やはり比企谷八幡は雪ノ下陽乃には勝てそうにない。 (306)

やはり俺の青春ラブコメは間違っている/俺ガイル のSSです。
予告通り、雪ノ下陽乃編です。
よろしくお願いします。

1作目 豪雨のせいで雪ノ下と二晩共にした。
豪雨のせいで雪ノ下と二晩共にした。 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1375542975/)
2作目 由比ヶ浜と観覧車に閉じ込められた。
由比ヶ浜と観覧車に閉じ込められた。 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376225220/)
もよろしくお願いします。
3作目 俺の彼女とクラスメイトが修羅場すぎる。
俺の彼女とクラスメイトが修羅場すぎる。 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376323379/)
4作目 席替えは時として、突然に新たな道を作る。
席替えは時として、突然に新たな道を作る。 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376739765/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1378055516

午後9時。MAXコーヒーを飲もうと冷蔵庫を開ける。
冷蔵庫を開け、見渡すと違和感に気付き、小町に呼びかける。
「小町ー、MAXコーヒーもうなかったっけ?」
「えー、棚の中に買い置きがなかったらもう無いと思うよー?お兄ちゃん最近箱買いしてないし。」
そうだった。最近買ってなかった。前に2ヶ月分購入したからまだまだ余裕だと思っていたのに・・・。
一日一本とかじゃなかったしなぁ。予定より早くなくなるのはしょうがないか。

「よし、ちょっとスーパー行って買ってくるわ。」
「え、今から?」
小町が少し驚いた感じで聞いてくる。
「ああ。今飲みたいんだよ。」
そう。今飲みたいんだ。飲みたいと思ったら飲まないといられなくなってしまう。
人間の欲求というのは恐ろしいものだ。時に我慢するのが難しくてしょうがない。

「そっか。じゃあ小町はゼロカロリーのコーラの2リットルで。」
「なんだ、カロリーとか気にしてんのか。」
「そりゃあ小町だって女の子だしー。」
「さいですか・・・。じゃあ行ってくるわ。」
「はいはーい。気をつけてー。」
小町に送り出され、俺は自転車で数分のスーパーに行く。
そして2リットルのゼロカロリーのコーラ1本とMAXコーヒーを箱買いし、スーパーを出る。

買い物を済ませば後は家に帰るだけ。
早く帰ろう。そう思っていたら自転車に乗っていると知っている声に呼び止められた。
「あー、比企谷君だー!」
この声を聞いて少し嫌な予感がした。
とりあえず自転車を停めて一応挨拶する。

「ども・・・。雪ノ下さん。」
「やー、もう陽乃さんで良いって言ってるのにー。あ、お義姉ちゃんでも良いんだよー?」
「で、雪ノ下さんはこんなところでどうしたんですか。あ、もしかしてお酒飲んでます?」
雪ノ下陽乃の頬は少し赤く、酒を飲んだ後の雰囲気のように感じた。
「あ、よくわかったねー?そうなの。大学の付き合いでね?で、なんか比企谷君に会いたくなってこっちの方に来てみたら本当に会えてお姉ちゃんびっくりだよー?」
大学生って本当に飲み会とかあるんだな。
まあ、俺はきっと大学でもそう言った類の行事には誘われないんだろうけど。

「そうですか・・・。」
「信用してないなー?本当に比企谷君に会いたかったんだよー?」
会いたかったとか2回も言われたら不覚にもドキッとしてしまう。
雪ノ下陽乃という外面完璧な、強化外骨格を身にまとっている人に言われてもそう感じる。
「あー、比企谷君少し照れてるー?お姉ちゃんにドキッとしてるー?」
「し、してにゃいでしゅよ!」
予想外に図星を突かれ動揺してしまい、我ながら気持ち悪い噛み方をしてしまった・・・。

「ふふふー。動揺してるねー?これはお姉ちゃんにもチャンスあるのかなー?」
そう言って雪ノ下陽乃は俺に腕を組んできた。
相変わらず胸は当たっているし、香水の匂いなのか良い匂いがする。

「あ、あの・・・」
「やっぱり比企谷君はかわいいなー。」
やっぱり雪ノ下陽乃のペースになるとどうしようもない。
とにかく今は一刻も早くこの状況から解放されることを祈るばかりだ。
なぜならさっきから通りすがりの人に見られているのだ。
まあ、雪ノ下陽乃を見ている人間がほとんどなのだろうが・・・。
それでも恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。
間違いなく誰が見ても美人な雪ノ下陽乃と夜に路上で腕を組んでいる。
俺が通行人の立場だったらこんなとこでイチャつくな爆発しろとか思ってしまう。
最も、俺と雪ノ下陽乃の関係を知っていればイチャイチャしているようには見えないのだろうが・・・。

「やっぱり比企谷君を雪乃ちゃんに渡すのはもったいないかなー?」
そう言って雪ノ下陽乃は突然俺の唇にキスをした。

とりあえず更新はここまでです。
次の更新は早くて水曜日になります・・・。


ここで切るとか生殺しすぎる・・・!

おいこら

はるのんきたか!


それにしてもなんちゅうとこで切るんだ…

俺にとっては毎日が水曜日
ってなわけではよ

作品全部読んでるよ
これも期待する

過去2作、スレ名にタイトルもキャラ名もないから俺ガイルSSだと気がつかなかった
どちらかは入れて欲しい

水曜日更新の予告でしたが少しだけ電車で書けた分うpしますw

雪ノ下陽乃とのキス。
それはあまりにも突然で
あまりにも一方的で
あまりにも一瞬だった。
経験したことのないその出来事によって
唇が離れても何も言うことが出来ず、呆然としていた。

「比企谷くーん?もしもーし?」
「あっ、はい。なんすか。」
雪ノ下陽乃に呼び掛けられ、ようやく我に返る。
「やだなー、そんなボーッとして。」
「すいません…ちょっといきなりすぎてわけわかんなくて…。」
「あはは、ごめんごめん。じゃあ今度する時は予告するね!」
笑いながら、雪ノ下陽乃はまるで次があるような言い方をした。
今度っていつだろう…。悪い気はしないので少し期待してしまう。
そういえば親が言う今度買ってあげるからの今度って8割くらい訪れることはないよな。

「比企谷君、もしかして初めて?」
雪ノ下陽乃がニヤニヤしながら聞いてくる。
俺にキスする相手なんかいないことくらいわかるでしょ絶対。
「ま、まぁ…。する相手なんかいないですし。」
「そっかー、てっきり雪乃ちゃんともうしてるかと…」
「そんなことありえないでしょ…」
雪ノ下が俺とキスするなんてありえない。
演劇でとかならまだわかるが…
いや、それも拒否されそうだ。
どんな理由であれ、雪ノ下にキスなんてしたら俺は消されるんじゃないだろうか…。
「でもね、私も自分からするのは比企谷君が初めてだったんだよ?」
「えっ?」
自分からという言葉が少し気になった。
しかし、雪ノ下陽乃ほどの人間なら、不意を突かれてキスされることくらいあるのだろう。
自分の中でそういう結論に至った。

「んー、反応薄いなぁ。まあ良いや。じゃあ私、今日は帰るね。バイバーイ比企谷君。」
そう言い残し、雪ノ下陽乃は去っていった。

とりあえずここまでで・・・。
明日は99%更新しないですw

キスのとこで切ったのは特に意図はなくて
気分転換に1時間だけ書こうと思って書いてたら
ちょうどそこで1時間経ってたんですよねw

>>11 ありがとうございます!

>>12 すいませんw 名前入れれるタイトル思いつくように頑張りますw

>>16
無理してタイトルに入れなくても、他のSSみたいに頭に【】でもいいですよ

>>17
あ、その手がありましたねw
タイトルに入らない場合はそれ使う方向でいきます・・・。

続きはよ

子供っぽい恋愛を醒めた目で見る八幡を
否応なしに惹きつける大人の魅力たっぷりのあねのん期待

>>18
ここまでこういうタイトルできたんだから、統一感を大事にしてほしい

お待たせしました今から続き書きます!

>>19
期待に応えられそうにないですw

>>20
一応今まで通りに書いていきますw
あくまでも【】は最終手段で・・・。

いったいあのキスはなんだったんだろうか。
雪ノ下陽乃が酒に酔って俺にキスをしただけ。
そう考えて自分で納得させようとしても私からしたのは初めてとか言われたらそんな考えで落ち着くことができない。
結局感情を整理できなくモヤモヤした気持ちのまま家に着いてしまった。

「ただいまー。」
「お兄ちゃんおかえりー。遅かったねー。」
「ちょっとな・・・。」
脳裏に浮かぶ雪ノ下陽乃とのキス。
「ん、何かあったのー?」
ソファに横になっていた小町が起き上がって聞いてくる。
「ちょっと偶然雪ノ下陽乃に会ったんだよ。大学の飲み会の帰りだと。」
キスのことは言わないでおこう。
なにせ自分自身が何があったのかを説明できるほどよくわかっていないのだ。
「ふーん、大学生ともなると大変だねー。」
「まぁ、俺は大丈夫だろうな。呼ばれることなんて無さそうだし。」
「またお兄ちゃんはそんなこと言って・・・。」

小町は俺と雪ノ下陽乃が会ったことに関しては特に気にする様子は無さそうだった。
雪ノ下や由比ヶ浜のことになるといつも質問してくるから正直不安だったのだ。
「じゃあ、風呂入るわ。」
「はいはーい。」

今日のことは忘れよう。雪ノ下陽乃とは何もなかったのだ。
俺達はキスなんてしていないのだ。
わずかに唇に残る感触も、体温も、全て気のせいだ。
そう自分に言い聞かせながら俺は風呂に向かった。

雪ノ下陽乃とのキスから数日経った。
あの日のことはいくら忘れようとしても正直脳裏から離れない。
世の中の男子高校生というものは初キスの後はこんなものなのだろうか。

比企谷八幡は雪ノ下陽乃のことが好きか。
そう聞かれると決して好きと答えることはできない。
むしろ苦手なジャンルに入ると言っても良い。
それは、キスをしたとことで変わることはない。今でも雪ノ下陽乃は苦手だ。
でも、キスという行為そのものを忘れることができない。
こういう時、誰かに相談できれば良いのに。不覚にもそう思ってしまう。
まあ、相談できる相手なんて一人もいないのだが・・・。

放課後、今日も奉仕部の部室で読書をする。
依頼人が来る日より来ない日の方が多いのだから読書部(奉仕部)くらいで良いのではないかと思ってしまう。
由比ヶ浜が読書しているのを見たことはないけれど・・・。

「比企谷君。」
唐突に雪ノ下に呼ばれる。
「ん、なんだ?」
「最近、よく唇を触っているように見えるのだけれど・・・何かあったのかしら。病気?」

危ない。自分でも気付かないうちについ唇を触っていたようだった。
忘れようと意識する余り、余計に記憶が濃くなっていく。
人間が怖い夢や黒歴史をすぐに忘れることができないのはこういうことだろう。

「病気じゃねーよ。俺は至って健康だ。」
「そう。では最近どうしてそんなに唇ばかり触っているのかしら?」
「別に大した意味はねーよ。ちょっと唇が乾燥してるだけだ。」
「へー、ヒッキーでも乾燥するんだ。」
さっきまで携帯と格闘していた由比ヶ浜が話に入ってきた。

「当たり前だろ。乾燥しない人間なんて普通いない。」
「比企谷君が普通の人間・・・?」
雪ノ下が首を傾げ、いつものちょっと良い笑顔でそう言う。

「おい、そこに疑問を持つのかよ。」
「まあ、ヒッキーは普通じゃないよねー。」
由比ヶ浜が笑いながらそう言う。

「普通じゃないってお前・・・そもそも普通ってなんだよ・・・。」
そもそも普通という言葉の意味や基準がよくわからない。
普通という言葉ほど意味をよくわかっていなかったり、明確な基準がない状態で使われている言葉は他にないのではないだろうか。

「辞書的な意味では、特に変わっていないこと、ありふれたものであること、それがあたりまえであることだったと思うわ。」
「また出たなユキペディアさん・・・。」
「相変わらずその呼び名は少し嫌ね・・・。」
雪ノ下は少しため息をつく。

「じゃあなんて呼べば良いんだよ。雪乃って呼べば良いのか?」
「ヒッキー!?」
なぜか由比ヶ浜が驚いていた。
なんでこいつが驚くのかまったくわからない。
今は雪ノ下と話していたのだが・・・。

「い、今まで通りで良いのよ・・・。と、とりあえず、リップクリームでも塗っておきなさい。」
そう言った雪ノ下の顔は少し赤くなっていたような気がした。

「へいへい。忘れなかったら買って帰るわ。」
そしてその日、俺はリップクリームを買わないで帰宅した。

雪ノ下陽乃とのキスから2週間後に迎えた金曜日。
俺は雪ノ下陽乃に呼び出され、千葉中央駅に来ていた。

午後18時、学校から帰ってきて家でくつろごうと思っていた矢先、電話が鳴った。
液晶を見ると知らない番号だった。これ誰の番号だよ・・・。とりあえず電話に出る。
「もしもし。」
「あー、比企谷くーん!?やっはろー!誰かわかるー!?」
わからないわけはなかった。
「なんですか、雪ノ下さん。」
「やだなー。陽乃さんで良いのに。」
「それで、なんの用ですか、雪ノ下さん。」
「そうそう、比企谷君、今日20時に千葉中央駅まで来て。」
「え、なんでですか。」
「理由はなんでも良いの。20時に千葉中央駅ね!じゃあまた後で!」
雪ノ下陽乃からの電話はそこで打ち切られた。

そして指定された20時、雪ノ下陽乃はやってきた。
「やっはろー比企谷君、待ったー?」
「いえ、別に。」
今日の雪ノ下陽乃の服装は胸元がやや空いている。
少し俺が目線を下に向けると谷間が見える状況。正直目のやり場に困る。
胸のある女ってなんで谷間見せたがるの?

「で、今日は何の用ですか・・・?」
「もう、あんまり怖い顔しないでよー?私はただ比企谷君とご飯食べに行こうと思ってただけなのにー。」
「はぁ・・・そうすか。」
雪ノ下陽乃はそう言ったがどうも素直に信じることができなかった。
「じゃあ、行こっか。」

とりあえず今日の更新はここまでにしますw
続きは明日更新します!


