの? ミーナ」
ミーナ「いやかわいいにはかわいいんだけどね……なんていうかね……」ブツブツ
アニ「……今日はスカートなんだ、サシャ」
ミカサ「代わりに私はショートパンツ。この通り、蹴りも綺麗に決まる」シュッ
クリスタ「おおー……っ!! ってミカサミカサ、隙間からぱんつ見えてる!!」
ミカサ「……///」ササッ
アニ「上段蹴りはよしといたほうがいいね」
ミカサ「……気をつける」モソモソ
アニ「……ところでユミルは? 今回もフテ寝してるわけ?」キョロキョロ
クリスタ「ううん、違うよ? なんかね、来週の大掃除当番のために色々動き回ってるみたい」
アニ「ふぅん……変なこと考えてなきゃいいけど」
サシャ「あのっ、ミーナ……私は本当にこの格好でいいんですか? 前みたいにキュロットとかのほうが……」アセアセ
ミーナ「大丈夫大丈夫! 今回はなんてったって、格闘のトップクラスが揃い踏みだもん! 心配する必要ないよ!」ポンポン
クリスタ「うんうん、贅沢だよねぇ……うらやまけしからんっ! ってね!」
サシャ「……」
サシャ(そういえば、三人とも、対人格闘の上位者でしたね……)
サシャ(私、三人に釣り合ってない……)ズキッ
ミーナ「サシャ?」
クリスタ「大丈夫? 靴のサイズ合ってない?」
サシャ「……いえ、なんでもないんです。貸してくれてありがとうございます、ミーナにクリスタ」ニコッ
ミーナ「えへへ、どういたしまして!」
クリスタ「うん、汚しても全然気にしなくていいからね?」
サシャ「いえいえ、ちゃんと洗って返しますよ。いつもありがとうございます」ニコッ
サシャ「じゃあミカサ、行きましょうか。あまり待たせてもいけませんし」
ミカサ「うん、行こう。……それじゃあ三人とも、行ってきま――」
ミーナ「お待ちなさいな」ガシッ
クリスタ「ダメだよ二人とも」ガシッ
アニ「……ちょっと待った」ガシッ
サシャ「……?」キョトン
ミカサ「……?」キョトン
クリスタ「ミーナ、アニ。――二人を押さえてくれる?」
ミーナ「お任せあーれ」ガシッ!!
アニ「了解」ガシッ!!
サシャ・ミカサ「「!?」」
サシャ「ちょっ……!? ミーナ、何するんですか!?」ジタバタ
ミカサ「アニ、何のつもり?」ジタバタジタバタ
クリスタ「黙らっしゃーいっ!!」クワッ!!
サシャ「」ビクッ!!
ミカサ「」ビクッ!!
クリスタ「いくら訓練兵でも、お肌の手入れはちゃんとしないとねぇ……?」ヌチャァッ...
ミーナ「そうそう、後悔してからじゃ遅いんだから」
アニ「おとなしく塗られときなよ。ただの日焼け止めクリームだから」
サシャ「いや、それはいいんですけど……」
ミカサ「……顔が、怖い」
クリスタ「というわけで行きまーすっ♪」
\ギャアアアアアアアアアア!!/
―― 数分後 女子寮外
ミカサ「……」ガタガタガタガタ
サシャ「……」ガタガタガタガタ
ミカサ「……恐ろしい目にあった」
サシャ「……ああいうのをテクニシャンって言うんですかね」
ミカサ「ゆっくりとした動きのはずなのに目で追えなかった。あれは最早達人の域」
サシャ「……」
ミカサ「急ごう。思ったより時間がかかってしまった」
サシャ「……あの、ミカサ」
ミカサ「何?」
サシャ「私、今日……三人と、行ってもいいんでしょうか」
ミカサ「……何かあった?」
サシャ「……ううん、なんでもないです! 行きましょう?」
サシャ(三人と釣り合ってないとか、今は考えないほうがいいですよね……)ズキッ
サシャ(……あれ?)
