シノの部屋、AM2:00
シノ「うわぁ! あ、アリス!? 起きてたんですか!?」
アリス「お、起きてたよ!」
シノ「うう、恥ずかしいです……こんな……こんなコケシでオナニーをしてるところ見られるなんて……」
アリス「……」
シノ「あ、アリス……あの……その」
アリス「シノ……毎日してるでしょ? 一ヶ月前ぐらいから……」
シノ「ええっ!? ぜ、全部聞いてたんですか!?」
アリス「そうだよ! 今日は……」
シノ「そんなっ……! 一ヶ月も私の恥ずかしい声を!?」
アリス「え、あ……そ、そうだよ……///」
シノ「恥ずかしいです!恥ずかしいです!もうお嫁にいけませ~ん!!」
アリス「///……あっ、そ、そうじゃなくて! 言いたいことがあるの! 」
シノ「……そ、そうですよね……私のせいで寝不足アリスですよね……」
アリス「えっと、私のことはいいんだけどね、シノのことが心配で……シノ、一ヶ月前から体調がずっと優れないでしょ?」
シノ「え? そう見えますか?」
アリス「そうだよ、コケニーのことは伝えてないけど、勇姉も陽子達も心配してたよ」
アリス「毎日してたら体調崩しちゃうのは当たり前だよ」
シノ「私自身はそうは思わないのですが……逆にコケニーしないと落ち着かなくて寝れないんです」
アリス(そんなはずないよ……こんなのおかしいよ。シノのために、ガツンと言わなくちゃ……)
アリス「と、とにかく! シノが良くてもダメだよ! やめるって約束して欲しい!」
シノ「や、やめる!? そ、それは……」
アリス(うぅ……ごめんね、シノ……シノのためだから……)
アリス「シノ! は、はっきり言って……めめめ迷惑なの! お願い、やめて!」
シノ「め、迷惑っ……!」
アリス「ぅ……シノッ!」ジッ
シノ「……わかりました。 私も、アリスに迷惑かけたくありませんから」ニコッ
アリス「ほ、ホント!?」
シノ「はい、ホントです!約束です!今までごめんなさい!」ペコリ
アリス「いいんだよ、シノ!よかった~。それじゃあ、寝よっか」
シノ「はい、おやすみなさい♪」
・
・
・
1時間後
アリス「……」
シノ「んっ……気持ちいいですぅ~♪」
アリス(!)
アリス(……シノ……)
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・
・
翌日の朝
チュンチュン
アリス「ふわぁ……シノ、おは……よ!?」
シノ「ほへ……」グッタリ
アリス「し、シノ! 救急車、救急車なの!?」
シノ「いえ、ちょっと風邪を引いてしまったみたいで……ご心配には及びません、休めば……」
アリス(こ、コケニーするからだよシノ……)
アリス(約束したのに……約束したのに……)グスッ
シノ「アリス……? 私は大丈夫ですから、泣くほど心配しなくても」
アリス「わ、わかった…ゆっくり休んでね」
アリス(……こうなったら……ごめんねシノ……)
学校
陽子「コケニー!? コケシでオナニーしてコケニー!? だから最近体調悪そうだったのか!?」
カレン「オナニーって聞いたことあるデス。masturbation?」
陽子「ナイス発音!」
アリス「それでね、あのね……」
綾「ちょっと二人とも! アリスの話を聞きなさい!」
アリス「あ、ありがと、あy」
綾「オナニーを笑うなんて最低よ!誰でもすることだもの!」
陽子カレンアリス「え?」
綾「あっ……///」
陽子「いやぁ、誰でもはしないと思うなぁ~」
カレン「デスね」
綾「そ、そんなことよりっ! アリス、まだ続きがあるんでしょう!?///」
アリス「そ、そうだよ! 今朝休んだのだって、コケニーのせいなんだよ? もう私、見ていられなくて……」
カレン「それは由々しき問題デスね。シノがいないとつまらないデス」
アリス「約束したのに、止まらなかったんだよ? シノは、簡単に約束を破る人じゃないよ。 私、悲しくて……」ウルウル
綾「仕方ないわよ。オナニーだもの」
陽子「綾……」
アリス「私は止めたいの!」
陽子「うーん……アリスは迷惑してるのか?」
アリス「迷惑とかじゃないけど、体調を崩してるし……」
アリス「それに、コケニーしている時のシノは私が理解できない世界にいるような気がして……怖くて……」
カレン「コケシを隠しちゃえばいいデス!」
アリス「え?」
カレン「コケシを隠せばコケニーできないデス!簡単デス!」
綾「そうね。お気に入りの道具、オカズが無ければ萎えてしまうものよ」