行くも地獄行かぬも地獄だなwwwwww

俺が雪ノ下陽乃に連れてこられた場所は俗に言う個室のダイニング居酒屋だった。
案内された席は掘り炬燵タイプ。雪ノ下陽乃とは向かい合わせに座った。
俺達は席に着き、とりあえずメニューを見る。

「比企谷くーん、何飲む?何食べる?あ、飲み物は飲み放題だから好きなだけ飲んで良いからね!あ、後今日はお姉さんが奢るから!好きなだけ食べて良いよ!」
「え、でも・・・それは・・・」
「さすがに高校生にお金を払わすのはお姉さん的にないかなーって。」
「は、はぁ・・・。わかりました・・・。ではお言葉に甘えます。」

そしてメニューに一通り目を通す。
女子が好きそうなメニューというか、男性だけで来るようなところではないのがすぐにわかった。
それにしても、注文がタッチパネルでできるのはポイントが高い。
導入時の経費はかかるかもしれないが長くやっていくことを考えれば人件費と比べたら安いだろう。
あとこのシステムは店員を呼んでも来ない、とか店員と話すのが嫌だって人にも優しい。

「とりあえず烏龍茶と・・・タコライスにします。」
「了解!注文しとくねっ。」
雪ノ下陽乃はすぐ横にあったタッチパネルを取った。
「あ、俺がやりますよ。」
「いーのいーの。このお店はお姉さん結構来るから慣れてるの。」
「はぁ、そうですか・・・。」
そうして雪ノ下陽乃はタッチパネルを操作し、注文を済ませた。

「そういえば雪ノ下さんは何頼んだんですか?」
「んー?私が何頼んだのか気になる?」
雪ノ下陽乃はニヤニヤしながら質問を返してきた。
「まぁ・・・一応。」
「お、少し素直になった?んー、じゃあ来るまでのお楽しみってことで。」
なぜかここで注文内容を教えてもらうことができなかった。
いったい何を頼んだのだろう。余計に気になってしまう。
「すいません、俺ちょっとトイレに・・・。」
しかし、トイレに行きたい気持ちが勝った。
家を出る前に飲みかけのマッ缶を飲み干したのがいけなかったか。
「はーい、いってらっしゃーい。」
笑いながら手を振る雪ノ下陽乃を背に、俺はトイレに向かった。

シエンタ

俺がトイレから戻ってくると、注文していたものが既にテーブルに並んでいた。
「あー、比企谷君おかえりー。もう料理来ちゃったよー?」
「あ、はい。」
とりあえず俺は席につく。
「じゃあ比企谷君、かんぱーい!」
「乾杯・・・。」

雪ノ下陽乃が頼んだのは白ワインだった。
乾杯の後、雪ノ下陽乃は頼んだ白ワインを一気に飲み干した。
俺も烏龍茶を飲む。しかし、飲んだ瞬間に違和感があった。
この烏龍茶は俺の知っている烏龍茶の味じゃなかった。
普通の烏龍茶では感じることのない、苦味を感じたのだ。

「あの・・・雪ノ下さん、これ烏龍茶ですか?」
「えー、じゃあ試しに私にも飲ませて?」
そうして雪ノ下陽乃は俺が持っていた烏龍茶を取り、一口飲む。
「普通に烏龍茶じゃない!やだなー、比企谷君は!」
雪ノ下陽乃は笑いながらそう言って、俺に烏龍茶を渡す。
「はぁ。」
少し納得いかなかったが、飲んでいるうちに慣れてしまったので気にしないことにした。

もっと更新するはずだったのに書き始める時間が遅くなって全然書けなかった・・・。
すいません。今日は寝ます・・・。

乙 お休み

これはあれだな
朝目覚めると裸の男女がベッドの上に……って流れになってもおかしくない

わざわざ、はるのんがウーロンハイでも頼んだのか

烏龍ハイなんて、なんであんなにお互いの味を不味くさせるだけの組み合わせが流行ってるんだ。
焼酎と烏龍茶別々に飲めよ

その後、俺はマンゴーカルピスジュースやストロベリーラテなど、普段あまり飲まないようなドリンクを注文して飲んでいた。
雪ノ下陽乃はワインやカクテルを結構飲んでいたが、酒に強いのか全く酔っている雰囲気ではなかった。
強いて言うならいつもよりテンションが少し高いかもしれない。
そのくらいわずかな変化だった。
雪ノ下陽乃は酒を飲んでいるからテンションが上がる理由はわかる。
しかし現在、なぜか自分自身も少しテンションが高い。
誰かと二人で外食、それも個室でなんて普段なら絶対に嫌な状況。
テンションなんて最低値が当然なはずだ。
ましてやその相手が雪ノ下陽乃と言うのなら尚更である。
そのはずなのに、自分でも原因はわからないが、今はこの時間を嫌に思わない自分が居た。

嫌な時間と思わなかったせいか、雪ノ下陽乃との食事はあっという間に時間が過ぎていた。
時計を見ると乾杯から2時間半程が経過していた。
頭は少しクラクラするし身体は熱い。その時俺は、酒を飲まされていると確信した。
「あ・・・あの・・・雪ノ下さん・・・?」
「陽乃さん。」
「ゆ、雪ノ下さん?」
「陽乃さん。」
露骨すぎる・・・。どうやらこの人は俺に陽乃さんと呼ばせたいらしい。
今は確認したいこともあるし、名前で呼ぶくらい・・・
「は、陽乃さん・・・。」
「はい、なんでしょう。」
「あの・・・もしかして俺ずっとお酒飲まされてました・・・?」
「あれ、今頃気づいたの・・・?もー、お姉さんいつバレるんじゃないかとドキドキだったんだからぁ!心配して損したー。」
予想通り俺は雪ノ下陽乃に酒を飲まされていた。
やはり大人には勝てないのか・・・戦力の差なのか・・・

「あの・・・ちなみに、どこから・・・?」
「え、最初から最後までずっとお酒だったよ?」
恐る恐る聞いた俺に対して、雪ノ下陽乃は笑いながらそう答える。
世の中には随分とソフトドリンクのようなお酒があるんだな。
あれだけ美味いとわからないぞほんとに・・・。

「まぁまぁ、比企谷君。そんなことより・・・」
そう言って雪ノ下陽乃は立ち上がり、俺の隣に座った。
「え、あ・・・あの・・・な、なんですか急に?」
俺は少し距離を空けようとするがすぐに腕を掴まれてしまう。

そして雪ノ下陽乃は俺の耳元で囁いた。
「この前のキスの続き・・・しよっか。」

きたか

「は・・・はぁぁぁぁぁぁぁ!?」
予想の斜め上の行く発言を聞き、思わず大きな声を出してしまう。
続きって、続きってなに!?シンジ君とミサトさんが帰ってきたらする予定だったあれのこと?あれのことなの?

「あれ、どうしたのかなー比企谷君?そんなに焦っちゃって・・・。」
「いや、待ってください。さすがにそれはマズいでしょ・・・。」
このまま行くと間違いなく雪ノ下陽乃と一夜を共にすることになる。
そんなことが許されるのだろうか。
一応・・・同じ部活仲間の姉なわけだし・・・。

「比企谷君は・・・私じゃ嫌?」
俺にそう言った時の雪ノ下陽乃の顔はいつもの雪ノ下陽乃が纏う完璧な外面とはどこか違うように見えた。
具体的にどこが違うとは言えない。しかし、今の表情が語る雪ノ下陽乃はいつもとは違う。
それだけは自信を持って言うことができる。
そして、その時俺は・・・不覚にも雪ノ下陽乃にときめいてしまった。
だから俺はその言葉に対して、肯定も否定もできなかった。

「返事がないってことはOKってことで良いんだよね・・・?」
雪ノ下陽乃はそう言って、俺に二度目のキスをした。

はよはよはよはよはよはよはよはよはよ

朝、目が覚めると見知らぬ天井。そして隣には裸で寝ている雪ノ下陽乃。
ベッドから出て服を着てトイレに行き、昨日の記憶を辿る。
昨日俺と雪ノ下陽乃は、キスをした後に店を出てタクシーに乗り、近場のラブホテルに入った。
そしてその後・・・俺と雪ノ下陽乃は・・・。

「はぁ・・・」
トイレに座りながら、俺は深いため息をつく。
どうしてこんなことになったのだろう。
押し寄せる後悔。これから先に起こることに対しての絶望感

酒が入っていたから冷静な判断はできなかった。
しかし、そう言ってしまえば全て無かったことにできるものではない。

雪ノ下陽乃に不覚にもときめいてしまった。
雪ノ下陽乃の事を受け入れてしまった。
雪ノ下陽乃と関係を持った。

このことは・・・紛れもない事実だ。

「どうやって説明したら良いんだ・・・」
雪ノ下陽乃と俺の接点を知っている人物はたくさんいる。
雪ノ下、由比ヶ浜、平塚先生、小町、戸塚、材木座、葉山・・・
あれ、7人?言う程そんなにいなかった。

しかし問題は人数じゃない。
俺と雪ノ下陽乃が一晩の過ちを犯した件をどう説明するかについてだ。
しばらく考えてもまったく思いつかない。
唯一思いついたのは秘密にすること。
やはり昨日のことは誰も知らない方が良いのではないか。
世の中には知らぬが仏って言葉もあるし。うん。そうしよう。
その結論に至り、俺はトイレを出る。
そして俺がトイレから戻るとベッドに雪ノ下陽乃はいなかった。
部屋の奥を見ると雪ノ下陽乃は服を着てソファに座っていた。

「おはよー、比企谷君。」
俺が戻ってきたことに雪ノ下陽乃が気づき、手を振った。
「どうも・・・。」
「比企谷君のせいで少し身体が痛いよ?」
「す、すいません・・・。その・・・昨日のことなんですけど・・・」
「雪乃ちゃんとかには秘密にして欲しい?」

雪ノ下陽乃には俺の思っていることはお見通しだった。
「よくわかりましたね・・・」
「だって、比企谷君が私と付き合いたいなんて思うはずないでしょう?」
「まぁ、それは・・・。」

確かに、俺が雪ノ下陽乃と恋人になることなんてありえない。
100人にアンケートをしたら100人がありえないと言うだろう。

「それに、比企谷君は雪乃ちゃんのものだからねー。」
「じゃあなんで俺と・・・」
「んー、素直に雪乃ちゃんに渡しちゃうのもなんかもったいないかなーって。」
雪ノ下陽乃は笑いながらそう言う。

「まぁ、ここはお姉さんに任せなさい。」
「はぁ・・・。」
雪ノ下陽乃はやけに自信満々だった。
まぁ、昨日の事は誰かに見られているわけじゃない。
俺と雪ノ下陽乃が黙っている限り・・・誰も知ることはないのだから。

まさかの朝チュンwwww

最終決戦級の爆弾じゃねーか

雪ノ下陽乃と関係を持ってから1週間。
何事もなかったかのように日々は過ぎていた。
本当に何もなかったのではないか。そう思う時もある。
でも、あの日のことを忘れることなんて無いだろう。
性別に関わらず、初体験を忘れる人間なんて・・・。

それにしても、乱れる雪ノ下陽乃はとても綺麗だった。もはや芸術の域。
普段とのギャップがあるだけに余計にそう感じた。
雪ノ下陽乃があれだけ綺麗なのだから・・・もしかして・・・雪ノ下雪乃も・・・。
そんな良からぬ妄想もしてしまう。男は本能に忠実だからしょうがない。

今日も放課後は奉仕部で読書。
いつもと違うことと言えば今日は由比ヶ浜がいないということ。
なんでも三浦とかとカラオケに行くらしい。本当に好きだな、カラオケ。
雪ノ下雪乃と二人きり、以前なら意識もしない。
でも、姉と関係を持ってしまった背徳感からか、少し気まずい。
雪ノ下雪乃は何も知らないのに、変に意識をしてしまう。

部室に来てから1時間程だろうか。
教室にノックの音が響いた。
「どうぞ」
すると雪ノ下が反応し、招き入れる。

「やっはろー!雪乃ちゃん、比企谷君!」
部室にやってきたのは俺が今一番会いたくない人物、雪ノ下陽乃だった。

でももう中に人がいるんだろ

そういえば陽乃さんって未成年じゃなかったっけ?まあ酒飲ませるのは関係ないけど

この作品の登場人物は以下略

やっはろー

「姉さん・・・一体何しに来たのかしら。」
雪ノ下雪乃が部室にやってきた雪ノ下陽乃を睨む。

「やだなー、そんな怖い顔しないでよ雪乃ちゃん。」
雪ノ下陽乃は笑いながらそう答えた。
この二人のやり取りは相変わらず。そう安心していた矢先だった。

「あのねー、今日は雪乃ちゃんに聞きたいことがあって来たの!」
「なにかしら。早く要件を言って頂戴。」
「えっとねー。」
雪ノ下陽乃はチラッと俺の方見てニヤッとした。とても嫌な予感がした。

「雪乃ちゃんから比企谷君を貰ってー、私が比企谷君の彼女になろうと思って!」
「なっ!?」
突然の雪ノ下陽乃の発言。思わず俺と雪ノ下雪乃の声が重なる。

「な、なにを言っているのかしら姉さん。この男に関わるとロクなことがないわよ。だからやめておきなさい。」
「えー、そう?比企谷君はおもしろいと思うけどなー。」
動揺する雪ノ下雪乃に対し、雪ノ下陽乃はニヤニヤと笑みを浮かべている。

「だいたい、姉さんがあの男と恋人になったとして、何の得があるのかしら。損しかないと思うわよ。」
「ちょっと待て、損しかないってどういうことだ。」
「比企谷君は黙ってなさい。」
「は、はい・・・」
反論しようとしたら雪ノ下雪乃に発言権を奪われてしまった。

「まぁまぁ雪乃ちゃん。損得感情だけで恋人になるわけじゃないでしょー?それに私は、比企谷君と一緒なら楽しいなーって思っただけだよ。」
そう言った雪ノ下陽乃は俺の元に来て腕を組んできた。当然、胸があたる。
こうしてみると、この胸を好き放題にしたことがあるのが嘘のようだ。

「姉さん、その男にあんまり触れると妊娠するわよ。」

「えー?この前はしっかり避妊したから大丈夫だよね、比企谷君?」

最初からクライマックス

かなーしーみのー

あかん …

爆弾投下しやがった

ゆきのんェ・・・

ゆきのんェ・・・

あかん(;´Д`)

あちゃー

はるのんェ・・・

はるのんェ・・・

さすがやでぇ・・・

雪ノ下雪乃とか雪ノ下陽乃とか雪ノ下はもういらないんじゃね?
心の中では雪乃陽乃でいいんじゃね?
もしくは俺の嫁でも可

オワタ……orz




オワタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

>>67 それいいな これから陽乃さん事は嫁って呼ぶわ

1人称の文体だから本人の言うとおりに合わせたほうがいいと思う

会話数秒で核ぶち込んできやがったwwwwww

>>67 最初から雪ノ下陽乃、雪ノ下雪乃って表現にしてるので変えません。
ここで変えたら変になるので・・・w

雪ノ下陽乃のその一言で奉仕部の部室が一瞬にして凍りついた。
「あれ、どうしたのかなー二人共?」
雪ノ下陽乃はキョトンとしている。

「ね、姉さん・・・?い、いい今な、なんて言ったのかしら?よ、よく聞こえなかったのだけれど・・・」
「え?前はしっかり避妊したから大丈夫だよね、比企谷君?って言ったけど?」
「い・・・一体な、何を言ってるんですか雪ノ下さん!?」
俺は思わず声を大にして言う。雪ノ下達には秘密だって言っていたのに・・・。

「あはは、ごめーん。雪乃ちゃんが妊娠するなんて言っちゃったから思わず・・・」
雪ノ下陽乃は笑っているが、どうもわざと言ったようにしか思えない。

「姉さん・・・?その発言から察するあたり・・・その・・・姉さんと比企谷君は・・・その・・・かしら・・・。」
雪ノ下雪乃の声は最後の方で小さくなり、ゴニョゴニョしている。
はっきり言って聞こえない。

「んー?何かなー?ちゃんと言わないと聞こえないなー?」
雪ノ下雪乃にあの単語を言わせたいのだろうか。
「その・・・比企谷君と・・・性的な交渉をしたのかしら・・・?」
その表現で来たのか・・・さすがユキペディアさん。日本語で来るとは・・・。
てっきりローマ字で3文字の方を聞けると思っていたのに・・・。

「えっとー、どうしようか比企谷君?全部教えちゃう?」
「もう8割くらい伝わってますよ・・・もう好きにしてください・・・。」
笑っている雪ノ下陽乃に対し、俺は絶望し、うなだれていた。
もう希望はない。俺の最後の希望になってくれる人もいないし、俺がゲートだったらもうファントム生み出されるレベルだぞきっと。

やっぱり・・・雪ノ下陽乃を信用したのは間違いだった・・・。

「じゃあ比企谷君に任されたってことで、全部教えちゃうね?」
「ええ・・・。」

「先週の金曜日、私と比企谷君は、飲みに行った後、一夜を共にしましたー!」
言った。この人、遂に言った。内緒にするって話だったのに。結局全部言ったよこの人。
あぁ、俺どうなるんだろう。雪ノ下陽乃が俺に無理矢理されたとか言ったら絶対みんな雪ノ下陽乃の方を信じるだろうし・・・。
もう俺はいったいどうしたら良いんだろう・・・。

内緒にするって言ったじゃないですかー!やだー!