ミカサ「待ってサシャ。二人と合流する時に――」ボソボソ
サシャ「えっ……本当にやるんですか? それ」
ミカサ「これをしないと始まらない。二人で一緒にやる」
サシャ「うぅっ……/// わ、わかりましたよ、やりますよぅ……」モジモジ
―― 数分後 昼前 街中
ライナー「……暇だな」ボーッ...
エレン「だなー」ボーッ...
ライナー「お前ら、でかける時はいつも街で待ち合わせしてるのか?」
エレン「ああ、ミカサのわがままでな」
ライナー「理由は?」
エレン「すぐわかる。……っと、そろそろ来るかな」
「「せーのっ」」
「「だーれだ!!」」ギュムッ
エレン「な? 来たろ?」
ライナー「……来たな」
ミカサ「……わがままとは心外。スキンシップと言ってほしい、エレン」
エレン「だって毎回後ろから目隠しってのは流石に飽きるぞ」
ミカサ「私は飽きてない」
エレン「はいはい」
サシャ「……」ドキドキドキドキ
ライナー「……」
サシャ(無反応……っ!! そして、ノーコメント……っ!!)ドキドキドキドキ
ライナー「……サシャ」
サシャ「……はい」
ライナー「そこは鼻だ」
サシャ「へっ? あわわわわ、すみませんすみません!!」バッ
ライナー「……今日はスカートなんだな」
サシャ「! そうなんですよ! どうですどうです?」クルクル
ライナー「ああ、いいと思うぞ」
サシャ「本当ですか!? ありがとうございますっ!」
ミカサ「……エレンエレン」クイクイ
エレン「あーかわいいかわいい」
ミカサ「///」
エレン「ミカサ、お前マフラーは?」
ミカサ「油が跳ねたら嫌なので置いてきた。ちゃんと金庫に入れてきたので大丈夫」
エレン「金庫に入れるなよ……もっと大事なもんあるだろ」
ミカサ「じゃあエレンを入れる」
エレン「はいりません。――じゃっ、全員揃ったし行くか! あっちの通りだったよな?」テクテク...
サシャ「……あの、ライナー」
ライナー「なんだ?」
サシャ「手、繋いでもらってもいいですか?」
ライナー「……」
サシャ「あっ、やっぱりいいです! すみません変なこと言って――ひゃあっ!?」ギュッ
ライナー「いちいち驚くな。――これでいいんだよな?」
サシャ「は、はい……///」
サシャ(やっぱり、こうやって握られてると安心する……)
サシャ(ゴツゴツしてるけど、握る時、ちょっとだけ優しくて……私よりも、ちょっとだけ大きい手で……)
サシャ(でもこれは、本当は私のじゃなくて、別の誰かのもので……)ズキッ
サシャ(…………あれ?)
―― 昼間 とある大衆食堂
ライナー「二人がけの四人席か……どう座る?」
ミカサ「当然私はエレンの隣」グイッ
エレン「うわっ!? 引っ張るなよミカサ!」
サシャ「……ということは、私は」チラッ
ライナー「俺の隣だな」
サシャ「……」ダラダラダラダラ
ミカサ「? サシャ、すごい汗」フキフキ
エレン「そんなに暑いか? ここの店」キョロキョロ
サシャ「いえ、大丈夫です…………」プルプルプルプル
ライナー「暑いなら通路側に座るか?」
サシャ「窓側でいいです…………」プルプルプルプル
サシャ「……失礼します」ポスッ
ライナー「じゃあ隣、座るな」ドスッ
サシャ「ふぇっ!?」ビクッ!!
サシャ(肩が……っ!! 肩が近い……っ!!)ドキドキドキドキ
エレン「? 今変な声が聞こえなかったか?」
ミカサ「気のせい気のせい」ニヤニヤ
ライナー「サシャ、狭くないか?」
サシャ「いいえぇ全然!!」ブンブンブンブン
サシャ(平常心平常心平常心平常心平常心平常心……)ブツブツブツブツ
女店員「ご注文お決まりですかー?」
エレン・サシャ「「チーハンお願いします!!!」」クワッ!!