陽子「綾……」
アリス「でも、いいのかな? 勝手にそんなこと」
陽子「いやぁでも、それしかないと思うなー。アリスの言うとおり、シノが約束を破ってまでするなんて普通じゃないし」
アリス「そ、そうだよね」
綾「でも、それが出来るのは一番近くにいるアリスよ。 できるの?」
アリス「……」
アリス(わたし……シノが大好きだよ。シノが約束を破ってまでするんだから、本当に気持ちいいんだと思う。だから大切にしてあげたい)
アリス(でもね、こんなの間違ってるよ。コケシで体調崩すなんておかしいよ。だから、シノ……ごめんね)
アリス「……私、やるよ!シノを救って見せる!」キッ
カレン「Oh! アリスかっこいいデス!私からもお願いするデス!がんばってクダサイ!」
陽子「アリス……泣ける! 頑張れ、頑張れ!」
綾「……気をつけてね……何かあったら電話して。姉さんに助けを求めてもいいし。深夜だからって気にすることないわ」
アリス「うん、ありがとう! 私、頑張るよ!」
アリス(シノ……私が助けるからね。待っててね)
・
・
・
シノの部屋、PM4:30
ガチャ
アリス「……」
シノ「……」スースー
アリス「よし……確か、昨夜はここに……あった!」
アリス「これを……ど、どうしよう」
アリス「私のカバンの中に……んしょ」
アリス「……」
アリス(大丈夫だよね……私達、友達だもんね……)
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シノの部屋、AM1:30
シノ「……」スースー
アリス(……ご飯の時も、普通の可愛いシノだった)
アリス(体調もよくなった。おねがい、どうか起きないで……)
シノ「……」ムクッ
アリス「!」
シノ「……ごめんなさいアリス……でも、バレなければ、誰も傷つきません」ボソッ
シノ「……心配なんか、何もないです……」ゴソゴソ
アリス(……)
アリス(また……この感覚)
アリス(ごめんなさい、シノ……気づいたよ)
アリス(……シノが体調を崩して欲しくないっていうのもあるけど)
アリス(知らないシノがどんどん増えていくのが嫌なの。離れて行って欲しくない)
アリス(私、卑怯な子……でも……)
シノ「……あれ、ないです……コケシが……」ゴソゴソ
シノ「ないです、ないです、確かにここに……」
アリス「……っ!」フルフル
シノ「なんで、なんでですか。コケシ、私のコケシ」
アリス「……ぅぅ……っ」
シノ「!……アリスっ!?」
アリス「!!」
シノ「起きてたんですか!? 私のコケシ知らないですか!?ないんです、ないんです~!!!!!」
アリス「っ……そうなんだ。でも、約束したから、いらないよ?」
シノ「!」
アリス「そうだよね?」
シノ「隠したんですか」
アリス「約束したよ! 私とシノで!」
シノ「隠したんですか」
アリス「もう、しないって! 私のためにやめるって!」
シノ「隠したんですか。どこですか?」
アリス「シノ!私の目を見て!」
シノ「待っててください。見つけますね」
アリス「シノ!」
シノ「怒ってないですよ。大丈夫、大丈夫です……お姉ちゃん、起きてしまいますよ?」
アリス「……」ササッ
シノ「……アリス? いま、何か隠しましたね? カバンですか?」
アリス「な、なんでもないよ!なんでもない!」
シノ「失礼しますね」ガシッ
アリス「し、シノ!」
シノ「……」バッ
アリス「あ……」
シノ「……えーと……あっ、ありました~!」
アリス「あ……あ……」ウルウル
シノ「さてと……」
アリス「……うわぁぁ~!! シノ~!!」ポロポロ
シノ「……アリス?」
アリス「シノっ! シノっ……!」ポロポロ
シノ「あ、あの……」
アリス「シノぉ~~~!!!」ポロポロ
シノ「あ、あの、落ち着いてください。と、取り上げだけで、もうしないですから!」
アリス「シノのうそつき! 昨日だってしてたくせに!」
シノ「っ……ばれて、ましたか……」
アリス「私、もう嫌なの! 」
アリス「知らないシノが増えて欲しくない! 体調を崩すシノなんて見たくない!」
シノ「アリス……」
アリス「私との約束を破るシノは、私の知らないシノだよ! そんなシノ、私が許さないから!」
シノ「……」
アリス「……私とコケニー……どっちが大事なの……?」グスッ
シノ「……アリスの知らない私は……たくさんたくさんアリスを傷つけてしまったのですね……」