はよ

はるのんってヒッキーに価値があると感じたから味方にしようとしてるんだっけ

オンドゥルルラギッタンディスカー

ガハマさん加えて4Pでいいよもう

先生は仲間外れですか…

「比企谷君、姉さんの言っていることは本当かしら?」
雪ノ下雪乃の威圧感はとんでもないことになっている。
突然髪が金髪になったりするんじゃないだろうか。

「はい・・・事実です・・・。」

「そう・・・。なぜそんなことになったのかしら。答えなさい。比企谷君。」
「そこ聞くか普通!?」
「良いから答えなさい。」

驚いた俺に対して間髪入れずに雪ノ下雪乃は答える。
「はい・・・。」
それから俺は、雪ノ下陽乃と最初にキスした日のこと、関係を持った日のことを説明した。
関係を持った相手の妹である雪ノ下雪乃に。

「そう・・・100%比企谷君が悪いと言う訳ではなかったのね・・・。」
「わ、わかってくれて何よりです・・・。」

「それで、比企谷君は今後姉さんとどうするつもりなのかしら?」

「・・・は?」
どうすれば良いのかわからなかった。今後雪ノ下陽乃とどうするか?
そもそもあの日のことはみんなには秘密ということにしておこうと思っていたのに・・・。

「察しが悪いのね。姉さんの希望通り、恋人になるのかどうか聞いているのよ。」
「いや、まあそれはわかってるんだけど・・・。」
「じゃあ早く答えなさい。」

「いや、そもそもあの日のことは秘密にしようって話だったんだ。だから何も考えてなくてだな・・・。」
「では今から考えなさい。」

「お、おう・・・。」

ずっと前から考えていたが、雪ノ下陽乃と付き合うなんてありえない。
雪ノ下陽乃と付き合っていたら全てが雪ノ下陽乃のペースで動いてしまうだろう。
現にこの数週間はそうだった。
今でさえ精神的にきついものがあるのに恋人にでもなったら俺の精神はボロボロになりそうだ。

「ちょっと待って雪乃ちゃん?」
急に雪ノ下陽乃が入ってきた。
この人はいったい次に何をやらかしてくれる気なのだろうか。

「雪乃ちゃんは、比企谷君と私が恋人になっても良いの?」

「ね、姉さん?いったい何を言っているのかしら?」
本当に雪ノ下陽乃は何を言っているのだろう。
まったく意味がわからない。俺が誰と付き合おうが、雪ノ下雪乃には関係ないと思う。
まあ、誰かと付き合うことなんて無さそうだが。
俺に純粋な好意を持つ人間なんてまずいないだろうし・・・。

「いや、このまま私と比企谷君が恋人同士になったら、雪乃ちゃんは比企谷君と付き合えないんだよ?

「そ、それは・・・その・・・。わ、私には関係ないわ。比企谷君が誰と付き合おうと・・・私には・・・。ええ、私にはこの男が誰と付き合おうと関係ないわ。それが例え、姉さんであっても。」

「ふーん・・・じゃあこういうことしても雪乃ちゃんは何とも思わないのかなー?」
不敵に笑った雪ノ下陽乃は、雪ノ下雪乃に見せつけるように、俺にキスをした。

誕生日は八幡の方が早いからゆきのんが妹になるのか…

そんなの関係なく姉と結婚したらゆきのんが年上でも妹だろ

修羅場だね

続きはよ

「なっ!?」
突然の出来事に驚く俺と雪ノ下雪乃。
そんな俺と雪ノ下雪乃にはお構いなしに、キスを続ける雪ノ下陽乃。
気がつけば舌が入ってきている。
こういうことをしている時と言うのは、思考がとてつもなく鈍ってしまう。

「や・・・やめなさい二人共!」
雪ノ下雪乃がキスをしている俺達を引き離した。

「あれ、どうしたの雪乃ちゃん?比企谷君が誰と付き合おうが関係ないんじゃないの?」

「そ、それは・・・。」
勝ち誇ったような雪ノ下陽乃の顔。それに対して敗北感のある雪ノ下雪乃の顔。

「雪乃ちゃん、この際だから全部言っちゃえば?」
「ね、姉さん、ちょっとこっちへ。」

雪ノ下雪乃と雪ノ下陽乃は教室の隅へ。
そこで小声で話されると俺からは何も聞こえない。

「で、でも・・・。」
「このままだと本当にお姉ちゃんが比企谷君の恋人になっちゃうよ?それでも良いの?」
「そ、それは・・・。」
「ほら、だったら雪乃ちゃんも比企谷君に告白しないと?多分比企谷君は雪乃ちゃんの気持ちに気づいてないよ?」
「はぁ・・・わかったわ。本当なら・・・こんな形で言うつもりではなかったのだけれど・・・」
「気にしない気にしない。このまま放っておいても雪乃ちゃんと比企谷君の間に進展があるとは思えないよ?」
「否定できないのが悔しいわ・・・。」

雪ノ下姉妹の話は終わったのか、二人は振り返って俺を見る。
そして数秒後、雪ノ下雪乃がゆっくりと俺の方に向かってくる。

「話はもう終わったのか?」
「ええ・・・。」
雪ノ下雪乃の返事はどこか弱々しかった。
「で、まだなんかあるのか?」
「比企谷君。今から大事な話をするから。それと、一度しか言わないから良く聞いておきなさい。」
「お、おう・・・わかった。」
俺が返事をした後、雪ノ下雪乃は深呼吸をした。そしてこう言った。

「私は・・・比企谷君のことが好きです。だから・・・私の恋人になってください。」

か~ら~の~??

「それでも俺は、陽乃さんが好きだ」

「だが断る」

雪ノ下雪乃からの突然の告白。
でも、これが雪ノ下雪乃の本心だとは思えなかった。
だって・・・雪ノ下雪乃が俺に告白するなんて・・・ありえないじゃないか。

「あー、雪ノ下。その・・・あれだ。俺と陽乃さんが付き合うのを止める為とはいえ、わざわざそんな嘘つかなくても良いんだぞ?」
「嘘ではないわ。さっきのは私の本心よ。」
雪ノ下雪乃は吹っ切れたのか、凛とした表情で言い放った。
この表情は嘘ではない。第一、雪ノ下雪乃は嘘をつかない。
俺が今まで見てきた雪ノ下雪乃は、自分の思っていることをはっきりと言ってきた。
だから、さっきの言葉も・・・嘘じゃない。きっと・・・本心だ。

「ちょっと質問なんだが・・・俺は必ず雪ノ下雪乃か雪ノ下陽乃の二人から選ばないといけないのか?」
「ええ。当たり前よ。比企谷君にNOという選択肢はないわ。私か、姉さんか。早く選びなさい。」
「ほらー、私と雪乃ちゃん。どっちの恋人になるの?」

「ちょ・・・ちょっと考えさせてください!」

そう言って俺は荷物を持って奉仕部の部室を飛び出した。

ガハマさんはどうなるんだってばよ

ゆきのんを選んでもはるのんの中にはもう八幡の子供が…
避妊?何それ、おいしいの?

静センセーはどうなるんだってばよ

おっぱい大きいほうがいいに決まってる

ままのんの胸にすべてを託す

部室から飛び出した俺は、真っ直ぐ家に帰った。
一刻も早く立ち去りたかったので帰りの自転車もとにかく全速力だった。
こんな時、いったいどうしたら良いのかなんてわからないのだ。
そもそも告白されたことなんてないのだし・・・。
本当なら、誰かに相談したりするのが良いのだろう。

こんな時・・・相談できそうなのは誰かいないか。とりあえず知り合いの顔を思い浮かべる。
小町は・・・なんか微妙そう。
材木座・・・は絶対ない。あいつが役に立つことはないだろう。
戸塚は・・・なんか相談するのが悪い。
由比ヶ浜は・・・説明しても通じなさそう。
結局、俺が思いついたのは川崎と平塚先生の二人。

とりあえず、困った時は教師。そう思って俺は平塚先生に電話をかける。

「もしもし。どうしたんだ比企谷。君から電話をかけてくるなんて珍しいじゃないか。」
「先生・・・あの・・・先生に言ってどうにかなるかわからないんですが・・・相談があるんです。もう俺どうしたら良いかわからなくて・・・。」
「君がそんなことを言うなんて珍しいな。今はどこにいるんだ?」
「家にいます・・・。」
「そうか。幸い私もそろそろ学校を出る。ラーメンでも食べながら話を聞こうじゃないか。」

>>91
ガハマさん登場は無い可能性が高いです。
次回作がガハマさんメインなのでそれで勘弁してくださいwww

続き気になります!

はるのん一択

>>97
次回作あるのかwwwwやはり天才か …

次回作の話もいいけど続きを…オナシャス!!!

数十分後、俺は平塚先生に連れられてとあるラーメン屋に入った。
俺は初めて来たのでとりあえず平塚先生おすすめの特性味噌ラーメンを注文。
麺の固さは以前に平塚先生とラーメンを食べに来た時と同じ。
平塚先生はコナオトシ。俺はハリガネ。
「ここのチャーシューは注文を受けてから炭火で焼くんだ。だから話すためのラーメン屋には良いと思ってね。」
「なるほど・・・。」

確かに、注文してから出てくるまでに長いのなら話す時間は長くなる。
そして今日はカウンターではなくテーブル席なので話はゆっくりとできそうだ。

「で、比企谷。どうしたんだ一体。」
平塚先生の方から口を開く。

「それが・・・」

俺は平塚先生に今まで起きたことを説明した。
ある程度説明したところで、注文したラーメンが来る。

「とりあえず食べよう。話はそれからだ。私も食べながら少し考えておくよ。」
「はぁ・・・。」

こんな時に食欲なんて・・・と思っていたが、そんなことはなかった。
ここの特性味噌ラーメンはとても食欲が進むものであった。
見た目はこってりとしていて、油も多いように見える。
しかし食べてみると決して油が濃いようには感じない。
チャーシューも肉厚で、食べると肉汁が溢れ出てくる。
ラーメンのチャーシューでこんなに美味いと思ったのは初めてかもしれない。
麺もスープとの絡みが絶妙でとても食べやすい。結局、俺は替え玉も注文してしまった。

「さて、比企谷。さっきの話だが・・・。」
ラーメンを食べ終わって一息ついた頃、平塚先生が口を開く。
「あ、はい。」

「君は、一体どうしたいんだ?」

「なんつーか・・・はっきり言ってわかりません・・・。」

「よし、言い方を変えよう。君は陽乃か雪ノ下のどちらかと付き合いたいと思っているのかい?」

「正直・・・考えたこともなかったです。でも・・・雪ノ下さんとは付き合えないです。絶対。」
「ふふっ。相変わらず・・・陽乃のことは苦手か・・・。じゃあ、なんでその場で陽乃とは付き合えないと言わなかったんだ?」

平塚先生の言う通りだった。
俺があそこで雪ノ下陽乃とは付き合えない。そうはっきり言えばこんなに悩むことはなかったのだ。
悪いのはあの場面ではっきりと言えなかった俺なのかもしれない。

「そうですよね・・・俺がそこで言うべきでしたよね。だから余計に悩むんですよね・・・。」
「まあ、どちらを選べと言われたらそうなるのかもしれないな。君は雪ノ下についてはどう思っているんだ?」

「雪ノ下ですか・・・。簡単に言うと俺は・・・雪ノ下に憧れています。でもそれは、多分恋愛感情じゃないと思うんです。なんつーか、あいつの生き方というか、振る舞いとか、雪ノ下雪乃という人間に憧れているというか・・・。」

「そうか。それは本心で間違いないな?」

「はい・・・。間違い・・・ないです。」
平塚先生の問いに対し、俺はそう答えた。この感情に・・・嘘はない。

「答えは実に簡単だよ、比企谷。君はきっと雪ノ下に恋をしている。」

今日の更新はこれでストップです。寝ます。
それにしても最初の大枠と比べるとだいぶ遠回りしている・・・w
とりあえず今日は結構更新できて良かった・・・。
コメントもたくさんありがとうございます。

あとどれくらいで完結するかはわかりませんが、最後までお付き合いください!

おう 応援してるぞ

静ちゃん暴走するかと思ったら先生モードだった

無粋だけど味噌ラーメンにチャーシューはありえないはず……
いやいいんだ忘れてくれ

おいおい先生がこんな冷静なのはなんでだ?
なんか裏がありそうなんだが……

高校生に酒飲ませてセックスとか、男女逆だったら警察沙汰だよな
つかさすがの平塚先生も陽乃にぶちギレるだろw

「はぁ?」
平塚先生の言葉の意味がわからなかった。
俺が雪ノ下に恋?俺の今までの雪ノ下に対する感情は恋だった?