ミカサ「私もそれで」
ライナー「チーズハンバーグ4つで」
女店員「……はい、かしこまりましたー」クスッ
エレン「……」ソワソワソワソワ
ミカサ「エレン。はしゃぎすぎ。他のお客さんに迷惑」
ライナー「そうだ、サシャを見習え。誰より食い意地が張ってるのにお前よりおとなしいぞ」
サシャ「だって暴れたら出入り禁止になっちゃいますし……」アハハ
サシャ(……っていうのは建前なんですけどね!! なんで隣に座らせるんですかお腹の音も下手に鳴らせないでしょうが!! ミカサのおばかさん!!)
サシャ(ていうかなんで隣のライナーは平気そうなんですか!? なんで私ばっかりこんなアタフタしてないといけないんですか不公平でしょう! 不公平でしょう!!)
サシャ(ああそっか私も気にしなきゃいいんですよね、ライナーを見習って!! そもそも意識してるのは私だけで――)
サシャ(……私、だけ)ズキッ
サシャ(……)
サシャ(……あれ?)
女店員「お待たせしましたー。こちらチーズハンバーグ四人前です」コトッ
女店員「どうぞごゆっくりー」
エレン「っしゃあっ!! いただきますいただきます!!」
ミカサ「いただきます。しかしあの細腕でどうやって四皿も……?」ウーン
ライナー「いただきます。だよな……俺も不思議に思っていた」
サシャ「いただきます! そういうのは考えたら負けですよ、負け」
エレン「ああっ……! ここのハンバーグはほんっと絶品だよな……っ!」ウットリ
サシャ「兵舎の食事と比べないでくださいよ? 比べたらここのお店に失礼ですよー」モグモグ
ミカサ「あっちは大勢の訓練兵のために作っているから仕方がない。味より量が重視だから、どうしても大味になってしまう」モグモグ
ライナー「量って言っても一人当たりが少ないけどな」モグモグ
ミカサ「そんなにおいしいご飯を食べたいなら、今度私が料理を振る舞おう。エレン」
エレン「……いいなそれ! いいなそれ!!」キラキラキラキラ
ライナー「ははは、うらやましいな。エレン」
サシャ「……ライナー」クイクイ
ライナー「なんだ?」
サシャ「私だって、料理作れますよ」
ライナー「……」
サシャ「……作れますもん」
ライナー「作ってくれるのか?」
サシャ「…………ご要望が、あれば」
ライナー「じゃあ今度、お願いするかな」
サシャ「!! えっとえっと、じゃあ何が食べたいですか!? イノシシとクマとウサギどれにします!?」
ライナー「いやそういうワイルドなのはちょっと」
サシャ「あっ、そうですか……」ショボーン
ミカサ「……エレン、ニンジンを残してはダメ」
エレン「……いや、それはニンジンが食べないでくれって言ったからさ、俺はニンジンの言い分を尊重したんだ」
ミカサ「言い訳はダメ。というわけで」プスッ
ミカサ「……エレン、あーん」ヒョイッ
エレン「やめろって……こんなところでするなよ、恥ずかしい」プイッ
サシャ「……」ジーッ...
サシャ「……」
サシャ「……~~!!///」ボンッ!!
ミカサ「? サシャ、どうしたの? 顔が真っ赤」
サシャ「ひぇいっ!? ななななななんでもありませんよぉっ!?」
ミカサ「ならいいけど……?」
サシャ(うわぁうわぁうわぁっ!! あれってああいう風に見えてたんですね……!!)
サシャ(そりゃあ店員さんだって恋人だって勘違いしますよ!! あんなことしてたらそう思いますよ!!)
サシャ(……でも、あの時はライナーに断られたんでしたよね)
サシャ(きっと、嫌がってたんでしょうね……)ズキン
サシャ(……)
サシャ(……)
サシャ(さっきから、なんだろう、この痛み……)ズキズキ
エレン「ごちそうさまでしたぁっ!! あぁー……うまかったぁー……///」ウットリ
ライナー「ごちそうさまでした。エレン、行儀悪いぞ」
サシャ「ごちそうさまでした! まあ、そういう風になっちゃう気持ちもわからなくはないですけどねぇ。実際おいしいですし」
ミカサ「ごちそうさまでした。……というわけで、そろそろ会計」スッ
エレン「んーっと、いくらだ?」ヒョイッ
ミカサ「……エレンは伝票を取るのだけは早い」ムー...