シノ「わかりました……もう、本当に、これで終わりです。コケニーは、もう終わりです」
アリス「シノ……本当にホント?」
シノ「はい、本当にホントです」
アリス「本当にホントなの?」グスッ
シノ「……最初からシンプルに考えればよかったんです。アリスとコケニー、どっちが大切なのか」
アリス「……私、シノが大好きだよ? 大好きな友達を疑うなんて、もう嫌だよ?」
シノ「はい、大丈夫です! アリスの知らない私は、もういません!」
アリス「……ぁああ~~! シノ~~!!!」ギュッ
シノ「アリス……こんなに泣いて……本当にごめんなさい」ナデナデ
シノ「今日は、一緒のベッドで寝ましょうか?」ニコッ
アリス「! うん、そうする!一緒に寝よう!」
シノ「こうすれば、安心ですね」
アリス「もう、疑ってないよ?」
シノ「……ありがとうございます。 もう遅いから、寝ましょうか」
アリス「うん! 明日は一緒に学校いこうね!」
シノ「もちろんです!」
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アリス「……」スースー
シノ(……とは言ったものの、ちょっと自信ないですね。でも、アリスのため……)
シノ(……こんなこと考えてる時点で、私最低ですね……)
シノ「……なんで私、こうなっちゃったんでしょう」ボソッ
シノ「……」
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シノ「……」
~~~~
その日、忍は夢を見た。
~~~~
シノ「……んっ……ここは?」
シノ(……森?)
シノ「んしょ……」ムクッ
シノ「……なんか輝いてる……?」
シノ「湖……ですか……?」
シノ「湖のそばに誰か……わ、私!?」
シノ「もう一人の私!?」
綾「……」パァァ
シノ「綾ちゃんまで!?」
綾「あなたが落としたのは、この金のこけしですか?それとも」
綾「金のアリスですか?」
Anotherシノ「……」
シノ「なんですかあれ……」
Anotherシノ「もちろん、金のこけしです」
シノ「!……な、なんでですか!」
綾「ならば、金のアリスは……」
アリス「しのっ、シノッ!!」
綾「没収です」
アリス「シノ!!!私だよ!シノ!!」
シノ「アリス!!! 」ダッ
シノは、怒った。人生で初めて本気で怒った。
怒りのままにAnotherシノを湖に叩き落とすと、綾からアリスを取り上げ、抱きしめた。
アリス「シノ……」
シノ「アリス……」
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朝
シノ「アリス……アリス……」ギュウウウ
アリス「し……のっ……苦し……シノ!」
シノ「!……うわぁ!アリス!? どうしたんですか、そんなに苦しんで!」
アリス「い、いや……なんでもない……なんでもないよ……気にしないで……」ゼーゼー
アリス(暖かかった……)
シノ「……なんでしょう……」
アリス「?」
シノ「アリスがとっても愛おしいです~!」ギュウウウ
アリス「ふわぁっ!? し、シノ!?」
シノ「アリス、アリス~♪」ギュウウ
アリス「あははっ、苦しいよシノ~」
アリス(……こういうの、久しぶりかも)
アリス(シノ……おかえり)
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一週間後、学校
陽子「……で、もう大丈夫なのか?」
シノ「はい、この通りです!あのあと、なぜか性欲も湧かなくて!」
綾「信じられナス……」
カレン「あやや、変態さんデスね~♪」
綾「……私も、やめられるかな……」ボソ
陽子「綾……」
アリス(……いつもの、日常……)
アリス「……あははっ」
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~アリスの日記~
××月○○日△曜日
シノが、こけしを捨ててくれました。
私はいいって言ったけど、捨ててくれました。
実は嬉しかったのは内緒です。
そのあと、シノは私を抱きしめてくれました。
暖かかったです。
あ、あと、今日の朝、なぜか陽子が無くしてた体操服が返ってきてたみたいです。よかったです。
シノ「ほほえま~」
アリス「シノッ!?」
おわり
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