「どうした。不服かね。」

「ええ。俺が・・・その・・・ゆ、雪ノ下に恋してるだなんて・・・自分でも信じられません。」

「そうか。じゃあ君は今他に好きな人はいるか?もちろん、恋愛的な意味でだ。」

そう言われ、しばらく天井を見て考えた。
「いや、いないです。」
考えてはみたが、特に誰も思いつかなかった。
恋愛的な意味。この言葉が無ければ好きな人はいるのだが・・・。

「では質問を変えよう。この時間が心地良いとか、君は誰かといる時にこのまま時間が止まれば良いとか、この時間が永遠に続けば良いのにとか感じたことはあるかい?」

そう言われて、俺はもう一度天井を見て考える。
そして、雪ノ下雪乃と一緒に居て、この時間が心地良いと感じたことがあったことを思い出す。
戸塚の事も頭に浮かんだが、戸塚は男なのでとりあえずここは他のところに置いておいた。
「あ・・・」

「心当たりがあったようだな。その時の相手は誰だ?」

「残念ながら・・・雪ノ下です。俺はあいつと奉仕部で話している時が好きです。最初は悪くないと思っていた程度でしたが・・・最近はなんというか・・・失うとなると・・・その・・・」

「それがわかれば十分だよ。じゃあ、そろそろ出ようか。」

平塚先生にそう言われ、俺たちはラーメン屋を出た。

そして、帰り道。
「じゃあ、俺こっちなんで。その・・・今日はありがとうございました。」

「いや、気にするな。私は教師だからな。」
初めて平塚先生のことをまともに教師だと思った気がした。
俺の知る中で一番と言って言い程、今日の平塚先生は教師だった。

「そうだ比企谷。今回のことは他の誰かには相談したのか?」

「いえ・・・。知っているのは俺と雪ノ下姉妹と、平塚先生だけです。」

「そうか。なら、このことは他の誰にも言ってはダメだ。もちろん、小町さんや由比ヶ浜にもだ。」
平塚先生が俺の両肩に手を置き、そう言った。その表情はとても真剣だった。
「え、なんでですか?」

「君にしては焦っていたのでそこまで頭が回っていなかったと思うが・・・君に対して陽乃がしたことは・・・社会的にあまり良いことではない。」

「あっ・・・。」
俺は高校生だ。当然、酒を飲んで良い年齢ではない。
そんな俺に対して、雪ノ下陽乃は酒を飲ませた。
俺は今まで考えもしなかったことを平塚先生に気づかされた。

「心配するな。私もこの事は公言する気はない。陽乃を悪者にすることもできないし・・・その、実は・・・今回の事は私も少し責任があるんだ。」
そう言うと平塚先生は俺の肩から手を離し、後ろを向く。

「は?平塚先生が?なんですかいったい。」

「じ、実は・・・酒を飲ませて思考回路を鈍らせて既成事実を作るというやり方は私が教えたんだ・・・。」

「・・・はぁぁぁぁぁぁ!?」
平塚先生のカミングアウトに思わず大きな声を出してしまう。
俺の声に驚いたのか、平塚先生は振り向いて俺の方を向く。

「その、陽乃から落としたい相手がいて既成事実を作りたいのだがどうしたら良いかと聞かれてな・・・それで・・・私がそのやり方を教えたんだ。その、ただ相手が比企谷だとは知らなくてだな!その・・・。」

その説明を受け、俺はラーメン屋での平塚先生の反応に納得した。
「だから先生は最初に俺が話した時、すぐに喋らなかったんですね・・・。心当たりのある方法だったから・・・。」

「・・・すまない。」

「ちなみに聞きたいんですが、その方法の成功率はどのくらいなんですか?」

「そ、それは・・・その・・・」
平塚先生の困ったような態度。
俺が追求しようとした時だった。

「ゼロ・・・だ。成功したことはない・・・。」

「えっ・・・ゼロ?」

「そうなんだ!酒を飲むとつい私が楽しくなりすぎてしまって・・・相手は潰れる前に逃げて行くんだ!」

「自分が成功したことないくせに人に教えたんですか・・・」
前言撤回、今この人教師として最低に近いところにいる。
さっきまでの教師だった平塚先生はどこに行ったんだ・・・。
俺の中の平塚先生株が大暴落だよまったく・・・。

「は、陽乃なら大丈夫かなーと・・・あ、後はその・・・成功例を聞いてみたかったというか・・・」

「俺はまんまとその成功例になったわけですね・・・。はぁ、そんなんだから結婚できないんじゃ・・・」

「比企谷あああああああああ歯を食いしばれええええええええええええ!!!!!!!」

「ちょ、先生待って!」

「衝撃の、ファースト・ブリットオォ!!!!!!」

平塚先生の拳を間一髪で避ける。
避け始めるのが少し遅ければ確実に俺の左頬は平塚先生の拳の餌食になっていた・・・。

「避けたか・・・まぁ良い。今日のところはこれで勘弁してやろう・・・。」

「た、助かった・・・。」

「うん・・・私はこれで失礼するよ。どちらを選ぶか、良く考えておきたまえ。」
そう言い残し、平塚先生は去っていった。

翌日の放課後。
いつも通り、放課後になるとすぐに奉仕部の部室へ向かう。
ただ、今日は雪ノ下姉妹との問題に決着をつけなければならない。
だからいつもより、部室へ向かう足取りは重かった。

「ひ、比企谷君・・・。」
部室のドアを開けると、雪ノ下雪乃がいつもの席に座って読書をしていた。
幸い、由比ヶ浜の姿はない。

「雪ノ下。今日の放課後、お前の家で話がしたい。雪ノ下さんも入れて3人で。」

「・・・わかったわ・・・。姉さんには私から連絡しておくわ。」
本を閉じた雪ノ下はそう言って携帯を取り出した。

「ああ、任せたぞ。」

「その・・・決めたのね?私か・・・姉さんか。」

「ああ。」

「では、今日の部活は終わりにしましょう。話は早い方が良いわ。」

「おい・・・由比ヶ浜はどうするんだよ。」

「今日は部活休みだと私から連絡しておくわ。」

「そ、そうか・・・。」

あんなことがあった後でも・・・雪ノ下雪乃は変わらない。
俺の知っている雪ノ下のままだ。
そんな雪ノ下に対して、少し安心した自分がいた。



 そういえば雪ノ下は今頃何をしているんだろう?



 目の前にいた。



 なに俺、幻覚まで見ちゃって。

 もしかして雪ノ下依存症なの?
 
 そう思って目をこすりながら、そのままヨーカ堂へ向かって歩いた。


「比企谷くん、この私を無視していくとはどういう了見かしら?」


 背筋に絶対零度の冷気が吹き付けた。

 振り向くのが怖い。

 俺の心は凍死してしまった。

すみません、誤爆しました。
本当にごめんなさい。
大変失礼いたしました。

ドンマイな

>>116
申し訳ありません。
以後気を付けます。

>>115
全然大丈夫ですよー。
読んでみたいので良かったら作品名教えてください!

>>118
拙作は、
雪ノ下「比企谷君、今からティーカップを買いに行かない?」
雪ノ下「比企谷君、今からティーカップを買いに行かない?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377016024/)
です。

「豪雨のせいで雪ノ下と二晩共にした。」を読んで、こんな作品を書いてみたいなぁとSSを書き始め
ましたので、本当に恐縮です。

今回は本当に申し訳ありませんでした。
今後の展開も楽しみにしています。

>>119
あ、この作品まとめサイトにあったやつ読んだことあります!
これとてもおもしろかったです。
もう自分の書いてるやつ何かより全然おもしろいですよw
この作品続きがあったんですね・・・。陽乃編が一段落したら読みますね!

誤爆の件は気にしなくて良いですよ本当にw
こうして続きの存在を知ることができたのでむしろ感謝ですw

自分も頑張ります!

>>121
こちらこそよろしくお願いします!

平和だなぁ、ほのぼのさえする

(;∀;)イイハナシダナー

いつの間にか付き合わないという選択肢は消えている…

姉のんに淫語責めされたい

そして俺たちは学校からそのまま雪ノ下雪乃の家に行った。
「どうぞ」
「おじゃまします。」
部屋を見渡すと相変わらず綺麗に片付いている。

いきなり他人を部屋に呼んでも平気とかさすが雪ノ下と言うか・・・。
こいつに関しては散らかすとか部屋が汚いとかありえないのだろう。
ちょっと姑気分でホコリチェックでもしてみようかな。

「そんなに部屋をジロジロと見てどうしたのかしら・・・。」
雪ノ下に嫌そうな目で見られる。そんな顔しなくても良いのに・・・。

「いや、相変わらず綺麗な部屋だなと思って。」
「そ、そう・・・」

「ほんと、お前は良い嫁になりそうだな・・・。」
「・・・なっ!?い、いったい何を言ってるのあなたは・・・!?」
途端に雪ノ下の顔が赤くなる。俺はその理由にすぐに気付いた。
「あ、悪い、つい・・・。」

少し不用意な発言だったかもしれない。
でも実際、雪ノ下のスキルを考えると嫁としては相当優秀な部類に入るだろう。
問題は口撃が半端じゃないくらい飛んでくることだが・・・。

「そういえば、雪ノ下さんは何時くらいに来るって?」
「まだ連絡がないわ・・・。まぁ姉さんも大学生だし、きっとそんなに暇ではないのよ。」
「そうか・・・。確かにいきなりは悪いよな・・・。普段人のこと誘ったりしないからわからなかったわ。」
「・・・飲み物は紅茶で良いかしら?」
「おう。ていうか俺の渾身の自虐をスルーするなよ。一人で言っていると悲しくなるだろ。」
「あなたが勝手に言ったんじゃない・・・私にフォローを求めないで頂戴。」
そう言った雪ノ下の表情は少し呆れているような表情だった。

そして俺達が紅茶を飲んで一息ついていると、雪ノ下の携帯が鳴った。
「姉さんからメールが来たわ。後1時間ほどで私の家に来るそうよ。」
「そうか。結構長いな。」
1時間というのは短く感じる人もいれば長く感じる人もいる。
もう1時間しかない、まだ1時間もある。
もう1時間経った、まだ1時間しか経ってない。
このように同じ1時間でも感じ方は分かれる。

今回のように誰かを待つ時の1時間は確実にまだ1時間もあるのか。
そう感じるタイプの1時間であろう。
事実、雪ノ下陽乃が来るまでの1時間はとても長く感じた。

「じゃあ、これから俺の話を聞いてもらいます。」
俺の目の前には雪ノ下陽乃と雪ノ下雪乃の二人。
平塚先生と分かれた後に考えに考え抜いた俺の考えを話す時が遂に来た。

正直、どんな結果が待っているかはわからない。
でも、俺は俺の道を行くしかない。

「その前に、確認したいことがあります。俺にどちらとも付き合わないという選択肢はありますか?」
前に言われたことを忘れているわけではない。
でも、もう一度確認したかったのだ。
どちらとも付き合わなくていい。その選択肢があるなら、俺は絶対に付き合わないから。
だから、俺はわずかな可能性に賭けてもう一度聞いてみた。

「前にも言ったけれどその選択肢はないわ。私か姉さんか。どちらかを選びなさい。」
「そうだよー比企谷君。私か雪乃ちゃんか。どっちにするの?」
やはり、付き合わないという選択肢はなかった。

「わかりました。あと、まだ質問は終わっていません。雪ノ下さん。質問があります。」
「陽乃さん。」
「・・・陽乃さん。」
「はい、なんでしょう。」
もうめんどくさいから雪ノ下さんで通そうとするのはやめにした。
今は質問することが最優先だ。

「陽乃さん・・・あなたは俺のこと本当に好きなんですか?」

どうなんですかー?

眠くて頭働かない・・・
今日もう更新できないかもしれないですw

おつかれ
おやすみ

もう大切なもの(意味深)をもらったから
とか言って身を引きそう

更新できないかもとか言っておきながら更新します。

「な、なに言ってるの比企谷君?」
雪ノ下陽乃は少し動揺したように見えた。

「いや、少し気になったんですよ。ゆきのし・・・は、陽乃さんは俺のことどう思っているのか。」
俺は雪ノ下陽乃に、一度も好きだと言われたことがない。
キスとSEXはした。俺と雪ノ下陽乃の間には確かにその事実はある。
たかが好きという言葉一つ。されど好きという言葉一つ。
好きという言葉。それは軽いようで重たい。
好きの一言があれば、信用できることもある。
この考え方が自分らしくないのはわかっている。

でも、どちらかを選ばなければならないのなら・・・
自分を好きでいてくれる方を選びたい。そう思ったのだ。
嫌われるのは慣れている。でも好かれるのは慣れてない。
でも、好かれるのが嫌なわけじゃない。
好かれずに嫌われたい人間なんていない。
だから、二人に言い寄られているこんな夢みたいな時くらいは・・・。

例え・・・その相手が雪ノ下陽乃でも。

「私は・・・比企谷君と付き合いたいと思っているよ?」
雪ノ下陽乃はそう答えた。

「わかりました・・・。じゃあ・・・雪ノ下。同じ質問だ。お前は・・・」
「私はあなたのことが好きよ。愛してると言っても良いわ。」
最後まで言い切る前に雪ノ下はそう答えた。

「じゃあ・・・その・・・俺の答えを言います。」
雪ノ下姉妹は無言でジッと俺の方を見る。
そして俺は深呼吸をして、自分が選んだ相手の名前を言う。

「雪ノ下。俺と付き合ってくれ。」

「本当に・・・私で良いの?」
そう言った雪ノ下雪乃の目は少し潤んでいるように見える。

「ああ。お前じゃなきゃダメだ。」
「比企谷君・・・。」
そして俺と雪ノ下雪乃は抱き合った。

「あーあ!お姉ちゃん振られちゃったかー。」
雪ノ下陽乃が俺達を見ながら気の抜けた声でそう言った。

「すいません・・・。」
一度離れる俺と雪ノ下雪乃。
「比企谷君、理由聞いて良い?私が選ばれなかった理由。」
「それはですね。俺が欲しかった一言があったかどうかです。」
「もしかして・・・好き?って言葉かな?」
雪ノ下陽乃は全てを見透かしたような表情でそう言った。

「なっ・・・」
「お、図星かなー?比企谷君。私はその一言敢えて言わなかったんだよ?」
「は・・・?」
雪ノ下陽乃は俺の欲しかった一言を知っていた・・・?
でもそれを言わなかったのはなぜだろうか。
もしかして・・・最初から俺と雪ノ下が付き合うように・・・?

「陽乃さん・・・もしかして最初から・・・」
「おっと、お姉さんは勘の良いガキは嫌いだよー?」
雪ノ下陽乃は俺の口に自身の人差し指を押し付け、俺の口を塞ぎ、ウィンクをした。

「姉さん、やめなさい。」
雪ノ下雪乃がそう言って俺から雪ノ下陽乃を離す。

「最初からそのつもりなら・・・余計な波風立たせないでくださいよ。俺のメンタルやばかったんですから・・・。」
「ごめんねー?ちょっと刺激的な方が良いかなと思って!」
ごめんねとは言っているがその表情からは悪びれている様子はお世辞にも見られなかった。
むしろ、計画が全て上手くいって満足感、達成感に満ち溢れた顔をしている。
「もしかして・・・姉さんにしてやられたのかしら・・・?」
雪ノ下雪乃も状況を理解したのか、そう言った。

「そういうこと!じゃあ、お姉ちゃんこれで帰るね。じゃーねー二人共!お幸せに!」
そう言い残し、雪ノ下陽乃は去っていった。

「比企谷君・・・」
「ん、どうした?」
「本当に、好きという言葉だけなの?決め手は。」
「いや、まぁ・・・他にもあったんだが確証なくてな。今だから言えるんだが・・・陽乃さんは・・・何かある度に俺は雪ノ下の物って言ってたんだよ。俺とした日もだ。だから昨日考えてて思ったんだ。そんなことを言っている人が急に恋人になりたいなんて言うのは変だって。」

確証が持てなかった理由。雪ノ下雪乃には言わなかったもう一つの理由。
それは雪ノ下陽乃が俺に言った雪ノ下に俺を渡すのはもったいないかなという言葉だ。
その一言のせいで・・・確証がなかなか持てなかったのだ。
あの時の一言だけは・・・どこか本心のような気がして・・・。

「そうね・・・姉さんは言葉のヒントを仕込んでいたのね・・・。」
「それにしても・・・やりすぎだとは思うがな。」
わざわざ自分の身体を使ってまで、俺と雪ノ下雪乃の仲を取り持った。
普通ならそんなことしない。例え、妹のことが大好きでも。
妹の幸せを一番に願っていても。
もしかして雪ノ下陽乃は・・・俺のことを・・・なんてことを考えてしまう。
でも最後に見せた満足感、達成感に満ち溢れた顔を見ると・・・
全ては雪ノ下陽乃の思惑通りだった。そう思えてしまう。

雪ノ下雪乃を選ぶのは同じだとしても・・・
雪ノ下陽乃が残したヒントを見破ったことで勝った気でいた。
でも、雪ノ下陽乃は俺の欲しかった言葉を知っていた。
つまり、俺がヒントを見破ることも計算通りだったのだ。

「全て・・・あの人の思い通り・・・か。」

やはり比企谷八幡は雪ノ下陽乃には勝てそうにない。完

何か釈然としねーから乙とは言えねー

完結です!
みなさん読んでくださりありがとうございました!
陽乃ENDも考えましたがやっぱり陽乃と八幡が素直にくっつくのはイメージが湧きませんでしたw

最初に考えていた大枠は陽乃と八幡が一晩過ごした後にその事実を陽乃が部室で雪ノ下と由比ヶ浜にバラして八幡が陽乃の言いなりENDだったんですけどねw
気が変わって今回の感じに・・・。

次回作は由比ヶ浜編です。
まだ由比ヶ浜編やるって考えているだけで大枠は決めてないですがwww

あと最近オリジナル書いてみようかなと思ってるんで更新遅れるかもしれないです・・・。
ただオリジナルの需要なんてないのでSS優先気味でいきます。

次回作もよろしくお願いします!