エレン「だけって言うな。……女に払わせられっかよ」
ミカサ「私は割り勘がいいといつも言ってる。ずるい」ブーブー
サシャ「そうですよ、払わせてくださいよー」ブーブー
ライナー「いいんだよ。こういう時くらい、男に見栄を張らせろ。……で、エレン、いくらだ?」
エレン「……」スッ
ライナー「……エレン。暗算、できるようになろうな?」
―― 大衆食堂 カウンター
ミカサ「ごちそうさまでした。今日もおいしかったです」
女店員「いえいえ、ありがとうございましたー、また来てくださいねー」スマイルゼロエン
サシャ「あのっ、これ、この前のスイカの代金です。遅くなっちゃってすみません」ペコッ
女店員「……ああ、あの! どうです? ちゃんと熟してました?」
エレン「はい、おいしかったです! なんていうか、今まで食べたことない味で……! ってすみません、俺あんまり感想言うの慣れてなくて」テレテレ
ライナー「同期の仲間何人かで分けていただきました。ありがとうございます、おいしかったです」
女店員「ならよかったです。秋にはまた違ったものを都合つけますから、またご利用くださいねー?」
エレン「本当ですか!?」クワッ!!
ミカサ「……エレン、お下品」クイクイ
―― 昼 街中
ライナー「さて……兵舎に戻るには少し早いし、腹ごなしにその辺見て回るか?」
ミカサ「いいと思う」
エレン「そうだな、賛成だ」
サシャ「……」
ミカサ「……サシャ?」
サシャ「……え? なんですか?」キョトン
ミカサ「少しこの辺を見て回る。いい?」
サシャ「はい、いいですよ!」
ミカサ「……今度は私と二人で歩こう、サシャ」ギュッ
サシャ「えっ……? でもエレンは……」チラッ
ミカサ「エレンはライナーと暑苦しい友情を確かめると言っていた。ので、無問題」
サシャ「ならいいですけど……ってぅわぁっ!? ミカサ、引っ張らないでくださいよ!」
ミカサ「早く行こう」クイクイッ
ライナー「……置いて行かれたな」
エレン「だな。……まあ、好きにさせとこうぜ。後ろからついていけばいいだろ」
ライナー「……なあ、お前ら普段も隣に座ってメシ食ってるよな」
エレン「ミカサとか? ……まあ、対面の時もあるけどな。アルミンもいるからその辺は適当だけど」
ライナー「……緊張しないのか? ミカサが隣に座って」
エレン「はぁ? なんで?」キョトン
ライナー「そりゃあ…………………………………………その、なあ? アレだよ」
エレン「? なんだよ、ちっともわかんねえぞ」
ライナー「……お前に聞いた俺が馬鹿だった」スタスタ...
エレン「??」
サシャ「あっ、こっち側はもう秋物に切り替わってますね」ヒョイッ
ミカサ「このボレロは着回せそう」ヒョイッ
サシャ「おおーっ! 似合うじゃないですか! かわいいですし!」
ミカサ「……でも、この服は着られない」モドシッ
サシャ「? サイズ違いなら店員さんに聞けば……」
ミカサ「違う。……どれも肩幅が合わない」ションボリ
サシャ「あー……」
ミカサ「こういう時は自分の体型が恨めしい……」ショボーン
サシャ「えっとじゃあ、こっちのカーディガンとかはどうです? フリーサイズですし、肩幅あまり関係ないですよ?」ヒョイッ
ミカサ「……おお」キラキラキラキラ
サシャ「ね? どうですか?」
ミカサ「……会計してくる」イソイソ
サシャ「はい、いってらっしゃい」クスッ
ミカサ「してきた。――サシャは何か買わないの?」ホクホク
サシャ「自分の服、選ぶの得意じゃないんですよね……あと、今日は単純に手持ちがありません」ショボン...
