衣(咲と遊ぼうと思ったら、すでにののかと出かけてしまった後だった)
衣(せっかく友達と遊べると思ったのに……)
衣(しかし、ここで尻尾を巻いて帰ってしまっては、『友達と遊んでくる』という名目で出かけた衣のメンツが……)
衣(どうしたものだろうか……)
華菜「で、どこに行くのか決まってるの? みはるん」
未春「一応ね、でもただブラブラするっていう方が近いかも」
衣(あれは風越の……あそこも二人で遊びに行くのか?)
衣(……友達、か)
華菜「ん? あれは……」
未春「天江さん? 確か龍門渕の人たちは別のホテルに泊まってたはずだよね」
華菜「誰かに会いに来たのかもしれないし、あ、目が合った」
未春「ちょっと声かけてみようか」
華菜「おーい、こんなところで何してるんだ?」
衣「……べ、別に、ただ散歩しに来ただけで他意はない」
未春「もしかして誰かに会いに来たの?」
衣「う……」
華菜「ってことは清澄の……宮永か原村?」
衣「ま、まぁそんなところだ」
未春「でもあの二人、ちょっと前に出かけていったよね」
華菜「なんだ、約束してなかったのか」
衣「うるさい! お前たちには関係ないだろう!」
未春「う、いや、ごめんね? 悪気はなかったんだけど……」
華菜「…………」
衣「もういい! 用はないから帰る!」
華菜「なぁ、もし暇なら一緒に遊びに行かないか?」
未春「え?」
衣「……」ピタ
華菜「これからみはるんと二人で東京見物に出かける予定だったんだし! やることないなら一緒に行こう!」
衣(どういうことだ……衣とこいつらが一緒に東京見物? これではまるで……)
華菜「……もしかして嫌だった?」
衣「いや、そうではないのだが……」
未春「あ、何か予定があったとか?」
衣「そうではなくて……その、まるで…………友達のように接してくれるんだな」
華菜「…………ん?」
衣「え?」
華菜「いや、天江とはもう友達のつもりでいたんだけど……」
衣「…………えぇ!?」
華菜「県大会の決勝戦で言ってた『また一緒に打ってくれるのか?』って、友達になろうってことだと思ってたんだけど」
衣「……あ」
華菜「違ったの?」
衣「……よく、わからない」
華菜「そっか、じゃあ今から友達になるし!」
衣「衣と、お前が?」
華菜「もちろんみはるんもだけど」
あ
未春「え、うん、そうだね」
衣「友達……」
華菜「よろしくだし!」
衣「よ、よろしく頼む……」
華菜「じゃあ早速行こう! 日が昇ってしまうと暑くて溶けてしまうし!」
衣(友達……ののかや咲以外にも……)
衣(今までずっと一人だと思っていた……けど、衣が変われば、もっとずっと前からこうなれたのかもしれない)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
優希「おぉ、イケダじゃないか!」
華菜「また随分とめんどくさそうなのと会ってしまったし……」
未春「片岡さんは一人?」
優希「おう、実は今、東京タコス食べ歩きツアーをやっているところなのだ!」
華菜「一人でツアーかよ」
衣「タコス?」
優希「なんだ? タコスを知らないのか?」
華菜「アレって辛いんだろ? じゃあ天江はやめておいたほうがいいと思うし」
未春「あんまり辛いの得意そうじゃないもんね」
優希「甘い! サッカリン並に甘すぎるじぇ!」
華菜「は?」
優希「タコスをただ単に辛いだけの食べ物だと思っているなら、諸君らが浅学であると言わざるを得ない!」
未春「別にそこまで言ってないんだけど……」
優希「仕方がない、メヒコ道ど素人の貴様らに、タコスの奥ぶかさというものを教えてやるじぇ!」
華菜「不安すぎるし……」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
衣「美味だ……」モギュモギュ
未春「これは……確かに美味しいね」
華菜「やるじゃないかタコス娘」
ヤンデレか?