これって続きもの?
1作目から読んだ方がいいのかな?

>>140
続きものじゃあないよ

結局雪乃エンドかよ
まぁ陽乃が誰かにほれるのは想像つかんけど

完結させた後に断念した陽乃ENDが思い浮かんだので後日>>136の中盤くらいからの別ルートをうpします。

乙。
収まるところに収まったという感じだな。
ただ完結が早かったから、不安そうなゆきのんや八幡を離すまいと必死なゆきのんを
長く見られなかったのがちょっと残念かも

陽乃ENDはよ

>>143
乙です。
陽乃エンドも気になります。


陽乃EBDもいいけど3PENDXは無いの?

できたら、めぐり先輩とかあーしさんとか海老名さんとかも書いてください。

>>147
るみるみもだろ

あねのん√はよ

>>147
小町はー?

相模「」

お待たせしましたー。
これから更新します。

昨日一昨日は人生かかったイベントがあったもので・・・w

>>147 >>148 >>150 >>151
めぐり先輩と小町は考え中ですw
書きたいなーとは思ってます。

あーし、海老名さん、るみるみ、相模はごめんなさい多分無理ですw

陽乃ENDルート

確証が持てなかった理由。雪ノ下雪乃には言わなかったもう一つの理由。
それは雪ノ下陽乃が俺に言った雪ノ下雪乃に俺を渡すのはもったいないかなという言葉だ。
その一言のせいで・・・確証がなかなか持てなかったのだ。
あの時の一言だけは・・・どこか本心のような気がして・・・。

「そうね・・・姉さんは言葉のヒントを仕込んでいたのね・・・。」
「それにしても・・・やりすぎだとは思うがな。」
わざわざ自分の身体を使ってまで、俺と雪ノ下雪乃の仲を取り持った。
普通ならそんなことしない。例え、妹のことが大好きでも。
妹の幸せを一番に願っていても。
もしかして雪ノ下陽乃は・・・本当俺のことを・・・?

「ごめん、雪ノ下。俺・・・陽乃さんに話聞いてくる!」
そう言って駆け出した俺は雪ノ下陽乃を追いかけた。

>>154 の陽乃ルートは>>136 の6行目から始まってます。

雪ノ下陽乃はマンションのエントランスのソファに一人で座っていた。
下を向いている為、その表情は見えない。
しかし、決して明るい雰囲気ではなかった。

俺は無言でゆっくりと雪ノ下陽乃に近づき、目の前に立った。
すると俺の存在に気がついたのか、雪ノ下陽乃は顔を上げた。

「ひ、比企谷君・・・?」
俺の方を見た雪ノ下陽乃の顔はどこか寂しげで、その目には少し涙の後が見えた。

「陽乃さん・・・もしかして・・・」
「な、なんでこんなところにいるの?ほら、早く雪乃ちゃんのところに戻らないとダメでしょ?せっかく二人が結ばれたのに私を追いかけてくるなんてダメだよ・・・」

最初こそ笑顔で言葉も明るい様子だった雪ノ下陽乃。
しかし、笑顔は徐々に消え、言葉は力を失っていた。

「俺は、陽乃さんに話があって来ました。」
そう言って俺は雪ノ下陽乃の隣に座る。

「陽乃さん・・・本当に俺と雪ノ下を付き合わせたかったんですか?」
こういう話は変な言い回しを使うより、わかりやすさを求めて直球で聞くのが一番。

「・・・どういう意味かな?」
そう言った雪ノ下陽乃は少し動揺しているようにも見えた。

「妹に彼氏を作る為に・・・自分の身体を使ったりしますか?普通はしないでしょ。ましてや・・・初めてをそんな形で・・・」

「・・・。」
俺がそう言うと、雪ノ下陽乃は黙って下を向いた。
図星だったのだろうか。
それとも、何か返す言葉を考えているのだろうか。
とにかく、俺は話を続けた。

「最初にキスした日・・・陽乃さん言ってましたよね?俺を雪ノ下に渡すのはもったいないって。あの日・・・陽乃さん少し酔ってましたよね。俺と飯食いに言った時と比べて顔色も赤かったし・・・。」

「ははは・・・よくそんなこと覚えてるね比企谷君は・・・。」
雪ノ下陽乃は顔を上げ、苦笑いをしながらそう言った。

「だから俺は思ったんです。本当に俺と雪ノ下を付き合わせたかったのかなって。」

「あーあ・・・もう全部話しても良いか・・・。」
雪ノ下陽乃は上を向き、何か覚悟を決めたようにそう言った。
そして俺の方を向き、話始めた。

「比企谷君と雪乃ちゃんのことを付き合わせたかったのは本当・・・でも、比企谷君を雪乃ちゃんに渡すのはもったいないって思ったのも本当。」

「それって・・・」

一体どういうことですか?
そう続けようとした時だった。
雪ノ下陽乃は俺に抱きついた。
「勘違いしちゃダメだよ・・・私が比企谷君のこと好きになるわけないでしょ・・・?私は・・・私が比企谷君のこと・・・好きなんて・・・そんなこと・・・」

そう言っている雪ノ下陽乃の声は震えている。
俺の胸に顔を埋めている為に顔は見えない。
でも、泣いているのはわかった。

「その・・・あんまり強がらないでください。なんつーかその・・・俺の前くらいでは・・・いつもの完璧な外面外してくれても良いんですよ・・・?」
そう言った俺はつい雪ノ下陽乃の頭を撫でていた。

「ダメだよ・・・雪乃ちゃんがいるのに・・・そんなこと言っちゃ・・・。」

「雪ノ下は今関係ないでしょ。俺は今、雪ノ下雪乃じゃなくて雪ノ下陽乃と話してるんです。」
俺がそう言うと、雪ノ下陽乃は急に俺を突き飛ばして俺から離れた。
「これ以上はダメ・・・本気になっちゃう・・・」
雪ノ下陽乃はそう言って走り去っていった。

とりあえずここまでで後はこれから書きます。

乙です!
激しく期待です。

雪ノ下陽乃が去った直後、本来ならすぐに追いかけるべきだった。
でも、状況の整理ができていなかった俺はその場で少し固まっていた。
そしてようやく我に返り、マンションを出て雪ノ下陽乃を追いかけた。
出て行ってからまだ1分も経っていない。
いくら雪ノ下陽乃とはいえまだそう移動はしていないだろう。
とにかく無我夢中で走り回った。
10分ほど走り回ったが雪ノ下陽乃は見つからなかった。
そして、なぜもっと早く追いかけなかったのかという後悔が生まれると同時に自分にイライラする。

「どこだ・・・どこにいる・・・?くそ!こういう時、ラブコメの主人公ならすぐに見つけられるはずなのに・・・!やっぱり俺は・・・俺は・・・」

走り疲れて歩いていると、大きな通りに出た。
周りを見渡すと50mくらいの距離に雪ノ下陽乃がいた。

「タクシー!」

「陽乃さん!」
このままではタクシーに乗ってしまう。
今ここで雪ノ下陽乃を逃したらいつ会えるかわからない。
ひょっとしたらこのまま二度と会えないんじゃないか。
そう思った俺は残った力を振り絞って走り出す。

雪ノ下陽乃まで残り30m。
「ひ、比企谷君!?・・・ごめんね!」
そこで雪ノ下陽乃は俺に気付いた。
しかし、雪ノ下陽乃はすぐに停車したタクシーに乗り込んだ。
「出して!早く!」

残り10m。そのくらいの距離で雪ノ下陽乃を乗せたタクシーは走り去ってしまった。

次の更新はまた明日以降に・・・。

wktk

はよ

「陽乃さん!陽乃さあああああああん!!!!!!!!」
走り去るタクシーに向かって、雪ノ下陽乃を何度も呼んだ。
しかしその声は届くはずもなく、次第にタクシーは見えなくなっていった。
そしてタクシーが見えなくなった瞬間、アドレナリンの放出が止まったのか、急に疲労を感じ立てなくなり、四つん這いになった。
「くそ・・・!」

柄にも無く思わず地面を殴ってしまった。
何もできなかった。結果として雪ノ下陽乃が悪者みたいになってしまった。
雪ノ下陽乃を精神的に追い詰めてしまった。そのことが悔しかった。
悪者になるのは自分だけで良いのに。

「比企谷君!」
後ろから自分の名前を呼ばれた。
声を聞く限り雪ノ下陽乃ではないことはわかっている。
でも、声の主が雪ノ下陽乃であることを少し期待して振り返った。

「今までどこで何してたのかしら一体・・・。とりあえず帰りましょう?」
振り返った先にいたのは雪ノ下雪乃だった。
わかっていた。雪ノ下陽乃ではないことはわかっていた。
そのはずなのに・・・少しがっかりしてしまった自分がいた。

「あっ・・・探しに来てくれたのか・・・?」
「飛び出してから全然戻って来ないのだもの・・・。ほら、立って?」

雪ノ下雪乃が差し出した手を取り、立ち上がった。
しかし疲労が限界なのか立ち上がった瞬間によろめいてしまう。
「大丈夫かしら・・・?」
思わず雪ノ下雪乃に支えられる。
「悪い・・・。」
「良いから帰りましょう?タクシー捕まえるから少し休んでいて。」
「ああ・・・」
彼女を放って彼女の姉を追いかけたのに。
雪ノ下雪乃は優しかった。普通なら怒って当然なのに。
一言も俺を責めることはなかった。

ガンバレ

ゆきのん…

ここから再びゆきのんルートに行ってもいいくらいw

もうゆきのんはいいよ

これってゆきのん選んだ後なんだよな……

その日を境に、俺は雪ノ下陽乃に会うことはなかった。
総武高校に来ないのはもちろんのこと、電話をかけるとおかけになった電話番号は現在使われておりませんのアナウンスが流れるようになった。

平塚先生や雪ノ下雪乃なら何か知っているのではないか。
そう思い話を聞いても会える手がかりがつかめなかった。
平塚先生も雪ノ下雪乃も新しい電話番号は知らなかったので電話での連絡も取れない。
唯一知ったのは雪ノ下陽乃があの日の直後、一人暮らしを始めたということ。
しかし、雪ノ下雪乃でも母親から住所を教えてくれなかったそうなので会う手段がない。
何度か学校をサボって大学で待ち伏せたこともあるが結局見つけられず一日が経った。
そうして、雪ノ下陽乃に会う手段が見つからないまま数ヶ月が過ぎた。

ある土曜日、俺は雪ノ下雪乃の家で過ごしていた。
俺と雪ノ下雪乃は付き合っている。
少なくとも同じ学年の生徒に知らない人はいないと言って良い。
俺と雪ノ下陽乃とのことは、俺と雪ノ下姉妹と平塚先生の4人しか知らないが・・・。

突然、テーブルの上にある雪ノ下雪乃の携帯電話が鳴る。
「おい雪乃。携帯鳴ってるぞ。」
「こっちに持ってきて、八幡。」

付き合い始めて数ヶ月。そろそろ名前呼びにも慣れてきた。
最初は呼ぶのも呼ばれるのも死ぬほど恥ずかしかった・・・。
だって戸塚くらいしか八幡なんて呼んでくれないし・・・。材木座?誰それ。

「知らない番号ね・・・誰かしら。もしもし・・・って姉さん!?いったい今までどこで何を・・・えっ!?いきなり何を言って・・・ちょっと、姉さん!姉さん!・・・切れ・・・てる・・・。」

「陽乃さんか!?どうしたんだ!?」
「姉さん・・・イギリスに留学するって・・・。16時の飛行機で経つそうよ・・・。」
「16時って・・・」
慌てて時計を確認する。時刻は15時30分。
ここから空港まではワープでもしないと間に合わない。

何もできない自分に、とにかく腹が立った。

雪ノ下陽乃が留学すると聞いた後、俺は時間を見つけてはアルバイトをしていた。
雪ノ下陽乃に会いに行く為に・・・。
働いたら負けだと思っていた俺だったが、今回ばかりは話が違った。

俺は雪ノ下陽乃に会わなければならない。
会って、話をしなければならない。
会って、言わなければいけないことがある。

俺のやろうとしていることは、留学した彼女の姉に会いに行くこと。
普通の人間、ましてや高校生がやることではない。
世間からは何を考えているとバカにされるだろう。
でも俺は・・・雪ノ下陽乃に会いたかった。

…。

「お兄ちゃん今日もバイトだったの?」
「ああ・・・」

今日も朝からバイトで疲れて帰宅した俺に小町が声をかけてきた。
「なんで最近こんなに働いてるの?お兄ちゃんらしくもない・・・あ!もしかして雪乃さんとの結婚資金を・・・!」
「あー・・・まあそんな感じだ。」
「小町の知らないところでお兄ちゃんがそんなに進んでいたなんて・・・小町ちょっとショック・・・。」
そう言って小町はソファーにダイブした。

誰にも本当のことは言えない。もう少しでイギリスに行く金が貯まる。
だから・・・それまで俺は・・・自分のポリシーを曲げてでも働いた。

そして待ちに待った給料日。
お年玉貯金も合わせてようやくイギリスに行く金が貯まった。
俺が行くのは秋のテスト休み期間。

会える保証はない。
そもそも、イギリスのどこに住んでいるのかもわからない。
とりあえず雪ノ下陽乃が日本で通っていた大学と関係のあるイギリスの大学をいくつかリストアップしたのでそこを片っ端から当たるつもりだ。

そして出発当日。
空港で出発時間を待つ為に座って本を読んでいると目の前で誰かが止まった。
「こんなところでいったい何をしているのかしら・・・」
「なっ・・・なんでお前・・・こんなところに・・・。」

顔を上げると目の前には雪ノ下雪乃がいた。
出発時間はおろか、誰にもイギリスに行くことなんて言ってないのに・・・。

「小町さんがあなたの部屋の航空券を見つけて私に教えてくれたの。・・・姉さんに会いに行くつもりなのね?」

机の中に入れておいたのに・・・あいつ何を漁っているんだよ・・・帰ったら説教しないと。

「ああ・・・悪い。その、何も言わないで・・・。でもこれは・・・俺と陽乃さんの問題だと思って・・・。」
「私は・・・あなたの彼女なのに・・・姉さんの妹なのに・・・関係ないのかしら・・・。」

「あっ・・・」
雪ノ下雪乃のその一言に、俺は急に罪悪感に襲われた。
確かに、一連の出来事の当事者は俺と雪ノ下陽乃だ。
でも、その出来事のおかげで俺と雪ノ下雪乃は付き合っている。
だから・・・無関係とは言えない。俺はようやくそのことに気付いた。

「ごめん・・・俺・・・。」
「良いわ。あなたのことは私が一番わかっているもの。だから、私も一緒にイギリスに行くわ。」

今日はここで更新ストップします・・・。

乙ッス!