ミカサ「じゃあ、私が見繕ってプレゼントする」ヒョイッ
サシャ「えっ? いいですよそんな!」アセアセ
ミカサ「気にしなくてもいい。今度四人で遊びに行く時、見せてくれればいい」
サシャ「……今度、ですか」
ミカサ「?」
サシャ(今度って、次はいつなんでしょうか……)
サシャ(そもそも、次はあるのかな……)ズキズキ
サシャ(おかしいですね…………ご飯食べたのに、まだ痛いなんて)ズキズキ
―― 数十分後 街中
エレン「……な? 荷物持ちだろ?」ズシッ...
ライナー「ああ。エレンの言った通りだったな……」ズシッ...
エレン「2人揃えば荷物は3倍、3人寄れば更に3倍だ。つまり6倍」
ライナー「3倍の更に3倍なら9倍だ。……普段のサシャは、あまりこういうものを買わないんだがな」
エレン「そりゃ、ミカサと一緒にいるからだろ。この前アルミンと3人で遊びに来てた時、ミーナと合流した後なんか更に酷かったぞ。アルミンなんか最後半泣きだったしな」
ライナー「……女って怖いな」
エレン「だよな。……ん? なあライナー、サシャの歩き方変じゃないか?」
ライナー「そうか? 俺にはわからんが……?」
エレン「ちょっと聞いてみるか。――ミカサー、止まれ止まれ」
ミカサ「? エレン、どうかした?」キョトン
エレン「いや、ちょっとなー……」ジロジロ
サシャ「あの……なんですかエレン? 何か私についてます?」
ミカサ「……エレン? どうしてサシャを舐め回すように見ているの?」ジッ...
エレン「んー……? ――あ、やっぱり。血が出てるな。踵」ユビサシ
サシャ「えっ? ……あ、本当ですね」
ライナー「靴擦れしてるな……しかも両足だ」
ミカサ「……皮がめくれてかなり痛そう」
エレン「そこまで酷いならハンカチじゃなくてガーゼかなんかあったほうがいいよな。――そういや、薬屋がこの近くにあったはずだ」
ミカサ「なら、私とエレンで行ってこよう。ライナーはサシャと荷物をお願い」ダッ
ライナー「わかった。この近くで待ってる」
サシャ「すみません、お願いします」
―― 昼間 とある薬屋
エレン「ガーゼってこれでいいのか……? うーん……」ゴソゴソ
ミカサ「……今日のエレンは、いつも以上に気がきく」
エレン「? なんだよ突然」
ミカサ「踵。私も気づかなかった」
エレン「あれか……まあ、気づいたのはミカサのおかげだな」
ミカサ「……もう一回言ってほしい。できれば甘く囁くように耳元で」
エレン「やだ。……なんか比べちまうんだよな。違って当たり前なんだけど、歩き方とかさ」
ミカサ「歩き方?」
エレン「サシャとライナーの歩幅ってかなり違うのに、一緒に並んで歩いてたろ?」
エレン「だから注意して見てたらさ、サシャのほうがかなり速度あげて歩いてたんだよ。靴擦れはそのせいだな。歩く速度の上げすぎ」
エレン「で、午後になってミカサと歩き出したろ? そしたら少しずつだけどミカサから遅れ始めたからさ、こりゃ何かあるなーって思ったら案の定ってわけだ」
ミカサ「……ライナーは、何度か一緒にサシャと歩いているはずなのに気づかなかったの?」
エレン「近すぎてわかんなかったんだろ」
ミカサ「なら、気づいた時点でライナーに速度を緩めるよう、言えばよかったのに」
エレン「そりゃダメだろ。……俺だったら、そういう時に手なんか抜いて欲しくないし」
ミカサ「? ……よくわからない」
エレン「ミカサにはわかんないかもなー、……そう考えたら、サシャと俺って似てるかも」
ミカサ「!? エレンそれは聞き捨てならない!!」