ほ
優希「今までの人生がどれだけ淋しいものだったのかわかったようだな、ふふ、啓蒙槓料だじぇ」
華菜「すぐに調子に乗るし」
未春「あはは、華菜ちゃんもけっこうこんなかんじだよね」
優希「それじゃあ私も頂くとするか」
衣「……」ジー
華菜「早っ!? もう食べ終わったのか?」
衣「うむ……」
華菜「……ほら、半分分けてやるし」
衣「いいのか?」
華菜「気にすんなし、ほら遠慮せず食え」
未春(華菜ちゃんは妹さんたちで慣れてるからなぁ)モギュモギュ
衣「……ありがとう、その……池田?」
華菜「……うーん、なんか違うし」
衣「え?」
華菜「よし、私も“衣”って呼ぶから、そっちも私のことは“華菜”って呼ぶし!」
衣「そんな……別に池田でもいいではないか」
華菜「それだとなんだか友達って感じがしないし! 衣だって龍門渕の仲間たちは名前で読んでるはずだし」
衣(い、いま衣って……なんだかムズ痒いような……)
優希「なら私も今度から華「却下だし」
優希「なにおー!?」
池田「お前は友達じゃない上に、そもそも後輩だし!」
衣(華菜……華菜か……)
衣「か、華菜がそれでいいなら……」
華菜「お」
優希「ふむ」
未春「……ふふ」ニコニコ
衣「な、なんだ貴様ら!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
華菜「え? 本当にこの曲知らない?」
衣「うん、聞いたことがない」
華菜「世界は広いし……」
未春「……」スースー
衣(完全に寝ている……華菜に寄りかかってるし)
衣「その……重くないのか?」
華菜「ん? みはるんのこと?」
衣「うん」
華菜「まぁ全然重くないわけじゃないけど、これくらい平気だし」
衣「……」
華菜「衣もする?」
衣「え?」
するするー
華菜「膝なら空いてるし、ここを枕にして寝てもいいし」
衣「えっと……でも……」
華菜「全く、試合中はあんな態度だったのに、変なところで遠慮するし」グイ
衣「わっ」ボスン
衣(……暖かい……こんなふうに人肌に触れるのはどれくらいぶりだろうか……)
華菜「寝ちゃってもいいし」
衣「いや、しばらくこのままで……」
華菜「わかったし」
衣(あ、でも……このままでは寝てしまいそうだ……)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
衣「……」ボー
透華「衣の様子がおかしいですの……」
\4
純「変なもんでも食ってきたんじゃねえのか」
一「純くんじゃないんだから……」
純「失敬な、俺は腹を壊したことなんて一度もないぞ」
一「そっちなの?」
智紀「……」
透華「智紀は何か知っていまして?」
智紀「いや、でもあれは……」
純「なんだよ?」
智紀「……ううん、なんでもない」
一「? 変なの」
衣(友達……友達と遊ぶということは、あんなにも楽しいものなのだな)
衣(また一緒に遊びたい……華菜と……)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
華菜「いやー、それにしても清澄が優勝して良かったし」ピコピコ
衣「咲もチャンピオンと仲直りできたようだしな」ピコピコ
華菜「あ、倒したから剥いでいいし」ピコピコ
衣「んー、また同じのが出たぞ?」
華菜「また!? どれだけ貴重素材はぎ取れば気が済むんだし!」
ハギヨシ「失礼します、お茶をお持ちしました」
華菜「あ、いつもありがとうございます」
ハギヨシ「いえ、わざわざここまで足を運んでいただいていますから……」
華菜「って言っても、車で迎えに来てもらってるだけで……」
衣「こっちが好きでやっているのだ、気にしなくてもいいぞ」
華菜「はぁ」
衣「華菜、ゲームは一旦やめてケーキを食べよう!」
華菜「ちょっと待つし! セーブしてから……」ピコピコ
ころたんイェーイ
池田はキャップあきらめよう
池みははまだですか(白目
衣「むぅ……」
華菜「よし、終わった。おぉ、今日はフルーツタルト!」
衣「華菜~」
華菜「わかったわかった、ほら、あーん」
衣「はむっ」
華菜「全く、手のかかる妹だし」
衣「む、衣の方が誕生日は早いんだぞ! お姉さんなんだぞ!」
華菜「はいはい、わかったし」ナデナデ
衣「む……えへへ……」
華菜(チョロいし……本当に高校生なのか心配になるレベルだし)
衣「華菜……明日は休みだろう? 今日は泊まっていけないのか?」
華菜「うーん、妹たちをまたせてるからなぁ……」
衣「そうか……無理ならいいんだ、済まない」
華菜「また今度余裕があるときにお呼ばれするし!」
衣「そうだな、そうしよう!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
衣(華菜が帰ってしまった……)
衣(透華たちと一緒にいるときとは違う……なんなのだこの気持ちは……)
透華「衣? 夕食の時間でしてよ」
衣「透華……透華は友人と会えなくなると、胸が苦しくなったりする?」
透華「胸が……? それはあまり……」
衣「そうなのか……では、これは……」
透華「池田さんのことですの?」
衣「……うん」
透華「そうですわね……私は一番仲のいい友人とはいつも一緒にいますから、そういったことが無かっただけなのかもしれませんわね」
衣「そうなのか?」
透華「ええ、ですから、その気持ちは普通の気持ちだと思いますわ。私だってみんなとあまり会えなくなったら、胸が苦しくなると思いますし」
衣「そうか……ならもっと華菜と一緒にいれば、この気持ちは収まるんだな」
透華「まぁそういうことになりますが……池田さんには池田さんの都合がありますし、あまり困らせてしまってはいけませんわよ?」
\4
池田ァ!