乙です。
明日が待ち遠しい。

あと三分で今日が終わるな

子供がいるんだね

「は・・・?お前なに言ってるんだよ。チケットは?」
「もう取ってあるわよ。あなたの隣の席。」
「お、おう・・・。」
即答だった。さすが雪ノ下雪乃の行動力と言ったところか。

「てか良いのかよ・・・俺の隣で。かなり安い席だぞ。」
「あなたが隣ならそれで良いわ。」
「そうですか・・・。てかお前恥ずかしくないのかよそのセリフ・・・。」
「えっ・・・。」
途端に雪ノ下雪乃の顔が赤くなった。どうやら気付いたようだった。

「まぁ、そろそろ時間だし。行こうぜ。」
これ以上何か言っても最後には罵倒されて俺の心に傷が残るだけになりそうだったのでやめておいた。

約12時間の空の旅は映画見たり寝てたり飯食ったり本読んだりしていたらあっという間に時間がすぎた。
正直ずっと座っているのはきつかったけど・・・。
イギリスに到着した俺たちはバスに乗りロンドンの中心部へ向かった。
そして到着後、荷物を置くためにとりあえずホテルを探した。

「なぜ泊まるところはノープランなのかしら・・・」
「残念ながら泊まるところどころか現地に着いてからどこ行くかもノープランだけどな。」
「なぜそんなに勝ち誇った顔をしているのかしら・・・。」
「うるせえ。まあ・・・やっぱりお前がいてくれて良かったよ。俺のつたない英語何かより全然通じるしな。さっき空港で思わず感心したわ。」
「あなた一人だったら帰って来れたのかも怪しいわね・・・。いや、そもそも出国できたのかしら。」
「おい、日本から出るくらいはできるぞ。絶対。」
「そう・・・」

場所は変わっても俺と雪ノ下雪乃のやり取りは相変わらずだった。
やはり、雪ノ下雪乃と過ごす時間は心地が良い。
正直彼女として、文句を言うべきところはない。
強いて言うならもう少しデレてくれても良いんじゃないの?ってところ。
まぁお互いにほとんどデレたりしないんだけど。

なんてことを考えていると雪ノ下雪乃が足を止めた。
「ここにしましょう。値段も丁度良いわ。」
「そうだな・・・」

なんか昼ドラ見てる気分になってきた

…はるのん√???

乙です。
陽乃ルートなのに、このゆきのんもなかなかないい

チェックインを済ませると俺達は部屋に案内された。
「おい、なんでダブルベッドなんだよ。」
「嫌かしら・・・?」
「嫌じゃないけどよ・・・。」
「じゃあ問題ないじゃない。早く姉さんを探しに行きましょう。」
「お、おう・・・。てかもう夜なんだが。行くのか?」
「そうね・・・。明日は朝一で探しに行くから今日は早く休みましょう。」

過去に雪ノ下雪乃と一緒のベッドで寝たことはある。
しかし異国の地で二人一緒に寝るとなると少し違和感がある。
そもそも二人で旅行したことないし。
彼女との初めての海外。
それが彼女の姉を探しに行くのが目的だなんてきっと間違っている。

次の日俺達は雪ノ下陽乃が通っていると考えられる大学を回った。
そして幸運なことにその日の夕方に雪ノ下陽乃が通っている学校を見つけることができた。
一刻も早く会いたかったが既に雪ノ下陽乃は帰宅していたので会うのは次の日に持ち越しとなった。

翌日の朝7時。
アラームを何とか止めるも意識は未だ朦朧としていた。
時差ボケのせいだろうか、朝は本当に辛い。
いや、朝は日本にいる時でも辛いんだけど。
ただでさえ寝坊で遅刻することが多いのに留学なんてしたら起きたら学校が終わってしまいそうだ。

「ほら、起きて八幡。」
朦朧とした意識の中、体が何度も揺さぶられる。
「うーん・・・まだ眠いんだが・・・」
「あなたが眠くなくなるまで寝たら夜になるでしょ。早く起きなさい。」
「どうせ陽乃さんは午後にならないと捕まらないんだから午前中は退廃的に過ごそうぜ・・・。」
「まったく・・・。」
雪ノ下雪乃はそう言い残しその場から去っていった。
これでもう少し眠れる。そう思って瞳を閉じた時だった。
「うわっ!?えっ?なに!?冷たい!冷たいんだけど!雪乃!?」
気がつけば俺の上半身はびしょびしょに濡れている。
真上を見ると空のペットボトルを持った雪ノ下雪乃。
その瞬間、何が起きたのか全て把握した。
氷の女王マジ容赦ない。二度寝くらい良いじゃないですか・・・。

「これで目が覚めたかしら・・・?シャワーでも浴びてきたら?風邪ひくわよ?」
「風邪ひいたらお前のせいだからな・・・。」

いいね

あれ、夜のベッドシーン見えないんだけど、俺だけ?
また、ボスのスタンドくらったのか

はるのんルートなのにはるのんとの絡みが少ないとはたまげたなぁ

>>189
はるのんが出てくるのはこれからなので・・・

午前中は寝ていたかったが、雪ノ下雪乃に強引に起こされてしまった為に結局朝の登校時間に大学の校舎内で待ち伏せをしている。

「眠いな・・・。」
「また水をかけられたいのかしら。」
「すいません眠くないです。しかし・・・陽乃さんいつ来るんだ。」
「さぁ・・・。いつかしらね。」

雪ノ下陽乃は数時間経ってもやって来ない。
「なぁ・・・やっぱり朝は寝てても良かったんじゃ・・・」
「それはあくまでも結果論よ。もし姉さんが朝からやってきていたらどうしたの?」
「まあ・・・それはそうだけどな・・・。」

結局、雪ノ下陽乃は昼休みの終わり頃にやってきた。
「陽乃さん!」
「姉さん!」
俺達二人は雪ノ下陽乃を見つけた瞬間に走り出した。
そして、すぐに俺達は対峙した。

「ひ、比企谷君!?雪乃ちゃん!?」
雪ノ下陽乃は何が起きているのかわからないと言った表情だった。
それはそうだろう。俺が雪ノ下陽乃の立場だったら、間違いなくそう思う。

「探しましたよ・・・。」
「まったく・・・あんまり手間をかけさせないで頂戴。」

「えっと・・・二人は何しに来たのかな?」
雪ノ下陽乃は笑っているがその笑いは完全に引きつっている。

「話があるんです。陽乃さんに。」
「えーと・・・私授業があるから放課後で良いかな?」
「ええ。逃げないでくださいよ。」
「ここまで来られたら逃げたくても逃げきれないんじゃないかなー・・・。じゃあ17時に・・・ここでね。」

指定された時間、俺達は再び大学にやってきた。
すると、待ち合わせ場所にあるベンチに雪ノ下陽乃が座っていた。
「お、比企谷くーん、雪乃ちゃーん。遅いよー?」
雪ノ下陽乃は陽気に手を振っている。
なぜこんなに明るく振る舞えるのだろうか。
俺が雪ノ下陽乃の立場だったら間違いなく逃げている。

「約束の時間の10分前なんですけど・・・」
「そんなことはどうでも良いわ。さっそく本題に入りましょう。良いかしら?」
「良いよ。ここまで来てまどろっこしいのは嫌でしょ?でも・・・ここで話すの?」
「なぁ・・・ホテル戻ろうぜ。個室の方が良いだろ。」

この場所で日本語で話していても9割の人間は俺達が何を話しているかわからないだろう。
それはわかっているが、外で込み入った話をするのは好きじゃない。

「そうね・・・。そうしましょうか。」
「お、二人の愛の巣にお姉ちゃんが行って良いの?」
「愛の巣って・・・。とりあえず行こうぜ。」

そして俺達はホテルに移動した。
移動中、特に話すことはなかったのが妙に居心地が悪かった。
雪ノ下雪乃となら沈黙でも特に嫌ではない。
しかし、雪ノ下陽乃が一人追加されることによって自然な沈黙が不自然な沈黙へと変わっていた。

「それで・・・姉さんはなぜあの日から私達を避け、急に留学したのかしら?」
部屋に着いて荷物を置くなり、雪ノ下雪乃が口を開いた。
「だってー、二人の仲を邪魔したら悪いじゃない?」
「本当は私への罪悪感から逃げたのではないの?私との仲を取り持つ為とは言え・・・八幡と・・・」
「残念。それは雪乃ちゃんの見当違いだよ。留学に関しては私自身興味もあったし・・・。成長した自分が海外を見た時、私の目にはどう映るのかなって。」
「それなら旅行でも良いじゃない。何も留学なんて・・・。」
「あれ、お姉ちゃんが日本からいなくなって寂しい?」
「なっ・・・!?そ、そんなわけないでしょう!」
「そう?・・・まあ、住んでみて初めてわかることだってあるんだよー雪乃ちゃん。」
「それは・・・。」

この場において完全に俺は空気だった。
というより、雪ノ下姉妹のやり取りの間には俺が入る隙はなかった。

「雪乃ちゃんの話はもう終わりかな?」
「ええ・・・。私は良いわ。そもそも私は八幡に付いて来ただけだから・・・。」
「そう。じゃー、ここからは比企谷君と話さないとね。」

雪ノ下陽乃はそう言って俺の方を向いた。
その表情は笑っている。得意の外面だろうか。
それとも、この状況を楽しんでいるのだろうか。
やはり、雪ノ下陽乃という人間がよくわからない。
最後に会った日には雪ノ下陽乃の弱い部分が垣間見えたのに・・・。

「あの・・・場所変えません?」
「あれ、ここに連れてきたのは比企谷君じゃなかったっけ?」
「いや、そうなんですけどね・・・なんつーか・・・その・・・。」
「あ、わかったー。雪乃ちゃんがいると話しにくい?」
「いや、まあなんつーか・・・その・・・。」

はっきり言って、雪ノ下雪乃が居ると話しにくい。
雪ノ下陽乃と最後に会った日の出来事。
あの日のことは雪ノ下雪乃には説明していない。
本当なら説明するべきだったはずだ。
でも、俺は聞かれなかったという大義名分を背に逃げていた。
雪ノ下雪乃の優しさに甘えていた。
だからここは・・・雪ノ下雪乃にも聞いてもらわなければいけない。

明日は更新できないかもです。
俺ガイルのゲーム発売日なので・・・w

今日はもうちょっと書きます。

「八幡。どうなの?」
「・・・悪い。やっぱりここで話したい。その・・・雪乃も聞いててくれるか?」
「八幡がそう言うなら・・・。わかったわ。でも本当に良いの?」
「これ以上言うな。決意が揺らいじまうだろ。」
「はぁ・・・。揺らぐようなら場所を変えた方が・・・。」
「比企谷君は優柔不断だからねー。」
「わかった、揺らがないから!だから聞いててくれ。な?」

あんまりぐだぐだやっているとこの姉妹のペースにハマってしまいそうだった。
やっぱりこの姉妹揃えたらダメだ。強すぎる。
恋と選挙しているあの高校のあの姉妹より強いのではないだろうか。
胸の大きさは惨敗だけど。どう考えても勝てないけど。それだけは。

「八幡・・・?今とても失礼なことを考えられている気がするのだけれど・・・。」
「き、気のせいだ。そんなことは考えていない。絶対に。」
「とりあえず本題に入らない?比企谷君?」
「そ、そうですね・・・。」

ようやくここまで来た。
ようやく・・・あの日の続きが・・・。
後はどんな結末が待っていようと、一直線に進むだけだ。
覚悟を決めて、一度深呼吸をする。

「わかりました。では・・・話します。」

投下終了…だと!?

乙です。
続きが気になっちゃう。

OVAの嫁度対決よかった~

あねのんはスキル的な意味の嫁度はほぼ完ぺきだが、
心構え的な意味では0点に限りなく近いとみた。

>>199
OVA良かったですよね。
終始小町が可愛かったですw

ゲームでゆきのんのハッピーエンド?にたどり着けない・・・。
川崎とガハマさんはできたのに・・・。

ふてくされたので少しSS書きます。

そして、はるのんとかめぐり先輩がゲームに出てこないのが地味にショックw

ゲーム発売日かぁ……
vita欲しくなってしまった。

ゆきのん攻略してみたいw
八幡って攻略される方だと思っていたけどw

>>203
自分はこれの為にVITA買いましたw

「俺は・・・陽乃さんのことを好きになることなんて無いと思ってました。むしろ天敵だと思っていた・・・と言っても良いです」

「結構な言われようだね・・・私。」
「まぁ・・・しょうがないわね。」

「でも・・・今は違います。俺は・・・陽乃さんのことが好きです。」
「雪乃ちゃんの前でそれ言っちゃう・・・?」
「ええ。あ、もちろん雪乃のことだって好きです。俺は今・・・嘘をつきません。陽乃さん・・・あの時言いましたよね・・・。これ以上はダメ、本気になっちゃうって・・・。だから・・・本気になってください。本気の陽乃さんを見せてください。いつもの外面外して・・・本当の・・・本気の雪ノ下陽乃を見せてください。」

俺がそう言った後、その場に静寂が訪れた。
誰も・・・何も話そうとしない。
というより、これから話すべきことを考えていると言ったところだろうか。
そして少しの時間、沈黙が流れた後に・・・雪ノ下陽乃が口を開いた。

「私が本気出したら・・・比企谷君はもちろんのこと・・・雪乃ちゃんだって勝てないよ?私・・・雪乃ちゃんから比企谷君のこと奪っちゃうよ?それでも良いの?」

そう言った時の雪ノ下陽乃の目は本気だった。

「ええ。構わないわ。私も負けるつもりはないから。」
「じゃあ雪乃ちゃん・・・勝負しよっか。比企谷君を賭けて・・・。」

楽しみに読んでる陽乃大好きだから面白い

ゲームは買ったが肝心のVITAを買っていないという・・・

上に同じ。
9000円出してでも見たくなるOVAの魔翌力まじぱねぇ

ツヅキマダー?

楽しみに待ってるぞ

更新もうちょっと時間かかりそうです。
そろそろ佳境なので・・・。

それにしてもゆきのんと戸塚が攻略できない・・・。
小町の裸は見れたのに・・・。

>>210
小町の裸…だと……
持ってない俺にkwsk



現実の修羅場はエロ同人みたいに「こうなったらエッチで勝負よ!」とはいかないもんですなぁ。(遠い目)

>>211
ネタバレして良いんですかねw

>>212
そりゃあエロ同人ですからねw

>>214とかのIDが「おっぱい」に見えた…
疲れてるのかな?