エレン「すみませーんこれくださーい」
―― 昼間 街中
ライナー「この石段なら日陰だな。……一人で座れるか?」
サシャ「はい、大丈夫です……よいしょっと」ポスッ
ライナー「……気づかなくて悪かったな。踵」
サシャ「いえ、私もエレンに言われるまで気づきませんでしたから。お互い様ですよ」
ライナー「無理してたんじゃないんだよな?」
サシャ「……そう見えました?」
ライナー「たまに無茶するからな、お前は」
サシャ「……」
ライナー「……サシャ?」
サシャ「……」ポロッ
ライナー「!? どうした、足が痛いのか?」
サシャ「ちがっ、ちがいます……っ! おなかが空いてっ、泣けてきただけ、ですっ」グスッ
ライナー「そんなわけ……」
サシャ「そんなわけあるんですっ、いまっ、今すぐ、ちゃんと、笑いますからっ、待って……っ」グスッ
サシャ(……聞かなきゃ)ズキズキ
サシャ(……違う、笑わなきゃ)ズキズキ
サシャ(こんなの、私らしくない)ズキズキ
サシャ(脳天気で、馬鹿で、食い意地の張ってる芋女でいいんです、私は)ズキズキ
サシャ(こうやって、隣にいられるだけでも、贅沢なのに)ズキズキ
サシャ(心配してもらえるだけでも、ありがたいのに)ズキズキ
サシャ(それ以上なんて、いらないんです)
サシャ(本当は……そういうこと、してもらえる立場じゃないんですから)
サシャ(……好きな人、いるくせに)
サシャ(これ以上、私に優しくしないでくださいよ……)ギュウッ...
―― 夕方 街中
エレン「これでよしっと。……応急処置だから、あとでちゃんと医務室行って消毒してもらえよ?」
サシャ「はい、ありがとうございます……」グスッ
ミカサ「……何かあった?」ボソボソ
ライナー「……いや、今回ばかりは俺もわからん」ボソボソ
ミカサ「……」ジトッ...
ライナー「そんな目で見るな。……エレン、終わったか?」
エレン「ああ、終わったぜ。サンダルは踵潰して履けば兵舎まで歩けるだろ」
ライナー「そんなことさせるか。――荷物とサンダル頼む」ヒョイッ
サシャ「ひゃっ!?」
サシャ「お、下ろしてくださいっ、一人で歩けますよ!!」ジタバタジタバタ
ライナー「嫌だ」
サシャ「でもっ、おんぶなんて恥ずかしいですよ!!」
ライナー「怪我人に何か言う権利はない。おとなしく担がれてろ」
サシャ「……もう、わかりましたよぅ」ムー...
ミカサ「……エレン、突然私の膝に激痛が走ったので歩けない。よっておんぶを要求する」クイクイ
エレン「やだ」
ミカサ「……仕方がない。エレンの選択を尊重しよう」ヒョイッ
エレン「うわっ!? ミカサ、下ろせ下ろせ! 担ぐな!!」ジタバタジタバタ
ミカサ「エーレンのーせんたーくをーそんちょーしよー♪」スタスタ...
エレン「俺が悪かったってば!! ミカサ!!」ジタバタジタバタ
ライナー「サシャ」スタスタ...
サシャ「……なんですか? 怪我人に何か言う権利はないんじゃなかったんですか?」ムスッ...
ライナー「怪我人には自分の状態を話す義務がある」
サシャ「……」
ライナー「そうじゃないと適切な治療ができないからな」
サシャ「……」
ライナー「俺は無理に聞かない。……話したくなったら話せよ。いつでも聞くから
サシャ「……わかりました」ギュウッ...
―― 夕方 女子寮前
ミカサ「ここまでで大丈夫。荷物もサシャも私が預かる」ヒョイッ
ライナー「ああ、後は頼む」
ミカサ「合点承知の助」ニンニン
ライナー「……なんだそれ」
ミカサ「了解という意味。それでは、また夕食の時にでも」スタスタ...
