アリス「シノがこけしになっちゃった!?」 (25)
・・・アリス・・・おはようございます・・・
アリス「ん・・・」
・・・アリス・・・・・・
アリス「うーん・・・」
・・・・・・アリス・・・行きますよ・・・・・・
アリス「ん・・・朝・・・?」
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アリス「んー、シノ、おはよう」
アリス「ってあれ?シノ?」
アリス「さっきシノの声聞こえたのに・・・」
アリス「シノー?」
・・・なんですか?
アリス「なんだー、シノ、どこに隠れてるの?」
・・・ここですよー
アリス「おかしいな、声は聞こえるのにどこにも・・・」
・・・こっちですよ、アリス
アリス「こっち?あれ?見慣れないこけしが」
アリス「ちょっとシノに似てるかも・・・」
こけし「やっと気づいてくれましたね、アリス」
アリス「!?」
こけし「私ですよ、忍です」
アリス「シっシノ!?本当にシノなの?」
こけし「はい♪」
アリス「ってそんなわけないよね・・・もぉーシノ、どこに隠れてるの?」
こけし「ですから、ここですよ」
アリス「学校遅れちゃうよ?」
こけし「でも私、自分では動けませんし」
アリス(キリがないから話を合わせてあげた方がいいのかなぁ?)
アリス「じゃあ、ほら、私が持ってくから、ご飯食べて学校行こ?」ムンズ
こけし「わぁ、ありがとうございます」
アリス(シノ、まだ出てこない・・・何で今日に限ってこけしごっこなんか)
こけし「アリス―?」
アリス「どうしたのシノ・・・って」
こけし「どうかしましたか?」
アリス(やっぱり、このこけしからシノの声がする!)
アリス(てことは、やっぱり・・・)
アリス「本当に、シノなの?」
こけし(忍)「もう、アリスは疑り深いですねー」
アリス「イっイサミ!!どうしよう!!シノが!」
勇「何?」
アリス「そうじゃなくって、これ!」
勇「こけし?あー、なんか忍に似てるわね」
忍「お姉ちゃん、おはようございます」
アリス「聞いた?シノ、こけしになっちゃったみたいなの!」
勇「あら」
勇「・・・普段とそんなに変わらないんじゃないの?」
忍「えっ」
アリス「そうかもしれないけど、でも大問題だよ!」
忍「アリスもちょっとひどいです!」
通学路
陽子「あ、アリスおはよ」
綾「あら?シノは一緒じゃないの?」
アリス「ヨーコ、アヤ、その、驚かないで聞いてね?」
アリス「シノは、シノは・・・」
アリス「こけしになっちゃったの」
綾「いつものことじゃない」
陽子「で、こけし・・・じゃなくて、シノはどこ?」
アリス「そうじゃなくて、これ!」
忍「綾ちゃんも陽子ちゃんも・・・やっぱり皆、私のことをただのこけしだと思ってたんですね・・・」ブツブツ
陽子(これは・・・)
綾(えっと・・・)
陽子「・・・てことは、朝起きたらシノがこけしに変わってたんだな?」
綾「信じられないわね」
忍「どうせならフランス人形みたいになりたかったです」
カレン「皆さん、オハヨーゴジャイマース!」
アリス「あっカレン、あのね、シノが・・・」
カレン「あっ、シノもいましたか、見えませんデシター」
カレン「今日のシノは心なしか小さいデース!」
アリス「えっ」
陽子「えっ」
綾「えっ」
陽子「でも、学校ではどーすんだ?」
忍「大丈夫ですよ、机の上に置いといてもらえれば」
アリス「シノ!今日のノートは私がとるよ!まかせて!」
忍「アリス・・・」ジーン
綾「さすがにカバンにしまっといたほうがいいと思うけれど」
陽子「からすちゃんに没収されるかもしれないしな」
アリス「シノを、没収・・・?」
アリス「そんなことはさせないよ!私がシノを守るよ!!」
カレン「それにしても、何で今日のシノは小さいデスカ?」
アリス「うーん、シノ、何か変わったことはなかった?」
忍「変わったこと、ですか?特にありませんでしたよ」
忍「いつも通り夕ご飯食べて」
忍「いつも通りお風呂に入って」
忍「いつも通りアリスとお話しして」
忍「いつも通りアリスの抜けた金髪を枕から回収して」
アリス「!?」ビクッ
忍「いつも通り寝ましたよ?」
アリス「・・・じゃあ、やっぱり原因は分からないね」
陽子「で、シノのこけし化はいつまで続くんだ?」
アリス「いつって、それは分からないよ・・・」
放課後
忍「特に何事もなかったですね」
アリス「じゃあ帰ろうか」
陽子「そうだな」
忍「はい」
カレン「あっいまシタ、一緒に買えるデス」
綾「ええ、行きましょ」
カレン「ところで何で今日のシノは小さいデスカ?」
陽子「今更!?」
アリス「えっと、私にもよく分からないんだけど、朝起きたらこけしになっちゃってたの」
アリス「でもホントにシノなんだよ?」
アリス「ちゃんとお話もできるし」
カレン「あーそういう設定デスカ」