>>213
ネタバレになるから言えない……でもその焦らしがたまらない……ああっ

「え、ちょっと待って?俺賞品なの?」
「そういうこと。あ、比企谷君・・・確認なんだけど・・・。」
「なんですか。」
「本当に私が・・・雪乃ちゃんから比企谷君を奪っても良いの?」
雪ノ下陽乃の顔からは自信が溢れている。
この人が勝負事で負けることってどのくらいあるのだろうか。

「そういう心配は雪乃に勝ってからしてください。簡単には勝てませんよ。」
「お、信頼してるねー。」
「まぁ・・・。」
一応強がってみたが、雪ノ下雪乃が勝てる保証なんて何もない。
雪ノ下雪乃は安易な挑発にも乗ってしまいやすかったり、たまにとんでもない天然を発揮することがあるので100%勝てるとは思えないのだ。
ましてや、相手は雪ノ下陽乃だ。確率として良くても50%程度だろう。

「それで、いったい何で勝負するつもりなのかしら。」
「あっ、決めてなかったねー。どうしよっか。」
雪ノ下雪乃にそう言われるまで俺も何で勝負するか全然気づいていなかった。

「そうだ、比企谷君が決めて良いわよー?賞品なんだし。」
「はぁ・・・。」

正直、勝負内容を決めて良いと言われても何をすれば良いのか・・・。
こういうのは雪ノ下雪乃に勝たせるように決めるべきなのだろうか。
いや、そんな内容にしても雪ノ下雪乃は認めないだろう。不正とか嫌いだし。
だったら・・・勝負の内容は本人達に決めてもらおう。

「じゃあ、3本勝負にしましょう。競技はここにいる三人が一人一つずつ決めるってことで、どうです?」
「私は良いよ。雪乃ちゃんは?」
「それで構わないわ。」
「やる順番は雪乃、陽乃さん、俺が決めたやつってことで良いですか?」
「良いよ!じゃあ雪乃ちゃんどうぞ!」
「そうね・・・じゃあチェスでどうかしら。3戦中先に2勝した方が勝ちということで。」

少しするとホテルのボーイがチェスを持ってきた。
無料で貸出とか結構気前良くて感心した。
やっぱり客が退屈しないようにするのもホテルの仕事なのだろうか。

そして受け取るなり、すぐさま駒を並べる。
「じゃあ・・・やるわよ。姉さん。」

二人のチェス対決が始まった。

チェスならアプリで何回かやったことはあるが、詳しいことはよく知らない。
だから局面を見てどちらが優勢かどうかなんてわからない。
とりあえず眺めていると第1戦は雪ノ下雪乃が勝利した。

「あらー、負けちゃったか。」
「姉さん、本気を出して良いのよ。」
「そう?じゃあ次は負けないよ?」

そう言った雪ノ下陽乃は第2戦を素人の俺でもわかるくらい圧倒的な強さで勝って見せた。
「おお・・・これは・・・。」
「どう?雪乃ちゃん?」
「さすがね・・・。でも、次は負けないわ。」

おしゃべりも少なく、すかさず第3戦に。
今度は盤面を見てもよくわからない。
しかしどっちが勝っているか?なんて集中力を削ぐようなことは聞けず、ただ黙って見ているだけになった。

「これで・・・チェックメイトよ。」
「あらー、負けちゃった。残念。」
口では残念と言っても・・・雪ノ下陽乃の顔はどこか余裕のある感じだった。

「ということで、私が2勝したから・・・3本勝負の1つ目は私の勝ちね。」
「そうだねー。じゃあ・・・次は・・・私が勝負を決める番だね?」
「ええ。どうぞ。」
「随分自信たっぷりだねー?私には雪乃ちゃんに絶対勝てる勝負があるのにー。」
「絶対なんてないわ。言ってみなさい。それで勝負してあげるから。」
「良いのー?じゃあ次の勝負は・・・1500m走で!」

あねのん勝ちにいっとる…
これはガチで八幡を取りに来たのか?

「なっ・・・!?」
俺も思わず声を出して驚いてしまう。
確かに、雪ノ下雪乃の弱点は体力だ。そこを突かれると勝ち目はほぼ100%無い。
むしろ、この勝負を受けると疲労で3戦目の勝負に影響が出る。

だったら・・・棄権して第3戦に望む方が良い。

「さて、外に行こうか!」
「・・・。」
ヤル気満々の雪ノ下陽乃に対し、雪ノ下雪乃は何も喋らない。
棄権するべきかどうか迷っているのだろうか。
徐々にその表情は困り顔になっている。

「おい雪乃・・・やるのか?棄権した方が良いんじゃないの?」
「そうね・・・これほど負けるとわかっている勝負はないわ。どう考えても勝てるわけがないもの。」

「あれ、どうしたのかなー?もしかしてやらないの?」
「ええ・・・やらなくても良いわ。私の負けよ。」
「残念。お姉ちゃん雪乃ちゃんと走りたかったのにー。」

そう言った雪ノ下陽乃の顔はとても残念そうだった。
しかし、これは一緒に走れなかったからではなく雪ノ下雪乃の体力を減らして第3戦に有利に進めなかったことに対してだろう。
本当に・・・雪ノ下陽乃を敵に回すと恐ろしい。

「じゃあ、比企谷君。最後の勝負は何かな?」
「え、えーと・・・。」

どっちかが先に2勝すると思って何も考えてなかったなんて言えない。
こんな時・・・どうしたら良いんだ・・・。

あれえ?勝負ってこういうこと?

3戦目に何をやったら良いのか必死に考える。
最後にふさわしい勝負・・・。間違いなく体力系は無しだ。
それだけで雪ノ下陽乃の勝ちが確定する。

「早く決めなさい、賞品。」
「今考えてるだろ・・・。」

賞品は俺・・・賞品は俺?
賞品が俺なら・・・賞品として・・・俺を受け取る資格があるのなら・・・。
俺を受け取るにふさわしい勝負にしないといけない。

たどり着いた結論。
それは・・・

「決めました。最後の勝負は・・・比企谷八幡クイズです。」

「・・・は?」
「えーと・・・なにそれ?」
呆気に取られたような二人の表情。
そりゃあいきなりこんなこと言われたらそうなるだろう。
俺だっていきなりそんなこと言われたら「は?何言ってんのお前?」みたいな表情をすることは間違いない。
でも戸塚彩加クイズとか言われたら全然そんなことないけどね!

「今回の賞品は俺です。だから・・・俺の事を知ってて当たり前。俺に関する問題を10問出すのでより多く正解した方が勝ちってことで。あ、公平を期す為に今問題と正解を紙に書くので待っててください。」

「なんていうか比企谷君は・・・。でも、雪乃ちゃんは彼女なんだから負けるわけにはいかないよね?」
「そうね・・・。負けるわけには・・・。」

少し呆れている雪ノ下陽乃と静かに闘志を燃やす雪ノ下雪乃。
これで・・・全てが決まる。

いまさらだけど誰が話してるのかわからない

え?

え?
わかるだろ

え?
わかるだろ
普通に読んでたら

乙です。

俺が出した問題はこうだ。
①誕生日
②家族構成
③趣味
④将来の夢
⑤好きな飲み物
⑥好きな食べ物
⑦苦手な教科は?
⑧毎週日曜の楽しみは?
⑨黒髪派?茶髪派?
⑩貧乳派?巨乳派?

自分で言っておいてなんだが10問考えるというのはなかなか難しかった。
まあ、とりあえず・・・簡単な問題を用意したつもりだ・・・。
ここは二人共同じ点数で引き分けってオチに期待して・・・。

「なぁ、答え合わせしても良いか?」
「お姉ちゃんが勝っちゃうけど良い?」
「勝つのは私よ。八幡は渡さない・・・。」

「よし、じゃあ解答をお互いに交換してくれ。答え言ってくから。」
そう言って二人の解答用紙を交換させ、俺はあらかじめ置いておいた正答が書いてある紙を持ってくる。
「じゃあ答え合わせ始めるぞ。」

需要は無いだろうが、俺は黒髪の貧乳派だ

5 6 9 10以外わかる

5→MAXコーヒー
6→ピーナッツ
だろJK

いやいや、6は濡れ煎餅だろう。

ラーメンだろ

>>233 千葉愛だな

「じゃあ第一問。正解は8月8日。これは・・・お互いに正解か。」
「さすがに簡単すぎるわ。」
「比企谷君のプロフィールなら殆ど知ってるよ?」

「じゃあ第二問。正解は両親、小町、俺の4人。」
これも簡単だったのか、二人共余裕そうな表情だった。

「第三問。正解は人間観察。」
「あの頃から変わってないのね・・・。」
「さすがに変わってると思って他のこと書いちゃったよー。」

この問題は二人共不正解だった。
ちなみに、二人共答えは読書と書いていた。
確かに読書も好きだが趣味と言えるかどうかは怪しかったのだ。
それに、誰かの前で俺が言った趣味は人間観察くらいだったから覚えててくれているかどうかの期待も込めたのだが・・・それが裏目に出た。

そして続く④、⑤、⑥、⑦、⑧、⑨はお互いに正解。
ちなみに解答は④が専業主夫。⑤はMAXコーヒー。⑥はラーメン。⑦は数学。⑧はプリキュア。⑨は黒髪。
次が最後の問題・・・。
正直、この時点で同点になっているとは思っていなかった。
10問目は恐らくここで負けている陽乃さんに追いついてもらおうと思って用意したものだった。
以前話したことがある陽乃さんならわかるはず。そう思っていたのだ。
「10問目の正解を言う前に・・・二人はなんて書いた?」
「私は巨乳って書いたよ?だって比企谷君とした時、胸ばっかり触ってたし。」
「私は・・・ひ・・・貧乳と書いたわ。だって・・・彼女である私は・・・その・・・余り大きい方ではないし・・・。」

「そうか・・・。じゃあ正解は・・・」

「特に気にしないだ。」
「・・・え?」
「・・・は?」

俺が正解を言って数秒間の空白の後、二人からすごく汚いものを見る目で見られた。

「えーと・・・もう1回言いますよ?正解は特に気にしな・・・」
「そういうことではないわ。あなたの言ったことは聞こえているの。問題は巨乳か貧乳かの二択だったのになぜそのような答えになるのかしら。」

「雪乃・・・お前は一つ大きな勘違いをしている。俺は二択だとは一言も言ってないぞ。」

「確かに・・・。比企谷君前に言ってたから迷ってたんだけど・・・そっかー、二択じゃなかったのかー。お姉ちゃん騙されちゃった。」

「という訳で、この勝負は引き分けってことで・・・」
これで良い。こんな勝負なんてくだらない。
それに、賞品になんてなってたまるか。
賞品ということはつまり、相手の所有物になるのと同じ。
専業主夫志望だし、尻に敷かれるのは嫌じゃないが相手の物になるのは嫌なのだ。

「これで一勝一敗一引き分けね・・・。どうしましょうか。」
「どうしよっか?」

二人とも俺の方を見ている。
俺にいったいどうしろって言うの?
雪乃を選べば良いの?陽乃さんを選べば良いの?
それとも二人共選べば良いの?

「えっと・・・あ、あんまりジロジロ見ないで欲しいんですが・・・」
針で突かれているかと錯覚するくらいに二人の視線がとても痛かった。

「お、俺のこと見ても何も変わらんぞ・・・。」

俺が視線に耐えられなくて喋っても二人は無言で俺を見ている。
この状況を切り抜ける方法なんて思いつかない。
とりあえず逃げたい今すぐに!

「ねえ、私ちょっと気になることがあるんだけど・・・?」
「なにかしら姉さん。」

「比企谷君は結局・・・私と雪乃ちゃん。どっちの方が好きなの?」

「いや、どっちの方がって・・・」

「八幡。」
「比企谷君?」

なぜ二択なのだろうか。
どっちの方が好き?そんなこと聞かれても困る。

俺はもちろん、彼女である雪ノ下雪乃のことが好きだ。
しかし、それと同時に・・・雪ノ下陽乃のことも好きだ。

世の中には好きと言っても色々ある。
恋愛対象としての好き。友達としての好き。妹としての好き。
対象を人間だけに絞っても挙げだしたらキリがないだろう。

それに、好きという言葉は非常に曖昧で不明確な感情だ。
昨日までは好きと言っていたのに、次の日に起こるイベント一つやたったの一言で嫌いになる。
一つ選択肢を変えるだけで好きにもなるし、嫌いにもなる。
喧嘩して嫌われたと思ったら次の日にはそんなことなかったりもする。
好きの対義語が嫌いじゃなく無関心であるのと同時に、嫌いの対義語も無関心であるのは好きと嫌いは変換可能ということを表しているのだろう。

現実の世界はゲームの世界みたいに好感度が数値でわからない。
だからどっちの方が好きかなんてよほど差がない限り決めることができないのだ。
よって、証明終了。どっちが好きか選ぶなんて無理。

そんな八幡に好感度メガネ
これを掛けるけると様々な人の自分への好感度がわかるぞ!

そんなss渋にあったぞ
メガネじゃなくて超能力?だけど

続きはよ

今更な上に本当に個人的な望みだけど、陽乃さんがマンションのエントランスで泣いているときに八幡が突入して「何で、何で比企谷くんがここに‥‥」と驚く陽乃さんに八幡が接近、「嫌ぁ‥来ないで…」と八幡を押して遠ざけようとする陽乃さんを八幡が力ずくで抱きしめる。→「比企谷くはここにいちゃダメなのに…」と涙を流す陽乃さんに八幡が「俺がどこにいようと勝手でしょう。」とキメるところが見たかった。

うるせえ黙れageんなゴミ

>>244
自分で書けばいいじゃないか

>>244
書いたら教えてね

確かに上げる(漢字合ってる?)べきではなかった。すまん、不快にしてしまったのなら謝る。忘れてくれ。

sageろks

>>248
同じこと2回やるとか学習能力ないの?

無知ですまない、これからは気を付ける。sageできてるかな‥‥

でしゃばられても困るから中学生はテストスレ行くかROMるかしてくれ

一応未来あるフリーターなんだがね‥‥まあ、悪かったよ、穏便に続き待とうぜ。あとRОМるって何だ?