ライナー「ああ、後でな。……お前も寝っ転がってないで帰るぞ、エレン」
エレン「もう俺お婿に行けねえよ……汚れちゃったもん、俺……」グスグス
ライナー「……お前らはいいな、イチャイチャできて」ボソッ
エレン「? なんだよ突然」
ライナー「……ないものねだりしてるだけだ」
―― 夕方 女子寮 ユミルたちの部屋
ミカサ「お届けものでぇーすっ☆彡 ハンコかサインお願いしまぁーすっ☆彡」ドサッ
ユミル「……何してんだミカサ」
ミカサ「……クリスタは?」キョロキョロ
ユミル「さっきミーナと一緒に出て行ったぞ」
ミカサ「……てっきりクリスタがいると思ったのに、恥ずかしい思いをした」チッ
ユミル「安心しろ、お前の痴態は私が女子寮全体に広めてやるよ」ニヤニヤ
ミカサ「……失礼する」ガチャッ バタンッ
ユミル「ちっ、逃げやがって……よう荷物。床に寝っ転がって何してんだ?」ツンツン
サシャ「おやユミル。珍しいですね、最近見なかったのに」
ユミル「ああ……すげー疲れた」
サシャ「私も疲れましたよ、今日は」ムクリ
ユミル「お前らダブルデートだったんだって? どうだった?」
サシャ「……楽しかったですよ」
ユミル「? そうか?」
サシャ「ええ、とっても。……着替えるので、ベッドのカーテン閉めますね」
ユミル「……好きにしろよ。私はメシまで寝る」ゴソゴソ
サシャ「……」モソモソ
サシャ(ガーゼから血が滲んでますね、後で医務室行かないと)ゴソゴソ
サシャ(キャミソールがミーナで、スカートがクリスタだから……こっちは洗濯に回して……)
サシャ「……あ」ピタッ
サシャ(……ミカサに選んでもらった、服)
サシャ(今度着る時は、四人で出かける時……)
サシャ「……」ギュゥッ...
サシャ(なんででしょう、楽しかったのに、なんか、モヤモヤする……)
サシャ(まだ、胸が……おなかが痛い……)ズキズキズキズキ
サシャ(……後味、悪すぎです)
おわり
終わりです。終わりですっていうか次回に続く! みたいな感じですが
読んでくださった方&レスくださった方ありがとうございました!
「好きな人発言」やっと回収しました! とは言ってもまだ半分だけですけどね!
ライナー側もそのうち出すのでしばらくお待ちください。ちなみに「キスの味」でのベルユミ会話もそのうち出てきます。どちらも終盤付近ですけどねー
というわけで次回、(予定通り書ければ)ミカサ無双!!
あなたの作品はすばらしい!!
みんな可愛くてキャラが輝いてる
乙
乙!
サシャの乙女度がヤバイ 可愛いな
次回も期待してます
エレンとミカサって付き合ってんのかな?
>>59-60 さん ありがとうございます! 嬉しいです、励みになります!!
>>61 さん 一応このSSではエレンとミカサは「家族だけどギリギリ恋人未満」の関係で書いてるつもりですが、
今回はいつもよりもかなり割り増しで仲よさげに書いたので、そう見えたかもしれません
ミカサきゃわたん
可愛かった!
続き気になるぜ!
何だか切ねぇな
続き待ってるぞ!
ミカサかわいすぎ
切ないな、次も楽しみにしてる!
>>1の書くキャラみんなかわいい
物語の続きを楽しみにしてるよ
サシャもミカサも可愛すぎる
完結したらライナー視点での話も見てみたい
「・・・・」で何考えてるのかすごい気になる
今作も良かった!貴方のSSにハズレは無いな!乙!!
このシリーズ好きすぎてヤバイw
次回も楽しみにしてる!
乙!
乙!これは続きが欲しいなぁ!欲しいなぁ!
急かすつもりはありませんが、正座して待ってますね。
乙!
このシリーズ好き過ぎて、読みながらニヤニヤが止まらん
次回も期待しています!
続きが気になります
色々ありながらも、距離が縮まってくところが俺は好きで読んでます!
いつも更新されるの楽しみです。応援しています!
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