衣「……わかった」
透華「さ、お食事にしましょう」
衣(そうか、衣は今までみんなと一緒だったから……)
衣(華菜とも、いつも一緒にいられればいいのにな……)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
華菜『ごめん、その日は無理なんだし……』
衣「じゃ、じゃあその次の日は?」
華菜『っていうか、その日からしばらく部活の合宿で……』
衣「そんな……最近全然遊べてないのに……」
華菜『夏休み明けに部長に抜擢されてから忙しくて……本当にごめん……』
衣「つ、次はいつ遊べるんだ?」
華菜『……まだわからないし』
衣「……わかった、また連絡する」
華菜『ごめんな……』
④
支援支援
支援なのよー
ピッ
衣「はぁ……」ボフン
衣(衣はこんなに華菜に会いたいのに……華菜は平気なのか?)
衣(このままいつまでたっても会えないんじゃ……そんなのは嫌だ……)
衣「そうだ!」ガバッ
衣(華菜が来れないのなら、衣が華菜に会いに行けばいいのだ!)
衣(そうと決まれば早速ハギヨシに……)トテテ
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
衣「……」ヒョコ
衣(ここからなら風越の部室の中が見える……華菜の様子も見ることができる!)
衣(華菜が出てくるところを待ち伏せして、驚かせてやろう!)
衣(あ、部室に入ってきた!)
衣「……」
衣「…………」
衣(華菜……楽しそうだ)
衣(華菜は……衣がいなくても平気なのだろうか……)
衣(衣と華菜は、友達ではなかったのか?)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
華菜(ふぅ、今日も疲れたし……)
衣「華菜……」
華菜「……えっ? 衣?」
衣「華菜は衣の友達ではなかったのか……?」
華菜「何をいきなり……友達に決まってるし……っていうかなんでここに」
衣「では、なんで華菜は楽しそうなのだ?」
華菜「え? いや、ちょっと意味が……」
衣こわかわいい
ころたんイェーイ
衣「華菜は衣と会えなくても大丈夫なのか?」
華菜「ちょ、ちょっと落ち着くし!」
衣「衣は……華菜と会えないと……」
華菜「……わかった、今度からは頑張って時間をつくるようにするし」
華菜「それと、会えない時でも電話をするようにするから、それで我慢して欲しいし」
衣「……本当か?」
華菜「華菜ちゃんに二言はないし!」
衣「……わかった、じゃあまた今度」
華菜「途中まで送っていくし! って言ってもハギヨシさんが来てるんだろうけど」
衣「ううん、車まででもいいから、一緒に行こう!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
~1ヶ月後~
プルル プルル
華菜「やばいし……この電話は明らかに昨日の夜の抗議電話だし……」
ピ
華菜「も、もしもし」
衣『華菜? 華菜なのか? なんで昨日は電話に出てくれなかったんだ? 衣は何度も電話したんだぞ? どこで誰と何をしていたんだ?