綾(設定って・・・)
カレン「じゃ、こういうのはどうデース?」
カレン「お姫様は王子様のキスで元通りデース!」
アリス「えっキキキキスってそんな私、できないよ!」
陽子「あーもうアリスはキスする気満々だなー」
綾「外国人ならそのくらい普通なのかと思ってたわ」
忍「それにいつもしてるじゃないですか、アリス」
アリス「!?」
忍「夜に部屋のこけしにキスしたりしてますよね」
アリス「知ってたの!?」
陽子「ん?何を?」
アリス「何って今、私が夜こけしにキスしてるって、その、」
アリス「・・・」///
綾「えっ」
陽子「えっ」
忍「あと、私の名前を呟きながらこけしを抱いて・・・」
アリス「わー!シノ、それ言っちゃダメだよ!」
綾(それって・・・)ドキドキ
カレン「じゃあ問題ないデスネ。ぶちゅっと行くデース!」
アリス「え、でも・・・」
忍「私は構いませんよ」
綾(・・・・・・)///
陽子「どうした綾?顔赤いぞ?」
綾「べっ別に私は陽子とキスなんて想像してないわよっ!?」
陽子「はあ?」
綾「じゃなくて!あれ!止めなくていいの?」
陽子「確かに公衆の面前でこけしとキスしてるのは異常かもな」
アリス「んっ・・・」
綾「じゃあ止めなさいよっ!」
アリス「・・・ぷはっ」
カレン「んー、何の変化もないデスネ。この作戦は失敗デース」
忍「アリスの柔らかな唇の感触が伝わってきました」
アリス「感触って!だめだよそういう生々しいこと言っちゃ!」
陽子「あ、感触とかはある設定なんだ」
カレン「じゃあ次は火であぶってみるデース」
アリス「だめだよ!」
カレン「水責めはどうデスカ?」
陽子「何で拷問っぽくなってるんだよ・・・」
カレン「それとも断崖絶壁に追い詰めて自白させマスカ?」
陽子「趣旨変わってるぞ」
夜
アリス「結局もとに戻らなかったね、シノ」
忍「いいんですよ、アリスが私のためにいろいろと考えてくれたってだけで嬉しいです」
アリス「シノ・・・!」ジーン
忍「それに、案外一晩寝れば元に戻るかもしれませんよ」
アリス「そうかな・・・」
アリス「ねえ、シノ」
忍「何ですか?」
アリス「もう一回、キスしてみない?」
忍「えっ?」
アリス「その・・・普段は恥ずかしくて出来ないし」
アリス「じゃなくて、ほら、もしかしたら元に戻るかもって・・・」
忍「もちろん、いいですよ」
忍「私はアリスのこと、大好きですから」
アリス「シノ・・・」
アリス「私も、シノのこと、愛してるよ」
チュ
チュンチュン
忍「アリス、起きてください」
アリス「ん・・・」
忍「朝ですよー」
アリス「あれ、シノ・・・」
アリス「戻ってる!?」
忍「へ?」
アリス「やったー!シノ!」ダキッ
忍「?」
アリス「よかった、よかったよお・・・」
忍「何がですか?」
アリス「何って、元の姿に戻れて・・・」グスッ
忍(なにを言ってるのか分かりませんが、喜んでるみたいなので良しとしましょう)
通学路
アリス「ヨーコ!アヤ!カレン!」
忍「おはようございます」
アリス「シノが元に戻ったよ!」
カレン「Oh!シノ、いつも通りデス!」
陽子「あはは、まだ続けてんのか」
アリス「へ?」
カレン「ホントにアリスは寂しがり屋デース!」
アリス「?」
綾「シノ、向こうはどうだったの?」
忍「一人も金髪少女がいない世界なんて耐えられませんでした・・・」
陽子「おい・・・」
アリス「向こう?向こうって?」
綾「何言ってるのよアリス、昨日シノは親戚のおうちに行ってたんでしょ?」
アリス「え・・・?」
忍「アリスの顔が見たくて夜中に無理やり帰ってきちゃいましたー」
アリス「シノ・・・それ、ホントなの?」
忍「?」
忍「本当も何も、ちゃんとそう言って出かけたじゃないですか」
忍「まあ、アリスは寝てたみたいですけど」
陽子「意味ねえ!」
アリス「えっでも、昨日、シノがこけしに、なってて、えっ?」
カレン「アリスはホントにシノが好きデスネ!」
綾「でもさすがに学校にまでこけしなんか持ってくるとは思わなかったわ」
陽子「まあでも面白かったよな、シノがいるときと大して変わらなかったし」
アリス「でもホントに喋ってたし、あれは」
陽子「何だー?寂しさのあまり幻聴まで聞こえてたのか?」
陽子「私がいないときの綾みたいじゃんか」
綾「ちょ、ちょっと何言ってるのよ!」
アリス「でもみんなだって!」
カレン「お人形遊びみたいで楽しかったデス!」
アリス「・・・シノ」
忍「何ですか?」
アリス「昨日、こけしになってたり、とか、」
忍「あはは、人間はこけしにはなりませんよ」
アリス「だよね、あははは・・・」
おわり
乙
残暑が吹き飛んだ
乙
乙でした。
世にも奇妙な物語みたい
乙
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