>>253
ggrks

了解(笑)

くせえから書き込むな

これが初心者か…くせえ

釣り針でかすぎだろ

書き込みの際にメール欄ってのがあるのさ(真ん中の欄)

そこに「sage」と打ち込めば問題ないさ

フリーターな理由がよくわかる

久々に投下します。
リアルが忙しいのと予想以上に陽乃編に苦戦していてなかなか更新できない・・・。
元の案通り陽乃が八幡と関係持ったことをバラして一生八幡を自分の支配下に置くエンドにしておけば良かったとか思ってしまう最近。

「いや・・・選ぶなんて無理だろ・・・。明確な基準があるわけでもないし。人間には同じ好きでも選べないものとかあるだろ。」
「まぁ・・・それはそうだけれど・・・。」
「でも今回は恋人にする意味での話だよね?それだったら選べるんじゃないの?恋愛対象なんだし。」

陽乃さんの言っていることは間違っていない。今俺が選ぶのは恋人。
同じ好きでもジャンルが違うなどと言い訳はできない。

「でもやっぱり俺は・・・選べません。」

「はぁ・・・ヘタレだねぇ・・・比企谷君は。あの日はちょっと見直したのに・・・。」

「すいません・・・。」
急に力が抜け、ベッドに座ってうつむく。
今の俺は・・・女の子一人選べない・・・。

「でも・・・」
声がしたので顔を上げると、雪ノ下陽乃が目の前に居た。
「そんな比企谷君のことも・・・嫌いじゃないんだよ?」
そう言って雪ノ下陽乃は俺にキスをした。

雪ノ下陽乃の舌が俺の舌に絡んでくる。
次第に思考能力が失われていく。

「ね、姉さん!?八幡!?」

雪ノ下雪乃が遠くの方で呼んでいる気がする。
でも今は・・・何も考えられない。
外部からの刺激は殆ど舌のみでしか感知しないようになった。

「ちょ・・・ちょっと!離れなさい!」

雪ノ下雪乃が俺と雪ノ下陽乃を引き離した。
何だろう、前にもこんなことがあった気がする。
いつだったか・・・3人でいる時に雪ノ下陽乃にキスされて・・・雪ノ下雪乃に引き離されて・・・。

「な・・・何をやっているのかしら姉さん、八幡。その・・・か、彼女である・・・私の前で。」
「だって・・・比企谷君があんまり決められないようだから・・・つい?」

「はぁ・・・まったく・・・姉さんは・・・。」

「そんなことより良いの雪乃ちゃん?比企谷君すごくボーッとしてるけど?そんなに私とのキスが良かったのかな?」
「なっ・・・。は、八幡?八幡?」
「・・・えっ。ああ・・・どうした?」

雪ノ下雪乃に呼ばれて我に返った。
まるで休みの日に気持ち良く寝ていたらいきなり小町に叩き起された時のような感覚だった。

「そんなに姉さんとのキスが良かったのかしら?」
「ば、ばばば、バッカお前!ななな何言ってんだよ!?」
「動揺しすぎよ・・・まったく。」
そう言って雪ノ下雪乃は俺にキスをした。

絡まってくる雪ノ下雪乃の舌。
雪ノ下陽乃とのキスとは違う。
姉妹とはいえ二人の違いははっきりとわかる。
やがて、二人の舌はゆっくりと離れる。

「お・・・お前まで何やってるんだよ・・・」
「ダメ・・・かしら?」
「だ、ダメじゃねえけど・・・。」
「そう・・・」
「・・・。」
なんとなく、目を逸らしてしまう。
初めてキスしたわけではないのに、なんというか気まずい。

「二人共、私のこと忘れてない?」
「い、いや・・・忘れてないですよ・・・?」
「それで、比企谷君はどっちのキスが良かったの?」
「どっちの方がとか言われても・・・。」

今回のことは・・・自分で撒いた種。
俺が早くどちらかを選んでいればこんなことにはならなかった。
セックスしてしまった時点で責任取って雪ノ下陽乃と付き合えば・・・
平塚先生に相談をしていなければ・・・
雪ノ下雪乃に告白していなければ・・・
逃げる雪ノ下陽乃を止めていれば・・・
俺一人でイギリスまで雪ノ下陽乃を追いかけていれば・・・

あれ、さっきから雪ノ下陽乃のことばかり考えている気がする。
俺が本当に好きなのは・・・

雪ノ下陽乃なのだろうか・・・?

とりあえず今日はここまでです。
そろそろ完結できたら良いなあと思っている次第です。

おつ

さぁどうなる。
ゆきのんもはるのんも幸せになって欲しいという願望

せめて一夫多妻の国にしておけば

>>261
ソッチの方もかいていいのよ?

ここからまたルート分岐しよう(提案)

はるのんがかわいすぎて辛い

>>273
[ピーーー]。
ゴミクズ

こっちの更新はまだ時間かかりますが・・・
以前予告してた由比ヶ浜編が書き終わったのでうpしました。
由比ヶ浜結衣と温泉旅行。
由比ヶ浜結衣と温泉旅行。 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1381070647/)

良かったら↑もよろしくお願いします!

>>275の続きも気になるな

少しだけ投下します。

あの日以来、俺の頭の中に居座り続けてるのは誰だ?

働かないという俺の信念を曲げてまで必死に働いて会いに行きたかったのは誰だ?

その相手は間違いなく…雪ノ下陽乃だ。

雪ノ下陽乃との始まりは間違っているかもしれない。
始まりだけではなく、ここまでの全ても間違っているかもしれない。

それに、俺が雪ノ下陽乃を選ぶということは…
俺が一度選んだ雪ノ下雪乃のことを捨てるということになる。

彼女を捨ててその姉を選ぶ…。
最低の人間だと罵られるかもしれない。

でも今は…
自分の気持ちに素直になりたい

不覚にも・・・そう思ってしまったのだ。

「どうしたの?比企谷君?さっきから黙っちゃってー。」
「八幡?何とか言いなさい。」
「えっ・・・ああ・・・。」

どうするべきだろうか・・・。
今はっきりと言うべきなのだろうか。
今言わないと・・・次に雪ノ下陽乃に会える機会はいつになるかわからない。
だったら・・・話したい。二人きりで・・・。

「陽乃さん、ちょっと来てください。」
「え!?ちょっと!?」

俺は雪ノ下陽乃の手を掴んで部屋を出ようとする。

「は、八幡!?どこに行くの!?」
雪ノ下雪乃に行く手を阻まれる。

「すまん雪乃・・・。今は・・・陽乃さんと・・・二人で話があるんだ。」
「・・・。」
一瞬、雪ノ下雪乃は唇を噛み締め、俯いた。
肩を見ると、少し震えているようにも見える。
しかし数秒経った後、顔を上げて、黙って部屋の奥に行ってしまった。

「悪い・・・。」

雪ノ下雪乃のどこか寂しそうな後ろ姿を背に、俺は雪ノ下陽乃を連れて、近くの公園に向かった。

頼むからゆきのんを泣かせないであげて・・・

頼むからageないでsageて・・・

陽乃さん幸せになってくれえええ

すまんしくじった

誰かが笑うためには誰かが泣かなければならない
私はそれが歯痒くてたまらないのだ

しかしそれでも私は笑って欲しいと、無責任にもそう思っているのである

そんな俺らは誰も傷つかないよう、独りでいるんだよな、わかるわかる

主に自分がですね

実は一番素直じゃないのがはるのん

今最後まで書き終わりました。これからうpしていきます。

「それで・・・こんなところに連れて来てどうするつもりかな?」
「いや・・・雪乃の前じゃ本気でぶつかれないと思って・・・。」

野外というのは正直嫌だがこの際、二人きりになれるなら何でも良いと思った。

「ふーん・・・それは比企谷君がそうなの?それとも私が雪乃ちゃんの前だとどこか遠慮するって思ったの?」
「一応二人共のつもり・・・です・・・。それに・・・イギリスには元々は俺一人で来る予定だったんで・・・。」
「へぇー・・・どうして二人で来たの?」
「あいつが勝手に自分の分もチケット買ってたんですよ・・・。まぁ、俺は英語ペラペラじゃないんで、あいつがいてくれて助かりましたけど・・・って、こんな話をしにきたわけじゃないんです!」
「うんうん。」

笑顔で頷く雪ノ下陽乃。
何というか、テンポが狂いそうになる。

「あの・・・陽乃さんは・・・俺がイギリスに来てどう思いました?迷惑でした?」
「そんなの・・・迷惑に決まってるじゃない・・・。せっかく忘れる為にイギリスにまで来たのに・・・。」
「その・・・すいません・・・。」
「良いよ謝らなくて・・・嬉しかったし・・・。そう言えば・・・イギリスまでの旅費はどうしたの?結構お金かかるのに・・・」
「バイトしたんですよ・・・。そりゃあ必死で。」
「比企谷君・・・前に絶対働かないとか言ってなかったっけ?」
「そうですね・・・。自分の信念曲げてまでも・・・会いたかったんですよ・・・。」
「そんな・・・ずるいよ・・・そんなこと言うの・・・。」

そう言って雪ノ下陽乃は、俺に背を向けた。
その後ろ姿から、肩が少し震えているのがわかる
泣いているのかもしれない。
あの日も・・・雪ノ下陽乃は泣いていた。
そして・・・繋ぎ留めることができなかった。
だから今日は・・・今日こそは。

「陽乃さん・・・俺だって・・・忘れようとしたんです。でも・・・忘れられなかったんです。だから俺は・・・ここに来ました。俺だって・・・ずっと・・・。」
「うん・・・でも・・・私は比企谷君とは付き合えないよ・・・」
「えっ・・・なんでですか・・・?」
「だって・・・」

雪ノ下陽乃が一度深呼吸をする。
後ろ姿でもはっきりとわかる。

雪ノ下陽乃が口を開くまでほんの数秒。
それでも・・・とてつもなく長く感じた。

「ううん・・・やっぱりなんでもない。もう・・・終わりにしよ?」
「えっ!?なんすかそれ!?今の言いかけたのは何なんですか!?」
「良いの!気にしないで!」

雪ノ下陽乃は上を向いて無理に笑ってみせている。
後ろ姿だが、無理をして笑っているのは声を聞けばわかる。

「陽乃さん!」

我慢できなくなった俺は雪ノ下陽乃の両肩を掴み、振り返らせた。

「ひ・・・比企谷君・・・今は・・・ダメ・・・見ないで・・・」
「嫌です!俺は・・・陽乃さんのこと・・・忘れたくないです・・・。」
「私だって・・・忘れたくないよ・・・。」
「陽乃さん・・・」
「でも・・・今の比企谷君は雪乃ちゃんの彼氏じゃない・・・。それとも、雪乃ちゃんと別れる覚悟で私に会いに来たの?」
「・・・来るまでは愛想尽かされても仕方ないと思ってました。でもあいつは・・・愛想尽かすどころか・・・今まで以上に・・・。でも・・・俺はただ陽乃さんに会いたいと思ってただけだったので・・・陽乃さんと付き合うとか・・・あんまり考えてなかったです。ただ・・・会って・・・話がしたかったんです。」

何一つとして嘘は言っていない。
俺は純粋に・・・雪ノ下陽乃に会いたかった。
会って、話がしたかった。

「ということは・・・比企谷君の目的はもう果たせたのかな?」
「まぁ・・・そういうことになりますかね・・・。」
「そっか・・・それしても雪乃ちゃん一途だなぁ・・・。」
「ええ。実の姉に彼氏を取られるかもしれないのに・・・。」
「ははっ・・・」
「ふふふ・・・」
数秒の沈黙の後、俺達は少し笑ってしまった。

「じゃあ・・・もう・・・終わりにしよっか?私達。」
「そうですね・・・。まぁ・・・何もかも間違ってたんで・・・最後くらいはしっかり終わらせましょうか・・・。」
「比企谷君・・・。」
「陽乃さん・・・。」

お互いに何も言ってないのに・・・
まるで最初から決まっていた出来事のように・・・
俺達は最後のキスをした。

これで・・・俺と雪ノ下陽乃の間違った関係は終わったのだ。

「じゃあ・・・戻りますか。」
「そうだね。あんまり雪乃ちゃんに心配かけたらダメだよー?」
「まぁ・・・善処します・・・。」

ホテルに戻ると、雪ノ下雪乃は俺達が出ていった時と同じ場所に座っていた。
ひょっとしたら・・・ずっとそのまま動かずにいたのではないのだろうか。

「ただいま・・・。」
「雪乃ちゃんただいまー!」
「あ・・・八幡・・・。姉さん・・・。」

振り返った雪ノ下雪乃の目元は少し腫れている。泣いていたのだろうか。
そんな顔を見せられると、とてもつもない罪悪感に襲われた。

「ゴメンな雪乃・・・。俺は・・・お前のこと捨てたりしないから・・・。」
思わず・・・雪ノ下雪乃のことを抱きしめた。
「・・・ほんと・・・?」
「ああ。本当だよ。」
「そう・・・。なら良いわ・・・。」

その時、雪ノ下雪乃の俺を掴む手の強さが強くなった。
ずっと不安にさせていたのだと、その瞬間に改めて痛感した。

「二人共お熱いようだし・・・お姉ちゃんはそろそろ帰ろうかなー?」
「そうですか・・・。」
「あ、二人共いつ日本に帰るの?見送りに行くよ?」
「明後日の朝9時の便です。」
「そっか。じゃあ明後日また空港でね。バイバーイ!」

そうして、雪ノ下陽乃は去っていった。
やっぱり、イギリスに来て良かった。
ずっとあった胸のモヤモヤが取れた。そんな気がした。

そして迎えた帰国の日。

「じゃあ、気をつけてね、二人共!」
「はい。そういえば・・・留学は予定通り最後までやるんですよね?」
「うん。あ、もしかして私に早く帰ってきて欲しい?ダメだよー?雪乃ちゃんがいるのにそんなこと言っちゃー?」
「八幡・・・?」
「そういう意味で言ったわけじゃないんだが・・・。」
「まぁ、とにかく二人は幸せにね?私が帰ったら別れてるなんて許さないよ?」
「そんなことはありえないから安心して頂戴。」
「さすが雪乃ちゃん!自信たっぷり!」
「じゃあ・・・そろそろ時間なんで・・・俺達行きますね。」
「うん、バイバイ!また日本で!」

俺達が別れの挨拶を済ませ、ゲートに向かって数歩歩いた時だった。

「あ、比企谷君!」

雪ノ下陽乃に呼び止められ、後ろを向いた瞬間にキスされた。

「なっ・・・!?」
「よし、お姉ちゃんこれで満足!じゃーねー!二人共!」

そう言って雪ノ下陽乃は去っていった。

「あの姉さんは・・・まったく・・・。」
「ははは・・・。」

途中からは主導権を完全に握っている・・・そう思っていた。
でも、それは間違っていた。

雪ノ下陽乃と関係を持ったのも。
雪ノ下雪乃と付き合いだしたのも。
必死に働いてまでイギリスに来たのも。

全て雪ノ下陽乃が中心に居たからだ。

最後の最後で、思い知らされたのだ。
やはり、雪ノ下陽乃には勝てそうにない・・・と。


やはり比企谷八幡は雪ノ下陽乃には勝てそうにない。 完

やっと完結しました!
読んでくれてありがとうございます!

スレ経ててから1ヶ月以上経ってるのがびっくりですw

そして来週から2ヶ月間とてつもなく忙しくなるはずなので12月中旬までSS書けないかもしれないです・・・。

本当は、神のみぞ知るセカイとコラボさせて、ある事情で雪枝と組めなくなったハクアのバディに八幡がなって、桂馬みたいに恋愛で駆け魂が入った女性キャラ攻略していくストーリーを書いてみたいなーと思ってたんですけどねw

次回作はいつになるかわからないですし、↑のやつになるともわかりませんが、もし書いた際はよろしくお願いします!

乙!

乙!
じゃあ>>261も書こう!

神のみ期待



そして期待せざるを得ない次回作予定…だと?

 \ 乙 /
    __
   /   /.|
  /   /. |
 /__/./| |__
 |__|/ .| |__| | 
   (゚Д゚,,)| | //
   (/  ヽ) |//
   | ∞ |  /
   \_\/
    U"U ̄

乙。
はるのん……

陽乃&雪乃の姉妹丼ルートかいてー

つまり早見沙織好きってことなのかしら?

>>303
ラブリーマイエンジェルハクアのんがすきなんだろ

>>303

そういうことです!
好きなキャラのCVはほとんど早見沙織さんですねw

>>305
同志よ!!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年09月06日 (金) 03:08:51   ID: 8OKK6bnB

陽乃マジ可愛い
期待してるから頑張って

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