衣と電話で話をしてくれるんじゃなかったのか? 華菜、華菜は衣のことが嫌いになったのか?』
華菜(うーん、まさかここまで依存されることになるとは……)
華菜「昨日はちょっと部活が忙しくて……」
衣『また部活なのか……華菜、やっぱり龍門渕に来たほうがいい、費用のことなら心配しなくてもいいから』
華菜「いや、そういうわけにも……」
衣『華菜は……華菜はやっぱり衣のことが……』
華菜「だから、そうじゃないって……」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
華菜(疲れたし……明日会う約束をしてなんとか納得してもらったけど……)
華菜(でも明日はみはるんたちと買い出しに行く予定があるんだよなぁ……早めに切り上げるしかないかぁ)
ヤンデレなころたんイェ~イ
華菜(衣も、今まで友達がいなかったっていうところも見ると、やっぱり今も似たような感じなのかな……)
華菜(頑張ろう……)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
華菜(結局みはるん達に半ば押し付ける形になってしまったし……今度埋め合わせをしないと)
衣「華菜ー!」トテテ
華菜「衣」
衣「華菜っ! 待ちわびたぞっ!」ギュ
華菜「お、っと……」
華菜(うーん、こういう可愛いいところを見せられると、文句も言えなくなってしまうんだよなぁ……)
衣「……」スンスン
華菜「どうしたし?」
衣「……の、臭い」
このままでは池田がころたん邸の飼い猫になってしまう
コーチに来てもらおう(提案)
みはるんと一緒にレッツ調教か
華菜「へ?」
衣「……なんでもない、早く行こう?」グイッ
華菜「あ、ちょ……」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
華菜「今日は衣の部屋じゃないんだ」
衣「新しく買ったのだ」
華菜(マンションをそんなに簡単に買えちゃう女子高生って……)
衣「華菜と一緒に住むためにな」
華菜「…………ん?」
衣「聞こえなかったか? 今日から華菜は、ここで衣と一緒に暮らすんだ」
華菜「……ちょ、ちょっと待ってほしいし……話が全く見えないし」
衣「衣はもう、華菜と一緒にいないとダメなのだ……だからここで一緒に暮らそう!」
華菜(落ち着け……きっとこれは冗談……ではなさそうだし。そもそも衣はこういう冗談を言うような人間じゃない)
華菜(本当にここで一緒に暮らすつもりなのか? だとしたらこの状況はマズイ気がするし……)
華菜「こ、衣……とりあえず今日はこのへんで……」
衣「華菜、華菜はきっと風越の連中がいるせいで、衣と友達だということを忘れてしまっているんだ、だから衣と会えなくても平気になってしまったんだ」
華菜「は、はい?」
衣「だから、衣とちゃんとした友達になるために、華菜にはここにいてもらわなければいけない」
華菜「何を……!?」バチッ
華菜「な……こ、ろ……」
バタン
衣「…………」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ピチャピチャ
華菜「ん……ぐっ……」
華菜(ここ……は?)
衣「おはよう、華菜」
池田にはレイプ目がよく似合う
華菜「……これは一体どういう状況だし? なんで縛られて……っていうか衣は今何を……」
衣「智紀から教えてもらったんだ、仲のいい者同士はこういうことをするって」
華菜「と、友達同士じゃ普通やらないし……」
衣「華菜を気持ちよくしてあげて、もっともっと華菜と仲良くなるんだ」クリッ
華菜「んあっ!」ビク
衣「華菜……もっと衣と仲良くなろう? そうすれば華菜も衣とずっと一緒にいたくなる……」ペロ
華菜「んっ! お、お願いだし……今度からもっと衣のために時間をつくるから……許して……帰してほしいし」
衣「ここにいれば、わざわざ時間をつくる必要もない……ずっとここにいよう、華菜……」クチュ
華菜「ひっ、そ、そこはダメだしっ!」
衣「これからはずっと一緒……考えただけであったかくなってくる……」ハァハァ
華菜「あっ! ひっ!」ビクビク
衣「華菜……大好きだぞ、華菜……」
終わり
おつよー
乙
乙乙
ヤンデレ衣もイイネ
乙乙
いつもちょいエロ書いてる人でしょ
たまにはエロなしいちゃいちゃも見たいです
乙でー
おつかれちん
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